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同伴者が購買者の購買意思決定に与える影響

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同伴者が購買者の購買意思決定に与える影響
関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
同伴者が購買者の購買意思決定に与える影響
①―――はじめに
②―――序論
1.問題意識の設定
(1)現状分析1 社会的観点
(2)現状分析2 学術的観点
(3)問題意識の設定
2.定義
(1)同伴者の定義
(2)財の定義
(3)ターゲットの設定
③―――本論
1.先行研究レビュー
(1)コトラーの五段階購買プロセスモデル
(2)店舗内購買行動の概念モデル
(3)マックス・ウェーバーの行為の四分類
2.仮説の提唱
3.消費者分析
(1)アンケート概要
(2)アンケート分析(一人購買と同伴者)
(3)アンケート分析(同伴者別)
(4)アンケート考察
(5)その他アンケート分析
4.提案
(1)提案概要
(2)提案
④―――結論
⑤―――今後の展望
⑥―――おわりに
参考文献
補録
田尾剛寛
成田浩視
童子浩平
馬渕咲
立教大学有馬ゼミ田尾班
せて)が 59%と、同伴者と共に買い物に行く人が過
半数を超えるという結果になっている。
■図表―――1
青年期における洋服購入時の同伴者
(出典:藤岡秀樹・及川章子[1989]『青年文化の研究(1)』
岩手大学教育学部研究年報第 49 巻第 1 号)
続いて、それぞれの買い物の場合によっての、
買い物のプロセスについて思い出してほしい。同
伴者の関係性の違いによって購買行動のプロセス
に違いがでるのではないだろうか。もう尐し具体
的に言うのであれば、一人で買い物をする場合と
同伴者を連れて買い物をする場合とでは、購買の
目的や購買にかける時間、実際に購買する確率な
ど、購買者の購買プロセスに違いがでるのではな
いだろうか。
私たちはそのような違いに着目して、同伴者は
購買者の購買意思決定に一体どのような影響を与
えるのか、という問いを解明することを本研究の
目的とする。そして、研究の成果から、研究対象
市場の消費を促進させ得るマーケティング提案に
繋げ、日本の消費を活性化させることを研究の最
終目的とする。
①―――はじめに
②―――序論
唐突だが、あなた自身が最近買い物に行った時
のことを思い出してほしい。一人で買い物に行っ
ただろうか。それとも、誰かを連れて買い物に行
っただろうか。買い物は一人で行く時、あるいは、
誰かと一緒に行く時、複数人のグループで行く時、
と様々であろう。
実際、尐々古いデータではあるが、青年期にお
ける洋服購買時の同伴者の内訳 (藤岡秀樹・及川章
子[1989])によると(図表1)、
一人で行く人が 37.3%、
友人と一緒に行く人が 26.9%、親と一緒に行く人
が 27.9%、恋人と一緒に行く人が 3.9%、人に任
せて自分で買わない人が 4.0%、という結果がある。
つまり、洋服の購買の際に一人で行く人が 37%に
対して、同伴者と共に行く人(友人・親・恋人を合わ
1.問題意識の設定
本節では、
「同伴者の影響」に焦点を当てた動機
を述べ、それに伴う問題意識の設定を行う。
(1)現状分析1 社会的観点
近年、各紙誌は枕詞のように記事の最初に「景
気が非常にゆるやかながらも回復基調にある」と
謳っている。実際に、帝国データバンクが発表し
た 2010 年 6 月期の景気動向調査の結果によると、
6 月の景気動向指数数は前月比 0.6 ポイント増の
32.3 と、6 ヵ月連続で改善している。リーマンシ
ョック後の世界的金融危機により、過去最低を記
1
関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
■図表―――2
日本の景気動向指数の推移
(出典:マイコミジャーナル「国内景気、回復基調を維持するも減速傾向に―帝国データバンク調査」)
録した 2009 年 2 月期の 18.6 ポイントを境に、国
内景気は回復の一途を辿っている(図表2)。
しかし、一生活者として、モノがよく売れ、消
費が活気づいてきたという実感はまだほとんどな
い(図表3)。何故、モノが売れないのか。むしろ、
生活者の視点に立てば、
「なぜものを買う気が起き
ないのか」と疑問に思う。その原因は一体何であ
ろうか。
一番の原因は「現在、私たちの周りには、あま
りに様々な商品があふれている。
」ということであ
ろう。昨今よく議論されることではあるが、何か
を買おうと思い立ったときに、私たちは選択肢の
あまりの多さに直面する。例えば、携帯電話を買
う場合に、検討し得る選択の幅、機種の多さを考
えてみてほしい。固定電話機を選ぶ際の選択肢と
比較すれば、その違いは明らかである。スーパー
マーケットの扱う商品アイテム数も急激に増加し
ている。それに加え、パソコンなどの IT 機器、洗
濯機や冷蔵庫等の家電品から車、そして株や債
権・投資ファンド等金融商品にいたるまで、それ
ぞれの商品カテゴリーにおける選択の幅は 10 年前
に比べるととてつもなく拡がっている。
又、現代は Web 環境が整い、20 年前は企業がデ
ータ管理に使用していたスーパーコンピュータも
家庭に一台、いや、一人一台の時代に入り、パー
ソナルコンピューターと呼ばれて久しくなってき
た。そんな中、私たちが手に入れたのは膨大な数
の情報と、真偽の不確かな情報ばかりである。一
方的に自分に向けて発信される情報が、数十年前
に比べて数も規模も圧倒的に増えてしまったので
ある。それがまた、私たちの選択の幅を飛躍的に
拡大させていると言える。
かつて、未来学者アルビン・トフラーは「皮肉
なことに、将来、人は選択肢がないことではなく、
選択肢が過剰であることに苦しむことになるだろ
う」と予見したが、消費生活で依然としてアメリ
カを追随している日本でも、この「選択肢過剰」
はついに現実のものとなってきている。
その結果、生活者はあまりにも多い選択肢を前
にして、判断基準を失い、最終的に何を購入した
らいいのか途方に暮れている。消費行動を前にし
てストレスを抱えてしまい、結果として消費意欲
を失ってしまうという事態が起きている。
このことが原因となって、私たち消費者の購買
行動は変化してきた。具体的に言うと、
「自分自身
で購買意思決定ができない消費者」が増えてきた
のである。そのため、消費者は自身で信頼できる
情報を取捨選択する際の方法として、「他者の評
価」を重視するようになってきたのである。NRI が
無作為に抽出した消費者一万人に行ったアンケー
ト調査によると、「使っている人の評価が気にな
る」という回答結果は、2002 年の 13.6%に対して
2006 年は 20.9%にまで上昇した(図表4)。
つまり、
他の人はどう考えているのか、自分が欲しいと思
った商品を使ったことのある人はどのような満足
があり、不満があるのか、それらを重視するよう
になってきたと捉えることができる。
そのことが如実に表れているのが、ランキング
症候群や口コミサイト、ならびにブログを参考に
して購買するという購買行動である。ランキング
症候群とは、一言でいうと、その名の通り自分で
情報を処理することができないが故に「ランキン
グ」を重視して商品選択を行う購買行動である。
具体的に言うと、例えば、化粧品を求める消費者
が売れ筋ランキングから一位の商品を選択し、購
買することなどがある。
以上の現状分析から、商品の選択肢の多さから
消費者の消費意欲は減退傾向にあったが、そのス
トレスを解消するための手段として、「他者の存
在」を購買の選択基準に置く購買行動が近年目立
っている、ということが分かる。
2
関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
■図表―――3
現在の景気についてのアンケート(n=986)
(出典:(株)第三銀行[2009]「景気見通しと消費行動に
関するアンケート調査」)
■図表―――4
重要視している消費価値観(複数回答、単位%)
(出典:野村総合研究所「生活者 1 万人アンケート」)
(2)現状分析 学術的観点
ここでは、前項で述べた「他者」が購買者の購
買意思決定に与える影響を、学術的な観点から絞
り込み、私たちの問題意識の設定に繋げる。絞り
込みの際の条件としては、先行研究がないこと、
マーケティングとして実用化されていないことの
二点である。
他者が購買者の購買意思決定に影響を与え得る
場合には、購買者と間接的に関わるのか、直接的
に関わるのかで分類できる。その結果、間接的に
他者が購買者に関わる場合はソーシャルメディア
を通してであり、直接的に関わる場合は購買者の
身近な人間、つまりは準拠集団を通してであると
言える(図表5)。
まず、ソーシャルメディアが個人の意思決定に
与える影響に関して、先に挙げた二つの条件と照
らし合わせて見ていく。一つ目の条件である先行
研究の有無に関しては、既に多くの研究が為され
ていると言えるであろう。直近の研究で言えば、
米国 IT サイトの CNET で紹介され多くの反響を呼
んだ「マルチメディア 2.0」がある。当論文におい
ては、ソーシャルメディアのマーケティングへの
影響力を大いに示唆していると同時に、それらの
活用を推奨している。実際に、米国広報代理店で
ある Burson-Marsteller 社が 2010 年に発表したソ
ーシャルメディアの活用状況に関する調査による
と、国際的企業 100 社の内、Twitter は 65 社、Face
book ファンページは 54 社、YouTube チャンネルは
50 社、企業ブログを持っているのは 33 社という結
果となった。これらから、マーケティングとして
既に実用化されていることは明らかであり、二つ
目の条件にもそぐわないと判断する。
次に、準拠集団が個人の意思決定に与える影響
に関して、先に挙げた二つの条件と照らし合わせ
て見ていく。第一の条件である先行研究の有無に
関しては、既に多くの研究が為されており、その
代表と言えるのが集団の意思決定に関する研究で
ある。集団の意思決定の場合は、共同で利用する
ことや結果の利害が関係者すべてに及ぶことが前
提となっており、研究では特に決定に至るまでの
譲渡や説得といったプロセスに焦点が当てられて
いる。それに加えて、規範的な要因や情報的要因
など準拠集団が持つ役割のほか、それらが消費者
の選好や態度、購買行動にどのような影響を及ぼ
すのかについての研究も多く為されている。
しかし、これらは購買時点においての研究では
なく、買物に同伴する同伴者という存在が無視さ
れていることが分かる。また、同伴者は商品の使
用者とは必ずしも同一ではないので、集団の意思
決定研究が前提とする、関係者すべてへの利害も
必要ではない。ここから、商品の使用に関わらな
い同伴者が、購買時点において購買者の購買意思
決定に与える影響に関しては、先行研究が為され
ていないと判断できる。
購買時における同伴者に関して続けて見ていく。
第二の条件であるマーケティングとして実用化さ
れているのかであるが、先行研究が無いのであれ
ば実用化もされていないことは明らかである。実
際に、多くの小売業が利用している POS システム
においては、購買者の属性として性別や年齢を入
力できるようになってはいるが、購買者が誰と一
緒に買物に来ているのかということに関しては、
特に重要視されてはいない(以上、図表5)。
■図表―――5
「他者」が与える影響の分類
購買者との関わり方
先行研究
間接的
:ソーシャルメディア
直接的
:準拠集団
あり
実用化
あり
あり
※「購買時点における、商
品の使用に関与しない同
伴者」についてはなし
3
関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
(3)問題意識設定
ここでは、本研究における問題意識の設定を行
う。
第一項においては、社会的な観点から、購買者
の購買には他者が大きく関わっていることが明ら
かになった。
第二項においては、学術的な観点から絞り込み、
他者の中でも、購買時点における商品の使用に関
わらない同伴者の影響は先行研究が為されておら
ず、マーケティングとしても実用化が為されてい
ないことが明らかになった。
以上のことから、私たちは本研究の問題意識と
して「購買時点において、同伴者は購買者の購買
意思決定にどのような影響を与えるのか」と設定
する。
同伴者がもたらす影響は先行研究が尐ないこと
に加えて、それらを明らかにすることで購買者の
消費を活性化させ得る提案に繋げることができる
と考え、私たちの研究は大いに意義のあるものだ
と考える。
3.定義
本節では、研究を行っていく上で対象となる「同
伴者」
、
「財」
、そして「研究対象ターゲット」の定
義を行う。以下で定義する事柄については、本論
また結論における前提条件とする。
(1)同伴者の定義
ここでは、本研究を行っていく上でのキーワー
ドとなる「同伴者」の定義を行う。同伴者の定義
を行う上で一つの切り口として考えられるのが、
同伴者が当該商品への使用に関与するかどうかで
ある。
具体的に、自動車の購買に関わる場合と、衣服
の購買に関わる場合を想定してほしい。自動車を
購買する際の同伴者としては恋人、家族などが想
定できる。ここでの恋人、家族は、購買者が自動
車の購買後に、その自動車に共に乗車する、又は
借りるなどして当該商品の使用者としても関与す
る可能性が高い。よって、同伴者の意見は多尐な
りとも尊重されるのは当然であろう。一方、衣服
を購買する際の同伴者はどうであろうか。衣服は
あくまで個人使用の商品であるため、同伴者がそ
の衣服の使用に関与するとは考えづらい。よって、
同伴者の意見がどの程度尊重されるかどうかも未
だ明らかにはされていない。私たちが本研究で明
らかにしたい同伴者の影響とは、当該商品への使
用には関与しない同伴者の影響なのである。
以上のことから、私たちは本研究における同伴
者を、
「商品の使用には関与しない同伴者」と定義
付けることとする(表6)。
■表―――6
「同伴者」の定義
同伴者の定義
使用
購買者
商
品
同伴者
使用には
関与しない
(2)財の定義
ここでは、本研究を行っていく上で対象とする
財の定義を行う。対象とする財の条件は、耐久財
であること、同伴者の定義に則していること、本
年度の関東十ゼミ討論会のテーマである「未来に
向けた日本活性化」に繋がることの以上三点であ
る。この条件より、私たちは研究対象を「衣服」
と設定した。
第一の条件であるが、本研究では耐久財に関し
て「何度でも使用でき、使用期間も長い有形の製
品。例えば、自動車、家電製品、コンピュータ、
衣料品など。
」という、グロービスの MBA 経営辞書
の定義を使用する。衣服は何度でも使用できるこ
とはもちろんのこと、使用期間も非耐久財と比べ
れば使用期間も比較的長いであろう。又、具体例
として衣料品も挙げられていることから、
「衣服」
を採用することとした。
第二の条件であるが、同伴者の定義より、同伴
者が商品の使用には関与しない財でなければなら
ない。自動車や家電製品といった耐久財は、家族
と共同で使用する可能性が高い財であることから
本研究にはそぐわない。しかし、衣服に関しては
購買者の個人使用が主な目的であるため、本研究
における同伴者の定義とも合致する。
最後に第三の条件であるが、耐久財の中でも買
回り品の特性を持つ衣服は、十分な比較検討のプ
ロセスを経て購買に至ると考えられている。その
比較検討段階において同伴者が正の影響を及ぼす
ことを明らかにすることができれば、衣服の購買
を更に促進し得る提案に繋げられると考えられる。
又、衣服と同様に買回り品の特性を持つ耐久財全
般にも研究の成果が応用できると考えられること
から、日本の未来活性化に十分に繋がると判断す
る。
(3)ターゲットの設定
ここでは、本研究を行っていく上で対象とする
ターゲットの設定を行う。
4
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立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
私たちは本研究におけるターゲットを「大学生」
と設定する。その理由としては、次章以降に詳述
するが、私たちは同伴者と購買者の関係性別に、
購買意思決定への影響の違いを分析したいため、
それぞれの関係性(親、友達、恋人)を持った同伴
者と共に購買に行く可能性が一番高いと考えられ
る「大学生」をターゲットとして設定した。そう
考えた根拠としては、第一章で前述した図表 1 の
結果に基づいて考えた。
尚、次章で触れるアンケート調査については、
ここで設定したように、大学生を対象に行ったア
ンケートである。
③―――本論
1.先行研究レビュー
本章では、問題意識の答えとなる仮説を設定す
るために、私たちが参考にした先行研究について
述べていく。
私たちの本研究における問題意識は、
「購買時に
おいて、同伴者は購買者の購買意識決定にどのよ
うな影響を与えるのか」である。ここから、同伴
者の影響を考えるよりもまず先に、問題意識の後
半部分にある「購買者の購買意思決定」の基本的
プロセスを理解する必要がある。
(1)コトラーの五段階購買プロセスモデル
そこでまず参考にしたものは、フィリップ・コ
トラーの五段階購買プロセスモデルである (図表
7)。五段階購買プロセスモデルとは、フィリップ・
コトラーが『マーケティング・マネジメント』と
いう著作の中で述べているモデルであり、消費者
が商品の購入を決定するまでには、五つの購買プ
ロセスを経るというモデルである。具体的には、
ⅰ)問題の認識、ⅱ)情報の探索、ⅲ)代替製品
の評価、ⅳ)購買決定、ⅴ)購買後の行動という
五段階のことを指す。
■表―――7
五段階購買プロセスモデル
具体的な各プロセスは以下の通りである。
ⅰ)問題の認識
消費者が、ある刺激により商品に対するニーズを
感じた段階。例えば、友人の新車を見て自分も欲
しくなるなどの段階。
ⅱ)情報の検索
ニーズ発生後に、それに関してより詳しく知るた
めに情報集めをする段階。しかし、ニーズを満た
すものがすぐに購入できる場合には、これを行わ
ない場合も有る。
ⅲ)代替製品の評価
入手した情報について比較検討を行い、代替商品
の検討を加える段階。
ⅳ)購買決定
評価段階を経て、特定商品の購入を決定する段階。
なお購買決定時には、購買者の意志に関わらず他
者の態度や事故といった、購買阻害要因の影響を
受ける場合がある。
ⅴ)購買後の行動
消費者は、商品購入後に満足か不満足を経験する。
そして満足した場合には次回も同じ商品を購買し
たり、知人に使用結果を伝えたりといった行動に
表れ、不満の場合には商品の返品、商品価値を高
めるための情報収集などの行動を取る。
以上から、購買者は上記のプロセスを経て商品
の購買に至ることが分かる。しかし、このモデル
には私たちの研究にそぐわない点が二点ある。
一点目は、第二段階の情報探索段階である。私
たちの研究においては「購買時点における」とい
う問題意識の設定が為されてあるように、購買前
の情報探索の有無や程度の差による違いには焦点
を当ててはいない。
二点目は、第三段階の代替品の評価段階である。
代替品の評価という括りでは抽象的であり、購買
者が代替品を評価する際の基準ないし軸を明確に
する必要がある。そうしないことには、同伴者の
購買意思決定に与える影響を明確に示すことがで
きないので、より詳細な研究が必要とされる。
(2)店舗内購買行動の概念モデル
前段落で述べたことを踏まえて、次に私たちが
注目した研究が「店舗内購買行動の概念モデル(青
木)」である(図表8)。このモデルは、店舗内購買
行動に関連する諸要因を識別し、それらの要因間
の関連性を把握するための枠組みである。以下で
述べるように、購買意図形成過程と店舗内意思決
定過程という二つの部分より構成されているのが
特徴である。
モデルの第一の構成物である購買意図形成過程
(図中の左側の枠内)は、特定店舗への消費者の買物
出向を前提とした上での購買意図形成過程であり、
店舗外の様々な要因の影響を受けながら当該店舗
への購入予定商品の集合が形成されていくプロセ
スを表している。
5
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立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
購買意図の形成に影響を与える主な要因として
は、買物問題、家計/消費者属性、当該店舗に対す
るストア・イメージ、家庭内状況要因、店舗外情
報といった要因が考えられる。
以下、具体的に各要因についての説明をしてい
く。
買物問題は購買意図の形成に影響を与える要因
の中で最も重要な要因である。ここで言う買物問
題とは、当該買物出向での商品購入によって消費
者が解決しようとしている問題のことであり、通
常、買物行動は買物問題の認識を契機として開始
され商品購入による問題の解決をもって終了する。
例えば、食料品の購入を目的とした買物出向の場
合には、まず最初に食事の支度とそのための材料
の調達の必要性が認識され、それを受けて商品の
購入が予定されるというように、買物問題は購買
意図形成の前提になる。尚、買物問題にも様々な
レベルがあり、それに対応して購買意図の詳細さ
もおのずから異なったものとなる。
購入予定商品集合の大きさと内容は、消費者及
び家計の属性によっても当然のこととして影響を
受ける。すなわち、世帯人数や家族構成、所得と
いった人口統計学的・社会経済的要因やライフ・
スタイル、パーソナリティーといった要因の他、
買物出向頻度や訪問店舗数などの買物行動のスタ
イルも購入予定商品の形成過程において重要な役
割を果たすのである。
当該店舗に対するストア・イメージは、直接的
にその店舗選択に影響を及ぼすだけでなく、間接
的に購買意図の形成過程においても影響を及ぼす。
消費者ないし家計の側における上記三要因以外
の状況要因も購買意図形成過程に影響を及ぼす。
中でも、家庭内状況要因として、家庭内における
商品のストック状況などは、購入予定商品集合の
品目数や数量の調整に関する重要な状況要因であ
る。
以上の要因の他、チラシ広告、マスコミ広告、
口コミ等の店舗外情報も又購入予定商品集合が形
成される過程で影響を及ぼす要因である。
定過程(図中の右側の枠内)は、何らかの購買意図を
持って来店した消費者が店舗内で行う意思決定、
情報処理のプロセスである。
このような消費者の店舗内購買意思決定過程に
影響を与える状況要因としては、図示されている
ように買物状況要因と店舗内状況要因という二つ
の要因群が考えられ、これらの要因およびその相
互作用が購入予定商品の購買意思決定に対して促
進的ないし阻害的に作用しつつ結果として購入商
品集合が形成されることとなる。
以下、具体的に各要因について説明していく。
ここでいう買物状況要因とは、当該買物出向の
特徴を表す尐尉日者側の要因であり、経済的要因
(所持金・買物予算)、時間的要因(買物許容時間)、
物理的要因(来店手段等によって規定される運搬可能
量)、人的要因(同伴者の影響)、生理的要因(疲労度・
空腹度)等の要因を含んでいる。
これに対して店舗内状況要因は、小売業者が直
接的に操作することが可能な店舗内の状況要因で
あり、商品要因(品質・品切れ)、レイアウト要因(商
品配置・ディスプレイ・混雑度)、人的要因(販売員)
等から構成されている。尚、これらの要因の店舗
内意思決定過程に与える影響は過去多くの研究が
為されてきた。
以上が店舗内購買行動の概念モデルの説明であ
る。次に、私たちはこのモデルを本研究に合うよ
うに修正を行う。計五点の修正を行う。
一点目は、家計/消費者属性についてである。私
たちは本研究において、より広く汎用性のある研
究結果を求めている。すなわち、より多くの購買
者に当てはまる仮説を導きたいため、購買者を属
性によって細かくセグメントすべきでないと考え
る。よってこの家計/消費者属性は考慮しない。た
だし属性によって有意な差がアンケート分析から
見られれば、仮説とは別に後に記載にすることと
する。
二点目は、買物問題と家庭内状況要因について
である。買物問題とはその購買によって解決した
い消費者の問題であり、家庭内状況要因にあたる
■図表―――8
店舗内購買行動の概念モデル
家計/消費者属性
家庭内状況要因
買物状況要因
買物問題
購買意図
購買意思決定
ストア・イメージ
店舗外情報
店舗内状況要因
モデルの第二の構成物である店舗内購買意思決
購買意図形成過程
購買実績
店舗内意思決定過程
6
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家庭内ストックの補充もその一つに当たると考え
られる。よって両社は一つに結合することができ
る。ここでは、一つに結合したものを便宜上、買
物目的とおく。
三点目は、ストア・イメージについてである。
前述されているように、ストア・イメージは店舗
選択に影響を及ぼすとあることから、ストア・イ
メージを広義の意味で店舗選択と置き換えること
ができる。
次に四点目であるが、店舗外情報は一点目に挙
げた理由と同じく、購買前の購買者の情報収集の
有無、程度の差で限定すべきではないと考える。
よって、本研究では除外して考えることとする。
本研究で明らかにしたいのはあくまで購買時にお
ける同伴者の影響なのである。
最後に五点目は、買物状況要因と店舗内状況要
因についてである。買物状況要因の一つである物
理的要因は、研究対象財が衣服であることから購
買に影響を及ぼすとは考えにくい。よって除外し
て考えることとする。また、生理的要因は、人間
の基本的現象であって操作が不可能である。よっ
て、本研究では取り扱わない。次に、買物状況要
因の人的要因についてであるが、ここで一つの疑
問が浮かび上がる。果たして人的要因(同伴者の影
響)がその他の要因と並列で良いのだろうか。人的
要因(同伴者の影響)がその他の要因に影響を及ぼ
すことが想定できるのではないか。私たちはこう
考え、人的要因(同伴者の影響)のみ抽出し、モデ
ル全体に影響を及ぼす要因になるのではないかと
考える。最後に、店舗内状況要因の商品要因とレ
イアウト要因はついてだが、これらに対しては既
に多数の研究が行われていることから本研究では
割愛することとする。
以上の五点をまとめて、図に表わしたものが図
表9である。本研究では店舗内購買行動の概念モ
デルを下図のように修正し、使用していくことと
する。
(3)マックス・ウェーバーの行為の四分類
本項ではマックス・ウェーバーの著書『経済と
社会』にある行為の四分類を参考にする。
ウェーバーは社会的行為の理念型として、目的
合理的行為、価値合理的行為、感情的行為、伝統
的行為の四類型を提案している。
1) 目的合理的行為
目的合理的行為とは、将来に対してある一定の
予測を立て、そこに目標を設定し、その目標をめ
ざして一連の行為をするものをいう。これは手段
としての行為であり、ある目標を達成するために
合理的に選ばれた行為である。
2) 価値合理的行為
ある価値(宗教・道徳・芸術など)を無条件・意
識的に確信することによって方向づけられる行為
をいう。
3) 感情的行為
感動や感情につき動かされて行われる行為のこ
とである。
4) 伝統的行為
慣れっこになった刺激にぼんやりと習慣的に反
応する行為のことで、われわれが普段日常生活で
行っている行為の大部分はこの類型に属する。
私たちは購買行動も、この四つに大別できると
考える。つまり、購買者の購買目的別にこれら四
つの購買目的が存在するのである。ある特定のも
のを買うための手段としていく買物は「目的合理
的行為」と、行う動作つまり買い物それ自体を価
値と考える買物を「価値合理的行為」
、気分や感情
で行く買物を「感情的行為」
、特に目的のない買物
は「伝統的行為」と置ける。
(4)先行研究まとめ
以上二つの先行研究から、ある一つの概念モデ
ルを導きだした。それを可視化したものが図表
10 である。
■図表―――9
店舗内購買行動モデル修正版
買物状況要因
経済的要因
時間的要因
買物目的
店舗選択
購買意思決定
購買実績
店舗内状況要因
人的要因
同伴者による影響
7
関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
■図表―――10
概念モデル:同伴者が購買行動に与える影響
伝統的行為
買
物
目
的
買物状況要因
経済的要因=買物予算
時間的要因=買物にかける時間
感情的行為
価値合理的
行為
店舗選択
店回り
目的合理的
行為
購買意思決定
購買実績
=購買率
店舗内状況要因
人的要因=販売員のアドバイス
同伴者の影響
一人/同伴者あり(親、恋人、友達)
2.仮説の提唱
前節で述べた概念モデル(図表 10)を基に、私た
ちは八つの仮説を提唱する(図表 11)。
尚、仮説を設定するにあたってはパコ・アンダ
ーヒル著書の『どうしてこの店で買ってしまうの
か―ショッピングの科学(2001)』
、井上の論文『購
買行動における同伴者の影響:母娘ショッピング
の観点から(2005)』
、青木の論文『同調行動に関す
る一考察』などから知見を得た。
アンダーヒルは著書の中で「一般に買い物客は
店にいる時間が長くなるほどたくさん買う。女性
が二人で買物するときは、一人だけのときよりも
多くの時間とお金をかける。賢明な小売店なら、
「お友達と一緒なら~割引」や、試着室の外に椅
子を置いて、試着批評が気軽にできるようにす
る。
」と述べている。ここから、同伴者が購買者の
経済的要因、時間的要因に影響を与えるのではな
いか、という仮説が立つ(仮説1,4)。
同調行動に関する一考察においては、
「人は社会
の中で生活する中で必ず何らかの集団に属し、多
くのひとたちと一緒に社会生活を営んでいる。す
なわち、多くの人達が、直接的あるいは間接的に
私達の意識、考え、行動などに非常に大きな影響
を与えていると考えられる。」とある。ここから、
同伴者の行動が購買者の行動に影響を与えること
が予想できる。即ち、店回りに影響が出てくるの
ではないか、という仮説が立つ(仮説2,5)。
井上の論文においては、
「販売員とのやり取りに
同伴者が影響すると言う結果がある。
」と書かれて
いることから、同伴者が販売員のアドバイスの参
考度合いに影響を及ぼすのではないかという仮説
が立つ(仮説3,6)。
又、目的によって同伴者が変化する可能性も考
えられる(仮説7)。
最後に、これまで述べたことに影響が生じるの
であれば、当然購買率にも影響が生じると考えら
れる(仮説8)。
■図表―――11
仮説
仮説1:同伴者の有無によって「買物にかける
時間」が変化する 。
仮説2:同伴者の有無によって「店回り」が変
化する。
仮説3:同伴者の有無によって「販売員のアド
バイス参考度」が変化する。
仮説4:同伴者との関係性の違いによって「買
物にかける時間」が変化する 。
仮説5:同伴者との関係性の違いにより「店回
り」が変化する。
仮説6:同伴者との関係性の違いによって「販
売員のアドバイス参考度」が変化する。
仮説7:
「購買目的」によって同伴者が変化する。
仮説8:同伴者の有無・関係性によって「購買
率」が変化する。
8
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3.消費者分析
■図表―――14
本節では、前節で述べた仮説を、アンケートの
分析結果を踏まえて検証していく。
同伴者を連れた購買時の購買目的
購買目的
(1)アンケート概要
アンケートの概要は下記の図表 12 の通りである。
■図表―――12
アンケート概要
アンケート対象
性別
母数
アンケート方法
期間
抽出方法
価値合理的
24%
大学生
男女
228 名
街頭アンケート
平成 22 年9月
無作為抽出
また、アンケートの分析手順については「購買
目的、買い物にかける時間、店回り、販売員のア
ドバイスの参考度、(同伴者のアドバイスの参考度)、
購買の有無、購買後の満足度」の各項目を集計し、
買物目的から購買後の満足までを一つの購買プロ
セスととらえ、一人の買い物の場合と同伴者を連
れた買い物の場合をまず比較する。その後、同伴
者でも同伴者と購買者の関係性に注目し、同伴者
を「友達」「恋人」「親」に分類した上での比較を
進めていく。
(2)アンケート分析(一人購買と同伴者あり)
1.購買動機
まず、動機の明確性の単純集計の数値比較をし
ていく。購買動機については、上記先行研究で紹
介した Max Weber の行為の四類型「目的合理的行
為」
「伝統的行為」
「感情的行為」
「価値合理的行為」
に分類し考えることとする。
■図表―――13
一人購買における購買目的
購買目的
価値合理的
10%
感情的
31%
目的合理的
37%
伝統的
22%
(買い物に行った一番の理由は次のうちどれに当てはま
りますか:有効回答数 54)
感情的
32%
目的合理的
23%
伝統的
21%
(買い物に行った一番の理由は次のうちどれに当てはま
りますか:有効回答数 174)
結論から記載すると、一人で衣服を買いに行く
場合ではある特定のものを買うための手段として
いく「目的合理的行為」と、気分や感情で買い物
に行く「感情的行為」が多くを占めることがわか
る(図表 13)。つまり、買い物それ自体を楽しむと
いうよりも何か目的をもって出かける、自分自身
の気分によって出かけるといった傾向があること
が読み取れる。同伴者との買い物の場合も一人の
買い物時と同様「目的合理的行為」
「感情的行為」
が多く占めている(図表 14)。しかし、同伴者を連
れた購買動機で特徴なのが、行う動作つまり買い
物それ自体を価値と考える「価値合理的行為」が
全体の 25%を占めている。一人購買の場合はたっ
た 10%しかない。ここから読み取れることは、同
伴者を連れた場合、買い物に行くというその行為
自体を目的としていることが多いことがわかる。
2.買い物にかけた時間
「買い物にかけた時間」について一人の場合と
同伴者がいる場合に分けて分析していく。アンケ
ートでは買い物にかける時間を 15 分、30 分、60
分、120 分、180 分の 5 パターンに分けて調査を行
った。その結果、一人で買い物に行く場合にかけ
る時間は 60 分が一番多く、全体の 44%を占めた。
一方同伴者を連れた買い物では 60 分が全体の 28%
を、120 分が全体の 35%を占めた。つまり 60 分~
120 分の買い物時間を要した人が全体の 60%以上
を占めた。さらに、一人の買い物の場合と同伴者
を連れた買い物の場合にかける平均時間を算出し
たところ一人のときの買い物では平均 1.53 時間、
同伴者を連れた買い物のときでは平均 1.83 時間と
明らかな差がでた。以上のことから、買い物にか
ける時間は一人のときよりも同伴者を連れた買い
物のほうが長くなるということがいえる。
9
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3.店回り
「店回り」について一人の場合と同伴者を連れ
た場合、それぞれを分析していく。アンケートで
は店回りの仕方として次の 3 パターン「いつも見
るブランドのお店のみ」
「興味関心をもった店」
「と
りあえず多くの店に入ってみた」に分けて調査を
行った。その結果、
「興味関心をもった店」へ入る
と答えた人が最も多く、一人の買い物の場合では
全体の 44%を占め、同伴者を連れた買い物では全
体の 43%を占めた。以上のことから、一人の買い
物の場合においても、同伴者を連れた買い物にお
いても店回りの仕方に差はないということが言え
る。
76%でどちらの場合でも購買率に差はあらわれな
かった(図表 15)。以上のことから一人の買い物時
でも、同伴者を連れた買い物でも、全体の割合か
らすると購買率に差はないということが読み取れ
る。
■図表―――15
一人購買と同伴者購買の購買率
100%
90%
80%
70%
60%
4.販売員のアドバイス参考度
「販売員のアドバイスの参考度」について一人
の場合と同伴者を連れた場合それぞれを分析して
いく。アンケートでは参考度を以下の 4 段階「参
考にした」「どちらかといえば参考にした」「どち
らかといえば参考にしていない」
「参考にしていな
い」に分けて調査を行った。そのところ、一人の
場合も同伴者を連れた場合も販売員のアドバイス
を「どちらかといえば参考にした」と回答した人
が全体の約 50%を占めた。逆に販売員のアドバイ
スを参考にしていないと回答した人は、一人の場
合、同伴者を連れた場合どちらも約 20%の回答率
であった。以上のことから一人のとき、同伴者を
連れたとき共に販売員のアドバイスを尐なからず
参考にすることが多いということがいえる。
5.同伴者のアドバイス参考度
「同伴者のアドバイス参考度」を、同伴者を連
れた場合にのみアンケートを行った。こちらも同
伴者のアドバイスの参考度を、販売員アドバイス
の参考度の 4 段階と同様である。結果、同伴者の
アドバイスを「参考にした」と回答した人が全体
の 44%を占めた。
「どちらかといえば参考にした」
は 34%、
「どちらかといえば参考にしていない」は
10%と「参考にしていない」は 11%という回答を
得た。同伴者を連れた買い物の場合、同伴者の意
見を参考にした人が全体の約半数を占めている。
さらにアンケートでは、販売員と同伴者のどちら
のアドバイスをより参考にしたのかを調査したと
ころ「販売員」と回答した人は全体の 23%、
「同伴
者」と回答した人は 76%と、販売員と同伴者であ
ったら同伴者のアドバイスをより参考にする人が
圧倒的に多いことがいえる。
6.購買の有無
「購買の有無」を一人の場合、同伴者の場合、
それぞれを分析していく。アンケートでは最終的
に購買したかどうかを「はい」または「いいえ」
で回答してもらったところ、一人の買い物の場合
の購買率は 74%、同伴者を連れた場合の購買率は
50%
いいえ
40%
はい
30%
20%
10%
0%
一人
同伴者
(最終的にあなたは商品を購入しましたか?:総有効回
答数 228)
7.買い物の楽しさ・満足度
「買い物の楽しさ」
「満足度」について一人の場
合と同伴者を連れた場合、それぞれを分析する。
アンケートでは買い物の楽しさを 5 段階評価で評
価してもらった。
(非常に楽しかったは 5、つまらなか
ったは 1 を選択)一人の場合でも、同伴者を連れた
場合においても 5 段階評価のうち「4」
「5」を選択
した人が全体の 80%を占めた。以上のことから一
人の場合でも、同伴者を連れた場合でも買い物の
楽しさは変わらないということがいえる。購買者
のうち、実際に商品を購買した人に対して商品購
入後の満足度も調査した。満足度を点数化し(満
足 5 点、やや満足 3 点、不満足 1 点)平均値を出
したところ、同伴者を連れた買い物では満足度平
均が 5.18 であるのに対し、一人の買い物の場合は
4.41 であった。購入後の満足度には差がみられた。
満足度の違いは同伴者を連れる購買者側の心的理
由が影響しているといえる。と言うのも、私たち
は今回のアンケート調査で同伴者の購買、一人の
購買の双方で以下のような質問もしている。
「商品
を買おうか迷ったときに、同伴者がいることで商
品を購入しやすくなりますか」
「一人で買い物に行
き、商品を買おうか迷った時あなたなら買います
か」それぞれの質問に「はい」または「いいえ」
で回答してもらい、さらにその理由も聞いてみた。
10
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■図表―――16
■図表―――17
迷ったら購買するか否か
同伴者の種類
100%
同伴者の種類
90%
80%
70%
親
24%
60%
50%
いいえ
40%
はい
30%
20%
恋人
18%
10%
友達
58%
0%
一人
同伴者
(商品(衣服)を買おうか迷った時、同伴者がいること
で買いやすくなりますか?:総有効回答数 228)
(最近一緒に買い物に行った同伴者は誰ですか?:有効
回答数 174)
購買の有無の理由をまとめた結果、まず一人購
買において迷ったときに購入するかしないかは個
人の考えであることが読み取れた。中でも迷った
ら購入しないと回答した人に注目すると「自分で
決められない」「自分の意見(必要な服なのか、自分
に似合っているか)に自信がない」
「後悔したくない」
という考えが購買を躊躇させていることがわかる。
一方同伴者を連れた購買において、迷ったときに
購入すると回答した人の理由から、アドバイスを
もらうことで購買に踏み出せていることがわかる。
一人購買時に起こる「自分では決められない」不
安を同伴者が解消していることがわかる。つまり、
同伴者との買い物で購入した商品は同伴者からア
ドバイスをもらい、自分の選択に自信をもった状
態で購入をしているので、購買後の満足が一人購
買よりも高いということが想像できる。
そして、
「友達」
「恋人」
「親」それぞれを同伴者
として連れていった理由について回答数が集まっ
た、上位2つを挙げていく。友達を同伴者とする
人は「相手を気にすることなく買い物できる」
「行
く場所が特にないから」という理由が多かった。
恋人については「お互いに買い物が好きだから」
「服に対してアドバイスをくれるから」という理
由が多かった。親については「お金を出してくれ
るから」という理由が圧倒的に多く、その次に「相
手を気にすることなく買い物ができるから」とい
う理由が挙がっていた。
(3)アンケート分析(同伴者別)
次に同伴者でも購買者との関係によって、購買
者に与える影響が異なるのではないか考え、同伴
者を「友達」「恋人」「親」にわけてアンケート分
析を行う。その際上記で分析した手順と同じく「購
買動機、買い物にかけた時間、店の回り方、販売
員のアドバイスの参考度、同伴者のアドバイスの
参考度、販売員/同伴者のアドバイス重視度、購買
の有無、購買後の満足度、迷ったときに購入の有
無」の項目を集計し、動機から購買後の満足まで
を一つの購買プロセスととらえ分析していく。
尚、最近一緒に買い物に行った同伴者は誰か、
との問いに対しての回答結果は図表 17 のようにな
っている。
1.購買動機
同伴者の種類によって購買動機はどう異なって
いるか見ていく(図表 18)。友達を同伴者として連
れた場合、買い物動機として特徴的であったのが
「感情的行為」ではあったものの、四類型それぞ
れが 25%前後とあまり差が見られない。購買者が
その同伴者を連れる理由もアンケート調査を行っ
たところ、友達を同伴者として連れる理由の 4 割
をしめたのが「相手を気にすることなく買い物が
きるから」という回答であった。つまり、多くの
購買者は気兹ねなく買い物ができる友達を同伴者
として連れるため、どのような購買動機も考えら
れることがわかる。
■図表―――18
その同伴者を連れた理由
データの個数
列ラベル
/ 問14
行ラベル 2 3 4 5
6
1
9 34 1 19
7
2
8 2 1 9
6
3
5 9 20 3
総計
22 45 22 31 13
7 総計
2
90
2
30
2
41
6 161
11
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(その同伴者とともに買い物に行く理由はありますか:
有効回答数 161)
※行ラベル(1:友達 2:恋人 3:親)
列ラベル(1~7: 補録2、問6選択肢参照)
一方で、親を同伴者とした場合、他の同伴者よ
りも高い割合で現れた「目的合理的行為」が特徴
である。アンケートの際に親を連れた理由につい
てもアンケート調査を行ったところ約半数の人が
「お金を出してくれるから」と回答した。このこ
とから、買うものが明確に定まっている時には金
銭的に援助をしてくれる親を同伴者とする傾向が
あると読み取れる。対して、同伴者が恋人の場合
には目的合理的行為が最も低い割合である。代わ
りに価値合理的行為が最も高い。つまり、恋人と
買い物に行くことそれ自体を価値としていること
がわかる。購買者に恋人を同伴者として連れた理
由も同時にアンケートをとったところ他の同伴者
を連れた理由と比較して目立ったのは「行く場所
がとくにないから」という回答であった。このこ
とから、恋人が同伴者の場合、何かの購入目的で
はなく、デートの一環として買い物という行為そ
れ自体が目的であるということが読み取れる。
2. 買い物時間
「買い物にかけた時間」について友達、恋人、
親を比較分析する。ここでは買い物にかける時間
の平均値を出して比較していく。同伴者が友達の
場合、買い物にかける時間の平均は 1.86 時間に対
し、恋人では 1.6 時間、親では 1.85 時間と同伴者
が友達、親の時と比較すると恋人と買い物にでか
けた場合にかける平均時間は短いことがわかる。
「相手に悪いから」といった、相手を配慮する気
持ちが買い物時間に影響していると考えられる。
恋人、親を比較分析する。アンケートではアドバ
イスの参考度を 4 段階(参考にした、どちらかと
いえば参考にした、どちらかといえば参考にして
いない、参考にしていない)に分けて調査を行っ
た。いずれも一番回答数が多かったのは「どちら
かといえば参考にした」であった。次にアンケー
トで調査した参考度 4 段階のうち、
「参考にした」
「どちらかといえば参考にした」を同等の回答と
し「参考にした」と考え集計したところ、同伴者
が友達の場合に販売員のアドバイスを参考にした
人は 71%、恋人の場合は 83%、親の場合は 61%とい
ずれも大多数を占めてはいるものの、同伴者が友
達、恋人に比べて親の場合には 61%と尐し低いこと
がいえる。
5.同伴者アドバイス参考度
「同伴者のアドバイス参考度」について、友達、
恋人、親を比較分析する。アンケートでは販売員
のアドバイスの参考度のときと同様に 4 段階(参
考にした、どちらかといえば参考にした、どちら
かといえば参考にしていない、参考にしていない)
に分けて調査を行った。最も回答数が多かったの
は同伴者が友達の場合「どちらかといえば参考に
した」が全体の 41%、恋人の場合「参考にした」が
66%、親の場合も同様に「参考にした」が 50%を占
めた。次に「参考にした」
「どちらかといえば参考
にした」を同等の回答とし「参考にした」と考え
集計したところ、同伴者が友達の場合にアドバイ
スを参考にした人は全体の 78%、恋人では 90%、親
では 80%といずれも参考にした人が大多数である
ことがいえる。
3.店回り
「店回り」について、友達、恋人、親を比較分
析する。いずれも、いちばん回答数が多く集まっ
たのは「周りから見て興味関心を持ったお店を見
て回った」であり全ての同伴者において全体の 40%
以上を占めた。しかし、関係性別に二番目に回答
数が集まったものをみると、友達、親は「いつも
みるブランドのお店をみる」であるのに対し、恋
人は「とりあえず多くのお店に入った」という回
答が多かった。上記に記載した「買い物時間」と
リンクさせて考えると、同伴者が恋人の場合、平
均時間が短い上、多くのお店を見ていることから 1
店舗にかける時間が短いことがわかる。逆に親の
場合には、それほど多くのお店を回らないにも関
わらず平均時間が長いことから、1 店舗にかける時
間が長いことが 2 つのアンケートから読み取れる。
6.販売員/同伴者アドバイス重視度
同伴者を連れた買い物の際のアドバイス参考度
について「販売員のアドバイス参考度」
「同伴者の
アドバイスの参考度」
「販売員と同伴者のどちらを
参考にしたか」の3つのアンケート結果をつかっ
て分析を行う。大きく言えることは購買者と同伴
者の関係性は関係なしに販売員、同伴者共の意見
を購買者は参考にしていることである。さらにア
ドバイスの重視度を比較するために、アンケート
で販売員と同伴者のどちらのアドバイスを重要視
したのか調査した。結果、同伴者が親の場合アド
バイスを参考にする確率が 85%であり最も高いと
言える。次いで友達も 80%の購買者がアドバイスを
参考にしたと回答していることから、参考にする
確率が高いといえる。前 2 者に比べて同伴者が友
達の場合は販売員のアドバイス、同伴者のアドバ
イスのどちらにおいても 70%代であることからア
ドバイス参考度にそれほど大きな差は現れないこ
とがいえる。
4.販売員のアドバイス参考度
「販売員のアドバイス参考度」について、友達、
7.購買率
購買率を出すために「購買の有無」について調
12
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査を行った。友達、恋人、親を比較分析する。ア
ンケートでは最終的に購買したかどうかを「はい」
「いいえ」の 2 択で回答してもらった。友達、恋
人、親にわけてそれぞれの最終的な購買率を算出
した。同伴者が友達の場合、購買率は 72%、恋人の
場合は 51%、親の場合は 95%と、同伴者によって購
買率に大きな差がでた(図表 19)。同伴者が親の場
合の購買率は高く 100%に近い確率で購買に至ると
いえる。このことは同伴者が親であるときの購買
動機と関係していることが考えられる。上記にも
述べたが、親を連れたときの購買者の購買動機の
多くは「目的合理的行為」であり、同伴者として
親を連れる理由は金銭的援助をしてくれるからと
いった回答が多かった。これらのことが購買率に
関係していると考えられる。
(4)アンケート考察
ここではアンケート分析を行う前にたてた仮説
を検証するために行う。
アンケート分析の前半では「買い物にかけた時間、
店の回り方、販売員のアドバイスの参考度、同伴
者のアドバイスの参考度、購買の有無、購買後の
満足度」の項目を一人の買い物の場合と同伴者を
連れた買い物場合に分けて集計してきた。集計し
て分かったことを以下にまとめる。
仮説1
同伴者の有無によって「買物にかける時間」
が変化する 。
■図表―――19
購買率
購買したか否か
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
いいえ
はい
友達
て連れた買い物の場合は購買しやすくなると答え
た人の割合が 90%にのぼることから、購買度が非
常に高くなるといえる。その理由として、マイナ
スの意見もいってくれるから、待たせたくないか
らという意見が多かった。
恋人
親
(最終的に商品を購買しましたか:有効回答数 161)
8.買い物の楽しさ・満足度
「買い物が楽しかったか」ならびに、購買後の
「満足度」について、友達、恋人、親を比較分析
する。まず、アンケートでは買い物の楽しさにつ
いては 5 段階評価(5:非常に楽しかった 1:つまら
なかった)で調査した。結果、買い物の楽しさは同
伴者との関係性に関係なく、誰においても買い物
の楽しさの度合いに違いはなかった。このことか
ら、買い物の楽しさ自体に同伴者の関係性の違い
で差は出ないことが読み取れる。購買者のうち、
実際に商品を購買した人に対して商品購入後の満
足度も調査した。満足度を点数化し(満足 5 点、や
や満足 3 点、不満足 1 点)平均値を出したところ、友
達の場合は満足度平均 4.29 点、恋人は 4.36 点、
親は 4.55 点と満足度に尐しさが見られた。
9.迷ったら購入するかしないか
衣服を買おうか迷った時、同伴者がいることで
購買しやすくなるかという問いに対しアンケート
を行った。いずれの場合も同伴者を連れて買い物
に行くことで「買いやすくなる」と答えた人が大
多数を占めた。しかし、中でも、親を同伴者とし
一人の買い物の場合、かける買い物平均時間は
1.53 時間に対し、同伴者を連れた場合は 1.83 時間
と長くなるといえる。購買動機を一人の買い物の
場合と同伴者を連れた買い物の場合で比較したと
きに、一人購買の場合は買い物を目的合理的行為
を行う割合が多いのに対し、同伴者を連れた購買
の場合は価値合理的行為の割合が一人購買と比べ
て圧倒的に多い。つまり、一人購買と同伴者を連
れた場合での購買動機の違いが買い物時間に影響
を及ぼしているといえる。
仮説 2
同伴者の有無によって「店回り」が変化する。
一人の買い物の場合も、同伴者を連れた買い物
の場合も「興味関心をもった店に入る」という店
の回り方は変わらない。というアンケート結果か
ら同伴者の有無に関わらず店回りに差はないと考
えられる。 よってこの仮説は棄却される。
仮説 3
同伴者の有無によって「販売員のアドバイス
参考度」が変化する。
一人の買い物の場合も、同伴者を連れた買い物
の場合も販売員のアドバイスをどちらかといえば
参考にしている。また、同伴者を連れた買い物の
場合、同伴者のアドバイスを参考にすると回答し
た人が大半を占める。販売員と同伴者どちらのア
ドバイスを参考にしたかという問いに対して、販
売員よりも同伴者のアドバイスをより参考にして
いると答えた人が大半であることから、同伴者が
いることで販売員のアドバイスを参考にする程度
が低くなるといえる。
13
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仮説 4
同伴者との関係性の違いによって「買物にか
る時間が変化する 。
今回のアンケート結果では、同伴者が友達、親
の場合の買い物にかける平均時間が 1.85 時間以上
に対し恋人の場合は 1.6 時間と短い。よって、同
伴者との関係性によって買物にかける時間が変化
すると言える。
仮説 5
同伴者との関係性の違いによって「店回り」
が変化する。
関係性別に店回りを分析し、なおかつ関係性別
に顕著に表れた店回りをみてみると、同伴者が友
達の場合は「とにかく多くのお店に入って商品を
みた」が多い。しかし同伴者が恋人、親の場合に
関しては「いつも見るブランドのお店のみ」と回
答した人の割合が他と比べて多い。同伴者によっ
て店回りの仕方に尐なからず変わることがいえる。
仮説 6
同伴者との関係性の違いによって販売員のア
ドバイス参考度」が変化する。
販売員のアドバイスを「参考にした」
「どちらか
といえば参考にした」と回答した人は友達、恋人、
親においてそれぞれ 71%、83%、61%であった。こ
のことから親が同伴者の場合、販売員のアドバイ
スを参考にする比率が低い理由としては「親なら
ばはっきり意見を言ってくれる」
「反対意見も言っ
てくれる」と客観的にみたアドバイスを親からし
っかりともらえることが理由であるといえる。そ
のため、販売員からの客観的なアドバイスを購買
者は必要としない傾向が高いことが分かる。
同伴者のアドバイスを「参考にした」
「どちらかと
いえば参考にした」と回答した人は友達、恋人、
親においてそれぞれ 78%、90%、80%であった。数
値だけでみれば、恋人の意見を参考にすると答え
た人が多いことがいえる。逆に友達のときにはア
ドバイスを参考にする割合が他の同伴者と比較す
ると小さいことがわかる。しかし、ここでは購買
者との関係性別にただ見るのではなく、前述に記
載した「販売員のアドバイス参考度」と比較して、
販売員のアドバイス参考度を関係性別にそれぞれ
1 とおいたとき、同伴者のアドバイスを「参考にし
た」
「どちらかといえば参考にした」と回答した人
がどのくらいの倍率で増えているのかをみること
で、同伴者のアドバイスの参考度を販売員のアド
バイス参考度と比較していく。すると、友達では
1.09 倍、恋人は 1.08 倍、親は 1.3 倍、販売員よ
りも同伴者の意見が重視されることがわかった。
以上のことより、同伴者の関係性によってアドバ
イス参考度が変わることがいえる。
仮説 7
「購買目的」によって同伴者が変化する
今回のアンケートでは購買動機を Max Weber の
4つの行動類型「目的合理的行為」「伝統的行為」
「感情的行為」
「価値合理的行為」に分類した。
アンケート結果より、「目的合理的行為」「感情的
行為」の場合は一人や親を連れた場合が多いこと
が読み取れた。対して「価値合理的行為」の場合
は恋人、友達を連れら場合が多いことが読み取れ
た。よって、尐なからず動機によって同伴者が変
化すると言える。
仮説 8
同伴者の有無・関係性によって「購買率」
が変化する。
一人購買と同伴者を連れた購買の購買率を比較
したときの購買率は、一人の時には 74%、同伴者
を連れた時には 76%であることから、同伴者の有
無においての購買率は変化しないと言える。
しかし、関係性別購買率をみると、友達では 72%、
恋人では 51%、親では 95%と大きく差がでた。この
ことから同伴者の関係性によって購買率が変化す
ると言える。
(5)その他アンケート分析
今回のアンケート分析では「一人購買と同伴者
を連れた購買の違い」
「同伴者の中でも関係性別に
みたときの購買の違い」の主に 2 軸で分析を進め
てきた。しかし私たちは性別別にみる購買の違い
も分析したので、その違いについて述べていく。
まずは「一人購買における性別別分析」をする。
アンケート有効回答数は男子 25 人、女子 27 人で
あった。分析結果、男女で差が表れたのは「買物
にかける時間」と「販売員アドバイス参考度」の 2
点である。買物にかける時間の平均時間を求めた
ところ男子は 1.37 時間、女子は 1.62 時間と男女
間で買い物時間に大きく差がでた。また、販売員
アドバイスを「参考にする」と答えた確率が男子
は 50%、女子は 72%とこちらも大きく差がでた。購
買率は男女ともに 70%台でそれほど大きな差はう
まれていない。女子は買物にかける平均時間が長
く、販売員アドバイスも重視するにも関わらず購
買率が男子と変わらないというのは、購買動機に
男女で違いがあることが一つの要因として考えら
れる。以下の図表 20 を見てほしい。
■図表―――20
一人購買における男女別にみた購買目的
男子
女子
目的合理的 伝統的 感情的 価値合理的
10
5
6
4
9
6
10
1
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女子においては感情的(気分や感情で突発的に行動す
る)行為が多い。購買目的が感情的行為であること
が、買物にかける時間を長くさせ、明確な目的が
ないために客観的アドバイスを欲する結果、販売
員アドバイス参考度の高さに繋がっていると言え
る。
次に「同伴者を連れた購買の性別別分析」も同
様に行った。性別別で差が大きくでたのは「購買
目的」
「同伴者の種類」の 2 点である。まずは男女
別に購買目的を表した下の図表 21 を見てほしい。
買者のみにフォーカスした結果を抽出し(図表 22
~27)に、購買に至らなかった購買者と、実際に
購買に至った購買者のアンケート結果を比較する。
そうすることで、「購買に至らすための最適な条
件」が見えてくると考えられる。その違いに着目
し、次項以降はそれぞれの関係性別に一つずつ提
案を行っていく。
■図表―――22
各関係性別「購買目的」の購買者、非購買者比較
■図表―――21
同伴者購買における男女別にみた購買目的
男子
女子
目的合理的 伝統的 感情的 価値合理的
25
17
27
25
16
19
28
17
男子は同伴者を連れる場合、買い物に目的を持
っている場合が多いこと言える。さらに同伴者の
種類(友達、恋人、親)を調べたところ、62%の確率
で友達を連れていることが分かった。一方女子の
場合は 40%の確率で友達、親を連れ、残りの 20%が
恋人という結果になった。男女では明らかに連れ
る同伴者に差があることが分かった。しかしここ
で、1点共通点がある。それは「同伴者が親の場
合購買率が男女ともに 90%以上である」ということ
である。今回の分析結果では、男子においては 100%
の確率で親と買い物にいった場合は何かしらを購
入している。同伴者の金銭的援助というのは、購
買率に大きく差をつけることが分かる。
買物にかける時間の長さと購買率に何か関係が
あるのではないかと仮説をたて検証を行ったが、
時間の長さと購買率に関係性はなかった。
4.提案
本節では、前節までのアンケート分析結果を踏
まえた上で提案を行う。
(1)提案概要
本節では、日本の未来活性化に寄与すべく、
ファッション業界全体の総売上高向上を目的とし
た提案を述べていく。従って、提案先は全て「フ
ァッション業界全体」とする。
ここで、売上高を上げるにあたり言葉の定義を
行っていく。最初に、売上高について売上高=客
数×客単価と定義する。次に、客数について客数
=来店客数×来店頻度とし、客単価について客単
価=商品単価×購買個数とする。この定義に沿っ
て提案を進める。そして、同伴者がそれぞれ、親、
友達、恋人の場合に分けて具体的な提案を3つ述
べていくことにする。
具体的な提案の抽出方法に関しては、前章で分
析したアンケート結果を、実際に購買を行った購
図表 22 から、同伴者が友達の場合は購買目的を
「伝統的行為」となった場合に一番購買率が高い
ことが伺える。同様に恋人の場合は、
「目的合理的
行為」
「伝統的行為」の場合に購買率が高い。親の
場合は、特に差はなく、どの目的であっても高い
購買率が記録されている。
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■図表―――23
■図表―――24
各関係性別「買物にかける時間」の購買者、非購
買者比較
各関係性別「店回り」の購買者、非購買者比較
友達
友達
恋人
恋人
親
親
図表 23 より、同伴者が友達の場合は「買物にか
ける時間」は長ければ長いほど購買率は高くなり、
一番高い購買率が記録されるのが二時間程度の時
である。恋人の場合は、逆に時間が短ければ短い
ほど購買率は高く、1 時間程度の購買時間の時に一
番購買率は高くなる。親の場合は、先ほどと同様
に時間に関係なく高い購買率を記録している。
図表 24 より、同伴者が友達の場合は「店回り」
は、微尐ではあるが多く回れば多く回るほど購買
率は高くなる。恋人の場合は、逆に尐なく回れば
尐なく回るほど購買率は高くなる。親の場合は、
日購買者の母数が2と参考にはあまりならないが、
とりあえずたくさんのお店入っているときに購買
率は一番高い。
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■図表―――25
■図表―――26
各関係性別「販売員のアドバイス参考度」の購買
者、非購買者比較
各関係性別「同伴者のアドバイス参考度」の購買
者、非購買者比較
友達
友達
恋人
恋人
親
親
図表 25 より、購買者と非購買者の「販売員のア
ドバイス参考度」を比較してみると、同伴者が友
達と親の場合はどちらも参考度合いは高く、顕著
な傾向を読み取ることはできない。恋人の場合の
み、他の二つと相対すると比較的販売員のアドバ
イスが重要視されていないことが分かる。
図表 26 より、購買者と非購買者の「同伴者のア
ドバイス参考度」を比較してみると、同伴者が友
達の場合はアドバイスの参考度合いは総じて高い。
できない。恋人の場合は、先ほどと同様に相対的
にアドバイスが重要視されていないことが分かる。
親の場合は、母数があまりに尐ないので参考にな
らないかもしれないが、比較的同伴者のアドバイ
スを参考にせずに購買に至る傾向が分かる。
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■図表―――27
各関係性別「同伴者と販売員のアドバイスの優先
度」の購買者、非購買者比較
友達
恋人
親
図表 27 より、どの関係性であっても同伴者のア
ドバイスの方を参考にしている場合に購買率は高
くなっている。ただし親の場合は、非購買者の母
数が2であることから傾向を正しく読み取ること
はできない。
(2)提案
ここでは、前項の購買者、非購買者の分析結果
の違いに着目して、各関係性別に三つの提案を行
っていく。
・同伴者が「友達」の場合:「友達 Coupon」
友達を同伴者として連れている場合についてア
ンケート結果からわかることに、時間が長ければ
長いほど、回る店舗数が多いほど、購買に至りや
すいという結果があった。ここから、本提案の目
的を客単価向上のために購買個数を上げることに
定める。また別のアンケート結果から、同伴者に
友達を連れていき実際に購買した人は、目的合理
的行為、伝統的行為、言い換えれば、買うものが
決まっている、季節変化等の服を買う動機づけが
存在するケースが多いことがわかっている。従っ
て、本提案の目的を達成するためには具体的な動
機付けを提供することが大切であると考える。
その具体的内容として、友達 Coupon を提案し
たい。友達 Coupon とは、友達のために取得する
Coupon でありそれと同時に Coupon 保持者自身も
商品購買時に割り引かれるというものである。こ
の友達のために使う Coupon によってウィンドウ
ショッピングだけでなく、実際に購買する対象を
見つけに行く意識を生みだす。そして、友達の購
買意欲を掻き立て自身も割引を受けられるので自
身の購買にもつながりやすいと考えられる。
ここから具体的なオペレーションに触れていく。
まず、Coupon の配布媒体は携帯電話、または PC
とする。そして、店頭で友達の購買商品と自身が
持つ Coupon を提示し、
友達は割引を受けられる。
もし自分も買いたい商品があれば同時にレジに出
すことで割引が受けられる。割引額は表示価格か
ら 15%Off を原則とする。それに加え、なるべく
購買者を多くするために、自身も含め 2 人以上が
購買した場合 1 人当たり 5%ずつ割引額を加算し、
上限を 25%Off とする。例えば、友達だけが購買
した場合、割引額は 15%であるが、友達 2 人と自
身が購買した場合、3 人がそれぞれで受けられる割
引額は 25%Off となる。
・同伴者が「恋人」の場合:「見やすい陳列」
恋人を同伴者として連れている場合についてア
ンケート結果からわかることに、時間が短ければ
短いほど、回る店舗数が尐ないほど、購買に至る
という結果があった。ここから、本提案の目的を
客単価向上のために購買個数を上げることに定め
る。また別のアンケート結果から、同伴者に恋人
を連れていき実際に購買した人は、目的合理的行
為、伝統的行為、言い換えれば、買うものが決ま
っている、季節変化等の服を買う動機づけが存在
するケースが多いことがわかっている。従って、
本提案の目的を達成するためには買いたいものを
すぐに見つけられ、同伴者に負担をかけないこと
が大切であると考える。
その具体的な内容として、
「ヴィジュアルマーチ
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ャンダイジングの推進」を提案したい。ヴィジュ
アルマーチャンダイジングの中でも特に視覚的に
陳列する部分に焦点を当て提案していく。現在、
ヴィジュアルマーチャンダイジングを実践してい
る衣料品店は尐ない。ユニクロなどはその代表例
であるが、大体の衣料品店を見てみるとごちゃご
ちゃ感が否めない。ヴィジュアルマーチャンダイ
ジングによって整然とした売り場を作り、視覚的
に探しているものを見つけてもらえるようにする。
そのことによって、商品を手にとるまでの時間を
減らし購買に至りやすくする。
ここから具体的な店舗オペレーションについて
触れていく。50 坪程度の店舗を想像してほしい。
目を引くために、まず、入ってすぐの場所に T シ
ャツなどの廉価商品をまとめて置いておく。その
際の陳列方法は積み上げにする。そして、中央に
トータルコーディネートのマネキンを置き、高め
のアウターやズボンなどの商品をその周りに配置。
アウターは主にハンギング、ズボンは積み上げ陳
列にする。そして、その中央を取り囲むようにサ
ングラスなどの小物を配置していく。ただし、ベ
ルトなど洋服と組み合わせて使う商品はそれぞれ
を隣同士に陳列する。
また、店員は高めの商品が並んでいる中央に駐
在しアドバイスを行う。そして、店員が恋人にも
アドバイスを求め賛同を促す。
T シャツなどを入ってすぐの場所に置くことで
洋服店であることを示し、マネキンによってその
服の陳列場所を提示する。そして、関連陳列によ
りどこにあるかイメージしやすくする。そうする
ことで商品を手にとるまでの時間を短縮し、購買
までの時間を短くする。
・同伴者が「親」の場合:
「飲食店とのコラボクー
ポン」
同伴者が親の場合は前項までに触れたように、
どのような状況下であっても購買率が非常に高く
ほぼ 100%であることが分かっている。そこで提案
としては「親とのショッピング来店を促進」する
ことが最適だと思われる。
具体的な提案としては「飲食店とのコラボクー
ポン」を提案したい。今回のアンケート結果から
は知ることができなかったことではあるが、親子、
特には母と娘でのショッピングをする場合は、シ
ョッピングと同時に食事も楽しむ傾向があると思
われる。実際に、アパレル通販事業を展開する株
式会社イマージュと、働きたい女性のためのコミ
ュニティサイト「キャリア・マム」を運営する株
式会社キャリア・マムが、10 代から 50 代までの女
性約 300 名を対象に実施した「親子のおしゃれに
関するアンケート」によると、
「普段はあまり行く
機会がないけれど、ちょっと奮発していきたいリ
ッチなホテルのディナーや高級レストランに親子
で行きたい」、また、「あえていつもの気軽な場所
へ、友達とガールズトークやスイーツを食べに行
くように、親子でカフェに行きたい」という回答
が目立っている。ここから、親子でのショッピン
グというのはあくまで一連の楽しみの一部分であ
り、親子での食事なども含めてトータルに楽しん
でいるというということが分かる。
よって、飲食店からアパレル店へ、アパレル店
から飲食店へ、スムーズに流動できるクーポンを
配信することで「親子での買物」が総合的に満足
度の高いものになるであろう。そして、その結果
親子ショッピングの頻度が益々活性化するのでは
ないだろうか。
④―――結論
私たちは、「購買時点における同伴者の影響」、
をメインテーマに、
「購買者と同伴者の関係性によ
ってその影響力が異なるのでは」というサブテー
マを抱え、研究を進めてきた。
その結果、一人で購買活動を行う場合、買うも
のが明確に決まった上でいつも行く店舗を訪れ結
果購買に至ることが明らかになった。一方、同伴
者の影響のほうに目を向けてみると、同伴者が親
の場合、一人の際の購買行動と近似する点も見受
けられたが、購買確立はほぼ 100%の結果となった。
友達の場合は、買うものが曖昧であり様々な店舗
を訪れ、結果購買に至る確率は低かった。最後に
恋人の場合は、買うものが曖昧で興味がわいた店
を回り、結果購買する確率は低かった。
これらの研究結果から、購買者が同伴者を連れ
て買い物に行く際、それぞれで買い物の目的や楽
しみ方が異なってくることが分かる。
以上より、それぞれの同伴者を連れている購買
者に違ったアプローチを展開することで、新たな
マーケティング提案に繋げることができると考え
られる。又、それが更なる消費の活性化に繋がる
のではないか、という示唆を、本研究を通して投
げかけることができたと私たちは自負している。
⑤―――今後の展望
本研究を通して、同伴者が購買者に与える影響
については、今後もさらに追及する必要性がある
と考えられる。本研究において、私たちは関係性
に着目し、一人の場合、親と買い物した場合、友
達と買い物した場合、恋人と買い物をした場合の
4つのパターンに分けてアンケート調査を行った。
その結果、各関係性について購買行動は異なると
いう結果を得られた。
しかし、アンケートのターゲットは大学生に限
定したものであった。そのため、同伴者と購買者
の関係がある程度限定されたものになってしまっ
たと考えられる。
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関東 10 ゼミ討論会 2010
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田尾,童子,成田,馬渕
従がって、関係性による同伴者の影響をより実
務に応用できるようにするために今後の方向性と
して、年代をまたいだアンケート調査を行い、親
視点で子供が同伴者である時の影響、各世代にお
ける友達、夫婦が同伴者である時の影響など、世
代間での購買プロセスの比較を加えるべきである。
また、本研究において私たちは、
「買い物にかけ
る時間」や「販売員のアドバイスへの反応度」
、
「満
足度」
、など、具体的に同伴者がいると購買の仕方
がどう変わるか細かい点まで注視したのであるが、
私たちが立てたモデルの中にうまく組み込むこと
ができず、店舗選択、および店舗内においての行
動を既存の行動プロセスを積み上げた説明に終始
してしまった点も反省点として挙げられる。
しかし、以上のことを振り返ってみても、同伴
者が購買意思決定において与える影響、そして、
同伴者と購買者の関係性に着眼し研究を進めてき
た成果は新しいマーケティング手法を生み出す上
で、非常に有意義なものになったと自負している。
⑥―――おわりに
インターネットの使用環境とクレジットカード
があれば家でもどこでも、無尽蔵に商品購買がで
きる流通網。他人とのコミュニケーションはネッ
ト上が主流になっている現代社会。同伴者を連れ
てわざわざ実店舗に赴くのかと言われれば、確か
に疑問は残る。しかし、そんな世の中であっても
人間は本能的にコミュニケーション相手を欲して
おり、一人では生きていけない。本研究成果から、
買い物を楽しませるマーケティング戦略が立案さ
れ、衣服購買を通して親子や友達、恋人との仲を
深め、他者コミュニケーションの活性化に一矢を
投じることができれば嬉しい限りである。
最後になってしまったが、本研究を通してご指
導をして下さった有馬先生、たくさんのアドバイ
スを頂いた有馬ゼミの同期・後輩、他大学の皆様、
そしてこのような場を設けて下さった日本マーケ
ティング協会ならびに関係者の皆様に、感謝の意
を表して本論文を終わりにしたいと思う。私たち
は本大会を持って関東 10 ゼミ討論会を卒業するこ
とになってしまったが、これからもこの関東 10 ゼ
ミ討論会が発展していくことを心から願っている。
立教大学有馬ゼミ
田尾 童子 成田 馬渕
参考文献
藤岡秀樹・及川章子[1989]『青年文化の研究(1)-流行
とおしゃれについて-』岩手大学教育学部研究年報第 49
巻第 1 号.
アルビン・トフラー[1970]『未来の衝撃』中公文書.
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第三銀行「「景気見通しと消費行動に関するアンケート」
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.
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の時代にモノを売る方法」
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野村総合研究所「
「生活者 1 万人アンケート」を踏まえた
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www.nri.co.jp/opinion/chitekishisan/2010/pdf/cs201
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矢野経済研究所「ソーシャルメディアに関する調査結果
2010〜消費者は Twitter をコミュニケーションより情報
収集ツールとして活用・企業アカウントはクチコミ誘導
が鍵〜」
http://bizex.goo.ne.jp/release/detail/126155/.
GLOBIS.JP「MBA 経営辞書」www.globis.jp/887.
PRTIMES「~母親は娘のアドバイスを重視して服を選んで
いる!?~」
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.0000022
44.html.
補録1
立教大学有馬ゼミナールです。私達は現在、衣服購買
時における購買者へ同伴者が与える影響についての研究
を行っております。研究の一環と致しましてアンケート
調査を行っておりますのでご協力お願いします。なお、
本アンケートは研究以外の目的には使用致しません。
※衣服を購買した、しなかったに関わらずお答えくださ
い(例:欲しい洋服があって買い物に行ったけど、結局
買わなかった買い物のパターンでも結構です)
。
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関東 10 ゼミ討論会 2010
立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
【あなた自身に関して質問します】
①当てはまる性別の番号に○をつけてください。
1.男
2.女
②買い物(衣服)に行く頻度はどの程度ですか?当ては
まる番号に○をつけてください。
1.1 週間に 1 回程度
2.2 週間に 1 回程度
3.1 か月に 1 回程度
4.3 ヵ月に 1 回程度
5.半年に 1 回程度
6.1 年に 1 回程度
③衣服に対してのこだわり・流行に対する敏感度を 5 段
階評価の当てはまるものに○をつけて下さい。
【5:非常にこだわりがある(敏感だ)
、1:こだわりが
ない(敏感でない)
】
1.衣服に対するこだわり (5・4・3・2・1)
2.衣服の流行に対する敏感度 (5・4・3・2・1)
【あなたの買い物の仕方についてご質問します。】
※最近、同伴者と買いものに行った時のことを思い出し
て質問にお答えください。
④最近一緒に買い物に行った人は誰ですか?下記の当て
はまる同伴者の番号に○をつけてくだ
さい。
1.友達
2.恋人
3.親
4.兄弟
5.その他(
)
⑤買い物に行った店舗形態の当てはまるほうに○をつけ
てください。
1.郊外のショッピングモール(例:ららぽーと、AEON、
レイクタウン)
2.それ以外
⑥その同伴者と買い物に行く理由はありますか?最も当
てはまるもの一つに○をつけて下さい。
1.服の趣味が合うから
2.服に対してアドバイスをくれるから
3.相手を気にすることなく買い物できるから
4.お金をだしてくれるから
5.お互いに買い物が好きだから
6.行く場所がとくにないから
7.その他(
)
⑦買い物に行った一番理由は次のうちどれに当てはまり
ますか?最も当てはまるもの一つに○をつけてください。
1.必要に迫られて
2.これが欲しい!という商品があった
3.新作がでた
4.季節が変わったから
5.セールがあるから
6.漠然と買いたいものがあった
7.どこかに行った次いで
8.気分転換
9.遊びの一環として
10.誘われたから
11.バイト代が入ったから
⑧買い物にかけた時間はどのくらいですか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.15 分程度
2.30 分程度
3.1 時間程度
4.2 時間程度
5.3 時間以上
⑨どのようなお店周りをしましたか?当てはまる番号に
○をつけてください。
1.いつも見るブランドのお店のみ
2.周りからみて興味関心をもったお店
3.とりあえず多くのお店に入って商品をみた
⑩何を気にしながら買い物をしましたか?優先する順番
(1~5)を( )の中に記入してください。
(
) 値段
(
) デザイン
(
) ブランド
(
) 話題性、流行
(
) 品質(生地、肌触り)
⑪販売員のアドバイスを参考にしましたか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.参考にした
2.どちらかといえば参考にした
3.どちらかといえば参考にしていない
4.参考にしていない
⑫同伴者のアドバイスを参考にしましたか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.参考にした
2.どちらかといえば参考にした
3.どちらかといえば参考にしていない
4.参考にしていない
⑬販売員/同伴者 どちらのアドバイスを重視しました
か?
1.販売員
2.同伴者
⑭最終的にあなたは商品を購買しましたか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.はい
2.いいえ
⑮「はい」と答えた方にお聞きします。商品購買後、満
足していますか?当てはまる番号に○
をつけてください。
1.満足
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田尾,童子,成田,馬渕
2.やや満足
3.不満足
⑯「はい」と答えた方にお聞きします。
商品購買に至った最後のひと押しは何でしたか?【自由
回答】
(例: 同伴者にすごく似合っていると言われたから)
⑰買い物は楽しかったですか?5 段階評価の当てはまる
ものに○をつけて下さい。
【5:非常に楽しかった、1:つまらなかった】
( 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1 )
⑱商品(衣服)を買おうか迷った時、同伴者がいること
で商品を購買しやすくなりますか?
1.はい
2.いいえ
④最近買い物に行ったショッピング形態の当てはまるほ
うに○をつけてください。
1.郊外のショッピングモール(例:ららぽーと、AEON、
レイクタウン)
2.それ以外
⑤買い物に行った一番理由は次のうちどれに当てはまり
ますか?最も当てはまるもの一つに○をつけてください。
1.必要に迫られて
2.これが欲しい!という商品があった
3.新作がでた
4.季節が変わったから
5.セールがあるから
6.漠然と買いたいものがあった
7.どこかに行った次いで
8.気分転換
9.遊びの一環として
10.誘われたから
11.バイト代が入ったから
⑲その理由はなぜですか?【自由回答】
補録2
立教大学有馬ゼミナールです。私達は現在、衣服購買
時における購買者へ同伴者が与える影響についての研究
を行っております。研究の一環と致しましてアンケート
調査を行っておりますのでご協力お願いします。なお、
本アンケートは研究以外の目的には使用致しません。
※衣服を購買した、しなかったに関わらずお答えくださ
い(例:欲しい洋服があって買い物に行ったけど、結局
買わなかった買い物のパターンでも結構です)
。
【あなた自身についてご質問します】
①当てはまる性別の番号に○をつけてください。
1.男
2.女
②買い物(衣服)に行く頻度はどの程度ですか?当ては
まる番号に○をつけてください。
1.1 週間に 1 回程度
2.2 週間に 1 回程度
3.1 か月に 1 回程度
4.3 ヵ月に 1 回程度
5.半年に 1 回程度
6.1 年に 1 回程度
③衣服に対してのこだわり・流行に対する敏感度を 5 段
階評価のあてはまるものに○をつけて下さい。
【5:非常
にこだわりがある、1:こだわりがない】
1.衣服に対するこだわり (5・4・3・2・1)
2.衣服の流行に対する敏感度 (5・4・3・2・1)
【あなたの買い物の仕方についてご質問します。】
※最近、あなたが一人で買いものに行った時を思い出し
て質問にお答えください。
⑥買い物にかけた時間はどのくらいですか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.15 分程度
2.30 分程度
3.1 時間程度
4.2 時間程度
5.3 時間以上
⑦どのようにお店周りをしましたか?当てはまる番号に
○をつけてください。
1.いつも見るブランドのお店のみ
2.周りからみて興味関心をもったお店
3.とりあえず多くのお店に入って商品をみた
⑧何を気にしながら買い物をしましたか?
優先順番(1~5)を( )の中に記入してください。
(
) 値段
(
) デザイン
(
) ブランド
(
) 話題性、流行
(
) 品質(生地、肌触り)
⑨販売員のアドバイスを参考にしましたか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.参考にした
2.どちらかといえば参考にした
3.どちらかといえば参考にしていない
4.参考にしていない
⑩最終的にあなたは商品を購買しましたか?当てはまる
番号に○をつけてください。
1.はい
2.いいえ
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立教有馬ゼミ耐久財班
田尾,童子,成田,馬渕
⑪「はい」と答えた方にお聞きします。商品購買後、満
足していますか?当てはまる番号に○
をつけてください。
1.満足
2.やや満足
3.不満足
⑫「はい」と答えた方にお聞きします。
商品購買に至った最後のひと押しは何でしたか?【自由
回答】
(例: 販売員に似合っていると言われたから)
⑬買い物は楽しかったですか?5 段階評価の当てはまる
ものに○をつけて下さい。
【5:非常に楽しかった、1:つまらなかった】
( 5 ・ 4 ・ 3 ・ 2 ・ 1 )
⑭一人で買い物に行き商品(衣服)を買おうか迷ったと
き、あなたなら購買しますか?
1.はい
2.いいえ
⑮その理由はなぜですか?【自由回答】
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