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中村 敏夫 - SUCRA
世 界4大ITメ ー カ ー の 国 際 ビ ジ ネ ス 戦 略 の 研 究' 中村 Research on Global Business 敏夫 Strategies IT Manufacturing of the World Class Firms Toshio Nakamura This article is to make a research on the global strategies by 4 major, IT manufacturing firms. Those leading corporations are Nokia, Ericsson, Siemens and Lucent Technologies. Under the on-going recession caused by unbalanced IT industries, solutions for recovering IT industries are extremely inportant in the global economy. This paper is to examine the current trends, issues and to forecast the future IT market, as a dynamic stage to the next economic transition. は じめ に 本 稿 はITバ ブ ル 崩 壊 後 のIT不 況 下 の 世 界 主 要ITメ ー カ ー に お け る 国 際 ビジ ネ ス 戦 略 を ま とめ た もの で あ る 。 筆 者 が 訪 問 し た ン キ ア(フ ィ ン ラ ン ド)、 エ リ ク ソ ン(ス ウ ェ ー デ ン)、 シー メ ンス (ド イ ツ)、 ル ー セ ン ト ・テ ク ノ ロ ジ ー(米 国)の 世 界 トップ4社 を事 例 と して取 り上 げ て い る 。 ま た 、 上 記 企 業 研 究 分 析 か ら得 た情 報 、 資 料 に 基 づ き産 業 界 全 体 と してIT不 況 に対 す る 欧 米 の対 策 処 方 箋 を整 理'して い る 。IT産 業 は世 界 経 済 の 景 気 回復 の け ん引 役 を果 た すべ き位 置 に い る だ け に 、 再 生 へ の 期 待 は大 きい 。 本 稿 は 、 産 業 界 が 現 在 直 面 して い る 問題 点 、 課 題 、展 望 を 分析 す る こ と に よっ て 解 決 策 を見 い 出 し、 今 後 の 経 済 発 展 シ ナ リ オ を再 構 築 す る こ とが 可 能 と な る と主 張 して い る。 第1章IT産 業の苦戦 IT不 況 の 原 因 、 背 景 を米 国 を例 に整 理 す る と以 下 の よ う に な る 。 1.CLEC(競 争 的 地 域 電 話 会 社 、 バ イパ ス 業 者)の 破産 米 国 で は 「96年通 信 法 」 の 成 立 に よ っ て 、 明 確 な 競 争 促 進 策 が 打 ち出 され た 。 この 規 制 緩 和 策 が 米 国IT不 況 の 要 因 に な る と は 当 時 誰 も予 想 を しな か っ た 。 ベ ル 地 域 電 話 会 社(RBOC)ぺ 域 市 場 で の競 合 を歓 迎 した 結 果 、 登 場 した の がCLECと い う新 興 通 信 会 社 で あ る 。WLL(注1)な ど高 速 イ ン タ ー ネ ッ ト ・ア ク セ ス 網 建 設 ヘ エ ネ ル ギ ッ シ ュ に傾 斜 した 。IPO(新 一125一 の地 規 株 式 公 開)が 相 次 ぎ、 資 金 調 達 も.ベン ダー ・7ア イナ ン ス を含 め ラ ッシ ュ状 態 で あ ・ うた 。 建 設 投 資 は1999年 に165 億 ドル 、2000年 に は245億 ドル(約3兆 円)とCATV業 界 を しの ぐ旺 盛 な投 資 で こ こ4年 間 の 累 積 合 「 計 額 は541億 ドル に の ぼ った 。 しか し、 借 金 漬 け と需 要 減 、 料 金 低 下 な どの た め 赤 字 経 営 が 露 呈 し、 機 関投 資 家 が 将 来 の投 資 回収 の リス グ を想 定 して 資 本 逃 避 を 始 め た 。 そ の結 果 は 資 金 繰 りの 困 難 が 過 剰 設 備 と債 務 を抱 え た ま ま経 営 危 機 を表 面 化 させ た 。 現 実 に資 金 力 の 無 い 大 手CLECの テ リ ジ ェ ン ト、 ウ ィ ンス タ ー 、 ・ メ トロ コ ム が破 産 法11条 の 申 請 に踏 み切 っ た。・表1に 破 産 ・ 上 場 廃 止 事 件 を ま とめ て あ る 。 表1米 新興通 信会社の破産 ・上場廃 止事例 ビジ ネ ス 企 ADSL WLL MMDS 業 名 事 態 ノースポ イン ト 破 産法11条 申請 リズ ム ス ・ネ ッ トコ ネ ク シ ョ ン ズ 上 場廃止 ウィンス ター 破 産 法11条 申請 テ リジ ェ ン ト 〃 ART 〃 PSIネ ッ ト 〃 lCGコ ム 〃 光 ファイバ ー 360ネ ッ トワ ー ク ス 〃 360ネ グ ロ ー バ ル ・テ レ シ ス テ ム lSP ッ トワ ー ク ス 上場廃 止 出 所)筆 者 作 成 2.ADSL市 場 の 淘 汰(注2) ブ ロ ー ドバ ン ド時 代 の 花 形 市 場 と もて は や さ れ るADSL市 400万 世 帯 に普 及 し、CATVイ 場 に も激 震 が 走 っ た 。ADSL市 場は ン タ ー ネ ッ トと並 ぶ 地 位 に浮 上 し た。1995年 来 の イ ン タ ー ネ ッ ト ・ ブ ニ ム か ら高 速 大 容 量 、 常 時 接 続 、低 料 金 の ブ ロ ー ドバ ン ド ・ブ ー ム の 火 付 け 役 で あ っ たDSL回 線 業 者 の 大 手3社 が 総 倒 れ して し ま っ た の は シ ョ ッキ ン グ な 出 来 事 とい え る 。 業 者 経 由 の サ ー ビス の95%を3社 が 占め てい た。 新ADSL業 1位 の コバ ジ ド ・コム社(本 者 は イ ン フ ラ を持 たず 、 ネ ッ ト接 続 はISPに 依 存 す る 。 社 シ リ コ ンバ レ ー)は 約35万 世 帯 カバ ー して い た が 、 会 社 更 正 法 の 適 用 と な っ た 。 原 因 は第 一 に、 電 話 局 内 に設 置 す る 装 置 の投 資 に対 して 収 入 が 少 な す ぎ る 費 用/ 便 益 対 比 問 題 で あ る 。 第 二 に、 株 価 低 迷 後 、新 規 資 金 調 達 が 思 う よ う にい か ず 、 ナ ス ダ ッ ク店 頭 市 場 に格 下 げ され た ほ どの 資 金 難 に 陥 っ た 点 だ 。 2位 の ノ ㌣ ス ポ イ ン ト社 は約15万 世 帯 を カ バ ー して い た が 、 破 産 した 。 原 因 は コバ ッ ド社 と 同様 に 追加 資 金 調 達 が で きな か っ た財 務 危 機 で あ った 。 3位 の リズ ム ズ ・ネ ッ トコ ネ ク シ ョ ン ズ 社 は会 社 更 生 法11条 適 用 を4月 に 申 請 した 。7億 ドル め 同社 資 産 に対 して 、8億5千 万 ドル の負 債 を抱 え、 追 加 資 金 の 調 達 メ ドが 立 た な か っ た か らだ 。 結 局 大 手 業 者 が 市 場 脅 ら消 え、 サ バ イ バ ル 出 来 た の は 後 発 の 大 手 電 話 会 社 経 由 のDSL事 業 であ り・ 月 額 料 金 を値 上 げ す る流 れ に な っ た 。 資 金 力 、人 材 、 技 術 力 も中 途 半 端 な新 興 通 信 企 業 が 規 制 緩 和 のITブ ー ム の 波 に乗 っ1(参 入 し、ITバ ブ ル を助 長 した が 、 バ ブ ル崩 壊 、IT不 況 の 引 き金 と な っ た の は皮 肉 と言 え よ う。 一126一 3.キ ャ リア の 過 剰 設 備 、 過 剰 競 争 キ ャ リ アのIT投 資 は2000年 が前 年 比11%増 で あ っ た が 、2001年 が5%減 以 上 と な ろ う。 投 資 減 が ベ ン ダ ー の 受 注 減 を直 撃 した 。 米 通 信 産 業 の 設 備 投 資 は 民 間 の8-10%に 達 して 米 国 経 済 の 高 成 長 、 10年 間 の 長 期 好 景 気 の 原 動 力 と な っ て きた 。 しか し、 新 興 通 信 会 社 で は 過 剰 設 備 が 料 金 下 落 競 争 を生 み 、 業 績 悪 化 を露 呈 させ た 。 同 時 に過 剰 負 債 が 資 金 繰 り不 安 を醸 成 した 。 〈 ク エ ス ト、 レベ ル3の ケ ー ス 〉 光 フ ァ イバ ー 網 を は じめ 大 型 設 備 投 資 で 建 設 ラ ッ シ ュ が 行 わ Fれ た結 果 、 長 距 離 通 信 の 回 線 総 容 量 は2003年 に現 在 の 数 倍 に達 す る予 測 が あ る が 、 過 剰 設 備 → 料 金 下 落 の 悪 循 環 が 始 ま っ,た。 また 、ISPのPSIネ ッ トは 、6月 初 め に負 債43億 ドル を抱 え て連 邦 破 産 法11条 の会 社 更 生 適 用 が 申請 され た 。 通 信 関 連 大 手44社 の2001年 の 設 備 投 資 予 測 は 、 前 年 比16%減 0.2%程 度 引 下 げ る模 様 だ 。2000年 は1240億 少 して1067億 ドル に な り、GDPを ドル の 実 績 を持 ち 、 民 間 設 備 投 資 全 体 の12%を 占め、 増 加 分 の25%に 達 して い る 。 そ れ が 上 述 の ご と く、'2001年 は 一 変 して し ま っ た 。 通 信 業 界 の負 債 総 額 は3000億 ドル(約36兆 円)に の ぼ り、 欧 米 通 信 産 業 の 借 入 金 の 増 大 が7千 億 ドル に達 し、 金 融 市 場 が 不 安 視 一ITバ ブ ル崩 壊 が 始 ま っ た わ け で あ る 。 特 に 、 新 興 通 信 会 社10社 に対 し信 用 格 付 会 社 の ム ー デ ィー ズ社 が 投 資 不 適 格 に格 下 げ た 。170億 ドル の 負 債 が 焦 げ 付 く不 安 が 理 由 だ 。 4.モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ ト 米 国 の 場 合 、PCS(注3)イ (米 国 通 信 機 械 工 業 会)の ン フ ラ に お い て 、2001年 に は37.6%の 予 測 調 査 に よ る と 、2002-2004年 成 長 が 期 待 さ れ て い る が 、TIA は ス ロ ー ペ ー ス と な り 、PCSイ ンフラ の 売 上 げ は 減 少 す る 。 セ ル ラ ー ・イ ン フ ラ 部 門 の 売 上 げ は シ ス テ ム の 成 熟 を 反 映 し て 、2000年 は165%の に 減 少 と な っ た 。 ア ナ ロ グ か ら デ ジ タ ル に 変 わ る こ と に よ っ て 一 時 的 に 盛 り 返 す が2004 年 に は減 少 と な る。 ワ イ ヤ レ ス ・ア プ リ ケ ー シ ョ ン の 一 つ が 、 ワ イ ヤ レ ス 端 末 に よ る イ ン タ ー ネ ッ ト ・ア ク セ ス で あ る 。 ベ ラ イ ゾ ン 、AT&T、Nextel、 ヤ レ・ スISPを ネ ッ ト音 楽 を 提 供 す るSavos、 供 す るUpoc等 ス プ リ ン トはGoAmerica、YodaYoda.comの よ う な専 用 の ワ イ 持 ち 、 各 々 モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ ト ・サ ー ビ ス を 打 ち 出 して い る 。 ま た 、・ イ ンター ワ イ ヤ レ ス ・検 索 エ ン ジ ン のSmartRay、 メ ッ セ ー ジ ・サ ー ビ ス を 提 の よ う な ニ ッ チ ・コ マ ー ス 、m一 コ マ ー ス はe-mail、e一 コ マ ー ス が 有 線 の イ ン タ ー ネ ッ ト利 用 を 促 進 し た よーう に 、 市 場 を 活 性 化 す る 基 本 的 な モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ ト ・ア プ リ ケ ー シ ョ ンが 必 要 で あ る 。 こ れ ら の 動 向 で わ か る よ う に 、3Gに よ る ブ ロ ー ドバ ン ドが 米 国 で 可 能 に な る 前 で も モ バ イ ル ・ イ ン タ ー ネ ッ ト市 場 を 先 行 さ せ て き て い る 。2004年 ま で に は、 ほ と ん どの ワ イ ヤ レス 端 末 が イ ン タ ー ネ ッ トに ア クセ ス 出 来 る よ う に な る と予 測 され て い る 。 日 本 は3Gネ 3Gサ ッ ト ワ ー ク の 運 用 を2001年 秋 に 始 め た 最 初 の 国 で あ る 。 日本 の 無 線 帯 域 の 不 足 が ー ビ ス の 導 入 を加 速 し て い る 。 韓 国 、 中 国 、 香 港 の ア ジ ア 勢 も 「ケ ー タ イ ・ブ ー ム 」 が 続 く で あ ろ う。 米 国 は 最 近 デ ジ タ ル ・ワ イ ヤ レ ス を 導 入 し た 位 で 日 欧 に 遅 れ て い る 。3Gラ ョ ン に か け る 時 期 は2002年9月 の 予 定 が 先 送 り さ れ2003年 後 半 か ら2005年 し か し 、 ベ ラ イ ゾ ン ・ワ イ ヤ レ ス 社 の ウ ー レ イ 副 社 長 は 「cdma20001Xに50億 世 代 の 準 備 を 始 め る 予 定 だ 」 と説 明 す る 。 一127一 イ セ ンス を オ ー ク シ の 問 に な る で あ ろ う。 ドル を 投 資 し 、 第3 5.ベ ンダーの苦戦 欧 州 同様 、 キ ャ リ ア が 業 績 悪 化(収 益 低 迷)→ 設 備 投 資 減 少 → ベ ン ダ ー の 受 注 減 の構 図 が 米 国 で も浮 上 して い る。ITバ ブル の負 の 遺 産 が 産 業 全 体 に行 き渡 っ た 。 米 国 の景 気 後 退 は19♀0-91年 に 一 度 起 き、 ブ ッ シ ュ政 権 が 翌 年 の 大 統 領 選 で ク リ ン トン民 主 党 政 権 誕 生 を許 して し ま っ た 。そ れ か ら10年 ぶ りの 景 気 不 振 が境 実 化 した 。95年 の イ ン タ ー ネ ッ ト ・ブ ー ム が 米 国経 済 の 牽 引 力 た な り、 ネ ッ トバ ブ ル → 過 剰 生 産 → ネ ッ ト機 器 、 パ ソ コ ン 、 半 導 体 の 過 剰 在 庫 → 市 場 減 少 → 半 導 体 部 門 の 赤 字 化 が 表 面 化 して ベ ン ダー の総 崩 れ が 始 ま っ た 。 ち な み に㍉ 米 国 で は パ ソ コ ン市 場 は 半 導 体 需 要 の4割 を 占 め る。 従 っ で 、 パ ソ コ ン需 要 減 → 半 導 体 不 況 を醸 成 した(北 米 の6月 売 上 げ 前 年 同 期 比 は45%減 を記 録)。 バ ブ ル期 の 高 株 価 で ス トッ ク オ プ シ ョン に よ る有 能 人 材 の確 保 及 びM&Aの 攻 勢で事 業の拡大 が 計 られ た 。 各 社 は い わ ゆ る 成 長 主 義 経 営 に徹 し たが 、 バ ブ ル崩 壊 と共 に、 利 益 重 視 主 義 に経 営 転 換 を余 儀 な くさ れ た 。ITバ ブ ル崩 壊 の 負 の 遺 産 に よ っ てIT成 功 の ビ ジ ネ ス モ デ ルが 消 え て い る 。 米 ベ ン ダ ー の ル ー タ ー分 野 トッ プ企 業 の シ ス コ ・シ ス テ ムズ 社 並 び に光 ネ ッ ト分 野 トッ プ の ノ ー テ ル ・ネ ッ トワ ー ク ス社 を例 に業 績 悪 化 の現 状 は 下 記 の 通 りで あ る 。 〈 シ ス コ ・シ ス テ ム ズ 〉 急 成 長 企 業 の お ご り、 生 産 拡 充 策 、 積 極 的 な 企 業 買 収 に挑 ん だ 自信 過 剰 ・超 楽 観 主 義 も今 回 のIT不 況 で 一 変 した.今 年7月 期 の 通 期 決 算 で は 特 別 損 失 を出 し、最 終 利 益 が 約10億 ドル の赤 字 で 、 上 場 来 初 め て の赤 字 を記 録 した 。 株 価 は ピ ー ク時 の2割 に 下 落 して い る 。 水 増 し発 注(必 要 量2、3倍)が 常 態 化 して い たが 、在 庫 処 分 や レイ オ フ(8千 人)を 優 先 。最 近 は 組 織 の 全 面 刷 新 を断 行 した 。 つ ま り、 チ ェ ンバ ー ズ 社 長 の 下 に技 術 系 と営 業 系 の2大 系 列 に組 識 を 2分 させ た 。 〈 ノ ー テ ル ・ネ ッ トワ ー ク ス 〉 新 興 通 信 会 社 向 け 売 上 げ が4割 減 少 し、 ネ ッ ト企 業 向 け は半 減 し た 。 人 員 削 減 計 画 は 当 初 の4千 人 を3万 人 に 引 き上 げ た 。M&A攻 勢 の 結 果 、 ソ ノ マ ・シ ス テ ム ズ (高 速 通 信 シス テ ム)、 カ イ ロス(光 部 品 メ ー カ ー)な 出 した。 暖 簾 代 を含 む 無 形 資 産 な ど新M&A会 第2章 ど は 、 決 算 上123億 ドル のM&A関 連損失 を 計 基 準 で 巨額 の損 失 を計 上 せ ざ る を得 な くな っ た 。 企 業 の トリプル 複 合 不 況 に対 す る克服 対 策 今 回 のIT、 金 融 、 テ ロ3分 野 が 複 合 した不 況 へ の リス ク対 象 分 野 と して 、 ① 経 済 不 況 、 ② 株 価 下 落 、 金 融 不 況 、③ 為 替 変 動(ア ジ ア 通 貨 危 機)、 ④ テ ロ ・災 害(ニ ュ ー ヨー ク の世 界 貿 易 セ ン タ ー ビ ル倒 壊 、 台 湾 や 阪 神 の 大 震 災 、 イ ン ドネ シ アの 大 洪 水 〉、 ⑤ カ ン ト リー ・リス ク(エ チ オ ピ アの 軍 事 ク ー デ タ、 ア ル ゼ ンチ ンの デ フ ォル ト)、⑥ コー ポ レー ト ・ガ バ ナ ンス(株 主 な どへ の企 業 統 治 の 責 任)、 ⑦ 通 商 法(米 セ キ ュ リテ ィ問 題(ハ 国 の リ ー ガ ル ・ハ ラ ス メ ン ト、 中 国 の携 帯 電話 な どへ の 報 復 関 税) 、⑧ 的 所 有 権 、PL、 セ クハ ラ)、 ⑩ 国際 需 ッ カ ー ・ ウ イ ル ス)、 ⑨ 損 害 賠 償(知 給 市 場 予 測 の 失 敗 、 な ど10分 野 に大 別 で き る 。 対 策 に は ス ピー ドが 必 要 な も の が 多 く、 下 記 に整 理 した 諸 課 題 を ど う解 決 す る か の 処 方 箋 を用 惹 した 。 一 口 で 「不 況 」 とい っ・ て も、 日米 欧 で 原 因、 背 景 、 経 過 は 異 な る か ら、 グ ロ ーバ ル 単 一 思 考 は ナ ン セ ンス だ 。 欧 州 の場 合 、「モバ イ ル 不 況 」 が 主 要 因 だ し、モ バ イ ル 不 況 は 欧 州 の み とい っ て も過 言 で は な い 。 要 因 は① 市 場 の 飽 和 臨 界 点 が 早 期 に到 来 した 点 、 ② 周 波 数 免 許 オ ー ク シ ョン の 高 騰 に よ る通 信 事 一128一 業 者 の 財 務 悪 化 で あ り、 そ の余 波 で販 売 力 、 サ ー ビ ス が 低 下 した 点 で あ る 。 こ う した背 景 で の 企 業 対 策 と して は次 の 内 容 が 実 施 され つ つ あ る。 第1に 、音 声 通 信 中 心 のGSM→WAP(注4)の 対 策 と し て、次 世 代 規 格 のWAP2.oを 不 人気 → デ ー タ通 信 移 行 へ の 暗礁 乗 り上 げ で あ る 。 採 用 す る。 この シス テ ム はiモ ー ドとの 互 換 性 を持 つ 。 ま た 、 来 年 夏 に2.5Gサ ー ビス の モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ ト装 備 のGPRS(注5)が IMT2000(3G)に 普 及 し、 実 施 先 送 りの ス ム ー ズ に シ フ トさせ る。 第2に 、企 業 提 携 、 買 収 の 活 発 化 で あ る。 ソ フ トウ ェ ア開 発 分 野 の企 業 提 携(携 帯 電 話 開発 サ イ ク ル の性 能 が1年 で3倍 の ス ピ ー ド)が 人 材 、 資 金 面 で重 要 に な っ て い る。 第3に 、 周 波 数 免 許 料 オ ー ク シ ョ ン高 騰 に対 す る対 策 と して 、 ネ ッ トイ ン フ ラの 共 有 な ど、 モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ トの 開 放 が 挙 げ ら れ る 。 第4に 、MVNO(モ 設 備)移 バ イ ル ・バ ー チ ャ ル ・ネ ッ トワー ク ・オ ペ レ ー タ)の 台 頭 で あ る 。 仮 想(無 動 通 信 事 業 へ の ネ ッ トワ ー ク 提 供 が 注 目 され る 。 事 業 者 と して は ビ ッサ ビ(ボ ー ダ フ ォ、 ン と ビベ ン デ ィの 合 弁)、・Zed(フ ィ ン ラ ン ドの ソ ネ ラ子 会 社)、 バ ー ジ ン(シ トラ リ ア で 営 業)、 オ レ ン ジ(フ ンガポール、 オース ラ ンス ・テ レ コ ム の 英 子 会 社)、 カ ー フ ォ ン ・ウ ェ ア ハ ウ ス な ど が ス ター ト した 。 第5に 、 イ タ リ アで 加 入 者 の7割 を 占 め る プ リペ イ ド方 式(ユ ー ザ ー は基 本 料 不 要)で マス マー ケ ッ ト普 及 に拍 車 をか け る作 戦 も期 待 で きる 。 上 記 は 欧 州 モ バ イ ル市 場 の 事 例 で あ る。 日本 企 業 の 国 内 及 び 国 際 事 業 分 野 で の 危 機 管 理 、 新 市 場 創 出 へ の対 応 、 パ ラ ダ イ ム ・シ フ トな どへ の 処 方 箋 を紹 介 した い 。 今 回 の テ ロ事 件 の 教 訓 と し て は、 ① 部 品 、 材 料 の 工 場 在 庫 方 法 見 直 し、 空 港 や 港 湾 、 道 路 の 閉 鎖 ケ ー ス で の 運 輸 ・搬 送 方 法 の 見 直 しと物 流 網 管 理 。 ② 外 来 者 の入 所 管 理 体 制 、 海外 出張 ミニ マ ム化 、 欧 州 、 米 国 内 移 動 で の 自動 車 利 用 ③ 設 備 破 損 、 電 子 商 取 引 の プ ラ ッ トフ ォー ム の デ ニ タや シ ス テ ム の保 護 、 電 源 供 給 停 止 及 び 自 家 発 電 設 備 の オ ー バ ー ヒー ト対 策 ④ イ ン タ ー ネ ッ トの セ キ ュ リテ ィ、 情 報 コ ン テ ンツ の 管 理 、 通 信 設 備 の デ ー タ ・バ ック ア ップ と 復 旧 サ ー ビス 体 制 ⑤ 国 際 テ ロ 戦 争 は ビ ン ・ラ デ ィ ン/タ 野 を陣 頭 指揮 す るCSO(チ リバ ン を倒 して も全 く終 わ ら ない 認 識 で 、 社 内 に上 述 分 ー フ ・セ キ ュ リデ ィ ・オ フ ィサ ー)の 設 置 、 が 挙 げ られ る 。 次 に 、 各社 の 中期 的 策 定 と して は実 行 す べ き諸 点 を述 べ た い 。 ① 構 造的問 題 〉高 収 益 体 質 の 構 築 を 目標 と して 、事 業 の 選 択 と集 中 を徹 底 す る 〉資 材 ・原 材 料 の効 率 的 電 子 調 達 体 制 の 強化 〉 ネ ッ トワー ク時 代 に 適 応 した付 加 価 値 の 高 い ハ ー ドウ ェ ア の商 品化 ② 一 時 的 、 過 渡 期 的 な現 象 〉現 時 点 はIT革 命 の 進 行 上 の 調 整 期 で次 の 技 術 革 新 へ の つ な ぎ >ITS、 ナ ノ、 バ イ オ 、 エ コ ロジ ー な ど新 技 術 市 場 と しのITリ ン ク ③ 政 策 ・国 家 戦 略 の前 倒 し 〉構 造 改 革 の 目標 は21世 紀 型 高 度 情 報 社 会 へ の 効 率 的 適 合 で あ る 。 一129一 [〉 「e-Japan5ヵ 年 計 画 」 の 執 行 予 算 の前 倒 し実 施 。 つ ま り、 単 年 度 予 算 か ら複 数 継 続 予 算 に 変 更 し、2005年 に4千 万 世 帯 ブ ロ ー ドバ ン ド環 境 整 備 計 画 を前 倒 し加 速 ④ グ ロ ーバ ル展 開 の 見 直 し [〉過 度 の一 国 市 場 依 存 の修 正 [〉唯 一 元 気 な 中 国 市 場 へ の進 出 強 化(工 場 人 件 費 は25分 の1) 〉外 国為 替 の 差 損 対 策 と して 、 ニ ュ ー ヨ ー ク な どの 鹵 際 金 融 セ ン タ ーに 国 際 金 融 業 務 専 門 子 会 社 の設 立 ⑤ 需 給 予 測 の精 査 〉業 界 の需 要 予 測 をズ ピー ド経 営 時 代 に合 わぜ て 国 内 ・世 界 市 場 に区 分 して 四 半 期 ベ ー ス で 徹 底 検 証 。今 回 はIT不 況 の 早 期 警 戒 予 知 が不 十 分 。 〉 同 様 な予 測 の 正 確 さの 追 求 で 腐 心 す るTIA(米)、EICTA(欧 州)の2大 業 界 団 体 との 日米 欧 共 同 作 業 の必 要性 第3章 世 界 の 主 要IT企 SBC、AT&Tな 業 の2001年 世 界IT企 業 の 現 状 と課 題 の 実 績 は 表2、 表3の 通 り で あ る 。 キ ャ リ ア 部 門 で は 、 ベ ラ イ ゾ ン 、 ど 米 国 勢 の 活 躍 が 目 立 つ 。 一 方 、 メ ー カ ー 部 門 で は 、IBM、 の 躍 進 が 注 目 さ れ る 。 本 稿 で は 、 下 記 、A .ノ キ ア 、B.エ リ ク ソ ン 、C.シ サ ム ス ン 電 子(韓:国) ー メ ン ス 、D.ル 、 ー セ ン ト ・テ ク ノ ロ ジ ー 社 を 事 例 にITメ ー カ ー の 動 向 、 ビ ジ ネ ス 戦 略 を ま と め て い る 。 表2主 会 社 NTT 売上高 要 キ ャ リ ア の 実 績2001年 利 益 一(単 総 資 産 時価総額 株主資本利益率 位:100万 キ ャッシ ュフロ ー 93,249 3,791 173,311 66,434 6.8 24565 64,707 10,810 164,735 134,836 14.2 23071 98,651 、瓢 ベ ライソン・コミュニケ ーションズ SBCコ ミュニ ケ ー シ ョン ズ AT&T ドイ ツ テ レ コ ム 51,476 7,967 128,123 24.1 17715 67,306 5,617 242233 53,878 NIA 15884 64,994 9.7 15027 5..3 11202 36,874 5,338 111,905 プ リ テ ィ ッ シ ュ ・テ レ コ ム 29,707 1,850 79,694 43,51 17 ベルサウス 26.,151 4,220 50,925 69,386 テ レフ ォニ カ 25,656 2,256 83,204 56,805 9.8 8525 フラ ン ステ レコム 30,330 3,297 116,717 43,098 13.2 8454 NTTド コモ 38,283 2,986 48,292 136,104 11 7742 テ レ コ ム イ タ リア 26,040 1,827 58,960 53,766 8.2 5893 ボ ーダ フオ ン 9,652 3,351 250,234 157,489 KPN 9,506 1,688 48,156 、噛 24.7 8577 t8 5667 4,778 .9.1 4425 ス プ リン ト 17,688 1,971 23,649 17,743 6.3 4170 ワ ー ル ドコ ム 39,090 4,088 98,903 39,585 4.3 4088 クウェス ト・ コミュニ ケ ーシ ョン 18,954 995 73,501 21,545 2.1 3790 テル ス 11,649 2,049 18,909 32,268 39.5 3498 トラ 馳 一130一 ド ル) 表3主 会 社 要ITメ 売上高 利 ー カ ー の 実 績2001年 (単 位1100万 総 資 産 時価総額 株主資本利益率 益 IBM 88,396 8,073 88,349 シー メンス 78,361 1,881 81,1'69 ㌦) キャッシュフ ロ ー 187,847 38.2 12586 43,030 8.7 7523 サ ム ス ン電 子 26,474 4,644L 20,768 』 『23 ,625 26.5 6673 シス コシステムズ 22,293 3,086 35,238 124,092 11.6 5322 ノキア 27,360 ノ ーテ ル ・ネ ッ トワー ク ス 30,293 モ トロ ー ラ 37,580 3,627 ▲2,957 1,318 出 所)表2、 A.ノ 表3共 17,915 98,700 40.2 4232 42,227 18,626 NIA 4138 42,343 36,226 NIA 3670 に 、"世 界1000社 番 付"「 日経 ビ ジ ネ ス 」2002年1月7日 号 キア 1865年 に ノ キ ア とい う 町 の ノ キ ア とい う川 の 近 くに パ ル プ エ:場を設 立 した こ とか ら ノ キ ア と い う企 業 名 称 が 使 用 され て お り、1980年 代 に は コ ング ロマ リ ッ ト と して 、 ゴム 長 靴 、TV、 電 力 供 給 な ど手 が け て い っ た が そ の後 、 電 気 通 信 に事 業 焦 点 を絞 り込 み1991年 に事 業 の100%を 電気 通信 関 連 と し て急 成 長 して い る会 社 で あ る こ とは 有 名 で あ る 。 現 在 は世 界 一 の モ バ イ ル ・メ ー カ ー に 躍 進 して い る 。 1.2000年 の事業概 要 ノ キ ア ・グ ル ー プ と し て の 売 上 高 は 、1996年 よ り2000年 で4.6倍 と な り 、1997年 と比 較 して も 3.4倍 で あ り、 ま さ にJカ ー ブ の 成 長 を 続 け て い る と 言 え る 。 a.売 上 高3兆364億 円 b.営 業 利 益5778億 円 c.研 究 開 発 費2583億 円 (2000年/1997年 比+240%) d.従 業 員 数60289人 注;(ユ 2.新 (2000年/1999年 比+54%) (2000年/1997年 比+240%)' (2000年/1999年 比+48%売 (2000年/1997年 地+310%) (2000年/1999年 比+47%売 (2000年 比/1999年+9%) (2000年 比/1997年 上 高 比 率19%) 上 高 比 率8.5%) 比+60%) ー ロ の レ ー ト=99.96円) 組織 ノ キ ア の ビ ジ ネ ス ・グ ル ー プ は 次 の4つ ー ガ ン と して 事 業 展 開 して い る のBUに (A)ネ ッ トワ「 クス (B)モ バ イ ル ・フ ォ ン (C)ベ ン チ ャ ー ・オ ー ガ ナ イ ゼ ー シ ョ ン (D)リ サ ー チ ・セ ン タ ー 2000年 の 売 上 高 の72%を(B)の 区別 され 「コ ネ ク テ ィ ン グ ・グ ル ー プ」 を ス ロ 。 ノ キ ア ・モ バ イ ル ・フ ォ ン が 占 め て お り、25%を(A)の ア ・ネ ッ ト ワ ー ク が 確 保 し て い る 。 ネ ッ トワ ー ク 事 業 も2000年/1999年 一131一 比 の 売 上 で+36%、 ノキ 営 業 利 益 で+26%と 57%が 延 び て い る が 、 モ バ イ ル ・フ ォ ンの 売 上 高 伸 び 率+66%、 お よ び営 業 利 益 伸 び率 脚 光 を浴 び た 。 前 回 訪 問 し た調 査 の1997年 で は く モ バ イ ル ・フ ォ ンの 売 上 高 に 占 め る割 合 は、51%で の3年 で21%も 3.地 あ り、 こ 上 昇 させ 、携 帯 端 末 事 業 が 会 社 の 牽 引 役 とな って い る事 が 分 か る 。 域 別 売 上 の構 成 2000年 の 売 上 の 地 域 別 割 合 は 、.ヨ ー ロ ッ パ が52%、 お り、 前 回 訪 問 し た1997年 ア メ リ カ が25%、 伸 び が あ り、 ア ジ ア 太 平 洋 地 域 が 率 で ほ ぼ 横 ば い 、 ヨ ー ロ ッ パ が1%程 は5%あ っ た も ク)が2%に ア ジ ア が23%、 とな っ て の3年 前 の 調 査 デ ー タ と 比 較 し て の 相 違 は 、 ア メ リ カ 地 域 が7%程 度 の 低 下 し、 フ ィ ン ラ ン ド自体 満 た な く な っ て い る こ と が 挙 げ ら れ る 。 面 会 し た 役 員 は 、 「フ ィ ン ラ ン ドの 市 場 は 、 人 口 約500万 人 の 市 場 で し か な い こ と か ら 重 要 で な い 」 と 明 言 して い た 。 ま た 、 ヨ ー ロ ッ パ で の 売 上 高 で は 、 ス カ ン ジ ナ ビ ア 地 域 が48% 、 中 央 及 び 西 ヨ ー ロ ッパ が39%、 その他 が 13%と な っ て い るQ 一 方 、2000年 で の 国 別 売 上 の ト ッ プ10は ス/ブ ラ ジ ル/フ ィ リ ピ ン/オ 順 に 米 国/中 ー ス ト ラ リ ア/ス ヌ い て は 、 次 世 代 携 帯 電 話 の標 準 化 でNTTド 国/英 国/'ド イ ツ/イ タ リ ア/フ ラ ン. ペ イ ン と な っ て い る 。 ま た 、 日本 市 場 参 入 に つ コ モ と協 力 しつ つ研 究 所 の 設 立 や 大 学 との 共 同研 究 に よ り、 次 世 代 で の市 場 の 参 入 を 計 画 して い る 様 で あ る 。 』 4.従 業 員数 2000年 末 で60289人 で あ り、 年 間9%増 と な って い る 。3年 前 の 調 査 時 で の 人 員 数 の 約1 .6倍 に膨 れ 上 が って い る。 最 近 の市 場 の 状 況 に よ り見 て 人 員 の 増 加 につ い て は 、 警 戒 感 を持 っ て お りワ ー ル ドワ イ'ドに 人 を採 用 して い る が 、2001年 末 採 用 を抑 制 した。 特 に効 率 的 な 目標 を掲 げ 、 パ ー ト ナ ー化 を推 進 しネ ッ トワ ー キ ン グ に よる 会 社 運 営 を 目指 す とー して い る 。 2000年6月8日 に は ∼9ヶ 所 の 携 帯 電 話 製 造 工 場 の う ち 、 ドイ ツ に あ る ボ ッヘ ム 工 場 の 事 業 縮 小 計 画 を発 表 した 。 年 内 を 目途 に300人 の 削 減 を予 定 し、2001年 の市 場 成 長 の減 速 傾 向 が 施 策 と して 現 れ始 め た 様 で あ る。 5.2001年 の状況 1∼3月 期 は、8007百 万 ユ ー ロの 売 上 が あ り、 そ の 部 門別 内 訳 と して ネ ッ トワ ー ク が25%、 イ ル ・フ ォ ン が73%、 ベ ンチ ャー ・オ ー ガ ナ イ ゼ ー シ ョ ンが2%と モバ な っ て い る。 売 上 高 の 伸 び の 勢 い が ズ ロ ー ダ ウ ン して き て い る 気 配 が 感 じ られ るが 、 追 従 し て い る 他 社 に比 較 し て圧 倒 的 な に 優 位 状 況 で あ る 。.米 調 査 会 社 ガ ー トナ ー グ ル ー プ に よ る と、2001年1∼:3月 期 の 携 帯 電 話 販 売 台i数 の シ ェ ア は1位 ノ キ ア が35.3%に 上 昇 し、2位 モ トロ ー ラが13 .2%、 ・3位シ ー メ ンス が6.9%、4位 エ リ ク ソ ンが6.8%、5位 サ ム ス ≧電 子(韓 甲)が6.3%で あ り、2位 か ら5位 ま で の 合 計 で も ノ キ ア ー 社 分 に及 ば な い 状 態 で あ る。 .同社 は今 年1月24日 44%の に2001年 の 決 算 を発 表 した 。 第3・ 四 半期 連 続 の 減 益 とな り、 年 間 で 前 年 比 少 の3億8000万 減益 で あ っ た。2001年 の 携 帯 電 話 端 末 の 世 界 市 場 販 売 台 数 は 前 年 比 約8%減 台 と、 当初 予 測 を か な り下 回 っ た 。 同社 の端 末 売 上 台 数 は1億4000万 台 、 シ ェ ア に して約37%と2 位 の エ リク ソ ン に大 差 をつ け て世 界 の トップ の 座 を維 持 して い る。 同社 の 昨 年 第4・ 四 半期 の 業 績 は売 上 数87億8800万 ユ ー ロ(前 年 同 期 比5%減)で 一132一 、 主 力 部 門 の 携 帯 電 話 端 末 は売 上 げ が 前 年 同 期 並 み で あ っ た 。 が 、 基 地 局 な どイ ン フ ラ ・ネ ッ トワ ー ク部 門 は17%も 減 少 し営 業 赤 字 に転 落 し、 減 益 の 主 因 に な っ て い る。 な お 、 同 社 は 今 年 の 世 界 携 帯 電 話 市 場 の 予 想 需 要 をGPRS、3G用 型 機 種 の 発 売 で、4億2000万 の新 か ら4億4000万 台 に 回 復 す る と見 込 ん で い る。 6.将 来 に 向 けて の研 究 開 発 投 資 研 究 開 発 に は 、 意 欲 的 に取 り組 ん で お り2000年 末 に は 、 全 従 業 員 の30%相 当 の19304人 を投 入 して い る 。 そ れ で も十 分 で な い た め 、 ワー ル ドワ イ ドで40万 人 の デ ィベ ロ ッパ ー を リク ル ー ト・ し、 大 きな ソ フ トウ手 ア の コ ミュ ニ テ ィ を形 成 して い る。 ま た研 究 開 発 費 は 、2000年 に は2583億 円 で 売 上 比8.5%、 金 額 の 前 年 比 伸 び率 が47%と な っ て い る。1999年 で の 売 上 比 は8.9%で で は若 干 抑 制 方 向 の よ う で あ る が 、 フ ィ ン ラ ン ド全 体 の 研 究 開 発 投 資 の 約30%が あ り、 比 率 ノ キ ア1社 で 占 め て お り、 国 内 で の最 重 要 企 業 と な っ て い る 。 ま たR&Dと して は 、 サ ー ビス 、 ソ リ ュ ー シ ョ ン、 ソ フ トウ エ ア 開発 、 デ ザ イ ン な どに力 を入 れ て 、 研 究 費 の 大 半 は 人 件 費 で あ る。 そ の 一 方 機 器 用 新 ソ フ ト開 発 とい う考 え で 各 種 研 究 が 進 め ら れ る と共 に実 力 の あ る他 社 と提 携 す る こ とや ノ キ ア の ソ リ ュ ー シ ョ ン部 門 を パ ー トナ ー に展 開 し て い る。 また ベ ン チ ャ ー ・キ ャ ピ タ ル と して6億 ドル の投 入 も実 行 して お り多 様 な形 の活 動 を展 開 して い る 。 7.ベ ン チ ャ ー ・オ ー ガ ナ イ ゼ ー シ ョ ン こ の ベ ン チ ャ ー 投 資 資 金 の 組 織 は 作 ら れ て2年 経 過 し た と こ ろ で あ る が 、 将 来 を 見 通 し て 投 資 を し て い る 。 米 国 、 英 国 、 ドイ ッ 、 フ ィ ン ラ ン ドの25の 会 社 ヘ ベ ン チ ャ ー ・パ ー トナ ー と し て 投 資 を す る と 共 に ノ キ ア ・イ ン タ ー ネ ッ ト ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ズ を ア メ リ カ の カ リ フ ォ ル ニ ア 州 (マ ウ ン テ ン ・ビ ュ ー)に ロ ダ ク シ ョ ン/バ 設 立 し て い る 。 特 に 、 ネ ッ ト ウ ー ク ・セ キ ュ リ テ ィ/ネ ッ ト ワ ー ク ・プ ー チ ャ ル ・プ ラ イ ベ ー ト ・ネ ッ ト ワ ー ク の 分 野 に 注 目 し て 活 動 を続 け て い る 。' 今 後 の 投 資 地 域 と し て は 、 イ ス ラ エ ル や ア ジ ア 太 平 洋 地 域 な ど も考 慮 し て い る 。 8.次 世 代(3G)に ①GSM(注6)か GSM方 向 け て の対 応 らの 展 開 式 で は、100以 上 の 通 信 事 業 者 に ネ ッ トワ ー グ を売 っ て お り、GPRSは60以 者 に対 応 して い る 。 技 術 進 展 の 流 れ に則 し て 、 端 末 の 利 用 形 態 と し てSMS(シ ト ・メ ッセ ー ジ)か 上 の通信事 業 ョー ト ・テ キ ス らモ バ イ ル ・マ ル チ メ デ ィ アへ 変 化 し、 高 価 値 サ ー ビス で トラ フ ィ ッ クが 増 加 して い くこ と を狙 っ て い る 。 こ の こ とに 通 信 事 業 者 は価 値 を見 い 出 せ る と見 て お り、 モ バ イ ル 情 報 社 会 の 構 築 に 目標 を定 め、 特 に端 末 、 ア プ リケ ー シ ョン 、技 術 の3点 を"黄 金 の 三 角 形"と 把 握 し、2G→25G→3Gと 進 展 す る に従 って そ れ ぞ れ の フ 舌 一ズ で考 え な けれ ば な ら ない 要 素 が増 大 す る 。 ま た 、3Gに 向 け て2001年 をGPRSの 通 信 事 業 者 の 資 金 力 か ら見 てGSMの 年 と して い る 。即 ち端 末 機 と して は現 状 の市 場 状 況 や 資 金 を先 ず 生 か す マ ー ケ ッ トと してGPRS方 式 に焦 点 を 当 て て い る 。 さ ら に、3G時 代 に 向 け て デ ュ アル ・モ ー ドの 端 末機 の 準 備 を考 え 、 将 来 に 向 け て の各 種 端 末 機 が 提 案 され て い る 。 ② ア プ リケ ー シ ョ ンの 展 開 モ バ イ ル ・パ ー トナ ー が 大 事 と考 え て お り、 ヨ ー ロ ッパ の 通 信 事 業 者 も勉 強 中 で あ る 。 そ の 中 で 音 声 と 映像 の 同 期 の 問 題 や ラ イ ブ の 画 像 伝 送 な ど リ ア ル タ イ ム性 の 検 討 な どネ ッ トワ ー ク に イ 一133一 ンパ ク トを与 え るこ と も出 て きて お り、 通 信 事 業 者 と し て も事 業 発 展 の た め に は検 討 が 必 要 な こ とが 出 て きて い る 。 特 に 、 消 費 者 一 コ ネ ク シ ョン ・コ ン テ ン ッ とつ な が りの 中 で 通 信 の 品 質 が 大 事 で あ り、 ポ ー タ ル ・サ ー ビス と して 、 マ ー ケ ッ ト も大 きい 順 に 情 報 、 音 楽 、 料 金 、 ホ ー ム シ ョ ッ ピ ン グ 、 ゲ ー ム 、 eメ ー ル 、 広 告 等 が挙 げ られ る 。 ③ マ ー ケ ッ トリサ ー チ 研 究 開 発 の 中 で 約1400人 が マ ー ケ ッ トリサ ー チ に携 わ っ て お り、 英 国 、 イ タ リ ア、 シ ン ガ ポ ー ル 、 日本 、 メ キ シ コ 、 ブ ラ ジ ル な ど全 世 界 に人 員 を配 属 して い る。 そ の 内70%の 人 が 大 学 院 レベ ル の 学 位 を持 っ て お り、 さ らに42力 国 か ら人 材 を集 め て い る点 は注 目 に値 す る。 ま た、 リサ ーチ セ ン ター の 研 究 所 と して は 、 次 の7研 究所 が あ る。 ● 通 信 シス テ ム ● モバ イ ル ・ネ ッ トワ ー ク ス 齟 ● 電波通信 ● ス ピー チ ・オ ー デ ィオ ・シス テ ム ● ビジュアル通信 ● エ レ ク トロ ニ クス ● ソ フ トウ エ ア技 術 9.ベ ンダー ファイナンスの対応 次 世 代 事 業 免 許 取 得 が オ ー ク シ ョン制 と な り、 多 額 の 資 金 が 必 要 とな り欧米 の 通 信 会 社 の 借 入 や 社 債 に よ る 資 金 調 達 が 非 常 に多 額 に成 っ て い る 。 そ の た め 、事 業 者 は 次 世 代 に 向 け て基 地 局 設 置 な どの イ ン フ ラ整 備 の た め の 資 金 が 必 要 とな り、 ベ ン ダ ー に フ ァ イ ナ ン ス 面 で の 支 援 を求 め て きて い る。 ノ キ ア は 、 従 来 か ら フ ィナ ン ス に関 して は保 守 的 な 方 針 を と って きた が 、 通 信 イ ン フ ラ へ の投 資 の た め に銀 行 な ど と連 携 し てベ ン ダ ー フ ァイ ナ ンス に 応 ず る よ う に な っ て き て い る。 カ ンペ ニ ー の 方 針 と承 認 プ ロ セ ス を定 め 決 断 を して 、 そ の 結 果 と して 、1999年 に は600百 万 ユ ー ロ(約600 億 円)、2000年 に は 約2倍 の1226百 万 ユ ー ロ(約1226億 円)と 急 激 に増 加 して きて い る 。 資 金 は、 バ ラ ン ス シ ー ト上 で 固定 負 債 と して907百 万 ユ ー ロ、 流 動 負 債 と して319百 万 ユ ー ロ を計 上 して い る 。 新 規 通 信 事 業 者 参 入 と過 当 競 争 に よる 経 営 悪 化 を受 け て 、 ベ ンダ ー フ ァ ンス も焦 げ付 くケ ー ス も出 て い る 。 10.ノ キ ア の戦 略 ノ キ ア ・モ バ イ ル の ア ラ フー タ社 長 の 説 明 は 、 自信 に満 ち溢 れ て い る 。 ヨー ロ ッパ の 一 部 の キ ャ リ ア は 、 英 、独 等 で の オ ー ク シ ョ ン費 用 問 題 を抱 え て い るが 、 キ ャ リ ア に と っ て新 しい 世 代 に 向 け て チ ャ ン ス を迎 え て い る と考 え て い る 。 通 信 市 場 と りわ け モ バ イ ル 情 報 社 会 の 進 展 を確 信 す る もの で あ っ た。 特 に ノ キ ア の モ バ イ ル端 末 の販 売 台 数 は 、1999年 が7850万 台 で あ っ た の に対 し 2000年 は1億2800万 台 と台 数 ベ ー ス で+69%の 伸 び を示 して い る 。 こ れ まで1機 種100万 台 以 上 の 生 産 を 目標 に して 大 量 生 産 す る こ とに よ り、 市 場 価 格 形 成 の リ ー ダ ー とな っ てお り、今 後 も この ポ ジ シ ョ ン を保 持 して い くもの と思 わ れ る 。 一 方 ア ウ トンソ ー シ ン グ のEMS(注7)に つ いて は 、 生 産 技 術 が コア とい う認 識 で 、 中 国 にお け る100%出 資 の 生 産 工 場 な ど価 値 の 高 い 工 場 を持 っ て い る ご と と、 ネ ッ ドワ ー ク で 結 ば れ た優 れ た ロ ジ ス テ ィ ッ ク とそ の シ ス テ ム を組 み合 わせ て 事 業 を今 後 も進 め て い く。 そ の た め 、 ア ウ トソ ー ス 率 は20%以 下 を堅 持 す る と、 明言 して い た 。F 一134一 しか し、,昨年6月 に な っ て 事 業 縮 小 計 画 と して 人 員 削 減 計 画 を発 表 す る に至 っ て い るが 、 この 市 況 を乗 り切 り、 さ らに 強 い 体 質 の ベ ン ダ ー と して成 長 して い くか 注 目 され る。 B.エ リク ソ ン 1876年 に ラ ー ズ ・マ グ ナ ス ・エ リ ク ソ ン氏 が ス ト ック ホ ル ム に 電 話 機 修 理 工 場 を設 立 した と き か ら会 社 の歴 史 が 始 ま って い る 。18ケ8年 に電 話 機 の 製 造 を 開始 し、1894年 に は 中 国 へ 納 入 す る ま で と な り、1975年 に大 ヒ ッ ト商 晶 で あ る デ ジ タ ル交 換 機AXEを そ の 後1982年 に エ リ ク ソ ン と社 名 を呼3よ 1991年 に ドイ ツ でGSMネ そ の 後 日本 へPDCシ 開 発 して い る 。 うにな っ た。 一 方、移 動 通信 シス テ ム事業 で は、 ッ トワ ー ク 実 現 に 貢 献 して お り、1992年 よ り移 動 電 話 の 開発 を 開 始 し、 ス テ ム の販 売 な ど世 界140国 で の展 開 を継 続 して い る 。最 近 で は 、 マ イ ク ロ ソ フ トや ソニ ー との 提 携 や モ バ イ ル電 話 の 製 造 のEMS(外 注 電 子 製 造)化 が 大 き な ニ ュ ー ス とな っ て い る。 1.2000年 度の事業概 要 前 回 の 訪 問 調 査(1997年 分)を 基 準 と して 、 今 回 調 査 で は2000年 は、1. 6倍 も売上高 を上 げ て お り、 そ の他 の 項 目 も含 め て 堅 調 な事 業 を推 進 して い る 。 a.売 上 高3兆1460億 円 b.営 業 利 益3584億 円 (2000年/1999年 比+27%) (2000年/1997年 比+63%) (2000年/1999年 比+77%売 上 高 比11.4%) (2000年/1997年 比+66%) c.純 利 益2417億 円 (2000年/1999年 比+73%売 上 高 比7.7%) d.研 究 開 発 費4821億 円 (2000年/1999年 比+27%売 上 高 比15.3%) (2000年/1997年 比+100%) e.従 業 員 数(2000年/米)105129人 同社 の 急 成 長 要 因 と して は 、(イ)GSM方 準 化 ヘ シ フ ト、(ロ)国 (2000年/1999年 比+1.7%) (2000年/1997年 比+4.3%) 式 、 デ ジ タ ル移 動 通 信 シ ス テ ム の 波 に 乗 っ て 世 界 標 内 市 場 が小 さ く、 グ ロ ー バ ル 戦 略 を 当初 か ら策 定 、(ハ)卓 越 した マ ー ケ テ ィ ン グカ と グ ロ ーバ ル 事 業 拠 点 の 活 用 、 な どが挙 げ ら れ る 。 これ ら諸 要 因 は上 述 の ノ キ ア と も 類 似 して い る 。 エ リ ク ソ ン の2000年 の 部 門 ご との 売 上 高 と営 業 利 益 を 見 る と、2000年 の 売 上 高 の70 .9%を ネ ッ トワ ー ク事 業 者 向 け が 占 め 、 携 帯 端 末 機 な ど を含 む 消 費 者 製 品 分 野 は20.6%で 伸 び率 も1999年 に 比 較 して ネ ッ トワ ー ク事 業 者 分 野 が+29%で あ る。 また 売 上 の 大 き く延 ば して い る 。 前 回 調 査 の1997年 デ ー タ と比 較 して み る と、 携 帯 端 末 機 な どの 消 費 者 製 品 分 野 が 約4%寄 与度 を落 と して お り、 変 化 トレ ン ドが わ か る 。 一 方 営 業 利 益 は 、 ネ ッ トワ ー ク事 業 者 部 門 が 全 体 の約1.6倍 で あ り、 エ リク ソ ン の利 益 の ほ と ん ど を稼 い で い る 。 そ の反 面 消 費 者 製 品 分 野 は 、2000年 に は 、 消 費 者 製 品 の 追 加 リス トラ事 項 の 費 目で80億(SEK)を 計 上 して い る 。 そ の 中 で 携 帯 電 話 製 造 のEMS化 へ と戦 略 を 変 更 した こ との 一 端 が理解 で きる。 2001年 に は 、 組 織 編 成 を行 い 下 記 の5つ の 部 門 に 分 け て 運 営 開 始 して お り、 そ の成 果 が 注 目 され る。 一135一 ● モ バ イ ル ・シス テ ム ・ ● マ ル チ ・サ ー ビス ・ネ ッ トワ ー ク ●消費者製 品 ● デ ー タ基 幹 ・光 ネ ッ トワー ク ● グ ロ ー バ ル ・サ ー ビス 同社 は、 今 年1月25日 に2001年12月 億 ク ロ ー ナ(1ク ロ ー ナ=約13円)、 期(通 期)の 決 算 を発 表 した 。 売 上 高 は 前 年 比5%減 の2110 最 終 損 益 は211億 ク ロ ー ナ の損 失 で 、 初 の 年 間赤 字 を記 録 し 無 配 と な る 。 主 因 は、 世 界 の 通 信 事 業 者 が ネ ッ トワ ー ク ・イ ン フ ラ投 資 を抑 制 し、 ま た モ バ イ ル 分 野 も伸 び悩 ん だ 点 で あ る。2002年 は 世 界 の携 帯 電 話 市 場 の 回 復(前 年 比10%増 の4億3000万 台) の 予 測 と、 同社 の リス トラ効 果 で 黒 字 に転 換 す る見 込 み だ。 2.地 域 別 売 上 の構 成 、2000年 の 地 域 別 売 上 高 の 割 合 は 、 西 ヨ ー ロ ッパ が36.7%で パ 、 中 東 ア フ リ カ が13 .8%で ン ア メ リ カ が16%で 25%と 年 伸 び 率 が27%、 伸 び 率 が46%と 売 上 額 の 伸 び 率17%、 北 ア メ リ カ は12.9%で 中 東 ヨー ロッ あ る が 伸 び 率 が40%、 一 番 伸 び て い る 。 ア ジ ア 太 平 洋 地 域 は 、20 .6%で ラテ 伸 び率 は な っ て い る。 前 回 調 査(1997年)と ら3.2%)、EU(39%か 比 較 す る と 、 売 上 寄 与 度 の 低 下 し た 地 域 は 、 フ ィ ン ラ ン ド国 内 分(6%か ら34.5%)及 び ア ジ ア 太 平 洋 地 域(26%か ら20.6%)で あ り、 フ ィ ン ラ ン ド国 内 分 は 、 金 額 自 体 も 減 少 傾 向 に あ る 。 寄 与 度 の 増 加 し た 地 域 は 、 北 米 、 中 南 米(24%か 29%)と 欧 州 諸 国 と そ の 他 地 域 分(44%か ら47.2%)と ら な っ て お り、事 業 展 開 地 域 の 変 化 が 見 ら れ る。 3.消 費者 製品分野 2000年 に お け る世 界 にお け る端 末 機 の伸 び は+47%で あ り2億7800万 台 か ら、4億1000万 台 とな っ て い る 。 そ の 中 で エ リ ク ソ ン か らの 出荷 台 数 は4330万 台 と な り前 年 比 で+38% 21%の 、 売 上 高 で+ 伸 び を示 して い る 。 特 に2000年 に お い て は 、 キ ー コ ン ポ ー ネ ン トサ プ ラ イ ヤ ー の 工 場 の火 事 で 部 品 入 荷 遅 れ や 品 質 問 題 が あ.り、 納 期 遅 延 な どが 発 生 し特 別 値 引 きな どの対 策 を しな け れ ば な ら な か っ た 。 営 業 利 益 で マ イ ナ ス を計 上 して い る が そ の 約 半 分 は 、 リス トラ 経 費 で あ り2001年 後 半 に は 、 プ ラス に転 じて い く計 画 で あ る。 前 回調 査 で は 、 同部 門 で は モ バ イ ル ・フ ォ ン及 び端 末 とい う セ ク シ ョ ン名 で あ り、 そ の 部 門 と して 比 較 す る と、 売 上 は2000年/i997年 倍(16840/12320人)で 比 で1.3倍(56.3SEKm/41.7SEKm)、 従 業 員 数 も、1.3 あ り、 エ リ ク ソ ン全 体 と して の伸 び は、1.6倍 で あ り、 そ れ か らす る と社 内 的 に は伸 び の低 い 部 門 と位 置 付 け られ て い る 可 能 性 もあ る。 今 後 、 開 発 ・設 計 は 、 ソ ニ ー と の提 携 を 推 進 す る と共 に 、 従 業 員 含 め工 場 を 製 造 会 社 に売 却 す る な ど携 帯 端 末 機 の 全 面EMS化 4.ネ を進 め て い く戦 略 で あ る。 ッ トワ ー ク事 業 者 分 野 こ の 部 門 は 、 売 上 高 の70 .9%を 担 っ て お り 、 従 業 員 は70317人(全 社 の66.9%)で あ り会 社 の 利 益 の ほ とん ど を稼 い で い る。 そ の た め エ リ ク ソ ン の 柱 と位 置付 け られ る分 野 で あ る 。 特 に 固 定 網 に お い て は 、 強 い 立 場 を 保 持 し て い る 。 主 な 事 例 と し て は 、 ク ォ ル コ ム 社 の イ'ン フ ラ 部 門 の 買 収 や 、 デ ー タ や イ ン タ ー ネ ッ ト ・ ト ラ フ ィ ッ ク の パ ケ ッ ト交 換 へ の 対 応 が う ま く行 っ て い る こ と が 挙 げ ら れ る 。 特 に2000年 に は 、 先 端AXE、ENGINE(ソ 一136一 リ ュ ー シ ョ ン)、GPRSやCDMA用 対応 な ど新 商 品 を 出 せ た こ と が 大 き な 要 因 で あ る 。 今 後2G用 (GPRS)で イ ン フ ラ で の シ ェ ア を 延 ば す と 共 に2.5G もマ ジ ョ リ テ ィー と な る 強 い 方 針 を掲 げ て い る 。 特 に ヨ ー ロ ッパ と共 に ラテ ン ア メ リ カ や ア メ リ カ で の 通 信 事 業 者 は2.5Gが3Gへ GSM/GPRSで の ト ラ ン ジ ッ シ ョ ン パ ス と見 て お り、 エ リ ク ソ ン は 、 の マ ー ケ ッ ト リ ー ダ ー を 自 称 し て 、 モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ ト ・ソ リ ュ ー シ ョ ン の 主 な ベ ン ダ ー と し て ま た 、 ブ ロ ー ドバ ン ド(注8)でIPの マ ル チ サ ー ビ ス ・ネ ッ ト ワ ー ク の サ プ ラ イ ヤ ー と し て ト ッ プ プ レ ー ヤ ー を 狙 っ て い く計 画 で あ る 。 5、 新 しい サ ー ビ ス に 向 け て ①WAPサ ー ビス で の状 況 ヨー ロ ッパ の す べ て の 関 連 企 業 は 、 日本 で 何 が 起 きた の か(iモ ー ドブ ー ム)に 注 目 して い る 。 中 で もエ ン ドユ ー ザ ーへ の サ ー ビス で の 中味 と どの よ う に ブ ー ム に な っ て い る か 、 同 じ よ う に ヨ ー ロ ッパ に持 ち込 ん で 成 功 す るの か が 重 要 な 課 題 と な っ て い る。 一 方WAPで は、 多 くの 人 が 期 待 はず れ と失 望 して お り、 次 の 点 で 成 功 して い な い 。 』 (A)マ ニ ュ アル;マ ニ ュ ァ ルが 複 雑 (B)個 性 化;サ (C)ス ピ ー ド;サ ー ビス が 出 る の に時 間 が か か る(約2秒 リ ビス に制 限 が あ る(WAP対 応 の コ ンテ ン ツが 少 な い) (D)ク リ ッ ク;サ ー ビス 利 用 の た め の ク リ ッ ク が多 い(3回 以 内 を期 待)、 以 上 は不 要) 丐 ン ドユ ー ザ ー を リサ ー チ して み て も、 上 記 の 点 が 日本 のiモ ー ドとWAPの 差 と して 浮 か び 上 が っ て くる 。 よ っ て提 供 す る サ ー ビ ス が 望 まれ な い もの で あ れ ば事 業 化 は ない の で 、 エ ン ドユ ー ザ ー が 使 う も の が で き るか が カギ で あ り、 個 人 の た め の プ ラ ッ トホ ー ム や 世 界 中 ど こ で も個 人 の 端 末 が 同 じ操 作 で使 え る とい った こ とが 望 まれ る 。 ②iモ ー ド ・ラ イ ク の 導 入 に 向 け て 現 在 欧 州 で は 、GSMベ ー ス の チ ャ ッ ト向 け サ ー ビ ス 利 用 が 急 増 し て い る 。 よ っ てGPRSに よる パ ケ ッ トベ ー ス の イ ン フ ラ が 整 備 さ れ れ ば 、 通 信 料 金 の 値 下 げ と 共 に 高 速 化 が 実 現 で き る た め 、 GSMベ ー ス のSMS(シ ジ ・サ ー ビ ス)へ ョ ー ト ・メ ッ セ ー ジ ・サ ー ビ ス)か らMMS(マ 需 要 が シ フ トす る と 予 想 さ れ る 。 そ の た め 日 本 で のiモ ル チ メ デ ィ ア ・メ ッ セ ー ー ドに関 す る サ ー ビス や ア プ リ ケ ー シ ョン技 術 の 導 入 を研 究 して い る 。 エ リ ク ソ ン で は 、 ベ ン チ ャ ー の 活 用 に よ っ て ス ト リ ー ト ウ エ ア と い う コ ン セ プ ト でiモ ー ド ・ ラ イ ク ・サ ー ビ ス の 展 開 を 研 究 し て い る 。 特 に 端 末 と し て は 、 携 帯 電 話 だ け で な く 、 自 動 車 、 PDAな ど ま で 含 め メ ー ル か らカ ラ ー ス ク リ 胞 ン、 グ ラ フ ィ カ ル な ブ ラ ウ ザ 、 ス テ レオ音 楽 な ど を 含 め た 、 ス ト リ ー ト ウ エ ア ・フ ォ ー マ ッ ト&ス と か3Gに タ ン ダ ー ド と い っ た オ ー プ ン な も の を 定 め 、25G 左 右 され な い もの を研 究 して い る。 ま た 、 ネ ー ミ ン グ もWAP2.0、iモ ー ド ・ラ イ ク 、eモ ー ド、 ス ト リ ー ト ウ エ ア 、 ユ ー ロ ・モ ー ドな ど を 候 補 に 考 え て い る 。' また 考 え られ るサ ー ビス メ ニ ュ ー と して は次 の よ うな 物 が 挙 げ られ て い る。 パ ー キ ン グ 、 トレー デ ィ ン グ 、 切 符 手 配 、 ゲ ー ム 、 ギ ャ ン ブ ル 、 シ ョ ッ ピ ン グ、 ク レ ジ ッ トカ ー ド 、 イ ン ス タ ン ト ・ポ ス トカ ー ド、 方 向 、 デ ー ト、 調 査 な ど で あ る 。 1999年 か ら2000年 に か け て トラ フ ィ ッ ク は 、 デ ー タ ・ ト ラ フ ィ ッ ク が 音 声 を 越 し て お り2003年 頃 の 伝 送 ス ピ ー ド2Mbpsに 向 け て モ バ イ ル デ ー タ 革 新 が 進 む と考 え て い る 。 そ の 中 で も サ ー ビ ス 一137一 柔 軟 性 が最 重 要 課 題 で あ り共 通 技 術 は や は りIPと い う こ と に な る 。 ③ 新 しい 世 界 に向 け て の構 造 回 線 交 換 の 通 信 か ら ア ドレス を 持 っ た パ ケ ヅ ト交 換 の デ ー タ通 信 へ とパ ラ ダ イ ム シ フ ト しそ 来 て お り2つ の 融 合 が進 む と共 に2両 方 と も延 び て き て い る。 構 造 を見 る と接 続 一 コ ン トロ ー ル ー サ ー ビス と た て につ な が っ た形 に重 点 が 置 か れ て い る 。 ま た 、 コ ン トロ ー ル と接 続 性 は 、 今 は 結 び つ きが 強y・が 将 来 は 分 か れ る と見 てお り、 今 後 は横 につ な が る形 が 進 む と見 て い る。 垂 直 型 と は、 通 信 事 業 者 がISP、ASPや コ ン テ ン ッ な ど を囲 い込 み 、 そ の 利 用 料 金 を徴 収 す る ビ ジ ネス ス タ イ ル と括 らえ る もの で あ る 。 水 平 型 とは 、 通 信 事 業 者 の 上 記 囲 い 込 み が オ ー プ ン化 され ク ラ イ ア ン ト が 直接ISPやAspと コ ン タ ク トす る か 、 も し くは 、 通 信 事 業 者 の ゲ ー トを使 用 しない 形 態 を イ メ ー ジ し、 場 合 に よ って は料 金 も 通 信 事 業 者 を介 さ な い で 支 払 う ビ ジ ネス モ デ ル を考 え る 。 エ リ ク ソ ン の 戦 略 も垂 直 型 か ら水 平 型 で マ ル チ ア ク セ ス ・ネ ッ トワ ー ク化 に取 り組 み 、 業 界 の リー ダ ー を果 た す こ と に あ る 。 6.GPRSかUMTS(第3世 代 携 帯 電 話)に つ い て 短 期 的 導 入 に はGPRS、 長 期 的 に はUMTSで あ り、GPRSがUMTSへ の.ブレー キ とな る こ と は な い 。 そ の 考 え の下 に、 デ ュ ア ル ・モ ー ド ・サ ー ビ ス に 向 け て検 討 を ス タ ー トさせ て お り、 昨 年 の ク リ ス マ ス 頃 よ りGPRSの 売 上 の伸 び に期 待 して い る 。 更 に今 年 のUMTSが タ ー ボ役 と して 市 場 が 活 性 化 さ れ る と予 測 して い る。 そ の 中 で もサ ー ビ ス の 組 み 合 わ せ に よ って 、 よ り複 雑 化 す る こ と は 明 らか で あ り、`サー ビ ス の ネ ッ トワ ー.ク と して オ ー プ ン、 柔 軟 さ、 計 測 性 が 必 要 と な る 。 エ リ ク ソ ン と して も ア プ リケ ー シ ョ ン に力 を入 れ て お り、 メ ンバ ニ の 加 入 を推 進 して\ 情 報 提 供 と共 に 、 誰 で も ア プ リケ ー シ ョン を提 供 で き る環 境 を整 備 して き て い る 。 特 にWAP2。0に は期 待 が あ り、 端 末 機 との イ ン タ ー フ ェ イ ス とな るXHTMLな ど現 在 作 業 中 で あ る 。 ま た 、 エ リ ク ソ ン と して は 、 通 信 事 業 者 を需 要 顧 客 と見 て お り通 信 事 業 者 に 成 功 して も らい た い と思 っ て い る 。 特 にMVNO(モ バ イ ル ・バ ー チ ャ ル ・ネ ッ トワ ー ク事 業 者)と 社 な どの 例 が あ る が 、 ア ー キ テ クチ ャー が 開 か れ た も の で あ れ ばMVNOの して バ ー ジ ン 出現 の チ ャ ンス が 出 る 。 しか し、 サ ー ビス ネ ッ トワ ー グ を手 に入 れ て トラ フ ィ ッ ク増 な ど を仕 掛 け て くる だ ろ う が 、 こ れ を通 信 事 業 者 が ど う評 価 す る か が 問 題 とな る 。 最 後 に3G(第3世 代 携 帯 電 話)に 向 け てGPRS、EDGEetc色 々 と言 わ れ て い る が エ ン ドユ ー ザ ー へ の サ ー ビス が 重 要 で あ り、 例 え ば料 金 に お い て も ク レジ ッ トに して も請 求 方 式 で リア ル ・ タイ ム性 が 必 要 と な る な ど これ ま で と違 っ た もの とな っ て くる と予 想 して い る 。 エ ン ドユ ー ザ ー が使 っ で くれ る も の の 、 使 え る もの 、 使 い た い と思 う く らい シ ン プ ル な もの な ど を う ま く タ イ ム リー に提 供 で き るか が 、 業 界 と して の課 題 で あ る 。 7.ベ ン ダ 」 フ ァ イ ナ ン スの 対 応 次 世 代 事 業 免 許 取 得 が オ ー ク シ ョ ン制 とな り、 多 額 の 資 金 が 必 要 と な り、 欧 米 の 通 信 会 社 の借 入 や 社 債 に よ る資 金 調 達 が 非 常 に多 額 に 成 っ て い る 。 そ の た め 、 事 業 者 は次 世 代 に向 け て 基 地 局 設 置 な どの イ ン フ ラ 整 備 の た め の 資 金 が 必 要 と な り、 ベ ン ダ ー に フ ァ イ ナ ンス 面 で の 支 援 を求 め て きて い る 。 エ リ ク ソ ン は 、2000年 初 め に 法 人 顧 客 フ ァ イ ナ ンス とい う組 織 を設 け て投 資 につ い て専 任 す る 体 制 と して い る 。 こ の件 に つ い て は 、 他 の フ ァイ ナ ンス と区 別 し直 接CFO(チ 一138一 ー フ ・フ ァイ ナ ン シ ャ ル ・オ フ ィサ ー)ヘ レ ポ ー ト しリス ク マ ネ ジ メ ン トす る形 を と っ て い る 。 特 に 、 通 信 事 業 者 か ら早 期 に新 規 事 業 計 画 の 入 手 と事 業 に つ い て デ ィス カ ッシ ョン で き る こ と や 事 業 者 が 健 全 な発 展 を し て、 よい 関係 を継 続 す る とい う点 で 、 フ ァ イ ナ ン ス の 要 請 に 応 じて き て い る。 か く して 、不 良 負 債 化 した もの は な い もの の ベ ン ダ ご ・フ ァ イ ナ ン ス の 累 計 額 は2254億 円 と多 額 に成 っ て い る。 8.規 制 関 係 につ い て 日本 市 場 へ の 参 入 の た め 、 将 来GPRSと3Gの デ ュ ア ル 端 末 が 実 現 で きた 時 、 そ の 端 末 を 日本 で の 3G時 代 に販 売 で き る よ う に道 筋 を つ け た い と の狙 い を持 っ て い る様 で あ る。 業 界 や ベ ン ダー の 問 題 で は ない と しつ つGSMを さ れ る と共 にMRA(相 日本 市 場 で 展 開 で き な い苦 言 を遠 まわ しに 説 明 互 認 証)や 環 境 問 題 に対 応 す る 重 要 性 を、 同社 幹 部 は 指 摘 して い る。MRA は 、 日欧 で 協 議 が 進 め られ て い るが 、 オ ー ス トラ リア 、 カ ナ ダ 、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド及 び 東 欧 諸 国 で 合 意 さ れ 始 め て い る。EUで と して もMRAの 9.新 は 、MRAに 対 す る 中 小 企 業 の 支 持 が 高 い よ うで あ る。 エ リ ク ソ ン 結 合 は 、 規 則 緩 和 の 観 点 か ら も重 要 と見 て い る 。 製 品 ・シ ス テ ム 欧 州 で はEDGE方 式 をエ リ ク ソ ンが 開発 し た が 、 投 資 コス トが 安 い だ け に 、 郊 外 や 地 方 でGSM 網 に追 加 投 資 で 普 及 す る可 能 有 り。 都 市 部 はUMTS方 式 のW-CDMAと い う併 用 普 及 シス テ ム と な る 。 ソ ニ ー との携 帯 電 話 機 事 業 統 合 の 最 終 交 渉 を行 って い るが 、 ノ キ ア 、 シ ー メ ン ス との 上 位 争 い が 熾 烈 に な ろ う。 最 近 の ニ ュ ー ス発 表 と し て は 、 ● モ バ イ ル ・イ ン タ ー ネ ッ トに注 力 。 世 界 のWAP利 用 者 は2000年 末 時 点 で2600万 人 。 ● プ リペ イ ド携 帯 電 話 の ロ ー ミ ン グ ・シス テ ム(CAMEL)発 表 ● コ ー ドレス ・イ ン ター ネ ッ ト ・ラ ジ オ(ブ ル ー ツ ウ ース 活 用)発 ●GPRS電 話T39(ブ ル ー ツ ウ ース 無 線 技 術)発 ●GPRS電 話T68(MMS、 表 表 カ ラー デ イス フ.レイ、 ブ ル ー ス ウー ス 活 用)発 ● エ ン ター プ ラ イ ズWAPゲ 表 ー トウ ェ イ、 プ ロ ク シ ー2.0発 表 、 な どが 挙 げ られ る 。 ※ ブ ル ー ッ ウ ー ス は対 応 機 器 や ソ フ ト開 発 の 遅 れ で 人 気 が 出 遅 れ て い る 。 C.シ ー メ ン ス 1. シ ー メ ン ス の2000年(9月30日)通 る 。 情 報 ・通 信 は 、"IandC"コ 期 の 売 上 高 は784億 ト の イ ン フ ラ 系 を 担 当 す るICN(情 るICM(情 90億 ユ ー ロ/27千 人 、58億 ー メ、 ン ス ・ビ ジ ネ ス サ ー ビ ス 〉 の 事 業 の 売 上/従 業 員 は そ れ ぞ れ 、114億 ユ ー ロ/53千 人 ・ ユ ー ロ/33千 人 で あ る 。 シ ー メ ン ス の 通 信 イ ン フ ラ 事 業kお モ ト ロ ー ラ3%と 情 報 ・通 信 で あ 報 ・通 信 ネ ッ ト ワ ー ク)、 モ バ イ ル の イ ン フ ラ と端 末 を 担 当 す 報 ・通 信 モ バ イ ル)、 企 業 系 を 担 当 す るSBS(シ 本 部 に 分 か れ て い る 。.ICN、ICM、SBSの2000年 4%、 ユ ー ロ で あ り 、 内31%が ン セ プ トの も と 、 表4の 業 績 リ ス トの よ う に 、 光 、 イ ン タ ー ネ ッ け る マ ー ジ ン は 、11%で 比 べ て も充 分 対 抗 で き る数 字 で あ る。 一139一 あ り競 合 の ノ キ ア17%、 エ リクソン 表42001年 実績 (百万 ユ ー 口) Q2(1-3) 営業利益 利益率 情 報 通 信 ネ ッ トワ ー クqCN) 2,900 売上 150 5.2 モバ イ ル 通 信 機(lCM) 2,900 219 7.6 企 業 向 けITサ ー ビ ス(SBS) 1,500 14 0.9 . 出所)シ ーメンス社データ 同 社 は今 年1月23日 億3800万 ユ ー ロ(1ユ に2001年 第1・ 四 半 期 の 決 算 を発 表 した。 純 利 益 は 前 年 同期 比 で46%減 ー ロ=約119円)と な っ た 。 第4・ 四 半 期(7-9月 期)の の5 最 終 赤 字 か ら黒 字 化 した もの の 、 大 幅 減 益 で あ っ た 。 黒 字 化 は半 導 体 子 会 社 の イ ン フ ィニ オ ン社 株 式 の 売 却 益 で 同 部 門 の 赤 字 を相 殺 した結 果 で あ る6同 社 は 総 合 電 機 メ ー カ 「 だ け に 、 通 信 、情 報 、 半 導 体 各 部 門 の 経 営 戦 略 が い か に有 機 的 に相 互 の シ ナ ジ ー 効 果 を持 て る か が 課 題 とい え る 。 ICM事 業 に お い て 、 モ バ イ ル 端 末 の シ ェ ア は98年 の8位(シ 5%〉 ・2000年 に4位(シ 位 に 浮 上 した(シ ェ ア7%)に ェ ア3%)か 上 昇 して い る 。 さ ら に2001年/1-3月 ェ ア6.9%)。 勝 因 はWAP(GSMベ て 導 入 した こ と とい わ れ て い る 。 また 、GSMイ ー ス)端 ら99年 に6位(シ ェア 期 は エ リ ク ソ ン を抜 き3 末 を、 ノ キ ア 、 エ リ ク ソ ン に先 駆 け ン フ ラ の 市 場 シ ェ ア は1997年 の6位(シ ェ ア7%) か ら2000年 に1位 に そ れ ぞ れ上 昇 して い る 。 UMTSで は 、77免 許 の 中35免 許 が 、 サ プ ラ イ ヤ ー を 決 定 し て い る が 、 そ の う ち シ ー メ ン ズ は17 の 受 注 を して い る(2001年4月5日 2.世 時 点)。 欧 州 のUMTS契 約 高 で 第3位 で あ る。 界戦 略 現 在 の市 場 シ ェ ア は 欧 州(68%)、 ま ず 欧 州 で はGSMとUMTSに ア ジ ア(21%)、 米(4%)で あ る。 さ らに モ バ イ ル 事 業 で は 、 よ り さ ら に現 状 の ポ ジ シ ョ ン を 強 くす る との 戦 略 を もつ 。 ア ジ ア で はGSM戦 略 で あ る が 、 特 に 中 国 で はCDMAの SCDMAに つ い て は後 述 す る 。 ま た 、米 国 で はGSMに 第 三 の 方 式 と い わ れ るTDp方 式 を 使 っ たTD - よ り市 場 参 入 を狙 っ て い る。 シ ー メ ンス は携 帯 端 末 機 の 業 績 が 急 激 に 悪 化 して い る。143百 万 ユ ー ロ の 赤 字 を昨 年5月 に発 表 し た 。 モ バ イ ル 通 信 設 備 の 黒 字 で 、 端 末 の赤 字 を う め てICMは 黒 字 を維 持 して い る 状 態 で あ る 。 第3四 半 期 は 在 庫 整 理 を行 な う と して い る 。 リ ス トラ 策 と して は 、2001年 か ら2002年 に か け て 、 30%の 損 益 分 岐 点 改 善 に よ り600百 万 ユ ー ロ の コス ト削 減 、 組 み 立 て工 場 は ドイ ッ と上 海 に集 約 (6100人 の リス トラ)す る と発 表 して い る。 さ ら に 、 シ ー メ ンス は3Gの 端 末 で東 芝 と共 同 開 発 を して い る。 シ ー メ ンス は2001年 の 携 帯 端 末 市 場 規 模 予 測 を5億 台(成 3.マ 長 率25%)と 予 測 した(そ の 後 、 下 方 修 正)。 イグ レーシ ョン 携 帯 電 話 市 場 の 大 きな マ イ グ レ ∵ シ ョン と して は GSM→HSCSD(1999)→EDGE(2001)→UMTS(2003)を 予 想 して い る 。EDGEの 始 ま っ て い な い 。 米 国 で は サ ー ビ ス は 始 ま る だ ろ う 。 欧 州 で は 、UMTS次 サ ー ビス は 未 だ 第でサ ー ビスの可 能性 あ り。3つ の モ ー ド を サ ポ ー トす る 端 末 を 必 要 と す る た め 、 普 及 す る か ど う か は 疑 問 。UMTS対 機 種 は 、2002年 第3・ 四 半 期 予 定 で あ る 。 一140一 応 4.WAP GSMベ ー ス で のWAPは い 計 画 で あ る 。GPRSベ は2001年 、 時 間 が か か る/回 線 料 金 が 高 い な どの 理 由 か ら今 後 は 開 発 を 行 な わ な ー ス で は 、 上 記 の 問 題 を 解 決 す る だ ろ う と 考 え て い る 。GPRS端 夏 に 発 売 し た 。 デ ー タ サ ー ビ ス の 予 想 と し て は 、UMTSの サ ー ビス は 、 ビ ジ ネ ス ユ ー ス だ け で は な い と 考 え て い る 。 ビ ジ ネ ス ユ ー ス を 考 え て い る の は 、D1、D2の 企 業 で あ ろ う。E-plus社 末(S54) よ うな コ ン グ ロ マ ッ ト な ど は 、 ゲ ー ム な ど の 個 人 ユ ー ス を タ ー ゲ ッ トに し て い る 。 5.UMTSとTD-SCDMA シ ー メ ンス は 、 第3のUMTS方 式 とい わ れ るTD-SCDMA方 式 を 中 国 に対 し て戦 略 的 に提 案 して い る 唯 一 の会 社 で あ る。 中 国 政府 は 、2002年 以 降 導 入 す る 次 世 代 携 帯 電 話 サ ー ビス の採 用 を 検 討 して い る。 中 国 移 動(チ ャ イ ナ ・モ バ イ ル)は 、 現 在GSM方 式 を採 用 して い る た め 、 次 世 代 で も 欧 州 方 式 を踏 襲 し、W-CDMAに 移 行 す る との 見 方 が 有 力 で あ る。 一 方 、 中 国 聯 合 通 信 は次 世 代 携 帯 方 式 と してcdma2000方 式 の 採 用 を決 め て い る。 これ に対 し、 中 国 政 府 は 、 次 世 代 携 帯 電 話 サ ー ビ ス の 導 入 前 に 上 の 中 国移 動 と中 国 聯 合 通 信 の複 合 体 制 を 改 め 新 規 事 業 者 を認 め る公 算 が 強 い 。 そ の た め に、 中 国独 自 のTD-SCDMA方 式 を含 め 、3つ の 方 式 が 加 入 者 獲 得 を競 い 合 う図 式 を描 い て い る。 中 国 の 携 帯 電 話 加 入 者 は2001年4月 つ い に一 億 人 の 大 台 に達 して い る。 UTRA標 準 リ リー ス4で 、 シー メ ンス が積 極 的 に推 進 して き たTD-SCDMA方 計 画 パ ー トナ ー シ ッ プ ・フ.ロジ ェ ク ト)に (UTRA-FDD)に よ り合 意 さ れ る 。UTRA標 加 え て さ ら に今 回 のUTRA-TDD方 式 が3GPP(第3世 代 準 は 、 従 来 のW-CDMA 式 が 加 え られ る こ と に な る 。 シ ー メ ンス に よる と、UTRA-FDD(W-CDMA)とUTRA-TDD(HCR)は 、2001年 の 欧 州 と 日本 で ス タ ー ト し、 規 制 緩 和 の ペ ー ス に よ るが 全 世 界 に展 開 す る と して い る。 1998年 以 来 シ ー メ ンス と中 国CATTは 、TD-SCDMAを 共 同 開発 して きた 。 こ れ は 、3GPPに より 議 論 さ れ た3G標 準 で あ り、 中 国 で初 め て 導 入 され る と さ れ て い る。 トラ イ ア ル は 中 国 で2001年 は じめ か らす す め られ 、2002年 末 に は 商 用 可 能 と して い る。 本 方 式 の特 徴 は 、 音 声 の よ う な双 方 向 対 称 な 回 線 交 換 とモ バ イ ル イ ン タ ー ネ ッ トの よ う な 非 対 称 なパ ケ ッ ト交 換 に対 して対 応 して い る こ と で あ る 。TD-SCDMAは 、 最 新 のTDMA/TDD技 用 可 能 に して い る 。TD-SCDMA3段 階 の既 存 のGSMか 術 を使 用 し、 対 称 モ ー ドで はCDMA方 式 を適 ら3Gに 対 す る シ ー ム レス な ア ップ グ レ ー ド を可 能 に して い る。 第1ス テ ップ は 、3Gの 周 波 数 ス ペ ク トラ ム を使 用 したTD-SCDMA基 地 局(ノ ー ドB)が 既 存 のGSMコ ア オ ー バ ー レ イ さ れ る。 こ れ に よ り音 声 はMSC(モ バ イ ル 交 換 セ ン ター) で処 理 さ れ 、 デ ー タはSGSN(GPRSポ り、 既 存GSMイ ー トノ ー ド)に よ り384kbpsま で サ ポ ー トさ れ る 。 これ に よ ン フ ラ に お い て3Gの 周 波 数 ス ペ ク トラム を イ ンテ グ レー シ ョ ンす る こ とで 、 短 時 間 に3Gサ ー ビス を実 現 可 能 にす る 。 第2ス テ ッ プ は、 ノ ー ドBと コ ア 間 の イ ン タ ー フ ェ イ ス 仕 様 が標 準 化 準 拠 に な る 。 端 末 な ど の ア ッ フ.グレー ドは こ の段 階 で は必 要 な い 。第3ス テ ップ は 、新 た なUMTS用 の 端 末 が動 作 す る た め に、 IPベ ー ス の コ ア と し てUMSC(UMTSモ バ イ ル 交 換 セ ン タ ー)やUGSN(UMTSGPRSサ ー ド)が 加 わ る。 ノ ー ドBな どは 変 わ らない 。既 存 の 端 末 は そ の ま ま動 作 す る 。 ポ ー トノ 1999年 か ら2000年 に か け て トラ フ ィ ッ ク は 、 デ ー タ ・ トラ フ ィ ッ クが 音 声 を越 して お り、2003 年 頃 の伝 送 ス ピ ー ド2Mbpsに 向 け て モ バ イ ル デ ー タ 革 新 が 進 む と考 え て い る 。 そ の 中 で もサ ー ビ ス柔 軟 性が 最 重 要 課 題 で あ り共 通技 術 はや は りIPと い う こ とに な る 。 一141一 6.新 しい 世 界 に 向 け て の 構 造 回 線 交 換 の通 信 か らア ドレス を持 った パ ケ ッ ト交 換 の デ ー タ通 信 へ とパ ラ ダイ ム シ フ ト して きて お り2つ の 融 合 が 進 む と共 に両 方 と も延 び て きて い る。 構 造 を見 る と接 続 一 コ ン トロ ー ル ーサ ー ビ ス と縦 に つ な が っ た形 に重 点 が 置 か れ 物 事 を考 え て きて い る 。 また コ ン トロ ー ル と接 続 性 は 、 今 は 結 び つ きが 強 い が 将 来 は分 か れ る と見 て お り、 今 後 は横 につ な が る形 が 進 む と見 て い る 。 垂 直 型 と は 、 通 信 事 業 者 がISP、ASPや コ ンテ ンッ な ど を 囲 い 込 み 、 そ の 利 用 料 金 を徴 収 す る ビ ジ ネ ス ス タ イ ル と捉 え る もの で あ る 。 水 平 型 と は 、 通 信 事 業 者 の 上 記 囲 い 込 み が オ ー プ ン化 され ク ラ イ ア ン トが 直 接 をISPやASPと コ ン タ ク トす るか 、 も し くは 、 通 信 事 業 者 の ゲ ー トを使 用 し ない 形 態 を イ メ ー ジ し、 場 合 に よっ て は料 金 も通 信 事 業 者 を介 さな い で 支 払 う ビ ジ ネ ス モ デ ル を 考 え る も ので ある。 7.ベ ンダー ファイナンスの対応 通 信 事 業 者 か ら早 期 に新 規 事 業 計 画 の 入 手 と事 業 に つ い て デ ィ ス カ ッ シ ョン で き る こ とや 事 業 者 が 健 全 な 発 展 を し て、 よい 関 係 を継 続 す る とい う点 で 、 ノ キ ア 、 エ リ ク ソ ン 同様 フ ァ イ ナ ンス の 要 請 に応 じ て きて い る 。2000年 末 時 点 で 不 良 化 した もの は な い もの の ベ ン ダ ー フ ァイ ナ ン ス の 累計額 は多額 になってい る。 D.ル ー セ ン ト ・テ ク ノ ロ ジ ー 社 1.名 門企業の没落 AT&Tを ッ ー ル に持 つ 名 門 ル ー セ ン ト ・テ ク ノ ロ ジ ー(以 会 に て マ ギ ン会 長(CEO)を 下 ル ー セ ン ト)は2000年10月 に重役 更 迭 して 、 ヘ ン リ ー ・シ ャ ク ト新 会 長 を 選 出 した 。 オ ニ ー ル現 財 務 長 官 を は じ め 、 そ う そ う た る社 外 重 役 陣 を有 す る会 議 で マ ギ ン氏 の 経 営 戦 略 は 否 定 され た 。 後 任 の シ ャ ク ト会 長 は 大 胆 な再 生 計 画 で難 局 を乗 り切 ろ う と必死 で あ る 。 で は 、 業 績 悪 化 の 要 因 は ど こ にあ っ た の か 。2000年 の 実 績 は 、 売 上 高315億8900万 ドル に 対 し て利 益 は10億 ドル の 赤 字 を記 録 した 。1年 後 にIT不 況 に直 面 した モ トロ ー ラや ノ ー テ ル ・ネ ッ ト ワ ー ク ス(以 下 ノ ー テ ル)と 対 象 的 な 業 績 悪 化 で あ っ た。 最 大 の 要 因 は 底 流 に あ るAT&T時 代か らの 官 僚 主 義 的体 質 に あ る 、 と指 摘 す る声 が 多 い 。 研 究 開発 か ら製 品化 プ ロ セ ス 、 販 売 に い た る ラ イ バ ル ・メ ー カ ー と の ス ピ ー ド格 差 の 問 題 と置 き換 え られ る 。 そ れ ほ どAT&Tの きい の か 、 計 り よ うが な い 。 しか し、 事 実 と して 、AT&Tの 存 在 が 今 も大 ニ ーズ に 応 え る の に腐 心 して 産 業 界 の新 潮 流 を看 過 した点 は否 定 で きな い 。 例 え ば 、 利 潤 幅 の 大 きい 大 型 交 換 機 に 固執 し て 、 成 長 市 場 へ の シ フ トが 遅 れ た点 で あ る。 2.イ ン タ ー ネ ッ ト時 代 に 出 遅 れ ラ イ バ ル 会 社 の イ ン タ ー ネ ッ ト分 野 へ の 積 極 的 な参 入 との 格 差 も挙 げ られ る。 特 に、 ノ ー テ ル は高 速 光 フ ァ イバ ー ・シス テ ム 開 発 に成 功 し、 ネ ッ トワー ク の 強 化 が 促 進 さ れ て きた 。 そ の結 果 、 光 伝 送 装 置 の 世 界 市:場シ ェ ア は2000年 第3四 半 期 で 、1位 の ノ ー テ ル が53%、 と大 差 が つ い た。2000年 通 年 で も前 者 が45%、 に89億 ドル 市 場 に 成 長 したDWDM装 DWDM装 置 市 場 はKMI調 後 者 が25%と2社 置 で は 、 ノ ー テ ル53%、 ル ー セ ン トが16%、 の シ ェ ア格 差 は大 きい 。2000年 ル ー セ ン トが16%に 開い た。 この 査 に よ れ ば 、2005年 に 向 け て 年 間4割 拡 大 し、2005年 に は約540億 一142一 ドル 市 場 規 模 に拡 大 す る 予 定 で あ る 。 経 営 者 の 責 任 と して 時代 の潮 流 を 読 む資 質 が 問 わ れ て い る。 ル ー セ ン トの 場 合 、 イ ン タ ー ネ ッ ト時 代 到 来 に対 す る認 識 ス ピ ー ドが ラ イ バ ル 各 社 に 遅 れ た 、 と多 く専 門家 か ら指 摘 さ れ る。 ま た、 音 声 通 信 か ら デ ー タ通 信 に シ フ トす る改 革 を読 み きれ な か っ た 。 言 い換 えれ ば 、 オ ー ル ド ・エ コ ノ ミー 体 質 か ら脱 皮 し、 ニ ュ ー エ コ ノ ミー経 済 との 調 和 、 相 互 依 存 が 必 要 不 可 欠 に な っ て い た は ず で あ る。 3.新 ビジ ネ ス モ デ ル 描 け ず 私 は2000年 末 に 「ITビジ ネ ス モ デ ル 日米 ウ ォー ズ 」(実 業 之 日本 社)(注9)を 本 の 中 で 米 国 で"急 成 長 す る 企 業 の条 件"を ① 顧 客 の こ7ズ 出 版 した が 、 そ の 調 査 分 析 して 紹 介 して い る。 私 ρ 主 張 す る条 件 に は 、 を 的確 に 読 み 取 り、顧 客 との 関 係 重 視 を最 優 先 、 ② ス ピ ィー デ ィで 測 定 可 能 な ビ ジ ネ ス モ デ ル の 策 定 、 ③eビ ジ ネ ス に グ ロー バ ル視 点 の 導 入 とブ ラ ン ドカ の 強化 、 ④ 持 続 可 能 な競 争 優 位 性 の 有 無 の価 値 判 断 、 な どが 含 ま れ る。 逆 説 的 だ が 、 ル ー セ ン トの経 営 が 上 記 条 件 に合 致 して い た か は 疑 問 だ 。 ル ー セ ン トの も う一 つ の悩 み は 、 技 術 者 の 大 量 退 社 で あ ろ う。 人 員 削 減 、 リス トラ の 発 表 以 前 か ら前 述 の 企 業 体 質 に合 わ な い 技 術 者 が 大 量 に 辞 め て い る。 シ リ コ ンバ レー の ベ ン チ ャ ー企 業 群 は優 秀 な 技 術 者 獲 得 にス トッ ク オ プ シ ョ ンや 各 種 イ ン セ ン テ ィ ブ を付 加 させ て ス カ ウ トに奔 走 し て い た 時 期 だ け に、ITブ ー ム に乗 っ た転 職 や ス ピ ン オ フ は 日常 茶 飯 事 で あ っ た 。 しか し、 現 在 は IT株 価 の 下 落:で、 ス「トッ ク オ プ シ ョ ン の魅 力 も低 下 し、IT業 界 も選 別 の 時 代 を迎 え、 業 績 悪 化 で高 級 待 遇 に よる 技 術 者 の 囲 い 込 み は急 減 し始 め て い る。 4、 買 収 ・拡 張 主 義 の後 遺 症 ル ー セ ン ト首 脳 は 、「経 営 失 敗 の 原 因 は11部 門へ 広 げ た事 業 の 急 拡 大 に有 す る」 と指 摘 して い る。 そ の 代 表 例 が99年6月 に買 収 した アセ ン ド ・コ ミュ ニ ケ ー シ ョン との 合 併 で あ る。240億 ドル の 巨 費 を か け た ル ー ター 大 手 企 業 の買 収 は 、 ノ ー テ ル の ベ イ ・ネ ッ トワ ー ク買 収 ケ ー ス よ り1年 近 く 遅 か っ た 。 ア セ ン ド社 は リモ ー ト ・ア ク セ ス 機 器 及 びATM交 換 機分野 の主力企業 で新規 参入 の通 信 事 業 会 社 やIP企 業 へ の 売 り込 み 実 績 が 高 い 。 そ の 点 、 ル ー セ ン トはAT&Tに 独 占 的 に 光伝 送 装 置 を供 給 して きた ご と く、 旧 ベ ル 系 電 話 会 社 へ の食 い 込 み は伝 統 的 に強 い の で 、 両 者 の販 売 市 場 の 重 複 は余 り ない し、IPとATMの 結 合 を 目指 す 次 世 代 ブ ロ ー ドバ ン ド技 術 的 志 向 が 一 致 す る理 想 的 な合 併 と思 わ れ た 。 問 題 は 前 述 の企 業 カ ル チ ャー の 相 違 で あ る 。 名 門企 業 とベ ンチ ャ ー 企 業 の 企 業 カ ル チ ャ ー の 融 和 が 簡 単 で な い こ と を証 明 して しま っ た 。 一 方 、 事 業 の急 拡 大 の 反 省 か ら今 度 は事 業 部 門 の 整 理 が 始 ま っ た。 事 業 の 拡 大 の 方 だ が 、98年 だ け で7つ の デ ー タ ・ネ ッ トワ ー ク機 器 会 社 を含 む11社 を買 収 した 。 そ の後 縮 小 に 向 か う訳 だが 、 2000年9月 にAVAYAに 企 業 通 信 部 門 を分 離 し、12月 に半 導 体 部 門会 社 も分 離 した 。 昨 年3月 にマ イ ク ロエ レ ク トロ ニ ク ス 部 門 の ア ジ ー ル ・シス テ ム ズ を分 離 す る 。 ウ ォール ス トリ ー トジ ャー ナ ル 紙 は 、 光 フ ァ イバ ー ・ソ リ ュ ー シ ョ ン部 門 もい ず れ 売 却 す る可 能 性 が あ る、 と報 じて い る 。 ア ジ ー ル社 はIPO(新 規 株 式 公 開)に 踏 み 切 り、 ル ー セ ン トは リス トラ対 策 用 の 原 資 を確 保 した 。 ル ー セ ン トの ス タ ンダ ー ト ・ア ン ド ・プ ア ー ズ 社 の 格 付 け が 「BBB」、 ム冖 デ ィー ズ が 「Baa3」 と低 い 方 向 に 下 降 中 で あ る 。 従 っ て、 ア ジ ー ル の 上 場 株 価 と格 付 け が期 待 値 に達 しな け れ ば 、 ル ー セ 一143一 ン トの 格 付 け 信 用 は さ らに 下 降 し、 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー が不 十 分 と な り、 最 悪 の 場 合 証 券 会 社 の 投 資 ポ ー トフ ォ リ オ ・リス トか ら消 え る 。 起 死 回生 の リス トラ対 策 や再 生 計 画 に は65億 ドル の 経 費 が 必 要 と され 、 信 用 ロ ー ン調 達 を銀 行 に要 請 して い た が 、J.Pモ ル ガ ン投 資 銀 行 が45億 ドル の 融 資 に応 じた。 残 りは ア ジ ー ル社 の 新 規 株 式 公 開 で入 手 す る 戦 略 だ 。 5.始 動 した再 生 計 画 同 社 は ア ジ ア市 場 ぺ の 売 り込 み に 非 常 に 熱 心 で 、2000年12月 ア ジ ア」(注10)で は,連 香 港 で 開 催 さ れ たITU厂 テ レコム 日の 報 道 陣 へ の 中 国 市 場 や 新IP関 連 製 品 ・シ ス テ ム の企 業 戦 略 の フ ィ ー リ ン グ に余 念 が 無 か っ た 。 売 上 高 トップ ・グ ル ー プ を 走 り、世 界 トップ永 準 の ベ ル研 究 所(注11) を有 し、 高 額 な研 究 開 発 費(研 究 開発 費 の 売 上 げ 高 比 も2桁 ベ ー ス)を 支 出 して きた 同 社 が利 益 が 出 な い 体 質 に陥 っ た 諸 要 因、 経 緯 は 以 上 の分 析 の 通 りで あ る 。 ル ー セ ン トは2000年10、2月 期 で10億 ドル の 営 業 損 失 を出 した。 こ う した 業 績 悪 化 に対 して 利 益 創 出 の た め の 組 織 改 革 を 同年 末 に発 表 した 。 そ れ ら は、 ① 本社 管理部 門の統合 ② 二重 の市場調査機 能の削減 ③ 販 売 サ ポ ー ト向 け 技 術 支 援 ④ 研 究 開 発 施 設(ρ海外 シ フ トー イ ン ド、 日本 、・中 国 ⑤ 年 間 ベ ー ス の予 算 シス テ ム廃 止 な ど で あ る。 マ ギ ン会 長 か らバ ト≧ タ ッ チ し た シ ャ フ ト会 長 は早 速 大 手 術 の 再 生 計 画 に着 手 した わ け だ 。 さ ら に、 大 リ ス トラ計 画 を発 表 した 。 そ の 中 で 「20億 ドル の コス ト削 減 」 「1万6千 人 の 人 員 整 理 」 「通 信 サ ー ビス 会 社 向 け事 業 な どへ 特 化 」 が 出 色 で あ る 。 企 業 の 部 分 売 却 と して 、 光 フ ァ イバ ー 部 門 は古 河 電 工 に売 却 した 。 た だ し、 中 国 事 業 部 門 は 米 コ ー ニ ン グ ・グ ラ ス 社 が 取 得 して い る。 起 死 回生 を計 る ル ー セ ン ト社 はCEO(最 歳)を か ら1981年AT&Tに AT&T及 高 経 営 責 任 者)と してバ ト リシ ア ・ル ー ソ ー女 史(49 起 用 し た。 彼 女 は社 長 に就 任 し、 シ ャ ク ト会 長 は現 職 に と ど ま っ た 。 ル ー ソ ー 女 史 はIBM 入 り、昨年4月 に イ ー ス トマ ン ・コ ダ ッ ク社 の社 長 に抜 擢 され た ば か りだ っ た。 び 、 分 離 した ル ー セ ン ト社 に合 計20年 近 く勤 務 した 経 験 を持 つ 。 同社 が2001年 度162億 ド ル の 赤 字 を計 上 し、 昨 年 発 表 の1万6千 人 リス トラ に加 え 、 も う一 段 の リス トラ を余 儀 な くされ て い る だ け に、 思 い 切 っ た 経 営 戦 略 が 必 要 と さ れ る 。 株 価 は1999年 末 の ピ ー ク 時 に比 べ 、8割 も下 降 して い る だ け に財 務 体 質 の 強 化 が な に よ り も急 務 と い え る。 通信 事 業 者 の米 国 市 場 設 備 投 養 が 2002年 は ブ ロ ー ドバ ン ドや 次 世 代 携 帯 電 話 部 門 の先 送 りな どで 、 前 年 比3割 近 く削 減 とい う悲 観 的 な予 測 が され る 中 、 イ ン タ ー ネ ッ ト(デ ニ タ ・サ ー ビス)市 場 へ の 強 力 な 新 製 品 ・サ ー ビ ス 、 ソ リ ュ ー シ ョン ・ビジ ネス に優 先 順 位 を付 加 す る選 択 技 が 浮 上 して い る 。 結 本 稿 は ノ キ ア.(フ ィ ン ラ ン ド)、 エ リ ク ソ ン(ス ト(米 国)4大 論 ウ ェ ー デ ン)、 シ ー メ ンズ(ド イ ツ)、 ル ー セ ン メ ー カ ー を訪 問 して 直 接 各 社 幹 部 との ヒア リ ン グ を 実 施 して経 営 戦 略 を調 査 分 析 し た 内 容 を 中 心 に ま とめ た もの で あ る 。不 況 計 画 と再 生 計 画 に余 念 が な いIT産 業 に通 じる最 大 公 約 一144一 数 的 な特 徴 は1章 ∼2章 にす で に整 理 して い る 。2章 に は解 決 策 も紹 介 した 。 そ の ベ ー ス を な す4社 の ケ ー ス ス タデ ィは3章 に ま と め た 。 各 社 の ビ ジ ネ ス 戦 略 、 ア ウ トソ ー シ ン グ の 它MS、 リス トラ 問 題 、 そ して 、新 製 品 、 シ ス テ ム 、 サ ー ビス 分 野 で の 新 機 軸 の 構 築 、 新 役 員 体 制 、 研 究 開発 の 強 化 策 な ど に 関 す る 多 岐 に わ た る情 報 収 集 に基 づ い て研 究 分 析 した つ も りで あ る 。 IT各 社 に共 通 す る の は 「国 際 競 争 力 」 強化 志 向 並 び に 国 際 市 場 ア ク セ ス に対 す る積 極 的 な ア プ ロ ー チ で あ る 。 と りわ けモ バ イ ル に特 化 した ノ キ ア経 営 の成 功 と、 通 信 に 固執 ・ した ル ー セ ン トの 経 営 上 の 失 敗 の背 後 に は 「モ バ イ ル」 「イ ン タ ー ネ ッ ト」2大 部 門優 位 へ の 先 見 性 及 び ス ピ ー ド経 営 方 式 採 択 の"選 択 と集 中"実 行 に対 す る相 違 と判 断 で きる 。 そ の 点 、 日本 のITメ ー カ ー も業 績 不 振 か ら、 再 生 に か け て大 規 模 な リス トラ の 真 最 中 で あ る。2002年 末 か ら2003年 前 半 に か け て 世 界 のIT市 場 は 再 び 回復 す る 予 想 が 主 流 とい え る 。 そ の シ ナ リ オ を前 提 に 新 大 型 市 場 と な る ブ ロ ー ドバ ン ド並 び に 第3世 代 携 帯 電 話 戦 略 で 欧 米 競 合 企 業 と の競 争 に対 す る ビ ジ ネ ス戦 略 策 定 に本 稿 が 役 立 て ば 幸 い で あ る。 注1)WLLは ワ イ ヤ レス ・ロ ー カ ル ・ル ー プ の こ とだ が 、 無 線 で 地 域 内通 信 網 を構 築 す る 手段 と して注 目 され て い る。 オ フ ィ ス や 住 居 へ の ラ ス ト ・ワ ンマ イ ル低 コ ス ト設 備 投 資 の ひ とつ だ。 注2> 、ADSLは 既 存 の電 話 回 線 を利 用 して 、 電 話 局 か ら家 庭 まで 、 下 り方 向 で1.5Mビ 上 り方 面 で16Kビ 注3)PCSは ッ ト/秒 、 ッ ト/秒 の通 信 が 実 現 で き る技 術 。 米 国 版 のパ ー ソ ナ ル通 信 サ ー ビス 。PCSは 使 用 目的 に制 限 は な く、 狭 帯 域PCSと 広 帯 域PCSの2種 注4)WAPは 類 の免 許 が あ る。、 ワ イ ヤ レス ・ア プ リケ ー シ ョン ・プ ロ トコ ル の こ と。 欧 州 中 心 のWAPは 日本 のi モ ー ドと性 能 、 コ ン テ ン ッで 比 較 さ れ る。 注5)GPRSは25世 代 の携 帯 電 話 方 式 と呼 ば れ 、GSM方 式 の 延 長 上 に あ る た め 、 第3世 代 に比 較 し て新 規 設 備 投 資 が 少 な くて 済 む 。 注6)GSMは グ ロ ーバ ル ・シ ス テ ム ・フ ォ ・モバ イ ル ・コ ミ ュニ ケ ー シ ョン の略 で 汎 欧 州 デ ジ タル ・セ ル ラ ー構 想 と して世 界 各 国 に 普 及 して い る携 帯 電話 方 式 。 注7)EMSは エ レ ク トロ ニ ッ ク ・マ ニ ュ フ ァ クチ ャ リ ング ・サ ー ビ ス の 略 で あ る 。IT企 業 が リ ス トラ の一 環 と して 専 門 メ ー カ ー に ア ウ トソ ー シ ン グ を行 うの が ブ ー ム に な っ て い る。 注8)ブ ロ ー ドバ ン ドは 、 高 速 大 容 量 の 通 信 手段 と して 普 及 が 始 ま っ て い る 。ADSL、ISDN、 ケ ー ブ ルTV、 モ バ イ ル 、 衛 星 通信 な ど多 様 なチ ャ ン ネ ルが 競 合 して い る。 注9)ITビ ジネ ス モ デ ル は技 術 革 新 の 激 しいIT分 野 で イ ン タ ー ネ ッ トを活 用 した 新 ビジ ネ ス モ デ ル が 相 次 い で 誕 生 して い る。 注10)ITU「 テ レ コ ム ア ジ ア 」 は 隔 年 ア ジ ア の 主 要 都 市 でITUの 主 催 で 開 か れ る 。 ホ ン コ ン会 場 で は、 中 国 市 場 向 け の 製 品 、 シ ス テ ム が 優 先 的 に展 示 され て い た 。 注11)ベ ル研 究 所 はAT&T時 代 か ら米 国最 大 の 情 報 通 信 研 究 所 と して 君 臨 して きた 。 所 長 の マ ー チ ン氏 に面 会 した が 、 ル ー セ ン ト社 の付 属 研 究 所 に移 動 して か ら は基 礎 研 究 よ り も商 業 化 研 究 に重 点 が シ フ トした 、 と説 明 して い た 。 一145一 参考文献 ● 「ITビジ ネ ス モ デ ル 日米 ウ ォ ーズ 」 ● 「デ ジ タ ル ・ネ ッ ト産 業 革命 」 ● 「i青 報 通 信 ビ ッ クバ ン」 小 尾 敏 夫 、今 村 勝 征 共 著 、2000年11月 小 尾 敏 夫 著 、2000年6月 小 尾 敏 夫 著 、1998年2月 ●"米 国通 信 機i器メー カ ー の動 向"小 ●"欧 米 情 報 通 信 業 界 の 官 民 一 体 ダ イ ナ ミズ ム"小 、PHP研 、 実 業 之 日本社 究所 、時事通信社 尾 敏:夫、 「通 信 工 業 」2000年8月 号 、 通 信 機i械工 業 会 尾 敏 夫 、 「国 際 開発 ジ ャ ー ナ ル 」、1998年11 月 号 、 国 際 開 発 ジャ ー ナ ル社 ●"通 信 メ ー カ ー の 世 界 戦 略'・ 小 尾 敏 夫 、 「テ レ コ ミ ュニ ケ ー シ ョン」1999年2月 レ コ ム ● 「CIAJ第8回 ● 「Ericsson智sOrganizahon2001」March2001,Ericsson 情 報 通 信 海 外 調 査 」 報 告 書 、2001年7月 ● 「NokiaResearchCenter」may2001,Nokia ● 「Th6FutuerofMobileServicesandNetworks」May2001,SiemensAG 一146一 、 通 信 機 械 工 業 会 号 、 リックテ