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コーポレート・ガバナンス
基本的な考え方および推進体制について
経営体制
内部統制
内部統制システムの整備について
監査体制
経営に関わる制度や委員会、会議などの各種
各監査の質的向上のため、相互連携の強化に
体制について
努める体制について
リスク管理
コンプライアンスの徹底
全社的リスク管理体制や危機管理体制、リス
基本的な考え方や推進体制、その実践に向け
ク管理を推進するための取り組みについて
た取り組みについて
情報セキュリティ管理
基本的な考え方や推進体制、その確保に向け
た取り組みについて
知的財産活動
基本方針や推進体制について
コーポレート・ガバナンス体制
コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
東京ガスは、天然ガスを中心とした「エネルギーフロンティア企業」として、「快適な暮らしづくり」と
「環境に優しい都市づくり」に貢献し、「お客さま、株主の皆さま、社会から常に信頼を得て発展し続け
ていく」という経営理念のもと、経営の適法性・健全性・透明性を担保しつつ、的確かつ迅速な意思決
定、効率的な業務執行、監査・監督機能の強化および経営・執行責任の明確化を推進し、コーポレート・
ガバナンスの充実・強化を図ることによって、企業価値の向上をめざしていきます。
コーポレート・ガバナンス推進体制の概要
当社は、2002年より経営意思決定の効率化・迅速化を図るため、取締役の員数を大幅に削減するととも
に、業務執行監督機能を強化しつつ、透明性の向上を図るため、社外取締役を招聘しています。(社外取
締役3名を含む11名で取締役会を構成しています。)さらに、社外取締役・社外監査役の代表3名、および
社内取締役2名で構成される諮問委員会を設置し、取締役会の諮問に基づき、公正かつ適格な役員候補者
選定を行うとともに「役員報酬に関わる基本方針」に従い役員報酬について審議し、取締役会に答申して
います。社外監査役については従前より2名招聘していましたが、2006年に1名増員し、社外監査役3名を
含む5名の監査役が厳正な監査を実施しています。
また、取締役会に付議される事項をはじめ、経営に関わる重要な事項については、原則として毎週開催さ
れる経営会議において審議・決定することなどにより、的確かつ迅速な意思決定と、効率的な業務執行を
実現しています。取締役会の決定に基づく業務執行については、執行役員制度の導入により、特定の業務
の責任を担う執行役員に大幅に権限委譲する一方、取締役は適宜その執行状況を報告させ、執行役員を監
督するとともに、必要に応じて取締役会へ報告させています。(経営責任および執行責任の明確化のた
め、取締役と執行役員の任期を1年としています。)なお、透明性のある経営の推進と風通しのよい組織
風土づくりのため、2002年度に社長が委員長を務める「経営倫理委員会」を設置するなど、コンプライア
ンス、リスク管理、CSおよび保安等の経営上の重要課題に関する会議体を適宜設置し、グループ内におけ
る情報の共有化と全社的な方向性の審議・調整・決定を行っています。
このように当社は、社外取締役および社外監査役を積極的に招聘し、監査・監督機能を多層化することな
どを通じて客観性・透明性の高いガバナンス体制を採用・構築しています。
コーポレート・ガバナンス体制
(注1)取締役会:取締役11名(社外3名・社内8名)、監査役5名(社外3名・社内2名)
(注2)諮問委員会:社外取締役・社外監査役の代表(3名)、取締役会長(1名)および代表取締役社長(1名)
(注3)監査役会:監査役5名(社外3名・社内2名)
(注4)経営会議:社長執行役員1名・副社長執行役員2名・常務執行役員11名(代表取締役3名が社長執行役員および副社長執
行役員を兼務)
<関連リンク>
コーポレート・ガバナンス報告書[PDF : 593KB]
アニュアルレポート
有価証券報告書
内部統制システム
当社は、経営の適法性・健全性・透明性を確保し、経営理念を実現させるため、「当社および関係会社の
業務の適正を確保する体制(内部統制システム)の整備に関する基本方針(PDF:193KB)
」を策定
し、適切に運用しています。
「内部統制報告制度」への対応
当社は、金融商品取引法に基づく「内部統制報告制度」に対応するために、金融庁の基準等に示されてい
る内部統制の基本的枠組みに準拠して、財務報告に関わる内部統制を整備・運用するとともに、その状況
を評価し、必要に応じて改善しています。なお、同制度に従って作成した、財務報告に関わる内部統制が
有効であるとした直前の連結会計年度に関する内部統制報告書については、監査人からすべての重要な点
について適正に表示しているとの意見表明がなされています。
取締役・取締役会
東京ガスは2002年から経営の意思決定の効率化・迅速化を図るために、取締役の人数を大幅に削減しまし
た。業務執行と監督機能を強化しつつ透明性を高めるため、執行役員制度の導入と社外取締役の招聘を行
いました。2014年6月末現在、取締役会は社外取締役3名を含む11名で構成されており、その任期は1年
です。
役員報酬制度
2005年4月、当社は役員の会社業績に対する経営責任を明確化するとともに、役員報酬の客観性・透明性
を確保するために、「役員報酬に関わる基本方針」を策定しました(2012年2月 一部表現等見直し)。
この方針に基づき、退職慰労金の廃止および業績連動型報酬体系の導入などを軸とする役員報酬制度の見
直しを行いました。また、経営に株主の視点を反映する目的から、社外取締役を除く取締役は、「株式購
入ガイドライン」に従い、当社株式を毎月取得し、在任中保有することが義務づけられています。
執行役員制度
執行役員に各部門の業務執行に関する権限を大幅に委譲するとともに、責任の明確な業務執行体制を整備
しました。執行役員は、戦略本部と関係会社からなる「ユニット」や各部門の業務を執行し、取締役会が
決定した経営方針のもと、当社グループ価値の最大化に取り組んでいます。なお、執行役員の任期は、執
行責任を明確化するため、1年としています。
諮問委員会
社外取締役および社外監査役の代表、会長、社長により構成される「諮問委員会」を設置しています。諮
問委員会は、取締役会の諮問を受け、役員候補者の選任および役員報酬などを審議し、経営の透明性と客
観性の確保を図っています。
経営会議
会社の経営に係る重要事項についてその方策を審議する機関として、「経営会議」を設置しています。構
成メンバーは社長執行役員、副社長執行役員、常務執行役員(出向者を除く)の14名です。このほか、常
勤監査役2名が出席しています。
社内会議
当社では、事業運営にあたり、効率性、専門性、迅速性などを重視する観点から、LNGバリューチェーン
に沿った本部組織と関係会社からなる「ユニット制」を基本組織としています。このため、会社施策全般
に関わる重要な経営課題については、ユニットを跨る調査・検討・調整などを行う必要があり、施策の整
合性、実効性、一体性をより高めるために、部門横断の社内会議(現在は全14の会議体)を設置していま
す。これらの会議は役員を委員長とし、特に重要と位置づけている倫理、保安、お客さま満足に関わる3
委員会については社長を委員長としています。各会議で検討された内容は、必要に応じて「経営会議」に
報告されます。
監査役監査、内部監査、会計監査人監査の相互連携
東京ガスは、いわゆる三様監査(監査役監査、内部監査、会計監査人監査)の実効性を高め、かつ全体と
しての監査の質的向上を図るため、下図のとおり各監査間での監査計画・監査結果の報告、意見交換、監
査立会いなど緊密な相互連携の強化に努めています。
三様監査について
監査役・監査役会
当社の監査役会は、社外監査役3名を含む5名で構成されており、それを支える組織として業務執行から独
立した監査役室を設置し、4名の専任スタッフを配置しています。各監査役は「監査役監査基準」に従っ
て、取締役会、経営会議およびその他重要な会議に出席し、必要があると認めるときは適法性等の観点か
ら意見を述べるほか、本社および主要な事業所ならびに子会社において業務の状況などの調査を行い、ま
た経営トップと定期的にあるいは随時会合をもち、意見交換を行っています。さらに、監査部や会計監査
人とも密接な連携をとりながら、良質な企業統治体制の充実・強化に向け、取締役の職務執行を厳正に監
査しています。
内部監査部門
当社は、内部監査組織として監査部(人員36名:2014年4月1日現在、内部統制報告制度対応業務を含
む)を設置し、会計、業務、コンプライアンス、情報システムならびにリスク管理等に関わる観点から専
門的な監査を効果的に実施できる体制を整えています。
内部監査の手続きと状況
当社の内部監査は、当社および関係会社を対象に実施しています。内部監査の結果は、社長、経営会議、
取締役会および監査役に報告するとともに被監査部所の責任者に報告し、提言事項に対する回答の提出を
義務づけています。提出された回答内容の実施状況については翌年にフォローアップが行われ、結果を経
営会議等に報告します。2013年度は、当社5部門および関係会社7社の監査と当社5部門および関係会社
11社のフォローアップ、ならびにコンプライアンス関連のテーマ監査を実施しました。
グループ内監査の連携
監査役、関係会社監査役、監査部が、定期的に意見交換などを行っています。連絡会や研修会などを実施
し、密接な連携を取りながらグループ全体で効率的かつ有効な監査を実施できる体制を構築しています。
2013年度、関係会社監査役連絡会は4回、関係会社監査役研修会は4回実施しました。
リスク管理体制
全社的リスク管理体制
当社は2003年度に、全社的リスク管理(ERM:Enterprise Risk Management)体制を構築し、「リス
ク管理規則」を制定するとともに、そのなかで「グループ重要リスク」を明文化しています。
また、2008年度にERM体制の整備・運用状況を把握し、ERMの管理水準向上を図るために、リスク管理
委員会を設置しています。同委員会は、定期的にリスクの見直しをはじめとするERM体制の整備・運用状
況をチェックし、経営会議に報告し、承認を受けています。さらに、2011年度より、リスク管理機能を総
合企画部に移管し、経営管理と一体となったERMを実施する体制を整備しています。
このような体制の下で、当社各部門および関係会社に「リスク管理推進者」約120名を配置して、ERMを
推進しており、毎年リスクの見直し、対応策の実施・改善状況の把握等を行い、ERMのPDCA(計画‒実
行‒点検‒改善)サイクルが確実に回る体制となっています。
全社的リスク管理(ERM)体制
危機管理体制
当社はライフラインを構成する公益事業者であるため、実際に事故等のリスクが発生した場合の対応体制
として、長年にわたり危機管理体制を整備してきました。具体的には、「非常事態対策本部規則」を制定
し、地震等の重大な自然災害およびパイプライン・工場の重大事故やそれに伴う製造・供給支障はもちろ
んのこと、新型インフルエンザ、テロ、基幹ITシステムの停止、コンプライアンス上の問題等のあらゆる
危機が発生した場合には、同規則に従い、「非常事態対策本部」が迅速に設置される体制を整備していま
す。
また、重要なリスクについては定期的な訓練を実施しています。さらに、内閣府想定の大規模地震、ガス
の重大供給支障事故、大規模停電、および新型インフルエンザ等に備えた事業継続計画(BCP: Business
Continuity Plan)を策定し、危機管理体制の一層の強化に取り組んでいます。
非常事態対策本部
リスク管理の推進に向けて
リスク管理研修の実施
東京ガスグループでは、リスク管理推進のために各種の研修を開催しています。
具体的には、2013年度は、リスク管理推進者対象の研修、新任の当社各部門や関係会社の部長・マネージ
ャー(新任ポスト者)対象の研修を開催し、それぞれの立場で必要となるリスク管理の適切な遂行やリス
ク管理能力の向上をめざしています。
エスカレーションルール
重要リスクが顕在化した場合などに、その情報が適時・適切に、必要なレベルの上位者に報告される企業
文化・組織風土をより一層徹底するために、上述のリスク管理規則の下位規則として、「重要リスクが顕
在化した場合等の報告規則」(エスカレーションルール)を制定し、適切に運用しています。
<関連リンク>
グループ重要リスクについて
基本的考え方
事業活動にあたり、倫理観に基づき法令等を遵守することは、東京ガスグループの競争力の根源である
「安心・安全・信頼」のブランド価値向上の基盤となるものです。当社では、以下の3点を基本として掲
げ、関係会社および東京ガスライフバルとともにコンプライアンス推進に取り組んでいます。
1. コンプライアンスマインドの醸成
コンプライアンスを重視した判断・行動を、役員・従業員一人ひとりが実践していく、価値観・企業風土
の確立をめざしています。
「私たちの行動基準(PDF:476KB)
」(2004年4月に改訂)
判断・行動の指針を示したもので、関係会社およびライフバルを含む、すべ
ての従業員が共有する「7つの約束」を骨子としています。
2. 基本方針に基づき各部門が連携した取り組みの展開
経営倫理委員会が策定する基本方針のもと、東京ガスグループの各部門が、それぞれの業務に密着した具
体的かつ主体的な取り組みを展開しています。
3. コンプライアンスPDCAサイクルの確立
事業内容や法的環境の変化を踏まえ、柔軟で永続的な活動を行うために、コンプライアンスの視点で業務
を見直し改善につなげるPDCAサイクルを確立し機能させています。
コンプライアンスPDCAサイクル
コンプライアンス推進体制
社長を委員長とする「経営倫理委員会」では年2回(原則5月、12月)、コンプライアンス相談窓口の対応
状況やコンプライアンス意識の定着状況のモニタリング、コンプライアンス監査結果などについて、審
議・確認しています。
2002年11月には経営倫理委員会事務局として「コンプライアンス部」を設置し、コンプライアンス推進
活動を積極的に進めています。合わせて、各ユニットに「コンプライアンス委員会」を設けコンプライア
ンス推進の取り組みを継続的・主体的に取り組んでいくための体制を構築しています。
各職場においては、より具体的な活動を推進していくために300名を超える管理職をコンプライアンス推
進活動の核となる「推進役」「推進担当者」に任命しています。
コンプライアンス推進活動の日常化・活性化のために、推進担当者連絡会などの機会を通じて、相互の情
報交換を行っています(2013年度は2月に開催。282名参加)。
コンプライアンス推進体制図
コンプライアンス相談窓口
当社では、2004年10月に当社および関係会社を受付対象範囲とする「コンプライアンス相談窓口」の体
制を確立しました。
コンプライアンス相談窓口は職制への相談がためらわれる場合に、従業員が直接相談・通報できるもの
で、社内(コンプライアンス部)と社外(弁護士事務所)に設置しています。また、相談・通報への対応
にあたっては、プライバシー保護、不利益処分の禁止など相談者の保護が保証されています。なお、この
相談窓口は、公益通報者保護法上の内部窓口としての機能を包含しており、2006年4月に施行された公益
通報者保護法の保護対象範囲に合わせて、相談窓口の受付対象範囲を東京ガスグループを含めたお取引先
まで拡大しています。なお、すでに関係会社では自社相談窓口が設置・運営されており、ライフバルにつ
いても、2010年10月に43法人すべてに相談窓口が設置されました。
当社は、この窓口を適正に運営していくことで、コンプライアンスに関する問題を早期に発見・解決し、
企業としての自浄作用がより有効に機能するよう努めています。
また、昨年に引き続き2013年9月に関係会社およびライフバルのコンプライアンス相談窓口の担当者を対
象に研修会を開催し、相互の情報交換や相談への対応力強化を図りました。
コンプライアンス相談窓口の概況(2013年度)
相談内容
職場の人間関係に関するもの
法令に関するもの
社内ルールに関するもの
その他
合計
件数(件)
22
7
20
7
56
コンプライアンスの実践に向けて
当社ならびに関係会社およびライフバルでは「私たちの行動基準」の内容の理解を図るだけでなく、一人
ひとりの具体的な行動へとつなげるため、階層別研修やオーダーメイドでの研修・勉強会を行い、各人の
実践を促しています。
研修会を通じたコンプライアンスマインドの向上
新入社員研修をはじめとする階層別研修を、関係会社やライフバルの所属員も積極的に参加するなかで行
い、コンプライアンスマインドの向上に努めています(2013年度は1,531名参加)。
さらに、各部門、各社の実情に合わせた研修メニューによる出張研修を行い、各社の主体的な取り組みと
の相乗効果を図っています(2013年度は延べ82回、3,117名参加)。
各種ツールを用いた職場勉強会の実施
各職場では、コンプライアンス推進担当者を中心に職場単位での勉強会を実
施しています(2013年度は20,314名参加)。
職場勉強会で用いるツールとして、2007年に「私たちの行動基準」を具体
的な行動につなげるための「コンプライアンス事例集」を発行しました。ま
た、2012年度からは討議型勉強会のツールとして、独自で作成した「ケー
スメソッド」を提供しています。
「コンプライアンス事例集」
コンプライアンス情報の共有化
コンプライアンス推進活動の核となる東京ガスおよび関係会社の「推進役」
「推進担当者」およびライフバル、一部協力企業向けに支援ツールとしてニ
ュースレター「コンプライアンス情報」を隔月で発行し、タイムリーな情報
提供の強化を図っています。各職場における勉強会に活用し、社内外の参考
となる事例を知ることで職場レベルでの問題解決力を向上させ、コンプライ
アンス推進の強化につなげています。
さらに、各種の法改正・運用強化、エネルギーの安全かつ安定的な供給をは
じめとする「エネルギーセキュリティ」に対する社会的な要請の高まり、そ
して海外への事業展開など、東京ガスグループを取り巻く事業環境の変化に
対するコンプライアンスリスクの情報収集と社内共有化を行うことで、社内
「コンプライアンス情報」
外の動向への的確な対応を推進していきます。
独占禁止法・景品表示法・下請法の遵守徹底に向けて
東京ガスでは、当社グループ社員を対象に、当社グルー
プが遵守しなければならない法令知識の理解向上を目的
に毎年、独占禁止法等の研修を実施しています。
2013年度は、独占禁止法・景品表示法に、下請法の研
修を合計6回実施し、当社グループ社員約1,100人が参
加しています。
研修では、具体的な法令違反の事例(注)の解説などを
交えて、情報提供を行うように努めています。
下請法研修の様子
(注) カルテル・優越的地位の濫用(独占禁止法)、優良誤認・有利誤認(景品表示法)など
東京ガスグループとしてのコンプライアンス推進
当社は、地域における「東京ガスの顔」として業務を展開するライフバルのコンプライアンスを推進すべ
く、各社の実情に合わせて、出張研修や勉強会ツール提供などを行い、PDCAサイクルを回しています。
また、東京ガス協力企業会(TOMOS)は、東京ガスと理念の共有を図るため、「私たちの行動基準」に
準じた「TOMOS行動憲章」を制定しています。
コンプライアンス推進の一環として、当社は東京ガスグループ共通のリーフレット「個人情報保護のため
に」を配布し、協力企業の職場研修会を支援しているほか、協力企業の経営層向けの講演会を実施してい
ます。また2010年度からは、コンプライアンスに関わる意見交換を一部協力企業と実施し、東京ガスグル
ープの理念共有を図っています。
コンプライアンスの浸透状況の確認・監査
コンプライアンス意識調査
当社はコンプライアンス推進活動の効果を把握するために、全従業員を対象としたアンケート調査を関係
会社を含めて定期的に実施しています。
調査の結果、当社については下図のとおり、各項目においてこれまでと同様に高い水準にあります。
次年度以降の取り組みに活かしていくため、調査結果とそれを受けた取り組みの方向性について、当社に
おいては2014年2月に推進担当者連絡会でフィードバックし、さらに2月から3月にかけて関係会社に対し
ても個別にフィードバックしました。なお、この調査結果と取り組みの方向性は、イントラネットに掲載
して当社および関係会社の従業員に公開しています。
東京ガスのコンプライアンス・アンケート得点(4点が最高点)
コンプライアンス監査
監査部に「コンプライアンス監査グループ」があり、当社および関係会社を対象として、監査を受ける側
の業務に関連する法令ならびに企業倫理や社会的規範の観点からリスクの発生可能性・重要度に着目した
監査を行っています。その結果については監査を受ける側と実施する側の双方で確認し改善に努めていま
す。
今後も継続的にコンプライアンスリスクの低減に努めていきます。
ガス漏れ修理の不正に関する経済産業省からの指導について
当社は、2013年10月に道路に埋設されているガス管のガス漏れ修正について虚偽の修理報告を
し、ガス漏れを放置していた不正を行っていたことが判明したため、直近の法定漏えい検査により
修理を行った8,283ヵ所について調査を行いました。その結果、合計で20件の不正ならびに当社社
員1名とガス工事会社4社および施工班7班が当該の不正に関与していたことが判明いたしました。
これにより、当社は同年12月に、経済産業省から文書により、厳重注意を受け、加えて、今後、
再発防止策の実施状況ならびに経年したガス管の取り替え促進の状況について報告する旨の指示を
受けました。
当社は、このたびの指導を厳粛に受け止め、同様の不正を繰り返さないよう、全社を挙げて、再発
の防止に努めてまいります。また今後、指示に基づく報告を確実に行ってまいります。お客さまに
は大変なご心配、ならびにご迷惑をおかけしたことを心からお詫び申し上げます。
本件に対し東京ガスグループが取り組んでいる再発防止策
(1)お客さまの安全につながる品質の確保に最 1. 業務チェック体制の是正
重点を置いた諸施策の速やかな実施
2. ルールの不備および運用の不徹底の解消
3. 業務量とマンパワーのアンバランスの改善
(2)経年したガス管(アスファルトジュート巻 ポリエチレン管への取り替えをこれまでより各
年約3割増のペースで推進し、ガス漏れ発生件
支管)の取り替え推進
数の低減をめざす
(3)トップマネジメントが関与し、グループ全 本件をグループ全体の課題と捉え、弊社グルー
プ全体の保安に関わる業務の課題整理・具体対
体の保安を強化
策の実施
第一段階:「保安強化総点検本部」を設置し、
お客さまや現場等の多面的な視点も踏まえて、
保安業務全般にわたる総点検、棚卸を実施
第二段階:上記の総点検活動を踏まえ、2014年
度を「保安強化実行年」と位置づけ、抜本的な
保安強化の取り組みを年間を通じて推進
<関連リンク>
2013年10月31日の公表件名「道路に埋設されているガス管のガス漏れ修理の不正について」
2013年11月29日の公表件名「ガス漏れ修理の不正に関する調査結果について」
2013年12月25日の公表件名「ガス漏れ修理の不正に関する経済産業省からの指導について」
基本的考え方
事業活動にあたり、情報セキュリティを確保することは、東京ガスグループの競争力の根源である「安
心・安全・信頼」のブランド価値の基盤となるものです。特に「1,000万件を超えるお客さま情報」をは
じめとする重要情報の漏えい、破壊や改ざんを防ぐことは、公益企業としての社会的責務と考えていま
す。
当社は、インターネットの高度利用や情報通信技術の進展などの環境変化を踏まえ、情報セキュリティ確
保におけるPDCAサイクルを確立し、一層の取り組み強化を行っていきます。
情報セキュリティ確保におけるPDCAサイクル
情報セキュリティ推進体制
情報の利活用を積極的に推進し、東京ガスグループのブランド価値向上と持続的成長のために、機密情報
の紛失・盗難等の情報セキュリティ事故の未然防止と事故が発生した際の被害・影響を最小化することを
目的として、各本部・各部に情報セキュリティ推進体制を構築しています。また、東京ガスグループが一
体となって、情報セキュリティ確保に取り組むために、関係会社および東京ガスグループを構成する約
170社においても、同様の情報セキュリティ推進体制を整備しています。
東京ガスグループの情報セキュリティ推進体制図
東京ガスグループとしての情報セキュリティ推進
情報セキュリティ確保のための行動基準
情報セキュリティの確保は、多くの人がしっかりと取り組んでいても、ひと
りの気の緩みによって崩壊してしまう怖さがあります。「みんなが守ってい
るから、ひとりくらい大丈夫だろう」という思いが情報セキュリティ事故の
発生要因となります。
「情報セキュリティ確保のための行動基準」は、情報セキュリティ確保にお
ける東京ガスグループ一人ひとりの判断・行動の指針(拠りどころ)を示し
たものです。
「情報セキュリティ確保のた
めの行動基準」
情報セキュリティ7つの習慣
「情報セキュリティ確保のための行動基準」から特に習慣づけが必要な行動
をまとめたものが、「情報セキュリティ7つの習慣」です。
毎年2月の情報セキュリティ月間には、このポスターを職場に掲示し、一人
ひとりが普段の行動を振り返り、さらなる意識の醸成を図っています。
「情報セキュリティ7つの習
慣」
情報セキュリティ確保の実践に向けて
情報技術の進展や、世間における情報セキュリティ情勢を踏まえ、継続的に情報セキュリティを確保する
ために、情報セキュリティ教育と自主検査(セルフチェック)を実施しています。
2013年度の情報セキュリティ教育では、当社、関係会社および東京ガスライフバルの約60社の従業員・
派遣会社社員などを対象に、機密情報のもち出しの取り扱いや身に覚えのない差出人から送付された電子
メールの取り扱い、スマートフォンやタブレット機器利用時の留意事項を学習することで、情報漏えいや
ウイルス感染のリスクに対する理解を深めています。
また、自主検査では、情報セキュリティ教育で得た知識やルールを遵守して行動できているかを確認し、
その結果を実施箇所にフィードバックし、改善を図っています。
当社、関係会社および東京ガスライフバルでは、一人ひとりが情報セキュリティレベルを維持向上できる
よう、今後も継続的に実施していきます。
個人情報保護
個人情報保護方針
東京ガスは、個人情報を適切に保護し正しく取り扱うことが事業活動の基本であり、重要な社会的責務と
考えております。その責務を果たすため、個人情報保護方針を以下のとおり定め、個人情報の保護に最大
限努力いたします。
(1)法令の遵守
当社は、個人情報の保護に関する法律その他の関係法令・指針を遵守するとともに、本保護方針並び
に社内規程を整備し、継続的にその改善に努めます。
(2)情報の管理
当社は、個人情報の漏洩・紛失・改ざん・不正利用等を防止するため、法令・指針に従って必要な措
置を講じ、個人情報を適切に管理いたします。また、各職場に個人情報保護の責任者を配置し、従業
員に対する教育・監督を行います。
(3)取得・利用
当社は、業務を適切かつ円滑に遂行するため、個人情報を適正な手段により取得いたします。取得に
あたり、ご本人に利用目的をあらかじめお知らせするとともに、利用目的の達成に必要な範囲内で利
用いたします。
(4)第三者への提供
当社は、法令・指針により、第三者への提供が認められている場合および委託など第三者への提供に
該当しないとされている場合を除き、ご本人の同意を得ることなく、個人情報を第三者に提供いたし
ません。また、委託先等に提供する場合には、個人情報の管理に関して必要な水準を満たす者を選定
し、個人情報保護に関する取り決めを行うとともに適切に監督いたします。
(5)開示・訂正等
ご本人が、個人情報の開示・訂正等を希望される場合、当社は、ご本人であることを確認させていた
だいた上で、法令・指針に基づく合理的な範囲において、速やかに対応するよう努めます。
個人情報の安全管理
東京ガスグループでは、1,100万件を超えるお客さま情報をはじめ、大量の個人情報を保有・利用してい
ます。2005年4月1日からの個人情報保護法全面施行に先立って、全社的な個人情報の安全管理体制を構
築しました。また、法の要請に応じた社内ルールやマニュアルの見直し、東京ガスグループの全従業員へ
の周知活動を実施しました。法施行後はこれがきちんと機能しているかフォローするため、自主点検に加
え、監査部による個人情報保護監査を実施しています。
情報セキュリティ監査
監査部が、当社および関係会社を対象として、情報セキュリティ確保のために被監査箇所の取り組みが適
切に行われているかという視点と被監査箇所の情報セキュリティに関わる具体的なリスクがどこにあり、
それに対するコントロールが適切に整備・運用されているかという視点で監査を行っています。
基本方針
東京ガスでは、他者の知的財産権を侵害することなく自社事業を遂行するため、知的財産活動にあたって
2点の基本方針を定めています。
1. 創出した知的財産の有効な保護と効果的な活用
事業展開の自由度を確保するべく、事業シナリオを意識した「知的財産の権利化と活用」を図っていま
す。具体的には、技術開発の成果として創出した知的財産について、将来の事業展開を見据えた特許権等
の必要な権利の取得を推進するとともに、お客さまに提供する商品・サービスが最善となるように他者と
のアライアンスも視野に入れて、自社の保有する知的財産を最大限活用しています。
2. 知財リスクマネジメントの強化
(1)他者の権利を尊重するために
自社が事業を行ううえで他者の権利を侵害することのないよう、技術開発の初期段階から先行技術の調査
を十分に行い、結果を技術開発活動に反映させています。また商品・サービスの市場投入前においても同
様の調査を行っています。
(2)社員の権利を尊重するために
特許法の「職務発明規定」が求める合理性と透明性を確保した報償制度を運用しています。発明によるロ
イヤリティ収入等を毎年評価して、その5%を報償金として発明者に支給し、報償に対して異議がある場
合は異議申し立てを可能としています。
推進体制
全社の知的財産に係る業務は知的財産室に集約し、一元的な管理を行っています。また、当社グループの
関係会社とも支援・情報提供をはじめとした連携を随時とっています。
知的財産管理体制図
意識の啓発
技術開発活動に従事する社員および管理者層に対して、知的財産制度の情報提供に加え、社内外の具体的
な事例による啓発活動を行い、他者権利尊重意識の醸成を図っています。
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