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中川 重則さん 高山 郁子さん クラシック ギターの魔力
MARCH 2013 vol. 225 大音生活にもっと“キラリ”を【ミューズ】 3 02 対談特集 04 大学で学ぶからこんなに深い クラシック ギターの魔力 音楽と生きる 中川 重則 さん (岡山学芸館高等学校教諭・吹奏楽部顧問) 高山 郁子 さん (京都市交響楽団首席オーボエ奏者) 福田 進一客員教授 藤井 敬吾講師 クイズ この楽器は な〜んだ? Q1 Q2 Q4 Q5 Q3 答えは P.10 を 見てね! Q6 Q9 Q7 Q8 Q10 CONTENTS 08 Concert Report 定期演奏会 他 09 NEWS Index ・研究室訪問 ・Daion Report ・大 音生なら必ず聴き たい 「100曲」 中村孝義 (音楽学・理事長)他 12 退職教員挨拶 Topics 13 キラリ★輝く 大音の星 ・コンクール受賞 ・NEWリリース 14 CAMPUS Information 15 演奏会 Information 3月〜6月 16 ・下手の考え 休むに似たり 〜学長日記〜 ・教員リレーエッセイ 玄 宗哲 (クラリネット・講師) 対 談 特 集 大 学 で 学 ぶ か ら こ ん な に 深 い クラシック ギターの魔力 日本を代表するギタリストで、 共に大音で教鞭を執る同世代の二人に、 クラシックギターの魅力や大音での指導に ついてたっぷりと語っていただきました。 福田 例えばクラシックの人は「親に無 理 矢 理 ピア ノ を 習 い に 行 か さ れ て 始 め 場合はまず違うね。ほとんどの人は自主 た」 なんて人も多いと思うけど、ギターの 的に好きで始めている。これはほかの楽 器にはあまりない現象かもしれない。 人も多い。「今まで仕事を頑張ってきたん 藤井 ギターが好きで仕方ないから、定 年になってからまた習いに来るっていう ――お二人は同い年だとか? て、また本格的に勉強を始めたり。ピア 好きで始めて ずっと続けていける 福 田 僕 が 年で藤 井 先 生は 年の早 生 ま れ だ か ら 学 年 は一緒。青 春 時 代 は けれど、ギターにはそれがないんですよ。 ノやヴァイオリンはある意味敷居が高い ク が あった。 年、僕 が ビートルズが来日している。その頃はギ 藤井 僕は中学校でギタークラブを作ろ うとしたら教頭先生に反対された。親に いなレッテルを貼られてたね。 さんのプレーヤーを育てている人も多い。 福田 我々の世代はとにかく熱心でハン グリーですね。今は指導者となってたく 楽器なのですね。 ――ある程度年齢が高くても始められる も反対されたし、そんな時代だったよね。 今、社会人の団体を2つ指導してい 食べていくことができる世界ですね。僕は はそのくらいの認識しかなかった。 続いています。年齢層も幅広い るけど、どちらももう 藤井 ある意味きちんと教えることがで きる指導力のある人は、かなりの確率で 藤井 親に怒られるから家で弾けない時 期が結構あったんですよ。仕方ないから し、年を重ねても続けている。 福田 僕が「プロになりたい」って言った ときもまわりには「演歌を弾くの?」と聞 勉強するふりをして机に向かって作曲を 年 以上 してた。当時はテレビゲームも携帯電話 いてる人がいたからよく見に行ってたら がおもしろくて。親戚の人でギターを弾 されていますね。 を委嘱されたり、編曲作品を CD に収録 ――福田先生は藤井先生にギター曲 福 田 ギ タ リ ス トの 作った 曲 で す か ら で苦労して単位が取れないために実技の時 時より下手になっているなんて事 藤井 一昨年、福田先生が定期演奏会で 弾いた「アランフェス協奏曲」 。作曲した 本当に大きいですよ。僕は日本 分 は日 本の 大 学 で 学 ぶとい 福 田 僕 が お す す め してい るのは、まずベーシックな部 J. ロドリーゴはスペインのバレンシア 人レッスンだけでなく、アンサンブルが ではここでしか教えていません。個 てくれているんですね。それがなぜか日 出るそうです。自国の作曲家を大切にし 藤井 教則本をきっちり読み直し基礎を 学ぶ 「基礎演習」 という授業もあります。日 できるのもいいですね。 できっちりと弾かせたりします。日本語の 本では日本人の曲を演奏すると高い著作 しょう。単語の意味がわかって、それを音 大切。僕は、例えば日本語の童謡をギター らえるようになってほしい。 に置き換えて表現する。日本語でできない 本人が日本語を使って正しく学ぶことは 福 田 我 が 国 の 音 楽 な ん だ か ら もっと 政府にも協力してもらいたいですね。僕 権料を払わないといけなくなる。日本人 は最近、ナクソス(香港のクラシック音楽 ものは英語でも絶対にできないから。 福田 簡単な曲でいいから音楽をきちん と理解した上で表現できるギタリストを バンド」というとても短いシンプルな曲 があるんですが、こういう曲をきちんと のために作曲した「ギターのためのサラ 音楽で食べていくことも 夢じゃない 表現できることが大切だと思っています。 藤井 福田先生も僕もそうだけど、ギター の世界では留学する人が多い。どんなに語 がクラシックギターの世界です。 んな人なら、高い確率で食べていけるの 藤井 きちんと演奏できて和声構造を説 明できて指導力がある人を育てたい。そ 学が堪能だとしても異国の言葉ですべての ターの特徴は? ――大阪音楽大学で学べるクラシックギ ます。例えば F・プーランクが唯一ギター 井先生の作品集もいずれ出したいですね。 育てたい。基礎があればいくらでも伸び を録音していこうと計画しています。藤 からのライフワークとして日本人の作品 歌詞は誰でも見ればすぐに理解できるで レーベル) と契約したので、 歳を過ぎて は、もっと日本のことを世界に知っても うこと。自国で学べる魅力は 身の人がこの曲を弾くと国から奨励金が 地方出身なんだけど、同じバレンシア出 弾いていきたいですね。 日本人なんだから日本人の作品をもっと てて納得してしまうような感覚というか。 態にもなりかねない。 ギターを知り尽くした指運びとか、弾い もいうような演奏上の快適さを感じます。 間が削られる。下手したら、入学した 「ピアニズム」に対する「ギタリズム」とで ギターで弾きやすいのはもちろんですが、 授業を理解するのは本当に大変です。言葉 もらったんです。 「そんなに好きなら 本やる」と言われて 本で調べて、見よう見まねで曲を書くの 「ソナタ形式とはなんぞや」なんて自分で もない時代だからものすごくハマってね。 日本人の曲を もっと世界に 知ってほしい かれたくらい。ギターといったら世間で ターを弾くと言えば「不良の始まり」みた だから」って退職金でいいギターを買っ 歳 の 時 に ザ・ フォークミュージックやカントリー、ロッ 56 2 3 15 大阪音楽大学 クラシックギター専攻 大阪音楽大学短期大学部 クラシックギター・コース 独奏のみならずアンサンブル技術を身に付けます。演 奏家としてだけではなく良き指導者として社会で活躍でき るようレッスン技術を向上させるとともに、自らの演奏に 必要な独奏曲への編曲、ギター合奏曲の編曲に留まらず、 レッスンや愛好家に向けて必要な編曲能力を育てます。 「ブエノスアイレスの冬」 福田進一 (日本コロムビア・2310 円) 全国の CD ショップ、amazon 他 ※藤井敬吾講師編曲作品を 2 曲収録。 60 ふじい けいご●1956年北海道上磯町 生まれ。7歳よりギターを始め、独学で和 声学や対位法を学びつつ、15歳から数年 間にわたり1日1曲を日記代わりに作曲す る。イギリスのギルド・ホール音楽院、ス ペインのオスカル・エスプラ音楽院に学ぶ。 数々のコンクールに入賞。ギターを岡本 一郎氏、 J.L.ゴンサレス氏、 D.ラッセル氏に 学ぶ他、A.ディアス氏のマスター・クラス 受講。作曲はC.ブライトン氏に師事。独 奏、室内楽などのほか、 ピアニストである 夫人の藤井由美との二重奏でも活躍中。 藤井 敬吾 福田 進一 1 講師 客員教授 ふくだ しんいち● 1955 年大阪船場 生まれ。12 歳より故 斎藤達也氏に師 事。77 年に渡仏し、アルベルト・ポン セ、オスカー・ギリアの各氏に師事し た後、81年パリ国際ギターコンクー ルでグランプリ優勝、さらに内外で 輝かしい賞歴を重ねた。世界 20 数 カ国の主要都市に招かれ、リサイタ ル、マスタークラスを開催。11 年秋 から5年にわたる「バッハ作品集」の リリースを開始。同年、芸術選奨文部 科学大臣賞を受賞。 11 55 66 生徒たちと共に過ごし 成長を応援する日々 「 仕 事 が 本 当 に 楽 し い 」と 今、胸 を 張 っ て 言 え る 日 々。朝 か ら 晩 ま で 学 校 で 生 徒 た ち と 頑 張 っ て い ま す。吹 奏 楽 部 は 120 名 を 超 え る 大 所 帯 で、校 内 で 最 も 活 気 の あ る 場 所 の 一 た の で、両 親 も 音 楽 の 道 に 進 む こ と に反対はしませんでした。 大学に入学してからもひたすら ト ラ ン ペ ッ ト。毎 日 朝 早 く か ら 夜、 守衛さんに追い出されるまで練習 に 明 け 暮 れ ま し た。下 宿 は 庄 内 の 風 呂 無 し 四 畳 半。近 所 に 住 ん で い た 大 音仲間たちとお互いの家を行き来 し た り、み ん な で 銭 湯 に 行 っ て か ら 飲 み に い く と い う 日 々 で し た( 笑 )。 本当に楽しかったですね。 もっともっと 前へ突き進んでいきたい そ ん な ふ う に、在 学 中 は ト ラ ン ペ ッ ト ば か り だ っ た の で「 教 員 に な ろ う 」な ん て こ れ っ ぽ っ ち も 思 っ て い ま せ ん で し た。オ ー ケ ス ト ラ に 入 っ て 演 奏 家 に な る ん だ、と 強 く 思 い こ ん で い ま し た か ら、学 生 時 代 には教職の単位を全くとっていな かったんです。 卒業後は声をかけていただいて あちらこちらで吹奏楽部指導のお 手 伝 い を す る 機 会 に 恵 ま れ ま し た。 最 初 の 頃、自 分 自 身 が 演 奏 す る こ と ば か り 考 え て い ま し た か ら、人 に 音 楽を教えるということがあまり得 意 で は あ り ま せ ん で し た。し か し、 舵 を 切 る 大 切 な 時 期 で す か ら、ど の よ う な 時 間 を 過 ご す か、教 師 と し て 大 き な 責 任 を 感 じ ま す。私 自 身 の 経 験 か ら も 高 校 時 代、大 学 時 代 の た く さ ん の い い 出 会 い は、現 在 の 大 き な 力 と な っ て い ま す。生 徒 た ち に も 音 楽 を 通 じ て た く さ ん の 出 会 い、い い 経験をさせてあげたいと思います。 朝から晩まで ひたすらトランペット! 小学生の時に上級生の金管バン ド を 見 て「 カ ッ コ イ イ!」と 衝 撃 を 受 け ま し た。バ ン ド そ の も の よ り、 とにかくトランペットだけがカッ コ 良 く 見 え た の で す。「 あ の 楽 器 が や り た い!」と い う 思 い だ け で 中 学 校 で も、そ し て 高 校 で も 迷 わ ず 吹 奏 楽部に所属してトランペットを続 け ま し た。高 校 に 入 っ て か ら は、の ちに大学でもお世話になる故加藤 隆 功 先 生 の レ ッ ス ン を 受 け る た め、 で は、人 間 力 を 高 め る こ と か ら も 部 つ で す。私 が 勤 め る 岡 山 学 芸 館 高 校 自分の中では当然音楽大学に行く ず 音 楽 を や る と 思 っ て い ま し た し、 い ま し た。中 学 生 の 頃 か ら 将 来 は 必 岡山から芦屋のご自宅まで通って 活動は重要であると位置づけられ も の と 決 め て い ま し た。な ん の 迷 い 講師をしている間に母校から声を も あ り ま せ ん で し た ね。逆 に 言 え ば か け て い た だ き、岡 山 学 芸 館 高 校 で て い ま す。勉 強 に も 力 を 入 れ て い ま い く 先 生 方 の 姿 に、私 は 心 を 大 き く 教師をすることになりました。 す の で、生 徒 た ち は 非 常 に 濃 い 3 年 動 か さ れ、一 生 懸 命 に 音 楽 に 挑 む 生 それ以外は何も思いつかなかった 徒 た ち に、自 分 が 少 し で も 力 に な っ 紆 余 曲 折 を 経 て、学 生 時 代 に 思 っ て い た 将 来 と は 全 然 違 い ま し た が、 ん で す よ。こ ん な に 熱 心 に 続 け ら れ てあげられることに大きな喜びを 経験ができたことは意味があった 間 を 過 ご し ま す。高 校 時 代 の 3 年 感じるようになりました。 と 思 い ま す し、今 は 教 師 と い う 仕 間 は、さ ま ざ ま な 面 で 大 き く 成 長 し、 「 人 の 力 に な れ る こ と、人 の 役 に 立 て る こ と 」を 自 分 の 生 き る 道 に。 事に大きなやりがいを感じていま る習い事はトランペットだけだっ 本 腰 を 入 れ て 教 育 に 携 わ ろ う、教 師 年遅い教員生活のス 回り道している間にもさまざまな になろうという気持ちが徐々に芽 す。人 よ り 約 代 後 半。一 た。周 囲 か ら は 心 配 も さ れ ま し た が、 生として大学に戻ることにしまし 大 決 心 を し て も う 一 度、科 目 等 履 修 過 ご し、一 緒 に 笑 顔 で 舞 台 に 立 ち た も情熱を持って生徒たちと日々を は な い か と 思 っ て い ま す。こ れ か ら 分にしかできないことがあるので タ ー ト で し た が、だ か ら こ そ 今 の 自 あの年齢で教育の勉強ができたこ 歳。大 阪 の 高 校 で 非 常 勤 いと思います。 が な い。そ の 時 す で に 生 え て き ま し た。し か し、教 員 免 許 そ れ ぞ れ が 選 ぶ 道、進 路 に 向 か っ て 「迷い」 も 「紆余曲折」 も 今の自分を作ってくれた 貴重な経験 岡山学芸館高等学校教諭・吹奏楽部顧問 と は と て も 有 意 義 で し た。教 免 が 取 れたのは ▲吹奏楽部の生徒たちと一緒に ▲正面玄関には吹奏楽部が受賞した数々のトロフィーや 盾がズラリ ▲生徒たちとのコミュニケーションを大切にしている 大音卒業生が語る “音楽と生きる”人生 学校現場で情熱を持って毎日生徒 全日本吹 奏 楽コンクールに 11回出場し、2011、12 年と2 年連続で金賞を受賞。アンサ ンブルコンテストでも2年連 続全国大会出場。定期演奏会、 Popsコンサート、コンクール など年間約 30 回のステージ に出演。 中川 重則 30 ●なかがわ しげのり 1992 年大阪音楽大学音楽 学部器楽学科卒業。トラン ペットを故加藤隆功・D.ド ワイヨの両氏に師事。2000 年非常勤講師として大阪市 立西高等学校に2年間勤 務。2002 年 より岡山 学 芸 館高等学校吹奏楽部顧問。 岡山学芸館高等学校吹奏楽部 生きる たちと向き合い音楽を作り上げて 10 1 1 n u m b e r 4 5 20 音楽と 1 2 生きる 高山 郁子 京都市交響楽団の首席オーボエ奏 者として年間約 100 本のコンサー オーケストラの一員として 音を出せる日々に感謝 毎日を楽しんでいます。 つも心がけながら音楽に邁進できる 健康で安定した状態を保つことをい く 体 が 資 本。自 分 のペース を 崩 さ ず、 いただいています。 この仕事はとにか げ で しょう か。元 気 で 仕 事 を さ せて 腹式呼吸にリードの調整など苦労 の絶えないこの楽器にいつしか愛着 になったのです。 たオーボエという楽器を始めること ほとんど存在すら認識していなかっ 思っていた私は即立候補。 それまでは から、 何か “吹く楽器”をやりたい」と 京都市交響楽団首席オーボエ奏者 トに 出 演。ま た 教 育 者 として 大 学 で がわいてきて、 中学3年になった頃に だ と 自 負 していま す。自 分 の 音 が こ られた人生最大のやりがいある仕事 し た。中 学 校 に 入 学 して 吹 奏 楽 部 に 行こうかな」 とおぼろげに思っていま 幼 稚 園 の 頃 に ピ ア ノ を 習 い 始 め、 物 心 つい た 時 に は 「 ピア ノ で 音 大 に 練 習 に 明 け 暮 れていま し た。自 分 に 受 験。入 学 後 は 本 当 に 朝 か ら 晩 まで た ね。そ して 何 の 迷いも な く 大 音 を てからはとにかくオーボエ一筋でし レッスンにも通い始め、 高校に入学し はすでに音楽大学を受験することを の楽団の中で一役買っていると実感 希望するフルートはできませんでし 入ったのですが、 人数の関係で自分の 間も充分に取れているとは言いがた 信 条。普 段の 生 活 は不 規 則 で 睡 眠 時 わないようにしよう」 というのが私の り、「せっかく吹奏楽部に入ったのだ 移って も ら え ないか 」とい う 話 が あ ン。夏ごろになって 「誰かオーボエに た。 それで担当したのはパーカッショ せ ないほ ど。学 生 時 代 の 友 人 に 聞 い にそれほど練習していたのか思い出 にも当たり前になっていたので、 本当 とって、 常に吹いていることがあまり たら 「すごく練習してたよ」って (笑) 。 オーボエが空気のような存在になっ ていたのかもしれません。 も 盛 ん で、私 も 先 輩 か ら 誘っていた 大 音の 特 長 だ と思いま す。演 奏 活 動 とても強い。 これは胸を張って言える イツへ留学。 帰国後に大阪フィルハー な と 思いま す。そ ん な 日 々 を 経 て ド れも大音時代のつながりのおかげか 事をいただくことも多かったです。 こ いる 自 分 に 自 信 を 持って、社 会 に 溶 は 仕 事 に な り ま せん。音 楽 を 学 んで で活動する場合は周りの協力なしに す。特 に オ ー ケストラの よ う な 集 団 社会でも生かしていくことができま る精神力の強さや感情の表現方法は、 大音は先輩や後輩とのつながりが だいて何度も演奏会に出させていた 年 間 在 籍 し たの ち 京 都 市 交 響 楽 団 モニー 交 響 楽 団 に 入 団 し ま し た。3 なっています。 学 外 演 奏 に 行った 時、聴 衆 の 方の 大 け込んでいってほしいと思います。 だ き ま し た。ほ かの 楽 器 の 人 た ち と 年 間お世 話に の ホ ールで 演 奏 で き た こ と も、素 晴 私の場合は学生時代に見えていな かった 将 来 の 姿 が、卒 業 後 に チャン きな拍手と演奏に対する感謝の言葉 へ移 り、現 在 まで 約 ら しい思い出 で す。音 楽 漬 け の 本 当 を い た だ き、聴 いて く だ さってい る 「音楽の力」 を 演奏活動をする中で 実 感 す る日々。中 学 校の 吹 奏 楽 部 で に充実した大音時代は、 人生の中で一 き ま し た。在 学 生の 皆 さ んの 中 に も、 超えて 「音楽でつながる」という感覚 方 々 とのつな が り を 感 じ ま し た。そ を 味 わいま し た。今 で も 忘 れ ら れ な こには 「演奏者と聴衆」という関係を 楽の道に進む場合もそうでない場合 方 もいるの で は ないで し ょ う か。音 も、 自分自身がこれまでにやってきた ずっと味わっていたいから、 これから い 素 晴 ら しい 体 験 で す。この 感 覚 を 将来のビジョンが見えず不安に思う 楽 しい 学 生 生 活 を 送 る一方 で、将 来のビジョンは全く見えていません めてあげることが大切だと思います。 も演奏し続けます! こ と、勉 強 して き た こ と を 信 じて 認 音楽をやってきたからこそ鍛えられ しつつ、 とりあえずフリーという形で の 活 動。先 輩 に 誘 わ れて 演 奏のお 仕 でし た。卒 業 後 は 大 音の 演 奏 助 手 を 音楽を学んだことは 大きな自信になる スをいただくことによって決まって 10 番色濃く私の中に残っています。 を 組 んで 活 動 も していま し た。学 外 の交流も盛んで、 一緒にアンサンブル これが人生最大の やりがいある仕事 い 毎 日 で す が、元 来 丈 夫 な 体 のお か 意識するようになっていました。 個人 えつらいことがあっても 「つらいと思 で き るこ と は 大 き な 喜 びで す。た と せる こ とに 感 謝 す る 日々。私 に 与 え 頼するメンバーと共に一緒に音を出 ます。オーケストラの一員として、信 のレッスンや受験生の指導をしてい 大音卒業生が語る “音楽と生きる”人生 先輩や後輩との 強いつながり n u m b e r 6 7 音楽と ●たかやま いくこ 大阪音楽大学音楽学部 器楽学科卒業。ドイツ国 立カールスルーエ音楽 大学大学院を最優秀で 修了。大阪フィルハーモ ニー交響楽団を経て京都 市交響楽団首席奏者。大 阪音楽大学非常勤講師。 ▲京都市交響楽団の信頼する仲間たちとの演奏 ▲リードの調整は常に必要。道具一式はいつも持ち歩いています NEWS Index 大 音 に ま つ わ る ニ ュ ー ス や イ ベ ン ト を 紹 介 し ま す。 イベント 12 4 毎日新聞社提供 p j . o c . o o h a y @ 3 1 0 2 i t t u t 3 21 ▲蛇田中学校にてCDを手渡す中村さん と石田さん 30 12 2 ▲津波と火災で大被害を受けた門脇小学校 で森俊英先生 (元蛇田中学校長) に話を聞く 9 Muse 11 11 19 サ ー ト が 開 催 さ れ ま し た。ま た 富 田 林 市 の 中 学・高 校 の 吹 奏 楽 部 が 多 数 演 奏 す る な ど、地 域 に 密 着 し た 誰 も が 楽 し め る イ ベ ン ト と な り、地 元 の 音 楽 フ ァ ン が つ め か け ま し た。晴 准 教 授 を は じ め松田昌恵教授、石橋栄実助教らとザ・ カ レ ッ ジ・オ ペ ラ ハ ウ ス 管 弦 楽 団 と の 共 演 で 行 わ れ た コ ン サ ー ト「 ち ょ っ とオペラチック♪かなりロマンチッ ク 」では、オペラの名曲がたっぷり演 奏 さ れ、客 席 か ら は 温 か い 拍 手 が 送 ら れました。 訪れたのは石 巻市 内の北上・河北・河 南東・河南西・蛇田・湊・荻浜・石巻・門脇・ 住吉の各中学校と石巻高等学校の計 校。 震災の影響でさまざまな問題を抱え る各学校の様子を校長先生から伺い、 ま た津 波の被 害で 使えなくなってしまっ た校舎など被災地を視察しました。 被災地への復興支援活動として 年 月に約 名の学生が現地での演奏や 音 楽 指 導 の た め に 訪 問、 年 月 に は ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団が演 奏訪問しています。 大阪音楽大学は今後 も継続して支援活動を行う予定です。 11 1月 日(土)富田林市のすばるホー ル に て「 す ば る 音 楽 祭 2013」が 行 わ れ ま し た。こ れ は 富 田 林 市 の 出 身 で 同市のミュージックアドバイザーであ る 晴 雅 彦 准 教 授 が 企 画 し、開 催 し た も の。講師・出演者の多くが大阪音楽大学 の教員や卒業生であるこの音楽祭では、 管 楽 器 や ピ ア ノ、ヴ ォ ー カ ル の 公 開 ク リニックやさまざまなジャンルのコン ▲門脇中学校にて生徒と話をする和泉副 学長 お知らせ 宮城県石巻市を訪問 11 「石巻・わがふる里」 の贈りもの 東日本大震災で大きな被害を受けた 宮城県石巻市出身の和泉耕二副学長が、 故 郷 の 復 興 を 願 い、震 災 直 後 に 作 曲 し た「 石 巻・わ が ふ る 里 」( 編 曲 高 橋 徹 准 教 授 )。 年 ク ラ リ ネ ッ ト・オ ー ケ ス ト ラ の コ ン サ ー ト に て 録 音 し た CD を 「生徒の皆さんに直接手渡したい」との 思 い が こ の た び 実 現 し ま し た。2 月 日、 日 の 2 日 間 に か け て 学 生 代 表 で 録音に参加した中村早希さん(大 ・声 楽)、石田めぐみさん(大専・クラリネッ ト)と本田耕一副理事長・和泉耕二副学 長が当地を訪問しました。 22 一日中音楽を楽しむお祭り ▲音楽祭の締めくくりはオペラ名曲コンサート 岩本 真利さん (大3・声楽) すばる音楽祭 2013 開催! イベント !! 音楽博物館開館日変更のお知らせ● 4 月より開館日は月、土曜の週 2日となります。団体での見学などはこれ以外の曜日でもご相談に応じますので音楽 博物館 (06-6868-1509) まで直接お問い合わせください。開館時間はこれまで通り10 時~ 16 時です。 ▲乾 将万 (大3) ▲小西 真利江 (大4) 2012 年11月19日 (月) ミレニアムホール 第 23 回 ザ・カレッジ・コンサート Concert Report 注目の演奏会や公演 の様子を紹介します。 選抜学生 3 人によるジョイント・リサイタル。 ▲木戸 均 (大4) 2013 年2 月16日 (土) ・17日 (日) ザ・カレッジ・オペラハウス 第 24 回 大阪音楽大学学生オペラ W.A.モーツァルト 「フィガロの結婚」 指揮 小田野宏之 (特任教授) 、 演出 中村敬一 (客員教授) 。 キャストは大学院、 大学専攻科、 大学の選抜学生、 大阪音 楽大学合唱団、 大阪音楽大学管弦楽団が共演しました。 ▲長谷川 紗希 (大4) ◀公 開クリニッ クでは地 元の 中・高校生が熱 心に指導を受 けました ▲全員集合! ひとこと 1 ▲米田 尚弥 (大1) 2012 年11月30日 (金) ミレニアムホール 制作統括 ハウス管弦楽団が共演。 ヴァイオリン、 ピアノ、 トロンボーンの4人の学生が日 頃の成果を披露しました。 お知らせ 全日本学生音楽コンクール 全国大会 位を受賞 3 第 24 回 ザ・コンチェルト・コンサート お知らせ 大学3年声楽の 野々村彩乃さん の 合 奏 練 習 も 始 ま り、現 在 急 ピッチ で 準 備 を 進 め ていま す。観 覧 ご 希 望 の 方 は 件 名 に 「Tutti2013」と 書 い て 氏 名、連 絡 先、希 望 人 数 を 明 記 の 上、 までメールをお送りくだ さい (5月 日締切) 。 折り返し 詳細をお送りします。 ぜひお誘 い合わせの上、 ご来場ください。 10 学生だけで作り上げるオペラ公演 30 66 Tutti2013 開催のお知らせ 16 お知らせ 第 回全日本学生音楽コンクール最 終日の 2012 年 月 日に行われた 声 楽 部 門 大 学 の 部 で 本 学 の 野々村 彩 乃 さん (大 ・声楽) が第1位を受賞しまし た。当日歌ったのは G・ドニゼッティの 歌劇 「アンナ・ボレーナ」の中から 『 私の 生まれたあのお城』 。「受賞は一つの通過 点。まだたくさんの目標があり、頑張っ ていきます」 。 また、 大学専攻科の前田満 さ ん も 入 選 し、全 国 大 会 で 2 名 が 入 賞 という快挙を成し遂げました。 キ ャ ス ト、ス タ ッ フ か ら オー ケ ストラ まで す べて を 学 生 だ け で 作 る オペラ 公 演 「Tutti2013」を 5 月 日 (日) ザ・カレッジ・オペラハ ウスにて行います ( 時 分開 。 場、 時開演) 今 年 の 演 目 は J・シ ュ ト ラウスⅡ作曲 「ジプシー男 爵」 。2 月 に は オ ー ケ ス ト ラ 19 17 2012 年11月15日 (木) ザ・カレッジ・オペラハウス 選抜学生による協奏曲演奏会。 小田野宏之特任教授指揮ザ・カレッジ・オペラ 第 35 回 邦楽演奏会 ▲平松 未於 (大4) ▲西 恵里夏 (大専) 邦楽専攻・コース学生と教員による演奏会。 ラストの佐藤敏直 作曲 「ディヴェルティメント」 では、 管打楽器専攻の学生を交 えた総勢15 人で迫力の合奏を披露しました。 2012 年 12 月7日(金) ザ・シンフォニーホール ◀有森博特任教授 大阪音楽大学 第55回 定期演奏会 2011年度より5 年間にわたる 「創 立100周年記念プロジェクト」 の一 つとして行われた本公演。 プログラ ムにはP.I.チャイコフスキー、S.プ ロコフィエフ、M.P.ムソルグスキー というロシアの作品を取り上げま した。 S.プロコフィエフ 「ピアノ協 奏曲第 3 番ハ長調作品 26」 では有 森博特任教授が共演しました。 2013年1月26日 (土) サンケイホールブリーゼ 2012年度 大阪音楽大学短期大学部 ポピュラーコース・コンサート 3 校の高校軽音部がオープニングア クトで素晴らしい演奏を披露してく れました。 第1部は短大専攻科、 第2部 後半は 「ザ・ビートルズセレクション」 と題してデビュー 50 周年を迎えた彼 らの曲を全出演者で演奏しました。 2013 年 2 月21日 (木)ミレニアムホール 2012年度 大阪音楽大学短期大学部 ミュージカルコース 第 2 回試演会 台本・作詞・演出を羽鳥三実広教授が手掛 け、 全曲クラシックをモチーフに社会風刺 を織り交ぜたストーリー「マダムオズ」 。 満 席の会場で、 ラストに歌われた全キャスト による 「スカイ&クラウド」 は圧巻でした。 ひとこと Muse ▶指揮は小田野宏之 特任教授 2013 年1月13日 (日) ザ・カレッジ・オペラハウス 2012 年度 大阪音楽大学短期大学部 電子オルガンコース・コンサート 「フライング・ライブ 2013」 プログラムラストは 「音 楽物語 『100万回生きた ねこ』 」 を大学専攻科の 木村匠さんの白熱のナ レーションと8 人の奏 者による演奏で締めく くりました。 ▲ナレーションは電 子オルガンコー ス出身の木村匠 さん (大専・声楽) 2013年2月14日 (木) ミレニアムホール 2012年度 大阪音楽大学・ 大阪音楽大学短期大学部 ジャズコース・コンサート 前半は 4 組のコンボ、 後半のビッグバ ンドではアンコール含め 7 曲を披露。 総勢 28 人のメンバーが曲によって入 れ替わり、 大迫力の演奏を繰り広げま した。 入学式、卒業式で演奏するファンファーレ作品を募集しておりましたが、このたび浅井ちひろさん(大 3・作曲) と連一矢さん(大1・作曲) の作品が採用さ れることになりました。それぞれの作品は2013 年度と2014 年度の入学式、卒業式で管楽器専攻学生によって演奏されます。 8 NEWS Index 大 音 に ま つ わ る ニ ュ ー ス や イ ベ ン ト を 紹 介 し ま す。 今回のテーマ 第 2 回 バロックの時代 最初期のオペラなのかと思うくらい、完成 度が高く素晴らしい。私はアーノンクール がポネルの演出で、チューリヒ歌劇場で 行った公演の映像を見て、その素晴らしさ に圧倒されました。モンテヴェルディとい えばもう1曲。 「聖母のための夕べの祈り」 も忘れられない作品の一つです。この壮 麗な音楽を耳にしていると、ヴェネツィア のサン・マルコ大聖堂で聴いた音楽のこと が思い出されますし、この時代に宗教音 楽の占めていた位置の大きさを痛感させ られます。 バロックの時代は、イタリアを中心に器 楽が大きく進展した時代でもあります。そ の中で忘れてはいけない作曲家といえば、 やはりコレッリとヴィヴァルディでしょ う。前者は合奏協奏曲やトリオ・ソナタに 気品の高い洗練された作品を、また後者 は独奏協奏曲にありとあらゆる楽器をソ ロとする600 曲余もの充実した作品を残 由利 友樹子さん(大 3・フルート) 「自分の意見を持って主張すること」 が 当たり前の文化 1 大学の卒業論文で「1920 年代にドイツで活躍した作曲家」をテー マに選んで以来、その時代を研究テーマにしています。現在、興味 があるのはオーストリア。 「赤いウィーン」と呼ばれる社会民主党が 政権を握った当時のウィーンは芸術活動も盛んで、A.シェーンベル クやその弟子たちが活躍した時代。その頃にどのような曲が演奏さ れ人々がどう受け止めていたのか、興味は尽きません。 私が受け持つ「音楽学」の分野では本や資料を読み込むことが重 要です。まずは「どんな」本を「どのように」読んでいったらいいか。 そして読み方も、ただ内容をうのみにするのではなく、しっかり考 えながら読む。学生にはそれらを修得して、音楽に対する見方や考 え方を築いていってほしいと思っています。 仕事柄、音楽以外にもかなりの本を読みます。読書は、凝り固 まった自分の考え方の枠組みを変え、違うものの見方を発見する きっかけとなります。4 年前に大音に来た時からこの研究室を使っ ていますが、目下の悩みは日に日にこの研究室のテーブルに積み上 がっていく本や資料の整理整頓ですね。 本ばかり読んでいるから、というわけではないのでしょうが高校 時代にすごく太ってしまい、 「痩せなければ」と思ったのがきっかけ でランニングを始めました。それから今も趣味として続けていま す。実はもともと足が速くて運動は得意。今は忙しくなってしまい、 10km を週に 1 度走る程度ですが、今のところリバウンドはしてい ないので、これも走っているおかげかなと思っています。 ◀買ったり借りたりした本が積み上げられていく 12 88 27 01 42 ひとこと Muse お知らせ ▲第一部のハルモニームジーク ▶ラストは 歌手全員で 24 11 ▲ 「子供の不思議な 角笛」 コンサートにて 46 お知らせ 【表紙クイズの答え】 Q 1:シンバル Q 2:アコースティックギター Q 3:ユーフォニアム Q 4:コントラバス Q 5:バストロンボーン Q 6:グランドピア ノ Q 7:フリューゲルホルン Q 8:ホルン Q 9:スネアドラム Q 10:バリトンサックス 文化庁芸術祭新人賞受賞 58 イベント 卒業生の 老田裕子さん 92 14 大学院歌曲研究室を修了された老田裕 子さんが、2012 年 月4日兵庫県立 芸術文化センターでのコンサート 「子 供 の不思議な角笛」 における歌唱が評価さ れ平成 年度文化庁芸術祭新人賞を受 賞されました。 老田さんは関西を中心に さまざまな演奏会への出演、 企画を行っ ており、 活発に活動されています。 「この度は思いがけずこのような賞を頂 き、とて も 光 栄 に思っており ま す。これ を励みに、 これからも一歩一歩地道に、 で もチャレンジは忘れず、 自分の声と向き 合って歩んでいきたいです」 。 引越しなどで住所が変わり 『Muse』 が転送されてきている方がいらっしゃいましたら、ぜひ現在の正しい住所を大学の方にお知らせください。郵便局の転送サービス の期限が切れると配達されなくなってしまいます。メール ([email protected]) 、お電話 (06-6334-2131広報室まで) またはFAX (06-6334-2141) で受け付けています。 「本」 を通して見方、 考え方を築いてほしい 神澤哲郎名誉教授が死去 ▲声と管楽器で迫力の演奏をした大 阪音楽大学のユニット 19 ( 担 当 科 目:音 楽 学 研 究、文 献 研 究、音 楽 学 演 習、西 洋 音 楽 史 (A) 、西洋音楽史概説、修士演奏 資料研究、音楽基礎セミナー) H 号館 316 号室 存在感が光る 寡黙な人柄 11 Muse ▶お世話になったロジャー・ アームストロング先生と 35 イベント 西村 理助教 神澤哲郎名誉教授が 2012 年 月 日、死 去 さ れ ま し た。 歳 で し た。神 澤 名 誉 教 授 は 1950 年に大阪音楽高等学校講師に 就任、短期大学講師、大阪音楽大学助教 授を経て 年に大阪音楽大学教授に就 任。 年 に 退 任 さ れ る ま で 実 に 年 間 に わ た り 教 育 に 従 事 さ れ ま し た。 年 に は 教 育 研 究 の 功 績 を 認 め ら れ、勲 三 等瑞宝章を受章されています。 ひとこと ン、マレーシアなど各地から来てい る人たちと仲良くなり、お互いの国 の文化などいろいろな話をするよう になってから楽しくなってきました。 「なぜノーと言えないのか」 「なぜハ グをしないのか」などみんな日本に 対する知識も豊富で好奇心が旺盛。 英語で答えるのは本当に大変でした。 こちらの人は自分の意見をしっかり 持っていて主張します。授業では、演 奏する際に作曲家の解説に始まり 「な ぜこの曲を演奏するのか」 「どういう気 持ちで演奏するのか」など、考え方を 言わなければなりません。日本での授 業との大きな違いに驚 きながらも、留学を終え る頃には私自身が少し 強くなれた気がしました。 13 大学のDJユ ニットが会場 を盛り上げま し た。当 日 は ゲームファン で会場はほぼ 満 席 状 態。普 段は生で聴く ことのできな いゲーム音楽を迫力ある生音で体感 しました。 以前、交換留学生としてイギリスか ら大音に来ていたエイミーちゃんと仲 良くなり、私の中でイギリスへの興味 がさらに大きくなっていました。そして 昨年の9月よりRoyal Welsh College of Music and Drama へ3カ月間の交 換留学をすることになりました。 現地に着いた当初は本当にとまど うことばかり。例えば土足で部屋に 入ること、バスタブがなくシャワー のみであること。またこちらのスー パーマーケットではバッグを持参す るのは当たり前で、袋をもらうには お金を払わなければなりません。語 学が堪能ではない私にとって生活に 慣れるだけでも大変で、最初の頃は 気持ちに余裕が持てませんでした。 でも、同じフラット(集合住宅) に 住むヨルダンやイタリア、スペイ しました。その中の一曲二曲を挙げても仕 方がないのですが、やはりヴァイオリン協 奏曲集「四季」を挙げないわけにはいかな いでしょう。彼らの音楽が、他国の作曲家 たちに与えた影響の大きさは計りしれま せん。次回はイタリアから影響を受けなが ら、独自のバロック音楽を展開したフラン スやドイツの名曲を訪ねたいと思います。 大音生が生音で魅了 学生が見た!聞いた!海外体験をお送りします。 図 は図書館請求番号を表しています ※ アーマード・コア サウンドコンサート 2013 ▼大学内の ホワイエ ●モンテヴェルディ:オペラ「オルフェオ」 アーノンクール指揮 チューリヒ歌劇場 図: ポネル演出 [ LD115 (映像) ] ●モンテヴェルディ:聖母のための夕べの 祈り ガーディナー指揮 図: [ CDF34-Ⅳ、 LD37 (映像) ] ●コレッリ:合奏協奏曲集 ピノック 図: [ CDC4-IV] ●コレッリ:トリオ・ソナタ集 ピノック 図: [ CD7-4] ●ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四 季」カルミニョーラvn[図書館にはありま せんがNAXOSで聴くことができます] プレイステーション用の人気ゲー ム「アーマード・コア」で使われている 音楽を生音で体感できるコンサート が、1 月 日( 日 )寝 屋 川 の ア ル カ ス ホ ー ル で 行 わ れ ま し た。仕 掛 人 で あ る大阪電気通信大学いしぜきひでゆ き教授が「ぜひ大音の学生にも演奏し て ほ し い 」と い う こ と で、本 学 の 管 打 楽器と声楽の学生・卒業生総勢 名が スペシャルユニットを組んで参加。ほ かに作曲した星野康太さん率いるグ ル ー プ「 FreQuency 」や 大 阪 電 気 通 信 ~海外見聞録~ 18 今回お訪ねしたのは…… ▶フレッシャーズウィーク のパーティにて Daion Report 普段はなかなか入ることのできない 先生の研究室におジャマしまーす! 回 幸楽会 数え切れないほどの作曲家が登場 「大音名曲100選」 第2回目の今回からは、 いよいよ多くの人にとって親しみのある バロックの時代へと進みましょう。といっ てもよく知られているのは J.S. バッハか、 せいぜいヘンデルくらいでしょうか。もち ろんこの二人が群を抜いて巨大であるの は言うまでもありませんが、およそ1600 年頃から約150 年間も続いたバロックの 時代には、それこそ数え切れない作曲家 が登場し、現在でも把握し切れていない くらい多数の作品が生み出されました。わ ずか100 選ということになると、後の古典 派やロマン派に割く曲数から考えて、残念 ながら20 曲ぐらいしか割り当てられませ ん。それでは早速、挙げていきましょう。 まず1曲目は、モンテヴェルディのオペ ラ「オルフェオ」 。毒蛇に噛まれて亡くなっ よ み た妻エウリディーチェを黄泉の国まで奪 い返しにいくという、ご存じのオルフェオ 伝説を扱ったオペラです。これが本当に 研 究 室 訪 問 孝義(音楽学・理事長) 第 文 中村 ニューイヤーコンサート開催 100曲 ▶部屋を占領する 本棚たち す! 失礼しま ザ・カ レ ッ ジ・オ ペ ラ ハ ウ ス に て 月 日( 月・祝 )幸 楽 会 コ ン サ ー ト を 開 催 し ま し た。午 前 中 は 激 し い 雨 が 降 り 続 い て い ま し た が、午 後 か ら は 奇 跡 的 に 天 候 が 回 復。会場は満員のお客さまにお越しいただきました。 「ハルモニーム 第1部は、 ~ 世紀初頭にはやった ジーク」 という管楽器による演奏形態で、W・A・モーツァ ルトの 「 『ドン・ジョバンニ』KV・527 より」 を9人の 出演者により演奏。また第2部は恒例の 「オペラ・ガラ」 。 7人がオペラ・アリアを披露しました。 最 後 に 第 2 部 出 演 者 全 員 に よ る「 メ リ ー・ウ ィ ド ー」 よ り“ ヴ ィ リ ア の 歌 ”を 披 露。大 盛 況 の う ち に 幕 を 閉 じ ました。 大 音 生 な ら 必 ず 聴 き た い 10 自分なりのスタイルを 貫いた教員生活 祝! コンクール受賞 第 13 回大阪国際音楽コンクール 声楽部門 第3位 各種コンクールで受賞された皆さんの喜びの声をご紹介 2012 年10 月7日 (ムラマツリサイタルホール新大阪) 第 15 回 “長江杯” 国際音楽コンクール 私にとっては 「挑戦」 という気持ちで受けたこのコンクー ル。 研修生として関わっておりましたオペラ 「イル・カンピ エッロ」 のお稽古まっただ中ということもあり、 練習時間が 森井 美貴 取れず不安もありましたが、 受賞できてとても嬉しいです。 (09年専修・声楽) 管楽器部門一般の部A 第1位、 中国駐大阪総領事賞 2012 年 8 月19日 (ピッコロシアター) 第 13 回大阪国際音楽コンクール 髙谷 羽月 管楽器部門 エスポアール賞 (11年大卒・ サクソフォーン) 2012 年10 月4日 (神戸朝日ホール) 自分なりに試行錯誤を続ける中で、今回結果を残すことができ大変 嬉しく思います。 変わらずご指導いただいている先生、 家族をはじめ応 援し支えてくださる皆様に心から感謝し、 今後もさらに成長できるよう 精進いたします。 第 41回堺市新人演奏会 第 13 回大阪国際音楽コンクール コンチェルト部門 エスポアール賞 2012 年10 月8日 (朝日ホール) コンクールを受けたのは初めてだったのですが、 今回 は国際コンクールということでさまざまな国の音楽家 と接することができたことがいい刺激になりました。 こ 中村 和浩 (大専・ピアノ) れからも日々精進していきます。 私はよく本番中に楽しくなりすぎたり緊張しすぎ たりで自分を見失ってしまうので、理性を持ちながら 論理的に考えて演奏することを最近の目標にしてい 林 加菜 (12年短卒・ピアノ) ます。 一般の部 第1位、高槻市長賞 卒業してから、 長年いろいろなテクニックを練習してき て、 ようやく形になってきたのでチャレンジしてみました。 今までご指導いただいた先生方に心から感謝いたします。 堀口 梨絵 (02年大卒・声楽) 第 8 回かやぶき音楽堂デュオコンクール 2012 年 8 月26日 (高槻現代劇場中ホール) B部門2台のピアノデュオの部 第2位 第 6 回神戸新人音楽賞コンクール 2012 年11月4日 (かやぶき音楽堂) 声楽部門 優秀賞 (最優秀賞該当なし) 2012 年 9 月21日 (神戸文化ホール中ホール) 第 14 回日本演奏家コンクール 日隈 葉子 (大3・声楽) 声楽部門 大学の部 第2位、読売新聞社賞 2012 年10 月25日 (みなとみらいホール) 自分自身と戦って、 緊張の中で自分を解放し、 伝えることが今年度の課 題です。 歌い終えてまず最初に 「楽しい!」 と思えた時、 評価をいただけま した。 課題はこれからも山積みですが、 語学も勉強して卒業までにできる ことを1つでも増やし、 次につなげたいです。 堺ピアノコンクール ピアノ部門 大学・一般の部 山田康子賞 2012 年 9 月1日 (栂文化会館) 初めて受けたコンクールだったのですが、 演奏したS.ラフ マニノフのソナタ2番はとても好きな曲だったので、 このよ うな賞をいただけて嬉しいです。 指導してくださった先生方 古賀 優香 に感謝しています。 これからも頑張っていきたいと思います。(大1・ピアノ) 木村 貴子(92 年院修・ピアノ) 「音楽は明るく楽しく!」をモットーにして いる私たちにとって、 課題曲を含め自由にプログラミングできるこのコ ンクールは良きアピールの場であり、 学びの機会でもあります。 さらに 精進を重ねていつの日か制覇できますように! 關口 康祐(04 年専修・ピアノ) このコンクールの魅力は、演奏直後に全審査員から直接講評をいた だけること。雰囲気もとてもアットホームで、 入賞者参加のレセプショ ンでは、 おいしいお酒と手作り料理でおもてなしいただきました。 次は 1位を目指します!! 第 8 回かやぶき音楽堂デュオコンクール B部門2台のピアノデュオの部 第3位 2012 年11月4日 (かやぶき音楽堂) 新進声楽家部門 第1位、審査員特別賞、 東京新聞社賞(本選)、神戸新聞社賞(西日本準本選) 約2年ぶりにコンクールに挑戦しました。 コンクール 林 佑子 独特の空気にかなり緊張しましたが、 本番では音楽に集 (院2・声楽) 中してとても楽しめました。 反省点や改善点はたくさん ありましたが、 このような評価をいただいたことは大き な励みとなりました。 お互いが仕事をしているなか、 久々に 「デュオをした い!」 という話になり、 このコンクールを受けました。 本 番まで短期間しかなく二人で音楽と真剣に向き合えた 時間は今でも大切に思います。 とても貴重な経験をさせ ていただきました。 2012 年 9 月23日 (イタリア文化会館アニェッリホール) 濵田 絵梨(10 年大卒・ピアノ) NEW リリース 大音関係者がリリースした CD・本・楽譜などをご紹介 刊「ムラマツ」で現在も連載中 の「超極私的演奏論」が単行 本になりました。04年から11年ま で 7 年間計 31回から17 回分を厳 選し、加筆修正。 「オーケストラって なに?」 「コンサートってなに?」 「演 奏ってなに?」など演奏家の立場か 大嶋 義実 (講師) ら音楽にまつわる用語をタイトル通 「音楽力が高まる17の 「なに?」 』 り超極私的な独自の視点で解説し 1575円 (税込)全国の書店、 amazon 他 ています。 13 季 半世紀通った 大学を卒業 ピアノ 植田 定和教授 今年度で、学生時代 を含めると半世紀通っ た大学をいよいよ卒業 です。寂しいようなほっとしたような複 雑な気持ちです。思えば、この大学の最 全盛期と今の氷河期との両方を体験さ せていただきました。今後は、外から少 しでも大学を応援できたらと思っており ます。 これからは毎日が休日です。毎日の 庭の手入れ、特にバラを立派に咲かせ ること、施設などに演奏しに行くこと、 テニスの練習、旅行、料理を習うなど、 これらのことをミックスしながらゆっ たりと人生を送ろうと思っています。 平垣 友里(11年専修・ピアノ) 卒業後、 仕事との両立などなかなかピアノとうまく向 き合えないこともありましたが、 デュオという音楽の形 を通して、 互いに助け合い、 刺激し合いながら本番に向 けて取り組むことで、 一つ前に進めたように思います。 第 4 回東京国際声楽コンクール 井上 英之教授 素晴らしい体験 生涯忘れません ピアノ 伊藤 恭子教授 昨年度は藤田隆先生、 今年度は私、来年度は 大前哲彦先生と定年退 職者が連続します。大音の教職は明ら かに「転換期」を迎えることになります。 今後は新しい協力体制で、しかも厳しい 状況に対応した担い方が求められます ので健闘を期待しています。 私個人としては、良くも悪くも自分な りのスタイルを貫いたのではないか、と 思っています。長い間お世話になりま した。これからは 3・11 震災後の超高齢 社会を一人の高齢者として歩みますの で、よろしくお願いいたします。 46 年間、あっという 間だったように思います。 学生の試験で、自分も 一緒にハラハラドキドキしたこと。今と なっては懐かしい思い出となりました。 世界的な名チェリスト、ロストロポー ヴィチ氏の公開レッスンで、古いホー ル(現在「ぱうぜ」のある場所) いっぱい に鳴り響いた氏の模範演奏の素晴らし さ。音楽という宇宙を目のあたりにした 感動の体験は生涯忘れません。 これまで本当にありがとうございま した。 思い出は 宝石のように輝く 支えてくださった 皆さまに感謝 2012 年10 月24日 (ザ・フェニックスホール) 第 17 回高槻音楽コンクール Muse 3月をもって退任される先生方から メッセージをいただきました 金賞、総領事賞 2012 年 8 月19日 (ウェスティホール) ひとこと 挨拶 第 30 回アジア国際音楽コンサート ピアノの部 最優秀賞 新刊 退任教員 教職 CD 竹中 睦BAMBREX (音楽院講師) 「ROSARIO」 2000円 (税込)全国のCDショップ、 web ショップ、タワーレコード、 HMV、 amazon他 AZZをベースにクラシック、 ROCK、POPSなどさまざま な要素をブレンドして新しい音楽 を追求しました。演奏はピアノと オルガンで、全作・編曲がオリジナ ルです。菰口雄矢(g)IKUO(b) 平陸 (ds) というテレビ、雑誌などでも活 躍中のメンバーとのグルーヴ&壮 絶な即興演奏が聴きどころです。 J コンクールで受賞された方はキャリア支援センターへお知らせください。その際、賞状のコピーと写真をお持ちください。卒業生の皆さまも積極的にお 申し出くださいね。3位までに入賞の方は 『Muse』 誌上でご紹介させていただきます。 Topics 世界で活躍する卒業生 タイ演奏旅行報告 中尾 恵さん、松尾 美保さん(ともに 90 年 大卒・ピアノ) 「Duo-Scherzo(デュオスケルツォ) 」は、高 2の時に結成したピアノデュオ。恩師の瀬田 敦子先生(チェンマイ・パヤップ大学客員教 授) より依頼され演奏旅行が実現しました。 「デュオリサイタルを3回行いました。チェ ンマイのパヤップ大学ではグランドピアノが 少なく、楽譜も入手困難であるなどまだまだ 厳しい環境ですが、学生さんの『音楽が好き』 という情熱をひしひしと感じ、大変素晴らし い経験になりました」 詳しくはブログ「めめ み ほ 珍 道 中 」http:// duoscherzo.info/ を ご覧ください。 ひとこと Muse ピアノ 清水 淳彦教授 36年間の勤務でした が、小学校時代から師 事していた神澤哲郎先 生が大阪音楽大学に勤務してらっしゃっ たので、大学との関係はもっと長かった ような感覚があります。神澤先生のリサ イタルに駆けつけ、子ども心にも「スゴ イ!」と思ったのを覚えておりますが、そ れから60 年近い年月が経ちました。そ の先生も先日ご逝去され、先生の後ろ姿 をただひたむきに追いかけ続けた私も、 この度無事に定年退職を迎えることが できました。その間の学生さんたちとの レッスンや授業の思い出は大切な宝石 のように私の心の中で輝き続けています。 これからの大阪音楽大学のさらなる発展 を心より願ってやみません。 欧州の香り漂うリサイタルを開催 安積 京子さん(03 年大卒・ピアノ) ピアノ 八田 惇教授 大学院修了後、フラ ンスにて A. コルトーの 同僚であった J. ジャン ティ氏に師事する機会を得、それがきっ かけでライフワークであるコルトー版 邦訳に関わることとなりました。翻訳 を通して得たコルトーの演奏法は、40 年間の私のピアノ指導における根幹で したので、学生たちの表現力を深める 一助となっていれば本望です。また職 員の方々と共にエクステンションセン ター(現キャリア事務部門) を立ち上げ、 図書館長時には大栗文庫整備にも一緒 に奔走したことなどを思い出します。 これまで支えてくださった教職員の 皆様と学生たちに、心より感謝申し上 げます。 古典クラリネットを味わう 三戸 久史さん(82 年大卒・クラリネット) 昨年秋に招待され、チェコの 9 都市でのリ 18 世紀後期から19 世紀初頭に使用された サイタルを行った安積京子さんが大阪でコン 古典クラリネットの奏法をオランダの音楽院 サートを行います。 で学んだ三戸久史さんが演奏会を行います。 「西洋音楽のふるさと、ヨーロッパのロマン 「ガット弦使用の弦楽四重奏(ハイヤー あふれる音楽紀行。趣向を凝らしたプログラ フォード・クァルテット) との共演でモーツァ ムは詩情豊かに溌剌とした旅にいざないます。 ルトのクラリネット 5 重奏曲を演奏できるこ 豪華な雰囲気の漂う帝国ホ とは大きな喜び。現代楽器とはひと味違った テル大阪にて金曜日の夜の 古楽器の音色をぜひ味わってください」 ひとときをお楽しみください。 三戸久史 室内楽の夕べ 共演する大橋ジュンさんは同 日時:2013 年 4月14日 (日) 19:00 開演 じく大音卒です」 会場:デザインKホール大阪 (06-4963-8711) 欧州名曲の旅 入場料:一 般 3000 円、学 生 ~篠原猛浩&安積京子ジョイント・リサイタル~ 2000円 日時:2013 年 4月19日 (金) 19:00開演 会場:帝国ホテル大阪 4階チャペル (06-6881-4650) 入場料:3500円 (全席自由) 出演者:篠 原猛浩(クラリネット) 、安積京子 (ピアノ) 、ゲスト:大橋ジュン (歌) 『Muse』3月号はいかがでしたか?ご意見・ご感想など [email protected]までお寄せください。また「Museに出てみたい」 「こんなことを頑張っています」 なども募集中です。学生時代の思い出に、ぜひ 『Muse』 出演お待ちしております。 12 演奏会 Information 演奏会やオペラなど、大音関連の 魅力的なイベントを紹介します。 = 出演者 = 場所 = 入場料 ☎ = 問い合わせ先 大阪音楽大学主催公演 大阪音楽大学後援演奏会 大阪音楽大学短期大学部 2012 年度卒業演奏会 第一夜3/13 (水) 18:00~、第二夜3/14 (木) 18:00~ 2012 年度成績優秀者による演奏会 OH 無料 (要整理券) 戸川晃子&次郎丸智希デュオ・コンサート 3/20 (水・祝) 15:30 ~ 兵庫県立美術館アトリエⅠ 会員 2000 円、一般 2500 円、大学生以下 1000 円 ☎ 078-230-8150 (神戸日独協会) 大阪音楽大学 2012 年度卒業演奏会 第一夜3/15 (金) 18:00~、第二夜3/16 (土) 18:00~ 2012 年度成績優秀者による演奏会 OH 無料 (要整理券) ザ ・ カレッジ ・ オペラハウス 第 27 回推薦コンサート 2012 88 鍵× 3 台× 6 人による管弦楽曲堪能夜会 ~ピアノは何楽器???~ 3/23 (土) 18:30 ~ 加藤 英雄、齊藤 まり子、關口 康祐、竹中 敦子、 前川 祥子、三橋 祥子 OH 一般2000円、シル バー、幸楽会会員、音楽院会員、小・中・高校生1000円 第 1回ミレニアムピアノコンサート 5/16(木)17:00 ~ 丸山 耕路、小出 ひろみ MH 無料 第 2 回ミレニアムピアノコンサート 6/4 (火) 17:00 ~ 未定 MH 無料 オーケストラの日 2013 3/31(日)14:00 ~ 並河 寿美、小林 峻、大阪音楽大学ザ・カレッジ・オペ ラハウス管弦楽団 豊中市立アクア文化ホール 無料 (要整理券) 問い合わせ先:大阪音楽大学コンサート・センター TEL:06-6334-2242 http://daion.ac.jp 学生自主演奏会 鹿岡晃紀 トスティセミナー 2012 ディプロマ取得記念ソロコンサート 4/22 (月) 18:30 ~ 鹿岡晃紀 (T) 、馬場愛莉(P) 、椎名弘明 (Vn) MH 無料 ☎[email protected] (鹿岡) Message 昨年受講したトスティセミナーのディプロマ授与を記 念してソロコンサートを行います。全編トスティプロ グラムで、イタリア語と英語の歌を歌います。あまり知 られていない曲にも挑戦します。ぜひお越しください。 第 54 回 オペラ研究部 2013 新入生歓迎演奏会 W.A. モーツァルト 「コジ・ファン・トゥッテ」 4/26 (金) 17:00 ~ MH 無料 ☎ [email protected] (谷口) Message 月 6 月 《kakiの会》 コンサートvol.1 柿木功先生古稀を祝う 3/23 (土) 14:00 ~ 柿木 功、大崎 友美、小餅谷 哲男 他 兵庫県立芸術文化センター小ホール 3500 円 (当日 4000 円) ☎ 072-293-7610 (日本テレマン協会・柿木功) テノール・ガラコンサート~林誠門下会~ 4/11 (木) 19:00 ~ 林 誠、阪本 朋子、岩城 拓也 他 ザ・フェニックスホール 3500円 (当日4000円) ☎ 090-5896-2857 (谷 浩一郎) Quatre Feuilles meets J'zCraze 4/12 (金) 19:30 ~ 西川 綾子、丹下 緒、安部 一城、浅井 雄作 他 ノースクラブ 3500 円 (当日 3800 円) (別途要オーダー) ☎ 090-3278-5077 (キャトル・フィーユ) 東健三ヴァイオリンコンサート 4/14 (日) 14:30 ~ 東 健三、出戸 由記子 ムラマツリサイタルホール新大阪 3000 円 (当日 3500 円) ☎ 06-6781-2824 (東マネージメント) 小杉裕一ピアノリサイタル 5/13 (月) 19:00 ~ イシハラホール 一般3000円、学生2000円 (当日3500円/2500円) ☎ 0797-84-5952 (ラプト・サウンド) 傘寿記念 竹内良治 チェロリサイタル 5/18 (土) 15:00 ~ みつなかホール 3000 円 ☎ 06-6135-0503 (大阪アーティスト協会) 3 × Duo コンサート 5/24 (金) 19:00 ~ 原 真奈美、久保田 裕美、丸岡 良子、村上 慈 豊中市立ローズ文化ホール 一般 2500 円、学生 1500 円 ☎ 06-6151-4134 (トリプルデュオ) 歌劇 「椿姫」 (原語上演) 6/23 (日) 14:00 ~ 四方 典子、前田 満、澤脇 達晴、西尾 麻貴 他 ピアザ淡海 ピアザホール 3000円 (当日3500円) ☎090-3942-4960 (金丸) 高津綾子ソプラノリサイタル〈3つのプーランク〉 〜プーランク、没後 50 年。サティとシェンベルクを 添えて〜 6/23 (日) 14:00 ~ 高津 綾子、坂口 絵梨 いたみホール 2500 円 (当日 3000 円) ☎ 072-781-8087 (永澤学事務所) ベートーヴェン ヴァイオリンとピアノの為の ソナタ全曲チクルス Vol.1 6/30 (日)13:30 〜 いたみホール (中ホール) 2500円 (当日3000円) ☎ 079-430-5000 (みらいプロジェクト実行委員会) 幸楽会後援演奏会 嶋谷早希子&小松祐子ジョイント・リサイタル 3/20 (水・祝) 13:00 ~ プチ・エル (エル・おおさか内) 一般 1000 円、 5 歳未満 500 円 ☎ 090-6828-3507 (小松) 轟木裕子&横山佳代子 煌きの PianoDuo 3/20 (水・祝) 15:00 ~ イシハラホール 一般3000円、学生2000円 (当日3500円/2500円) ☎ 0797-84-5952 (ラプト・サウンド) 東京かつしか作曲コンクール 2013 本選演奏会 3/27 (水) ピアノ部門 10:00 ~ かつしかシンフォニーヒルズ 1000 円 ☎ 090-8933-3380 (東京かつしか作曲コンクール事務局) フルートアンサンブル SAKURA ジェンヌ 第 5 回定期演奏会 4/3 (水) 18:30 ~ ゲスト:工藤 重典、企画:平岡 洋子 他 兵庫県立芸術文化センター小ホール 3500 円 (当日 4000 円) ☎ 06-6377-1117 (ドルチェ楽器) ジョイント・リサイタル 4/ 7 (日) 13:30 ~ 松本 さくら、谷川 由美子 阿倍野区民センター小ホール 無料 ☎ 06-6872-3255 (谷口) 春の京都にうたう 4/14 (日) 14:00 ~ 監修:塚田佳男、瑞穂の会 京都府民ホールアルティ 3000 円 ☎ 090-5971-9751 (小林) ラ・リュミエールコンサート 4/21 (日) 13:30~ 三枝 純子、芹生 美里、竹川 麻由美 他 兵庫県立三木山森林公園音楽ホール 無料 ☎ 0797-87-1540 (芹生) ジョイントチャリティコンサート 4/21 (日) 15:00~ 白原 理香、浜本 佳世子、渡辺 雅子 他 島之内教会 一般 1200 円、学生 (大学生以下) 700 円 ☎ [email protected] (JCC実行委員会) 西垣良美 マリンバリサイタル 5/24 (金)19:00 〜 兵庫県立芸術文化センター小ホール 3000 円 ☎ 06-6204-0412 (エス・ピー・エース) 田村靖子 ソプラノリサイタル 5/25 (土)14:30 〜 世良美術館 2500 円 ☎ [email protected] リコーダーオーケストラ デル・ソーレ大阪 第 6 回コンサート 6/2 (日)14:00 〜 イシハラホール 1500 円 ☎ 06-6444-5875 (イシハラホールチケットセンター) お知らせ 2012 年度 卒業 (修了) 式 3/25 (月) ザ・カレッジ・オペラハウス ●大阪音楽大学短期大学部 卒業式 開式 11:00 ●大阪音楽大学卒業式 開式 14:00 2013 年度 入学式 4/1 (月) ザ・カレッジ・オペラハウス ●大阪音楽大学短期大学部入学式 開式 11:00 ●大阪音楽大学入学式 開式 14:00 ※ご家族など関係者の参列も歓迎い たします。駐車場はございません。 近隣の有料駐車場をご利用される か、公共交通機関をご利用ください。 幸楽会 総会 4/28 (日) ●2013年度総会 14:00 (受付13:30 〜) MH ●懇親会 15:30 学生サロン 「ぱうぜ」 恒例の立食パーティーです。会費は無 料。情報交換の機会として ご参加ください。 お問い合わせ 電話:06-6334-2832 [email protected] ▶昨年の懇親会の様子 編集後記 15 次号は6月14日発行予定です 和泉耕二副学長の故郷・宮城県石巻市を訪れる機会を得ました。震災から約2年、 街はかなりきれいになりましたが、目に見えない部分での問題は山積みであり、 復興と呼ぶにはまだまだ遠い状態だということを改めて実感しました。美しい石 巻の風景が戻る日を思い描きながら、 “自分にできることは何か” を考え、少しず つでも行動していこうと思います。 (は) 「大学案内 2014」 4/1発行! 大阪音楽大学がまるごとわかるガイ ドブックです。受験をお考えの方、大 音を知りたい方などご希望の方は無料 で お 送 りい たし ま す。入 試 セ ン タ ー 0120-414015(フリーダイヤル) または HP の「資料請 求・お申込」フォーム よりご請求ください。 学校法人 大阪音楽大学広報誌 『Muse』 vol.225 2013年3月15日発行 ●発行:学校法人 大阪音楽大学 〒561-8555 豊中市庄内幸町1-1-8 TEL:06-6334-2131 FAX:06-6334-2141 http://daion.ac.jp ●制作・編集:広報室 [email protected] ●デザイン協力: (株) 産業編集センター キャリア 支 援センター 演 「 奏活動」は決してステージ上だけ のものではありません。コンサー トの企画・準備から無事終了するまでを 皆さんにぜひ知ってもらいたいと思い ます。 知って得する 「演奏以外」 に するべきこと 音楽を勉強している学生の皆さん なら「ぜひステージで演奏してみた い」という方が大半でしょう。そんな 皆さんにぜひ演奏経験を積んでいた だきたいのです。キャリア支援セン ターではそんな希望にお応えするサ ポートも行っています。 「人前で演奏する」 、しかも「学外 で」となると、ただ現地に行って演奏 だけをして帰る、というわけにはいき ません。演奏には「演奏以外」のさま ざまな「するべきこと」があるからで す。例えばクライアント(依頼主) と の交渉、チラシやチケット、プログラ ム作成、機材のセッティング etc.…… これらの経験は、大学を卒業し社会 人となってもあらゆる場面で生かす ことができます。学生時代から身に 付けておくことで、将来何かしら役 に立つのです。いくら演奏の腕が良 くても「演奏だけすればいい」という 考えや態度はトラブルのもと。演奏 そのものはもちろんですが、 「演奏す るためにするべきこと」を学生時代に どれだけ身に付けられるかについて も、ぜひ考えてみてください。 キャリア支援センターでは、学生 の皆さんのために「学外演奏のしお り」を作成、配布しています。興味の ある方はぜひ声をかけてください。 方は が欲しい へ! り」 ー 奏のしお センタ 「学外演 ア支援 キャリ 今年はW.A.モーツァルトの 4大オペラから「コジ・ファ ン・トゥッテ」に挑戦します。 アンサンブルを中心とした愉 快で難解な音楽に部員一同 苦戦していますが、私たちに しかできない良い舞台にする ために日々精進していきます。 3 MH= ミレニアムホール OH= ザ・カレッジ・オペラハウス 学 内 の 各 部 門 ・ 施 設 か ら、 学 生 生 活 に 役 立 つ 情 報 を お 届 け し ま す。 学生支援センター 修得科目・費用・手続きについて知っておこう 皆さんの中には「あんな先生になり たい!」と憧れたことがある方も多いこ とでしょう。本学では、教職課程科目を ※1 修得することにより中学校教諭(音楽) ※2 および高等学校教諭(音楽) の免許状 を取得することができます。そのため には「どのような科目を修得しなければ ならないか」が教育職員免許法で決め られており、合わせて本学の「建学の精 神」 「教育理念」および「教員養成のポリ シー」に基づきカリキュラムが作られて います ( 「学生便覧」 参照) 。 すべての大学が教職課程を開設して いるわけではありません。せっかく大音 へ入学したのですから、教員という仕 事に興味がある方はぜひこれらを一読 オペラ物知り講座 「オペラをピットから支えるインストルメント」 素晴らしいオケのソロ奏者を招いてオペラア リアを堪能してください。 構成・お話:中村 敬一 時間:18:30 ~ 20:30 (18:00 開場) 場所:ミレニアムホール 受講料:1回 1000 円/ 4 回一括 3500 円 ●第1回 5月14 日 (火) 「コンサートミストレスのヴァイオリンが オペラを引っ張っていきます」 演奏:赤松 由夏 (Vn) 、並河 寿美 (Sop) 、 關口 康祐 (Pf) 大阪音楽大学 カレッジ・オペラ講座 2013 オペラを客席から見るだけではなく、一度は ステージで歌ってみたいと思ったことはありま せんか。あんな高い声や難しい外国語のアリ アなんて、と思っていらっしゃるオペラファン の皆さん。オペラハウスのある大阪音楽大学 ならではの企画です。プロのオペラ歌手や、指 揮者、演出家、コレペティートルが、直接皆さ んにレッスン。オペラハウスの舞台の上で歌い 演じてみませんか。 2013年度ミレニアムホール特別講座 学 外 演奏について 興味のある方もキャ リア支援センターへ お越しください キャリア支援センター 音楽の仕事情報館 岩崎 慎也 ひとこと Muse してみてください。 教職課程の科目は、一部を除いて卒 業に必要な単位には含まれません。さ らに授業料とは別に履修料が必要にな ります。ですが、教育実習での充実し た経験や教職専門科目を履修すること は、教育者としての知識に加え、音楽指 導者としてのスキルを身に付けること ができます。まずは必要な手続き や修得科目について「履修ガイ 教職についての ド」で確認し、わからないこと 質問は学生支援 がありましたら学生支援セン センターまで ターへお越しください。 ※1大学・短大とも ※ 2 大学のみ 学生支援センター 武田 恵美子 連携支援センター 大阪音楽大学 カレッジ・オペラ講座 2013 一般社会人のためのオペラ講座 ▲ミント神戸(ショッピングセンター) での学外演奏の様子 ▶まずは 「履修ガイド」 を 開いてみよう 「教師になるぞ!」 と思い立ったら プロデュース・司会:日下部 吉彦 時間:14:00 ~ 16:00 (13:30 開場) 場所:ミレニアムホール 受講料:1回 1000 円/ 4 回一括 3500 円 ●第 51回 6 月8 日 (土) 『ブリテン生誕 100 年、教会劇 「カーリュー・ リヴァー」 』 演奏:西垣 俊朗 (狂女 Ten) 、 東 平聞 (渡守 Br) 、佐田 めぐみ (E.Pf)他 ●第 52 回 9 月14 日 (土) ●第2回 7 月16 日 (火) 「森に響き渡るホルンが人間の欲望を表現します」 演奏:伏見 浩子 (Hr)、和泉 万里子 (Sop)、 佐藤 明子 (Pf) ●第3回 10 月29 日 (火) 「オーボエの哀愁の音色が人間の心の叫び を伝えます」 演奏:佛田 明希子 (Ob) 、平野 雅世 (Sop) 、 谷 浩一郎 (Ten)、關口 康祐 (Pf) ●第4回 2014 年 1月 21日 (火) 「パーカッションのリズムがドラマの緊張 感を高めます」 演奏:安永早絵子 (Perc) 、林 佑子 (Sop) 、 西尾 麻貴 (Pf) 演出:中村 敬一 / 指揮:加藤 完二 声楽・原語指導:福島 慶子、田邉 織恵 コレペティートル:矢崎 真理、西尾 麻貴 日程:5 月9 日、 23 日、 30 日、 6 月6 日、 13 日 時間:18:30 ~ 20:30 場所:大阪音楽大学、 最終日はザ・カレッジ・オペラハウス 受講料:23000 円 定員:30名 (アリアコース15名・アンサンブルコース15名) ※曲目等詳細は募集要項、またはHPでご確認ください。 『楽器の原点、ホルン・アンサンブルの楽しさ』 演奏:池田 重一 (Hr) 、小坂 智美 (Hr) 、 坂東 裕香 (Hr) 、籔内 泉 (Hr) 、濵田絵梨 (Pf) ●第 53 回 12 月14 日 (土) 『ドビュッシー (仏) とヴェルディ (伊) でアルプ スを越えた姉弟・愛のアンサンブル』 演奏:油井 美加子 (Pf) 、油井 宏隆 (Br) ●第 54 回 2014 年 3 月1日 (土) 『スター・カップルが演ずる 《デュエット・ガラ》 』 演奏:田中 勉 (Br) 、田中 友輝子 (Ms) 、 關口 康祐 (Pf) 学生サロン「ぱうぜ」の壁紙がシックなレンガ風の落ち着いた雰囲気にリニューアル!さらに新メニューも登場 するかも!? 4月よりランチタイムコンサートも開催予定。進化した 「ぱうぜ」 をお楽しみに! お申し込み・お問い合わせ 大阪音楽大学 連携支援センター TEL 06-6334-2249 http://daion.ac.jp ※特別講座・公開講座の項目をご覧ください。 14 武藤学長が日々考えていることを つづります。 学長日記 下手の考え休むに似たり 04 文・イラスト 武藤 好男 挨拶文が世界平和に つながっているって 知っていましたか? 問題は、それを自分が書かなければならないという点です。 ある種の約束事のようなものですから、取り立てて問題に するほどのことでもないのかもしれません。でもなァ、年 間 20 本はあるんですよ。演奏会以外のものも入れると倍く らいになります。でも、ものは考えよう。 positive= 積極的な、 前向きの/ negative= 消極的な、後ろ向きのという意味で 学長になって(やっと)1年が過ぎようとしています。今ま すが、positive=出しゃばり、目立ちたがり/ negative= 思 で思いもしなかったようなことを考えないといけないし、初 慮深い、控えめで奥ゆかしいと考えれば、ずいぶん印象が めて経験することが盛りだくさん、いやァ、疲れます。なぜ 変わります。 「丸い卵も切りようで四角」といいますが、まさ こんな書き出しになったかというと、編集者から「この1 年 に 「コロンブスの卵」 。生きていく上で大切なのは、自分を相 を振り返るような文章を頂けませんか」という要望があっ 対化できること(これを相対性理論といいます、ウソです) 。 たからです。心優しい私は「いいよ」と気軽に応えましたが、 相対化することで余裕ができ、余裕の中からユーモアが生 明るい内容になるわけがありません。私の得意はネガシン まれます。そして、ユーモアは不幸を和らげてくれます。 (ねぇねぇ、ネガシンって知ってる? ネガティヴ・シンキン 挨拶は友好のしるし、多くの人の目にとまる挨拶文は(誰 グのことよ! コスパは CM で定着しましたが、ネガシン も読まなくてもお守りのように) 世界平和に寄与していると は今、私が思いついただけなので市民権はありません。念 いう理屈もつけられそうですし、学長には任期(人気ではあ のため) 。以上、事情説明が終わったところでリセット。 りません、念のため) がありますから、いつかは解放される。 学長になってはや1年が過ぎようとしています。学長の 苦労した分、より一層幸せ 仕事の一つに、挨拶文を書くというのがあります。プログラ な老後が待っていると言え ムの最初に載っていて、誰も読まないというアレです。世の ます。アッ、これって究極 中に無駄は必要だ、というのは私の持論ですから、プログ のポジシン? ラムに挨拶文が載っていることには何の文句もありません。 ひょん じょんちょる● 1971年生まれ。 10 歳よりクラリネットを始める。大阪音 楽大学を卒業後、渡仏。これまでに本田 耕一氏、ミシェル・アリニョン氏に師事。 ザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団を経 て、現在京都市交響楽団に在籍。 石橋 栄実先生に お願いします クラリネット・講師 玄 宗哲 教 員 リ レ ー エッセイ Vol.7 「 のオーケスト と人の間には必 ず 河 が流 ラで演奏した れている。 しかし渡り合え の は、大 学 二 る 河 が あ る か ら こ そ お 互いに 歩 回 生 の 頃。寄 み寄ろうとするのだ。 辿り 着 き た せ集めでは い 岸 が 見 え ない 人 こ そ 不 幸 な の あ る が、 いろ かもしれない」 いろなオケ かつて 在日韓国人である私は、 から集まった貫禄たっぷりの奏者 国 と 国 の 境 に は 目 に は 見 え ない まだ二十 空 間 が あ る と 考 え た こ と が あ る。 たちがずらりと並ぶ中、 歳 に も な ら ない 私 の ポ ジ ション そ し て 私 は そ の 空 間 に すっぽ り は一番クラリネット。曲目はベー と は まってい て 抜 け 出 せ ない 人 トーベンの交響曲などで、 リハー 間なのだと。 冒頭の言葉を借りる サルはその場で楽譜を渡されさっ なら私は不幸な人間で、 そしてそ と一回通すのみ。論無くその後の れ は 自 ら そ う 仕 向 け てい た の だ 本番は散々なもので、 自分の存在 と思う。 「 人 と 人 」を 「 過 去 と 未 来 」 はまるで誰からも見向きされない この さんたん 萎れた花のような、 そんな惨憺た に置き換えて考えてみたい。学生 の皆 さんにもそれ ぞ れに素 敵 な る気持ちになったのを覚えている。 「岸」 があることだろう。烈しい河 そ の 後 も 鳴 か ず 飛 ば ず の 連 続 で、 の流れを目の前にして、 かつての 「岸」 は遥か彼方、 或いはもう見え 「 不 幸 な 私 」の よ う に た だ 眺 め て なくなっていたかもしれない――。 いるだけでは永々「岸」 に辿り 着 私が 「岸」 に辿り着いたのはそれか くことはない。 しかし泳ぎ続けて ら十三年後のこと。順風満帆とは いる限り、 たしかに 「岸」 は 自 分に 程遠い、 いや順風満帆な人生など 近づいてくる。 あるのだろうか。 小学生の頃に始めたクラリネッ 「何も咲かない寒い日は下へ下へ トに魅せられ、 程なくして同級生 と根を伸ばせ。 やがて大きな花が と語り合った、「やれサッカー選手 咲く」 になる 」 、「やれプロボクサーにな 「岸」 に、 何 度と 泳げども見えぬ る」 、 そして私は 「ベルリン・フィル な く あきらめかけた私 をそのた に入る」 という花盛りの記憶が新 び救ってくれたこの言葉を、 最後 しい――。そんな私が初めてプロ に学生の皆さんへ贈りたい。 次回は才色兼備な オペラ界のプリマドンナ、 あきらめかけた私をそのたび救ってくれた 言葉を学生の皆さんに 人 所属する京都市交響楽団に て。信頼 する仲間たちとの演奏のひ ととき