Comments
Description
Transcript
H-Ⅱロケット6号機による熱帯降雨観測衛星 (TRMM)及び技術試験
アクティブフェーズドアレイにおいては、各アンテナ系に位相器ばかりでなく送 信機及び受信機が配置されており、パッシブアレイと比較して、個々の送信機の出 力を小さくできる、給電部のロスが小さい、高速スキャンが可能等の利点がある。 また、アクティブフェーズドアレイでは、内部校正が困難であるという欠点が指摘 されているが、降雨レーダにおいては、内部校正アルゴリズムを開発することによ り、これを克服している。 (3)今後の展望 実証された降雨レーダの技術は、検討されているTRMM後継ミッションの降雨 レーダ、雲観測レーダ等の大気観測センサーの開発に継承され、活用されることが 期待される。 以上のことから、約18ヶ月の運用範囲で評価する限りにおいて、宇宙開発事業団 及び通信総合研究所は、世界初の衛星搭載用降雨観測レーダの宇宙実証に成功したも のであり、技術的に大きな前進があったものと認められる。 なお、降雨レーダの機能・性能の安定性・信頼性については、衛星の設計寿命にわ たって長期間確認されたものではないことから、成果の評価対象として含めていない。 2 ETS-Ⅶ RVDシステム (1)我が国における開発の位置づけ ETS-Ⅶのランデブドッキング(RVD)システムは、国際宇宙ステーション (ISS)あるいは将来型人工衛星への物資の輸送等、21世紀初頭の宇宙活動に 対応するために必須の技術であるRVD技術を軌道上実験等の実施により確立する ために開発されたものである。 ETS-Ⅶの初期機能確認及び定常段階運用を通じて確認されたRVDシステム の機能確認結果は、表-15に示すとおりであり、RVDシステムの機能性能が宇 宙実証された。 27 (2)開発成果の国際比較 RVDシステムの主要な技術項目とその世界的動向は、表-16に示すとおりで ある。 ア 自動・自律RVDシステム ドッキング対象に接近する自動RVD技術及び自動RVDを行うための飛行管 理・安全管理技術は、ETS-Ⅶにより世界で初めて宇宙実証された。 これまで、米国においては、宇宙飛行士の操縦によりRVDが行われており、ロ シア(旧ソ連)においては、自動RVDを行ったといわれているが、宇宙飛行士と の役割分担は不明である。また、ヨーロッパ(ESA)においては、ISSに自動 で接近する補給機であるATVを開発中である。 イ 相対接近速度 ランデブドッキングにおいては、ドッキングを行う宇宙機の相対速度が小さいほ ど高い制御が必要とされる。ETS-ⅦのRVDシステムにおけるチェイサ衛星と ターゲット衛星の相対接近速度は秒速1cmである。 これに対し、米国及びロシア(旧ソ連)におけるRVDシステムや、ヨーロッパ (ESA)において開発中のATVにおいては、相対接近速度は秒速数cm-10 cmである。 ウ ドッキング機構 ETS-Ⅶにおいては、大型構造物を有する宇宙機へのドッキングを安全に行う ための技術として、接触する前に捕獲、結合する非接触低衝撃ドッキング技術(図 -7参照)が世界で初めて宇宙実証された。 なお、米国及びロシア(旧ソ連)におけるRVDシステム、ヨーロッパ(ES A)において開発中のATVでは、ドッキング時の運動エネルギーを利用して嵌合 する方式(衝撃型ドッキング)が採用されている。 エ 誘導航法制御機能 28 ETS-ⅦのRVDシステムにおいては、チェイサ衛星とターゲット衛星間の距 離が0-2mの範囲では、画像センサである近傍センサ(PXS)により両衛星の 相対姿勢、相対位置(相対6自由度)が計測される。両衛星間の距離が2-520 mの範囲では、3次元計測可能なレーザレーダであるランデブレーダ(RVR)に より両衛星間の距離と方位角が計測される。また、両衛星間の相対距離が520m -9kmの範囲では、GPS受信機により両衛星の相対位置、相対速度が計測され る。 さらに、チェイサ衛星がターゲット衛星に接近する飛行経路/軌道は、チェイサ 衛星に搭載された誘導制御計算機により相対位置等の計測結果に基づいて自動的に 計算され、スラスタ噴射が制御される。 画像センサ計測による相対6自由度の自動RVD制御技術は、ETS-Ⅶにより 世界で初めて宇宙実証された。 米国及びロシア(旧ソ連)においては、宇宙飛行士の目視による操縦で相対位置 のみの制御が行われている。また、ヨーロッパ(ESA)においては、レーザレー ダにより相対姿勢を計測する方式が、ATVにおいて開発されている。 3次元計測可能なレーザレーダを用いた自動RVD制御技術は、ETS-Ⅶによ り世界で初めて宇宙実証された。 米国においては、レーザレーダを宇宙飛行士が宇宙機を操縦する際の参考情報と して使用しているのみであり、自動ランデブのための利用は行われていない。また、 ヨーロッパ(ESA)においては、ETS-Ⅶと同様の3次元レーザレーダが、A TVにおいて開発中である。 GPS相対航法を使用した自動RVD制御技術は、ETS-Ⅶにより世界で初め て宇宙実証された。 米国においては、ETS-Ⅶによる実験の成功後に、GPS相対航法による自動 軌道制御(ランデブ制御ではない)が行われた。また、ヨーロッパ(ESA)にお いても、GPS相対航法宇宙実証に取り組んでおり、ATVにおいて、使用する予 定である。 29 (3)今後の展望 国際宇宙ステーションあるいは将来型人工衛星への物資の輸送等、21世紀初頭 の宇宙活動に対応するための必須の技術として、今後の宇宙開発において、ETS -Ⅶにより実証されたRVD技術が継承されることが期待される。 以上のことから、宇宙開発事業団は、世界に先駆けて先端的、開拓的なRVDシス テムの宇宙実証に成功したものであり、技術的に大きな前進があったものと認められ る。 3 ETS-Ⅶ ロボット実験システム (1)我が国における開発の位置づけ ETS-Ⅶのロボット実験システムは、宇宙用ロボットに関して先行的な実験を 実施することを目的として開発されたものである。 ETS-Ⅶの初期機能確認及び定常段階運用を通じて確認されたロボット実験シ ステムの機能確認結果は、表-17に示すとおりであり、ロボット実験システムの 機能性能が宇宙実証された。 (2)開発成果の国際比較 宇宙用ロボットシステムの主要な技術項目とその世界的動向は、表-18に示す とおりである。 ア 作動環境 ETS-Ⅶのロボットシステムは、世界で初めて宇宙実証された無人衛星搭載の ロボットシステムであり、地上からの遠隔操作により宇宙の暴露環境下で作動する。 スペースシャトルに搭載されたシャトル・マニピュレータ(SRMS)は、スペ ースシャトル搭乗の宇宙飛行士により操縦されるものである。また、ISS用にカ 30 ナダにおいて開発中のSSRMS、SPDM、ESAにおいて開発中のERAは、 すべて宇宙飛行士による操縦を基本としている。 また、1993年にドイツが実施したロボット実験(ROTEX)は地上からの 遠隔操作により作動するものであるが、作動環境はスペースシャトルのスペースラ ブ内の与圧環境下である。 イ 協調制御 ETS-Ⅶのロボットアームの衛星に対する重量比は1/20と比較的大きい。 このため、ETS-Ⅶのロボットシステムは、衛星上ロボットアームが動作しても 衛星の姿勢安定が乱れないよう、ロボットアーム動作時に発生する角運動量を補償 する協調制御機能を有している(図-24参照)。 これに対し、SRMSにおいては、マニピュレータのスペースシャトルに対する 重量比が1/100と小さく、協調制御機能を有していない。 ウ 稼働期間 これまでのロボットシステムの宇宙空間での稼動期間は、SRMSについては最 大2週間で実働は数日間であり、ROTEXについては与圧環境下で10日間であ った。 ETS-Ⅶのロボットシステムは宇宙空間において、これまでのどの宇宙用ロボ ットよりも長期間(1.5年以上、実働100日以上)にわたり安定して稼働して いる。 エ 力覚制御 ETS-Ⅶのロボットシステムにおいては、宇宙開発事業団が1997年にスペ ースシャトルの貨物室内で実施したマニピュレータ飛行実証試験(MFD)の成果 を踏まえて、ロボットアームとその先端のツール機構部間には力トルクセンサが取 り付けられており、ロボットアームが他機器と接触作業を行う際に、ロボットアー ムと相手機器との間に発生する力を制御する力覚制御が行われる。 なお、ROTEXにおいても、与圧環境下において、力トルクセンサを利用した 力覚制御が使用されている。 31 (3)今後の展望 今後、軌道上作業用ロボットとして、ETS-Ⅶにより実証されたロボット技術 が継承される可能性も期待される。 以上のことから、宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所、通信総合研究所及び通産 省は、世界に先駆けて先端的、開拓的な宇宙用ロボットシステムの宇宙実証に成功し たものであり、技術的に大きな前進があったものと認められる。 32 Ⅳ 総合意見 H-Ⅱロケット6号機については、TRMM及びETS-Ⅶを、それぞれ所定の軌道 に投入することに成功した。 TRMMに搭載された降雨レーダについては、我が国において開発された世界初の衛 星搭載用の降雨レーダであり、10GHz以上の高い周波数におけるSSPAを用いた アクティブフェーズドアレイアンテナの宇宙実証に成功し、十分な成果を上げたものと 評価する。 また、ETS-Ⅶについては、自動RVD技術及び遠隔操作技術を確立するとともに、 ロボットシステムに関する先行的な実験を計画どおり実施できたことから、十分な成果 を上げたものと評価する。 しかし、 1)IRU角度増分データに対する電磁干渉による衛星の姿勢異常 2)BRF内部における放電によるハイゲイン回線送信出力の低下 3)スラスタ推進弁の開動作異常によるRVD実験時における衛星の姿勢異常 などの異常も発生している。 これらの異常は、 1)地上システム試験の段階で、データ異常が発生したにもかかわらず、それが認識 されずに、それに対する十分な分析が行われなかったこと。 2)地上試験でのシステム熱真空試験時おける停電事故への対応が適切でなかったこ と 3)フライト品に対する耐寿命品質に関する試験や確認方法が十分でなかったこと など、地上試験の実施において、十分な注意や検討が行われなかったことに起因してお り、遺憾な事態が発生したと評価せざるをえない。宇宙開発事業団においては、一層の 信頼性の向上及び品質管理体制の強化を図るなどの適切な行動がとられ、このような事 態が再び起こらないことを期待している。 最後に、RVD実験時におけるスラスタ推薬弁の開動作異常については、これが基盤 的な技術であるにもかかわらず、我が国において自主技術の確立が十分に行われていな 33 いことが問題の根底にあると考えられる。今後、我が国において積極的な自主技術の確 立を図る必要があることを指摘しておきたい。 34 図-1 H-Ⅱロケット6号機の形状 35 表-1 H-Ⅱロケット6号機の主要諸元 項 目 全 長 直 径 全備重量 ペイロード重量 第 推進薬 推進薬重量 1 推 力 燃焼時間 段 比推力 全備重量 S 推進薬 推進薬重量 R 推 力 燃焼時間 B 比推力 全備重量 推進薬 第 推進薬重量 推 力 2 燃焼時間 段 比推力 全備重量 フ ェ ア 直 径 リング 全 長 重 量 誘 導 方 式 諸 元 51.5m 4.0m 263.8t 6.36t 液化酸素/液化水素 87.0t 86 tf 344 sec 445 sec 97.9t 固体推進薬 118.3t 318 tf 94 sec 273 sec 140.7t 液化酸素/液化水素 14.0t 12.4tf 497 sec 備 考 コア機体 ペイロード重量を含む TRMM 3.5t+ETS-Ⅶ 2.86t 海面上(補助エンジン分は含まない) 打上げ~主エンジン燃焼停止指令 真空中(補助エンジン分は含まない) 段間部(上部/下部)を含む 2本分 2本分、海面上有効平均推力 真空中 2本分、イグナイタ焼損重量を含まない 真空中 (第2段エンジン第1回燃焼開始~第2段エン ジン第1回燃焼停止指令+第2段第2回燃焼開 始~第2段第2回燃焼停止指令) 452 sec 真空中 16.9t 4.0m 衛星収納域 14.5m 4.6mΦ×9.2mL(最大直径、最大長) 1.9t ストラップダウン慣性センサユニットによる慣性誘導方式 36 図-2 TRMMの形状 表-2 TRMMの主要諸元(1/2) 軌道 種 類:太陽非同期軌道 軌 道 高 度:350km 軌道傾斜角:35deg 周 期:91.52分 形状・寸法 二翼式太陽電池パドル及び軌道間通信系のアンテナを有する箱及びトラス 構造型 本 体:約5.1m×3.0m×3.5m 太陽電池パドル:約2.1m×4.3m(片翼) 質 量 約3.5t(打上げ時) 通信系 通信方式 (COMM) NASA追跡データ中継衛星(TDRS)Sバンド・シングル・ア クセス(SSA) テレメトリ(リターンリンク) 周 波 数:2255.5MHz 変 調 方 式:QPSK(異常時の地上局運用ではPSK) ビットレート: 2.048Mbps(Q;ミッションデータ)/32Kbps(I) 定常運用 128Kbps/32Kbps(I) キャリア測定時 1Kbpsまたは1.5Kbps(Q) 打上げ時、異常時 1.024Mbpsまたは1Kbps 地上運用時 コマンド(フォワードリンク) 周 波 数:2076.94MHz 変 調 方 式:QPSK(異常時の地上局運用ではPSK) ビットレート: 1Kbps 定常運用 0.5Kbps 打上げ時、異常時 2Kbps 地上運用時 レンジング レンジング信号:PNコード レンジング方式:2Wayコヒーレントまたは1Way非コヒーレ ントモード コマンド/デ 方 式:光データバス(MIL-STD-1773B)を介し ータ処理系 たCCSDSパケット方式 (C&DH) コマンド信号形式:NRZ-L テレメトリ信号形式: NRZ-L-CRC-R/S-Pseudo randomize-Convolution encoding データ記憶容量:2.2Gbits 主 要 機 能:テレメトリ/コマンド処理、クロック生成、 衛星システムの総合管理 38 表-2 TRMMの主要諸元(2/2) 電気系 (ES) /電源系 (PWR) 姿勢制御系 (ACS) 推進系 (RCS) 熱制御系 (THM) 構体型 (STR) 展開機構系 (DEP) 電 源 方 式:22-33.4Vのフローティングバス方式 バ ッ テ リ ー:スーパーNiCd 50AH×2台 発 生 電 力:3300W以上(寿命末期) 太陽電池セル:GaAs太陽電池セル 方 式:ゼロモーメンタム三軸制御方式 セ ン サ:慣性センサ、地球センサ、精太陽センサ、 粗太陽センサ、磁気センサ アクチュエータ:リアクションホイール、磁気トルカ 姿 勢 制 御 精 度:各軸0.32deg 姿 勢 安 定 度:各軸0.1deg/秒 方 式:一液式ヒドラジン調圧/ブローダウン方式 スラスタ:12本 タ ン ク:推進タンク2個、加圧タンク1個 方式:受動型、能動型併用方式 構成:サーマルルーバ、ヒートパイプ、ヒータ、 多層インシュレーション バ ス モ ジ ュ ー ル:中央部シリンダにパネル取り付け ミッションモジュール:トラス及びプラットホームに取り付け 方式 H G A:展開型(直径約1.3mのパラボラアンテナ)、火 工品で展開 ソーラアレー:リジッド型パネル(パネル2枚/片翼)、火工品で 展開 構成 HGAシステム、GSACE及びソーラアレー展開及び駆動システム 39 表-3 TRMM計画での日米分担 観測装置 項目 H-Ⅱロケット及び打上げ 衛星本体 PR TMI VIRS CERES LIS 衛星の追跡・運用 データ処理システム 40 日本 ○ 米国 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 図-3 降雨レーダの形状 図-4 降雨レーダの観測概念 42 表-4 降雨レーダの主要諸元 システム主要諸元 レーダ方式 周波数 観測幅 観測高度範囲 距離分解能 水平分解能 観測降雨強度 独立サンプル数 データ速度 重量 消費電力 アクティブフェーズドアレイ方式 13.796、13.802GHz 約215km 地表から高度15km以上 250m 4.3km(垂直入射時) 0.7mm/h 64 93.5kbps 465kg 250W以下 アンテナ系主要諸元 形式 ビーム幅 開口面 走査角 ゲイン 128素子導波管スロットアレイアンテナ 0.71deg×0.71deg 2.1m×2.1m ±17deg 47.4dB以上 送受信系主要諸元 送信素子 ピーク電力 パルス幅 パルス繰り返し周波数(PRF) 受信素子 ダイナミックレンジ 固体電力増幅器(SSPA)(×128) ≧500W 1.6μs×2ch. 2776Hz 低雑音増幅器(LNA) ~70dB 43 図-5 ETS-Ⅶの形状 図-6 ランデブドッキング実験系機器取付位置 45 ラッチ機構(3台) ラッチハンドル(3台) チェイサ衛星ドッキング機構 ターゲット衛星ドッキング機構 ラッチハンドル ラッチ爪 Vガイド 支持部 (1)ターゲット衛星ラッチハンドル がチェイサ衛星ラッチ機構部の 捕獲領域に入る。 (2)近傍センサの航法値を基に、 ターゲット衛星ラッチハンドルが 捕獲領域に入ったことを検知し て、チェイサ衛星ラッチ機構部が ラッチ爪を閉じて閉領域を作り、 ターゲット衛星ラッチハンドルを 捕獲する。 (3)結合完了 図-7 ドッキング機構の動作概要 46 図-8 チェイサ衛星に搭載されたロボット実験機器の概要 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(1/6) 項目 システム 主要諸元 打 ち 上 げ:H-Ⅱロケット6号機 ミッション期間:1.5年 軌 道:高度520km~560km、傾斜角約35°、 離心率約0.003以下の円軌道 衛 星 の 構 成:独立した衛星として機能するチェイサ衛星及びター ゲット衛星からなる 設 計 信 頼 度:チェイサ衛星バス 0.86(予測値/以下同様) ターゲット衛星バス 0.83 RVD実験系 0.90 RBT実験系 0.77 チェイサ衛星 形状:直方体形状+2翼太陽電池パドル 寸法:本体 約2.6m×2.3m×2m 太陽電池パドル展開時のスパン約20m 重量:約2450kg(推薬:453kg)) 電力:2360W以上(寿命末期、β=35deg(*1)) 姿勢:地球指向(RVD時/ターゲット指向)、三軸姿勢安定 ターゲット衛星 形状:直方体形状+1翼太固定陽電池パドル 寸法:本体約0.65m×1.7m×1.5m 太陽電池パドル展開時のスパン約6.6m 重量:約410kg(内、推薬:8.9kg) 電力:650W以上(寿命末期、β=35deg(*1)) 姿勢: 地球指向三軸姿勢安定 (*1)βは軌道面と太陽方向のなす角を表す。 48 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(2/6) 項目 主要諸元 ランデブドッ 実験目的 キング(RV 無人で協力的なターゲットに対する無人・自動RVD技術に関し、相 D)実験系 対接近以降に使用されるRVD機器技術、航法・誘導・制御技術、及 びシステム飛行管理技術の軌道上実証を行う。 機能 飛 行 管 理 機 能:モード・フライトパス管理、時刻管理、 状態監視/異常時処理 航 法 機 能:GPS絶対/相対航法(520m~9km) ランデブレーダ航法(2m~520m) 近傍センサ航法(2m~ドッキング) 誘 導 機 能:相対接近/相対離脱 CW誘導 最終接近/Vバー離脱 基準軌道誘導 ドッキング/分離 ドッキング軸誘導 制 御 機 能:軌道制御、地球/ターゲット指向三軸姿勢制御、 ターゲット指向相対6自由度制御 安 全 機 能:自動/手動衝突防止マヌーバ機能 ドッキング機能:低衝撃型分離/ドッキング機能 機器構成 チ ェ イ サ 衛 星:誘導制御計算機、GPS受信機、 ランデブレーダ、近傍センサ、ドッキング機構、 加速度計 ターゲット衛星:GPS受信機、ランデブレーダ・リフレクタ、 近傍センサターゲットマーカ、ドッキング機構、 ラッチハンドル 49 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(3/6) 項目 主要諸元 ロボット(R 実験目的 BT)実験系 軌道上交換ユニット(ORU)レベルでのバッテリ交換や推薬補給作 業を地上からの遠隔操作型のロボットアームを用いて無人の衛星上で 行うための、遠隔操作技術、ロボットアーム技術及び視覚制御技術等 の軌道上実証を行う。 機能 実 験 管 理 機 能:運用モード管理、システム動作状態管理、 ロボットアーム動作指令管理、異常時処理 遠 隔 操 作 機 能:オンボードアーム動作指令処理/生成 アーム制御機能:先端位置精度(並進1cm、回転1deg以下) 最大先端速度(並進5cm、回転5deg/秒) 最大発生荷重(力90N、トルク45Nm) 最大取扱い能力(質量430kg) 協 調 制 御 機 能:外乱角運動量推定(4Hz、精度10%以下) 視 覚 処 理 機 能:オンボード計測処理(2Hz) アライメント(並進0.8mm、回転0.5deg) 機器構成 チ ェ イ サ 衛 星:RBT実験系搭載計算機、アーム駆動回路、 搭載ロボットアーム、タスクボード、 実験用軌道上交換ユニット(ORU) ターゲット衛星:ターゲット衛星操作用ハンドル 外部機関実験装置 通 商 産 業 省:高機能ハンド実験装置 郵政省通信総合研究所:アンテナ結合機構基礎実験装置 航 空 宇 宙 技 術 研 究 所:トラス構造物操作実験装置 技術データ取 計測対象:原子状酸素を中心とした衛星周囲の中性ガス質量を計測 得装置/原子 計測範囲:約2~40amu(10-5 ~10-9Torr) 状酸素モニタ (AOM) 50 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(4/6) 項目 視覚系 通信系 主要諸元 機能 カメラ制御機能(カメラ選択/切り替え、パラメータ変更設定)、 画像データ処理機能(JPEG圧縮、2値化データ生成)、 証明機能 構成 視覚制御回路、手先カメラ、肩監視カメラ、ビューイングカメラ、 ドッキングカメラ、投光照明灯、ビューイングカメラマーカ チェイサ衛星 ①SSAハイゲイン通信系(フォワード/リターン) 周 波 数:2096.73MHz/2276.99MHz データレート:コマンド4kbps/テレメトリ2048bps +1.5Mbps 変 調 方 式:UQPSK/QPSK ②SSAオムニ及びUSB通信系 周 波 数:2096.73MHz/2276.99MHz データレート:SSAオムニ)コマンド125bps テレメトリ512bps+1.96kbps U S B)コマンド500bps テレメトリ 2048bs 変 調 方 式:SSAオムニ)UQPSK/SQPN U S B)コマンドPCM―PSK/PM テレメトリ PCM―PM ターゲット衛星 ①CT間通信系 周 波 数:2220.00MHz データレート:512bps 変 調 方 式:SQPN ②SSAオムニ及びUSB通信系 周 波 数:2044.25MHz・2220.00MHz データレート:SSAオムニ)コマンド125bps テレメトリ512bps U S B)コマンド500bps テレメトリ 512bps 変 調 方 式:SSAオムニ)UQPSK/SQPN U S B)コマンドPCM-PSK/PM テレメトリPCM―PSK/PM 51 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(5/6) 項目 データ処理系 主要諸元 チェイサ衛星 ①CU-RIUデータバス ②パケットデータ処理系:宇宙データシステム諮問委員会(CCSDS) 準拠パケット・テレメトリ ターゲット衛星 ①CU-RIUデータバス方式 電源・太陽電 チェイサ衛星 ①太陽電池パドル 池パドル系 方 式:Si/BSFRセル使用リジッド・パドル 発生電力:2360W以上(寿命末期、β=35deg(*1)) ②電源 方 式:ユニバス方式 バス電圧:日照時(シャント制御)50.0~52.0V 日陰時(バッテリ制御)33.5~50.0V バッテリ:35AH、NiCdバッテリ×3台 ターゲット衛星 ①太陽電池パドル 方 式:Si/BSFRセル使用リジッド・パドル 発生電力:650W以上(寿命末期、β=35deg(*1)) ②電源 方 式:ユニバス方式 バス電圧:日照時(シャント制御)50.0~52.0V 日陰時(バッテリ制御)33.5~50.0V バッテリ:35AH、NiCdバッテリ×2台 姿勢軌道制御 チェイサ衛星 系 ①制 御 方 式:地球指向三軸ゼロモーメンタム姿勢制御方式 ②姿勢制御精度:ロール)0.5deg ピッチ)0.5deg ヨ ー)1.0deg ③太陽電池パドル駆動制御:0.5deg(追尾精度) ④Sバンドハイゲインアンテナ駆動制御:1.3deg(指向精度) ターゲット衛星 ①制 御 方 式:地球指向三軸ゼロモーメンタム姿勢制御方式 ②姿勢制御精度:ロール)0.5deg(RVD実験時) ピッチ)0.5deg(RVD実験時) ヨ ー)1.0deg(RVD実験時) (*1)βは軌道面と太陽方向のなす角を表す。 52 表-5 ETS-Ⅶの主要諸元(6/6) 項目 推進系 構体系 熱制御系 計装系 主要諸元 チェイサ衛星 方 式:ブローダウン方式ヒドラジン1液式20Nスラスタ 推 力:16.6N(寿命初期) 比 推 力:225秒(寿命初期) 有効推薬量:440kg以上 ターゲット衛星 方 式:調圧式1Nコールド(窒素)ガスジェットスラスタ 推 力:0.1N以上1N以下 比 推 力:51秒以上 有効推薬量:8.4kg以上 チェイサ衛星 センタシリンダ+パネル構造 ターゲット衛星保持解放機構、アンテナ保持展開機構 ターゲット衛星 パネル構造 チェイサ衛星 ヒータ+ヒートパイプ+熱制御材による受動型熱制御技術 ターゲット衛星 ヒータ+熱制御材による受動型熱制御技術 チェイサ衛星 電気的、機械的インテグレーション、火工品の点火制御、2次電源供 給 ターゲット衛星 電気的、機械的インテグレーション、火工品の点火制御 53 表-6 主要シーケンス・オブ・イベント イベント リフトオフ 計画値(秒) 0.0 飛行結果(秒) 0.0 SRB圧力スイッチオフ 89.6 88.9(L) 88.8(R) SRB分離 97.1 96.4 上部フェアリング分離 215.0 210.2 第1段エンジン燃焼停止 346.1 342.7 第1段・第2段分離 354.2 350.8 第2段エンジン第1回燃焼開始 360.2 356.8 第2段エンジン第1回燃焼停止 814.0 816.8 TRMM分離 849.0 851.8 下部フェアリング分離 1025.0 1027.8 第2段エンジン第2回燃焼開始 1575.0 1572.2 第2段エンジン第2回燃焼停止 1621.6 1631.3 ETS-Ⅶ分離 1668.6 1681.3 54 表-7 TRMMの投入軌道 軌道要素 遠地点高度(km) 近地点高度(km) 離心率 軌道傾斜角(deg) 周期(分) 計画値 380.0 380.0 0.00000 35.000 92.15 飛行結果 381.0 379.1 0.00015 34.992 92.15 表-8 ETS-Ⅶの投入軌道 軌道要素 遠地点高度(km) 近地点高度(km) 軌道傾斜角(deg) 周期(分) 計画値 550.0 378.4 35.000 93.88 55 飛行結果 551.1 376.9 34.986 93.88 表-9 降雨レーダ主要性能確認結果 項目 ピーク送信電力 評価基準 ・500W以上 ・地上試験時のトレンドと比 較 して異常がないこと 送信周波数 ・13.796±0.001GHz ・13.802±0.001GHz ・地上試験時のトレンドと比 較 して異常がないこと 最 小 レ ー ダ エ コ ・最小レーダエコー受信レベ ー受信レベル ル:-110dBm以下 ・最小測定降雨強度 :0.7mm/h以下 信 号 処 理 系 の ダ ・直線領域が-81.2~-20.7dBmの イ ナ ミ ッ ク レ ン 上下に5dBマージンを含むこと ジ及び直線性 ア ロ ン グ ト ラ ッ ・送信パターン ク ア ン テ ナ パ タ ビーム幅:0.71±0.02deg ーン(*1) ピークサイドローブレベル :-27dB以下 ・送受信パターン ビーム幅:0.71±0.02deg ピークサイドローブレベル :-54dB以下 ク ロ ス ト ラ ッ ク ・送信パターン ア ン テ ナ パ タ ー ビーム幅:0.71±0.02deg ン(*1) ピークサイドローブレベル :-27dB以下 ・送受信パターン ビーム幅:0.71±0.02deg ピークサイドローブレベル :-54dB以下 評価結果 ・708W ・地上試験時のトレンドと よ く 一致 ・13.796+0.0005GHz ・13.802-0.0005GHz ・地上試験時のトレンドとよ く 一致 ・最小レーダエコー受信レ ベ ル:-110.2dBm ・最小測定降雨強度 :0.5mm/h ・直線領域が-87.6~-14.3dBmの 上下に5dBマージンを含む ・送信パターン ビーム幅:0.73deg ピークサイドローブレベル :-28dB以下 ・送受信パターン ビーム幅:0.73deg ピークサイドローブレベル :-38dB以下(システムノ イズレベル以下) ・送信パターン ビーム幅:0.64deg(ビーム中 心から0.46deg離れた面でのビ ーム幅) サイドローブレベル :-28dB以下 ・送受信パターン ビーム幅:0.77deg(ビーム中 心から0.46deg離れた面でのビ ーム幅) サイドローブレベル :-37dB以下(システムノ イズレベル以下) (*1)衛星軌道直下と測定位置に誤差があり、正確なアンテナパターン面を測定すること ができないため参考値である。 56 図-9 降雨レーダによる降雨分布画像 57 表−10 ETS−Ⅶ機能確認結果概要(1/5) C/T(*1) 原子状酸 素モニタ 視覚系 通信系・ デ ータ処理 C C C 項 目 通信 実施結果概要 校正モード試験 オムニ AOM-S,Eの正常動作、校正モードでのデータ送信、妥当なTLMの地上受信を確認 MCP電圧印加試験 オムニ MCP電圧を300∼900Vまで印可、正常動作を確認 観測モード試験 オムニ 広域プロファイル、狭域プロファイル、真空計の各モードでのデータ取得機能を確認 VDP A系/RBT系カメラの機能確認#1 HG VDP A系のON/OFF機能をダウンリンクされるAMC1,2及びAHC1,2の画像により確認 VDP A系/RVD系カメラの機能確認#1 HG VDP A系のON/OFF機能ならびにFLの基本機能をDC,VCの画像で確認 VDP A系/RBT系カメラの機能確認#2 HG VDP A系でのRBT用画像圧縮パラメタのアップロード機能を確認 VDP A系/RVD系カメラの機能確認#2 HG VDP A系でのRVD用画像圧縮パラメタのアップロード機能を確認 VDP B系/RBT系カメラの機能確認 HG VDP B系のON/OFF機能並びにRBT用画像圧縮パラメタのアップロード機能を確認 VDP B系/RVD系カメラの機能確認 HG VDP B系のON/OFF機能並びにRVD用画像圧縮パラメタのアップロード機能を確認 RBTカメラ画像調整機能確認 HG コマンドによりRBT用カメラの画像調整が行えることを確認 RVDカメラ画像調整機能確認 HG コマンドによりRVD用カメラの画像調整が行えることを確認 VDP A RMOCへの画像伝送確認 HG VDP Aによる二値化画像のRMOCへの伝送を確認 VDP B RMOCへの画像伝送確認 HG 未了 VDP A HANDカメラ画像の地上伝送 HG VDP VDP B HANDカメラ画像の地上伝送 HG 未了 VDP A HANDカメラ画像のHCC伝送 HG VDP VDP B HANDカメラ画像のHCC伝送 HG 未了 RVR二値化データ地上伝送確認 HG RVRの二値化データを地上にダウンリンクする機能を確認 PXS二値化データ地上伝送確認 HG PXSの二値化データを地上にダウンリンクする機能を確認 オムニ回線での画像伝送確認 オムニ オムニ回線での画像圧縮パラメタのアップロード及び画像データのダウンリンク機能を確認 テレメトリ・コマンド機能(USB A) USB COM/DH-A系において、コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 テレメトリ・コマンド機能(USB B) USB COM/DH-B系において、コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 Aによる、MITIハンドカメラ画像の地上伝送機能を確認 Aによる、MITIハンドカメラ画像のHCCへの伝送機能を確認 キャリアアクイジションスレシホールド(USB A) USB 測定結果は、-120.0dBmで正常値である キャリアアクイジションスレシホールド(USB B) USB 測定結果は、-118.9dBmで正常値である 送信周波数/送信EIRP(USB A) USB 測定結果は、2276.991236MHz/2.76∼7.92dBmで正常値である 送信周波数/送信EIRP(USB B) USB 測定結果は、2276.992360MHz/1.86∼11.21dBmで正常値である 表−10 ETS−Ⅶ機能確認結果概要(2/5) C/T(*1) 通信系・ デ ータ処理 C 項 目 通信 実施結果概要 スプリアス出力(USB A) USB ダウンリンクスプリアス波形を取得した結果、問題ないことを確認 スプリアス出力(USB B) USB ダウンリンクスプリアス波形を取得した結果、問題ないことを確認 USBテレメトリ変調度(USB A) USB 測定結果は、SDB:0.5761rad0-P パケット:1.0563rad0-Pで正常値である USBテレメトリ変調度(USB B) USB 測定結果は、SDB:0.5930rad0-P パケット:0.9830rad0-Pで正常値である USB副搬送波周波数(USB A) USB 測定結果は、255.9997kHzで正常値である USB副搬送波周波数(USB B) USB 測定結果は、256.0001kHzで正常値である テレメトリ/ビットレート(USB A) USB 測定結果は、SDB:2047.99bps パケット:23439.93bpsで正常値である テレメトリ/ビットレート(USB B) USB 測定結果は、SDB:2048.00bps パケット:23439.95bpsで正常値である ストアードテレメトリ (USB B) USB 運用で確認済み ストアードコマンド(USB B) USB 運用で確認済み コマンドスレッショルド(USB A) USB 規格以下のレベルでコマンドが実行されたことを確認 測距性能(USB A) USB 測定結果は、0.6140rad0-Pで正常値である 測距性能(USB B) USB 測定結果は、0.5335rad0-Pで正常値である テレメトリ・コマンド機能(オムニ A) オムニ COM/DH-A系において、コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 テレメトリ・コマンド機能(オムニ B) オムニ COM/DH-B系において、コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 SET V(R)機能 オムニ V(R)=V(S)が正常に設定されることを確認 送信EIRP(オムニ A) オムニ 測定結果は、39.03dBm(平均)で正常値である 送信EIRP(オムニ B) オムニ 測定結果は、41.17dBm(平均)で正常値である スペクトラム波形確認(オムニ A) オムニ スペクトラム波形は、正常であることを確認 スペクトラム波形確認(オムニ B) オムニ スペクトラム波形は、正常であることを確認 テレメトリ/ビットレート(オムニ A) オムニ 測定結果は、1.46K:1.46508bps 2.93K:2.93004bpsで正常値である テレメトリ/ビットレート(オムニ B) オムニ 測定結果は、1.46K:1.465025bps 2.93K:2.93008bpsで正常値である ストアードテレメトリ(オムニ A) オムニ 未了 オムニアンテナパターン確認(オムニ) オムニ スケールモデル値と一致していることを確認 測距機能(オムニ オムニ レンジングデータから測距性能が正常であることを確認した オムニ コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 B) C-T通信機能(オムニ A) 表−10 ETS−Ⅶ機能確認結果概要(3/5) C/T(*1) 通信系・ デ ータ処理 C T 項 目 通信 実施結果概要 C-T通信機能(オムニ B) オムニ コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 Ichテレメトリ確認 オムニ IcHでもテレメトリをモニタできることを確認 テレメトリ・コマンド機能(HG B) HG COM/DH-B系において、コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 送信EIRP(HG A) HG 測定結果は、66.16∼66.57dBmで正常値である 送信EIRP(HG B) HG 測定結果は、66.18∼66.93dBmで正常値である スペクトラム波形確認(HG A) HG スペクトラム波形は、正常であることを確認 スペクトラム波形確認(HG B) HG スペクトラム波形は、正常であることを確認 テレメトリ/ビットレート(HG A) HG 測定結果は、Qch:1.50016bps Ich:512.002bpsで正常値である テレメトリ/ビットレート(HG B) HG 測定結果は、Qch:1.50015676bps Ich:512.0007bpsで正常値である ストアードテレメトリ(HG A) HG テレメトリストアが再生伝送されることを確認 C-T通信確認(HG A) HG コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 C-T通信確認(HG B) HG コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 DWELLモード確認(HG A) HG 所定のワードが正常にDWELLモードになることを確認 DWELLモード確認(HG B) HG 所定のワードが正常にDWELLモードになることを確認 測距機能(HG B) HG レンジングデータから測距性能が正常であることを確認 テレメトリ・コマンド機能(USB) USB コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 キャリアアクイジションスレシホールド(USB) USB 測定結果は、-116.0dBmで正常値である 送信周波数/送信EIRP(USB) USB 測定結果は、2220.000626MHz/8.56∼1.80dBmで正常値である スプリアス出力(USB) USB ダウンリンクスプリアス波形を取得した結果、問題ないことを確認 USBテレメトリ変調度(USB) USB 測定結果は、0.9683rad0-Pで正常値である USB副搬送波周波数(USB) USB 測定結果は、256.0034kHzで正常値である テレメトリ/ビットレート(USB) USB 測定結果は、512.00bpsで正常値である コマンドスレッショルド(USB) USB 規格以下のレベルでコマンドが実行されたことを確認 ストアードコマンド(USB) USB ストアードコマンドを仕込み、指定時刻に正常に実行されたることを確認 測距性能(USB) USB 測定結果は、0.6355rad0-Pで正常値である テレメトリ・コマンド機能(オムニ) オムニ コマンドを送信してテレメトリが正常に変化することを確認 表−10 ETS−Ⅶ機能確認結果概要(4/5) C/T(*1) 通信系・ デ ータ処理 電源・太 陽電池パ ドル系 T 構体系 通信 実施結果概要 オムニ 測定結果は、MID:31.68dBm(平均)HI:32.01(平均)dBmで正常値である スペクトラム波形確認(オムニ) オムニ スペクトラム波形は、正常であることを確認 DWELLモード確認(C/T) オムニ 所定のワードが正常にDWELLモードになることを確認 測距機能(オムニ) オムニ レンジングデータから測距性能が正常であることを確認 C/バッテリ管理 USB 放電深度:9∼12%、充放電比率:1.3∼1.4 C/バッテリ管理(β角35度以上) オムニ 放電深度:7∼8%、充放電比率:1.4∼1.6 T/バッテリ管理 USB 放電深度:2∼3%、充放電比率:1.0∼2.2 T/バッテリ管理(β角35度以上) オムニ 放電深度:1∼2%、充放電比率:1.0∼2.6 C/ESA機能確認 HG FDIR作動による系統切替で、B系ESAの正常動作を確認 C/IRU機能確認 HG FDIR作動による系統切替で、B系IRUの正常動作を確認 C/VPDE機能確認 HG FDIR作動による系統切替で、B系VPDE(VDE,PDE)の正常動作を確認 RBT実験モード確認 HG 全てのサブモード(スラスタFB/FF、フリーモーション、ホイールFF/FB)遷移を確認 ロールバイアス機能動作確認 USB ロールバイアス1degの設定(その状態で1周回飛行)および除去を正常に実施 APMゼロ点較正 USB APM X軸、Y軸の零点校正を零点センサ、APE A/B系両系で実施、正常動作を確認 APMゼロ点較正 (負方向サーチ) USB +側APMリミットスイッチを用いた負方向サーチでの零点校正を実施、正常動作を確認 APM駆動確認 USB マニュアル駆動により待避位置(X:47deg,Y:90deg)までの駆動を実施 HGA自動追尾動作確認 USB E7,TDRS軌道計算の正常実施ならびに仮想TDRSのプログラム追尾を正常に実施 T T/姿勢制御系機能 USB CT結合状態で、T/ACE、ESA、IRUの正常動作を確認 C スラスタ機能確認 USB FDIR作動による系統切替で、B系スラスタの噴射/制御を確認 推薬弁ヒータ機能確認 USB C/TCS C/Oで実施。ヒータ機能に問題なし T 遮断弁開閉機能確認 スラスタ機能確認 HG HG 遮断弁1、2(LV1,2)の開閉をテレメステータス変化で確認 1Aスラスタの噴射、調圧弁の正常な調圧機能を確認 5/1にチェックアウト再実施予定(残りのスラスタ噴射確認) C C/ANM駆動機能確認 USB AOCSチェックアウトで正常駆動を確認 C/T C C 姿勢制御系 推進系 目 送信EIRP(オムニ) T 姿勢軌道 制御系 項 表−10 ETS−Ⅶ機能確認結果概要(5/5) 熱制御系 C/T(*1) 項 目 C C/リプレースメントヒータ機能確認 T 通信 USB 実施結果概要 PY1/MY1→PY2/MY2→PY3/MY3→ のヒータ切替を実施し各系統の正常動作、±Y 面の温度維持機能を確認 C/ヒータ機能確認 USB BUSヒータ、RCSヒータ、RBTヒータ、RVD/VISヒータ(A/B系)の正常な温度維持機能を確認 AAM/TSEヒータ機能確認 USB A/B系ともに温度維持機能を確認 T/実験準備ヒータ機能確認 USB B系ヒータの温度維持機能を確認 T/ヒータ機能確認 USB -X、+Y面ヒータについてはHK運用で確認。他のBUSヒータは現状動作温度範囲外 (*1)Cはチェイサ衛星、Tはターゲット衛星を示す。 30度ずれて取り付けられていた関節 図-10 ロボットアーム概略図 63 衛星システム 姿勢制御系電子回路 (AOCE) 誘導制御計算機(GCC) アクチュエータ CPU部 ホイール 駆動信号 CPU部 センサ部 地球センサ 慣性センサ 姿勢角 信号 IOC部 角速度 信号 SPSS 太陽電池パドル太陽姿勢角信号 姿勢角、角速度 の変化 GCC、 RMOC I/O ポート S I O P ガスジェット 駆動信号 アナログ入力部 A/D変換 外乱 図-11 姿勢制御系の機能系統図 R/W VPDE ガスジェットスラスタ 衛星の力学的運動 SPSS:粗太陽センサ WDE:ホイール駆動回路 R/W:リアクションホイール VPDE:バルブ・パドル駆動回路 WDE 制御モード:定常制御 ホイール制御(アンローディング) ->定常制御 スラスタ制御(アンローディング) 地球センサ A (ESA A) 地球センサB (ESA B) 姿勢制御電子回路(AOCE) CPU 1 CPU 2 慣性センサ2 誘導計算機 制御装置1 (IOC1) 入出力ポート A ホイール駆動入出 力ポート A (GCC/RMOC (WDEポート A) 誘導計算機 ホイール駆動入出 力ポート B ホイール駆動回路 3 入出力ポートB (GCC/RMOC (WDEポート B) (APE1) アンテナ駆動回路 B (APE 慣性センサ3 (IRU 3) (SSPS1) パドル太陽 センサ2 (SSPS2) アナログ信号 入力ポート A (ADC ポートA) アナログ信号 入力ポートB (ADC ポートB) アンテナ・パドル 駆動ポートA (APM/PDM ポートA) アンテナ・パドル 駆動ポート B (APM/PDM ポート B) B) パドル駆動回路 A パドル駆動機構1 (PDE A) (PDM1) パドル駆動回路 B パドル駆動機構 2. (PDE B) (PDM2) バルブ駆動回路 A (VDE A) バルブ駆動回路B ホイール 3 (WDE3) アンテナ駆動回路 A (IRU 2) パドル太陽 センサ1 ホイール 2 駆動回路がオフされているのでホイール停止 入出力信号 (IOC2) ホイール 1 (WDE2) 慣性センサ1 (IRU 1) (WDE1) ホイール駆動回路 2 誘導計算機 (GCC) 入出力信号 制御装置 2 ホイール駆動回路 1 (VDE B) 31Rev でON状態(正常) 32RevAOSでステータス変化 オン->オフ オフ->オン 図-12 姿勢異常時の姿勢制御系機器のステータス変化 駆動ポートがオフされて いるので停止 ESA A/B PWR OFF 姿勢喪失 (ピッチ軸 回 り に 0.6deg/sec で回転) 誤推定角 に基づき スラスタ 噴射 ESA入力 -90deg 姿勢決定系 誤推定角出力 地球 プレゼンス 認識 定常制御 モード 継続 GCC/RMOCポート IOC切り替え ESA A OFF 信号送出 GCC/ RMOC ポート暴走 WDT エラー 発生 地上試験で暴走後の WDT エラーが発生し IRU角度増分 データ異常 発生原因判明 GCC/RMOC ポート等を切り替えることを確認 パドルFDIR発動 (ピッチ軸回りに回転 しているので誤差角 増大) パドル<->バッテリ と電源電圧が急激に 変動 (ノイズの増大) シングル イベント エラー 等 APM/PDM ポート 切り替え 姿勢 喪失 チェック APM/ PDM ポートB 系起動 できず WDE 2 PWR OFF スラスタ 制御移行 ACFS FDIR動作 アクチュエータ 管理 過大な ホイール 駆動指令 IRU角度増 分データ 異常 (スパイクノイ ズ) 確度の高い因果関係 ホイール FDIR が発動すると,他の 機器の異常チェックをスキップする 図-13 姿勢喪失にいたる事象の流れ 観測された事象