研究の目的 発表の構成 筑波大学理工学群社会工学類

日本地球惑星科学連合２００７年大会
J170-011
2007/5/20
研究の目的
GPS搭載PDAを利用した都市空間
計測演習プログラムの開発
日本地球惑星科学連合2007年大会 ＠幕張メッセ 国際会議場
平成19年5月20日 16:30 - 16:45
セッション：GIS（地理情報システム） J170-011
○
鈴木 勉 （筑波大学大学院システム情報工学研究科）
渡辺泰弘（筑波大学大学院システム情報工学研究科）
携帯端末を利用した空間データ取得方法の
開発
PDA (Personal Digital Assistants) 端末を使用し
た空間データ取得方法
空間データ取得の教育におけるPDA端末の利用
可能性
都市計画基礎教育への適用
学部（学類）レベル教育への適用可能性
コンテンツ開発
2
筑波大学理工学群社会工学類
発表の構成
筑波大学社会工学類都市計画専攻にお
けるGIS教育
講義・演習科目「都市データ分析」の内容
GPS搭載PDAを用いた演習の概要
学生の評価
成果と今後の課題
3
4
筑波大学理工学群社会工学類
都市計画専攻カリキュラム
GIS関連科目
学際分野
5
鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
6
1
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「都市データ分析」授業概要
都市データ分析 授業構成
都市・地域分析を行う際に必要なデータを用
いた現況の把握分析の方法を習得する．
（１）データによる都市把握と空間計測手法
（２）多変量解析の手法
受講生
主に社会工学類都市計画主専攻の２・３年生
約４０名
PDA使用方法
第７∼８週
第１∼３週
市区町村別社会経済データの
説明
市区町村別社会経済データを
用いる際の統計的諸問題市区
町村別社会経済データを用い
た実習
都市データ分析の準備
空間データを用いた回帰分析
都市空間の計測と把握
都市空間指標の計測
地区分類
空間統計学の基礎
クラスタリング
第９∼１０週
第４∼６週
学生が自主的に行えるようマニュアルを作成 7
各回７５分×２コマ＝１５０分
「都市データ分析」第４∼６週授業
内容
市街地空間を表す指標
都市空間の計測と把握
スケール，空間単位，現地踏査による1:2500
都市計画図を用いた空間計測
都市空間指標の計測
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棟数密度
単位当たり敷地面積に存在する建物棟数
建築面積
建物の水平投影面積
建蔽率，容積率（グロス/ネット），棟数密度，
道路率等の計算
地区分類
建築延床面積
各階の床面積の合計
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積の割合
クラスター分析，地区特性指標による地区分
類空間の把握
道路率
道路面積の対象地域面積に対する割合
10
11
墨田区東向島・京島
市街地空間を表す指標
容積率
建築物の延床面積の敷地面積に対する割合（延床面積率）．
建築物の規模とその地域の道路等の公共施設の整備状況とのバラ
ンスを確保すること等を目的として，都市計画区域内においては，建
築基準法の規制により，用途地域の種別および前面道路の幅員に
より，その最高限度が制限されている．
グロス容積率
建物の延床面積の合計を道路
等の公共用地を含めた全体面
積で除したもの．
ネット容積率
建物の延床面積の合計を道路
等の公共用地を除いた宅地合
計面積で除したもの．
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鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
13
2
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「都市データ分析」第４∼６週のねらい
墨田区東向島・京島
携帯端末を利用した空間データ取得方法
の開発
←GIS＋PDAによる
野外実習における適用
作業支援
市街地環境指標の計測
スケール感の体得
基礎指標の意味の理解
棟数密度：63.79棟/ha
建ぺい率：44.02％
計測方法の実践
GISによるデータ取得
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都市計画関連屋外情報の収集に関する既存研究
奥貫圭一・岡部篤行・崔 鳳文・丸山貴志子・谷崎正明・嶋田 茂
(1997)：モバイルGISを用いた都市調査実習の試み，地理情報システ
ム学会講演論文集，6,，51-56.
伊藤 悟・岡部篤行・奥貫圭一・東明佐久良・秋田義一・小坪宏則・大
喜多祐司・後藤 寛・金子忠明・足達俊雅・エリックバーズリー(1998)：
都市計画基礎調査におけるモバイルGIS利用の試み（その1），地理
情報システム学会講演論文集，7,137-140.
後藤 寛・伊藤 悟・岡部篤行・奥貫圭一・東明佐久良・秋田義一・小坪
宏則・大喜多祐司・金子忠明・足達俊雅・エリックバーズリー(1998)：
都市計画基礎調査におけるモバイルGIS利用の試み（その2），地理
情報システム学会講演論文集,7,293-296.
奥貫圭一，伊藤 悟，岡部篤行，金子忠明，後藤 寛，東明佐久良，立
松岳史，汐崎 剛(2000)：野外調査実習のための携帯型GISの開発，
地理情報システム学会講演論文集,9, 263-268.
森本健弘・村山祐司・大橋智美・新藤多恵子(2003)：GPSとGISを活用
した土地利用調査と分析，人文地理学研究，27，107-129．
森本健弘・村山祐司・近藤浩幸・駒木伸比古(2004)：行動地理学にお
けるGPS・GISの有用性ー野外実習を通じてー，人文地理学研究，28，
16
27-47．
使用機材
15
地図データの収集・加工
各種データ（茨城県つくば市）
Zmap-TownⅡつくば市
2500(Zenrin社)
データ形式
シェイプ・ファイル（Shp）
座標系：世界測地系（WGS84）
投影法：平面直角座標系（IV系）
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使用機材
GPS内臓PDA：MioP350(ハイテック社)
PDA：iPAQ hx4700（日本HP）
http://h50146.www5.hp.com/products/handhelds/pocketpc/hx4700/
http://www.mio-tech.jp/products/168.html
汎用的モバイル情報端末
OS：Windows Mobile 2003
モバイルナビゲーションシステム
OS: Windows Mobile 2003
GPS：CFGPS2（IODATA)
http://www.iodata.jp/prod/multimedia/gps/2003/cfgps2/index.htm
小型高感度GPSレシーバ
コンパクトフラッシュ
※平成１９年度より精度の高いGPSを搭載
したMioP350を6台追加し，受講生全員
がGPS搭載PDAを用いた演習が行えるよ
うにした．
→６名×７グループを編成
GPS内臓PDA：Mio168RS(ハイテック社)
http://www.mio-tech.jp/products/168.html
モバイルナビゲーションシステム
OS:Windows Mobile 2003
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鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
19
3
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屋外調査支援システム
PDAとGPSの連動
CFGPS2 ユーティリティ
復旧・復興支援活動（新潟県中越地震）
http://www.iodata.jp/support/info/2003/cfgps2utl.htm
ArcPAD上でGSPを起動
※Mio168RSについても同様
ユーティリティ画面
ESRIジャパンによる無償提供
https://www.esrij.com/solution/homelandsecurity/pos/index.shtml
動作環境：ArcPAD6.0.3・ArcGIS9.1
ArcPADのGPS画面
ポイント・ポリライン・ポリゴンデータの生成
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屋外調査支援システム：使用例
機能概要（ESRIジャパン社ホームページより）
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第４週：都市空間の計測と把握
現在位置情報の取得とポイントデータ追加
調査地区の建物属性の入力
⇒シェープ・ファイルとして保存される
⇒地図上に重ね合わせ表示可能
都市空間の計測と把握
高さ：三井ビル・展望塔（松見公園）
対象街区：さくら団地・竹園二丁目
計測：街区面積（m2），建ぺい率（％），容積率
（％），道路率（％），階数，座標(GPSを用いた
現在地の把握)
推測：世帯数（戸），人口（人），面積（m2）
(i)ポイントの追加
(ii)階数の入力
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第４週：都市空間の計測と把握
第４週：都市空間の計測と把握
位置情報の取得とポイントデータ追加
地図データ
Zmap-TownⅡ つくば市 2500
種類：センター地区，大学地区，竹
園周辺（A地区，B地区，C地区，D
地区）
道路，道路補助線，建物データを
抽出
編集したデータをArcPad上で起動
できるように変換，配布
位置情報の取得
ポイントデータの
追加
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鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
23
25
4
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第４週：都市空間の計測と把握
第４週：都市空間の計測と把握
位置情報の取得と距離計測
階数情報の入力
位置情報の取得
対象物までの距離計算．
編集可能に
チェックを入れる．
計測位置を取得．
ポイントを追加．
26
27
第４週：都市空間の計測と把握
第４週：都市空間の計測と把握
実習の様子
日時：2006年5月11日 16時頃 曇り
アンケート実施
日時：2006年6月22日
対象：都市データ分析受講者 有効回答数 32
(2年27人，3年2人，4年3人)
内容：GPSの認知度，計測作業について
28
29
GPSの利用
GPS認知度
問2.3 GPSの利用と聞い
て思い出すものは何か．
(複数回答可)
問2.2 授業以前にGPS
を用いたことがあるか．
ある
9%
35
30
人
25
19
15
10
1
0
５ ．大 変 使 い に く い
４ ．使 い に く い
３ ．ど ち ら と も い え な い
２ ．使 い や す い
0
1
0
１ ．大 変 使 い や す い
７ ．そ の 他
６ ．感 染 症 調 査
５ ．都 市 イ ン フ ラ の 管 理
30
2
2
道 路 長 ・面 積 の 計 測
0
3
建 物 周 長 ・面 積 の 計 測
0
4
街 区 周 長 ・面 積 の 計 測
0
４ ．防 犯 シ ス テ ム
鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
３ ．森 林 等 の 環 境 調 査
ない
91%
２ ．携 帯 で の 地 図 利 用
１ ．カ ー ナ ビ
0
2
6
5
建 物 属 性 ︵階 数 ，用 途
な ど ︶の 入 力
5
人
6
歩 行 軌 跡 の取 得
5
問4.3 PDAは使いや
すかったか．
7
位 置 情 報 の把 握
132
130
128
126
124
122
120
118
116
114
112
30
20
GPSによる計測作業
問3.3 GPSを用いて授業
でやるべき調査，または
やってみたい調査は何か．
31
5
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GPSによる計測作業
GPSによる計測作業
問4.4 GPSの感度(位
置情報の取得)はどう
だったか．
人
4
4
7
5
4
問4.6 GPSを搭載したPDA
を用いて現地調査を行う上
でデメリットと感じるものは
何か？(複数回答可)
5
6
6
1
5
4
4
4
3
3
3
3
2
2
32
第５週：都市空間指標の計測
３ ．起 動 に 時 間 が か か
る
２ ．操 作 の 困 難 さ
１ ．位 置 情 報 の 不 安 定
さ
0
３ ．地 理 情 報 の 更 新 が 容
易
1
0
２ ．紙 地 図 が 不 必 要
1
１ ．位 置 情 報 の 取 得
５ ．大 き な 誤 差 が あ
る
４ ．誤 差 が あ る
３ ．ど ち ら と も い え
ない
２ ．正 確 で あ る
１ ．大 変 正 確 で あ る
4.5
4
3.5
3
2.5
2
1.5
1
0.5
0
問4.5 GPSを搭載した
PDAを用いて現地調査を
行う上でメリットと感じるも
のは何か？(複数回答可)
33
座標データ
面積の計測：各手法ごとに3回行い平均を
取る
座標法 ⇒Zmapから座標データを作成
計測項目
街区レベル
• 総土地面積（道路含まず）（m2）
• 総土地面積（道路含む）（m2）
• 総建築面積（m2）
• 総道路面積（対象地区）（m2）
• 道路率（%）
• 建物棟数（棟）
• 棟数密度（棟/ha）
• 地区建ぺい率（%）
地区レベル
• 総土地面積（道路含む）（m2）
• 総延べ床面積（m2）
• 総人口（人）
• 人口密度（人/ha）
• グロス容積率（%）
建物レベル
• 建築面積（m2）
• 階数
• 延べ床面積（m2）
35
第６週：地区分類
36
第６週：地区分類・回答例
クラスター分析による地区分類
統計処理ソフトSPSSによるデンドログラム
東京都２３区内町丁目
指標
•
•
•
•
•
•
•
•
•
市街地面積(㎡)
建ぺい率
道路率
木造棟数
建物棟数
延べ床面積(㎡)
世帯数
夜間人口
昼間人口
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鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
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6
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成果と検討課題
GPS搭載PDAによる作業
→ GISの基本的機能の修得と都市計画分野で
必要な地理情報の理解の促進
取得した座標データの演習内での活用
各学生のグループ内での役割分担の明確化
他の学類におけるカリキュラムとの連動やスタッフとの協
力
データや支援ツールの共有化
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鈴木勉・渡辺泰弘（筑波大学）
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