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東海大学電子計算センター

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東海大学電子計算センター
注意事項
このテキストは、講座開講時(1998年度)の電子計算センターのサービス内容
に基づいて書かれています。したがって、現在は記載されている内容のとおり
に操作できない場合がありますので、ご注意下さい。
東海大学電子計算センター
目次
1
2
3
4
5
6
7
8
TEX 入門
–1–
1.1 TEX とは何か . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –1–
1.2 TEX はじめの一歩 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –1–
LATEX ソースファイルの始めと終わり
–6–
文書の構成
–8–
3.1 タイトル, 著者名, 要旨 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –8–
3.2 章 ( Chapter ) , 節 ( Section ) など . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –9–
–10–
文書の整形
文字の装飾
5.1 文字の大きさ . . . . . .
5.2 文字の書体 . . . . . . . .
5.3 文字をそのまま出力する
5.4 空白の取り扱い . . . . .
5.5 改行の取り扱い . . . . .
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–11–
. –11–
. –11–
. –13–
. –13–
. –13–
特殊文字の書き方
–15–
6.1 特殊な文字列の書き方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –15–
6.2 アクセントや記号の書き方 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –15–
–17–
箇条書き
数式
8.1 数式モード (環境) . . . . . .
8.2 基本的な数式 . . . . . . . .
8.2.1 肩文字と添字 . . . .
8.2.2 分数 . . . . . . . . .
8.2.3 ルート . . . . . . . .
8.3 いろいろな数式要素 . . . . .
8.3.1 数学記号 . . . . . . .
8.3.2 算術関数 . . . . . . .
8.3.3 ギリシャ文字 . . . .
8.3.4 演算子 . . . . . . . .
8.3.5 矢印 . . . . . . . . .
8.3.6 省略記号 . . . . . . .
8.3.7 いろいろな記号 . . .
8.3.8 数学記号のアクセント
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–20–
. –20–
. –21–
. –21–
. –21–
. –22–
. –22–
. –22–
. –23–
. –23–
. –24–
. –24–
. –25–
. –25–
. –25–
9
8.4
8.3.9 上、下の線 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –26–
8.3.10 括弧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –26–
行列 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –27–
表
9.1
9.2
9.3
–29–
罫線のない表 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –29–
罫線の引きかた . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –29–
項目のタイトル . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . –31–
10 PostScript 形式の図を取り込む
–33–
–ii–
1
TEX 入門
1.1
TEX とは何か
TEX は、パーソナルコンピュータや UNIX ワークステーションでよく使われる組版 (く
みはん) ソフトウエアです。
テキストファイルを読み込んで、印刷に適した DVI(DeVice Independent) ファイルを
作ってくれます。
TEX の特徴として、
• UNIX マシンから Windows, MS-DOS, Mac まで多くのコンピュータで使える。
• 数式の表現に強い。
• 章や節、表や図の番号を適切かつ自動的にふってくれる。
• 目次の作成、表や図の一覧がコマンド一つで作成できる。
• テキストファイルで書かれているため、どのような表現を行っているかが見通しや
すい。
• その多くは無料で手に入れることができる。
などがあります。
これらの特徴は、論文などの長い文書を書くには最適ですが、数ページで済むような文
書はワープロで描いた方が楽でしょう。
なお、TEX は、アメリカの数学者、コンピュータ学者である Donald E. Kunth が自らの
論文を作成するために作成しました。
また、その柔軟な拡張性から、多くの派生型が作られています。
この講座では、TEX の中でも LATEX(日本語 LATEX) を使って文書を作成する方法を説明
します。
1.2
TEX はじめの一歩
日本語 LATEX を使って文書を作るには、図 2 のような流れの作業が必要になります。
網かけの部分は後半で説明します。
Step.0 ログイン・ログアウト 今回、日本語 LATEX で文書を作成するには、ワークステー
ションを使用します。ワークステーションを使用するためには、ログイン・ログアウ
トという手順が必要になります。
ログイン: 電源が入っているワークステーションで、図 3 のようにログイン名とパ
スワードを入力します。図 4 のような画面になります。
–1–
ログアウト: 画面右上の「logout」ウインドウをクリックするとログアウトします。
Step.1 ソースファイルの作成 LATEX では、文書をエディタを使い、 LATEX ソースファイ
ルとして作成します。
ソースファイル: ここで、\は、使用する環境によっては、Yと表示されることもあ
りますが、LATEX では、同じ扱いになります。
¶
³
\documentstyle{jarticle}
\title{ \TeX の文書 }
\author{ 東海太郎 }
\date{ \today }
\begin{document}
\maketitle
はじめて \TeX を使います。
\end{document}
µ
´
エディタ ソースファイルを作成するエディタとして、ng を使います。編集を始める
には、以下のコマンドを入力して下さい。
¶
³
ng hello.tex
µ
´
操作方法については、図 5 を参照してください。
Step.2 コンパイル LATEX のソースファイルを DVI ファイルにするためにコンパイルを行
います。コンパイルをするには、以下のコマンドを入力してください。
¶
³
ajlatex hello.tex
µ
´
Step.3 DVI ファイルのプレビュー コンパイルが、正常に終了すると、DVI ファイルが作
られます。これを、印刷する前に画面上で確かめる作業をプレビューと言います。
DVI ファイルのプレビューには、以下のコマンドを入力してください。
¶
³
xdvi hello.dvi
µ
´
Step.4 DVI ファイルの印刷 プレビューした DVI ファイルを印刷します。
以下のコマンドを入力してください。
¶
³
lpr -d hello.dvi
µ
´
–2–
ここで、-d を付けずに印刷してしまうと意味不明の文字列がプリンタに出力されて
しまいます。
紙と時間の無駄になりますので気を付けましょう。
–3–
TeX
マクロパッケージ
による拡張
LaTeX
AMS-TeX
AMS-LaTeX
LaTeX2ε
…などなど
図.1 TeX の派生
1
ソースファイルの作成
ng
TeX ソースファイル
(∼.tex)
2
4
DVI ファイル印刷
コンパイル
lpr -d
ajlatex
DVI ファイル
(∼.dvi)
3
5
DVI ファイルプレビュー
PostScript 変換
dvi2ps
xdvi
PostScript ファイル
(∼.ps)
6
順序
処理
PostScript プレビュー
コマンド
ghostview
ファイルの種類
7
PostScript 印刷
凡例
lpr -c
図2 文書作成の流れ
-4-
ews
login
ログイン名を小文字で
入力する。
g201
パスワードを入力する。
画面には表示されない。
Password:
図.3 ログイン手順
図.4 ログイン直後の状態
終了
CTRL+X
CTRL+C
カーソルの移動
BS
文字の削除
ng の操作方法
アルファベットが
入力できる状態
漢字・ひらがなが
XFER
入力できる状態
ひらがなから漢字へ
漢字の入力方法
スペースキー
図.5 エディタの操作方法
-5-
2
LATEX ソースファイルの始めと終わり
LATEX ソースファイルは、次のような構成になっています。
¶
³
\documentstyle{ 文書スタイル }
\begin{ document }
文書の内容
\end{ document }
µ
´
LATEX ソースファイルは、必ず \documentstyle から始まります。ここで、文書のスタ
イルを宣言します。この文書のスタイルには、次のようなものがあります。
book , jbook book は英語のとき、jbook は日本語のときに使用します。このスタイルは
本のスタイルで、奇数ページヘッダにはセクション数とセクション名が左側に、ペー
ジ数が右側に出ます。偶数ページヘッダにはページ数が左側に、章名が右側に出ま
す。文書の構造は、必ず章 ( Chapter ) から始めなくてはなりません。
report , jreport report は英語のとき、jreport は日本語のときに使用します。ページ
数はフッタの中央に出ます。文書の構造は、必ず章 ( Chapter ) から始めなくてはな
りません。
article , jarticle article は英語のとき、jarticle は日本語のときに使用します。ページ
数はフッタの中央に出ます。文書の構造は、節 ( Section ) から始めることができま
す。このスタイルが最もよく使われているスタイルでしょう。
実際のソースファイルでは、上の「文書の内容」の部分に、文書の構造を示すものが入っ
てきます。文書の構造については、ここではあまり気にしなくて構いません。
例えば このテキストの始めの部分は、次のようになっています。
¶
³
\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
\section{ \LaTeX ソースファイルの始めと終わり }
\LaTeX ソースファイルは、次のような構成になっています。
(以下続く)
µ
´
もちろん、ソースファイルの終わりには、\end{document} が書かれています。
例題
以下の形式にしたがって、自己紹介を LATEX で作成してください。
• 文書スタイルは、jaticle 。
–6–
• 1節は、名前。
• 2節は、住所。
• 3節は、生年月日。
• 4節は、所属学科。
LATEX ソースファイルは、以下のようになります。
¶
³
\documentstyle{jarticle}
\begin{document}
\section{名前}
東海 太郎
\section{住所}
神奈川県平塚市北金目 1117
\section{生年月日}
1998 年 1 月 13 日
\section{所属}
東海大学電子計算センター
\end{document}
µ
´
–7–
3
文書の構成
私たちが普段手にする文書の多くは、以下のような構成になっています。
• タイトル
• 著者名 ( 作者名 )
• 要旨 ( abstract )
• 章 ( Chapter) や 節 (Section) などに区切られた本文。
これらの構成を LATEX で作成する方法を説明します。
3.1
タイトル, 著者名, 要旨
タイトル, 著者名は、以下のコマンド内に記述します。
\title { タイトル } タイトルが長くて1行に収まらない場合、自動的に改行されますが、
改行する位置を指定する場合には、\\ を使用します。
\author { 著者名 } 著者が複数の場合、\and コマンドを使用します。
\date { 日付 } 日付が省略され \date コマンドのみの場合には、そのファイルが LATEX
でコンパイルされた日付が入ります。
これらの指定は通常 \documentstyle 行の直後に行っておき、文書中で\maketitle コ
マンドを使用した場所に挿入します。もちろん、全ての項目を指定する必要はありません。
タイトルだけを指定しても構いません。
要旨 (abstract) を記述する場合には、abstract 環境を使用します。
¶
³
\begin{abstract}
論文の要旨
\end{abstract}
µ
´
この abstract 環境は、book, jbook スタイルでは使用できないので注意してください。
タイトル、著者名、要旨などの内容を1ページに収める場合には、titlepage 環境を使用
します。
¶
³
\begin{titlepage}
\maketitle
\begin{abstract}
論文の要旨
\end{abstract}
\end{titlepage}
µ
´
–8–
この titlepage 環境を使用した場合、タイトルページに対してもページ数がカウントさ
れてしまいます。カウントされないようにするためには、\maketitle コマンドに続けて、
\thispagestyle{empty} と記述します。
3.2
章 ( Chapter ) , 節 ( Section ) など
LATEX では、文書の構造として次のようなものを使用することができます。
\part
\chapter
\section
\subsection
\subsubsection
\paragraph \subparagraph
これらのコマンドは次のように使用します。
¶
³
\section{ 節 ( Section ) の名前 }
節の内容・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
µ
´
もちろん、\section よりも前に \subsection を使うことはできません。
さて、コマンドでは章や節の数字を指定していませんが、これは LATEX が自動的にコマ
ンドの出てきた順番に数字を付けてくれます。
–9–
4
文書の整形
ここでは文書の整形として、文章の左揃え・中央揃え・右揃えの方法を説明します。そ
れぞれの環境は、次の通りです。
左寄せ
センタリング
右寄せ
\flushleft
\center
\flushright
これらの環境は次のように使用します。
¶
³
\begin{center}
ここに囲まれた範囲が、中央揃えになります。
\end{center}
µ
´
課題
以下のような形式で、企業への資料請求の文書を作成してください。
• 文書スタイルは、jarticle 。
• 1行目に、右揃えで今日の日付。
• 2行目と3行目には、問い合わせ先の企業名を左揃えで記述。
「株式会社 東海商事 総務部人事課新規採用係」
• 4行目と5行目には、自分の所属と名前を右揃えで記述。
• 6行目に、中央揃えで「資料請求送付のお願い」と記述。
• 7行目からは、自由な文章で企業へのあいさつ文を記述。
• 文章の最後の部分には、中央揃えで「記」、続けて資料の送付先を記述。
–10–
5
文字の装飾
5.1
文字の大きさ
文字の大きさを変える場合には、基本となる文字の大きさよりも大きくする/小さくする
といったように、 相対的な指定 で行います。この基本となる文字の大きさは、 文書の先
頭で宣言している\documentstyle で指定することができます。
¶
³
\documentstyle[12pt]{jarticle}
µ
´
このように指定をすると、基本となる文字の大きさは 12 ポイントになります。またこの
指定を省略した場合、基本となる文字の大きさは 10 ポイントになります。
文字の大きさとして指定できる相対的な大きさは、次の通りです。
\Huge
\huge
\LARGE
\Large
\large
\normalsize
\small
\footnotesize
\scriptsize
\tiny
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
東海大学 Tokai University
指定する方法は、次の通りです。
¶
³
{\huge 文字を大きくする。}
µ
5.2
´
文字の書体
文字の書体は、アルファベットと日本語とで、使用できる種類が異なります。それぞれ
で使用できる種類とその例を次に示します。
–11–
Roman type
Bold type
Sans serif type
Slanted type
Italic type
Typewriter type
Small caps type
強調
明朝体
ゴシック体
\rm Shonan Campus
\bf Shonan Campus
\sf Shonan Campus
\sl Shonan Campus
\it Shonan Campus
\tt Shonan Campus
\sc Shonan Campus
\em Shonan Campus
\mc 湘南校舎
\gt 湘南校舎
指定する方法は、次の通りです。
¶
³
{\it Italic type.}
µ
´
ただし、強調 (\em) は、文字列を強調表示するという機能であって、実際の表示に使わ
れる書体は、切り替える前に使っていた書体により異なりますので、注意してください。
更に、文字の大きさと書体の両方を指定する場合には、先に文字の大きさを指定しなけ
ればなりません。例えば、文字の大きさを \huge にし、更に書体を Bold type にする場
合、次のような指定になります。
¶
³
{\huge {\bf A huge bold strings.}}
µ
´
例題
以下のような文章を書いてください。
• 文字の大きさを Huge にして、自分の名前を書く。
• 文字の書体を Itaric にし、Tokai University と書く。
• ”Mr.Paul is very tall.”という文の”tall”だけを Large サイズにして書く。
LATEX ソースファイルは、以下のようになります。
¶
³
{\Huge 東海 太郎}
{\it Tokai University.}
Mr.Paul is very {\Large tall}.
µ
´
–12–
5.3
文字をそのまま出力する
LATEX では、\ や { , } などの記号は特定の意味を持っているため、そのまま文中に書い
ても出力されません。このような文字を出力するためには、\ に続けてその文字を記述し
ます。また、後述する\verb を使っても出力することができます。このような方法で出力
する特別な文字は、以下のものです。
#
$
%
&
{
}
ˆ ˜
また、LATEX の中で最もよく使う記号 \ は、$\backslash$ と記述します。
C 言語のプログラムのように、{ , } 等の文字が沢山出てくる文書を出力したい場合に
は、文字をそのまま出力するという verbatim 環境を使います。
¶
³
\begin{verbatim}
\ も { , } も、そのまま表示されます。
\end{verbatim}
µ
´
また、この verbatim 環境では、自動的に書体が Typewriter type に切り替わります。
文章中で、 verbatim 環境を使いたい場合には、\verb を使用します。\verb の次にス
タートとする 1 文字、続けて文字列、最後にスタートとして使用した文字を書きます。例
えば、
¶
³
\verb+ { ^ ^ } +
µ
´
と書いた場合、+ がスタートとした文字になります。
5.4
空白の取り扱い
LATEX のソースファイル中では、文章中に空白を空けても自動的に詰められてしまいま
す。文章中に意図的に空白を入れたい場合には、\ に続けて空白を書きます。ただし、こ
の方法で入力できる空白は 1 つです。
また、前述の文字をそのまま出力する環境である verbatim では、空白をそのまま空白と
して出力しますが、プログラムなどを出力する場合、verbatim* 環境を使うと、空白の部
分を Ã として出力します。これは、\verb についても、同様な使い方ができます。\verb
の代わりに \verb* を使うと、空白を Ã として出力します。
5.5
改行の取り扱い
通常、改行 (段落分け) は 1 行以上の空白行で示します。普通の文章のように、1 回改行
しただけでは、文章はそのまま続けて出力されてしまいます。また、\\ と書いても改行さ
れます。
–13–
例題
以下のような文章を書いてください。
EWS で、LATEX のソースファイルをコンパイルするためには、ajlatex コマンドを使用
します。
ソースファイル名を sauce.tex とすると、実際のコマンドは次のようになります。
%ÃajlatexÃsauce.tex
LATEX ソースファイルは、以下のようになります。
¶
³
{\it EWS}で、\LaTeX のソースファイルをコンパイルするためには、{\tt ajlatex}
コマンドを使用します。
ソースファイル名を {\tt sauce.tex}とすると、実際のコマンドは次のようになりま
す。
\begin{verbatim*}
% ajlatex sauce.tex
\end{verbatim*}
µ
´
–14–
6
特殊文字の書き方
6.1
特殊な文字列の書き方
LATEX では、次のような特殊な文字列を出力するコマンドがあります。
\LaTeX 「 LATEX」と出力されます。ただし、最後の X の後にアルファベットが続く場
合には、\LaTeXÃ という様に、空白を空けないと、文字が繋がってしまうので注意
が必要です。
\TeX
「 TEX」と出力されます。こちらも、最後の X の次にアルファベットが続く場合
には、注意が必要です。
\today LATEX のソースファイルをコンパイルした日付が入ります。日付のフォーマット
は、「 平成 14 年 12 月 12 日」になります。\西暦\today とすると、「 2002 年 12 月
12 日」と出力されます。
\ldots
6.2
「 . . . 」と出力されます。
アクセントや記号の書き方
次のように書くことで、アクセントや記号を出力することができます。
ó
ö
ȯ
ő
o̧
\’{o}
\"{o}
\.{o}
\H{o}
\c{o}
œ
Æ
ø
L
Ã
¡
†
¶
\dag
\P
\oe
\AE
\o
\L
!‘
‡
c
°
ò
õ
ŏ
ǒ
o.
\‘{o}
\~{o}
\u{o}
\v{o}
\d{o}
Œ
å
Ø
ß
ô
ō
oÄ o
oo
¯
\OE
\aa
\O
\ss
\dag
\copyright
–15–
\^{o}
\={o}
\t{oo}
\b{oo}
æ
Å
Ãl
¿
\ae
\AA
\l
?‘
§
£
\S
\pounds
課題
次のような文書を LATEX で作成してください。
プログラミング言語 C ,FORTRAN の比較
プログラム例 : 2 つの数値をキーボードから読み込み、その和を出力する。
FORTRAN の場合 . . .
ÃÃÃÃÃÃPROGRAMÃPLUS
ÃÃÃÃÃÃINTEGERÃA,B
ÃÃÃÃÃÃREAD(*,*)ÃA,B
ÃÃÃÃÃÃWRITE(*,*)ÃA+B
ÃÃÃÃÃÃSTOP
ÃÃÃÃÃÃEND
C の場合 . . .
#include<stdio.h>
main()
{
ÃÃÃintÃa,b;
ÃÃÃscanf("%dÃ%d",&a,&b);
ÃÃÃprintf("%d\n",a+b);
}
–16–
7
箇条書き
LATEX で使用できる箇条書きには、次の3つの種類があります。
itemize 項目の先頭に点を付けた箇条書きです。
enumerate 項目の先頭に数字を振った箇条書きです。
description 項目の先頭にラベルを付けた形の箇条書きです。
例えば、上の説明で使用している箇条書きは description で、LATEX ソースファイルは、
次のようになっています。
¶
³
\begin{description}
\item[itemize] 項目の先頭に点を付けた箇条書きです。
\item[enumerate] 項目の先頭に数字を振った箇条書きです。
\item[description] 項目の先頭にラベルを付けた形の箇条書きです。
\end{description}
µ
´
itemize 環境と enumerate 環境では、箇条書き内で更に箇条書きをすることができます。
このとき、階層が深くなるごとに項目の先頭に付けられるマークは変わります。階層は最
大で4階層目まで深くすることができます。
itemize 環境は次のような感じになります。
• 箇条書きをすると、このように先頭に印がつきます。
• 階層を深くしてみましょう。
– 先頭の印が変わります。
– 更に深くしてみましょう。
∗ 更に先頭の印が変わります。
– 箇条書きは使いすぎると見にくくなりますが、
• 便利な機能ですね。
LATEX ソースファイルは次のようになります。
–17–
¶
³
\begin{itemize}
\item 箇条書きをすると、このように先頭に印がつきます。
\item 階層を深くしてみましょう。
\begin{itemize}
\item 先頭の印が変わります。
\item 更に深くしてみましょう。
\begin{itemize}
\item 更に先頭の印が変わります。
\end{itemize}
\item 箇条書きは使いすぎると見にくくなりますが、
\end{itemize}
\item 便利な機能ですね。
\end{itemize}
µ
´
enumerate 環境は次のような感じになります。
1. 箇条書きをすると、このように先頭に数字が振られます。
2. 階層を深くしてみましょう。
(a) 先頭の数字がアルファベットに変わります。
(b) 更に深くしてみましょう。
i. 更に先頭の数字が変わります。
(c) 箇条書きは使いすぎると見にくくなりますが、
3. 便利な機能ですね。
LATEX ソースファイルは次のようになります。
¶
³
\begin{enumerate}
\item 箇条書きをすると、このように先頭に数字が振られます。
\item 階層を深くしてみましょう。
\begin{enumerate}
\item 先頭の数字がアルファベットに変わります。
\item 更に深くしてみましょう。
\begin{enumerate}
\item 更に先頭の数字が変わります。
\end{enumerate}
\item 箇条書きは使いすぎると見にくくなりますが、
\end{enumerate}
\item 便利な機能ですね。
\end{enumerate}
µ
´
–18–
課題
次のような文章を作成してください。
好きなもの わたしが好きなのは... みかん、休みの日、晴れの日
嫌いなもの わたしが嫌いなのは... チーズ、渋滞、大雪
–19–
8
数式
数式を文章の中で使う方法として、大きく2種類の方法があります。
• インライン数式
• ディスプレイ数式
たとえば、y = x(2−n) などと文のなかに数式を展開するものをインライン数式 と言い、
y = x(2−n)
などと文書とは独立した段落に数式を展開するものをディスプレイ数式 と言います。ディ
スプレイ数式には、式番号を自動的に生成することもできます。
8.1
数式モード (環境)
文章をセンタリングしたり、項目を箇条書きにしたりする時に、コマンドを書いたり、
その部分だけ環境を変えて書きました。
数式の場合も、インライン数式、ディスプレイ数式それぞれに次のような環境がありま
す。一つの環境に複数の書き方がある場合、どれを使ってもかまいません。
• インライン数式環境
– $ 数式 $
– \( 数式 \)
– \begin{math} 数式 \end{math}
• ディスプレイ数式環境
– \[ 数式 \]
– \begin{displaymath} 数式 \end{displaymath}
• ディスプレイ数式環境 (式番号付き)
– \begin{equation} 数式 \end{equation}
なお、数式環境では、スペース (空白) は、いくら入力しても出力されません。
たとえば、$
x
+
y
$と入力しても、$x+y$と入力しても結果は同じ
です。
–20–
8.2
基本的な数式
8.2.1
肩文字と添字
肩文字は、^ コマンドで、添字は、_ コマンドで出力できます。
• ^ コマンドの例
¶
³
\[ x^y \]
µ
´
xy
• _ コマンドの例
¶
³
\[ x_y \]
µ
´
xy
8.2.2
分数
/を使う方法と、\frac を使う方法があります。
文中で簡単に書く場合は、/コマンドを使い、ディスプレイ数式の場合は、\frac をつか
うといいでしょう。
• / コマンドの例
¶
³
\[ (x+y)/(x-y) \]
µ
´
(x + y)/(x − y)
• \frac コマンドの例
¶
³
\[ \frac{(x+y)}{(x-y)} \]
µ
´
(x + y)
(x − y)
–21–
8.2.3
ルート
平方根は、\sqrt コマンドを使います。n 乗根は、\sqrt[n] コマンドを使います。
• \sqrt コマンドの例
¶
³
\[ \sqrt{ x + y + z } \]
µ
´
√
x+y+z
• \sqrt[n] コマンドの例
¶
³
\[ \sqrt[3]{ x + y + z } \]
µ
´
√
3
x+y+z
例題
次の数式を書いてみてください。
s
zn =
zn−1 +
x2n + yn2
xn − y n
ソースファイルは、次のようになります。
¶
³
\[
z_n = \sqrt{ z_{n-1} + \frac{ x_n^2 + y_n^2 }{ x_n - y_n } }
\]
µ
8.3
´
いろいろな数式要素
基本的な数式以外に各種の記号を出力したり、行列を出力したりすることができます。
8.3.1
数学記号
出力できる数学記号には次のものがあります。
P
Q
`
R
H
\sum
\prod
\coprod
\int
\oint
T
S
F
W
V
\bigcap
\bigcup
\bigsqcup
\bigvee
\bigwedge
–22–
J
N
L
U
\bigodot
\bigotimes
\bigoplus
\biguplus
ただし、数学記号を使う場合には、インライン数式とディスプレイ数式では、出力され
る結果がことなります。
P
インライン数式では、 pj=1 ai と表示され、ディスプレイ数式では、
p
X
ai
j=1
と表示されます。
8.3.2
算術関数
算術関数 (例えば、sin , cos のようなものの場合、数式モードのなかで、ただ単に、log
x としたのでは、logx と表示されてしまい、変数との区別がつきません。
そこで、これらの関数の場合は、\sin x などと指定します。
指定できる関数などについては、以下の種類があります。
\arccos
\cosh
\exp
\lim
\sec
\hom
8.3.3
\arcsin \arctan \cos
\sinh
\tanh
\cot
\log
\lg
\min
\limsup \liminf \sup
\deg
\arg
\ker
\dim
\inf
\tan
\sin
\coth
\max
\Pr
\gcd
\det
ギリシャ文字
ギリシャ文字は、大文字の場合は、以下の 11 文字について別の字体が用意されていま
すが、そのほかについては、英語のアルファベットの大文字と同じなので用意されていま
せん。
大文字
Γ
∆
Θ
\Gamma
\Delta
\Theta
Λ \Lambda
Ξ \Xi
Π \Pi
Σ \Sigma
Υ \Upsilon
Φ \Phi
Ψ
Ω
\Psi
\Omega
小文字
α
²
θ
λ
o
%
υ
ψ
\alpha
\epsilon
\theta
\lambda
o
\varrho
\upsilon
\psi
β
ε
ϑ
µ
π
σ
φ
ω
\beta
\varepsilon
\vartheta
\mu
\pi
\sigma
\phi
\omega
–23–
γ
ζ
ι
ν
$
ς
ϕ
\gamma
\zeta
\iota
\nu
\varpi
\varsigma
\varphi
δ
η
κ
ξ
ρ
τ
χ
\delta
\eta
\kappa
\xi
\rho
\tau
\chi
8.3.4
演算子
LATEX では、各種の演算子、関係演算子が使用できます。
演算子
±
∗
·
u
\
5
¤
ª
°
\pm
\ast
\cdot
\sqcap
\setminus
\bigtriangledown
\rhd
\ominus
\bigcirc
∓
?
∩
t
o
/
£
⊗
†
\mp
\star
\cap
\sqcup
\wr
\triangleleft
\unlhd
\otimes
\dagger
×
◦
∪
∨
¦
.
¥
®
‡
\times
\circ
\cup
\vee
\diamond
\triangleright
\unrhd
\oslash
\ddagger
÷
•
]
∧
4
¢
⊕
¯
q
\div
\bullet
\uplus
\wedge
\bigtriangleup
\lhd
\oplus
\odot
\amalg
関係演算子
≤
≺
⊂
¿
<
∈
⊥
∼
∼
=
8.3.5
\leq
\prec
\subset
\ll
\sqsubset
\in
\perp
\sim
\cong
≥
Â
⊃
À
=
3
|
'
6
=
\geq
\succ
\supset
\gg
\sqsupset
\ni
\mid
\simeq
\neq
≡
¹
⊆
`
v
^
k
³
.
=
矢印
矢印は、以下の種類が使えます。
–24–
\equiv
\preceq
\subseteq
\vdash
\sqsubseteq
\smile
\parallel
\asymp
\doteq
|=
º
⊇
a
w
_
∝
≈
\models
\succeq
\supseteq
\dashv
\sqsupseteq
\frown
\propto
\approx
←
⇐
→
⇒
↔
⇔
7→
←(
)
*
)
8.3.6
\leftarrow
\Leftarrow
\rightarrow
\Rightarrow
\leftrightarrow
\Leftrightarrow
\mapsto
\hookleftarrow
\leftharpoonup
\leftharpoondown
\rightleftharpoons
←−
⇐=
−→
=⇒
←→
⇐⇒
7−→
,→
*
+
;
\longleftarrow
\Longleftarrow
\longrightarrow
\Longrightarrow
\longleftrightarrow
\Longleftrightarrow
\longmapsto
\hookrightarrow
\rightharpoonup
\rightharpoondown
\leadsto
↑
⇑
↓
⇓
l
m
%
&
.
-
\uparrow
\Uparrow
\downarrow
\Downarrow
\updownarrow
\Updownarrow
\nearrow
\searrow
\swarrow
\nwarrow
省略記号
省略記号としては、以下のものが使えます。
...
8.3.7
..
. \vdots
\ldots
...
\ddots
···
\cdots
∞
2
3
4
♣
♦
♥
♠
\infty
\Box
\Diamond
\triangle
\clubsuit
\diamondsuit
\heartsuit
\spadesuit
いろいろな記号
その他の記号として、次のものが使用できます。
ℵ
h̄
ı

`
℘
<
=
0
8.3.8
\aleph
\hbar
\imath
\jmath
\ell
\wp
\Re
\Im
\mho
0
∅
∇
√
6
>
⊥
k
\prime
\emptyset
\nabla
\surd
\top
\bot
\Vert
\angle
∀
∃
¬
[
\
]
\
∂
\forall
\exists
\neg
\flat
\natural
\sharp
\backslash
\partial
数学記号のアクセント
数学で使用するアクセントとして、次のものが使えます。
â \hat{a}
ǎ \check{a}
ă \breve{a}
á \acute{a} ā \bar{a}
à \grave{a} ~a \vec{a}
ã \tilde{a}
–25–
ȧ \dot{a}
ä \ddot{a}
8.3.9
上、下の線
数式モードの中でも、文字や式の上下に線を引くことができます。
abcdef
8.3.10
\overline{abcdef}
ABCDEF
\underline{ABCDEF}
括弧
数式で使える括弧には、以下の種類があります。
(
[
{
b
d
h
/
k
(
[
\{
\lfloor
\lceil
\langle
/
\|
)
]
}
c
e
i
\
)
]
\}
\rfloor
\rceil
\rangle
\backslash
↑
↓
l
⇑
⇓
m
|
\uparrow
\downarrow
\updownarrow
\Uparrow
\Downarrow
\Updownarrow
|
これらは、\left や\right に付けることで式や行列の大きさに応じて大きさが変化し
ます。
¶
³
y = \left( \frac{1}{x} \right)^{\frac{1}{2}}
µ
´
µ ¶1
y=
1
x
2
¶
³
y = \left( \frac{1}{ a + \frac{1}{ a + \frac{1}{x} } }
^{\frac{1}{2}}
\right)
µ
´

1
1

y=
a + a+1 1
2
x
例題
次にあげる数式を書いてみてください。
m
X
f˜(xj ) = f˜(x1 ) + f˜(x2 ) + · · · + f˜(xm ) = 1
j=1
–26–
(1)
¶
³
\sum_{j=1}^{m} \tilde{f}(x_{j})
= \tilde{f}(x_{1})
+ \tilde{f}(x_{2}) + \cdots
+ \tilde{f}(x_{m}) = 1
µ
´
F (z) = Km
Z z
−∞
(1 + u2 /m)−(m+1)/2) du
¶
(2)
³
F(z) = K_{m} \int_{-\infty}^{z} ( 1 + u^{2} / m )^{-(m+1)/2)} du
µ
8.4
´
行列
行列などの配列を出力するには、array 環境を使います。
この環境の引数では、各列の整列位置を3種類の方法で指定します。
c センタリング
l 左寄せ
r 右寄せ
配列の内容は、& で区切り、行の終りには、\\ を入力します。
ただし、最後の行には、\\ は、不要です。
P
n
x+y+z+θ
i=1 ai
Pn
x+y+z
j=1 aj
Pn
x+y
k=1 ak
Pn
x
`=1 a`
a+b+c+d
a+b+c
a+b
a
¶
³
\[
\begin{array}{clr}
a+b+c+d & x+y+z+\theta
a+b+c
& x+y+z
a+b
& x+y
a
& x
\end{array}
&
&
&
&
\sum_{i=1}^{n} a_{i} \\
\sum_{j=1}^{n} a_{j} \\
\sum_{k=1}^{n} a_{k} \\
\sum_{\ell=1}^{n} a_{\ell}
\]
µ
´
これに括弧を付けるには、左括弧には、\left のあとに ( をつけます。右括弧は、\right
を使います。
ここでは、( を使いましたが、先程説明した、括弧であればどれでも使うことができます。
–27–







P
n
x+y+z+θ
i=1 ai
Pn
x+y+z
j=1 aj
Pn
x+y
k=1 ak
Pn
x
`=1 a`
a+b+c+d
a+b+c
a+b
a







¶
³
\[
\left(
\begin{array}{clr}
a+b+c+d & x+y+z+\theta
a+b+c
& x+y+z
a+b
& x+y
a
& x
\end{array}
\right)
&
&
&
&
\sum_{i=1}^{n} a_{i} \\
\sum_{j=1}^{n} a_{j} \\
\sum_{k=1}^{n} a_{k} \\
\sum_{\ell=1}^{n} a_{\ell}
\]
µ
´
また、\left や \right コマンドのあとに括弧に替えて、.
弧を省略することができます。
(
x=
(ピリオド) を入力すると括
y
y>0
z + y otherwise
¶
³
\[
x =
\left\{
\begin{array}{ll}
y
& y > 0 \\
z+y & \mbox{otherwise}
\end{array}
\right.
\]
µ
´
例題
ここまでに上げた例題を入力して出力結果を確認してください。
課題
次の式を出力してみてください。
1 Z x −u2 /2
e
du
lim Fn (x) = Φ(x) = √
n→∞
2π ∞
–28–
9
表
表組 (tabular 環境) は、数式環境での array 環境に似ています。
array 環境は、数式環境でしか使用できませんでしたが、tabular 環境どの環境でも使
えます。
9.1
罫線のない表
まず、罫線のない表を作って見ましょう。
パーソナルコンピュータ
ディスプレイ
プリンタ
PC-9821RaII23/N30
PC-KM172
PC-KM152
PC-PR2400X
100
50
50
5
¶
³
\begin{tabular}{lcr}
パーソナルコンピュータ & PC-9821RaII23/N30 & 100 \\
ディスプレイ
& PC-KM172
& 50 \\
& PC-KM152
& 50 \\
プリンタ
& PC-PR2400X
& 5
\end{tabular}
µ
´
ここで、tabular 環境のあとに指示されている、{lcr}は、array 環境のときの整列位
置と同じ意味合いです。
例題
上に示した表を作ってみてください。
9.2
罫線の引きかた
先程の表に罫線を引くには、次のようにします。
縦線は、整列位置の指定部分に、|を入れると引かれます。
パーソナルコンピュータ
ディスプレイ
プリンタ
PC-9821RaII23/N30
PC-KM172
PC-KM152
PC-PR2400X
–29–
100
50
50
5
¶
³
\begin{tabular}{||l|c|r||}
パーソナルコンピュータ & PC-9821RaII23/N30 & 100 \\
ディスプレイ
& PC-KM172
& 50 \\
& PC-KM152
& 50 \\
プリンタ
& PC-PR2400X
& 5
\end{tabular}
µ
´
横線は、1行目の内容を入力する直前か、\\の直後に、\hline というコマンドを入力し
ます。また、\hline を2つ入れることで、2重線もひけます。
パーソナルコンピュータ
ディスプレイ
プリンタ
PC-9821RaII23/N30
PC-KM172
PC-KM152
PC-PR2400X
100
50
50
5
¶
³
\begin{tabular}{||l|c|r||}
\hline
\hline
パーソナルコンピュータ & PC-9821RaII23/N30 & 100 \\
\hline
ディスプレイ
& PC-KM172
& 50 \\
\hline
& PC-KM152
& 50 \\
\hline
プリンタ
& PC-PR2400X
& 5 \\
\hline
\end{tabular}
µ
´
\hline コマンドは、表の端から端まで線を引きますが、場合によっては、表の途中まで
線を引きたい場合があります。その場合は、\cline コマンドを使います。
\clinei − j で、i 番目の項目から j 番目の項目まで罫線を引きます。
パーソナルコンピュータ
ディスプレイ
プリンタ
PC-9821RaII23/N30
PC-KM172
PC-KM152
PC-PR2400X
–30–
100
50
50
5
¶
³
\begin{tabular}{||l|c|r||}
\hline
パーソナルコンピュータ & PC-9821RaII23/N30 & 100 \\
\hline
ディスプレイ
& PC-KM172
& 50 \\
\cline{2-3}
& PC-KM152
& 50 \\
\hline
プリンタ
& PC-PR2400X
& 5 \\
\hline
\end{tabular}
µ
9.3
´
項目のタイトル
項目の内容とタイトルが一致する場合は、簡単ですが、タイトルの行だけ、整列方法を
かえたり、複数の項目をまとめてタイトルをつけたりする場合があります。
そのようなときは、\multicolumn コマンドを使います。
\multicolumn{またがる項目の数}{整列位置}{表示内容}
として使います。
また、tabular の整列位置で|を指定しても縦線は表示されませんので注意してください。
品名
パーソナルコンピュータ PC-9821RaII23/N30
ディスプレイ
PC-KM172
PC-KM152
プリンタ
PC-PR2400X
–31–
値段
100
50
50
5
¶
³
\begin{tabular}{||l|c|r||}
\hline
\multicolumn{2}{||c|}{\gt 品名} & \multicolumn{1}{c||}{\gt 値段} \\
\hline
パーソナルコンピュータ & PC-9821RaII23/N30 & 100 \\
\hline
ディスプレイ
& PC-KM172
& 50 \\
\cline{2-3}
& PC-KM152
& 50 \\
\hline
プリンタ
& PC-PR2400X
& 5 \\
\hline
\end{tabular}
µ
´
–32–
10
PostScript 形式の図を取り込む
コンピュータ上で画像を保存する形式には多くのものがありますが、TEX では、PostScript
形式の画像を読み込ませることができます。
ここでは、スタイルファイルに eclepsf を使いますが、この他にも多くの画像読み込み
用のスタイルファイルがあります。
なお、PostScript 形式の画像ファイルとして test.eps をすでに作ってあるものとします。
\documentstyle を次のように書き換えます。
¶
³
\documentstyle[eclepsf]{jarticle}
µ
´
[eclepsf] の部分が追加されています。
実際に画像ファイルを読み込む部分では、
¶
³
\epsfile{file=test.eps}
µ
´
と指示します。
さて、コンパイルが正常に行われたら、DVI ファイルを PostScript ファイルに変換します。
¶
³
dvi2ps hello.dvi > hello.ps
µ
´
ここでは、DVI ファイル (hello.dvi) を PostScript ファイル (hello.ps) に変換しています。
PostScript ファイルでは、プレビュー、印刷ともに DVI ファイルとは、違うコマンドを
用います。
プレビューには、ghostview を、印刷には、lpr -c を用います。
¶
³
ghostview hello.ps
µ
¶
´
³
lpr -c hello.ps
µ
´
そうすると、このように PostScript ファイルが挿入されています。
PostScript
–33–
図の大きさを変更するには、
¶
³
\epsfile{file=test.eps,scale=0.3}
µ
´
とします。
PostScript
–34–
Fly UP