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萩市観光戦略5か年計画

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萩市観光戦略5か年計画
萩市観光戦略5か年計画
平成22年6月
萩
市
目
次
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅰ.観光動向の把握・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1.国内観光動向
2.萩市宿泊客の特性
Ⅱ.萩市観光の現状と課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
1.萩市観光の現状
2.萩市観光の優位点
3.萩市観光の改善点
Ⅲ.萩市観光の基本的方向性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1.「萩まちじゅう博物館構想」を主軸においた観光戦略
2.地域産業と連動する交流観光
Ⅳ.萩市観光戦略コンセプト・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
1. 観光戦略コンセプト
Ⅴ.萩市観光戦略目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
1.基本目標
2.計画目標
3.想定ターゲット
Ⅵ.萩市観光重点戦略及び重点事業・・・・・・・・・・・・・・・・12
1.「萩まちじゅう博物館構想」の推進
2.地域資源の発掘・活用による滞在型・体験交流型観光の推進と広域連携の強化
3.観光情報の発信強化
4.観光アクセスの向上
5.受入体制の充実
6.国際観光の推進
7.実行力ある事業推進組織の確立
Ⅶ.参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・46
Ⅷ.付属資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・47
はじめに
観光産業は、多くの業種を包括し、経済波及効果や雇用創出効果も大きいことから
リーディング産業として注目され、国においては、国際観光収支の改善や国内観光を
活性化する取組を強化しています。
萩市としても、これからも観光立市という共通認識をもって観光施策への取組を更
に強化しなければなりません。従って、このような国際的潮流や国内政策の行方を常
に認識し、「萩にあるもの、萩にしかないもの」を活かした観光戦略とは何かを絶え
ず問いながら、次代にも誇れる郷土「萩」を目指すことができるよう差別化戦略を構
築していかなければなりません。
本年3月で新萩市が誕生し5年を迎えました。萩市観光の最重要コンセプトとして、
これまで取り組んできた「萩まちじゅう博物館構想」は高い評価を得ており、これか
らの5か年はこの構想を充実させる重要な期間となります。この期間中には、九州新
幹線(鹿児島ルート)の全線開業、小郡萩道路の中国自動車道から絵堂までの部分開
通、萩・三隅道路も開通するなど、萩市までの時間距離が短縮され、観光地としての
魅力はますます高まることになります。しかし、交通網整備の進展は観光地間の競争
激化をもたらします。このように、萩市は今、まさに大きな転換期を迎えようとして
いるのです。
萩市観光戦略会議は、前回の観光戦略5か年計画のフォローと、新市誕生後の萩市
観光のあるべき姿や方向性を明確にし、着手すべき重点戦略・重点事業を構築する目
的で開催され、これまで築き守ってきた近世都市遺産や豊かな自然、地域特性を活か
した市民の暮らしなどを観光資源として活用しながら、一次産業の活性化にいかに結
びつけるか、これによって観光産業が一層元気になり、萩市全体を活性化させるため
の検討が行われました。
今回の観光戦略会議で集約された内容を基に、新たに「萩市観光戦略5か年計画」
を策定しました。これは、観光事業者を始め市民、行政が一体となって取り組む戦略
目標を定めたもので、今後はアクションプランを作成して具体化していきます。
1
Ⅰ.観光動向の把握
観光動向の把握
1.国内観光動向
[参考](社)日本観光協会(観光の実態と志向-平成 20 年度版-)
観光の実態と志向
国は、観光立国推進基本計画に基づいて、観光立国の実現に向けた諸施策を推
進し、また、各地域における観光振興に対する支援体制づくりを可能とするため、
平成 20 年 10 月に観光庁を設立した。
しかし、実態としての国内宿泊観光旅行参加率は、昭和 63 年 55.9%に対し、
平成 19 年度 49.7%と減少しており、より実効性のある施策やその具体化が求め
られている。
現在、厳しい経済環境におかれているなか、国内宿泊観光旅行参加希望率は、
昭和 63 年 72.4%から平成 19 年度 76.5%と増加しており、こうした潜在需要の
増加は、「行きたいけれど経済的理由等により実現できない」という経済環境に
起因するものだけではなく、観光客の高度化、多様化したニーズに観光地や旅行
業界が十分に応えきれていないという原因も考えられる。
旅行に行くにあたって参考にする情報源
情報源として「家族・友人の話」が最も多く、次いで「パンフレット」、
「ガイ
ドブック」、
「旅行専門雑誌」、
「新聞・雑誌の広告・チラシ」などの紙媒体であっ
たが、インターネットが躍進し、「インターネットでの広告・書込情報」が紙媒
体を追い越した。特に旅行体験等に基づく書込情報が求められている。紙媒体に
よる情報収集は減少傾向にあるものの、依然として重視されている。
利用交通機関
宿泊旅行の利用交通機関については、自家用車利用が平成 2 年に鉄道を上回っ
て以降最多で、5割を占める。次いで、貸切バス、鉄道と続く。有料道路料金の
値下等により、今まで以上に遠方からの自家用車による観光客が見込まれる。
同行者
同行者については、家族(43.1%)、次いで友人・知人(23.3%)、家族と友人・知
人(13.3%)が変わらず上位で8割を占める。
主な目的・主な行動・今後の希望
宿泊旅行の主な目的は、第1位が「自然・名所・旧跡・スポーツなどの見物や
行楽」(32.7%)、第2位が「慰安旅行」(31.7%)で全体の6割強を占めている。
旅行先での主行動は、温泉浴(25.9%)、名所・旧跡をみる(10.4%)、レジャーラ
2
ンド・テーマパーク(9.5%)、自然風景をみる(8.0%)と続く。
今後希望するものについては、第1位が温泉観光(70.7%)、第2位がリゾート
(28.1%)、以下、祭・イベント(24.6%)、ドライブ(22.3%)、寺社観光(19.4%)と
なっている。
国内宿泊旅行の参加率
平成 19 年度に国内宿泊旅行に参加した人は 62.5%で、うち観光旅行が 49.7%
と最も多く、以下帰省 17.6%、兼観光 8.3%、出張 7.9%となっている。観光旅
行を地域別にみると関東(56.4%)、甲信越(55.5%)で多く、四国(32.0%)と九州
(34.9%)で少ない。都市規模別では、都市規模が大きくなるほど参加率が多くな
っている。性・年齢別では、男性は 60 代(55.3%)、女性は 50 代(53.5%)が多い。
利用宿泊施設
利用宿泊施設を年齢別にみると「ホテル・ビジネスホテル」は 30~49 歳(48.4
~52.4%)に多く、
「旅館」は 60 代(44.4%)や 70 歳以上(57.0%)の高年齢層に多い。
観光目的別にみると、「ホテル・ビジネスホテル」は、見物・行楽、趣味・研
究、祭・イベントで多く、「旅館」は、慰安旅行で多い。スポーツ活動では「民
宿」で多くなっている。
同行者別にみると、家族での旅行では「ホテル・ビジネスホテル」(46.2%)が、
地域・宗教・招待などの団体では「旅館」(51.6%)が多くなっている。
募集団体参加の有無
宿泊観光旅行で旅行会社などが募集した団体旅行に参加した人は、全体の
24.8%。
旅行先の選択基準
国内旅行の旅行先選択の際に重視する項目は、旅行費用(59.9%)、旅行日数
(40.2%)が上位で、限られた費用と時間のなかで行くことができる場所を選んで
いるということが読み取れる。
この費用と日数のほかに重視する項目としては、宿泊施設(29.2%)、リラック
ス(26.5%)、食べ物(23.1%)、行きたいスポット(22.8%)と続く。面白い体験プロ
グラムは 2.8%となっている。
3
2.萩市宿泊客の特性
[参考]山口大学経済学部観光経済分析プロジェクト(2007 年 8 月、11 月
萩市観光アンケート)
行程
旅行者の全行程での宿泊日数は2泊が最も多く 39.4%、1泊が 31.6%、3泊
が 12.3%となっており、そのうち萩市での宿泊は1泊が 53.5%、2泊が 26.2%
である。
居住地別にみると近畿地方より西の地方では1泊、中部・東海地方より東の地
方からは2泊が多い。
県内までの利用交通手段については、近畿より西の地方では、自家用車(46.7
~83.0%)が多く、中部・東海では鉄道(58.9%)、観光団体バス(46.2%)、関東で
は飛行機(53.1%)、鉄道(37.9%)、東北は鉄道(53.1%)が多い。
県内での利用交通手段については、近畿より西の地方では、自家用車(39.4~
69.8%)が多く、中部・東海では観光団体バス(38.7%)、関東では、観光団体バス
(34.1%)、レンタカー(24.9%)が多い。
宿泊者の周遊動向
萩市での宿泊者については、県外からが 90%近くを占め関東、近畿などの大
都市圏からが多い。県内からは 7%強となっている。
その周遊動向は、秋吉台・秋芳洞と津和野を訪問する傾向が特に強く、岩国、
長門と続く。
萩市観光における魅力要素と期待要素(あったら良いと思う魅力要素)
魅力要素は、歴史的な資産、萩らしい情緒ある町並み、美しい海・山の景色、
萩焼などの工芸品などであり、また、期待要素として、交通の便が良い、地元食
材を使った料理、充実した外食、魅力的な宿泊施設、温泉施設などが高い。
萩市観光の空間快適性について
景観に配慮しているか
そう思う・ややそう思う(78.7%)
どちらとも言えない(16.6%)
そう思わない・ややそう思わない(4.7%)
散策に配慮しているか
そう思う・ややそう思う(54.0%)
どちらとも言えない(33.5%)
そう思わない・ややそう思わない(12.5%)
そう思う・ややそう思う(89.5%)
歴史的情緒に配慮しているか
どちらとも言えない(7.6%)
そう思わない・ややそう思わない(2.9%)
「景観や歴史的情緒への配慮」の満足度と比較すると、「散策への配慮」の評価
は低い。
4
Ⅱ.萩市観光の現状と課題
1.萩市観光の現状
○萩市は観光で生きていく観光立市という共通認識
(通過型観光地傾向への危機感)
○観光客数
・平成21年:観光客数 約220万人
宿泊客数 約 47万人
○修学旅行宿泊客数
・平成21年:修学旅行宿泊客数 約 12,000 人
○観光客特性
・自家用車利用の個人、家族旅行の増加
・熟年層(50 代以上)中心
・1泊又は2泊の旅行で、うち萩1泊の短期滞在型
・関東、近畿、中国、九州等広域から吸引
2.萩市観光の優位点
○観光地としての知名度
・全国的な認知度、好イメージ
・町並み、萩焼、伝統行事、特産品
○本物の歴史・文化遺産・豊富な自然(日本の原風景)
・海・山・川の豊かな自然
・全国でも数少ない近世の都市遺産
・松下村塾等の維新関連資産
3.萩市観光の改善点
○観光情報発信の強化
・「萩まちじゅう博物館」の情報発信
・「萩」の露出度アップ
・各種媒体を駆使した広報・宣伝活動(大都市圏での戦略的な広報・宣伝活動)
・旅行会社や交通機関との連携
○主要アクセス及び市内交通網の整備
・空港、新幹線駅から市内までの基幹アクセス網の整備
・萩・津和野、萩・秋芳洞、萩・長門等、主要広域観光ルートの整備
・市内における交通の安全性、利便性、回遊性の確保
○ソフト・ハード両面での受入体制の整備
・「近世都市遺産」の町並みと景観の保全・活用
・観光拠点施設「萩博物館」等の活用
・「萩まちじゅう博物館」の充実
・高齢者や外国人にもやさしいユニバーサルデザインの環境整備
5
・萩ならではの「おもてなし」教育と実践
・宿泊施設の量・質・バリエーションの充実
・「萩らしさ」を感じさせる飲食・物販ゾーンの充実
・萩の食、自然観光、夜間観光等の魅力づくり
Ⅲ.萩市観光の基本的方向性
1.「萩まちじゅう博物館構想」を主軸においた観光戦略
萩市は、毛利藩政期260年間に形成された城下町のたたずまいや町割りなど
が今なお残り、「江戸時代の地図がそのまま使えるまち」です。
萩城跡や武家屋敷、町屋、維新の志士の旧宅、寺院など、そして堀内・平安古・
浜崎の重要伝統的建造物群保存地区、東光寺及び吉田松陰生誕地付近や藍場川周
辺等の歴史的景観保存地区は日本を代表する貴重な文化財であるとともに、城下
町全体がかけがえのない姿で残されています。さらに、その傍らで、近世そのま
まの空間が市民によって住みこなされ、いたる所に息づいていることが、優れた
「都市遺産」といわれる所以です。
また、長門峡などの景勝地を含む山口県立自然公園や須佐湾、高山、ホルンフ
ェルス、笠山などの景勝地を含む北長門海岸国定公園など、我が国を代表する優
れた自然景観を有しています。
このように萩市は優れた近世都市遺産や自然景観を有し、さらには変容を受け
ながらも受け継がれてきた技術や祭礼、民具などの生活遺産が公開されるなどま
ちじゅうが博物館の様相を呈しています。こうした萩市のまち全体を一つの博物
館としてとらえ、萩市固有の遺産等を保存・活用した観光地づくり、まちづくり
の取組が「萩まちじゅう博物館構想」です。この構想実現のためには、市民がま
ちじゅうの魅力を再発見し、その意味や重要性を再認識し、その保全と継承にか
かわり、萩市の潤いをまちじゅうに還元していかなくてはなりません。そしてこ
の「資源の発掘・保存・活用」こそが、萩市観光の活性化を図る上での原動力と
いえるのです。
萩市独自の観光戦略を考える場合、やはり「近世都市遺産」という全国でも数
少ない観光資産を最大限に活用していくことが現実的かつ効果的な方向です。近
世都市遺産を有する萩市で、本物の歴史や暮らしに「じっくり」ふれていただく
こと、「ゆったり」とした時間と空間を感じていただくこと、これによって観光
客と市民が交流することが目指す観光のあり方です。
繰り返していえば、萩まちじゅう博物館構想と萩市観光戦略とは表裏一体をな
すものといえるのです。
6
2.地域産業と連動する交流観光
昨今の「交流観光」においては、それぞれの地域の特性を活かした第1次産業、
第2次産業、第3次産業の連携、さらには一般市民も含めた地域での一体的な取
組も欠かせない要件になっています。例えば、見て楽しむだけでなく、日常では
得ることのできない農林水産業体験やその地域の人々との交流活動なども立派
な交流観光資源です。このような体験や交流を通して、新たな発見があったり、
また地域の人々とのネットワークが形成されるなど、結果的に何度もその土地を
訪れることになります。
萩市の観光を振興するうえで、このような地域産業と連動した体験・再来型の
観光を提供していくことが重要です。
また、観光立市を標榜する萩市において、観光は地域経済の牽引役を担ってお
り、観光と地域産業とが連携して、地域資源を掘り起こし、その商品化を図る“産
業化”が欠かせません。このように地域が一体となった創意工夫と具体的な取組
による新たな観光産業を創出するとともに、“萩ならでは”のベスト&オンリー
商品を生み出していくことが必要です。
Ⅳ.萩市観光戦略コンセプト
1.観光戦略コンセプト
「萩まちじゅう博物館で体感するゆったり・じっくり観光」
萩市は江戸時代の地図が今でもそのまま使えるまちであり、まちじゅうで近世
都市遺産を見ることのできる博物館です。そこには自然と歴史に培われた暮らし
の知恵や技が今でも息づいています。今、求められている本物をゆったり、じっ
くり体感できる癒し空間といえます。
萩市は、この「萩まちじゅう博物館で体感するゆったり・じっくり観光」を観
光戦略の基本コンセプトに位置づけ、萩の自然・歴史・文化・人という貴重な資
産を保存及び活用し、萩らしい観光地づくり、まちづくりを実現していきます。
Ⅴ.萩市観光戦略目標
1.基本目標
○より高い付加価値を提供する滞在型・体験型の観光を目指す
○萩を愛し、何度も萩を訪れてくれるお客様の拡大を図る
○観光によってまちの魅力と活力の持続的な向上を図る
〈観光戦略上の留意点〉
○前計画のフォローアップ
○「ゆったり・じっくり」型観光スタイルの提案
○萩らしい、おもてなしの実践
7
○新たな魅力をもつ萩ブランドの浸透
○萩市との継続的な関係を生む「萩ファン」の拡大
○合併による新たな資源の活用と地域産業の活性化
2.計画目標(5か年計画)
○来萩観光客満足度の向上
・初年、中間年、最終年に満足度調査
○宿泊客満足度の向上
・初年、中間年、最終年に満足度調査
○観光客数、宿泊客数の増大
3.想定ターゲット
○年代や地域にとらわれず「本物の萩の良さ」に共感する顧客層
○「萩の歴史・文化」に関心があり、再来可能性の高い顧客層
日本を代表する近世都市遺産や維新関連資産、
県立自然公園・国定公園などの自然景観を中心とした観光
【ターゲット層】
個人旅行を中心としたアンケートでは、萩市を訪れる観光客は、10~20
代、50~60 代の方が多く、この世代のなかに萩市に関心を持つ方が多いこと
が推測されます。
1.熟年層
⇒ 従来からの萩市への来訪の多い層で、歴史、文化、自然に興味を持た
れている方が多く、国内宿泊観光旅行参加率の高い層。
2.若年女性層
⇒ 和の文化との調和がとれた町並みを有する萩市において、近年、増加
傾向にある層で、修学旅行での来訪経験の少ない世代。
3.修学旅行・研修旅行
⇒ 萩市の近世都市遺産、幕末・明治維新を中心とした歴史文化及び、「萩
まちじゅう博物館」は、学校教育、社会研修として学ぶべき要素を多分
に満たしており、修学旅行においては、平和教育としての広島・長崎、
自然教育の美祢市などと連携し、充分にその教育目的に応えられ、将来
の「萩ファン」を拡大することが可能です。
8
【ターゲット地区】
1.関西以西地区
⇒ 高規格道路の整備、九州新幹線の全線開業等により、関西以西地区は
ますます時間距離が短縮され、身近な存在になってきます。また歴史フ
ァンの層も厚く、萩市観光のリピーターとなる可能性を秘めています。
2.関東・東海地区
⇒ 大都市圏であるという量的な理由とともに、潜在的「萩ファン」が多
いといえます。また、各種メディア等の多い関東地区は、相乗効果を高
めるプロモーション展開が可能です。
地域特性を活かした自然体験型・交流型観光
【ターゲット層】
1.ファミリー層、小グループ
⇒ 公共交通が不利な地区において、最も多い旅行形態である自家用車利
用の家族や友人・知人等の小グループを中心ターゲットとします。優れ
た地域産品等を求める自家用車利用の日帰り観光客がリピーターとな
る可能性を秘めています。
2.自然志向・本物志向の都市生活女性層、来萩経験者層
⇒ 自然志向、・本物志向の都市生活女性は、萩ならではの地域産品や新
たな発見、本物、癒しを求める層で、新たな「萩ファン」となる可能性
を秘めています。また、修学旅行等で萩を訪れたことのある来萩経験客
にとってはリピーターとなる動機付けになります。
【ターゲット地区】
1.関西以西
⇒ 高規格道路の整備等により、関西以西地区からの時間距離が短縮され、
身近な存在になってきます。また、広報宣伝、口コミ情報の伝達、訴求
効果の高い近県、県内での露出を高めていくよう努めます。
2.関東・東海地区
⇒ 大都市圏であるという量的な理由とともに、自然志向や本物志向のニ
ーズが多いといえます。また、各種メディア等の多い関東地区は、相乗
効果を高めるプロモーション展開が可能です。
9
国際観光
【ターゲット地区】
1.欧米
⇒ アシェット社やミシュラン社の観光ガイド誌に萩市のことが多く取
り上げられました。また、米国人観光客を中心とする外国観光客船の寄
港もあります。
歴史的・文化的資源に恵まれた萩市においては、現状、欧米を中心と
した観光客の来訪が多く、継続して誘致に努めます。
2.韓国、台湾、中国、香港
⇒ 国や県が最重点プロモーション対象市場としている東アジアからの
観光客に対しても、国や県と連携した誘致に努めます。
10
【観光資源のポジショニング図】
人・物・事
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Ⅵ.萩市観光重点戦略及び重点事業
[重点戦略 1]
「萩まちじゅう博物館構想」の推進
1「近世都市遺産・萩城下町」の町並みと景観の保全・活用
2「重要文化財・史跡・名勝・登録有形文化財」等の保存・活用
3「豊かな自然景観」、「萩らしい農漁村景観」の保全・活用
4「観光商店街」の整備推進・充実・活用促進
5「萩まちじゅう博物館」の推進
6 世界遺産登録への取組の強化
[重点戦略 2]
1
地域資源の発掘・活用による滞在型・体験交流型観光の推進と広域連携の強化
地域観光ワンプロジェクトの推進
2 地域観光資源の見直し・新たな資源の発掘と活用
3「農商工等」連携による地域ブランド化の推進
4 滞在型観光・体験交流型観光の充実と広域連携の強化
5「水の都・萩」をアピールする観光の充実
6 萩の夜間観光の魅力充実
[重点戦略 3]
観光情報の発信強化
1「萩ものがたり」シリーズ等による萩ブランドの情報発信
2 インターネットの活用強化・ホームページの充実
3 多様化に対応する情報発信~目的・対象を明確にした情報発信~
4「萩ロケ支援隊(フィルム・コミッション)
」の活用
5 記念事業の推進
[重点戦略 4]
1
2
3
4
5
観光アクセスの向上
高規格幹線道路等の整備促進
二次交通の整備促進
萩市内の交通利便性の確保
遊歩・自転車観光を実現する観光動線の整備
広域周遊ルートの整備促進
[重点戦略 5]
受入体制の充実
1「萩のおもてなし」教育の実践
2 観光ボランティアの充実
3「萩の食」によるおもてなし
4 イベントの充実
5 教育旅行・研修旅行の受入体制の充実
6 観光ニーズに対応した宿泊施設・サービスの改善
7 温泉・道の駅の活用
8 ユニバーサルデザインの推進
9 サイン計画の策定
10 観光施設等の維持管理の徹底
[重点戦略 6]
国際観光の推進
1
外国人観光客受入体制の充実
2
海外向け情報発信の強化
[重点戦略 7]
実行力ある事業推進組織の確立
1
推進組織の活動強化
2
アクションプログラムの策定
12
重点戦略 1
「萩まちじゅう博物館構想」の推進
萩の歴史、近世の都市遺産を始めとする文化財等は全国に誇れる貴重な財産であ
り、これらを活かした「萩まちじゅう博物館構想」の下に特色ある観光地づくり、ま
ちづくりを積極的に推進します。
萩まちじゅう博物館構想は、萩市を訪れた人々に萩の魅力を愛着と誇りを持って伝
えるとともに、全国に誇れる貴重な都市遺産を保存・活用し、この「萩にしかないお
宝」を次代に確実に伝えていこうとする取組です。
萩市は、萩まちじゅう博物館条例を制定し、この取組を観光振興及びまちづくりの
最重点戦略として位置づけており、高い評価を受けています。引き続き、萩まちじゅ
う博物館構想を推進し、集客力及びお客様の満足度を高めていきます。
重点事業 1-1
「近世都市遺産・萩城下町」の町並みと景観の保全・活用
全国でも数少ない萩市の近世都市遺産を最大の観光資源と認識し、市民や事業者
の自主的な景観づくりを奨励するとともに、市民、事業者及び行政が一体となって、
これまで、堀内・萩城城下町地区、浜崎地区、藍場川地区、旧松本村地区、平安古
地区等を中心に文化財や町並み、景観等の保全と活用を図ってきました。
〈推進事業〉
■文化財等を活用した周遊観光の充実
○公開文化財施設等を巡る周遊券発行等による市内周遊観光の推進
○公開文化財施設における展示内容の充実
○文化財施設等を活用した藍染めなどの体験教室の開催
■景観保全の推進と景観づくりの奨励・支援
○萩市景観条例、萩市景観計画及び萩市屋外広告物等に関する条例に基づく
景観保全の推進
○各種制度による市民や事業者の自主的な景観づくりの奨励・支援
・萩市景観条例に基づく歴史的景観保存地区における建造物等の修理・修
景の計画的な支援
・萩市伝統的建造物群保存地区保存条例に基づく伝統的建造物群保存地区
内における物件の修理・修景等の計画的な支援
■「歴史的風致維持向上計画」に基づく景観等の保全
萩市は多年にわたって歴史的遺産を守り、伝統文化を継承し、地域の誇り
を育んできました。特に町並み保存については全国の先駆的な役割を担って
きました。平成 21 年 1 月に国の認定を受けた「萩市歴史的風致維持向上計画」
に基づき、引き続き市民、事業者及び行政が一体となって萩市の歴史的風致
の維持向上を図ります。
13
維持・向上すべき歴史的風致
①例祭等城下の町内における歴史風致
②漁とその加工に関わる歴史風致
③夏みかんに関わる歴史的風致
④明治維新に関わる歴史的風致
⑤信仰に関わる歴史的風致
⑥茶道にみる歴史的風致
■「江戸時代の地図がそのまま使えるまち・萩」の発信拡大
○筋名等を記した案内図や城下町絵図等を活用した散策プログラムの充実
[堀内・萩城城下町地区
〈伝建地区・国史跡地区・歴史的景観保存地区・景観形成地区〉]
■地区周遊ルートの充実
今後の道路整備状況に合わせ、車両等の誘導ルート、誘導標識を見直し、
遊歩や自転車利用の観光客にとってもより安全で快適な城下町観光を創造し
ます。
○曜日や時間制限による一方通行規制などの検討
○夏季や雨天時における休憩施設、東屋などの整備の検討
■ブロック塀の緑化・生け垣化・土塀化の推進
■電線類地中化・無電柱化(お成り道など)、路面等の美装化の推進
■史跡、文化財等の保存修理
■大型バス駐車場の連携活用の推進
大型バス利用による観光客が同じ駐車場に出戻ることなく、じっくり・ゆ
ったり観光ができるよう、地区内3箇所の大型バス駐車場の連携活用を推進
します。
[平安古地区〈伝建地区〉]
■土塀・夏みかん風景の保存と活用
■歴史・文化・産業・人物を活用した地区周遊ルートの設定
「平安古伝建地区保存会」により観光案内、文化財施設におけるお雛様の
展示や夏みかんグッズの製作販売などが行われています。地区内の歴史・文
化・産業・人物を活用した周遊ルートの設定について検討します。
■地区拠点の設定、車両等の誘導ルートの検討
○地区拠点として旧児玉家庭園、かんきつ公園の活用を検討
○車両等の誘導方法、遊覧船対応の検討
[浜崎地区〈伝建地区〉]
■地区周遊ルートの充実・活用
浜崎地区は藩の経済を担った港町が起源で、現在においても商業、漁業、
水産加工業が盛んなところです。伝統的建造物である旧山中家住宅、旧山村
家住宅、また梅屋七兵衛旧宅、国指定史跡旧萩藩御船倉などが保存整備され
14
ており、これらを活用して浜崎伝建おたから博物館や御船倉ミニコンサート
などのイベントが「浜崎しっちょる会」により開催されています。伝統的建
造物の保存修理を推進し、周遊ルートの充実を図ります。
○伝統的建造物の保存修理の推進
○「しっちょるかい?浜崎マップ」などの充実・活用
○水産加工場が集積している利点を活かした産業観光、体験型観光の導入
(店舗・工場見学、海産加工・かまぼこ体験など)
■駐車対策の検討(大型バス・一般車両)
○漁港施設を活用した駐車場整備の検討
○民営駐車場等の活用を含めた周辺駐車対策の検討
[藍場川地区〈歴史的景観保存地区〉]
■地区周遊ルートの充実・活用
駐車場が整備され、大型バスによる観光にも対応可能であることから、藍
場川周辺の景観の維持向上に努めるとともに、一般公開している文化財施設
の展示内容の充実を図ります。
○交通事業者等と連携した「ウォークイベント」へのエントリーなど
○水環境の美化・維持管理の徹底
○文化財施設の展示内容の充実
■観光客の安全性、快適性確保策の検討
○藍場川地区の車両誘導方策の検討
(曜日、時間制限による一方通行規制など)
[旧松本村地区〈歴史的景観保存地区・景観形成地区〉]
■地区周遊ルートの充実
平成 21 年、松陰先生没後 150 年の年に、松陰先生に関する貴重な遺品、遺
墨等の宝物を保存し、松陰先生の「志」を次世代に継承するため、松陰神社
内に宝物殿「至誠館」が開館しました。この松陰神社を地区拠点とした地区
周遊ルートの充実を図ります。
■明治維新館(仮称)の建設推進
明治維新館(仮称)は、明治維新をテーマとした多彩な交流機能を有する歴
史資料館として位置づけられており、早期整備を山口県に求めていきます。
■陶芸の村公園の活用の検討
■観光客の安全性、快適性確保策の検討
○旧松本村地区の車両誘導方策の検討
(曜日、時間制限による一方通行規制など)
○夏季や雨天時における休憩施設等の充実
[椿地区〈歴史的景観保存地区・景観重要建造物〉]
■重要文化財、歴史的建造物等の保存・活用
○大照院(鐘楼門、経蔵、本堂)保存修理
○金谷神社の社殿及び工作物等の保存・活用
15
重点事業 1-2
「重要文化財・史跡・名勝・登録有形文化財」等の保存・活用
萩市には、多くの文化財があります。これらは「本物の萩の良さ」であり、競合
する観光地との差別化を図る上で、重要な観光要素です。
文化財は、我が国の文化財保護体系に沿って、世界遺産への登録を踏まえ、真実
性及び完全性を確保した保存に努めるとともに、その周辺環境についても良好な景
観の保全に取り組みます。また、埋蔵文化財の保存や登録有形文化財等の登録を推
進します。これらの文化財は歴史的、学術的又は芸術的な価値を有することから積
極的な公開に努め、良好な状態で次代に引き継いでいきます。
[川上地域]
[国指定名勝]長門峡、[国指定天然記念物]川上のユズおよびナンテン自生地ほ
か
[田万川地域]
[県指定有形文化財]西堂寺六角堂、[県指定天然記念物]田万川の柱状節理と水
中自破砕溶岩、[市指定史跡]塚穴古墳、須佐地古墳、[市指定天然記念物]尊正
寺のエドヒガン、三明のイトザクラほか
[須佐地域]
[国指定名勝及び天然記念物]須佐湾、[国指定天然記念物]須佐高山の磁石石
[県指定史跡]須佐唐津古窯跡群、[市指定有形文化財]益田館ほか
[むつみ地域]
[国登録有形文化財]むつみ村役場旧庁舎、むつみ村役場土蔵、[県指定史跡]穴
観音古墳、奥阿武宰判勘場跡、[県指定天然記念物]吉部八幡宮のスギ、辻山の
シダレザクラほか
[旭地域]
[国指定史跡]萩往還、[国登録有形文化財]鹿背隧道、落合の石橋、下横瀬公民
館ほか
[福栄地域]
[国指定重要文化財]森田家住宅、[県指定史跡]大板山たたら製鉄遺跡、[市指定
有形文化財]佛光寺楼門ほか
[萩地域]
[国指定重要文化財]常念寺表門、旧厚狭毛利家萩屋敷長屋、東光寺、菊屋家住
宅、熊谷家住宅、口羽家住宅、大照院、[国指定史跡]松下村塾、吉田松陰幽囚
ノ旧宅、萩反射炉、旧萩藩校明倫館、木戸孝允旧宅、伊藤博文旧宅、旧萩藩御
船倉、萩城跡、萩城城下町、萩藩主毛利家墓所、見島ジーコンボ古墳群、[国指
定天然記念物]明神池、笠山コウライタチバナ自生地、指月山、見島ウシ産地、
見島のカメ生息地、[国登録有形文化財]明倫小学校本館、萩駅舎、三見橋、[県
指定天然記念物]志都岐山神社のミドリヨシノ、[市指定天然記念物]笠山虎ヶ崎
ヤブツバキ群生林ほか
16
重点事業 1-3
「豊かな自然景観」
、「萩らしい農漁村景観」の保全・活用
萩市は、北長門海岸国定公園や山口県立自然公園長門峡を有する風光明媚な地域
です。
これらの美しい自然と素晴らしい眺望を次代へ継承していくため、自然景観の保
全活動を市民や事業者とともに進めるとともに、調和のとれた新たな景観の創出や
特色ある農漁村の良好な景観の保全に努めます。
また、自然とのふれあい、自然学習や野外活動等が体験できる場を提供するため、
自然を活かした各種公園等の整備、資源を活かした交流活動等を推進します。
〈推進事業〉
[川上地域]
■地域周遊ルートづくり
○萩阿武川温泉、萩・長門峡観光遊覧船、長門峡竜宮淵など
■長門峡(竜宮淵エリア)情報の発信強化
○発信情報の充実(竜宮淵エリア時間別プログラム、周遊ルートなど)
○生雲渓遊歩道暗がり淵ルートの活用
■長門峡アクセス向上(道路改修・シャトル便支援等)
■温泉情報の発信強化
■池ヶ原交流促進施設の周年利用促進
■ゆず自生地(国指定天然記念物)、ゆずの活用
■カヌー施設を活用した交流活動の推進
○カヌー施設、温泉、バンガローを活用したプログラム作成
[田万川地域]
■地域周遊ルートづくり
■果樹園等の観光農園活用の推進
■田万川キャンプ場の利用促進
■温泉源の確保
■江崎漁港周辺の漁村集落景観の保全・活用〈景観形成地区〉
[むつみ地域]
■地域周遊ルートづくり
■拠点づくりの方向性の検討
○伏馬山周辺の豊かな自然景観の活用
○キャンプ場の施設改善の検討
■ひまわりロード等を活用した地域活性化の推進
○ひまわりの活用、体験プログラムなどの検討
■昆虫王国での体験プログラム等の充実
[須佐地域]
■須佐湾の活用の推進
○須佐湾クルージングの充実など
17
■地域周遊ルートづくり
○歴史探訪ルートづくり
須佐唐津古窯跡群、益田館、益田家墓所、松崎八幡宮、大薀寺、育英館な
ど
○自然探訪ルートづくり
須佐湾、ホルンフェルス、高山磁石石、畳ヶ淵、柱状節理(龍鱗郷)、道永
の滝、須佐湾遊覧など
○地域住民が観光案内のできる資料づくり
■「日本の地質百選」等の活用
○地質遺産・地質資源の活用(ジオパーク構想の検討)
■須佐湾エコロジーキャンプ場を活用した体験プログラム等の充実
■海苔石休憩所を活用した地域活性化の推進
■松崎八幡宮周辺の歴史的景観の保全・活用〈景観形成地区〉
[旭地域]
■地域周遊ルートの充実・活用
○萩往還ウォーキングの充実・活用
○赤間関街道「中道筋」ウォーキングの充実・活用
○交通事業者等と連携した「ウォークイベント」へのエントリーなど
○街道等の維持管理体制の強化
■イベント等による交流人口の拡大
○田舎まるごと体験交流、萩往還まつり「技・明木展」など
■佐々並地区の重要伝統的建造物群保存地区の選定に向けた取組
■オートキャンプ場・ナチュラサーキットを活用した体験プログラム等の充実
■萩往還沿いの町並みの保全・活用〈景観形成地区〉
[福栄地域]
■地域周遊ルートづくり
■「自然体験」、「癒し風景」の保存・活用
○雄滝・雌滝への進入路整備等の検討
○鍾乳洞(佐々連洞・観音窟)の活用検討
(進入路整備、安全性の確保、洞内活用など)
○羽賀台「天保閲兵之地」の進入路整備、景観形成等の検討
○扇子落滝、平蕨台の雲海、平原台農園等の保存・活用
(福栄夢るーらる雲海の活用策の検討など)
■朝市などによる交流観光の推進
[萩地域]
■四季の風物・萩らしい風景の保存・活用
○しろ魚四つ手網漁、夏みかんと土塀、いりこ工場など
■笠山地区周遊ルートの充実・活用
○笠山、風穴、明神池、椿群生林など
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○好評の椿見どころ案内人等による椿群生林内の案内プログラムの充実
○「萩・笠山椿群生林コース」を始め、笠山を活用したウォーキングコース
の充実
○明神池及び笠山の周遊道の整備
○大型バス対応(団体客利便性・駐車場等)の検討
■見島まるごと体験プログラム等の充実と情報発信強化
■見島総合センターの活用
離島宿泊体験学習施設、歴史民俗資料展示室をあわせ持つ総合センターを
活用した交流の促進及び離島地域の活性化
重点事業 1-4
「観光商店街」の整備推進・充実・活用促進
「食べる・買う・憩う」ことは、賑わいある観光エリアに必要不可欠な要素であ
り、これらの基本的なニーズに対応するためには、飲食・物販等の施設は欠かせな
いものです。特に萩の玄関口となる萩バスセンターからお成り道、萩城城下町、萩
博物館へのルートは、観光客の最も見込まれる場所であり、周辺商店街の観光商店
街としての整備・充実が急がれています。
〈推進事業〉
■お成り道に位置する観光商店街の充実と活用
全国有数の観光地であるという特性を活かし、観光客にもアピールできる
観光ミックス型商店街を推進します。
○唐樋札場跡周辺整備の推進
憩える公園としての機能を有する唐樋札場跡周辺の整備を推進し、中心
市街地での回遊性の向上を図り、賑わいの創出に努めます。
■夜市や定期イベントの充実
■萩まちじゅう博物館にふさわしい「萩らしい町並み・家屋」の店舗の整備促進・活用
■萩ならではの特産品、土産品の開発
■空き店舗の解消
重点事業 1-5
「萩まちじゅう博物館」の推進
萩市に今なお残る城下町のたたずまいや町割り、明治維新関連史跡などは日本を
代表するかけがえのない都市遺産です。この都市遺産の保存及び活用を図ることを
萩まちじゅう博物館と定義付けており、市民及び事業者と協働して萩まちじゅう博
物館を推進し、「ゆったり・じっくり観光」の実現を図ります。
〈推進事業〉
■市民及び事業者との協働による「萩の魅力再発見」と「萩の遺産継承」運動の推進
■ボランティアガイド等による観光案内の充実
■萩博物館や文化財施設での語り部による情報発信の推進
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■萩博物館の萩体験学習プログラムの充実と活用
■萩博物館・周辺文化財施設の共通入館券発行の検討
■萩博物館・市内文化財施設等のネットワーク化の推進
○市内文化財施設等での萩博物館所蔵資料の展示などの検討
■ワンコイントラスト(100 円信託)運動等による萩の歴史的景観・自然景観の保全
○トラスト物件の周知拡大と活用
[1]鉄道の父「井上勝旧宅の門」の修理(平成 18 年 4 月竣工)
[2]住吉神社例祭の山車「猿田彦面」の修理(平成 18 年 10 月竣工)
[3]「大名行列御道具類」の修理(平成 19 年 7 月竣工)
[4]金谷神社御神幸の牛車「御網代車」の修理(平成 20 年 10 月竣工)
[5]長州砲(英国より里帰りを実現)(平成 20 年 8 月~平成 21 年 5 月)
[6]伊藤博文公先祖の墓碑の修復(平成 21 年 9 月竣工)
■「萩まちじゅう博物館」アクセス道路の整備
○遊歩や自転車利用の観光客にとってもやさしい、ユニバーサルデザインに
配慮した市内アクセス道路の整備
■萩まちじゅう博物館の中核施設「萩博物館」の活用、機能強化
○萩まちじゅう博物館の観光拠点施設、ビジターセンターとしての活用
萩博物館を起点とした明治維新、萩焼などのテーマに即した観光コース
を設定します。
○情報センターとしての機能強化
市民を始め観光客が萩市への認識や理解を深められるよう、幅広く系統
的な情報が提供できるよう機能強化を図ります。
○自然、歴史、民俗、産業などをテーマにした「萩学」の探求
■地域博物館(萩博物館サテライト施設)の増設、機能強化
○地域資源を地域博物館として整備
○地域博物館での展示内容の充実
○博物館とのネットワーク化、アクセス道路の整備
■萩ゆかりの人物にスポットをあてた観光ポイント・周遊コースの開発
■山口県立萩美術館・浦上記念館 陶芸館の活用
山口県立萩美術館・浦上記念館に陶芸館が整備され、平成 22 年 9 月に開館
します。また、伝統的工芸品月間国民会議全国大会が同年 11 月に開催されま
す。萩焼発祥の地である萩市にとって、これを絶好の機会と捉え、
「萩焼」を
全国に発信します。
20
重点事業 1-6
世界遺産登録への取組の強化
萩まちじゅう博物館条例を制定し、市民、事業者と行政が一体となり、萩市固有
の都市遺産の保存運動に取り組んでいます。この都市遺産の更なる保存及び活用を
図り、次代へ引き継いでいくため、世界遺産への登録を目指した取組を強化します。
〈推進事業〉
■ユネスコの世界遺産登録を目指す取組の強化
世界遺産候補の「九州・山口の近代化産業遺産群」については、平成 21 年
1 月 5 日にユネスコの世界遺産暫定一覧表に記載されました。萩市の構成資産
候補は、幕末に萩藩が自力の近代化を試みた遺産として、洋式大砲を造るた
めの金属溶解炉である「萩反射炉」、洋式軍艦を建造した「恵美須ヶ鼻造船所
跡」、その軍艦を造るための鉄を供給した「大板山たたら製鉄遺跡」、その当
時の封建社会を示している「萩城下町」の4資産で、
「松下村塾」は検討中の
資産となっています。候補となった構成資産の調査・研究をすすめ、価値付
けを行うとともに、日本の近代化始まりの地・萩の情報を発信します。
今後は、関係県市で構成した「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産
登録推進協議会や平成 21 年に設立された世界遺産登録推進萩市民会議と連
携・協力し、文化庁との協議を重ねながら早期の世界遺産登録を目指します。
■世界遺産候補の構成資産「史跡萩反射炉」等の調査及び保存管理の検討
■「九州・山口の近代化産業遺産群」世界遺産登録推進協議会との連携
○日本の近代化始まりの地・萩の情報発信
○ロゴマーク等の活用による機運の醸成
■世界遺産登録推進萩市民会議との連携による普及啓発と機運の醸成
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重点戦略 2
地域資源の発掘・活用による滞在型・体験交流型観光の推進と広域連携の強化
合併により広大になった萩市の各地域に在る豊富な資源の積極的な掘り起こしと
活用を推進します。
また、滞在型旅行における周遊動向は津和野や宮島などの県境を越えた広域観光の
需要が高く、広域連携を更に強化していきます。
重点事業 2-1
地域観光ワンプロジェクトの推進
各地域ならではの資源や特性を活かした特色ある地域づくり、また、観光的要素
が強い地域資源を活かした地域観光ワンプロジェクトを推進します。
〈推進事業〉
■地域観光ワンプロジェクト推進事業
地域住民を交えたワークショップなどを実施し、地域住民の事業参画意識
を高めるとともに、観光による新たな地域振興策を検討します。
[川上地域]
萩・長門峡観光遊覧船運航
[田万川地域]
平山台果樹団地、江崎漁港周辺の漁村集落の景観など
[須佐地域]
須佐湾、高山磁石石、ホルンフェルス、地質資源、松崎八幡宮周辺の歴史的
景観など
[むつみ地域]
昆虫王国、農業体験、ひまわりロード、伏馬山の自然景観など
[旭地域]
萩往還、赤間関街道「中道筋」、宿町と農村集落の景観及び萩往還沿いの町並
み(伝建地区選定に向けた取組)など
[福栄地域]
隠れキリシタンの里、大板山たたら製鉄遺跡、朝市など
重点事業 2-2
地域観光資源の見直し・新たな資源の発掘と活用
地域の観光資源を新たな視点で見直すとともに、手つかずの地域観光資源を掘り
起こし、それらを活用した新たな魅力の創出に努めます。
〈推進事業〉
■魅力ある地域づくりを推進する地域コミュニティの活性化
魅力ある地域づくりを地域が主体となって推進できるような支援を行うと
ともに、必要に応じて都市住民との交流活動や外部プランナー等の活用がで
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きる仕組を充実していきます。
■見直し、活用を検討する地域観光資源の例
[川上地域]
長門峡、阿武川、阿武川ダム、農林産物処理加工施設、的まつり、神楽舞、
梅岳寺伝雪舟庭、玉泉寺毘沙門天立像、ユズ畑、豊かな山林、滝めぐり(扇子
落しの滝、鳴海の滝)など
[田万川地域]
平山台果樹団地、尊正寺のエドヒガン巨樹、妙権寺のイブキ、神楽舞(大江後、
友信)、水産加工場など
[須佐地域]
ホルンフェルス、地質資源、育英館、須佐湾遊覧、益田親施、手塚猛昌、ダ
イビング、ブルー・ツーリズム、グリーン・ツーリズム(農漁村滞在型余暇活
動)、高山、畳ヶ淵、道永の滝、祇園祭、益田館、須佐男命イカ、弥富そば、
赤米など
[むつみ地域]
昆虫王国、農業体験、伏馬山山麓、ひまわりロード、吉部八幡宮のスギ、辻
山のシダレザクラ、奥阿武宰判勘場跡、トマト・ダイコン栽培など
[旭地域]
萩往還、赤間関街道「中道筋」、明木市の半農宿場町、佐々並の半農宿場町、
アクティビティパーク、鳳翩山、佐々並川・明木川の清流、淵ヶ平の滝、石
風呂、豆腐、萩往還まつり「技・明木展」、萩・あさひ体験の駅協議会による
田舎まるごと体験交流など
[福栄地域]
隠れキリシタンの里、大板山たたら製鉄遺跡、立木薬師如来像、鍾乳洞(佐々
連洞、観音窟)、雄滝・雌滝・どうどうの滝、とんだんの森の昆虫・栗・わら
び、平蕨台の雲海・福栄夢るーらる雲海、阿児女渓谷、羽賀台、押原の棚田、
平原台のブドウ畑、長沢台牧草地など
重点事業 2-3
「農商工等」連携による地域ブランド化の推進
萩市は、日本海と中国山地に囲まれていることから瀬付きあじ、あまだい、けん
さきいか、スイカ、トマトなど豊富な海や山の幸に恵まれています。このような萩
市ならではの「食」の付加価値を高め、競争力のある商品を開発するため、農商工
等連携による地域ブランド化を推進します。
また、萩市の美味しい「食」情報を全国に発信し、食の魅力で観光客を誘致し、
観光客の満足度を高めるなど萩のイメージアップに努めてまいります。
〈推進事業〉
観光客への「おもてなし」の一環として地産地消に取り組むとともに、新たな
ブランド確立や創出に努め、萩市の美味しい「食」情報を全国に発信します。
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■萩の魚のブランド化の推進
萩の瀬つきあじ、須佐男命イカを始め、萩の魚のブランド化を推進し、付
加価値を高め、萩のイメージアップに努めます。
また、四季折々において旬の地魚の消費拡大に努めます。
■萩の優れた農産物、畜産物のブランド化の推進
山口あぶトマト(むつみ)、千石台だいこん、萩スイカ(相島)、小川の桃、
平原台のぶどう、夏みかん、柚子、ゆず吉、萩たまげなすなど
■萩の優れた「食」の情報発信
○やまぐち地ブログの活用
○飲食店、消費者向け萩産品レシピ本の制作・全国販売
○首都圏などへの販路開拓
重点事業 2-4
滞在型観光・体験交流型観光の充実と広域連携の強化
萩市は、市町村合併により広大な中山間地を有することになり、この地域特性や
地域特有の資源を活かし、地域の人々自らが主体となって都市住民や修学旅行生と
交流するグリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムなどの体験交流型観光を推進
します。
また、小郡萩道路絵堂I.C、萩・三隅道路の開通を目前にし、ながと路観光の
魅力はますます高まります。このような中、特に、美祢市、長門市との広域連携を
強化し、3市間の周遊観光ルートの充実を図るなど滞在型観光を促進します。
〈推進事業〉
■体験交流型観光プログラムの充実
地域特有の資源である萩焼、萩ガラスなどの製作体験を始め、農業体験、
スキューバダイビングなどを取り入れたグリーン・ツーリズム、ブルー・ツ
ーリズムなどの体験交流型プログラムを充実させるとともに、農家・漁家民
宿などの育成に努めます。
また、かまぼこ工場の見学などの産業観光を取り入れたプログラムの充実
に努めます。
○須佐体験プログラム[須佐唐津焼、赤米リース、そば打ち、石ころアート]
○松下村塾や藩校明倫館とともに、幕末志士たちの教育の場としての役割を
果たした郷校「育英館」当時の授業体験
○萩・あさひ体験の駅連絡協議会による田舎まるごと体験交流[知恵・技・文
化などの資源を活かした体験交流]
○見島体験滞在プログラム[おにようず作り、体験ダイビング、漁業体験、見
島牛ふれあい体験など]
○大島まるまる体験ツアー[郷土料理体験、収穫体験など]
○相島すいかオーナー制度[収穫祭など]
■農漁村地域の特性を活かした交流の促進
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グリーン・ツーリズムを始め、朝市などの農産物直売による交流、道の駅、
農業体験、市民農園などにより都市と農村の交流を促進します。また、農漁
村地域における交流・体験施設の充実を図ります。
○ブルー・ツーリズム、グリーン・ツーリズムなど
○フィッシングパーク、キャンプ場など
○農家民宿、漁家民宿、農家レストラン、漁家レストランなど
■「萩らしい自然体験」の推進
○須佐湾エコロジーキャンプ場
○萩アクティビティパークオートキャンプ場
○砂見田キャンプ場
○ネムの丘キャンプ場
○田万川キャンプ場
○櫃島交流施設
○山口県萩青年の家など
■広域観光連携の取組強化
○ながと路観光連絡協議会を始め、各種協議会との連携
■美祢市・長門市との観光連携強化
○アクセス充実に伴う連携強化
平成 23 年に開催される「第 66 回国民体育大会」及び「第 11 回全国障害
者スポーツ大会」に向けて、小郡萩道路、萩・三隅道路の整備が進められ
ています。これにより時間距離が短縮され、沿線観光地の魅力はますます
高まることから美祢市、長門市との連携をより一層強化し、周遊観光ルー
トを充実させるなど滞在型観光を推進し、観光客の誘致に努めます。
重点事業 2-5
「水の都・萩」をアピールする観光の充実
海や川に恵まれた「水の都・萩」をアピールする魅力の充実を図ります。
〈推進事業〉
■萩八景遊覧船運航を活用した「水の都・萩」のイメージアップ
■萩八景遊覧船のコースの多様化によるリピーター誘致
■河川景観を眺望できる周遊河川遊歩道、河川公園等の活用
■阿武川ダム湖を活用した観光遊覧船の運航
■須佐湾クルーズの充実
■海水浴場、川遊びの場等の魅力向上
重点事業 2-6
萩の夜間観光の魅力充実
滞在型観光においては、夜間の時間消費のあり方が、ポイントとなります。今後
も多くの人々に長く滞在していただくために、夜間に魅力を発揮する観光資源を積
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極的に見出しながら萩の思い出づくりを推進していきます。
〈推進事業〉
■「ナイト観光」をテーマとした新たな観光スポットの確立
○萩・夢灯りプロジェクト
萩城下町周辺のライトアップ及びライトアップ設備の常設化を目指した
継続的な取組等により萩のナイト観光を推進します。
■ライトアップイベント等による夜間観光の魅力充実
○ウィンターイルミネーション、萩イルミネフェスタ、夜桜ライティングな
ど
○文化財施設、観光施設等ライトアップ充実の検討
■夕景、夜景、ホタル、漁火等を活かした夜間観光プログラムの充実
■夜間における交流プログラム・夜間開催イベントの充実
○「萩学講座」
「天体観測」
「昆虫観察」
「昆虫採取」等、夜間体験プログラム
の充実
○「萩・竹灯路物語」「萩・万灯会」等、夜間体験イベントの充実
■夜間営業店舗等の情報発信による夜間観光の魅力充実
○観光施設、飲食、物販施設など、夜間営業店舗の紹介資料作成等の検討
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重点戦略 3
観光情報の発信強化
萩市は、毛利氏 36 万石の城下町として栄えたまちであり、明治維新胎動の地でも
あることから、全国でも数少ない近世の都市遺産や維新関連資産、人物、そして豊か
な自然など観光資源に恵まれています。これらは萩市固有のものであり、萩ブランド
として積極的に情報発信していきます。また、新たな観光資源の創出に努め、新しい
萩の顔として全国に発信します。
重点事業 3-1
「萩ものがたり」シリーズ等による萩ブランドの情報発信
萩市は、維新の先駆者吉田松陰を始め、多くの逸材を輩出し、明治維新胎動の地
となりました。このような近代日本の礎を築いた豊富な人材に加えて、全国でも数
少ない近世の都市遺産や維新関連資産、人物、自然など、萩ものがたりとして語ら
れる題材に恵まれています。しかし、かつて郷土史家などによって伝承されてきた
これらの萩ものがたりが忘れられようとしています。そこで、自然、歴史、民俗、
産業、美術工芸などの萩にしかない財産をさまざまな切り口から平易に記述し、簡
便で読みやすいブックレット形式の「萩ものがたり」を定期的に出版することで、
萩市を全国に発信し、また後世に伝えていきます。
〈推進事業〉
■「萩ものがたり」シリーズの継続的出版
「萩ものがたり」の内容の充実に努めるとともに、定期購読者や一般販売
の拡大を推進します。
萩の歴史文化・人物、豊かな自然、多彩な行事や風物、民間伝承、伝統産
業など、後世に語り継ぐべき萩市の宝物、物語がまだまだ多く残っています。
ブックレット・シリーズ「萩ものがたり」として、年間4冊、合計約100
冊の出版を計画しています。
重点事業 3-2
インターネットの活用強化・ホームページの充実
旅行に行くにあたって参考にする情報源については、インターネットによるもの
が、家族・友人の話とともに上位となっています。携帯端末機器等によるインター
ネット環境も急速に進化しており、インターネット利用は今後も増え続けていくこ
とが考えられます。また、インターネットは、海外や情報障害者へ向けた情報発信
の手段としても活用されていきます。
〈推進事業〉
■ホームページ観光情報の充実
ウェブサイトを数値的な観点から解析し、必要な課題の調査を行い、更に
魅力的なサイトの運営に努めます。
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○モデルコース・イベント・萩の魅力等のビジュアル化
○キーワード検索等による萩観光情報への誘導
■ホームページ観光情報の多言語化
○音声ソフト等に対応、配慮した構成等
■携帯端末、カーナビ事業者等への情報発信
重点事業 3-3
多様化に対応する情報発信~目的・対象を明確にした情報発信~
観光需用の多様化に対応した観光情報を発信するため、情報内容やビジュアル資
料の作成、情報媒体の見直しを行います。
また、将来的な、中長期的な観光客誘致を目的とするのか、直接的な観光客誘致
を目的とするのか、高齢者層、女性層を対象にするのかなど、目的や対象を明確に
し、情報内容を充実させ、萩のイメージ、知名度が更に高まるよう効率的な情報発
信に努めます。
〈推進事業〉
■関東・東海等の大都市圏への中長期的な観光客誘致を目的としたイメージアップ
情報の発信
○情報誌編集社等への新観光情報の発信
○観光資源等の効率的な広告宣伝等
○多様化に対応するスモールターゲットに視点を向けた情報発信
■関西以西からの観光客誘致を目的とした情報発信
○自家用車利用の観光客の増大を見据えた情報発信
○九州新幹線の全線開業を見据えた情報発信
■県内、近県等からの交流人口、リピーターの拡大を目的とした情報発信
○県内、近県へのキャンペーン情報、イベント情報等の発信
○他地域への口コミ宣伝を促す情報発信
○近県、県内の道の駅等を活用した観光情報の発信
○効率的な広報、広告宣伝
○リピーター率の高い萩博物館、萩焼まつり、山口県立萩美術館・浦上記念
館、萩しーまーとなどの情報発信、更なるリピーターの拡大
■宿泊圏域における滞在型観光客誘致を目的とした情報発信
○宿泊観光客比率の高い大都市圏への訴求効果の高い情報発信
○旅行会社、交通事業者等への新観光商品情報の発信
(モニターツアー等の実施)
■全国大会等を活用した情報発信
○平成 22 年 11 月 伝統的工芸品月間国民会議全国大会
平成 22 年に伝統的工芸品月間国民会議全国大会が萩市で開催されること
から、これを契機として伝統的工芸品愛好家等への情報発信を展開し、観
光客の誘致を図ります。
28
○平成 23 年 10 月「おいでませ!山口国体」「おいでませ!山口大会」
平成 23 年に「第 66 回国民体育大会」及び「第 11 回全国障害者スポーツ
大会」が萩市でも開催されることから、これを契機とした情報発信を展開
します。あわせて、大会開催に伴う施設等の充実に努めており、山口県大
会、中国大会、全国大会などの各種スポーツ大会の誘致を図ります。
■ゆかりの人物をテーマにした情報発信
山田顕義、桂太郎、藤田伝三郎、井上勝、楫取素彦など各方面や各分野で
活躍した萩出身の人物をテーマにして、ゆかりの地やゆかりの分野に向けて
情報発信します。
■イベント・交流活動等による情報発信
萩市には、近世の都市遺産を始め各方面で活躍した萩出身の人物、豊かな
自然など魅力ある資源に恵まれています。これらかけがえのない資源をテー
マにイベントや交流活動を展開し、萩の魅力・観光情報を発信します。
○姉妹都市、友好都市、ゆかりの地への市民号派遣などの交流による観光情
報の発信
○歴史や文化を共通のテーマとした全国自治体等との交流による観光情報の
発信
○萩時代まつり、萩・椿まつりなどのイベントの活用による萩の魅力、観光
情報の発信
■萩出身の有名人、文化人、萩ファン等との連携による情報発信
萩出身者、萩ファン、萩ネットワーク愛読者等とのネットワークを強化し、
連携・協働して観光情報の発信に努めます。
■情報収集体制の強化
情報発信媒体や情報受信者の視点に立った観光情報発信を行うとともに、
観光情報の収集発信体制を強化します。
○観光プロモーションDVDの製作
○観光関連団体等との連携による観光情報の収集発信
重点事業 3-4
「萩ロケ支援隊(フィルム・コミッション)」の活用
毛利藩政時代の城下町の面影を色濃く残し、豊かな自然や美味しい食材にも恵ま
れている萩市は、映画やテレビドラマ、CM の撮影舞台として魅力的なものです。マ
スメディア(新聞・雑誌・テレビ・映画等)の露出等により萩市への注目度は飛躍的
に高まります。引き続き、「萩ロケ支援隊(フィルム・コミッション)」を活用した
ロケーション誘致に積極的に取り組んでいきます。
〈推進事業〉
■映画、テレビドラマ、CM などのロケーションの誘致とその支援
(NHK の大河ドラマ、朝の連続ドラマ等への組織的誘致活動)
○誘致宣伝素材等の充実
29
○映画、テレビドラマ、CM などの放映を活用した観光宣伝
■公開番組等の招致
重点事業 3-5
記念事業の推進
萩の歴史、産業、文化、人物や、史実の節目を活用した周年記念事業等により、
萩の情報を発信します。
〈推進事業〉
■萩まちじゅう博物館の推進に資する銅像の建立(人的資源の活用)
萩まちじゅう博物館銅像建立委員会による高杉晋作、木戸孝允、井上勝、
藤田伝三郎などの銅像の計画的な建立
■節目の年(例)
平成 22 年 吉田松陰生誕 180 年、久坂玄瑞生誕 170 年、高島北海生誕 160 年、
井上勝没後 100 年
平成 23 年 伊藤博文生誕 170 年、吉田稔麿生誕 170 年、
藤田伝三郎生誕 170 年、高島北海没後 80 年
平成 24 年 山田顕義没後 120 年、藤田伝三郎没後 100 年、
山県有朋没後 90 年、松下村塾設立 170 年
中嶋治平生誕 190 年、木戸孝允生誕 180 年、井上勝生誕 170 年、
平成 25 年
遠藤謹助没後 120 年、桂太郎没後 100 年、奇兵隊発足 150 年、
長州ファイブ渡航 150 年
平成 26 年 山田顕義生誕 170 年、久坂玄瑞没後 150 年、吉田稔麿没後 150 年
30
重点戦略 4
観光アクセスの向上
萩市の観光集客において最大の課題である観光アクセス面の整備については、小郡
萩道路(美祢市真名-絵堂間)、萩・三隅道路が平成 23 年の第 66 回国民体育大会及び
第 11 回全国障害者スポーツ大会開催までに供用されるなど、改善されつつあります。
これによって、自家用車を利用して萩を訪れる観光客が増加することが予想されるた
め、印象的かつわかりやすい誘導、アクセスの向上を図るなど、観光客の満足度を高
める施策を実施していきます。
また、萩・石見空港や山口宇部空港からの受入時間の短縮を図るため、山陰自動車
道の早期実現や小郡萩道路の早期全線整備を促進するとともに、市内の主要観光地を
結ぶ地域間連絡道路の整備に努めます。
重点事業 4-1
高規格幹線道路等の整備促進
人、物、情報などの交流を拡大するため、高速性と定時性を兼ね備えた高規格幹
線道路や地域間連絡道路の整備を促進します。
〈推進事業〉
[萩市までのアクセス]
地域高規格道路小郡萩道路の対応が遅れている絵堂-萩間については、整備
区間への格上げ及び早期整備に向けた要望活動を強く展開していきます。
山陰自動車道については、予定路線である益田-萩間の計画路線への格上げ、
早期整備を引き続き強く要望していきます。
■小郡萩道路(美祢市美東町真名-絵堂)、萩・三隅道路(長門市三隅-萩椿)の供用
開始に伴う観光連携強化
○沿線3市の観光連携強化
○九州・中国・四国方面からの自家用車利用観光客の誘致
■浜田市、益田市、長門市など沿線自治体との連携強化
■道路整備に伴う広域観光コースの構築
■萩・石見空港の利用拡大及び利便性向上の要望
最短距離に位置する萩・石見空港について、アクセス道となる山陰自動車
道の早期整備を要望するとともに、萩・石見空港利用拡大促進協議会と連携
して利用拡大に取り組み、一層利用しやすい空港となるよう、東京便の複便
化、利用しやすい運航ダイヤ、運賃の引き下げ等について要望していきます。
■新幹線の利便性向上要望
県や関係団体と連携して新幹線の新山口駅発着増便等を要望していきま
す。
31
重点事業 4-2
二次交通の整備促進
平成 23 年に九州新幹線の全線開業など山口県への一次交通の拡大が見込まれる
ことから、新山口駅から萩への二次交通について利便性の向上に努めます。また、
山口宇部空港について、直通の二次交通である直行便タクシー、やまぐち観光周遊
バス等の充実に努めます。
バス路線については、市内観光地へのアクセスが容易となるよう維持・充実を図
り、観光客の利便性の向上に努めます。
鉄道については、利用促進に努め、運行の維持及び利便性の向上を要望していき
ます。
〈推進事業〉
■新山口駅とのアクセス
平成 23 年春の九州新幹線全線開業に伴い、関東、関西などからの新幹線利
用に加え、南九州からの観光等による利用増加が見込まれることから、新山
口-萩間の二次交通の利便性をこれまで以上に向上させることが重要となり
ます。
○路線バス接続の充実、やまぐち観光周遊バス等の充実
○レンタカー利用者の利便性の向上
■山口宇部空港とのアクセス
○山口宇部空港直行便タクシーの活用
○やまぐち観光周遊バス等の充実
○レンタカー利用者の利便性の向上
■萩・石見空港とのアクセス
○萩-空港間アクセスの充実
○レンタカー利用者の利便性の向上
■山陰本線の利便性を確保するためJR要望
○福岡・山口・島根を結ぶ快速列車運行の要望
○下関-東萩間の直通列車増便の要望
○大田-東萩間の直通列車運行の要望
○大田-萩間の臨時観光列車運行の要望
○下関-萩間の観光列車運行の要望
重点事業 4-3
萩市内の交通利便性の確保
市内公共交通等の利便性の確保に努めます。また、市内地域間、観光地間のアク
セス道路の整備を促進します。
〈推進事業〉
[萩市内のアクセス]
■「まぁーるバス」の利用促進と既存運行経路の見直し
32
■新たな観光地への進入路・駐車場の整備
■離島航路維持の働きかけと利用促進
離島航路については、航路維持のため財政支援を国・県に対して働きかけ
るとともに、利用促進に努め、経営の安定化を図ります。
■地域間道路の整備
○市道笹尾新茶屋線の早期完成
○萩川上線、萩津和野線の早期整備促進
○都市計画道路今魚店金谷線(城東橋から国道 191 号までの先線)の早期整備
要望
■各地域内に点在している観光資源へのアクセス道路整備
■地域間、道路区分等で異なる誘導標識・表示等の統一の検討
■おもいやり駐車場利用証制度の周知
重点事業 4-4
遊歩・自転車観光を実現する観光動線の整備
萩市観光の基本的なコンセプトである「ゆったり・じっくり観光」を実現するた
めに、歩行者優先の原則やユニバーサルデザイン化を段階的に進めていきます。
〈推進事業〉
■堀内地区、萩城城下町地区、藍場川地区等での交通規制の検討、歩行者優先道
路の段階的整備
■ゆっくり歩ける遊歩道、段差対策、ベンチやトイレの整備等
■タクシーの活用
○タクシー乗り場等設定(迎車ポイント)の検討
○タクシープラン(モデルコース)の充実
■まぁーるバスの活用
○主要バス停の整備
○まぁーるバスプラン(モデルコース)の充実
■自転車観光の推進
○自転車観光ルートの再構築
■歩行者、自転車専用の河道(散策道路)等の活用
重点事業 4-5
広域周遊ルートの整備促進
山口県内外の観光地との連携を強化し、広域周遊ルートの整備を促進します。
〈推進事業〉
■観光テーマ、既存の周遊ルート等に基づく広域連携の強化
○ながと路観光連絡協議会を始め各種協議会等との連携強化
○観光テーマに基づく広域連携
毛利、萩往還、観光列車などのテーマに基づき、岩国・下関、防府・山
33
口、下関・長門などとの連携を図り、広域周遊ルートの整備に努めます。
○既存の周遊ルートに基づく広域連携の強化
旅行商品、例えば「安芸の宮島・萩・津和野」などに基づき、宮島・津
和野との連携を強化し、周遊ルートの充実に努めます。
○萩-津和野間のアクセス道路及び手段の充実
萩津和野線については、萩市と津和野町を結ぶ最短のアクセス道路であ
るが、急カーブや狭隘な箇所があり、線形、道路改良などの整備が必要で
あり、継続して全区間の早期改良を要望していきます。
○萩-秋芳洞間のアクセス道路及び手段の充実
■山陰本線活用策の検討
山陰本線沿線は、北長門海岸国定公園を始めとする優れた観光資源に恵ま
れており、沿線の資源と鉄道を連携させた広域周遊ルートを開発するなど、
山陰本線活用策を検討していきます。
■市内地域間の観光ルートづくり
地域資源を活用した地域観光ワンプロジェクトを推進することから、これ
を踏まえた観光ルートづくりに努めます。
34
重点戦略 5
受入体制の充実
観光客の誘致については、萩のブランド、イメージを損なうことがないよう、観光
客の多様なニーズにきめ細かく対応し、萩への再来を促す努力が必要です。
「萩は、日本の心のふるさと」と思われるような、そんな「萩のおもてなし」を推
進するなど、受入体制の充実を図ります。
重点事業 5-1
「萩のおもてなし」教育の実践
「萩おもてなし大賞」の開催などにより、市民や事業所のおもてなし意識は向上
していますが、観光関連事業所を対象とした接遇研修によりサービスの向上を更に
促進するとともに、市民に対しても引き続きおもてなしの啓発に努めます。
また、観光地美化意識の向上に努め、市民参加による美しい観光地づくりを推進
します。
〈推進事業〉
■観光関連事業所を対象とした接遇研修等の実施
○観光関係者による「おもてなしガイド」の作成
○ホテル・旅館等の従業員を対象にした接遇研修の開催
○観光施設の従業員研修、マナー講座等の開催
■市民に向けた「こころのおもてなし」と「知識のおもてなし」の啓発活動
[こころのおもてなし]
○おもてなし推進協議会によるおもてなし啓発
○萩おもてなし大賞の受賞者・受賞施設等の活用
[知識のおもてなし]
○博物館や新図書館に明治維新関係資料を中心とした図書の充実
○萩ものしり博士検定の実施
萩ものしり博士検定を引き続き実施し、博士課程を終えた方を「まちか
ど解説員」として委嘱します。
○公民館活動(郷土料理教室、歴史講座、英会話教室等)等との連携
■学校との連携による萩の歴史・文化、おもてなし教育の実践
子供たちが萩の歴史や文化を学ぶ環境づくりは、郷土愛を育むための重要
な取組であり、おもてなし教育にもつながるものです。
「萩を訪れた人々に萩
の良さや歴史を、愛着と誇りを持って伝えること」ができるよう、そんなお
もてなし教育を学校と連携し推進します。
○各種講座・出前講座等の充実
(歴史・民俗、天文・陸上生物、自然科学、ワークショップ等)
35
重点事業 5-2
観光ボランティアの充実
現在、萩市の観光は、多くのNPO法人やボランティアによって支えられており、
また、まちづくり、福祉、環境美化など、さまざまな分野で活躍されています。本
計画期間においては、「地域資源の発掘・活用による滞在型・体験交流型観光の推
進」を重点戦略に掲げており、この地域資源をガイドする観光ボランティアの充実
を促進します。
〈推進事業〉
■観光ボランティアの充実
「萩のおもてなし」にはかかすことのできない、萩のおもてなしの代表で
ある観光ボランティアの充実を図ります。
○各地域におけるボランティアガイド等の育成
○各種観光ボランティアとの交流促進
重点事業 5-3
「萩の食」によるおもてなし
食のおもてなしは、観光動機の鍵となるもので、萩の地でしか食べられないもの、
萩の地で食べてこそ価値のあるものを提供することが重要です。このため、地産地
消にこだわった食の開発、萩の生活文化が感じられる食の演出に取り組みます。
〈推進事業〉
■地産地消の推進による萩の食の演出
○地産地消をコンセプトとした飲食、物販ゾーンの充実
○萩焼、萩ガラスの器などによる演出
■地産食材を積極的に利用している飲食店等の宣伝拡大
○旬の地魚提供店、やまぐち食彩店、地産食材バイキング、
漁家レストラン、農家レストランなど
■旬の食材キャンペーン等による地産食材イメージの定着化
萩市の誇れる食材のなかには、旬のものや少量で希少なものなどがありま
す。このような産品については、その旬の時期の周知、希少価値を売りとし
た広報宣伝により、地産食材のイメージの定着化を図ります。
○萩ブランド食のイメージ定着化策を検討(レシピ本の制作)
○四季折々の「萩の食」によるおもてなし
[春] 萩・しろ魚まつり、萩の真ふぐ祭り、萩の酒まつり、
萩・春の魚祭り、わらび摘みフェスタ(平蕨台)、
萩・夏みかんまつりなど
[夏] 萩の瀬つきあじ祭り、須佐男命いか祭り、須佐男命いか直売市、
三見びわ収穫祭など
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[秋]
そばの花まつり(弥富)、萩・魚まつり、萩ふるさとまつり、
農産加工販売所「つつじ」収穫祭、いも掘りフェスタ(平蕨台)、
赤米フェスタ、江崎漁業さかな祭、明木地区農業文化祭、
萩往還ささなみおいでん祭、ゆとりパークたまがわ収穫感謝祭など
[冬] 萩・まちじゅう「味」めぐりなど
〈冬のぶらり萩あるきパスポート〉ふぐ、真ふぐ、あまだい、金太郎
など冬だから味わえる萩市内のお勧めの食情報の発信
[萩の食材]
夏みかん、相島のスイカ、萩たまげなす、小川の桃、小川の梨、
平原台のぶどう、むつみ山口阿武トマト、千石台だいこん、見蘭牛、
むつみ豚、萩の真ふぐ、萩のあまだい、萩のけんさきいか、
須佐男命いか、萩の金太郎(ヒメジ)、萩の瀬付きあじ、しろうお、
北浦の生うに、萩・見島のクロマグロ、地酒、焼抜蒲鉾、豆腐など
重点事業 5-4
イベントの充実
四季折々のイベントや長州ファイブなど萩市の歴史に関わる人物を対象とした
イベントなどの充実を図るとともに、萩市の美しい自然や風物、伝統文化を全国に
発信します。
〈推進事業〉
■四季折々の花木によるおもてなし
○桜などの並木による名所づくりを目指した緑のまちなみ推進
○桜、夏みかん、ひまわり、紅葉、シクラメン、椿、桃など
■伝統文化を活かしたおもてなし
○萩焼まつり、おしくらごう、萩夏まつり、萩時代まつり、萩往還まつり「技・
明木展」、田舎まるごと体験交流、須佐夏まつり、須佐焼ふれあいまつりな
ど
■自然を活かしたおもてなし
○萩往還ウォーク、赤間関街道「中道筋」ウォーク、エコキャンまつり、ほ
たるまつり、萩ヨットレースなど
■オフシーズン対策
萩市は通年型の安定した観光客誘致を志向しています。観光オフシーズン
における小規模コンベンション等の誘致を推進します。
また、椿群生林、温泉、食、風物など、オフシーズンの萩の魅力を積極的
に情報発信し、観光客誘致に取り組みます。
オフ期:1 月、2 月、6 月、7 月、12 月
○萩の歴史、産業、自然を活用した小規模コンベンション等の誘致
○イベント・キャンペーン等の実施による通年型交流人口の拡大
○萩城下町マラソンや駅伝大会等、冬季スポーツイベントの開催
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○萩の味めぐり・湯めぐりキャンペーンなどの充実
○炭焼き体験など冬季の体験イベントの検討(指導者の育成)
■各種大会誘致やスポーツ交流の推進による交流人口の増大
県・中国・全国大会を始め、高齢者から少年まで幅広い各種スポーツ大会
等の誘致を図ります。また、各種スポーツイベントを支えるスポーツボラン
ティア登録事業を展開し、スタッフの確保を図るとともに、その養成に努め
ます。
○「第 66 回国民体育大会」、「第 11 回全国障害者スポーツ大会」ほかスポー
ツ競技大会等の誘致に関する施設整備とボランティア養成
○県内外から招致する市内スポーツ団体等の主催大会への支援策の検討
(宿泊観光の主な目的として3位(9.5%))
重点事業 5-5
教育旅行・研修旅行の受入体制の充実
教育旅行・研修旅行については、近年、企業や官公庁の職員研修等を積極的に誘
致し受け入れているところですが、修学旅行についても、グリーン・ツーリズムや
ブルー・ツーリズムの観点を積極的に取り入れて、改めてその対策を講じることと
します。
〈推進事業〉
■教育・研修旅行、修学旅行、職場研修等の受入体制の充実
○講師の育成、資料等の充実
○観光ボランティアガイド活用プログラムの充実
○事前研修・事前学習の支援を目的とした資料等の作成
■萩・維新塾の開催
吉田松陰先生を始めとする維新の先駆者たちを学び、彼ら若き志士たちの
熱き思いや志、エネルギーを感じることにより、失敗を恐れず何度でもチャ
レンジする旺盛な精神力を持った若者を養成する、平成版「松下村塾」を実
施します。
■旧萩藩校明倫館の活用の検討
教育に力を注いだ萩藩の藩校「明倫館」跡地には、旧萩藩校明倫館[水練池・
有備館・明倫館碑](国指定史跡)、明倫小学校本館(国登録有形文化財)、明倫
館遺構 南門・観徳門・聖賢堂(市指定有形文化財)など多くの史跡・文化財
が残っています。
「学ぶ観光」を充実させる資源として、その活用策について
検討します。
重点事業 5-6
観光ニーズに対応した宿泊施設・サービスの改善
これまで固定資産税を軽減し宿泊施設の改善を促すことや、温泉掘削などの施策
を講じてまいりました。
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国民の観光に関する動向調査によると、国内旅行の旅行先を選択する際、重視す
る項目として宿泊施設があげられています。
萩市観光アンケートにおいても、魅力のある宿泊施設が求められていることか
ら、宿泊施設の魅力向上のための施設・サービスの改善を推進します。
〈推進事業〉
■多様な観光需要に対応する宿泊施設の充実
■高齢者や外国人も利用しやすいユニバーサルデザインの宿泊施設整備
■高級志向・低価格志向・長期滞在志向顧客への対応
■地産地消にこだわった「萩ならではの食」の提供の推進
■萩焼や萩ガラスの器を使うなど萩ならではのおもてなし
■重層的かつ効率的な受入体制の整備促進
○リピーター優待制度の実施
(萩ファン、リピーター向け観光情報、割引制度、オフ期対応等)
■観光ターミナル・観光総合案内所の整備検討
重点事業 5-7
温泉・道の駅の活用
平成 16 年に掘削した「はぎ温泉」、既存の市有泉のほか、民間の泉源も加えた「萩
温泉郷」を萩市観光の新たな魅力として活用し、おもてなしの充実、滞在型観光の
推進を図ります。
また、萩市は7か所の「道の駅」を有しており、多くの観光客で賑わっています。
地域資源を活かした特色ある「地域の逸品」の開発を促進し、更なる観光客の誘致
に努めます。
〈推進事業〉
■萩温泉郷の情報発信強化
■温泉源等維持管理
■道の駅を核とした地域観光ルートの設定
道の駅を活用し、地域農産物、魚介類等の消費拡大を図ります。また、道
の駅を核とした地域観光ルート、地域間観光ルートを設定し、周遊観光を促
進します。
○周辺観光エリアの拠点としての位置づけ(モデルコースの設定)
○観光地間の中間立寄施設としての位置づけ(モデルコースの設定)
■道の駅イベント等による交流人口の拡大
○地域特性を活かした道の駅イベント等の充実
○朝市や旬の地域産品の情報発信
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重点事業 5-8
ユニバーサルデザインの推進
萩市観光の受入態勢は、全ての人にとって公平かつやさしいものでなければなり
ません。今後増加が見込まれる高齢者や外国人観光客に対しても、萩市はハード、
ソフト両面できめ細かなサービスを提供していきます。
高齢者・障害者・外国人など様々な観光客にとってやさしい観光地づくりを目指
し、ユニバーサルデザインの視点に立った環境整備を推進するとともに、点字ブロ
ックやおもいやり駐車場利用証制度についての市民意識の醸成に努めます。
〈推進事業〉
高齢者・障害者・外国人にも配慮した、観光施設のユニバーサルデザイン化を
促進します。
また、外国語表示による観光案内板等の整備に努めます。
■道路、観光案内標識、観光施設における外国語併記等を含めたユニバーサルデ
ザイン対策の実施
■観光トイレの男女比率の見直し、多目的化、洋式化、手すり等の設置
○トイレ男女比率の見直し、女性用増設による混雑の解消
○多目的トイレの新設、既存観光トイレの洋式化
■多言語による観光情報発信、案内サービスの充実
○外国語パンフレットの充実、日本語・外国語併記のパンフレットなど検討
■観光ボランティアの育成による人的サービスの充実
■外国語で対応可能な「ビジットジャパン案内所」の充実と活用
重点事業 5-9
サイン計画の策定
観光案内標識や説明板等も景観の一部です。景観に配慮し、かつ高齢者や外国人
など様々な観光客にやさしい観光案内標識等を計画的に整備していきます。
〈推進事業〉
■各地域の観光案内標識、説明板等を地域やテーマにより統一するなどのサイン計
画の策定
○整備方針策定、マニュアル作成
○観光案内標識、観光マップで現在地の把握ができる仕組づくり
重点事業 5-10
観光施設等の維持管理の徹底
観光地の美観は、観光客の印象に大きく影響を与えることから、観光道路や観光
施設の維持管理を徹底していきます。また、萩市内の観光地の美観は、多くの市民
ボランティア等によって支えられており、連携した美化活動に努めます。
〈推進事業〉
■観光地及び公共施設等の維持管理
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○観光資源及び説明板等の再整備・適正な維持管理・老朽時の迅速な対応
○効率的な施設管理による観光地の美観維持
○行政管理施設等の整理
○維持管理体制・維持管理経費の見直し
○市民ボランティア等の活動支援
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重点戦略 6
国際観光の推進
海外への周知宣伝にも努めてきているところですが、先ごろ世界的に著名なアシェ
ット社やミシュラン社の観光ガイド誌に萩のことが多く取り上げられました。また、
引き続き、米国人観光客を中心とする外国観光客船の寄港も予定されており、外国語
パンフレットを一層充実させるなどインバウンド対策に取り組んでいきます。
重点事業 6-1
外国人観光客受入体制の充実
今後も外国観光客船を積極的に誘致するとともに、観光案内標識等への外国語表
示を計画的に実施していきます。
また、国際交流の促進、外国人観光客の対応が可能な案内所等の充実に努めます。
〈推進事業〉
■外国語パンフレットの充実
○観光パンフレットの翻訳(米国、英国、韓国、仏国、台湾、香港、中国向け)
■英文併記案内標識等の充実
■観光関連施設、宿泊施設等の外国語表示の推進
■外国人観光客に対応可能な洋室、インターネットなどの宿泊施設整備の推進
■外国語対応ガイドの養成
■観光案内所等の外国語対応の促進
■国際交流拠点の整備
○国際交流ボランティアの育成
○国際交流ボランティアの登録制度等の推進
■外国観光客船の誘致と萩港の維持
北東アジア地域の経済発展に伴い、環日本海時代が到来してきております。
萩市は、北東アジア地域と至近の距離にあり、その一翼を担うことが可能
な国際貿易港「萩港」を有しており、その税関機能は外国人観光客の受入に
も大きく寄与しているところです。この利点を活かし、更なる外国人観光客
の誘致に努めるとともに、
「萩港」の維持に関係機関と協力して取り組んでい
きます。
重点事業 6-2
海外向け情報発信の強化
国は、観光庁を設置し、キャンペーン展開などにより、海外からの誘客戦略を加
速させています。萩市は国内では、観光地としての知名度は高いものの、海外にお
いては、東京、大阪、京都などと比べ、知名度は低いのが現状です。
そこで、海外に向けた情報発信を強化し、知名度を向上させ、海外における国際
観光の目的地の一つに取り上げられるよう取り組みます。
42
〈推進事業〉
萩まちじゅう博物館の取組や全国でも数少ない近世都市遺産などが国際的
に高く評価されています。これらを活用した萩市観光の基軸である歴史観光
の魅力を海外に向けて情報発信をしていきます。
■ホームページの多言語化による海外向け情報発信の強化
○外国語ウェブページの作成(米国、英国、韓国、仏国、台湾、香港、中国向
け)による海外各種媒体等への発信
■インターネット宿泊予約システム活用等の推進
■国際交流の促進
萩市の知名度を国際的に広めていくため、都市環境の国際化を推進します。
また、海外の姉妹都市を始め、在住外国人との交流を深めるとともに、民
間の国際交流団体、NGO等への情報提供に努めます。
■広域コースの設定とプロモーション方法の検討
萩観光国際シンポジウムなど、これまで開催したシンポジウム等において、
萩市は外国人にとって訪問する価値のある観光地であるとの提言をいただい
ています。また、国際観光の誘致について、より知名度の高い観光地との広
域なコース設定等による海外に向けたプロモーション活動等が必要との提言
もいただいており、この方策を検討していきます。
43
重点戦略 7
実行力ある事業推進組織の確立
萩市の観光産業活性化のために、観光関係団体、民間企業、市民グループ、行政等
が連携を保ちつつ、観光戦略5か年計画を実行し、多方面で成果を積み重ねていくこ
とが重要です。そのためには、萩市観光戦略の広範な周知活動はもちろんのこと、観
光戦略5か年計画を実行するための組織の活動強化が必須となります。
重点事業 7-1
推進組織の活動強化
観光戦略5か年計画を実行していくためには、多方面にわたる人々の協力と参画
が必要となります。前計画期間に多くの方々に理解、協力をいただきましたが、更
に、観光戦略の目的と意義を広く啓発していきます。また、その活動を通じて参画
意欲のある人材を発掘・起用しながら、観光戦略計画推進組織の活動を強化してい
きます。
〈推進事業〉
■観光戦略5か年計画及び「萩まちじゅう博物館構想」に関する市民への啓発活動
■産学公連携による観光・まちづくりの一体的推進
■観光戦略計画推進組織の設置
○観光事業者、萩観光・まちづくりボランティア等の参画
(観光関連団体、民間企業、市民グループ、旅行会社、外からの応援団等)
■市民参加による観光資源の発掘運動の展開
■観光関連団体等の連携による活動強化
○各種団体等の活動強化
観光事業・まちづくり・ガイド・環境美化活動団体など
○観光関連団体等の連携強化及び同一業務等の集中化
■各地域の各種組織の活性化
観光客と接する市民団体や観光関連事業者など、現場で活躍する方々の意
見が事業に反映されやすい仕組づくりに努めます。
○飲食・土産・宿泊・交通・まちづくりなど、同業組合等の活性化
○地域間の交流、連携への支援
重点事業 7-2
アクションプログラムの策定
観光戦略5か年計画に基づく事業を効率的に実施するためのアクションプログ
ラムを策定し、優先順位を設定し、計画的な事業実施に努めます。また、アクショ
ンプログラムについては、必要に応じて検証し、既存観光事業の見直しを行いなが
ら事業を進めていきます。
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〈推進事業〉
■優先順位の設定による効率的な事業実施
観光戦略5か年計画を実行するためのアクションプログラムの年次計画を
策定し、効率的な事業推進に努めます。
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Ⅶ.参考資料
過去5年間の観光客数の推移
萩
川上
田万川
むつみ
須佐
旭
福栄
[人]
平成 17 年
1,363,645
287,860
321,400
83,416
73,188
189,883
42,707
平成 18 年
1,410,529
266,144
325,300
85,606
73,673
209,406
41,636
平成 19 年
1,505,807
226,507
327,000
85,525
71,149
226,416
41,157
平成 20 年
1,444,711
217,282
320,500
80,197
69,031
226,743
39,077
平成 21 年
1,333,192
135,982
315,600
87,058
54,122
226,239
36,451
2,362,099
2,412,294
2,483,561
2,397,541
2,188,644
合計
3,000,000
2,500,000
2,362,099
2,412,294
平成17年
平成18年
2,483,561
2,397,541
2,188,644
2,000,000
1,500,000
1,000,000
500,000
平成19年
平成20年
平成21年
過去5年間の宿泊者の推移
萩
川上
田万川
むつみ
須佐
旭
福栄
[人]
平成 17 年
418,630
2,554
4,600
365
7,517
5,399
-
平成 18 年
438,650
2,305
5,400
181
7,021
5,148
-
平成 19 年
472,530
3,797
5,100
159
7,125
4,066
-
平成 20 年
479,781
4,155
6,000
116
6,725
4,338
-
平成 21 年
451,624
3,440
3,200
158
6,787
4,257
-
439,065
458,705
492,777
501,115
469,466
合計
600,000
500,000
439,065
458,705
平成17年
平成18年
492,777
501,115
平成19年
平成20年
469,466
400,000
300,000
200,000
100,000
平成21年
各年の1月1日~12 月 31 日までの観光客数を集計したもの。
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萩市観光戦略会議設置要綱
(設置)
第1条 観光に関する新たな施策について検討をするため、萩市観光戦略会議(以下
「戦略会議」という。)を設置する。
(目的)
第2条 戦略会議は、観光に関する新たな施策について必要な事項を協議し、萩市観
光戦略5か年計画について検討するものとする。
(委員)
第3条 戦略会議は、別表に掲げる委員により組織するものとする。
2 委員の任期は平成21年9月24日から前条の目的達成の日までとする。
(役員)
第4条 戦略会議に会長1名及び副会長2名を置き、会長は、萩市長をもって充て、
副会長は、会長が指名する。
2 会長は会務を総理し、戦略会議を代表する。
3 副会長は会長を補佐し、会長に事故あるとき又は会長が欠けたときは、その
職務を代理する。
(会議)
第5条 戦略会議は、必要に応じ会長が招集し、その議長となる。
2 戦略会議は、計画策定を円滑に進めるため、必要に応じて作業部会を設置す
ることができる。
(事務局)
第6条 戦略会議の事務局は、萩市商工観光部観光課内に置く。
(その他)
第7条 この要綱に定めるもののほか、戦略会議の運営について必要な事項は、会長
が別に定める。
附則
この要綱は、平成21年9月24日から施行する。
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萩市観光戦略会議委員名簿
氏
名
団
体
名
役
職
刀禰
勇
萩商工会議所
会
頭
松村
孝明
萩市観光協会
会
長
渡辺
浩隆
萩温泉旅館協同組合
理事長
河村
昭正
萩・阿西商工会
会
長
山本
隆志
萩阿武商工会
会
長
田中
清子
萩商工会議所女性会
会
長
吉村
栄子
山口県漁業協同組合はぎ女性部
部
長
金田
スミエ
JAあぶらんど萩女性部
部
長
NPO萩まちじゅう博物館
理事長
久保田
拓造
児玉
明
NPO萩観光ガイド協会
理事長
原田
利正
萩文化財保護協会
会
長
岡野
芳子
萩元気食の会
会
長
柴田
寿美子
21 はぎ市民会議
部会長
朝日
幸代
山口大学経済学部
教
授
野村
興兒
萩市
市
長
48
備
考
萩市観光戦略5か年計画
平成22年6月
萩
市
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