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委員の意見・感想 - 大田区ホームページ

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委員の意見・感想 - 大田区ホームページ
【委員の意見・感想】
第一専門部会長:吉 田 敬 一
「“世界の母工場都市:大田”を目指して」
私の 21 世紀の大田への期待は、国内はもとより中国など海外と差別化された固有の
地域工業集積の再構築です。原子力発電所や大型タンカーの部品(重厚長大型産業)か
ら携帯電話や半導体の部品や製造装置(軽薄短小型産業)までカバーする幅広い先端的
な製品・部品づくりの基盤技術の集積地は、世界でも稀有な存在です。
「コンピュータ、ソフトが無ければ、ただの箱」といわれますが、「コンピュータ、
ハードが無ければ、ただの夢」です。斬新な企画や発想を実体化する高度なモノづくり
力が先進国の経済活動の土台であります。
21 世紀の大田の工業のキーワードは“世界の母工場都市:大田”ではないでしょう
か。90 年代以降のグローバル化の中で大田の経営者は「待ち工場」からの脱却を合言
葉に、企画力・開発力・提案力を強化し、新しいタイプの中堅企業へと脱皮してきまし
た。こうした自主的経営努力の積み重ねと試行錯誤の中で、今日の大田区の工業集積力
は量的な縮小傾向の対極として質的に高度化しつつあります。
今後の大田区に期待されるモノづくり機能は、企画・開発・試作からハイクラスな加
工の量産まで可能な、内外の完成品メーカーにとって(もとより大田の開発型中堅企業
の発展にとっても)必要不可欠なプロトタイプ創出支援型集積といえます。これは羽田
空港の国際化の動きとの関係でも新たな発展の芽を期待できる機能だと思います。こう
した展望の中で、タイの工場団地の位置づけも明確にしておく必要があると思います。
なお世界にも稀有な上記のようなモノづくり力の充実にとって、委員会の議論でも常
に問題となったのが操業環境の維持・改善です。
して操業できる 地環境と地 の
維持なくして、
「産業のまち・大田」の活 化は実 不可能でしょう。
安心
立
価
性 現
また小零細企業を中心にして工場数が激減していますが、特定分野の加工機能が綻ぶ
と生産連関が断絶され、大田区の強みである柔軟な生産ネットワークに基づく高度なモ
ノづくり能力が衰退します。また消え去る工場の中に継承されてきた属人的技能・熟練
はいったん失われると再生は困難です。メカトロ機器で代替できないモノづくり力こそ
が大田の強みの一つであります。この点での政策的配慮が求められます。
今回の委員会での議論を活かした地域産業政策の展開を心より期待しています。
51
第一専門部会:田 中 常 雅
「グローバル・テクノポリス OTA へ、産業振興戦略の主役は私たち産業者自身です」
報告書の策定に続いて、今後の戦略的な産業振興政策展開のためには、産業者が戦略
の主役としての自覚を持って取り組む事が不可欠です。
5 月 8 日、新築した大田区産業プラザで APEC・大田区中小企業国際フォーラ
ムが開催されました。その中での、OTA・産業者・宣言:「(前文略)私たち、大田区の
産業者は、地域の特性を活かし、産業のダイナミズムを再構築して、従来の「ナショナ
ル・テクノポリス大田」から「グローバル・テクノポリス OTA」へと、革新的脱皮を図
ることをここに宣言する。
」を思い起こします。
199 年 12
時
テ ポリスとしての7つの目標を定めました。
1.産業ネットワークセンターとなり、地域から地球規模の連帯、連携を目指す。
2.知識、技術、情報、人、資産が集まり、有機的に結びつく環境と機会を創造し、
起業や新しい産業の発生を促す。
3.創造性豊かな製品開発や先端技術の研究開発を推進する。
4.新しい都市産業・都市文化を創造する担い手を育成する。
5.工業技能を継承し、更なる発展を図る。
6.生活や文化と結びつき、個性や感性豊かな産業を育成する。
7.産業と生活が共存する、環境にやさしいまちをつくる。
この 、グローバル・ クノ
そして、ものづくり大田を世界に売り込む「OOQー大田ブランド推進事業」、多摩川流
域を想像力やアイデアを持ったクリエイティブな才能が集まる場所にしようとする「多
摩川クリエイティブクラス構想」、アートのまちづくり「多摩川アートラインプロジェ
クト」などの取り組みに繋がり、現在進行しています。
伴 跡
たとない機会となります。コンベンション、アート、スポーツ、ファッションやエンタ
ーテイメントなどで、アジア各都市から直行便で人が集まる、国際交流の場となって欲
また、2010 年の羽田空港の再国際化と、これに う 地の開発は大田区にとってま
しいものです。
回
振興基本戦略の策定を機会に、改めて私たち大田区の産業者が総力
を上げて「グローバル・テクノポリス OTA」の実現をめざしましょう。
今 の大田区産業
52
第一専門部会:高 柳 一 男
「大田区ものづくりの更なる発展に向けて」
社会には変わらないことに価値があるものと変化すること自体が価値であるものが
あると思います。
最初期。
大田区の
黒沢工場村」と呼ばれる会社があったそうです。
ここの特徴は、広大な敷地の中にタイプライター製造工場のほか、社宅、菜園があり
自給の足しとしていました。一方、社員子女の教育のため、幼稚園と小学校を開設しま
工場のまち大田区に「
した。
正デモクラシー・白樺派の影響を受けたと思いますが、我が大田区にも理想郷はあ
大
ったのです。
直面している住工混在や商業やサービス業を含めた地域活性
化 あるいは後継者教育等の難しい課題を討議させていただいて、委員や区職員の多く
の方々は変わらぬ理想郷として新しい「大田区工場村」を目指していることを感じまし
大田区のものづくりが
た。
往時とは大田区を取り巻く環境・社会情勢は異なりますが、そこに課題があり、対策
が講じられ、理想に向けての新たな発展が生まれるのです。
グローバルな技術競争の今。
変化・改革こそが科学技術の価値です。技術革新を恐れてはいけません。
大田区は基盤技術集積の場(クラスター)です。基盤技術集積も常に先端基盤技術の集
せん。
積でなければなりま
ず
良 ほ
学
或いは世界の有力大学の周りに素晴らしいクラスターが生まれ、育っています。
世界の基盤技術集積の場であり世界の母工場を目指す大田区が更に大きく発展する
には 常に激しく変化する先端技術開発の中に身を置き、世界のトップクラスと切磋琢
磨し、先端技術を吸収し、工夫を凝らすことです。
東京工業大学は科学技術の分野では世界に冠たる大学としての位置づけであり、世界
的な先端科学技術集約の場でもあります。
東京工業大学は大田区に位置する大学ですが、委員会の席でも大田区ものづくりと東
京工業大学の強い結びつきは余り感じられませんでした。
東京工業大学が推進する先端的国家プロジェクトに大田区の企業が参加し、その中で
知識を吸収し、切磋琢磨し、工夫を凝らして激しく変化する先端技術を共同開発する大
きな構図を描くことは今後の大田区ものづくり発展の大きな力になると思います。
大田区ものづくりは、今、多くの厳しい課題を突き付けられていますが答えは簡単で
世界の有力なクラスターには必 と言って い ど世界的な大 が存在します。
す。
時
人 前
時 人 前
つくるものも、うるものもない時は知恵を出す人が前に進めば良いだけです。
つくるものがある はつくる が に、うるものがある はうる が に。
53
第一専門部会:平 賀 淳 夫
「最後に一言」
良 為 考
民
いる羽田空港の再拡張・国際化においても、現存する大田区の商工業者にとって、それ
ほど大きなメリットは期待できないと思っています。逆に、諸条件によってデメリット
の方が多いような気がしてなりません。
私は、大田区がより くなる にはと えたとき、区 にとって大きな期待となって
従ってそれらを含め、また工業・商業問わず、国や東京都とは違った観点で真に大田
区の産業が発展し得る政策の実施がなされることを希望します。
第一専門部会:舟 久 保 利 明
「大田区における振興政策の重点」
人財力に関し、外国人研修生助成・工匠制度・中学生の職場体験事業の 3 点に関して
の意見を述べます。
① 近いうち「外国人研修生制度」の大幅な改編が予想されている。外国人労働者問題
が浮上してくるのは必定で、そのために彼らのスキル認定機関を立上げる必要があ
る。区主導で具体的計画を立ててほしい。現在各地に日系人の集まりがあるが、最
近になって彼らの住む市区町村の財政事情が深刻化している。研修生制度の変容は
外国人労働者問題として改めて捕らえるべきである。
②
③
匠制度」は「高度技能者人材センター」と結びつけて運用すべきである。功労
の意味で表彰するだけでは無意味である。このセンターは、認定された工匠が先生
役を担当することとし、生徒は、若年者・女性・外国人を特別にターゲットとする。
無論、興味のある学生も引き入れる。この場合、工匠は実務に長けた集団であるの
で、座学の面で専門分野の先生を配置するのも必要なことである。
「工
本格的に始まった「中学生の職場体験事業」は、住工混在に基因すると言
われる操業環境の悪化を食い止める手段となりうることに着目すべきである。この
事業は一般的には中学生の社会参加への自覚を促すものと考えられているが、その
発端は阪神淡路大震災直後、荒れた中学生の気持ちを立て直す手段となったことに
思いを致すべきである。この事業は工業のみならず低迷する商店街のカンフル剤と
なりうるとも考えられる。
今年から
54
第二専門部会長:福 田 敦
「大田をブランディングする新産業の集積促進」
同時に、少子高齢社会において暮らしやすさを共感でき
る生活都市としての魅力を高めることが必要である。産業振興基本戦略においても、従
来型の産業振興視点にとどまらず、生活支援産業やものづくり産業に内在する競争力の
そうせい
していく視
源泉を表出化し、大田をブランディングしていく新たなサービス産業を叢生
点が求められる。
大田区は産業のまちであると
拡張・国際化は、広域にわたる経済波及効果をもたらす。このような時
機に、従来は希薄であったデザイン、設計、アート、編集、広告、企画、番組制作、映
像、モバイルといったクリエイティブな情報コンテンツ系産業のクラスターを形成する
戦略観が欲しい。大田のものづくり産業及び地域社会との交流・連携を通じ、大田特有
のDNAを受け継ぐ情報コンテンツ系産業を育成し、これらの企業群が地域社会のブラ
ンディングにも寄与する相互補完的な新たな産業クラスターの形成を目指す施策が望
羽田空港の再
まれる。
情報コンテンツ系産業は、従来は本社機能やメディア関連の
企業が多く立地する、都心部や副都心部に偏って集積する傾向が強かった。しかし、羽
田空港の国際化により大田起点の情報発信機会は飛躍的に増大する。大田にはグローバ
ルな展開を考える競争力のある企業とともに、ドメスティックな取引を強化する着実な
企業、地域に密着することで暮らしやすい地域社会に貢献する企業など、各分野におい
て多様で有力企業も多い。すなわち、情報コンテンツ系産業にとっての顧客・市場は他
都市よりも多彩であってビジネス機会も広がりやすい。今後、観光や福祉やコミュニテ
ィ・ビジネスといった生活関連サービス業の層を厚くする意味からも、大田をブランデ
ィングする視点を持つベンチャー企業の集積を誘導する方策を検討していくことが重
要と考える。
大都市型産業と言われる
時
サ ビ
ポテンシャルを高めるとともに、大田の実
業を重んじる気風を受け継ぐ情報コンテンツ系産業の育成拠点を創設することで、産業
のサブ・クラスターが形成されていくことを期待したい。
新たな 代に必要とされる ー ス産業の
55
第二専門部会:新 井 信 裕
「 『町の駅』導入で商店街再生を 」
Ⅰ 提言の趣旨
中心市街の商店街が、郊外型大型ショッピングモールの建設とモーリゼーションの普
及により、機能を喪失したことを受け、その再生を促し、空き店舗解消を目指す各種の
施策が講じられているが抜本的解決とはなっていない。本来、地域住民に利便性と快適
性ある生活環境を提供すべき商店街が、新サービス業を導入した『町の駅』を空き店舗
に誘致し、コミュニティミニマムの実現を果たすための受け皿とするよう提言する。
※ 「町の駅」は地方における「道の駅」と同様のサービス・スペースを都市型商店街
に導入しようと、10 年近く努力している杉並区商店街連合会会長の徳田達介氏が命
名したものである。
Ⅱ「町の駅」における空き店舗活用の2方向
1.買い物客への利便性・快適性の提供
買い物客が「この区に住んで良かった」と利便性・快適性を実感できる場を空き店舗
内に設けることであり、次のようなサービスが考えられる。
(1) 商店街各店の商品品揃え情報の提供サービス
(2) 買い上げ商品お預かり、共同お届けサービス
(3) 休憩所・トイレ利用・待ち合わせ場所としての利用サービス
(4) 買い物客の家族・友人等との連絡メモ、伝言預かりサービス
(5) 行政当局によるワンストップ各種無料相談サービス
2.家庭用各種機器に関する総合サービスの提供
家庭で用いられている多種類の機器を快適に使いこなし、満足感を得る機会を提供す
ることにより、機器への信頼度が増し、買い替え需要も期待できる。特に、修理期間中
も代替機器を提供できるような場として利用するならば、更なるメリットが期待される
ところとなる。
(1) 機器の不意の故障に対応する迅速な修理サービス
(2) パーツ交換等のメンテナンスサービスの迅速化
(3) 高機能・多機能化した機器の適切な使用方法を消費者に説明する技術提供サービ
ス、特に新機種の買い上げ客に対する丁寧な実技説明サービス
(4) 耐用年限に到達した機器を廃棄する場合におけるゼロエミッション資源循環対応
サービス
Ⅲ「町の駅」設置及び運営における具体的課題の想定
町の駅設置、運営に関しては、具体的な課題を想定し、全てのステークホルダーの立
場に配慮し慎重に、公平・公正な立場から長期的展望を持って推進しなければならない。
※ステークホルダー:区民消費者代表、空き店舗を抱える商店街代表、空き店舗におけ
るサービス提供企業として予定する家庭機器メーカー代表、空き店舗の権利関係、資
産負債評価の専門家、中小企業診断士、区行政当局代表者、区議会代表者
想定される課題:空き店舗の権利関係の確認と調整、サービス提供企業の勧誘、管理体
制の確立 など
56
第二専門部会:池 田 栄 彦
「これからの大田区商店街の再生化、大田区の国際化」
これからの商店街を考えると各商店が名物となる『逸品(一品)
』を考えていき、そこ
のお店に行かないと買えない。お客様に足を運ばせる集客力が必要だと思います。
これから羽田空港の国際化が本格的になる。
そこで今は通過地点である大田区に、国際展示場など世界の人々を滞留させ、商店街
への回遊コースなどにより外国人を誘導すべきだと思います。
これからの大田区の産業が豊かで東京都や全国から見ても一目置かれる存在になる
事を期待します。
57
第二専門部会:奥 山 睦
「ダイバーシティを地域産業の視点に」
筆者は「ダイバーシティ」を地域が受け入れられるかどうかが、地域産業を考える上
で、重要な課題であるのではないかと考える。ダイバーシティは一言で説明すると、
「多
様性の受容」ということであるが、この言葉を使う時、意図されるのは、「世の中には
さまざまな人がいる。人種、性別、年齢、身体障がいの有無などの外的な違いだけでな
く、価値観、宗教、生き方、考え方、性格、態度、などの内面も皆違う。
『こうあるべ
し』と画一的な型にはまることを強要するのでなく、各自の個性を活かし能力を発揮で
きるような組織をつくる。それは、個人にとってプラスであるだけでなく、組織自体に
とっても大きなプラスである」という考え方である。
それを地域の中に置き換えると、以下の点が挙げられるのではないだろうか。
1.価値ある地域文化の源泉は、多様な人材交流から生まれるのではないか。
2.地域の世代間交流が多様な発想・行動のチャンスにつながるのではないか。
3.多様なビジター(海外交流)とのコラボレーションで新産業が展開するのではないか。
また、地域の雇用という点で考えるのであれば、職業能力の形成だけでなく、職業と
個人生活の調和(ワークライフバランス)、結婚・出産、育児、介護などの家族形成と
キャリアの関連までを視野にいれた総合的な就業支援を地域の中で拡充させることが
必要である。
たとえば育児や介護のためにいったん労働現場から離れた女性や企業からリタイア
した高齢者のための再就職支援の拡充、テレワークの活用による在宅就業などもライフ
キャリア構築の支援には有効な施策である。
労働者のライフキャリア形成が現実のものとなるには、個人生活が営まれる地域にそ
れを可能にする雇用がなければならない。
地域にはそれぞれの特性がある。文化、歴史、伝統や地域に根差した産業などが尊重
された生活を前提とし、地域に生きる人々が働きやすい職場と雇用が必要になる。
労働者のライフキャリア形成とは、地域の活性化だけではなくわが国全体の活性化に
まで繋がっている。地域とそれを構成する家庭を支えるために、誰が、いつ、どこで、
何をするかを判断し、実行していく政策が求められるのではないかと考える。
最後に、これだけは提言しておきたい。地域で眠っている人的資源を掘り起こし、さ
まざまに組み合わせて新たな産業の萌芽を育んでいくためには、そろそろ「工業」
「商
業」という縦割り的な論議は、見直す時期にきているのではないだろうか。
58
第二専門部会:濱 岡 平 一
「サービス産業の拡大を基本戦略の柱の一つに」
【コミュニティを対象とするサービス産業】
・主として、対個人サービス業
*飲食、美容、医療、介護、保育、教育など
*不動産業
・商店街は、生活サービス、生活サポートの場である。これからの商店街の活力源。
【シティ(大田区、その周辺地域)を対象とするサービス産業】
・主として、対事業所サービス業
*ソフトウェア、情報提供、システムサービスなど
*デザイン、設計、コンサルティング、エンジニアリングなど
*リース、修理など
*イベントなど
・
「ものづくり」
、
「あきない」
、
「まちづくり」のレベルアップと新展開を促進するも
の。
【広域を対象とするサービス産業】
・システム型、施設型
・羽田空港、鉄道、流通センター、卸売市場などは、巨大サービス産業。周辺との調
和、関連事業の区内収容などの課題あり。
・ホテル、展示場、博物館(例えば、航空、アジア)などは、大田区産業のニューフ
ロンティア。
59
第二専門部会:廣 谷 清 明
「大田区主導の日米中小企業モノづくり連携を」
委員会の議論が大詰めを迎えた段階で、100 年に一度といわれる米国発の〝大津波〟が世界
を襲った。折しもバラク・オバマ候補が〝チェンジ〟を旗印に掲げ、次期大統領に当選した。
この歴史的な変化は、大田区の産業の将来と無関係ではあり得ないし、現実に自動車関連など
の部品産業を窮地に追い込んでいる。だが、短期的な影響は避けられないとしても、中長期的
にみると米国の〝チェンジ〟はむしろ大田区の中小企業に新たなビジネス・チャンスをもたら
す可能性を秘めている。
回 同時不況の次なる関心事は、米国の新政権がどう経済運営するかにある。労働者
に雇用機会を提供することを重視するオバマ次期大統領は、懸念されている保護貿易主義を解
決策とせず、まず輸出振興を選択肢の一つとするはずである。
今 の世界
米 激
下 輸 拡
現 競争力では自動車産業
に象徴されるように、いかにも心もとない。やはり国際競争力の基本は先端技術を支える加工
部品・機能部品の高品質・高生産性があってのことである。米国が国際競争力のある産業構造
に生まれ変わるには、まず〝モノづくりの復権〟が大前提なのだ。
だが、 国が しいグローバル経済 で 出を 大するには、 在の
米 政府の政策転換を待つまでもなく、米国人自身に早晩、傷ついた〝モノづくり大
国〟の誇りと情熱を蘇生させようとの意識が高まることが予想される。日本の得意技のモノづ
くりに、米国という強力なライバルが再登場するのである。
これは 国
翻って、大田区の産業界がこれを脅威と見るか、絶好のビジネス・チャンスと見るかである。
その答えはチャンスと捉えるべきである。大田区は、精密部品加工など世界のトップ水準の技
術を誇るモノづくりの一大集積地である。この技術力は米国のモノづくり産業の復活に必ず役
立つはずである。日米両国の中小企業がしっかりと「モノづくり連携」して共に発展する。こ
れは大田区の中小製造業だからこそ実現可能なことであって、他国の追随を許さない強みでも
ある。
その意味で今回の報告書には、大田区の産業が引き続き高度な技術力を維持・発展させ、モ
ノづくりの国際拠点としての役割を果していく力強い意思と決意が込められている。未曾有の
世界不況の荒波に揉まれる大田区としても、米国の新大統領の経済政策を注視しながら、臨機
応変に中長期戦略を遂行することが望まれる。
ず 平
米
態 把握する調査団を派遣する。そして、両国の
中小製造業者が交流し「モノづくり連携」する。中国など東南アジア地域に目を奪われがちだ
った大田区の中小企業に、米国から新しいビジネス・チャンスとヒントが思わぬ形で舞い込む
ま は、 成 21 年半ばにも 国経済の実 を
ことも期待されるからである。
60
第二専門部会:古 山 昌 子
「大田区産業振興基本戦略の検討会に参加して」
影響 避 ず 又 時 め ぐ 変
振興戦略 検討
感
臨
商
2 専門 分 検討
商
属
各 ご意見 講師 呼び 勉
商店街 性 取 組
他
方 性 考
当
聴 値
経済がグローバル化し、世界の経済の
は けられ 、 、 代が ま るしく
化するなかで、新たな産業
の
がされることに、大きな期待 を持って み
ました。 業と工業の つの
部会に かれて
会が行われ、私は 業の部に所
しました。 委員の
や、
をお
しての 強会や、
の活 化の り
みをしている 市のお話はこれからの 向 を えていくに たり、傾 に するもの
ばかりでした。
住ん
商店街
客 ん 喜ん
揃
夫
一生懸命 取 組ん
そ
八百屋
ん 魚屋 ん 肉屋 ん 継 居
理由 店 閉め
余儀
性
秘策
本格 検討
将来
見通
やはり、個店のよさは「対面販売」ができることです。高齢者の方からは「話し相手
をしてくれる商店、馴染みの店で買い物ができると安心」と言っています。
これからの課題は、ハードの面でも、ソフトの面でも高齢者や障がい者、子育て世代
にやさしい商店街を目指すことが重要です。そのために女性の力を生かすべきと考えま
す。
「日本にはまだ開発されていない資源がある。それは女性の力である」と言われた
方がいます。特に、女性の特性である「やさしさ、細やかさ、したたかさ」の視点を心
して取り入れてほしいものです。
私はこの委員会で「子育て応援カード」の活用で商店街に親子の声があふれるような
仕組みを提案しました。このカードは区が発行し、各個店が独自のサービスを提供する
ものです。ある商店では店の奥を少し片付けて、カーテンを取り付け、カードを持って
きた親子にオムツを取り替えたり、授乳ができるサービスを提供して、活性化に一役買
っているようです。更に、他の委員からは斬新なアイデアや素晴らしい意見が出され、
とても意義のある検討会でした。
今回の基本戦略には綺羅星のごとく素晴らしい提案が盛り込まれていますが、総花的で
はなく、
「大田区はこれで活性化するのだ」と言うのもが具体的政策の中で明らかにな
ることを希望いたします。
1 回 1 回が充実した素晴らしい会であり、メンバーであったことに深く感謝いたしま
す。ありがとうございました。
私の
でいる地域の
では、お さ に
でもらおうと品 えなどを工 し
て
に り
でいますが、しかし、 れでも、長年やっておられた、
さ
、
さ 、お
さ が後 者が ないなどの
から、 を
ることを
な
くされています。なかなか活 化に対する
がない中、
的な
がなされたこと
は
に向けて明るい
しがもてます。
61
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