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(12月10日)「まちづくりの法と政策」
平成 27 年 12 月 10 日 ロイヤリング議事録 講師:弁護士 坂和章平先生 議事録作成者:門田頌弘 まちづくりの法と政策 Ⅰはじめに いかに問題意識、興味を持つかが重要になる。 これまで学んだこと、考えていることエッセンスを講義にしていく。 近年、反響反応が薄くなってきている →時代的・社会的動向もあるが、都市問題となると問題意識、考えをいかに学生として理 論化し発信するかが重要であるので、内に籠らず発信することを心掛けてほしい したがって、質問等があれば、感想等で示してほしい。 Ⅱ自己紹介(レジュメ p1~p3) 1、弁護士として 弁護士としてやってきたかは、ホームページに書いてあるので参照 2、都市問題(資料 2) 大阪駅前問題研究会にかかわることで都市問題に興味を持ち、都市計画について考えてき た 大阪駅前問題とは、今の大阪駅前第 2 ビル、第 3 ビルでの再開発の問題である。 現在、弁護士は仕事がないと言われているが、問題意識を持たず、既存の事件だけでやっ ているからそうなるのであって、問題意識を持つことが重要 2011 年の東日本大震災から、日本の災害法関係や国土強靭化法などが非常に広がっている これは都市問題関係においても広がっている 都市問題の中心となる法律は都市計画法、それを取り巻く複雑な法体系というのがかつて はポイントであったが、小泉都市再生の時から法律の体系が変わり、非常に複雑になった 1984 年から大阪駅前研究会に入り、再開発法とは何か知った 民法における区分所有法 民法は土地の主有権から始まる 住宅も日本は持ち家政策を行ってきたので、マイホームを持つことが日本人の夢だった マイホームは所有権を持つことになる 1 ところが、江戸時代の長屋から建築技術の発展により高層マンションができるようになっ た 区分小有権、区分小有法が制定された→私法では処理できない駅前再開発をおこなう 都市再開発法をとはなにか? 土地区画整理法 ex 震災復興等 →それは何なのか?言えない。 学校では少しやっただけ、区分所有法、都市再開発法をこのとき改めて勉強した 現地での実践 まず、モノレール反対訴訟を扱う 次に、阿倍野の再開発→裁判やる 次に、阪神淡路大震災からの復興まちづくりとして芦屋の問題を扱う さらに、愛媛大学にて、街づくりの集中講義 4 日間行う →その講義でやったことを本にする→石川賞をもらう これらから、なんでも集中すればなんでもできるということを学ぶ マンション建て替え円滑化法、景観法、都市計画法の変更が進んでいった →これにより、どんどん本を書くことが増えた 本を書くのが仕事みたいになっている→映画、都市計画の本 3、映画評論家という肩書 2001 年に自分のもちビルをもち、ホームページ作った。 そこで、普通の事ばかり書いていては面白くないので、趣味である映画の評論を書き始め た。 15 年の間で 2500~3000 本、中国は 250 本 今は、年間 160~170 本 弁護士をしながらこれだけの映画を観て、それらの評論を書いている。 今もシネマフェスティバルの委員や試写会に呼ばれる。 このようにして、さらに弁護士の世界にとどまらず世界が広がった。 映画が好きということもあるが、勉強という面もある 坂和流映画評論の特徴(レジュメ p2) 1弁護士の視点 2 都市問題の視点 (ⅰ)中国ネタ 2 中国の土地収用の例 資料 29‐1 立ち退きに反対にし続けた結果、道路の真ん中に家が残っていたり、環状道路に囲まれた 集合住宅があったりする 国際仲裁裁判所の機能 資料 29‐2 石平さんの書く中国の問題 資料 29‐3 習近平の権力集中による問題 資料 29‐4 日本の企業と経済 資料 29‐5 中国が 7 つの軍区を統合 資料 29‐6 多元的な視点 資料 29‐7 中国の指導部人事に影 資料 29‐8 中国の公害訴訟 資料 29‐9 →弁護士になって最初の 10 年公害問題を扱っていた者として、中国で公害闘争を扱ったら どうなるか考えながら活動している *映画評論をするということはあらゆることに興味を持って、アンテナを張って考えると いうことになる 3 歴史大好き人間の視点 映画から歴史を学ぶことは非常にためになる Ex.NHK の大河ドラマ、杉原千畝の映画など その他、文学大好きの視点や戦争映画評論検討の視点などが重要になる 映画 2 時間、それを書く 2 時間となると時間が非常にかかる →時間というのは非常に重要である 現在は親切丁寧な弁護活動が良しとされるが本当にそれが良いのかはわからない 4、中国関係 留学生に付いて大連、西安に遊びにいった →中国の人と知り合うようになった ノーベル文学賞のモウヤさんも事務所で対談した 日本で話しても面白がってもらえないことが、中国では面白がってもらえる →日本での刺激より中国の刺激の方が大きいと感じた 朝日新聞に取り上げてもらった 資料 1-1 阪神淡路大震災 資料 1-2 3 →震災から 3 週間後に、復興はこうあるべきだということを書いた →大事なのはスピード ここはみんなで話し合って合議してもダメ、さっとやることが大事なときもある 関西スクエア 資料 1‐3 裁判員裁判の批評、中国語で翻訳、等を行った 資料 1‐4・5・6・7・8・9・10・11・12 日経に記事にしてもらう →自分の宣伝広告の最も効率的なものである、向こうから取材に来てくれて、ただで記事 を載せてくれる そういうことを中国でもやれば、依頼者を獲得できる。 Ⅲ日本の都市法制の体系とその特徴 日本の都市体系はたくさんあり、日本の都市法は非常にたくさんある 特徴は、絶対的土地所有権(土地の所有は地上から地下まで全てに及ぶ) →ただし、公共の福祉によっては制限される すなわち、調和が問題となる 具体的な都市計画としては線引き、色塗り、数値による都市計画がある。 都市計画区域、市街化区域、市街化調整区域、容積率、建ぺい率などがある →これらがわかると都市計画は、イメージしやすい イメージのポイント①役所に行って、都市計画図をもらって、様々な数値を実際に見る。 それは何か聞く。 イメージのポイント②マンションなどを買う時に重要事項説明書。実質があるのか、形式 のみか。 →興味があれば調べればわかる。自分が購入する物くらい勉強して 知るべきである 国家主導の都市計画 明治時代は、国家主導であったが、地方分権が進んでいる現在では、そうとはいえないが、 地方分権なので、国家貢献といってもしょうがない Ⅳ都市法の歴史的区分(歴代内閣の都市政策) これが坂和特有の都市政策の特徴である →五十嵐先生の都市法という本がバイブル(1980 年までのもの) 明治維新があった、震災があったが、戦争あった、公害あった、etc →知っておくべき。興味を持ってくれたらと考えて、話を続ける 4 都市法に書いてあったのは 1 全総~4 全総 中曽根総理のとき(1980 年代後半)、土地バブルの時代 →なぜ起きたか、アーバンルネッサンス、都市再生、民間活力導入、規制緩和 80 年代後半の古き良き時代と言われている 戦後復興から所得倍増計画、日本列島改造論、土地バブルぐらいは知っておくべき その後、バブルが崩壊 その失われた 20 年の中で皆さんは、生きてきた →細川連立内閣(1993 年)を小沢一郎が仕切る。その後、村山総理大臣の誕生(社会党) それがつぶれて、橋本龍太郎政権(自民党)の誕生→小泉政権の誕生(2000 年) 小泉改革の経済的側面→不良債権処理 小泉改革の法的側面→都市再開発法の改正 郵政民営化 その後、安倍政権、福田政権、民主党政権、安倍政権が続く 民主党をどう評価するか →政権交代を誰もが夢見たが、実際大したことなかった 歴史的区分、歴代政権の中で都市問題という観点からどう評価するのか、という視点が重 要→自分の生まれてくる前を調べて意見を言わなくてはならない Ⅴサイドの政権交代、第 2 次安倍内閣 2 年間の足どり 安保法制 資料 4-1~4-5 今まであった自衛隊法や PKO 法を改正して 1 本の法律にした、改正もした →ここまではぎりぎりできるということを明らかにした 新 3 本の矢 資料 5 「1 億総○○」には抵抗がある→戦争体験者としては、 「1 億総玉砕」という言葉があった から 戦後の歴史的歴代内閣を抑えて都市政策を学んで欲しい Ⅵ都市計画法の基本構造とその変遷(資料 6) 都市計画とは、何か? 5 →市街化区域と市街化調整区域の線引き、地域地区の指定、都市施設を作る、市街化開発 事業を行うこと 都市施設とは、道路や飛行場などを作ること→あくまで公共的な事業 市街地開発事業には、土地区画整理事業、新住宅市街地開発事業などが入る 市街地開発事業とは、都市計画法の定める①~⑦の市街地開発事業のこと 地区計画 →非常に複雑 Ⅶ都市法の大きな流れ 1968 年 都市計画法の改正(近代都市法) →これは、田中角栄の時代に日本列島改造論から生まれた 1970 年 都市計画法、都市再開発法、建築基準法の大改正 →同時に大阪万博が開かれた 1945 年の終戦から 70 年の間に都市法は非常に変化している(戦後復興) 2000 年 小泉都市再生によって都市再生特別措置法ができた 国土形成法 資料 8・9・10 国土交通省のホームページ 資料7 立地適正化計画、都市機能誘導区域、居住誘導区域、これらの言葉を覚えること、中身を 覚えること →それだけみてもわからないと思うが、特徴はコンパクトシティである 土地の拡大 →それが今は腐敗し、維持できない 街づくり、都市居住、コンパクトシティをどう考えか →土地の拡大ではダメだ ここから居住調整地域、特定用途誘導区域などにつながる 新聞でみる具体例 資料 8-1、8-2 徳島、岐阜、草津で、都市問題を扱っている 依頼が来る、裁判をする、勉強になるという循環 松山、日本の町→藩の方がよいのでは、と考える 政治は愛媛、関西、九州といった、形でやっていく方がよいと思う 6 一方外交、軍事などは国単位でやるのが良いのではないか というようなことに興味を持っている 国家戦略特別区域法 資料 9‐1・2 国土のグランドデザイン、国土形成化 資料 10‐1・2 国土形成化は、国土総合開発計画として →開発は終わっているが、古くなったものを直さなくてはならない →そういった中で国土どう形成化していくかが大きなテーマであると考える。 国土のグランドデザインは、国土として 20 年後、30 年後をどうしていくかを考えることが 大きなテーマになってくる 以上のようなことが都市法の歴的変遷となる Ⅴ景観法 資料 12 美しい国日本→観光客 1000 万から 3000 万へ、今は 2000 万 景観法というのは街づくりをやる地方の住民団体の動きに任せていた →下から動くかと思っていたら上からボーンと、法改正した。早いのでそれもまたあり 京都市景観条例 資料 14 どこからでも大文字焼を見れるように条例を作った →反対もあったが押し切ったその功罪はどう位置づけるか→今のところあんまり批判ない 大阪、御堂筋は良いかもしれないが奈良はどうか? 景観によるまちづくりの政策、そのための法律はどうなるのかという問題がある バッファーゾーン 資料 15‐1 世界遺産周辺の緩衝地帯に高層マンションなどできることへの是非についての記事 京都タワー 資料 15-2 芦屋が全区を景観地区に指定 資料 16‐1 西宮の緑視率 資料 17 東北の大震災の際に募集した試案 資料 18-1、18-2 「震災後の日本」提言募集に 1745 本 7 国務大臣は国民が直接選ぶべきと書いた 坂の上の雲のミュージアム 資料 20 松山のふるさと納税を初めてした 坂の上の雲というテレビドラマ 司馬遼太郎 日本現代史 御堂筋アップ作戦 資料 22 大阪維新について 資料 23‐1・2、資料 24‐1・2 水の都復活へ 資料 25 今年の流行語大賞 資料 26‐1・2 米中南シナ海 資料 27‐1・2 中国ネタ 以降の資料 Ⅵなぜ都市問題に注ぎ込んできたか、坂和が実践していた街づくり 都市問題検討の坂和流視点 →「中国の話や京都の話などいろいろしているが都市もんだと何の関係があるのか」と批 判もあるが、都市問題とはそういうもので政治、社会、経済、文化、映画評論すべてに関 係する。 →それらを知らずに都市問題は語れない。問題意識がなくてはならない 正解など誰にも分らなく、要は博打→勝つためにはやらねば。その程度の考え。 見つめなおしの視点:こうしなくてはならないのでは等、疑問に思わなくてはならない これが必要、先生に教わったことがすべて正しいとは限らない Ⅶ戦後 70 年の政治と民主主義、安保法制、憲法をどう考えるか 司法問題をどう考えるか 中国問題をどう考えるか 中国の流行語大賞 中華民国の復興 大東亜共栄圏と同じ →これらは全て政治に関係している 日本ももう少しまじめに経済や政治問題を解決するべき 8