...

2015年中部IT経営力大賞 受賞企業(PDF形式 1420KB)

by user

on
Category: Documents
7

views

Report

Comments

Transcript

2015年中部IT経営力大賞 受賞企業(PDF形式 1420KB)
中部IT経営力大賞2015 大賞受賞
ITを活用して工程管理能力を「高める」
株式会社名古屋精密金型
渡邊 幸男
氏
株式会社名古屋精密金型 代表取締役社長
◆社是
「高める」
代表者顔写真
弊社は国内、国外に複数の拠点をもち、各拠点が営
業・設計・製造・金型メンテナンスの機能を備え、拡大す
る需要に応えると共に、輸送コスト・時間の圧縮、迅速
な対応、災害リスク分散など、お客様への信頼とサービ
スに繋がる生産体制をとっています。
「 ものづくりは人づくり」の考えの基、社員一人一人
が必要な技術・知識等を高め、自身の成長と活躍が可
能な環境の実現を目指しています。
■IT導入の背景と目的
金型業界では、海外特に東南アジアの金型技術が洗練されてきており、コスト競争力で敗れ去った結果、国内金
型メーカーの淘汰がますます増えてきている。弊社でも顧客からのコストダウンの要請が厳しく、現状の生産プロ
セスではコスト削減も限界に達しており、国際的な価格競争力が低下している。
そこで弊社の高品質な金型製造技術の強みを残したままIT活用高度化・技能デジタル化を行い、最高品質最短
納期金型製造システム構築し、コスト面においても競争力を高め、自動車業界での売上を拡大することが課題で
あった。
そのためには、社内の業務フローを根本から見直し、徹底した業務の効率化によるコスト削減が必要であった。
また弊社では国際競争力強化のためにベトナム及びインドネシアに拠点を設け、国内の3拠点(愛知・宮崎・熊本)
と合わせてトータルで顧客の要請に応えるためのグローバルな体制作りが急務であった。
経営課題を解決するために、受注から納品までの生産プロセスを根本的に見直して再構築することで、生産プロ
セスの最適化を行い、各工程のムラ・ムリ・ムダを撲滅させることで徹底的なコストダウンを図り、国際的な価格競
争力を得ることを目指した。
そこで最短で最高品質の金型を無駄なく作りこむための生産プロセスを構築し、それを実現するシステムの導
入・運用を実施することを決定し、取り組みを行った。
■IT化の概要
これまでは見積もり・受注管理・購買・工程管理・各拠点負荷管理が各々単独で動いており、連携が取れておら
ず業務重複のムダ・情報伝達ミス発生が頻発し、時には失注することも発生していた。
新システムでは情報を一元管理し、すべての業務において同じデータに基づいて部署間の連携を図りながら、常
に最新のデータで業務の遂行を可能とした。
「①見積り」では、仕様情報を入力することで、過去の実績から算出した標準工数に従って見積りを作成し、「②
受注」により見積り仕様をベースにコスト管理表を作成する。「③設計」にて詳細な仕様を登録し、設計が登録した
情報に基づいて「④材料手配」を実施することで、間違いや漏れを防止し、手配情報からバーコードを活用して「⑤
仕入計上」を実施することで、必要な材料や部品の進捗の管理を実施する。「⑥生産計画」では営業が入力した受
注情報と設計が登録した部品表・工程表の情報に基づいて、各工程の負荷状況を確認しながら最適な工程スケ
ジュールを作成し、この工程スケジュールに沿って製造を行い、「⑦生産実績」を各工程が入力することで、工程の
進捗がリアルタイムに把握でき、遅れが発生した場合の計画変更も素早く実施可能となった。生産が完了したもの
は受注情報に基づき「⑧売上計上」を行い、原価を積み上げて「⑨原価管理」を実施し、原価低減活動につなげ、
見積り工数の見直しにも活用する。
■IT導入の効果
(定量効果)
①売上・仕入業務の作業工数削減:70h/月削減
これまで手書きで管理していた台帳記入・集計業務
がシステム化され工数削減
②工程計画業務軽減の作業工数削減:75h/月削減
これまで手作業で行っていた工程計画作成業務がシ
ステム化され工数削減
③不良在庫の削減:月平均38,000円削減
システムでは、設計が登録した構成情報から発注を
行い、二重発注の防止機能もあるため、発注ミスによ
る不良在庫がなくなった
④部品不足による作業遅延削減:手待ち工数20h/
月削減
部品構成から発注・製作を行うため、発注・製作漏れ
がなくなった
①
②
⑨
③
⑧
④
⑦
⑤
⑥
<新システムの概念図>
(定性効果)
⑤工程進捗管理精度向上
工程計画の作成と、実績収集により、工程の進捗を正確に把握できるようになり、遅れの対応や、特急品の対応
等に柔軟に対応できる体制となった。
特にこれまでは遅れのしわ寄せが最終工程の「磨き」に来ることが多く、十分な精度が出せないまま納期が来て
出荷することも多く、納品後の調整に費用が掛かっていたが、工程進捗管理精度が向上したことにより最終工程に
も余裕ができ、手戻りが少なくなっている。この手戻りに掛かる費用(運搬費・再製作費)を削減することがコスト削
減効果が非常に高いため、今後さらに工程進捗管理精度を向上することで、大きな効果が期待できる。
⑥社内の情報共有
これまで部門間でのデータの連携があまりできておらず、「営業」「工程管理」「経理」でばらばらに管理していたが、
情報を一元管理することで、全ての部門で同じ情報に基づいて作業を行うことができるようになり、データの信頼性
向上や、二度打ちの削減ができた。
ITコーディネータから一言
株式会社ITイノベーション 代表取締役
http://www.it-innovation.jp/
ITコーディネータ
秋山 剛 氏
当プロジェクトには、中小企業基盤整備機構の「戦略的CIO育成支援事業」の専門家として参加し、約2年間に渡
りIT戦略企画からIT導入まで、アドバイスを実施させて頂きました。
名古屋精密金型は、社是である「高める」が社員にも浸透しており、プロジェクトを進める中でも社員一人一人が
自分の業務品質を「高めよう」という意識が感じられ、活発な討議が行われました。時には要件定義で決めた範囲
から逸脱してさらに上を目指そうという意見もあがり混乱することもありましたが、CIOに任命された長田リーダーを
中心にプロジェクトチームのメンバーが率先して取り組み、各メンバーの役割を明確にしてリーダーが指示を行い、
メンバーが高い意識を持って業務の見直しを着実に進めてきたことが成功の最大の要因であったと思います。
また2013年にはITを統括する部門として「事業企画室」が設立され長田リーダーが室長となり、経営者からもIT
活用に対して理解と期待が高く、全社一丸となった取り組みが実施されたことも成功の要因であったと思います。
名古屋精密金型の高い技術力に加え、IT活用による高い管理能力が備わったことで、今後ますますの活躍を期
待します。
会社概要
社名
代表者名
設立
資本金
売上高
従業員数
TEL
FAX
URL
事業内容
所在地:〒470-2102 愛知県知多郡東浦町大字緒川字北鶴根66-5
:
:
:
:
:
:
:
:
:
:
株式会社名古屋精密金型
渡邊 幸男
1975年12月1日
3,800万円
16億円
138人
(0562)84-7600
(0562)84-7644
http://www.nagoya-sk.co.jp
プラスチック成型用金型の設計・製造並びにそれに付帯する一切の業務
【生産拠点】
◆本社工場・技術管理本部
愛知県知多郡東浦町
◆熊本工場
熊本県菊池郡菊陽町
◆宮崎工場
宮崎県えびの市
◆メイセイ ベトナム
Vinh Yen, Vinh Phuc,
VIETNAM
◆メイセイ インドネシア
Kec. Cikarang Pusat, Bekasi
17811 Indonesia
中部IT経営力大賞2015 優秀賞受賞
IT戦略プロジェクトを推進し、全社管理体制を大幅改革!
余合ホーム&モビリティ株式会社
余合 繁一
氏
余合ホーム&モビリティ株式会社 代表取締役社長
代表者顔写真
私たち余合ホーム&モビリティ株式会社、スマートファ
クトリー余合株式会社は、多くのお客様に支えられ共に
成長し、2013年で創業75年を迎えました。長年にわたり
大手住宅設備機器メーカーをはじめ、多くの有名企業
のOEM製品や共同開発製品を数多く世に送り出してき
ました。
誠実なコミュニケーションと人材育成に努め、絶
え間なくカイゼンに取り組み、創造力を持って夢
に挑戦し続けます。
■IT導入の背景と目的
住宅事情の大幅な顧客嗜好の変化に対応して、大手住設メーカーの要望が多様化且つ高スピード化が求められ
るようになった。こうした多様でスピーディな顧客要望に応えるために、優先して取り組むべき経営課題を次の3点
に絞り込んで早期解決を図ることとした。
 ユーザーニーズを早期につかみ、設計から製造の業務効率を高め、スピード経営に挑戦する
 生産管理の徹底見直しにより、生産現場の業務効率を高める<町工場方式からの脱却を図る>
 現場のムダ取りを徹底し、工程内在庫、製品在庫の低減を図るとともに、製造・検査人員を省人化し粗利益率
の向上を目指す
■IT化の概要
(1) IT戦略プロジェクトを設置し全社からキーマンを集合し、プロジェクト会議で全社合意を果たした。
(2) 経営戦略の確認・経営課題の抽出からIT化ビジョン・IT戦略を企画し、RFP(提案依頼書)に転換して
経営課題・IT課題解決に最適なソフトウェアの導入を目指した。
(3) 5社からの優秀な提案をいただき、その中から自社に最適なパッケージ・ソフト1つを選定した。
(4) 選定にあたって特に重要視した項目として、次の3点を実現した。
① 自社の受注から資材調達、生産管理、出荷・梱包までを一貫して管理でき、1つのデータベース・マスター
データで運用できること
② 需要予測による見込み生産と顧客からの個別受注に対応、中国生産に対応できるとともに、特に見込み短
納期資材調達(ここが弊社の強みの部分)のシステム化に対応できること
③ 大手ユーザーの各EDIシステムにすべて対応でき、EDIデータがそのまま基幹システムに取り込めること
(5) 販売管理を従来システムから新システムに移行、マスターデータを新システムで再構築し、マスターデータに
図面・仕様書・金型管理台帳・品質管理データなど技術データをリンクし、全社でマスターから技術情報を
活用できるように構築した。
(6) 販売管理・資材調達管理の運用を見極めてから生産管理システムを導入した。
(7) 販売管理~生産管理システムの導入と運用を進め、納期遅延の解消と短納期要求への対応につながり、
これによって顧客満足度が高まり、結果として売上高の増加に結び付いた。
■IT導入の効果
 IT戦略プロジェクトを通して全社的な視点、
経営の視点で経営課題や目的・目標が明
確化され、特にKGI/KPIとして目標が数値
化され、プロジェクトに参画したキーマンが
具体的な目標に向かって努力することが各
現場で日常的にできるようになった。
 売上高の増加 18%UP
経常利益の増加約 30%UP
 営業管理業務の効率化 受注・出荷情報
の入出力業務・チェック業務の大幅改善
100時間/月 削減
 資材調達業務の効率化 資材調達会議用
データ集計と資料策定業務の大幅改善
100時間/月 削減
 営業管理業務、資材調達業務、出荷梱包
業務の大幅改善によって、スピード経営が
できるようになり、全体のリードタイム短縮
につながり、顧客の短納期要求に応えるこ
とができるようになった
 IT戦略プロジェクトを通して企画・計画から
実行
 評価までのマネジメントサイクル(PDCA)の
進め方と成果を実感でき、特に若手人 材
の教育になり、現場の意識改革が進んだ
 社員の意識改革によって、新規需要開拓
や新商品開発に全社的に進めることがで
きるようになった
ITコーディネータから一言
株式会社ARU 代表取締役
http://www.aruinc.jp/
ITコーディネータ
水口 和美 氏
当社へお伺いして長期に亘りプロジェクト推進を支援させていただきました。プロジェクト支援で毎回思うのは、プ
ロジェクトメンバーの真摯な態度、熱心な取り組み方に感心させられることです。社長は、「町工場体制を早く近代
化しなければならない!」と大号令をかけ、強力なリーダーシップで会社を引っ張っておられますが、何々、町工場
の良いところ、這いつくばってでもカイゼンに努力する従業員の姿、あるいは、お互いに良いところを出し合い、弱
いところをカバーし合う昔ながらの団結力、こうした地道な社風が当社の持ち味となっています。
会社概要
社名
所在地:〒454-0035 名古屋市中川区八熊通り5丁目34番地
: 余合ホーム&モビルティ株式会社
TEL 052-352-3331 FAX 052-352-3337
URL
: http://www.yogohm.com
代表者名 : 余合 繁一
設立
: 1962年7月
資本金
: 1,000万円
売上高
: 19 億円(2014年度)
従業員数 : 110人(2014年度)
事業内容 :
・住宅設備機器部品 ・家具用金具
・スマートハウス(HEMS)関連部品 ・電気自動車、電気自動車用部品
 住宅設備機器用の主として金具・繋ぎ部品などの専門メーカーとして、
商品企画・設計開発から製造・物流まで一貫生産により高い市場占有率を有しています。
 大手住設メーカーを主要顧客とし、安定的受注の獲得ができています。
 中国生産部品(生産量の約15%)を手掛け、低コストでの調達を強みとしています。
中部IT経営力大賞2015 優秀賞受賞
スマートアグリ・植物工場管理システムの開発!
南勢小橋電機株式会社
小橋 英夫
氏
南勢小橋電機株式会社 代表取締役
創業以来、地域社会への貢献、顧客、従業員から満足と信頼
を得られるよう取り組んでまいりました。
代表者顔写真
調整中
小橋グループは電子機器のSMT実装、設計・開発から組立、ま
た、アグリ事業まで常に新しい技術にチャレンジし、優れた製品
とサービスを提供してまいりました。
私たちはこれからも未来を見つめ創造力を駆使して、さらなる
高みへと社会と共に、皆様と共に成長の実現を目指し歩み続
けてまいります。
【経営理念】
優れた技術力と豊かな想像力により、社業の発展を通じて社
会への貢献と社員の幸福を図る。
■IT導入の背景と目的
業界の技術革新により市場競争が激化し、従来製品の需要が減少傾向で、年々、売上高が減少しており、
新規顧客の獲得、新規事業への参入により売上高目標達成に向けた新たな取り組みが必要であります。
売上高を確保するために、
(1)電子機器組立加工分野において新規顧客の獲得
(2)ソフトウェア開発事業を拡販
(3)工場の配電盤製品や植物工場の設備機器及び制御管理ソフトウェア等、新商品開発、新規販路の開拓
を目標に掲げ、他社との差別化を図ることとしました。
■IT化の概要
 次頁IT活用概念図に示すように、系列会社の小橋電機が運営する「植物工場・伊勢菜園」にコントローラPCを
設置し、このコントローラにWebカメラ、各種センサ(室温センサ、湿度センサ、CO2濃度センサ、水温センサ、EC
センサ、PHセンサ等)及び制御装置(室温、湿度、CO2濃度、水温、EC濃度、PH濃度等の制御)を接続しました。
 コントローラPCはインターネットに接続され、このインターネットを介して制御室の制御用PCあるいは事務所の
監視用PCに接続されています。
 制御用PCあるいは監視用PCに映し出されるコックピット画面は、Webカメラによって植物工場の栽培棚の様子
が映し出されています。この画面は遠隔コントロールによって映し出す角度や遠近を調整できるようになされて
いるので、監視したい場所を正確に写すことができます。
 また、室温、湿度、CO2濃度、水温、EC濃度、PH濃度の状態をリアルタイムに監視することができます。
 蓄積されたデータをグラフ化して表示した画面によって植物工場で収集した各種データの推移を時系列で監視
することができます。
 設定画面は、室温、湿度、CO2濃度、水温、EC濃度、PH濃度などの値を遠隔で設定、あるいは制御装置の
ON/OFFを設定することができます。
 このスマートアグリシステムはインターネットを介して接続されているので、地球上のどこからでも植物工場の監
視及び制御が可能となります。
<IT活用概念図>
■IT導入の効果
 中期経営計画で経営課題や目的・目標を明確化し、実行計画書に基づき計画的に実行しました。
 中期経営計画では、新事業開拓を重点課題として取り上げ、植物工場の栽培棚、播種機、プレス圧縮機など新
 商品の開発とともに、スマートアグリとして植物工場の管理システムなどシステム開発及びこれらの事業化を推
進しました。
 スマートアグリシステムが完成し、システムとして全国各地の植物工場へ拡販することができるようになりました。
 既存顧客の売上減少を、新商品開発と販売によってカバーすることができました。
 スマートアグリシステムの商品化によって技術力を広く示すことが可能となりました。
 新商品開発プロジェクトの推進によってメンバーの技術力が大きく向上しました。
ITコーディネータから一言
株式会社ARU 代表取締役
http://www.aruinc.jp/
ITコーディネータ
水口 和美 氏
バイタリティ豊富な社長から泉のように溢れるアイデアを優秀な従業員が真摯に商品化に取り組んでいます。ア
イデアは非常にユニークで素晴らしい商品がたくさんできあがるのですが、販売力はそれほど強くなく、売上増進
には苦労の連続です。
しかし、社員全員の力を結集することで、これをクリアされる日もそう遠くないと思います。社長をはじめとする社
員の不断でひたむきな活動はすばらしく、頭が下がる思いです。
会社概要
所在地:〒516-0107 三重県度会郡南伊勢町飯満573-3
社名
: 南勢小橋電機株式会社
TEL : 0599-66-2351
代表者名 : 小橋 英夫
FAX : 0599-66-2355
URL
: http://www.amigo2.ne.jp/~nan-koba/index.html
設立
: 1976年4月5日
資本金
: 1,500万円
売上高
: 7億円(2014年度)
従業員数 : 103人(2014年度)
事業内容 :
・多種多様にわたる独自の生産工法と生産技術力を基軸としてユニット
部品から最終完成品までの電子機器組立加工受託事業と自社製品の
開発・製造・販売を行っています。
・業務システムや組み込みソフトウェアなどの設計・開発ができます。
・工場の電力関連制御盤、植物工場の制御盤・製造設備、植物工場の管理システム(スマートアグリ)など、幅広い
開発、製造ができます。
中部IT経営力大賞2015 奨励賞受賞
すべてのものが生きる病院環境を目指して。医療の質の向上を実現。
医療法人 明仁会 かないわ病院
岡田 淳夫
氏
医療法人 明仁会 かないわ病院 病院長
かないわ病院は1956年、石川県金沢市北西部地域の医療の必要性か
ら、医師会及び財界有志により設立された精神科病院です。
21世紀はこころの時代と言われ、地域社会とのつながりと透明性、更に
安心して相談できるセキュリティレベルなどが不可欠となってきています。
また、加えて精神科病院では医師・看護師だけでなく、多職種の専門集団
が一人の患者さんに初診から入退院、職場復帰、家族支援など幅広く関
わっています。
当然ながら1人の患者さんに10人が関ればその数に応じた見立て・考え
方があり、関わるスタッフが綿密に情報交換・共有をしなければ患者さん
の状況を正確に把握出来なくなります。
多職種の認識を共有し情報の集約や速やかな伝達、方向性の設定を可
能とするには電子カルテは必須のシステムです。
チーム医療にはすべてのスタッフがその能力を最大限に発揮して連携
することが重要で、最大の目的とするのは患者さんの利益であるべきです。
患者さんとスタッフの信頼関係が作られていること、スタッフ間の信頼関
係が出来ていること、かないわ病院はすべてのものが生きる環境を目指し
てIT技術を活用しています。
■IT導入の背景と目的
昨今、精神科病院では、国の医療費削減の取り組みとして、慢性疾患を取り扱う療養病床の削減すなわち「社会
的入院」を削減し、地域社会に復帰させようとする背景があります。
このことにより、これまで療養病床を取り扱う精神科病院としては大幅な収入減は避けられず、早急な方針転換
を求められることとなり、国の施策に従い効率的な医療費の削減を実行すべく、患者様の早期復帰をめざして病
院の「急性期化」に舵をきることとなった。
病院の急性期化に向かうにあたり、取り扱う情報の高速化や関連施設部署等への共有を実現するため、院内情
報システム基盤を根本から整備することが必要となり、また携わる職員においてもこれまでよりも質の高い医療
サービスを提供しながら急性期化に向かっていくため、それぞれの意識を変革し、電子カルテを「活きたマニュア
ル」として「業務標準化」を目指すという目的を掲げながら、病院情報システム全体の刷新を行った。
■IT化の概要
 病院情報システムを支える「止まらない」IT基盤の構築
24 時間365 日連続稼動が求められる病院情報システムのIT基盤として、ネットワーク、サーバー、ストレージ
を完全冗長化により、病院情報システムを無停止かつ安定運用させる為の仮想化システム基盤に更新した。
 「業務変革/経営革新」を目指して院内情報システムを刷新
患者サービスおよび医療の質の向上を目指し、電子カルテシステムを新規導入。また部門システムである医
事会計システム、医療用画像配信システム(PACS)、生理検査システム、調剤支援システム、給食・栄養管理シ
ステム等も並行して刷新し、電子カルテシステムと連携させた。
さらには、過去の紙カルテや日々院内で発生する紙帳票はスキャン
ニングにより電子化し、文書管理システムにて一元管理を実現。
職員の新しい働き方を実現し、急性期化に対応するチーム医療促進
とスピード経営に寄与する院内情報システムを導入した。
■IT導入の効果
 医師の処方業務が格段にスピードUP
電子カルテの導入により、紙カルテ運用から処方
業務時間を大幅に短縮し、患者様へより質の高い
医療の提供が可能となった。また医師の各種帳票
作成効率が飛躍的に改善した。
 患者情報の事前共有により、申し送り時間を短縮
患者様の情報を電子カルテで事前に共有してお
くことで申し送りに費やす時間短縮に成功。これに
より患者サービス企画への時間をより多く確保。
また医師の回診時間確保にも寄与。
 場所を選ばない患者説明が可能に
これまで患者様への病状説明を行う場合、レント
ゲンやCT等の画像を見せながらの説明では、専用
表示機材が設置されている場所で行う必要があっ
たが、PCの仮想化によりタブレットなど様々なデバ
イスを用いてベッドサイドでも迅速に詳細な説明が
可能になり、患者サービス向上へとつながった。
 導入したITを利活用し、業務の標準化を実現
電子カルテを軸とした病院情報システム導入によ
り、「活きたマニュアル」として、コメディカルを中心
に業務の標準化実現につながった。
 書類の検索時間の短縮とスペースコストを削減
過去カルテや各種帳票は全て電子化し、電子カ
ルテ上から検索可能に。紙文化から電子文化へ働
き方そのものを変革。カルテ庫は別の用途で有効
活用。
 機動力のあるIT運用を実現し、IT戦略企画に集中
サーバー/クライアント等の院内システムにおけ
る保守工数を大幅に低減でき、情報システム部門
はIT戦略企画へ業務を集中。
ITコーディネータから一言
富士ゼロックス北陸株式会社 ITコーディネータ
http://www.fujixerox.co.jp/hrx/
川上正春 氏
かないわ病院様の物事に取り組む本気度やチームワークは本当に素晴らしいです。スタッフ全員、患者様のことを
第一に考え、改善意欲を持って業務に取り組んでいます。この人間力こそがチーム医療を促進させ、医療の質を
向上させる原動力になっていると感じます。苦手だったITも積極的に活用し、院内会議の質も飛躍的に向上してい
ると実感します。私もIT経営のご支援を通じて、これからもお客様と一緒に成長し、ITベンダーとも一丸となって日
本の医療発展に寄与していきたいです。
病院概要
社名
代表者名
設立
資本金
売上高
従業員数
事業内容
所在地:〒920-0351 石川県金沢市普正寺町9-6
:
:
:
:
:
:
:
医療法人 明仁会 かないわ病院 TEL :076-267-0601
氏名 理事長 永田 巽
FAX : 076-267-0962
1956年4月24日
URL : http://www.kanaiwahp.com
医療法人財団の為、無し
10億円(2013年度)
144人(2013年度)
病院(精神科病院)
中部IT経営力大賞2015 奨励賞受賞
問屋(卸)の売上拡大を支援することで当社も売上・利益を拡大!!
光洋陶器株式会社
加藤 一治
氏
光洋陶器株式会社 代表取締役
代表者顔写真
当社は陶磁器製造メーカーとしてホテル・レストラン様向けの食
器を中心としたテーブルウェアーを製造・販売しております。 洋食
器・和食器を中心とした2ブランドを展開しながら、自社商品を幅広
く日本国内のお客様に提供しております。
常にお客様目線に立った商品を企画開発し市場のニーズに合っ
た商品をタイムリーに供給しながらも、バラエティに富んだ商品群
をワンストップにてお客様にサービスできるよう日々まい進してお
ります。 積極的なIT投資も含め、お客様の利便性を更に高めて
いけるような取り組みを今後も行いながら自社ブランドの魅力ある
商品と、高いサービスの両方にて引きつづき努力を続けて行きた
いと思っております。
■IT導入の背景と目的
【外部環境状況】
 海外からの低価格品の大量流入によって、日本の陶磁器製造メーカーは非常に厳しい状況に置かれている。
 食生活の変化とともに生活の中で陶磁器を使う機会が大きく減少している。更に食の多様化とともにホテル、
レストラン、居酒屋などの業務用においても多種多様な食器が求められるようになった。
【経営課題】
 流通経路は、従来の産地問屋を通して販売しているため弊社製品出荷後の情報が入りにくい。
 最終ユーザーであるホテル、レストラン、居酒屋などマーケットから生の情報が入ってこない。
 出荷先での過当競争により取り扱い業者の利益率が低下している。
 多品種少量化且つ即納がマーケットのニーズになっているので、そのニーズに合わせられるよう、スピーディー
でフレキシブルな生産、物流体制を構築することによって、海外からの輸入製品には不可能なビジネスモデル
を作り上げる。
■IT化の概要
多品種製品(約1万点)の即納に対応するため、
過去の注文から受注予測をし、最低の在庫を維持するように生産方法を変更する必要がある。
 過去の販売データーの分析によって決められた全製品の必要在庫数をもとに生産手配をし、在庫が常に予定
数量内になるようにする。
そのため、下記項目の改善を行った。
 半製品が、製造工程内のどの工程にあるのかをリアルタイムでビジュアルに確認することによって、納期の 問
い合わせに対し即答ができする体制をつくる。
 従来あった2工場を統合することによって、ITをより有効に活用することにより、集中管理によって多品種少量生
産と物流の効率を上げる。
■IT導入の効果
 従来は不可能とされていた、多品種少量生産のマスプロダクション化が、IT導入によって実現可能となった。
現在のITによる生産管理をスタートラインとして、更に効率のいい IT,FA工場を目指せる土台ができた。
 多品種少量生産と物流の管理により、小回りをきかせた即納体制と正確な納期によって販売先の信頼を獲得
することができ、販売増加に貢献している。
 ITを営業や生産管理部門だけではなく、各現場サイドまで浸透させたことによって、社員全員でデータの共有が
できるようになり、社内全体のチームワークが強まり各社員のモチベーションが大きく向上した。
 文字の説明では難しい熟練者の手作業を動画データ化することによって、熟練者作業の継承ができるように
なった。
 工場統合で、従業員間の連携、コミュニケーションが良くなった。
 iPad等を利用することにより製造現場でリアルタイムに情報がわかるようになり、「報・連・相」が一段とできるよ
うになり、製造のミスが減った。
ITコーディネータから一言
ワイズオフィス 代表 ITコーディネータ 山田和久氏
http://www.wise-office.com/
基幹業務システムと連携した「モバイル端末」を利用した進捗の“見える化”や、
陶器製造業では難しいとされる国内工場や海外工場における少量多品種生産に挑戦したりと
問屋さんのニーズ対応で即納するためのあらゆる工夫(挑戦)をされました。
これは、経営者の意図が全社員に届き、全社一丸となった成果であり、IT経営のモデルになると思います。
会社概要
社名
代表者名
設立
資本金
売上高
従業員数
事業内容
関連会社
所在地:〒509-5142 岐阜県土岐市泉町久尻1497-3
:
:
:
:
:
:
:
光洋陶器株式会社
TEL : 0572-55-5411
代表取締役 加藤 一治
FAX : 0572-55-1656
1964年12月22日
URL : http://www.koyotoki.co.jp/
5,000万円
12.7億円(2013年度)
110人(2013年度)
美濃焼陶磁器製造販売:ホテルレストラン用食器 デパート・専門店向けテーブルウェア
輸出向けディナーセット 陶磁器の輸出入
: 株式会社ケーアイ
(陶磁器を主とした雑貨の卸、販売)
株式会社ケーワールド
(陶磁器及び機械類の輸出入)
株式会社まるか光洋
(和食器、中華食器の製造販売)
協発光洋陶器 有限公司 中国子会社 (中国における、陶磁器の製造販売)
中部IT経営力大賞2015 奨励賞受賞
情報発信ツールの活用で個人客から企業様まで注文をGET!
株式会社丹羽シートメタル
丹羽 英晶
氏
株式会社丹羽シートメタル 代表取締役
私たちは、愛知県小牧市にある家族で営む小さな板金工場です。
「タレパン工房」という愛称で「製造業もサービス業」をモットーに
営業しております。
「モノづくりを楽しみながら、よいものを作る」
創業者の祖父から代々伝えられる基本理念です。
【企業理念】
1. 私たちは、ものづくりを通じて社会
に貢献します。
2. 私たちは、技術力の向上と創意工
夫に努め、お客様に信頼され、当て
にされる企業を目指します。
3. 私たちは、縁を大切にし、お互いが
利益を得、成長し合える関係作りを
目指します。
私たちは「協創」と「パートナーシップ」を大切にしております。
「ハートワーク」「フットワーク」「ネットワーク」でお客様に信頼され、
当てにされる関係作りを目指し、小さな町工場ならではの柔軟な
対応で、お客様のご要望にお応えいたします。
お客様のアイデアと私たちの加工ノウハウを組み合わせ、お客
様の想いをかたちに。
自社製品「犬用ステンレス製トイレトレイ」の製作にも力を入れて
おります。
■IT導入の背景と目的
下請業者として数社依存でしたが外部環境の変化により
 板金工作機械が高機能化し、価格競争が激化。
受注減に歯止め 新規取引先開拓 営業力強化
 自社で板金工作機械を設備し、外注化する元請け企業
が減少。
 リーマンショック後で、特に設備関連の仕事量が激減。
『生き残るためには、新規顧客を開拓、確保しなければい
けない!』と得意な加工を請け負える新規顧客の開拓に目
を向けるようになりました。
しかし、取引先の紹介などで、どこに営業に行っても成果
の上がらない状況が続き、インターネットによる集客および
BtoCへの当社の強みをアピールしたオーダーメイド製品の
製造を始めるきっかけになりました。
新規顧客を開拓できる自社ホームページの作成
自社ホーム
ページ
リニューアル
ブログ等の
情報発信
新規顧客
獲得
オリジナ
ル新商品
発売
■IT化の概要
ホームページ(webサイト)、SNS等社外向け情報発
信ツールの活用
公益財団法人あいち産業振興機構で開催されたセミナー
「BtoB Webマスター養成講座」で、“誰に何を伝えるか”、
“一番得意なところに特化してそれを訴える”ことを徹底して
学びました。それを実践した結果、Webからの問い合わせ
や注文が増えてきました。
新規受注
獲得
【IT化の実施内容】
①ホームページのリニューアル
“タレパン工房”の名称で自社の強みである小規模
ゆえの小回りの良さ、単加工の対応力をアピール
②ブログの利用
お客様からの要望やそれに対応した内容を詳細に
ブログに掲載することで、サイトコンセプトである「気
軽に相談できる」が浸透
http://www.niwas.co.jp
http://www.niwas.co.jp/cgi-bin/blom.exe?blog
③犬用ステンレス製トイレトレイの専門サイト制作
④SNS
SNS等のソーシャルメディアで積極的に情報発信
Facebook
https://www.facebook.com/bankin.koubou
動画サイト(YouTube)
https://www.youtube.com/user/tarepankoubou
Twitter
https://twitter.com/nct_k
http://www.tarepan-koubou.com
■IT導入の効果
 中堅・大手製造加工企業が完成品製作を得意として、あまり請け負っていない単加工(穴あけ、曲げ等)を、弊
社が小規模企業ゆえの小回りの良さや単加工への対応力を武器に受注しております。
 また、その技術を用いてBtoC向けに、ステンレス製排水溝カバーやステンレス製愛犬用トイレなどお客様の要
望に応える製品をオーダーメイドで製造しております。
 このBtoC向けオーダーメイド製品、特にステンレス製愛犬用トイレが話題を呼び、それがもとで、BtoBの分野で
も新規顧客からの注文が増大しています。
ITコーディネータから一言
ワイズオフィス 代表 ITコーディネータ 山田和久氏
http://www.wise-office.com/
丹羽シートメタル様では、最近「○○の素材に○○の加工を行いたいが歪(ゆがみ)などはどの程度?」などの問
合せに対し、どの程度になるか実際に動画で見てもらうなど、
「ワン・ツー・ワン・マーケティング」(顧客一人ひとりとコミュニケーションを繰り返し、個別仕様のサービスを提供す
る)を実施し、「リピート購入」「新規顧客獲得」などにつながっています。
あまり投資をせず、自社の強みを前面に出しアピールすることで成功につながった事例だと思います。
会社概要
社名
代表者名
設立
資本金
従業員数
事業内容
所在地:〒485-0016 愛知県小牧市大字間々原新田字上芳池186-1
:株式会社丹羽シートメタル TEL : 0568-73-7411
:代表取締役 丹羽 英晶
FAX : 0568-73-7413
: 1960年10月1日
URL : http://www.niwas.co.jp/
: 1,000万円
: 4人(2014年度)
:精密板金
鉄・ステンレス・アルミの広幅・長尺タレパン加工(打ち抜き加工)・プレスブレーキ加工(曲げ加工)等
試作から 中ロットまでの精密板金をおこなっています。
シャーリング、タレットパンチプレス、プレスブレーキ(ベンダー)ともに、大型機を取り揃え、 広幅・
長尺板の精密板金に対応しています。
Fly UP