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アジレント CytoGenomics ソフトウェア

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アジレント CytoGenomics ソフトウェア
アジレント CytoGenomics ソフトウェア
細胞遺伝学研究における CGH・CGH+SNP
マイクロアレイデータ解析を効率化するツール
技術概要
• CNCs・LOH・UPD を検出する
細胞遺伝学的研究のワークフローを
能率化します。
• 施設内および外部のデータベースを
もとに確認・精査しながら
はじめに
細胞遺伝学研究分野においてアレイ CGH の導入が次第に進むにつれて、ゲノムコピー
数変化の検出力が向上するとともに、解析する検体数が増加しています。アジレント
の 最 高 水 準 の CGH+SNP と CGH マイクロアレイとアジレント CytoGenomics ソフト
”マニュアル”サンプル解析を
ウェアを組み合わせることでマイクロアレイによる細胞遺伝学研究ソリューションが
行うことが可能です。
完成しました。アジレント CytoGenomics は、統計的、視覚的に強力なツールであり、
• 解析プロセスの全自動化が可能です。
• カスタマイズ可能な解析レポートを
簡単に作ることができます。
日々の細胞遺伝学的解析のワークフローを能率化します。さらに、外部・内部のデー
タベース情報をもとに、マイクロアレイデータの効率的な解析から簡便なレポート作
成までをフルサポートします。ソフトウェアの大きな特 徴である自動 化 機能により、
データのアップロードと解析を自動的に開始、ユーザが自由にカスタマイズした形式
でのレポートを出力して終了する、という工程を一貫して行うことができます。
アジレント CytoGenomics により、細胞遺伝学的研究において先天性疾患サンプルや
健常人サンプルからのマイクロアレイデータを短時間で解析することができます。結
果として、ゲノム全体のコピー数変化や、コピー数変化を伴わない構造変化の検出力
が向上する上に、さらに効率と解析スループットが向上します。
データの取り込みと解析
データはアジレント の SureScan マイク
ロアレイスキャナー を 含 む マイクロア
レイスキャナーで作成された TIFF 画 像
で取り込むことができます。アジレント
CyteGenomics は FeatureExtraction (FE)
ソフトウェアを 内 蔵し、解 析 ワー クフ
ローの一部として FE による数値化を行
うことが可能です。データを取り込むと
き、研究者は、ただ適切な解析ワークフ
ローを選択し、取り込むデータファイル
を指定し、サンプルの特性情報を加え各
マイクロアレイのサンプル情報を設定し
ます。サンプルを取り込む工程は手入力
か、Auto Processing とよば れる自 動 化
で行うことができます。Auto Processing
についてはこの資料に、より詳細に紹介
しています。
Triage View での
マニュアルサンプル解析
アジレント CytoGenomics の Triage View
には、マニュアルサンプル 解 析に役 立
つツール が 幾 つ か 搭 載 さ れて い ま す。
CNC・LOH/UPD aberration call (検 出 さ れ
た構造変化領域 ) については、Genome、
Chromosome、Gene View (図 1) にて、そ
れ ぞ れ 詳 細 を 確 認 す る こと が で き ま
す。Aberration call の 分 類 分 け・レ ポー
トから の 消 去・情 報 入 力・ソフト ウェ
ア中のデータベース (ソフトウェア中の
全 サン プル 情 報 が 保 存 され たも の や
外 部 の デ ー タベース) から の 情 報 を も
とにした 修 正 も 可 能 で す。アジ レント
CytoGenomics データベース中の構 造 変
化領域情報は、Track View 中の Track 情
報 や、Aberration Table 上で 確 認 するこ
とが できます。Gene View から、ユーザ
は UCSC Genome Browser や Database of
Genomic Variants (DGV) ウェブサイト へ
リンクし、関 心 のある遺伝 子 領 域につ
いてさらなる情 報を取 得することが で
図 1. 各構造変化は Genome 、Chromosome 、Gene View で手動で調べることができます
この例では、8 番染色体における 123 kb の増幅 (5 プローブ ) が DGV (Database of Genomic Variants) に存在する
既知 CNVs と位置が重なり合っていることを表しています。この CNV と位置の重なる構造変化はアジレント
CytoGenomics データベースに蓄積された以前の解析サンプルにも確認されており、この情報は
‘ MyVariantsDB ’
‘ InMyVariantsDB’の項目の両方に表示されています。研究者は最
トラック表示画面および aberration table 中の
終的に、この構造変化領域を図に示されるように分類することができます。さらに研究者はこの領域を
“suppress”
して、最終的に CytoReport にこの領域を載せないよう決定することができます。(suppress された構造変化領域
はサンプルデータからなくなるわけではなく CytoGenomics データベースに保存されています )
2
きます。特 定の 構 造 変 化 領 域に関 連し
た遺伝 子の追 加情 報は、遺伝 子名から
OMIM、UCSC 、DGV、Entrez ウェブサイト
へリンクすることにより取得することが
できます。
Cyto Report
Triage View 上で のマニュアルサンプル
解析のあと、研究者は Cyto Report を作
成することができ、かつその report 形式
はカスタマイズ 可能です。CytoReport に
は、Triage View で精 査された構 造 異常
領 域の 情 報について、それぞ れの 染 色
体位 置 情 報に加えて、関 連 する遺伝 子
と分類も含まれます。さらに研究者は構
造 異常 領域の画像、各 領域やサンプル
に付加された情報、およびデータベース
から得られるサンプル 情 報も Report に
含めることができます。例として図 2 の
CytoReport は 17 番染色体に欠失をもつ
サンプルを示しています。
Auto Processing 機能により全自動
でデータのアップロード・Feature
Extraction・データ解析が可能
アジレント CytoGenomics ソフトウェアは、
データのアップロード・Feature Extraction
による数値化・最適化された CGH・SNP
解 析アルゴリズムによるデータ解 析を、
Auto Processing 機 能により全自動で行
うことができます。Auto Process が起動
しているときは、ソフトウェアはスキャ
ナーが 設 定されたフォル ダー 先に出 力
した TIFE 画像を、自動的にインポートし
解析します。この機能により、細胞遺伝
学 の 研 究者は、Triage View で 表 示して
いるサンプルの手動 解 析 作 業に集中す
ることができます。Auto Process は以下
の 2 つのステップで簡単に設定すること
ができます。:① 各アレイデザインファ
イルを、予めソフトウェア上で設 定した
解析ワークフローと関連付けます、② ス
キャナーが 取得した TIFF 画像データお
よびサンプル名・アレイ情報を含むテキ
ストファイルの両方をアップロードする
データフォルダー先を指定します。Auto
Processing 機能の起動はとても簡単、メ
イン画 面の Auto Processing セクション
にある Play ボタンを押すだけです。(図
3) ユーザはその場から離れたり、ソフト
を閉じたりすることができ、アジレント
スキャナーより TIFE 画像が 取得される
たびに、ソフトウェアは見えないところ
でデータ処理をし続けていきます。Auto
Processing モードでは、ユーザはソフト
ウェアを起動し、手動でデータトリアー
ジを行い、解析が終了したら解析レポー
トを作るだけです。
図3
アジレント CytoGenomics Auto Processing 機能
図2
この CytoReport では 17 番染色体上に欠失が検出されていることを示しています
3
サンプル解析ワークフローの
カスタマイズ
ア ジ レ ント CytoGenomics は ワ ー ク フ
ローに基づいたソフトウェアです。ワー
クフローは特 定のデータの 種 類に対し
てプログラムすることができ、データの
取り 込 み、Feature Extraction に よる 数
値化、解析アルゴリズムの実行、設定し
た内容での結果とレポートファイルの出
力を行うことができます。デフォルトの
ワークフローを用いて、TIFE 画像または
FE ファイルのどちらからでも、CGH デー
タ・CGH+SNP デ ー タの 解 析 や 前 回 解
析したデータの再解析が可能です。さら
に、カスタマイズしたワークフロー、つ
まり自分の好きなように設定したフィル
ターや閾値で、お好みの解析アルゴリズ
ムを含むワークフローを作成することも
可能です。最後に、CytoReport のレイア
ウトと出力する内容もまたカスタマイズ
できます。
図4
欠失領域の検出。この図では、アジレント CGH+SNP マイクロアレイが、CGH と SNP の両方のプローブを使い
コピー数異常を検出しています。このサンプルでは 17 番染色体上に欠失が検出されています
アジレント CytoGenomics
データベース
アジレント CytoGenomics データベース
には、すべての 解 析 され たサンプル の
情報が蓄積されます。サンプルデータの
バージョンの管理を行っているため、複
数のユーザが共有データベースに同時に
アクセスし、同じサンプルデータを閲覧
することができますが、一度に 1 ユーザ
のみがサンプルデータを手作 業で変 更
を加えることができます。サンプルデー
タのバージョン 管 理 を 確 実にするため
に、ユーザは手作業によるデータ内容の
変更前に、そのサンプルをデータベース
から“check out”する必要があります。他
のユーザはこのサンプルのデータを閲覧
することはできますが、最初のユーザが
サンプルデータを“check in”してデータ
ベースにもどすまで、手作業による変更
を行うことはできません。さらに、サン
プルの構造変化領域を調べるとき、ユー
ザ はデ ー タベースに保 存 されてい る以
前の解 析 サンプルにその 領域と重なる
構造変化領域がないか、データベース中
でクエリ検索することが可能です。アジ
レント CytoGenomics データベースに保
存されている構造 変 化データを、Triage
View 上の Gene View に並べて表 示した
Track 画面上に表示することもできます。
また、ユーザは年齢や性別などのサンプ
ルに付随する情報をもとに、データベー
ス中を検索することもできます。
4
CGH+SNP データ解析
ア ジ レ ント CytoGenomics で は CGH と
CGH+SNP の両方のマイクロアレイの解
析が できます。アジレント SurePring G3
CGH+SNP マイクロアレイに搭載されて
いる SNP プローブにより、CGH データを
確認し、また cnLOH や UPD を検出する
ことができます。それぞれのアプリケー
ションの例については次のセクションで
述べています。
SNP データで
CGH コピー数変化領域の確認
図 4 は、アジレント SurePrint G3 Human4
x 180K CGH+SNP マイクロアレイを使い、
アジレント ADM-2 アルゴリズ ムにより
連 続する 338 個の CGH プローブデータ
で 17 番染色体 p 腕に大きな欠失を検出
する例を示したています。この 1 コピー
欠 失 の 平均 Log2 比 は -0.856 で す。LOH
図5
近親婚家系サンプル。この例ではアジレント CGH+SNP マイクロアレイの小さな LOH の検出力を示しています。
9 番染色体において、7.05 という高い信頼度で 3Mb の LOH を検出しています
検出アルゴリズムは、正常な二倍体ゲノ
ムでは AA、AB、BB の SNP アレル (uncut
アレル:0、1、2) の組み合わせになりま
すが、この領域では AまたはBのみ (uncut
アレル:0、1) を表しています。(図 4) SNP
と LOH 検 出アルゴリズムについてのよ
り詳しい情報はアプリケーションノート、
Simultaneous Detection of Copy Number
and Copy-Neutral LOH Using a Single
Microarry (P/N 5990-6274EN) を ご 覧 く
ださい。
近親婚の家系サンプルにおける
LOH 検出
近 親 婚家 系サンプルは互いに血 縁関係
である両親をもちます。結果として、ゲ
ノムは長 い 領 域 の copy-neutral (cn) LOH
領 域 を もつ こと が ありま す。この サ ン
プルでは、アジレント CytoGenomics ソ
フトウェアにより、ゲノム全 体における
5-10Mb ほどの大きさの LOH 領域が検出
されています。この小さい領域の LOH の
例としては、9 番染色体において 7.05 と
信頼 度の高い (アジレント推奨のカット
オフ値 6 より高 い) 3 Mb の LOH が 検 出
されています。(図 5)
こ の cnLOH は SNP プ ロ ーブ の デ ー タ
にお いて、uncut アレルが 1、す な わち
heterozygous SNP が 消 失 する 領 域 とし
て検出されます。CGH プローブのデータ
だけでは、その領域は完全に正常である
ようにみえるので、copy-neutral LOH も
検出することが 可能な SNP プローブが
共にマイクロアレイに搭載されているこ
とはとても重要なのです。
5
三倍体と不均衡型四倍体の検出
三倍 体と四倍 体は全 染 色体がコピー数
を増加することにより生じるため、サン
プル内では 異 なる染 色体 間のコピー 数
不均衡性がなく、CGH アレイではこのよ
うな染 色体の変 化を一 般的に検出する
ことは困難です。アジレント CGH マイク
ロアレイに SNP プローブが追 加される
ことにより、三倍体と不均衡型四倍体を
検出することができます。三倍体の検出
の 例 が 図 6 に 示 さ れて いま す。CGH プ
ローブのログ比と SNP プローブのアレ
ル特異的コピー数から、このサンプルで
はゲノム全体が三倍体であることがわか
ります。
図6
三倍体サンプル
この例ではアジレント CGH+SNP マイクロアレイの三倍体の検出能を示しています
システムセットアップ
アジレント CytoGenomics はクライアン
ト/サーバーシステムで す。デ ー タ 解 析
はクライアントで処理され、一方、サー
バー の主 要 機 能はデータベースとそ の
内 容 を 保 持 することで す。アジレント
CytoGenomics の ク ラ イ ア ント と サ ー
バーは 1 つのコンピュータにインストー
ルすることが できます。32 と 64 ビット
の両方に対応、Mac OSX 10.7 (Lion)、Mac
OSX 10.8 (MountainLion) に互換性があり
ます。もしくは、システムを 1 つのセント
ラルデータベースサーバーにセットアッ
プし、複数のクライアントが同時にサー
バーに接続することもできます。この設
定では、クライアントは 32、64 ビットの
Windows もしくは Mac を使 用すること
ができますが、サーバーは 32、64 ビット
の Windows にインストールする必 要が
あります。(図 7)
図 7. 1 つのコンピュータにクライアントとサーバーの両方、もしくは 1 つの
サーバーと複数のクライアントに 32 ビット/64 ビットシステムをセットアップ
6
結論
アジレント CytoGenomics ソフトウェア
は コ ピー 数 変 化 と コ ピー 数 変 化 を 伴
わ な い 染 色 体 構 造 変 化 を 検 出・解 析
するた め のソ フト ウェア で、 アジ レン
ト が 提 供 す る 優 れ た 性 能 の SurePrint
G3 CGH+SNP と CGH マイクロアレイプ
ラットフォームをさらに 強 力 な も の に
しま す。自 動 の デ ー タ処 理 機 能 とワー
クフロー の自在 カスタム化、手 動 で の
サンプル 解 析 の 組み合 わせにより、ア
ジ レ ント CytoGenomics は ア ジ レ ント
CytoGenomics リ サ ー チ ソ リュ ー シ ョ
ン を 完 全 な も の にしま す。アジ レント
CytoGenomics は、コピー数と LOH 構造
変化の検出をより簡単、より効率的、よ
り正確なものにします。
7
CytoGenemics ソフトウェアは下記からダウンロード可能です。
www.agilent.com/genomics/cyto_software
www.agilent.com/chem/jp
本文書掲載の機器類は薬事法に基づく登録を行っておりません。
アジレントは、本文書に誤りが発見された場合、また、本文書の使用に
より付随的または間接的に生じる障害について一切免責とさせていた
だきます。
また、本文書に記載の情報、説明、製品仕様等は予告なしに変更するこ
とがあります。
アジレント・テクノロジー株式会社
© Agilent Technologies, Inc., 2012
Published in Japan, December 5, 2012
Publication Number 5990-8533JAJP
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