Comments
Description
Transcript
農林中金総合研究所
http://www.nochuri.co.jp/ 農林中金総合研究所 2012 年 3 月 16 日号 調査第二部 安藤 範親 ≪来週のポイント≫ 復興需要の影響が注目される地価公示 22 日は、国土交通省が年に 1 度の「地価公示」を発表する。2011 年の新設住宅着工戸数は前年比 2.6%、全国マンション販売戸数は同 2.2%と、いずれも前年実績を上回ったことから、東日本大震災の影 響を受けた東北や首都圏などを除く地域の地価の下落率は縮小するだろう。12 年には、東北の復興需 要や販売自粛などで伸び悩んだ地域の反動、住宅減税や住宅エコポイントなどの効果が期待され住宅 市場の回復傾向は継続するだろう。 その他の主な経済指標 米国では、20 日に「住宅着工件数(2 月)」、「建設許可件数(2 月)」、21 日に「中古住宅販売件数(2 月)」、23 日に「新築住宅販売件数(2 月)」など住宅関連指標の発表が相次ぐ。住宅着工件数はエコノミ スト予想(ブルームバーグ)によれば前月比▲0.6%の 69.5 万件(年率換算)、建設許可件数は同 0.4% の 68.5 万件、中古住宅販売件数は同 0.7%の 460 万件、新築住宅販売件数は同 1.3%の 32.5 万件と なる見込み。多くの予想通り改善を示す結果となれば、このところの緩やかな住宅市場の回復傾向から、 米景気の先行きに対する楽観的な見方がさらに強まるだろう。 日本では、22 日に「貿易統計(2 月)」が発表される。1 月は貿易赤字が 1 兆 4,750 億円と過去最大とな ったが、市場のコンセンサスでは円安が進んだ 2 月は赤字幅が縮小する見込み。 来週のスケジュール(3/19~3/23) 月 日 国内の予定 3 月 19 日(月) 国庫短期証券(2M)入札(2.5 兆円程度) 3 月 20 日(火) 休日:春分の日 3 月 21 日(水) 3 月 22 日(木) 国庫短期証券(3M)入札(6 兆円程度) 「全産業活動指数(1 月)」(2p に予測掲載) 流動性供給入札(3,000 億円程度) 地価公示(12 年) 「貿易統計(2 月)」(2p に予測掲載) 3 月 23 日(金) 国庫短期証券(3M)入札(6 兆円程度) 海外の予定 米 ニューヨーク連銀ダドリー総裁講演 米 ポルトガルのガスパル財務相講演 欧 「ユーロ圏経常収支(1 月)」 欧 「ユーロ圏建設支出(1 月)」 米 上院銀行委、パウエル、ステイン両次期 FRB 理 事の指名承認公聴会 米 バーナンキ FRB 議長講演 米 「住宅着工件数・建設許可件数(2 月)」 米 「中古住宅販売件数(2 月)」 ポルトガル 3 ヶ月、6 ヶ月物証券入札 米 バーナンキ FRB 議長講演 米 「新規失業保険申請件数(前週分)」 米 「住宅価格指数(1 月)」 欧 欧州中央銀行(ECB)定例政策委員会 欧 「ユーロ圏総合景気指数(3 月速報)」 欧 「ユーロ圏製造業景気指数(3 月速報)」 欧 「ユーロ圏サービス業景気指数(3 月速報)」 欧 「ユーロ圏鉱工業新規受注(1 月)」 欧 「ユーロ圏消費者信頼感(3 月速報)」 米 アトランタ連銀ロックハート総裁講演 米 「新築住宅販売件数(2 月)」 農林中金総合研究所 無断転載を禁ず。本資料は、信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。本資料は情報提供を目的に作成されたものであり、投資のご判断等はご自身でお願い致します。 1 http://www.nochuri.co.jp/ 1.来週発表予定の経済指標予測 1 月の全産業活動指数【3 月 21 日(火)13:30】 <当社予測>全産業活動指数:前月比 ▲0.7%(12月:同 1.3%) 全体の約 2 割を占める鉱工業生産は同 2.0%と上昇したものの、毎月勤労統計(速報)によれば、建 設業の所定外給与は前月比▲8.4%となっており、建設業活動指数の悪化が予想される。また、6 割強 のウエイトである第 3 次産業活動指数が同▲1.7%と低下した。以上から、1 月の全産業活動指数は 2 ヶ 月ぶりの低下が見込まれる。(安藤) 2 月の貿易統計【3 月 22 日(木)8:50】 <当社予測>通関貿易収支:原系列 1,460億円 (1月:▲1兆4,769億円) 季調済 ▲1,040億円 (1月:▲6,128億円) ギリシャ債務懸念の後退や円安方向への修正などにより、輸出は前年比▲0.6%と減少幅の縮小が 予想されるものの、東日本大震災・原発事故による電力の火力シフトやイラン情勢緊迫化などによる原 油価格の高止まりから天然ガス・原油の輸入は同 9.6%と 26 ヶ月連続の増加となるだろう。このため、通 関貿易収支は、1,460 億円と 5 ヶ月ぶりの黒字となるものの、季節調整値は▲1,040 億円と 11 ヶ月連続 の赤字になると予想する。(寺林) (10億円) (%前年比) 通関貿易出超額と輸出入の動向 1,500 75 1,000 50 500 25 0 0 出超額(季節調整済、左目盛) -500 -25 輸出金額(右目盛) 輸入金額(右目盛) -1,000 2004年 -50 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 (資料)財務省統計 農林中金総合研究所 2 http://www.nochuri.co.jp/ 2.債券市場 寺林 暁良 ◎相場概況 (3/12~3/16 前場) 今週の長期金利(新発 10 年国債利回り)は、米国長期金利(米財務省証券 10 年物国債利回り)の上 昇に合わせて、大きく上昇した。 週初 12~13 日の日銀金融政策決定会合は、追加緩和の見送りで大きな材料とはならず、長期金利は 0.9%台後半の水準を維持した。しかし週央には、経済指標の改善等を受けた景気回復期待の高まりか ら株価が上昇したほか、13 日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策が維持されたことで金融緩和の 時間軸を疑問視する見方も広がり、米国長期金利の上昇が加速。15 日には、米国長期金利が約 4 ヶ月 ぶりに 2.3%台半ばまで上昇したことに合わせ、日本の長期金利も約 3 ヶ月半ぶりに一時 1.06%まで上昇 した。16 日午前は債券相場下落に対する押し目買いもあり、低下に転じている。 15 日の 20 年債入札の結果は無難だった。イールドカーブは長期を中心に上昇。16 日 11:02 時点の 長期金利(#321)は 1.035%(先週末比▲5.0 p)、国債先物(中心現月 6 月物)は 141 円 39 銭(同▲90 銭)。 ◎来週の相場予想 (3/19~3/23) 米国で株高・債券安の流れが続いているが、水準感の調整も入ると思われるため、長期金利の大幅な 上昇は続かないと思われる。 (%) 2.5 (%) 日本国債のイールドカーブ(週末) イールドスプレッド 1.0 2012年3月16日 (今週) 0.8 2012年3月9日 (先週) 2.0 1.5 2012年2月17日 (先月) 0.6 2011年12月16日 (3ヶ月前) 0.4 2011年9月16日 (6ヶ月前) 0.2 1.0 5Y-2Y 10Y-5Y 20Y-10Y 0.0 9/16 0.5 10/16 (%) 11/16 12/16 1/16 2/16 3/16 新発10年物国債利回り 1.100 0.0 3M 6M 1Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y15Y20Y30Y40Y 1.050 0.15 0.10 1.000 0.05 0.00 0.950 ▲ 0.05 先週差 ▲ 0.10 先月差 3ヶ月前差 0.900 3M 6M 1Y 2Y 3Y 4Y 5Y 6Y 7Y 8Y 9Y 10Y15Y20Y30Y40Y 1/5 1/20 2/3 2/17 3/2 3/16 (資料)Bloombergより農中総研作成 ◎国債入札結果 入札日 銘柄 ( 回号) 表面利率 発行予定額 応札倍率 テール 最低価格 最高利回 3/15 20年利付国債(#134) 1.8% (1.8%) 1.1兆円 3.26倍 (2.79倍) 12銭 (5銭) 99.95円 1.803% (資料)財務省ホームページより農中総研作成。表面利率及び応札倍率、テールの( )内数値は前回入札時の値 農林中金総合研究所 3 http://www.nochuri.co.jp/ 3.株式市場 安藤 範親 ◎相場概況 (3/12~3/16 前場) 日経平均は、利益確定売りが強まるも円安や米株高で上昇した。週明け 12 日は反落、前週末の米雇用統 計改善を好感し買い先行で始まったが、利益確定売りや過去 23 年間で最大の中国貿易収支赤字に伴うアジ ア株安が重荷となった。13 日は小幅反発、日銀金融政策決定会合で追加緩和なく伸び悩んだ。14 日は大幅 続伸、前日、米国で発表された米大手銀ストレステスト結果が好感され米ダウが大幅上昇したことや FOMC の 声明で QE3 観測が後退し米国金利が上昇、円安が進んだことなどが影響した。15 日は続伸、約 8 ヶ月ぶりに 1 万 100 円台となった。ドル円相場が約 11 ヶ月ぶりに 84 円近辺となったことで輸出企業中心に買われた。16 日前場は小反落、円安一服で利益確定売りが優勢となった。 業種別では、33 業種中 27 業種が前週末比で上昇。 <終値>日経平均:10116.32(前週末比 186.58)、TOPIX:864.55(同 15.84) ◎来週以降の相場予想 (3/19~3/23) 改善が予想されている米住宅関連指標が予想通りとなるか、もしくは、上振れれば、ドル買いの動きが優勢 となることや米株式市場が上昇すると見込まれることから、堅調な動きとなるだろう。逆に下振れたとしても、米 景気先行きへの期待感は変わらず、押し目買いから底堅い動きとなろう。 (円) 日経平均株価の日足グラフ TOPIX 業種(33)別 前週末比変化率 10,200 TOPIX 水産・農林 鉱業 建設 食料品 繊維 紙パ 石油石炭 ゴム 化学 ガラ・土 鉄鋼 非鉄 金属 機械 電気機器 輸送用機器 精密機器 その他工業 不動産 陸運 海運 空運 倉庫・運輸関連 情報通信 電気ガス サービス 医薬 卸売 小売 証券等 保険 その他金融 銀行 25日移動平均線 9,900 50日移動平均線 100日移動平均線 9,600 9,300 9,000 8,700 8,400 1/31 (億株) 2/6 2/10 2/16 2/22 2/28 3/5 3/9 3/15 (千億円) 東証一部 出来高 40 40 出来高 株数 出来高 金額 30 30 20 20 10 10 1/31 2/6 2/10 2/16 2/22 2/28 3/5 -4% -2% 0% 2% 4% 6% 3/9 3/15 ●決算発表 注目銘柄 (変更になることがありますのでご注意ください) (資料) Bloomberg より農中総研作成 (3/21) クスリのアオキ、モロゾフ (3/23) ミタチ産業 など 農林中金総合研究所 4 http://www.nochuri.co.jp/ 4.外国為替市場 矢島 格 ◎相場概況(3/12~3/16 前場) 今週のドル円相場は、日米の金融政策のスタンスの違いを反映してドル高円安が進行。11ヶ月ぶり の1ドル=84 円台を示現。 週初 12 日は、日銀の金融政策決定会合の結果を控えて1ドル=82 円台前半で小動き。13 日は、日銀 による追加緩和見送りを受け円高となり1ドル=82 円を一時割れとなった。14 日は、前日の米連邦公開市 場委員会(FOMC)の声明で景気見通しが上方修正されて、日米間の金融政策の方向性の違いが明ら かとなり円安への動きが加速。1ドル=83 円台を付けた。15 日も、円安の流れが続き 1 ドル=84 円台を 付けた。 16 日の前場は、利益確定の円買いドル売りが優勢となり 1 ドル=83 円台半ばで推移。 今週のユーロ円相場は、ドル円相場の動きに連れてユーロ高円安となった。しかし、対ドルでは、欧 州情勢への不透明感からユーロは弱含む展開だった。 週初 12 日と 13 日のいずれも、欧州情勢の不透明感が根強く残るなか方向感を欠く展開。14 日は、米 国の景況感が改善したことを受けて、ユーロは対ドルで売られたものの、ドル円相場のドル高円安の動き に連れて対円ではユーロ高となった。15 日も、欧州情勢への不透明感を背景にして対ドルではユーロ安 となったが、ドル高円安が進行するドル円相場の影響を受けて対円ではユーロ高となり1ユーロ=109 円 台を付けた。16 日の前場は、利益確定のドル売りが出てユーロは対ドル、対円ともに小戻す展開。 ◎来週の相場予想(3/19~3/23) ドル円相場は、米国景況感改善を背景とするドル高円安基調は変わらないが、過熱感もあるなか、一 本調子のドル高円安の進行は難しいと予想する。ユーロ円相場は、欧州問題に対する警戒感は依然とし て払拭されないなか、ユーロの上値が重い展開は続くだろう。 (円/ドル) (円/ユーロ) 円/ドル・ レート 75 25日移 動平均 76 75 76 77 77 78 78 79 80 円 高 50日移 動平均 81 82 83 2012/01/20 (ドル/ユーロ) ドル/ユーロ・レート 1.4 79 102 102 50日移 動平均 1.36 1.34 1.4 ユ 1.38 ロ 高 1.36 ー 1.38 100 104 円 高 50日移 動平均 106 円 安 108 110 2012/03/16 2011/12/23 2012/02/17 98 100 84 110 85 85 2011/12/23 98 83 108 84 96 25日移 動平均 80 104 81 106 82 円 安 円/ユーロ・レート 96 (1万コントラ クト) ▲6 2012/01/20 2012/02/17 2012/03/16 シ カゴ IMM円ポジ ション(先物のみ) (円ドル) 88 ▲4 ▲2 86 円ポジション(左軸) 円ドル(右軸) 84 1.34 0 82 1.32 1.32 2 80 1.3 1.3 4 78 1.28 6 76 1.26 8 ー ユ 1.28 25日 移動 平均 1.26 1.24 2011/12/23 2012/01/20 2012/02/17 ロ 安 1.24 2012/03/16 11/04 11/06 11/08 (注) 1コントラクト=1250万円 74 11/09 11/11 12/01 12/03 (資料)Bloombergより農中総研作成 農林中金総合研究所 5 http://www.nochuri.co.jp/ 5.海外市場 (米国)木村 俊文、 (欧州)山口 勝義、 (中国)山口 勝義 ◎相場概況 (3/9~3/15) 【米国】 米国債市場では、2 月の雇用統計や小売売上高など良好な経済指標が相次いで発表されたほか、FRB が 13 日の FOMC で景気判断を引き上げたこともあり、先行きに対する楽観的な見方が広まり、長期金利が上昇 した。15 日の 10 年債利回りは先週末比 25bp、30 年債利回りも同 24bp の 3.415%と昨年 9 月のツイストオペ 導入以前の水準まで上昇した。また、株式市場も続伸し、15 日のダウ工業株 30 種平均は先週末比 330 ドル (2.6%)高の1万 3,252 ドルとなったほか、S&P500 種株価指数もほぼ 4 年ぶりに 1,400 の大台を回復した。 【欧州】 12 日にギリシャの新国債への交換作業が終了し、14、15 日に、ユーロ圏、IMF がそれぞれギリシャへの追 加支援を正式に承認したことで、市場は全般に落ち着いた動きとなった。イタリア(14 日)、スペイン(15 日)の 各国債入札も順調に終了。しかし、交換後の新ギリシャ 11 年債は利回り 18%、価格は額面の 29%程度で推 移しており、再度の債務減免を懸念する水準となっている。ポルトガル国債は 15bp 利回り低下。一方、ドイツ 債は、市場の落ち着きに ZEW のドイツ景況感指数の改善(13 日)も加わり、17bp の利回り上昇。 株式は、ストックス欧州 600 指数の 2.6%の上昇に対し、銀行セクターは 3.7%の上昇となった。 【中国】 上海総合指数は、週を通じて 1.9%の下落となった。前半は、2 月の CPI 上昇率(9 日)が前年同月比 3.2% の上昇と落ち着いた値となった一方、貿易統計(10 日)で輸出の鈍化・輸入の急増により大幅な貿易赤字とな るなど、好悪材料交錯でもみ合いが続いた。しかし、14 日には、温首相が全人代閉幕に当たっての記者会見 で住宅価格は合理的な水準まで低下していないとの発言を行ったことにより、不動産株を中心に 2.6%の急 落となった。 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 6 http://www.nochuri.co.jp/ 6.指標分析・注目点 木村 俊文 ① 今週のレビュー 今週は、日米で金融政策決定会合が開催され、その動向が注目された。日銀は、前回 2 月の会合で 想定外に追加金融緩和やインフレ目標を導入したが、今回は重要な政策変更は行わず、現状維持を決 定した。ただし、成長基盤強化支援資金供給については、3 月末の期限を 2 年延長するとともに、貸付総 額を現行の 3.5 兆円から 2 兆円増額(うち 1 兆円は日銀保有の米ドルを用いた新たな貸付枠を導入)する など拡充策を発表した。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)も、現行政策の維持を決定した。一方で、 FOMC は景気判断を引き上げ、さらにガソリン高による一時的なインフレを警戒する姿勢を示しており、期 待された追加の量的緩和観測はやや後退し た格好となった。 以下、今週発表された主な経済指標につ いて簡単に振り返ってみたい。1 月の機械受 注統計によれば、代表的な「船舶・電力を除 く民需」は前月比 3.4%と 2 ヶ月ぶりに増加し (億円) 機械受注の民需(船舶・電力を除く)の推移 8,200 (%) 20 8,000 受注額(左目盛) 7,800 15 前月比 7,600 10 7,400 7,200 5 7,000 0 6,800 た。事前予想(ブルームバーグ調べ 2.3%)を 上回る伸びを示したものの、内閣府は機械受 注の基調判断を「一進一退で推移している」 6,600 -5 6,400 6,200 -10 11/1 11/3 11/5 11/7 11/9 11/11 12/1 (資料)内閣府「機械受注統計」 と据え置いた。内訳をみると、非製造業はス マートフォン関連の基地局増設などを背景に 2 ヶ月ぶりに増加した。一方、製造業は造船業やその他製 造業などの受注減により 2 ヶ月連続の減少となった。ただし、自動車・同付属品については、タイ洪水に 伴う代替生産の影響に加え、一部で能力増強の動きもあり、4 ヶ月連続の増加となっている。内需が弱い 動きを示すなかで、こうした情報通信や自動車関連など一部業種に回復の兆しが見られることは、今後の 機械受注全体の持ち直しにつながる可能性があると思われる。なお、昨年 12 月の調査では、1~3 月期 の受注見通しは前期比 2.3%と 2 四半期ぶりの増加見込みとなっているが、1 月が堅調な伸びとなったこ とから、2 月、3 月の受注が前月比▲0.6%を上回ることができれば、この見通しを達成すると試算される。 また、2 月の国内企業物価は、国際的な資源高騰の下、前月比 0.2%(2 ヶ月ぶりのプラス)、前年比 0.6%(17 ヶ月連続のプラス)と、いずれも上昇した。内容的には、電力・都市ガス・水道が前年比 10.9%と 上昇したほか、石油・石炭(5.7%)や化学(1.9%)なども値上がりして全体を押し上げた。先行きも国際商 品価格の上昇と円安が物価上昇の要因となり、当然ながら、こうした流れは消費者物価へも徐々に波及 していくと思われる。ただし、投入コスト高を製品価格に転嫁できない状況は変わっておらず、急速に物 価上昇が進む可能性は極めて低いだろう。 最後に、1~3 月の法人企業景気予測調査によれば、大企業製造業の景況感を示す景況指数(BSI) は、▲7.3 と 2 四半期連続で悪化した。欧州債務危機などの影響で昨年 10~12 月期(▲6.1)よりも小幅 に悪化した。しかし、国内の景況指数は▲6.3 とマイナス幅が縮小しており、先行きも国内需要、海外需要 が回復することから 4~6 月期にプラスに転じ、さらにその後も東日本大震災の復興需要の本格化を受け て回復基調で推移する見通しとなっている。 農林中金総合研究所 7 http://www.nochuri.co.jp/ 南 武志 ②指標予測:日銀短観 3 月調査 4月2日に、3月調査の日銀短観が公表される。国内景気・産業に大打撃を与えた東日本大震災の発 生から約1年が経過、電力不足懸念などの問題は残っているが、サプライチェーン障害などの復旧は昨 秋までにはほぼ一段落している。しかし、収束の兆しが見えない欧州債務危機や中国など新興国の景気 減速、歴史的な水準で定着する円レート、さらには多くの日系企業が操業停止に追い込まれたタイ洪水 の発生などにより、11年後半以降、国内景気の牽引役であった輸出は頭打ちとなり、景気そのものも足踏 み気味の展開となった。こうした動きを反映して、10~12月期の実質成長率は前期比年率▲0.7%とマイ ナスに転じたほか、前回の12月短観でも代表的な大企業・製造業の業況判断DIは悪化に転じた。 一方、足元に目を転じると、欧州債務問題への懸念は相変わらず根強いものの、米国経済や新興国 経済の底堅さが確認されているほか、1%の物価上昇を目指すとした日本銀行に対する追加緩和への思 惑の高まり、さらにはそれに伴う円高修正の動きも見られたことから、先行きに対する悲観論は解消される 方向にある。新年度入りすれば、すでに成立した第3次補正予算に盛り込まれた事業費9兆円超の復興 事業が開始されるものと見込まれるほか、年度半ばまでには輸出の底入れも実現する可能性がある。こう した復興需要の本格化や輸出の持ち直しが景気の押上げに貢献するものと期待されている。 (1)業況判断DI 前回12月調査では、代表的な大企業製造業の業況判断DIは▲4(9月調査時から▲6ポイント)と、2期 ぶりに悪化、かつ「悪い」超(=マイナス)となった。大震災からの復旧一巡や復興事業の遅れ、輸出環境 の悪化(世界経済の減速や歴史的水準での円高定着、タイ大洪水による影響)などもあり、景気の足踏み 感が強まった。ただし、最近は、世界経済の先行き悪化懸念が解消方向にあるほか、円高圧力もやや緩 和されてきた。さらに、エコカー購入補助金の復活もあり、自動車販売が盛り上がっている。PMI購買担当 者指数(12~2月分まで3ヶ月連続の50超)、景気ウォッチャー調査(2月の企業動向は持ち直しの動き)な ど、月次のビジネスサーベイからも景況感の緩やかな改善が見て取れる。なお、1月の実質輸出指数は 微増ながらも2ヶ月連続の上昇、同じく鉱工業生産も、季節指数の歪みが指摘されつつも、2ヶ月連続の 上昇で、先行きも改善が続く見通しである。 以上の点を踏まえ、製造業の業況判断DIは、大企業が3(前回12月調査時点から7ポイントの改善)、 中小企業が▲5(同じく3ポイントの改善)と予測した。なお、先行きに関しては、原油など資源価格高騰な どへの警戒はあるが、海外経済の先行きや円高修正の動きへの期待感から、大企業が5、中小企業が▲ 業況判断DI( 「 良い」 - 「 悪い」 、% ポイント) 2 0 1 1 年1 2 月調査 大企業 中小企業 製造業 非製造業 製造業 非製造業 1 2 年3 月調査 最近 ① 先行き 最近 ② ▲4 4 ▲8 ▲14 ▲5 0 ▲17 ▲21 3 7 ▲5 ▲1 3 変化幅②-① 先行き ③ 変化幅③-② 7 3 3 1 5 8 ▲2 ▲1 8 2 1 3 ▲5 (資料)日銀短観を基に農林中金総合研究所作成 農林中金総合研究所 8 http://www.nochuri.co.jp/ 2と、今回調査からさらに改善見通し(今回3月予測からそれぞれ2ポイント、3ポイントの改善)となるだろ う。 一方、非製造業については、薄型TVなどの反動減が続いているほか、賃金水準も停滞気味にしてい るが、前述の通り、自動車販売を筆頭に消費は底堅く推移している。一方、中小企業については、これま での地域経済の疲弊に加え、交易条件悪化に伴う大企業のコスト圧縮継続やデフレのしわ寄せ、さらに は復旧・復興の遅れなどが景況感の改善に対しては抑制的に働いている可能性が高い。以上から、大企 業は7と、前回12月時点から3ポイント、中小企業も▲13と同じく1ポイントと、いずれも改善を予測した。先 行きは復興需要への期待感から大企業(8、今回から+1ポイント)は改善するが、中小企業(▲18、同▲5 ポイント)は悪化すると予想。 (2)設備投資計画 企業設備投資関連指標は、海外経済の減速懸念が強まるなかでも、復興に向けた投資需要、さらに はスマートフォン対応などが牽引するなど、比較的底堅く推移してきた。GDP統計ベースでは、7~9月期 に4四半期ぶりに増加に転じた後、10~12月期は加速が見られた。なお、先行きについては、1~3月期 の機械受注見通し(内閣府集計)が同2.3%と増加予想となっているほか、年後半に向けての復興需要本 格化や輸出回復期待もあり、設備投資意欲も好転していく可能性が高いだろう。 11年度設備投資計画(ソフトウェア投資額を除く、土地投資額を含む、金融・保険業を除く)は、大企業 (全産業)が前年度比2.0%(うち、製造業:6.0%、非製造業:▲0.2%)、中小企業(同)は同▲8.0%(うち、 製造業:7.3%、非製造業:▲16.0%)、全体では同0.5%と、期を経るとともに上方修正される傾向のある 中小企業中心に上方修正されると予想する。また、今回から集計が始まる12年度計画については、年度 入り前の調査ということもあり、例年通り、やや慎重な内容となるだろう。 設備投資計画調査( 対前年度比、%) ①2 0 1 1 年度計画 10年度 全規模 大企業 中小企業 11年度 実績 11年3月調査 10年12月調査 12年3月調査 11年12月調査 ▲1.9 ▲1.9 2.0 0.1 1.6 ▲2.3 0.4 2.9 ▲8.3 0.5 2.0 ▲8 . 0 0.0 1.4 ▲12.3 ②2 0 1 2 年度計画 全規模 大企業 中小企業 11年度 12年度 11年3月調査 12年3月調査 ▲3.7 ▲0.4 ▲24.5 ▲4 . 5 ▲0 . 5 ▲2 0 . 0 (資料)日銀短観を基に農林中金総合研究所作成 (注)全産業ベース、土地投資額を含み、ソフトウェアは含まず。 農林中金総合研究所 9 http://www.nochuri.co.jp/ 安藤 範親 ③環境金融の転換点、第一回21世紀金融行動原則総会が開催された。 今週13日、「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原則(21世紀金融行動原則)」の第一回総会が 開催された。 同原則は、環境省中央環境審議会が発表した環境金融の取組み拡大に向けた提言に応えるために、 預金、保険、融資、株式、リースなど幅広い業態の金融機関が協働して自主的に作成したものである。持 続可能な社会の形成のために必要な責任と役割を果たしたいと考えるあらゆる金融機関の行動指針とし て、また、同じ志をもつ金融機関が協動する出発点として策定され、7つの原則が示されている(詳細は、 環境省:http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=18570&hou_id=14426)。同原則のポイントは、1. 基本姿勢(持続可能な社会形成への貢献)、2.事業を通じた環境産業などの発展への貢献、3.地域や市 民活動、中小企業などへのサポート、4.多様なステークホルダーとの連携、5.自社の環境負荷の軽減、6. 経営課題としての認識・情報開示、7.自社役職員の意識向上となっている。また、署名金融機関の具体 的な行動がともなって初めてその目的が実現されることから、業務別の行動指針となる3つのガイドライン、 「預金・貸出・リース業務ガイドライン」、「運用・証券・投資銀行業務ガイドライン」、「保険業務ガイドライン」 により、同原則をどのように実践するのかが示されている。 昨年11月15日より、同原則の趣旨に賛同する金融機関の署名が開始され、第一回総会までに全都道 府県に渡る174の金融機関が署名した。第一回総会では、運営委員の選任や、同原則の行動指針であ る3つのガイドラインの解説、年次計画の説明、署名金融機関の取組事例紹介などが行われた。今後は、 原則の普及促進やガイドライン改定の決議を行う運営委員会が年2回程度開催される予定である。 また総会では、参加金融機関による取組みをまとめた事例集が公表された。その事例集は、今まで各 金融機関が自主的に進めてきた取組みを、7つの原則別に整理・体系化したもので、それぞれの事例の 特徴がわかるようになっ ている(図表1)。 今後は、同原則を社 会に約束した金融機関 の取組み内容が問われ ることになるが、金融機 関同士で情報交換する 仕組みが誕生したことに より、取組み内容の向上 が期待される。また、事 務局となった環境省など の中央官庁・政府機関 には、各金融機関の取 組みを促進させる施策 を実施してもらいたい。 図表1 原則別取組事例(事例集より抜粋) ①基本姿勢(持続可能な社会形成への貢献) ・SRI(社会的責任投資)の運用力を強化するため にESG(環境、社会、ガバナンス)専門部署を設置 ・国連環境計画・金融イニシアティブ(UNEPFI)が 提唱する、責任投資原則(PRI)への署名 ・環境理念、環境方針の制定 ②事業を通じた環境産業などの発展への貢献 ・環境対応が優れている企業や環境ビジネスにお ける優良企業に投資する投資信託の組成 ・信託報酬から途上国へ寄付 ・車両事故時の部品交換でリサイクル部品の利用 約束による車両保険料の割り引き ③地域や市民活動、中小企業などへのサポート ・定期預金の受取利息20%と、それと同額を金融 機関が拠出し、その合計額を地域環境保全を行う NPO団体等に寄付 ・ボランティア休暇の導入 ・エコアイデアコンテストの実施 ④多様なステークホルダーとの連携 ・地域と共に森林・棚田等の保全活動や清掃活動 ・責任投資セミナー、エコビジネスマッチングなど の開催 ・持続可能性をテーマにした世界の子供向けコミュ ニティサイトをNGOと協働して運営 ⑤自社の環境負荷の軽減 ・環境配慮型店舗の開設 ・ISO14001の認証取得 ・J-VERクレジットの購入による自社のカーボン オフセット ⑥経営課題としての認識・情報開示 ・CSRレポートやCSRサイトによる情報開示 ・環境基本方針を定め具体的な行動計画を策 定 ・環境関連データの開示と環境会計の導入 ⑦自社役職員の意識向上 ・環境教育の実施や役職員による環境保全活 動の実践 ・全社節電運動の実施 ・社員の取組み状況をチェックし、その取組に 応じたポイントを金額換算し、NPOなどに寄付 (資料)「持続可能な社会の形成に向けた金融行動原 則」事務局、平成23年度取組事例集 農林中金総合研究所 10 http://www.nochuri.co.jp/ 7.今週の主なできごと 月 日 政治・財政 3 月 9 日(金) ・岡田副総理:国家公務員新規 採用 7 割以上削減指示要請 ・政府:65 歳まで再雇用を義務 付ける高年齢者雇用安定法改 正案を閣議決定 ・政府:シリアへの追加制裁措 置実施、政権関係者資産凍結 など 3 月 10 日(土) ・大阪維新の会:衆院解散時期 にらみ、政権公約「維新八策」決 定を先送りする方針示す ・東日本大震災:発生から 1 周 年、各地で追悼式典 3 月 11 日(日) 3 月 12 日(月) 3 月 13 日(火) 3 月 14 日(水) 3 月 15 日(木) 3 月 16 日(金) ・日蒙首脳会談:EPA 締結に向 けた交渉開始で合意 ・経産省:太陽光発電設備を工 場立地法の規制対象から外す などの規制緩和策をまとめる ・厚労省:4 月導入の食品放射 性物質新基準について検査手 順を定めた指針を発表 ・政府:共済年金の「職域加算」 の廃止は先送りする方針を確認 ・亀井国民新党代表:野田首相 に消費増税関連法案の月内閣 議決定には合意できないと発言 ・細野環境相:被災地の汚染が れきの灰を国有林で最終処分 する考えを示す ・安住財務相:中国国債 650 億 人民元の購入枠を得たと発表 ・野田首相:厚生年金と共済年 金を統合する年金一元化法案、 4 月上旬提出で調整と述べる ・米政府:在沖縄海兵隊グアム 移転経費の日本側負担額、5 割 増要求 ・民主党:子ども手当の来年度 制度、名称を「児童手当」に戻す ことで自公合意、所得制限世帯 へ月 5 千円支給 ・ 東 京 都 : 世 帯 平 均 人 数 1.99 人、初めて 2 人を割り込む ・沖縄海兵隊 1,300 人の岩国移 転を米が断念、日本政府拒否で 経済・金融 海外・その他 ・北海信用金庫:理事長の不祥 事隠し指示などで、北海道財務 局により業務改善命令 ・日経平均:約 7 ヶ月ぶりに一時 1 万円台回復 ・政府:金融商品取引法改正案 を閣議決定、オリンパス粉飾決 算事件により外部協力者も課徴 金対象へ ・ギリシャ:同国債務交換の参加 率が 85.8%となり、集団行動条 項(CAC)を適用したと発表、国 際スワップデリバティブ協会 (ISDA)は、CAC 発動がクレジット イベントに該当と認定 ・英銀大手バークレイズ:LIBOR 操作疑惑で、規制措置を受ける 可能性を明らかに ・中国:2 月の貿易収支、輸入増 で 23 年来最大の貿易赤字 ・平野復興相:被災宅地・農地 の自治体買上げ価格は 7~8 割 になると発言 ・京都銀行:営業支援システム 搭載の iPad を 900 台導入すると 発表 ・東北銀行 100 億円規模の公的 資金導入の検討を始めると発表 ・旭化成:米ゾール・メディカルを 22.1 億ドルで買収すると発表 ・アフガン:米兵銃乱射事件で民 間人 16 人が死亡 ・シャープ:業績悪化で今春以降 の定期昇給の一時凍結を決定 ・日銀:金融政策決定会合で成 長分野企業への金融貸出枠を 5.5 兆円に拡充することを決定 ・九州電力:12 年度連結損益は ▲1,700 億円との見通しを発表 ・枝野経産相:中国の商標問題 で「プライドがないのか」と発言 ・金融庁:那須信組に公的資 金、全信協と合わせ 70 億円 ・シャープ:巨額赤字見通しを受 け、新社長に奥田常務執行役 員 ・大王製紙:脱創業家に伴う株 買い取りに対し、創業家が同社 株売却拒否 ・日銀:白川総裁ら役員給与を 2 年間、1~3 割削減すると発表、 国家公務員の給与カットを勘案 ・イオン:電子マネー「WAON」の 11 年度決済額が初めて 1 兆円 を突破したと発表 ・日本自動車工業会会長にトヨ タ社長内定 ・ムーディーズ:野村ホールディ ングを Baa2 から Baa3 へ引下げ ・金融庁:全金融機関対象に休 眠口座の実態調査へ ・ユニクロ:世界最大の旗艦店を 銀座にオープン ・ユーロ圏財務相会合:ギリシャ 第 2 次支援プログラムを承認、ス ペインには追加財政削減要求へ ・ムーディーズ:ギリシャのデフォ ルトリスクは依然として高水準と の見通しを発表 ・米ヤフー:特許侵害で米フェイ スブックを提訴 ・フィッチ:ギリシャ長期債務格付 を RD から BB-に引上げ ・日米 EU:中国のレアアース輸出 制限を WTO に提訴 ・FOMC:政策と景気現状認識の 維持を決定 ・韓国:釜山市の古里原発 1 号機 で 2 月 9 日に 12 分間冷却機能を 喪失する事故があったことが判 明 ・ユーロ圏:ギリシャに対する第 2 次支援策を正式承認、EFSF に対 し、支援策に基づく 394 億ユーロ の緊急融資を指示 ・フィッチ:英国格付け見通しを 「ネガティブ」に引下げ ・国際刑事裁判所(ICC):コンゴ 内戦で、子どもに戦闘行為をさせ た被告に有罪判決、02 年 ICC 設 置以来初の判決 ・米国と韓国の自由貿易協定 (FTA)が発効 ・米シスコ:英 NDS を 50 億ドルで 買収、動画配信技術強化へ ・ IMF:ギリシャ第 2 次支援策を 承認、280 億ユーロ融資へ ・米英:燃料価格高騰に対し戦略 石油備蓄の放出で協調決定 農林中金総合研究所 11 http://www.nochuri.co.jp/ 8.内外経済指標の動向(グラフ) 【日本】 (%) (%) 第三次産業活動指数:前月比(1月) 機械受注(1月) 4 30 2 20 0 季調済前月比(左軸) 前年比(右軸) 10 ▲2 0 ▲4 ▲6 ▲ 10 ▲8 ▲ 20 '10.1 '10.7 '11.1 '11.7 第三次産業活動指数(季調済)は、前月比▲1.7%と2ヶ月ぶ りに低下した。 (%) '10.1 '12.1 '10.7 '11.1 '12.1 '11.7 機械受注(船舶・電力を除く民需)は、前月比3.4%と2ヶ月ぶ りに上昇した。また、前年比は5.7%。 (%) 国内企業物価(2月) 1.5 6 前月比(左軸) 前年比(右軸) 1.0 4 0.5 2 0.0 0 ▲ 0.5 ▲2 ▲ 1.0 ▲4 '10.2 '10.8 '11.2 '11.8 '12.2 国内企業物価は、前月比0.2%と7ヶ月ぶり上昇した。また、 前年比は0.6%。 【米国】 (万人) 新規失業保険申請件数(3月10日週) (万人) (万人) 44 420 60 (%) 雇用統計:季調済(2月) 8.0 新規失業保険申請者件数 4週移動平均 失業保険継続受給者(右軸) 42 400 40 8.5 40 380 20 9.0 38 360 0 9.5 36 340 ▲ 20 320 ▲ 40 34 9/24 11/5 12/17 1/28 3/10 非農業部門雇用者数変化(左軸) 失業率(右軸:逆目盛) '10.2 '10.8 '11.2 '11.8 10.0 10.5 '12.2 雇用統計の非農業部門雇用者数変化は、前月比22.7万人と 新規失業保険申請者件数は、35.1万人と事前予測(同35.7 万人)を下回った。また、失業保険継続受給者数(3月3日週) 事前予測(同21.0万人)を上回った。失業率は、8.3%と前月 から横ばいとなった。 は、334.3万人。 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 12 http://www.nochuri.co.jp/ (%) (%) 小売売上高:季調済前月比(2月) 2.5 小売売上高 除自動車 2.0 1.5 1.0 生産者物価指数:季調済前月比(2月) 1.2 0.8 0.4 0.5 0.0 0.0 ▲ 0.5 ▲ 0.4 ▲ 1.0 完成財計 コア ▲ 0.8 ▲ 1.5 '10.2 '10.8 '11.2 '11.8 '12.2 '10.2 '10.8 '11.2 '11.8 '12.2 小売売上高は、前月比1.1%と事前予測どおりとなった。 自動 生産者物価指数(PPI)の完成財計は、前月比0.4%と事前予 車を除いた小売売上高は、同0.9%。 測(0.5%)を下回った。食料品・エネルギーを除くコア は 0.2%。 (億ドル) (億ドル) 貿易収支:季調済(1月) 200 経常収支:(10~12月期) 0 ▲ 250 0 うち財 うちサービス 貿易収支 ▲ 200 ▲ 400 ▲ 500 ▲ 750 ▲ 1,000 ▲ 600 ▲ 1,250 ▲ 800 ▲ 1,500 '10.1 '10.7 '11.1 '11.7 '12.1 '09.12 '10.6 '10.12 '11.6 '11.12 貿易収支は、▲526億ドルと3ヶ月連続で赤字幅が拡大した。 経常収支は、▲1,241億ドルと前四半期から赤字幅が拡大し た。 (資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所 13 http://www.nochuri.co.jp/ 内外金融市場データ 長期金利 12/01/19 12/01/20 12/01/23 12/01/24 12/01/25 12/01/26 12/01/27 12/01/30 12/01/31 12/02/01 12/02/02 12/02/03 12/02/06 12/02/07 12/02/08 12/02/09 12/02/10 12/02/13 12/02/14 12/02/15 12/02/16 12/02/17 12/02/20 12/02/21 12/02/22 12/02/23 12/02/24 12/02/27 12/02/28 12/02/29 12/03/01 12/03/02 12/03/05 12/03/06 12/03/07 12/03/08 12/03/09 12/03/12 12/03/13 12/03/14 12/03/15 12/03/16 新発 10年 国債 利回 債先 10年物 中心 限月 0.970 0.985 0.995 1.005 1.005 0.975 0.965 0.955 0.965 0.960 0.945 0.950 0.965 0.970 0.990 0.985 0.975 0.980 0.960 0.955 0.940 0.945 0.945 0.960 0.975 0.975 0.970 0.965 0.960 0.955 0.955 0.990 0.990 0.985 0.975 0.985 0.985 0.975 0.970 1.010 1.055 1.035 142.56 142.38 142.24 142.14 142.19 142.50 142.61 142.67 142.59 142.67 142.75 142.70 142.48 142.48 142.24 142.30 142.37 142.37 142.56 142.65 142.88 142.75 142.75 142.58 142.47 142.48 142.54 142.53 142.66 142.73 142.71 142.54 142.59 142.64 142.78 142.69 142.73 142.45 142.47 141.93 141.08 141.39 金利 スワップ 無担保 レート コール 5年物 翌日物 (円-円) 仲値 0.464 0.474 0.483 0.487 0.485 0.467 0.461 0.457 0.462 0.456 0.454 0.455 0.467 0.470 0.484 0.480 0.474 0.474 0.461 0.453 0.439 0.446 0.446 0.454 0.461 0.464 0.464 0.466 0.461 0.457 0.458 0.466 0.464 0.464 0.458 0.464 0.464 0.459 0.459 0.484 0.527 0.086 0.086 0.080 0.079 0.080 0.081 0.081 0.082 0.075 0.073 0.076 0.079 0.083 0.085 0.085 0.087 0.084 0.079 0.096 0.084 0.093 0.078 0.090 0.095 0.088 0.091 0.079 0.093 0.083 0.081 0.087 0.080 0.089 0.086 0.087 0.096 0.086 0.086 0.091 0.088 0.087 短期金利 外国為替 LIBOR 円 3ヶ月 ユーロ円 ドル円 スポット ユーロ スポット レート レート ドル 東京 スポット 東京 17:00 レート 17:00 現在 現在 TIBOR ユーロ 円 3ヶ月 0.3293 0.3293 0.3293 0.3293 0.3293 0.3293 0.3293 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3308 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.3317 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 0.196 TIBOR ユーロ 円 6ヶ月 金利 先物 (利回) 中心 限月 0.434 0.434 0.434 0.434 0.434 0.434 0.434 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.435 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.437 0.340 0.340 0.340 0.340 0.335 0.340 0.340 0.340 0.335 0.335 0.335 0.340 0.340 0.340 0.340 0.340 0.340 0.340 0.335 0.330 0.325 0.330 0.325 0.330 0.335 0.335 0.335 0.335 0.330 0.330 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 0.335 76.76 77.21 77.05 77.01 77.93 77.54 77.05 76.70 76.30 76.19 76.13 76.19 76.61 76.64 77.07 77.23 77.69 77.70 77.98 78.47 78.63 79.08 79.44 79.80 80.04 80.12 80.57 81.11 80.65 80.49 81.07 81.71 81.19 81.28 80.77 81.33 81.64 82.23 82.39 83.24 83.74 1.297 1.293 1.301 1.304 1.311 1.311 1.322 1.314 1.308 1.316 1.314 1.316 1.313 1.326 1.326 1.329 1.320 1.319 1.313 1.307 1.313 1.314 1.324 1.323 1.325 1.337 1.345 1.340 1.346 1.333 1.331 1.320 1.322 1.311 1.315 1.328 1.312 1.316 1.308 1.303 1.308 1.309 国内株価指数 日経 平均 株価 225 TOPIX 98.62 8,639.68 740.68 100.12 8,766.36 755.47 99.39 8,765.90 756.79 100.39 8,785.33 757.40 101.54 8,883.69 767.40 101.61 8,849.47 764.61 100.85 8,841.22 761.13 100.91 8,793.05 757.01 100.43 8,802.51 755.27 99.42 8,809.79 757.96 100.38 8,876.82 762.45 100.18 8,831.93 760.69 100.31 8,929.20 769.85 100.77 8,917.52 772.77 102.26 9,015.59 782.34 102.58 9,002.24 784.49 102.98 8,947.17 779.07 102.98 8,999.18 781.68 102.57 9,052.07 786.80 103.31 9,260.34 802.96 102.39 9,238.10 800.25 103.93 9,384.17 810.45 104.82 9,485.09 819.03 105.77 9,463.02 816.29 106.13 9,554.00 825.40 106.35 9,595.57 829.35 107.76 9,647.38 834.29 109.17 9,633.93 835.25 108.44 9,722.52 838.48 108.35 9,723.24 835.96 107.96 9,707.37 831.54 108.40 9,777.03 837.82 107.03 9,698.59 832.86 107.24 9,637.63 827.35 106.11 9,576.06 822.71 107.18 9,768.96 836.16 107.94 9,929.74 848.71 107.80 9,889.86 845.28 108.47 9,899.08 845.33 108.61 10,050.52 857.11 109.30 10,123.28 863.61 10,116.32 864.55 海外株価指数 米国 NYダウ 工業株 30 米国 ナスダック 総合 ストッ クス 欧州 600 12,623.98 12,720.48 12,708.82 12,675.75 12,756.96 12,734.63 12,660.46 12,653.72 12,632.91 12,716.46 12,705.41 12,862.23 12,845.13 12,878.20 12,883.95 12,890.46 12,801.23 12,874.04 12,878.28 12,780.95 12,904.08 12,949.87 休場 12,965.69 12,938.67 12,984.69 12,982.95 12,981.51 13,005.12 12,952.07 12,980.30 12,977.57 12,962.81 12,759.15 12,837.33 12,907.94 12,922.02 12,959.71 13,177.68 13,194.10 13,252.76 2,788.33 2,786.70 2,784.17 2,786.64 2,818.31 2,805.28 2,816.55 2,811.94 2,813.84 2,848.27 2,859.68 2,905.66 2,901.99 2,904.08 2,915.86 2,927.23 2,903.88 2,931.39 2,931.83 2,915.83 2,959.85 2,951.78 休場 2,948.57 2,933.17 2,956.98 2,963.75 2,966.16 2,986.76 2,966.89 2,988.97 2,976.19 2,950.48 2,910.32 2,935.69 2,970.42 2,988.34 2,983.66 3,039.88 3,040.73 3,056.37 256.57 255.85 257.01 256.04 254.95 257.86 255.40 252.52 254.41 259.51 260.11 264.60 264.27 263.55 263.01 263.64 261.24 263.17 262.56 264.16 264.31 265.93 268.16 266.78 264.59 264.08 264.77 263.86 264.33 264.32 267.06 267.21 265.56 258.46 260.11 264.16 265.44 264.87 269.56 270.27 270.98 海外金利 中国 上海総合 米国 財務省 証券 10年物 国債 利回 2,296.08 2,319.12 休場 休場 休場 休場 休場 2,285.04 2,292.61 2,268.08 2,312.56 2,330.41 2,331.14 2,291.90 2,347.53 2,349.59 2,351.98 2,351.85 2,344.77 2,366.70 2,356.86 2,357.18 2,363.60 2,381.43 2,403.59 2,409.55 2,439.63 2,447.06 2,451.86 2,428.49 2,426.12 2,460.69 2,445.00 2,410.45 2,394.79 2,420.28 2,439.46 2,434.86 2,455.80 2,391.23 2,373.77 2,389.43 1.977 2.025 2.051 2.060 1.995 1.931 1.891 1.844 1.797 1.827 1.821 1.922 1.907 1.973 1.982 2.036 1.986 1.974 1.936 1.928 1.983 2.002 2.002 2.059 2.003 1.997 1.976 1.926 1.943 1.971 2.026 1.974 2.010 1.943 1.976 2.012 2.028 2.033 2.126 2.269 2.279 2.279 その他 LIBOR ドル 3ヶ月 独国 10年物 国債 利回 NY 金 先物 期近 NY 原油 先物 WTI 期近 OPEC 原油 バス ケット 価格 0.561 0.561 0.560 0.559 0.557 0.553 0.551 0.547 0.542 0.537 0.531 0.527 0.523 0.520 0.513 0.510 0.506 0.503 0.498 0.495 0.493 0.493 0.493 0.493 0.492 0.491 0.491 0.489 0.488 0.484 0.480 0.476 0.475 0.475 0.475 0.474 0.474 0.474 0.474 0.474 0.474 1.860 1.929 1.971 1.993 1.945 1.871 1.858 1.793 1.787 1.852 1.852 1.933 1.887 1.963 1.983 2.016 1.907 1.931 1.902 1.861 1.896 1.925 1.961 1.982 1.892 1.883 1.884 1.829 1.801 1.818 1.865 1.800 1.826 1.777 1.772 1.798 1.794 1.757 1.821 1.954 1.968 1,657.2 1,666.8 1,681.1 1,667.4 1,703.0 1,729.9 1,735.4 1,734.4 1,740.4 1,749.5 1,759.3 1,740.3 1,724.9 1,748.4 1,731.3 1,741.2 1,725.3 1,724.9 1,717.7 1,728.1 1,728.4 1,725.9 休場 1,758.5 1,771.3 1,786.3 1,776.4 1,774.9 1,788.4 1,711.3 1,722.2 1,709.8 1,703.9 1,672.1 1,683.9 1,698.7 1,711.5 1,699.8 1,694.2 1,642.9 1,659.5 1,663.0 100.39 98.46 99.58 98.95 99.40 99.70 99.56 98.78 98.48 97.61 96.36 97.84 96.91 98.41 98.71 99.84 98.67 100.91 100.74 101.80 102.31 103.24 休場 105.84 106.28 107.83 109.77 108.56 106.55 107.07 108.84 106.70 106.72 104.70 106.16 106.58 107.40 106.34 106.71 105.43 105.11 105.58 111.59 111.37 111.78 111.49 110.70 111.26 111.31 111.11 111.21 110.61 110.82 111.26 113.39 114.68 115.18 116.26 116.41 117.19 116.63 117.94 118.13 118.59 119.19 119.19 120.87 121.69 122.86 123.24 122.14 120.79 122.08 123.08 122.34 121.98 121.76 124.13 124.15 123.88 124.59 124.29 (資料)Bloombergより農中総研作成。最終日は午前11時30分現在 農林中金総合研究所 14