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保育者の語りにみる幼稚園における保護者支援: 幼小連携に関する語り
SURE: Shizuoka University REpository http://ir.lib.shizuoka.ac.jp/ Title Author(s) Citation Issue Date URL Version 保育者の語りにみる幼稚園における保護者支援 : 幼小連 携に関する語りの分析 田宮, 縁; 池田, 優; 鈴木, 富美子 静岡大学教育実践総合センター紀要. 22, p. 53-62 2014-03-31 http://doi.org/10.14945/00007798 publisher Rights This document is downloaded at: 2017-03-28T14:03:08Z 静 岡大学教育学部附属教育実践総合 セ ンター紀要 No22 p 53∼ 62(2014) 論文〉 〈 保育者 の語 りにみ る幼稚 園 における保護者支援 : 幼小連携 に関す る語 りの分析 田宮 縁ネ 池田 優 ‥ 鈴木富美子 **+ Educational Support for Parents in Kindergarten: Analysis of Teachers'Narat市 es of Cooperation with Kindergartcn and Elementay School Yukad Tamiya Masaru lkeda Fumiko Suzuki 要旨 子 どもの基本 的生活習慣 の確 立 の背景 には 、保護 者 の意識 や 姿勢 が大 き く影 響 す る。保 護 者 が 「幼稚 園 の保護 者 ら しくJ振 る舞 え るよ うにな つてい くた め には、 一 定 の期 間 が必 要 とな る こ とを踏 ま えなが ら、具体 的かう 丁 寧 な指 導 に加 え、環境 の 変化 に よる子 どもの 体験 の 不足や 関係 性 の 中 で 育 つ子 ど もの 姿、 育 ちの過程 な どを鳥腋 的 な視 点 を もつて支援 に臨む こ とが 重要 で あ る こ とが明 らかにな つた。 キー ワー ド 保護 者 支援 1 幼稚 園 保 育者 の語 り 幼 小連携 家庭 との連 携 略 )幼 稚 園 の 教育 は小 学校 の 教育 に無 関係 、無頓 問題 と目的 (1)「 幼小連携」 につ い て 着 だ とい うこ とは 、 は な はだ奇妙 な こ とにな るの です。 (中 III)し か るに往 々議 論 が起 こつた とい 幼小連携 は 、2008(平 成 20)年 1月 の 中央教 育審議 会 の答 申にお け る生活 科 の課 題 に 、 「小 1プ ロブ レ ム な ど、学校 生活 へ の適 応 を図 る こ とが難 しい児童 の うの は、 つ ま り幼 稚 園 と小 学校 の 関係 をあま りに 区別 して い る ところか ら起 こって くる結 果 で あ り 実態 が あ る こ とを受 け、幼児 教育 と小 学校 教育 との具 ま しょ う。 実 際 問題 と して 、 子供 の個 人 の発 達 か 体的 な連携 を図 る こ と」 が指摘 され た ところか ら、研 究 開発校・ 研 究指 定地域 以外 の幼稚 園や 小学校 で も活 らい つて も、 あ るい は子 どもの教育全 体 か ら見通 していい ま して も、幼稚 園 と小学校 は教 育的 に決 して離 れ てい る もの で は な い ので あ ります か ら、 発 に動 き始 めてい る。 今 よ りは もつ と結 び つ け る工夫 も され て いい と思 しか し、幼小連 携 につ い ては 、以前 よ り課題 とされ て いた 。 例 えば 、第 3の 教 育 改革 とい われ た うので あ ります。 1971 (昭 和 46)年 6月 の 中央 教育審議 会答 申 「今 後 にお け る学校教育 の総合 的 な拡 充整備 の た めの基 本 的施 策 についてJ(以 下、 「四六答 申」 )で は、 「 (1)4、 倉橋 は 「幼稚 園 と小 学校 の連絡 Jを 述 べ た上 で 、当 時 の コ ロン ビヤ大学 (原 文 の ママ )や シカ ゴ大学の 8 5歳 児 か ら小学校 の低 学年 の児 童 ま で を同 じ教 育機 関 で 一貫 した教 育 を行 うこ とに よつて,幼 年期 の 教育効 歳 まで の初 等教 育 の方法 につ いて解説 してい る。 この 果 を高 める こと」 と幼小連携 の元 とな る考 え方 と方 向 『 幼 稚 園雑 草』 の初 版 (1926(大 正 15)年 、 内 田老 鶴 園 か ら出版 )当 時 か ら、幼小連携 につい ては議論 が 性 も示 され てい る。 な され てい た。 さらに遡 るな らば、 日本 の 幼稚 園教育 の礎 を築 いた 四六答 申や倉橋 の持 論 は、現在 の幼小連携 につ なが 倉橋惣三は、『 幼稚園雑草』の中で次のように述べて る もので あ るが、微妙 に意 味合 い が変化 して きて い る い る。 こ とも否 めない。 小 学校 と幼稚 園 との 関係 とい うこ とに つ い て い ろい ろの 問題 が あ る。 しか も、 それ が今 日必 ず し も理想 的 に滑 か に行 つて い な い 問題 で あ ります が 、 (中 あ る とい う明確 な考 え方 は保 持 して いた ものの 、学校 +)教 育学部学校教育講座 )祥 1956(昭 和 31)年 に 刊 行 され た 「幼 稚 園 教 育 要 領 」 (以 下、 「教 育要領 」 )で は 、学校 教育法 にお け る幼稚 園 の 目的 にあ るよ うに 「適 当な環境」 が必 要 で 略 )幼 稚 園 の 時期 か ら小 学校 の 時期 に繋 つて い くとい うこ とは 当然 事 実 で あ ります か ら、 (中 +・ (2)幼 稚 園教 育要領 、小 学 校 学 習指 導 要領 にお け る 幼 小連携 *)静 岡市 立東豊 田幼稚園 53 田宮 縁・池田 優 ・鈴木富美子 教 育 の 中に位 置 づ け られ て小 学校 教 育 と一貫 した教育 の場 に したい とい う意 思 も強 くあ り、 「6領 域」 を打 導 か ら小 学校 へ の一 貫 した流れ がで き るよ う配慮 す る こと」 が あげ られ 、教育要領 では 、幼 小連携 につ いて ち出 し領域 の説 明 内容 が教科 をイ メー ジ させ る もの と 「第 3章 指 導 計 画 作 成 上 の 留 意 事 項 」 にお い て 「 (8)幼 稚 園 にお い ては 、幼稚 園教 育 が 、小 学校 以 な つて しま った (小 田,2003)。 こ こで使 用 す る領 域 とは 、幼稚園教育 の 内容 (幼 児期 に適切 な経験 )の 分 類 の視 点であ り、 「健 康 J「 社会 J「 自然 」 「言語」 「音楽 リズム」 「絵画製作 」 の 6つ の領 域 が ある。 さ らに、 1964(昭 和 降 の生 活や 学習 の基盤 の 育成 につ なが る こ とに配慮 し、 幼児期 にふ さわ しい 生活 を通 して、創 造的 な思考や 主 体的 な生活態度 な どの基礎 を培 うよ うにす る こと」 と 示 され 、そ の解説 に は、 「修 了近 い 時期 には 、小学校 39)年 告示 の 教育 要領 で も、 へ の入 学 を念頭 に置 いて皆 と一緒 に教 師 の話 を開 いた 領域 ごとではな く、 「総合 的 に指導 」す るもの であ る とい う考 え方 は述 べ られ ていた もの の 、6領 域 の考 え り、行 動 した りす る ことがで きる よ うに指 導 を重ね て い くこ とも大切 で あ る」 と、小学校 の生活や 学習 を可 能 にす るた めの基礎 とな る幼児 の体験 が述 べ られ て い 方 がそのまま引 き継 がれ てお り、教 育現場 では、小学 校 教育 と同 じよ うに領域別 に指導 して い る実態 が あ つ た。加 えて、領域 別 の指導 書 も刊行 され 、矛盾 を抱 え た形 で幼小連携 が進 んで い った。 現行 の 「5領 域 」 の教育要領 は、2回 の改訂 を経 て る。 また 、小学校 と幼稚 園 の教師 間 の連携 の重要性 も 強調 されて い る。 い るが、 1989(平 成 元)年 に改訂 告示 され た 教育要領 1指 導計画 の作成 に 当た つての留 意事項」 は、平成 10年 改訂 の教育要領 と同様 な内容 2008(平 成 20)年 に改訂 され た 現行 の教育 要領 で は、 「第 の 考 え方 を踏襲 した もの とな つてい る。 5領 域 とは 、 心身 の健康 に関す る領域 「健 康 」、人 とのかかわ りに 3章 第 が記 され て い るが 、解説 には 「共 に協力 して 目標 をめ 関す る領域 「人 間関係 J、 身近 な環 境 とのかかわ りに 関 す る領 域 「環 境 」 、 言葉 の獲 得 に 関す る領 域 「言 ざす とい うこ とにお いて は、幼児期 の教 育 か らみ られ るもので あ り、小学校教育 へ とつ なが つてい くもので 葉 」及 び感性 と表 現 に関す る領 域 「表現」 で ある。 こ の 5つ の領域 に、 「ね らい 」 (幼 稚 園修 了 までに育 つ こ とが期待 され る心情 、意欲 、態度 な ど)と 「内容 」 あ るこ とか ら、幼稚 園生活 の 中で協 同 して遊 ぶ経験 を 重ね る こ とも大切 で あ るJと 「協 同的 な遊 びJが 強調 (ね らい を達成 す るた めに指 導す る事 項 )を 幼児 の発 され てお り、 また、幼稚 園教育 と小学校 低学年 にお け る体験 的 な学習活動 や合科的 な指導 の類 似性 につい て 達 の側面 か らま とめ、示 してい る。 1989(平 成元)年 告示 の教 育要領 は 「環境 を通 して も述 べ られ て い る。 さらに、 「円滑 な接続 」 を図 るた めの指導方 法 の工夫 について まで言及 してい る。 「2 特 に留 意 す る事 項 Jで は、 保 育所 も加 え、 「保 育所・ 幼稚 園・ 小学校 の合 同研 修 、保 育 士・ 幼稚 園教諭 。小学校 教諭 の 交流 、保 育所や 幼稚 園 の園児 と 行 うこ と」 とい う幼稚 園教 育 の基本 を明示 し、発達や 活 動 の系統性 重視 か ら幼児 の 主体性 を重視 す る教育 ヘ 転換 した もので ある。 また、以前 の 6領 域 か ら 5領 域 へ 変更 し、5領 域 は子 どもの発 達 を見 る ときの窓 口で 児童 の 交流 な ど、三者 の連携 をす す め、幼児期 の教育 の 成 果 が小 学校 に繋 が る よ うにす る こ とも大切 で あ あ る と、領域 についての考 え方 も変 更 してい る。 この 四半世紀、幼稚 園教育 の基本的 な考 え方 は変 わ らない る」 と、幼稚 園教育 とい つた狭 い枠組 み ではな く、幼 児期 の教育 とい う就 学前 の子 どもを視 野 に入 れた連携 をすす めてい くこ とが述 べ られて い る。 ものの 、小学校 との連携 に ついて は、改訂 ご とに連 携 が強調 され てい る。 1989(平 成 元)年 の教 育要領 で は 、幼 小連携 につい また 、小 学校 生活科 にお い て も、 「入 学直後 は合科 て の記 載 は な い が 、『 幼 稚 園 教 育指 導 書 増 補 版 』 (文 部科学省 ,1989)の 「第 4章 指 導計画」 に 「小 的 な指導 な どを展 開す る こ とが適切 で あ る。例 えば、 4月 の最初 の 単元 で は、 (中 略)大 単元 か ら徐 々 に各 学校 の連携 Jの 節 が設 け られ てお り、小学校 教育 との 連携 について十分 な理解 を もつて指 導計 画 を作成 し指 教科 に分化 して い くス ター トカ リキ ュ ラムの編成 な ど も効果 的 で あ る」 (文 部科 学省 ,2008)と 学校探 検 を 中核 に、他 教 科 を合 科的 に扱 う 「ス ター トカ リキ ュ ラ 導 を行 うことが求 め られ て い る。 そ の 中で は、特 に、 領域 と教科 とは別 な もので あ る こ とが明確 に示 され 、 「領域 に示 され ている内容 が様 々 な活動 を展 開す る中 ム」 とい う丈言 を使用 した解説 が な され てい る。 で総合的 に指導 され る」 とい う幼稚 園教 育 の独 自性 が 強調 され 、早期教育 に 関す る警鐘 も述 べ られ て い る。 また、同年には、小学校低 学年 に 「生活 」 が、遊 び を (3)「 家庭 との連携 Jに つ いて 以降、 家庭との連携についても、1989(平 成元 の教育要 '年 改訂 毎 に変化 がみ られ る。 1989(平 成 元 )年 通 して 総合 的 に指 導 す る幼 稚 園 教 育 との具 体的 な接 続・ 発展 の教科 と して新設 され た。 領 では t「 家 庭 との連 携 」 についての記載 はないが 、 『 幼 稚 園 教 育 要 領 指 導 書 増 補 版 』 (文 部 科 学 省 ,1989)で 「家庭 との連携 Jの 節 が 設 け られ てお り、 1998(平 成 10)年 の 改訂 で は、改訂 の 基本 的 な方 母親 が幼稚 園 や 教師 に信 頼感 を もつ こ とで、幼児 が安 心 して過 ごせ る。 また、信 頼 関係 の も と、幼稚 園教育 針 の一つ に 「④小学校 との連 携 を強化 す る観 点 か ら、 幼 稚園 にお ける主体的 な遊 び を中心 と した総合的 な指 54 保育者 の語 りにみる幼稚 園における保護者支援 野 口 ら (2007)は 、教師 が 実践 を語 る際 に数 多 く用 い る用語 のイ メー ジに着 日 し、同 一の語 に対 す る幼稚 に対す る家庭 の理解 と協 力 を え られ る、 とい つた信 頼 関係 にか か わ る内容 が 中心 だ った。 1998(平 成 10)年 の教 育要領 では 、 「第 3章 指 園 ・小 学校 教師 の と らえ を比較検討 した結果 、有意 な 導計画 Jに 「家庭や 地域社 会 との連携 」がカロわ ってい 偏 りがみ られ る と した。 全体 的 には、幼稚園教師 は子 どもの 主体性 や 自主性 を重視 す る一方 、小 学校教師 は る。 子 どもの家庭 や 地域社 会 での生活経験 が幼稚園 に お ける生活 を豊 か な もの に してい くとい う趣 旨の も と、 「連続性 」 と 「循環 」 とい う文言 を用 いて 、家庭や地 教 師側 の指導 、方 向付 けを重視す る傾 向にある こ と、 子 ども理 解 に 関 して は 、 「子 ど もの 立場 にな る 」 、 域社会 との連携 の重 要性 が述 べ られ てい る。 そ の背 景 には、学校週 5日 制 の 実施 もあ る と考 えて よい。解 説 「受容 、認 め」 につ いて は共通 で あ ったが 、 「子 ども の 内面 、姿、行動 の読 み取 りや捉 えJ、 「共感 、共に の 中では、 「保護 者 自身 、幼 稚 園 生活 がわか らなか つ 過 ごす 」 とい うカテ ゴ リー は幼稚 園教師 に多 く、 一方 、 「対 話 ・ 話 し合 い (話 )・ コ ミュ ニ ケ ー シ ョン」 と た り、幼児 の発達 につ いて不 安 を抱 いてい た りす る こ い つた 直接 的 なや り取 りを指 す カテ ゴ リー につ い ては 小 学校 教師 の方 が 多 い と述 べ て い る。 さらに小学校 教 ともあるJた め、保 育参観 や保 育参加 の機 会 を設 け、 幼稚 園 の生活や幼児期 の教 育 が め ざす もの に理 解 を求 めて い くこ との必 要性 につい て述 べ られ てい る。 解 説 に述 べ られ ていた保 育参観や保 育参 加 が 、2008 (平 成 20)年 の 改訂 で は 、教 育 要領 の 本文 に 「 師 は 「家庭・ 家庭 環境 ・ 生 育歴 」 とい うカテ ゴ リー が 多 い こ とか ら、子 どもを理 解 す る際 、背景 と して家庭 につ い て の理解 が重視 され てい る こ とも示唆 され てい (中 略 )家 庭 との連携 に 当た つて は 、保護者 との情報交換 の機会 を設 けた り、保護者 と幼児 との活動 の機 会 を設 た。 けた りな どす る こ とを通 じて 、保護 者 の幼児期 の教育 徳永 (2009)は 、5歳 児 、 1年 生、4年 生 の担任 を 対象 に ア ンケ ー ト調査 を実施 し、幼小連携 にお け る実 に関す る理解 が深 ま る よ うに配 慮す る こ とJと 明記 さ れ た。 さらに解説 で は、 「情報 交換 は保護 者 会 な どの 態 と課 題 を明 らか に してい る。 3学 年 に共通 してい る 項 目は 、 「教師 の全 体 へ の話 を開 くこ とがで きない」 場 を活用す るだ けで な く、降 園時 の機 会や 連絡 帳 な ど の場 を活 用 す るな どJと 具 体 的 な方 法 が述 べ られ 、 「子育 て へ の不安や 孤 立感 を感 じてい る保護 者 が増 え 「自分 の もの を整 理整頓 がで きな い」 「好 き嫌 い が多 い」 「人 の嫌 が るこ とを言 つた り、 した りす るこ と」 で あ り、5歳 児 の 頃 か ら 4年 生 に至 るまで の課題 で あ る と して い る。 また 、 「知 つてい る こ とを言 わないで る中Jと 現在 の保護 者 の 実態 に触れ 、 「教 師 の幼児 ヘ のかかわ り方 を間近 でみ る こ とで 、幼児 へ のかか わ り 方 を学 んだ り」、 「保護 者 同 士 の体験 の 共有 か ら同 じ はい られ な い」 とい う項 目は、5歳 児 と 1年 生担任 に 共通 してお り、徳永 は 「双方 の 学年 で人 の話 を聞 く、 子育 てをす る仲 間意識 を感 じた り」す る と、保 育参 加 や保護者 会 の有用性 につい て解説 して い る。 自分 の考 えを話 す習慣 が身 に付 くよ うな指導 が求 め ら れ る」 と分析・ 考察 をカロえて い る。 1988(平 成 元)年 以 降、 2回 の改訂 を経 て 、 「家庭 廣瀬 ら (20H)は 、幼稚 園 の造形 表現 、小学校 の 図 画 工作 とい う具体的 な保 育・ 授 業場 面 を想 定 し、準備 との連携 」 の 内容 は変化 して きてい る。 内容 の変化 は、 子 どもの生活 の基盤 で あ る家庭環境 、特 に保護 者 の変 容 を意 味 してい る。 か ら実施 、評価 に至 るまで の 中で、教 師 が どの よ うな 事柄 を重視 して い るか を調 べ 、保 育観 や授業観 を検討 してい る。活動や 授 業 へ の導入 につい て 、幼稚園教諭 (4)研 究 の動 向 は、子 どもの イ メー ジ を膨 らませ るな ど子 どもの内面 幼小連携 につ いて 、姜 (2012)は 幼小連携 活動 には、 「子 ども同 士 の 交流 J「 教 員 同 士 の 交 流 や 情 報 の 交 を重視 して い るの に対 し、小 学校 教諭 は活動 の手順 を 明示 した り道 具 の使 い 方 を説 明 した りす るな どそ の後 換」 「カ リキ ュ ラムのつ なが り」 の 3つ に分類 され る としてい るが、幼小連 携接 続期 問題 につ いて は 、以前 の活動 が円滑 にすす む こ とを重視 して い る。 廣瀬 らは、 よ り実践 や研 究 が 多 数 な され て い た (佐 々木 ら,2004、 とい う姿勢 が導入 よ り方 向付 け を しっか りと行 う。 ま この結果 を踏 ま え、小 学校 にお い て は評価 を重視す る お 茶 の 水 女 子 大 学 附 属 幼 稚 園・ 小 学 た、幼稚 園 は評 価 よ りも子 どもの 内発 的動機付 けを促 校 ,2006、 住野,2006な ど)。 また、連 携 教 育 カ リキ ュ ラム と して、幼稚 園・ 保 育所 と小学校 の接 続期 のカ リ す こ とに力 点が置 かれ てい るので はない か と 「推測 の キ ュ ラ ム を抽 出 し冊 子 を作 成 して い る地 方 公 共 団 体 山田・大判 (2010)に よる 5歳 児 を担任 している幼 河 崎 ら,2003、 域 を出ず 」 と断 り考察 してい る。 (姫 路市教育委員会 、埼 玉 県教 育委 員会 な ど)も ある。 稚 園教諭 、保 育 士 (以 下 、保 育者 )、 小学校 1年 生 を 一方 、子 どもを取 り巻 く人 的環境 、特 に、保 育者 、 小学校教師 、保護 者 の意識 に注 目した調査 に つい ては 、 担任 してい る小 学校 教諭 、保 護者 を対象 と した調査紙 筆 者 が 調 べ た 限 りで は 、 野 口 ら (2007)、 徳 永 (2009)、 山田・ 大伴 (2010)、 廣瀬 ら (20H)が 主 調 査 で は、集 団生活 にお け る気 にな る姿 として 、保育 者は 束や ル ール を守れ な い」 「困 つた時や分か ら '約 な い ときに 自分 か ら助 けを求 めに くいJと い う姿 を多 く選択 し、 一方 、小 学校 教諭 は 「一つ 一つ 直接大人 に た る ものであ つた。 55 田宮 縁 池田 優 ・鈴木富美子 確 かめた り報告 した りす る こ とが多 い」 「食 べ P/Jの 好 き嫌 い が 多 い」 を多 く選択 して い る。 以 上 の結果 よ り、 (う )好 き嫌 い な く食 べ る (え )誰 とでも遊 べ る 保 育者 は 「集 団 生活 の 中で 自立的 に行 動す る姿」 を求 め る傾 向にあ り、小学校 教諭 は 「担任 が一 対 一 でかか (お )持 ち物の片付けができる わ る必 要があ る姿 を気 にな る姿」 と して選択 す る傾 向 (き )こ れからやろうとすることが が ある として い る。 また 、保護 者 か らみた小学校 就学 前後 の心配 に関 して は、 「就 学前 よ りも就学後 の方 が 、 分かり準備 したり、練習したりする (か )時 間を意識することができる よ り多 く、多岐 にわ た つ て 意 識 を 向 けて い る。 (中 略 )保 護 者 の意 識 が友 達 に 高 くあ る こ とが表 れ て い )場 (く に応 じた行動 を とる 7% 64% 43% 0% 7% 17% 4% 22% 61% 39% 7% 35% (2)手 続 き る」 と述 べ てい る。 以上 の よ うに、人的環境 に注 目 した研 究 は限 られ て お り、質問紙 に よる量的調 査 で あ る。 さ らに 「幼 小連 使 用 し、小学校 教師 と保 護 者 の結果 の饉幅 につい て注 携 」 を保護 者 支援 の視 点 か ら実証 的 なデ ー タをも とに 目す る。 論 じてい る研 究 も筆者 が調 べ た 限 りでは見 当た らな い。 対象者 へ の 了解 を得 て 、討議 の 内容 を ビデ オカ メ ラ と lCレ コー ダー にて記録 し、後 日逐語録 (約 16000 保 育者 の語 りを引 き出す 一つの 資料 と して 、上 記 の 質 問紙 調査 「小学校 入学 まで につ けた い力 Jの 結 果 を (5)本 研 究 の 目的 文 字 )と して 起 こ した 。 語 りを意 味 内容 で 区切 り、 カー ドを作成 し、KJ法 を用 い て分析 す る。 以上 の よ うに、 「幼 小連携 」 に関す る政策や研 究 の 動 向は、保護者 不在 の ま ま進 んで い る。 しか し、幼稚 園 の生活 と家庭 の生 活 とは、子 どもを中心 に考 える と (3)対 象 。日時・ 場所 連続 的 な営み であ り、双方 が影 響 しあいなが ら発 達 を 促 して い くもので あ る。 した が つて 、 「幼 小連携 Jに 対象 :静 岡市立東豊 田幼稚 園 保 育者 6名 (園 長 、教 つ いて も、子 どもの発 達 とともに、保護者 の発達 も視 務主任 を含 む )。 小学校 、私 立幼稚 園 の経験 も含 む平 均勤務年数 は、21年 、 レンジ 2‐ 35年 。 野 に入れ てい く必要 が あ る。 日時 :2013(平 成 本研 究 では、保 育者 の語 りを分析 し、 「幼 小連携 」 とい う視点 か ら保護 者 に対す る支援 の あ り方 を検討 す 場所 :静 岡市 立東豊 田幼稚 国会議 室 る ことを 目的 とす る。 3 25)年 12月 19日 15:Oll∼ 1615 分析結果 52件 の 語 りを グル ー プ化 す る と以 下 の よ うに な る。 2 方法 (1)質 問紙調 査 「小 学校 入 学 まで に つ け たい力 Jに 大タイ トル 】※ 【 (1)基 本的生活習慣 の確 立 (2)人 的 ・物的な環境 の変化 への対応 つい て 2013(平 成 25)年 10月 、 当園 の 卒園児 が入 学す る 3校 の 1年 生 を担 当す る教師 と教務 主任 14名 を対象 に、第 2筆 者 、第 3筆 者 が作成 した f小 学校 入 学 まで に つ けた い 力 Jに つ い て 質 問紙調 査 を 行 った。幼稚 園教師 (以 下、保 育者 )が 考 える幼稚 園 (3)幼 稚園 か らの発信 近隣小学校 ※ 修 了までに育 って ほ しい力 と小 学校 教師 が考 える就 学 ま でにつ けて きて は しい力 を明 らかにす る こ とで、幼 小連携 を考 えて い く 一つ の契機 とな る こ とを企 図 した タイ トル】 【ヽ 中タイ トル】 【 /」 片付 け・ 衣服 の着脱等 4 定の時間が必要 個 人差 1 保 護 者 も反 復 の 保護者の時FFlに 関する意識 中で学 ぶ 子どもの時間に関する意識 もので ある。結果 につ いて は、前述 の先行研 究 の結 果 と類似 してい る部分 もあ る。 さ らに、5歳 児 クラスの 子 ど もの 育 ち が 保護者 に も同様 の質問紙 調査 を行 った。結果 (各 項 目 保 護者 を変 え る にお ける 自由記述 は省 略 )は 、以下 の とお りで あ る。 単J「 便利」は子ど 家庭教育に対する保護者の意識 もの体験を奪う 物的環境 の変化 小学校 の生 活 リズム (14名 ) (あ )人 の話 を最後 まで聞 く (い )自 分 の 思 い を言 う 1009る 71% 保護者 (23名 立」に対する保護者の意識 保護者のマナー 65% 70% 1 2 1 接 し方 がわ か らない 4 子育 て の方法 3 先輩 の保護者 か ら 1 保護者の友達関係に関する考え 6 保育者の友達関係に関する考え 2 子 どもの 実態 56 3 い 時代 保護者 の視 野 ) 1 2 世 代 間伝 達 の な にお書 き くだ さい。 小学校教師 1自 r簡 問 :必 要だ と思われ る こ とを 3つ 選 んで○ をつ けて く )内 だ さい。 具体的 には ど うい う姿 か あれ ば ( 件数 「自立」までには一 1 保育者 の語 りにみる幼稚 園 にお け る保護者支援 特別支援 教 育 そ の他 子 どもの 実態 6 だ よ』 つて声 を掛 け合 うよ うにな って きてい るか なっ 他 児 と関係 4 て。 これ も積 み重ね な のか な」 と 5歳 児 の担任 は語 つ 公立幼稚 園 の役害1 1 てい る。集 団生活 の 中で 、担任 も時 間 を意識す る よ う 質問紙から保育を振り返る 2 な働 きか けを行 い 、5歳 児 な りに行動す る様子 が 見 ら 小学校での不登校 2 れ る よ うにな つて くる と、感 じてい る。 一方 、 「小学校 では (小 学校 の先生 は)チ ャイ ムで 動 く (中 略 )自 然 に身 に付 くもの と思 つてい るのか も しれ ませ んが」 と、小学校 教師 と して のキ ャ リア をも つ園長 は、小 学校教 師 の考 えを代 弁 し、 さらに、 「時 保護者支援 とい う視点か ら、今後 の支援方法を方向 付ける 3つ の大タイ トルが抽出され た。 (1)基 本的生活習慣 の確 立 間 を意識 す る つてい う保護者 の 、考 え方 なんです け ど ① 「自立」 までには一定 の時間が必要 「生活習慣 については、定着 ってす ご く難 しい。担 ね 」 と、時 間 を意識 しなけれ ばな らない と考 えてい る 任な り、お母 さんたちは、気をつ けて繰 り返 し繰 り返 し、言 つていか ない と。や つぱ り、 (子 どもが)忘 れ るので はな いか と指摘 してい る。 この背景 には、園か らの保護者 へ の働 きか け (例 えば 、登 園時 間、降園後 ちゃ うつてい うか、本当に意識 してできるよ うになる にはす ご く時間 がかかる」 と、保育者 は指示 されてで きるの と自立的にできるよ うになるの とでは意 味が違 の 園庭 開放 の 時 間 な ど保 育者 か らの 繰 り返 しの声 か うとい うことを語 る。形式を覚えてできるよ うになる ことも大切 だが、状況や場が変わ って も自立的 に行 え るように育 つて ほ しい と保育者 は願 つてい る。 つ ま り、 幼稚園で 「おはよ う」 とあい さつがで きて も、別な場 い る と捉 える こ とが で きる。 の は、保護者 自身 で 、そ の こ とを保護者 は 自覚 してい け)が あ り、子 どもに時 間 を意識 させ たい とい うよ り も時 間 を守 ろ うとす る保護 者 自身 の意識 が強 く働 いて 「保護者 がす ご く変 わって きて 、 (中 略)保 護者 が ルール を押 さえ られ な い。 (中 略 )8時 時 間だ とす る と、8時 50分 が登 園 50分 まで に門 の 中に入 つてい 所 で もできなければ、身に付 いた とは言えない。近所 の人 とも小学校 の先生 ともあい さつ ができるよ うにな るの を想像 します よね。 (中 略 )そ れ が 、保護者 は違 ることをめざしているとい うことである。 3歳 児 の現時点 (12月 )に ついて 「新入 の ときに比 べ ると、身に付 い てきたかな つて。今、園服 の始末な 3年 くらい 前 か ら、8時 50分 に『 門、 閉 めます よ』 ってい って門 を開 め る。 (中 略 )だ んだ ん 8時 50分 までに入れ るよ うになって きた」 と、毎 んか も、袖 がひっ くり返 った り、裏 返 しになつていた りす るの も、4月 に比 べ る とず いぶ んで きる よ うに を繰 り返す こ とで保護者 も徐 々 に時 間 に対 しての意識 うんで す。 9時 まで に入れ ば いい と思 つてい るんです。 (申 略)こ こ 日正 門 で親 子 を迎 える教務 主任 は語 つた。 丁寧 な支援 な つてきて。や つぱ り、まだ 、声をかけない と、遊び だ しちゃ うとか 、そ のままや りっ放 しで行 つちや うと が 高 ま り、結果 的 に子 どものモ デル となる よ うな振 る 舞 い が可能 とな る こ とが 、保 育者 の語 りか ら理解 す る こ とが で きる。 つ ま り入 園 と同時 に保護 者 も子 ども と 力、 2∼ 3見 られ ます け ど、繰 り返 しして きた ことで 身に付 いてきた子 もいたので、何度 も繰 り返 しやつて きた ことでで きる こともあつたJと 担任は語 つた。 つ ともに発達 してい くので あ る。 (2)人 的・ 物 的 な環境 の変 化 へ の対応 ま り、幼稚園修了 までに自立的に行 うことが可能にな るよう一人 一人 の子 どもの実態に合わせなが ら入園当 ① 子 どもの 育 ちが保護 者 を変 えてい く 初 より丁寧な援助を行 うことが必 要 とい うことだ。 また、 「幼稚園なんかで も行事 が立て込 んで くると、 私たちの気持ちも行事 の方へ行 っちゃ うので 、『 ロ ッ カー 、ぐちゃ ぐちゃだよ』 つて言 つて、 1週 間 に 1回 か、2回 片付ける よ うな時間を設 けない と。そ の都度 昼食の時間の子どもの会話か ら、 「ある子が『 これ、 まじい』つて。女の子ですよ。その言葉、聞いた時は、 びつくりしたんですけど、お家ではそ うい うことを 言 つているのかなつて」 と、家庭の多様性について語 りながら、 「『 まじいじゃなくって、おいしくないっ てい うんだよ』って伝えていったんですけど。そのこ とをお母 さんに伝えたら、『 お父さんが言つているか ら、気をつけますって』J。 つまり、父親のまねをし ている娘の姿を知 りながら、よりよい方向付けをしよ うとしない。いわゆる 「しつけ」の必要性を感 じてい ない保護者も存在するとい うことである。さらに 「肘 をついて食べている子がいるので、『 肘をついて食ベ その都度 はなかなか大変 で」 と、手 をかけ、 日をかけ てゆっくりと身に付 い てい くものであ り、短期間で基 本的生活習慣は定着 しない と、保育者 は感 じてい る。 ②保護者 も反復 の 中で学 ぶ 保護者は 「時間を意識す ることができる」を小学校 教師 と比較 して重視 してい る。幼稚園では、 「 (5歳 児 クラスの)4月 頃 か らず つと、『長 い針 が 9に な っ た ら片付けだよ』 とか、子 どもが徐 々 に気付 くよ うに ないんだよ』つて、『 お行儀悪い よ』 つて (幼 稚園で 伝えたら)、 お父さんが肘をついて食べていたら『 お 父さん、いけないんだよ』 って子どもに言われたと親 な ってい き、最近 では誰 かが『 9に なったか ら片付 け 57 田宮 縁 池田 優 鈴木富美子 か らも聞いた」 と、 3歳 児 の担任 は語 つた。幼稚園が マナー を子 どもに教えてい くことで 、子 どもだけでは なく、 このよ うに保護 者 も刺激 され 、自身 の生活 を振 り返 る機会 となる場合 もある。 この語 りか ら、子 ども ともあるし、い ろいろなこと話 しちや うと、あの (上 か ら握 つて まわす )蛇 日、少 なくな つた じゃないです か。み んなこれ (レ バー :上 下に手を動 か しながら) になっちゃって」 と、箸 を使用できない要因 として、 きょうだいが少ないため、家庭内で子 ども自身が見 て の育ちが保護者 を変容 させてい くとい うことを読み取 ることができる。 「親 の子育てに関す る価値観 がだんだん違 つて きて 学ぶ機会 が減少 していこ とにカロえ、生活環境 の変化 に より 「子 どもたちの握力 もだんだん低下」 しているの いるのかなつて。 10年 前 にもつて いた (受 け持 つて いた子 の)親 と最近 の親 ってまたちが う。 (中 略)親 ではないか と教務主任は予想す る。その対応策 として、 「うちの幼稚園 も直 してもらつて」 と、握力をつ ける が子 どもをもの じゃないんだ けど、 かわいが り方 つて い うか、育て方 ってい うか、 わか らない。 ものってい ために当園では、従来 の蛇 口に改修 も行 つた と補足す る。生活 が便利 になる反面、毎 日行 つていた動作がな うか。扱 い方がわか らない」。 この語 りか ら、保護者 に とつて子 どもは、愛情 の対象 ではあるが 、発達段階 に必要な家庭教育 を行 い、社会 で生きる基盤 を育 てて くな り、無意識 の うちに獲得 していた粗 大運動や微細 運動を経験す ることができな くなつて きてい ると感 じ ているのだろ う。 また、 「小学校が これ (レ バーの蛇 いこ うとい う考 えをもちあわせ ていない保護者 も中に は存在す ると解釈す ることがで きる。現行 の『 幼稚園 口)ば か りでない 」 と、多様 な蛇 口に子 どもが対応す ることができるようにあえてを用意 しているとい う保 育者 の語 りか ら、子 どもの将来を見据 えた願 い を保育 教育要領解 説』 (文 部科学省 ,2008)に も示 され てい るとお り、 「幼児へ のかかわ り方を学ん」 でい くこと が必要なのだろ う。四六答 申では、 「家庭 は、単に衣 食住 の場 であるばか りでなく、人間 として の精神的成 長 の基盤 でもあることにかんがみ 、幼年期 か ら青少年 期を通 じて、基本的な生活習慣 と行動 の節度 を学ばせ る ことによつて 自制心 をつ ちか うこ と (中 略 )」 と 「家庭教育 に期待す べ きものJが 記 されてい る。 この 40年 の 間に家庭教育、保護者 の姿 の変化 は否めない。 3歳 児 の担任 が、 「3歳 児は繰 り返 し繰 り返 し伝 え てい くことで、いろんな ことがで きるよ うになつてい くかなつて。片付けも、遊びもや つてい ると、み んな で片付けるつてい うのがだいぶ上手にな って きた」 と 語 ると、 「3歳 児 で も片付 け られ る じやん。で も、5 歳児 でも片付けられない子 もいる。ただ個 の違 いだ と 思 う。 あるいは、家庭 の姿勢 とい うか 、そ うい うもの も影響 してい る場合 もある よね。幼稚園 は、子 どもに しつ け面を支援 してい くと同時に、保護者 へ も支援 し てい く必要は大きな問題 かな。大事な ことかなつて思 い ます」 と、園長が続 ける。 このよ うに集団 の教育力 を活か して指導することで、身に付 く場合 もあるが、 「個人差」も大きい。 また、そ の背景 には家庭 の 「姿 勢」、教育 に対する考え方 の差 が大 きく影響 している とい うことである。幼稚園では、子 どもに対 して基本 的生活習慣 の 自立を促 してい くと同時 に、そ の意味 と 必要性について保護者 へ も伝え、協力 を求めなければ ならない と保育者 らは感 じてい ることがわ か る。 ② 「簡単」 「便利」 は子 どもの体験 を奪 う 家庭 の教育 に対する姿勢 の差はあるに しても、食事 のマナー を身に付けることは、子 どもの発達上 、欠 く ことができないことである。 「今、 うちの幼稚 園で年 長 さんでお箸が持てない (子 がいる)。 (中 略)確 か に昔 と比べて子 どもたちが少な くなつてきた とい うこ 者 が もちなが ら保育に臨んでいることを読み取 ること ができる。 箸 については、 「幼稚園 は、以前は 2年 保育 だつた ので、『 4歳 児にはもうお箸が使 えるよ うに』 つて指 導 してきたんです け ど、なかなかそれが うしろになつ て きちやつて。 (中 略)お 箸 の持ち方 って鉛筆 の持ち 方にもつ ながるので、『 ちゃん と握れ るように してく ださい。教えて くだ さい』 つて。『 幼稚園では、一回 しかご飯を食べ ないので』 って、言 うんですけど、な かなか定着 しないんです」 と、幼稚園での生活は限 ら れてお り、子 どもの生活習慣すべ てをカバーで きるわ けではない。幼稚園 での指導 を定着 させ るためには、 家庭 の協力 が不 可欠 である。 さらに、お箸を持 とうと しない子が鉛筆を正 しくもてないので は と疑間を呈 し ている。 以上 の語 りよ り、生活や遊びで行 われてい ることが、 生活や遊びにとどま らず、す べて学習 の基盤 となつて いる。 しか し、保護者 にとつては、 日の前 の子 どもの 姿を見てい るだけで手一杯 で、子 どもの生活環境 の変 化 よる経験 の不足 にまで思 いが及ばない とい う実態 を 提える ことがで きる。 (3)幼 稚園 か らの発信 ①世代間伝 達 のない時代 「幼稚園の先生を しているか ら。 い ろい ろな保護者 の方を見た り、聞いた りしてい るか ら、親力 の低下 を 感 じるのかもしれない」 と、幼稚園での勤務 が 2年 目 の保育者は語る。 ベ テラン保育者 は、長 いスパ ンで保 護者 の変化 をとらえてい るが、新人保育者にとつては、 今 の保護者 がすべ てである。 「きつと、 自分が落ちて い るとは思 つていない。気付かない と思 うんです よ。 知 らないか ら直す こともできない し。私たちがそれを 気付 かせてあげられ るように」 と、基本的生活習慣 は 保育者 の語 りにみる幼稚 園 にお ける保護者支援 自然に身に付 くものではない とい うことを一つ一つ丁 の活力 を得 るのでは な いだ ろ うか。保護者 の状 況 も考 寧 に伝えていくことが必要だ と感 じてい ることが分 か る。すると、ベ テラン保育者 も 「親 も子 どもの ように 慮 しなが ら、時 には、 人 と人 とを結 びつ ける コー デ ィ ネ ー ター と しての役割 も保 育者 には求 め られ てい る と 認めてあげなが らJ、 子 どもとかかわる経験 が ない人 がほとん どなので、 「先入観 を持たないで、『 お母 さ い うこ とで あ る。 ん、がんばったね』 とか、『 えらいよ』 とか」認 めた り励ました り、 「『 ここは、 こ うした方がいいん じゃ ないの ?』 って」具体的に方向付 け した り、 「『 こん なに子 育 てがんばったんだか ら、次 は こ う した らど う?』 とい うような」提案 を してみた り、子育 ての苦 ②保護者 の視 野 を意識 「も う一つ淋 しか ったのが 、誰 とで も遊 べ る とい う の が 、 今 年 の うち の 園 の 重 点 目標 だ つ た の に 、 4% だ った Jと 、 「(え )誰 とで も遊 べ る」 に関 して 、小 学 校教師 が 64%に 対 して保護 者 が 4%だ つた こ とを語 っ て い る。 当園 では、 1学 年 1学 級 とい う比較 的小規模 労 に共感 しなが らかかわ つてい くことが重要であると な園で あ るた め 、近 隣 の 3校 の小 学校 には、それ ぞれ 語 る。 さらに自身 の子育ても振 り返 りなが ら、 「なん か、自分 もで きない。子育てを していると、 自分 が親 十数名 の就 学 とな る。 したが つて、― ク ラス に数名 と な るた め、誰 とで も遊 べ る、 かかわれ る子 に育 って は に教えてもらつた ことしか子 どもに与えられない。 た いていそ うだ と思 う」 と世代間伝達 の視点を述 べてい しい とい う願 い を込 めて 、 「人 とのかかわ りを楽 しむ る。平成 24年 人 口動態統計月報年計 (概 数 )に よる と、第 1子 出生時の母親 の平均午齢 は 303歳 である。 したがって、幼児をもつ保護者 の年齢 は 30代 半ば と 考えてよいだろ う。 とすると、保護者 の世代 は、食事 のマナーや排泄 の訓練な どの基本的生活習慣が 、現在 子 Jと い う重 点 目標 をかか げ、保 育 に臨んで い る とい うこ とで あ る。 また 、園 の方針 や保 育実践 につい て も、 保護 者 へ は頻繁 に伝 え る よ うに努 めて い るが、保護者 の意識 と して は 、4%と い う結 果 だ つた。 そ の 要 因 と して 、 「自分 の子 ども中心 ってい う思 いが強 い ん じゃ ないか な。 (中 略)仲 間 関係 とか友達 関係 とか別 に意 識 して い な い わ けで はな い けれ ど、 次 の 2つ 日、2番 のように大きな問題 にな つていた とは考えにくい。家 庭 で一定の基本的生活習慣 を身 につ けて きた世代であ る。 しか し、前述 の保育者は こ う続 ける。 「で も、 自 目の ラ ン クだ と とらえて い るのか も しれ ない 」 と、園 分 が ど うや つて 自分 の 子 に教 えたか、そ うや つて言 わ れ る と記 憶 に浮 か ん で こ な い 。 い つ お む つ を 、 ど う 長 は語 つた。 この語 りか ら周 囲 との 関係性 で子 どもを や つて とつた とか。 (中 略 )漠 然 とした こ とは 自然 に 視化 が 可能 なで き る よ うにな つた こ とを保 護者 は求 め 身 に付 いた と思 うJと 自身 の子 育 て を振 り返 る。 つ ま り、子育 ては、 マ ニ ュアル にそ つて指導 すれ ばで き る る傾 向 にあ るのか も しれ な い と、保護者 の心情 を想像 して い る こ とが分 か る。 また 、 「誰 とで も、 つてい う ものでは ない とい うこ とで あ る。 常 に、親 と子 のかか け ど、保 護者 自身 が好 きな人 同士の グル ー プなんです よ。 そ こに属 して いれ ば、 安心」 で 、 「子 どもたちに とらえ るので はな く、 自分 の子 どもだ けに注 目 し、可 わ りの 中で、子 どもの反応 にあわせ なが ら試行 錯誤 を 繰 り返 し、促 して い る。 した が って 、 「 自分 が ど う もそ うい つた感 覚 で言 つて い るのか な。 (中 略)私 た や つて 自分 の子 に教 えた かJ明 確 な説 明 をす る こ とは、 ち として は 、誰 とで も遊 んで は しい んです。 で も、 一 難 しいので あ る。 「自分 が ど うい うふ うに育 つたのか を親 に聞 くの も 人 で も友達 がいれ ばい い 」 とい う捉 え方 を保護 者 は じ 大事」 と、親 世代 も試行錯誤 の 中で子 育 て を して きた 護者 は 、 自身 の人 とのか かわ りに対す る考 え方や 行動 をそ の ま ま子 どもに置 き換 え狭 い捉 え方 を してい るが、 てい る ので はな いか と、教務 主任 は語 る。 つ ま り、保 現 実 を知 るだ けで も保護 者 に とつて は有益 な ものな の か も しれ ない。 しか し、核 家族 化 の進 展 に よ り、 この 子 どもた ちは、就学 とい う大 きな環境 の変化 の 中で 、 況 にあ るこ とも考慮 しなが ら、子 ども とともに親 の育 新 た な人間関係 を築 い て い か なけれ ばな らない。 そ の 際、誰 とで もかかわ る こ とがで きれ ば、生活や 学習 が ちを支 えて い くこ とも幼 稚 園 の 大 きな役害 とな つて き スムー ズ に ス ター トで きるが、 この よ うな視 点 に保護 ている ことが 、語 りよ り解釈 で きる。 別 な保 育者 は、 「懇 談会 で 、 1学 期。 お母 さんた ち 者 は及 ばな い と、保 育者 は感 じて い る。 よ うな親世代 の知 見 が伝 達 され に くい。 この よ うな状 で フ リー トー ク して悩 み を話 し合 うこ とをや つたんで 一方、 「昨年、問題 として 出てきたのがね。『誰 々 ちゃんが遊んで くれない』 (中 略)Aち ゃん もそ うだ す。 それ は、先輩 のお母 さん た ちか ら話 を聞 い た のが 、 し、Bち ゃん もそ うだ し。年中の ときに、家で言 うそ うです。 (中 略)で も、そ の ときにはお母 さんは必死 に、『 ちゃん と、みて いて くだ さい』 つて。私たちも 『 ちゃん と、み ています』 って感 じで、友達関係 をみ 『 や っぱ 自分 も楽 にな った し、 なん か、 こ うや つてや れ ばいいんだ とかがわか って よか った。 また、 2学 期 に な って か らも、ぜ ひ こ うい つ た時 間 を とつ て欲 し てい く」 と、教務主任 は続 ける。子 どもたちにとって、 友達は一つの居場所である。3歳 児後半 か らは、特 に い』み たいな話 もあ つた 」 と語 る。 要 は、世代 間伝 達 の難 しい時代 だか らこそ 、専 門家 で はな く、身近 な経 験者 の話 を開 くこ とが 、保 護者 も共感 を覚 え、子 育 て 友達 を強 く求めるよ うになって くる。その時期には、 59 田官 縁 池田 優 鈴木富美子 保護者 も必死 で保 育者 に子 どもの思 い を訴 える とい う 5 こ とである。 本調査 が対象 は 3・ 今後 の課題 本研 究 を通 して 、以 下 の 2点 が今後 の課題 と して残 4歳 児 の保 護者 で あ ったのな ら ば、 「(え )誰 とで も遊 べ る」 の割 合 は高 か ったのか も され た。 しれ ない。 5歳 児 の 時点 では 、保護 者 の意識 と しては 、 友達 とのかかわ りについ て心配 して い な いのか も しれ な い。安 定 して い る と思 つて い るか らこそ 、 この項 目 一つ は、 「小 1プ ロブ レム」 の解 決が幼小 連携 の主 た る 目的 とされ てい るこ とについ ての検 討 で あ る。 現 在 、押 し進 め られ て い る 「幼 小連 携 」 は 、2008 (平 成 を選択 しなか った とも考 える こ とがで きる。 しか し、 新 た な環境 へ の移行 後 、 山 田・ 大伴 (2010)の 指摘 の 20)午 1月 の 中央 教育審議会答 申以 降、活発 に議論 され る よ うになつて きた。 「小 1プ ロプ レム」 につ いて は、幼児期 の教育 と小学校 教 育 の 円滑 な接続 とお り、再び友達 関係 へ の意識 が 高 ま る こ とも予想 で きる。何れ に して も、長期 間 での子 どもの変容 とい う の あ り方 に関す る調査 協力者会議 (2000)で はt「 自 制心や 耐性 、規範意識 が十 分 に育ってい ない 、4ヽ 学校 1年 生 な どの教 室 にお い て 、学習 に集 中 で きな い 、教 よ り、 「今」 に注 目した保護 者 の意識 と考 えて よいだ ろ う。保護者 は、現 時点 での我 が子 のみ に注意 を注 ぎ、 周 囲 との関係性や 子 どもの変 容 の過 程 につ いて まで考 えるこ とは難 しい と、保 育者 らは捉 えて い る。 具体的 員 の話 が 聞 けず に授 業 が成 立 しな いJこ とと定 義 して ヽヽる。 な子 どもの変容過程や 実態 、見通 しな ど鳥 厳的 な視点 で子 どもをみ る こ とがで きるの は、専門家 として の保 よ うに語 つて い る。 しか し、本調 査 で 、5歳 児 の担任保 育者 は、以 下の 育者 の重要 な役 日で あ る。 4 「場 に応 じた行 動 を とる」 つて 、 「人 の 話 を最後 まで聞 く」 と共通 してい るか も しれ ませ ん が 、誕 生 考察 本研 究 は 、当初 、移行期 の子 どもを もつ保護者 に対 す る支援 に対 して の支援 の あ り方 を検討 す る こ とを意 会 や み ん な で 集 ま る よ うな場 に集 ま つ た時 、今 、 ち ょつ と話 を しちゃい けない ときだ な とか 、 自分 で、 図 していた。 しか し、考 察 を進 め る中で 、保護者 支援 も子 どもと同様 に短期 間で行 え る もので はない とい う 空気 を読 む とい うか …。特 に、今 、私 、年 長 の担任 な の で 、 これ か ら先 の こ とを考 え る と、 「い つ で こ とが次第 にみ えて きた。子 どもの 基本的生活習慣 の もJで は ない けれ ども、 「今 は静 か に しな けれ ばい 確 立の背景 には 、保護 者 の意識 や 姿勢 が大 き く影響 し てい る。 そ のた めには入 園 と同時 に保護者 へ の指導 も は じま り、 「繰 り返 しJの 中で 、保護者 も 「幼 稚園 の けない 時 だ な」 とかそ うい うこ とが少 しず つ 判 断で きる つて こ とが 、主体性 を もつてすす め る とい うと ころではつ なが ってい くのか な つて思 うんです けれ ど (中 略 )全 員 で は、 な い ん で す よ。 一 部 。 (中 保護者 らしく」 な つてい く。 つ ま り、保護者 として の 「役害1取 得 」 (Mcad,GH,1913/1991)の た めの一 定 の 期 間 が必 要 なのであ る。 Mead G Hは 、 「 意 味 の あ る 他 者 略 )例 えば、 一 人 が大 きな声 を出す と、 い い かなつ て 子 どもも思 って一緒 に騒 いで大 き くな っ ちゃ うこ の期 待 を取 り入 れ る こ とに よつ て 自我 が形 とが あ ります よね 。 (中 略 )本 当は、 みん な ちゃん と座 つて待 ってい な けれ ばな らな いの に一 緒 にふ ざ 成 されて い く と考 え、そ の こ とを役 害1取 得 の 自己形成 と呼んで説明 して い る。保護 者 も子 ども とともに幼稚 けちゃ う。 (中 略 )我 慢 がで きな い つてい うか、 わ か らな い つ て い うか 、 そ の 雰 囲気 が わ か らな い。 other)」 (signincant (中 略)そ れ がす ご く嫌 だ つて子 た ち もい るんです よ。 (中 略 )同 じ教室 (保 育 室 )に い る と、そ こを 分 け るつて い うのが難 しか つた りす る ので。 園 に入 園 し、新 しい役割 を取得 して い くので あ る。 子 どもとともに発達 して い くとい つて よい だ ろ う。 しか し、家族形 態や 地域社会 とのか かわ りの変化 に ともない、保護者 に とつて 「意 味 の あ る他者 」 は限定 上記 の語 りか ら、・「場 に応 じた行 動 を とれ な い子 」 や 「人 の話 を最後 まで 開 けない子」 は存在す る ものの 、 されて きてい るのではないだ ろ うか。 また、駆 け出 し の保護者 の視野 は狭 く、 日の前 の子 どもの姿 を見 るだ 5歳 児 の 中で も一部 で ある と感 じてい る こ とがわか る。 けで手一杯 な状態 で あ る。 した が つて 、専門家 として の保育者 は、 「意 味 の あ る他者 」 の 一人 として、丁寧 また 、他児 との環境 の調整 に苦慮 してい る様 子 を解釈 す る こ とが で き る。 な指導 (例 えば、 リュ ックに入 れ る ものについては 、 子 どもが 自分で処理 で き る もの と伝 え るだ けで は理解 さらに、教務 主任 は、次 の よ うに語 る。 して もらえないので 、形状や機 能 を具体的 に伝 えるな い る ん だ よ ね 。 「静 か に しな け れ ば な らな い ど)と あわせて、環境 の変化 に よる子 どもの体験 の不 足 、人 との関係性 の 中での子 どもの 姿 と子 どもの育 ち 時」 つて言 つて くる子 も。 (中 略 )で もそれ じゃ、 活 か され な い。 数 人。 それ で も同調 で きるん だ け ど、 の過程 な どを鳥厳的 な視 点 を もつて支援 に臨む こ とが や っば り、 はみ 出 して しま う子 の 方が 多 か った り。 重要 である。 611 保育者 の語 りにみ る幼稚 園における保護者支援 (中 略 )公 立幼 稚 園 な もの で す か ら、 (中 略 )一 応 2θ ノ ノ 4,` ,′ο 面接 で入 つて こ られ るの で。 だ いぶ 特別 支援 の体制 (pp 23‐ 33) 姜華 (2012)幼 小 連 携 に 関す る政策 と理 念居 着 いて の 一考察 :中 央審 議 会 答 申 と幼稚 園教 育要領 を中 とい うのか 、就 園 時 の相 談 が あ つた り、子 育 て相 談 会 があ るので 、○○ ドクター に相 談 に乗 つて いただ 心に 抑 いた り、専 門機 関 に行 くって い うの も以前 よ りは、 2θ 切 大 学大 学院 教 育学研 究科 紀 要 〃″ 対応 す る道 もた く さんに な って きた ので 、 いい か な 号 (pp 70‐ 73) 河崎道 夫・ 朝 日かお り・ 北谷 正子・ 杉澤 久美子・ 西原 とは思 うんです け ど。や は り、そ の年 に よつて (中 信孝 ・ 藤 本 尚・ 松 本敬 子 ・ 山崎征 子・ 山 田康彦・ 吉 日京 子 (2003)幼 小連 携 接続 問題 の 実践的研 究 略)。 報 告 :児 童 間 交流・ 教 師 間交 流 の 取 り組 み を 中心 専門機 関 との連携 な ど特別 支援教 育 の体制 も以前 よ りは整 つて きて はい るが、年度 に よ つて特 別 支援 が必 に 二重大 審 学副 確 移 晴 力 嚇 鈴 センター紀 要 23 (pp 55‐ 62) 。 要 な子 どもた ちの人数 にば らつ きが あ り、安 定 した ク 倉橋惣 三 (2008)幼 稚 園雑 草 (下 )フ レーベ ル館 ラス経営 が難 しい年 もある と感 じて い る こ とがわか る。 「小 1プ ロプ レム」 の定義 をみ るか ぎ り、特別 な支 小 田豊 (2003)幼 児 教育再 生 小 学館 援 を要す る子 どもた ちの特徴 と重 な る部分 が あ る。 し か し、現在 の幼小連 携 は、そ の 点 を整理 しない まま議 お茶 の 水女 子 大 学 附 属幼 稚 園・ 小 学校 子 ど もの 学び をつ な ぐ :幼 稚 園・ 小 学 校 の 教師 で 作 つた接続 期 カ リキ ュ ラム 東洋館 出版 社 論 が進 んでい るので は ない だ ろ うか。 Mcad,GH(1913/1991)Tllc Social Sclfル θ力l./η α′ぽ 2つ 日の課題 は 、第 2筆 者 、第 3筆 者 作成 の 「小 学 η ′&″ ″げ cJ々 ″ο θ (船 津衛・徳川 あ′ ″α 自我 直人 (編 訳)社 会的 恒星社厚生閣 文部省 (1989)幼 稚園教育指導書 増補版 フレーベ P力 あψ 校 入学 まで につ け た 力 」 の 項 目が 「参 加 の 型 」 (無 ) 藤,2009)が 中心だ った こ とで あ る。 幼稚 園 か ら小 学校 へ の移 行期 につ い て は、 さま ざま な考 え方 があ るが、無藤 は 、 「参加 の型 」 を身 につ け、 「文化 的 な道 具」 の使 い 方 を学 ぶ 時 期 と して い る。 「参加 の型」 とは、 「クラスの 中で学習者 として『 い る』」 こ とであ り、 「与えられた枠や 日標 を自分 の 目 標に転換する」 ことである。 一方、 「文化的な道具」 ル館 文部省 (1999)幼 稚園教育要領解説 フレーベル館 文部科学省 (2008)幼 稚園教育要領解説 フレーベル 館 とは、 日常生活 の中でふれてきた数量や図形、標識や 文部科学省 (2008)小 学校学習指導要領解説生活編 日本文教出版 口 野 隆子・ 鈴木 正敏 ・ 門 田理世・ 芦 田宏 秋 田喜代 文字 な どの使 い方 を学 んでい くこ と、つ ま り、 実際 の リン ゴの数 をお は じきに置 き換 えた り、数 字 に置 き換 美 ・小 田豊 (2007)教 師 の語 りに用 い られ る語の イ メー ジに関す る研究 :幼 稚園 ・小学校比較 によ えた りしなが ら筆 算 をす る。 読 め るよ うに な つたひ ら が な を書 くな ど、数 字 や 文 字 とい つ た 「文 化 的 な道 ,5(pp 457-468) る分析 教 育心理 物 久 住野好 (2006)幼 小連携 における 「交流活動」 の 意義 と実践課題 層山大 学教 育実践総 合 センター紀 具」 の使 い方 を学 んでい くこ とで あ る。 HⅣ igahust,RJ(1953/1995)は 、 「社 会 や 事 物 につ 要 第 6巻 (pp 101 110) 佐 々木宏子 ・ 鳴門教育大学学校教育学部附属幼稚園 い ての単純 な概念 形成 Jを 乳幼 児期 の発 達 課題 の一つ にあげて い る。 小学校 教 師 は、 「文化 的 な道 具 Jの 使 い方 を学 んでい く上 で、幼 児期 に どの よ うな体験 をつ (2004)な め らかな幼小の連携教育 :そ の実践 と も出 るカ リキ ュ ラム チ ャイル ド社 む こ とが必要 と考 えて い るのか。 実際 の子 どもた ち と 徳永静江 のかか わ りの 中で感 じてい る教師 の 率直 な考 えを今後 る 生涯 学習研 究 の (pp 79‐ 87) 山 田有 希 子・ 大伴 潔 (2010)保 幼 ・ 小接 続器 にお け 明 らか に してい きた い。 6 (2009)幼 小 連 携 にお け る実態 と課題 を探 る実態 と支援 の あ り方 に 関す る検討 :保 幼 文献 船津衛 (20H)自 分 とは何 か :「 自我 の 社 会 学 」入 東 京 学 芸 大 学 紀 要 総 合 教 育 科 学 系 ,6′ 門 恒星社厚 生 閣 (pp 97‐ Havigahust,RJ(1953/1995)Human Dcvclopmcnt and Eduo江 ion 5歳 児 担任・ 小 1年 生担 任 保護者 の意識 か らとらえる 中央 教 育審議 会 Longmans,Crcen&Co"INC(荘 司 雅 子 (2リ 108) (1971)今 後 の 学校 教 育 の総 合的 な 拡 充整備 のた めの基 本 的施 策 につ いて (答 申) (監 訳 )人 間 の 発 達 課 題 と教 育 玉 川 大 学 出版 http,ヽww mcxtgojノ b mcnu/Shingi/old_chukyo/ol屯 chu 会) ● 0」 ndCXrtOushilv 1309492 htm 24年 人 口動 態 統 計 月報 年 計 (概 数 ) 廣瀬 聡 弥・ 山 田芳 明 (20H)幼 稚 国 と小 学校 の 教 師 が持 つ保 育・ 授 業観 とそ の形成 :幼 小 接 続 の た め 厚 生 労働 省 平 成 の概 要 http//www mhlw gOjp7toukci/salkin/hu/」 inkou/gcppo7ncn の 相 互 理 解 に 向 け て 実 作 大 学短 期 大 学 部腰 61 田官 縁 ・池田 優 鈴木富美子 gai12/ 文部省 (1956)幼 稚園教育 要領 htp77www lllCrgOjp71。 shloka/coR ncw/s31υ lndex han 文部省 (1964)幼 稚園教育要領 htp//1-nicigojp/yoshioka/coお ncw/s38k/1ndcx htrn 幼児期の教育と小学校教育の円滑な接続 の在 り方に関 する調査協力者会議 (2000)幼 児期の教育 と小学 校教育の円滑な接続の在 り方について (報 告) http:ハ vww mcxtgojp/componcntlb mcnゴ ぬingi/touttin/ icsFilcyaflcld■ lc/2011′ 11/22/1298955_1_l pdf 謝辞 本研究の調査に協力してくださつた幼稚園の教職員 のみなさんに感謝申し上げます。 04 ′U