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一括ダウンロード - Nomura Research Institute

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一括ダウンロード - Nomura Research Institute
NRI KNOWLEDGE INSIGHT
3
米国における
大型蓄電池市場の現状と課題
佐藤仁人
Yoshihito Sato
2014 MAR. VOL.33
電力システム改革と
インフラ輸出
成 25 年 6 月、政府は、経済政策の 第3
となる新たな成長戦略として「日本
再興戦略」を策定した。日本再興戦略において
は、インフラ事業に関する施策も数多く盛り込
まれており、代表的なものとして、電力システ
ム改革、インフラ輸出がある。
力システム改革では、電力小売の全面自由
化や送配電分離に向けた検討などが進めら
れている。本特集の 1 本目と 2 本目はそれらに
関連した論文となる。1本目は発送電に欠かせ
ない大型蓄電池に焦点を当て、日本企業がこの
領域で国際競争力は発揮するための課題につい
て言及している。2 本目は、洋上風力発電を取
り上げ、普及に向けた課題と方向性について解
説している。
ンフラ輸出に関しては、海外における交通
事業や都市開発事業を支援するための法的
措置が取れている。3 本目は都市開発事業に焦
点を当てた論文であり、ASEAN に進出する/
しようとする不動産事業者に対して、現地企業
とのパートナリングの重要性を説いている。4
本目の論文はインフラに関する人材に焦点を当
てている。建設需要が膨らみ建設費が上昇する
中、民間も公共も、長期的な観点での人材確保・
人材育成が必要になっていること、その際には、
新興国展開やグローバル人材といった国際化の
視点が不可欠であることを提言している。
平の矢
電
イ
本誌に掲載されているあらゆる内容の無断転載・
複製を禁じます。すべての内容は日本の著作権
法および国際条約により保護されています。
Copyright ⓒ 2014 Nomura Research Institute,
Ltd. All rights reserved. No reproduction or
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日本国内における着床式洋上風力
発電を取り巻く市場環境
中村圭輔
Keisuke Nakamura
ASEAN における不動産開発事業
∼鍵となる現地企業とのパートナリング∼
荒木康行
Yasuyuki Araki
建設費の値上がりとその影響
大道 亮
Akira Daido
NRI K NOWLEDGE INSIGHT
2014 MAR. VOL.33
当レポートに掲載されているあらゆる内容の無断
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転載・複製を禁じます。すべての内容は日本の
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著作権法及び国際条約により保護されています。 republication without written permission.
3
米国における大型蓄電池市場の現状と課題
佐藤仁人
1
インフラ産業コンサルティング部 副主任コンサルタント
電設備を抱えている。しかし、温室効果ガス
るとまだ高くはない。しかし、PJMでは効率
電池が導入されている。
ピークカットによる電気代削減など、複数のメリッ
大型蓄電池の導入で費用対効果を成立させ
トを組み合わせて獲得できる運用方法を検討
ることは困難になると見込まれる。
している。市場運営者であるPJMもまた、蓄
これらの先進的地域においても、今後の
以上のように大型蓄電池導入における先
電池の提供価値を高める市場ルールの改定
大型蓄電池導入加速のためには、「費用
進地域であっても、市場拡大に向けては、
に向けた検討を行っている。具体的には、
難題を抱えているのが実態であるといえる。
蓄電池が容量市場に参加できるように、蓄
的な市場運営の実現を目的として、蓄電池
発電設備の新規開発やリプレースを行うこと
に有利な市場ルールを制定し、既に大型蓄
現在、再生可能エネルギーの普及拡大な
は困難な状況である。そこでカリフォルニア
電池の商業的な運用が開始されている。
3
どを背景に、蓄電池が世界的に注目を集め
州は、再生可能エネルギーの導入量拡大を
米国連邦エネルギー規制員会は、2011
ている。2012年7月に経済産業省がまとめた
目指し、2020年に供給電力量の33%を再生
年10月に、系統運用機関が運営する周波
5
大型蓄電池の導入促進に向けた課題
−費用対効果成立という壁−
「蓄電池戦略」では、2011年時点は5兆円
可能エネルギーとするという意欲的な目標を
数調整市場* において、設備容量あたりの
対効果成立」という大きな課題の解決が
強であった世界全体の蓄電池市場規模が、
掲げている。今後、この目標に向けて、太
固定価格と業績に応じた価格による二段階
必要である。
電池の評価方法を定めるための制度作りが
式 価 格 制 度 の 導 入を 義 務 付 ける制 度
カリフォルニア州の AB2514 では、3大ユー
Order755 を発令した。同制度では、市場
ティリティー会社に2020年の導入義務を課しつ
4
このため周波数変動や電圧変動などの系
ルールの詳細設計が各系統運用機関に委ね
つ、以下のような条件も同時に定めている。
上述のように、大型蓄電池の導入促進に
2020年には20兆円にまで拡大すると想定し、
陽光や風力などの出力が不安定な電源が大
このうちの50%を日本企業が獲得することを
量に導入される見通しとなっている。
目標としている。なかでも、送電系統や配電
別値差の獲得、および業務・産業需要家の
周波数調整市場での運用のみを目的とした
の削減目標や環境意識の高まりから、火力
大型蓄電池を取り巻く状況
場単価が下落することになろう。このため、
費用対効果向上に向けた
課題
行われている。蓄電池が容量市場に参入す
ることが認められれば、容量市場においてベー
スとなる収益を獲得しながら、周波数調整市
系統、および一部の需要家によって設置さ
統運用上の問題が生じることが懸念されてい
られており、これを受けてPJMは、機動的で
①各ユーティリティー会社は、CPUCによって
は、費用対効果の向上が必要であるが、そ
場など他の市場でも運用を行うことが可能と
れる大型蓄電池は、蓄電池市場の35%(約
るが、新たな送配電設備の建設によりこの
出力変動可能な蓄電池が、有利な評価を得
費用対効果が成立すると判断されたプロジェ
のためには、
「大型蓄電池のコスト低減」と、
なり、付加価値を高めることができる。
7兆円)を占めることが想定されており、こ
問題を解決することは、反対勢力が根強い
られる制度を導入した。
クトのみを実行できる
6
「大型蓄電池の提供価値向上」という両面に
カリフォルニア州においても、蓄電池の提
の分野に強い日本企業が国際的な競争力を
ため容易ではない。
具体的には、アンシラリーサービス* の一つ
②経済的・技術的問題などにより、費用対
よる対策が求められる。
供価値を最大化する運用方法・制度作りの
持って事業展開することが期待されている。
したがって、同州では、火力発電設備や
である周波数調整市場を、通常の調整リソー
効果のあるプロジェクトが実現できない場合、
まず、
「大型蓄電池のコスト低減」につい
ため、州政府、CPUC、3大ユーティリティー
一方、現状をみると、日本を含む多くの国・
系統設備の増強ではない、新たな対策が必
ス用のものと、即応性の高いリソース用に分
図表1における各年の導入量を、80%を上
ては、電池メーカーを始め、インバーターなど
会社、蓄電池メーカーやプラント保有・運営
地域において、大型蓄電池の導入は実証
要とされている。
けて運用している。即応性の高い周波数調
限に後ろ倒しにすることができる
の周辺機器メーカー、エンジニアリング・設
事業者などが、協議・検討を重ねている。
試験的なものに限られ、市場が十分に顕在
そこで、2010年9月、州政府はこれらの問
整市場に参入するには、PJMが設けたテスト
③蓄電池のみが対象ではなく、小型の揚水
置工事事業者、プラントの保守・運営事業
例えば、CPUCは、蓄電池の有効利用方法
化していない。そこで、本稿では、今後の
題解決に向けて AB2514 という州法を施行
をクリアする必要があり、蓄電池のように機動
発電や圧縮空気蓄電システム、蓄熱ストレー
者などの各プレイヤーが密に連携をとり、一
を明らかにするために、有識者や関連プレイヤー
国内外における大型蓄電池市場の拡大に
した。同法では、州内の3大ユーティリティー
的で出力変動が可能でなければ参入は難し
ジなども義務量に算定できる
貫したシステムとしての価格低減を図ることが
を集めたワークショップを開催し、蓄電池の
向けた示唆を得るべく、先進市場である米
会社であるサザン・カリフォルニア・エジソ
くなっている。このため、2013年末現在では、
これらの条件を勘案すると、大型蓄電池
重要である。電池メーカーによる電池モジュー
設置場面別の利用方法を公表する活動を実
国の状況を取り上げ、大型蓄電池関連制度
ン社(SCE)
、パシフィック・ガス・アンド・
同市場に参入しているリソースのほぼ全量が
の導入が進展するためには、蓄電池の費用
ルのイノベーションなど大幅なコスト低減は大
施している。
と市場概況、および今後の市場拡大に向け
エレクトリック・カンパニー(PG&E)
、および
蓄電池であり、通常の周波数調整市場に比
対効果の向上が必須の課題となる。このため、
いに期待をするところではあるが、一足飛び
以上のように、大型蓄電池については、世
た課題について述べる。
サンディエゴ・ガス・アンド・エレクトリック
べ、2倍前後の単価が支払われている。
今後数年内には、カリフォルニア州においても、
の改善は必ずしも容易ではなく、各プレイヤー
界的な先進市場においても、市場拡大に向け
(SDG&E)に対して、蓄電設備の導入を義
以上のような制度を背景に、2013年末現
その導入は限定的とする見方をする市場関
の連携の中で、システム全体としての技術改
た手探りの取組みがなされている状況にある。
務 付 け ている。また、2013年9月に は、
在、PJM管内では、数十MW超の大型蓄
係者も多い。
善や量産投資の最適化など、堅実で継続的
今後、各ステークホルダーの密な連携により、
CPUC* が、2014年∼2020年の3社ご
PJM管内の周波数調整市場用途の蓄電
な取組みが望まれる。
コスト低減と提供価値向上が図られ、米国先
との導入義務量を定めた(図表1参照)
。 図表1:AB2514 各社の導入義務量
それによると2020年までの導入量は、
池については、既に商業的運用が行われて
次に、
「大型蓄電池の提供価値向上」の
進市場を始めとし、日本を含む世界各地にお
いるプラントもあり、費用対効果の成立した
ためには、蓄電池の性能を最大限に発揮し、
いて大型蓄電池の普及が進むことを期待する。
2
米国における大型蓄電池関連
制度と市場概況
4
米国では、広大な国土の地理的特性に
1
加え、州政府の規制や系統運用機関* の管
轄によって電力市場の様相が大きく異なって
合計1,325MWと大規模なものとなっ
蓄電池市場が一定程度は存在しているとい
複数の価値提供を実現できるような運用方
おり、大型蓄電池に関しても特定の地域に
ている。現在、日本企業を含む、世
える。しかし、そもそも周波数調整市場の必
法の開発と適切な市場ルールの制定が必要
おいて市場が形成されている。ここでは、先
界中の多くの関連事業者が、3社に対
要容量は小規模なものであり、PJMでは
となる。
進的な取組みがなされているカリフォルニア州
して、種々の蓄電池プロジェクトについ
600MW∼800MW程度である。これに対して、
上述したようにPJM管内では、周波数調
ての提案を行っているところである。
既に数十MW以上の蓄電池が即応性の高
整市場における価値のみを目的とした蓄電池
であるPJM管内* の状況を紹介する。
2)PJM管内の状況
いリソースとして運用されているため、今後、
の運用では、十分な価値を得ることが難しい
1)カリフォルニア州の状況
PJM管内においても同様に、蓄電
数MW∼数十MWクラスの大型蓄電池が複
ことから、一部の蓄電池関連事業者は、当
現在、カリフォルニア州は、電力需要が増
池導入を必要とする状況にあるものの、
数件導入されれば、同市場への参加容量
該市場での運用に加えて、その他のアンシラリー
加し続けている一方で、多くの老朽化した発
その深刻度はカリフォルニア州に比べ
は急増し、現在優位な水準を保っている市
サービスとしての活用や、電力価格の時間帯
2
と米国最大の独立系統運用機関(ISO)*
3
02
*1 送電網の運用・管理を行う機関
*2 非営利組織であり、送電網の所有権は電力会社にある。
ISOを広域化したものが地域送電機関(RTO)
*3 PJMは米国を代表するRTOの一つで、ペンシルバニ
ア州、ニュージャージー州、メリーランド州の頭文字をとっ
たもの。現在は全米13州とワシントンDC地域を管轄して
いる
*4 California Public Utilities Commission:カリフォルニ
ア公共ユーティリティー委員会
*5 需要と供給を一致させ、周波数を安定的に維持する
サービスを取引する市場
*6 電気の質(周波数や電圧)を保つためのサービス。米
国連邦エネルギー規制委員会では6項目に分類している
03
NRI K NOWLEDGE INSIGHT
2014 MAR. VOL.33
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日本国内における着床式洋上風力発電を
取り巻く市場環境
中村圭輔
1
3
NRIアジア・パシフィック 副主任コンサルタント
風力発電市場における
洋上風力発電の位置づけ
また、風力タービンの業界構造に着目す
活発化する一方で、日本国内においては
上風力発電では、事業性が期待できない。
加えて、大規模ファームになればなるほど、
原子力発電所の立地地域は、洋上風力
ると、陸上風力発電ではスズロン・エナジー・
依然不透明な状況にある。現在日本国内
なぜならば、着床式では、大型かつ波や
今度は送電網への系統連系の問題が顕在
ファームの整備地域として有望である。地
リミテッド(印)やゴールドウインド(中)
、
においても複数の洋上風力発電所が稼働
潮による揺れに耐えうる専用設計の風力ター
化してくることも予想される。着床式洋上
方自治体や地元住民にとっても、洋上風力
先行する欧州はもとより、最近は日本国
ユナイテッドパワー(中)などの新興国メーカー
しているが(図表1)、そのほとんどが
ビンが必要となるために設置コストが嵩むこ
風力ファームの開発可能海域もその制限を
ファームの整備・運用は、原子力発電所
内においても洋上風力発電への関心が高
が存在感を強める一方、洋上風力発電で
小規模、かつ海岸沿いや桟橋沿いに設置
とに加え、また、海底ケーブル等の敷設や
受けることとなろう。
に代わる新たな産業となり、地域を活性化
まってきている。
はシーメンス(独)とヴェスタス(デンマーク)
3
された* 着床式である。一方、洋上風力
メンテナンス船も必要となるからである。そ
し、雇用を創出すると期待されている。そ
風力発電は太陽光発電に続く再生可能
の寡占状態にあるのが現状である。いまだ
の本格的な普及に向けて、政府補助金を
のため、風力タービンを数本並べた小規
エネルギーとして期待されており、2012年
技術課題も多く残され、一定の参入障壁も
活用した実証実験も推進されており、
模発電所が多い陸上風力発電とは異なり、
4
時点における全世界での風力発電の導入
存在している。しかし、2013年9月には三
2013年11月には福島沖の浮体式洋上風力
着床式では大型の風力タービンを数10∼
最近、着床式洋上風力発電の本格的な
その中でも多くのプレイヤーが注目するのが
量は、単年で約45GW、累積で約283万
菱重工業がヴェスタスと洋上風力発電に特
が運転を開始したところである(図表1)
。
数100本単位で並べる大規模ファームとな
導入に向けた起爆剤となり得る動きが出始
台湾市場である。台湾は世界有数の風資
GWにまで達している。ただし、そのほとん
化した合弁会社の設立を発表するなど、日
このように、洋上風力発電は浮体式と
ることが前提である。必然的に巨大投資
めている。その一つが、FIT価格の引き上
源を備える台湾海峡に面しており、台湾政
どが陸地に設置されたいわゆる陸上風力
系メーカーや現代重工業等の韓国メーカー
着床式の2タイプがあるが、前者がまだ
が必要となり、参入可能なデベロッパーは
げである。2014年3月、経済産業省・ 資
府も政策方針として洋上風力発電の導入を
発電であり、海洋中に設置される洋上風力
もこの有望市場への参入を虎視眈々と狙っ
研究開発段階にあるのに対し、後者は既
基本的に資金力のある大企業に限られる。
源エネルギー庁の調達価格等算定委員会
推し進めようとしている*8。しかしながら、
発電の導入量は、同年時点において単年
ており、今後競争環境が激化することは想
に商業化に近い局面にある。
二つ目として資金調達の問題がある。現
において、2014年度のFIT制度の最終案
中国や韓国と異なり、台湾は重電や造船な
で約1.3GW、累積で約5.4GWに留まって
像に難くない。
現時点において日本政府は洋上風力発
在、着床式の開発に対する融資に対して
の取りまとめが行われ、その結果、新設す
どの重工業の産業基盤が脆弱であり、有
1
いる* 。しかし、欧州においては、イギリス
着床式洋上風力発電の
本格的な導入に向けた起爆剤
の意味でも連携の意義は大きい。
もう一つは、周辺国市場への参入である。
国内金融機関は非常に慎重な姿勢をとっ
る洋上風力発電の価格は36円に設定され
力な現地企業も少ない。そのため、日系企
が、複数のデベロッパーは既に洋上風力
ている。その理由としては、陸上風力発電
る見込みである。
業にとっては有望な市場になりうるのである。
ファーム(発電施設)の開発が進められて
2
電の将来的な導入目標を明示していない
日本国内における
洋上風力発電の現状
発電ファームの開発計画を発表している
事業における、これまでの失敗体験* に因
また、SEP船への投資の動きも出てきた。
四方を海に囲まれた世界有数の海洋国
おり、洋上風力発電市場は今後本格的な
前述のようにグローバルでは欧州を中
(図表2)。実現性の高いものを足し合わ
るところが大きい。それが、投資規模が大
2012年11月に、鹿島建設と新日鉄住金エ
家である日本において、洋上風力が将来
拡大が期待される。
心に洋上風力発電を取り巻く市場環境が
せ る と、2020年 断 面 に お い て 累 積
きく、不確定リスクが多い洋上風力となれ
ンジニアリングの2社は洋上風力発電施設
的に高いポテンシャルを秘めていることは
400MWを超える見通しであり、その中
ばなおさらである。
の共同施工体制の検討を開始すると発表し
異論の余地はない。しかしながら、その中
2
のRound3プロジェクト* を筆 頭に大 規 模
図表1:日本国内の洋上風力発電所及び実証実験の概要
発電所名
場所
企業名
発電能力
運転開始年
周辺環境
水深
距離
7
でも最大の計画となるのが丸紅とウイン
三つ目は、SEP船* の問題である。着
たが、その中で、SEP船の共同保有の可
で着床式洋上風力が如何ほどの存在感を
ド・パワー・エナジーによる鹿島港沖の
床式洋上風力の設置作業においては、
能性についても言及している。
発揮できるかはいまだに不透明であり、状
プロジェクトである。現在の計画では約
SEP船と呼ばれる特殊な船舶を使用するの
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250MW(5MW×50基 ) の 発 電 能 力 を
が一般的であるが、現在日本国内に3隻し
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予定しており、2017年の稼働を目指し
か存在しない。市場が活況な欧州におい
5
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2013ᖳ
12m
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ている。
ても需給が逼迫した状況が続いており、こ
最後に、着床式洋上風力発電のポテン
化を受けて、潜在的なプレイヤーを含め、
NEDO䚮J-Power
㻕㻑㻓㻰㻺
2013ᖳ
14m
㻔㻑㻖㼎㼐
の船の確保に関しては、日本国内あるいは
シャルを最大限に引き出すためのアプロー
業界がどのような動きを見せるのかについ
㻕㻑㻓㻰㻺
2013ᖳ
100-150m
㻖㻓㼎㼐
近隣諸国から調達する以外に方法はない。
チを提案する。一つに、原子力発電所の
て注視していく必要がある。
㻕㻑㻓㻰㻺
2013ᖳ
96-99m
㻔㼎㼐
しかし、将来の市場見通しが不透明な状
立地地域との連携があげられる。2013年7
本稿では、着床式洋上風力に着目する。
況下において、SEP船への投資を判断す
月より再稼働申請が始まり、複数の原子力
ここではまず、着床式の導入を阻害する要
ることは容易ではない。
発電所において安全審査が進められている
因について整理する。一つ目は、事業性
その他にも、日本特有の障壁として漁業
ところであるが、現時点で政府は再稼働に
と投資規模の問題である。発電コストが高
権の問題がある。欧州各国においては、
関する定量的な目標の明示は避けている。
い 再 生 可 能 エネルギーは、FIT制 度 や
海域は国有である等、政府による一定の
もし原子力発電所が再稼働できなければ、
RPS制度* などの政策によるインセンティブ
調整力が働くが、日本ではそうはいかない。
その発電所向けの送電網の枠が空くことに
により事業性が担保されているが、現在の
この問題については政府や地方自治体の
なるが、着床式洋上風力発電はこうした枠
FIT制度における風力発電の調達価格は
協力を得ながら、地元の漁業協同組合と
を埋めることができ、設備の有効利用を図
地道に交渉するしか手はないだろう。
ることができる。再稼働の目途が立ちにくい
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図表2:日本国内における着床式洋上風力発電の主な開発計画の概要
プロジェクト
仮称
04
6
場所
企業名
計画内容
発電能力
着工年
運転開始年
総事業費
㮭ᓞ῿ἀ
Ⲁᇖ┬
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3
着床式洋上風力発電の普及を
阻む 壁
4
5
23.1円* である。この価格では着床式洋
況によっては、浮体式に重点がシフトする
着床式洋上風力のポテンシャルを
引き出すためのアプローチ
可能性すらある。その動向を見極めるため
には、新規FIT価格の導入などの環境変
* 1 GLOBAL WIND ENERGY COUNCIL(GWEC) の
「Global Wind Report 2012」より引用。
*2 英国で建設中の2,500万kWの風力発電所の名称
*3 海岸より非常に近距離の場所に設置された風力発電
所をオフショアと区別してニアショアと呼ぶこともある
*4 FIT:Feed-in Tarff(固定価格買い取り制度)
、RPS:
Renewables Portfolio Standard(電気事業者による新エネ
ルギー等の利用に関する特別措置法)
*5 20kW以上の風力発電の調達価格
*6 最近も複数の陸上風力発電所において風力タービン
の破損事故が連続して発生している
*7 SEP:Self Elevating Platform(自己昇降式台船)
*8 台湾の経済部は、洋上風力発電の累積導入目標とし
て、2020年600MW、2025年1,800MW、2030年3,000MW
という計画を発表している
05
NRI K NOWLEDGE INSIGHT
2014 MAR. VOL.33
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ASEANにおける不動産開発事業
∼鍵となる現地企業とのパートナリング∼
荒木康行
3
インフラ産業コンサルティング部 副主任コンサルタント
今後も有望な成長市場であることは変わらな
消費者が住むことを目的とした購入(実需)
設やオフィス開発には、不動産市場とし
地の情報ネットワークや交渉、入札対応、
②中長期的な視点でのパートナー選定
いだろう。しかし、中長期的にさらなる事業
である。つまり、実需の担い手となる中
ての成熟度が求められる。
許認可や各種手続きにおいて、現地企業
一般的にJVは開発案件ごとに組成され
成長を志向する場合、新たな成長市場への
間所得層、特に価格条件が見合う上位中
③黎明市場への参入の契機としてのサー
のノウハウや経験が不可欠となる。
るため、複数のパートナーと複数の案件
近 年、 日 本 の 不 動 産 事 業 者 による
拡大が必要であり、その結果、日系不動産
間所得層がどれほどいるかが非常に重要
ビスアパートメント
②差別化を志向する現地企業からの期待
を手掛けることも可能ではある。しかし、
ASEAN諸国や台湾といったアジア新興国・
事業者は、堰を切ったようにASEAN諸国や
である。
経済水準が比較的低い国や都市におい
日系不動産事業者とのJVに関心を示す
それでは、その都度、交渉や意思決定を
地域への進出が加速している。こうした動きは、
台湾へ進出したわけである。
実際、そのような価格水準と実需が見込
ては、現地消費者の購買力は限られる。
現地企業も多い。彼らが日系不動産事業
ゼロからスタートさせることが必要となり、
1
加速するASEAN 進出の
背景と狙い
そのため、日本人を含む外国人出張者や
者に求めているのは、付加価値である。
事業の長期化や、最悪の場合には事業の
出先となっている。具体的には、シンガポー
駐在員を対象とした、都心部や工業団地
例えば住宅開発の場合は、設計・デザイン、
破綻が起こりかねない。
しかし、ここ1∼2年で再び活発化している。
2
まれる国や都市が、日系不動産事業者の進
市場の発展段階と事業特性
に応じたエリア展開
ルやマレーシアのほか、中間所得層の規模
付近におけるサービスアパートメント開
高品質の内装・住宅設備、省エネルギー・
確かに、事業経験や市場感の蓄積のた
①市場の成長性と親和性
図表1に示す通り、日系不動産事業者に
が大きく今後の成長性が高いインドネシア
発が中心となる。
環境技術、施工の工期短縮といった点で
めに、引き合いがあった現地企業とJVを
ASEANが選ばれる理由の一つは、市場
よる開発アセットは多岐にわたる。しかし、
やタイ、ベトナムなどの大都市があげられ
同事業が展開されるのは、外国人の居
ある。国によっては、日本ブランドに対
開始してみることも一手ではある。しかし、
の魅力度にある。住宅や商業施設の開発事
進出国やアセットごとに事業判断の観点
る。さらに一つの都市の中でも、条件を満
住に適した住宅の供給が黎明期にある市
する期待もある。
当該国における持続的な事業拡大を志向
業においては、1人あたりGDPや中間・高
が異なるため、各国における事業機会は
たす地区は限られてくるため、そのような
場である。日系不動産事業者は、市場が
現地企業にとっては、そのような付加価
するならば、自社の条件を明確に設定し、
所得者層といった経済・消費水準の高さが
一様ではない。
地区を峻別する必要がある。
十分に開拓されていない段階から参入し、
値により、住宅の新規供給が集中する都市
中長期的に組み続けられる企業を丁寧に
重視される。2010年のJETRO推計による
①価格水準と実需が重視される住宅開発
②市場の成熟度が求められる商業施設・
事業経験を積むことで、将来的な分譲住
部においても差別化が可能となる。また、
選定し、彼らと継続的に事業を行ってい
と、2020年におけるASEAN主要5カ国(イ
現在ASEANに進出している日系不動産
オフィス開発
宅などへの事業拡大の布石と位置づけて
地価が上昇する中、付加価値分により住宅
くべきであろう。
ンドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、マレー
事業者の多くは、分譲住宅(集合住宅)
シンガポールやマレーシア、台湾といっ
いると推察される。
販売価格を高く設定することで、取得する
③自社提供価値の提案と共有
シア)の中間所得層(世帯可処分所得5,000
の開発事業を展開している。ここで重要
た成熟度が比較的高い国では、商業施設
用地の選択肢を広げることができる。
現地企業側も、先述したように、協業を
現地企業が既に所有している優良地は
打診してくる相手がどのような付加価値を
自社で開発する意向が強いが、それ以外
提供してくれるかを見極めている。有力な
1980年代から90年代前半にも見られたが、
その後ほとんどが下火となり、停滞していた。
ドル以上35,000ドル未満)は約3.9億人となり、
視されるのは、住宅の販売価格水準である。
やオフィス、ホテルといった賃貸・運営
富裕層(同35,000ドル以上)は5,000万人
日本で販売している主流の価格帯と同程
型の事業も展開されている。
3
以上となる見込みである。
度、または少し下回る程度(1戸あたり数
日系不動産事業者が開発する商業施設
日系不動産事業者がASEANで事業を行
では日系不動産事業者との協働に前向き
現地企業ほど、具体性を求めてくるため、
もう一つは、日系企業にとって、事業の相
千万円台)が要件となる。それよりも低
は、主に上位中間所得層から富裕層をター
う場合、少なくとも参入初期においては、
な企業も現れている。
日系不動産事業者は、自社のノウハウや技
対的な行いやすさである。ASEANの多くの
いとコスト面で現地企業に太刀打ちでき
ゲットとしている。加えて、開発後すぐ
デベロッパーなどの現地企業との合弁(JV)
ローカルパートナーとの
JV開発
術、ブランド力などの提供価値を明確にし、
国において、日本は輸出入額の上位国であ
ない。また、日系不動産事業者による高
に売却する分譲住宅と比べ、商業施設は
が基本となる。
り、直接投資額でも日本が3∼5割を占める
品質、高機能な住宅は、低価格住宅の購
一定期間所有した後売却することを想定
①現地企業が有する用地取得機能の獲得
4
国が多く、経済的な結びつきが非常に強い。
買層には訴求しにくい。
しているケースが多い。したがって、不
JVにおいて現地企業に期待する主要な
①パートナー探索の早期開始
営者同士が行うため、ビジョンや価値観に
また、インドネシアのように日本が最大の
そのため、日系不動産事業者がターゲッ
動産市場の流動性や透明性が重視される。
機能は、用地の取得である。
日系不動産事業者から見ると、パート
対する共感が必要である。そのため、経営
ODA供与国となっている国もあり、政治的な
トとする価格帯の住宅に対し、一定の需
オフィスについても一定の賃料水準とそ
元から広大な用地を所有している現地企
ナーとして有望な現地企業は限られてく
理念や事業方針、開発コンセプトなどをい
関係性も深い。
要が存在することが必要となる。富裕層
の安定性が肝要となる。ゆえに、商業施
業もおり、そこを共同開発する場合もある。
る。さらに、シンガポールや韓国、中国、
かに分かりやすく伝達できるかが重要となる。
②成長市場としてのチャイナ・プラスワン
や海外投資
他方、新規で取得する場合の多くは、地主
香港などの企業も、ASEANにおける事業
注目が高まるASEANでの不動産開発事
や民間企業などとの相対取引が一般的であ
展開に注力しているため、パートナーの
業の成否は現地企業とのパートナリング
る。現地の外資系不動産仲介会社等から取
獲得競争は激化しつつある。
にある。それゆえ、パートナーの探索に
得することも考えられるが、その場合は、
実際、ある不動産事業者からは、例え
早期に着手するとともに、選定や交渉プ
割高なこともある。いずれのケースにおい
ばシンガポールでは既に主要な現地企業
ロセス自体は、明確な基準や条件に基づ
ても、特に大都市では優良地の取得競争が
を他社に押さえられているため、後発で
き、時間をかけて慎重に行うことが極め
激化しているため、先述したような日系不
は有力パートナーを獲得することが難し
て重要である。
動産事業者が希望する条件に合致する用地
いといった声も聞かれる。他国でも同様
取得は、現地企業なしには難しい。
の事態にならないためには、早期の探索
そのため、日系不動産事業者には、用
開始が必要である。
近年進出が加速しているもうひとつの理由
家などによ
として、中国市場への集中リスクが顕在化し
る投資目的
たこともあげられる。
の購入比率
これまで日系不動産事業者は、中国を成
が高い国も
長市場として位置づけ、住宅や商業施設の
あ る が、 多
開発などを集中して行ってきたが、2012年以
くの国にお
降の日中関係の冷え込みが、その展開をや
いて中心と
や鈍化させることになった。
多くの日系不動産事業者にとって、中国は
06
な る の は、
やはり現地
図表1:日系不動産事業者のアジア新興国(ASEAN・台湾)における不動産開発事業
ベトナム
•三菱地所:住宅、商業施設開発(2010年)
•東京急行電鉄:住宅・都市開発(2012年)
•ダイビル:オフィスビル取得(2011年)
台湾
•大京:住宅開発(2011年)
•パナホーム:住宅設計・建築請負(2010年、2012年)
•三井不動産:商業施設開発(2013年)
•三菱地所:オフィス・商業施設・ホテル開発(2013年)
タイ
•積水化学工業:住宅建築請負(2009年)
•三井不動産:住宅開発(2013年)
フィリピン
•オリックス:ホテル・オフィス・住宅開発(2011年)
•三菱商事:住宅開発(2013年)
カンボジア
• タマホーム:サービスアパートメント開発(2013年)
マレーシア
•三井不動産:住宅、商業施設開発(2012年、2013年)
•三井物産:都市開発(2013年)
シンガポール
•三井不動産:ホテル、住宅開発(2008年、2012年)
•三菱地所:住宅、オフィス開発(2011年、2012年)
•積水ハウス:住宅、商業施設開発(2011年)
•三井物産:オフィス開発(2012年)
インドネシア
•東急不動産:住宅開発(2011年)
•トヨタホーム・豊田通商:サービスアパートメント開発(2013年)
•マリモ:サービスアパートメント開発(2012年)
•三井不動産:住宅開発(2013年)
注1:工業団地、物流施設、不動産投資・運用、仲介・管理、建設、小売事業者等は除く
注2:年数は、事業の発表年
出所:各社公表資料、各種報道資料より作成
パートナー獲得へ向けた
留意点
魅力的にアピールする必要がある。
また、交渉や意思決定は、最終的には経
参考文献:共著「拡大するASEAN市場における不動産事業
者の成長戦略と課題」『知的資産創造』2013年9月号
07
NRI K NOWLEDGE INSIGHT
2014 MAR. VOL.33
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3
建設費の値上がりとその影響
大道 亮
1
インフラ産業コンサルティング部 副主任コンサルタント
足下での建設費の動向
∼労務費は急騰、資材費も上昇∼
2
がり傾向にある。代表的な資材であるH形
建設費の値上がりの要因
未整備部分の工事に拍車がかかるとみられ
鋼・等辺山形鋼の取引価格は直近1年間
る。また、首都高速1号羽田線など老朽化
でそれぞれ約18%・約12%上昇している。
が進んだ高速道路の改修や掛け替えなど
4
ことになろう。それを見越し、今後5、6年ほ
2020 年以降に備えた長期
的視野での対応策が必要
どの期間を人材育成に充ててはどうか。特に、
外国人社員の育成を推進することを勧めたい。
1990年代半ばから減少傾向にあった建
①労務費∼供給過多から需要過多へ∼
その理由として、復興需要などによる需要増、
も加速するであろう。さらに、国土交通省
①民間側(ゼネコン業界)
ゼネコン各社は2000年代に内需が縮小す
設投資が2011年度以降回復傾向に転じた
日本の建設投資額は1992年度にピークを
円安による原材料費の値上がりが影響して
は空港や駅周辺など人が多く集まる場所付
建設費の値上がりはゼネコンの業績に影
る中でグローバル展開を志向したが、法制
ことで、国内建設業界は活況を呈している。
迎え、政府・民間あわせ約84兆円であった。
いると考えられる。
近の国道や都道の電線地中化を推進する
響を与えている。スーパーゼネコンの2013年
度や商習慣の差が壁となり、多くの企業が
一方で、建設費の原価のうち大半を占める
その後、財政悪化に伴う公共工事の絞り込
度上期決算を見ると、大林組、鹿島建設が
失敗を経験した。その失敗を踏まえ、現地
労務費や資材費が急激に値上がりし、関連
み、景気減速による民間投資の減少により
鉄道関連では、ゆりかもめの延伸や地下
営業減益、2014年3月期についても、大成
の言語・商習慣を熟知し、かつ、日本品質
事業者に見過ごせない影響を与えている。
約42兆円まで減少した(2011年度)
。建設
3
方針を示している。
鉄東京8号線(豊洲∼住吉間)の整備計
建設を加えた3社が営業利益見通しを下方修
を達成できる人材を育成できれば、海外事業
国土交通省および農林水産省は、公共
業許可を得ている事業者数は、1999年度
では、建設費の値上がりはいつまで続く
画の前倒しが検討されている。成田と羽田
正した。ゼネコンは人材が逼迫する中で業績
の推進役として期待できるのではないだろうか。
工事の積算に用いるための指標として「公
を境に減少に転じた。しかし、2011年度時
のか。
両空港を結ぶ「成羽線」についても前倒し
改善を図るため、選別受注を開始し、その結
②公共側
建設費の今後の見通し
共工事設計労務単価」を公表している。こ
点で建設投資額がピークから5割以上減少
需要側に大きな影響を及ぼす要因として
を求める声が上がっている。
果、公共工事では予定価格と応札価格の乖
一方、行政は予算制約が厳しさを増す。
れは公共事業に従事した建設労働者に対す
したのに対し、事業者数は2割弱の減少に
は、第一に大震災の復興需要が挙げられ
そして空港関連では、羽田の国際線枠を
離が大きく、不調になる例が相次いでいる。
学 校の耐 震 化など緊 急 性を要する工 事
1
る賃金の支払い実態にもとづき、概ねの労
とどまった* (図表1)
。建設業就業者数を
る。2014年1月現在、被災地では防災集
拡大するために5本目の滑走路(E滑走路)
そもそも、ゼネコンが応札しない事例も散見
と、五輪後に後回しにできる工事とを峻
務費を都道府県別・職種別に算出したもの
比較しても、最盛期(1997年度)の3割弱
団移転先の土地造成や一部の住宅再建が
を新設する構想が持ち上がっている。
され、この流れは今後も続くと考えられる。
別し、選択と集中を一層進める必要がある。
2
である。調査対象が公共工事に限られるこ
の減少にとどまっていたため* 、常に事業者・
進行しているが、今後、住宅(自立再建
加えて、湾岸部のインフラ整備を見越し、
では、このような市場環境において、ゼネコ
その際には、公共工事は民間工事に比べ
とから、市場価格を正確に表しているとは言
就業者が余る供給過多の状況にあった。業
住宅/災害公営住宅)の建設が本格化し、
マンションや商業施設の開発が勢いを増す
ン各社は、人材の問題に対してどう対応すべきか。
割高になりやすいことからも、PPP/PFI*4な
えないが、大体の傾向は把握できる。
界内では熾烈な価格競争が起こり、結果と
併せて公共施設や商業施設の建設が行わ
と予想される。
まずは、この環境変化を好機ととらえ、建
どの枠組みを活用して施設整備を行うことも
労務費について過去15年程度の動向を
して建設業就業者の所得水準の低下をまね
れる見通しである。
いずれも検討段階であり、どの程度実施
設業界全体の課題解決に取り組む時期と位
重要となるだろう。
見ると、1998年頃をピークに減少傾向が続き、
いた。さらに若者が同業界の待遇の悪さを
震災復興予算は2011∼15年度までの5
されるか定量的な評価は困難であるが、少
置づけることを提案したい。具体的には、
また、人材の確保・育成の問題に関しては、
2011年に底を打った。その後、2012年から
忌諱したため、就業者の高齢化が進行する
年間で25兆円の枠が確保されている。しかし、
なくとも2020年までに首都圏で数兆円以上
業界の抱える構造的な問題、すなわち重層
政府も対策に乗り出した。具体的には、国土
3
13年にかけて急激に上昇した。普通作業員
という悪循環に陥った* 。
合意形成や各種調整に時間がかかることか
の建設投資押上げ効果があると考えられる。
的な下請構造の是正、およびグローバル人
交通省が、若い技術者を工事に関与させる
を例に取ると、全国平均で約17%値上がり
しかし、大震災の発生により建設業界の
ら、2013年度現在、復興事業の進捗が遅
第三の要因として、現政権の掲げる国土
材の育成が挙げられる。
企業を入札で優遇したり、最長3年に限り外
している。都道府県別では、岩手・宮城・
環境は一変する。被災3県を中心にインフラ
れている自治体も存在する。残り2年間で全
強靱化政策が挙げられる。最終的に明文化
建設業界では労務などの需給調整がしや
国人を受け入れられる技能実習制度を拡充し
福島の東日本大震災の被災3県で約28%、
整備や除染などの復興需要が生まれ、一気
ての事業が完了するとは考えにくい。期間
はされなかったものの、自民党内では、10
すいこと、専門化の進展により作業効率が
たりすることで外国人労働者数を増加させるな
茨城・群馬・栃木・埼玉・東京・千葉・
に「供給過多」から「需要過多」へと針が
が延長される可能性もあり、2016∼17年度
年間で200兆円規模の公共投資を推進する
上がることなどを理由として、いままで重層下
どの取組みを推進する方針を明らかにした。
神奈川・山梨の関東圏で約22%上昇した。
振れた。そのうえ、2020年東京オリンピック・
頃までは需要が押上げられると見て良い。
方針が掲げられていた。直近10年間の政府
請構造が黙認されてきたが、建設投資が縮
今後数年間は、建設費の値上がりの影響
パラリンピック(以
第二の要因として、2020年の東京五輪
建設投資額が合計約187兆円であったこと
小する環境下では労働生産性低下の原因と
を避けることはできない。だからといって対
下東京五輪とする)
開催が挙げられる。選手村や競技場など
を考えると、そのインパクトの大きさが分かる。
なった。重層化することで、連絡調整の手
症療法的に対応するのではなく、2020年以
の招 致 成 功、 国
の関連施設の事業規模は4,554億円であり、
以上のように、今後数年間は複数の要
間や諸経費が増大し、結果として人件費の
降を視野に入れ、民間、公共のいずれのセ
図表1:建設投資額と建設業許可業者数の推移
08
土強靱化政策など
これだけを見れば需要への影響は限定的
因が建設需要を押し上げる方向に作用する
圧迫につながった。それゆえ、この構造を
クターにおいても、上記のような戦略的な取
が需要を押し上げ
である。実際、東京都は既存の競技場や
と見られる。
是正することで労働生産性が向上し、一定
組みが求められる。
る追い風となった
施設の活用をセールスポイントの一つにして
一方、供給側に目を向けると、建設事業
程度、労務費上昇圧力を緩和することが可
ことで、
「需要過多」
招致活動を展開してきた。しかしながら、
者各社は人材の採用に力を入れているもの
能となるだろう。
がますます進んだ。
五輪開催を見越したインフラ整備の影響は
の、需要増加の速度には追いついていない。
当面は内需が盛り上がりを見せるが、前
②資材費∼需要
大きい。2020年というマイルストーンが置か
確保した人材の育成にはある程度の時間を
倒しでインフラ整備を推進する分、2020年以
増加と円安進行∼
れたことで、首都圏のインフラ整備が前倒
要する。したがって、今後数年間は需給バ
降の建設投資は再び減少傾向に入る可能
労務費に加え、
しで進められる可能性がある。道路関連では、
ランスが需要側に傾き、労務費が高い水準
性が高い。その時期に海外売上比率を一定
資材費もまた値上
外環道や圏央道などの三環状道路のうち、
で推移すると考えられる。
水準以上に高められれば、業績も安定する
*1 国土交通省「建設業許可業者数調査の結果について
(平成24年3月)
」より
*2 総務省「労働力調査」より
*3 建設業就業者は55歳以上が約33%、29歳以下が約
12%と高齢化が進行
*4 PPP(Public Private Partnership)
:官民連携。PFIを
より広くとらえた概念
PFI(Private Finance Initiative)
:公共事業に民間の資金・
技術などを活用して安価で上質なサービスを提供する手法
09
NRI K NOWLEDGE INSIGHT
2014 MAR. VOL.33
バックナンバーのご案内
3
Vol.22 2012年1月号
Vol.24 2012年5月号
「これからのICT・メディア市場で何が起こるのか」 「ヘルスケア産業を取り巻く環境変化と事業機会」
モバイル市場
∼スマホ普及の機会と脅威∼
北 俊一
ECの新潮流
田中大輔
コンテンツ配信市場の変化と影響
三宅洋一郎
電子書籍市場
前原孝章
ソーシャルメディア市場の隆盛
杉山 誠
ポストアナログ放送時代の映像サービス市場展望
寺田知太
Vol.27 2012年11月号
ヘルスケア産業を取り巻く環境変化
プライベートバンカーの信頼を取り戻すために
台湾を活用した日本企業の海外展開
山田謙次
米村敏康
田崎嘉邦
製薬産業を取り巻く環境変化と事業機会
OKINAWA J-Adviser「地域型」上場スキームを活用した地元経済振興
自由経済モデル区制度の狙いとその活用機会
松尾大輔
飯野正文
小長井教宏
介護サービス市場の現状と市場参入時のポイント
地域の構造変化に対応が求められる金融機関
∼エリアマーケティングアプローチの必要性∼
アジアスマートハブとしての台湾の活用
―製造業における台湾経由での中国・アジア新興国向け事業拡大―
堀内隆明
佐々木健一
高沢美恵子
新興国のヘルスケア市場での参入・成長戦略
梅澤幸平
ヘルスケア産業の新興国展開に関する政策動向
清瀬一善/小松康弘
ASEANの経済発展とHealth & Beauty市場の事業機会
高藤直子
ビッグデータビジネスの興隆と課題
Branch Insight
三星電子の次世代成長目標「グローバルB2B市場攻略」
鈴木良介
安重寅(アン ジュンイン)
日系非製造業における日台連携のメリット
平山直人
Vol.28 2013年1月号
「ICT 市場に新たな変革を創出するエンジン」
BtoC EC 市場
田中大輔
O2O(Online to Offline)市場とO2Oソリューション
伊部和晃
医療情報化に関する戦略・施策動向と期待領域
ビッグデータの活用が期待される5つの領域
工藤憲一
鈴木良介
Branch Insight
インド市場への進出
∼バイイングパワーの弱いマスマーケットに集中せよ∼
金星樹(キム・ソンス)
Vol.25 2012年7月号
「新興国の変化を捉える∼事業機会の獲得に向けて∼」
台湾を活用した海外展開の優位性と課題
張 正武/田崎嘉邦
プライバシー保護法制の展望とパーソナルデータ活用の方策
小林慎太郎
3Dプリンタ は、日本に「21世紀の産業革命」をもたらすか?
寺田知太
韓国5 大グループの新事業推進戦略
Vol.23 2012年3月号
「インフラ関連業界の動向」
次世代電力システムの鍵を握るデマンドレスポンス
伊藤 剛
米国におけるデマンドレスポンスアグリゲータの現状と今後
佐藤仁人/滝雄二朗
急拡大する国内デマンドレスポンスの事業機会
加福秀亙
製造業の進出先として再評価されるフィリピン
水野兼悟
Branch Insight
韓国の5大グループの2012年における経営戦略
張朱希(ジャン・ジュヒ)
「ASEAN市場を読み解く」
消費市場としての注目度が高まるASEAN市場
倉林貴之
成熟化というキーワードで捉える 面 としてのASEAN
新美 佑
ASEAN主要5カ国の消費者の実像
八浪 暁
Health & Beauty業界における日系企業の取組み
高藤直子
長尾良太
「激動の時代を生き抜く自動車産業」
メカトロニクスを部品メーカーの競争力向上に活かす
皿田 尚
小林敬幸
M&Aによる事業拡大が本格化するインド
自動車の軽量化の進展と自動車産業の変化
中島久雄
藤田誠人
Vol.32 2014 年1月号
「ICT市場の新たな成長機会」
加速する個人・企業の3Dプリンター活用
光谷好貴
注目すべきラテンアメリカの発展
開発機能現地化の要諦
韓 相薫
岡崎啓一
M2M市場
小島健一
韓国自動車部品メーカーの事業変革の展望
金キョン煥/尹 明洙
Vol.26 2012年9月号
「構造変革に立ち向かう製造業」
小口敦司
荒木康行
Vol.29 2013年4月号
中国内需獲得のための経営戦略
樋詰伸之
日系デベロッパーにとっての中国不動産開発の課題
∼商業施設開発への対応∼
Vol.31 2013年10月号
現地企業とのパートナーシップ成功の鍵
崔 創喜
電力子会社改革のあり方
スマートコミュニティ
∼巨大都市開発市場の攻略に向けて∼
Vol.30 2013年7月号
「先駆的な取組みからみた金融機関の可能性」 「海外連携を強化する台湾」
中山太一郎
顧客のトータルカーライフ視点による
統合マーケティングの中国での展開可能性
変革が求められる日本の電機産業
趙 ケイ
岸本隆正/藤浪 啓
インドを活かしたサプライチェーン構築
マテリアルでグローバル競争に勝ち残るためには
中川隆之/中島崇文
日本企業がイノベーティブな開発現場をとり戻すための引き算改革
赤木 斉
ウェアラブル端末のインパクトと市場化への課題
坂本遼平
BtoC EC市場
田中大輔
社会保障・税の番号制度がもたらす影響と展望
小林慎太郎
クール・ジャパンの行方
∼世界は日本を再発見できるか∼
中林優介
EMS の活用による新興国向けモノ造りの課題と改革の方向性
池幡 諭
海外BtoB ビジネスにおける直販営業機能の確立
向井 肇
10
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コンサルティング事業本部のご紹介
常務執行役員 本部長
此本臣吾
執行役員 副本部長
村田佳生
パートナー
青嶋 稔
パートナー
雨宮正和
パートナー
太田一郎
パートナー
三
グローバル事業企画室
室長
松井貞二郎
コンサルティング事業推進室
室長
中島 済
名古屋オフィス代表
奥田 誠
大阪オフィス代表
武井基純
業務管理室
室長
鳥谷部史
経営コンサルティング部
部長
西川義昭
業務革新コンサルティング部
部長
森沢伊智郎
経営情報コンサルティング部
部長
村上勝利
IT 事業推進部
部長
高野裕康
グローバル製造業コンサルティング部
部長
近野 泰
インフラ産業コンサルティング部
部長
松本 哲
ICT・メディア産業コンサルティング部
部長
桑津浩太郎
消費サービス・ヘルスケアコンサルティング部
部長
中川 理
金融コンサルティング部
部長
宮本弘之
公共経営コンサルティング部
部長
立松博史
社会システムコンサルティング部
部長
神尾文彦
野村総合研究所ソウル
社長
崔 創喜
野村総合研究所(上海)有限公司
董事長(会長)
葉華
総経理(社長)
皿田 尚
同 北京支店
負責人(支店長)
梅 松林
野村総合研究所台湾有限公司
社長
張 正武
マニラ支店
支店長
高岡真紀子
野村総合研究所タイ
社長
水野兼悟
ノムラ・リサーチ・インスティチュート・インディア
社長
中島久雄
モスクワ支店
支店長
岩田 朗
ロシア代表
大橋 巌
理事・副センター長
松野 豊
コンサルティング事業本部
清華大学・野村総研中国研究センター
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2014 MAR. VOL.33
冨査雄
NRI KNOWLEDGE INSIGHT 2014年3月号 Vol.33
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