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129 - (4) 爬虫・両生類 ① 調査方法 a. 文献調査 爬虫・両生類
(4) 爬虫・両生類 ① 調査方法 a. 文献調査 爬虫・両生類の文献調査には以下の文献を用いた。 【爬虫・両生類】 <文献 A> 宮城県の両生類・は虫類(宮城野野生動物研究会, 2002) <文献 B> 鱒淵観音堂県自然環境保全地域学術調査報告書(宮城県, 1999) <文献 C> 河川水辺の国勢調査(ダム水源地環境整備センター, 2000) <文献 D> 中山間地域総合整備事業 東和地区(2004) 【両生類のみ】 <文献 E> 経営体育成基盤整備事業 桜場地区(2006) <文献 F> 経営体育成基盤整備事業 石森地区(2006) b. 現地調査 登米市に生息する爬虫・両生類の詳細を把握するため、定点調査 5 地域において、環境条件、時 期等を勘案し調査を実施した。なお、これらの調査地域以外で確認した種についても任意に記録し た。 ○ 調査実施日 秋季:平成 18 年 11 月 14~17 日, 平成 19 年 8 月 29~30 日 冬季:平成 19 年 2 月 19~23 日 春季:平成 19 年 5 月 8~12 日 夏季:平成 19 年 6 月 17~21 日 ○ 調査方法 <直接観察> 地域内を踏査して、成体、卵、幼生等を直接目視、捕獲、鳴き声により確認した種を記録する。 <夜間鳴き声調査(両生類)> 河川、水路、ため池などにおいて、夜間に両生類の鳴き声を聞き、確認した種を記録する。 ② 調査結果 調査した文献において記録されていた種は、爬虫類が 1 目 4 科 8 種、両生類が 2 目 6 科 13 種であっ た。人目につきにくいシロマダラ、タカチホヘビ、ヒバカリのほか、ハコネサンショウウオ以外は、登米市に 生息すると思われる種のほとんどを網羅している。 現地調査の結果、爬虫類は 1 目 2 科 6 種、両生類は 2 目 6 科 12 種が記録された。文献調査とあわせ ると、爬虫類は 1 目 4 科 8 種、両生類は 2 目 6 科 14 種となった。爬虫類の記録の多少は、天候や調査 頻度、調査ルート上で出会う機会の多少、目立ちやすさなどによって左右される。今回の調査では、各地 域での爬虫類の記録は少ないが、登米市では広く生息していると思われる。 現地調査で新たに確認された種は以下のとおり、1 種があげられた - 129 - 表Ⅱ-5-3. 爬虫・両生類目録 目名 科名 トカゲ サンショウウオ カエル 種名 トカゲ ニホントカゲ カナヘビ ナミヘビ ニホンカナヘビ アオダイショウ シマヘビ クサリヘビ サンショウウオ ジムグリ ヒバカリ ヤマカガシ ニホンマムシ クロサンショウウオ トウホクサンショウウオ ハコネサンショウウオ イモリ ヒキガエル アカハライモリ アマガエル アカガエル ニホンアマガエル ウシガエル タゴガエル ニホンヒキガエル (アズマヒキガエル) (トウキョウダルマガエル) ツチガエル ニホンアカガエル アオガエル ヤマアカガエル シュレーゲルアオガエル カジカガエル 文献 現地 調査 調査 学名 Plestiodon japonicus Takydromus tachydromoides Elaphe climacophora Elaphe quadrivirgata Elaphe conspicillata Amphiesma vibakari danjoense Rhabdophis tigrinus tigrinus Gloydius blomhoffii Hynobius nigrescens Hynobius lichenatus Onychodactylus japonicus Cynops pyrrhogaster ○ ○ Bufo japonicus ○ Hyla japonica Rana catesbeiana Rana tagoi Rana porosa Rana rugosa Rana japonica Rana ornativentris Rhacophorus schlegelii Buergeria buergeri 3目 10科 22種 ・(宮): 宮城県レッドデータブック (2001), (環): 環境省レッドリスト(2006) [カテゴリー区分] NT: 準絶滅危惧, LP: 絶滅の恐れのある地域個体群 文献調査 A ○ B C D ○ ○ ○ ○ 現地調査 E F 大萱 大関 機織 平筒 長沼 任意 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 21 18 20 15 11 10 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 摘要 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ LP(宮), NT(環) NT(宮), NT(環) ○ NT(宮) ○ ○ ○ LP(宮), NT(環) ○ 3 3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ NT(宮), NT(環) NT(宮) ○ NT(宮) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 天然 7 6 4 7 5 14 ・天: 天然記念物 ・外: 外来種 a. ハコネサンショウウオ (サンショウウオ科) 大萱沢とその西側にある水沢川で多く確認された。捕獲された個体数の多さを考えると、登米市東 側の山地の渓流には普通に生息していると考えられる。 ③ 定点調査 5 地域における爬虫・両生類相の概要 【大萱沢地域】 大萱沢では、タゴガエル、カジカガエルとい った山地を好むカエルが確認された。ほかに、 アマガエルやシュレーゲルアオガエルといっ た平地のカエル類もいたが、個体数は多くな い。しかし、中流の集落付近ではニホンアマ ガエルとシュレーゲルアオガエルが一番目立 った。また、上流部では、春にトウホクサンショ ウウオの卵のうが集水枡内で確認された。ほ かにも、ゆるい流れのある浅い池や、止水部 でも確認されると思われる。 このような山間の水が溜まる場所は、サンシ 写真Ⅱ-5-7. ハコネサンショウウオ ョウウオ類やカエル類にとって重要な産卵場 所であり、またカエル類を好んで餌にするヘビ類や鳥類、またタヌキ、キツネのような哺乳類にとっても同 様に重要な場所といえる。現在のようなトウホクサンショウウオが生息できる環境を維持することは、同時に - 130 - 生態系全体を保全する上で重要である。 爬虫類の記録はないが、ヘビ類やトカゲ類も多く生息していると思われる。 【大関川地域】 大関川の上流部でも大萱沢地域同様にトウホクサンショウウオの卵のうが確認された。確認された場所 は、わずかに水が流れている程度の沢の水溜りであった。このような環境は周辺地域にも多くあり、個体 数も多いものと思われる。また大関川そのものでは、中流から上流部にかけてカジカガエルが多く生息し、 鳴き声を至るところで確認した。 また、魚類調査時に大関川中流部でアカハライモリを確認した。本種は、環境省レッドリストでは絶滅危 惧Ⅱ類となった種で、近年個体数が減少しているといわれている。基本的には、早い流れの川には生息 しないので、周辺の水田に生息していた個体が、たまたま川に落ちたか、上流から流されてきたと思われ る。 カジカガエルが生息するような川の中流から上流部、またサンショウウオが産卵するような場所は水量 も多くなく道路などからも距離が近いことから、その上流で大規模な伐採や開発が行なわれた際に、影響 を受けやすく、生息環境に配慮した土地の利用が望ましい。 爬虫類はカナヘビのみの確認となったが、他のヘビ類も多く生息していると思われる。 【機織沼地域】 機織沼周辺の水田では、ニホンアマガエ ルやシュレーゲルアオガエル、トウキョウダ ルマガエルなどカエル類が多く生息してい た。これは、水田を中心とした環境の生態 系が保たれているためといえる。特に、環境 省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類となったトウキ ョウダルマガエルが多く確認された。本種は、 主に水田に卵を産むが、成体になっても水 辺からあまり離れないので、水田の減少と 共に個体数が減少しているといわれている。 さらに指に吸盤がなく、コンクリート護岸され た高さのある用水路では落ちると這い上が れないため、これも減少の原因といわれて 写真Ⅱ-5-8. シュレーゲルアオガエル いる。水田の整備等に際しては、用水路に スロープをつけるなどの配慮が必要である。 機織沼本体では、ウシガエル以外確認できなかった。これは、他のカエル類の捕食者であるウシガエ ルやオオクチバス、カムルチーなどが生息しているためと思われる。 爬虫類の記録はないが、ヘビ類やトカゲ類も多く生息していると思われる。 - 131 - 【平筒沼地域】 平筒沼本体でもウシガエル以外のカエル類はほとんど確認されなかった。しかし、平筒沼の東側にある 水田ではアマガエルやシュレーゲルアオガエルのほか、平野よりも山地を好む傾向のあるニホンアカガエ ルおよびヤマアカガエルが確認された。全体的に個体数も他調査地域より多く、種数も一番多かった。こ この水田は整備がまた進んでおらず、用水路には産卵された多くの卵塊を確認することができた。 この水田の上流部には、いこいの森の 湿地があり、そこではトウホクサンショウウオ の卵のうが確認された。周辺の環境は安定 しており、水源が枯渇しない限りここの個体 群は維持できると思われる。しかし、下流 部の水田ではアメリカザリガニが大量に発 生しており、それらが産卵場所に侵入する ことがあれば、短期間のうちにトウホクサン ショウウオは駆逐される恐れがある。 爬虫類は、平筒沼北側でジムグリの轢 死体が確認されただけだが、他のヘビ類 やトカゲ類も多く生息していると思われる。 写真Ⅱ-5-9. ニホンアカガエル 【長沼地域】 両生類は、ウシガエル以外ではアマガエルとシュレーゲルアオガエルの 2 種しか確認されなかった。こ れらの 2 種は個体数も少なく、長沼本体での生息・繁殖しているというよりは、その周辺の農耕地で主に 生息していると思われる。ウシガエルは、長沼周辺の用水路も含め、幼生が多数確認された。また、アメリ カザリガニの個体数も多く、沼本体のオオクチバスやカムルチーなどの捕食者の個体密度を考えても、他 のカエル類が生息できる環境は少ないと思 われる。外来種の個体数を抑えることが、長 沼に生息している在来のカエル類を保全す る上で一番重要である。 爬虫類は、長沼付近の路上でアオダイシ ョウとヤマカガシが確認されたのみであるが、 他のヘビやトカゲ類も多く生息していると思 われる。 写真Ⅱ-5-10. アオダイショウ - 132 - (5) 魚類・水生動物 ① 調査方法 a. 文献調査 魚類・水生動物の文献調査には以下の文献を用いた。 【魚類】 <文献 A> 河川水辺の国勢調査(ダム水源地環境整備センター, 2000) <文献 B> 中山間地域総合整備事業 東和地区(2004) <文献 C> 鱒淵観音堂県自然環境保全地域学術調査報告書(宮城県, 1999) <文献 D> 自然環境保全・再生活動企画運営業務報告書(特定非営利活動法人あぐりねっと 21, 2006) <文献 E> 経営体育成基盤整備事業 桜場地区(2006) <文献 F> 経営体育成基盤整備事業 石森地区(2006) 【水生動物】 <文献 1> 河川水辺の国勢調査(ダム水源地環境整備センター, 2000) <文献 2> 中山間地域総合整備事業 東和地区(2004) b. 現地調査 登米市に生息する魚類・水生動物の詳細を把握するため、定点調査 5 地域において、環境条件、 時期等を勘案し調査を実施した。なお、これらの調査地域以外で確認した種についても任意に記録 した。 ○ 調査実施日 平成 19 年 8 月 5 日, 11~12 日, 19 日; 9 月 3 日 ○ 調査方法 <直接観察> 河川または沼において、定置網、投網、刺し網、さで網、たも網、セルびんを用いて魚を採取し、 確認できた種を記録した。 ② 調査結果 文献により登米市内で記録されている種は、魚類が 8 目 13 科 36 種、水生動物が 5 目 10 科 13 種で あった。魚類では、オオクチバスやブルーギル、またカムルチーなど全体の 3 割が外来種であった。水生 動物ではエビ・カニの甲殻類が多く確認された。 現地調査の結果、魚類は 6 目 11 科 27 種、水生動物は 5 目 10 科 19 種が確認され、文献調査とあわ せると魚類は 8 目 15 科 44 種、水生動物は 6 目 12 科 25 種となった。 現地調査で新たに確認された種は以下のとおり、19 種があげられた - 133 - 表Ⅱ-5-4. 魚類・水生動物目録 目名 ニナ 科名 タニシ カワニナ モノアラガイ イシガイ ハマグリ ウナギ コイ モノアラガイ サカマキガイ イシガイ シジミ ウナギ コイ サケ 文献 現地 調査 調査 学名 マルタニシ Cipangopaludina chinensis laeta オオタニシ Cipangopaludina japonica ヒメタニシ Sinotaia quadrata histrica カワニナ Semisulcospira libertina チリメンカワニナ Semisulcospira reiniana ○ Semisulcospira 属 sp. Semisulcospira sp. ○ ○ ○ ○ ○ ○ NT(環) ○ ○ ○ Austropeplea ollula Radix auricularia japonica ○ サカマキガイ Physa acuta ○ Anodonta 属 sp. Anodonta sp. ○ ヌマガイ (ドブガイA型) Anodonta japonica ○ タガイ (ドブガイB型) Anodonta lauta ○ イシガイ Unio douglasiae douglasiae ○ タイワンシジミ Corbicula fluminea fluminea ○ ヤマトシジミ Corbicula japonica ○ ○ マシジミ Corbicula leana ○ ○ Corbicula 属 sp. Corbicula sp. ウナギ Anguilla japonica ○ コイ Cyprinus carpio ○ ○ ○ ○ ゲンゴロウブナ Carassius cuvieri ○ ○ ○ ○ ギンブナ Carassius auratus langsdorfii ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ NT(環) ○ ○ 外 ○ ○ ○ ○ ○ 外 NT(環) ○ NT(環) ○ ○ ○ ○ ○ Carassius 属 sp. Carassius sp. ○ ○ ○ Acheilognathus rhombeus ○ ○ ○ タイリクバラタナゴ Rhodeus ocellatus ocellatus ○ ○ ○ レンギョ (俗称) Cyprinidae sp. オイカワ Zacco platypus ○ カワムツ Zacco temminckii ○ ソウギョ Ctenopharyngodon idellus アブラハヤ Phoxinus lagowskii steindachneri ○ ○ ○ ○ ○ ウグイ Tribolodon hakonensis ○ ○ ○ ○ ○ モツゴ Pseudorasbora parva ○ ○ ○ ○ ビワヒガイ Sarcocheilichthys variegatus microoculus ○ ○ Sarcocheilichthys 属 sp. Sarcocheilichthys sp. ○ ○ ○ ○ ○ EN(環), 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ 外 ○ ○ ○ ○ ニゴイ Hemibarbus barbus ○ ○ ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus ○ シマドジョウ Cobitis biwae ○ ホトケドジョウ Lefua echigonia ○ ギギ ギバチ Pseudobagrus tokiensis ○ ナマズ ナマズ Silurus asotus キュウリウオ ワカサギ Hypomesus nipponensis アユ サケ アユ Plecoglossus altivelis altivelis ニジマス Oncorhynchus mykiss ギンザケ Oncorhynchus kisutch ○ ヤマメ Oncorhynchus masou masou ○ ○ 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ カネヒラ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 外? ○ ○ ○ 外? ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ NT(宮), EN(環) ○ ○ ○ ○ ○ NT(宮), VU(環) ○ ○ ○ ○ ○ (一部)外? ○ ○ 外? ○ ○ 外 ○ 外? ○ エゾイワナ Salvelinus leucomaenis leucomaenis ○ カダヤシ Gambusia affinis ○ ダツ メダカ カジカ メダカ Oryzias latipes ○ カジカ Cottus sp. ○ カジカ (大卵型) Cottus pollux ブルーギル Lepomis macrochirus ○ オオクチバス Micropterus salmoides ○ コクチバス Micropterus dolomieu ○ マダイ Pagrus major ○ ウキゴリ Gymnogobius urotaenia マハゼ Acanthogobius flavimanus トウヨシノボリ Rhinogobius sp.OR ○ ○ ヌマチチブ Tridentiger brevispinis ○ ○ Rhinogobius 属 sp. Rhinogobius sp. ○ カムルチー Channa argus ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ ○ NT(宮), VU(環) ○ ○ ○ NT(環) ○ ○ 外 ○ ○ ○ ○ ○ 外 外 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ (環): 環境省レッドリスト(2007) [カテゴリー区分] EN: 絶滅危惧ⅠB類, NT: 準絶滅危惧, VU: 絶滅危惧Ⅱ類, LP: 絶滅の恐れのある地域個体群 ・外: 外来種 - 134 - ○ NT(環) ○ ○ ヒメモノアラガイ ○ 摘要 大萱 大関 機織 平筒 長沼 任意 ○ Pseudogobio esocinus esocinus タイワンドジョウ F ○ モノアラガイ ・(宮): 宮城県レッドデータブック (2001), 現地調査 E ○ Gnathopogon elongatus elongatus タイ ハゼ D ○ タモロコ サンフィッシュ C ○ ○ カダヤシ スズキ B ○ ○ カダヤシ カサゴ 文献調査 A カマツカ ドジョウ ナマズ 種名 ○ ○ 外 表Ⅱ-5-4. 魚類・水生動物目録(つづき) 目名 科名 種名 文献 現地 調査 調査 学名 文献調査 A ワラジムシ ミズムシ ミズムシ Asellus hilgendorfi hilgendorfi ○ エビ テナガエビ テナガエビ Macrobrachium nipponense ○ ○ ○ スジエビ Palaemon paucidens ○ ○ ○ 14目 スジエビモドキ Palaemon serrifer ○ ヌカエビ Paratya compressa improvisa ○ ○ アメリカザリガニ アメリカザリガニ Procambarus clarkii ○ ○ イワガニ モクズガニ Eriocheir japonicus ○ サワガニ 27科 サワガニ Geothelphusa dehaani ○ 49 ・(宮): 宮城県レッドデータブック (2001), C D 現地調査 E F 摘要 大萱 大関 機織 平筒 長沼 任意 ○ ヌマエビ 69種 B ○ ○ ○ ○ ○ ○ 不明 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 外 ○ ○ 47 34 ○ 16 13 10 11 8 5 ○ 12 21 17 23 9 (環): 環境省レッドリスト(2007) [カテゴリー区分] EN: 絶滅危惧ⅠB類, NT: 準絶滅危惧, VU: 絶滅危惧Ⅱ類, LP: 絶滅の恐れのある地域個体群 ・外: 外来種 a. レンギョ (俗称)(コイ科) 長沼では捕獲することができなかったが、過去に放流し現在も生息しているとの情報を頂いた。レ ンギョはコクレンとハクレンの両方を含む俗称で、長沼ではどちらが生息しているかは不明である。 b. ソウギョ (コイ科) 長沼では捕獲することができなかったが、過去に放流し現在も生息しているとの情報を頂いた。長 沼で繁殖はしていないらしい。 c. ホトケドジョウ (ドジョウ科) 登米市内の丘陵地にある小沢で生息を確認した。県北の分布ははっきりしていないが、極めて局 地的だと思われる。 d. ギバチ (ギギ科) 大関川で確認した。確認は 1 個体のみで、個体数は多くないと思われる。 e. ワカサギ (キュウリウオ科) 機織沼で確認した。個体数は多いが、過去に放流された可能性がある。 f. ニジマス (サケ科) 津山町の水沢川で確認した。近くのニジマス養殖場から逃げ出した個体の可能性が高い。自然繁 殖はしていないと思われる。 g. カジカ(大卵型) (カジカ科) 大関川上流部で確認した。春季の動物調査でも大関川上流部で卵塊を多数確認した。 h. ウキゴリ (ハゼ科) 平筒沼の近くにある水田の用水路で確認した。流れの緩やかな場所に生息する。個体数の多少は 不明であるが、本調査での記録は少ない。 - 135 - i. マルタニシ (タニシ科) 長沼上流側の河川で確認した。登米市内では普通に生息していると思われるが、近年関東地方や 瀬戸内海地方を中心に生息地が激減している。 j. ヒメタニシ(タニシ科) 伊豆沼下流側の河川で確認した。そこでの生息密度は高かったが、登米市全体の生息状況は不 明である。 k. チリメンカワニナ (カワニナ科) 平筒沼での調査後、北側の用水路で確認した。用水路は平筒沼とは繋がっていないので、平筒沼 の記録には含めなかった。 l. Semisulcospira 属 sp. (カワニナ科) 機織沼北東側の用水路で確認した。カワニナかチリメンカワニナのどちらかである。 m. モノアラガイ (モノアラガイ科) 平筒沼と長沼で確認した。登米市各地に生息していると思われる。 n. サカマキガイ (サカマキガイ科) 大萱沢、平筒沼、長沼で確認した。外来種であるが、登米市各地に生息していると思われる。 o. Anodonta 属 sp. (イシガイ科) 機織沼で確認した。殻の破損が激しく、同定できなかった。 p. ヌマガイ(ドブガイ A 型) (イシガイ科) 長沼上流側の河川で確認した。登米市各地に生息していると思われる。 q. タガイ(ドブガイ B 型) (イシガイ科) 長沼上流側の河川で確認した。登米市各地に生息していると思われる。 r. イシガイ (イシガイ科) 長沼で確認した。確認したのは 1 ヶ所のみで、生息状況は不明である。 - 136 - s. タイワンシジミ (シジミ科) 機織沼北東側の用水路で確認した。外 来種である。在来のマシジミと似ていること から、今までシジミがいるといわれている河 川の記録に、本種が混ざっている可能性が ある。 なお、同定は、姫路市立水族館 増田修 氏のご協力をいただいた。 t. Corbicula 属 sp. (シジミ科) 長沼上流部の河川で確認した。採取でき た個体数が少なく、確実な同定ができなか 写真Ⅱ-5-11. タイワンシジミ ったが、タイワンシジミである可能性が高 い。 ③ 定点調査 5 地域における魚類・水生動物相の概要 【大萱沢地域】 調査は、大萱沢上流部のキャンプ場付近、中流部の堰堤付近とその下流の前田沢集落付近で行った。 キャンプ場と堰堤周辺ではヤマメのみ、前田沢集落周辺ではヤマメのほかに、ウグイとアブラハヤが確認 された。このことから、ヤマメは他の二種に比べ、流れが速く水温の低い環境に生息しているといえる。 また、キャンプ場付近ではサカマキガイも確認された。サカマキガイは外来種であり、移入経路は不明 である。繁殖速度が速いため、今後も分布を広げると考えられる。 大萱沢の西にある水沢川でも任意で調査を行い、大萱沢で確認された種のほかにドジョウとニジマス を確認した。ニジマスは付近で以前養殖していたと地元住民からの情報があり、そこから逃げ出した個体 と考えられる。ニジマスが自然繁殖する例は少なく、水沢川でも個体数が増える可能性は少ないと思われ る。大萱沢でドジョウは確認されなかったが、生息していると思われる。 どちらの河川も確認種は少ないが、河川の上流部であることを考えれば、普通であろう。魚類ではニジ マス以外の外来種はおらず、本来の生態系の状態に近いといえる。 【大関川地域】 上流部ではカジカが確認された。この種は、環境省レッドリストでは準絶滅危惧とされ、各地で個体 数および生息地が減っているといわれている。また中流部でもカジカが多数確認され、春季の調査時に も卵塊を多数確認しており、生息個体数は多いものと考えられる。 下流部では、宮城県レッドデータブックの準絶滅危惧のギバチが確認された。1 個体のみの確認で個 体数の多少については不明である。本種は清澄で自然の多く残されている河川に生息し、水質汚濁や 河川改修による環境変化に弱く、多くの分布域では著しく減少しているといわれている。また、下流部で - 137 - はアユが多数生息しているが、おそらく放 流された個体群と思われる。 カジカやギバチが生息し、自然度の高 い環境が残されていると考えられ、今後も 現在の状態を維持することが望まれる。河 川改修が必要な場合でも、淵を残す、流路 内の岩や石を取り除かない、すき間のある 護岸を残すなど、水域の自然を失わせな いような配慮が必須である。 写真Ⅱ-5-12. アユ 【機織沼地域】 機織沼は全調査地域の中で、最も多くの種数を確認した。一番の理由は、オオクチバスの個体数が少 ないのでタナゴ類などの小型の魚類も多く、沼の生態系の自然度が比較的保たれているためである。ま た、上流の用水路からは絶えず水が流れ込んでいるため、コイやフナ類、またタナゴ類やハゼ類など湖 沼の止水域を好む種のほかに、オイカワやウグイなど流水域を好む種の両方が生息する。さらに、沼の周 囲にあるヨシ原や水草は多くの小型の魚類にとって良い隠れ場所となっているのであろう。タナゴ類の個 体数が多いので、現地調査でほとんど確認されなかったが、産卵に利用されるイシガイ類も多数生息して いるものと思われる。 沼の北東側にある用水路では外来種であるタイワンシジミを確認した。タイワンシジミは一度に発生す る個体数が多く、さらに在来のマシジミと交雑するため、タイワンシジミが確認された場所のマシジミは 3~ 4 年で絶滅するといわれている。この用水路から水を引いている地域のマシジミは、絶滅もしくは危機的 状況であろう。 沼で確認されたゲンゴロウブナは環境省 レッドリストでは絶滅危惧ⅠB 類とされてい るが、これは琵琶湖産のものを指し、本地 域では移植放流されたものである。 機織沼の魚類相は現在の自然な状態を 保っている。これは地元の人たちが定期的 にオオクチバスを駆除しているためであろう。 今後もオオクチバスの個体数を抑えること により、機織沼の多くの魚類を保全すること ができる。タイワンシジミに関しては、駆除 や防除は難しいが、これからどのように分布 を広げ、またどのような影響があるか注意す 写真Ⅱ-5-13. オイカワ る必要がある。 - 138 - 【平筒沼地域】 平筒沼の沼の中では、魚類の種数、 個体数はともに少なかった。これはオオ クチバスの個体数が多いためであろう。 オオクチバスの増えた沼は、一般に小 型の魚類は極端に少なくなり、最終的 にはコイなど大型の魚類が多数を占め るようになるといわれ、平筒沼の魚類相 はこの状態にある可能性が高い。なお、 水中には、触手動物門苔虫綱に属す る北アメリカ東部原産の外来種オオマリ コケムシが多数確認された。機織沼で も確認されたが、発生数が多いところで はブラックバス移入との関連も指摘され 写真Ⅱ-5-14. 外来種オオマリコケムシ ている。 【長沼地域】 長沼も平筒沼と同様に、魚類の種数、個体数ともに少なかった。1 回限りの調査ではあるが、オオクチ バスの個体数が多く、沼の魚類は危機的な状況といえる。また、長沼に流れ込む川では、確実に同定は できなかったがタイワンシジミと思われる個体群が確認された。 長沼では、地元漁業組合などの協力によるオオクチバスの徹底駆除が必須である。長沼の周辺は小 型の魚類が隠れるような水草も多く、また二枚貝の個体数も多いことから、オオクチバスを減らすことがで きればタナゴ類や他の小型の魚類も増えると考えられる。タイワンシジミについても、周辺の分布状態も把 握し、現存する在来のマシジミがなくならないように対策を講じる必要がある。 - 139 - (6) 昆虫類 ① 調査方法 a. 文献調査 <文献 A> 鱒淵観音堂県自然環境保全地域学術調査報告書 (宮城県, 1999) <文献 B> 中山間地域総合整備事業 東和地区(2004) b. 現地調査 登米市に生息する昆虫類の詳細を把握するため、定点調査 5 地域において、環境条件、時期等を 勘案し調査を実施した。 ○ 調査実施日 秋季: 平成 18 年 11 月 14~17 日 春季: 平成 19 年 5 月 8~11 日 夏季: 平成 19 年 6 月 28 日, 30 日; 7 月 7 日, 10 日, 12 日, 14 日 8 月 9 日, 11 日, 14~16 日 ○ 調査方法 <スイーピング・ビーティング> 捕虫網 (半径 50cm) を水平に振って、草本上や花上の昆虫を採集した。また、叩き棒で樹上等 の昆虫を叩き落とし、下に落ちた昆虫を採集した。 <ライトトラップ法> 主にガ類やコウチュウ類などの夜行性昆虫を対象に、光に対して正の走行性をもつ昆虫類を採 集した。夏期にのみ実施した。 <ベイトトラップ法> 主にオサムシ・ゴミムシ類等の地表徘徊性昆虫を対象に、夏期にのみ実施した。 <水生昆虫の捕獲> 水生の昆虫については、主に 15cm×12cm の手持ちのすくい網を用いて、石の裏や水草の間に 生息している昆虫を採取した。 ② 調査結果 文献調査によりこれまで確認されている昆虫類は、13 目 101 科 866 種である。現地調査においては、 14 目 202 科 856 種が確認され、合計 15 目 223 科 1,474 種であった。このうち、調査文献のなかで記録さ れていなかった種は、トンボ目のオオセスジイトトンボや、コウチュウ目のアシミゾヒメヒラタゴミムシ、アカガ ネアオゴミムシなど 608 種であった。 なお、平筒沼および長沼の調査にあたっては、高橋雄一氏(宮城昆虫地理研究会代表)のご協力をい ただいた。 - 140 - ③ 定点調査 5 地域における昆虫相の概要 【大萱沢地域】 本地域では、カワゲラ目のクロタニガワカワゲラやカゲロウ目のフタスジモンカゲロウ、トビケラ目のナガ レトビゲラ類などの山地の渓流に生息する種が多く確認された。トンボ類では、ニホンカワトンボが多く見 られたほか、ダビドサナエやヒメクロサナエなどが開けた沢上を飛翔するのが確認された。これらは、幼虫 期を流水中で生活するものである。また、夜間、ホタル類のゲンジボタルとヒメボタルが確認された。 大萱沢沿いにはスギ植林が広がるが、林内での昆虫の確認数は少なく、小型のガ類やガガンボ類が 見られる程度であった。一方、林道沿いの林縁部やキャンプ場の草地といった明るい環境では、草本類 が豊富で、花も多いことから、訪花性昆虫のモンシロチョウやヒメウラナミジャノメなどのチョウ類、キタヒメヒ ラタアブなどのハナアブ類、トラマルハナバチなどが見られた。また、春季にはフジハムシやイタドリハムシ、 秋季にはコバネイナゴやオンブバッタなどといった葉食性の昆虫が種類、個体数とも多く確認された。 なお、北米からの移入種で、主に砂地に生息するコルリアトキリゴミムシ(コウチュウ目)が確認されてい る。 【大関川地域】 大萱沢地域と同様、山間部の渓流である大関川では、多くのカゲロウやトビケラの仲間をはじめ、トンボ 目のミヤマカワトンボやダビドサナエなど、山間の渓流で見られる種が確認された。また、平地~低山地 の池沼や湿地で見られるオツネントンボやオゼイトトンボの生息も確認されたが、これは灌漑用のため池 や湿地環境があるためといえる。 耕作が放棄された水田や林道沿いに成立した草本群落、低木類が覆う林縁部では、スゲハムシなどの ハムシ類や、カメムシ類が多く見られた。 コナラやケヤキなどからなる落葉広葉樹林内では、地表俳回性の昆虫であるトウホククロオサムシやコ クロツヤヒラタゴミムシが個体数は多くないものの確認された。また、夜間のライトトラップでは、ゴマフキエ ダシャクやツマキリエダシャク、エゾスズメなどのガ類が見られた。 【機織沼地域】 沼地といった環境を反映して、湿性地に生息するムナグロチャイロテントウや水生植物を食べるジュン サイハムシが確認された。トンボ類では、止水域を好むセスジイトトンボやアジアイトトンボ、アオハダトンボ などの個体数が多い。また、幼虫の時期に水中で生活するアカムシユスリカも多く確認された。 沼周辺の草地ではクロモンサシガメやコバネナガカメムシが、地表にはケラやアシミゾナガゴミムシ、ミイ デラゴミムシ、アオゴミムシなどが、また夜間にはヘイケボタルが確認された。 ライトトラップでは、河川の比較的上流部に生息するヒメフタオカゲロウ属の一種やナミフタオカゲロウ、 流水の礫底をすみかとするニンギョウトビケラが確認された。これは、周辺丘陵地の小沢に生息していた ものが飛翔してきたものと思われる。そのほか、シラホシスカシヨコバイやツマグロヨコバイ、ムツテンヨコバ イといったヨコバイの仲間も多数確認された。 - 141 - 【平筒沼地域】 今回の 5 調査地域のうち、トンボ類の種数および個体数とも多く確認されたのが平筒沼である。おそら く、登米市の中でもトンボ類が多く生息する場所のひとつであるといる。特に、6 月下旬~7 月上旬にかけ てはオオセスジイトトンボやチョウトンボの発生の時期で、沼周辺の水生植物の周りだけでなく、周辺の森 林部にまで飛翔しているが見られた。そのほか、水面上を飛翔するギンヤンマやオオヤマトンボ、水際の 草むらにとまって休息しているモノサシトンボやセスジイトトンボなどが多数確認された。トンボ類のほかに は、水際のヤナギ林でヤナギハムシ が、草地ではコガタルリハムシやマダ ラミズメイガが確認された。 一方、周辺の落葉広葉樹林では、 初夏~夏季にニイニイゼミやヒグラシ などのセミの鳴き声が樹林内に響い ていた。ライトトラップでは、オオツノト ンボ(アミメカゲロウ目)や、カブトムシ やノコギリクワガタなどの大型の甲虫 類も確認された。 また夜間は、ホタル類のゲンジボタ ルとヒメボタル、ヘイケボタルが確認 された。 写真Ⅱ-5-15. オオセスジイトトンボ 【長沼地域】 沼周辺に見られる草地では、ヒメギスやヤマトフキバッタなどのバッタ類や、コバネナガカメムシなどのカ メムシ類、葉食性のハッカハムシやウリハムシモドキ、稲の害虫であるイネクビボソハムシ(イネドロオイム シ)などが確認された。また、ヤナギを 主体とした低木林の付近では、ムナキ ルリハムシ、ヤナギルリハムシ、チビデ オゾウムシ、クワゴマダラヒトリ、アシミゾ ナガゴミムシのコウチュウ類が生息して いた。オオユスリカなどのユスリカ類や ガガンボ類、マダラミズメイガも、水際の 草本群落で確認された。 トンボ類では、止水域に生息するア ジアイトトンボやセスジイトトンボ、チョウ トンボがやや多くみられた。 写真Ⅱ-5-16. チョウトンボ - 142 - 表Ⅱ―5-5 昆虫目録 - 143 - (7) 特記すべき動物 文献調査と現地調査をあわせ登米市内で確認された種のうち、宮城県レッドデータブックに記載されて いる種は哺乳類 4 種、鳥類 37 種、爬虫・両生類 7 種、魚類 3 種、昆虫類 39 種である。 市内にはガン類やカモ類が飛来する伊豆沼・内沼があるため、マガンを含め国内で記録があるすべて のガン類の絶滅危惧種が確認されている。しかしながら、魚類においては、沼や水田にかつては多数生 息していた在来のタナゴ類がほとんど確認できなかった。つまり、ヨシ原や低木林に囲まれた沼地、およ びその周辺の環境は、動物にとって生息に適した環境ではあるものの、水中では外来種の割合が極めて 高く、在来の動物にとって生息するのに困難な状況にあるといえる。 北上川東側の山地は、イヌワシに代表される猛禽類、トウホクサンショウウオなどのサンショウウオ類、お よび魚類にとっても生息に適した環境が残されており、今後もこの環境を保つことが望まれる。 ○ 宮城県レッドデータブック カテゴリー区分 ・ 絶滅危惧Ⅰ類 (CR+EN): 本県において絶滅の危機に瀕している種 ・ 絶滅危惧Ⅱ類 (VU): 本県において絶滅の危険が増大している種 ・ 準絶滅危惧 (NT): 本県において、現時点での絶滅危険度は小さいが、生育条件の変化によっては 「絶滅危惧」 として上位に移行する要素を有するもの ・ 要注目種 (要): 宮城県独自のカテゴリーで、本県では現時点で普通に見られるものの、特徴ある生息、 生育状況等により注目すべき種 ・ 情報不足 (DD): ・ 絶滅の恐れのある地域個体群 (LP): 表Ⅱ-5-6. 特記すべき哺乳類 【絶滅危惧Ⅱ類(VU)】 目名 コウモリ 科名 ヒナコウモリ 種名 学名 ヤマコウモリ Nyctalus aviator ヒナコウモリ Vespertilio superans 【絶滅の恐れのある地域個体群(LP)】 目名 サル 科名 オナガザル 種名 学名 Macaca fuscata ニホンザル 【要注目種(要)】 目名 ウシ 科名 ウシ 種名 カモシカ - 144 - 学名 Capricornis crispus 表Ⅱ-5-7. 特記すべき鳥類 【絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)】 目名 科名 種名 学名 カモ カモ シジュウカラガン Branta canadensis タカ タカ クマタカ Spizaetus nipalensis イヌワシ Aquila chrysaetos チゴモズ Lanius tigrinus スズメ モズ 【絶滅危惧Ⅱ類(VU)】 目名 科名 種名 学名 カモ カモ コクガン Branta bernicla タカ タカ オジロワシ Haliaeetus albicilla オオワシ Haliaeetus pelagicus サシバ Butastur indicus サンショウクイ Pericrocotus divaricatus スズメ サンショウクイ 【準絶滅危惧(NT)】 目名 科名 種名 学名 サンカノゴイ Botaurus stellaris チュウサギ Egretta intermedia マガン Anser albifrons カリガネ Anser erythropus ヒシクイ(ヒシクイ) Anser fabalis serrirostris ヒシクイ(オオヒシクイ) Anser fabalis middendorffii ミサゴ Pandion haliaetus ハチクマ Pernis apivorus オオタカ Accipiter gentilis ハイタカ Accipiter nisus チュウヒ Circus spilonotus ハヤブサ ハヤブサ Falco peregrinus チドリ シギ オオジシギ Gallinago hardwickii スズメ ホオジロ コジュリン Emberiza yessoensis コウノトリ カモ サギ カモ タカ タカ 【情報不足(DD)】 目名 科名 種名 学名 タカ タカ ツミ Accipiter gularis フクロウ フクロウ コノハズク Otus scops 【絶滅の恐れのある地域個体群(LP)】 目名 スズメ 科名 ツグミ 種名 学名 Saxicola torquata ノビタキ - 145 - 表Ⅱ-5-7. 特記すべき鳥類(つづき) 【要注目種(要)】 目名 科名 種名 学名 コウノトリ トキ ヘラサギ Platalea leucorodia カモ カモ ハクガン Anser caerulescens サカツラガン Anser cygnoides タカ ハヤブサ チゴハヤブサ Falco subbuteo ツル クイナ クイナ Rallus aquaticus オオバン Fulica atra タマシギ Rostratula benghalensis ケリ Vanellus cinereus コミミズク Asio flammeus フクロウ Strix uralensis ノジコ Emberiza sulphurata チドリ チドリ フクロウ フクロウ スズメ ホオジロ 表Ⅱ-5-8. 特記すべき爬虫・両生類 【準絶滅危惧 (NT)】 目名 サンショウウオ カエル 科名 サンショウウオ アカガエル 種名 学名 トウホクサンショウウオ Hynobius lichenatus ハコネサンショウウオ Onychodactylus japonicus ダルマガエル Rana porosa (トウキョウダルマガエル) ツチガエル Rana rugosa ニホンアカガエル Rana japonica 【絶滅の恐れのある地域個体群】 目名 サンショウウオ 科名 種名 学名 サンショウウオ クロサンショウウオ Hynobius nigrescens イモリ アカハライモリ Cynops pyrrhogaster 表Ⅱ-5-9. 特記すべき魚類・水生動物 【準絶滅危惧 (NT)】 目名 科名 種名 学名 コイ ドジョウ ホトケドジョウ Lefua echigonia ナマズ ギギ ギバチ Pseudobagrus tokiensis ダツ メダカ メダカ Oryzias latipes - 146 - 表Ⅱ-5-10. 特記すべき昆虫類 【絶滅危惧Ⅱ類(VU)】 目名 トンボ 科名 コウチュウ 学名 オオセスジイトトンボ Cercion plagiosum オゼイトトンボ Coenagrion terue ヤンマ アオヤンマ Aeschnophlebia longistigma サナエトンボ ヒメサナエ Sinogomphus flavolimbatus エゾイトトンボ トラフトンボ Epitheca marginata トンボ チョウトンボ Rhyothemis fuliginosa マガリガ スジグロチャバネセセリ Thymelicus leoninus leoninus タテハチョウ ホシミスジ Neptis pryeri アゲハチョウ ヒメギフチョウ本州亜種 Luehdorfia puziloi inexpecta オサムシ ニッコウヒメナガゴミムシ Pterostichus polygenus イトトンボ チョウ 種名 【準絶滅危惧(NT)】 目名 トンボ 科名 種名 学名 カワトンボ アオハダトンボ Calopteryx japonica ヤンマ オオルリボシヤンマ Aeshna nigroflava サナエトンボ ダビドサナエ Davidius nanus ヒメクロサナエ Lanthus fujiacus ハサミムシ マルムネハサミムシ ハマベハサミムシ Anisolabis maritima カメムシ コオイムシ オオコオイムシ Appasus major アミメカゲロウ ツノトンボ オオツノトンボ Protidricerus japonicus チョウ シジミチョウ コツバメ Callophrys ferrea ウラナミシジミ Lampides boeticus オオミスジ Neptis alwina ミスジチョウ Neptis philyra オオムラサキ Sasakia charonda アゲハチョウ ミヤマカラスアゲハ Papilio maackii シロチョウ ツマキチョウ Anthocharis scolymus ヤガ チビクロアツバ Chibidokuga hypenodes オサムシ アシミゾヒメヒラタゴミムシ Agonum thoreyi nipponicum キンナガゴミムシ Pterostichus planicollis アシミゾナガゴミムシ Pterostichus sulcitarsis ヒメボタル Hotaria parvula タテハチョウ コウチュウ ホタル - 147 - 表Ⅱ-5-10. 特記すべき昆虫類(つづき) 【情報不足(DD)】 目名 科名 種名 学名 チョウ シャチホコガ コクロヒメゴモクムシ Bradycellus subditus コウチュウ オサムシ アカガネアオゴミムシ Chlaenius abstersus キボシアオゴミムシ Chlaenius posticalis ベーツホソアトキリゴミムシ Dromius batesi エチゴトックリゴミムシ Oodes echigonus オオナガゴミムシ Pterostichus fortis コクロツヤヒラタゴミムシ Synuchus melantho ヨツモンコミズギワゴミムシ Tachyura laetifica ハネカクシ クロサビイロハネカクシ Ocypus lewisius コガネムシ ナラノチャイロコガネ Proagopertha pubicollis ホタル ムネクリイロボタル Cyphonocerus ruficollis テントウムシ シロジュウロクホシテントウ Halyzia sedecimguttata ジュウロクホシテントウ Sospita oblongoguttata アリモドキ コクビボソムシ Macratria fluviatilis ツチハンミョウ マメハンミョウ Epicauta gorhami ハムシ スゲハムシ Plateumaris sericea 【要注目種(要)】 目名 コウチュウ 科名 種名 学名 ガムシ マルガムシ Berosus lewisius ホタル ゲンジボタル Luciola cruciata クロマドボタル Lychnuris fumosa - 148 -