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岡山県

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岡山県
カーツ
株式会社
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
精密低コスト加工、粉末
冶金技術を結集した草刈
機用ギアボックスの製造
岡山県
岡山市東区西大寺五明387-1
代表取締役社長
勝矢 雅一
1922年(大正11年)設立
TEL 086-942-1111
http://www.kaaz.co.jp/
岡
山
品質とコストの両立が基本
同社の強みは、「オリジナルカーツの創造」を合言葉に「自社製品を開発する」という信念と、「品
質とコストの両立」という基本の徹底。草刈機の主要品質の最軽量、低振動、低騒音、及び環境対応
の実現は他の追随を許さないだけでなく、専門企業との連携により機械加工なしで成形できる粉末冶
金製ギアや精密鋳造部品を共同開発し、製造工程の大幅な削減、省力化の達成により低コスト化も図っ
た。
'06
海外市場向けが8割
市場の8割は海外向けで、草刈機のコア部品として外販している「ギアボックス」は海外のライバル
メーカーに納入するなど他の低級品とは一線を画し、世界で40%シェアトップを確保している。
百種類以上に及ぶ製品
草刈機のほか、HST(油圧式無段変速機)を搭載した高付加価値の自走式芝刈機(ローンモア)、
風圧で落ち葉などを集めるブロワー、オリーブの木を揺すって実を落とすシェーカーなど「KAAZ(カー
ツ)」のブランド名を冠した製品は百種類以上。国内はもとより海外での知名度が高い。また、燃料
電池搭載の機器も開発している。
精密ギア
部品
組立
超精密
鋳造部品
ギアボックス
21
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
舶用プロペラの世界
トップメーカー
ナカシマ
プロペラ
株式会社
岡山県
本社:岡山市東区上道北方 代表取締役社長
688-1
中島 基善
工場:岡山市、倉敷市
1926年(昭和15年)設立
TEL 086-279-5111(代表)
http://www.nakashima.co.jp/
岡
山
舶用プロペラで世界シェア30%
これまで、船毎に異なる直径18cmから約10mまで様々なプロペラを約100万個製造した。そのシェ
アは国内で70%、世界で30%を占め、この分野では世界トップメーカー。
三次元加工技術と職人による仕上げ作業の融合
'06
同社の強みは、小型から大型までフルメニューを揃え、設計から製造・技術サポートまでフルセッ
トで提供できることと、高度な技術により質の高い製品を短い納期で提供できること。大型プロペラは、
原型を使わず砂の造形だけでプロペラの形の空間を作り出し、そこに銅合金を注いで鋳物を製造した後、
高性能のNC工作機械で加工する。さらに、エッジ部分の仕上げ・研磨工程は、100分の1mmの精度
で手作業で行う。一枚のプロペラは畳8畳分にも及び、平面や直線のない三次元曲面で、その誤差を瞬
時に見抜くのはいかなる計測技術をもってしても困難といわれている。
技術を活かして新事業分野へチャレンジ
こうした技術ポテンシャルを活かして、グループ会社においては人工関節の開発、手術支援ロボット、
システム・ソフトの開発、光造形装置の開発など新事業展開にも意欲的にチャレンジしている。また、
2005年に第1回「ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞を受賞している。
100分の1mmの誤差を見つける職人技
22
大型船用のプロペラ
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
プリント配線ボードの
テストシステムで世界
トップシェア
タカヤ
株式会社
岡山県
井原市井原町661-1
代表取締役社長
林 真至
1971年(大正6年)設立
TEL 0866-62-2015
http://www.takaya.co.jp/
織物業から半導体分野へ転換
岡
山
織物業から、戦後の産業・雇用構造の変化に対応する形で組立型のエレクトロニクス産業へ参入。
遂次、半導体の後加工を大手半導体メーカーとの合弁で行い、また地場企業である半導体素子等電子
部品製造メーカーへの資本参加による半導体事業への参画等その事業を拡張した。
世界トップシェア60%を確保
こういった流れの中で、世界に先駆けて開発したフィクスチャレステスタと呼ばれる電気機器等に
使用されるプリント配線ボードのテストシステムは、世界各地のエレクトロニクス機器生産工場で高
い評価を受け、業界のトップシェア60%を確保すると共に「ボードテスタのタカヤ」という確固たる地
位を築いた。また、携帯電話等の情報通信機器、IT家電、ICタグによる管理システムの開発設計など
の事業にも取り組んでいる。
'06
国内生産へのこだわり
多くの企業がその生産拠点を海外に移していく中で、同社は技術革新と創造性の発揮により、あく
まで国内生産を軸として継続している。
フィクスチャレステスタの仕組み
23
明大
株式会社
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
「四軸 織物」技術で
世界初の事業化
岡山県
代表取締役
倉敷市曽原484-1
小河原 通弘
1968年(昭和43年)設立
TEL 086-485-1355
http://www.meidai.co.jp/
岡
山
ベルトスリングで強靱な繊維製品の技術を蓄積
1963年に、ハンドバックなどの生地やテーブルクロスなどを製造する企業として創業。
1974年に、重量物をつり上げるための強靱な帯であるベルトスリングの分野で新製品を開発、さら
に様々な技術力を高めながら発展。
四軸 織物自動織機の開発は世界初の快挙
'06
四軸織物は、通常のタテ、ヨコの二軸に加え、左右2本の斜め糸を交差させたもので、あらゆる方向
に対して変形の少ない寸法安定性と2倍以上の引き裂き強度を発揮する。これまでヨコ糸に斜め糸を交
差させる三軸織物はあったものの、四軸織物を実用化したのは世界初。この技術は、手編みの籐イス
をみて『これを機械で効率的に生産できないか』との着想のもと試作機を開発、1989年に四軸織物
自動織機を完成させ、近年、製品の販売にこぎ着けたもの。
スポーツ用品やスピーカーで実用化
これまで大手スポーツ用品メーカーのテニスラケットやゴルフクラブのシャフトに採用され、最近
では、スピーカーのコーン(振動板)にも使われている。ゴルフシャフトについては、ねじれに強い
ことなどから方向性や飛距離が向上し、スピーカーについては歯切れの良い音を出すことができると
の評判。今後も繊維関連は勿論のこと、自動車、航空宇宙、医療、建築等広範な分野での活用が期待
される楽しみな技術。
マルチ・モノフィラ交織
24
カーボン繊維
四軸自動織機
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
舶用エンジン用カムで
総合力発揮
世界シェア60%
株式会社
ショウエイ
岡山県
美作市古町701-1
代表取締役社長
辻井 説三
1944年(昭和19年)設立
TEL 0868-78-3819
http://www.syoei-okayama.jp/
機械部品製造の「総合力」が求められる舶用エンジン用カム
岡
山
舶用エンジンのカムは、 寸法精度、 強度、 耐久力、
面の平滑度について高度なレベルが求められる。
これにみごとに応えているのが当社である。
創業時は焼玉エンジン部品を製造していたが、順次、
カム、ピストンピン、ローラー製造事業を強化してきた。
カムとチェーン歯車を軸にはめ込んだ様子
'06
ポイントは、高い精度と耐久性
舶用エンジン用カムは、強大な力の伝達運動を長期間(20年間以上)行うことから、寸法精度とと
もに耐久性にいささかの不安もあってはならない。当社は、長年のカム製造の経験から、材料の選定、
高度な熱処理技術、切削加工技術、そして表面の研磨技術を確立し、特許「大型カムその制作方法及
び鍛造用金型」に結実している。研磨工程用には、ノウハウをつぎ込んだ特製の専用工作機をメーカ
と共同で開発した。平滑度Ra=0.2は鏡面に準ずる値である。
舶用エンジンメーカからの絶大な信頼。世界シェア55%
日本、韓国、中国等のアジア地域が世界的な船舶製造拠点となっており、80%以上の船舶を進水さ
せている。その中で、ショウエイのカムは世界シェア60%を実現。今やカム納入下請けメーカという
より、欠かせないパートナーとしての信頼を得た。辻井社長は、その源泉を「ワーカーシップ」であ
り、日本の強みと力説する。
カムのクローズアップ 長径80cmほど
カムのカム軸への焼きばめ作業
25
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
世界最高水準の超高精度
のマシニングセンター
を製造
安田工業
株式会社
岡山県
浅口郡里庄町浜中
1160番地
代表取締役社長
安田 拓人
1939年(昭和14年)設立
TEL 0865-64-2511
http://www.yasda.co.jp/
岡
山
我が国最初の「横型マシニングセンター」を開発
自動車シリンダーのボーリング加工等を行う企業として1929年に創業。後に製品も自動ホーニン
グ盤、中ぐりフライス盤と重点を移しながら、1966年には我が国最初の「横型マシニングセンター」
を開発した。現在は、各種マシニングセンターを製造している。
世界の先進メーカーから絶大な信頼
'06
YASDAの高精度マシニングセンターやCNCジグボーラーは、宇宙開発やフォーミュラーカーを始
めとする自動車のエンジン、携帯電話などの通信機器、カメラなどの光学機器、プラスチックなどの
高分子化学製品など、超高精度な部品加工や金型加工といった極めて高い精度を必要とする分野で高
く評価されると共に、その優れた信頼性が、世界の先進メーカーに絶大な信頼が寄せられている。
「規模」ではなく、「技術」に生き残る道を求める
「最大ではなく最高を目指す」YASDAはこれを経営理念とし、常に時代が求める最高の製品づくり
に挑む。その独創的で先進的な開発理念を要求通りに形にする為、70有余年培って来たたくさんの高
度な技能・技術やノウハウが伝承されている。高精度な加工技術に加え、精度を作りこむ為に繰り返
される高度な人間の技。YASDAスピリッツとも云うべきこの精度のこだわりこそが、定評ある高精
度マシニングセンターを誕生させているのである。
マシニングセンター
26
加工例
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
麹づくりの無人化に成功、
、
醸造機械・プラントを製造
株式会社
フジワラ
テクノアート
岡山県
岡山市北区富吉2827-3
代表取締役社長
藤原 恵子
1950年(昭和25年)設立
TEL 086-294-1200
http://www.fujiwara-jp.com
岡
山
醸造機械のリーディングメーカー
同社は、醤油、味噌、清酒、焼酎等の原料処理から製麹(せいぎく)、仕込み、発酵、圧搾工程に
おける全ての醸造機械を製作、ラインの完全自動化のためのプラント製作も手がけている。昭和55年
にコンピュータ制御による自動製麹装置を開発し、平成5年にはファジー制御を温度管理に導入するこ
とで、職人の経験や勘頼りであった麹づくりの完全無人化に成功した。
国内シェア獲得とともに海外にも展開
'07
同社の製麹装置の国内シェアは台数で約6割、製麹能力で約8割を占めるほか、昭和42年に韓国へ
醤油醸造プラントを納入したのを皮切りに、キューバ、中国、東南アジア等海外20数カ国に醸造機械
やプラントを輸出している。海外事業においては、それぞれの国によって異なる食品加工法を開発す
るとともに、国内と同水準のテクニカルサポートを行っている。
高い技術力でバイオ分野に進出
同社は培った培養技術を基に希少キノコの培養・販売に進出している。また、バイオ技術による機
能性食品・医薬品生産や、最近では、セルロース系バイオマス(米ぬか、籾殻など)からの高効率エ
タノール生産システムの技術開発に取り組んでいる。
回転式自動製麹装置
無菌固体培養装置
27
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
独自のコア技術で認めら
れた世界品質の精密機械
モリ
マシナリー
株式会社
岡山県
赤磐市仁堀東1383
取締役社長
森 徹
1953年(昭和28年)設立
TEL 086-958-2352
http://www. mori-machinery.co.jp/
岡
山
4つのコア技術でオンリーワン・ナンバーワンを目指す
同社は、機械設計、電気・電子技術、熱処理技術及び精密加工技術の4つのコア技術をもとに、熱交
換機チューブ用冷間ロール成形機、工作機械のATC(自動工具交換装置)、舶用ディーゼルエンジン
燃料ポンプ駆動装置等の分野でオンリーワン製品を数多く有する。
熱交換機チューブ用冷間ロール成形機では世界トップメーカー
'07
熱交換機の性能は熱交換用のラジエータチューブの形状に大きく左右される。同社は、ロール成形
の高度なノウハウをもとに、熱交換に最適なチューブを成形する熱交換機チューブ用冷間ロール成形
機、原子力用チタンパイプ成形機を開発した。これらにより、同社はその分野での世界トップとなっ
ている。
新分野への挑戦
同社では、蓄積した技術をもとに、中小企業の製造現場での省力化を実現する機械を始めるなどの
新分野へも事業展開している。
冷間ロール成形機
28
バリ取りロボット
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
多層張り加工技術による
携帯電話の液晶部品の
保護シート製造
オーティス
株式会社
岡山県
真庭市中原202-13
代表取締役
佐山 修一
1987年(昭和62年)設立
TEL 0867-42-3690
http://www.otis-com.co.jp/
岡
山
携帯電話用の保護シート
携帯電話の内部には、落下などの衝撃から液晶や電子部品などを守るための保護シート(緩衝材)
が貼られている。同社は、創業当時からのフィルムプレス加工技術を活かして、急速に生産が伸びて
いる携帯電話用の保護シートの製造に転換した。現在、同社の携帯電話用保護シートの国内シェアは5
割を超す。
電磁波対策へも展開
'07
また、同社は樹脂フィルムに金属を蒸着したフィルムを使用した電磁波対策製品をオリジナルブラ
ンドとして開発している。この製品は、電磁波による電子機器の誤作動を防止するため、電子部品を
電磁波から遮断するものである。同社の製品は、その薄さ、柔軟さ、取り扱い易さから薄型化が進む
携帯電話市場に広く利用されている。
オリジナルマシンの開発
同社の加工機械のほとんどは自社設計、自社開発によるオリジナルマシンである。このため、新機
種展開が早い携帯電話関連のように短納期で大量の発注があっても、直ちに生産ラインを組み出荷で
きる体制となっている。また、平成12年からは全工程のクリーンルーム化に取り組み、さらに高品質
な製品を提供している。
金属蒸着フィルム(オリジナルフィルム)
EMC対策部品
29
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
ユーザーの磁性部品開発
を支援し、材料を供給
株式会社
メイト
岡山県
和気郡和気町
佐伯526-3
代表取締役社長
赤岩 修次
1970年(昭和45年)設立
TEL 0869-88-0243
http://www.mate.co.jp/
岡
山
フェライト系コンパウンドで国内シェア65%
家電、情報通信機器、自動車の電装化に不可欠なプラスチック磁性部品は、磁性材料と樹脂などの
混練物(コンパウンド)により成形されている。同社はコンパウンドの製造に関して、超微粉砕、表
面処理、混合・混練の3つのコア技術を有しており、同社のコンパウンドは、モーター部品、センサー、
電磁ノイズ対策部品などに幅広く使われている。プラスチック磁性部品用のフェライト系コンパウン
ドでは国内65%のトップシェアを誇っている。
'07
ユーザー企業と一体となった製品開発
新たな磁性部品を求めるユーザーに対しては、材料の選定から金型の設計、サンプル作製・評価ま
で、一体となって開発を行うとともに、ユーザーニーズにマッチした提案、技術サポートを行う。ま
た、開発した製品について材料となるコンパウンドを供給している。
複合材料の世界オンリーワンを目指す
同社は、主力製品のフェライト系コンパウンドに加え、希土類系高磁性材料、電子部品用軟磁性材
料、熱伝導材料など様々な機能性を有する材料の開発に取り組み、「複合材料の世界オンリーワン」
を目指している。
製品(成形品)
30
コンパウンド
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
食べられるプラスチック
天然多糖類「プルラン」
株式会社
林原
岡山県
岡山市北区下石井1-2-3
代表取締役社長
林原 健
1932年(昭和7年)設立
TEL 086-224-4311
http://www.hayashibara.co.jp
岡
山
世界で初めてプルランの工業化に成功
「プルラン」は、1973年世界で初めて同社が工業化に成功した天然多糖類である。でんぷんを原
料とし、黒酵母を培養して得られる中性の白色粉末で、造膜性、増粘性、接着性などの優れた特性を
有する。
安全性と認可
酵母という自然の力を利用し、でんぷんという豊富に得られる天然資源から製造されたプルランは、
我が国ではでんぷん同様、使用制限のない添加物として扱われており、最近では、日本薬局方(医薬
品の規格基準書)に収載されている。また、海外(米国、韓国、台湾)でも食品添加物として認めら
れている。
'08
幅広い用途
[新しいものは、新しい用途を]のスローガンに用途拡大を図り、現在では、食品分野はもとより、
医薬品・化粧品原料などとしても生産されており、約1000トンの市場規模を形成している。食品分
野では、例えば、水産加工時のグレーズ(氷の被膜)剤、ドレッシングやタレ類の付着剤・トロ味剤
として、医薬品分野では結合剤・コーティング剤として、化粧品分野ではシャンプー、ローションな
どの潤滑剤・付着剤として幅広く活用され、近年では、薬用成分をシート状に成型した口中殺菌フィ
ルムがヒットするなど利用拡大が進んでいる。 プルランとプルラン製カプセル
プルランフィルム原反
31
株式会社
化繊ノズル
製作所
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
微小孔加工を極め
繊維の未来を拓く
複合糸用紡糸ノズル組
シェア世界トップ
岡山県
井原市東江原町838
(東江原工場)
代表取締役社長
戸川 忠雄
1948年(昭和23年)設立
TEL 0866-63-0511
http://www.kasen.co.jp/
岡
山
'08
繊維産業を支える微小孔加工技術
紡糸とは原液(繊維原料)を多数の小さな孔のあいたノズルから押し出し繊維状にすることで、同
社は1948年創立以来、合成繊維向け紡糸ノズルを製作している。年々厳しくなる繊維業界の高度化、
高機能化要求に対応して、超精密加工技術の開発を推し進め、世界の合成繊維メーカー、不織布製造
メーカー等に、合成繊維用・不織布紡糸ノズル、中空糸用精密ノズルなど、高度な紡糸ノズルを供給
している。特に、2種類以上の繊維素材を組み合わせて作る複合糸用ノズル組では世界シェアトップを
確保するなど、世界的な紡糸ノズルメーカーである。
高精度加工、極限加工は“人の技”から
市販工具では加工できない微小孔加工、特殊形状加工、高精度加工を可能にしているのは自社内で
製作する専用工具である。現在、機械加工(工具を用いた加工)で、最小φ0.003mmの孔加工を達
成、他社の追随を許さない状況である。専用工具作りは、サブミクロン(ナノ単位)の精度・感性で物
作りを行う“人の技”によるため、工具製作の高度技能者の育成に努め、技術の伝承を図っている。
最先端技術を産み出す、カセンの精密加工技術
長年蓄積された超精密加工技術を繊維業界のみならず、フィルムシート業界、半導体・液晶製造業
界、医療機器業界及び食品、エレクトロニクス、通信、航空宇宙、バイオ産業など多方面の分野に拡
大している。
乾・湿式紡糸用ノズル
32
複合糸紡糸用分配板
フィルム用T型ダイ
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
コア技術を部品開発に
集中し、自動車部品の
システム化/モジュール化
体制を構築
ヒルタ工業
株式会社
岡山県
笠岡市茂平1410
取締役社長
晝田 眞三
1928年(昭和3年)設立
TEL 0865-66-3700
http://www.hiruta-kogyo.co.jp/
高度加工技術を基にした自動車用機能部品の提案型企業
岡
山
サスペンション、吸排気装置部品、エンジン周辺部品、動力伝達装置部品など、ボディ以外の幅広
い自動車用部品を開発(設計及び実験検証)から製造過程にいたるまで一貫生産。
とくに、実験データをデータベース化し、サスペンションのフロントとリアが同時に評価できる体
制をいち早く構築し、自動車部品の短期間生産体制を確立させている。
高精度な加工技術
'08
高度なプレス加工はもとより、パイプ&棒鋼曲げ加工、各種溶接、切削の加工技術はわが国トップ
クラスを維持し、プレス機械には100%自社開発によるロボット全自動生産システムを採用すること
により、生産性の効率を50%高めた。この総合生産技術によって、これまでパイプ加工技術、ステア
リングコラムのエネルギー吸収構造、パーキングレバーの積層組立て、冷間増肉加工など新しい加工
技術を客先に提案し採用されている。
33
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
製紙用プレスロールへの
セラミック溶射加工
国内シェアトップ
倉敷
ボーリング機工
株式会社
岡山県
倉敷市松江2-4-20
代表取締役
田尻 登志朗
1957年(昭和32年)設立
TEL 086-456-3877
http://www.kbknet.co.jp/
岡
山
プレスロールは抄紙機の心臓部
プレスロールは抄紙機を構成する大小200本以上のロールの中でも最大級のサイズで、パルプから
水分を搾り取り、シート状にする重要な役割を担う。従来は腐食や摩耗に強く、紙離れが良いことか
ら、天然花崗岩が使用されていた。しかし、資源の枯渇に加え、抄紙機の大型化、高速化に伴い、花
崗岩の使用は大きく制約されるようになった。また、数ヵ月毎の研磨が欠かせず、寿命も短いという
難点を抱えており、代替品の開発が強く望まれていた。
'08
KX ROCK は「錆びない、剥がれない、すり減らない」
同社は、構想から10年近い歳月をかけ、鉄芯ロール表面にセラミックスを溶射する代替技術を開発。
このプレスロール用セラミックカバーKX ROCK は 耐摩耗性、紙離れ性などすべて花崗岩と同等以
上の性能を発揮し、長期間のメンテナンスフリー、ロールの長寿命化を実現。2006年には紙パルプ
技術協会より第34回佐々木賞を受賞した。現在、国内シェア50%(大型高速抄紙機において)、韓
国でもシェア90%を誇る。
高い技術開発力と精密加工技術を駆使し小物から大型部材まで
製紙用ロールだけでなく、石油化学・石油精製プラント、製鉄、造船、繊維、印刷など同社の技術
適用範囲は幅広い。部品の補修・メンテナンスはもちろん、新作品の溶射、溶接加工や切削・研削等
の精密機械加工まで一貫対応。円筒状だけでなく複雑形状品、サイズは数10mmから10m、50トン
までの部品への溶射、機械加工を行っている。 KX ROCK
34
加工品一例
豊和
株式会社
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
世界のジーンズファッシ
ョンをリードするエコフ
レンドリー加工技術
岡山県
倉敷市児島田の口4-4-18
代表取締役
田代 豊雄
1965年(昭和40年)設立
TEL 086-477-6060
http://www. howa-net.co.jp
岡
山
世界のジーンズファッションの仕掛人
1965年に日本のジーンズ洗い加工の先駆的存在として創業して以来、一貫してジーンズの加工技
術の開発に取り組み、時代の流行に合わせた数々のジーンズ製品を世に送り出してきた。
同社で加工された製品は、アパレル業界から高く評価され、世界のジーンズファッションシーンを
常にリードしている。
業界の常識を覆すジーンズ脱色加工技術を開発
'08
ジーンズは洗い加工によりそのファッション性が向上し、完成品の差別化による高付加価値化が達
成される。従来の洗い加工においては塩素系薬剤の使用が一般的であったが、「人、環境に優しいも
のづくり」の観点から、糖類の還元力を利用した「エコブリーチ」、オゾンの酸化力を利用した「エ
アーウオッシュ」を開発し(特許取得)、その製品と技術力は高く評価されている。
環境を意識したたゆまぬ技術開発と高いコスト競争力
1998年に繊維加工業界において国内初となるISO14001を取得し、環境意識の高い企業として業
界内で認知されている。また超臨界流体を利用した無廃液染色加工技術の開発に取り組み、環境にや
さしいエコロジープラントの実現に向け日々開発を進めている。
一方、既存設備においては徹底的な自動化を進め、高いコスト競争力と技術力でメードインジャパ
ンにこだわったものづくりを行っている。
エアーウオッシュ加工した製品
超臨界流体染色加工プラント
自動化された洗い加工ライン
35
オージー技研
株式会社
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
介護労力の軽減とQOL
を実現する特殊入浴装置
のトップメーカー
岡山県
岡山市中区海吉1835-7
代表取締役社長
奥田 宏
1966年(昭和41年)設立
TEL 086-277-7181
http://www.og-giken.co.jp/
岡
山
特殊入浴装置で国内シェアー40%
厚生省(現 厚生労働省)が平成元年から実施した高齢者保健福祉推進10ヶ年計画(ゴールドプラ
ン)にいち早く対応。介護者の労力軽減と入浴者のQOL向上を実現する特殊入浴装置の国内トップメ
ーカーとして、老人福祉施設や医療施設で高い評価を獲得。平成3年に商品化した専用車椅子で座位の
まま入浴できる据置型車椅子入浴装置(チェアーインバス)では、座位入浴という新カテゴリーを確
立した。
'09
医療・リハビリ機器の技術を活かして
国産初の低周波治療器で創業、同じく国産初となる電動間歇牽引装置で企業の基礎を築くなど、技
術力とオリジナリティーで業界をリード。2008年には筋電検出と低周波出力を分離する独自技術に
より、対象者の筋電信号を的確に検出して、最も適した電気刺激を自動出力できるリハビリテーショ
ン用先進トレーニングシステムを開発。こうした高いセンシングやメカトロ技術が安全で安心できる
特殊入浴装置を生み出している。
デザイン力で人にやさしい機器を開発
デザインも重要な技術力と位置付け、製品デザインでも業界をリードしている。暗いイメージだっ
た運動療法機器を明るくしたり、ステンレス製で冷たいイメージだった特殊入浴装置も、FRP化とカ
ラーリングで一変させた。2004年からはグッドデザイン賞を特殊入浴装置×2、物理療法機器×1、
運動療法機器×4の計7製品で受賞。
小型介護浴槽 HK-770
36
車椅子入浴装置 HK-812
順送式入浴装置 HK-236
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
安全性の高い
独自バンパービームで
世界展開
株式会社
アステア
岡山県
代表取締役社長
総社市真壁1597
水松 幹夫
2003年(平成15年)設立
TEL 0866-93-2323
http://www.asteer.co.jp
岡
山
ロール成形技術と溶接技術などの融合
同社は、自動車部品メーカー3社の自動車関連事業の統合
により誕生。それぞれの企業が長年培ってきた加工技術(塑
性加工、溶接加工、表面処理など)を高度に融合させ、新た
なモノ作りを積極的に展開している。
特に、超高張力鋼板のプレス成形・ロール成形技術、各種
テーラードブランク技術などに代表される特長技術は、製品
開発を協力にサポートしている。
'09
ロール成形ライン
自動車バンパービーム
自動車のバンパービームは、衝突時の車体損傷を軽減する
機能を持っている。「日の字バンパー」は、形状と工法の工
夫により、一般的なプレス加工ではなくロール成形で「日の
字」形状の閉断面構造に加工。これにより、薄くて硬い780
∼1180MPaの超高張力鋼板を使用することができ、従来品
と同じ強度で、2∼3割軽量化を実現している。
更に、高強度と軽量化を両立させる次世代のバンパービー
ムを開発。
日の字バンパービーム
世界へ事業拡大
「日の字バンパー」は、97年に技術開発し、日本、アメリ
カ、ドイツの3カ国で特許を取得している。国内の複数自動
車メーカーに採用されたほか、海外メーカーへの特許使用権
の提供や技術供与などを積極的に進めており、2007年にア
メリカの鋼材加工会社と使用許可契約を結ぶなど、累計8件
に達している。
次世代バンパービーム
37
有限会社
田中鉄工所
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
様々な産業用部品の機械
加工を請負う高度な技術
岡山県
総社市下林700-11
代表取締役
1956年(昭和31年)創業
1987年(昭和62年)設立
TEL 0866-92-1157
田中 秀明
http://www.tanakaworks.jp/
岡
山
多数の大型五軸加工機を有し様々な産業用部品を機械加工
国内有数の大型五軸加工機の台数を所有し、鉄道、航空宇宙、液晶、半導体、製鉄、工作機械、風
力発電等あらゆる産業用機械部品の機械加工を請け負うことができる高度な技術を有する。特定の産
業向けの売上げ割合が20%以上超える部品がないなど、全国から様々な産業用機械部品の機械加工を
請け負ってきた実績を有する。
'09
常に最先端の産業用部品を請け負うクラフツマン(高度な技術集団)
新幹線(N700系)車体フレーム用のアルミ合金を10ミクロン精度で削り出す加工を行うなど、ロー
テク分野はもとより、産業動向の変動に応じたその時々の最先端の産業用部品の機械加工を請け負っ
てきた。また、同社の技術を頼りに加工を持ち込んで来る大手メーカー
からの注文にも積極的に対応してきた高度な技術集団(クラフツマン)。
新幹線N700系
車体フレーム
積極的な品質認証取得
ISO9001を2006年度に収得し顧客の要求に対応できるよう各種測定工具を取りそろえ、保持で
きる体制を整えてきた。また、取得が難しい航空機業界のISO9100にもトライしており、品質に対
する取り組みは積極的。
大型五軸加工機
38
航空機部品
風力発電部品
株式会社
英田
エンジニア
リング
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
インテリジェント
冷間ロール成型機
の事業化
岡山県
美作市三保原町606
代表取締役社長
万殿 貴志
1974年(昭和49年)設立
TEL 0868-74-3637
http:// www.aida-eng.co.jp/
岡
山
「高速連続自動運転技術」の実現
広島大学:石井抱教授の開発シーズである「高速ビジョンシステム」を導入し、成形時における製品
のダイナミックな変形を高速ビジョンにより瞬時判断し、その情報フィードバックして自動矯正を行
うアルゴリズムを開発。オンライン事中検査に基づく「高速連続自動運転技術」が実現した。
「高速オンライン検査システム」を開発
自社の有する冷間ロール成形加工技術を更に高度化した「高速成形用」の新型冷間ロール成型技術
とともに、「オンライン事中検査」と「自動矯正機能」を実現する「高速オンライン検査システム」
を開発。こうして、ロール成形にとどまらず、高速成形製品の品質保証と高生産性を可能とする「イ
ンテリジェント冷間ロール成型機」を製品化。
'09
'07
インテリジェント冷間ロール成型機の事業化。熟練工の有効活用へ
成形加工では、不良発生の都度、ラインを止めての検査・矯正を行ってきた。こうしたオフライン
矯正には、多くの熟練工の人手を必要とするため、限られた人員の中では大きな負担となってきた。
同社のインテリジェント冷間ロール成型機は、生産現場の効率化とそれによる限られた技術人材の有
効活用が期待できる。
インテリジェント冷間ロール成形機
(BURS21)
画像処理部分
各種製品例
39
明日の日本を支える
元気なモノ作り
中小企業
社
回転機械の高速化を支える
「新発想」釣合い試験機
で産業に貢献
シグマ
電子工業
株式会社
岡山県
浅口市金光町占見新田
185-3
代表取締役
平野 宗三郎
1985年(昭和60年)設立
TEL 0865-42-6055
http://www.sigma-elec.co.jp/
岡
山
バランス(釣合い)は回転機械の生命線
工作機械・繊維機械・自動車のクランクシャフト・モーターなど、様々な機械で回転体が用いられ
ている。近年これらの機械は高性能化が要求され、その回転速度は高速化が進んでいる。回転体に不
釣合いが存在すると振動が発生し、機械装置の性能を十分に発揮できない。また、高速回転下では低
速回転時とは異なる現象(弾性体化)が引き起こされ、釣合い調整の困難さが増す。このため、効率
的な釣合い調整法の開発が望まれていた。。
'09
独自の釣合い計測技術、効率的な釣合い調整法
従来の回転体の釣合い計測は、特定の回転速度下(剛性回転域)のみで行い、釣合い調整量(おも
り)を算出していたため、高速回転を含む運転全回転域を満足する調整が困難であった。同社では、
剛性回転域から弾性回転域まで、全ての領域の不釣合い振動ベクトルを計測し釣り合い計算する手法
を導入し、全回転域の振動を一括して低減させる調整量を算出することを可能にした。
生産累計5000台突破
1988年の販売開始以来、同社の釣合い試験機は、工作機械・繊維機械・自動車・半導体・精密機
械など、あらゆる産業分野に納入され、“バランス計測のパイオニア”として厚い信頼を得ており、
日本のモノ作りに大きく貢献している。 弾性ロータ用フィールドバランサ
40
ターボチャージャ用釣合い試験機
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