...

PRIMEPOWER2000/1000/800の実装, 冷却,電源技術

by user

on
Category: Documents
8

views

Report

Comments

Transcript

PRIMEPOWER2000/1000/800の実装, 冷却,電源技術
特
集
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,
冷却,電源技術
Packaging, Cooling, and Power Supply Technologies for
PRIMEPOWER2000/1000/800
あらまし
本稿では大規模基幹システムとして高性能,高信頼性が求められているハイエンド
UNIXサーバPRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術について述べる。本
装置では,高密度な実装技術および効率良い冷却技術を開発した。また,高性能化のた
め,高速信号の接続技術および多層プリント配線の技術を開発した。さらに電源システ
ムにおいては,高信頼の電源を開発した。
Abstract
This paper describes the packaging, cooling, and power supply technologies used in the
PRIMEPOWER2000/1000/800 high-end UNIX servers designed for use as high-performance,
high-reliability large-scale backbone systems. Fujitsu has developed high-density packaging
and high-efficiency cooling technologies for these servers. Fujitsu has also developed highspeed interconnection and multi-layer printed-wiring board technologies to enhance the servers’
performance and a high-reliability power supply system to improve the quality and availability
of power supply.
青野正秋
(あおの まさあき)
第三コンピュータ事業部
第一開発部 所属
現在,UNIXサーバ装置の
構造設計に従事。
214
小出正輝
(こいで まさてる)
実装テクノロジ統括部
第一実装技術開発部 所属
現在,ミッドレンジサーバ
C P U モジュールの実装冷
却構造の開発に従事。
鵜塚良典
(うづか よしのり)
実装テクノロジ統括部
第一実装技術開発部 所属
現在,サーバの実装技術開
発に従事。
影山弘進
(かげやま ひろのぶ)
第三コンピュータ事業部
第一開発部 所属
現在,サーバの電源システ
ム開発に従事。
FUJITSU.51, 4, pp.214-219 (07,2000)
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術
○○○○○○○
ま え が き
このため,部品実装密度の増加を許容する基板とク
ロックアップに伴うプロセッサ部の消費電力増を許容す
PRIMEPOWERはインターネット時代の中核サーバと
る冷却の実現が課題であった。
して高い性能と高い信頼性が求められている。また高密
● 高密度高速伝送基板
度実装およびCPUの高速化に伴う発熱量・発熱密度増大
部品実装密度の増加に加え,高周波伝送および高消費
への対応が必要となってきている。PRIMEPOWER2000/
電流に耐えうる配線を実現するため,プロセッサのLSI開
1000/800の開発では,より信頼性の高いシステム構築と
発部門と設計初期の段階から,CPUモジュール基板仕様
高密度実装技術および高性能冷却技術の確立を重要課題
の検討を行った。
として掲げ開発に取り組んだ。信頼性の向上のため,シ
まず,プロセッサ2次キャッシュ間,およびプロセッ
ステムボード(System Board)の活性交換,電源供給系に
サUPA
(Ultra Port Architecture)
コネクタ間はともに等長
ついては2系統受電機構のサポート,LCI
(Local Cabinet
配線が必要なため,配線が多数集中する。
Interface)
採用による迅速な電源故障解析を可能とした。
そこで,各部品間の配線本数およびクロストークノイ
また,システムボード内実装物の3次元実装による高密
ズなどの電気的制約条件を考慮し,モジュール基板へ搭
度実装を実現した。冷却性能向上のため,CPUモジュー
載する部品の配置,プロセッサの端子ピン割り当ての最
○○○○○○○
ル用の低圧損冷却フィンおよび高性能ファンを新規に開
(1)
発した。本稿では,これらの技術について紹介する。
CPU モジュール実装冷却構造の開発
適化を行った。この結果から基板の厚さは1.6 mmとし,
層構成は16層
(電源層 ×4,GND層 ×3,信号層 ×7)
とした。さらに配線効率を上げるため,当初,信号層間
の接続にはIVH(Inner Via Hole)が必要とされた。IVHは
● CPUモジュールの構造
スルーホールビアのみに比べ,一般的に製造プロセス工
CPUモジュールの構造を図-1に示す。モジュール基板
程が増加するマイナス要素を持つが,微細ビアの寸法メ
上の中央部に“SPARC64 GP”
プロセッサがBGA(Ball Grid
リットを重視した。これらの仕様と諸条件をCADに入力
Array)
で接合され,その両脇に2次キャッシュ用SRAM
し,ラウタートライアルを繰返し,さらに最適化を図る
が基板両面で9個搭載されている。プロセッサは冷却
ことにより当初1,300個使用していたIVHも不要とするこ
フィンと高熱伝導性コンパウンドにより接合され,この
とができた
(図-2)。
冷却フィンはバネ付きナットによって裏面から挿入され
以上の検討プロセスを経ることにより,実際の配置配
るスティフナと固定される。
線作業は部品の再配置などの手戻りがなく短時間に終わ
このCPUモジュールはGP7000Fモデル600に搭載されて
り,高周波伝送特性に優れたローコストのモジュール基
いるCPUモジュールと比較し,モジュール基板面積比で
板を実現した。
27%減となっている。また,モジュール前方の通風口面
● 高性能冷却技術
積が12%減,消費電力が53%増となり,通風口断面あた
冷却では,30 W/cm という高発熱密度のプロセッサを
りの発熱密度も75%増となっている。
冷却するため,モジュール全体の低熱抵抗化,モジュー
2
ル風下に搭載される主記憶用RAMカードへ十分な風量を
流せる冷却フィンの低圧損化が課題であった。これらの
2次キャッシュ用SRAM
SPARC64 GPプロセッサ
スティフナ
バネ付きナット
冷却フィン
モジュール基板
図-1 CPUモジュールの構造
Fig.1-CPU module structure.
FUJITSU.51, 4, (07,2000)
図-2 CPUモジュール基板トライアルラウト結果
Fig.2-Trial route result of CPU module substrate.
215
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術
Air
フィン
ベースプレート
モジュール基板
プロセッサパッケージ
図-3 CPUモジュールの熱流体解析結果
Fig.3-Thermo-fluid dynamics analysis result of CPU module.
課題を解決するためにまず,LSIチップを含むパッケージ
から冷却フィンまでを統合したモデルを作成し,パッ
ケージおよび冷却フィン内部での熱拡散と冷却フィン周
りの冷却風の流れに着目し,シミュレーションでの検討
を進めた。
図-3は熱流体シミュレーション結果で,モジュール断
面での冷却風の流れを示している。LSIを直接接合するプ
ロセッサのパッケージには熱拡散が十分果たせる熱伝導
率と厚さの材料を選択した。冷却フィンは熱流体シミュ
レーションにより,ベースプレート上の熱拡散とフィン
部形状の最適化を図り,低熱抵抗と低圧損を両立させた。
また,プロセッサと冷却フィンとの間には富士通研究
図-4 SBの外観
Fig.4-Appearance of SB.
○○○○○○○
所で開発した高熱伝導性コンパウンドを接合材として採
用した。
システムボード(System Board)
の実装・冷却技術
システムボード(System Board,以下SB)の外観を図-4
に,実装構造の概略を図-5に示す。SBは限られた空間に
様々な部品を高密度実装し,素子間の信号線長を短縮す
ることにより高速伝送する必要があった。さらに,高速
動作する各素子からの発熱を効率よく冷却するため,以
下の工夫をこらす必要があった。
● 高密度実装
冷却風
SB上には,最大四つのCPUモジュール,32枚のメモリ
冷却風
モジュール,6枚のPCIカード,クロスバスイッチおよび
システム制御などのMCM(Multi Chip Module),各種オ
ンボードDDC
(DC/DC Converter)などを搭載する。ま
た,MCMのはんだ付け信頼性を高めるため,プリント配
線板のひずみを抑制するスティフナ
(補強)
などの構造部
品を設置している。 C P U モジュールおよびメモリモ
ジュールは,コネクタにより容易に増設や交換を可能とし
た。PCIカードおよびプロセッサ電源用のオンボードDDC
216
a :CPUモジュール
b :メモリモジュール
c :PCIカード
d :クロスバスイッチMCM
e :システム制御MCM
f :オンボードDDC
g :スティフナ
h :信号コネクタ
i :電源供給コネクタ
j :PCIライザカード
k :モジュールフレーム
図-5 SBの実装構造概略
Fig.5-Packaging structure of SB.
FUJITSU.51, 4, (07,2000)
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術
の実装には3次元実装方式を採用した。これによってSB
ション結果をフィードバックし,SBレベルでのシミュ
上の空間を有効利用し,高密度実装を実現した。また,
レーションを実施した。SBの発熱のうち,70%がCPUを
これらの3次元実装した部品も容易に着脱可能とした。
中心とした部分
(CPUモジュール・メモリモジュール・ク
● 高性能多層のプリント配線板
ロスバスイッチMCM・システム制御MCMなどを搭載し
SBのプリント配線板は信号層を12層,電源・グランド
た部分)
であるため,冷却風量の配分を考慮する必要が
層を12層とし,高速信号の伝搬を行うため,信号インピー
あった。そこで,PCIR
(PCIライザカード)
をSBの冷却風
ダンスを高精度に整合(50 Ω ±5%)した。板厚は3.6 mm
の流れを妨げる方向に実装し,さらにPCIRに最適化した
となり,高アスペクト比(10以上)のスルーホールメッキ
通風孔を設置した。これにより,PCIカード部への必要風
接続信頼性を確保するため,材料を変性ポリイミド樹脂
量を確保するとともに,CPUを中心とした部分に,より
とした。また,回路が高速動作する際に発生する電磁波
多くの風量を配分した。また,CPUモジュール実装部分
を抑えるため,電磁波抑制用の配線パターンおよびス
のモジュールフレームを有効利用して,冷却風の流路を
ルーホールを設置した。
形成した。さらに,クロスバスイッチMCM・システム制
● 高密度・高速伝送用コネクタ
御MCMの放熱フィンは,流路形成と冷却風のバランスを
PRIMEPOWER2000は,バックパネルに最大8枚のSB
取ることで極力コンパクトなものとした。これらの工夫
を搭載し,SB間をクロスバ接続している。SBあたり最大
により,SBレベルでバランス良い冷却を実現している。
○○○○○○○
四つのCPUを搭載するため,キャビネットあたりの最大
電源システム
CPU数は32となる。バックパネルとSBを接続するため
に,SBの端部には信号コネクタと電源コネクタを配置し
電源システムでは,電源供給系の高品質化および電源
ている。限られたSB上のエリアで多くの信号を接続し,
システムの可用性を向上させるため,分散給電方式を採
メモリバンド幅の高性能化を実現するために,高密度・
用した。
高速信号対応のコネクタを新規に採用した。また,SBの
● 電源供給系の高品質化
活性交換を可能とするための電源コネクタも新規に採用
SB内の素子が必要とする電源は+1.8 Vdc,+2.5 Vdcな
した。
ど低電圧化された。電圧が低くなるほど電源電圧変動範
● 高効率冷却技術
囲の要求は厳しくなる。また,素子の高速化に伴い最大
SBの冷却に当たってはCPUモジュールでのシミュレー
60 Aの大電流になり,高速パルス電流による電源供給ラ
INPUT#00
200-240V AC
ACS #0
FEP
SB
×(3 + 1冗長)
INPUT#01
200-240V AC
ACS #1
負荷
+1.8 Vdc,
+2.5 Vdcなど
FEP
+48 Vdc
×(3 + 1冗長)
INPUT#10
200-240V AC
+2.5 Vdc
ACS #2
FEP
×3
INPUT#11
200-240V AC
INPUT#12
200-240V AC
2系統受電オプション
オンボード
DDC
ACS #3
XB-DDC
負荷
(XB)
×(2 + 1冗長)
FEP
・ACS : AC Section
ACS #4
×3
・FEP : Front End Power
FEP
・SB : System Board
×1
・オンボードDDC : オンボードDC/DC Converter
×(6 + 1冗長)
・XB-DDC : XB-DC/DC Converter
・XB : Crossbar Board
図-6 PRIMEPOWER2000電源系統
Fig.6-PRIMEPOWER2000 power configuration.
FUJITSU.51, 4, (07,2000)
217
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術
インでの電圧変動が増大することになる。これらの問題
の創造をテーマとして掲げた。その結果,従来の装置(四
を解決するには,電源供給ラインのインピーダンスを低
角い箱)
というイメージを払拭するため,装置正面,側
減する必要があった。そのため,SB内の素子の近傍に電
面,後面にいくつものシルバーの柱とグレーの塊が集合
源を配置して素子までの配線長を短くした。それにより
して一つの物体として見えるようにし,どこから見ても
過渡応答特性の改善を図った。
同一イメージの表情になっている。また三角の柱は陰影
● 電源システムの可用性向上
を強調させ,シルバーとグレーのカラーリングが相伴っ
PRIMEPOWER2000電源系統を図-6に示す。電源ユ
てハイテクかつ先進的な印象を与えている。
ニットは,入力ACを装置内中間電圧である+48 Vdcに変
● 実装構造の特徴
換するFEP
(Front End Power),SB内に実装し+48 Vdcを
PRIMEPOWER2000の内部実装を図-7に示す。本装置
各素子用の電圧に変換するオンボードDDCおよび+48 Vdc
では,装置内各ユニットの状態監視インタフェースにシ
をクロスバボード(Crossbar Board,以下XB)
用の+2.5 Vdc
リアルインタフェース“LCI”
を採用し,各ユニット間を
に変換するXB-DDC(XB-DC/DC Converter)
の3種類を開
Daisy Chain接続(図-8)している。このため,従来の監視
発した。
部と各ユニットをパラレル接続した装置に比べ,装置内
電源システムの可用性を向上させるため,電源システ
ケーブル本数が格段に減少し,かつ採取できる情報量の
ムのFT
(Fault Tolerant)化,および電源ユニットの保守性
制限がなくなった。さらに,このLCI接続ケーブルを装置
の改善を行った。
内部中央に集中させ,装置前後面より各ユニット(電源ユ
【電源システムのFT化】
ニット,ファンユニットなど)をプラグイン実装する方式
FEP,XB-DDCに並列冗長運転機能を備え,n +1冗長
をとった。これにより,SBから出るI/O接続ケーブル以
構成とした。1台のFEP,XB-DDCが故障した場合でも,
外は装置表面にケーブルがないため,各ユニットの活性
故障した電源ユニットのみが停止し,残りの正常な電源
交換を容易にするとともに,装置の扉を開けてもケーブ
ユニットにより装置は運用を継続できるようにしている。
ルの束が見えず,装置内部の美観にも寄与している。
さらにオプションとして,入力部 { ACS
( AC Section)
,
● 装置の冷却
FEP} を二重化することによる入力ACの2系統受電機構
をサポートした。片系で停電が発生した場合でも,もう
【高性能ファンの開発】
装置の冷却としては,SBの冷却が主要課題であった。
一方の系からAC供給が得られるため,装置の運用に影響
SBは高発熱(1枚あたり約510 Wの消費電力)
および高発
がないようにしている。
熱密度に加え,高密度実装による圧力損失値が大きく,
【電源ユニットの保守性の改善】
3
SB単体シミュレーション結果より,3m /分以上の高風
FEP,XB-DDCは入力側に突入電流防止回路,出力側に
量が必要であった。この冷却に既存ファンを適用した場
突合せダイオードを付加し,コネクタはシーケンス付き
合,ファン数が多くなり装置の小型化を妨げる。そのた
にすることにより活電挿抜を可能とした。また,構造も
プラグインタイプとし,イジェクトレバーでの挿抜によ
19インチラックスペース
ACS
り保守作業をしやすくした。さらにFEP,XB-DDCの電源
制御には,インテリジェントシリアルバス制御を行うLCI
を内蔵し,電源の投入・切断制御および故障の詳細情報
FEP
(× 8)
通知(過電圧,低電圧,過電流,温度上昇など)
を行える
○○○○○○○
ようにした。これにより,迅速な障害解析を可能にして
いる。
SBファンユニット
(× 8)
SCFw
(× 2)
装置の実装構造の概要
XBファンユニット
(× 3)
XB-DDC(× 3)
XB(× 11)&BP
SB(× 8)
● デザインコンセプト
PRIMEPOWER2000/1000/800のデザインコンセプト
は,富士通としての独自性,新世代のUNIXサーバとして
の高機能性・高信頼性,市場インパクトのある表情を実
現するため,ハイエンドサーバとして威厳のある存在感
218
正面図
後面図
図-7 PRIMEPOWER2000内部の実装
Fig.7-PRIMEPOWER2000 internal mounting.
FUJITSU.51, 4, (07,2000)
PRIMEPOWER2000/1000/800の実装,冷却,電源技術
XBファンユニット
(× 3)
パネル
ノード
排気口
ファン
FEP
FEP
XB-DDC(× 3)
ファン
ファン
SCFw(× 2)
バックパネル
(a)Parallel 接続方式(従来)
XB(× 11)
Air
図-9 冷却ルート図(装置後面)
Fig.9-Cooling route chart
(Rear side of device).
ランスを取ることができた。これらを実施することによ
り,装置幅の拡大防止とファン個数の低減を図ることが
できた。
(b)Daisy Chain 接続方式
● XBケーブルの開発
PRIMEPOWER2000は32CPU/1キャビネットを基本と
図-8 接続方式の比較
Fig.8-Comparison of connection methods.
し,最大128CPU/4キャビネット構成まで拡張できる。4
キャビネット間はケーブルで接続する。各キャビネット
間を高速信号接続する必要があるため,3.7 ns/mの高速伝
めファン単体サイズはそのままで,高風量を出すために,
送ケーブルを新規に開発した。また,各ケーブルの伝播
回転数のアップと羽根形状改良を行った高性能ファン(既
遅延時間のバラツキも最低限に抑えた。さらにこのケー
存ファン:140Pa-6.5 m3/分,新ファン:240Pa-8.2 m3/分)
ブルを接続するため,100信号高速伝送コネクタも新規に
を新規に開発した。またSB2枚に対してファン3個をユ
開発した。
ニット化し,それを2段に配置して,トータルファン数
6(内1個は冗長ファン)
で冷却グループを構成した。そ
○○○○○○○
む す び
の結果,必要風量および最適実装スペースが確保できSB
PRIMEPOWER2000/1000/800では,より信頼性の高い
の冷却が可能となった。
システム構築のため,活性保守可能コンポーネントの拡
【複雑な冷却系に対する冷却手法の実現】
大と,LCI採用による迅速な故障解析を実現した。また
XB,XB-DDCおよびSCFⅡユニット部の冷却ルートを
CPUモジュールとSBの高密度実装を実現し,かつCPUの
図-9に示す。通常この冷却には冷却対象物の横にファン
高速化による発熱量,発熱密度増大に対応した高効率冷
を配置(ボードに対してファンを直交して配置)
するが,
却技術を開発した。今後ますます信頼性向上への要求が
装置幅が拡大する問題があった。それを防ぐため冷却対
高まり,またCPUの高速化に伴う高発熱化に対応した新
象物の上部にファンを集中配置し,XBボード,SCFⅡ,
冷却技術が必要となってくることは明らかである。今後
XB-DDCの順に蛇行して冷却風を流す一体冷却方式を採
もこのような状況に対応できる製品開発に向け積極的に
用した。
取り組む所存である。
なお,冷却風が蛇行して流れる複雑な形態であるた
め,熱流体シミュレーションにより冷却対象物の風量バ
ランスを詳細に検討した。その結果冷却ルート内に簡単
な風量調整板を付加することで,各冷却対象物の風量バ
FUJITSU.51, 4, (07,2000)
参考文献
(1) 結城,佐藤,市橋:GRANPOWER7000シリーズの高信頼
化技術. FUJITSU,49,1,pp.31-36(1998)
.
219
Fly UP