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環境報告書
2011
データ・詳細編
2010年度
(2010年4月∼2011年3月)
のトヨタの環境取り組みの進捗につき、
より詳細な内容を理解いただくために定量データを中心に記載しました。
なお取り組みの環境背景を理解いただくため、公開されている科学的知見を
それぞれの冒頭に添付しました。
section
1
エネルギー/温暖化
IEA
(国際エネルギー機関)
によると、世界の在来
型石油
(従来の原油)
の生産量は、2020年以降増
石油生産量の推移と予測
(mb/d)
100
加傾向が鈍ります。今後は需要に応じて割高な非
在来型石油
(重質油)
の生産が増えると言われて
います。石油をはじめとした化石燃料は有限であ
る一方、新興国の経済発展、生活レベルの向上な
どにより、今後も需要の拡大が続きます。
80
60
40
現在、新しい資源の開発は進んでいるため、燃料
多様化への対応が一層重要となります。
20
一方、米海洋大気局によると、2010年の世界の
平均気温は、20世紀の平均気温より摂氏0.62度
0
1990
高く、
1880年以降では2005年と並んで最高温度
を記録しました。
1995
2000
2005
2010
天然液体ガス
原油−現在生産している油田
エネルギーの価格推移
南アフリカなど南半球での洪水など、気候変動を
200
想起させる現象が世界各地で発生しました。
180
石炭
($/t)
160
原油
($/バレル)
120
積極的に対応しています。
100
製品分野では、①より燃費の高いクルマを開発普
80
及する、②クルマの電動化などエネルギー源の多
60
様化に取り組む、③スマートグリッドなど情報通信
40
0
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
(年)
2010
出典:平成22年版
「環境白書」
より
世界平均気温の推移
物流分野では、⑥物流プロセスで排出するCO 2
(℃)0.6
を把握、削減目標を設定の上、削減に取り組んで
0.4
14.6(℃)
年平均値
平滑化された曲線
平滑化された曲線の誤算範囲
(5∼95%)
14.4
∼
1961 0.2
14.2
年の平 均からの差
1990
0.0
14.0
-0.2
13.8
-0.4
13.6
-0.6
13.4
-0.8
1860
ヴィッツ
32
環境報告書 2011
データ・詳細編 エネルギー/温暖化
1880
1900
1920
1940
1960
1980
世界平均気温
います。
2035
20
生産分野では④地道な省エネ活動、⑤革新的省
エネ技術導入の二本立てで対応します。
2030
140
般を通じて、
エネルギー問題、温暖化問題に対し、
上にチャレンジします。
2025
出典:OECD/IEA 2010 - World Energy Outlook
り、ロシアの干ばつ、欧米の記録的大寒波、豪州・
技術を活用する、
などエネルギー効率の統合的向
2020
原油−未開発または未発掘の油田
日本でも、夏の酷暑は観測史上始まって以来であ
このような状況のもと、
トヨタはその事業活動全
2015
非在来型石油
13.2
2000(年)
出典:IPCC.2007:IPCC第4次評価報告書第1作業部会報告書
環境報告書 2011
* CD値 空気抵抗係数
開発・設計
レクサスCT200hが「2015年度燃費基準」早期達成
各国/各地域でトップクラスの燃費性能を
目指す技術開発の推進
2015年度燃費基準達成車種は、CT200hを含め2011年
3月末時点で15車種となりました。
車種名
2010年度燃費基準を全重量区分で
2005年より継続達成
車両重量
重量区分
JC08モード
車両重量
(kg) 2015年度燃費基準
(車両重量kg)
(km/L)
JC08モード(km/L)
(参考)
10・15モード
(km/L)
1,380
15.8
30.4
34.0
1,400∼1,420
15.8
26.6
32.0
1,421∼1,530 1,440∼1,460
14.4
26.6
32.0
1,311∼1,420
● 2010年度燃費基準は重量別に設定されていますが、
2005年度より、全重量区分で2010年度燃費基準を
CT200h
継続して達成
● 2010年度の新型車・フルモデルチェンジ車4車種中
3車種で2010年度燃費基準をクリア
● ガソリン乗用車の燃費基準達成車の生産台数比率は
98.2%
(前年度比0.4ポイント向上)
トヨタ車の2010年度平均燃費
40
2010年度燃費基準
35
燃費向上に寄与する走行抵抗低減技術として、空力性能
の向上に取り組んでいます。
2010年度燃費基準達成状況とトヨタ車の燃費実績
(km/L)
空力性能追求による燃費向上
各区分でトヨタ車トップの燃費値
30
新 型ヴィッツはフォルムからエクステリアの 細 部 、アン
ダーボデーに至るまで、風の流れを緻密に検証。それぞれ
*
の形状を工夫することで、
CD値0.285
(前モデル0.31)
としました。
25
20
エコドライブ支援装置の採用拡大
15
10
ドライバーのエコドライブを支援する
「エコドライブインジ
5
ケーター」
を新型ラクティス、
新型ヴィッツに採用しました。
CT
0
828∼
1,
016∼ 1,
266∼ 1,
516∼ 1,
766∼ 2,
016∼ 2,
266∼(重量区分:kg)
2010年度 新型車・フルモデルチェンジ車における
2010年度燃費基準達成状況
重量区分
(車両重量kg)
2010年度
燃費基準
(km/L)
(km/L) 平均燃費
2010年度 新型車・
フルモデルチェンジ車の適合車種
828∼1,015
17.9
22.6
ヴィッツ
1,016∼1,265
16.0
19.1
ラクティス、
ヴィッツ
1,266∼1,515
13.0
26.5
CT200h
1,516∼1,765
10.5
13.8
1,766∼2,015
8.9
11.7
2,016∼2,265
7.8
9.8
2,266∼
6.4
8.2
20
れは、
エコドライブの実践が、
実燃費向上に加え、
社会貢献活
動にも寄与できる仕組みとすることで、
ドライバーが自発的
にエコドライブを継続できるようサポートするものです。
クリーンエネルギー車の開発推進と
効果的な導入、普及促進
2012年の市場導入を目指し、
国内外で拡大するPHVの実証実験
プラグインハイブリッド車
(PHV)
の市場導入を進めるととも
に普及に向けて幅広い理解を得ていくため、2009年12月
主要車種新旧モデル燃費比較
(km/L)
30
従来車
新型車
(97)
(116)
(125)
「ハーモニアスドライビングナビゲーター」
を搭載しました。
こ
開発・設計
0.0
注1: 部分は燃費基準を達成
注2:2009年度以前の達成車は掲載していません。
注3:燃費値はいずれも、国土交通省10・15モード走行審査値です。
25
200hにはドライバーのエコドライブをサポートするシステム
(116)
15
(g/km)
( )
の数値はCO2排出量
※CO 2排出量は10・15モード
燃費値より計算
より、
日米欧のフリートユーザーを中心に、
国内で約230台、
グローバルで約600台が導入されています。2010年10月
には中国天津市で実証実験を開始しました。
10
5
0
ラクティス
(1.5L)
ヴィッツ
(1.3L)
環境報告書 2011
データ・詳細編 エネルギー/温暖化
33
環境報告書 2011
データ・詳細編
エネルギー/温暖化
燃料電池車(FCHV)実証実験の継続
FCHVの実用化には多くの課題があり、
その中で、
駐車場ゾーン制のイメージ
(実施前)
(実施後)
渋滞エリア
航続距離や低温始動性については、技術開発に
居住地
居住地
よってほとんど解決されました。残る課題である、
コスト低減、小型・軽量化、FCスタック
(燃料電池
P
P
P
P
本体)の耐久性向上などの解決に向け、現在も
勤務
建屋
開発が続けられ、実証実験をはじめインフラ構築
勤務
建屋
P
勤務
建屋
勤務
建屋
に向けた取り組みが行われています。
居住地
2010年
12月
東京都心∼羽田空港間での燃料電池ハイブリッドバスの
営業運行に車両提供
2011年
1月
トヨタをはじめとする民間13社が、
4大都市圏
(首都圏、中京、
関西、福岡)
を対象に、次世代自動車の1つである燃料電池
自動車の2015年国内市場導入と水素供給インフラ整備に
向けて共同声明を発出
2011年
1月
成田国際空港での「FCVハイヤー実証」
に燃料電池ハイブ
リッド車
「トヨタFCHV-adv」
を提供
居住地
クルマ
徒歩
目的地
マイカー通勤時の交通状況変化
外環状線
(周辺住宅地∼トヨタ本社/4.7km)
国道248号線
(豊田市駅周辺∼トヨタ本社/3.1km)
(走行時間:分)
(走行時間:分)
40
40
改善前
改善後
30
30
20
20
10
10
開発・設計
各種ネットワーク技術等を活用した
交通流改善への取り組み
豊田市と連携して低炭素社会づくりを推進
トヨタ、豊田市および中部電力をはじめとする民間企業
19社が参画した『家庭・コミュニティ型の低炭素都市
構築実証プロジェクト』は、経済産業省の補助事業の
モデル選定を受け、
「 地方都市型の低炭素社会シス
テム」構築を目指しています。
0
0
6:40 7:00 7:20 7:40 8:00 8:20 8:40 9:00 9:20
(出発時刻)
6:40 7:00 7:20 7:40 8:00 8:20 8:40 9:00 9:20
(出発時刻)
生産・物流
TMCの生産活動におけるCO2低減
2010年8月には、実証プロジェクトを推進する母体と
して、
『豊田市低炭素社会システム実証推進協議会』を
生産分野における2010年度CO2低減目標
設立。プロジェクトの実践に向け、2010年から5年間に
・CO2排出量 130.6 万t 以下に低減
わたる具体的な実行計画を確認しました。これにより、
主要な注力分野である家庭では20%、交通セクター
においては40%のCO2排出量削減を追求します。
設備寄せ停めや工程集約により、前年度比4.5%減
CO2排出量低減には、生産拠点とオフィス等非生産拠点を合わせた
目標を設定して取り組んでいます。
2010年度は、
設備の寄せ停めや総費用改善活動等を進め、
CO2年間
交通手段の連携・最適化
排出量は117万t
(1990年度比45%減)
となり、
目標を達成しました。
トヨタは、
「人・クルマ・交通環境」
による総合的な取り
売上高当たりのCO2排出量は14.2t/億円となりました。
組みに参加しています。2009年5月より、出勤時間
帯の渋滞緩和を目指し、
本社地区駐車場にゾーン制
を導入しました。これは、勤務建屋に近い駐車場で
実施テーマ
内容
低減量
(千t)
はなく自宅に近い駐車場を割り当てることで幹線
寄せ停め
鍛造ライン寄せ停め
1.6
道路を横切る交通量を削減し、併せて時差出勤の
総費用改善活動
塗装ブース空調高効率運転
3.8
その他対策
冷凍機の更新
2.
6
促進により交通量を時間分散させるなど、総合的な
対策の一環として取り組んでいるものです。
34
CO2低減に効果のあった主な対策
環境報告書 2011
データ・詳細編 エネルギー/温暖化
環境報告書 2011
TMC使用エネルギー別熱量構成比率
TMC物流CO2排出量の推移(国内)
電力 59.7%
LPG 2.2%
A重油 2.9%
灯油 0.3%
都市ガス 34.9%
(万t)
50
44.0
軽油 0.02%
40
(万t)
220
(t/億円)
50
212
CO2 200
180
158
160
140
29.1
30
134
122
120
100
0
13.1
’
90
40
’
07
14.5
’
08
14.2
’
09
117
20
14.2
10
29.8
30
売上高当たり 排出量
排出量
︵エネルギー起源︶
非生産部門のCO2排出量
生産部門のCO2排出量
売上高当たりのCO2排出量
当初見込み
32.2
35.1
TMC CO2排出量(エネルギー起源)
と売上高当たりのCO2排出量の推移
CO2
0
’
10(年度)
20
0
’
07
’
90
2008年3月、堤工場に定格出力2,000kW
(戸建住宅 500
’
08
’
10実績(年度)
’
09
CO2排出量低減の改善取り組み結果
改善の切り口
商品
総輸送距離の
低減
モーダルシフト
新エネルギーの利用促進
改善分 ▲0.3
26.4
(注1)
非生産拠点で1990年度の排出量を把握できない場合は、それ以降で把握できた
最も古いデータを使用しました。
(注2)
CO2排出量は、生産部門、非生産部門
(バイオ・緑化研究所、福利厚生施設を除く)
を
対象としています。
物流量減等 ▲5.5
27.9
CO2低減量
(千t/年)
主な改善内容
生産部品
積載率向上等
▲1.0
完成車
積載車積み台数向上等
▲1.2
補給部品
バンパー包装仕様のスリム化等
▲0.5
完成車
東京販売店向け車両の海上輸送化拡大等
▲0.6
▲3.3
合計
軒分相当)
の太陽光発電システムを導入しています。2010
年度は2,397MWhの電力を発電しました。
新エネルギー発電量
(太陽光発電)
日本国内
現状管理範囲
管理体制充実化を推進中
直送品
2,442
2,500
完成車
2,397
ボデー
メーカー
1,831
1,500
国内
販売店
海外域内
生産部品
完成車
国内
共販店
内製工場
(組立ユニット)
完成車
1,000
500
0
取り組み範囲
お客様
(MWh)
3,000
2,000
TMC物流でのCO2把握範囲
’
08
’
09
’
10 (年度)
サプライヤー
生産・物流
各国/各地域の物流活動におけるCO2低減
お客様
サプライヤー
部品
センター
海外
販売代理店
補給部品
生産部品
物流センター
(梱包工場) 輸入品
港
港
物流
センタ−
工場
物流分野における2010年度CO2低減目標(第4次プラン目標)
・CO2排出量 39.6万t(1990年度比▲10%)
以下に低減
各国・各地域でCO2排出量把握、低減活動継続
海外については、2007年度より各国・各地域でCO 2 排出
排出低減目標を達成、CO2排出量26.4万t
量把握を開始し、2008年度より目標を設定して低減活動
2010年度は、
積載率向上活動、
モーダルシフト、
物流パート
に取り組んでいます。また、海外各地域をつなぐ海上輸送
ナーと一体となった燃費向上活動の継続等の改善により、
に伴うCO2排出量の把握も進めています。
CO2排出量を0.33万t低減し目標を達成しました。さらに、
当初計画からの生産台数減の影響もあり、
排出量は26.4万t
となりました。
環境報告書 2011
データ・詳細編 エネルギー/温暖化
35
環境報告書 2011
データ・詳細編
資源循環
2
section
資源循環
2010年度は、
全世界的に緩やかな景気回復と新興国の経済
トヨタは、
すべての資源は有限であるとの考えのもと、生産
成長による、鉄、銅、ニッケルなどの金属資源の需要増加、
段階の歩留まり向上対策や、物流段階の梱包材使用量低
偏在性やレアアースの需給逼迫に注目が集まった年でした。
減など、資源の有効利用を促進すると同時に、さまざまな
インドや中国などの新興国が現状のまま工業化が進展する
リサイクルに取り組んできました。
場合、将来的な資源制約の可能性はこれまで以上に高まっ
近年では特に、枯渇が懸念される金属などの、使用量の
ていると言えます。
削減や、新たなルート開拓による安定調達と同時に、都市
また、
生産活動には欠かせない水も、
世界的な人口増加に伴う
鉱山としての使用済自動車からの資源循環にも力を入れ
農作物の増産のため、資源としての重要性が増しています。
ています。
非鉄金属資源の偏在性
水使用量の推移
資源
(鉱石)
の上位産出国
(2009年)
資源名
1位
2位
上位3ヵ国の
合計シェア
3位
レアアース
中国
97% インド
バナジウム
中国
37% 南アフリカ
35% ロシア
白金
南アフリカ
79% ロシア
11% ジンバブエ
2% ブラジル
99%
98%
3%
93%
3%
89%
タングステン 中国
81% ロシア
モリブデン
中国
39% 米国
25% チリ
16%
80%
注1
チリ
41% 豪州
24% 中国
13%
78%
インジウム注2 中国
50% 韓国
14% 日本
10%
74%
鉛
中国
43% 豪州
13% 米国
10%
67%
マンガン
中国
25% 豪州
17% 南アフリカ
14%
55%
亜鉛
中国
25% ペルー
13% 豪州
12%
50%
銅
チリ
34% ペルー
8% 米国
8%
49%
ニッケル
ロシア
19% インドネシア 13% カナダ
13%
44%
リチウム
4% カナダ
1%
26%
欧州 93 アフリカ 56 南米 59 オーストラリア・オセアニア 10
1950年
アジア 860
北米
281
1,358
アフリカ 161 南米 152 オーストラリア・オセアニア 26
1995年
アジア 2,157
2025年
北米 672
アジア 3,104
3,679
北米 788
欧州 619
アフリカ 南米
5,031
254 233
オーストラリア・オセアニア 33
0
1,000
2,000
出典:平成22年版
「環境白書」
注1 但し、米国の生産量
(不詳)
を除いたシェア
注2 地金ベース
(Refinery production)
によるシェア
欧州
511
3,000
4,000
5,000(10億t)
出典:国土交通省
「平成19年度版 日本の水資源」
資源循環の概念図
リサイクル向上設計/エコプラスチック開発
開発・設計
生産・物流
社外排出物低減
社内循環
出荷容器のリターナブル化拡大
資源
投入
使用済自動車からのリサイクル
修理交換部品のリサイクル
販売店修理交換
バンパー
HVモーター
HVバッテリー
エンジン
アンダーカバー
ASR
廃棄
36
環境報告書 2011
データ・詳細編 資源循環
販売
輸送用
パレット等
ラゲージドアトリム
ラゲージトリム
シートバックボード
環境報告書 2011
*1 資源ロス 社内循環+社外排出物
*2 埋立廃棄物ゼロ化
2000∼2004年度:直接埋立される廃棄物を1995年度比5%未満で取り組み
2005年度∼:直接埋立される廃棄物を1995年度比1%未満で取り組み
*3 売却リサイクル 売却しリサイクルするもの
*4 逆有償リサイクル 費用を支払いリサイクルするもの
生産・物流
物流分野における2010年度目標
・梱包・包装資材使用量を5.87 万t 以下に低減
TMCの循環型社会へ向けた
資源有効利用の一層の推進
梱包・包装資材低減活動、総使用量目標達成
生産分野における2010年度目標
梱包・包装資材の使用量低減には、
バンパー包装のスリム化
・社外排出物を36.3 万tに低減
等包装仕様の簡素化、
および出荷容器のリターナブル化の
拡大等の改善に取り組みました。
社外排出物低減活動を継続、前年度比9.4%減
こうした取り組みにより、低減量は0.78万tとなりました。
循環型社会に向けた資源の有効利用のためには売却リサ
物量変動等の影響はあったものの、総量は5.70万tとなり、
イクル・社内循環も含んだ *1資源ロス全体の低減を促進す
2010年度の目標を達成しました。
る必要があります。
なお、2008年度より各国・各地域で使用量把握を始め、
2010年度は、歩留まり向上対策などにより、社外排出物量
欧米以外はほぼ実施済みです。2011年度は全地域での
は31.0万t
(前年度比9.4%減)
、売上高当たりの社外排出
把握を目指します。
物量は3.8t/億円
(前年度比5.5%減)
となりました。
TMC梱包・包装資材使用量の推移(国内)
TMC社外排出物量と売上高当たり社外排出物量の推移
売上高当たり原単位
(t/億円)
社外排出物量
(千t)
600
10
559
103.0
100
90
506
500
400
(千t)
375
7.1
342
310
8
80
6
70
65.9
300
4.2
200
4.0
4.0
’
08
2
50
0
0
56.9
57.0
0
’
07
60
3.8
100
’
00
’
09
当初見込み
60.5
61.8
4
’
95
’
10
(年度)
’
07
’
08
’
09
改善分▲7.8
物量変動等4.3
’
10年実績(年度)
(注)
社外排出物量は、生産部門、非生産部門
(福利厚生施設除く)
を対象としています。
梱包・包装資材使用量低減の改善取り組み結果
社外排出物低減活動におけるこれまでの主な取り組み
2003年度
改善テーマ
商品
非生産拠点で*2埋立廃棄物ゼロ化を達成
低減量
(千t/年)
主な改善内容
包装仕様スリム化
▲5.0
荷姿改善、
リユース等
▲1.3
軽量ダンボールの導入等
▲0.5
補給部品
2006年度
*3
売却リサイクルも含んだ社外排出物量の低減目標を掲げ活動
スリム化等
生産部品
社外排出物低減に効果のあった主な対策
実施テーマ
内容
低減量(千t)
合計
歩留まり向上
対策
補給部品
リターナブル容器の適用拡大
(品目拡大、仕向国
(タイ)
拡大等)
▲0.5
生産部品
リターナブル容器の適用拡大
(新規BOXサイズの追加等)
▲0.5
リターナブル化
プレス新車種の歩留まり向上対策
▲7.8
3
鍛造部品の歩留まり向上対策
0.4
資源の流れ
社内循環
社内再利用
工程内再利用
製品
社外排出物
資源投入
売却リサイクル
*4
逆有償リサイクル
焼却廃棄物
埋立廃棄物
環境報告書 2011
データ・詳細編 資源循環
37
環境報告書 2011
データ・詳細編
資源循環
*1 ASR(Automobile Shredder Residue)使用済自動車の破砕処理後に出る廃棄物
*2 リサイクル実効率 解体・シュレッダー工程までで再資源化される比率約83%
(2003/5合同
審議会資料より引用)
に、残りのASR比率17%×ASRリサイクル率85%を合算して算出。
*3 EFTA スイス、
ノルウェー、
アイスランド、
リヒテンシュタインの4ヵ国
トヨタのリサイクル実効率およびASR再資源化率の推移
生産・物流
(%)
TMCの水使用量低減
100
94%
96%
97%
97%
80%
81%
97%
トヨタの
リサイクル実効率
(車両換算値)
85%
水使用量低減活動を継続(前年度比2.6%減)
トヨタのASR
再資源化率
76%
2010年度は低減活動の継続により、総使用量は12.8百
70
66%
3
万m(前年度比2.6%減)
となりましたが、TMCの生産台数
2015年度 法定基準 70%
の減少の影響もあり、台当たり使用量は5.0m3/台
(前年度
50
比13%増)
となりました。
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10(年度)
TMC水使用量と生産台数当たりの水使用量の推移
(百万m3)
20
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
台当たり水使用量
(車両組立工場)
16.2
15.4
4.1
4.1
水の総使用量
(全社) (m3/台)
8
7
14.2
4.6
12.8
13.1
6
5
5.0
4.4
4
3
2
1
’
06
’
08
’
07
’
09
’
10(年度)
0
(注1)
水総使用量は、生産部門、非生産部門
(福利厚生施設除く)
を対象としています。
(注2)
台当たり水使用量は、車両組立工場の台当たり原単位を示しています。
海外の自動車リサイクル法への対応
EU廃車指令
(2000年)
に基づく自動車リサイクル法が欧
州加盟各国で制定され、2007年1月からメーカーによる
廃車引き取りが一部の国・地域を除き実施されています。
トヨタはTME・各国代理店と連携し、EU27ヵ国中23ヵ国
において使用済自動車引き取りネットワークの構築を完
了。残る4ヵ国については、各国政府による解体業者認定
作業の進捗に合わせて対応を進めています。
また、欧州以外においても各国の現地法人と連携し、法動
向の把握や現地インフラ調査等、着実な対応をグローバ
リサイクル
ルに進めています。
日欧のリサイクルシステムの定着
国内の自動車リサイクル法への対応を確実に実施
状況
国名/地域名
解体・リサイクル事業者との連携のもと、
自動車リサイクル
法律制定済み
*3
EFTA、日本、台湾、韓国
EU、
法
(2005年1月施行)
への着実な対応を推進。自動車メー
法制化検討中
ロシア、インド、中国、
メキシコ、
トルコ、ベトナム
カーに定められた使用済自動車から発生するフロン類、
*1
エアバッグ類、
ASRの引き取りを行い、的確にリサイクル
を実行しています。
ASRの再資源化率では、2015年度法定基準
(70%)
に対し
て、すでに2007年度に76%を達成、さらに2010年度の
再資源化率は85%になりました。また、車両換算した*2リサ
イクル実効率は97%、
トヨタリサイクルビジョン
(リサイク
ル実効率95%)
を達成しています。
2010年度 再資源化等の実績
実績
ASR引取台数
97.4万台
エアバッグ類引取台数
55.7万台
フロン類引取台数
再資源化率
38
法制化の状況
環境報告書 2011
データ・詳細編 資源循環
80.1万台
ASR
85%
エアバッグ類
94%
凡例
環境報告書 2011
[中古品・リビルト部品の供給]
ASRマテリアルリサイクルの推進
2010年度 中古部品・リビルト部品の供給実績
[防音材(RSPP)の開発]
繊維類を再生素材として分別し、適度な空気層を持つ防音
材
(RSPP:Recycled Sound-Proofing Products)
として
リビルト部品
自動車の各部位へ再利用。従来品に比べ、吸音性と遮音性
のバランスがとれた高性能のまったく新しい防音材で、
供給点数
中古部品・リビルト部品
新品(参考)
A/Tトランスミッション
6,505
72
パワーステアリング
10,556
6,302
トルクコンバーター
4,446
5,746
62,057
ー
部品名称
シュレッダーダスト中の最大容積を占める発泡ウレタンや
中古部品
2010年度までの累計で約2,000万台に搭載しました。
RSPPの累積使用量および累積搭載台数
使用量
(t)
搭載台数
(万台)
使用量
30,000
搭載台数
25,000
20,000
15,000
10,000
4,000
ハイブリッド車用バッテリーの安全な回収・処理と資源循環の
3,500
ため、
初代プリウスの発売
(1997年)
から、
全国規模の廃バッ
3,000
テリー回収・リサイクルシステムを構築、運営してきました。
2,500
2009年10月には、
「トヨタHV引取受付センター」
を新設し、
2,000
バッテリーユニットの引き取り対応にあたっています。2010
1,500
年度に回収依頼を受けた5,654個の廃バッテリーは、
豊田ケ
1,000
5,000
0
ハイブリッド車搭載バッテリーの回収とリサイクル推進
500
0
10
’
98 ’
99 ’
00 ’
01 ’
02 ’
03 ’
04 ’
05 ’
06 ’
07 ’
08 ’
09 ’
(年度)
ミカル エンジ ニアリング
(株)
にて還元処理を行い、
ニッケル素材をステンレス
の原料として再利用してき
ましたが、
2010年10月から
はバッテリー原料化にも取
販売店・部品共販店で着実なリサイクル推進
り組んでいます。
ハイブリッド車用バッテリー取り外し講習会
[修理交換済パーツの回収・リサイクルの推進]
全国の販売店、部品共販店でも従来より、
バンパー、鉛バラ
ンスウェイト等、修理交換済パーツの回収や、タンクロー
リー車でのオイル運搬によるドラム缶の削減、中古部品販
リサイクル
リサイクル設計の一層の推進と展開
売に取り組んでおり、
リサイクルの一翼を担っています。
車両解体性向上の取り組み
2010年度 修理交換済パーツの回収・リサイクルの実績
使用済自動車の資源循環を推進していくためには、解体し
バンパー
95.6万本
(回収率71.1%)
やすく分別しやすい構造やリサイクル材料の採用など、
リサ
鉛バランスウェイト
37.1t
イクル性の向上・リサイクル材の活用推進が求められます。
タンクローリー車によるバルク方式給油量
部品共販店販売量の59.0%
そのため、
これまでに数々の研究を積み上げてきました。
修理交換済バンパー回収量の推移
リサイクル設計の経緯
(万本)
100
90.5万本
95.6
87.4
87.7
回収率
(%)
100
89.2
2003年度
リサイクル設計を織り込んだ
「ラウム」
発売
2006年度
取り外し/分離しやすいスペアタイヤをLS460に採用
2008年度
インパネ/ワイヤーハーネス解体性向上のための解体シミュレーション
システムの開発、
リサイクル材の採用
2009年度
ドアトリム解体性向上のための引きはがしシミュレーションシステムの開発
90
80
80
60
69.0
71.1
70
65.5
40
62.0%
61.5
60
解体技術の詳細はホームページを参照ください
http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/recycle/scrap/
20
50
0
0
’
06
’
07
’
08
’
09
’
10(年度)
環境報告書 2011
データ・詳細編 資源循環
39
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境負荷物質/大気環境
*1 REACH
(Registration,Evaluation,Authorisation and Restriction of Chemicals)
化学物質の登録、評価、認可および制限に関するEU規則
*2 CLP
(Regulation on Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures)
化学品の分類、表示、包装に関するEU規則
*3 GHS
(The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)
化学品の分類および表示に関する世界調和システム
*4 VOC
(Volatile Organic Compounds)揮発性有機化合物
section
3
環境負荷物質
2002年ヨハネスブルク地球サミットで、2020年までに、
「化学物質
の製造や使用による人への健康と環境への影響を最小化する」と
化学物質規制「REACH」等への確実な対応
化学物質規制への対応状況
いう国際合意がなされ、取り組みが進められています。
現在、全世界では約10万種類の化学物質が製造・販売されていると
規則
概要
言われています。
有害性のある化学物質の使用を禁止する考え方で、各国で法規制化
REACH
欧州REACH規則
(2007年発効)
は、化学物質管理の企業責任を明確
に求めています。REACHでは、企業は自社で使用する化学物質の
把握・リスク評価が義務づけられています。
トヨタでは2008年の
REACH予備登録、2010年からの本登録に着実に対応しています。
*2
CLP規則
(2009年発効)
は、化学物質の危険性分類や表示を国際調和
に基づく仕組みに変更するものです。欧州での化学品の
ルール
(*3GHS)
製造者・輸入者は、本規則に従って、化学物質の有害危険性分類や行政
への届出、表示をすることが求められます。
トヨタでは、2011年1月の期
限までに、欧州法人が輸入する化学物質について届出を完了しました。
*1
が行われてきましたが、近年では各企業が、使用する化学物質の危険
性を評価し、適切な管理のもとで使用するという考え方が主流です。
このような中で、企業には、①使用している化学物質の把握とリスク
対応状況
CLP
評価、②リスクに対する適切な対応、③行政や社会への情報提供が
確実に
対応
求められています。
トヨタはPRTR法のもと、工場からの化学物質の排出を継続的に削
減。なお、PRTR法改正により、2010年度より対象物質数が拡大しま
した。製品中の環境負荷物質削減にも社会的要請が高まっています。
トヨタは、サプライチェーンの方々と協力し、製品に含有する環境負
荷物質の削減に取り組んでいます。
今後ともトヨタは生産と製品の両面で化学物質による影響を削減し
ていきます。
新型・フルモデルチェンジ全車種で、
車室内VOC低減を実施
トルエン、キシレン、ホルムアルデヒドなど、車の内装部品などから
揮発する*4VOC(揮発性有機化合物)は、健康に影響を与える可
能性があると言われています。こうした車室内のVOCを低減する
ため、内装部品の素材、加工法、接着剤の見直しを続けています。
届出排出量・届出外排出量上位10物質とその排出量
(平成20年度分)
(単位:千t/年)
82
トルエン
58
38
キシレン
55
15
14 (29)
エチルベンゼン
ポリ
(オキシエチレン) 0.14
26
(26)
=アルキルエーテル
15 2(17)
塩化メチレン
直鎖アルキルベンゼン 0.022 17 (17)
スルホン酸およびその塩
0.33 13 (14)
HCFC-22
(93)
D-D 0.0056 10(10)
50
100
150
出典:平成23年版
「環境白書」
TMC生産活動におけるPRTR対象物質の低減
PRTR対象物質の排出量削減の取り組み推進
2010年度は、洗浄シンナーの使用量削減・回収率の向上、水性
PRTR法改正により2010年度から対象物質数が増加したため、
環境負荷物質の管理、低減の一層の管理
年間排出量は1.1千t
(前年比30%増)
となりました。
TMC PRTR対象物質の排出量の推移
環境負荷4物質の対応
環境負荷4物質の対応状況
40
全車自工会自主目標をクリア
用洗浄シンナーの純水化などの取り組みを推進しました。
開発・設計
環境負荷4物質
国内全生産事業体
海外主要工場
鉛 水銀 カドミウム 六価クロム
2006年8月に全廃
2007年末時点で概ね全廃
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境負荷物質
ラクティス FJクルーザー ヴィッツ CT200h
( )
内は、届出排出量・
届出外排出量の合計
0.92 11(12)
0
対応状況
生産・物流
届出排出量
届出外排出量
p-ジクロロベンゼン 0.032 13 (13)
ベンゼン
2010年度発売新型車・フルモデルチェンジ車
(140)
(千t)
7
6
5
4
3
2
1
0
6.3
1.6
1998
2007
1.1
0.9
1.1
’
08
’
09
’
10(年度)
環境報告書 2011
4
section
大気環境
大気汚染の主な発生源には、工場や事業場などの固定発
生源と自動車等の移動発生源があります。現在国内では
大気汚染の改善が進み、
クルマの排出ガスも大幅に低減
されました。
開発・設計
各国/各地域の都市大気環境改善に資する
排出ガス低減
トヨタは大気環境をクリーンに保つため、①開発・設計、②
生産・物流の両面で低エミッション技術を開発。2010年度
平成17年基準低排出ガス車生産台数比率
(2010年度)
は、超-低排出ガスレベル
(U-LEV)
以上がほぼ100%を達成
し、
生産塗装のVOC排出量をさらに低減しました。
今後も、低エミッション技術の開発、グローバルな展開、
VOC低減に取り組みます。
区分
低減レベル
生産台数比率
新☆☆☆
U-LEV
平成17年基準排出ガス
50%低減レベル
4.5%
(29)
☆☆☆☆
SU-LEV
平成17年基準排出ガス
75%低減レベル
95.1%
(134)
( )
内は型式数
ガソリン・LPG乗用車規制強化の推移
NOx 昭和48年
100
50年
生産・物流
54
51年
(等価慣性重量1t超)
TMCのVOC排出量低減活動
38
51年
(等価慣性重量1t以下)
27
53年
ボデー塗装のVOC排出量を3g/m2削減、20g/m2に
10
平成12年
2010年度は、洗浄シンナーの使用量削減・回収率の向上、
3
昭和48年の値を100とする。
17年 1
(新長期規制)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
HC 昭和48年
(%)
100
100
16
50年
0
10
2
当たり20g/m(前年度比13%減)
となりました。
TMC ボデー塗装のVOC排出量(全ライン平均)推移
70
昭和48年の値を100とする。
2
(新長期規制)
17年
した活動により、全ボデー塗装ラインVOC排出量は、面積
原単位
(g/m2)
5
平成12年
水性用洗浄シンナーの純水化などの取り組みを推進。こう
20
30
40
50
注:等価慣性重量とは排出ガス試験時の車両重量のこと
60
70
80
90
(%)
100
出典:平成23年版
「環境白書」
64
60
50
40
26
30
24
23
’
08
’
09
20
20
10
0
1998
2007
’
10(年度)
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境負荷物質・大気環境
41
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境経営
section
5
環境経営
トヨタは、環境を経営の最重要課題の一つとして位置づけ、環境経営を
グローバルな環境経営の推進体制
推進してきました。
「より多くの仲間と環境に取り組むべき」
との想いから、その対象範囲は
欧州環境委員会(2002∼)
連結事業体に留まらず、自主参加した非連結事業体、生産販売事業体を
中国環境委員会
(2007∼)
合わせて558事業体は、生産台数の99%、販売台数の93%をカバーし
トヨタ環境委員会
(1992∼)
豪亜環境委員会(2007∼)
ています。2010年度は、TMCの第5次「トヨタ環境取組プラン
(2011∼
2015年度)」
に基づいた各地のプランが作成されました。今後は、TMC
北米環境委員会(2004∼)
南ア環境委員会(2008∼)
および各地域の目標達成に向け、地域の環境委員会と連携を取りながら、
南米環境委員会(2006∼)
環境取り組みのさらなる強化を図ります。下記は各地域環境委員会の
第5次「トヨタ環境取組プラン」の策定を受け、各地域の取り組みプランを
各環境委員会が取りまとめ
委員長のプランにかける想いと今後の活動の方向です。
マネジメント
連結環境マネジメントの強化
地域の活動の方向性
欧州
北米
委員長メッセージ
委員長メッセージ
私どもは2020年までの中長期
石油を使うことによる環境、
経済、
プランの中で、CO 2 、大気環境、
および社会の負担に関する政策
資源効率性、化学物質管理、
リサ
論議が盛んになされ、
日常生活に
イクルに取り組み、EUの長期的
影響を与えます。この挑戦すべき
な社会の脱炭素化政策に応えて
いきます。
問題に持続可能な解決案を提示
TME(Toyota Motor
Europe)社長
しなければなりません。
ディディエ ルロワ
42
TMA(Toyota Motor North
America)社長
稲葉 良
HVとPHVの普及・大衆化
HVの拡大
低炭素社会への重点取り組みは、HVの普及・大衆化と
ハイブリッド技術は大幅に燃費を改善し、CO2排出レベル低減に
PHV導入です。CO2を減らし、化石燃料への依存低減
直に効果のある方法です。我々はこれを受け、2012年に導入予
のため、技術的解決策の主流であるハイブリッド化を
定のモデルラインアップでプリウスファミリーを拡大します。これ
全主要車種で進め、消費者の理解を得ます。これが車
には純粋なEVのように走行距離を制限されず、スマートグリッド
両・燃料技術と相まって、
業界最高水準の燃費、
低CO2、
による電力でも走行できるプラグイン・タイプのプリウスも含ま
クリーンな排ガスを実現すると考えています。重点取り
れます。デモプログラムを通じ、プラグイン車とその実践的使用
組みの2つ目は、
リサイクルを最適化しつつ、全施設で
方法を消費者に提供します。最後に製造から使用、使用済み時の
のエネルギー使用・排ガスの削減、排出物・水使用の
ハイブリッド・バッテリー等の関連部品の回収まで、
トータルの環
削減等の資源効率を上げることと考えています。
境負荷に対応するためライフサイクルアプローチを取ります。
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
環境報告書 2011
南米
豪亜
委員長メッセージ
委員長メッセージ
地域の環境対応のフロントラン
世界各国では、重大な自然災害
ナーを目指して、南米環境5ヵ年
が頻繁に発生していますが、豪亜
プランを作成しました。今後環境
環境5ヵ年プランは、自然と調和
に配慮しながら、地域での活動を
して事業を進めることを目指して
います。CO2低減とエコの森は、
拡大していきます。
MST(Mercosur Toyota)社長
販売店での環境対応
中西 俊一
2006年より活動を開始した販売店の環境活動では、まず、販
売店が遵守しなければならない5項目を規定した
「環境リスク
自然と持続可能に調和して進める
TMAP-EM(Toyota Motor
Asia Pacific Engineering &
Manufacturing) 社長
活動の一環です。
岩瀬 隆広
バリューチェーンを通じてのCO2低減
監査プログラム
(DERAP)」
に取り組み、次にISO14001の取得
CO2は温暖化の原因の一つと言われ、洪水等の重大な
を目指してきました。2015年までの計画は、下表の通りです。
自然災害につながります。豪亜地区では、製造・サプラ
目標
(取得ディーラー数/対象ディーラー数)
DERAP
ISO14001
アルゼンチン
90%
90%
ブラジル
85%
40%
100%
3モデルディーラー
ベネズエラ
中国
イヤーおよび、販売店のバリューチェーンを通してCO2
を削減し、100万本の地域に根ざした木を植える植林
活動を通し、環境意識を向上。また、施設の浄化や部品
製造に植物繊維等再生可能な有機材料の活用を検討
します。これらにより自然と産業の持続可能なバランス
をつくり出します。
南アフリカ
委員長メッセージ
委員長メッセージ
急成長する自動車市場である中国
私どもは地域の環境リーダーを
において、地球環境に寄り添う意識
目指しており、資源の効率的な活
を持ち続け、環境に配慮して行動す
用が特に重要だと考えています。
ることを、新たに策定した中国環境
取組プランで実践していきます。
工場の環境管理強化
豊田汽車(中国)
投資有限公司 副董事長
佐々木 昭
TSAM (Toyota South Africa
Motors)社長
生産現場でのエネルギー削減
ヨハン ファン ゼイル
生産・物流分野では、他の地域と同様、温暖化、資源枯渇等の
南アフリカでは、電力供給増プロジェクトの資金を捻出
問題について、原単位目標を掲げ、環境負荷の低減活動を進めて
するため電力料金が大幅に上昇しています。コスト増が
きました。今後は、環境負荷の視解化活動とムダ・ムラ・ムリの
課題でもありますが、エネルギー効率のよい生産活動
排除を徹底して、地域・世界トップレベルを目指した取り組みを
への取り組みを実施するよい機会であり、
その結果環境
一層進めていきます。環境管理については、ISO14001を全生産
パフォーマンスが向上されます。我々は、
「ノーワーク、
事業体で取得しておりますが、環境マネジメントシステムのレベル
ノーワット」
のスローガンのもと、
「ジャストインタイム・エ
アップ活動を推進し、規制適合はもちろんのこと、さらなる質的向
ネルギー」
を目指します。また、
様々な改善の実施に先立
上を図ります。また、中国環境委員会で行っている現地現物確認
ちエネルギー効率化プロジェクトの可能性を研究するこ
を充実、好事例の展開を強化し、加えて、販売・リサイクルをはじ
とによってもエネルギーの効率化は改善されます。実現
めとする生産・物流以外の分野の取り組みも着実に進めます。
可能な省エネプロジェクトをあらゆる分野で開始します。
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
43
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境経営
2010年度連結環境マネジメント取組方針と結果
2010年度は、生産・販売分野等、年度目標の確実な達成に向けた取り組みを推進。生産分野は計画的に対策を実施し、ほぼ
目標を達成しました。販売・その他の分野では、各社ごとに年度プランを策定し、推進しました。
2010年度取組方針と活動結果
取組方針
●
各地域委員会の
定期開催
●
各社違反・苦情の再発防止に向けた、
未然防止活動の強化
● 各社2
010年度目標達成に向けた
国内環境会議体、地域環境委員会
を通じた取り組み強化
●5
ヵ年プラン
(2011∼2015年度)の
海外
(*43社) 策定フォロー
●
違反・苦情ゼロ
●
●
各社2010年度
目標の達成
●
全社策定
●
2010年度計画
目標の達成
●
1)
「販売店CSRガイドライン」チェックリ
ストを活用した着実な取り組みの推進
2)チェックリストについては、
法改正・
直近の事例等を踏まえ、
内容を改訂
併せて収集した情報のフィードバック
を検討
●
改善取り組みの
継続強化
●
1)
原単位管理と過年度データとの比
較管理
●
海外 1)ディーラー環境リスク監査プログ
(DERAP)
による推進
(*46社) ラム
●
2009年度活動結果および
その他
国内 1)
(69社)(53社) 2010年度年度計画の策定フォロー
●
●
国内
生産
(78社)(35社)
●
●
2009年度活動結果および
販売
国内 1)
(79社)(33社) 2010年度年度計画の策定フォロー
数値管理の充実
海外 2)
(16社)
EPIの定着
取組方針
活動結果
目標
地球環境委員会の自立化促進と、
TMCと各地域委員会の一層の連携
強化
全 体
2011年度の方向性
地域別環境委員会を定期的に開催
欧州環境委員会-4回
中国環境委員会-2回
豪亜環境委員会-2回
南米環境委員会-2回
南ア環境委員会-2回
北米環境委員会-1回
●
未然防止活動を展開してきたが、
軽微
な違反が発生
(*違反13件、
苦情0件)
。
対策はすべて完了
*国内7件、
海外6件
● 各社においては、
2010年度目標達成
に向けて計画的に対策を実施し、
ほぼ
目標を達成
各社ごとに年度プランを策定して
推進中
「販売店取組好事例集」をト販協より
送付する等着実に強化推進
● ト販協CSR研究会との連携強化によ
り、情報フィードバック他、今後の取り
組みの方向性についての大枠を決定
目標
各地域との連携を強化した
環境マネジメントの推進
再発防止に向けた、
未然防止活動の強化
● 国内外環境会議を通じた目標
必達の徹底
●
各地域委員会の
定期開催と第5次
「トヨタ環境取組
プラン」の円滑な
立ち上げ
●
●
違反・苦情ゼロ
●
国内/各地域の
2011年度目標の
達成
●
2010年度活動結果および
2011年度年度計画の
策定フォロー
●
2011年度計画
目標の達成
●
環境取り組みのさらなる強化に
向けた方向性の確定と打ち出し
●
環境事故ゼロ
●
EMS認証取得トラ
イアル開始と今後
の方向性の決定
対象会社全社データ入力
販売店への原単位データ等の
フィードバック
●
原単位管理と過年度データ
との比較管理
●
管理データの
フィードバック
継続
●
目標達成
ディーラー数比率:80%
●
ディーラー環境リスク監査プロ
グラム
(DERAP)
による推進
●
目標達成
ディーラー数比率:
80%
2010年度計画
目標の達成
●
各社ごとに年度プランを策定して
推進中
●
2010年度活動結果および
2011年度年度計画の
策定フォロー
●
2011年度計画
目標の達成
EPIの定着
●
対象会社全社データ入力
●
数値管理の充実
●
EPIの定着
●
●
目標達成
ディーラー数比率:
80%
*生販一体の10社はどちらにも含む
エコファクトリー活動を7工場で実施
新工場の建設や大規模な改装・拡張プロジェクトを対象
エコ・ファクトリー活動
実施済み
2010年度実施済み
に、その地域でNo.1の工場を目指し、環境対策を確実に
北米
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
TMMR
44
欧州
SFTM長春
新工場
ファクトリー活動を行いました。
SFTM四川
2010年度は、
北米、
インド、
ブラジル、
中国の7工場でエコ・
中国
GTMC
第2工場
チェックを行うものです。
TDB
ソロカバ
現物でチェックし、不具合がある場合には是正し、再度
TKM
第2工場
企画・設備計画、
トライ、
操業の各段階で、
環境配慮を現地
インド ブラジル
TMMMS
TMMC
ウッドストック
織り込むエコ・ファクトリー活動を継続しています。
これは、
数字のみ:今後の実施予定年度
企画
書面監査
現物監査
11
11
11
コンプライアンス、
リスク評価
11
11
12
12
パフォーマンス評価
(エネルギー、VOC等)
12
13
14
12
14
12
環境報告書 2011
トヨタ生物多様性ガイドラインに沿って取り組みを推進
生物多様性は気候変動とともに最も重要な地球規模の環境
トヨタ環境活動助成プログラムを活用、
経済と生物多様性の両立を図る
課題と言われ、世界規模で取り組みが進められています。
1999年に、
国連環境計画から受賞した
「グローバル500賞」
トヨタは、2008年3月に策定・公表した「トヨタ生物多様性ガイド
を記念して、2000年度よりNGO等の環境活動を支援する
ライン」に沿って、様々な活動を展開しています。
助成プログラムを実施。インドの取り組みを紹介します。
2010年10月には、愛知県名古屋市でCOP10
(第10回生物多
インドの環境教育NGO、CEE
(Center for Environment
様性条約締約国会議)
が開催され、
「名古屋議定書
(遺伝資源の
Education)
は、助成プログラムを活用して、北西部グジャ
利益の配分)
「
」愛知目標
(生物多様性に関する中長期目標)
」
が
ラ州の貧困地域で絶滅が危惧される薬草保護と貧困緩和
採択されました。
トヨタは、生物多様性をテーマにしたプレイベ
のため、
「Sanjeevani(地域の薬用ハーブの現地名)プログ
ント
「世界自然・野生動物映像祭」
の開催支援や、
「トヨタ生物多
ラム」
を2007年より開始。成果を上げています。この地域
様性パンフレット」
の作成、配布を実施しました。
には786種の薬草が存在し、生物多様性の象徴でした。
また、
2010年9月に公表した新しい中期計画である第5次
「トヨタ
しかし、
251種が乱開発、貧困を補う乱獲で絶滅が危惧され
環境取組プラン
(2011∼2015年)
」
の中に、
“生物多様性の取り
ます。プロジェクトは、10の高等小学校を選定。
高等小学校 選定。実証薬草園
組み”
と
“自然共生社会構築に資する社会貢献活動の推進”の
を設置、薬草の選定か
2項目を新たに織り込み、具体的な取り組みを進めています。
ら栽培、使い方、売り方
なお、愛知県豊田市と岡崎市にまたがる中山間地に、建設検討
まで、先生、生徒、また
中の
「新研究開発施設」
については、現在、愛知県条例に基づく
地 域 の 農 民 民 間 医に
環境アセスメントが進行中です。これまで、有識者による自然
教育・訓練します。
環境保全技術の検討、地元での公開説明会の開催、当社が検
薬草園は10ヵ所計2万
討中の取り組みの情報開示などにより、幅広いコミュニケー
2,688m 2 、受講者は計
ションを進めています。
4,065人となりました。
薬草園の薬用ハーブを栽培する生徒たち
トヨタ
「生物多様性ガイドライン」
マネジメント
取り組みの基本的な考え方
主な取り組み
生物多様性の重要性を認識し、
トヨタ基本理念に基づき、住みよい地球・
豊かな社会の実現と、その持続的な発展を目指し、自動車・住宅事業、新規
事業、社会課題への貢献等において、生物多様性に取り組みます。
環境教育の充実
● 技術による貢献
トヨタはバイオ・緑化技術、環境技術等の可能性を追求する
ことにより、生物多様性と企業活動の両立を目指します。
体系化した階層別環境教育を継続実施
● 社会との
連携・協力
トヨタは、政府・国際機関・NPO等、生物多様性に関係する社会
の幅広い層との連携・協力関係を構築することを目指します。
毎年6月に開催する
「トヨタ地球環境月間」
で各種行事を展
● 情報開示
トヨタは企業活動と両立する生物多様性に関する自主的取り
組みや成果を開示することにより、広く社会と共有し、もって
持続可能な社会の発展に寄与することを目指します。
自動車
事業等
社会課題
への貢献
暖化問題・エコドライブに関するe-ラーニング等を通して環
境意識の啓発に取り組んでいます。
トヨタの主要な生物多様性取り組み事例
区分
開したり、11月には「トヨタエコドライブ月間」開催や地球温
2009年度に体系化した階層別環境教育に準じ、
社員一人ひ
取組項目
具体的な実施事項等
主要関連ページ
温暖化対策
●グローバルな燃費向上 ●生産・物流活動におけるCO2低減
12・34・35
大気環境問題への
対応
●排出ガス低減
●VOC排出量の低減
資源循環の推進
●リサイクル設計の推進 ●リサイクル材の使用拡大
とりが高い環境意識を持って業務を遂行するために、職種、
階層ごとの教育を継続的に実施しています。
13・41
25・26・36・
37・38・39
工場の森づくり
●その地域本来の植生種による植樹
23
森林再生
●間伐による下層植生の回復
(三重県)
23
自然と共存し地域と
調和した新研究開発
施設の検討
●希少動植物の生息・生育環境の保全
●谷津田周辺の環境改善
●里山林の維持管理
※
人材育成&
希少種保護
●白川郷自然學校やトヨタの森での
自然環境教育
23
グローバル植林
●自生種を用いた植林
(中国・フィリピン)
23
トヨタ環境活動助成
プログラム
●テーマを生物多様性と
地球温暖化に絞り支援
45
環境教育体系図
教育区分
従業員の
環境意識向上教育
・環境e-ラーニング ・環境ハンドブック
階層別教育
http://www.toyota.co.jp/jp/environment/preservation/assesment/outline1.html
新入社員教育
管理者教育
経営人材育成プログラム
専門教育
※新研究開発施設の検討についてはホームページを参照ください
名称
トヨタ地球環境月間行事
(毎年6月)
トヨタエコドライブ月間
(毎年11月)
環境保全管理者教育
環境内部監査員教育
海外環境保全推進者教育
環境重要設備作業従事者教育
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
45
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境経営
*1 CLP規則
(Classification, Labelling and Packaging of substances and mixtures)
化学物質、混合物の危険性分類と表示・梱包に関する規則
*2 DERAP
(Dealer Environmental Risk Audit Program)
マネジメント
レンタリース店と協力して「環境フォーラム」を実施
トヨタのお客様の企業の車両購入担当者、環境担当者向け
環境改善に寄与する新規事業の推進
に、次世代環境車、
エコドライブについて、
より理解していた
だくため、各地域のレンタリース店と協力して
「環境フォー
[バイオ・緑化新規事業の推進]
ラム」
を実施。2008年以来、2010年度末まで9回を数え、
環境貢献型緑化事業の展開
累計参加者数は585人となりました。
トヨタのアグリバイオ分野への取り組みは、1998年1月の
内容は
「次世代環境車を中心とし
バイオ・緑化事業室設置に始まります。環境対応を企業が
たトヨタの環境取り組み」
「実践的
成長するための好機としてとらえ、
「環境保全と経済成長の
エコドライブ」
について講演、
PHV
融合」
を目指し事業推進に取り組んでいます。
等次世代環境車の説明、展示も
背景
●アジアを中心とする人口の増加
●所得水準向上による1人当たり食料消費量の増加
●食料・水不足、地球環境悪化への対応
ミッション
●資源循環型社会実現を目指したアグリ新規事業の展開
●地球環境改善を通じての環境貢献型緑化事業の展開
行いました。参加者からは
「次世
代環境車の方向と課題がよくわ
かった」
「社内でもエコドライブの
啓発を行いたい」
等の声をいただ
大阪のレンタリース店での講演
きました。
研究開発・社会貢献・事業の図
研究開発
マネジメント
・環境改善植物開発
・資源作物開発
・セルロース利用技術開発
ビジネスパートナーにおける
環境マネジメントの一層の推進
パートナーへの環境教育を継続して実施
・豪州植林
事業
・都市緑化
・中国植林
・三重宮川山林
・畜産バイオマス
・フィリピン植林
社会貢献
地域貢献
サプライヤー、
国内販売店、
海外代理店などのビジネスパー
トナーについては、連携して環境パフォーマンスを向上させ
バイオ・緑化事業部 取り組み領域
るため、
引き続き取り組みを実施しています。
緑化事業
2010年度の主な取り組み
サプライヤー
世界各地での化学物質に対する規制に対応するため、
7月には主
*1
欧州CLP規則
に台湾の化学物質規制法を中心に、また8月には、
についてサプライヤーへの周知と対応・協力要請の説明会を開催
しました。説明会以降は各サプライヤーの対応状況を確認、今後
も鋭意フォローを実施し、的確な遵法対応を推進していきます。
事業会社
トヨタルーフ
ガーデン
(株)
海外代理店
46
1999年から
「トヨタ販売店環境ガイドライン」
、2005年から
「トヨタ販売店CSRガイドライン」
を作成・展開し、環境の取り
組みを推進しています。同ガイドラインは販売店が自主的に
取り組めるよう、様々な環境側面に対して、販売店として守る
べき項目を本部と店舗に区分して網羅した自己チェック形式
としています。2011年1月には、
トヨタ自動車販売店協会
より、これまでの環境関連を含めた社会貢献の取り組みの
好事例をまとめた冊子を全国販売店に配布のうえ、取り組み
の底上げを図っています。
海外販売店のワークショップにおける環境リスクを監査する
*2
DERAPを継続実施。この監査ではリスク低減、環境
ため、
マネジメントシステム導入の基礎づくりのため、
有害廃棄物や
排水の処理など環境基礎5項目についての体制確立が目標で
す。2010年度は世界32ヵ国
(35代理店)
、
2,587販売店を対象
に実施、
5項目達成のディーラーは全体の76%から80%に向上
しました。世界レベルで見ると、
まだ活動に取り組めていない
代理店も多くあるため、今後はさらに多くの代理店で活動
推進されるよう指導していきます。
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
●「 T M 9 」を屋 上 緑 化 基 盤 材に活 着したマット芝
「TM9ターフマット」
を開発。2010年度までにTM9
2
の販売面積累積は105万m(うちTM9ターフマッ
トは1万m2)
。
花卉事業
事業会社
国内販売店
事業内容
(株)
トヨタ
フローリテック
事業内容
(株)
ハクサンと共同で、青森県
● 花卉園芸総合商社の
六ヶ所村に設立。
トリジェネレーションシステム等、
環境に配慮した大規模温室で鉢物植物
(ミニバラ・
観葉)
を生産、販売。
畜産バイオマス事業
事業会社
トヨタルーフ
ガーデン
(株)
事業内容
(株)
メニコンと共同で、畜産向け堆肥化促進シス
●
テム
「resQ
(レスキュー)
45」
を開発。
2011年3月時点、大規模農場を中心に、約60農場
で継続利用。同6月には豚用の堆肥化消臭剤「豚
レスキュー」
を追加発売。
海外の植林事業
事業会社
事業内容
● 成長の早いユーカリの植林事業に取り組み、2008
オーストラリアン
アフォレステーション
(株) 年度までに1,763haの植栽を完了。2009年から伐採
を開始し、紙パルプ用材として4万tを日本に出荷。
(豪州植林事業体)
環境報告書 2011
*1 Eco-VAS Eco-Vehicle Assessment System
*2 LCA ライフサイクルアセスメント
マネジメント
[その他の事業]
遵法活動
家庭用固体酸化物形燃料電池事業の進捗
共同開発会社
トヨタ自動車
(株)
アイシン精機
(株)
大阪ガス
(株)
京セラ
(株)
事業内容
2010年度の主な進捗
●4社で共同開発している家庭用固体酸化物形
燃料電池コージェネレーションシステムにつ
いて、従来提供していた30台に58台を加え、
計88台にて実証実験を行っています。
家庭用燃料電池は一般の電力使用に比べ、
送電ロスがない、熱を有効利用できる、CO2
低減などのメリットがあります。
異常・苦情ゼロに向けて
2010年度は2009年度に達成した異常・苦情ゼロを継続するため、潜在苦
情箇所の再点検、過去と同一ヒヤリの再発防止活動を展開しました。発生し
たヒヤリについては、現地現物検討会を開催し、発生場所での真因の追究、
対策について参加者全員で協議し、その結果を各工場に持ち帰り、再発防止
に取り組みました。2011年度も検討会を継続実施していきます。
PCB含有電気工作物の届出と保管
2005年より社外委託処理をしており、変圧器・コンデンサー4,124台につい
ては処理等を実施済みです。未処理分1,123台については、2011年度以降
も委託処理を継続します。
マネジメント
Eco-VASによるライフサイクル環境負荷の
着実な低減
LCAで新型車・フルモデルチェンジ車全4車種を評価
土壌・地下水に関する取り組み
生産6工場における地下水の流出防止対策は、1997年に完了しています。
引き続き揚水曝気浄化処理を行い、
トリクロロエチレンの測定結果を行政に
報告するとともに
「地域協議会」
の場で地域の方にも説明を行っています。
車両の生産、使用、廃棄まですべてのプロセスを通じ、総合
的 な 環 境 性 能を評 価 するの が *1 E c o - V A S です。この
トリクロロエチレン測定値 環境基準値:0.03 単位:mg/L
Eco-VASの中で、
素材製造、車両製造、走行、
メンテナンス、
工 場
地下水測定データ
廃棄まですべての段階で環境への影響を評価する*2 LCA
本 社
0.002未満∼2.48
を実施しています。
元 町
0.002未満∼0.17
2010年度は、新型車・フルモデルチェンジ車4車種(ラク
上 郷
0.002未満∼0.15
ティス、
ヴィッツ、FJクルーザー、CT200h)
すべてについて
高 岡
0.002未満∼0.42
LCA評価を実施しました。CT200hは同クラス車に比べ、
三 好
0.002未満∼0.16
堤
0.002未満∼0.47
ライフサイクル全体でCO2排出量を約39%削減しました。
(注1)
全工場・事業所で測定しています。
(注2)
記載工場以外では検出していません。
(注3)
測定ポイントは各工場に複数あるため、測定値に幅があります。
CT200hのLCA評価
A : 同クラスガソリン車 B : CT200h
1,000
1.0
800
0.8
600
0.6
400
0.4
200
0.2
大気・水質環境データ
2006
’
07
’
08
’
09
’
10
NOx
419
416
367
391
383
SOx
68
32
25
20
18
全窒素
55.1
64.0
71.6
61.6
54.1
全リン
4.7
4.6
4.6
4.4
4.3
COD
96.8
91.3
84.5
76.7
66.9
項 目
大気
水質
0
A B
CO2
素材製造
A B
NOx
車両製造
A B
NMHC
走行
A B
PM
メンテナンス
A B
SOx
0
廃棄
NOx : 窒素酸化物
(Nitrogen Oxide)
NMHC : 非メタン炭化水素
(Non Methane Hydrocarbons)
PM : 粒子状物質
(Particulate Matter)
SOx : 硫黄酸化物
(Sulfur Oxide)
(注1)
大気データの単位は千m3N/年、水質データの単位はt/年。
(注2)
水質データは従来稼働日数で算出していましたが、2008年度から休日を含めた年間
総排出量により算出する方法で、2006年度分より計上しました。
・自動車の生涯走行距離10万km
(10年)
を、10・15モードで走行した場合の結果です。
・LCAにより相対的な環境メリットを確認することを目的としているため、評価結果は指数で示して
います。またCO 2はtレベル、それ以外の項目はkgレベルで排出されるので、指数を別に示してい
ます。
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境経営
47
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境理念
6
section
環境理念・方針と環境取組プラン
2010年度は第4次「トヨタ環境取組プラン」の最終
年で、第4次「トヨタ環境取組プラン」は5ヵ年プラン
として、①すべての項目で目標を達成しました。
2011年度からは、2020∼2030年に向けて企業に
求められる環境活動の方向性を「低炭素社会の構
理念・方針と環境取組プラン
環境についての理念と方針としては、
1992年に制定された
「トヨタ基本理念」
(1997年改訂)
があり、それを基に環境に
対する取り組み方針を定めたものが
「トヨタ地球環境憲章」
(1992年策定、2000年改定)
です。この憲章を全世界の
築」「循環型社会の構築」「環境保全と自然共生社会
連結事業体558社で共有しています。
の構築」の3大重要テーマで構成する第5次「トヨタ
2011年3月には、企業の目指すべき方向性を全社で共有
環境取組プラン」の取り組みを開始します。
するための
「トヨタ グローバルビジョン」
を発表しました。
②トヨタの環境取り組みは、TMCのみならず、国内
これはトヨタのあるべき姿を明らかにしたもので、今後は
外の関連会社と一体となって連結環境マネジメント
このビジョンを実現するため、具体的な活動につなげて
を推進します。
いきます。ビジョンの中で環境については、
「 地球環境に
③また、2020年に目指すべき企業像を盛り込んだ
寄り添う意識を持ち続けること」
とし、
クルマをつくる企業
2020年ビジョンを策定、その中でも環境は大きな
の責任として、生産から販売活動におけるCO 2 削減、
リサ
柱になっています。
イクルなどへの取り組み、
自然との共生に向けた人づくり・
森づくりに取り組んでいくことを明らかにしています。
開発
設計
部品・資材サプライヤー
温暖化(CO2)
省資源(梱包材等)
調達 環境負荷物質
リサイクル
再資源化業者
廃棄 リユース
廃棄物
(シュレッダー
ダスト、
原材料
バッテリー等の
廃部品、廃油等)
使用
温暖化(CO2、HFC)
大気への排出
(HC、
CO、NOx、
PM 等)
物流
資源
採取
燃料 エネルギー
お客様
生産
水
温暖化(CO2)
大気・水域への
排出、騒音、臭気、
廃棄物等
こうした理念・方針に基づき、2015年までには約10車種の
ハイブリッド車の新型車を市場に投入するとともに、PHV、
EV、
FCVについても並行して開発を進めていきます。また、
従来からのガソリンエンジンも、さらなる燃費向上に向け
高効率エンジンの開発を推進していきます。
トヨタ環境取り組みの体系
物流 温暖化(CO2)
省資源(梱包材等)
温暖化
(CO2)
廃棄物
販売店 (メンテナンスに伴う廃オイル・部品等)
トヨタ基本理念
普遍的な
理念・方針
●1992年制定、1997年改訂
トヨタ地球環境憲章
(環境の基本方針)
●1992年制定、2000年改訂
トヨタグローバル
ビジョン
各種環境政策・指針
中長期的な
動向・方向性
トヨタ環境取組プラン
(5ヵ年)
日常業務
2006∼2010 第4次プラン
2011∼2015 第5次プラン
各環境委員会
(製品・生産・資源循環)
年度方針、計画
48
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
環境報告書 2011
*1 TMC Toyota Motor Corporation
*2 EMS Environmental Management System
連結環境マネジメント活動推進
グローバルな事業展開に合わせて環境への取り組みを
*1
ガイドラインを示し、
「環境5ヵ年取組プラン」
の策定と推進、
推進するため、
トヨタ自動車( TMC)
では連結子会社と
環境マネジメントシステムの構築、各国・各地域でトップ
一体となって取り組みを進める連結環境マネジメント
(連結
レベルの環境対応を要請。
*2
また、優秀事例の展開や情報交換を通じ相互の関係を強化
TMCは、連結EMS対象会社に環境方針の立案、環境対応
するほか、監査方法の教育などの支援も行っています。
EMS)
を2000年度より導入しています。
トヨタ地球環境憲章
Ⅱ. 行動指針
Ⅰ. 基本方針
1.豊かな21世紀社会への貢献
1.いつも環境に配慮して
豊かな21世紀社会へ貢献するため、環境との調和ある成長を目指し、事
業活動の全ての領域を通じて、ゼロエミッションに挑戦します。
2.環境技術の追求
環境技術のあらゆる可能性を追求し、環境と経済の両立を実現する新技術
の開発と定着に取り組みます。
・・・生産・使用・廃棄の全ての段階でゼロエミッションに挑戦
(1)
トップレベルの環境性能を有する製品の開発・提供
(2)
排出物を出さない生産活動の追求
(3)
未然防止の徹底
(4)
環境改善に寄与する事業の推進
2.事業活動の仲間は環境づくりの仲間
3.自主的な取り組み
未然防止の徹底と法基準の遵守に努めることはもとより、地球規模、及び
各国・各地域の環境課題を踏まえた自主的な改善計画を策定し、継続的
な取り組みを推進していきます。
4.社会との連携・協力
関係会社や関連産業との協力はもとより、政府、自治体を始め、環境保全
に関わる社会の幅広い層との連携・協力関係を構築していきます。
・・・関係会社との協力
3.社会の一員として
社会的な取り組みへの積極的な参画
(1)
循環型社会づくりへの参画
(2)
環境政策への協力
(3)
事業活動以外でも貢献
4.よりよい理解に向けて
・・・積極的な情報開示・啓発活動
Ⅲ. 体制
経営トップ層で構成する
トヨタ環境委員会
(委員長:社長)
による推進
(2011年3月末現在)
取り組み体制
社長を委員長とした「トヨタ
組織・体制図(2011年6月末現在)
環境委員会」
のもと、
「製品環
トヨタ環境取組プラン
(5ヵ年)
境委員会」
「生産環境委員会」
「資源循環委員会」
の3つの右
記委員会を設置し、各分野の
課題や対応方針を検討しま
す。関係するすべての部署が
連携し、全社的な取り組みを
推進します。
トヨタ環境委員会
委員長:豊田 社長 1992年設置 ●当社の重要環境課題の方向づけ
製品環境委員会
委員長:鈴木 常務役員
1973年設置
● 開発・設計側面から環境保全
関連の重要事項を検討
生産環境委員会
資源循環委員会
委員長:白根 専務役員
1963年設置
● 生産・物流分野における環境
保全の重要事項を検討
地域別環境委員会
承 認
委員長:小平 専務役員
2008年設置
● 自動車リサイクル等に関する
重要事項を検討
作成
審議
展開
オールトヨタ生産環境会議 など
(欧州2002年・北米2004年・南米2006年・豪亜2007年・中国2007年・南ア2008年)
個別年度方針、計画
(PDCA)
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
49
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境理念
第4次「トヨタ環境取組プラン」
トヨタが目指すべき
「地球にフレンドリーな技術で地球再生を牽引する」
企業像を具現化するため、2006年度から2010年度
までに実施すべき活動を明確にしたものが第4次
「トヨタ環境取組プラン」
です。第4次
「トヨタ環境取組プラン」
の策定に当たっ
ては、
2020∼2030年に予想される環境問題を再確認し、①エネルギー/温暖化、②資源循環、③環境負荷物質、④大気環境を
4大重要テーマとしました。この4大重要テーマに対し、
トヨタの企業活動である開発・設計、調達、生産・物流、販売、
リサイクル
の各分野で取り組み項目・具体的な実施事項・目標を策定し、
さらに環境経営を推進、強化してきました。
第4次「トヨタ環境取組プラン」の結果(すべての分野で目標達成)
設定した22項目における結果は、
ほぼ計画通りに取り組みを推進、
目標を達成しました。各分野の結果は以下の通りです。
①エネルギー/温暖化
HVシステムの一層の性能向上と適用車種を拡大し、HV車の累計販売台数が310万台を突破
(2011年3月末)
しました。日米欧ではプラグインハイブリッド車の販売も開始しました。従来型製品
の燃費改善も進み、各国規制への対応はもとより、日米欧中でクラストップレベルの燃費を達成。
項目
エネルギー
/温暖化
1 グローバルな事業活動における一層のCO2低減
●
2 各国/各地域でトップクラスの燃費性能を目指す
●
技術開発の推進
具体的な実施事項・目標等
●
グローバルなCO2削減の中長期シナリオ策定と確実な推進
日:2010年基準を上回る燃費向上
欧:JAMA自主約束140g/km達成に向けた取り組み
● 米:競合トップクラスの燃費性能を目指す
● 中:新燃費基準を早期達成しクラストップレベル燃費を達成
●
●
3 クリーンエネルギー車の開発推進と効果的な
●
導入・普及促進
●
4 エネルギー・燃料多様化に向けた技術開発
●
●
CO2低減、
エネルギーセキュリティに資する、
各種バイオ燃料、合成燃料の評価と対応技術開発
5 各種ネットワーク技術等を活用した
●
交通流改善取り組み(CO2低減)
●
車・交通インフラ・人、三位一体の協調など、ITSを活用した社会システム導入を目指し、
関係団体と連携した交通流改善の取り組みを推進
6 各国・各地域の生産・物流活動における
●
CO2の低減
●
HVシステムの一層の性能向上および車種と導入地域拡大
エネルギーの多様化を踏まえ、次世代燃料電池車の開発と早期導入
〈生産〉
● 生産技術の革新等、
画期的な生産性向上によるCO2低減の推進
● 新エネルギー利用技術の開発と導入検討
〈物流〉
● 輸送改善によるCO2低減対策実施
資源循環
7 循環型社会に向けた資源有効利用の
●
一層の推進
〈生産〉
● 歩留まり向上等の発生源対策による排出物低減
(金属屑等の有価物・廃棄物の低減と埋立廃棄物ゼロの継続)
〈物流〉
● 梱包のミニマム化および容器のリターナブル化拡大等による梱包資材使用量の低減
8 水使用量の低減
●
●
各国・各地域で個別に目標を設定し継続的に水使用量低減
9 日欧のリサイクルシステムの定着
●
●
2015年リサイクル実効率95%に向けた着実な取り組み
●
新規開発部品(FC、
HV等)
のリサイクル技術開発、回収ネットワークの構築
●
解体、リサイクルが容易な車両の開発推進と展開
1
●0 リサイクル設計の一層の推進と展開
50
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
環境報告書 2011
生産の分野においても生産技術の革新と生産性向上による省エネ等をグローバルに展開した結果、
2010年度のCO2低減目標を早期に達成しました。
②資源循環
生産分野において排出物の原単位改善、および物流分野の梱包・包装資材の使用量低減が確実に
進み、2010年度目標を達成しました。また、2010年10月に、世界初となる電池原料化の事業を
開始するなど、自動車のリサイクル分野において着実な成果を上げることができました。
製品設計、生産時の使用材料における環境負荷物質の管理、低減を、計画通り推進、REACH等の
③環境負荷物質
新規制への対応も確実に実施しました。
自動車の超低エミッション技術開発により国内で、
超-低排出レベル以上の生産台数比率がほぼ100%
④大気環境
に到達。
また、
塗装工場では、
塗装の水性化等により、
VOC排出量低減の目標を大幅に過達しました。
⑤連結環境マネジメント分野
日本以外の世界6地域で地域別環境委員会活動を展開。また代理店、販売店、サプライヤー等ビジ
ネスパートナーと連携し、環境負荷の低減を進めました。環境社会貢献の推進や環境情報開示の
充実により、社会との連携を深めました。
取組結果
●
自動車・工場CO2削減ロードマップを作成し、開発計画(自動車、生産技術)へ反映
日米欧でトップクラス燃費達成
−日:燃費基準全区分達成。全区分で業界平均を上回る
−欧:各種低CO2車を導入して目標達成レベルに到達
−米:乗用車平均燃費トップレベルを維持
−中:各車 第2段階燃費規制(2008年発効)への対応とトップレベル燃費確保完
●
●
●
●
●
累計販売台数は310万台、19車種導入(2011/3)、新型PHVを日米欧で販売開始(2009/12)
改良型燃料電池車「トヨタFCHV-adv」を開発し、リース販売を開始(2008/9∼)
世界で販売する全車でE10対応を完了。ブラジルでFFV(フレキシブル・フュエル・ビークル)導入(2007)
食料と競合しないバイオ燃料の製造技術開発を推進中
プローブ交通情報(渋滞回避のための最適ルート)提供サービスを開始
(テレマティクスサービス「G-BOOK mX」 2007/4よりサービス開始済み)
信号機情報を活用した発進遅れ防止支援システムの開発など、道路インフラと車両システムが協調した交通流改善の取り組み推進(2011年夏発売の新型車から採用予定)
●
「ハイブリッド・シティ」を基本理念とした豊田市の低炭素社会づくり(環境モデル都市コンセプト)に協力。
PHV・FCバスの供給や、従業員の通勤交通対策のための駐車場ゾーン制、市の基幹バスと通勤シャトルバスの連携を実施し、渋滞緩和に寄与
●
●
生産
地域
項目
2010年度目標
2010年度実績
グローバル
売上高当たり排出量
2001年度比20%減
2001年度比▲23%
売上高当たり排出量
1990年度比35%減
1990年度比▲51%
排出量
1990年度比20%減
1990年度比▲45%
排出量
1990年度比10%減
1990年度比▲40%
TMC
物流
国内
海外
生産
項目
2010年度目標
2010年度実績
国内
排出物売上高当たり排出量
2003年度比 3%減
2003年度比▲28%
排出物売上高当たり排出量
2000年度比20%減
TMC
国内
海外
●
ほぼ移行済み
地域
海外
物流
2007年度までに実態を把握し目標管理へ移行
廃棄物(各国トップレベル低減活動の推進)
梱包資材使用量
1995年度比43%減
使用量の把握と低減活動拡大
2000年度比▲46%
各地域委員会で推進、達成
1995年度比▲45%
計画的に拡大推進中
各社で自主的に低減活動実施(グローバル原単位 2001年度 4.8m3/台、2010年度 3.7m3/台)
(日本)2007年度より2015年リサイクル実効率目標を達成。
年度
2006
2007
2008
2009
併せて新規再資源化施設開拓などにより着実にリサイクル率を向上
実効率
94%
96%
97%
97%
(欧州)EU27ヵ国中23ヵ国で使用済自動車引き取りネットワークを構築。
残る4ヵ国は各国政府による解体事業者の認定に合わせ対応中
● 可採年数・採出国の集中など資源を取り巻くリスクの高まりに対応すべく新たに
「資源循環委員会」
を設立しCar to Carリサイクルの取り組みを確実に推進
(リサイクル技術)
①電池:
〈ニッケル電池〉・廃電池から電池原料のニッケル化合物を選別・抽出する実用化技術を開発 ・Co、希土類の電池原料化基礎技術開発完
〈リチウム電池〉・安価な適正処理基礎技術開発完(日・米・中特許申請中)
②HV磁石:取り外し技術&再資源化技術基礎検討完 ③銅:HVモーターからの分離技術、W/Hからの高純度回収基礎検討完 (回収ネットワーク構築) ①日本:
〈ニッケル電池〉・2009年10月 販売店&解体事業者から静脈物流、豊通リサイクルを活用し安価な回収を実現。事業化開始
・2010年10月(世界初)
電池原料化事業開始
(住友金属鉱山㈱、
プライムアースEVエナジー、
豊田ケミカルエンジニアリングと共同)
〈リチウム電池〉・プリウスα発売に合わせニッケル電池回収ルートを活用し回収開始
②欧・米・中:2010年 引取センターを設置し回収開始
●
2010
97%
● 解体シミュレーションを開発し、
易解体設計に配慮した構造を新型車に継続的に織り込み、解体性を向上
①インストルメントパネル、
ワイヤーハーネスのシミュレーションを開発し、従来困難であった設計段階での引きはがし性評価を可能とすることで実現(2007年 インストルメントパネル、2008年 ワイヤーハーネス)
②従来、手ではずしていたスペアタイヤ取り付けボルトを、電動工具で取り外せるよう、
形状変更(2006年 LS460∼採用)
③HV電池の取り外しについて部品構成を変更し、
部品点数を削減。解体時間を前モデル比で約12%低減(2009年 プリウス)
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
51
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境理念
*1トヨタが自動車用に開発した、一般的なバイオプラスチックに比べ耐熱性、耐衝撃性などを向上させた植物由来
(植物を原料とする)
成分を含むプラスチックの総称
項目
資源循環
1
●0 リサイクル設計の一層の推進と展開
具体的な実施事項・目標等
● *1
トヨタエコプラスチック等再生可能資源、リサイクル材の使用拡大
(2010年度樹脂部品の15%使用技術確立)
●
環境
負荷物質
1
●1 環境負荷物質の管理、低減の一層の推進
環境負荷物質4物質*のグローバルな全廃
(*:鉛・水銀・カドミウム・六価クロム)
●
●
●
●
●
大気環境
2006年度より4物質全廃車の日欧導入(2007年完、適用除外部品あり)
グローバル基準に基づく全世界での4物質全廃の早期達成
グローバルに全新型車で2010年までに車室内VOCを低減
小温暖化係数冷媒エアコンの開発
1●
2 PRTR対象物質の排出量低減
●
塗装工程を中心としたPRTR対象物質の排出量低減
1●
3 各国・各地域の都市大気環境改善に資する
●
超低エミッション技術開発推進と各国の状況に応じた最高レベルの低排出ガス車の導入
高効率クリーンディーゼル車の開発
排出ガス低減
1●
4 VOC排出量低減対策
環境経営
新規開発部品のリサイクル設計開発と展開
●
●
塗装工程における洗浄シンナー等の使用量低減と水性塗料採用拡大等の実施
1●
5 連結環境マネジメント強化
〈生産事業体〉
● 企画段階から環境対策を確実に織り込むエコファクトリー活動のグローバル展開
● 違反苦情ゼロ、
環境リスク最小化、各国・各地域No.1環境パフォーマンス
〈非生産事業体〉
● CO 2等各事業体環境パフォーマンスのグローバル管理と向上
1●
6 ビジネスパートナーにおける
〈仕入先〉
●トヨタ納入の部品、
原材料、生産設備等の含有環境負荷物質管理充実
● 自主的環境パフォーマンス向上活動の要請
〈国内販売店〉
● 廃棄物、
排水適正管理に加え、CO2削減等、幅広いテーマへの積極的取り組み
● 販売店における環境マネジメント機能強化とモニタリング体制整備
環境マネジメントの一層の推進
〈海外代理店〉
● 海外代理店CO 2等の把握・管理・削減の支援とモニタリング体制整備
● 海外販売店の廃棄物、
排水、
フロン適正処理の徹底の支援
1●
7 環境教育の充実
●
●
1●
8 環境改善に資する新規事業
従業員環境意識向上に加え、実務改善に資する環境教育の継続的実施
連結事業体を含むグローバルな環境教育の充実
●
バイオ緑化事業の拡大・確立
●
定置型燃料電池の開発・商品化促進
●
環境負荷物質管理等、環境リスク低減事業の拡大等
1●
9 Eco-VASの本格運用と定着化によるライフサイクル環境負荷の着実な低減
●
国内モデルチェンジ、新型車より順次適用。欧州、米国生産車等を含め全車に展開
2
●0 循環型社会構築への寄与貢献
●
環境基礎研究の推進・支援と提言
環境技術開発・環境教育および生物多様性保全に資する社会貢献プログラム実施
-トヨタ環境活動助成プログラム(「グローバル500賞」受賞記念)、
トヨタ白川郷自然學校に代表される活動の継続・充実
●
21 環境情報開示と双方向コミュニケーションの充実
●
環境商品技術情報提供充実
エコドライブ情報の消費者への提供
各国・各地域環境報告書のさらなる充実
● 各地域とのコミュニケーションの充実
● 広範なステークホルダーとの対話と相互理解
●
●
●
2
●2 持続可能な発展を踏まえた環境政策への
積極的な貢献と提言
●
●
国内外環境政策議論への参画
WBCSD、経団連、自工会の取り組み推進
TMC環境関連事故
2010年度は、潜在苦情箇所の総点検や過去と同一のヒヤリ再発防止にこだわり、現地現物検討会を開催し、発生場所での
真因追究などの活動によって、2009年度に続き、2年連続で環境関連の事故・苦情はゼロでした。2011年度も引き続きこう
した活動を継続し、環境関連事故ゼロを目指します。
52
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
環境報告書 2011
*2
*3
*4
*5
*6
*7
テナント形態等環境負荷の少ない会社を除く
環境情報ネットワークシステム(Environmental Performance Indicators)
ディーラー環境リスク監査プログラム
(Dealer Environmental Risk Audit Program
固体酸化物形燃料電池
(Solid Oxide Fuel Cell)
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
(New Energy and Industrial Technology Development Organization)
北海道ガス、
東京ガス、
東邦ガス、大阪ガス、西部ガス
取組結果
トヨタエコプラスチック等再生可能資源やリサイクル材の使用拡大により樹脂部品の15%使用技術目処付け完了
(新規取り組み) ①シートパッドなど自動車内装部品に採用可能なエコプラスチックを開発 ・エコプラスチックを室内面積の60%に採用(2009年 SAI)
・バイオペット内装表皮材を採用(2010年 CT200h、
世界初)
②使用済み自動車の廃バンパーを活用したリサイクル材を採用
・デフレクターに採用(2010年 アルファード、ベルファイア)
(継続採用)
③1991年から取り組みを開始した販売店で修理交換された廃バンパーのリサイクル材をエンジンアンダーカバー等に採用(2006∼2010年で約450万本回収)
④1998年から使用開始したASR
(シュレッダーダスト)
から精製した防音材のRSPP(Recycled Sound-Proofing Products)を累計2000万台に採用
●
●
今後拡大が予想されるプラグインハイブリッド車、電気自動車等の大型電池(リチウムイオン電池)
や
燃料電池車の新規開発部品(燃料スタック、
高圧水素タンク等)の取り外し・適正処理・リサイクルについて開発を推進
●
2007年末全世界で4物質全廃概ね完了
●
欧州新化学物質規制「REACH」
:登録第1期限(2010/11)および欧州CLP規則の輸入化学品の「届出」対応。高懸念物質の代替活動着手
国内向けフルモデルチェンジ車で業界自主基準達成展開中
温暖化係数の小さい新冷媒用エアコン開発推進中
●
●
●
ボデー中・上塗り塗装水性化、洗浄シンナー回収率向上
生産
地域
項目
2010年度目標
2010年度実績
国内
排出量
1998年度比55%減
1998年度比▲75%
排出量
1998年度比70%減
1998年度比▲82%
TMC
海外
●
●
●
●
展開中
超-低排出レベル(ULEV)以上生産台数比率約100%
(国内) −海外は各国規制適合中
高効率クリーンディーゼルを開発し、欧州中心に導入
ボデー中・上塗り塗装水性化、洗浄シンナー回収率向上
ボデー
塗装
VOC
●
各国規制より厳しい排出量目標を設定し、低減活動を展開
地域
項目
2010年度目標(全ライン平均)
国内
塗装面積当たり排出量
35g/m2以下
28g/m2
塗装面積当たり排出量
25g/m2以下
20g/m2
TMC
海外
各国トップレべルのVOC排出量低減活動を展開
2010年度実績
展開中
全世界の2006年以降の新設、改装、拡張工場(全23工場)でエコ・ファクトリー活動を展開
グローバル、各国・各地域で、No.1環境パフォーマンス
(CO2、環境負荷物質、水使用量、排出物低減)、違反苦情ゼロ、環境リスク最小化に向けた活動を展開
● *2
●
●
●
直接管理会社のCO2実態モニタリング体制整備を完了(*3EPIを導入し、モニタリング実施中)
世界6地域での地域別環境委員会の開催定着
2008年5月までに新規および改訂版グリーン調達ガイドラインの発行を完了(国内8社、海外23社)
環境負荷物質管理充実と自主的環境パフォーマンスの向上を推進
主要連結販売店のCO2等環境パフォーマンス実績のEPIでの報告体制構築完了
省エネ方策試行(ESCO)完了(2008年末、東京直営15店舗)
「店舗づくりナビ(社内HP用)」
にて、販売店に省エネ手法を情報提供(2010/2∼)
●
●
●
●
●
●
●
主要連結海外代理店についてEPIを導入し、モニタリング推進中
海外主要代理店*4DERAP:目標達成ディーラー率:80%
(前年度76%)
階層別(新入社員、新任GM等)環境教育実施。
クールビズ、
ウォームビズ実施
トヨタ地球環境月間行事のグローバルな展開(社長メッセージ、
ポスター、
ライトダウンキャンペーン等)
都市部の特殊緑化(駐車場緑化・室内緑化)資材を開発
養豚農場の臭気を大幅に低減する消臭資材を開発
オーストラリア植林事業にて適切な植栽管理・伐採を実施し、環境改善(塩害防止等)
に貢献
*6
● 大阪ガス
・京セラ・アイシン精機・トヨタによる*5SOFCでの共同開発を開始(2009/3∼)
し、
NEDO実施の2009年度、2010年度実証研究事業へ参画
*7
( 都市ガス事業者5社に計88台を提供)
● 子会社㈱エコ
・リサーチのPRTR集計システム利用による化学物質管理促進
●
●
●
●
Eco-VASの全車展開を完了。ライフサイクルCO2を見える化し、各車は前モデルに対し着実に低減
GCEPによるスタンフォード大学を通じた気候変動とエネルギーに関する基礎研究
生物多様性:トヨタ生物多様性ガイドラインの策定と公表(2008/3)
パンフレット
「トヨタの生物多様性の取り組み」
を作成・公表(2010/10)
●トヨタ環境活動助成プログラム
:2006∼2010年度の5年間で、国内外で105プロジェクトに対し、支援を実施。2008年度より助成テーマを”生物多様性”
と”地球温暖化”
に絞り込み
●トヨタ白川郷自然學校:自然体験型環境教育プログラム、
順次充実(2010年度宿泊者数:13,126人、環境プログラム参加者数:11,854人)
●
●
●
カタログ、Webおよびグリーン購入ネットワークを通じ、製品環境情報を継続して提供
エコドライブ冊子に加え、Web(動画での操作説明とe-Learning付)
を立ち上げ
環境報告書/サステイナビリティレポートを15ヵ国/地域で発行
● 豊田市 環境モデル都市
( 交通、産業、森林)の応募、市主催イベントに支援、協力
● 毎年テーマを設定しステークホルダーダイアログを実施
●
●
●
●
●
日米欧の自工会と連携し、COP15(2009)、COP16(2010)サイドイベントを開催、統合的対策をグローバルに周知
WBCSD提言書
「Low-carbon Economyへ向けて
(2009/7)
」、
「開発のためのモビリティ
(2009/5)」
「Vision2050(2010/2)」
「Carbon Price (2011/3)」
で統合的対策を周知
環境関連リコール
2010年度の環境関連リコールはありませんでした。
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
53
環境報告書 2011
データ・詳細編
環境理念
第5次「トヨタ環境取組プラン」
(2011-2015年度)
地球環境と調和した
「モノづくり、クルマづくりと、商品およびサービスの提供」
を通じた
∼社会・地球の持続可能な発展への貢献に向けた取り組み∼
第5次
「トヨタ環境取組プラン」
は、
これからのトヨタの環境活動の方向性とあるべき姿を示し、2011年度からの5ヵ年の活動
計画と目標を定めたものです。
新プラン策定にあたり、企業活動における環境問題リスクとビジネス機会
(環境対応車の普及促進等)
という2つの観点から
活動を整理。2020∼2030年に向けて企業に求められる環境活動の方向性を
「低炭素社会の構築」
「 循環型社会の構築」
「環境保全と自然共生社会の構築」
の3大重要テーマに分類し、地球環境と調和したモノづくり、
クルマづくりと商品および
サービスの提供を通じて、社会、地球の持続可能な発展に寄与します。
項目
低炭素社会の構築に向けた取り組み
開発・設計
生産・物流
具体的な実施事項・目標等
1 電気エネルギーを利用した次世代車の開発推進と
●
それぞれの特徴を活かした普及促進
●
2 各国/各地域でトップクラスの燃費性能を
●
目指す開発と各国基準への対応
●
2015年度グローバル平均燃費は2005年度比25%の向上を目指す。
*日米欧中の乗用車が対象、米国はLDTを含む
●
各国、各地域燃費基準の確実な達成
−日本:2015年度燃費の確実な達成
−米国:乗用車、LDTで燃費/温室効果ガス基準の達成 −欧州:次期規制の着実な達成と長期目標の達成に向け着実な取り組み推進
−中国:新燃費基準の着実な達成
−その他の地域:燃費向上技術の着実な導入
3 生産活動における省エネ活動の徹底と
●
温室効果ガス排出量の低減
HV:2010年代初頭に年間HV販売台数100万台、累計販売500万台を目指す。
実現に向け、HVの一層の高性能化およびラインアップと導入地域の拡充等によるHVの
一層の普及拡大を図る。
● PHV:日常的にEV走行可能なHVとして、
2012年から数万台/年規模で市場導入。
● EV:近距離用途として、
2012年から市場導入
● FC:次世代燃料電池車開発を進め、
中長距離用途として市場導入を目指す。
● 低CO 2生産技術の開発・導入と日常改善活動によるCO 2低減活動の推進
(生産性向上の追求、オフィス等も含めた活動を展開)
● 各国、各地域の特性を考慮した再生可能エネルギーの活用
● エネルギー起源以外の温室効果ガスの管理 エネルギー起源CO2
地域
項目
基準年(年度)
グローバル
台当たり排出量
2001年
29%減
台当たり排出量
2001年
37%減
排出量
1990年
25%減*
TMC
目標(2012年度)
各国トップレベルの低減活動推進
海外
*2008−2012年度平均
4 物流活動における輸送効率の追求と
●
CO2排出量の低減
●
輸送効率の一層の向上によるCO2低減活動の推進
CO2
地域
項目
基準年(年度)
国内
輸送量当たり排出量
2006年
6%減
排出量
1990年
15%減
海外
循環型社会の構築に
向けた取り組み
54
目標(2012年度)
各国トップレベルの低減活動推進
販売
5 販売分野における省エネ活動の徹底と
●
CO2排出量の低減
●
省エネ法への確実な対応。年率1%以上の計画的なエネルギー原単位の低減
社会との
連携
6 気候変動政策への積極的な貢献と発言
●
●
経団連・自動車工業会・WBCSD等産業界の低炭素社会構築への取り組み推進
国内外の環境政策議論・枠組みづくりへの参画
開発・設計
●
自動車工業会等と連携した統合的取り組みの推進
IT・ITS技術を活用した交通流改善への取り組み貢献
● エコドライブ啓発活動への取り組み
7 道路交通セクターにおける統合的な
●
CO2削減取組の推進
●
8 資源の有効利用に配慮した
●
リサイクル設計の一層の推進
●
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
●
●
資源有効利用のための部品取り外し性の一層の向上と、材料分離・分別性への
新たな取り組み
樹脂部品へのバイオプラスチック、樹脂リサイクル材の2015年度20%使用技術確立と
業界トップレベルの利用推進
環境報告書 2011
*1 廃棄物:逆有償リサイクル、
焼却廃棄物、埋立廃棄物
*2 埋立廃棄物ゼロの定義:直接埋立てられる廃棄物を、1995年度比1%未満
※生産・物流分野の2015年度目標については、
2012年度までに設定する
項目
循環型社会の構築に向けた取り組み
生産・物流
9 生産・物流における排出物の
●
低減と資源の有効利用
具体的な実施事項・目標等
歩留まり向上等の発生源対策による排出物低減と資源の有効利用促進
● 有価物・廃棄物の発生量低減等、
資源ロス低減活動の推進
● 資源のオールトヨタ活用促進
地域
国内
対象
排出物
目標
(2012年度)
有価物
国内
*1
金属屑等発生量低減活動および
オールトヨタ内有効活用の推進
国内
廃棄物
TMC
台当たり発生量
2001年度比31%減
台当たり発生量
2001年度比45%減
*2
埋立廃棄物ゼロ
海外
各国トップレベルの低減活動推進
*1
廃棄物
物流:梱包包装仕様のシンプル、
スリム化、
容器のリターナブル化推進
梱包包装資材
●
地域
項目
基準年
(年度)
目標
(2012年度)
国内
出荷容積当たり使用量
2006年
6%減
各国トップレベルの低減活動推進
海外
販売・
リサイクル
10 資源有効利用のグローバルな推進強化
●
●
水:各国各地域の水環境事情を考慮し個別に目標を設定、継続的な水使用量の低減
●
資源有効利用のための再資源化技術開発の推進強化
効率的な解体方法、
ツールの開発とグローバルな情報提供
グローバルな回収、再資源化体制の整備促進
●
●
日本:リサイクル率トップレベルの維持とマテリアルリサイクル等
リサイクルの高度化に向けた技術確立
● 欧州:2015年リサイクル実効率95%目標達成シナリオと国別実行計画策定による早期達成 ● 中国、
新興国:地域統括会社を核とした地域の実態に合わせた確実な対応
環境保全と自然共生社会の構築に向けた取り組み
11 グローバルな自動車リサイクル法への対応推進
●
●
社会との
連携
12 循環型社会の構築に資する、
●
バイオ関連等新たな取組の推進と充実
●
開発・設計
13 各国・各地域の都市大気環境改善に資する
●
排出ガス低減
●
各国、
各地域の都市大気環境改善に資する低排出ガス車の導入
−日本:U-LEV以上(3☆4☆)
を継続して導入
−米国:次期規制
(LEVⅢ、SFTPⅡ)への着実な対応
−欧州:EURO5への適確な対応 次期規制EURO6への早期対応
−中国:全土にEURO5レベルの導入推進
−一般国:低排出ガス車
(EURO3、
4レベル)の導入推進
14 製品含有化学物質の管理充実
●
●
グローバルな製品含有化学物質管理の推進
−従来の規制重金属全廃に加え、製品に含有される多種類な化学物質管理への転換
−環境負荷のより少ない物質への代替え技術の開発と代替推進
−低温暖化係数冷媒エアコンの開発・導入
15 生産活動における環境負荷物質の低減
●
●
塗装工程における塗料、
シンナーの削減等VOC低減技術の開発と展開
生産
バイオ緑化事業の推進
環境改善・資源循環社会構築に向けた技術開発の推進
● 持続可能な
「森林保全・再生モデル」のグローバル展開
●
対象
地域
目標(2012年度)
ボデー塗装
国内
塗装面積当たり排出量 32g/m2以下(全ライン平均)
TMC
その他塗装
社会との
連携
16 生物多様性への取り組み
●
●
17 自然共生社会構築に資する社会貢献活動の推進
●
●
塗装面積当たり排出量 24g/m2以下(全ライン平均)
海外
各国トップレベルのVOC排出量低減活動の推進
国内・海外
VOC排出量低減活動の推進
トヨタ
「生物多様性ガイドライン」
に基づく環境活動の推進
トヨタ環境活動助成プログラムによる国内外の活動支援
トヨタの森、
トヨタ白川郷自然學校における環境教育の充実
●
環境経営
マネジ
メント
国内外における各種環境委員会活動の充実による各国、各地域でトップレベルの
環境パフォーマンス確保に向けた活動の実施
● 各国、
各地域の環境法令の遵守と環境リスク未然防止活動の強化
18 連結環境マネジメントの強化、
●
推進
●
19 ビジネスパートナーと連携した環境活動の推進
●
●
20 グローバルなCO2マネジメントの推進
●
●
グローバルな事業活動におけるトータルCO2マネジメントの企画と推進
21 製品開発における環境マネジメントECO-VASの推進
●
●
開発段階での車両環境アセスメントシステム
(ECO-VAS)による環境目標管理の着実な推進
22 サステイナブル・プラント活動の推進
●
●
23 環境教育活動の充実と推進
●
●
仕入先:仕入先における遵法対応とトヨタに納入される部品、原材料、副資材、生産設備など
に含まれる環境負荷物質の管理充実および自主的な環境パフォーマンス向上活動の要請
● 国内販売店:
トヨタ販売店CSR(環境)ガイドラインの徹底等による環境取り組みの推進と強化
● 海外代理店:各地域統括会社が主導する各国ごとの販売分野の環境取り組みの推進と強化
● 海外販売店環境リスク監査プログラム
(DERAP)の推進と強化
自然を活用し、
自然と調和する工場づくりとノウハウの展開
● 低CO2生産技術開発、
少・省エネの日常改善、
再生可能エネルギー導入、工場の森づくりの推進
従業員の環境意識の向上と実務改善に資する環境教育の体系化と実践
連結事業体と連携したグローバルな環境教育の推進
トヨタ環境月間活動のグローバル展開
●
●
24 環境情報の積極的な開示と
●
コミュニケーション活動の充実
●
●
●
各国、各地域での製品環境技術情報提供の一層の充実
各国、各地域でのサステイナビリティレポートの発行継続とさらなる内容充実
各国、各地域での環境コミュニケーション活動の充実
環境報告書 2011
データ・詳細編 環境理念・方針と環境取組プラン
55
環境報告書 2011
データ・詳細編
詳細資料
詳細資料
「主要環境データ」の状況(2010年度)
分野
項 目
排出ガス
製
品
クリーン
エネルギー車
主要指標
[単位]
1990年度
’
95年度
2008年度
’
09年度
’
10年度
ガソリン2000年(平成12年)規制
25%低減レベル達成車
[生産台数比率(型式数)]
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
ガソリン2000年
(平成12年)規制
50%低減レベル達成車
[生産台数比率(型式数)]
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
ガソリン2000年(平成12年)
規制
75%低減レベル達成車
[生産台数比率(型式数)]
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
ガソリン2005年(平成17年)規制
50%低減レベル達成車
[生産台数比率(型式数)]
̶̶
̶̶
12.9%
(39)
6.7%
(35)
4.5%
(29)
ガソリン2005年(平成17年)規制
75%低減レベル達成車
[生産台数比率(型式数)]
̶̶
̶̶
87.1%
(119)
93.3%
(126)
95.1%
(134)
販売台数
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
̶̶
17.6
17.6
98,137
0
98,005
132
̶̶
347,698
0
347,518
180
̶̶
343,645
0
343,542
103
̶̶
12.3
(平均)
12.3
(平均)
21.1
18.7
14.6
12.5
11.5
9.1
7.9
21.7
18.5
24.2
13.5
12.0
10.3
8.6
22.6
19.1
26.5
13.8
11.7
9.8
8.2
電気自動車
ハイブリッド車
天然ガス自動車
燃費(注1)
重量区分別平均燃費
[km/L]
(注1)
(ガソリン乗用車)
CO2(注2)
総排出量
[台]
[台]
[台]
[台]
703∼827kg
828∼1,015kg
1,016 ∼1,265kg
1,266 ∼1,515kg
1,516 ∼1,765kg
1,766 ∼2,015kg
2,016 ∼2,265kg
2,266kg ∼
8.5
(平均)
8.0
(平均)
本報告書
該当ページ
41
ー
33
[CO2換算万t/年]
212(注4)
211
134
122
117
[CO2換算t/億円・年]
29.1(注4)
31.2
14.5
14.2
14.2
[g/m2]
̶̶
̶̶
24
23
20
41
[千t/年]
̶̶
̶̶
1.1
0.9
1.1
40
[千t/年]
62
41
5.0
2.0
1.2
ー
[%]
̶̶
̶̶
97
97
97
38
34・35
生
産
売上高当たり排出量
環境負荷物質
ボデー面積当たりVOC排出量
PRTR対象物質排出量
リサイ
クル
廃棄物(注3)
焼却廃棄物量
リサイクル率
リサイクル実効率
(注1)1990年度の燃費値は10モード燃費を10・15モード燃費に換算した値
(注2)2005年度より非生産拠点も目標範囲に加えたため、1990年度にさかのぼり全社のCO2排出量を記載
(注3)2000年度に埋立廃棄物「ゼロ」を達成・継続 (注4)1990年1月∼12月の集計値
自動車生産(10工場)
・物流工程における
資源投入量と排出量(2010年度)
インプット
大気への排出
●CO2排出量
*2
[26.
4万t
‐CO2]
*1
●PRTR対象物質排出量
[0.9千t]
生産工程
大気への排出
塗装
溶接
プレス
●総物質投入量
●温室効果ガス排出量
*2
[93.
9万t
‐CO2]
エネルギー起源CO2:92.
7万t
エネルギー起源CO2以外:1.2万t
物流工程
[88.
9万t]
●事業者内物質循環利用量
[22.1万t]
●総エネルギー消費量
[22.9×106GJ]
エンジン
●再生可能エネルギー消費量 [太陽光発電8,630GJ]
●水使用量
[1,043万m3]
]工業用水:867 地下水:16 上水:160
[内訳
(万m3)
●PRTR対象物質取扱量
[0.5万t]
鋳造・鍛造
機械加工
トランスミッション等
インプット
組立
熱回収
●自社内熱回収資源量
[0.4万t]
●梱包・包装資材使用量
[5.70万t]
排出物
水域等への排出
*1 エネルギー起源:エネルギー起源CO2
非エネルギー起源:非エネルギー起源CO2および
CO2以外の温室効果ガス
(CH4、N2O、HFC、PFC、SF6)
*2 CO2換算係数については57ページを参照
56
環境報告書 2011
データ・詳細編 詳細資料
●総排水量
[1,211万m3]
●PRTR対象物質
排出量
[8.
8t]
●PRTR対象物質
事業所内埋立処分量
[ー]
●廃棄物等の総排出量
[29.
5万t]
・社外リサイクル量
[29.
4万t]
・埋立処分量
[ー]
●PRTR対象物質移動量
[159.4t]
環境報告書 2011
ISO14001認証取得状況
新型車・フルモデルチェンジ車(乗用車)の主要環境データ
(2010年度)
車 名
車両型式
車両仕様
エンジン型式
変速機
販売開始時期
温室効果ガス
燃料消費率
車外騒音
エアコン冷媒使用量(g)
(HFC134-a)
CO2排出量(g/km)
[10・15モード燃費値換算]
10・15モード燃費(km/L)
(国土交通省審査値)
加速騒音規制値(dB-A)
加速騒音諸元値(dB-A)
(SU-LEV)
排出ガスレベル(注1) 75%低減レベル
(平成17年規制基準) 50%低減レベル
(U-LEV)
ラクティス
FJクルーザー
ヴィッツ
CT200h
国内生産会社の取得数は変更ありません。
DBA-NCP120
CBA-GSJ15W
DBA-NSP130
DAA-ZWA10
1NZ-FE
1GR-FE
1NR-FE
2ZR-FXE
海外生産会社では、NUMMIが2010年4月
CVT
5AT
CVT
電気式無段
より工場を閉鎖したため、
1社減少しました。
2010年11月
2010年11月
2010年12月
2011年1月
360
600
360
470
116
276
97
68
20.0
8.4
24.0
34.0
76
76
76
76
75
75
74
74
★★★★
ー
★★★★
★★★★
ー
★★★
ー
ー
自工会
目標達成
自工会
目標達成
自工会
目標達成
自工会
目標達成
また、国内販売会社・その他業種3社、海外
販売会社・その他業種1社がISO14001を
更新せず、自社EMSに移行。一方、国内販売
会社・その他業種で1社が新規取得しました。
ISO14001取得海外販売店・サービスショッ
プは、ベトナム、タイ、ブラジル、アルゼンチ
鉛('96年比)
部品に使用
している
環境負荷物質
ン、インド等で、代理店が支援し新規拠点を
水銀
カドミウム
中心に拡大。累計で18ヵ国約1,100拠点
六価クロム
リサイクル関係
を超えました。
リサイクルしやすい材料を
バンパー、
内装材 バンパー、
内装材 バンパー、
内装材 バンパー、
内装材
使用した部品
(TSOP等)
デッキボード、
デッキボード
デッキボード
天然素材
ー
デッキサイドトリム
(ケナフ:一部車両)
(ケナフ)
(バイオプラ)
リサイクル樹脂使用
ー
ー
ー
フロアカバー
シュレッダーダストをリサ
ー
フロアマット
フロアサイレンサー
ー
イクルした防音材(RSPP)
※掲載した車種タイプは、原則的に販売台数の多いタイプを取り上げています。
(注1)乗用車排出ガスレベル
(右下表)
をご参照ください。
国内外のISO認証取得企業数
国内
34社
ー
販売会社
・
その他業種
19社
海外
31社
10社
22社
ガソリン乗用車排出ガスレベル
(平成17年規制)
※ 新モード
規制物質
新型車・モデルチェンジ車(乗用車)の環境データは、「環境仕様」として製品カタログ、
およびホームページ上にも掲載しています
http://www.toyota.co.jp/jpn/sustainability/environment/development/environmental_info/
継続的報告
規制値
平成17年50%低減
(☆☆☆)
平成17年75%低減
(☆☆☆☆)
一酸化炭素:CO(g/km)
1.15
←
←
非メタン炭化水素:NMHC
(g/km)
窒素酸化物:NOx(g/km)
0.05
0.025
0.013
0.05
0.025
0.013
※新モード:
(10・15モードの測定値)×0.88+(11モードの測定値)×0.12
2010年版の「Sustainability Report」
に記述した環境に関する記述のうち、スペースの都合で、今回掲載できなかったものがあります。主なものの経過をご報告します。
分野
エネルギー/温暖化
生販一体
会社
生産会社
開発・設計
2010年版掲載ページ
27ページ
内容
進捗状況
ハイブリッド車の海外生産
米国、中国、タイ、英国、豪州で3車種
(プリウス、カムリ、オーリス)
を生産
環境関連の主な受賞実績(2010年度)
団体名
表彰名
受賞理由
豊田市
豊田市制60周年記念表彰
堤工場におけるサステイナブル・プラント活動による地球温暖化防止など、
豊田市の共働によるまちづくりに協力した。
第15回資源循環型ものづくり
シンポジウム実行委員会
第15回 資源循環型ものづくりシンポジウム 中日新聞社賞
鍛造加工において環境負荷の高い、
ボンデ処理の潤滑剤を1液潤滑化へ切り替えて
廃棄物
(スラッジ)
、廃液量、CO2排出量を低減した。
自動車技術会
2010年度 技術開発賞
プラグインハイブリッド
(HV)
車は、従来のHV自動車をよりクリーンかつ高効率にした
実用的な技術であり、日・米・欧で販売したことで同分野でのリーダー的役割を果たした。
CO2排出量算出に用いたCO2換算係数
(1)
国内環境データ
(除く物流)
(3)
物流データ
電 力
0.3817kg-CO2/kWh
ブタンガス
3.0094kg-CO2/kg
A 重 油
2.7000kg-CO2/L
都市ガス
2.3576kg-CO2/m
C 重 油
2.9419kg-CO2/L
コークス
3.2502kg-CO2/kg
灯 油
2.5308kg-CO2/L
石 炭
2.3536kg-CO2/kg
3
(社)
日本自動車工業会 ※一部、個別に把握した換算係数を使用している場合もある
※CO2換算係数の出典:
※該当ページ:35ページ
「TMC CO2排出量
(エネルギー起源)
と売上高当たりのCO2排出量の推移」
および
56ページ
[自動車生産
(10工場)
・物流工程における資源投入量と排出量
(2010年度)
]
(2)
グローバル生産環境データ
・IPCC 2006, 2006 IPCC Guidelines for National Greenhouse Gas Inventories,
Prepared by the National Greenhouse Gas Inventories Programme, Eggleston
H.S., Buendia L., Miwa K., Ngara T. and Tanabe K. (eds). Published: IGES, Japan.
・CO2Emissions from Fuel Combustion, 2007 edition, IEA, Paris, France の2001年の換算係数を使用
※都市ガス、
蒸気、
温水、
冷水、
コークス炉ガスについては、
「地球温暖化対策の推進に関する法律」
の換算係数を使用している
※該当ページ:12ページ「CO2排出量(エネルギー起源)と売上高当たりのCO2排出量の推移(工場・オフィス等固定発生源)」
鉄道(JR貨物)
2006年度以前
21.7g-CO2/トンキロ
2007年度以降
22g-CO2/トンキロ
軽油(トラック) 2.62kg-CO2/L
2.62kg-CO2/L
C重油(船舶)
2.98kg-CO2/L
2.99kg-CO2/L
※2006年度以前のCO2換算係数の出典
鉄道
(JR貨物)
:
「環境と交通運輸」財団法人運輸政策研究機構(トンキロ法)
軽油
(トラック)
とC重油(船舶)
:環境省(燃料法)
該当ページ:35ページ[TMC物流CO2排出量の推移(国内)]
※2007年度以降のCO2換算係数の出典
ロジスティクス分野におけるCO2排出量算定方法 共同ガイドライン
Ver.3.0
(経済産業省・国土交通省)
該当ページ:35ページ[TMC物流CO2排出量の推移
(国内)
]
および56ページ
[自動車生産
(10工場)
・物流工程における資源投入量と排出量(2010年度)]
環境報告書 2011
データ・詳細編 詳細資料
57
環境報告書 2011
データ・詳細編
詳細資料
連結対象範囲
連結EMSの対象会社は558社で、財務会計上の全連結子
組織・体制
会社と、財務会計上連結対象外でも主要な生産会社や海外
1.
「トヨタ地球環境憲章」
を共有し、自社の環境方針を立案
2.生産分野では数値目標を立ててフォロー
3.販売分野では環境マネジメントシステムを構築し、業態に
応じた環境負荷低減活動、環境コミュニケーション、社会
貢献などを実施、また2006年度よりCO 2 等、環境負荷の
数値管理にも着手
4.各国・地域の状況を踏まえたトップレベルの環境対応
販売代理店などが対象です。具体的には、
①TMCが直接管理
する財務会計上の連結子会社168社、②財務会計上は非
連結だが主要な生産会社と海外販売代理店47社、③その
ほか、1法人、④TMCが連結子会社を通じて間接管理する
財務会計上の連結子会社342社の4種類です。
※ 財務上非連結会社への要請事項は、地域・業態によって異なる場合があります。
連結環境マネジメント主な対象会社
欧州自主プログラム参加事業体
Toyota Hellas(ギリシャ) Toyota Ireland(アイルランド) Louwman&Parqui(オランダ)
Toyota AG(スイス)
Toyota SA(トルコ)
その他11社
TDG
(ドイツ)
TSWE
(スウェーデン)
TAF
(フィンランド)
TMMP
(ポーランド)
TMIP
(ポーランド)
TMMR
(ロシア)
TMR
(ロシア)
TMPL
(ポーランド)
TCZ
(チェコ)
TPCA
(チェコ)
TES
(スペイン)
ED2
(フランス)
TMI
(イタリア)
Toyota Norge
(ノルウェー)
TME
(ベルギー)
TMUK
(英国)
TGB
(英国)
IMC
(パキスタン)
TMMT
TTFC
(中国)
(トルコ)
TFAP
(中国)
SFTM
(中国)
GTMC
(中国)
欧 州
TMMF
(フランス)
TFR
(フランス)
ALJ
(サウジアラビア)
TTPI
(インド)
TKM
(インド)
TKAP
(インド)
GTE
(中国)
TMAP-EM
(タイ)
TMT
(タイ)
STM
(タイ)
UMWT
(マレーシア)
ASSB
(マレーシア)
BMS
(シンガポール)
販売会社
その他業種
(地域統括会社等)
※アンダーラインのない事業体は財務会計上の連結子会社
アンダーライン付き太字はそれ以外
欧州の非連結代理店16社はTMEの支援のもと、自主的にISO取得を含むEMSを展開。
TDK
(デンマーク)
生産会社
生販一体会社
(2011年3月31日現在)
TFTD
(中国)
TMCI
(中国)
TTCC
(中国)
FTMS
(中国)
FTCE
(中国)
TMKR
(韓国)
TMMC
(カナダ)
TCI
(カナダ)
北 米
CAPTIN
(カナダ)
TMMI (米国)
日 本
TMS
(米国)
BODINE TMCほか
(米国)
TABC
(米国)
TFTE
(中国)
CALTY
(米国)
TFTM
(中国)
TMEC(中国)
TMMBC
Kuozui(台湾)
(メキシコ)
Hotai
(台湾)
SERVCO
(米国)
TMP
(フィリピン)
TAP
(フィリピン)
TMV
(ベトナム)
TMAP-MS
(シンガポール)
TMMIN
(インドネシア)
TAM
(インドネシア)
TMA
(米国)
TMMWV
(米国)
TMMK
(米国)
TEMA
(米国)
TMMAL
(米国)
TMMTX
(米国)
TDV
(ベネズエラ)
TDB
(ブラジル)
TASA
(アルゼンチン)
TMCA
(オーストラリア)
TTC AP AU
(オーストラリア)
中南米
TNZ
(ニュージーランド)
TSAM
(南ア)
アジア・豪州・中近東・アフリカ
連結EMSの国内の主な対象会社(50音順)
生産会社
1グループ
2グループ
4グループ
5グループ
・連結子会社
・自動車製造業など
・トヨタの派生会社
・財務会計上は非連結
・主要部品生産会社
・ボデーメーカー など
・連結子会社
・部品生産会社
・連結子会社
・各種製品生産会社
・財務会計上は非連結
・部品生産会社
関東自動車工業
岐阜車体工業
セントラル自動車
ダイハツ工業
トヨタ自動車九州
トヨタ自動車東北
トヨタ自動車北海道
トヨタ車体
日野自動車
愛三工業
アイシン・エィ・ダブリュ
アイシン・エーアイ
アイシン精機
アイシン高丘
愛知製鋼
ジェイテクト
デンソー
東海理化
豊田合成
豊田自動織機
豊田通商
トヨタ紡織
キャタラー
協豊製作所
中央精機
プライムアースEVエナジー
豊精密工業
アドマテックス
シンテックホズミ
トヨタタービン
アンドシステム
日本ケミカル工業
FTS
大豊工業
豊田鉄工
トリニティ工業
オールトヨタ生産環境会議メンバー
58
販売会社
3グループ
環境報告書 2011
データ・詳細編 詳細資料
東京トヨペット
トヨタ部品東京共販
トヨタホーム東京
トヨタレンタリース東京
など 計33社
その他業種
愛知陸運
タクティー
トヨタエンタプライズ
豊田中央研究所
トヨタテクノクラフト
トヨタモデリスタ
インターナショナル
トヨタ輸送
トヨフジ海運
など 計53社
※財務会計上
非連結の
1法人含む
オールトヨタ生産環境連絡会メンバー
環境報告書 2011
環境会計
「顧客効果」
算出方法
(日本の場合)
基本的考え方
(1万km*1/ガソリン車の燃費*2−1万km/HVの燃費*2)
×135.9円*3×2010年度HV販売台数
トヨタでは環境コストを
「*1環境投資」
と
「*2維持コスト」
の2つに
分類して集計し、
併せて、
経済効果や環境効率も算出してい
ます。環境負荷の改善効果
(物量効果)
については、
「
『主要環
*1 国土交通省
「自動車輸送統計」
による乗用車平均年間走行距離
*2 10・15モード燃費を実用燃費に換算
*3 石油情報センター調査による2010年度全国平均ガソリン単価
(消費税含む)
境データ』
の状況
(2010年度)
(56ページ)
」
をご覧ください。
*1 環境投資:環境配慮型製品の研究開発費等、効果が将来までおよぶ支出
*2 維持コスト:環境コストのうち、環境投資以外の支出
環境効率
環境コスト
トヨタでは、環境効率を下記の算式で定義し、算出数値を
「環境効率
2010年度の環境コスト総額は、2,408億円で、前年度比236億
性指標」
としてフォローしています。環境負荷には、生産部門のCO2
円の増加となり、売上高の2.9%を占めています。増加要因は、
排出量と廃棄物発生量を用い、1990年度から算出、2010年度まで
研究開発費および理解活動費が増加したことなどによります。
の20年間でCO2指標は2.4倍、廃棄物
指標は4.7倍向上しました。今後も、でき
環境効率の計算式
売上高
経済効果
①実質的効果
(2010年度)
経済効果(実質的効果)(単位:億円)
※ボデー
’
08 ’
09 ’
10
メーカー6社
年度 年度 年度
’
10年度実績
「省エネによるエネルギー費
の低減」等の費用低減と
「リサ
イクル品売上」等の収入を計
上しています。リサイクル品売
上の増加は主に市場での売却
単価の上昇によるものです。
る限り環境負荷の少ない生産を目指し、 環境効率 =
環境負荷
「環境効率」の向上に努めます。
エネルギー費
低減
廃棄物処理
費用の低減
23
3
6
〈自動車生産によるCO2指標〉
指数
売上高
10
0
(指数)
3
リサイクル品売上 124 44 67
その他
7
(環境関係技術収入ほか)
合計
環境効率の推移(10工場のみ)
13 15
6
〈自動車生産による廃棄物指標〉
指数
売上高
(百億円)(指数)
(百億円)
500
3,000
500
3,000
400
2,500
400
2,500
300
2,000
300
2,000
200
1,500
200
1,500
1,000
100
70
68
0
157 73 153
76
②顧客効果
ハイブリッド車への代替による効果は978億円
(日本)
、3,369億円
100
(世界)、初代プリウス発売の1997年12月以来の累計効果は
1990 2005 ’
06 ’
07 ’
08 ’
09
2,778億円
(日本)
、9,954億円
(世界)
になりました。
’
10(年度)
※売上高/CO2排出量を指標とし、1990年度を
100とした指数をグラフ化、表示しています。
1,000
1990 2005 ’
06 ’
07 ’
08 ’
09
’
10(年度)
※売上高/廃棄物発生量を指標とし、1990年度を
100とした指数をグラフ化、表示しています。
〈環境コストの実績〉
当社フォーマットによる実績
区分
項目
(単位:億円)
内容
研究開発費用
リサイクル関連費用
※設備投資
環境投資
その他費用
(社会貢献、ISO認証費用、教育訓練費等)
2,129
1,925
2,148
12
10
7
17
11
21
14
7
廃棄物処理
3
0
0
公害防止他
13
4
9
37
18
16
197
63
62
2,401
2,033
2,244
24
21
20
4
4
3
11
8
8
6
9
8
通常設備投資に含まれる環境対応分
環境投資計
廃棄物処理費用
環境対策関連費用
’
09年度 ’
10年度
26
温暖化対策
環境対応主目的
の設備投資
’
08年度
排水処理費用
維持コスト
大気汚染・臭気防止費用
地球環境保全費用
理解活動費用
広報・宣伝費
52
(注)
76
103
環境専任スタッフ費用
人件費
23
19
19
リコール対策費
35
0
0
環境修復費用
土壌・地下水汚染修復費
維持コスト計
合計
(売上高比率)
環境省フォーマットによる2010年度実績
3
2
3
158
139
164
2,172
2,408
2,559
(2.8%) (2.5%) (2.9%)
※設備投資の減価償却費は費用に含んでおりません。
(ご参考)
2010年度研究開発費総額:6,359億円 設備投資総額:1,325億円
(注)
レクサスを含めたため、2009年度にさかのぼり訂正しました。
(単位:億円)
※ボデーメーカー
6社
トヨタ
分類
投資
費用
費用
投資
4
11
4
73
8
16
3
③資源循環コスト
0
20
4
17
(2)
上・下流
コスト
リサイクル関連費用、
業界団体分担金
0
7
1
2
(3)
管理活動
コスト
環境広告、
環境報告書発行費用、
環境専任スタッフ費用 等
ー
130
0
20
(4)
研究開発
コスト
環境負荷低減のため
の研究開発費用
ー
2,148
15
343
(5)
社会活動
コスト
環境保全団体への
寄付 等
ー
3
0
0
(6)
環境損傷
対応コスト
土壌・地下水汚染の
修復のための費用 等
1
3
0
0
78
2,330
40
①公害防止コスト
(1)
事業エリア
内コスト
②地球環境保全コスト
合計
2,408
22
407
447
※ボデーメーカー6社:関東自動車工業、ダイハツ工業、
トヨタ車体、日野自動車、
トヨタ自動車九州、
セントラル自動車
(各社採用基準に基づき集計しています)
〈 海外事業体の環境会計数値 〉
・TMT
(タイ)
環境コスト:650百万円、経済効果:344百万円
・國瑞汽車
(台湾)環境コスト:371百万円、経済効果:18百万円
環境報告書 2011
データ・詳細編 詳細資料
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