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P.127~155
11 組織力の強化 〈代協正会員の増強と支部の活性化〉 ■組織力強化の基本方針 日本代協並びに各代協は、お客様に直接接する損害保険代理業者の業界団体として、「損害保険の普及と 一般消費者の利益保護」 を図るため、長年に亘り地道な活動を続けてきている。日本の損保市場の約91%は 代理店扱であることを考えると、本会の発展は保険業界発展の礎ともなるものである。 一方で、本会が消費者や社会の信認を得て持続的に活動を展開するためには、一定の組織力を保持する必 要があるが、その指標の一つとなる組織率は高いとは言えず、本会の懸案事項となっている。 平成21年8月に行った組織改革の結果、日本代協の会員は法人格を持った各都道府県代協になり、各会員 (個々の代理店)はその代協の会員という位置付けに代わったため、組織力の源泉となる代協会員の増強は 一義的には各代協の取り組み課題そのものである。同時にそれは、本会の事業目的達成のための重要な命題 でもあるので、当面は、日本代協グループとして全代協一体となって代協正会員の増強に取り組む方針とし ている。 1.会員増強 ■会員増強の前提となる基本的な考え方 ① 組織率目標:組織の核となる専業代理店については、中期的に各都道府県において過半数を超える組織 率(注:専業代理店数を分母として算出した一種の推計)となるよう取り組む。但し、これはあくまでも 通過点であり、代協という業界団体の存在価値を考えた場合、「全代理店(約19万店)を分母に置いた場 合の組織率50%超」という水準が本来の目標であることを認識しておく必要がある。(その場合、約9. 5万 店の会員が必要) ② チャネルの考え方:代協は「保険募集のプロ」として活動する保険代理店・募集人の団体としての発展 を目指している。一方で、業界で使用されている統計上のチャネル区分は、単なる画一的な属性区分に過 ぎず、専業・兼業という用語には「プロか否か」といった質的概念は含まれていない。また、「専業」は プロであるべきだが、統計上は「他の事業の収入が全体の50%を超えない」というだけで、専業代理店が 全て本来のプロ代理店を意味しているわけでもない。逆に、「兼業」に区分されていても保険部門を有し、 専任者を配置する等して、高い専門性を発揮し、顧客の期待に応えている代理店も数多く存在している。 日本代協の理念と照らし合せた場合、 画一的なチャネル区分で会員資格を縛るのではなく、「保険募 集・顧客対応のプロ」としての高い志と能力を持った代理店であれば、 どのチャネルの代理店・募集人で あっても仲間として迎え入れ、互いに切磋琢磨しながら発展していくことが重要である。 ③ 組織を挙げた取り組み:「会員増強運動は一部の役員・委員長だけの仕事」 という現状を打破し、組織 全体で取り組むことが求められる。そのためには、 意思決定の透明化や情報の共有化、全員参画型の組織 運営を行い、共通の目的に向かって楽しく取り組む雰囲気作りを行い、会員増強に取り組む実行部隊を増 やしていく必要がある。 ■各代協にとっての会員増強の位置付け 平成21年8月25日付の定款変更により、日本代協の正会員は「代理店」から、一般社団法人となった「各 ― 127 ― 都道府県の損害保険代理業協会の代表者」となり、個々の代理店は各都道府県代協の正会員という位置付け になっている。 (平成25年4月1日付で設立された一般社団法人にもそのまま引き継がれた) 従って、会員増強は、各代協の組織問題そのもの(※)であるため、各代協においては、自らの組織運営上 必要な運営経費を賄える会員数を念頭におき、全会員の力を結集して計画的に会員増強活動を展開する必要 がある。 (※日本代協組織委員会に指示されることではなく、自ら主体的に取り組むべき課題である) ■代協正会員の増強と平成28年度の取り組み ⑴ 平成27年度の総括と会員増強に当たっての心構え 日本代協の組織目標は、全代理店の50%超の代協加入であるが、現実を踏まえた達成可能なステップ目 標として、ここ数年は代協会員12, 000店を目標に掲げ、取り組みを行ってきた。 平成27年度は、平成26年度の260店増店という結果、並びに、各保険会社の協力も得られるようになっ てきたことを受けて、一気に12, 500店達成を目指して取り組みを進めることとし、そのステップとして、 先ずは11月のコンベンションまでに長年の目標であった12, 000店を達成することとした。 具体的には、会員増強は「通年運動」が基本であるという原点に戻り、連Q(クォーター)稼働(4半 期ごとに加入増目標達成)を推進したが、結果的には十分に定着・浸透するには至らず、11月までの中間 目標達成はできなかった。 そのため、平成28年2月に会員増強キャンペーン(増店目標の80%確保を入賞基準とした)を実施した。 その結果、目標とした610店の増強には届かず、達成率は40%止まりではあったが、単月で41代協が稼働 して152店の入会があり(入会152店、退会23店、増強129店)、平成28年2月末の代協会員数が12, 002店と なって中間目標であった12, 000店を漸く達成することできた。 年間を通した退会者数は、563店に抑えることができ、新規入会は昨年度より108店増加して852店と なったため、年度末の代協正会員数は289店増加して12, 047店となった。年度目標として掲げた12, 500店 には届かなかったが、4年連続の増店、また、昨年度の260店増店を上回る289店の増店となった。この結 果、組織率は40. 6%となって初めて40%を超えることができた。(注:平成27年7月末公表の専業代理店 実在数29, 703店[勤務型代理店等を除く]) なお、本年度も各社が進める販売基盤の構造改革や合併・M&A等により、総代理店数の減少(勤務型 代理店等を除く)が続く傾向にある。また、新しい保険募集ルールが適用され、中途半端な代理店が市場 から淘汰されて代理店数自体も減少していくことが想定される。会員増強という観点からは、厳しい環境 ではあるが、こうした環境下においても、福岡県代協が12年連続で目標達成という素晴らしい成果を残し ていることは注目すべきである。 (注:福岡県代協の会員数推移については付表9・10参照。具体的な目 標を持って組織をあげて取り組みを進め、 「出来るまでやる」・「会員数上位の愛知県代協を抜く」を実践 してきた成果である。) 併せて、平成27年度は、北海道代協が支部活動を活性化させ、保険会社との連携強化を図ることによっ て、37店の増強を成し遂げたことも特筆できる。(注:意欲的な自主目標には届かなかったが、増強数は 全代協の中でトップであった。 )この他、東京代協がオールチャネル展開により30店、神奈川県代協が若 手の登用・活躍により25店、大阪代協が支部活動の活性化により21店の増強、また、高知[V4]、滋賀 [V3] 、宮城・京都・熊本・沖縄・青森・山梨・奈良・香川・長崎・鹿児島[V2]と各代協が連続して 自主目標を達成した。 改めて「出来ない理由」ではなく「出来る理由」を考え、組織の総力をあげて具体的な行動に移し、諦 めずにやり続けることが重要であることを再確認させた取り組みであり、各代協においては、こうした取 り組みを模範として成果につなげていくことが望まれる。 ― 128 ― ⑵ 正会員増強運動【平成28年度の取り組み】 平成28年度は、代協正会員12, 347店(平成27年度末会員数12, 047店+増店300店)達成を目標とし、次 の内容で増強運動を実施する。 ① 全国で一体感を持って取り組むため、全ての代協が「自主目標」を定めて取り組む。 代協正会員の増強は、本来各代協の経営課題であるが、日本代協の事業目的を達成して代協会員を 取り巻く様々な環境を変えていくためには、全国の代協が一体となって基盤拡充に取り組むことが必 要であり、本年度も日本代協グループとして組織をあげて取り組む。(基本方針の通り) ② 平成28年度の増強目標数は、昨年度の反省(意思疎通が不十分なままでの一方的な目標設定)を踏 まえて以下の手順で定めた。 [組織率50%未満の代協] ・日本代協組織委員会は、専業代理店組織率50%未満の代協に対し、平成28年3月末までに、前年度 組織率(年度末見込み)と増強実績(同)を勘案した増強目標ガイドラインを提示 ・該当代協では、組織率50%達成のための中期的計画を立て、これを踏まえて当年度の増強自主目標 数を策定し、日本代協組織委員会に報告 ・日本代協組織委員会では、上記自主目標とガイドラインにかい離がある場合は、目標数字の調整を 各代協会長と行い、目標数を双方で確認、合意 ・該当代協は、上記調整を終えた増強目標を事業計画に定め、総会にて組織目標として決定 [組織率50%以上の代協] ・正会員数の3%アップ(500会員であれば15会員の増強)達成をミニマム基準として、自主目標を 定め、日本代協組織委員会に報告 ・該当代協は、上記増強目標を事業計画に定め、総会にて組織目標として決定 ③ 増強運動は年間を通して推進する。連月稼働を前提に、日常の代協活動の中で呼びかけや紹介依頼 を行っていく。 ⅰ.四半期ごとの目標を定め、「連クォーター稼働」を推進してステップを刻んで達成していく ⅱ.平成26年度から始めた「三冠王(会員増強・国民年金基金・損保大学課程受講者募集)」挑戦を 推進する ⅲ.期中の進捗状況によっては、下半期において、増強キャンペーンの実施を検討する ④ 「紹介の仕組み作り」を行い、会員・組織一体となった取り組みを推進する。 ・既存会員から紹介を引き出す仕組みを作る。 ・保険会社に協力を依頼する。その際には、「保険会社にとっての代協加入のメリット」を伝える。 ・ 「連れてき隊」による仲間支援活動を展開する。 ⑤ 保険会社に影響力を有し、地域の模範となっている有力代理店に対し、加入を働きかける。 ⑥ 代協加入のメリットの明確化を常に検討し、情宣していく。(組織委員会) ⑦ 専業・兼業を問わず、保険募集を本業の一つに位置付け、志高く取り組んでいる有力代理店に幅広 く入会を呼びかける。 ⑧ 組織委員だけではなく、会員一体となった取り組みとなるよう役割分担を行う。(組織委員会の リードの下、各代協会長・組織委員長・事務局・ブロック長・地域担当理事の間で密接な連携を図り ながら取り組みを進める。) ⑨ 退会の際には退会理由を確認し、退会防止に役立てる。 ⑩ 各施策の実施に当たっては、「組織活性化の手引き」・「正会員増強マニュアル」・「非会員向けPR ― 129 ― リーフレット」を活用する。また、「日本代協3大ブランド」と位置付ける以下の施策を活用する。 ⅰ. 「代理店賠責セミナー」の開催(保険会社社員や非会員代理店も対象に含めた開催を企画する) ⅱ. 「損害保険大学課程」の受講推進(非会員にも広く働きかける) ⅲ. 「地域社会貢献活動」への取り組み(地域のリスクマネージャーとしての認知度向上) ⑶ 新入会員オリエンテーションの実施 平成27年度にオリエンテーションを実施したのは39代協(計55回・参加者965名)であった。全代協で 実施することはできなかったが、「新入会員連れてき隊」・「同 守り隊」を組成し、日々の関係構築を図る 活動が定着してきた代協も出てきている。 新入会員に本会の意義を理解してもらい、また本会の活動に参加する喜び(価値)を知ってもらうため にもオリエンテーションの開催は重要である。全代協でできる限り第1四半期(4月~6月)に開催し、 新人会員への啓発とともに、疎外感を味あわせることがないように努力する必要がある。 なお、実施に際しては、 「新入会員オリエンテーションガイド」・説明用PPT「代協活動の現状と課題・ その活用」 ・BS番組の二次利用DVDを活用する。 ⑷ ブロック協議会活動の強化 代協活動、特に、会員増強活動を進めるに当たっては、ブロック協議会の担う役割は極めて大きい。各 ブロック協議会においては、各代協の経験交流を通じ、所属代協が揃って目標を達成できるようリードし ていく必要がある。本年度も地域担当理事のアドバイスのもと、「ブロック協議会開催準備・運営の手引 き」を活用し、計画的な開催と経験交流を通し、各代協活動を草の根ベースで活性化させていく。 ⑸ 各種委員会との連携強化 企画環境、組織、教育、CSRの4委員会は全国委員会であり、その基盤は各代協にある。各代協におい ては、上記4委員会の委員が活動の中心となって、ブロック協議会並びに日本代協の各委員会とのパイプ 役となり、支部活動、代協活動を活発に展開していくことが期待される。(連絡、連携を密にし、情報の 共有化を図ることが重要) ⑹ 損保協会、同協会支部、損保各社との接点・連携強化 代協活動を推進するために重要なことは、日頃から損保協会(支部)、損保各社(支店・支社)との良 好な関係構築に努め、意思疎通をしっかりと図っておくことにある。日本代協、各代協、各支部がそれぞ れの持ち場で主体的に行動し、代協活動に対する理解と支援を求めていく。併せて、信頼関係の基本は相 互互恵関係の構築にあることを認識し、出来る協力は積極的に行っていくことも重要である。 ⑺ 損保7社並びに損保協会との懇談会 日本代協・各代協の活動に対する理解を深めていただくとともに、「代協会員の増強」、「国民年金基金 の加入者募集」、「代理店賠責の加入推進」、「損害保険大学課程の受講推進」等に対する協力依頼を行うこ とを目的として、毎年7月・1月の年2回、損保7社と損保協会の担当部長(各社営業企画・地域営業推 進・専業代理店担当部門)との懇談会を実施しており、今後も継続的に働きかけを行っていく。(平成28 年度第1回の懇談会は7月7日開催予定) [懇談会参加の損保7社・損保協会(50音順)] あいおいニッセイ同和・共栄火災・損保ジャパン日本興亜・東京海上日動・ 日新火災・富士火災・三井住友海上/損保協会(募集・研修サービス部) ― 130 ― 2.基盤強化 ■人材育成研修会 人材育成研修会は、代理店・募集人の資質向上とともに、代協活動の次代の指導者を育成するために重要 な取り組みである。また、本研修会を計画的に開催している代協は、退会抑制とともに会員増強にも成果を 出しているところが多い。 平成29年度までの開催スケジュールは下記の通りであり、各ブロックにおいては「人材育成研修会マニュ アル」を活用しながら、活発な意見交換が行われる有意義な研修会にすべく、企画することが望まれる。 (下記スケジュール以外の自主的な開催も期待される。) 年 度 開催ブロック 平成28年度 南東北・南関東・東中国・九州北 平成29年度 北海道・東 海・北 陸・西中国 平成30年度 上信越・東 京・近 畿・四 国 平成31年度 北東北・東関東・阪 神・九州南 ■組織の強化と基盤整備 ⑴ 基本的な考え方 組織が人の集りである以上、組織の活性化は組織を構成する人、とりわけそのリーダーの資質に負うと ころが大きい。各代協会長・支部長は、高い倫理観をベースにした明確なビジョンと責任感を持ち、リー ダーシップを発揮して組織運営に取り組むことが求められる。この場合、最も重要なスキルは「傾聴」の 姿勢であり、常に会員の声に耳を傾け、対話をベースにした組織運営を意識することが必要である。 平成21年度からは、全ての代協が法人格をもった社団として活動することとなった。社会の期待もまた 社会に対する責務も、任意団体の時代とは比較にならない位大きなものとなる。この第二の創業とも言え る転換期においては、改めて代協活動の原点に戻り、支部活動、代協活動、ブロック協議会等の更なる活 性化を図り、対外的なパワーの源泉となる組織力を強化することが必要であり、代協会長、支部長の役割 はますます重要なものになっている。 一方で、本会の最大の課題は、各代協の取り組みに濃淡があり過ぎることにあり、全国の取り組みに粗 密が生じないよう、ブロック協議会等の場を通して認識の共有化を図るとともに、必要に応じて各会長の サポート、支援を行う必要がある。 なお、業界団体という特性上、各代協のリーダー役は、代協活動と本業(保険代理業)を両立させるだ けでなく、自らの事業を発展させる(代理店経営を語れる存在になる)ことで、他の会員の模範となる代 理店となることが望まれる。 ⑵ 支部活動の強化 支部が強くなければ、代協が強くならないのは自明の理である。各支部長は、所属する代協はもとより、 「損保代理業を背負っているのは自分である」との責任感とリーダーシップをもって、支部活動をリード することが組織活性化の鍵となる。 「代協活動は、会員が“集い、語らう”ことから始まる」と言われる が、その原点が支部であり、各支部は定期的に会合を開き、情報交流と相互研鑽を重ねていくことが望ま れる。 「支部の活性化」⇒「加入したくなる代協作り」⇒「会員の増強」⇒「活動への全員参画」⇒「代協・ 日本代協の活性化」⇒「損保代理業界の発展」⇒「損保業界の健全な発展」へとつなげていくため、支部 並びに支部長の役割は極めて重要であり、各地域の独自性を発揮しながら創意工夫を凝らした活動の展開 が期待される。 ― 131 ― 支部の運営に当たっては、以下に留意する。 ・定期的な会合を設ける(無理なく集まるために、決まった曜日・場所で昼食ミーティングを開いている 支部もある) ・全会員が支部の活動に参加するように仕組む(参加しやすい社会貢献活動などの場が効果的) ・イベントの際は広く声を掛けて盛り上げる(会員のみならず、家族や保険会社社員、協賛企業等にも幅 広く声掛けを行い、楽しく取り組める雰囲気をつくる) ・地域の名士や各団体との関係構築を図る なお、支部体制(支部数・所属代理店数)については、各会員が活動に参画する際に負担増とならない 前提で、持続的な活動を可能とする水準に再編(新設・統合・廃止・分割)を検討する。 ⑶ 代協事務局の対応力アップ 一般社団法人の活動を円滑に遂行していくためには、各代協事務局の安定的運営と能力向上が不可欠で ある。日本代協としては、事務局支援のため、定期的に「事務局員研修」を行っており、直近では、平成 26年7月に実施した(34代協から37名参加)。各業務の業務処理の流れや一般社団法人運営上の留意点等 について、理解を深める機会となっている。また、事前アンケートに基づく情報交換や日頃の悩み相談な どを行い、実りある研修とすることができた。今後も、定期的(2-3年サイクル)に開催し、代協事務 局のレベルアップを支援していく方針である。なお、次回開催は、平成29年度を予定している。 ⑷ 代協内における認識・情報の共有化 各代協においては、会員に対する情報発信を強化し、日本代協の方針や具体的活動の内容、並びに各代 協の取り組み状況、更には業界動向等に関する最新知識等の情宣に努め、認識の共有化を図る必要がある。 そのためにも、各会員に確実に配信できるメールアドレスの登録が必要である。 ⑸ 若手会員の育成・登用 組織活性化のためには、次代を担う若手の育成、登用が不可欠であり、各代協においては、将来の指導 者育成の視点を常に持って積極的に若手人材を登用し、役員人事の若返りを図るとともに、その育成を支 援することが望まれる。代協会長は、後任人事を考えることも重要な役割であり、計画的な育成が求めら れる。 ⑹ 女性会員の登用 保険募集の現場では多くの女性が活躍しており、思考の多様性確保の観点からも女性会員の登用を積極 的に行い、組織の活性化を図ることが重要である。(ダイバーシティ推進の一環)日本代協においても平 成28年度役員改選において、女性の理事(委員長)が2名誕生しており、今後の活躍が期待されている。 ⑺ 組織運営のガバナンス確保 ① 各代協においては、関連法規に沿った公正な運営を行うとともに、「一般社団法人運営マニュアル」 を参考にしながら、態勢の構築、適正な組織運営、事務局の役割分担等を確立することが求められる。 ② 運営に当たっては、ブロック協議会の場等を活用し、他代協とのノウハウの共有化を進める。 ③ 日本代協本部においては、各代協の運営に資する情報収集と知識習得に努め、弁護士・公認会計士等 の専門家の支援を得ながら、各代協の個別問題事案(特に、意思決定手続きや税務問題)をサポートする。 ⑻ 好取り組み事例の収集・発信 現状取り組み不十分であり、各委員会、各理事、事務局等で連携し、各代協並びに代協会員の好取り組 み事例に関する情報収集と発信に努める。(各代協にも積極的な情報提供を依頼する。) ― 132 ― 〔付表1〕 代理店実在数の推移 700,000 623,741(店) ※平成27年度末 成 年度末 202,148店 , 店 ※対前年 ▲ 2,842店 平成8年度対比 32.4% 600,000 509,619 500,000 400,000 300,000 , 305,836 342 191 342,191 235 846 235,846 266,753 200,000 197,005 207,903 100 000 100,000 202,148 192,007 0 H8 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 H27 ※平成26年度は委託型募集人から勤務型代理店等に移行したケースがあり、登録上個人代理店となるため代理店数としては 増加したが、平成27年度以降は再び減少に転じている。 (出典:日本損害保険協会HPより抜粋) 〔付表2〕 募集従事者数の推移 2500 2000 2,160,029 1,575,195 1,716,006 1500 1000 2,139,475 2,147,461 千人 2,059,743 2,052,176 1,873,485 1 145 252 1,145,252 500 0 H12 H13 H15 H17 H19 H21 H23 H25 H27 ※募集従事者数はH23年度から3年連続減少し、H26年度に約1万人増えたが、再び微減となった。 ※募集従事者数はH13年度に大幅に増加(+429, 943人) 。これは銀行等の窓口において保険販売が解禁されたことに伴い、 銀行員等が大量に募集従事者になったためと推測される。 (出典:日本損害保険協会HPより抜粋) ― 133 ― 〔付表3〕 募集形態別元受正味保険料 仲立人扱 47,103(0.5) 直扱 751,976(7.8) ※「海上保険」分野においては、 6.3%の構成比を占めている ※全体の構成比は昨年同 ※ 「海上保険」分野において は、39.9%の構成比を占 めている(船舶保険等) 代理店扱 直扱 仲立人扱 総合計:約9兆5,810億円 (単位:百万円・%) ◎我が国の損保市場にお ける保険募集の主体は 圧倒的に代理店となっ ている 代理店扱 8,781,972(91.7) ※代理店扱:損害保険代理店を通じて行われる募集形態 ※直 扱:保険会社の役職員(研修生を含む)が直接保険を募集する形態 ※仲立人扱:保険仲立人を通じて行われる募集形態(参考:日本損害保険協会HP) 〔付表4〕 形態別代理店数・扱保険料・募集従事者数(国内・外社計) (単位:店・百万円・人) 合 計 代理店数 202, 148 扱保険料 6, 457, 880 募集従事者数 2, 059, 743 専業・副業別 専 業 法人・個人別 副 業 法 人 専属・乗合別 個 人 専 属 乗 合 38, 407 163, 741 108, 997 93, 151 153, 236 48, 912 19. 0% 81. 0% 53. 9% 46. 1% 75. 8% 24. 2% 2, 540, 593 3, 917, 287 5, 942, 376 515, 504 2, 275, 917 4, 181, 963 39. 3% 60. 7% 92.0% 8. 0% 35. 2% 64. 8% 124, 580 1, 935, 163 1, 927, 899 131, 844 635, 210 1, 424, 533 6. 0% 94. 0% 93. 6% 6. 4% 30. 8% 69. 2% ※扱保険料は火災保険、自動車保険、傷害保険の合計額を計上 ※専業1店平均収保:66百万(昨年比+2百万)・平均募集人数:3. 2人・1人当平均収保:20百万 ※副業1店平均収保:24百万(昨年比+1百万)・平均募集人数:11. 8人・1人当平均収保:2百万 ※全体の46. 1%を個人代理店が占めているが収保ウエイトは8%しかない ※募集形態別保険料の視点から見ると日本は「副業・法人・乗合代理店」の市場であることになる (出典:日本損害保険協会HPより抜粋) ― 134 ― 〔付表5〕 都道府県別代理店実在数(平成27年度末統計) (出典:日本損害保険協会HPより抜粋) 都道府県名 代理店実在数 都道府県名 代理店実在数 都道府県名 代理店実在数 北 海 道 8, 769 長 野 県 3, 638 岡 山 県 3, 389 青 森 県 2, 294 岐 阜 県 3, 762 広 島 県 4, 627 岩 手 県 1, 922 静 岡 県 6, 903 山 口 県 2, 054 宮 城 県 4, 116 愛 知 県 10, 979 徳 島 県 1, 635 秋 田 県 1, 594 三 重 県 3, 067 香 川 県 1, 850 山 形 県 2, 110 富 山 県 1, 891 愛 媛 県 2, 577 福 島 県 3, 484 石 川 県 2, 076 高 知 県 1, 215 茨 城 県 5, 463 福 井 県 1, 440 福 岡 県 8, 563 栃 木 県 3, 518 滋 賀 県 2, 009 佐 賀 県 1, 378 群 馬 県 3, 892 京 都 府 4, 003 長 崎 県 2, 231 埼 玉 県 8, 935 大 阪 府 12, 773 熊 本 県 3, 324 千 葉 県 7, 624 兵 庫 県 7, 471 大 分 県 1, 905 東 京 都 26, 150 奈 良 県 1, 846 宮 崎 県 1, 885 神奈川県 9, 125 和歌山県 2, 002 鹿児島県 2, 946 新 潟 県 3, 938 鳥 取 県 982 沖 縄 県 2, 144 山 梨 県 1, 663 島 根 県 986 合 計 202, 148 ※勤務型代理店等を含む(勤務型代理店等の数を除けば代理店総数は19万店弱と推定される) ※昨年比▲2, 842店・東京(+466店)を除き全府県で減少 ※全体が増加している中で、群馬・鳥取・島根の3県は減少 〔付表6〕 代理店新設数・廃止数の推移 (参考:日本損害保険協会HP) 45,000 40 000 40,000 40,150 40,627 35,000 29,282 30 000 30,000 25,000 20,000 29,194 20,890 新設数 20,012 16,939 14,207 15,000 15,557 13,253 17 037 16,211 17,037 14,195 廃止数 10,000 , 5,000 0 H16 H18 H20 H22 H24 H26 H27 ※平成26年度の新設店数は対前年で17, 043店の増加。これは委託型募集人適正化を受けて勤務型代理店等の個人代理店の新 設が増加した影響であると推測される。 ※平成27年度は廃止が新設を上回ったが、勤務型代理店等の新規登録は約1千店程度増加している模様 ※廃止店数は自由化対応で過去最高となったH17年度の40, 627店との対比で約35%の水準 ― 135 ― 〔付表7〕 チャネル別代理店数・募集従事者数(平成28年3月末) (出典:日本損害保険協会HP) 保険募集チャネル 代理店数 店数 募集従事者数 構成比 順位 人数 構成比 順位 ディーラー・整備工場等 99, 919 49. 4% 1 559, 708 27. 2% 2 専業代理店 42, 319 20. 9% 2 311, 667 15. 1% 3 不動産業 24, 394 12. 1% 3 122, 339 5. 9% 5 卸売・小売業(自動車を除く) 5, 688 2. 8% 4 38, 005 1. 8% 7 建築・建設業 4, 327 2. 2% 5 31, 923 1. 6% 8 公認会計士・税理士等 3, 840 1. 9% 6 13, 087 0. 6% 9 金融業 2, 339 1. 2% 7 617, 891 30. 0% 1 (金融業のうち銀行業) (1, 127) (0. 6) (426, 292) (20. 7) 旅行業 2, 298 1. 1% 8 58, 824 2. 9% 6 通信・運輸業 1, 845 0. 9% 9 187, 590 9. 1% 4 15, 179 7. 5% 118, 709 5. 8% 202, 148 100. 0% 2, 059, 743 100. 0% その他サービス業等 合 計 生命保険募集人を兼ねる代理店 代理店数 募集従事者数 48, 132(▲5, 260) 1, 130, 662(▲3, 654) ※全体の構成比は昨年対比で大きな変動はないが、旅行業の代理店数が減少し、金融業の代理店数は増えたため、 チャネル 構成比で金融業の順位が上がっている。 ※付表4の専業代理店数38, 407店と上記統計の専業代理店数42, 319店に差があるのは、チャネル別統計が平成20年度から調 査を始めた新しい統計であることから、両統計作成システムの仕様が異なる保険会社があるため。 ※専業代理店の募集従事者数には生保会社の営業職員が含まれる。 ※通信・運輸業の募集人数には、日本郵便の募集人が含まれている。 ※代理店数で最も多いのはモーターチャネル、募集従事者数が最も多いのは金融業(銀行等)となっている。 <付表数字の対象会社> [国内保険会社 28社] あいおいニッセイ同和、アイペット損保、アクサ損保、朝日火災、アニコム損保、アメリカンホーム、 アリアンツ火災、イーデザイン損保、エイチ・エス損保、AIU、エース損保、SBI損保、au損保、共栄火災、 ジェイアイ、セコム損害保険、セゾン自動車火災、ソニー損保、損保ジャパン日本興亜、そんぽ24、 大同火災、東京海上日動、日新火災、日立キャピタル損保、富士火災、三井住友海上、三井ダイレクト損保、 明治安田損保 [外国保険会社 13社] スター、ゼネラリ、アトラディウス、カーディフ、HDIグローバル、コファス、ロイズ、ニューインディア、 スイスリーインターナショナル、チューリッヒ、現代海上、フェデラル、ユーラーヘルメス ― 136 ― 〔付表8〕 ブロック別・代協別 正会員数・組織率(平成28年3月末現在) 代 協 ブロック H28.3. 31現在 専業代理店 実 在 数 正会員数 組織率(%) 代 協 ブロック H28.3. 31現在 専業代理店 実 在 数 正会員数 組織率(%) 北 海 道 1, 520 626 41. 2 滋 賀 244 132 54. 1 〈北海道計〉 1, 520 626 41. 2 京 都 586 368 62. 8 青 森 419 138 32. 9 奈 良 271 143 52. 8 岩 手 329 112 34. 0 〈近畿計〉 1, 101 643 58. 4 秋 田 290 101 34. 8 大 阪 1, 781 950 53. 3 1, 038 351 33. 8 兵 庫 996 278 27. 9 宮 城 680 258 37. 9 和 歌 山 290 190 65. 5 やまがた 290 160 55. 2 〈阪神計〉 3, 067 1, 418 46. 2 福 島 547 265 48. 4 岡 山 516 346 67. 1 1, 517 683 45. 0 鳥 取 170 109 64. 1 新 潟 581 203 34. 9 島 根 177 60 33. 9 長 野 549 235 42. 8 〈東中国計〉 863 515 59. 7 群 馬 582 246 42. 3 広 島 656 237 36. 1 1, 712 684 40. 0 山 口 358 173 48. 3 栃 木 556 135 24. 3 〈西中国計〉 1, 014 410 40. 4 茨 城 757 241 31. 8 徳 島 222 116 52. 3 埼 玉 1, 319 390 29. 6 香 川 226 153 67. 7 千 葉 1, 366 376 27. 5 愛 媛 365 146 40. 0 〈東関東計〉 3, 998 1,142 28. 6 高 知 195 123 63. 1 神 奈 川 1, 520 485 31. 9 〈四国計〉 1, 008 538 53. 4 山 梨 236 127 53. 8 福 岡 1, 342 579 43. 1 〈南関東計〉 1, 756 612 34. 9 大 分 328 151 46. 0 東 京 2, 916 918 31. 5 佐 賀 202 115 56. 9 〈東京計〉 2, 916 918 31. 5 長 崎 324 184 56. 8 静 岡 1, 014 267 26. 3 〈九州北計〉 2, 196 1, 029 46. 9 愛 知 1, 589 568 35. 7 宮 崎 294 162 55. 1 岐 阜 533 228 42. 8 熊 本 435 255 58. 6 三 重 512 225 43. 9 鹿 児 島 396 178 44. 9 3, 648 1,288 35. 3 沖 縄 397 160 40. 3 富 山 296 141 47. 6 〈九州南計〉 1, 522 755 49. 6 石 川 297 164 55. 2 〈全国合計〉 29, 703 12, 047 40. 6 福 井 234 130 55. 6 〈北陸計〉 827 435 52. 6 〈北東北計〉 〈南東北計〉 〈上信越計〉 〈東海計〉 (※勤務型代理店等の登録数を除く) ※ (専業代理店)組織率60%以上:香川 (67. 7%) 、岡山 (67. 1%) 、和歌山 (65. 5%) 、鳥取 (64. 1%) 、高知 (63. 1%) 、京都 (62. 8%) の6代協。 ※50%以上:熊本(58. 6%)、佐賀(56. 9%)、長崎(56. 8%) 、福井 (55. 6%) 、石川 (55. 2%) 、やまがた (55. 2%) 、宮崎 (55. 1%)、 滋賀(54. 1%)、山梨(53. 8%)、大阪(53. 3%)、奈良 (52. 8%) 、徳島 (52. 3%) の12代協。 ※ブロック単位:東中国(59. 7%)、近畿(58. 4%)、四国 (53. 4%) 、北陸 (52. 6%) ※30%未満:栃木(24. 3%)、静岡(26. 3%)、千葉(27. 5%) 、兵庫 (27. 9%) 、埼玉 (29. 6%) の5代協。 ― 137 ― 〔付表9〕 福岡県代協 会員数の推移 70 700 年度 年度末会員数 入会数 579店 退会数 600 60 50 500 378店 400 40 300 30 200 20 100 10 0 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 〔付表10〕 福岡県代協 会員増強データ 年度 前年度末 会員数 入会数 退会数 増減 年度末 会員数 H. 11 441 23 60 △ 37 404 H. 12 404 25 30 △ 5 399 H. 13 399 30 45 △ 15 384 H. 14 384 25 26 △ 1 383 H. 15 383 26 31 △ 5 378 H. 16 378 47 27 20 398 H. 17 398 41 16 25 423 H. 18 423 43 27 16 439 H. 19 439 44 33 11 450 H. 20 450 46 40 6 456 H. 21 456 40 26 14 470 H. 22 470 38 21 17 487 H. 23 487 47 26 21 508 H. 24 508 36 15 21 529 H. 25 529 44 28 16 545 H. 26 545 39 24 15 560 H. 27 560 44 25 19 579 ※年度末会員数は平成15年度をボトムとして反転し、12年連続で増強している。 ※昨年度は、平成15年度末対比+201店(約153%)の増強 ― 138 ― 0 12 日本代協コンベンション ■コンベンション開催の経緯 平成21年8月に、本会の正会員資格を、個々の代理店から一般社団法人格を取得した全国47都道府県の代 表に変更する定款変更の認可を取得した。これによって本会の総会参加者は、個々の代理店から各代協の会 長に変更になり、全国の代協会員が集う機会がなくなることとなった。そこで、新たな交流の機会を設ける こととし、平成23年度にコンベンションという形に装いを変え、総会とは別の時期に開催することとしたも のである。 開催に当たっては「小さく生んで大きく育てる」を合言葉とし、先ずは従来の総会規模(参加者数350名 程度)を前提にすることとした。また、開催プランの検討は、東京代協の若手会員と日本代協事務局による コンベンションプロジェクトチーム(PT)で進めることとし、平成22年12月から活動を始め、翌23年11月 に最初のコンベンションを開催した。以後、毎年11月に定例イベントとして開催している。 ■コンベンションの目的 従来の総会・代協会員懇談会に代わる全国代協会員が集い、語らう場と位置付け、併せて業界関係者を含 めた情報交換と経験交流を行うことを目的として開催している。 なお、従来総会終了後の業界関係者を交えた懇談会については、損保協会主催で実施されていたが、コン ベンションを開始する際に、これを日本代協主催の会費制の会合に改めた。 ■第1回コンベンションの開催 ⑴ テーマ: 平成23年3月11日に発生した東日本大震災において、自ら被災しながらも契約者のために尽力した被災 地代理店の経験、教訓を踏まえ、全体テーマを『震災を通して代理店の価値を考える』とした。なお、震 災からの復旧・復興の最中であるとともに、原発の影響が現実の危機として続いていたことを踏まえ、華 美を排し、手作り感を打ち出しながら開催することとした。 ⑵ 日程・内容: ◇平成23年11月18日(金)12:30~17:00 式典の部 [於:ヤクルトホール(約350名)] ① 式典 [来賓] 金融庁監督局保険課長 小原 広之 様・日本損害保険協会 専務理事 浅野 広視 様 ② 功労者表彰式 [功労者] 加納 敏孝 様(愛知県代協)・髙山 本丸 様(京都代協)・前田 房夫 様(大阪代協)・ 須藤 正巳 様(故人・岡山県代協)・平岡 俊二 様(徳島県代協)・千守 隆 様(愛媛県代協) ③ キャンペーン表彰式 [平成23年2月会員増強キャンペーン目標達成代協] 26代協(北海道、宮城、やまがた、福島、新潟、栃木、茨城、千葉、岐阜、三重、富山、滋賀、京都、奈良、 大阪、兵庫、和歌山、島根、徳島、香川、高知、福岡、大分、佐賀、宮崎、熊本/代表:福岡県代協) ④ 代協会員懇談会 [コーディネーター:山中副会長] ― 139 ― ⑤ 被災地代理店によるパネルディスカッション [コーディネーター:岡部会長] [パネリスト] 藤原 真琴 氏(岩手県代協副会長/ MS岩手株式会社) 小林 良昭 氏(宮城県代協副会長/株式会社エス・ハート) 尾形 京平 氏(宮城県代協/東海あんしんサポート株式会社) 石塚 健二 氏(福島県代協/有限会社S・BC) 山本 惠一 氏(福島県代協/有限会社ハート・&・ハート) ◇平成23年11月18日(金)18:00~20:00 懇親会の部 [於:東京第一ホテル(約450名)] 業界関係者一同に会した懇親会として開催 ① 来賓ご挨拶:日本損害保険協会 会長 隅 修三 様(東京海上日動社取締役社長) ② 被災地からのメッセージ:被災地代協代表挨拶、復興への決意表明 被災地銘酒・名産品紹介と支援のお願い ◇平成23年11月19日(土)10:00~15:00 分科会の部 [於:損保会館(約300名)] ① 基調講演:日本損害保険協会 常務理事 栗山 泰史 様 「損保代理業の明日を考える」 ② 分科会(ゼミ形式): [野崎ゼミ]:「ハザードマップを活用した防災・減災活動」 野村総研 野崎 洋之 様 [中崎ゼミ]:「お客様目線の事業承継を考える」 保険ジャーナリスト 中崎 章夫 様 [北村ゼミ]:「やりがいのもてる職場環境とは」 臨床心理士 医学博士 北村 勉 様 [圡川ゼミ]:「I-netを活用した地域密着型保険経営のヒント」 名案企画 圡川 尚己 様 ⑶ 評価 コンベンションとしては初めての試みであったが、プログラム全体を通して参加者からは概ね高い評価 を頂いたので、平成24年度も同規模、同スタイルで開催することとなった。 ■第2回コンベンションの開催 ⑴ テーマ: 第1回目のコンベンションは「代理店の価値」を再認識する機会となったが、価値は消費者が決めるこ とであり、 「価値がある」ことを認めてもらう必要がある。そのためには、地域において「困った時に 真っ先に顔が浮かぶ存在になる」ことが必要であり、第2回目のコンベンションは、代理店ブランドを考 える契機にしようとの方向性が定まった。一方で、ブランドは大企業のものであり、地域の専業代理店の ような小規模事業者にブランドは構築できるのか、という問いかけにも答える必要があるとの認識の下で、 『地域における代理店ブランドを考える』をテーマに開催することとした。 ⑵ 日程・内容: ◇平成24年11月16日(金)12:30~17:00 式典の部 [於:ヤクルトホール(約350名)] ① 式典 [来賓] 金融庁監督局保険課長 小原 広之 様・日本損害保険協会 専務理事 浅野 広視 様 ② 功労者表彰式 [功労者] 長尾 忠正 様(北海道代協)・長野 稔泰 様(埼玉県代協)・剣持 正明 様(山梨県代協) 坂上 正則 様(三重県代協)・本田 勝久 様(京都代協) ・藤本 宏志 様(山口県代協) 葛石 賢秀 様(香川県代協)・平田 正次 様(佐賀県代協)・前田 清 様(宮崎県代協) 大城 勝也 様(沖縄県代協) ― 140 ― ③ キャンペーン表彰式 [平成24年2月会員増強キャンペーン目標達成代協] 14代協(山梨・岐阜・石川・福井・滋賀・京都・奈良・和歌山・岡山・香川・高知・福岡・大分・長崎) ④ 代協会員懇談会 [コーディネーター:泉副会長] ⑤ 基調講演 テーマ:「小が大を超える ― マーケティングの法則」 講 師:静岡県立大学経営情報学部 教授 岩崎 邦彦 様 ◇平成23年11月18日(金)18:00~20:00 懇親会の部 [於:東京第一ホテル(約450名)] ① 来賓ご挨拶:日本損害保険協会 会長 柄澤 康喜 様(三井住友海上社代表取締役社長) ② ご当地ブランド紹介:南九州ブロック(宮崎県・鹿児島県・沖縄県の名産品・銘酒紹介) ◇平成24年11月17日(土)10:00~15:00 分科会の部 [於:損保会館(約300名)] [岡部ゼミ]:「実践者に聞く『地域に認知される代理店』のあり方とは」(司会:岡部会長) ・株式会社dii 代表取締役 永井 伸一郎 様(岐阜県代協) ・株式会社藤吉保険事務所 代表取締役 藤吉 友子 様(岐阜県代協) [中崎ゼミ]:「不況下でも躍進する代理店に学ぶ これからの専業代理店の事業のあり方」 保険ジャーナリスト 中崎 章夫 様 [圡川ゼミ]:「インターネットを活用した地域密着型保険代理店経営のヒント」 名案企画株式会社 代表取締役 圡川 尚己 様 [安東ゼミ]:「地域密着の代理店としてのブランドづくり」 株式会社ブレインマークス 代表取締役 安東 邦彦 様 ⑶ 評価 1回目と同規模・同スケジュールの開催であったが、プログラム全体を通して参加者からは高い評価を 頂くことができた。特に、岩崎先生の講演は、地域に根ざす小規模事業者に勇気と元気を与える素晴らし い内容で大きな反響を呼び、各代協で個別にセミナーを開催するケースが相次ぐ等、代協会員の関心の高 さが窺えた。 ■第3回コンベンションの開催 ⑴ テーマ: 代理店としての存在価値の在処も分かった、小規模企業のブランド作りのポイントも分かった…とは 言っても、代理店を一つの企業として見たときの魅力を高めていかないと、人材は集まらず、持続的発展 も望めないこととなる。そうした認識の下で、社員にとって働きたい会社、働きやすい会社はどうあるべ きか考える機会を持ちたいとの思いで、第3回目のテーマを『“魅力ある企業”としての代理店を考える』 とし、代理店主の経営品質向上の機会にすることとした。 なお、開催に当たっては、東京に加え、神奈川・埼玉・千葉の各代協の若手会員でプロジェクトチーム を構成し、アクションプラン策定と推進に当たった。 ⑵ 日程・内容: ◇平成25年11月15日(金)12:30~17:00 式典の部 [於:ヤクルトホール(約350名)] ① 式典 [来賓] 金融庁監督局保険課長 諏訪園 健司 様・日本損害保険協会 専務理事 浅野 広視 様 ② 功労者表彰式 [功労者] 武田 忠穂 様(宮城県代協)・関根 茂 様(埼玉県代協) ・大江 金男 様(岐阜県代協) 瀧山 健次 様(滋賀県代協)・保田 定昭 様(和歌山県代協)・田中 仁 様(福岡県代協) ― 141 ― ③ 代協会員懇談会 [コーディネーター:泉副会長] ④ 日本代協アドバイザー就任ご挨拶[丸紅セーフネット株式会社 常勤監査役 栗山 泰史 様] ⑤ 基調講演 テーマ:「成果の出る組織と出ない組織の違い」 ~オペレーション能力ではなくマネジメント能力に着目せよ~ 講 師:株式会社静鉄ストア 代表取締役会長(当時) 名古屋商科大学大学院マネジメント研究科(MBA)客員教授 望月 広愛 様 ◇平成25年11月15日(金)18:00~20:00 懇親会の部 [於:東京第一ホテル(約450名)] ① 来賓ご挨拶:日本損害保険協会 会長 二宮 雅也 様(日本興亜損保社代表取締役) ② ご当地ブランド紹介:西中国ブロック(山口県・広島県の名産品・銘酒紹介) ◇平成25年11月16日(土)10:00~12:00 分科会の部 [於:損保会館(約300名)] [P T ゼ ミ ]:「夢を持てる保険代理業とするために」(司会:杠葉PTサブリーダー) ・株式会社ウォーム 奥田 耕平 様(東京代協) ・株式会社小酒保険 代表取締役 小酒 廣士 様(石川県代協) [中崎ゼミ]:「製販分離時代の代理店組織化の留意点」 保険ジャーナリスト 中崎 章夫 様 [圡川ゼミ]:「魅力ある企業としての代理店を考える」 ファシリテーター:名案企画株式会社 代表取締役 圡川 尚己 様 パネラー:株式会社コスモワーク 代表取締役 朝倉 憲太郎 様 伊藤保険株式会社 代表取締役 伊藤 由美子 様 有限会社トータルサポート 代表取締役 田村 淳 様 [安東ゼミ]:「プロ代理店が『家業』から『企業』になる方法」 株式会社ブレインマークス 代表取締役 安東 邦彦 様 ■第4回コンベンションの開催 ⑴ テーマ: 過去3回のコンベンションで提起された、お客様との関係のあり方、保険会社との関係のあり方、社員 との関係のあり方等、代理店を取り巻く全ての関係者との信頼関係構築の基盤となる「コミュニケーショ ン」の原点を学ぶ機会とすることを目的として、『代理店におけるコミュニケーションのあり方を考える』 をテーマに開催した。 ⑵ 日程・内容: ◇平成26年11月14日(金)12:30~17:00 式典の部 [於:ヤクルトホール(約350名)] ① 式典 [来賓] 金融庁監督局保険課長 諏訪園 健司 様・日本損害保険協会 専務理事 堀 政良 様 ② 功労者表彰式 [功労者] 大島 昭夫 様(愛知県代協)・髙橋 幸雄 様(奈良県代協)・大島 晏 様(大阪代協) 松村 建造 様(和歌山県代協・故人)・村上 公明 様(愛媛県代協) 酒匂 康男 様(鹿児島県代協) ③ 代協会員懇談会 [コーディネーター:小出副会長] ④ 基調講演 テーマ:「現役道化師から学ぶ組織・社内環境をプラスに変えるコミュニケーション手法」 講 師:NPO法人 日本ホスピタルクラウン協会 理事長 大棟 耕介 様 ― 142 ― ◇平成25年11月15日(金)18:00~20:00 懇親会の部 [於:東京第一ホテル(約450名)] ① 来賓ご挨拶:日本損害保険協会 会長 櫻田 謙悟 様(損害保険ジャパン社代表取締役) ② ご当地ブランド紹介:近畿ブロック(滋賀、京都、奈良の名産品、銘酒紹介) ◇平成25年11月16日(土)10:00~12:00 分科会の部 [於:損保会館・ホテル聚楽(約300名)] [P T ゼ ミ ]:名案企画株式会社 代表取締役 圡川 尚己 様(ファシリテーター) 「好取組代理店によるパネルディスカッション」 渡辺 健一 様(有限会社渡辺総合保険事務所 代表取締役:宮城県代協) 絹田 翠々英 様(株式会社ABC 代表取締役:岡山県代協) 葭谷 広行 様(ユナイテッド・インシュアランス株式会社 代表取締役:埼玉県代協) [中崎ゼミ]:保険ジャーナリスト 中崎 章夫 様 「法改正動向を踏まえた保険会社の事業戦略・プロ代理店に期待していること」 [増島ゼミ]:森・濱田松本法律事務所 弁護士 増島 雅和 様(元金融庁保険課在籍) 「募集制度の変革に伴う代理店のあり方」 ~小規模損害保険代理店における体制整備のあり方を中心として~ [松本ゼミ]:株式会社A. I. P 代表取締役 松本 一成 様(東京代協) 「リスクマネジメント視点からの法人マーケット開拓」 ~企業経営の支援者としての保険提案について~ ■第5回コンベンションの開催 ⑴ 開催場所の選定: 第5回コンベンションの開催に当たっては、今後の開催場所についてビジョン委員会で論議を行った。 その結果、会場手配、交通手段、講師手配、損保協会役員や各保険会社の社長等の懇親会への出席、企画 運営の負担等を考慮し、当面は東京もしくはその近郊開催を前提に検討を進めることとなった。 これを受けて第5回目のコンベンションについては、各代協へのアンケート結果を考慮して開催規模を 少し拡大するとともに、会場の移動がないホテルを手配することとし、東京・お台場のホテルLE DAIBA にて開催した。 ⑵ テーマ: 多様な人材の能力を引き出し、組織としての力を発揮しながら持続的に成果を生み出していくために最 も重要な「経営者の資質」について考えることとし、「代理店のマネジメントのあり方を考える」~個人 の能力を引き出し、組織の力を高める~ をテーマに開催することとした。 ⑶ 日程・内容: ◇平成27年11月13日(金)12:30~17:00 式典の部 [於:ホテル LE DAIBA(約350名)] ① 式典 [来賓] 金融庁監督局保険課長 井上 俊剛 様・日本損害保険協会 専務理事 堀 政良 様 ② 功労者表彰式 [功労者] 米川 武夫 様(千葉県代協・故人)・鈴木 啓喜 様(愛知県代協)・関本 誠一郎 様(京都代協) 山本 誠 様(大阪代協)・都筑 定宣 様(高知県代協) ③ 代協会員懇談会 [コーディネーター:小出副会長] ― 143 ― ④ 基調講演 テーマ:「チームマネジメント ~今治からの挑戦~」 講 師:サッカー日本代表 元監督 岡田 武史 様 ◇平成27年11月13日(金)17:30~19:30 懇親会の部 [於:同上(約470名)] ① 来賓ご挨拶:日本損害保険協会 会長 鈴木 久仁 様 ② ご当地ブランド紹介:北海道代協 ◇平成27年11月14日(土)10:00~12:00 分科会の部 [於:損保会館・ホテルジュラク] [高林ゼミ]:「保険業法改正とコンプライアンス」 高林 真一郎 様(イーエデュケーション株式会社 顧問) [中崎ゼミ]: 「改正保険業法を踏まえた、製販分離時代の勝ち残れるプロ代理店の目指す姿」 中崎 章夫 様(保険ジャーナリスト) [圡川ゼミ]:「成果の上がる強いチームのつくりかた」圡川 尚己 様(ファシリテーター) <パネラー>安島 裕子 様(有限会社ハロー保険サービス 代表取締役:福島県代協) 加藤 睦 様(株式会社ベストパートナー 代表取締役:神奈川県代協) 三根生 啓太 様(株式会社イーズコーポレーション:愛媛県代協) [弘田ゼミ]:「直資代理店を経営して気づいたプロ代理店の経営マネジメントと事業戦略のヒント」 弘田 拓己 様(三井住友海上 営業企画部部長) ⑷ 評価 過去4回目まで使用した会場を変更して開催したが、プログラム全体を通して参加者からは高い評価を 頂くことができた。なお、式典会場についてはやや手狭な印象があり、椅子の配置や演台の高さ等、細か な改善が必要であることが判明したため、次回以降に活かすこととした。一方で、懇親会会場が従来の 2倍近い広さになっこと、喫煙場所が確保されたこと、ホテル故にフロアが広く開放感があったことなど により、運営サイドの環境は大きく改善されることとなった。 これを踏まえ、第6回コンベンションも同ホテルにて同規模で開催することとした。 ■第6回コンベンションの開催(案) 1. 目的 ・各都道府県の代協会員が“集い、語らう場”として開催し、テーマに沿った基調講演、分科会を通して 代理店経営の気づきを提示するとともに業界の更なる発展に向けた意思結集を図る。 ・業界関係者を含めた情報交換の場を設け、親睦を図り、日本代協の存在感を高める。 2. テーマ ・ 『消費者から見た代理店のあり方を考える』 改正保険業法の施行により、募集プロセス、お客さまとのかかわり方が抜本的に変わりつつある中、改 めて消費者から求められる(選ばれる、必要とされる)代理店の価値、経営品質を考える契機とするこ とを目的として上記テーマで開催する。 3. 実施日 ・平成28年11月4日(金)13:00 ~ 11月5日(土)12:00(※開会時間は昨年度から30分繰り下げ) ― 144 ― 4. 開催規模 ・昨年と同一会場で、同程度の規模とする(式典・懇談会:約400名、懇親会:約500名)。 ・昨年までは、参加できない全国の代協会員に向けて、USTREAMによるライブ配信をしていたが、映 像・音声の調整が難しく、また、オンタイムで視聴できない会員もいるため、収録した映像を式典終了 後速やかにYouTubeで一定期間配信する(事前周知を行う)。 5. 開催内容 ・第1部(式典・代協会員懇談会・基調講演の部)、第2部(懇親会)、第3部(分科会)の3部構成 6. 運営 ・東京、千葉、埼玉、神奈川各代協の若手メンバーと東京代協・日本代協の事務局によるプロジェクト チームで企画・運営を行う。 7. 開催場所 ・式典・懇談会、懇親会:ホテルグランパシフィック LE DAIBA(東京都港区台場2-6-1) (※7月1日より、「グランドニッコー東京 台場」に名称変更) ・分科会:損保会館、ホテルジュラク(東京都千代田区神田淡路町2-9) 三井住友海上本社新館会議室(東京都千代田区神田駿河台3-9) 8. 日程・内容 ⑴ 第1部: 『式典・代協会員懇談会・基調講演の部』 [11月4日(金)13:00~17:30 ホテルグランパシフィック LE DAIBA] ① 『式典』:来賓ご挨拶・功労表彰など ② 『代協会員懇談会』:事前質問への回答+フリートーク ③ 『基調講演』:有限会社ベルテンポ・トラベル・アンドコンサルタンツ 代表取締役 高萩 徳宗 様 ⑵ 第2部: 『懇親会の部』 [ 同 18:00~20:00 ホテルグランパシフィック LE DAIBA] ・損保協会、各保険会社社長、金融庁、政連顧問議員等を含めた業界関係者、全国代協会員の経験交 流、意見交換の場として実施 ・代協の紹介を兼ねたご当地PRを実施(担当:東海ブロック) ・震災復興支援としての募金活動を実施 ⑶ 第3部: 『分科会の部』 [11月5日(土)10:00~12:00 損保会館・ホテルジュラク・三井住友海上本社新館会議室] ○ テーマ別分科会:⇒4つの分科会(ゼミ)で、基調講演の内容を保険業界に落とし込んで論議 ○ ゼミ講師 1ゼミ:坂東 俊矢 氏(弁護士 京都産業大学大学院教授 そんぽADRセンター紛争解決委員) 2ゼミ:中崎 章夫 氏(日本代協アドバイザー:保険ジャーナリスト) 3ゼミ:栗山 泰史 氏(日本代協アドバイザー:株式会社丸紅セーフネット 常勤監査役) 4ゼミ:山中 伸枝 氏(一般社団法人 公的保険アドバイザー協会 理事) ― 145 ― 13 代理店賠責の推進と代理店経営品質向上への取り組み ■代理店賠責創設の経緯 平成11年4月に代協会員の要請を受けた米国のリバティ保険会社が、伊藤忠インシュランス・ブローカー を通じて損害保険代理店賠償責任保険を開発したのが発端である。その後、理事会で日本代協としての制度 創設を検討したが、その際は担保範囲が不明確で次期尚早との結論となり、制度採用は各代協の判断に委ね ることとなった。 その後、平成12年5月に消費者契約法、金融商品販売法が成立し、代理店もコンプライアンスの徹底が強 く求められる時代になったこと、また、東京代協から度々検討要請を受けたこと等から、平成13年6月の理 事会において、保険業法第283条第3項による「保険会社から代理店に対する求償への備え」として、改め て制度創設に向けた検討を行うことが決定し、企画環境委員会に諮問された。 同委員会において審議の結果、保険制度の創設を積極的に推進することとなり、同年2月の理事会で承認 の後、平成14年7月1日付で日本代協としての代理店賠償責任保険制度がスタートした。 ■代理店賠責の一本化 一方、日本代協としての制度創設が進まないことに危機感を持った東京代協では、共済と保険のハイブ リッド型となる「職業賠償共済」(保険部分の引受はAIU社)を独自に開発し、日本代協の制度に1年先行 する形で平成13年5月から募集を開始させていた。このため、日本代協の制度がスタートした平成14年7月 以降は、東京代協と日本代協の二本の制度が併進する状態となった。 こうした状況に対して多くの代協会員から制度の一本化を望む声が上がり、平成16年夏から一本化に向け た検討が開始された。 検討の結果、両制度の利点を取り入れ、代協加盟代理店に更にメリットがある制度とすることで合意に達 し、上記記載の通り、平成14年2月の理事会で一本化が承認され、同年7月1日よりアリアンツ火災を元受 保険会社とする「代理店賠責『新日本代協プラン』」がスタートすることとなった。 「新日本代協プラン」は、東京代協の職業賠償共済で補償していた部分をほぼ取り入れた上で、新たに個 人情報漏えいに係る対応費用部分を補償範囲とし、更に補償限度額を2倍に引き上げた。これらの対応によ り、補償内容は大幅に拡充されるとともに、保険料は低廉な価格のまま据え置かれたため、代協加盟代理店 にとって更に魅力ある制度に生まれ変わることとなった。 ■引受保険会社の変遷 ⑴ アリアンツ火災引受けの経緯 同プランの引受先については、検討当初は米国のリバティ保険会社を想定していたが、同社が米国にお ける同時多発テロの影響を受けて日本市場から撤退することとなった。そのため、同社の推薦でアリアン ツ火災が引き受けることとなり、平成23年度契約分まで同社が元受保険会社となった。(平成22年度契約 までは7月1日始期であったが、平成23年度契約以降は、他業務の繁忙度を踏まえ、事務ロードを平準化 するために始期日を10月1日に変更して募集を行っている。) ― 146 ― ⑵ エース保険への変更 平成24年度の更新契約においては、エース保険から補償内容をより充実させたプランの提案を受けたた め、理事会で審議の結果、元受保険会社を変更することとなり、名称も『日本代協新プラン』と変えて募 集を行うこととなり、現在に至っている。(注:同社は、買収に伴い、平成28年10月1日付けで「Chubb (チャブ)保険会社」に社名変更の予定である。) なお、大手企業代理店の会員においては、1事故1億円というリミットの低さが加入のネックになって いる面もあるため、平成27年度契約から、補償金額を増額するプランも提供できるよう制度内容の改善を 行った。 ■本制度に対する基本的なスタンス プロの保険代理店としては、不断の努力を積み重ねて自社の経営品質向上を図り、適切・的確な保険募集 の遂行並びに内部事務管理態勢の整備等により、契約者等とのトラブルを未然に防止することが最優先の取 り組み課題である。 一方で、自らの行動(代理店としての行動)が招いた結果に責任を負えるだけの賠償資力を確保すること は保険募集のプロとして重要なことである。(注:本保険は言い掛かり的な訴訟時の防御費用等も対象とな るのみならず、施設賠責なども含めた代理店総合賠償プランになっている。)また、保険契約の性格上、保 険金の支払いを巡る巨額賠償事案も想定されるため、全てのケースに代理店の内部留保で対応することは困 難であり、各代協会員は漏れなく『代理店経営のプロテクター』となる本制度へ加入することが必要である。 更に、平成28年5月施行の改正保険業法において、募集人に対して直接情報提供義務等が課され、また、 代理店に対しても体制整備義務が課されることから、特に乗合代理店においては、顧客との賠償疑義事案に おける保険会社サイドの責任割合は縮減される方向に向かうことが想定され、代理店賠償責任保険の重要性 は極めて大きくなっている。 こうした環境を踏まえ、日本代協としては、別個登録店、AIU代理店会所属代理店の会員(AIU社による 別制度有)を除き、代協会員100%加入を目指す。 ■本制度の健全な普及のための取り組み ① 未加入会員や非会員の代理店に対し、事故例集等を用いて情宣と加入案内を行う(各代協) ② エース社の協力の下、各地域で「代理店賠責セミナー」を開催し、本制度の普及を図る(各代協) ③ 「経営品質向上委員会」を定期的に開催し、事故例等の分析結果をフィードバックすることによって、 各代協会員の日常行動の改善に活かしてもらう。(日本代協) ④ 学識経験者等で構成される「代理店賠償責任保険審査会」を開催し、本制度の健全・公平な運営を図 る。 (日本代協…本年度は年2回開催予定であり、1回目は平成28年7月27日開催済) ⑤ 各保険会社の業務連絡会等を活用してセミナーを開催し、本制度への理解を深める。(各代協) ⑥ 保険会社の本社担当部門並びに代理店担当社員に保険業法第283条の趣旨(使用者賠償の特例)を十 分に理解してもらい、保険会社に生じる責任と本制度採用によるメリットを認識してもらう。(日本代 協・各代協) ⑦ 円滑な事故処理のため、エース損保と各保険会社担当部門との折衝ルートを構築する。(日本代協) ― 147 ― ■代理店賠責の概要(平成28年度更新契約) □契約方式:日本代協を契約者とし、代協正会員を被保険者とする団体契約 □募集時期:8月中旬から案内開始 □補償内容:<基本補償プラン> ① 代理店賠償・受託財物・施設賠償 =1事故1億円・期間中3億円(5万円フランチャイズ) ② 争訟費用=1事故2, 000万円・期間中6, 000万円 ③ 個人情報漏えい見舞金=1事故・期間中500万円(見舞金@500円) 等 <高額保障プラン(平成27年度新設)> ①・② 代理店賠償・受託財物・施設賠償・争訟費用 =1事故・期間中合算3億円(エクセス100万円) ③ 個人情報漏えい見舞金=1事故・期間中500万円(見舞金@500円)…基本補償に同じ ※基本補償プランと高額保障プランのレイヤーは不可 高額保障の保険料は基本補償の平均約1. 4倍の水準 なお、高額保障プランは企業代理店等の大規模代理店のニーズに応えるものであり、加 入手続きは個別対応を行う。 □保険期間:平成28年10月1日~1年間 □保険料水準:平成27年度契約と同じ(平成21年度契約から同水準を維持) ※ □割 増 引:団体割引・優良割引・損害保険トータルプランナー割引(8月末認定者ベース) 先行行為補償特約10%割増 (※従来の認定保険代理士割引の廃止に伴い平成27年度契約から新設。割引の考え方は従来 同様である。) □勤務型代理店等の取り扱い(委託型募集人から「3者間契約スキーム」を選択して統括代理店傘下の個 人代理店に移行した場合の取り扱い) :統括代理店の募集人にカウントし、統括代理店が保険加入手続 きを行う。(当該個人代理店単独での加入はできない) (注: 「3者間契約スキーム」に関する損保業界の標準ひな形では、教育・指導・管理を行う親代理店を 「統括代理店」、統括代理店の下で保険募集を行う個人代理店を「勤務型代理店」と呼称しているが、保 険会社によっては「非統括代理店」あるいは「新設代理店」等と呼ばれている。名称が異なるだけでス キーム上の位置づけは同じである。) □直近加入率:平成28年3月末時点:10, 027店/加入率=83. 2%(制度創設以来、初めて1万店を突破) ― 148 ― 14 CSR活動の推進 〈地球環境保護・社会貢献活動への取り組み〉 ■CSR活動への取り組みの意義 損害保険に携わるものとして、気候変動や異常気象の原因となる地球環境の保護に関わる活動を行うこと は重要であり、日本代協では平成10年2月に地球環境問題研究会(※)を立ち上げ、「組織としての社会的使 命・責任を果たす」ことを目的として、全国各地で活動を展開している。 (※)その後、地球環境問題研究会⇒地球環境問題対策室⇒地球環境対策室⇒地球環境・社会貢献委員会 と徐々に役割を拡大し、平成22年度にCSR委員会に引き継がれ、現在に至っている。この間、平成 19年度からは社会貢献活動も取り組み領域に加え、様々な取り組みを行っている。 地球環境保護・社会貢献活動を主体とするCSR委員会の取り組みは、日本代協の重要な事業であり、個人 として取り組むものは個人として、組織として取り組むものは組織一体となって、引き続き積極的に取り組 みを進めることとする。(全国の代協・支部における様々な活動については、日本代協HP参照) ■地球環境保護への取り組み ⑴ 代協正会員が実行すべき基本行動 環境省が進める低炭素社会の実現(※)に向けて、以下の3項目を会員各自が実行すると定めており、代 協会員自身が意識して取り組む必要がある。 ① 紙の使用削減に努める(両面コピー、縮小印刷、電子ファイル、WEB証券の活用等) ② ゴミの削減に努める(リサイクル、リユース等を含む) ③ 駐車中は自動車のエンジンを切る(エコカーに乗り換える等を含む) (※)有効な気候変動対策が取られなかった場合、21世紀末までに地球の平均気温は現在に比べ、4. 8℃ 上昇、平均海面水位も82㎝上昇する可能性が高いと試算されている。 ⑵ 各地域における活動の活性化 地域の実情に応じた様々な環境保護活動(植林、清掃等)を、代協・支部単位で実施することがこの活 動の基本であり、引き続き地域密着で継続的に取り組むこととする。 実施にあたっては「ボランティア・グリーン活動ガイドブック」(日本代協書庫にファイル掲載)を活 用するとともに、従業員、家族のみならず損保協会や各保険会社社員等にも広く声をかけ、業界一体と なって取り組む風土作りを各代協や支部がリードして行うことが望ましい。 また、主催することに拘らず、他団体主催のイベントへの協賛等の形で参画することも考えられる。い ずれにしても、各代協会員が自ら出来ることは夫々取り組むとともに、各代協・支部で創意工夫を発揮し、 「継続的に(続けることに意味がある)」 「楽しく(楽しくないと続かない)」 「出来る限り多くの人たちと(多 数の参加の機会になる)」、ともにいい汗を流して、環境保護につながる活動を実践していくことが期待さ れる。 ⑶ エコバッグの斡旋 平成19年4月1日に、改正容器包装リサイクル法が施行(※)され、スーパーやコンビニ等のレジ袋が有 料化された。 (※日本では一人当たり年間300枚のレジ袋が使用され、多くがゴミとなっている。また、レ ジ袋1枚につき約18. 3mlの石油が使用されており、国全体では、1秒当たり約967枚、2ℓのペットボト ― 149 ― ル換算で約8. 9本分の石油が費消されており、大事な資源を投げ捨てていることになる。) こうした環境を受けて、日本代協では、マーク入りのエコバッグを製作し、会員・契約者・一般消費者 に提供している。平成27年度はデザインを刷新し、約1万1千個を新たに提供した。(累計約8万6千個) ■地域社会貢献活動への取り組み ⑴ 基本方針 地域に密着した活動を通して社会に役立つ存在となることを目指す日本代協グループにとって、各種ボ ランティア活動による地域社会への貢献は、重要な取り組みであり、本年度も各代協・支部の創意工夫の 下で、損保協会や損保会社の社員の参画も得ながら、計画的に実施する。 ⑵ 草の根活動の展開 全国各地で献血、チャリティ、救命士講習(AED講習)、介護施設や恵まれない子供たちへの支援等、 様々な活動が展開されている。こうした草の根の運動が日本代協グループの基本であり、引き続き地道に 展開していく。 ■地震保険の啓発・普及促進 家屋・家財に対する地震補償の必要性を広く消費者に周知し、自助としての地震保険の存在をPRしてい くことは、地震国日本における損保業界の重要な社会的責務である。政府も平成18年度の税制改正において、 「地震保険料控除制度」を新たに創設する等、様々な地震対策を進めており、地震保険の普及は国家的課題 となっている。 特に、平成23年3月11日に発生した東日本大震災以降、未曽有の被害を目の当りにした国民の間に危機意 識が高まり、地震保険の付帯率が増加している。こうした情勢も踏まえ、引き続き、地震保険の啓発・普及 キャンペーンを展開し、万が一の震災、津波、噴火の際の生活再建の備えとなる地震保険の普及を図っていく。 日本代協においては、平成17年度から新潟県中越地震が発生した10月(23日)を「地震保険の月」と定め、 全国各地で一斉キャンペーンを実施し、地震保険の啓発・普及促進活動を展開している。(情宣チラシ、 ティッシュ 55, 000セットを全国の街頭で配布) 平成26年度は、通年の取り組み以外に、国連防災世界会議の仙台開催(3月)にあわせ、宮城・新潟・兵 庫の3県で地震保険啓発のための特別キャンペーンを実施した。 平成27年度は、損保協会が指定した地震保険重点広報地域11か所で開催された「防災・地震フォーラム」 に参画し、各代協会長等がパネリストとして登壇し、地域住民に対して地震保険の仕組み・必要性を講演した。 何よりも重要なのは、代協会員自身が日々のお客様対応を通して地震保険の必要性を情宣し、地震保険の (地震保険の普及は、代理店の意識・行動に懸かっている) 付帯率アップ(※)に率先して取り組むことである。 (※平成26年度末の火災保険付帯率は全国計で59. 3%[前年比+1. 2P]、世帯加入率は28. 8%[前年比+0. 9P]) ■交通安全への取り組み ⑴ 無保険車追放キャンペーン 毎年9月に実施される自賠責広報協議会主催の自賠責制度PRキャンペーンに合せ、平成13年度~平成 18年度の間は郵政省と共同で、平成19年度は本会単独で、平成20年度以降は国土交通省と共同で「無保険 車追放キャンペーン」を実施しており、平成28年度も街頭でのPR活動を実施する。 ― 150 ― ⑵ 自動車等の盗難対策 損保協会では、毎年10月7日を「盗難防止の日」と定め、消費者に対する啓発活動を行っており、本会 も毎年協力を行っている。特に、平成23年度に、日本代協が「自動車盗難等の防止に関する官民合同PT」 (警察庁主管)の正式メンバーとして承認されたことから、従来以上に主体的に参画する必要がある。 平成27年度以降は、損保協会が『特に取り組み強化が必要な地域』として指定する都道府県(平成28年 7月頃最終確定予定)において積極的に協力することとしている。 ⑶ 飲酒運転撲滅運動 各代協において「生命のメッセージ展」が開催(主催または共催)されているが、平成28年度も地域の ニーズに応じて本媒体の活用を図る。 上記に関連し、平成23年度から車社会の入口に立つ高校生を対象に、「いのちのミュージアム」事務局 と連携して、 「ゼロからの風」DVDの全国高校への無償配布事業を行ってきたが、DVDの生産終了に伴い、 平成27年度末で終了した。 ⑷ 高齢者の自動車事故、自転車事故軽減への取り組み 地域密着の代理店として、近時社会問題化している高齢者の自動車事故や自転車による傷害・死亡事故 等の発生を防ぐために、地域の「老人会」等の高齢者サークルやPTA、子供会等の会合の場における継 続的な注意喚起や事故防止研修等を実施し、安心・安全な社会の実現に貢献することが求められる。 こうした取り組みは、事故そのものを削減して消費者を守ると同時に、高ロス対策にもつながり、保険 料の引き上げを抑制することにもなる。具体的な取り組みはこれからという段階であるが、損保協会とも 連携しながら進めていく方針としている。 ⑸ 高校生への出前授業の展開 富山代協が自主的に始めた高校生への自動車リスク教育が徐々に他代協に浸透してきている。代協活動 らしい地道な取り組みであり、賛同者が全国に広がっていくことが期待される。(後記参照) ⑹ 各種イベントへの参加・協力等 その他、全国各地で交通安全協会が行う各種イベントへの協力等、地域に密着したボランティア活動が 行われており、引き続き各地域の実情に合せて展開を図る。 ■防災・減災、防犯への取組み ⑴ 「ハザードマップ」の普及に向けた取り組み 日本代協では、平成22年から、損保協会が各地方自治体からの委託を受けて進めた「分かりやすい『ハ ザードマップ』作り」に協力し、各代協の協力を得てハザードマップの副読本の作成に貢献した。 日々の営業活動の中で、お客様にハザードマップを見ていただき、居住地域の自然災害リスクについて 認識を深め、いざという時の避難経路を確認してもらう時間的余裕はないと考えがちである。しかしなが ら、 「代理店の仕事はリスクに関する情報提供業」と位置付ければ、こうした地域防災に係わる情報を提 供することが仕事そのものでもあるわけであり、各代協会員が「ハザードマップの伝道師」となって、地 域への普及に貢献することが期待される。 ⑵ 「ぼうさい探検隊」…防災マップ作成を通じた子供たちへの防災・減災教育の実施 「ぼうさい探検隊」とは、損保協会が実施する「子どもたちが楽しみながらまちにある防災・防犯・交通 安全に関する施設や設備などを見て回り、マップにまとめて確認する実践的な安全教育プログラム」である。 日本代協では、平成24年度からCSR委員会を中心に「ぼうさい探検隊」の取り組み強化を掲げて積極的 ― 151 ― に推進を行い、平成25年度は代協関連で89作品、平成26年度は165作品、平成27年度は312作品で総応募数 の約1割を代協会員の紹介で占める規模にまで広がっている。 東日本大震災の際、本活動を通じてマップ作成の体験をしていた小学生が、その経験を活かして難を逃 れるとともに、下級生の避難誘導を行うことができたとの報告もあり、本取り組みは地道ながらも有益な 活動であることは明確である。日本代協としては、引き続き損保協会と連携しつつ強力に推進する。 国を挙げて児童への防災・減災教育が求められる中、ハザードマップ同様、地域に根差したリスクマ ネージャーとして地域の子供たちの防災・減災に取り組むことは、正に本業を活かした地域社会への貢献 そのものである。夏休みの自由研究や子供会のイベント等として、広く呼び掛けるとともに、代協会員が 作成指導にあたることで、地域における「リスクの専門家」としての存在感を示すことが望まれる。 なお、平成26年度の表彰式は、国連防災世界会議の開催に合せて、平成27年3月15日に仙台で実施され た。また、同年から後援団体として日本代協賞(「キッズリスクアドバイザー賞」)を提供することとなり、 平成26年度は、「ガールスカウト千葉県第3団ジュニア部門『西船KIDS』」に、平成27年度は、「石川県か ほく市子ども会宇ノ気支部『狩鹿野子ども会』」に贈呈を行った。 ⑶ 「こども110番の家」の参画にむけた推進 国を挙げて子供に対する防犯、防災教育に取り組んでいるものの、犯罪や事件に巻き込まれるケースが 後を絶たない現状を踏まえ、平成28年度から「こども110番の家(地域によって名称は異なる)」の設置あ るいは連携を全ての代協で推進していく。 子供に安全な場所であることを示すオリジナルプレート等を代理店事務所の見える場所に掲示し、助け を求める子供を保護し、行政機関等に連絡することを推進する。具体的な展開方法・対外情宣については、 CSR委員会で検討する。 ■グリーン基金の活用 ⑴ 基本方針 本会では、平成12年度に地球環境保護に取り組んでいる団体を支援するための「グリーン基金」を設け、 寄付を行っている。その後、地域社会に対する貢献活動も寄付先に加え、小規模ながらも身の丈の寄付を 続けてきている。(毎年会費の2%相当・約200万円を目途) 寄付先の選定に当たっては、平成21年度からは公募を行うとともに、選考委員会を組成し、寄付の妥当 性を審査する態勢を整えた。 (平成27年度の選考委員には、日本損害保険協会の鈴木常務理事と損害保険 事業総合研究所の遠藤理事長が就任) ⑵ 平成27年度の寄付先一覧 全国から、自然環境保護や盲導犬育成などの活動を行っている33団体の応募があり、選考の結果、資格 要件を満たした後記の30団体に対して寄付を行った。寄付先は以下のとおりである。 なお、応募数が増加していることを踏まえ、平成28年度については、応募要件を見直す予定としている。 ― 152 ― <平成27年度日本代協グリーン基金寄付先団体と対応者>…寄付金合計:190万円 1.昨年寄付先団体かつ寄付の広報、担当代協との活動 有 6団体 各10万円 団体名 1.特定非営利活動法人 もりねっと北海道 2.特定非営利活動法人 庄内海岸のクロマツ林をたたえる会 3.盤州干潟をまもる会 4.特定非営利活動法人 未来の荒川をつくる会 5.特定非営利活動法人 世界の砂漠を緑で包む会 6.特定非営利活動法人 共生の森 2.昨年寄付先団体かつ震災被災地・被災者支援活動 2団体 各10万円 団体名 7.公益財団法人 日本補助犬協会 8.特定非営利活動法人 日本動物介護センター 3.昨年寄付先団体で、寄付の公表または担当代協との活動 無 8団体 各5万円 団体名 9.特定非営利活動法人 霧多布湿原ナショナルトラスト 10.特定非営利活動法人 山の自然学クラブ 11.特定非営利活動法人 町屋百人衆 12.特定非営利活動法人 エコ葛城市民ネットワーク 13.コウノトリ湿地ネット 14.八代のツルを愛する会 15.特定非営利活動法人 日本救助犬協会 16.チャイルドラインおおいた 4.2年以上前に応募または新規応募団体 14団体 各5万円 団体名 17.奥入瀬川クリーン対策協議会 18.特定非営利活動法人 白神ネイチャー協会 19.足羽川堰堤土地改良区連合 20.公益財団法人 天神崎の自然を大切にする会 21.特定非営利活動法人 鷲羽山の景観を考える会 22.仁淀川流域山林保全育成の会 23.私たちの未来環境プロジェクト 24.どんぐりのぼうしの会 25.特定非営利活動法人 筑後川流域連携倶楽部 26.特定非営利活動法人 ビーンズふくしま 27.一般社団法人 もふもふ堂 28.特定非営利活動法人 石川県救助犬協会連合会 29.特定非営利活動法人 だっぴ 30.大分県点訳・音訳の会 ― 153 ― ⑶ 対応代協との関係強化 グリーン基金については「寄付して終わり」ではなく、日頃から代協サイドで寄付先団体との関係構築 に努め、当該団体の活動に参加する等の連携が重要である。 また、地元の小さな団体に対しては、大きく育てるためのシードマネーとして各代協から直接寄付を行 い、関係強化・連携を図ることも重要である。 ■公開講座 消費者保護への貢献を目指す日本代協にとって、消費者に直接情報を提供し、リスク啓発を図る観点から、 大規模災害や自動車事故防止、救急・救命等、消費者に関心の高いテーマを選んだ公開講座の開催は重要な 取り組みであり、各代協において継続して実施する。 (平成27年度は、3支部・10代協・5ブロックで計18回開催・参加者数2, 199名) ■消費者団体等との対話活動の推進 ⑴ 基本方針 消費者の声に耳を傾け、それを会員で共有して資質向上に役立てるとともに、行政・損保協会等に伝え、 より良い保険制度の構築や分かりやすい保険商品の提供を実現し、消費者の利益に貢献することは本会の 使命であり、引き続き積極的に推進する。 ⑵ 懇談会の開催 全ブロックで定期的に懇談会を開催し、消費者団体との信頼関係構築に努める。本部においても定期的 な訪問等を通して、消費者団体、消費者行政との関係強化、人脈形成に注力する。 開催に当たっては、日本代協が賛助会員となっている「公益社団法人日本消費生活相談員協会(全相協)」 と連携を図り、同協会の各支部との懇談会開催を検討する。 (平成27年度は、14代協で計19回開催・消費者団体サイドの参加者131名・代協サイド131名) 実施にあたっては、「消費者団体等との懇談会推進ガイド」(日本代協書庫)を活用し、相互理解を深め、 日常業務に活かしていくことが重要である。 <進め方の一例> ◇代協から:身近な保険商品の解説、お客様からよく聞かれる項目の説明、ロープレなど ◇消費者団体から:消費者苦情の最近の動向や理解しにくい内容の洗い出しなど ■学校教育への取り組み ⑴ 基本方針 保険制度に対する理解を深め、その必要性や役割を認識してもらうことにより、将来の賢い消費者を生 みだしていくために、学校教育への取り組みは重要である。 損保協会も学校教育を事業の重要な柱と位置付けて積極的な取り組みを行っており、連携すべきところ は連携し、お互いの役割を分担しながら、具体的かつ地道な取り組みを進めていく必要がある。 ⑵ 大学における保険教育 各大学で損保協会が開講している「損害保険講座」の中の「保険募集」のパートを本会が引き受け、日 本代協役員や各代協から選任されたメンバーが学生向けに講義を行っている。平成27年度も九州大学、埼 玉大学、高知大学、福島大学、琉球大学等で講義を行った。 ― 154 ― 代理店という職業の認知度向上や講師の資質向上につながる取り組みとなるので、本会としても積極的 に支援を行う方針である。 ⑶ 高校生向け自動車リスク教育 富山代協が行っている高校生向けの教育(これから社会に出る高校3年生を対象に、自動車を運転する リスクと責任を問いかけ、自覚と責任を持ってもらう内容)は、代協独自の取り組みとして全国の模範と なる事例である。既に、他県での取り組みにつながり、代協活動としての広がりを見せつつあるが、こう した取り組みは極めて重要であり、出来るところから実践していくことが望まれる。 《補足:CSR(Corporate Social Responsibility)とは?》 参考 CSRとは「企業・組織の社会的責任」を指す言葉であり、一般的には「企業活動のプロセスに社会的 公正性や環境への配慮などを組み込み、ステークホルダー(株主、従業員、顧客、環境、コミュニティ など)に対して説明責任を果たしていくこと。その結果、経済的・社会的・環境的成果の向上を目指 すこと。 」と定義されている。 従って、CSRは、コンプライアンスは勿論のこと、人権に配慮した適正な雇用・労働条件の確保、消 費者への適切な対応、環境問題への配慮、地域社会への貢献など、企業が市民として果たすべき責任 をいう幅の広い概念であるが、日本代協では、この内、環境問題や地域社会への貢献活動に絞り込ん で取り組むこととし、「地球環境・社会貢献委員会」を「CSR委員会」と改称して推進を図っている。 ― 155 ―