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教育方法・教育技術

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教育方法・教育技術
教育方法・教育技術
Keisuke Watanabe
2009
目次
Ⅰ-1.板書とノート
A.先生のやる困った板書
B.技法
C.技法1
c1.字の大きさ・濃さ(水平度)
c2.字体
c3.死角
c4.Cの共通対策
D.技法2
d1.板書の目的
d2.ノートさせるか、させないか
d3.ノートさせるタイミング
d4.補
E.技法3
e1.消すタイミング
e2.消し残さない
e3.消す順序
F.技法4
f1.記号アンダーラインなどの使用例
f2.色の使用例
f3.使い方の注意
G.技法5
Ⅰ-2.コンピューターと学校教育
A.学校におけるコンピューターの利用分類
B.コンピューターリテラシー + 法倫理教育学校
b1.ハードウェアについて教える
b2.ソフトウェアについて教える
b3.法律・倫理に反する行為
C.Computer Assisted Instruction
c1.CAIの目的
c2.CAIの分類
D.Computer Managed Instruction
d1.授業管理
d2.学級経営、H.R経営
d3.学校経営
d4.データセキュリティー
-1KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
Ⅰ-1.板書とノート
A.先生のやる困った板書
・復習しても意味が分からない
・すぐ消す
・黒板の下のほうまで字を書く
・字が小さい
・板書内容が教科書そのもの
・命題になっていない(一部だけであったり完結していない)
・説明と板書内容が同一
・見えにくい色を使う(黒板ならみどり色)
・書き位置が飛ぶ
東京理科大学の教職
・字が薄い
・その場の思いつきで板書する
・間違いが多い
課程を受講している
学生の意見。(※学生
がこのように感じた
・筆順が正しくない
だけであって、この意
・板書しながら説明する
・授業終了時間を守らない
・単色の板書
見が正しいというこ
とではない。
)
・改行位置が分からない
・後から書き込むスペースがない
・図がない(数学)
・色に一貫性がない
・色を使って間違える(修正ペンを使用しなければならない)
・板書内容が不統一(前回の終了時と黒板内容が違う)
・略字・崩し字を使う
・字が汚い・読めない
・毎年変化がない
B.技法(原則)黒板に授業をしない=板書しながら説明しない
∵
生徒(中高生)は2次元情報処理能力(複数の事をこなす能力)が低い
生徒の表情が分からない(理解度・集中度)
例外→生徒にとって容易に理解できる場合(復習など)
-2KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
C.技法1;(物理的に)見やすい板書
c1.字の大きさ・濃さ(水平度)
・生徒全員が見える大きさ,濃さで(水平に)書く
・板書の最初に全員が見えるか確認する
・添え字(cm2,O2 等)を使うときは、書き始めを大きく書く・添え字そのものを大きめに書く
・単元名,強調点は1.5∼2行分位の大きさで書くのも良い
c2.字体
・楷書体で見やすく書く。略字・崩し字は使わない。
悪例:関数→
・筆順を正しく。
,年令→年齢
参考
http://kakijun.main.jp/
・「6と b」,
「3と了」などは判別しにくい(※中学生は筆記体は習っていない)
c3.死角
・下端・右端は見えにくい
・書いてみて、生徒に見えるか確認する。
対策
・カーテンを閉める
・生徒が言い出しやすい雰囲気を作る
・教師の体が死角を作る。
・教師の体で見えない(特に黒板の中央に板書するときに注意)
c4.Cの共通対策
・原則その場の思いつき、アドリブで板書しない
=事前に板書内容を考え板書ノートを作る
→板書内容の精選
注意1「良いノート」は生徒ごとに異なっていて良い
注意2板書ノートを作ると授業内容が制限されかねない(生徒の意見を柔軟に反映する必要が
ある。)
D.技法2;ノートの取らせ方
d1.板書の目的
①ノートに(記録して)残しておくため
②説明のため・教科書と同内容でも可(原則生徒には板書させない)
③復習のため
d2.ノートさせるか、させないか
・ノートするべき部分と見るだけで良い部分をはっきり指示する
-3KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
d3.ノートさせるタイミング
①板書中ノート → ノートさせながら説明 → ノートさせる ⇒大学
②板書中ノート → ノートを中断させ説明 → ノートさせる
原則、中高ではこのどちら
③板書中ノート → 全部ノートさせる → 説明
かを使う
※②と③の違いは?
②:(メリット)説明した事を板書するので早い
(デメリット)ノートが気になる人は耳に入ってこない
③:(メリット)疑問が出やすい
(デメリット)遅い
d4.補
・模造紙・モデル(磁石など)を有効に使う
E.技法3;消し方
e1.消すタイミング
・生徒全員が写し終えてから消す
・手(ペン)の動きを見る
・生徒に写し終えたか聞く
・一瞬消そうとしてみる → 言い出しやすい雰囲気を作る
・顔の上がりを見る
e2.消し残さない
・完全に消す
・特に手で消さない(遠くからだと見にくい) → 黒板には手を触れない
e3.消す順序
・順番に一様に消す
・部分的に消す
強調、まとめを消す
確認発問をする
-4KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
F.技法4;記号・アンダーライン色
・使いすぎると意味がない。使わなさ過ぎると単調になる。
f1.記号アンダーラインなどの使用例
☆、○、■、△、
定義・定理・法則・強調など
と
f2.色の使用例
■2色の場合
■3(4)色の場合
黒板−ノート
黒板−ノート
白 − 黒
白 − 黒
黄 − 赤
黄 − 赤
4色ボールペンで済む
青 − 青
(緑)−(緑)
・学年(実習)のはじめに4色ボールペンを持って来る習慣をつけさせる
・色覚障害の生徒に留意する。(みんなの前で色覚障害であることは言わない!)
f3.使い方の注意
・統一性・一貫性を持たせる(個人→教科)
・教育実習時には決まった使い方があるか、必ず確認する
G.技法5;後から書き込む
問 なぜ生徒は図・表・グラフ・式など後からの書き込みが書ききれなくなるのか?
答え
黒板に罫線もページ区切りもない
ページ幅、空け行数を明示する
-5KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
Ⅰ-2.コンピューターと学校教育
A.学校におけるコンピューターの利用分類
・コンピューターそのものについて考える… Computer Literacy + 法倫理教育
・コンピューターを使って教える… Computer Assisted Instruction
・コンピューターを使ってデータ管理する… Computer Managed Instruction
Computer Literacy
+ 法倫理教育
中学・高校
CAI
CMI
Information Technology
B.コンピューターリテラシー + 法倫理教育学校
問 何について何をどう教えたら生徒たちはコンピューターを正しく使えるようになるか?
答え
b1.ハードウェアについて教える
物理的実体としてのコンピューター(例:マウス、キーボード、など)
b2.ソフトウェアについて教える
コンピューターが理解できる命令群(例:OS、Word、Excel、など)
★ENIAC(1946)世界初のコンピューターと言われる…大砲の弾道計算用
ハードとソフトが一体であった(計算するごとに配線をつなぎ変えた)
幅:24m、高さ:2.5m、奥行:0.9m、重さ:30t、真空管:17468 本
-6KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
b3.法律・倫理に反する行為
1)著作権・肖像権の侵害・・・法律
2)プライバシーの侵害・・・法律
3)誹謗中傷・・・(法律)+ 倫理
4)クラッキング・・・法律(不正アクセス禁止法)←悪意:ハッキング<クラッキング
5)ウイルス散布・・・倫理 + 法律(偽計業務妨害)
6)犯罪・自殺情報の書き込み・・・倫理
7)デマ情報の発信・・・倫理 + 法律(偽計業務妨害)
C.Computer Assisted Instruction
c1.CAIの目的
問 授業でコンピューターを使うとしたらどのような目的で使うか?
答え
・教材の高度化
・調べ学習、情報交換 → Wiki だらけ
・学習の個別化 = 生徒各人が
自分のペースで
学習する
自分にあったレベルで
問 ではコンピューターによる学習の個別化が究極まで進めば、授業(=教科教育)で教師は不
問 要になるか。
答え
多分No.
CAIでは集団による問題解決能力や教授学習における人間関係能力を発達させることが出来
ない。なぜなら、それらは教師と生徒、生徒同士の対面コミュニケーションによって発達するか
らである。よってどんんあにCAIが発達しても教師の指導による一斉授業は必要である。
逆に、 コミュニケーション能力のない
教師はコンピューターに置き換えられる。
マニュアルどおりの
c2.CAIの分類
問 授業でコンピューターを使うとしたらどんな使い方をするか?
答え
1)計算(本来の機能)を使う
例:e=limn→∞(1+1/n)n
、区分求積法
2)コースウェア(=学習用プログラム)を使う。
例:高校(2次関数)1年間 50 人用¥275625
3)教材の高度化
例:波動、単振動(ばね)、グラフの移動、3D図形(面心立方格子構造)、立体ベクトル
-7KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
4)シュミレーションプログラムを使う
例:2物質の反応、遺伝
参考 http://homepage3.nifty.com/qazu/ (物理シミュレーションの部屋)
5)生徒の発表・レポート作成に使う
あまりオススメできない。→ 実験精度が低く、出来ただけで満足してしまう。
6)ICAI(Intelligent CAI)
AI(人工知能)とDB(データベース)を使った対話型CAI
・学習者モデル
・教材
・教授法モデル
D.Computer Managed Instruction
・授業管理
・学級経営・ホームルーム経営
・学校経営
d1.授業管理
・成績処理
ソフト会社はほぼ全滅 → Excel で教師自身が作れる
・スケジュール管理(定期テストのための調整など) (Ex.outlook)
・履修登録、出欠管理
例:新宿山吹高校(単位制高校)
、幕張総合高校(コース制高校)
問 これから普通の中学・高校でもこのシステムは広まっていくか。
答え 部分的に Yes.
・選択科目、能力別クラス制の増加
・名前を呼んで出欠を取ることの重要性
d2.学級経営、H.R経営
・生徒の個人情報管理
「指導要録(注:学籍 20 年、指導 5 年)がコンピューター化されることは将来もないだろう」
が、その一歩手前(氏名、住所、電話番号、成績など)まではコンピューター化している学校
が大半である。
(→ データセキュリティー)
・文書管理
例:【お知らせ】など
問 手書きで作る文書は何か?
答え HR(学級)通信、推薦状など
-8KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
d3.学校経営
・入試データ処理
・会計処理
・校務文書(行事予定表、議事録など)作成
・学校ホームページの運営
・メールによる連絡
d4.データセキュリティー(=データを守ること、必要な時にすぐ見られること)
プリントアウトの処理まで含むのでコンピューターセキュリティーより広い
・データセキュリティーの分類
1)個人情報の保護
2)システムの正常運用・復旧
3)保護(=流出防止、改ざん防止、破壊防止)
1)個人情報の保護
・ハード上の対策
データに接する(=アクセスする)人間を制限する
例: ・CMI用のコンピューターは専用機を使い、鍵のかかる所に置く
・なるべくネットワーク(LANを含む)につながない(スタンドアロウン化)
→ やむを得ずつなぐ場合(特に高校)は使用(処理)後、MO, CD-ROM などにデータ
を落としネットワーク上にデータを残さない
・記録メディア(MO, CD-ROM, フラッシュメモリ)の管理を厳重にする
・ソフト上の対策
例: ・Winny, Share などのファイル共有ソフトは使わない
・ウイルス、スパイウエア対策
(1)ワクチンソフトを定期的に走らせる
知らないメールは開けない(添付ファイル)
(2)データのやり取りは慎重に行う 例
信頼性のないソフトはダウンロードしない
・認証要求
有害サイトをブロックする
①階層化アカウント設定…ID + Password
②生体認証(+ハード)…指紋・静脈パターンなど
・ファイアウォールの設定、構築
・暗号化(Ciphering)
-9KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
・その他
・個人情報は校外に持ち出さない
・プリントアウトの廃棄
例:個人上の入っているプリントアウトは必ず教員自身が処分する
→ 試し刷りやメモ用紙には使わない
例:シュレッダーにかけるか、処理専門会社に委託する
→理科大の定期テストは7年経つと溶解処分
2)システムの正常運用・復旧(=データクラッシュ対策)
・マニュアルを守る
・Denial of Service、攻撃、荒し、クラッキングに対抗する
Intrusion Detective System (システム侵入検知システム)を使う
・まめにバックアップ(=復旧用コピー)をとる
・正常に動いていたら余計なアップデートはしない(OS のセキュリティー対策はまめに行う)
・クラッシュ対策ソフトを使う
例:Norton, Ghost など
補)コンピューターを処分する時
・完全上書きソフト(例:ターミネータ)を使ってデータを消去するか、HDD を物理的に破壊
する。
- 10 KEISUKE Watanabe
http://www3.atpages.jp/demmy/top.htm
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