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「本冊」/「朱書編」/「CD-ROM」収録内容紹介(PDF:1.6MB)
旨 そこで、この人は何を言おうとしているのかということ︵意見︶と、 ど う い う 論 拠 で そ の こ と を 主 張 し て い る の か と い う こ と︵ 理 由 ︶ を しっかりと意識して、その人の言うことを理解することが必要になっ てくるのだ。この単元では、この読解方法を生徒の身につけさせたい。 さて、その論理を読み解き、考え方を身につけようとするする際、 一般的によくいわれている通りの話だと、どうしても先入観で読めて しまう。したがって、自分で一つずつ考えながら読むことができない。 しかし、その点、内田の論は、世間的な常識をうまく裏切ってくれて 授 業の流 れ を簡 潔 に表組みで掲載。 指導上の留意点・観点別評価の規準と方法 朱書編、音声 CD2 枚、豊富なワープロデータを収載した CD︱ROM1 枚を同梱。 樹 内田 いる。一から自分で考えていかなければ読み解けない。 いつでもどこでも学べるという教育サービス﹁ユビキタス﹂の教育 は、情報化社会といわれる現代において理想として目指されるべき教 育であるように思われる。実際に、それを目指して教育システムの改 革を行っている大学も少なくない。しかし、そこに隠されている大き な問題を内田は指摘する。それは﹁教育とは何か﹂という本質につい て考えることにもつながってくるのである。 学習指導目標 ①情報化社会という文脈でよく使われる用語について理解させる。 ②学生が学びたいと考えるものを学びやすくしているシステムを筆者 が否定するのはなぜかについて整理させる。 仕方の特徴を捉えさせる。 学習の目標 授業展開例 2 □ 全文を通読し、 構成と概要を把握 み方を理解する。 に分けられることを理解する。 教育のユビキタス化の功罪、反対する根拠︵教 育の本質︶ 、全体のまとめという形で三つの段落 2 ︵﹁構成﹂参照︶ 構成を確認する。 確認する。 的文章を読解するという練習になっていることを 言・ノート︶ ◇関 意欲的に評論文の読解に取り組んでいる。︵発 段落に区切って範読してもよい。 というのが望ましい。時間がなければ、最初に三 に音読させ、最後に視点を示して段落分けさせる 2 余裕があれば、情報化社会の文脈でよく出てく る言葉を解説しながら、句点ごとに区切って生徒 と論︵客観的主張︶との違いを認識させたい。 1 論理的文章の読 導 入 1 本単元が、意見と根拠を確認することで、論理 1 具 体 的 な 例 を 挙 げ な が ら、 感 想︵ 主 観 的 主 張 ︶ □ 学 習 活 動 ③筆者の文がどう論理的に展開しているか確認し、筆者の意見主張の 時 1 する。 立つことは教育の本質に悖る行為だ。︵百九十七字︶ ﹁e ラーニング﹂のe は﹁ electronic いたが、現在はインターネットを通じて、 ﹂の略で ユタ ビ室 キを タ借 スの広が様 り々 はな 無双 知方 の向 広的 が情 り報交換を実施している。 一そ 七れ ・こ 6そ ︵、 教高 育校 をの ︶コ ∼ン 終ピ わュー ある。 3ア ク セ ス ﹂。本来は﹁近づくこと、 ﹁ access あるいは、その方法﹂を表す。転じて、﹁交 通手段﹂や﹁コンピュータなどで情報のや 4空 間 的 隔 絶 ﹁ 隔 絶 ﹂ は﹁ ひ ど く 離 れ て い ること﹂。多くの大学が集まる都市部から ︶年から 始めたメディア授業を配信している。二〇 離れた場所に暮らしていること。そういう 置されており、二〇〇七︵平成 しと たよ がい っ。 て、教ま 育た を、 受明 け治 よ大 う学 とに すは る二 人〇 間一 は二 ユ︵ ビ平 キ成 タス︶ 的年 視点に立り つと べり きを です はる なこ いと 。﹂ カな タど ロを グ指 のす 中よ にうになっ りンターネットで検索させてみる 第三段り 落、イ が学 ないかの現 よ在 う、 な い務 く室 こ﹂ とが に設 なるからた だ。 。ここでは、後者の意味で使われている。 ﹁無 ユ知 ビが キ世 タ界 スに 教広 育が 推っ 進て事 ︵☟﹁読むことのレッスン﹂、﹁解釈とし 解か 説知 ﹂、﹁ 習の手引き 課題1﹂参照︶ ︶年にソフトバンクによって を受講することができ、一切、登校不要。 設立されたサイバー大学は携帯端末で授業 校などに関しても地方などで講師の派遣が 通信教育なら受講することができる。予備 遠隔地からでもインターネットを利用した 〇七︵平成 ︶年に大前研一が設立し 六五 五・4︶とは、 問 ︻● ? ︼ ﹁空間的隔絶﹂︵一 二〇一〇︵平成 口絵・付録 教材品・ 教授資料 困難な地域には﹁サテライト授業﹂などと 漢文編 称してビデオで講座を流したりしている。 古文編 コンセプトで運営されている。その他、立 学校から遠いところにあるということ。 答 たビジネス・ブレークスルー大学も同様の どのようなことか。 24 教育を受けることができるのが﹁ユビキタ 19 六五・3︶ に あ っ て も ︵一 ︿ 解 説 ﹀﹁ 遠 隔 地 ﹂ 19 ス﹂であると言っていることから考えさせ 22 教授資料 ﹁本冊﹂ 一 三 評論 彼らがそれを学ばなければ ならない理由 教材のねらい 本教材は﹁国語総合﹂における現代文の最初の教材となる。中学校 で学んできた読解の基礎を確認しながら、高校生として、さらに一歩 進んだ読解力を付けていくのに格好の教材である。 内田樹は、難しいことを易しく言う。彼の論理は明快だ。だから、 易しい言葉を使いながら、たいへん高度な内容のことを語れるのだ。 一般的に疑ったこともない常識とされていることが、いつのまにか彼 の論理でひっくり返されているという経験を読者はする。 内田は、ラカンの言葉が難しいのは﹁わかりやすく書くとありがた みがなくなるから﹂ ︵ ﹃先生はえらい﹄二〇〇五︶だと述べている。そ れはある種の﹁誤解の幅﹂が﹁訂正への道﹂を開いておいてくれるか らだと言う。しかし、ずるい大人は、ともすると易しいことを難しく 言うことで人々を惑わし、意図的に自分への非難をかわそうとする。 論理があいまいで不十分なところを、難しい言葉で権威付けて、無理 要 収載。要旨は、二百 要 旨・ 大 意 は、 ワー プロデータ を しいことだいわれるが、それは問題だ。なぜなら、それを学ぶこと ■教育のカタログ化は学ぶ者の目的に沿った学習を可能にするすばら ■ユビキタス化すると時間と空間の制約を気にせず教育を受けること の有用性や価値について語る言葉をまだ持っていないことが学ぶこ ができる。ただしそのためには教育のカタログ化が必要になってく した﹁コンピュータ・ネットワーク﹂の略 使われている。 で使うことが多い。ここでも、その意味で ︶年に設立された放送大学は、当初、 に大 悖学 る﹂ 行の いであるえ こば と、 を現 忘在 れ、 て様 は々 なな ら大 な学 いで 。そのような環境 ﹁立教大学﹂のVキャンパス、﹁明治 教藤 育沢 のキ 本ャ 質とは 和 業・e一 ラ六 ー・ ニン︵ グ子 、 ﹁ど 慶も 応た 大ち 学は ﹂︶ 湘南 58 ユビキタス教育推進事務室によるメディア授 を作ろうとしている。例えば、一九八三︵昭 10 つまり、教育のラ 本ジ 質オ とや はテ 、レ そビ れな をど 学の ん一 だ方 後向 で性 、し 初か め持 てた そな れを学3 ぶネ こッ とト の意味がわかるという順序が ∼の 一イ 七ン ・タ 5ー ︵ネ 構ッ 造ト 化講 さ義 れ配 て信 落パス 第二段ン など。 インターネットのこと。 造にあい るメ 。ディアを媒介にして授業が展開されて ︶ャンパス﹂のVは﹁バ転 解説 い ﹁る V。 キ ー倒 チし ャた ル構 ﹂、 11 掲載。 下段に語釈・補足を 上段に発問とそ の 解 答 例・ 解 説 を、 三種。 字・百字・三十字の ︵三十字︶ ■教育のカタログ化は教育の本質に悖る無知を助長する行為である。 との理由だからだ。︵九十九字︶ ばらしいことだといわれる。しかし、そこには大きな問題がある。 段 意 のラテン語からきた英語。イ ンターネット 持っていないことが学ぶことの理由だからだ。ユビキタス的視点に 構 成 段 ページ・行 落 ような取り組みをしているか調べてみよう。 教・ 育ブ のレ ﹁ー ユビキタな スど ﹂を 化通 のじ 功て 罪、様々なサービスを、いつで も てネ ス 1ネットワーク 答 初 ﹁め サ∼ イ一 バ六 ー・ 大 学︵ ﹂、 ﹁ら ビっジ ﹂。直訳すれば﹁網 ﹁ network 一般にユビキタも スど なこ らで 時も 間利 や用 空す 間る のこ 制と 約が をで 受き ける ず環 に境 必を 要実 な学習が状 で組 き織 る﹂ とと 思い わう れこ がと ちだ だが 。、 した かい して 、いの場合、 はー 困大 る学 。︶ クスル ﹂などは完全通学不 要。﹁放送 第一段落 カド タ授 ロ業 グ、 化されて現 いし なよ いう 学と 習す はる でこ きと な。 い教 と育 い環 う境 問に 題関 がし あて る言 。そもそ情 も報 教通 育信 の網 カ、 タ特 ロに グイ 化ン はタ 教ー 育ネ のッ 本ト 質などを介 大学﹂、﹁早稲田大学﹂のオンデマン なども、その例であるといえよう。 なぜなら、それを学ぶことの有用性や価値について語る言葉をまだ る。教育のカタログ化は学ぶ者の目的に沿った学習を可能にするす 理由 (一) 1 矢理、反論を封じ込めようと強弁するのである。 現代文編 それを学ばなければならない理由 −14 一 評 論(一) 一 評 論(一) −20 52 53 ▼「現代文編」教授資料 学習目標 ●﹃徒然草﹄の文章について、そこに描かれた情景を表現に即して読 指導上の留意点・観点別評価の規準と方法 ③古文読解に必要な基本単語や文法を身につける。 ②作者の人間観察の深さや鋭さを読み取る。 ①中世の随筆文学にふれ、当時のものの考え方や価値観を学ぶ。 ︻学習の流れ︼ を把握する。 み味わう。 二 三 随筆 学習の目標 き 形動・語幹 のぼ をのこ ひと おき 失敗は油断したときに起こるという教えは、すべてに通じる。 こずゑ い き 四・未 使・用 過・体 格助・時間 お 副 ら せ し に、 ❷いと を 切 下二・用 接助・単純 を切らせた時に、❷ ないのに、❸下りる時に、家の軒く とても危険に見えた間は言うことも に登らせて、 ❶︵世間の人が︶名高い木登りと 言った男が、人を指図して、高い木 名人が、木に登らせた男に対して、飛び下りられるくらいの高さになってから注意した。 段 意 1 達人とされる人々の行動と発言に注目させ、それに 対する兼好の感想を読み取らせる。 ノート・演習・考査など︶ ◇関 随筆というジャンルの特質を理解したうえで、作 者のものの考え方を理解しようとしている。 ︵発言・ 2 句読点ごとに区切り、5W1Hをあてはめさせる。 2 読みに慣れたら、地の文・会話文で読み手を分けて 読ませる。 1 中学校の教科書に取り上げられている作品の内容を 1 ﹃徒然草﹄について知っていることを発表する。 思い出し、簡単に説明させる。 2 音読を繰り返し、注意すべき語句を指摘する。 1 主語を確認しながら読解する。 展開一 ●高名の木登り 導 入 授業展開例︵3時間︶ ●文章の構成や展開を確かめながら読み、作者のものの見方や考え方 学 習 活 動 徒然草 時 1 □ ﹃徒然草﹄に 関する基礎知 識を得る。 のどのような 2 □ 兼好が、取 り上げた人々 考えを優れた ものとして評 価したのかを とらえる。 構 成 ページ・行 ることに候ふ。 ﹂と言ふ。 ︶ 初め∼二一 四七 五・3 5︵仕まつ ・木登りの注意 3 □ 読解に必要 段 落 第一段落 き のぼ 四七 五・ ・4 6 二一 ︵あやしき下臈︶ ・すべてに通じる教え ∼終わり かうみやう 品詞分解と現代語訳 第二段落 たか 格助・場所 格助・対象 登り と いひ 男、人 を て て、 ❶高名 し の 木 掟 格助・体格 格助・引用 四・用 過・体 格助・対象 下二・用 接助・単純 み 高き 木 に 登せ て、 あや ク・体 ︵九十九字︶ 彼らがそれを学ばなければ ならない理由 ■教育のカタログ化は教育の本質に悖る無知を助長する行為である。 かく ぜつ かん じょう ひどく離れていること 教材品・ 教授資料 四 唐詩を味わう 学習の目標 授業展開例︵ 時間︶ 四 唐味 詩わう 唐 詩を 時 知識を理解す 展 する 学 習 活 動 ①範読を聴く。または音読する。 開 ●︿各詩共通﹀ ②詩型・押韻・対句の確認をする。 りゅうそうげん わう ゐ 学習目標 ●漢詩︵近体詩︶の基本的な形式を学ぶ。 ●漢詩の表現の特色を学び、漢詩に対する理解を深める。 ●それぞれの漢詩に詠まれている情景と心情を理解し味わう。 ●漢詩からうかがえるものの見方や考え方を読み取る。 ①漢詩のきまりについて確認する。 ︻学習の流れ︼ ②各詩について理解を深める。 ③繰り返し朗読し、詩を暗唱する。 指導上の留意点・観点別評価の規準と方法 1 中学校の時の既習の教材等、学習状況を聞く。 2 詩型・押韻・対句について理解させる。 3 五言詩は、切れ目が﹁○○+○○○﹂となり、七言 詩は﹁○○・○○+○○○﹂となることに注意させる。 テスト・考査︶ ◇知 ︵発言・小 漢詩のきまりについて理解している。 1 音読をできるだけ取り入れ、漢詩のリズムに慣れる ようにする。好きな漢詩の暗唱もよい。 2 主題は字数を決めて、作者の心情を中心にまとめさ せる。書いたものを発表させてもよい。 主 題 じょうひょう ●詩型⋮七言絶句。 ●韻字⋮塵・新・人︵上 平 声﹁真﹂韻︶ 詩型と韻字 はるか遠い西域に赴く友人を見送る際の、尽きることのない惜別の 情。 二二 八ページの﹁漢文コラム③ 教科書三〇 唐詩の きまり﹂を読み、絶句や律詩の詩型について理解 1 □ 漢詩のきまりについて確認する。 漢詩の基本 導 入 1 るとともに、 漢詩への興味 を喚起する。 ︿各詩共通﹀ を押さえる。 1 □ 詩型・押韻 い おうぶつ ③作者について、理解する。 ●詩風 王維は自然詩人と呼ばれている。自然を愛し、山水を詠じた 名作が多いためである。特に五言詩に優れていた。唐の自然詩人には、 もうこうねん ろくさい 王維はその筆頭の人物である。そしてその自然詩の多くは、彼の別荘 王維・孟浩然・韋応物・柳宗元︵いわゆる王孟韋柳︶の四人がいる。 ちく り かん である䋷川荘で作られている。﹃唐詩選﹄にもみえる五言絶句﹁鹿柴﹂ や五言絶句﹁竹里館﹂などには、俗塵を超越した澄み切った閑寂な世 つか 書き下し文と現代語訳 あんせい おく 界が描き出されている。彼は博学多芸の人でもあった。画家としても げん じ さら つ いつぱい さけ い たつる 樹 はか こ じん な ユビキタス 一九五〇︵昭和 ︶︱ 思想 家。武道家。東京都に生まれ ︵時空を自在に行き来︶ 時間的制約 空間的隔絶 ▢ 一 教育の﹁ユビキタス﹂化の功罪 ③ 三つの段落に分ける。 ② 語句の意味を調べる。 ① 漢字に振り仮名をつける。 くからの友人もいないだろうから。 ︵ここから︶西の方にある陽関を出てしまえば、もう︵こうして杯を交わすような︶古 さあ君よ、もう一杯飲み尽くしたまえ。 旅館のあたりの柳の色が︵雨に洗われて︶、あおあおとして鮮やかである。 二の安西に使ひするを送る 王維 元二が安西に使者として赴くのを見送る 元 ゐ じやう てう う けいぢん うるほ 渭城に降った朝の雨は、軽く舞い上がる土埃をしっとり湿らせ、 渭城の朝雨軽塵を浥し すす かくしやせいせいりうしよくあらた きみ 客舎青青柳 色 新たなり やうくわん 西のかた陽関を出づれば故人無からん にし 君に勧む更に尽くせ一杯の酒 品詞分 解 や 書 き下 し文と現代語訳を見 やすく上下段に対応 して提示。 うち だ * ﹁ ユ ビ キ タ ス ﹂ と 呼 ば れ る 教 育 理 念 が あ る。 パ ソ コ ン と ネ ッ ト ワ ー ク を 使 っ て 行う教育のことである。 内田 ぜなら、それを学ぶことの有用性や価値について語る言葉をまだ持っていないことが学ぶことの理由だからだ。 ■教育のカタログ化は学ぶ者の目的に沿った学習を可能にするすばらしいことだいわれるが、それは問題だ。な え 、 危ふく 見 し ほど は 言ふ こと も なく て ❸下るる ク・用 下二・用 過・体 係助・対比 四・体 係助・強調 ク・用 接助・逆接 上二・体 4 どのような遠隔地からもネットさえつながっていれば教育機会にアクセスする ? ことができる。空間的隔絶を勘定に入れなくてよいということは学ぶ側には計り * しれないメリットをもたらすだろう。 口絵・付録 で表示。 ざい デザインに配慮して、解説部分を青色 ﹁朱書編﹂では、カラーユニバーサル ること。 る環境を実現しようとす まなサービスを利用でき いつでもどこでもさまざ へん 1ユビキタス ubiquitous ﹁遍在する﹂という意の ラテン語からきた英語。 年刊︶によった。 ﹃昭和のエートス﹄︵二〇〇八 ﹃ 武 道 的 思 考 ﹄ な ど。 本 文 は に﹃下流志向﹄﹃日本辺境論﹄ ど幅広く活動している。著書 をはじめ、教育論、武道論な た。フランス現代思想の研究 25 教授資料 ﹁朱書編﹂ ▢ 一 1 また、ネット上に教材を置いておけば、学生が好きな時、好きな場所で自習し たり教員とやりとりすることができる。同一時間に同一場所で出会わなければ授 業が成り立たないという﹁時間の制約﹂からも解放される。 漢文編 ⇔ 77 唐詩を味わう ユビキタスなら時空を自在に行き来して、あらゆる教育情報に主体的にアクセス できる。いいことずくめのようであるが、サイバー・スペースをキャンパスとする 古文編 = ▼「漢文編」教授資料 2 1 現代文編 3 二 随 筆 48 (∼p 6 6ℓ6) 学校から遠いところにあるということ。 54 55 彼らがそれを学ばなければならない理由 65 5 10 1 ▼「古文編」教授資料 ▼「現代文編」教授資料「朱書編」 現代文編 しや ぐさ ウ イ エ をのこ 答 鎌倉時代末期︵鎌倉幕府滅亡は、一三三三年︶ 問 行め﹁言ふ﹂の主語は誰か。 答 高名の木登りといひし男 問 ﹃徒然草﹄が書かれた時代はいつか。 ︵神奈川県立金沢文庫蔵︶ 狩 野 探 幽 筆﹁ 兼 好 法 師 画 像 ﹂ ケン コウ けん かう ③﹁高名の木登りといひし男﹂の発言のどこに づれ 兼好は感心したのか考える。 * 主人 ? お▢ たところ、 するな。注意しながら下りろ。 ﹂と言葉をかけまし りる時に、家の軒くらいの高さになって、 ﹁けがを とても危険に見えた間は言うこともないのに、下 ︵世間の人が︶名高い木登りと言った男が、人を 指図して、高い木に登らせて、梢を切らせた時に、 兼好 ① 歴史的仮名遣いに注意しながら音読する。 つれ イ ② 主語を確認する。 ニ ? ニ 友との別れを∼。 古文編 クセ ヲ 一 けい イ 使 二 カラン 二 ノ ジ ぢんヲ 一 タナリ 一 ︹三体詩︺ 漢文編 ニ 一 オウ イ ゐ 王 維 元二の安西に使ひするを送る 渭城の朝雨軽塵を浥し 客舎青青柳 色 新たなり 君に勧む更に尽くせ一杯の酒 西のかた陽関を出づれば故人無からん 元二が安西に使者として赴くのを見送る 渭城に降った朝の雨は、軽く舞い上がる土埃をしっ 旅館のあたりの柳の色が︵雨に洗われて︶ 、青々と とり湿らせ、 して鮮やかである。 さあ君よ、どうかもう一杯飲み干したまえ。 ︵ここから︶西へ向かって陽関を出てしまえば、も う︵こうして杯を交わすような︶親しい友もいな いだろうから。 口絵・付録 教材品・ 教授資料 ❷ 第三句・第四句には、作者のどのような気持ちがこめられているか。 ❶ 安西・渭城・陽関の位置を、地図で確かめよう。 学習の手引き わう 鎌倉時代の随筆。作者は、 ■徒然草 兼好。序段以下、二百四十三段から 成 る。 本 文 は、 ﹃新編日本古典文学 全集﹄によった。 ?︱ ?︶ ●兼好 歌 人・随筆作者。俗名は、卜 部兼好。三十歳頃出家した。 ︵ 1高名の 名高い。有名な。 2掟てて 指し図して。 ﹁人﹂ 。 言 葉をかけま ?﹁下る﹂は、誰の動作か。 3軒丈 家 の軒くらいの高さ。 4過ち け が。 5言葉をかけ侍りしを したところ。 6かばかりに こ れ く ら い︵ の 高 さ ︶ に。 はい こう せんせい かんしゅく とんこう 古 くからの友人。 ヒント❷特に、第四句に着目する。 ヒント❶巻末の地図を利用する。 8故人 ク せい 7陽関 関 所の名。甘粛省敦煌市の南 西にあった。 があった。 枝を折って、旅人の無事を祈る習慣 5客舎 旅 館。 柳の葉の色 ?﹁青青﹂とは何の色か。 6柳色新 柳の葉が雨に洗われて、鮮 やかだ。中国では、送別の際、柳の 4浥軽塵 軽い土ぼこりをしっとりと 湿らす。 こで見送った。 の北岸の町。当時西域に行く人をこ 3渭城 唐 在の陝西省西 の都長安い︵す現 あん い い が 安 市 ︶ の 北 西 、 渭 水︵ 現 在 の 渭 河 ︶ ちょうあん る役所︵都護府︶が置かれた。 2安西 現 在の新疆ウイグル自治区庫 チャ 車県。唐代に西域の治安をつかさど しんきょう 1元二 ﹁ 元 ﹂は 姓、﹁ 二 ﹂は 排 行。 排 行 は、一族の同世代の男子の出生順位。 ④ 旅立つ友人に対する作者の思いを理解する。 かく ム レ ズ ? 問 柳の葉の色 手引き1 ③参照 手引き2 問 この詩は、いつ、どこで詠まれたものか。 答 送別の宴会をした翌朝、渭城にある旅館で詠まれた。 二 ノカタ いヅレバ 8 勧 君 更 尽 一 杯 酒 客 舎 青 青 柳 色 新 6 西 出 陽 関 無 故 人 7 答 友との別れを惜しむ気持ちと、友人の孤独な旅を思いやる気持ち 西 は安西の東南にある。 二 オ うるほシ 安 ③ 巻末の﹁漢文参考地図﹂で、安西・渭城・陽 元 二 ① 範読︵音声CDの朗読・詩吟・中国語音読など︶ 5 関の位置を確認する。⋮⋮手引き1 安西は北 西、渭城は左下﹁西安・洛陽付近図﹂内、陽関 ② 書き下し文をノートに書く。 三 ジョウ じやうノ 安西に赴く元二を見送って 送 イ 4 1 渭 城 朝 雨 浥 軽 塵 ゐ 3 5 2 を聞く。 5 4 徒然草 コウ ミョウ かう みやう ウ は言ふこともなくて、下るる時に、 のき たけ 軒丈ばかりになりて、 あやま *はべ ﹁過ちすな。心して下りよ。 ﹂ 主 高名の木登り ▢ 4 と言葉をかけ侍りしを、 住吉具慶筆「徒然草画帖」(東京国立博物館蔵) 高名の木登りといひし男 1 らせしに、いと危ふく見えしほど 高名の木登りといひし男、人を おき 高名の木登りが人を こずゑ 掟てて、高き木に登せて、 を切 2 3 56 57 直接体験の過去 ③参照 244 三 随筆 涼州詞・送元二使安西 323 ▼「古文編」教授資料「朱書編」 ▼「漢文編」教授資料「朱書編」 教授資料 教材の原文・評価問題はもちろん、学習課題ノート、主題・要旨、発問例、さらには漢字・敬語の確認テストなど、 発問例 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 原文 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 主題・要旨 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 学習課題ノート ︵PDF︶ 現代文編 書き下し文 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 白文 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 発問例 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 原文 ︵ワード・一太郎・漢文工房データ︶ 学習課題ノート ︵PDF︶ 漢文編 俳句・短歌用短冊 原稿用紙︵百字・二百字・四百字・六百字︶ 一筆箋 はがき 便箋 封筒 ワークシート︵ワード・一太郎︶ たくさんのワークシートをデータ化しました。 小テスト ︵ワード・一太郎・PDF︶ 現代語訳 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 履歴書 ﹁CD R - OM﹂ 収録内容紹介 ︵ワード・一太郎︶ 評価問題 標準・発展 小テスト ︵ワード・一太郎︶ 評価問題 備しました。 ・発 小テスト・標 準 問 題︵ 選 択 式 ︶ 展問題︵記述式を含む︶の三種類を準 敬語確認問題 手紙を書く︵基礎知識︶ 漢文参考地図 ︵PDF・JPG︶ 漢字実力テスト ︵ワード・一太郎・PDF︶ 教材品・ 教授資料 漢字頻出テスト ︵ワード・一太郎・PDF︶ 口絵・付録 データにしました。 教 授 資 料﹁ 本 冊 ﹂ の発問例をワープロ 発問例 ︵ワード・一太郎︶ 評価問題 標準・発展 古文編 学習課題ノート ︵PDF︶ 発問例 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 教科書付録データ ︵ワード・一太郎︶ 付録 品詞分解・現代語訳 ︵ワード・一太郎︶ 古典文学資料集 ︵ワード・一太郎︶ 原文 ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 小テスト ︵ワード・一太郎︶ 漢文編 古文元号対照表 ︵ワード・一太郎︶ 古文の基礎小テスト ︵PDF︶ 古文編 ︵ワード・一太郎︶ 評価問題 標準・発展 文法小テスト ︵ワード・一太郎・テキスト︶ 現代文編 58 59 現代文編 主題・要旨 教授資料﹁本冊﹂の主題・要旨︵要 旨 は、二百 字・百 字・三 十 字 の三 種 ︶ をワープロデータにしました。 白文・書き下し文・現代語訳 漢文編の白文・書き下し文︵歴史的 仮名遣いの総ルビ︶ ・現代語訳も、ワー 漢文編 口絵・付録 プロデータにしました。 古文編 教材品・ 教授資料 各種ワークシート 品詞分解と現代語訳 した。 古文編の品詞分解と現代語訳を、文 番号を付して、ワープロデータにしま 授業に役立つたくさんのワークシー トを準備しました。 漢字実力テスト 高 校 配 当 音 訓 を 中 心に漢 字テスト を作りました。 60 61 文法小テスト 漢字頻出テスト 口絵・付録 教材品・ 教授資料 原稿用紙のデータも準備しました。 手 紙 や 履 歴 書、 さ ま ざ ま な ワ ー ク シートを準備しました。便箋や一筆箋、 表現ワークシート 入 試問題に多 く 出題されるもので 漢字テストを作りました。 漢文編 古文の学習に役立つ、学習内容ごと の小テストです。教科書﹁解釈のため 古文編 に﹂に対応しています。 現代文編 敬語確認問題 実生活や面接などの際に役立つ、敬 語のテストを作りました。 62 63