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成長分野への事業シフトにより収益力向上を目指す
http://www.sehi.co.jp/ 9478 SE ホールディングス・アンド・インキュベーションズ 速水 浩二 (ハヤミ コウジ) SE ホールディングス・アンド・インキュベーションズ株式会社社長 成長分野への事業シフトにより収益力向上を目指す ◆2016 年 3 月期第 2 四半期決算(連結) 当社グループは、最適化された事業構成によって成長を目指す IT 関係の事業を中心とした企業集団で、技術 情報の出版、教育・人材、店舗、IT 業者の支援、それからスマートフォンコンテンツ、オンラインゲームの提供など を行っている。近年の動向であるが、売上高は安定しており、その中身を従来の事業基盤から、新しい成長産業 へ事業基盤をシフトしており、利益については、非常に順調に再成長を始めたと思っている。 第 2 四半期の概要であるが、当社の期初の目標として、利益成長、体質改善について、より一層積極的に取り 組んでいくことを大目標に掲げ、その具体的な施策として、グループ全事業会社の黒字化、中長期利益を見通し た各社構造の最適化の加速、成長マインドの醸成と浸透、海外収益基盤の増強と資産の再配分に取り組んでき た。 第 2 四半期の概況である。スマートフォンコンテンツ、オンラインゲームの事業が順調に拡大し、大幅な増益とな った。出版事業は、電子書籍、広告関連の非紙媒体の売上が好調に推移し、非紙媒体事業の加速に加えオンラ イン販売の効率化やその拡大のため物流効率の向上などを目的として倉庫移転を行い、物流の効率化と併せて 費用の削減などが進んだ。また、全事業セグメントにおいて、セグメント利益(営業利益)を計上することができた。 損益計算書の概要である。売上高が 33 億 65 百万円とほぼ前年同期並みであった。一方、中身の改善が進み、 営業利益が 2 億 1 百万円、経常利益が 1 億 62 百万円、純利益が 71 百万円と、いずれも前年同期比で大幅に増 益となった。 セグメント別の概況である。出版事業は、売上高 11 億 35 百万円、セグメント利益 99 百万円とほぼ前年同期並 みの数字であった。電子書籍、広告媒体といった非紙媒体の売上が好調に推移し、また、ネットを通じた紙の本の 販売も徐々に復調傾向である。一方、店頭の書籍の販売は減少傾向が続いており、その中では、介護、福祉関連 の書籍などは堅調に推移した。この状況には、計画的な刊行で対応している。先ほど触れたアマゾンなどのネット 販売においては、デリバリーのスピードが重要になるので、物流に対応するために、自動化倉庫への移転を図っ た。この移転によって、物流の効率化と併せてコスト削減が実現した。全体としては、オンライン販売、電子書籍化 への流れは継続していると考えている。 コーポレートサービス事業である。こちらは IT 関連企業者支援の事業であるが、売上高 4 億 2 百万円、セグメン ト利益 35 百万円と、引き続き安定して黒字基調が続いている。外注コスト増加の影響でわずかに減益となった。 ソフトウェア・ネットワーク事業である。売上高 7 億 13 百万円、セグメント利益 1 億 36 百万円で、スマートフォン、 オンラインゲームを増強しており、非常に大きく収益化してきた。結果、大幅な増益となった。 インターネットカフェ事業である。売上高 5 億 84 百万円、セグメント利益 9 百万円で、不採算店舗の整理を進め、 また、経営陣を一新し、現場の店長クラスの育成を強化している。また、新規事業としてトライアルしていたデイサ ービス事業は、介護報酬の引下げなどの問題もあり、採算が難しいとの感触を持ったため撤退した。 教育・人材事業である。売上高 4 億 75 百万円、セグメント利益 8 百万円となった。医療系の人材紹介等が順調 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 に推移した。このセグメントの子会社については、現在、TOB が表明されているが、成立した時点で影響等の公表 を、必要があれば行いたい。 投資運用事業である。売上高 53 百万円、セグメント利益 29 百万円で、一部保有債券の償還があったこと、ベー スとして運用サイズが徐々に拡大し、それに伴って増収増益となった。全体の財務の健全性を維持しつつ、長期 の安定収益基盤として拡大していきたい。 9 月末の貸借対照表の状況である。出版の売上が取次から、オンライン販売、電子書籍にシフトしていること、 その回収効率の向上等もあり、売掛金の減少、合わせて、有利子負債も減少しており、全体としては締まった財務 体質になってきた、健全化が一層進んだと考えている。 ◆2016 年 3 月期決算予想(連結) 通期の概況である。売上高は現在 73 億円と前期並みの売上を計画している。ただ、現在公表している数字に は、TOB 成立の影響を反映していないので、成立後必要があれば、すみやかに修正のうえ公表したい。引き続き スマートフォンコンテンツ、オンラインゲーム等が順調に推移する。また、オンライン経由の書籍販売、電子書籍な ど成長分野への収入基盤のシフトを進めていく。利益面については、特にスマートフォンコンテンツ、オンラインゲ ーム事業の拡大、合わせて不採算事業の整理も進むことから、現在、3 億 50 百万円と大幅な増益を見込んでいる。 また、教育・人材の子会社群の再編も見込まれるので、より一層収益体質が強化されると考えている。 通期の数字の概要である。売上高が 73 億円とほぼ前期並みの数字を予定している。営業利益が 3 億 50 百万 円、経常利益が 2 億 50 百万円、当期純利益が 1 億 50 百万円と、いずれも大幅な増益を見込んでいる。また、繰 り返しになるが、システム・テクノロジー・アイ社の TOB の成立時には必要に応じて、予想の変更があれば公表し たい。 ◆今後の事業展開 現時点で、冒頭に触れたように、利益面において順調に再成長の軌道に乗りつつあると考えている。中身の成 長産業への対応が非常にうまく進んでいると考えている。今般の中期の再成長、一層の成長に向けて重点項目と して 3 点掲げている。引き続きスマートフォン、オンラインコンテンツといった成長市場への事業基盤を拡大していく こと、コンテンツのオンライン化、これは紙媒体の書籍や雑誌からオンラインのコンテンツ、また、紙のものであって もネットを通じた販売に移行していくことで、併せて、海外市場、中国市場にも、事業基盤、収益基盤を拡充してい きたい。また、投資運用収益も併せて充実させて行きたい。 重点項目の 1 点目、スマートフォンコンテンツ、オンラインコンテンツの拡大であるが、利用者の拡大はもちろん、 コンテンツの数、ゲーム、オンラインコンテンツ、スマホアプリといったものの数を増やしていくこと、また数を単純に 増やすだけではなく、月額課金のもの、少額の売り切りのもの、無料のもの、コンテンツ内課金のものといったさま ざまなコンテンツバリエーションを投入し、バリエーションも拡充していく。また、オンラインゲームも、従来は受注開 発、予算に従って納品するというものが多かったが、自社運営タイトル、共同運営といった、ヒットすれば、当社も その利益を享受できるような、事業形態のものを増やしていく。ここ 3 年間成長市場へシフトしていくということで、 投資を続けており、収穫期に入ってきた。この収益を大きくしていきたい。 2 点目のコンテンツオンライン化であるが、先ほど触れたように紙ベースの販売はオンラインに移行してくるとい うことで、この数年来対応を進めてきたが、さらに今後進むだろうということで、販売ルートをまずオンライン化して いくことでの対応を進めている。また、コンテンツ自体は、合わせてオンライン化しており、電子書籍対応も急ピッチ で進めている。このネット販売の対応において、タイムリーなデリバリーを実現するために、倉庫の移転を行った。 これでタイムリーな商品のデリバリーが実現できるとともに、コスト削減も実現した。また、コンテンツオンライン化 では、電子書籍はここ数年急ピッチで進め、現状約 1,000 点のオンライン書籍を投入するに至った。アマゾンのキ 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。 ンドルマーケットでは、昨年売上の上昇率が 1 位で、その対応の速さを理解してもらえると思う。また、単純に紙の 書籍をオンラインにしていくだけではなく、Web 媒体、Web メディアも拡充し、併せてイベントとかとの複合展開を行 っていくことによって、売上の方法論に厚みをつけていきたい。 3 点目は海外基盤、中国基盤である。中国では長年 800Telesrcices 社を支援している。中国はバブルの崩壊と も言われるが、それにもあまり大きな影響を受けずに順調に成長を続けている。特に E コマースのバックエンド等 に強みを持っている会社で、先日報道にあったが、11 月 11 日は中国で E コマースのイベント日であるが、1 時間で 5,000 億円を売り上げるといった巨大な E コマースマーケットで、そういったバックエンドに力を発揮できる会社とし ては環境が次第によくなっているのではないかと考えている。また、海外資産、海外収入基盤の拡充ということで、 主に SE インベストメントを通じて、海外資産、海外収入基盤の拡充も併せて図っていく。 まとめである。引き続き当社は最適な企業構成によって、グループ全体の成長を目指していこうと考えている。 第 2 四半期は、スマートフォンコンテンツ、オンラインゲームなどが順調に推移し、大幅な増益となった。また、下期 も成長市場への事業シフトを継続して、通期予想も大幅な増益を見込んでいる。また、教育・人材関係のグループ の子会社再編により、一層利益体質の強化を見込んでいる。現状 TOB を勘案すると、比較的安定して収益を挙げ ていた孫会社をホールディングスに買戻しをしており、TOB が成立すると、なかなか収益が安定しなかった子会社 が切り離されるという点もある。利益体質に関しては、体質が強化されるのではないかと思っている。今後の中長 期成長に向けての重点項目は『スマートフォン・オンラインコンテンツの拡大』、『コンテンツのオンライン化』、『海 外・中国』でこれらの重点項目の推進によってより安定した、かつ、高い水準の利益成長を目指していく。 (平成 27 年 11 月 27 日・東京) *当日の説明会資料は以下の HP アドレスから見ることができます。 http://www.sehi.co.jp/ir/settlement_explanation.html 本著作物の著作権は、公益社団法人 日本証券アナリスト協会®に属します。