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I I 日本共産党 ﹁日米軍事同盟の打破、沖縄の祖 国復帰の実現 l i 独立・平和・中立 の日本をめぐって﹂ 二つの道の対決 一、日本の安全保障問題をめぐる 日本の安全保障の問題は、いまや、わが国の民主勢力と米日反動 勢力のあいだの、また各政党、党派のあいだの、もっとも重大な、 もっともするどい争点のひとつとなっている。昨年の日米首脳会談 と日米共同声明をめぐる臨時国会での論戦は、そのことをはっきり 現在、日本をアメリカとの軍事同盟にしばりつけている日米安保 としめした。 条約は、無期限の軍事同盟条約であるが、その第十条によれば、締 結後十年間をへたのちには、双方とも条約終了の意思を通告するこ とができ、その場合、乙の条約は通告後一年で終了する乙とになっ ている。したがって、二 年後の 一九七O年には 、日米安保条約は、 十年という﹁固定﹂期間をすぎることとなり、日米どちらかの政府 の希望によって条文上も条約の終了あるいは改定が可能になる、い わゆる﹁再検討﹂期をむかえることになる。自民党と佐藤内閣は、 をたくらんできたが、その策動は、昨年十一月の日米首脳会談以 ひとつのメドとして日米軍事同盟をいっそう侵略的に強化すること 以前から、アメリカ帝国主義の要請に乙たえて、﹁一九七O年﹂を /日本共産党の安全保障政策/日本の独立、 日本の安全保障問題をめぐる二つの道の対決 平和、中立への道をきりひらく民主連合政府 安全と極東の平和と安全の確保﹂という口実で、﹁日米相互協力およ 日米首脳会談の結果発表された日米共同声明は、まず、﹁日本の 後、きわめてむきだしの、挑戦的なものとなってきた。 の樹立のために/独立 ・民主日本の防衛問題 340 第三部各党の安保政策 ない 。 それでは、﹁日米安保体制﹂下 の日本の現状はどうか。それは 、 び安全保障条約を堅持する こと が両国の基本政策である﹂と宣言し た。これは、米日反動勢力が、安保条約とそれにもとづく日米軍事 いう点で も、日 本が極東における侵略と戦争のもっとも危険な策源 安全保障の根本的な前提││日本の独立と主権が侵害されていると しなければならないと、安保条約の﹁思恵﹂をしきりに宣伝して、 まもるど乙ろか、アメリカ帝国主義の日本侵略を公然とゆるし、日 ばりつける従属的な軍事同盟の体制であり、日本を外国の侵略から 日米安保条約にもとづく、ア メリカ帝国主義の戦争政策に日本をし 第一に、﹁日米安保体制﹂ は、サンフランシスコ﹁平和﹂条約 の たく両立しえないものである 。 地にされているという 点でも、日本人民の 真の安全保障 とは、まっ 同盟を、一九七O年以後もひきつづき﹁堅持﹂し、その体制をさら 佐藤内閣と自民党は、国会の内外で、日本が外国の侵略をうけ に強 化す る決意を、公 然と表明したものにほかならない。 ず 、 戦争にまき 乙まれ ないで 平和にくらしてきたのは、﹁日米安保 日米軍事同盟の延長強化という乙の方針を、むりやり国民におしつ 体制﹂のおかげであ り、国民は﹁安保体制﹂にもっと積極的に協力 けようとしている。佐藤首相は、十二月十一日の衆院予算委員会の である沖縄 は、アメリ カの軍事占領下に極東最大の核基地 とされ、 九十六万の 同胞は植民地的圧 政に苦しめられ てお り、 日 本 本 土 に 本の独立と主権を売りわたしている体制である。現在、日本の領土 も、アメリカは完全な治外法権をもった基地を百四十八カ所ももっ 答弁では 、﹁世論調査の数字が何と出 ょうと、私は安保条約は絶対 ない﹂と、国民の意思をふみにじってもっ日米安保体制﹂を﹁堅 必要だという立場だ。世論無視だといわれでも、私の決意は変わら 持﹂しようとする、自民党の国民無視の独裁的な態度をおおっぴら て、米軍の飛行機や軍艦がわがもの顔に出入りしている。世界の主 日本の独立と主権にたいするもっとも重大な侵害であり、また、日 うに、外 国の軍事基地がわが国土のなかにおかれている 乙と 自体、 いとられ、 支配されている国は 、日 本以外には一つもない。 このよ 要な資本主義国のなかで、その国土を外国帝国主義にこんなにうば にあきらかにした。 しかし 、﹁日米安 保体制﹂の﹁恩恵﹂についての自民党の宣伝ほ いったい、一国の安全保障とはなにか。それは、なによりもま ど欺まん的なものはない。 ず、独立した主権国家が、自国の独立と主権、自国人民の安全をど 本を侵略と戦争の温床にするものである。 団安全保障体制にくわわることが必要だ﹂などといって合理化しよ 、﹁どうしても、国をまもるためには集 けの安全保障はありえない L 自民党は、こうした現状を、っ兵器が発達した今日では、一国だ んな外国の侵略や圧迫にたいしてもまもることであり、自国の人民 の課題は、いっさいの侵略戦争に反対 し、世界の平和の維持に貢献 の基本的な権 利を外 国の不当な侵害からまもる ことである 。 これら する平和政策の積極的な展開と、不可分のものである。そのさいと 米軍基地の存在は、沖縄の 軍事 占領とともに 、 まぎれもなく、日本 うとしているが、これ はまったくのごまか しで ある。日本全土での くにその国の独立は、一国の安全保障の大前提であって、外国に独 立と主権をうばわれていると乙ろに 、 ほんとうの安全保障はありえ 3 4 1 にたいするアメリカ帝国主義の侵略であり、自民党の主張は、寸集 月二日の対日覚え書で 、そ れぞれ日本が日米軍事同盟からぬけだし 一九 五八年一月十九日の外交部長の声明で、ソ連は一九五八年十二 て平和、中立化の政策をとるならば、乙れを尊重し保障する用意が 団安全保障﹂などという欺まん的なことばで、日本の安全保障の大 前提をふみにじった議論である。そして、アメリカ帝国主義による い﹁アカの侵略﹂の危険をでっちあげて、それを口実に、日本が戦 あることを、公式にあきらかにしている。このように、ありもしな ったく前例のない不法な条項を 書きこんで 、沖縄・小笠原をアメリ 侵略戦争の最大の基地の一つとされ、自衛隊の派兵をのぞいて、あ しにまき乙む体制である。現に、日本は、いまアメリカのベトナム ろか、アメリカ帝国主義のたくらむ侵略戦争に、日本をいやおうな 第二に、﹁日米安保体制﹂は、日本の安全と平和を保障す るどこ 民党の﹁日米安保体制﹂礼賛論のもっとも大きな欺まんがある。 う、もっとも重大な事 実から、国民の目をそらせる││ここに、自 後二十二年間アメリカ帝国主義によって侵略されつづけているとい 乙の侵略を公然とゆるし、ささえているものこそ、十六年前にむす 安保条約なのである。 ばれたサンフランシスコ﹁平和﹂条約であり、それにもとづく日米 サンフランシスコ﹁平和﹂条約は、第三条で、将来いつかアメリ カが沖縄・小笠原を信託統治にする提 案を国連にお こない、それが カ帝国主義に売りわたした。また、サンフランシスコ﹁平和﹂条約 らゆる手段でこの侵略戦争にすすんで手をかし、事実上の﹁参戦 可決されるまで、アメリカが施政権を行使するという、国際法上ま 本土に軍事基地の網の目をはりめぐらし、北海道から九州にいたる ベトナム侵略戦争の全面的支持を表明して、ジョンソン大統領を子 国﹂の立場にたたされている。佐藤首相は日米会談で、アメリカの 第六条にもとづいてむすばれた日米安保条約は、アメリカが、日本 本土全体を、アジア侵略の基地として利用できるようにし、敗戦か フランシスコ﹁平和 ぱなしでよろこぼせた。乙れはまさに、日本が日米安保条約とサン ら二十二年たった今日なお、日本本土を、アメリカ帝国主義による 半占領という屈辱的な状態においているのである。乙の﹁日米安保 るからである。 事同盟にくみ 乙まれ、 事実上アメリカの従属国にされて しまってい L 条約によって、アメリカを盟主とする反共 軍 体制﹂、もっと正確にいえば、サンフランシスコ﹁平和﹂条約第三 日本本土の半占領を二つの柱とするサンフランシスコ体制乙そは、 にある米軍と米軍基地を、﹁日本の安全﹂のためだけでなく、﹁極 義務をおわせている。この条約は、第六条で、アメリカは、日本 たいする基地提供だけでなく日本にアメリカの侵略戦争に協力する 実際、一九六O年に改定された現行日米安保条約は 、アメリカに 条にもとづく沖縄・小笠原の全面占領と、日米安保条約にもとづく アメリカ帝国主義の対日侵略、対日支配の体制以外のなにものでも しかも、自民党がさかんにもちだす﹁アカの侵略の脅威﹂なるも ない。 L である。ソ連、中国な されると規定している。つまり、乙の条約によれば、アメリカは、 東における国際の平和と安全の維持﹂のために使用することをゆる のは、まったくありもしない架空の﹁脅威 のない社会主義の国家である。日本にたいしても、すでに、中国は どは、たとえいろいろな問題をかかえてはいても、侵略戦争とは縁 3 4 2 第三部各党の安保政策 在日米軍とその基地を、ベトナムであれ、朝鮮であれ、極東のどの 乙のように、日米安保条約によれば、日本は、戦争か平和かをみ に参 加させることさえ、 詳細に研究されている 。 ずからきめる権利さえ持てず、日本の重大な主権行為である宣戦布 地域での戦争に利用することもゆるされているわけである。 さらに、安保条約第五条には 、日米両 国は 、﹁日 本国の施政のも に自動的にまき こまれる乙とになるのである。国民の知らないあい 告権をアメリカに事実上にぎられて、アメ リカ がはじめる 侵略戦争 だに 、日 本がいつのまにかアメ リカのベトナム侵略 戦争の事実 上 の とにある領域﹂で、いずれか一方にたいして武力攻撃がおこなわれ ばならない と書 いてある。乙れは、在日米 軍が攻撃される危険が あ ﹁参 戦国 ﹂となって いるという事実、そしてまた、 朝鮮侵略をめざ るような場合には、﹁共通の危険に対処するように行動﹂しなけれ るときには、日本の自 衛隊は 、自動的に在日米 軍とともに 、﹁共同 しかも、今日、とくに 重視する 必要があるのは、アメリカ帝 国主 マ匂。 両立しない乙の危険な正体を、白日のもとにさらけだすものであ いるという事実は、﹁日米安保体制﹂がもっ、日本の独立、平和と す﹁日米共同作戦﹂の準備が国民にかくれてひそかにすすめられて 日米安保条約の このこつの条項 が意味するものは明白である 。け 防衛﹂にたちあがらなければならない、ということである。 っきょ くそれは 、アメリカ が、どこ かの国と開戦し、 在日米軍が勝 手に日 本の基地を利用して戦争行動にはいれば 、 日本の自衛隊は 、 ないという乙とにほかならない。いま、米軍の指 揮のも とに、自衛 義が ﹁日米共同責任体制﹂の 名のも とに、日本 が極東 での侵略 戦争 日米軍基 地をまもるための﹁共同作戦﹂態 勢 には いらな ければなら 自動的に、米軍とともに日本とその地域の﹁防衛﹂をうけもち、在 隊が、﹁韓国﹂軍や台湾軍とも提携してくりかえしおこなっている つよく要求しており、佐藤内閣と自民党が、とくに日米首脳会談以 計画の共犯者として軍事的にもいっそう大きな役割をはたすことを 、 日米軍事同盟の侵 後、ア メリカ帝国主義の要請に忠実にこたえ て ﹁日米共同演習﹂は、まさにとの共同作戦の本格的な 準備を目的 と 協力のもとに、﹁武力攻撃に抵抗する能力﹂を維持し発展させるこ 略的強化と日本軍国主義の全面的復活の方針を、 異常な熱意をもっ したものである。しかも、安保条約第三条は、日本がアメリカとの と 、 つまり自衛隊を増強し、 軍国主義の復活、 強化を推進する 乙と L の秘密計画が、国会で 暴露され たが、これ の一翼を公然とになう乙とを、つよくもとめつづけていた。たとえ が、ア メリカのアジア 侵略計画にさらに積極的に加担し、極東戦略 の復活計画の進展の度合いに大きな不満をもち、以前から、日本 アメリカ帝国主義は、現行安保条約とそのもとでの日本軍国主義 ていままで以上に露骨に追求しはじめたことである。 らの作戦計画は、いずれも、アメリカがふたたび朝鮮で侵略戦争の ば、一九六三年春、日本を訪問したギルパトリッ ク国防次官補は 、 を、 義務づ けている。すでにこれまでに も、 ﹁ 三 矢 作 戦﹂ 計 画 や ﹁ブル ラン作戦﹂計画など、アメリカ太平洋 軍と防衛 庁 が共同 でつ 火をつけた場合の綿密な作戦計画で、そのなかには、自衛隊を在日 くった ﹁日米共同作戦 米 軍基 地の防衛につかうだけでなく、 直接朝鮮や中国本土 への攻撃 3 4 3 とを、あからさまに要求しつづけた。そして、十一月の日米首脳会 談のもっとも重大な結果は、佐藤内閣が、アメリカ帝国主義のとの し、日本軍国主義の復活を強引に促進する危険な道に、大きくふみ 要求を忠実にうけいれて、アメリカの極東核戦略に全面的に加担 ﹁アメリカは、日本が太平洋西北部の防衛負担をこれまでより その期待を、つぎのような明確なことばで表明していた。 も多くもってほしいと考えている。こ乙には琉球列島をふくみ、 佐藤内閣は、日米会談後、﹁日本国民が、国際的責任を地道には だしたことである。 フィリピン、オーストラリアの防衛努力を補強することもふくま れている。とくに日本が、将来、おそらく朝鮮半島の一部をふく の向上とアジアの安定とに寄与し、ひいては将来、沖縄の祖国復帰 気概をもち、現実的な対策を考えること乙そ、わが国の国際的地位 たすとともに、国民一致してみずからの国をみずからの手でまもる る ﹂ 日本が日本の本土の領域だけでなく、沖縄、﹁韓国﹂、フィリピ む地域をまもるのに十分なげ監視戦力 υをもつことを期待してい つまり西太平洋全域の﹁防衛﹂に責任 114 定と日本国憲法の改悪をも意図するものであることはいうまでもな をもてという乙の体制が、日米安保条約の﹁相互防衛条約﹂への改 還﹂問題を最大限に利用しながら、アメリカの核戦略への直接の加 説﹀と、国民の﹁防衛﹂努力の強化をくりかえし強調し、﹁沖縄返 にもつながることを確信するものである﹂(十二月五日所信表明演 ン、オーストラリアなど い。現に昨年九月十二日の記者会見でワンキ l米国防次官は、日米 日米会談でとりきめられた、日米軍事同盟を侵略的に強化する計画 を国民にうけいれさせるための世論操作に、本格的にのりだしはじ 担、日本の﹁防衛﹂力強化と西太平洋﹁共同防衛﹂への参加など、 ば、もっと長期的な見通しのうえにたった条約がつくられよう﹂と めた。国会での論戦からもあきらかなように、佐藤内閣がアメリカ 安保条約の改定問題について﹁日米間である程度変更する乙とがあ 語り、﹁日米 相互防衛条約﹂への改定の意欲を表明した。とのよう とのとりきめのもとにおしつけようとしている、日米軍事同盟の侵 りうる。とくに一九七O年 の 段 階 で ベ ト ナ ム 戦 争 が 解 決 し て お れ に、アメリカ帝国主義は、一九七O年以後における﹁日米相互防衛 略的強化の基本方向は、つぎのようなものである。 その第一の問題は、沖縄をかなめとした﹁日米共同作戦﹂態勢を 条約﹂と憲法改悪を追求しつつ、同時に日本人民の闘争と内外情勢 沖縄返還のメドをつける﹂という﹁確信﹂なるものをしきりにふり 強化するために、沖縄のいわゆる﹁核基地っき返還﹂の方針を、国 の発展を打算し、条約と憲法の条文上の改定なしにも、事実上の相 まわしながら、なにが沖縄返 還の前提になるかという質聞陀たいし 互防衛条約化と憲法改悪を実現するような日米軍事同盟の強化を、 アメリカ帝国主義のこの要求は、ベトナム侵略戦争の凶暴な拡大 ては、国民の﹁国防意識﹂の高揚や﹁核アレルギー(過敏症)から 民におしつけることである。佐藤首相は、国会でも、﹁両三年内に とともに、とりわけ露骨なものとなり、昨年来、アメリカ政府首脳部 日本政府に要求してきたのである。 は、機会あるごとに、アジア・太平洋地域の ﹁防衛﹂の責任を日本 の脱却 L などをくりかえすだけでなんら具体的回答をおこなわなか が積極的に分担し、西太平洋の日米﹁共同防衛 L体制を確立するこ 344 第三部各党の安保政策 った。これはまさに、佐藤内閣が﹁両三年内﹂に、世論操作を強化 ひきおこす結果は、ただアメリカが、ベトナム侵略などアジア侵略 もし自民党のいう﹁核基地っき返還﹂が実現されるならば、それが L論は、アメリカ帝国主義に、沖縄を る以上、沖縄は、当然、日米安保条約第五条の日米﹁共同防衛﹂の て、どんなに制約されたものにもせよ寸施政権﹂なるものを行使す するという乙とだけにとどまるものではない。日本が沖縄にたいし と核戦争準備のために、沖縄の基地をいままでどおりに自由に使用 して、﹁核基地っき返還﹂についての﹁国民的合意﹂をつくりあげ いままでどおり極東最大の核戦争基地にし、また沖縄からベトナム ることを基本方針としていることを、暴露したものである。 侵略をはじめ極東各地に自由に出撃する権利をみとめながら、その の責任を負わされるととになる。したがって、アメリカが沖縄の基 対象地域となり、沖縄の米軍基地の﹁防衛﹂にたいして日本も共同 自民党の﹁核基地っき返還 ﹁施政権﹂だけを、日本政府の子にもどそうというものである。だ 地化され、米軍基地の存在が沖縄県民の権利と生活をふみにじる最 第 一に、﹁基地のなかに沖縄がある﹂といわれるほど、全島が基 ば、核兵器による日本全土への報復的反撃を予期しなければならな らされる。とくに、沖縄の米軍が核兵器を使用して外国を攻撃すれ おうなしに戦争にまきこまれるという、きわめて危険な事態がもた で、日本は自動的にその侵略戦争の共同の﹁参戦国﹂とされ、いや 地を利用してど乙かの 固に侵略戦争をしかけたときには 、それだけ 大の根源となっている沖縄で、米軍基地をそのままにした﹁施政権 である。 が、乙れは、日本人民の独立、平和の願いを裏切る欺まん的な方針 返還﹂なるものが、ほんとうの沖縄返還を意味するものでも、沖縄 り、沖縄を拠点としたアメリカの軍事行動は、日米安保条約だけで ﹂ 米比、アンザスなど一連の反共軍事同盟の共同防衛地域と、 されてお 米台 、 いという重大事態をも招来するのである。 のが意味するものは、日本政府が沖縄県民の闘争を抑圧する﹁治安 第三に、見のがす乙とができないのは、沖縄が、米﹁韓 県民をアメリカ帝国主義の占領支配から解放するものでもないこと 確保﹂の責任をおうことをはじめ、米軍の沖縄占領体制に直接加担 なく、これらの軍事同盟全体の発動をもひきおこす結果となる乙と は、明白である。米軍基地をそのままにした﹁施政権返還﹂なるも することにほかならない。だからこそいま、沖縄県民は、祖国復帰 である。 自民党の﹁核基地っき返還﹂論は、このように、﹁施政権返還﹂ と米軍基 地撤去の要求を、ひとつにむすびつけてたたかっている。 太平洋における﹁日米共同作戦﹂態勢を拡大強化し、同じく沖縄を いをまっ乙うからふみにじって、沖縄県民の苦しみの根源である沖 自民党の﹁核基地っき返還﹂論はまさに、沖縄県民のこの切実な願 共同防衛地域としてむすびついているアジア太平洋地域における多 略に日本全体を公然としばりつけ、また、神縄をかなめとして、西 第二に、自民党のつ核基地っき返還 ﹂方針は、沖縄返還問題を解 という偽装のもとに、沖縄を最大の拠点とするアメリカの極東核戦 決しないだけでなく、沖縄問題を道具として、日本全体を、アメ リ 角的な反共軍事同盟体制にいっそう緊密にむすびつけるきわめて危 縄の米軍基地と軍事占領の無期限化をはかるものである。 カ帝国主義の戦争計画にいっそうふかくひきずり乙む策謀である。 345 険な策謀である。 然とした核兵器のもちこみをはじめ、日米軍事同盟を﹁核軍事同 盟﹂ につくりかえる方針を、露骨に追求していることである。 日米会談後の政府首脳部の一連の言動は、佐藤内閣が、﹁沖縄返 民社党その他によってふりまわされている﹁本土なみ基地っき返 首相の﹁自主防衛﹂のよびかけに関連して、その具体策として、 還﹂という主張も、自民党の﹁核基地っき返還﹂論と同じく、沖縄 ﹁自衛力 の整備、日米安保条約の堅持、米の核抑止力への依存 還﹂問題を最大限に利用して、核兵器反対の世論を転換させ、日本 なったためアメリカが核基地撤去に応じるだろうなどという根拠の 三点をあげ 、﹁米 国の核のカサにはいる ﹂乙とを、公 然 と 言 明 し の軍事占領の無期限佑をはじめ米日反動勢力の民族的抑圧と戦争の ない﹁見とおし﹂をふりまくことによって、アメリカ帝国主義と真 た。佐藤首相も、十二月四日の在日外人記者との夕食会の席上で、 にしめしている。木村官房長官は、十二月五日の記者会見で、佐藤 剣にたたかわなくても沖縄返還が実現できるかのような有害な幻想 日本本土への核兵器もちこみを否定しなかったばかりか、っ日本が 本土への核兵器もちこみにも道をひらこうとしていることを、露骨 を国民にあたえ、日本人民の沖縄返還闘争を対米協力の方向にねじ たくらみに協力する役割をはたすものである。それは、まず、核ミ まげようとする、欺まん的な議論である。さらに、乙れは、﹁本土 ベて、日本の核武装の可能性をも公然とみとめ、福田幹事長は、十 核武装するかどうかは、将来沖縄返還のときにきめればよい﹂との サイル兵器の技術的発達その他によって沖縄の戦略的価値が小さく なみなら改善になる﹂というみせかけで、実際には、沖縄の米軍占 二月十四日の記者会見で 、﹁核アレルギー(過敏症)を脱却せよと Lの 領の永久化、沖縄をかなめとする日米軍事同盟とアジア反共同盟体 制の強化の方向を国民におしつける、きわめて危険な主張である。 いうのが自民党内の大勢だ﹂と公言した。 さらに下回駐米大使は、﹁日本は将来、戦力としての核保有をも また、沖縄県民の生命と生活を日々おびやかし破壊している元凶 ふくめて 、核武装 の権利を保留する ﹂とまで主 張した。さらに 、一 ll沖縄全島をおおう米軍基地をそのままにした﹁施政権返還﹂な るものが、沖縄県民の状態を﹁本土なみ﹂に﹁改 昔車ごするものでは 還﹂ともからめて、安保条約のいわゆる﹁事前協議﹂の制約をとり 般新聞の報道によれば、米日反動勢力は、沖縄の﹁核基地っき返 はらって、日本本土への核兵器もち乙みと、本土からの米軍の自由 けっしてない乙とは、自民党のいう﹁核基地っき返還﹂とまったく 出動を合法化する乙とをたくらんでいる。乙れが、日本本土をいま 同じである。けっきょく、民社党などの﹁本土なみ基地っき返還﹂ L を批判するかのようによそ の主張は、一面で自民党の﹁対米追随 おいながら、実際には、祖国復帰と基地撤去をひとつにむすびつけ ﹁日本がその国力に応じてアジアの への改定を強行しようとする陰謀である乙と の沖縄なみに核基地化、侵略基地化し、条文上の改定なしに、安保 L た沖縄県民のたたかいを裏切り、日本の独立と安全に背を向けて、 第三の問題は、佐藤内閣が、 は、明白である。 条約の﹁核安保条約 L 方針を公然とうちだし、本土への公 第二の問題は、佐藤内閣が、中 国の核兵器の脅威を口実に 、﹁米 アメリカ帝国主義に追随するものである。 国の核のカサのもとにはいる 34 6 第三部各党の安保政策 自民党政府の新方針をあきらかにしたが、乙れは、﹁忠君愛国﹂の 中学校の教育課程にも、国防意識の高揚の問題をおりこむ﹂という のつよい要求を代表して、アメリカ帝国主義との密接な提携のもと 共同声明)のは当然であ る、﹁沖縄返還﹂のためにもそれが不可欠の前提だとして、自衛隊 平和と安全のため、積極的に貢献する 名のもとに 、 青少年を肉聞として侵略戦争にかりたてた戦前の軍国 に﹁韓国﹂、台湾、東南アジアなどへの﹁経済進出﹂に大いに力を L( をいっそう大幅に増強し、日本本土の﹁防衛﹂だけでなく、西太平 主義教育を、公然と再現しようとするものにほかならない。 佐藤内閣は乙の計画を国民におしつけるために、しきりに﹁自主 いれてきたが、乙の面でも、こんどの日米共同声明では、東南アジ さらに、佐藤内閣は、これまでも対外膨張をめざす日本独占資本 洋地域の ﹁日米共 同防衛﹂体制を公然と確立する方向に大きくふみ 防衛﹂を呼号して国民の﹁愛国心﹂にうったえようとし、﹁日米安 アへの﹁経済援助﹂やアジア・太平洋地域の﹁開発と安定﹂の努力 きろうとしている乙とである。 L についても、日本の自衛力の不足をおぎなうために、在日 を特別に強化することを、約束している。 体系、任務のすべてにわたってアメリカに従属している現実がしめ リカ太平洋 軍の指揮統制下におかれ 、武器体系、訓練と作戦、指揮 独占資本は、人民の犠牲でこれを調達するために、﹁宮沢構想 計画は、当然いままで以上に巨額の資金を要求するが、佐藤内閣と 対米従属下の軍国主義、帝国主義の復活、強化をいそぐとれらの 保体制 はまったく事態をさかだちさせたものである。自衛隊が事実上アメ 米軍が日本に配備されているかのようにえがきだしているが、これ すように、今日の日本の﹁自衛力﹂は、まった くアメ リカの極東戦 重税、低賃金、社会保障改悪など、国民生活への圧迫を、いちだん 代表されるあらたな﹁ひきしめ政策﹂にふみだそうとし、物価高、 Lに 略にくみ乙まれ、アジア侵略の﹁日米共同作戦﹂の一翼をになって 乙のように﹁施政権返還﹂の名のもとに、沖縄の米軍基地と軍事 とはげしい ものにしようとしている。 いるのであって、日米安保条約のもとでは、いかなる﹁自主防衛﹂ もありえない。日米会談後つぎつぎと報道されている、小笠原の 占領を無期限化するとともに、乙れを道具として日米軍事同盟を事 ﹁施政権返還﹂と関連した本土、小笠原閣の海域の﹁日米共同防 衛﹂についての防衛庁の計画ゃ、沖縄﹁共同防衛﹂の構想、さらに 略にいっそうふかくくみ乙み、自衛隊を増強して﹁西太平洋地域の 実上の﹁核軍事同盟﹂につくりかえて 、日本をアメリカの極東核戦 共同防衛﹂に積極的に参加させるl!これが、日米首脳会談でとり 佐藤首相の﹁自主防衛﹂の具体化としてのコニ次防﹂の再検討と L の立案などはす べて 、西太 平洋地域での ﹁日米共同作 ﹁四次防 佐藤内閣は、自衛隊の増強を軸に、政治、経済、社会、文化、教育 上にかたくしばりつけられ、日本人民の安全がいっそう根本的にお 本がアメリカ帝国主義のアジア侵略と核戦争の計画に、いままで以 米日反動勢力のとれらの計画が、そのまま実現されるならば、日 きめられた、日米軍事同盟の侵略的強化の主要な内容である。 の全面にわたって、軍国主義の復活、強化の計画をおしすすめよう ようとするものである。 戦﹂をめざして、自衛隊をアジア侵略のための侵略軍につくりあげ としている。灘 尾文相は 、昨 年十二月二十八日の記者会見で 、﹁小 347 びやかされるようになることは、明白である。現在、アメリカ帝国 し 、 朝鮮民主主義人民共和国にたいする侵略戦争を再開する準備を ともに、朝鮮の三十八度線その他での大規模な軍 事挑発をくりかえ 日米軍事同盟の存続をみとめ、自民党の売国政策をたすけるもので ク内で﹁第三の道﹂をもとめようとしている。とれはけっきょく、 ながら、日米軍事同盟の打破という根本問題をさけ、安保条約のワ う自民党の方針に一応若干の批判的態度をとるかのようにふるまい ところが、わが国の一部の政党は、﹁日米安保体制﹂の堅持とい は、乙の二つに一つであり、中間の道は存在しない。 もつよめている。いますすめられている日米軍事同盟の延長強化の しかない。 主義は、ベトナムにたいする侵略戦争をいよいよ凶暴に拡大すると に利用し、日本人民を肉弾として動員する乙とを目的としているの 策謀は、まさに、乙れらの侵略戦争に日本の国土をいっそう積極的 声明にいう﹁両三年﹂を区切りとして、一九七O年には日米軍事同 が、一九七O年の安保条約 ﹁再検討﹂期をまたずに、むしろ、共同 そして、日本人民とアジアの平和にたいするこれらの重大な挑戦 防衛態勢の強化を積極的に支持する点でも、﹁第三の道﹂どころ 事同盟の半永久的な存続を主張する点でも、そのもとでの自衛隊の 九六七年度運動方針)という 政策を提唱している。これは 、日米軍 制を確立しつつ、安保については﹃駐留なき安保﹄へ改定する﹂(一 任 Lな﹁安保破棄論 Lとも異なる ﹁第三の道﹂として、﹁自主防衛体 たとえば、民社党は、自民党の﹁安保長期固定化論﹂とも﹁無責 盟の﹁核軍事同盟﹂化と日本軍国主義の全面的復活への既成事実を か、米日反動勢力と自民党の方針に基本的に同調して、わが党をは である。 つくりあげる乙とをめざして、ただちに実行にうつされようとして じめとする民主勢力の主張に正面から挑戦したものである。民社党 いる乙とを、われわれはとくに重視しなければならない。 ク内でアメリカの同意をえて実現すべき努力目標として主張してい ﹁経済的﹂な﹁防衛体制﹂として積極的に支持したうえで、そのワ っとも﹁近代的﹂で る安保条約の延長強化の策謀のもとで、いま、重大な岐路にたたさ L論にしても、日米 軍事同盟をも れている。自民党と佐藤内閣が主張するように、安保条約を﹁堅 るものであって、なんら実現の裏づけをもたない空論的な政策にす ﹁有事駐留 が独自の提案として強調している﹁駐留なき安保﹂││いわゆる 持﹂し、アメリカとの軍事同盟をつよめる道、すなわち、国民の安 ぎない。それは、実際には、日米軍事同盟のもとでも、米軍基地の 日本国民は、いわゆる﹁一九七O年﹂をめざす米日反動勢力によ 全と生命を犠牲にして対米従属のもとでアメリカ帝国主義の侵略政 の安保条約の延長強化論をたすける欺まん的な議論でしかないので 廃止が可能であるかのような幻想をふりまくことによって、自民党 公明党の安保条約の段階的解消論も、最近は、下部の大衆の不満 ある。 策に奉仕する、もっとも危険な売国と戦争の道をすすむか、それと その基地を本土と沖縄から追いはらい、どんな軍事同盟にもくわわ も、わが党が主張するように、安保条約を破棄して、アメリカ軍と i!わ が 国 が す す む 道 らない、独立、平和、中立の道をすすむか 348 第三部各党の安保政策 をも反映して将来の日本の安全保障の目標として﹁完全中立﹂を支 うから対決し、つぎの 政策をかかげて、日本の独立と安全、アジア たいし、また日本独占資本の対米従属と侵略政策にたいし、まっこ サ ン フ ラ ン シ ス コ ﹁平 和 ﹂ 条 約 の 売 国 的 条 項 と 日 還 を 実 現 し 、 独 立 ・ 平 和 ・中 立 化 の 政 策 を と る 米 安 保 条 約 を 破 棄 し、米軍の 撤 退と沖 縄 ・小笠 原 の 返 ( 1) の平和のためにたたかう。 持す るなど、民主勢力の平和、中立化政策への 若干の接近をしめし ながらも、一九七O年を中心とする 当面の政策としては 、 む し ろ ﹁日米安保条約 L の自動延長をやむをえないとする立場をとってお り、けっきょくのところ 、安保条約破棄に反対して、実質的には、 自民党、民社党の日米軍事同盟依存論に追随し、かれらを安心させ 日本の独立と安全をまもる根本問題は、アメリカ帝国主義の対 日 侵略をゆるし、日本をアメリカ帝国主義の戦争政策にしばりつけて る結果となっている。 いる日米軍事同盟を存続させ、強化するか 、 それとも日米軍事同盟 を打破して 、 日本の独立、平和、中立化をかちとるか、という問題 である。日本共産党は 、 サンフランシスコ﹁平和﹂条約の売国的条 安保条約とそれにもとづく日米軍事同盟をそのままにしておい て、 いくら﹁自主共存の平和外交﹂や ﹁多面的平和外交﹂をとなえ 項と日米安保条約を破棄し、日米軍事同盟からぬけだし、米軍とそ ても、アメリカへの従属と戦争の道からぬけだす乙とはできない。 民の安全をおびやかしている根源である。乙の侵略的軍事同盟の存 の基地を本土と沖縄から追いはらい、真の独立をかちとるととも 日米軍事同盟こそ、日本の独立と平和をふみにじる体制であり、国 対に両立しえないものである。 米軍の撤退と沖縄・小笠原の即時・無条件 ・全面返 還V 八サンフランシスコ ﹁平和 ﹂条約の売国的条項と安保条約の破棄 乙とを、主張する。 に、平和、中立化の政策をとる ことによって 、 日本の安全をまもる 続をみとめる乙とと、日本の真の独立と平和をめざす立場とは、絶 い わ ゆ る ユ 九 七O年﹂をまえに、日米軍事同盟の延長強化をめ ざす米日反動勢力と自民党の策動や 、 これに同調する民社党などの としてたちきり、どんな軍事同盟にもくわわらない平和、中立化の 欺まん的な﹁中道路線﹂を粉砕して、日米軍事同盟のくさりを断固 道にふみだすことこそ、日本の独立と安全をまもるただ一つの道で L条約第三条、第六 安保条約の延長強化や 、段階的解消論など、いっさいの目米軍事 沖縄 ・小笠原にたいするアメリカの軍事占領とその軍事基地をみと いるすべてのアメリカ軍を撤退させ、その軍 事基地をとりはらう。 支配にしぼりつけているいっさいの不平等条約を破棄する。日本に 条などの売国的条項と安保条約、地位協定など、日本をアメリカの 同盟存続論に反対し、 サンフランシスコ﹁平和 ある。 一一、日本共産党の安全保障政策 日本共産党は、アメリカ帝国主義の対日支配とアジア侵略政策に 349 し、沖縄・小笠原からアメリカの基地をと りはらわせ 、乙れを無条 っき返還﹂論や民社党の﹁本土なみ基地っき返還﹂論などに反対 めたうえで、﹁施政権の返還 ﹂ だけを問題にする自民党の寸核基地 形態で現実的な国際的保障をかちとるためにたたかう。 侵条約、中立条約をむすぷ方式などいろいろあるが 、 日 本 共 産 党 は、 情勢と条件に応じ、 国民の意思にもとづいて 、も っとも有効な て各国による承認をかちとる中立化宣言の方式、各国と個別に不可 アメリカ帝国主義と佐藤内閣は、日本をアメリカの極東核戦略に にたたかう 全禁止、当面とくに核兵器使用禁止協定の締結のため 2) 日本への核兵器のもちこみに反対し、核兵器の完 ( 件で全面的にとりもどし 、 日本をほんとうに独立した国にする。 八すべての社会主義国との国交正常化 V アメリカのさしずのもとで 、 歴代の自民党内閣がつづけてきたア くみこむその核戦争政策を、﹁中国の核の脅威﹂に対抗することな ジアの社会主義国にたいする敵視政策をただちにやめる。とりわ ちにやめる。﹁日台条約 、﹁日韓条約﹂を破棄して、ベトナム民主 け、ベトナム民主共和国にたいする侵略戦争への協力、加担をただ どを口実にして合理化しようとしている。しかし、一九六一年の国 L 共和国、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国との国交をうち 連総会で、アジア ・アフリカ十二カ国が﹁核兵器の使用は国連憲章 に違反し 、 人類と文明にたいする 犯罪である ﹂と 宣言する決議案を して、これ にまっこうから反対 した のは 、ほ かならぬアメリカ政府 提案したとき、﹁核兵器の使用は核保有国の当然の権利だ ﹂ と主張 たて、国連で中国に正当な地位をとりもどさせることを主張する。 日ソ平和条約をただちに締結し、日本の独立、平和、中立をかちと ったのちに、平和的な話しあいで、南千島問題を解決する。 月の国連総会では、アメリカの代表は 、核戦争の防止、 核兵器禁止 の代表だった。このときには 、 決 議 案 に 日 本 政 府 (池田 内閣)の代 反対する態度をふたたび表明したが 、 日本代表は、かつて日本政府 ム平和、中立化政策とその国際的保障 V の国ぐにとの友好関係をうちたてる平和政策、軍 事的中立の政策を がとった立場をもなげすてて 、アメリ カ帝国主義に追随し、核兵器 と信じる﹂とのベて、賛成投票をおこなった。ところが昨年の十二 とることを、主張する。 ζの平和、中立化の政策をまもる主要な力 が、 アメリカ帝国主義、日本独占資本など独立と中立を破壊しよう 使用禁止は、﹁非現実的で効果がない﹂などと称して 、 同じく事実 表は 、﹁ あらゆる手段で核戦争の惨禍を阻止する乙とが必要である とする内外の敵とたたかう日本人民自身の努力と闘争にあることは 上の反対の態度をとった。このように、アメリカ政府が、核兵器の 日本共産党は、アメリカとの軍事同盟からぬけだしてほんとうの 当然であるが、この政策をより確固としたものにするために、日本 使用禁止、核兵器の廃棄に一貫してがん強に反対し、佐藤内閣がこ 独立をかちとった日本が、 どんな軍事同盟にもくわわらず、すべて の中立化の国際的保障をかちとることも 重要 である。その保障の形 を切望する世界の世論にさから って、 核兵器使用禁止条約に事実 上 態は、国際条約で日本の中立を保障する方式、日本が中立を宣言し 350 第三部各党の安保政策 争の政策で世界をおびやかしている元凶 │ │核兵器競争の起動力で れに追随している事実は、アメリカ帝国主義乙そが、核脅迫と核戦 帯、ヨーロッパ非核武装地帯などをも・つける乙とを要求する。 ふくむ全般的軍縮協定の実現、 およびアジア ・太 平 洋 非 核 武 装 地 アメリカ帝国主義の核戦争政策とたたかい、核兵器と通常兵器を アメリカの手をなにひとつしばらず、アメリカの核戦争準備、外 あること 、そ して 、 佐 藤 内 閣 が ア メ リ カ 帝 国主義の核戦争政策にま 国への核兵器もち乙みを合法化し 、 核をもたない国の﹁核保障 L と いう名目で 、日 本をアメ リ カ帝国主義のアジア ・太平洋核戦略体制 すます積極的に加担しその恥ずべき共犯 者 となっていることを、明 にいっそうふかくしぼりつけるような ﹁核拡散防止条約﹂ に反対す 白に暴露したものである。 日本共産党は 、 核戦争の危険を根絶するために核兵器の完全禁止 アメリカのベトナム侵略戦争と日本の侵略基地化 に反対し、朝鮮にたいする軍事挑発の中止を要求し、 。 。 守(3) を要求 して一貫して奮闘するとともに、さしあたって、核戦争の危 険を防止するために、日本への核兵器のもちこみの禁止、核兵器使 用禁止協定の締結、 アジア ・太 平洋非核武 装 地帯の設 置 などの実現 を主張する。 安保条約による義務と称して佐藤内閣がおこなっている対米協力政 日本を基地としたアメリカ帝国主義のベトナム侵略戦争と、日米 佐藤内閣の侵略協力政策をやめさせる 日本を核戦争の基地にしたてる核兵器もちこみのあらゆるたくら 策は 、 ベトナ ム人民とアジアの平和にたいするゆる し がたい挑発で 八日本への核兵器もちこみの禁止 V みに反対し、アメリカの原子力潜水艦と原子力空母などの日本﹁寄 の要因となっている。さらに 、ア メリ カ帝国主義が、そ の各個撃破 あると同時に 、 いま 、 日本人民の安全を直接おびやかしている 最 大 港 ﹂ を や め さ せ る 。 ﹁ 核 兵 器 も ち 乙 み 禁 止 法 ﹂ を成立させて 、 ナ イ キ・ハ lキュリーズなどの核運搬手段をもふくめて日本への核兵器 のもちこみ 、 日本の核武装をきびしく禁止する。 っして軽視することをゆるされない重大な問題である。日本共産党 をいよいよつよめていることも、アジアと日本の平和にとって、け 政策のつぎの侵略目標を朝鮮民主主義人民共和国にむけ、 軍事挑発 八核 兵 器 の 完 全 禁 止 協 定 お よ び 核 兵 器 使 用 禁 止 協 定 の 締 結 V は、ア メリカのベトナム侵略戦 争 と日本の侵略基地化、 日本政府の して 支 持し、ベトナム人民支援の国際統一戦線の拡大強化のために 奮闘する 。 3 5 1 すべての核兵器の使用 ・実験 ・製造 ・貯蔵の全面禁止のために、 太 平 ベトナム侵略への協力に反対し、さらに朝鮮にたいする軍事挑発の シ 〆 さしあた り核 兵 器 使 用 禁 止 協 定 の 締 結 のた めに たたかう。そのため に、 す べ て の 国 の 政 府 が 参 加 す る 国 際 会 議を ひらくことを 、 全世界 ア 中止を要求するとともに 、 ベトナム人民の正義のたたかいを断固と 〈 によびかける 。 ア 洋 武 非 核 装 地 帽 置 の 画又 V 党は、ベトナム民主共和国の四項目の立場と南ベトナム解放民族戦 残虐な 手段をつか って おしすすめてき た侵略戦争である 。日本共産 に、ア メリ カ帝国主義が、ジュネーブ協定をふみにじり、あらゆる 国にたいする 侵略戦争にま で拡大する乙とをも計画し、三十八度線 その他での 軍事 挑 発を つよめている が、 佐藤内閣はこれに協力して アメリカ帝国主義は、その各個撃破政策を朝鮮民主主義人民共和 八朝鮮にたいする軍事挑 発 の中止 V る国際統一戦線をつよめるために努力する。 線の五項目の声明および﹁政治綱領﹂を支持し、アメリカの﹁北 と共同作戦態勢の強化という危険な道をっきすすんでいる。日本共 朝鮮敵視政策をいよいよ露骨にし、米、日、﹁韓﹂の反共軍事同盟 八アメリカのいっ さいの 侵略 行為 の停止と ベトナ ムからの 撤退V ベトナムでの戦争の本質は、 ベトナムを自 分 の植民地にするため 爆﹂と南ベトナムへの侵略行為をただちにやめさせ、アメリカ軍、 産党は、 アメリカ政府 が、 朝鮮での軍事挑発の政策をただちに中止 ﹁韓国﹂軍などすべての外国軍隊をベトナムから撤退させ、ベトナ ム問題の解決をベトナム人民自身にまかせることを主張する。乙れ するよう要求するとともに、佐藤内閣の朝鮮敵視、 ﹁韓国 ﹂との軍 とそ、ベトナム問題を正しく解決し、ベトナムの独立とアジアの平 事提携の政策に断固反対する。 憲法 改 悪 、 自 衛 隊 の 増 強 に 反 対 し 、 軍 国 主 義 復 活 を阻止し、 憲法 違 反 と 対 米 従 属 の 軍 隊 で あ る 自 衛 隊 を ( 4) 和をかちとるただ一つの道である。 八日本の ベトナム侵略基地化に反対し、 日本政府と日本独占資本 軍事力をもち、 アジアの資本主義国では 最強の軍隊にまで成長した すでに陸海空 軍をあわせて 三十万の規模と戦前の常備 軍を こえる 解散させる や修理、軍隊や武器の輸送、南ベトナムかいらい政権への経済﹁援 利用することをただちにやめさせる。さらに、武器、軍需品の生産 アメリカが、日本の本土や沖縄の基地を、 ベトナム侵略のために のベトナ ム侵略 への 協 力をやめさせる V 助﹂など、日本政府がおこなっている侵略戦争への協力行為は、 い 自衛隊は 、 アジア侵略のためのアメリカ製の従属 軍隊 であるととも に、 軍国主義復活の先頭にたっている人民弾圧の軍隊であり、憲法 っさいただちにやめさせなければならない。 メリカの指揮のもとにつ日米共同作戦﹂の一翼をになってアジア侵 は、﹁自主防衛﹂の 名のも とに、乙の 自衛隊 をさらに 増強 して 、 ア 第九条をじゅうりんしてつくられた非合法の軍隊である。佐藤内閣 人ベト ナム人民支 援 の国際統一戦線 V 略戦争に参加しうる 侵略軍 にしたてあげ、 アジア・太平洋の反共軍 事同盟体 制 の中核にしようとし 、 そのために憲法の公然たる改悪を 日本共産党は、祖国の主権と独立をまもるベトナム人民の正義の もたくらんでいる。実際 、今年度から発足した﹁第三次防衛力整備 たたかいを全面的に支持し、日本の民主団体と協力して物心両面か メリカの侵略を効果的にうちゃぷるために、ベトナム人民を支援す らの支援に全力をあげるとともに、全世界の人民の団結 した力でア 352 第三部各党の安保政策 計画﹂は、五年間に約二兆四千億円ちかい巨費をつかって、ナイキ とれまでつくられたっ自衛隊適格者名簿 派兵のくわだてに徹底的に反対する。徴兵制の復活に絶対反対し 、 地をとりはらう乙とによって、はじめて、わが国の安全にたいする このように、米軍を追いはらい、自衛隊を解散させ 、 すべての基 業に就職させるようにする。 完全に実現させる。そのさい 、 自衛隊の隊員は、 国の責任で平和産 せて、軍国主義復活政策の主要な拠点をなくし 、 憲 法 の 平 和 条 項 を 自 衛 隊 に た い す る 基 本 政 策 と し て は 、 憲法違反の自衛隊を解散さ 八自衛隊の解散 V 改悪とそのための小選挙区制のたくらみを粉砕する。 L を全部破棄させる。憲法 ・ハlキュリーズの装備、対潜水艦作戦能力の増強、 対ゲリラ作戦 能力の強化など、自衛隊が、アメリカ帝国主義の指揮のもとに、ア ジアの民族解放運動と社会主義国にたいする侵略戦争に実際に参加 できるようにする乙と、つまり自衛隊の﹁臨戦化﹂、 ﹁実戦部隊化﹂ に最大の重点をおいた 、 きわめて危険な計画である。しかも、佐藤 内閣は、今日では、沖縄 ・小笠原の ﹁共同防衛﹂を口実にして 、 乙 の﹁三次防﹂をさらに拡大したうえ、 この 規 模 を 大 幅 に 上 ま わ る ﹁四次防 ﹂ の立案にただちにとりかかり、 巨額の資金をつぎこんで 日本の安全をまもるためには、佐藤内閣がおしすすめている自衛 てることができる。 勢力の侵略戦争の可能性をも排除し 、 平和な独立した祖国をうちた 自衛隊のいっそう急速な﹁臨戦 化﹂を強行しようと し ている。 隊の増強と核ミサイル化、海外派兵と徴兵制復活に反対するととも に、 より根本的には 、 アメリカ帝国主義と日本独占資本のやとい兵 であっただけでなく 、 戦後はアジアでもっとも発達した工業力をも このことは 、 かつてアジアの諸国民を凶暴に侵略した帝国主義国 いっさいの脅威をとりのぞくとともに 、 日本を拠点にした米日反動 としてアジア侵略と人民抑圧の軍隊となっている憲法違反の自衛隊 を解散させ、乙れを中心とした日本軍国主義の復活の陰謀にとどめ をささなければならない。 ちながら、 アメ リ カ帝国主義の目したの同盟者として 、 アメ リ カに 従属するとともに 、 アジア諸国人民の独立と平和をおびやかしてき た日本が、侵略的軍事同盟のくさりをきっぱりとたちきって 、 民族 しく生まれ変わることである。それはアジア全体の情勢に非常に大 解放と平和のためにたたかうアジアの平和をまもる拠点に 、 あたら 人﹁第三次防衛力整 備計画 ﹂反対 V 自衛隊の増強と核ミサイル化 、 基地や演習場の拡張に反対し 、 い ますすめられている ﹁第三次防衛力整備計画﹂をとりやめさせる。 極東に強固な平和をうちたてるアジア諸国人民の共同のたたかい に、 大きく貢献する 、 歴史的意義をもっ転換となるであろう。 きな影響をあたえ、 アメリカ帝国主義をアジア全域から追いだし 、 日米共同演習をはじめ 、 外国の軍隊との共同演習をいっさいやめさ せる。 八海外派兵と 徴兵制復活反対 V ﹁沖縄防衛 L 、国連軍参加など、 どんな名目でも、 自衛隊の海外 353 三、日本の独立、平和、中立化への道をきりひ らく民主連合政府の樹立のために 佐藤内閣、自民党と民社党は、﹁沖縄返還﹂をはじめ、日本の独 日米軍事同盟の延長強化をめざす米日反動勢力の策動をうちゃぶ り、独立、平和、中立の目新しい日本への一歩をふみだすためには、 民主勢力の団結と共同のうえにたった新しい政府│││民主 連合政府 どうしても、民主勢力が力を結集して自民党佐 藤内閣をたおし、全 かにしているように、アメリカ帝国主義のアジア侵略政策に協力す 共同声明にいたる約一ヵ年の日米交渉の経過がすでに十分にあきら 当化しようとしている。しかし、沖縄問題ひとつをとっても、日米 するの が最善最短の方法だ﹂ と称して、その﹁対米協調﹂ 政策を正 もっともひろく結集できる、今日の中心的な任務だと考えるからで 本の独立と平和、民主政治の確立を 願う民主的な団体と人びとを、 義復活、憲法改悪反対、人民の生活擁護の四つの任務乙そ、真に日 保条約反対、沖縄の即時・無条件・全面返還、小選挙区制、軍国主 をめざすことを、すべての民主 勢力にうったえる。それ は、日米安 対、沖縄全面返還、憲法改悪反対、生活擁護のための民主連合政府 日本共産党は、当面、この統一戦線の政府として、安保条約反 をうちたでなければならない。 る立場で、アメリカの﹁善意﹂に期待してお願いするという自民党 立、平和の諸問題を解決するには、﹁米国の理解と協力をえて解決 などの﹁対米協調﹂ 政策は、日本の独立と平和のためになんの役に ある。 沖縄返還を実現し、日本の独立と平和をかちとる道は、自民党や 事同盟の延長強 化の策謀に たいす る根本的 な打 撃となるととは、明 民主連合政府がつくられるならば、それが、米日反動勢力の日米軍 この四つの任務ですべての 民主勢 力が団結し、その 基礎のうえに もたたず、沖縄返還をかちとるどころか、逆に日米軍事同盟の侵略 民社党の主張とはまったく反対に、アメリカ帝国主義と日本独占資 のくさりをたちきり、米軍の撤退と沖縄の全面返還を実現 し、日本 白である。乙の政府は、安保条約とサンフランシスコ﹁平和﹂条約 的強化に利用されるだけである。 本の対米従属、戦争と侵略の政策とまっ乙うから対決し、かれらが るかというこつの道の対決において、一九七O年の安保条約﹁再検 安保条約と日米軍事同盟を破棄するか、これを継続、﹁堅持﹂す かるうえでも、重要な歴史的な役割をはたす政府となるであろう。 本の独占資本の搾取と収奪をおさえ、人民の生活の改善と向上をは の平和、中立化への 道を きりひらくうえでも、また、アメリカと日 合作してつくりあげているサンフランシスコ体制そのものを底ふか くゆるがす全人 民的な大運動の発展 以外にない。 そして、なかでもとくに重 要なこ とは、アメリカ帝 国主義 と日本 本軍国主義の復活強化の道を、しゃにむにつきすすもうとしている 討﹂期が、一つの重要な焦点となってくることは、うたがいない。 独占資本の要求に忠 実 にこたえて、日米軍事同盟の侵略的強化、日 を代表 し、沖縄の全面返 還、 日 米軍事同盟の打破などを断固と して 今日、この﹁一九七O年 L を二年後にひかえて、情勢の重大な展開 売国と侵略の自民党政府をたおして、日本人民の独立、平和の願い 要求する新 しい 民主的な政府をうち たてる乙とである 。すなわち、 354 困難に直面している。八年まえの安保反対闘争のさいには 、 共、社 にもかかわらず、全民主勢力を統一戦線に結集する事業は 、 多くの の強行とむすびついて、独立、民主、平和、生活向上をめざす 諸闘 現在の日本には 、米 日反動勢力による反民族的、反人民的な政策 第一に 、日 本を拠点と した アメリカのベトナム侵略戦争の凶暴な 争の全 人民的な 発展をもたら しう る客観的な諸条件が急速に成熟 し つつ ある 。 くか ら組織され二千余の安保共闘組織が結成されて全国的な統 一行 動の推進力となって い た が、 乙の安保共闘組織は一九六三年以来 危険な実態を、毎日のように具体的 事実をも って 暴露し 、 広範な人 展開は 、 アメ リ カ帝国主義の侵略者としての本性と日米軍事同盟の 両党をふくめた民主勢力の共闘組織l│ 安保反対国民会議が 、 はや で再開されていない。原水禁運動や日ソ、日中、 A ・A連帯運動な 長期にわたる活動停 止状態におちいり、 その活動は今日にいたるま 第二に 、一九七O年の安保条約﹁再検討﹂期が目前にせまってき びとの怒りと反対をよびお乙している。 の平和、中立化の道のどちらかをえらぷかの問題が、いやおうなし たために、日本の安全保障の問題、日米 軍事同盟の強 化の道と日本 とまれて、主動の統一的な発展を困難にしている。政党問の共闘に ど平和運動や 国際友好運動の分野 でも、さまざまな分裂策動がもち ついても、日米 軍事同盟の強 化をはかる自民党の反動政治と対決す の日和見主義とむすびつ いた 大国主義的干渉の破壊的な影響、 対外 っき 返還 ﹂﹁沖縄の 自由使用 破棄の課題をひとつ にむすびつける方向をつよめており 、 ﹁核基地 第三に 、 沖 縄の祖国復帰をもとめる闘争は 、 沖縄においても本土 い焦点になりつつある。 に、米自反動勢力と日本人民の政治的対決の一つのもっともするど る真の野党共闘、民主 勢力の共闘は、まだ実現できないでいる。 これらの事態の背景には、安保闘争以後のいわゆる﹁ケ、不ディ・ 盲従分子と トロツ キズムのかく乱活動、 労 働 運 動 内 の 反 共 分 裂 主 義、 民社党などのいわゆる ﹁中道政治﹂路線の策謀など 、 複雑な事 ﹁解決﹂策を簡単にはゆるさない情勢が発展 し ている。 ライシャワー路線﹂による米日反動勢力の反共分裂政策、﹁左﹂右 情がある。そのなかで 、とくに 重視 し なければならないのは 、あれ 日米軍事同盟の打破をめざす民主勢力の統一戦線をつくりあげ、そ 対、沖縄全面返還、安保条約反対、小選挙区制粉砕などの政治的諸 乙うした情勢は、現在、日本人民のまえには、ベトナム 侵 略 反 を生みだしている。 働者、農民、勤労市民など人民各階層のあいだに無数の不満と要求 活を破壊する佐藤内閣の反人民的政策の諸結果は、経済的にも、労 第四に 、はてしない 物価と公共料金の引き上げをはじめ、 人民生 L を底意とする佐藤内閣の欺まん的な においても、大きなたかまりをしめし、沖縄問題の解決と安保条約 とれ の外国勢力からの干渉および 乙れとむすびついた 園内の分裂主 な原因となっている乙とである。 義、 日 和 見主義の潮流が 、 民主勢力の団結をさま たげる一つの 重要 し か し、乙れら の障害が どんなに大きくみえても、すべての 民主 の力で自民党政府をたおし、民主連合政府を樹立する乙とは、けっ 課題の ための闘争と、 物価高、 重税、 社会保障制度の改悪反対をは 、 発震のための努力 をつくすならば、 勢 力 が真剣に共同闘争の強 化 して不可能ではない。 3 5 5 各党 の安保政策 第三部 ひらかれていることを、 あきらかにしめすものである。 安保反対闘争をも上まわる真に全人民的なたたかいを発展させ 、 入 品と民主勢力の巨大な統一戦線をつくりあげる展望が 、 客観的には じめとする人民の生活と権利をまもる闘争が合流して 、 八年まえの 開とその再編強 化 など 、 条件と必要に応 じた共同闘争の効果的な形 員会の持続的な共闘、 沖縄問題での三者共闘、 自民党佐藤内閣の売 国的政策に反対する野党共闘、 中央、 地方の安保共闘組織の活動再 らの前進的な 側 面を積極的に発展させる努力 をお乙ない 、 両実行委 態を追求しつつ 、 さ し せ ま っ た 共 通 の 目 標 で の 民 主 勢 力 の 統 一 行 動、統 一戦線をつよめるために 、 全力をあげる。そのためにも、 民 とれらの客観的な情勢とともに 、 人民と民主勢力の現実の闘争の 進展のなかにも、統一戦線結集をめざすいくつかの積極的な側面が 主勢力 の分裂とかく乱をねらうあらゆる外部勢力の干渉から、 日本 の民主運動の自主 性 をまもるためにたたかう 乙とは 、 今日 、 いよ い 民主勢力の統一行動、統一戦線の正 し い前進のために 、 今日 、と よ重要になってきている。 くに 重要 なととは 、 日本の進路をめぐる米自反動勢力と日本人民の 存在して いる。まだ弱いながらも、 共、社両党をふくめた民主勢力 の共同闘争は 、 断続的にではあるが、 ベトナム侵略反対、 原潜 ﹁寄 くすべての政党と多数の民主団体が沖縄県祖国復帰協議会││統一 港﹂阻止その他でお乙なわれている。沖縄では 、 沖縄自民党をのぞ 民主戦線に結集して 、 祖国復帰と基地撤去、 安保条約破棄をむすび あいだの対決のもっとも重大な焦点である安保問題 、 沖縄問題で 、 、 具体的には 、 安保条約破棄、 沖 民主勢力の共通の立場にたつ勢力 な勢力の共闘 L と いう ことで 、 民主勢 力 の共闘の中 心問題が安保破 棄、 沖縄全面返還の要求とたたかいにある ことをあいまいに し よう する乙とである。現在、 民主勢力 の 一部には 、 ﹁ 可能なかぎり広範 縄の即時 ・無条件 ・全面返還の要求を明確に支持する勢力を、 結集 つけた闘争を統一的に前進させている。本土でも、 各種の障害によ って、 今日 、 停滞状態にあるとはいえ 、 乙の復帰協との連携のもと に、 沖実委、 沖縄連の二つの共闘組織の効果的な共闘をめざす勢力 がつよめられ て いる。政党聞の共闘 でも、 沖縄問題では 、 共 産党 、 社会党、 公 明党聞には共通の ﹁確認事項 L にもとづいて一定の共同 共策動と脱落の経過からもあきらかである。もちろん 、 小選挙区制 米日支配層の日米軍 事同盟の 延長強 化の策動と対決する力にはなら ない。それは 、沖 縄問題での四党書記長懇談会、 とくに民社党の反 とする意見もみられるが、 安保問題 、 沖縄問題でアメ リ カ に 追 随 し、 自民党と同調する勢力をもふくんだ﹁共闘﹂は 、 けっして 真 に 動を最近 とくにつよめていることを、 軽視してはならないが 、 従来 問 題や物価問題など個々の問題での共同闘争で 、 安保問題などでは 行動をとりうる条件が存在している。また 、 社会保障や物価問題 で は、 持続的な共同闘争がおこなわれ、 共闘組織が存在している。さ らに 、トロ ツキス ト反革命分子のかく乱活動の問題でも、 かれらが トロ ツキ ストの最大の拠点となっ てきた学生運動の分野で 、 民主的 労働組合に潜入してと乙に破壊活動の足がかりをつくろうとする策 な統一勢力 が多数をしめるにいたり、トロ ツキス トが孤立 し つつあ 勢力を結集するために努力する 一致できない団体や人びとをもふくめ 、 条件におうじてより広範な 、 かうまでもな ζとが重要なこと崎 るととは、 統 一戦線の発展を有利にするひとつの要因である 。 召本共産党は、 統一をさまたげる各種の障害をとり φぞき、乙れ 356 会党を先頭と して、安保破 棄、沖縄の即時・ 無条件 ・全面返還の要 ぃ。しかし、そのことにようて、政党としては日本共産党と日本社 とり、共、社両党をはじめ、すでに過去の闘争のなかで、実際にそ 面返還などを中心とした民主勢力の統一行動、統一戦線の態勢を強 しくしようとしている。それだけに、日米軍事同盟の打破、沖縄全 の闘争に有効に貢献してきた勢力がまず団結し、相互に共同しうる 化し、発展させるためには、東京都知事選挙の教訓を積極的にくみ 勢力としてみとめあえる勢力を共闘に結集してゆくという原則を、 求を中心に、すべての民主勢力を結集するという、今日の統一戦線 さらに、統一戦線の正しい発展のためには、目標の一致点を明確 の中心問題をあいまいにすることは、根本的な誤りである。 にすることとともに、乙の目標を実現するうえでだれと共同するか かたくまもることが、今日、いっそう重要になってきている。 独立、民主、平和、中立、生活向上をめざす労働者階級と人民の という問 題を明確にすることが 、 重要である。一部の人びとは 、一 定の目標K賛成するすべての勢力を結集するのが統一戦線だという 要求をかかげている共産党と社会党の共同闘争を軸として、労働組 面返還など民主勢力の共通の基本的要求を基礎に、この点で共通の 合、民主団体、すべての民主的な人びとを結集し、統一行動と統一 闘争のたかまりのなかで、安保条約反対、沖縄の即時・無条件・全 を主張している。しかし、たとえばトロツキストは、共、社両党の 戦線を拡大強化してゆくならば、かならず、乙の目標実現に有利な 乙とで、卜ロツキス卜妨害分子や反党分裂主義グループなど各種の 共闘への﹁革命的介入﹂などと称して、共、社両党をふくむ民主勢 分裂妨害勢力まで、民主勢力の統一行動、統一戦線にくわえること 力の共闘を妨害し、破壊することを公然の目的にした勢力である。 て自民党政府を打倒し、安保条約反対、沖縄全面返還、憲法改悪反 主体的条件をつくりだすことに役だち、そして広範な人民を結集し 対、生活擁護のための民主連合政府をうちたてる民主勢力の団結の 分裂妨害勢力としての トロツキストの正体は、かれらのこうした公 基礎をきずくことができるであろう。 式の主張や方針からもあきらかなことであり、安保闘争以来の大衆 闘争のなかでくりかえし確証された問題であって、これらの妨害勢 させ、民主連合政府を樹立しうる情勢をつくりだすととをめざし 立化の道を現実にきりひらくために、人民の闘争と統一戦線を発展 日本共産党は、日米軍事同盟を打破して、日本の独立、平和、中 力を 種々の名目をつ けて統一行動、統一戦線にひきいれる乙とは、 昨年の東京都知事選挙で、民主勢力が成功をかちえたひとつの大 て、全党をあげて奮闘するものである。 実際には 、統一行動と大衆闘争の発展をそ乙なうものである。 きな要因は、共、社両党が、目標と政策の一致だけでなく、双方が 四、独立・民主日本の防衛問題 共闘にくわえる ζとに合意した 勢力を結集するという乙 とで、 最後 までトロツキス卜や反党分裂主義分子などの妨害活動につけいる余 地をあたえなかったことにあった。最近の一連の闘争の経験がしめ L をめざしてその分裂、妨害活動をいよいよはげ しているように、トロツキス卜や乙れとむすびついた反党盲従分子 は、﹁一九七O年 3 5 7 各党の安保政策 第三郎 日本の安全保障の問題で、解明する必要がある一つの重要問題に いまいにすることなく、その原則的見地を明 確に しめさなければな 日本共産党は 、これまで、日 本民族が、自 国を外国の侵略からま らない。 もる固有の自衛権をもっている乙とを 、 否 認 し た 乙 と は 一 度 も な L という問 題がある。乙れは 、 多くの人びとが、 安保破棄、 平和、 中 立化 の政 い。自衛権というのは、 国家あるいは民族が、 自国および自国民に ﹁安保条約を破棄したあと、どう して日 本を防衛するか 策にたい して、 一面期待をもちながらも、反 面、疑問や不安をも表 明している問題である口自民党や民社党は、この問 題を つ日米安保 衛の権利で 、 国際法 上もひろく認 められ 、 すべての民族の国家がも 本的権利がじゅうりんされた場合に 、こ れを排除することは 、 日本 っている当然の権利である。日本民族 も も ち ろ ん そ の 例 外 で は な く、日 本の国家主権がおかされ 、 国土が侵害を つ v けたり 、民族の 基 たいする不当な侵略や権利の侵 害を とりのぞくため行使する正当防 体制﹂を弁護し、平和、中立化政策を攻撃する一つの重点としてと りあげ、﹁ア メリ カとの軍事同盟もなくなり、 自衛隊も解散するこ L などという批 と になれば 、 日本は外国の侵略にたい して 無防備になる。中立政策 判をしきりにくりかえしている。乙うした自民党や民社党の 議論を から自国の主権と独立をまもる 自衛権を擁護する立場を一貫 して 堅 民族の権 利 であり責任でもある。日本共産党は 、 外国の侵略や圧迫 で国をまもるなどというのは、夢のような防衛論だ に広範な人びとを確信をもって結集してゆくためには、どうして わが党が、日米安保条約の破棄と自衛隊の解散を主張するのは、 持してきた。 徹底的に粉砕し、日米軍事同盟の打破と平和、中立化の政策に、真 も、安保条約を破棄し、日本が民主主義と独立を達成した後、外国 けっして日本民族としての自衛権を否認するからではなく、日米安 の侵略の危険からどう して日 本を防衛するかという問題、いい かえ 保条約がアメ リカ 帝国主義による対日侵略と主権侵害の条約だから らである。日本人民が、日米安保条約を破棄し、自 衛隊を解散させ た解明をお乙ない 、わ が党の基本態度をあきらかに してお く必要が ることは、民族の主権と安全をアメリカ帝 国主義の侵略からまもる れば 、 独立 ・民主日本の自衛権の問題につ いて、いっそうたちいっ 民主勢力の一 部には 、﹁独立 後の自衛の問題な どをいま 論じるこ であり、また、自衛隊が 憲法違反の対米従属と人民弾圧の軍隊だか とは 自民党に利用されて危険だ ﹂といって、問 題をあいまいなまま 立場、政治的独立と自衛の権利をもっとも断固としてつらぬくこと ある 。 に残してお乙うとする議論もよくみられるが、人びとの疑問に根本 にほかならない。 もちろん、日本が安保条約を破棄したからといって、自民党が宣 だろうか。 では、 安保条約を破棄 したあと、日 本の自衛問題は 、どうすべ き 的に乙たえることをきけるような態度では、かえって自民党や反動 勢力につけいる 余地をあたえかねない。われわれは 、日本人民の未 して、独 立と平和を かち とるた めの当面の諸政策だけでなく、この 伝 して いるように 、 ソ連や中園など社会主義の圏家が日本に侵略を レ l ニン主 義の党と 来の展望を確信をも ってきしし めすマルクス ・ 問題にかんする独立 ・民主日本の将来の展望についても、 問題をあ 358 第三部各党の安保政策 てのとっている。乙の点からいっても、独立した日本が、自衛の問 リカを先頭とする帝国主義陣営から侵略を つ v ける危険は、依然とし 存続する以上、独立して、平和、中立化の政策をとる日本が、アメ しかけてくる ような 心配はまったくない。しかし、帝 国主義がなお 度をつらぬいてきた。 将来、 日本が 、 独立、民主、平和、中立の道をすすみ、さらに社 主張し、米日反動 勢力による平和的条項のじゅうりんに反対する態 条件に絶対化したりはせず、その平和的、民主的条項の完全 実施を からであ った 。憲法が決定されたのちも、わが党は 、 現行憲法を無 ランシスコ体制を打破して対米従属状態がなくなった独立国日本 ランシスコ条約第六条、第三条による拘束をたちきるなど、サンフ 一般的にいえば、安保条約を破棄し、米軍を追いはらい、サンフ て、そのとき日本人民は、必要な自衛措置をとる問題についても、 民主的な、独立国家日本にふさわしい憲法を制定するために前進し てゆく乙とは、 歴 史 の 発 展 か ら い っ て も 当 然 の 乙 と で あ る 。 そ し 会主義日本に前進する過程で、日本人民の意思にもとづいて、真に 題を無視するわけにはいかないことは明白である。 が、他 のすべての主権国家と同 じように、かちとった 政治的独立を いをきめる乙ととなるであろう。 国民の総意にもとづいて、新しい内外情勢に即した憲法上のあつか しかし、今日、日本人民が当面しているのは、まったく別の問題 まもるために、必要適切な自衛の措置をとる完全な権利をもってい である。安保条約のもとでのアメリカ帝国主義の日本への侵略をみ る乙とは 、いうまで もないことである。 しかし、現在の憲法のもとで国が軍隊をもっ乙とは正しくない。 の軍国主義復活のたくらみをゆるすか、どうか 1 1 乙れ乙そ日本人 とめるか 、 どうか 、ア メリカの指揮のもとに 、 現行憲法をふみにじ 民が、 日本の平和と安全のために 、 日本の真の独立のために解決し われわれが改悪をはばんでたたかっている現行憲法をもっているか このことは、完全に独立し、新しい民主的発展の道にふみだした なければならない緊急 最大の問題である。そして、乙うして日本の ぎり、日本は、日本の中立をまもるために、全世界の平和勢力、反 日本が、どのような内外情勢の変化があっても、いつまでも現行憲 真の独立と主権をかちとってはじめて、ほんとうの意味で、日本の ってつくられた非合法の軍隊ーーー対米従属と人民弾圧の自衛隊の存 法のままでよいというととを、 意味するものではない。たとえば現 自衛や安全保障を問題にする乙とができるのである。ところが 、 自 続と増強をみとめるか、どうか 、 そして憲法を改悪して自衛隊の海 行憲法には、平和的、民主的条項のほかに、天皇制をのとして主権 民党や反動勢力は 、 今日の日本が真の独立国であるかのようにいつ 帝民主勢力と共同し、日本の中立にたいする国際的保障をも利用し 在民をあいまいにした反動的条項もある。かつて一九四六年に現在 わって 、乙 の根本問題をごまかし、﹁自主防衛﹂の名のもとに、日 外派兵や徴兵制復活などに公然と道をひら乙うとする米日反動勢力 の憲法草案が占領下の国会で審議されたとき、 わが党が独自の徹底 米軍事同盟の強化と、対米従属下の日本軍国主義の全面的復活とい て、他国の侵略政策に対処する必要がある。 した民主主義にもとづく憲法草案を提案して乙れに反対したのは、 ながら、日 本人民の独立 、 民主 、平和のた めの団結の強 化 に よ っ 主権在民の原則、 民主主義の民族の独立をより徹底してまもる立場 359 う売国と侵略の計画を強行しようとしている。日本共産党は、反動 勢力のごまかしをけっしてゆるさず、小選挙区制ゃいっさいの憲法 ともに、さらに日米安保条約を破棄し、米軍と米軍基地を日本から 改悪のくわだてに反対し、軍国主義復活政策に反対してたたかうと 追いはらうために、民主勢力が団結してたたかい、真の独立、民 うものである。 主、平和、中立 への道をひらくと とをめざして全力をあげてたたか 360 公明党 一、日 米安保体制の実態 日米安保体制は、日米安保条約を主軸とする軍 事 同 盟 体 制 で あ る。しかも、 アメ リ カの極東戦略は核戦略体制であり、 日本は完全 にそれに組み込まれ、 今や 、 日米安保は極東の核安保 と な っ て い アジ ア 化されており 、 核 兵 器 の 持 ち 込 み を 含 む 米 軍 の 行 動 に は な ん ら の 有 ﹁日米安保体 制 の段階的解消の方途﹂ 。 マ乙の軍事同盟の存在は 、 わが国の従属的地位を固定 化し、 における国際緊張、 対立を激化せ しめ、世界の恒久平和達成とは、 を、欲せざる戦争の渦中に巻き込む危険な要素を多分に有している。 まったく逆行するものであるのみならず、 平和国家たるべきわが国 ー、基地問題 、 日本国内に米軍の常駐基 日米安保条約および地位協定によっ て 地が設けられていることは 、直接、国民の 利益を害するとともに 、 極東において ア メリカが戦争行為を行なった場合、 わが国が中立の 、 地位を維持する乙とを妨げる。また 、 アメリカの相手国によっ て わが国自身が攻撃の対象とされる危険も生ずる。 2、事前協議 効な規制は加えられていない 。 、 実際的にはまったく形骸 交換公文による事前協議制度は運営 上 一九七O年への活動方針/安全保障構想 日米安保体制の実態/段階的解消の方途/ 361 各党の安保政策 第三部 1 1 1 3 、防衛力増強義務 とのよう な体制のもとにおいては 、 安保条約第三条(パンデンバ ーグ条項)に基づくわが国に対する防衛力増強の要求は、限りなく 憲法の拡大解釈を余儀なくされる。 一九 4、 日 本 国 と ア メ リ カ 合 衆 国 と の 聞 の 相 互 防 衛 援 助 協 定 (MSA協定) 現在の自衛隊に対する武器などの有償、無償の軍事援助は、 五四年の M S A協定 によって行なわれて きており 、こ のために 、 在 日米軍のほかに、在日軍事 顧問団が常駐している。 なお 、乙 の協定には、わが国の防衛力増強を義務づけている規定 。 本u ゑ7G この 場合、日 本はっ国連協力﹂の建て前上、乙れに加担せざるを わが国を自動的に巻き込むものである。 得なくなっている。こうした制度は、朝鮮での米 軍 の戦闘行 為 に、 6、 沖 縄 問 題 さらに、対日平 和条約第三条でアメリカは 、 沖 縄の施政権を持ち 沖縄を 戦略核基地、 訓練基地、補給基地などとして、極東における アメリカは、日 本に潜在主権を認め、沖縄が日本本土の一部であ 戦略上の最重要拠点としている。 り、そ の住民百万は、日本人であることは認めながらも、平和条約 の規定の 趣旨に反 して も、戦略上の理由でその返還を拒んでいる。 現在の沖縄の基地は、自由使用(核持ち込み可能)基地で あり、 米側は乙れに固執している。 のである。それは日本の平和と安全にとって、多くの危険な要素を 日米安保体制の軍事的側面は、右の諸制度の組み合わせによるも 7、多角的組み合わせによる日米軍事体制 一九五一 年九月八 日の吉田・アチソン 交換公文 によって、わが 国 内蔵しているといわざるを得ない。 5 、在韓国連軍 は在韓国連軍 に対して、 基地提供な どの 援助を約束 しており、この しかしながら、 その方途は、国際政治の現実を直視し、かっ、わ 消さるべきものであることを主張する。 わが党は完全中立政策実現のため、究極的には日米安保体制は解 二、段階的解消の方途 点は一九六O年一月十九日の﹁吉田・アチソン交換公文等に関する 交換公文 ﹂として引 き継がれている。 乙の在韓国連軍は 、 一九五O年七月七日の国連安保理事会決議に よ って、米国政府の指揮するものであり、 現在は在韓米軍二個師団 れれば 、 北鮮軍および 中国軍を相手と して、 三十八度線を越えて北 のみであるが、ア メリカは必要があればいつでも在日米軍をも ﹁国 連軍 ﹂に 編入しうる。乙の国連軍は万一 、 朝鮮半島で戦闘が再開さ 進もする。 3 6 2 第 三 部 各 党の安保政策 e が国の平和憲法の精神と規定にしたがって、段階的その実現を図る ル、航空機、船舶などの運搬手段は、広く協議の対象とする。 いっさいの装備を意味するものと解し、核・非核両用のミサイ 位いかんにかかわらず、その機能の実質いかんを基準として協 b ﹁重要な配備の変更﹂については、米軍の部隊、艦隊の編成単 ものである。 ー、安保体制の実質的形骸化 議対象とする。 接の場合のみならず、間接的な場合も厳格に協議対象とする。 C日本の基地からの米軍﹁戦闘作戦行動﹂に関しては、たんに直 段階的解消は一九七O年以前より始める。段階的解消の第一着手 は、安保体制中、日本の平和に危険を及ぼす要素を除去し、実質的 により拒否する。 安保条約第三条の防衛力漸増義務については、日本国憲法の規定 ︹ C 防衛力漸増義務の拒否︺ な形骸化をめざすものである。このため差し当ってとるべき主要な 措置は次の六点である。 ︹ A 在日米軍基地の撤去︺ い、そのうち、 ω現在、日本国内にある百四十数か所の米軍基地の総点検を行な ︹ D M S A協定の廃棄︺ ﹁日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定L(MSA協 日本防衛以外の用に供されているもの 都市およびその近郊にあって国民大衆に悪影響あるもの 定)は一年予告で失効せしめうる(同協定第十一条の二)ので、こ 沖縄の日本返還に当つては、 いわゆる基地付き返還は原則として 門 F 沖縄の返還要求︺ 失効せしめる。 をとるとともに﹁吉田・アチソン交換公文等に関する交換公文﹂も 質した乙とにかんがみつ国.連国の地位に関する協定﹂の失効手続き 朝鮮休戦協定が成立して十五年を経過し、朝鮮国連軍の実態も変 ︹ E 国連軍の地位に関する協定ほか失効︺ の失効通告を行なって廃棄する。 核兵器の持ち込みその他わが国に危険を及ぼす可能性あるもの などについては、大至急撤去、返還を求める。 ω第二段階として連絡、通信施設を除くすべての米軍基地の撤去 を求める。 ω第三段階として、いっさいの常駐基地の撤去を求める。 ︹ B 事前協議条項の厳格な実施︺ する。 ω事前協議は日本側からも協議申し入れ権があるととは当然と解 a ﹁重要な装備の変更 L については、核兵器および乙れに類する ω事前協議対象のうち、 363 認めない。核基地を含む戦略基地は 、 絶対に認めない 円 A 長期堅持を前提とする自動延長︺ 一九七O年自動延長が予想されるが 、こ れは 、 安保条約む長瓶堅 持を前提とするもので、実質的な長期固定化である。 門 B 条約改定│ 駐留なき安保︺ 存続を是認し、 し かも条約改定は形を変えた長期固定化になる可能 が、あくまでも安保肯定の立ち場である。また、部分的には基地の ︹ 日本の安全保障には、 国民的合意の形成への真撃な努力が必要 と される。一九七O年六月の時点をオ l ル・オア・ナッシングで、将 来の見通しを持たずに選択するのは 、責任ある態度とは い い が た 、 安保体制のもつ危険な要素を除去する実質 一九七O年をめざ し 的な形骸化闘争を進め、一九七0年代を通 じて 主動に安保条約を段 3 6 4 ! φ 通信、 連絡のための小規模な基地は暫定的に認めるが、 これも内 地の米軍基地の撤去状況と見合い 、かつ 遅くとも返還後五年以内に 全面撤去を要求する 。 一九七0年代を通 じて日 米安保条約を主動的に解消する 。 安保条約ならびに地位協定を改定し ﹁駐留なき安保﹂を強調する しかも、 その解消は 、 安保体制の実質的な形骸 化 が進行するのに の有 事よりも、ア メリ カの 一方的な判断による有事となる可能性が 性があり、 自民党との差は認めがたい。有事駐留の有事とは 、 日本 一九七0 年 代 に お け る 安 保 条 約 の 解 消 ともなって 、 関係諸国の示す反 応を現実的に見きわめながら、早期 ある。 ︹ C 安保条約の即時廃棄︺ のみを主張する乙とは 、 条約存廃の前提として必要な現実的判断の 日本の安全にとって、有効なプログラムが策定されずに即時廃棄 欠如であって 、 政権担当をめざす政党の責任ある態度とはいいがた 上、真空状態に陥ったと見なし膨張主義政策を露骨にするか 、 日本の経済 アメ リ カが日米安保体制の実質的形骸化に反発 し に大幅な影響が生ずる ことになる か などがあるかもしれないが、乙れらの 障害には 、 安保の実質的形 骸化措置と並行 してと らえる 、平 和外交などによる平和努力によっ て克服する。 一九七O 年 への活動方針 一九七O 年 の 選 択 D 安保体制の段階的解消 ︺ 活動、 国際社会における立ち場な どへの報復など、他の日米協力面 ω ω関係諸国が安保体制の実質的形骸化によって 、日 本が安全保障 とえば 、 なお 、 安保条約の早期解消の障害となる関係諸国反応とし て、た に実現する こと に努める。 2 、 階的に解消する。 実質的形骸 化措置の進行にともない 、 関係諸国の示す反応を、 現 実的に見きわめながら早期に解消することこそ 、 国 論 の 分 裂 を 防 ぎ、 国民 的合意形成への 、 もっとも望ましい方途である。 2、公明党の具体的闘争の方途 - 院内において公明党独自に、安保体制の段階的解消の諸要求闘 争をする。 は、絶対に武力によらず、す べ て 平 和 的 外 交 手 段 に よ る べ き で あ 日本の安 全保障に ついては 、憲法第九条の戦争放棄の精神と、わ る 。 が党の提唱する絶対平和主義に基づく、国民的合意を確立し 、全世 界に平和憲法の精神を宣揚して、世界平和への前進を期す。 国連中心の普 遍的集団安全保 障体制と国連警察軍への移行 めのあらゆる方策をつくすとともに 、特定国家聞の軍事同盟の解消 と、普遍的な集団安全保障体制の確立、すなわち 、国連による安全 したがって 、全面完全軍縮と核兵器全廃を 、速やかに実現するた とする 自動 延長反対な ど、問題ごとに個々の判断をして 、院内にお 完全中立下において、その中立維持のため 、 やむを得ないとされ 保障機能の強化をめざす。 る必要最少限の自衛能力は普遍的な集団安全保障体制が確立したと きにおいて 、国連警察軍に移行するものとする。 3 総合的な安全保障政策の確立 障政策は 、完全中立政策に基づいて国民的合意を形成し 、 平和外交 、 いた 政策、軍縮政策、国内体制の調整、防衛政策のうえに立案 し 前項の目的を達成するまでの過渡的期間におけるわが国の安全保 1 平和憲法 擁護 と世界民族主義の提唱 ずらな軍事力依存を拒否すべきである。 久的平和機構を確立することを最大の目標として 、勇敢に戦うこと 核時代における世界の民族は運命共 同体であるとの認識に立ち 、 とくに 、核兵器全面撤廃のため 、核大国の最高首脳会議の開催を を国民の前に堅く誓うものである﹂と宣言している。 ある国家の繁栄が他の国家を犠牲にすることなく、平和と繁栄を期 するものではあるが、核大国に核軍縮義務の明記と核軍縮の実有 提唱するとともに 、核拡散防止条約については、その趣旨には賛成 核兵器の全面撤 廃 公明党結党宣言は﹁ひろく世界民族主義の立ち場から、世界に恒 ー、絶対平和思想による世界平和の実現 四、安全保障構想 2 院外における独自の大衆行動もあり得る。 ける野党共闘をする乙ともあり得る。 共闘可能なものは 、 たとえば核反対、 沖縄返還、 長期固定を前提 2 4 する世界民族主義を提唱するとともに 、すべての国際的紛争の解決 _ 365 各党の安保政策 第三部 を︾強く要求するものである U 約軍事同盟 の不参加、差し当っては日米安保体制の段階的解消印 B 関係諸国に対する配慮 的他国に日本を脅威と感ぜしめないこと。 納他国に日本攻撃の口実を与えないこと。 2、 完 全 中 立 構 想 1 完全中立政策 川口他国に日本攻撃の不利益性を公知せしめること。 制アジア太平洋不可侵、不干渉の国際環境の樹立。 C 中立政策実現のための保障 公明党の主張する完全中立政策は、①いかなる戦争の当事者とも にも加盟せず、常に諸国と等距離の立ち場を保つ中立を堅持すると 制国連アジア本部を東京に設置する等のほか 、国連の改組強化を ならず、 ②いかなる紛争の一方にも加担せず、①いかなる軍事同盟 ともに、平和国家の地位を確保しうるような、国際環境を進んで作 促進する。 に従属、かつ それと密接に運動するものであり、集団防衛に名をか 安保体制下における現在の自衛隊は、アメリカの極東核戦略体制 して強く反対する。 備、徴兵義務や、さらに軍拡競争に加わろうとする一切の提案に対 平和憲法を擁護する立ち場から、現行の憲 法 を 改 悪 して、 再軍 2 日米安保体制下の自衛能力 わが国の平和的存立のための自衛権は認められる。 1 自衛権 3、完全中立下の自衛能力 最少限の自衛能力の保持はやむを得ない。 約完全中立実現のときには、近隣諸国を脅威しない程度の、必要 為する政策をとることにある。 しかし、この完全中立政策は、それ自体が究極の目標ではない。 普遍的な集団安全保障体制、 国連警察軍による世界の治安と秩序維 る 。 持の実現に至るまでの過渡的な中間構想としての安全保障政策であ 果てしない国際対立を生む同盟体制から脱却し、進んで国際緊張 を醸成している諸要因を除去する平和努力を推進し、世界に恒久平 和をもたらす秩序を樹立するための政策である 。 それ故、軍事同盟体制は否定するが 、他面で 、経済的、文化的な 国際協力は平等互恵の原則に基づいて極力これを推進する。 2 完全中立政策の基本的諸原則 これがため、当面わが国のとるべき、完全中立による安全保障の これを実証している。 は、こ の意味で危険であり 、目下進行しつつある防衛力整備計画も りた国際対立の具である。したがって、安保体制下の現在の自衛隊 開戦争及びこれに類する武力的紛争への不介入、不援助。 A 中立政策を貫く意志の堅持 基本的諸原則は次の通りである。 例 一 切 の 膨 張 主 義政策の 排除。 366 2 b克全中立下(安保体制解消後)⑪自衛能力 安保体制が解消され、さらにわが国の完全中立が得られれば、わ が国の平和的存立と完全中立を保全するために、現在の自衛隊を改 組し、最少限度の国土警備隊の保持はやむを得ない。ただし 、その 能力はあくまでも最少必要限度に局限されるべきであり 、仮 にも他 国に、軍事的な脅威を与えるものであってはならないとともに 、充 分な国民的支持の基盤の上に立つものでなければならない。 この国土警備隊は 、将来において 、普通的な集団安全保障体制下 では国連 警察軍に移行する。 A 国民の負担の局限 完全中立下の国土警備隊の人員・編成 ・装備 ・訓練・配置等は 、 わが国の完全中立維持のため、専らわが国領域内において、侵略の 排除、災害救助等を目的として決定されるべきであるが、これに要 する 費用の国民的負担は 、現在の自衛隊に対するもの以下に局限す B シビリアン・コントロールの強化 るべきである。 完全中立下の国土 警備隊は 、その 運用を合理 化し、シピリアン・ コントロールを強化するため、従来の国防会議を廃止し 、新たに国 会議員及び学識経験者から成る 、総理大臣直轄の 外交及び安全保障 政策企画機構を設け 、他方 、衆参 両院に﹁安全保障に関する特別委 員会﹂を新設する。 、 なお、国土 警備隊構成員については、厳格な服務規律を要求 し 国際的 、国内的な一切の疑惑の発生を防止する必要がある。 367 各党の安保政策 , 第三 郎 W 民主社会党 ﹁安 全 保 障 と防衛に関する わが 党の基本 方針 ﹂ 一、 国 際 平 和 に 対 す る 使 命 極的には国際的法秩序の上にたつ世界国家の 実 現をめざ し、こ の 1 国際平和に対するわが党の 基本目標は 、 党綱領が示す通り、 究 て確実に 抑止 される体制を確立することにある。わが党は乙の目 目標にそって国連を強 化し、 核兵器を含む軍備の完全撤廃を達成 し て、 すべての戦争と侵略が国連の普遍的な安全保障機能によ っ 標達成のために国際連帯の立場にたって 、 国連 警 察軍の創設、 国 、 並びに核拡散 連を中 心とする国際的な後進 国開発援助の拡大化 一層の努力 を傾注しなければならぬ。このことは国際平和に対す 防止、 核実験の禁止、 核兵器の禁止、 全面軍縮の 実 現に今後とも るわが国の不動の基本的使命である 。 陣営の中にそれぞれ多極化の方向を生みながらも、 基本的には東 2 われわれは乙の自覚の 上 にたちながら、 今日の世界平和が、両 西両陣営の 力 の均衡(各国の自衛措置 並びに各種の地域的集団安 し 一 挙にくつがえすような行動を慎しまなければならない使命を な平和を、 前述の方向にそって恒久的、 安定的な平和に転換させ ていく使命をもっ 。同時に当面、 その 力 のバランスを 一方的な い ればならぬ。われわれはそのような力の均衡による今日の不安定 全保障)によってかろうじて維持されている現 実 をも直視しな け /わが国の安全保障と防衛/附 1 民社党第 負 っている。それは現 実 の世界平和維持に対するわれわれの当面 国際平和に対する使命/国際政治の基本動向 ﹁一 九六七年運動方針 ﹂ か (抜粋)/附 2 乙の自覚と 責任を喪失したものが、 一部に主張されている無防 の責務 である 。 九回大会決定││﹁ 一九六七年度政策﹂から ら(技粋) ヲ68 の基礎である力の均衡破壊とそれによる戦争への危険増大に対し 備無抵抗主義、中立主義、安保廃棄論であり、それは今日の平和 軍事的衝突が互いの民族的協同社会はおろか、世界そのものの破 な相互理解と融和は未だ確立されていないが、少なくとも両者の コは力にささえられた米・ソの平和共存であろう。そこには完全 世界の各国も、米・ソの平和維持の不可欠の条件として歓迎し、 いることは明らかである。 壊を来すという自覚にたって、これの回避に真剣な努力を注いで て一切の責任を負おうとしない立場に外ならない。 3 われわれの期待に反し、国連の普遍的安全保障機能が未だ不完 全であり、かつ現実の世界平和が東西の力の均衡によって維持さ つ平和共存﹂を今後の平和的世界秩序の基本的方向としておし進 れている現状においては、各国が自らの責任において、それぞれ める乙とに努力を傾注している。 われわれもまた、米・ソの平和共存を、当面の世界平和の基調 の民族的国民協同社会の安全を守ることは、独立国としての当然 われわれは、いま世界の各国が軍縮を真剣にのぞみつつも、他 がなければならぬ。 として、乙れをさらに盛りたて、おし進めていくことに努力を注 の責務である。 方ではそれぞれの自衛措置並びに他国との地域的集団安全保障 わが国が、外国からの侵略を抑止するため、民主陣営の一員と の平和共存が、新ヤルタ体制ともいうべき新しい国際秩序の政治 一つの面は、両陣営内における多極化傾向である。これは米・ソ 2 米・ソの平和共存という基調の中にあっても見逃し得ないもう が、戦争の抑制と平和維持に大きな役割りを果しているという冷 して、自ら国を守るための自主的防衛機能を保持し、かっそれを である。われわれは、民族的利益の追求に根ざす世界的政治の多 的、軍事的ヘゲモニーを確立しつつある乙とに対する不満の現れ 厳な事実を直視しなければならぬ。 おぎなうものとして他国との聞に国連憲章が認める地域的集団安 極化そのものを否定すべきではないが、それが平和共存の否定 全保障を結び、わが国の安全を確保することは、国家と国民に責 任を負う独立国家として、当然の責任であると同時に、国際社会 と、大国聞の力の紛争に移行することは極力防止しなければなら け 入 れ ら れ な い も の と な り 、 ﹁ 平 和 共 存 L は世界の基本的事実と の中共外交の相次ぐ失敗に示されているように、世界各国から受 軍事的衝突、インドネシアでの革命失敗、キューバ離反等、最近 ルジ工会議での孤立化、アフリカ諸国の相次ぐ離反、インドとの 張の大きな原因として作用している。もとよりこの中共路線は、ア 3 現に中共の力による米・ソに対する二正面闘争は、アジアの緊 ぬ 。 に生きる一員としての義務でもある。 わが国の国際平和に対する貢献は、まず上述の三つの基本的立 場を堅持することから出発しなければならない。 二、国際政治の基本動向 今日の平和をささえ、第三次世界戦争を抑止している最大のテ 369 各党の安保政策 第三部 のではなく 、 とくに完全防衛を不可能とする核究極兵器の出現と、 、 、 サイル輸送兵器が急速に発達 した状態の 下 で、 安全保障即武力強 化 今 日わが国における安全保障をめぐ っての思想的、 政治的混乱、 37 0 し て進行 し て い る 。 し か し 中 共 の 二 大 世 界 政 策 で あ る 核 武 装 を 背 と いう考え方は時代遅れの思想である。 景とした米ソとの 力 による対決、 並びに民族解放闘争という名の 下に展開されている世界の貧困 農村地帯を拠点とする武力革命方 ー、安全保障と防衛に対する国民の共通意識の確立 われわれはこの見地から 、 わが 国 の平和と安全を確保す る た め に、次の諸方向を推進するよう主張する。 安全保障の基礎は 、 国民意思の合致にある。自らの民族協同社会 式 は 依 然 と し て平和への大きな 脅威であり、それは ﹁平和共存 ﹂ と いう今後の平和秩序の 基本方向を破壊し 、 紛争の発生と緊張の 激化を不可避とする要素を 多くもっている。今日のベ トナム 紛争 激化の 一因も、 乙の中共の世界政策に深い根をもって いる ことを ものは守る必要性それ自体を否定し、 あるいはまた、守る必要性を を自らの力で守る堅い決意と 義 務の自覚 こそが、 安全保障と防衛を 見逃す乙とが出来ない。 4 し たがって当面の世界平和のカ ナメは 、 中共を 正当な 中 国の代 表者と し て評価して、あらゆる国際 舞台に迎え 、 国際世論と国際 連 帯 の 自 覚 を 通 じ て 、 中 共 が 平 和 共 存 に 対 し て国際的責務を分担 国の安全は到底期し難い。 認めながらも、 その方法について国論が両極化している状態では、 とくに民族的 自覚をおきざりに して、 いたずらに特定国の政策に追 まっとうする基本要件である。自分の国を守る乙とについて、ある に対するわが国の大きな使命でなければならない。 する体制を確立する ことにある。このための努力乙そ 、 国際平和 乙の見地からわれわれは 、 米 ソによる中共の封じ込めと軍事 的 2、多角的平和外交の推進 確立する乙とは 、 安全保障力の基礎をつくるものである。 労者の福祉国家建設の旗印の下に 、 わが国の政治的、経済的安定を では 、真に自国を守る決意は生れない。議会制民主主義の擁 護 と勤 全保障論も危険かつ 無責任である。 しかし、 経済格差が拡がり 、 社会の階 層固定化が進むような状態 の当面の 基本課題である。乙の 重要課題を全く無視したいかなる安 随する極論の対立激化は 、 わが国の安全保障の確保にとって最悪の マイナ ス要因であり、 これを早急に解決することが 、 安全保障確立 対決が 、 中共の世界政策を 一層かたくななもの とし、そこに 緊張 の激 化 を必然化する愚を回避せねばならぬ。 わが国の安全保障と防衛 すなわ ち、 一国の安全 保障 は武力の 整備充実 だけで達成されるも の友好を積極的に深める不断の平和外交の積 重ね、 それに狭義の自 衛措置等の総合力の結集 によっては じめて確保されるものである。 という国民の共通意識の確立、 政治的、 経済的安定の保持、 他 国と 安全保障は、自国の安全と防衛に つい て、 まず自国が責任を負う 、 一 一一回の安全について、外交の果す役割は今日大きな比重をもつに 至っている。 われわれはまず民主主義を守る基本的立場から、米国その他非共 産圏諸国と一層の友好関係を増進する。 同時にソ連、中共など共産諸国とも積極的に交流を深め、共存に すなわちわが国は、自由諸国、共産諸国を問わず、すべての国と ついて互いに協力し合う体制を 確立すべきである。 平和的に共存する外交を推進し、特定国を敵視する乙とのない友 好・平和の外交姿勢を一貫して堅持する乙とが必要である。 同時に乙れと並行して、国連の強化、低開発 国援助の拡大、核拡 散の防止、核兵器の禁止を含む全面軍縮など、一連の平和外交を積 極的に推進し、国際緊張を綾和するととに努力しなければならな 乙のととは、 わ が 国 の 安 全 保 障 を 強 め る 上 で の 重 要 な 用 件 で あ 客四間附条件をもたない乙とを故意に無視した暴論である。 とくに非武装中立論は、自らの安全について、自分みずからは全 う政策であり、国際的にも通用しない無 責 任な 議論 である。もしわ く責任を負わず、専ら他力本願で自国の安全をまっとうしようとい が国がこの方式をとる場合、わが 国の 独立 国 としての自主性喪失と 他国による支配並びに戦争への危険増大は不可避の道となるであろ るが、乙の論もわが国がこの種中立をとり得ない客観的情勢にある 。 っ , 乙れに対し武装中立論は前者と異り、たしか に一つの政策論であ わが国が武装中立をとらんとする場合、わが国はその乙とによっ 乙とを全く見逃している。 て、今日の力の均衡をくずさず他国に平等な安全感を与え、かつ国 際的中立保障と憲法改正の条件をもっ乙と 、さらに国民 が一致して 重武装を認め中立を守る堅い決意をもつこと、 などの諸条件を満た 安全保障にとっても危険乙の上ない。われわれは、わが国の安全を 家と敵対関係に立つ容共革命路線は共に 多敵 外交であり、わが国の ばかりか、それをとろうとする場合、わが国の平和的条件を破壊し 条件をもっていない。むしろ現状では、武装中立は旧き思想である ない状態にあり、したがって、わが国は武装中立をとりうる客観的 しかしわ が国の置かれた客観情勢は 、 前述の条件を全く満たし得 さなければならない。 、 多角的に民族的 確保するためにも、このような両 極の路線を排 し 対立激化の危機を深める乙とを留意しなければならない。 す心。 団安全保障という形で、わが国の安全保障を確立すべきだと確信す 定し、自主防衛プラスわが国憲法および国連憲章が認める地域的集 われわれは、乙の見地から、非武装、武装を間わず、中立論を否 利益の追求と国際的連携を果たしうる自主・共存の外交を推進する よう主張する。 3、中立論のあやまり わが国における中立論の本質は、アメリカを世界人類共同の敵と する完全な反米容共路線であると同時に、わが国が中立をとりうる 371 。 ず 乙の見地にたつとき、中共敵視の対米追随 路線や米国、自由諸国 第三部各党の安保政策 わが国の安全保障については 、まず、 わが国の固有の権利と責 自主防衛体制の確立 する核保有国の共同核保障制度の設立、さらに国際情勢、とくに アジアの緊張緩和、 国連の強化、 共 産諸国の軍事同盟の緩和や解 口 し かし現状においては、それらの諸条件はととのっておらず 、 3 7 2 駐留なき安保への転換 て、各種の相互防衛協定や各国の軍備が漸減の方向にすすむ体制 イ ﹁ 国際平和に対する使命 ﹂ の項で指摘した如く、世 界平和への わが党の基本目標は 、 国連の普遍的安全保障機能の確立と相まっ 4、自主防衛体制の確立と安保の改定 以 上 の 見 地 か ら 、 わ が 党 の 防 衛 に 対 す る 基 本 的 立 場 は 、 ﹁ 自主防 ① それを可能とする諸条件の整備に多角的な努力を傾注しなければ 消に伴って 、 段階的に解消の方向にむかうことを基本目標とし 、 を促進することにある。したがって日米安保条約についても、 核 軍縮の進展、 なかんずく核拡散防止協定、および非核保有国に対 イ 任において確保すべきである。このためわが国は、憲法の精神で が犯される危険に対処するため 、 自 主 的 防 衛 力 を 保 持 す る 乙 と が 必要である。乙の見地から、 日米安保条約については 、 あくまで を正当に評価しなければならない。われわれはとの事実をまず率 日米安保条約がわが国の平和と安全に寄与している面があること 直に認め 、安保の存在を全面的に否定する如き無 責任な態度を排 むしろ今日の米中の対決、アジアの緊張激化の中にあって、当面 現行の 日米安保体制の長期固定 化論や非武装中立論は 、共に わ 除する。 もわが国の自主的防衛力を補完するものとして位置づけるべきで が国の安全保障を専ら他国に依存せんと してい る点において 、 安 定という形で、国際条約としての不平等な面を若干是正したとは ハ 同 時 に わが党は 、現行安保条約が 、昭和三十 五年、旧 条約の改 条約に照らしても異例かつ不平等である 乙と にかんがみ 、日 米安 駐留権の設定と基地貸与を存続させている乙とは 、 各国のとの種 保条約を真に平等化し、安全保障面における日米関係を正常なも 言え 、 なお依然として占領下の条約体系から脱却できず、米軍の 国会におけるべ防衛委員会﹂の設置等を通じて国防に対する国会 のとするために、との際安保の改定を 実行に移すべきである。 衛隊については 、 非核保有の立場を堅持し、 質的機能整備の方向 の監督体制を強め、もって正しい意味のシビリアン・コントロー = 加 えて現行安保条約が 、安全 保障面で過度の対米依存を助長す ルを確立する。 に再編成する。同時にその過程で国防会議の抜本的改革、並びに ロ わ が 党 は 上 述 の 自 主 防 衛 の 基 本 を 憲 法 の 精 神 に 求 め 、 現在の自 国家と して の責任回避という矛盾を招来するに至っている 。 全保障の本末を転倒 し、そと に独立国と して の自主性の喪失と、 る 。 ならない。 ある平和主義に徹しつつ 、 不当な外的侵略によってわが国の存立 保することである。 衛プラス駐留なき日米安保条約 ﹂ に よ っ て わ が 国 の 平 和 と 安 全 を 確 ② る結果、 そ 乙にわが国の対米追随と外交面での自主性喪失の大き な原因をつくり出 し、かっその常時駐留と基地貸与が徒らな反米 に対する 一一暦の混迷と議会政治の破壊であろう Q われわれは 、 これら一連の事態を排除するために 、 日米安保条約 路線の浸透 われわれは 、 そのより ど ころを﹁駐留なき安保 ﹂ へ の 改 定 に 求 め、 乙乙に日米安保問題に対する国民世論の結集をはからんとする 帰 一をはからねばならぬ。 の正しい評価と位置づけを国民に提示し 、こ れに対する国民世論の 基本である自衛意識の混迷を招いている事態等を見るとき、こ れ 感情の台頭、 戦争にまきこまれる ことの不安、国論の分裂、 容共 v 共産陣営からの不必要な敵視、 さらには国家存立の を現行のまま放置することは許されない。それらの事態は、わが ものである。 同時にそれは 今後の 正しい日 米関係の発展、 並びに 日本の自主 性 国はもとよりのこと 、 日米両国の今後の正しい友好関係にとって 確保を基礎とした正常な安全保障体制の確立にとって大きな役割り も大きなマイナスであり、 現行安保条約のも っそ うし た欠陥 と弊 害の除去は日米双方にとって重要である。乙の見地からわが党は 現行日米安保条約の長期固定化、 並びに安保即時廃棄の両極論を われわれは 、こ の安保改定運動を今後の党の重要な運動と して 展 ︹ 付1 民社党第九回大会決定(抜粋﹀ ぐる左右両極の対立は開始され 、 まさに激化 せんと し ている。対米 一九七O年の 日米安保条約の改廃期を目 前 にしてすでに安保をめ ー 、 日米安保条約の改定 新政 策 の 基 調 !i ﹁一九 六七年度政策﹂ から ︺ 、 国民に訴えていく決意である。 開し を果すものと確信する。 排し 、 安保については これを根本的に改定 し、とく に、 それを通 の設定、基地貸与に大きな比重を置く現行安保を ﹁駐 留 な き 安 じて米軍の常時駐留の 排除、 基地の原 則的撤廃を実現し 、 駐留権 保﹂ へ転換するよう主張する。 5、 駐 留 な き 安 保 ヘ 国 民 世 論 の 結 集 日米安保問題に対する国民世論の帰一は 、 安全保障に対する国民 の共通意識の確立 、 左右 両極による不毛な政治的対立の排除、並び に議会政治擁護にとっての重要なカ ナ メである。 すでに安保をめぐる左右両極の対立は開始され 、一九 七O年に向 けて意識的に この対立が激 化 しようと し ている。対米追随に根ざす 革命主義の安保廃棄論の激突がそれである。 がそれである。 追随の頑迷な現行安保長期固定化論と反米容共路線の安保廃棄激突 頑迷な保守 主義の現行安保 一 長期固定 化論、容共路線の浸透をめざ す 第 そ乙に生ずるものは 、 何 ら の 建 設 的 要 素 を 伴 わ な い 徒 ら な 政 治 的、 思想的混乱とそれを背景とした国論の分極化、 並びに安全保障 37 3 各 党 の 安 呆政策 t 第三部 れない形で進行しており、ここに今日のわが 国における平和運動の の背後にかくされた真の意図と容共戦略の本質が国民大衆に理解さ 危険がある。とくに共産党と一線を画す べき社会党が完全に この 容 そこに生ずるものは、いたずらな政治的、思想的混乱とそれを背 景とした口論の分極化、並びに安全保障に対する一層の混迷と議会 、 わ われわれは、この一九七O年に予想される一大危機を回避 し 政治の破壊に他ならない。 動のたびごとに容共勢力化していく事態はきわめて重大である。し た無原則的な平和運動を展開することによって、その下 部組織が運 共ベ l スの中にまき込まれ 、民族の利益や真の世界平和から遊離し 条約の正しい評価と位置づけを国民に提示し、これに対する国民の が国の平和と安全の確保、議会政治の擁護をはかるため 、 日米安保 共通音山識の確立をはからねばならない。われわれは、そのよりどこ ﹁一九 六七年 の運動方針﹂ から 自の立場から積極的に展開する。 改定運動、核禁と 核拡散防 止運動、沖縄、小笠原の返還 運動等を独 度わが国の安全保障の在り方に対する積極的な P Rとともに、安保 治混乱を排除する道に外ならない。この見地からわれわれは、本年 ければならない。それこそが容 共勢力の意図する一 九七O年期の政 的利益の擁護と世界平和と調和をめざす平和 運動を展開 していかな たがって 、 われわれこそは 、 この容共勢力の仮装平 和 運動 とはっき り、対決し 、 それらの運動に利用や動揺されることなく、真に民族 ろを、次にかかげるごとく現行安保条約の﹁駐留なき安保﹂への改 によって一九七O年の危機を突破し、あわせてわが国の平和と安全 定に求め、ここに安保問題に対する国民世論の結集をはかり 、それ ︺ を全うせんとするものである。(以下略) ︹ 付2 一九 七O年 に 向 つ て の 平 和 運 動 いま 、 容共勢力は 、一 九七O年の安保改定期を意識的にとらえ 、 平和運動という名の下にその実は反米運動を激化し、世界政治にお ける米中の対決をそのまま国内にもち込んで思想的 、政治的混乱を ひき起し 、 容共革命への契機をとらえんと し ている。ベトナム反戦 運動、原水禁運動、原潜阻止運動、 基地反対闘争、安保廃棄闘争、 一部の沖縄返還運動、等々がそれに外ならない。これらの運動は 、 そ点ぞ点大義をもち 、 かつ国民感情に訴える課題であるだけに 、 そ 374