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①熱のまま利用

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①熱のまま利用
2-(1)-①エネルギー利用方法の検討
第4回審議会資料より
エネルギーの利用方法
1 可燃ごみ処理施設での熱利用について
ごみのエネルギーを有効利用→環境への負荷を低減
①熱のまま利用
(温水・蒸気等)
②電気として利用
(発電)
③メタンガスを回収
(発電・車の燃料等)
これらの組み合わせも可能
2
①熱のまま利用
ご み を 燃 や す
熱 が 出 る(排 熱)
場内利用
(燃焼用空気等)
廃熱ボイラ(蒸気を作る)
蒸気として利用
冷暖房、温室の熱源
温水として利用
給湯、風呂、温水プールに利用
3
②電気として利用
ご み を 燃 や す
熱 が 出 る(排 熱)
場内利用
(燃焼用空気等)
廃熱ボイラ(蒸気を作る)
蒸気タービンによる発電
施設内の電気に利用
売 電
4
③メタンガスを回収
ご み を 集 め る
機械で分別する
発酵不適物
焼却処理
発酵対象物
発酵させバイオガスを回収(メタン濃度約60%)
ガスエンジンで発電
LPGと混ぜて車の燃料
6
2-(1)-②高効率ごみ発電の可能性
高効率発電・通常発電
概算の比較(プラントメーカからの聞き取り)
施設規模
175t/日の場合
高効率発電
イニシャル
コスト
通常発電
110億円
102億円
ボイラーや排ガス処理設備等に使用
する材質が割高になる
高効率による発電量の増加(売電利益の増加)
⇒
約 2,000 万円/年
ランニング
コスト
修繕等の維持管理費が余分にかかる
⇒
約 2,000 万円/年
結果としては同程度
効率発電に係る設備は交付率が
1/3→1/2
受入れ供給設備
燃焼設備
燃焼ガス冷却設備
1/2交付率の設備区分
交付金
排ガス処理設備
余熱利用設備(発電設備及び付属機器)
通風設備(高効率な燃焼に係る機器)
電気設備(高効率な発電に係る機器)
計装設備(高効率な発電に係る機器)
灰出し設備、給排水処理設備等の高効率に直接関係のない設備は1/3
の交付率
2-(1)-③
第4回審議会資料より
熱回収率の向上
(熱回収率の優れたボイラーの選定)
ごみクレーン
ごみ投入ホッパ
ごみピット
熱利用・発電のイメージ図
5
第5回審議会(先進施設視察)より
尼崎市クリーンセンター第2工場
尼崎市クリーンセンター
減肉した水管
フロー図
展示物
使用前の水管
「高効率ごみ発電施設整備マニュアルより」
発電効率向上に係る技術的要素・施策
発電効率向上には、ごみの燃焼によって生じる排ガスの保有エネルギーから
1)より多くの熱を蒸気として回収する
2)より効率良く回収した蒸気を利用し蒸気タービンへ供給する蒸気を増やす
3)回収した蒸気をより効率良く電気に変換することが必要である。
発電効率の向上は、温室効果ガスの排出抑制にも効果的であり、地球環境保全の観点か
らも意義深い。
発電効率向上に係る技術的要素・施策として、上記の1)~3)の観点から、以下の技
術の概要と施設計画にあたっての留意点について述べる。
1)より多くの熱を蒸気として回収するための技術(熱回収能力の強化)
① 低温エコノマイザ
② 低空気比燃焼
2)より多くの蒸気を蒸気タービンへ供給するための技術・施策(蒸気の効率的利用)
① 低温触媒脱硝
② 高効率乾式排ガス処理
③ 白煙防止条件の設定なし、あるいは、白煙防止装置の運用停止
④ 排水クローズドシステムの導入なし
3)より効率良く電気に変換するための技術(蒸気タービンシステムの効率向上)
① 高温高圧ボイラ
② 抽気復水タービン
③ 水冷式復水器
新ごみ処理基本計画策定通知にあるとおり、第2次循環型社会形成推進基本計画におい
て、環境保全を前提とした循環型社会の形成を標榜しており、国民の安全・安心が確保さ
れることを軸に地球温暖化対策をより一層推進する観点に立ち、上記技術・施策を効率よ
く組み合わせて施設計画を行うように留意する必要がある。
発電効率向上に係る技術的要素・施策と向上効果
発電効率
発電効率向上に係る技術的要素・施策
発電効率比較条件
向上効果
熱回収能力の
ボイラ出口排ガス温度:
①
低温エコノマイザ
1%
強化
250℃→190℃
300t/日 燃 焼 空 気比 1.8→
②
低空気比燃焼
0.5%
1.4
蒸気の効率的
触媒入口排ガス温度:
利用
210℃→185℃(再加熱なし)
①
低温触媒脱硝
1~1.5%
※白煙防止の運用停止と
の組み合わせ
高効率乾式排ガス処
②
③
湿式排ガス処理→高効率乾
3%
理
式処理
白煙防止条件の設定
白煙防止条件:
なし、あるいは、白煙
0.4%
5℃、60%→条件なし
防止装置の運用停止
排水クローズドシス
④
ボイラ出口排ガス温度:
1%
テムの導入なし
250℃→190℃
蒸気タービン
蒸気条件:
1.5%~
システムの効
①
高温高圧ボイラ
3MPaG × 300 ℃ → 4MPaG ×
2.5%
率向上
400℃
脱気器加熱用蒸気熱源:
②
抽気復水タービン
0.5%
主蒸気→タービン抽気
タービン排気圧力:
③
水冷式復水器
2.5%
-76kPaG→-94kPaG
※上記施策を組み合わせた場合の発電効率の増加割合は、各施策の数値を単純に合計し
たものとはならないことに留意する必要がある。計画の際には、施策の組み合わせ方に
よる発電効率向上効果を試算し、最適な組み合わせを検討する必要がある。
2-(2)-①CO2排出量 ②燃料使用量の検討
各処理方式の特徴
焼却処理
①
(発電)
焼却
② +
灰溶融
必要敷地面積
1.0
建設費(概算)
項目
指
標
項
目
ガス化溶融
バイオマス
ごみ
④
⑤炭化処理 ⑥ +
燃料化
焼却
③-1
シャフト炉
③‐2
流動床炉
③-3
キルン炉
1.2~1.3
0.9~0.95
1.0
1.0
1.0
1.0
1.2~1.3
1.0
1.3
1.3
1.1
1.2
1.0
1.1
0.0
燃料使用量
尐ない
多い
多い
排ガス量
比較的
多い
多い
多い
比較的
尐ない
比較的
尐ない
比較的
尐ない
比較的
尐ない
比較的
多い
比較的
多い
比較的
多い
比較的
多い
比較的
尐ない
比較的
尐ない
焼却残渣等処理費
1.0
0.2
0.2
0.2
0.2
0.2
0.2
0.0
稼働実績
豊富
比較的
豊富
比較的
豊富
比較的
尐ない
比較的
尐ない
比較的
豊富
尐ない
現在
民間のみ
CO2の排出量
1.0
9.7
19.0
6.3
11.3
35.3
35.3
1.0
エネルギー回収
発電
温水等
発電
温水等
発電
温水等
発電
温水等
発電
温水等
ごみ燃料
炭化物
発電
温水等
金属の回収
不可
不可
メタル
一部金属
一部金属
一部金属
鉄・アルミ 鉄・アルミ
注1:指標項目については、焼却処理(発電)を1とした場合の相対評価値である。
注2:建設費(概算)については、地方自治体における過去10年の落札結果等より算出した。
注3:光熱水費(概算)については、地方自治体に対するアンケート結果よりとりまとめた。
第4回審議会資料より
①焼却処理方式(ストーカ炉)
ストーカ炉の概要例
①焼却処理方式(ストーカ炉)
○特長
・日本で最も多く採用されている方式である
・幅広いごみ質に対応が可能である
・発電による熱回収や余熱利用が可能である
○課題
・焼却後の残渣が多い
第4回審議会資料より
②焼却処理方式
(ストーカ炉+灰溶融)
ストーカ炉+灰溶融の概要例
②焼却処理方式(ストーカ炉+灰溶融)
○特長
・稼働事例も多く、技術的に確立されている
・幅広いごみ質に対応が可能である
・発電による熱回収や余熱利用が可能である
・灰溶融により、埋立対象物が減容される
○課題
・灰を溶融するための外部エネルギーが膨大である
・CO2排出量が多い
・施設整備費及び維持管理費が割高である
第4回審議会資料より
③-1 ガス化溶融方式
(シャフト炉)
ガス化溶融方式(シャフト炉)の概要例
③-1 ガス化溶融方式(シャフト炉)
○特長
・稼働事例も多く、技術的に確立されている
・幅広いごみ質に対応が可能である
・不燃ごみも処理可能である
・発電による熱回収や余熱利用が可能である
・ごみを溶融することにより、埋立対象物が減容される
・金属類が回収可能(メタル)
○課題
・ごみを溶融するための外部エネルギーが膨大である
・CO2排出量が多い
・運転に特殊技術を要する
第4回審議会資料より
③-2 ガス化溶融方式
(流動床炉)
ガス化溶融方式(流動床炉)の概要例
③-2 ガス化溶融方式(流動床炉)
○特長
・稼働事例は多い
・ごみの熱量による自燃が可能である
・発電による熱回収や余熱利用が可能である
・ごみを溶融することにより、埋立対象物が減容される
・未酸化の金属類が回収可能(鉄、アルミ)
○課題
・プラスチック類の分別が進んでいる場合、不適である
(ごみの熱量が低いと自己熱による溶融が不可能)
・新しい施設が多く、長期稼働実績が少ない
第4回審議会資料より
③-3 ガス化溶融方式
(キルン炉)
ガス化溶融方式(キルン炉)の概要例
③-3 ガス化溶融方式(キルン炉)
○特長
・ごみの熱量による自燃が可能である
・発電による熱回収や余熱利用が可能である
・ごみを溶融することにより、埋立対象物が減容される
・未酸化の金属類が回収可能(鉄、アルミ)
○課題
・プラスチック類の分別が進んでいる場合、不適である
(ごみの熱量が低いと自己熱による溶融が不可能)
・稼働事例は少なく、新しい施設が多い
第4回審議会資料より
④ ごみ燃料化方式
(RDF)
ごみ燃料化方式(RDF)の概要例
④ ごみ燃料化方式(RDF)
○特長
・稼働事例も多く、技術的に確立されている
・外部エネルギーによりごみを乾燥する
・製造したごみ燃料(RDF)は燃料として利用可能
○課題
・ごみを乾燥するための外部エネルギーが膨大である
・CO2排出量が多い
・運転に特殊技術を要する
・製造されたRDFの市場性が低い
第4回審議会資料より
⑤ ごみ炭化方式
ごみ炭化方式の概要例
⑤ ごみ炭化方式
○特長
・外部エネルギーによりごみを炭化する
・製造した炭化物は燃料として利用可能
・炭化することにより減容されるため、運搬効率が良い
○課題
・ごみを炭化するための外部エネルギーが膨大である
・CO2排出量が多い
・運転に特殊技術を要する
・製造された炭化物の市場性が低い
・稼働事例は少なく、新しい施設が多い
第4回審議会資料より
⑥ バイオマス+焼却方式
バイオマス施設
焼却処理施設
発酵不適物
鉄類
ガスホルダー
(発生ガス貯留)
発電設備
発酵槽
脱水機
希釈水
液肥(排水)
煙突
可燃ごみ
受入ピット
選別設備
発酵残渣
中間ピット
排水処理設備
焼却炉
排ガス処理設備
焼却灰
飛灰
灰処理
焼却処理施設へ
:設備機器
:処理対象物及びその処理物等
バイオマス+焼却方式の概要例
⑥バイオマス+焼却方式
○特長
・可燃ごみ中の生ごみや紙類を発酵させ、バイオガス
を発生させ、これを用いて発電等を行うことが可能
・100t/日未満の小規模施設でも発電が可能
・ CO2排出量が少ない
・バイオマス施設特有の臭気問題は焼却処理施設で
燃焼脱臭が可能
○課題
・焼却処理施設と一体化で整備された事例がない
・施設整備費及び維持管理費が割高である
・焼却後の残渣が多い
・運転に特殊技術を要する
2-(2)-③太陽光等の自然エネルギーを取り入れた施設
太陽光発電の設置例
風力発電の設置例
雨水利用の例
国土交通省
岡崎地方合同庁舎(H13.12 竣工)の雨水利用
○施設コンセプト
「環境」に対して、やさしく配慮され、みどりに溢れた施設づくり
雨水をトイレ等に使用している
2-(3)-①
焼却残渣等の有効利用方法の検討
第5回審議会(先進施設視察)吹田市
メタル
ブロック
スラグ
メタルは売却している
溶融スラグの利用方法
コンクリート
インターロッキングブロック
残渣の利用方法
大阪市東淀工場の場合は、焼却灰をふるいにかけて分級灰とその他の灰に分ける。
分級灰は埋立処分地内の路盤材として利用
分級灰
環境技術会紙 2011 第 142 号【(社)廃棄物処理施設技術管理協会】より抜粋
「大阪市環境局東淀川工場の稼働状況について」
○
焼却灰の粒度選別による有効利用
平成8年9月の厚生省の通達により、新工場建設に係る国庫補助金交付の条件
に原則として焼却灰及び飛灰のリイサイクル・減量化を図るための溶融固化設備
を設置することが付された。
そのため大阪市でも溶融固化設備並びに溶融スラグの有効利用方法について、
調査・研究を行ってきた。
しかし、溶融については多大な費用が必要であり、また溶融スラグの安定的な
有効利用先の確保が難しいなど多くの課題を有していたことから、他の手法の有
効利用についても検討を行なってきたところである。
東淀工場ではその検討の一つの答えとして、焼却灰においてダイオキシン類は
粒径の小さい部分(2mm 以下)に比較的高濃度に含まれていることが確認されて
いることから、焼却灰を分級し有効利用することとし、そのための設備を導入し
た。
分級灰とは、焼却灰をふるいにかけて粒度を2~37.5mm に調整したもので、薬
剤処理等の処理を行なわず安価に有効利用できる利点がある。
しかしながら、使用場所が限定され管理型処分場での使用を前提としている。
管理型処分場では焼却灰等の廃棄物を搬入するだけでなく、搬入車輌のための
仮設道路の路盤材や廃棄物の飛散防止のための覆土材を使用しているが、これら
を分級灰と置き換えることで、処分場の寿命を延ばすことができる。
これまでの検討より、分級灰中のダイオキシン類濃度は土壌の汚染に係る環境
基準より低く、重金属類の溶出量についてもフェニックス埋立地(大阪湾広域臨
海環境整備センター)のばいじん処理物受入基準より低いことが確認されている。
分級灰の用途については、廃掃法上の覆土材として利用するには問題が懸念さ
れ、1日の作業完了後に行なう即日覆土としても山土に比べ粒径が大きいことよ
り法面の崩落の恐れがある。そのため、路盤材として使用することとした。
サンプルテストから分級灰は鉄鋼スラグにくらべ物理的性状についてやや劣る
面があるが、鉄鋼スラグと混合して使用することで使用条件を満たすことができ
る。
条件としてはすりへり減量 50%以下、修正 CBR を 80%以上に設定した。
サンプルテストでは分級灰と鉄鋼スラグの混合比が1:1以上であれば、路盤
材としての使用に問題ないことが確認された。
なお、発生量の問題から分級灰の敷設試験を現在北港処分地で継続中であるが、
今のところ不具合は発生していない。
北港処分地では路盤材としての鉄鋼スラグを年間約 19,000 ㎥使用している。
一方、東淀工場では年間 14,800 ㎥の焼却灰の発生が見込まれ、そのうち分級灰
は年間約 6,600 ㎥の発生が見込まれる。
よって発生する分級灰を全て有効利用することができると思われる。
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