Comments
Description
Transcript
二国間交流事業 共同研究報告書
(様式4-1) 二国間交流事業 共同研究報告書 平成 25 年 4月 5日 独立行政法人日本学術振興会理事長 殿 共同研究代表者所属・部局 (財)レーザー技術総合研究所 理論•シミュレーションチーム (ふりがな) すなはら 職・氏 名 1. 事 業 名 相手国( 2. 研 究 課 題 名 フランス )との共同研究 あつし 砂原 淳 振興会対応機関( MAEE ) レーザー爆縮における流体不安定性の抑制による高密度プラズマ生成 3. 全 採 用 期 間 4. 平成 23 年 4月 1 日 ~ 平成 25 年 3月 31 日( 2 年 0 ヶ月) 5. 経 費 総 額 (1)本事業により執行した研究経費総額 初年度経費 1,000,000 円、 2,000,000 2年度経費 (2)本事業経費以外の国内における研究経費総額 円 1,000,000 円、 1,000,000 3年度経費 円 円 5.研究組織 (1)日本側参加者(代表者は除く) 氏 名 所 属・職 名 藤岡慎介 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 准教授 長友英夫 大阪大学レーザーエネルギー学研究センター 准教授 城崎知至 広島大学大学工学研究院 瀬戸慧大 大阪大学大学院工学研究科博士後期課程2年 石原和大 大阪大学大学院工学研究科電気電子情報工学専攻 准教授 博士前期課程1年 (2)相手国側研究代表者 所属・職名・氏名 ボルドー大学レーザー応用研究所(CELIA) シニア研究者 Philippe Nicolai (3)相手国参加者(代表者は除く) 氏 名 所 属・職 名 Marina Olozaval ボルドー大学レーザー応用研究所(CELIA)シニア研究者 Jerome Breil ボルボルドー大学レーザー応用研究所(CELIA) 研究者 Carlos Yanez Vico ボルドー大学レーザー応用研究所(CELIA) Ph D 学生 Virginie DREAN ボルドー大学レーザー応用研究所(CELIA) Ph D 学生 -1- 6.研究実績概要(全期間を通じた研究の目的・研究計画の実施状況・成果等の概要を簡潔に記載してくださ い。 ) 日仏両国の緊密な協力の下で、レーザーの初期照射不均一性の緩和及び流体不安定性の抑制による 高密度プラズマ生成の共同研究を行った。日本側は独自に考案した臭素添加ターゲット実験による流体 不安定性の抑制を提案し、フランス側も独自のフォームターゲットを使ったレーザーの初期照射不均一性 の緩和を提案した。両テーマ共、レーザー核融合の最重要課題の一つである高密度爆縮プラズマ生成に つながる手法として有望であり、物理機構や実験手法等多くの共通項と相補的な点が多く、両手法の共存 も可能である。我々は二国間交流事業の援助を受け、国際共同研究として両手法の研究を推進した。具 体的には実験や解析、計算機シミュレーションをお互いに研究者が訪問し、直接議論し合いながら研究を 進めた結果、2年間の研究期間内に多くの知見、成果を得る事が出来た。 以下に詳細を記す。 二年の事業期間の最初の1年、平成23年度は臭素添加ターゲット実験及びフォームターゲット実験の解 析を日仏両国で行った。解析は数値シミュレーションによる手法を分担し、日本側の流体シミュレーション を元にしてフランス側で臭素添加ターゲットの流体不安定性の成長率の評価を行うなど、それぞれの研究 チームの得意とする解析手法を駆使して相補的に進めた。これらの結果を平成23年5月にフランスから Marina Olazabal 博士と Philippe Nicolai 博士が来日して議論した。また大阪大学レーザーエネルギー学研 究センターにおいてセミナーを開催し、日本側チームの研究者及び若手研究者・学生を含む大阪大学、 レーザー総研の研究者との議論の場も設けた。レーザー核融合における流体不安定性、欧州特にフラン スにおける研究状況等や、研究以外の話題も含め、幅広い話題で議論する機会を持つ事が出来た。この 他、個別の物理議論を行った。また、臭素添加ターゲット実験の条件設定を決めるために両国で数値シミ ュレーション手法による予測を進めた。これら日仏両国の解析結果をつきあわせて流体不安定性抑制の物 理機構の理解を深め、物理モデルを改良するため、9月にフランスで開催された国際会議に合わせて日本 側から理論(砂原)、実験(藤岡)研究者それぞれ1名ずつ(計2名)をフランスに派遣し、フランス側チーム との議論を行った。この会合で、2012 年2月実施の臭素添加ターゲット実験の最終の打ち合わせとデータ 解析手法について議論した。数値計算法の国際会議(MULTIMAT2011)では日本側(砂原)、フランス側 (Breil)、それぞれ1名ずつが共同研究を進める重要なツールであるシミュレーション手法について発表した。 さらに慣性核融合とその応用に関する国際会議(IFSA2011)では日本側2名(砂原、藤岡)、フランス側 2 名 (Nicolai, Olazabal)が共同研究に関連した成果発表を行った。この9月の訪問で、昨年度のフォーム材料を 用いたターゲット実験についての成果をフランスの Nicolai 博士がまとめ、フォームによるレーザーの不均一 性の抑制や電離面の伝搬等の物理特性といった物理的理解の成果を11月に米国物理学会で発表した。 2012 年2月にはフランスから Philippe Nicolai 博士および Marina Olozabal 博士が来日し、大阪大学の激光 XII 号レーザーを用いて臭素添加ターゲット実験を共同で一週間行った。その結果、少ない臭素添加量で あっても流体不安定性が抑制可能であるとの非常に有益な結果を得た。実験と平行して実験及び解析デ ータの共有を図るとともに、解析シミュレーションコードのベンチマークや原子過程についての議論を行な った。平成24年度の 7 月には日本側1名(藤岡)がフランス LULI にて国際共同実験に参加した。また、11 月にはフランス側 2 名(Nicolai, Olazabal)が大阪大学を訪問し、フォーム実験を更にすすめた。さらに日本 側1名(砂原)がボルドー大学を訪問し、流体不安定性の抑制に関する解析結果を発表し、議論した。 -2-