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現場の顧客価値の最大化

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現場の顧客価値の最大化
技術白書
現場の顧客価値の最大化 :
最適化されたフィールド サービス管理ソリューションがサービス提供時に常に適切な人、部品、知識を届ける
初回修理完了 ̶ それがすべてのフィールド サービスにおける目
標です。そして、顧客価値を最大化する鍵でもあります。フィー
ルド サービスでトップクラスのパフォーマンスを実現するには、
現場での活動を明瞭に把握することができ、例外に柔軟に適応で
きる、最適化されたエンドツーエンドの管理が必要です。
ページ 1 / 10 | 技術白書
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リスク : 顧客価値、顧客満足度、顧客維持率
効果的なフィールド サービス管理の最も差し迫った
必要性が生じるのは、どのようなとき、どのような場所
でしょうか。通常はサービスそのものの提供時です。
医療機器を例にとってみましょう。たとえば、病院
の CT スキャナーや透析装置の修理や故障が長引けば、
深刻な損害につながりかねません。病院が装置の使用
料を請求できなくなるだけでなく、より重要なことに
は、患者の健康維持に影響します。
しかし、命に関わるような状況でなくても製品のダウ
ンタイムが大きな損害を生むことがあります。ホテル
のエレベーター、農家のトラクター、ファーストフー
ド レストランのソーダ ディスペンサなどのさまざま
な機器について考えてみてください。サービスのパ
フォーマンスに少しでも問題があれば、顧客は、それ
らの機械に求め期待する価値を十分に得ることができ
ません。
製品のダウンタイムが長引けば、その影響はますま
す拡大します。製品での顧客の体験の悪化とともに、
顧客の満足度が低下し、顧客との関係を維持し深める
チャンスを逃す可能性があります。
これまで当てにしてきた追加の製品販売とそれに伴う
サービス品質保証契約 (SLA) はどうでしょうか。より
積極的な競合他社にそれらを奪われることでしょう。
フィールド サービス管理に頻繁に問題が
生じる理由
サービス組織の目標は、すべてのサービス イベントに
ついて、初回で修理を完了させることです。フィール
ド サービス管理で重要なのは、サービス タスクの適
切な遂行のために、適切な場所に適切なサービス技術
者を適切なタイミングで派遣することです。また、適
切なサービス部品、ツール、情報も必要です。
フィールド サービスのアレンジメントを適切に行わな
い場合の代償は計りきれません。製品のアップタイム
の最大化は、サービス コストの最小化に役立つだけで
なく、顧客価値と顧客維持率を高めてサービスの収益
性を最適化するためにも必要です。企業の競争優位性
がそれにかかっています。
ページ 2 / 10 | 技術白書
また、最近の業界調査によると、トップクラスのサー
ビス プロバイダでも、全サービス派遣件数の 4 分の
1 近い 24% で 2 回目の訪問が必要になっています。
そのうち 42% は部品が入手できないこと、25% は
ニーズの診断が不適切であったことが原因です。また、
部品オーダーの 25% には無駄に複数の部品が含まれ
ています。これは、実際に必要な部品をサービス技術
者が正確に特定できないためです。1
こうしたサービスの非効率性の原因は何でしょうか。
一般に、その原因をたどると主に次のような要因に突
き当たります。
• フィールド サービス管理プロセスの断絶
• フィールド サービスの活動とリソースの可視性の
欠如
本当の意味で最適化されたソリューションがもた
らすもの
フィールド サービス リーダーにとっての課題は、サー
ビス品質保証契約に完全に従いながら、サービスの全
体的なコストを削減することです。これは、フィール
ド サービス技術者の生産性の向上や、スケジュールと
派遣に関する特定の問題の解決といったことだけでは
ありません。それよりも大きな視野が必要です。
今日の非常に複雑なサービス環境では、サービス プロ
セスを分断するサイロをなくす必要があります。幸い、
今、それを実現するツールが存在します。成功のため
には、フィールド サービス業務のプランニング、実行、
解析にサービス ライフサイクル管理の統合プロセスを
適用することが欠かせません。
全社規模の SLM 導入によって実現する、包括的でエ
ンドツーエンドのフィールド サービス管理ソリュー
ションは、詳細な製品情報から完全なサービス手順ま
でに至るすべてをフィールド サービス技術者に提供し
ます。管理機能は、戦略的なプランニング、サービス
部品の所在地特定、事後対応的または計画的なサービ
スのスケジュールなど、多岐にわたります。
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携帯デバイスを介した Web 接続は、有効なフィール
ド サービス管理ソリューションに不可欠です。顧客の
サービス ニーズがある限り、世界中のどこからでも、
フィールド サービス技術者がすべてのサービス知識に
簡単かつ即時にアクセスできる必要があります。
こうした方法により、労働力の活用という範囲を超え
てフィールド サービス管理を最適化することができ
ます。その効果は製品のアップタイムとサービス収益
の増加だけにとどまりません。フィールド サービス活
動の完全な可視化により、サービス リーダーは、顧客
の忠実度を脅かすものや、自社のサービスの優位性に
関するリスクを確認し、それらに対処することができ
ます。
さらに、フィールド サービス管理の最適化により、サー
ビス コール以前の製品パフォーマンスとサービス履歴
に関する詳細な情報が得られるようになります。その
結果、サービス チームは、顧客のニーズを予測して早
めに予防的メンテナンスを実施できます。
さらに、フィールド サービス管理の最適化により、サー
ビス コール以前の製品パフォーマンスとサービス履歴
に関する詳細な情報が得られるようになります。その
結果、サービス チームは、顧客のニーズを予測して早
めに予防的メンテナンスを実施できます。
多くの場合、こうした要因がメリットよりもデメリッ
トの多いサービス シナリオを生んでいます。
• コンタクト センターのサービス担当者が主に平均対
応時間で評価される場合、担当者はむやみに技術者
を派遣するよう手配するかもしれません。しかし、
診断にあと 5 分費やすだけで、不必要な派遣にかか
る数時間を節約できることが少なくありません。
• 少なくとも、もう少し時間と知識を費やして慎重に
診断を行うことで、コンタクト センターの担当者
は、フィールド サービス技術者に各派遣案件の準
備をしっかりさせることができます。また、場合に
よっては、顧客が問題に自分で対処できるようにな
り、技術者の派遣が不要になることもあります。
• 修理案件当たりの訪問回数で評価されるフィールド
サービス技術者は、製品の故障箇所を正確に特定で
きなかった場合の埋め合わせとして、多くの場合は
不必要に、複数の部品またはより大きなアセンブリ
を交換したいと考えがちです。
• サ ー ビ ス 情 報 が 古 い 場 合 や ア ク セ ス 不 能 な 場 合、
フィールド サービス技術者が、どの修理依頼に対す
る訪問なのかを適切に理解できなくなるかもしれま
せん。これでは、修理作業が発生しなかった訪問 ̶
不必要な訪問 ̶ がどのくらい発生しているのかを、
フィールド サービスの管理者が適切に把握するため
のフィードバック ループを確立できません。
• 必要なデータがないために、部品の設計変更の際に
部品計画担当者が、対応しなければならないものと
そうではないものを見分けられなくなります。初回
で修理を完了するには、部品の即納率を非常に高い
レベルに維持する必要があります。
手動による方法やポイント ソリューションでは
不十分な理由
問題が長引いた場合のパフォーマンスへの影響
しかし、今日の多くのサービス組織にとって、フィー
ルド サービス管理の最適化は依然として現実性の薄
い目標です。理由はさまざまです。企業の断片化した
サービス ネットワークが混乱を生んでいる。イニシア
チブ間の競合が原因で、サービス チームの作業に不
整合が生じている。パフォーマンス向上のために必要
な最新の製品情報やサービス情報の可視性が低いこと
が、チーム間のコラボレーションの妨げとなっている。
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多くの組織は、大半が手動のプロセスでフィールド
サービス管理の効率化を試みています。スプレッド
シートを作成し、手順のリストを配布して、急いで書
かれたレポートを集め、主に電話と電子メールで伝達
を行っています。ほかの組織は、自動化を進めて、既
存の CRM または ERP システムにアドオンを導入し
ています。
しかし、アドホックの方法、時代遅れのレガシー シス
テム、複数の異なるデータベースに頼っていては、エ
ンドツーエンドのフィールド サービス管理における課
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題に対処するのに限界があります。せいぜいできるの
はポイント ソリューションの導入です。サービス情報
は、完全に統合されたソリューションを通じて社内全
体で共有されるのではなく、サイロ化されたままです。
現場では、リアルタイムのサービス ステータスをほと
んどまたはまったく把握できません。
このため、フィールド サービス マネージャが抱える
問題は未解決なままです。
• 手動のプロセスが絶えず必要とされる場合、派遣ミ
スが頻繁に発生し、サービス イベントの追跡がしば
しば不完全または不正確になります。
• 部品の手配可否を把握できないため、フィールド
サービス技術者が適切な部品を車に積まずに顧客の
サイトに出向くことが頻繁にあります。
• サービス タスクに応じてその分野の適切なスキル
を持つ技術者を派遣するのが困難になります。サー
ビス技術者が効率的に動けるように調整するのは、
ほぼ不可能です。
• 事後対応的なサービスのスケジュールと計画的な
サービスのスケジュールのプロセスが大きく異なる
と、サービス リソースの配分を最適化することがで
きません。
• サービス ステータスの最新情報が得られないと、
顧客のサービスの必要度と緊急度の違いに合わせて
サービス内容を調整する能力が制限されます。
破損修理サービスと計画的なサービス イベントの
調整が難しい、サービス スタッフの稼働状況の不
均衡、サービス ステータスを追跡してサービス デー
タを効果的に収集することができない、技術者数に
対する派遣手配担当者の比率が業界平均を上回る、
サービス パフォーマンスが期待に及ばないために
収益が落ち込む、といったものです。
• サービス収益を得る機会の喪失。SLA に従った一
貫した予測可能なパフォーマンスが提供されない
と、契約が更新される可能性が大幅に低下します。
より高額な部品、アクセサリ、アップグレードを永
遠に販売できなくなる可能性もあります。フィール
ド サービスを新しい地域や市場に拡張することも
できません。プロセスが手動で拡張が難しい場合は
特にそうです。
フィールド サービスのバランスの
取れたパフォーマンス測定
サービス組織がトップクラスのフィールド サービスを
顧客に提供するには、変化し続けるサービスのビジネ
ス環境の下、先を見越して柔軟に行動する必要があり
ます。計画的なサービス活動 ( 主に、設置、維持、更
改 ) と、必要に応じて行う破損修理、複雑なプロジェ
クト、間接的な作業、日常的なサービス ニーズのバラ
ンスをとるには、機敏性が鍵となります。
フィールド サービスの管理が不十分だと、メーカーの
業績に深刻な影響を与えます。最も影響が出やすい領
域は次のとおりです。
フィールド サービス マネージャにとっての目標は、
フィールド サービス技術者の仕事の効果的な計画、
監視、派遣、および最適なスケジュール設定です。そ
の対象は、労働力の活用 ( 派遣の問題の解決など ) と
いった比較的狭い領域内にとどまりません。真の意味
で最適化されたフィールド サービス管理ソリューショ
ンは、次のような能力を提供します。
• 顧客価値と顧客満足度の低下。一般にはサービス部
• 派遣回避率とフィールド サービスの初回修理完了率
不適切なサービスが企業に与える影響
門が、製造メーカーと顧客との直接の窓口になりま
す。初回修理完了率の低下によって、ブランドの資
本価値も低下します。さらに悪いことには、フィー
ルド サービスの管理力の不足によって SLA 違反が
生じます。サービス組織は、いつ、どこで、どのよ
うにフィールド サービスを改善すべきかを見極め
て、リスクのある派遣を最小限に抑えるチャンスを
失うかもしれません。
• 高コストで低利益のサービス。非効率的なフィール
ド サービス管理がもたらす負担はたちまち増大し
ます。その影響は次のような形で現れます。サービ
ス修理案件当たりのサービス コール数が多すぎる、
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を考慮しながら平均的な処理時間を評価するバラン
ス スコアカードで、コンタクト センターのパフォー
マンスを測定します。このようなビジネスに即し
たインセンティブにより、コンタクト センターは、
電話でより多くの問題を解決し、有意義な診断情報
で派遣者の準備をより整えるために、十分な時間を
とることができるようになります。
• 修理案件あたりの訪問回数と返品部品の障害未検出
率を含むバランス スコアシートで、フィールド サー
ビス技術者を評価します。これらの評価は、部品倉
庫内の混乱を減らし、部品計画担当者による過剰在
庫削減の取り組みに寄与します。
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サービス オプションの強化によるサービスの
価値の拡大
最適化されたフィールド サービス管理ソリューション
を使用すると、サービス チームは次のことも実現でき
ます。
• より低コストのサービス手法の使用の強化。サービ
スの現場実施以外にも選択肢はあります。現場以外
でのサービス提供方法として、リモート サービス、
顧客自身によるセルフサービス ( 自己診断や自己修
理 )、コンタクト センターとの電話やメールのやり
とりによる素早い問題解決などがあります。これら
が、サービス派遣件数を最小化し、サービスのトリ
アージの必要性を減らすとともに初回修理完了率を
高めるために役立ちます。
• サービス部品チェーンの価値の拡大。効率性を実
現するには、現場の技術者が問題を正確に診断し、
必要な交換部品をすばやく特定する必要がありま
す。さらに、入手可能な最良の部品を即座に見つけ
られる必要があります。初回で適切な部品を取得す
ることが、すべてのフィールド サービス イベント
で目標となります。
• 特定の条件に基づく予防的メンテナンス。製品の
サービス履歴がわかっていると、顧客にとって差し
迫ったサービス ニーズを特定することができます。
また、機械があまり利用されていないことを現場の
技術者が発見した場合にも役立ちます。そのような
場合、顧客が目標とする製品利用率、処理量、価値
が常に達成されるように、サービス組織は、先を見
越してトレーニングやその他のサービスを提供する
ことができます。
を手助けする統合ソリューションを使用した場合に、
サービス リーダーは業務の有効性と効率性を最も高め
ることができることです。そうしたソリューションの
主な機能は次のとおりです。
• 事後対応的なスケジュール設定と派遣。これによっ
て、必要なサービスを提供するために、適切な部品
とスキルを持つ適切なエンジニアを適切なタイミン
グで派遣することができます。現場まで詳細な道順
の指示と、広範な GPS 追跡機能を利用できます。
• 計 画 的 な サ ー ビ ス の ス ケ ジ ュ ー ル 設 定。 単 一 の
フィールド サービス管理環境内で、これを事後対
応的なスケジュール設定と組み合わせます。これに
よって、サービス リーダーは、顧客のサービス品
質保証契約 (SLA) に従った最適なリソース利用を実
現するための計画をより効果的に行えます。
• 部品ロケータ。部品の手配可否をすばやく簡単に判
断できます。現場への派遣と直接連携したこの機能
は、初回修理完了率の向上とサービス例外の削減の
ためには欠かせません。
• 顧客のステータスの追跡。企業の営業担当者だけで
なく、顧客もサービス チケットの最新ステータス
を確認できます。これにより、サービス提供に関す
るより正確な情報が提供されるため、顧客満足度が
高まります。もう 1 つのメリットとして、サービス
組織のオーバーヘッドが減少します。
• 改善のために必要な深い理解の獲得。すべてのサー
ビス イベントが、製品とサービスのパフォーマン
スに関する有用なデータを収集して解析するチャン
スとなります。この情報は、サービス リーダーが
フィールド サービス活動の継続的な調整のための
計画を立てる際に役立ちます。エンジニアリング部
門も、製品設計の変更に役立つ重要な情報を得るこ
とができます。
最適化されたフィールド サービス管理の
主要な機能
PTC では、大手メーカーの製品開発とサービスのプロ
セス改善を数十年にわたってお手伝いしてきた経験か
ら、フィールド サービス管理の最適化の主要な成功要
因を特定しました。経験からわかったのは、フィール
ド サービスの複雑なロジスティクスのプランニング、
リソースの戦略的な優先順位付け、業務の厳密な監視
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場所を問わずに、人、部品、知識を連結
統合されたフィールド サービス管理ソリューションに
は、次のような機能も必要です。
• 最新のサービス情報への即時アクセス。フィールド
サービス マネージャには、サービス提供時にその
場ですぐに顧客の問題を診断し解決するために必要
な、製品とサービスに関する情報を、すべての現場
の技術者が持っているという確信が必要です。サー
ビス技術者が、サービス部品、技術仕様、サービス
手順を複数のソースで検索するために時間を無駄に
費やすことがあってはいけません。すべてのサービ
ス情報を一元化し、最新かつ正確な情報に簡単にア
クセスできるようにすることで、フィールド サー
ビス技術者の生産性が高まり、初回修理完了率が向
上します。これは、顧客の満足を得るための鍵とな
ります。
• リアルタイムの監視。フィールド サービス マネー
ジャは、コマンド センターのダッシュボード ビュー
を通じて、すべてのサービス コールの現在のステー
タスを単一の画面で絶えず追跡できる必要がありま
す。例外による自動アラートと管理は、サービスの
義務が果たされていることを確認するために役立ち
ます。傾向分析とレポートにより、その場でサービ
ス パフォーマンスをレビューできます。これによ
り、マネージャは、予期しないサービス ニーズに
すばやく対応し、リソースを効率的に再分配するこ
とができます。その結果、顧客満足度と企業のサー
ビスの競争優位性が維持されます。
• 高い機動性と可視性。統合されたフィールド サー
ビス管理ソリューションは、ラップトップ、タブレッ
ト、スマートフォンなどの HTML5 対応デバイス上
に展開できる必要があります。これによって、コー
ル センター、支店、本店のすべてのフィールド サー
ビス担当者が、現在のサービス ニーズとリソース
を即座に把握することが可能になります。
• サービス データの容易な取り込み。技術者は、現
場で顧客のサービス問題を解決すると同時に、サー
ビス イベントから製品とサービスのパフォーマン
ス情報を簡単に取り込んで、統合されたフィールド
サービス管理ソリューションにフィードバックでき
る必要があります。これは、フィールド サービス
マネージャが将来のニーズに対する計画を立てるた
めに役立つだけでなく、企業の経営幹部に、製品設
計とサービス提供プロセスの改善のための重要な洞
察を提供します。
ページ 6 / 10 | 技術白書
このように、統合されたフィールド サービス管理ソ
リューションは、フィールド サービスのパフォーマン
スを最適化するために必要な人、部品、知識を連結し
ます。部品のアベイラビリティがリアルタイムで示さ
れるため、現場の技術者のスキルと、部品の集荷地と
配送先の詳細なロジスティクスを対応させて、リソー
ス配分を改善することができます。
完全な最適化ソフトウェア内での例外付きの
自動化
この技術白書では、ここまで、サービス リーダーが
フィールド サービス管理を最適化するために役立つ統
合ソリューションに必要な機能を紹介してきました。
それでは、適切なテクノロジ ソリューション プロバ
イダを選択するには、どうすればよいのでしょうか。
主要な評価基準が 3 つあります。
1. 選ばれたソリューションは、サービスのルーティン
グ ( 実際に派遣するフィールド サービス技術員の手
配 ) が高度に自動化されている必要があります。
数多くのベンダーがフィールド サービス最適化ソフ
トウェアを提供していますが、パッケージの設計と実
装はそれぞれ大きく異なります。よくある間違いは、
自動化への注力が不十分なソリューションを選択する
ことです。自動化されたルートを多数の派遣手配担当
者が自由に上書きできるようなソリューションに移行
すれば、自動化ソフトウェアのメリットが大幅に低下
します。例外を把握できない場合は、さらに効率が下
がります。
例を示しましょう : 最適化ソフトウェアによって示さ
れたルートを、派遣手配担当者が実際の条件に合わせ
て手動で調整しなければならない場合、そのソフト
ウェアは本当の意味でその作業を行う能力があるとは
言えません。多くの場合、こうした手動の調整によっ
て、最適ではないルートが作成されます。したがって、
そのようなソフトウェアの代わりに、派遣手配担当者
が簡単に例外に対応でき、自動的な最適化のメリット
も十分に得られるソリューションを探すべきです。
2. 選 ば れ た ソ リ ュ ー シ ョ ン は、 サ ー ビ ス 最 適 化 ソ
リューション全体の一部となる必要があります。
広範なソフトウェア製品を持たないベンダーからスタ
ンドアロンのルーティング エンジン を購入した場
合、多数のカスタマイズされたアドオンを延々と開発
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していかなければならなくなります。そのような寄せ
集めの方法でプロセスを完全に最適化できることは滅
多にありません。したがって、そのようなソリュー
ションではなく、機動性、部品のロジスティクス、
GPS 追跡、イベント管理などが統合されたソリュー
ションを求める必要があります。これによって、ビジ
ネス上の価値をより短期間で実現できます。
例 : 最適化ソフトウェアによってルートが決定された
ら、それをすぐさまフィールド サービス技術者に送る
必要があります。統合されたモビリティ モジュールで
はそれが可能です。ダイナミック ディスパッチでは、
更新情報を最適化ソフトウェアに送り返すモビリティ
ツールが、サービス組織がスタンドアロンのルーティ
ング ソフトウェアで可能なよりも高いレベルの自動化
と効率性の実現を手助けします。さらに、統合スイー
トが、破損修理のためのディスパッチ、部品のプラン
ニングとロジスティクス、イベントの監視、知識管理
をすべて使いやすい 1 つのフィールド サービス管理ソ
リューションで提供する場合、ユーザーは、サービス
チャネルの壁を超えた総合的で協調的な問題解決のメ
リットを享受できます。
3. 選ばれたソリューションによって、例外管理のタス
クが簡略化される必要があります。
多くのサービス組織は、理由もわからないまま、自動
的なスケジュール設定が不可能だったフィールド サー
ビス イベントの精査に時間をかけすぎています。残念
ながら、フィールド サービス最適化ソフトウェアで
フィールド サービス マネージャがドラッグアンドド
ロップ インタフェースを使用して例外を手動で処理す
る必要がある場合は、これは普通のことです。
対照例 : 例外を明瞭に把握できるソフトウェアで
は、ルーティングを完全に自動化できない場合でも、
フィールド サービスの効率性が高いレベルで維持され
ます。真の最適化を実現するには、ルーティングの自
動化を第一の目的として、例外ケースの解決への明確
なパスも同時に示されるようなフィールド サービス管
理ソリューションを設計します。これにより、派遣手
配担当者と技術者の比率が 1 対 10 か 1 対 100 かとい
う違いが生じます。サービス リーダーが潜在的に節約
可能なコストを理解するのに詳細な計算は必要ありま
せん。
最適化されたフィールド サービス管理に
よってのみ実現可能な競争力
サービス リーダーはフィールド サービス管理を改善
する必要性を認識していますが、本当の意味で統合さ
れたソリューションの規定、設計、導入の課題は依然
として未解決のままです。適切なソリューションを導
入すれば、トップクラスのフィールド サービスを顧客
に提供する能力と柔軟性を確実に手にすることができ
ます。製品のコモディティ化が進む一方の成熟市場で
は、これは、顧客価値と企業の利益を高めるための鍵
となります。
成功の公式は非常に簡単 : 完全に統合されたフィール
ド サービス管理ソリューションによってフィールド
サービスのパフォーマンスを最大限に最適化すること
で、製造メーカーは、競争で一歩先を行き、収益を増
やす最大のチャンスを手にすることができます。
フィールド サービス管理におけるビジネス上の
課題
カスタマー
サービスで十
分な成果が得
られない
高いサービス
コスト
低いサービス
収益
初回修理完了
率が低い
フィールド サービ
スの生産性が低い
契約更新率が
低い
誤った診断
無駄なサービス
コール
より高額な商
品を販売する
機会の喪失
不適切な部品
と技術者
サービス部品が見
つからない
新しいサー
ビスの欠如
部品が手に入
らない
高い保証コスト
アップグレー
ドする機会の
喪失
問題のある
サービス提供
障害未検出率が
高い
問題解決に時
間がかかる
スタッフの稼働率
が低い
技術者の派遣率が
高い
SLA のペナルテ
ィの不履行
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フィールド サービス管理の最適化を後押しする力
目標は、すべてのサービス イベントにつ
いて、初回で修理を完了させることです。
しかし、トップクラスのサービス プロバ
イダでも、全サービス派遣件数の 4 分の
1 近くで 2 回目の訪問が必要になってい
ます。
労働力の活用という範囲を超えてフィール
ド サービス管理を最適化することができ
ます。現場作業の可視化により、顧客の
忠実度を脅かすものやサービスの優位性の
リスクを責任者が確認できるようになり
ます。
フィールド サービスのパフォーマンス向
上のために必要な最新の製品情報やサービ
ス情報の可視性が低いことが、チーム間の
コラボレーションの妨げとなっています。
事後対応的なサービスのスケジュールと計
画的なサービスのスケジュールのプロセス
が大きく異なると、フィールド サービス
のリソース配分を最適化することができま
せん。
計 画 的 な サ ー ビ ス 活 動 ( イ ン ス ト ー ル、
メンテナンス、アップグレード ) と、破損
修理、複雑なプロジェクト、間接的な作業
のバランスをとるには、機敏性が鍵となり
ます。
フィールド サービス管理の最適化により、
リモート サービス、セルフサービス、コ
ンタクト センターからの電話または電子
メールによる問題解決など、より低コスト
のサービス手法の使用が強化されます。
300 のサービス組織を対象に最近実施されたアンケー
ト調査の結果から、サービス リーダーがフィールド
サービス管理プロセスを改善する動機となる 4 つの主
な要因が明らかになりました。
1. スタッフの生産性と利用率を引き上げる
必要性 ̶ 67%
2. 資産のアベイラビリティの改善とサービス対応の
迅速化を顧客が要求 ̶ 61%
3. サービス収益の新しい機会を開拓する
必要性 ̶ 53%
4. 競争の圧力 / 差別化の必要性 ̶ 44%
情報源 : Field Service 2011: Key Trends in Workforce Management, Aberdeen
Group, January 2011
初回修理完了率と顧客満足度への影響
平均的な結果
指標
初回修理完
了率 < 50%
初回修理完
了率 < 80%
初回修理完
了率 > 80%
顧客満足度
46%
64 %
87%
顧客維持率
60%
68%
88%
サービスの
利益率
23%
28%
29%
パターンは明らかであり、衝撃的です。初回修理完了
率の高いフィールド サービス組織は、より多くの顧客
の満足を得て、より多くの顧客を維持できます。その
結果、サービスで得られる利益が増大します。
情報源 : Fixing First-Time Fix: Repairing Field Service Efficiency to
EnhanceCustomer Returns, Aberdeen Group, March 2013
部品のアベイラビリティをすばやく判断で
きます。現場への派遣と直接連携したこの
機能は、初回修理完了率の向上とサービス
例外の削減のためには欠かせません。
Web 主導のプラットフォーム内にフィー
ルド サービス管理ソリューションを実装
することで、成長に対応できる堅牢な機能
と高いスケーラビリティを実現できます。
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最適化されたフィールド サービス管理に
必要なもの
主要なサービス指標を監視し、問題にリアルタイムで
早めに対処
フィールド サービス マネージャのニーズ
最適化がフィールド サービス管理に
もたらすメリット
• 単なるツールキットではない、本当の意味で統合さ
れたソリューション。複数のプロセス間の調整を行
い、エンドツーエンドのサービス管理がもたらす価
値を高めます。
• フィールド サービスで最良の結果を出すための事前
のプランニングの能力。初回修理完了率を高めると
同時に新しいニーズにすばやく対応します。また、
ただちに改善可能な領域に注目します。
• より迅速に、より多くの成果。適切な部品とスキル
を持つ適切な技術者を適切なタイミングで適切な
場所に派遣することで、サービス応答時間を短縮し
ます。
• リソースのより効率的な利用。破損修理と計画的な
サービスへのリソース配分を最適化するとともに、
ニーズの変化に応じてリソースをすばやく移動でき
るようにします。
• フィールド サービスの全体的なパフォーマンスを高
める必要性。モバイルなディスパッチ、追跡、監視
によって現場の活動を詳細に把握できることで、迅
速な展開が可能になります。
企業レベルの優先事項
最適化前 ̶ 現場での業務を事後対応によって管理し
ていたため、技術者、部品、知識のアベイラビリティ
に大きく左右されていました。
最適化後 ̶ 破損修理とプロジェクトベースの両方の
フィールド サービス シナリオでの最適なリソース配
分のプランニングとスケジュール設定が事前に行われ
ます。
この変化によって、次のような有益なメリットが実現
しています。
• フィールド サービス エンジニアの生産性が
10 ∼ 24% 向上
• 診断の改善によってリモート修理が 30 ∼ 50% 増加
• 技術者の車での移動時間が 15% 減少
• 間接的な時間が 25% 減少
• 派遣手配担当者 / 管理者の生産性が 50 ∼ 80% 向上
• 初回修理完了率が 10 ∼ 25% 向上
• サービス コマンド センターからフィールド サービ
フィールド サービス管理の成功事例
• フィールド サービス スタッフに、仕事を成功させる
EMC2 社、部品のアベイラビリティとサービスの
生産性を向上
ス業務全体を一望できること
ためのデータと部品を供給すること
• フィールド サービスのパフォーマンスを向上させる
最良の機会がどこに存在するか理解すること
• ブランドの保護と将来のビジネスの成長のために、
より良いカスタマー サービスを保証すること
最適化されたフィールド サービス管理ソリュー
ションのワークフロー
人、部品、知識のプランニングと展開を自動化
サービス ネットワーク全体にわたるリアルタイムのコ
ラボレーションをサポート
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EMC2 社は、データのバックアップと回復のための最
先端のストレージ ハードウェアにより、顧客のクラウ
ド コンピューティングへの移行を手助けしています。
2,000 人を超えるフィールド サービス技術者が 80 カ
国以上で顧客にサービスを提供しています。同社では、
複数のプロバイダの製品をサポートしています。
EMC2 社のフィールド サービス管理ソリューションで
は、スケジュール設定とディスパッチが部品のプラン
ニングおよび部品ロケータと統合されています。この
システムの導入により、フィールド サービス技術者の
生産性は 25% 向上し、計画担当者の生産性は 40% 向
上しました。現在は、98.5% という部品在庫保有率を
達成しています。EMC2 社では、必要な在庫が減った
ことで、部品の発注と輸送のコストが減少しました。
高コストな同日輸送が 25% 減りました。
PTC.com
技術白書
ThyssenKrupp Elevator 社、フィールド サービスの
トップクラスのサービス組織におけるフィールド
サービス管理の最適化
ThyssenKrupp Elevator 社では、2,700 人を越える
認定技術者が北米の 170 カ所以上の拠点からリモート
• トップクラスのサービス組織は、顧客が期待する応
答時間を全ケースの 92% で達成しています。これに
対し、その他の組織では 72% です。
管理を強化
サービスおよびオンサイト サービスを提供していま
す。高層オフィス ビルや空港からカジノ ホテルまで
に至るさまざまな施設で、顧客のエレベータが 365 日
24 時間稼働できるようサポートしています。
ThyssenKrupp 社では、最近、フィールド サービス
担当者のモバイル通信デバイスをアップグレードした
際、フィールド サービス管理用の社内のレガシー シ
ステムを新しいソフトウェアに置き換えました。新し
いソフトウェアは、プランニングとスケジュール設定
の高度な機能を備えており、リアルタイム ディスパッ
チやダイナミック更新が可能です。サービス マネー
ジャは、フィールド活動や SLA コンプライアンスを
より詳細に把握できるようになり、さまざまな指標に
基づいてサービス パフォーマンスを評価することがで
きます。
最適化されたフィールド サービス管理ソリュー
ションの仕様チェックリスト
現在のフィールド サービス管理システムは、本当の意
味で最適化されたソリューションの要件を満たしてい
るでしょうか。提案されたソリューションを評価する
際に、次のリストで確認してください。
• トップクラスのサービス組織ではスタッフの稼働率
が 79% です。その他の組織では 64% です。
• トップクラスのサービス プロバイダの初回修理完了
率は平均 89% です。その他のプロバイダが初回で修
理を完了できるのは、全体の 71% に過ぎません。
• ト ッ プ ク ラ ス の 組 織 で は、 ス タ ッ フ の 生 産 性 が
毎年 11.4% 向上しています。その他の組織ではわず
か 3.7% です。
出典
Fixing First-Time Fix: Repairing Field Service Efficiency to
Enhance Customer Returns, Aberdeen Group, March 2013
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J2643–SLM-FSM–WP–JA–0913
• ネットワークを越えた可視性とグローバルな機動性
• 戦術的な機能と連携した戦略的なプランニング
• 部品、人、知識の統合
• スケジュール設定時に部品のアベイラビリティを
考慮
• 例外に対応可能な自動ディスパッチ
• 在庫の更新を伝える部品ロケータ
• 組み込みの指標、レポート、解析
• Web ベースのシステム アーキテクチャと配布
• 財務ステータスの安定したソリューション プロバイ
ダの後ろ盾
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