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18倍ズームと36倍ズーム:どちらが高性能

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18倍ズームと36倍ズーム:どちらが高性能
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18倍ズームと36倍ズーム:どちらが高性能?
18倍ズームと36倍ズーム:どちらが高性能?
セキュリティカメラの世界では、18倍ズームが36 倍ズームに匹敵する場合があります。
具体的には、18 倍光学ズームを搭載した高解像度セキュリティカメラを監視目的で使用する場合、標準的な解像度、すな
わちズーム能力が2倍
(36 倍ズーム)の4CIFカメラの画像と遜色がないか、より有用な画像を得ることができます。
下の写真を比べてみてください。
図1は、4CIF 解像度
(704×480ピクセル) のパン/チルト/ズーム (PTZ) カメラの36 倍ズームイン表示です。
図3は、解像度1,280×720ピクセルのHDTV 720p PTZカメラの18倍ズームイン表示です。
図1:36倍ズーム搭載4CIFカメラの最大ズーム表示
図2:左の画像の一部を切り取って表示したもの
図3:18倍ズーム搭載 HDTV 720pカメラの最大ズーム表示
図4:左の画像の一部を切り取って
表示したもの
この例では、画素分解能はほぼ同じで、新聞名なども判読できます。
しかし、HDTVカメラでは、半分のズーム能力で標準的な解像度のカメラと同様に細部まで表示することができます。
ここが重要なポイントですが、HDTVカメラは視野が広い
(16:9) ので、細部の画質を損なうことなく、より広い範囲を監視す
ることができます。4CIFカメラの画像 (図1) では画面に見えるのは一人だけですが、HDTV 画像では、複数の人を写し出し、
新聞の文字などの細部も表示することができます。つまり、2つのカメラは詳細度という点では同等でも、HDTV
720pカメ
ラの方がより多くの情景を画面に写し出すことができるため、監視用途では有利です。また、ズームインモードでの視野が
広いため、カメラをパンしたり、チルトしたりする間に人や物体を見失うリスクが低く、追跡をより容易に行うことができ、
高い信頼度を実現することができます。
では、18倍ズームカメラは、どのようにして36 倍ズームカメラと同等の詳細度を実現しているのでしょうか?
一般には、レンズのズーム比が高いほど情景を拡大する能力が高く、より細部まで見えると考えられています。
しかし、上の例が示すように、必ずしもそうとは限りません。
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ズームレンズは複数のレンズを組み合わせたものであり、焦点距離を変えることができます。焦点距離が長くなると倍率は
大きくなりますが、それに比例して画角が狭くなります。
通常、レンズのズーム能力は、レンズの最大焦点距離と最小焦点距離の比率で表されます。たとえば、焦点距離が50mm か
ら200mmまでのズームレンズは4 倍ズームレンズまたは4:1ズームレンズと呼ばれます (別の視点から見ると、このレンズ
でズームを最大にすると、画角は最大広角の約1/4 になります) 。したがって、2つのレンズのズーム比が同じであっても、焦
点距離が異なれば望遠効果が異なり、両者の性能が大きく異なる可能性があります。さらに、レンズのズーム比が大きくて
も、必ずしも望遠効果が大きくなるとは限りません。たとえば、焦点距離が15mmから150mmまでのレンズ、すなわち10 倍
ズームレンズは、実際には焦点距離が50mmから200mmまでの4 倍ズームレンズより望遠性能が低いのですが、これは、焦
点距離 200mmのレンズの方が焦点距離150mmのレンズよりも望遠効果が大きいことによるものです。
しかし、ズーム比の場合と同様、単純に焦点距離だけで望遠性能を判断すると誤解が生じる可能性があります。
前述の画像サンプルを作成するときに使用した4CIFカメラの方が HDTV
720pカメラより焦点距離は長いのですが、ズーム
イン画像の詳細度が両者同等だったのはなぜでしょうか?
ワイドモードのとき、つまり、焦点距離が最小 (ズームなし) のときの両方のカメラの画像を見てみましょう。下の写真を比べ
てみてください。
図5:4CIFカメラのワイドビュー
図6:左の画像の一部を切り取って表示したもの
図7:HDTV 720pカメラのワイドビュー
図8:左の画像の一部を切り取っ
て表示したもの
どちらも視野はほとんど同じです。しかし、HDTVカメラの方が解像度が高く、色忠実度に優れていることはすぐにわかり
ますし、シャープで鮮明な画像であり、細部もしっかりと表示されています。
一部を切り取った画像 (図 6と図 8)を比べてみてください。スコアボードに表示された数字は、HDTVカメラの画像では判読
できますが、4CIFカメラの画像ではほとんど読めません。
これらの画像からわかるように、ワイドモードでは、HDTVカメラの方が 4CIFカメラよりずっと細かい部分まで表示すること
ができます。実際、HDTVカメラでは、同じ視野のピクセル数が約 2 倍になっています。遠隔 (フルズーム)モードでは、HDTV
カメラと4CIFカメラは詳細度はほぼ同じですが、視野の広さではHDTVカメラの方が優っています。
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これらの結果からわかるように、ズーム比だけでカメラの拡大能を比較すると誤解が生じる恐れがあります。
この例が示しているように、カメラのピクセル解像度を考慮に入れることが重要です。
標準的な4CIFカメラに比べ、1,280×720ピクセルのHDTVカメラでは、フレーム当たりのピクセル数が2 倍から3 倍になり
ます。ズーム機能を制限された場合でもHDTVカメラが高い性能を発揮することができるのは、ピクセル解像度が高いから
です。実際、高解像度PTZ カメラは、前述のHDTVカメラの例のように、4CIFカメラと同じ視野を維持しつつ高い詳細度を実
現する、または、標準的なカメラと同等の詳細度で広い視野を得る、という2 通りの方法で使用することができます。
しかし、画像品質はピクセル解像度だけで決まるものではありません。レンズの解像力や総合品質、ドームカバーのガラス
の特性や品質といった他の要素にも左右されます。また、情景中の動きや高速で移動する物体を容易に目視、捕捉できる
よう、フルフレームレートでビデオストリーミングが可能なことも重要な要素です。
解像度、フレームレート、色忠実度、アスペクト比がSMPTE 規格に準拠したHDTVカメラであれば、細部が鮮明な高い画像品
質を実現することができます。
結論として、HDTVネットワークカメラは、監視に関する厳しい要求に半分のズームで応えることができ、一見能力が低いよう
に見えても、他に勝る能力を発揮することが実証されました。
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40464/JP/R1/1009
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2010 年 9月現在のものです。
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