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Weekly Outlook
投資情報部
2015 年 9 月 3 日(木)
Weekly Outlook
週刊投資情報
CONTENTS
1. 日本株見通しとポイント~株価の底割れの可能性は低い ....................................2
2. 米国株見通しとポイント~利上げ時期への不透明感残る ....................................3
3. 円相場見通しとポイント~今週末の米雇用統計とG20に注目 .............................4
4. 国内経済動向~生産動向は緩やかな回復というよりは一進一退 .........................6
5. 新興国市場・経済動向 ........................................................................................8
6. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移 .......................................................12
7. 今週のストラテジー・セレクション .......................................................................13
8. 米国株式~株価下落局面での投資戦略 ...........................................................14
9. 来週・再来週の主なスケジュール ......................................................................15
1
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
No.220
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
1.日本株見通しとポイント~株価の底割れの可能性は低い
日本株担当: 長谷川 浩
日米欧の主要株式市場は8月中旬からの急落後、足元ではいったん底打ちしたとみられるものの、引き続き
値動きの荒い相場展開が続いている。一方、行き過ぎた株価の下落によりバリュエーション面から日本株の
割安感が意識される水準となってきた。株価急落時の値動きは投資家の不安心理を色濃く反映している可
能性が高い。足元の値動きは97年1月の急落局面とその後の値動きと類似しており、参考になろう。
 大幅下落後の荒れ相場が継続
 97年1月の急落後の動きと類似
8月26~28日にかけて海外株式市場の上昇とともに
1,300円幅の戻りを見せた日経平均だが、今週に入ると
取引時間中に乱高下しつつも9月2日まで3日続落。中で
も9月1日には前日比724円安となるなど、引き続き荒い
相場展開となっている。ボラティリティの高さから様子見
を決め込む投資家も増えている模様で、東証1部売買代
金は8月31日~9月2日にかけて3兆円割れが続いた。
97年1月当時の日本経済は、96年半ばから景気回復
が本格化し、民間需要中心の自律的回復過程に移行
しつつあった。夏以降は大型倒産等で景気が悪化して
いくことになるが、1月当時はそこまでの悪化を相場はま
だ織り込んでいなかった。今回は中国景気悪化懸念が
あるものの、日米をはじめとした先進国経済に深刻な影
響をもたらすまでには至らないとみられる。今期企業業
績は2ケタ増益が予想される一方、TOPIXの予想PERが
足元で13倍台 (※) まで低下するなど株価に割安感も出
始めており、株価底割れ回避のサポートとなろう。
 投資家心理から相場の先行きを占うと
8月25日にかけて日経平均は急落した。このように値
動きの激しい場面では、日々の値幅の大きさや騰落のリ
ズムは、ともすれば短期的な投資家心理の変化やテク
ニカル的な価格の節目の有無に左右される面が大きい。
マスコミ等の論調をみると、8月末にかけての急落場面
では比較的楽観的なトーンのコメントが目についた印象
がある。実際、8月25日の急落時には東証1部売買代金
が4兆9000億円まで急増し、個人投資家を中心とした押
し目買いがかなり入ったものとみられる。しかし、9月1日
の日経平均724円下落の局面では同売買代金が3兆円
割れとなったことに象徴されるように、買い方としては少
し様子を見たい、という心理になっていると推測される。
相場は大多数の投資家が楽観視している間は底入れ
しないものだ。そういう点で、9月1日の大幅下落で売買
代金が膨らまなかったことは、投資家心理の面からは株
価底入れに一歩近づいたと見ることができそうだ。
株価急落時の投資家の恐怖心はいつの時代も共通
であり、急落直後の株価パターンも似たものになるケー
スが多い。そこで、1985年以降の相場において、日経
平均の5営業日間の下落率が10%以上、かつ、売買代
金が急増(売買代金の25日移動平均乖離率50%以上)
した局面を調べたところ、今回(8月25日までの5日間)を
含めて4例あった。2011年3月の震災直後、2000年4月
のITバブル崩壊時、そして消費税増税前の1997年1月
である。今回(8月25日までの5日間)の下落の要因は震
災のように突発的なものではなく、また、ITバブル崩壊
時のように株価のバリュエーションが高すぎる局面では
ないことから、おそらく1997年1月の動きが参考となろう。
(※)IBES12 ヵ月先予想ベース
図表1. 1997年の日経平均と東証1部売買代金の推移
21,000
(円)
(兆円)
4.0
3.5
20,000
3.0
日経平均(左軸)
2.0
18,000
1.5
17,000
1.0
東証1部売買代金(右軸)
0.5
16,000
96/12/20
97/2/4
97/3/13
0.0
97/4/21 (年/月/日)
出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成
図表2. 直近の日経平均と東証1部売買代金の推移
21,000
(円)
(兆円)
20
18
20,000
16
日経平均(左軸)
14
19,000
12
10
18,000
17,000
8
6
東証1部売買代金
(右軸)
4
2
16,000
0
15/8/3
15/8/24
出所: Astra ManagerよりSMBC日興証券作成
2
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2.5
19,000
15/9/14 (年/月/日)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
2.米国株見通しとポイント~利上げ時期への不透明感残る
日本株・米国株担当: 河田 剛
8月27日以降の米国株は、引き続き中国に対する不透明感から値動きの激しい展開が続いた。従来は9月
のFOMCで利上げ開始が決定されるとの見方が有力だったが、金融市場が不安定な状況が続いており、見
送りとなる可能性が高まりつつある。これは目先のプラス材料となるとみられるものの、 10月、12月の
FOMCで利上げが決定されるとの見方が強まることで、株価は神経質な動きが続こう。
 先週、今週のレビュー~不安定な動きが続く
前予想を下回る結果となった。全体としては、企業景況
感は拡大基調にあるとみられるが、やや鈍化傾向もでて
きている。今後、金融市場の混乱や中国経済の停滞の
影響が出てくる可能性もあり、注意する必要があろう。
8月27日の米国株市場は、4-6月期のGDP(改定値)
が上方修正されたことや、8月22日終了週の新規失業
保険申請件数が事前予想を下回ったこと、中国株の上
昇、原油価格の大幅高などから、ダウ工業株指数(NY
ダウ)は前日比+369ドルと続伸した。28日には、原油高
がプラス材料となったものの、フィッシャーFRB(連邦準
備制度理事会)副議長が、9月利上げが依然検討対象
であるとの発言を行ったことや、利益確定売りなどから、
NYダウは▲11ドルとなった。週明け8月31日は、中国株
の下落や、8月のシカゴ購買部協会景気指数や8月の
ダラス連銀製造業景況指数が事前予想を下回ったこと
などから、 NYダウは▲114ドルとなった。9月1日は、8月
の中国の製造業PMIが低調な結果となったことや、8月
のISM製造業景況指数が事前予想を下回ったこと、ボ
ストン連銀のローゼングレン総裁が海外経済の成長鈍
化、金融市場の混乱が米国景気に影響を与える可能
性を指摘したこと、日本株、欧州株の下落、原油安など
からNYダウは▲469ドルとなった。2日は、8月のADP雇
用統計が事前予想は下回ったものの、堅調な内容だっ
たことや、地区連銀経済報告(ベージュブック)で、多く
の地域で経済が拡大したとされたこと、上海株式市場が
小幅安にとどまったことなどから、NYダウは+293ドルと
反発した。
 当面の見通し~利上げ時期への不透明感残る
経済指標では4日発表予定の8月の雇用統計(事前
予想:非農業部門雇用者数、前月比+21.7万人、民間
部門雇用者数+20.5万人、時間当たり賃金+0.2%、失業
率5.2%)などが注目される。9月16~17日にはFOMC(連
邦公開市場委員会)が開催される。従来は9月に利上
げ開始が決定されるとの見方が有力だったが、金融市
場が不安定な状況が続いており、ニューヨーク連銀のダ
ドリー総裁が「9月利上げの必然性が低下した」と発言し
ていることからも、利上げは見送られる可能性が高まり
つつある。見送りとなった場合、目先の株式市場にはプ
ラス材料となるものとみられる。一方、8月の雇用統計が
堅調だった場合、雇用市場の弛みはさらに縮小してい
ることになり、利上げの条件には近づいていくと考えられ
る。このため、9月をパスしたことで10月27~28日、12月
15~16日のFOMCで利上げが決定されるとの見方がむ
しろ強まる可能性があり、株価は神経質な動きが続こう。
ただし、S&P500の12ヵ月先予想PER(IBES集計)は2日
時点で15.4倍と85年以降の平均15倍に近い水準となっ
ており、大幅に下落した場合は値ごろ感からの買いが
入るものとみられる。
 8月のISM製造業景況指数
事前予想は Bloomberg、2015 年 9 月 3 日 10 時時点のもの
9月1日に発表された8月のISM製造業景況指数は、
前月比▲1.6の51.1と、事前予想(52.5)を下回ったが、
景況感の分かれ目である50を33ヵ月連続で上回った。
内訳では新規受注は7月の56.5から51.7に、生産は7月
の56.0から53.6に、輸出は7月の48.0から46.5に、雇用も
7月の52.7から51.2へと多くの項目が低下した。支払価
格は7月の44.0から39.0と大幅に低下した。これは原油、
アルミ、銅、鉄鋼などの商品価格が幅広く下落したこと
が背景になっているとみられる。その他の指標では、8
月20日発表の8月のフィラデルフィア連銀景況指数は
事前予想を上回ったが、17日発表の8月のニューヨーク
連銀製造業景況指数、31日発表の8月のシカゴ購買部
協会景気指数、8月のダラス連銀製造業景況指数は事
図表1. ISM製造業景況指数の推移
65
60
55
50
45
景気の好不況の分かれ目の目安 となる50ライン
40
35
30
09
10
11
12
13
出所: DatastreamよりSMBC日興証券作成
3
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
14
15 (年)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
3.円相場見通しとポイント~今週末の米雇用統計とG20に注目
欧米・為替担当: 本間 英至
ドル円は内外の株式市場動向に振り回される展開が続いており、来週にかけても、内外株の変動に一喜一
憂しながらの神経質な値動きが予想される。米国景気が順調に推移していることを踏まえれば、ドル下振れ
の場面では引き続き押し目買いの姿勢で臨みたい。来週にかけての材料として、今週末の米雇用統計の発
表に加え、金融市場が荒れる中で開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議が注目される。
 この1週間(8/27~)のレビュー
FF 先 物 市 場 が 示 唆 す る 年 内 利 上 げ 確 率 は 70% 台
ドル円は、内外株の上昇を受けて28日にかけてドル (2016年1月限月、9/2現在)と、織り込みは依然慎重さ
高が進み、一時121.75円をつけた。しかし、週明け31日 を残している(図表3)。ドル円は、米国景気に対する再
に内外の株式市場が再び下落に転じるとドル高が一巡。 評価や年内利上げ観測の高まりを背景に、年末に向け
翌1日に日経平均株価の前日比▲724円をはじめとして てドル高円安基調を辿るとの見方に変更はない。
株式市場が世界的に下落し、リスク回避的な動きの強ま
りから円全面高となる中、2日の東京時間朝には119.22
円をつけた。その後、米株反発からリスクオフモードが
和らぎ、足元120円台半ば前後まで戻している。豪ドル
図表1. 内外株の動向とドル円相場
円、NZドル円も、前週末にかけて上昇したが、今週初
から大きく下落し、豪ドルは83.65円、NZドルは75.49円
(2015年8月初=100)
(円/ドル) 127
115
まで一時売られた。その後は水準をやや切り上げている。
126
110
一方、ユーロ円は31日まで136円を挟んで小動きで推
125
移後、1日に円が全面高となるなか134.68円まで一時下
105
124
落した。(東京時間9/3正午時点)
100
123
 ドル円相場の見通しと来週にかけての注目材料
NYダウ(左軸)
90
ドル円は、前週末にかけては、8月24日の116.18円を
ボトムとしたドル買い戻しの流れが継続し、内外株の堅
調推移に連れて121円台後半まで回復した。しかし今週
に入ると、内外株が再び下落に転じたのを受けてドル売
り優勢の展開となり、9月2日に119.22円まで下落。その
後120円台半ば前後まで回復と、内外の株式市場動向
を睨みながら「リスクオン⇒ドル買い円売り」と「リスクオフ
⇒ドル売り円買い」を繰り返す神経質な値動きが続いて
いる(図表1)。
121
日経平均株価(左軸)
120
中国上海株(左軸)
85
119
ドル円(右軸)
80
118
8/3 8/5
2015年
8/7 8/11 8/13 8/17 8/19 8/21 8/25 8/27 8/31 9/2
(月/日)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
図表2. 米実質GDPの推移(前期比年率)
(%)
8
年末に向けてのドル高シナリオに変更はない
政府支出
設備投資
実質GDP
6
米国景気について、この1週間の経済指標を振り返る
と、好悪入り混じりながらも概して好調に推移しているこ
とが確認されている。4-6月の実質GDPが速報値の前期
比 年 率 +2.3%から+3.7% へ大 幅 に上 方 修 正 された他
(図表2)、7月の個人消費は概ね市場予想並みの良好
な結果。8月のISM製造業景況指数は予想以上に低下
したものの景気の良し悪しの目安となる50超を維持し、
ベージュブック(地区連銀経済報告)では大半の地区か
ら景気拡大の継続が報告されている。先を見越せば、ド
ル円はこうした米国景気の好調推移を改めて評価する
局面が訪れると予想される。一方、利上げに関しては、
純輸出
住宅投資
民間在庫
個人消費
4
2
0
-2
-4
2010
2011
2012
2013
2014
2015
(年)
出所: 米商務省、DatastreamよりSMBC日興証券作成
4
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
122
95
ドル円は内外株の動向に振り回される展開
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
目先は不安定も、ドル下振れの際は押し目買い姿勢で
金融政策決定会合が開催される。市場では既に0.25%
の利下げ(政策金利:3.00%⇒2.75%)が予想されている
が、声明文で今後の金融政策についてどういった姿勢
が示されるかが注目される。
ただ、短期的には、中国を巡る先行き不透明感が燻
る中、内外の株式市場動向に左右される不安定な相場
展開が続く可能性があり注意が必要だろう。もっとも、ド
ル円の先行きの方向性を踏まえれば、ドル下落の場面
があれば引き続き押し目買い姿勢で臨むべきと考えて
いる。
ユーロについては、本日(9/3)にECB(欧州中央銀行)
理事会が開催される。金融政策が変更される公算は小
さいが、一部ECB関係者からインフレ目標の達成に下
振れリスクが高まったとの認識が示されたこと等から、ド
ラギ総裁が先行き一段の緩和策投入を示唆するとの声
も聞かれる。総裁の発言内容次第ではユーロ売り圧力
が強まる可能性もあり、注目されよう。
今週末には米雇用統計とG20
来週にかけての注目材料だが、今週末(9/4)には米
国で8月雇用統計が発表される。市場は、非農業部門
雇用者数は前月比+21.7万人と、前月(21.5万人)並み
の増加幅を予想(Bloomberg調査)。見込み通り4ヵ月連
続で月当たり+20万人超となれば、年内利上げ観測の
高まりと相まってドルの支援材料となろう。
また、トルコのアンカラで開催されるG20財務相・中央
銀行総裁会議(9/4~5)も注目イベントとなる。内外の株
式市場を中心に金融市場の乱高下が続いているだけ
に、各国の政策当局者も危機感を持って会議に臨むだ
ろう。既に一部で報道されているように、景気悪化懸念
が強まる中国や早期利上げ観測の燻る米国に対し、対
応や配慮を求める声が相次ぐことが予想される。具体策
も含め政策協調姿勢が前面に打ち出されれば、金融市
場が落ち着きを取り戻すきっかけとなる可能性もあるた
め注目しておきたい。
図表3. FF先物市場が示唆する利上げ確率
(%)
140
130
120
110
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
来週は、米国では9月ミシガン大学消費者信頼感指
数(速報、9/11)くらいで材料に乏しいが、中国で8日以
降に発表される貿易収支や小売売上高、鉱工業生産
など月次の主要経済指標(8月分)が注目される。
12月利上げ確率(FF先物2016年1月限月使用)
9月利上げ確率(FF先物2015年10月限月使用)
4/1
チャート上の短期的な目処
チャート的には、上値に関しては120.79円(200日移
動平均線、9/2現在)が目先的に意識される他、121.75
円(8/28戻り高値)、121.80円(8/12高値から8/24安値の
値幅のフィボナッチ計算による0.618倍戻し)、一目均衡
表の「雲」(下限122.85円、上限123.10円、9/2現在)が
目処となろう。一方、ドル下振れの際は、119.22円(9/2
安値)、118.96円(8/24安値から8/28高値の値幅の半値
戻し)辺りがチャート上意識される水準となりそうだ。
5/16 5/31 6/15 6/30 7/15 7/30 8/14 8/29
(月/日)
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
図表4. 各通貨の対円相場の推移
104
(2015年7月初=100)
102
100
98
 ドル以外の通貨について
96
NZドル、豪ドルについては、中国不安を背景とした内
外株の大幅下落を受けて週の前半に下落基調を辿っ
たが、来週にかけても、引き続き内外株の動向に振り回
される展開が予想されよう。豪ドルについては、8日に
NAB企業景況指数、10日に雇用関連指標(共に8月分)
が発表される他、上述した中国の主要な月次経済指標
が注目材料となろう。一方、NZドルについては、10日に
94
5
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
4/16 5/1
2015年
ユーロ円
92
ドル円
90
NZドル円
豪ドル円
88
7/1
7/8
2015年
7/15
7/22
7/29
8/5
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
8/12
8/19
8/26
9/2
(月/日)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
4.国内経済動向~生産動向は緩やかな回復というよりは一進一退
日本経済・金利担当: 野村 真司
7月の鉱工業生産は電子部品・デバイス工業等を中心に2ヵ月ぶりの減産。在庫、在庫率共に低下したもの
の高止まりしている状況に変化はない。8月、9月の生産予測調査を勘案すると7-9月は前期比+0.6%と2四
半期ぶりの増産に転じる見通し。但し、4-6月実績の同▲1.4%に対して反発力は鈍い。今後の生産動向に
ついては、内需堅調・外需低迷の構図から緩やかな回復というよりは一進一退に近いものとなろう。
 7月鉱工業生産:7-9月は一進一退の見通し
図表1.主要業種の生産動向
7月の鉱工業生産(季調値)は前月比▲0.6%(6月同
+1.1%)と2ヵ月ぶりの減産となり、市場予想(同+0.1%、
Bloomberg調査)も下回った。生産指数は15業種のうち
10業種で減産。減産が目立ったのが電子部品・デバイ
ス工業、輸送機械工業、情報通信機械工業の3業種で
ある。電子部品・デバイスではスマホ向け部品が低調だ
った。輸送機械ではエンジンや特別用途車ボデー等の
部品関連、情報通信機械では外部記憶装置、デスクト
ップ型パソコン等が減産。出荷が同▲0.3%と生産の減
少幅を下回ったため、在庫、在庫率共に前月比で低下
したものの、高止まりしている状況に変化はない。経済
産業省は生産の基調判断を「一進一退で推移している」
に据え置いた。
120
(季節調整値)
はん用・生産用・業務用機械
輸送機械
110
100
90
鉱工業生産
80
電気機械
70
電子部品・デバイス
60
50
情報通信機械
生産予測指数
1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9 101112 1 2 3 4 5 6 7 8 9
2012年
2014年
2013年
(月)
2015年
出所: 経済産業省「鉱工業生産」よりSMBC日興証券作成
図表2.個人消費関連指標の推移
(2010年平均=100)
一方、同時に発表された製造工業生産予測調査(前
月比で8月が+2.8%、9月が▲1.7%)を勘案すると、7-9
月生産は前期比+0.6%と、2四半期ぶりの増産に転じる
見通し。但し、増産見通しとはいえ、4-6月の同▲1.4%
に対し同+0.6%と力強さを欠く。また、足元は見通しの
実現率が低く、今回の生産予測調査では人民元の切り
下げに起因する市場の混乱を織り込んでいないため、2
四半期連続の減産となる可能性はゼロではない。生産
予測調査では、輸送機械や鉄鋼等を中心に在庫調整
のための減産が継続する見通し。輸送機械では、普通
乗用車や小型乗用車は出荷が好調で在庫も低下して
いるものの、軽自動車は引き続き在庫調整を継続する
公算が大きい。今後の生産動向について主要産業で
みると、設備投資の回復により国内向けはん用・生産
用・業務用機械には期待できる。一方で、輸出向けを中
心に電気機械、輸送機械の低迷は続く見込みで、当面
の生産動向は緩やかな回復というよりは一進一退に近
いものとなろう。
110
115
実質消費支出
:左軸
消費総合指数
:右軸
108
(2005年平均=100)
(季節調整値)
112
110
106
104
105
102
100
100
98
96
95
94
92
実質消費支出(除く住居等)
:左軸
小売業販売額指数
:左軸
90
09/1 09/7 10/1 10/7 11/1 11/7 12/1 12/7 13/1 13/7 14/1 14/7 15/1 15/7
(年/月)
出所: 経済産業省「商業動態統計」、総務省「家計調査」、
内閣府「月例経済報告」よりSMBC日興証券作成
図表3.小売業販売額指数の推移
140
(2011年2月=100、季節調整値)
130
120
消費増税前の
駆け込み需要
のピーク
小売業計
各種商品
エコカー
補助金終了
110
織物・衣服
等
100
飲食料品
 7月個人消費:猛暑効果もあり前月比では改善
90
家計調査によると、7月の実質消費支出(季調値)は
前月比+0.6%(6月同▲3.0%)と2ヵ月ぶりに増加した(図
表2)。また、GDPベースの民間最終消費の基礎統計と
なる実質消費指数(除く住居等)も、前月比+1.1%(6月
同▲2.6%)と2ヵ月ぶりの増加。6月の天候不順で落ち
80
自動車
機械器具
70
60
1 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 8 91011121 2 3 4 5 6 7 (月)
12
13
14
15
(年)
出所: 経済産業省「商業動態統計」よりSMBC日興証券作成
6
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(2011年2月=100)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
 8月新車販売台数:当面も横ばい圏の動き
込んだ外食、エアコン等の家具・家事用品への支出が
中旬以降の猛暑効果もあり、増加に転じた。また国内パ
ック旅行等も好調。総務省は消費支出の基調判断を「こ
のところ持ち直している」に据え置いた。
8月の新車販売台数(軽自動車含む)は前年同月比
▲1.9%の32.7万台と8ヵ月連続のマイナスとなった。車
種別では軽自動車で4月に実施された軽自動車税引き
上げ前の駆け込み需要の反動が継続し、同▲8.8%と8
ヵ月連続のマイナス。一方で660cc超の登録車が小型
乗用車を中心に持ち直し、同+2.3%と2ヵ月ぶりのプラス
に転じている。季節調整値では登録車、軽自動車共に
増加し前月比+1.1%の34.0万台とやや持ち直した(図表
5)。当面も30万台半ば前後での横ばい圏の動きが見込
まれる。雇用・所得環境の改善が継続しているものの、
足元の株価乱高下は消費マインドに一定の悪影響を与
えよう。また、軽自動車で駆け込み需要の反動に加え、
大手メーカー間で年度末の3月まで繰り広げられた激し
い販売競争の反動も残存している。今秋の東京モータ
ーショー開催が新車投入の抑制につながっており、販
売台数の押し上げ要因を見出しづらい。
7月の商業動態統計の小売業販売額指数(季調値)
は前月比+1.2%(6月同▲0.6%)と2ヵ月ぶりのプラス。家
計調査と同様、猛暑効果が季節商材の販売を押し上げ
た。業種別では、ドラッグストアで季節商材(日焼け止め
等)、スーパー、コンビニで夏物衣料や飲料の販売が増
加。また、家電販売も堅調でエアコン、扇風機、冷蔵庫
等の販売が伸びている。
 4-6月法人企業統計:設備投資がやや低調
4-6月の全規模全産業(除く金融・保険)の売上高は
前期比▲0.0%(前年比▲1.1%)、経常利益は同+14.8%
(前年比+23.8%)となった。売上高は2四半期連続の減
収となったものの、原材料安、円安等から大幅増益。経
常 利 益 ( 季 節 調 整 値 ) の 水 準 は 19.2 兆 円 と 、 2014 年
10-12月(17.5兆円)を大幅に上回り、過去最高を更新し
た。経常利益を業種別にみると、製造業は同 +23.8%
(前年比+29.6%)と2四半期ぶりの増益。4-6月は原材料
安に伴う利益率改善、円安効果、インバウンド消費等を
主因に化学、情報通信機械、輸送用機械等を中心に
軒並み増益となった。また、非製造業も同+10.3%(前年
比+20.8%)と、インバウンド需要を背景とする運輸業、
原材料安が追い風となった電気業、スマホ向けのコンテ
ンツ事業が好調だった情報通信業等を中心に3四半期
連続の増益。企業収益の先行きについては、①人手不
足、賃上げ、ボーナス増を背景とする雇用・所得環境の
改善で底堅い個人消費、②円安、規制緩和等を背景と
する外国人観光客増加に伴うインバウンド消費、③円
安・原油安に伴う収益改善効果を背景に、内需主導で
7-9月以降も増益基調が期待される。
図表4.設備投資の推移(GDP統計と法人企業統計)
GDPベース
実質民間設備投資
10
5
0
▲5
法人企業統計ベース
設備投資
(除くソフトウェア)
▲10
▲15
2005
4-6月の全規模全産業の設備投資(ソフトウェアを除く)
は、前期比▲2.7%(前年比+6.6%)と4四半期ぶりの減
少。業種別でみると、製造業では新型車の生産設備や
研究開発施設を増強した輸送用機械、スマホや自動車
向けの電子部品を作る設備を増強した情報通信機械
等が堅調で、同+0.4%(前年比+13.2%)と4四半期連続
で増加した。一方、非製造業では娯楽や飲食の出店が
増えたサービス業は好調だったものの、その他が低調
で同▲4.4%(前年比+3.4%)と3四半期ぶりの減少。今
回の統計結果を踏まえた4-6月GDP統計2次速報(9/8
発表)について、弊社では民間設備投資を下方修正
(前期比▲0.1%→同▲1.0%)する一方、民間在庫投資
等の動き等を勘案した結果、1次速報の前期比年率▲
1.6%から同▲1.8%へと小幅下方修正を見込む。
7
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
(前期比、%)
15
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
出所: 内閣府「国民所得統計」、
財務省「法人企業統計」よりSMBC日興証券作成
図表5.新車販売台数の推移
50
(万台)
(季節調整値)
新車販売台数
(軽自動車を含む乗用車)2010年8月
45
エコカー補助金終了
1月
(2012/9/21)
45.3
45.2
東日本大震災
(2011/3/11)
40
35
8月
34.0
30
消費増税実施
(2014/4/1)
エコカー補助金終了
(2010/9/7)
25
3月
20
エコカー補助金復活
(2011/12/20)
(注)季節調整は弊社試算
4月
15
08
09
10
11
12
13
14
出所: 日本自動車販売協会連合会よりSMBC日興証券作成
15
(年)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
5.新興国市場・経済動向
新興国担当: 山本 正樹 / 白岩 千幸 / 武田 泰典 / 前田 佑太
新興国市場では、先週半ばに一服したリスク回避ムードが一時再燃するなど、株式、通貨ともに上下に振れ
る展開となった。9月の米FOMC(連邦公開市場委員会)を通過するまでは、引き続き神経質な動きが予想さ
れる。これから来週にかけては、8月の米雇用統計、G20等の注目イベントが控える他、新興国では、中国で
8月分の経済指標等が注目される。ブラジルでは引き続き中国や国内の政治・財政動向が焦点となろう。
 最近の新興国市場の動向
が深いインドネシア等の東南アジア株も上昇が目立つ。
新興国株式市場では、中国の景気悪化懸念を背景
とする世界的なリスク回避ムードが先週の半ばに一服し、
いったん買い戻しが優勢となった。その後、1日に中国
の弱い経済指標が発表されると不安が再燃、世界的に
株安となったが、足元では値を戻す展開となっている。
直近1週間の株価指数騰落率(図表1、2日時点)では、
中国・上海株(+8.0%)が上位に。中国では25日の市場
取引終了後、追加金融緩和が決定され、27~28日は公
的資金とみられる買いもあり、連日で前日比約+5%前後
の大幅高となった。その後は取引時間中に大幅安とな
る場面もあったものの、終値では小幅安にとどまってい
る。3日に戦勝70周年の軍事パレードを控え、政府が買
い支えを続けているとみられる。また、中国と経済関係
新興国通貨も、株式市場と同様、中国の動向等に左
右され乱高下する展開となった。為替市場では、リスク
オフ局面で、米ドルに対して円が買われる一方、新興
国通貨が売られ、リスクオフが一服するとその逆の動き
が生じており、新興国通貨対円相場は振れ幅が大きく
なっている。新興国通貨の直近1週間の騰落率(図表1、
2日時点、対円)では、原油価格の反発から、ロシアル
ーブル(+3.2%)やメキシコペソ(+1.5%)など産油国通貨
の上昇が目立っている。一方、ブラジルレアル(▲4.0%)
は大幅安。最大の輸出先である中国の弱い経済指標
に加え、来年度予算案で基礎的財政収支の赤字見通
しが示される(後述)など財政再建に対する先行き懸念
も売り材料となった。(前田)
図表1. 主な新興国市場の動向
直近値
騰 落 率 (% )
9月 2日
2015年 初 来 2014年 年 間 過 去 1週 間 過 去 30日 間 過 去 90日 間 過 去 1年 間
株価指数
中国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
為替
上海総合指数
香港ハンセン指数
SENSEX30種指数
韓国総合指数
ジャカルタ総合指数
SET指数
FBM KLCI総合指数
フィリピン総合指数
MICEX指数
イスタンブール100種指数
JSE全株指数
ボベスパ指数
ボルサ指数
3,160.16
20,934.94
25,453.56
1,915.22
4,401.29
1,372.45
1,590.19
7,072.46
1,690.82
73,656.12
49,228.77
46,463.96
42,969.93
▲2.3
▲11.3
▲7.4
▲0.0
▲15.8
▲8.4
▲9.7
▲2.2
21.1
▲14.1
▲1.1
▲7.1
▲0.4
52.9
1.3
29.9
▲4.8
22.3
15.3
▲5.7
22.8
▲7.1
26.4
7.6
▲2.9
1.0
8.0
▲0.7
▲1.0
1.1
3.9
4.0
0.6
3.0
1.8
0.1
1.8
0.9
1.5
▲12.8
▲14.2
▲9.7
▲4.6
▲8.3
▲4.8
▲8.8
▲6.6
1.6
▲5.8
▲4.7
▲7.3
▲4.3
▲36.1
▲24.0
▲5.1
▲7.6
▲13.6
▲7.9
▲8.7
▲6.4
3.2
▲10.7
▲4.1
▲13.2
▲3.6
39.5
▲15.4
▲5.8
▲6.6
▲15.4
▲12.5
▲14.9
▲0.5
20.7
▲8.7
▲4.3
▲24.9
▲6.2
▲1.8
▲4.1
▲7.1
▲11.9
▲7.5
▲16.7
▲4.1
▲12.9
▲20.2
▲13.5
▲28.9
▲11.9
10.9
11.4
9.4
11.7
13.0
6.5
12.8
▲35.6
4.6
3.2
1.0
0.5
1.2
0.3
0.3
0.2
▲0.0
1.2
0.1
3.2
0.0
▲2.0
▲4.0
1.5
▲5.2
▲6.0
▲4.1
▲7.3
▲4.8
▲11.6
▲5.7
▲8.0
▲8.3
▲8.4
▲10.9
▲6.7
▲5.6
▲6.4
▲9.0
▲9.1
▲8.7
▲15.1
▲7.4
▲18.8
▲12.2
▲10.9
▲19.2
▲10.6
10.7
4.9
▲1.5
▲4.9
2.9
▲13.7
6.5
▲36.0
▲15.4
▲8.5
▲31.6
▲10.8
※プラスは外貨高・円安、マイナスは外貨安・円高
中 国
インド
韓 国
インドネシア
タイ
マレーシア
フィリピン
ロシア
トルコ
南アフリカ
ブラジル
メキシコ
円/人民元
円/インドルピー
円/韓国ウォン(x100)
円/ルピア(x100)
円/バーツ
円/リンギ
円/フィリピンペソ
円/ルーブル
円/トルコリラ
円/ランド
円/レアル
円/メキシコペソ
18.93
1.81
10.16
0.85
3.36
28.47
2.56
1.79
40.89
8.95
32.02
7.15
注: 「直近値」については、当該日付が休場となっている場合は、その前営業日の値を掲載
出所: BloombergよりSMBC日興証券作成
8
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
 新興国市場関連トピック
中国~国務院が株式と景気の下支えに動く
インド~4-6月実質GDP成長率は鈍化も底堅さ
李克強首相は8月28日、海外経済の変化とその国内
経済に対する影響および対策について協議するため、
国務院専門会議を開催した。その中で首相は、積極的
な財政政策と中立的な金融政策を継続する必要がある
と指摘。財政については、地方政府の資金調達支援を
充実すること、金融政策については金融改革の推進、
流動性の充実、システミックリスクの回避等を挙げた。
8月31日に発表されたインドの4-6月実質GDPは前年
比+7.0%と市場予想の+7.4%および1-3月の+7.5%を下
回った。内訳では、1-3月に比べ個人消費が鈍化しつつ
も高い伸びを維持した(+7.9%→+7.4%)ほか、総固定
資本形成(投資)は1-3月を上回り(+4.1%→+4.9%)、政
府消費は1-3月のマイナスからプラスに転じた(▲7.9%
→+1.2%)。一方、外需(純輸出:輸出-輸入)の成長率
に 対 す る 寄 与 度 は マ イ ナ ス に 転 じ た ( +0.2%pt → ▲
0.2%pt)。4-6月の実質GDPは全体としては鈍化したも
のの、内需は底堅さが窺える結果といえよう。
その後、政府から株価対策や景気の下支え策が発
表された。株価対策としては、証券監督管理委員会(証
監会)等が上場国有企業の合併や配当の充実等により
株式市場を支援する方針を発表。景気下支え策として、
住宅都市建設省が2軒目の住宅購入者に対する公的
住宅ローンの頭金比率を現行の3割から2割に引き下げ
ることを発表した。また、国務院は投資促進のため、投
資プロジェクトの資本金比率 (注)引き下げを承認した。
注:中国ではリスク管理のため、投資全体に占める投資主体
による出資金の最低比率が業種ごとに決められている。
この他、証監会は証券会社に対し、市場救済基金へ
の1,000億元の追加拠出と最大で時価総額の1割にあ
たる自社株買いを求めたと報じられた。(白岩)
図表3. インドの実質GDP
12
10
9月1日に中国物流購入連合会が発表した8月の製
造業購買担当者指数(PMI)は市場予想(Bloomberg)
と同じく、前月比▲0.3ptの49.7と、景況感の分岐点とな
る50を6ヵ月ぶりに下回った。非製造業PMIは▲0.5ptの
53.4と4ヵ月ぶりの低い水準となった。一方、同日発表の
8月財新製造業PMI(確報値)は速報値よりは改善した
ものの、前月比で大幅な低下となった。製造業とサービ
ス業を複合したコンポジットPMIは前月比▲1.4ptの48.8
と2009年2月以来の低水準となり、景気が一段と減速し
ていることを示唆した。(白岩)
9
8
5
4
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
3
2010年
10
8
50
6
40
4
2
09
10
11
12
13
14
15
(年)
出所: CEIC、Markit、中国国家統計局よりSMBC日興証券作成
9
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2013年
2014年
2015
年
9月1日に発表された8月の消費者物価指数(CPI)は
前年比+7.18%と、市場予想(+7.37%)に反して7月の
+7.26%から鈍化した。一方、食品および統制価格を除
いたコア・インフレ率は前年比+4.92%と前月の+4.86%
をやや上回った。年末にかけては、昨年実施された燃
料価格の大幅引き上げ(11月)の影響が剥落するため、
総合インフレ率は低下が見込まれ、ターゲット(+4%±
1%)に近づくとみている。もっとも、インドネシアルピアの
対ドル年初来下落率は足元で10%を超えているため、
ルピア安に起因する輸入インフレ圧力がコア・インフレ
55
財新コンポジットPMI(左軸)
2012年
インドネシア~8月の消費者物価指数は鈍化
12
実質GDP成長率(右軸)
2011年
注: 旧基準は2004-05年度価格、要素費用表示、新基準は2011-12年度
価格、市場価格表示
出所: CEIC、インド中央統計局よりSMBC日興証券作成
14
60
旧基準
6
(前年比、%)
65
新基準
7
図表2. 財新コンポジットPMIと実質GDP
08
(前年比、%)
11
中国~8月のPMIは一段の景気減速を示唆
45
インドは原油等の商品市況安の恩恵を受ける他、中
国向け輸出の比率も新興国の中では小さいこともあり、
景気は底堅さを維持している。インフレの鈍化や好調な
海外からの直接投資、金融緩和効果等を背景に今後も
景気は底堅さを維持しよう。インド株や通貨ルピーは、
世界的なリスクオフの市場環境から足元では下押しされ
ているものの、リスクオフ一巡後は新興国の中で投資先
として物色されやすい位置にあると考えている。(山本)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
率を高止まりさせる可能性があろう。米国の利上げ観測
等に起因する通貨安圧力も相まって、インドネシア銀行
(中央銀行)は当面、景気刺激のための利下げは見送
ると予想している。
ジョコ政権は、就任早々に難題とされた燃料補助金
改革を断行し、インフラ整備予算の拡充を図るなど、そ
の改革姿勢が高く評価された。しかし、その後は目玉で
あったインフラ予算の執行遅れが景気の下押し要因と
なるなど、経済政策運営への不信感が強まっていた。
一方、同日発表された8月の日経インドネシア製造業
最近の一連の動きは市場の信頼回復につながるものと
PMIは48.4と景況感の分岐点となる50は下回ったものの、
して、注目に値しよう。(山本)
7月(47.3)から大幅に上昇し、3月(46.4)をボトムに持ち
直しの動きとなっている。8月に入って、インドネシア政
ブラジル~2四半期連続のマイナス成長
府は経済閣僚を中心に内閣改造を実施したほか、急速
8月28日に発表された4-6月の実質GDPは前期比▲
なルピア安に対応し、海外からの投資促進等を意図し
1.9%(1-3月:▲0.7%)と2四半期連続のマイナスとなり、
た政策パッケージを打ち出している。一連の政府による
マイナス幅も前期から拡大した。1-3月に比べて個人消
対応や予算執行の進捗等により、景気は緩やかながら
費が▲1.5%→▲2.1%、固 定資本形成が▲2.4%→▲
持ち直しの方向が予想され、これに伴って株価も値を
8.1%とマイナス幅を拡大した。政府による増税や歳出削
戻す展開となろう。(山本)
減、公共料金の引き上げ、利上げ、資源価格の下落、
図表4. インドネシアの消費者物価指数
汚職問題に伴う国営石油会社の投資縮小などが下押
(前年比、%)
し要因となった。輸入は内需の低迷を背景に+0.9%→
9
▲8.8%とマイナスに転じる一方、輸出も高い伸びとなっ
総合
8
た前期からの反動もあり+16.2%→+3.4%と減速した。
7
一方、8月のマークイット製造業PMIは45.8(7月:47.2)
と2011年9月以来の低水準に落ち込み、好不況の分か
れ目とされる50を7ヵ月連続で下回った。景気は依然改
善の兆しがみえず、7-9月期もマイナス成長が続くと予
想される。ただ、政府による財政緊縮策や汚職問題の
影響が一巡するにつれ、景気に対する下押し圧力は
徐々に和らぐとみられる。
燃料
値上げの影響
6
コア
5
4
3
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
(年/月)
財政緊縮(財政再建)は景気を一時的に悪化させる
ものの、政策に対する信頼回復を通じて、中長期的に
インドネシア~国民信託党の与党入りで政権安定化へ
は投資や景気の回復に寄与する。このため、市場では、
国会に48議席を有する野党の国民信託党(PAN)は2 足元の景気悪化よりも、政府が信頼回復につながる十
日、ジョコ政権の連立与党に参加することを発表した。 分な財政再建を実行できるかどうかが注目されているが、
現在、与党の国会議席数は定数560に対して247(44%) 与党内の対立により政策協議は難航している。政府は8
にとどまっているが、PANの与党入りにより過半数を確 月30日、与党内からの強い反発を受けて、財政再建策
保する見通し。昨年10月に発足したジョコ政権は少数 の一環として提案していた金融取引負担金 (注 ) の再導
与党でのスタートを余儀なくされ、政権基盤の弱さを指 入(増税)を撤回した。31日に議会に提出された来年度
摘されていただけに、PANの与党入りはポジティブな動 (2016年1月~)予算案では、基礎的財政収支をGDP比
きといえよう。
▲0.5%(305億レアルの赤字)とし、今年の+0.1%(58億
レアルの黒字)から赤字に転じる見通しを示した。金融
一方、政府は同日、投資や貿易に関連する154の規
取引負担金の再導入が撤回に追い込まれたことから、
制について見直しを行う計画を明らかにした。政府は8
当初黒字とする予定が赤字となった模様。予算案の段
月27日、ルピア安に対応し、経済活動の円滑化や外貨
階で基礎的財政収支が赤字となるのは異例であり、市
流入の推進を目的とした政策パッケージを検討している
場では政府の財政再建に対する不信感が高まっている。
ことを表明している。ジョコ政権は8月上旬にも経済閣僚
(武田)
を中心とした内閣改造を断行するなど、このところ政策
注:銀行口座からの現金引き出しなどにかかる税
面で活発な動きがみられる。
出所: CEIC、インドネシア中央統計局よりSMBC日興証券作成
10
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
とみられ、新興国市場は当面神経質な展開を余儀なく
されよう。一方、9月のFOMCで利上げが見送られた場
合は新興国資産に対する買い安心感が広がろう。中国
不安とドル高という二重の悪材料から下落した商品市
況も値を戻す展開となり、新興国通貨の中でも特に売り
込まれていた資源国通貨を中心に買い戻しの動きが強
まると予想する。
図表5. ブラジルの実質GDP成長率
(前期比、%)
2014年
2015年
7-9月
10-12月
1-3月
4-6月
実質GDP
0.1
0.1
0.0
▲ 0.7
▲ 1.9
年率換算
-
0.4
0.2
▲ 3.0
▲ 7.2
0.4
▲ 1.7
1.6
4.8
▲ 2.7
▲ 1.2
0.5
▲ 0.4
▲ 0.7
▲ 4.3
0.7
0.3
0.0
▲ 0.9
▲ 0.7
0.9
0.2
0.8
▲ 1.5
▲ 2.1
産 農林水産業
業 鉱工業など
別 サービス業
個人消費
需 政府消費
要 固定資本形成
別 輸出
輸入
1.3
0.7
▲ 0.9
▲ 1.5
0.7
▲ 4.4
▲ 0.5
▲ 1.8
▲ 2.4
▲ 8.1
▲ 1.1
3.0
▲ 13.3
16.2
3.4
▲ 1.0
1.5
▲ 5.0
0.9
▲ 8.8
これから来週にかけては、8月の米雇用統計(4日)、
G20(20ヵ国)財務相・中央銀行総裁会議(4~5日)等の
注目イベントが目白押しとなっている。新興国市場は来
週にかけても引き続き外部環境に左右される展開となろ
うが、新興国のスケジュールでは、以下のようなイベント
が注目される。
出所: CEICおよびブラジル地理統計院SMBC日興証券作成
中国では、9月13日に8月の主要経済指標が発表さ
れる。8月の鉱工業生産は前年同月が低調だったことに
よる押し上げ効果(ベース効果)もあり、市場予想では7
月の前年比+6.0%を上回るとみられている。ただし、下
振れした場合は株価の急落等も想定され、注意が必要
であろう。また、景気下支え効果が期待されるインフラ投
資の動向も注目される。
ブラジル~中銀が政策金利を8会合ぶりに据え置き
ブラジル中銀は、9月1~2日の金融政策委員会で市
場予想通り、政策金利を14.25%で据え置くことを全会
一致で決定した(2日の市場取引終了後に発表)。政策
金利は前回7月の会合まで7会合連続で引き上げられ
ていたが、8会合ぶりに据え置かれた。
声明文の内容は前回と同じく、「委員会は、この金利
水準を十分に長い期間維持することがインフレ率を来
年末にターゲットに収束させるのに必要だと考えている」
とされた。中銀が毎週末実施している市場調査では、来
年末のインフレ率(拡大消費者物価指数の前年比)見
通しが8月28日時点で+5.51%とターゲット(+4.5%±2%)
の中央値を上回る一方、来年は2.25%ポイントの大幅な
利下げが見込まれている。中銀は長期間政策金利を据
え置く方針を示すことにより、市場の利下げ期待を牽制
し、インフレ期待を低下させたい意向とみられる。なお、
今回の政策金利据え置きは市場予想通りだったことか
ら、為替・株式市場の反応は限定的となろう。(武田)
 来週にかけてのスケジュールと見通し
今週はいったん落ち着いたかに見えた市場の中国不
安はPMIの下振れなどを受けて再燃した格好となった。
もっとも、その伏線として、前週末28日に米国のフィッシ
ャーFRB(連邦準備制度理事会)副議長が9月利上げ
に含みを残す発言をしたことも挙げられよう。26日のダド
リーNY連銀総裁の発言により、9月利上げ観測はいっ
たん後退していた。市場が混乱すると9月利上げ観測が
後退、市場が落ち着くと、再び利上げ観測が浮上する、
堂々巡りの様相となっている。こうした状況は9月16~17
日のFOMC(連邦公開市場委員会)を通過するまで続く
トルコでは、本日3日に8月の消費者物価、8日に7月
の鉱工業生産および小売売上高、10日に4-6月の実質
GDPおよび7月の経常収支など、重要な経済指標が相
次いで発表される。各指標が良好な結果となれば、一
時的にトルコリラは上昇する可能性もあろう。もっとも、11
月1日の再選挙を控え政治的な不透明感が燻る中、こ
れらの経済指標を手掛かりにリラが本格的な反発局面
に入るとは考えにくい。引き続きリラは米中等の外部要
因に左右されやすい地合いが継続しよう。
ブラジルでは、引き続き中国の動向や国内の政治・
財政動向が焦点となろう。財政については、政府が8月
31日に提出した来年度予算案の国会審議等が注目さ
れる。また、9月中にもルセフ大統領の不正疑惑に対す
る司法判断が下されるとみられ、注意を要しよう。
(山本、白岩、武田、前田)
11
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
インドでは、9月11日に7月の鉱工業生産が発表され
る。29日には金融政策決定を控えており、14日に発表
される消費者物価指数や卸売物価指数も含め、市場の
注目度が高まろう。最近では原油安や食品価格の落ち
着きからインフレ懸念が後退しつつあり、追加利下げ観
測も燻っている。最終的には米国の金融政策等に関連
したグローバルな市場環境もインド準備銀行の判断に
影響しようが、国内経済指標が追加利下げを後押しす
る内容になるか否かも重要なポイントとなろう。
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
6.主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
日本株担当: 横山 敦史
日経平均は一旦19,000円台を回復するも、世界経済の先行き不透明感が払拭されず、再び安値を試す展
開となった。一方、東証REIT指数は9月2日に年初来安値を更新した。分配金利回りが上昇しているにも関
わらず、公募増資による需給悪化懸念などから、押し目買いが入りにくい状況が続いている。今週末の米雇
用統計や16~17日に開催されるFOMCなどを控え、日本株もしばらくは方向感に欠ける展開が続こう。
図表1. 主な国内株価指数とテクニカル指標の推移
【国内主要株価指数】
130
(150日前を100として指数化)
【東証REIT指数と日本10年物国債利回り】
(pt)
1,950
(%)
0.7
1,900
120
0.6
1,850
110
0.5
1,800
0.4
1,750
100
1,700
90
0.3
1,650
日本10年物国債利回り(右軸)
東証REIT指数(左軸)
1,600
80
日経平均
日経JASDAQ指数
70
1/28
2/27
3/29
4/28
東証マザーズ指数
6/27
7/27
【日経平均と25日移動平均・乖離率】
(円)
8/26
(%)
20
0
1/28
(月/日)
日経平均株価
(左軸)
21,000
0.1
1,550
1,500
5/28
2015年
23,000
0.2
2/27
3/29
7/27
8/26
5/28
6/27
【日経平均と100日移動平均・乖離率】
(%)
(月/日)
2015年
23,000
(円)
日経平均株価(左軸)
15
10
4/28
15
21,000
10
5
19,000
20
5
19,000
0
-5
17,000
25日移動平均(左軸)
25日移動平均乖離率
(右軸)
0
17,000
-10
15,000
-5
100日移動平均乖離率(右軸)
-10
100日移動平均(左軸)
-15 15,000
1/28
2/27
3/29
4/28
5/28
6/27
7/27
2015年
(円)
23,000
8/26
-15
1/28
(月/日)
2/27
(円)
250
5/28
6/27
7/27
8/26
(月/日)
【日経平均 ストキャスティクス(9日)】
300 23,000
21,000
4/28
2015年
【日経平均と東証一部25日騰落レシオ】
日経平均株価(左軸)
東証一部25日騰落レシオ(右軸)
3/29
300
日経平均株価(左軸)
%D(右軸)
Slow %D(右軸)
21,000
250
200
200
(%)
19,000
19,000
150
100
120%ライン
17,000
100
17,000
50
70%ライン
20%ライン
15,000
50
1/28
2015年
2/27
3/29
4/28
5/28
6/27
(%)
80%ライン
150
7/27
15,000
8/26
0
1/28
(月/日)
2015年
2/27
3/29
4/28
5/28
6/27
7/27
8/26
(月/日)
注: データは2015年9月2日まで。
出所: 各図表ともAstra ManagerよりSMBC日興証券作成
テクニカル指標の見方
 騰落レシオ(25 日):過去 25 日間の値下がり銘柄数に対する値上がり銘柄数の割合。一般的に、120%以上で買わ
れ過ぎを、70%以下で売られ過ぎを表す。
 ストキャスティクス(9 日):直近の終値が過去のレンジで相対的にどのレベルに位置するのかを見るための指標。
%D=(直近終値と直近 9 日間の安値の乖離の 3 日移動平均)÷(直近 9 日間の高値と安値の乖離の 3 日移動平均)
Slow%D は%D の 3 日移動平均。一般的に%D が 80%以上で買われ過ぎ、20%以下で売られ過ぎを表す。
12
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
7.今週のストラテジー・セレクション
日本株担当: 井場 浩之 / 松永 良輔
日興ストラテジー・セレクションのなかから、株価トレンド面を踏まえて以下の銘柄を紹介する。現在の株価
調整の動きの中、業績への上振れ期待感が変わらない銘柄に着目。
【株価チャート(週次)】
◎大成建設(1801) 売買単位:1,000 株
【会社概要と株価状況】
総合建設大手の一角。大型土木か
ら建築、戸建て住宅と幅広く展開。
【注目ポイント】
ポジティブな 16/3 期 1Q(4-6 月期)決
算では、完成工事総利益率の好転を
確認、受注も大幅増で、今後の業績
週次移動平均線状況
9/3 現在
上振れ期待が高まる。株価は年初来
796.0 円
株価
13週線
754 円 乖離率
5.58% 高値(8/18)から約 16%下落、うち 9/3
26週線
719 円 乖離率
10.64% 終値では約 9%分値を戻す。
900
(円)
750
600
450
13週線
26週線
300
13/9
14/3
15/3 (年/月)
【株価チャート(週次)】
◎日本触媒(4114) 売買単位:1,000 株
【会社概要と株価状況】
紙おむつに使用される高吸水性樹
脂(SAP)で世界トップ。
【注目ポイント】
SAP 販売好調に支えられて、1Q 決算
発表時に上期 会社計 画の利益を増
額、原料安の寄与大きく、さらに上振
週次移動平均線状況
9/3 現在
れ期待。株価は年初来高値(8/11)か
1,718.0 円
株価
13週線
1,759 円 乖離率
-2.34% ら約 16%下落、うち 9/3 終値では約
26週線
1,735 円 乖離率
-1.00% 4%分値を戻す。
2,000
(円)
1,800
1,600
1,400
1,200
1,000
13週線
26週線
800
13/9
14/3
14/9
15/3
(年/月)
【株価チャート(週次)】
◎日本電産(6594) 売買単位:100 株
【会社概要と株価状況】
精密モータ大手で HDD 用は世界首
位。車載、産業用等に注力中。
【注目ポイント】
1Q 決算発表時に連続最高益予想の
16/3 期会社業績計画は据え置きとな
ったが保守的とみられる。決算発表後
週次移動平均線状況
9/3 現在
の株価は堅調だったが、上場来高値
9,381.0 円
株価
13週線
9,793 円 乖離率
-4.20% (8/3)から約 26%下落、うち 9/3 終値で
26週線
9,176 円 乖離率
2.23% は約 8%分値を戻す。
12,000
(円)
9,000
6,000
3,000
13/9
13週線
26週線
14/3
14/9
15/3
(年/月)
【株価チャート(週次)】
◎NTT データ(9613) 売買単位:100 株
【会社概要と株価状況】
SI 専業国内最大手。官公庁、金融
機関向け大型システムに強み。
【注目ポイント】
1Q 決算はポジティブ。16/3 期会社計
画は据え置きだが、営業利益は過去
最高を 7 期ぶりに更新の見通し。来期
週次移動平均線状況
9/3 現在
以降に向けた受注増も顕著。株価は
5,600.0 円
株価
13週線
5,605 円 乖離率
-0.10% 年初来高値(7/31)から約 14%下落、う
26週線
5,482 円 乖離率
2.15% ち 9/3 終値では約 6%分値を戻す。
6,000
【会社概要と株価状況】
ゲーム大手。ドラクエ等人気タイトル
保有。アミューズメント施設運営も。
【注目ポイント】
1Q 決算はポジティブ、同時に数年単
位で持続的な寄与が見込める製品の
利益貢献拡大を確認、2Q 以降の業績
週次移動平均線状況
9/3 現在
見通しについても期待感高まる。株価
3,115.0 円
株価
13週線
3,059 円 乖離率
1.83% は年初来高値(8/12)から約 20%下落、
26週線
2,817 円 乖離率
10.58% うち 9/3 終値で約 12%分値を戻す。
(円)
5,000
4,000
3,000
13/9
13週線
26週線
14/3
3,500
15/3
(年/月)
(円)
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
13/9
13週線
26週線
14/3
注: 中期的な株価トレンドが良好な銘柄を紹介。各種テクニカル指標をベースに判断
出所: 株式調査部アナリストレポート、東洋経済会社四季報最新銘柄レポート、Astra Manager等よりSMBC日興証券作成
13
14/9
【株価チャート(週次)】
◎スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 売買単位:100 株
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
14/9
14/9
15/3
(年/月)
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
8.米国株式~株価下落局面での投資戦略
日本株担当: 福井 一平
足元の株価下落の主因は、上海株式市場の下落等で潜在していたリスク回避姿勢が顕在化し、株式市場
に対する懐疑的な見方が急速に広がったことが背景の1つと考える。足元の株式市場の下落は行き過ぎで、
企業業績への影響以上に心理的な影響を強く受けていると見ている。決算内容を好感して株価が大きく上
昇したものの、足元の下落相場で大幅に調整した銘柄に再度注目しても良いのではないか。
 足元の株価下落はリスク回避姿勢の強まり
とんど当てはまっていたが、今回はそのどれにも当ては
まっていない。例えば米国4-6月期の実質GDP(改定値)
は前期比年率+3.7%と大幅に上方修正され、S&P500
構成銘柄の1株当たり利益は、7-9月期は前年同期比▲
6.0%と 減 益 予 想 で あ る も の の 、 10-12 月 期 は +0.9% 、
2016年1-3月期は+5.9%と増益基調を強める見通しにな
っている(Bloomberg集計、8/28時点)。
足元の株価下落の主因に中国発の世界景気減速懸
念等が挙げられる。しかし実際は、市場に米利上げ開
始に対するリスク回避姿勢が潜在的にあったにも関わら
ず、低ボラティリティ状態で株価上昇が継続し過ぎたこと
が背景の1つと考えられる。つまり今回の下落相場は上
海株式市場の下落、人民元切り下げや資源価格の下
落で、潜在的なリスク回避姿勢が顕在化し、株式市場
に対する懐疑的な見方が急速に広がった結果と言え、
弊社では世界景気減速や経済危機とは捉えていない。
 足元で大幅に調整した好業績銘柄に再度注目
このように、世界経済に影響を与える米国経済は活
況であるものの、中国発の世界景気減速懸念によって
株式市場は投資家心理の悪化、リスク回避姿勢の顕在
化で大きく下落した。こうした状況下で再度「好業績銘
柄」に注目したい。4-6月期、5-7月期の決算内容を好感
して株価が大きく上昇したものの、足元の下落相場で大
幅に調整した銘柄への投資を検討してもよいのではな
いか。
リスク回避姿勢を表す代表的な指標にVIX指数(恐
怖指数)があるが、8/24のVIX指数は40ptを超え、一時
52ptまで上昇した。この水準まで上昇したのは直近10年
では3度しかなく、リーマンショック、ギリシャショック、米
国債格下げの際が該当する。今回はその時と同程度ま
でリスク回避姿勢が強まった。
 市場の懸念は行き過ぎ
今回の株価下落局面が買いの好機と考えられる銘柄
として、S&P500構成銘柄の中で、①地域別売上高に占
める中国の比率が10%未満、もしくは中国でのビジネス
縮小を発表している、②直近の決算発表後に株価が上
昇、③Bloombergが集計したアナリストの投資判断が3.5
以上(1~5、5は最も評価が高い)の企業の中から、代表
的な企業をピックアップした(図表1)。
今後の見通しについて、結論から言えば「市場が冷
静さを取り戻して株価回復」⇒「堅調なファンダメンタル
ズ等を株価に織り込み高値更新」といった流れを予想
する。
そもそも、足元で言われている「中国経済が停滞する
と世界経済は大きく減速する」という見方に若干の違和
感がある。弊社では仮に中国経済が 1%減速し、新興
国通貨が▲10%下落した場合、米国企業の純利益へ
のインパクトは▲3.84%、日本企業では▲1.45%と試算
している(※日米企業の新興国売上高の海外企業シェ
アをそれぞれ50%と仮定、米国企業はS&P500採用企
業、日本企業は金融を除く上場企業)。足元の株式市
場は業績へのインパクト以上に下落しており、心理的な
影響を強く受けていると言える。このため、過度な懸念
が後退すれば株価水準は徐々に切りあがっていくと考
えられる。
図表1. 主な米国好業績銘柄
また、米国株が過去に高値から20%以上下落した局
面では、①景気の後退、②企業収益の大幅な悪化、③
市場金利(政策金利ではなく10年国債利回り等)の急
上昇、④極端に割高なバリュエーションという条件がほ
名称
決算発表を
決算発表 直近株価
受けた
以降の高値 (9/1終値)
株価上昇率
直近決算の内容
AMZN
アマゾン・
ドット・コム
9.80%
537.01
(8/5)
クラウド部門であるアマゾン・ウェブ・サービスの営
業利益が前年同期比約5倍となった。
EXPE
エクスペディア
12.85%
126.79
(8/5)
GOOGL
グーグル A
16.26%
699.62
(7/17)
629.56 (Bloomberg)を上回った。
LEN
レナー
4.20%
55.59
(8/18)
49.43
NFLX
ネットフリックス
18.02%
126.45
(8/6)
105.79 に会員数が大きく増加したことが評価された。
REGN
リジェネロン・
ファーマシューティカルズ
4.81%
592.40
(8/5)
496.42 益共に市場予想を上回った。
SBUX
スターバックス
1.29%
59.01
(8/5)
53.50
米国やアジア太平洋での客足が増加し売上高・利
益ともに市場予想を上回った。
UA
アンダーアーマー
7.34%
101.04
(8/5)
93.16
人気スポーツ選手による同社製品の使用等を背景
として業績堅調。売上高・利益ともに市場予想を上
回った。さらに通期の業績見通しを上方修正した。
496.54
中核事業である「Expedia」と「Hotels.com」の予約数
110.365 の伸びが牽引し、売上高・利益共に市場予想を上
回った。
コスト管理が奏功し、売上高・利益共に市場予想
米国の景気回復や低金利、ミレニアル世代(20-30
歳代前半)による住宅の一次取得などを理由に売
上高・利益共に市場予想を上回った。
売上高は市場予想を下回ったものの、欧州を中心
主力薬の「アイリーア」の販売が堅調で売上高・利
注: 決算発表を受けた株価上昇率は、寄り前決算の場合は決算発表
日。引け後決算の場合は決算発表翌営業日の騰落率。
出所: Bloomberg等よりSMBC日興証券作成
14
本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
Ticker
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
9.来週・再来週の主なスケジュール
<来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
日本
9月 7日 (月 )
米国
独
日本
9月 8日 (火 )
ユーロ圏
独
中国
9月 9日 (水 )
米国
メキシコ
-
日本
英国
中国
9月 10日 (木 )
豪州
NZ
トルコ
ブラジル
市場予想 前月・ 前期・ 前年
7月
7月
7月
4-6月期
7月
8月
8月
4-6月期
7月
7月
7月
8月
8月
8月
-
8月
-
-
7月
-
8月
8月
8月
8月
8月
-
4-6月期
7月
8月
7-9月期
日本
7-9月期
9月 11日 (金 )
米国
インド
マレーシア
韓国
9月
7月
-
-
中国
1-8月
8月
8月
景気一致CI指数(速報)
景気先行C I指数( 速報)
休場(レイバーデー)
鉱工業生産(前月比)
実 質 GDP(前 期 比 年 率 、 2次 速 報 、 前 回 値 は 速 報 値 )
経常収支(季調済)
景気ウォッチャー調査-現状判断DI
景気ウォッ チャー調査- 先行き判断DI
自民党総裁選告示
実 質 GDP(前 期 比 、 改 定 値 、 前 期 値 は 速 報 値 )
輸入(前月比)
貿易収支
輸出(前月比)
輸入( 前年比)
貿易収支
輸出( 前年比)
無線通信技術見本市「スーパー・モビリティー・ウィーク」(~11日、ラスベガス)
消費者物価指数(前年比)
世界経済フォーラム夏季ダボス会議(~11日、中国・大連)
APEC財務相会合( ~11日、 フィリピン・ セブ)
機械受注( 船舶・ 電力除く 民需、 前月比)
政策金利
消費者物価指数( 前年比)
新規銀行融資( 発表日未定、 ~1 5 日)
マネーサプライM2(前年比、発表日未定、~15日)
新規雇用者数(前月比)
失業率
政策金利
実質GDP(前年比)
経常収支
IPCA(拡大消費者物価指数、前年比)
法人企業景気予測調査
( 景況判断BSI- 大企業製造業、 前期比)
法人企業景気予測調査
( 景況判断BSI- 大企業全産業、 前期比)
ミ シ ガン大学消費者信頼感指数( 速報)
鉱工業生産(前年比)
政策金利
政策金利
112.2
105.0
-
-
▲1.8%
13,317億円
-
-
-
0.3%
-
-
-
▲7.7%
489.0億 ド ル
▲6.1%
-
-
-
112.3
106.5
-
▲1.4%
▲1.6%
13,003億円
51.6
51.9
-
0.3%
▲0.8%
240億ユーロ
▲1.1%
▲8.1%
430.3億 ド ル
▲8.3%
-
2.7%
-
-
-
3.6%
0.50%
1.9%
8,500億 元
13.3%
5,000人
6.3%
2.75%
-
-
-
▲7.9%
0.50%
1.6%
14,800億 元
13.3%
38,500人
6.3%
3.00%
2.3%
▲33.6億ドル
9.56%
-
▲6.0%pt
-
▲1.2%pt
91.5
-
-
-
91.9
3.8%
3.25%
1.50%
11.2%
6.3%
10.6%
11.2%
6.0%
10.5%
9月 12日 (土 )
9月 13日 (日 )
固定資産投資( 都市部、 年初来、 前年比)
鉱工業生産( 前年比)
小売売上高( 前年比)
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年9月3日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
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本レポートについての注意事項は巻末をご覧ください。
2015 年 9 月 3 日(木)
投資情報部
Weekly Outlook No.220
<再来週のスケジュール>
発表日
国・ 地域
週内
日本
日本
ユーロ圏
9月 14日 (月 )
インド
-
日本
米国
9月 15日 (火 )
ユーロ圏
独
英国
インドネシア
ロシア
-
米国
ユーロ圏
9月 16日 (水 )
英国
タイ
ブラジル
日本
9月 17日 (木 )
9月18日(金)
9月 19日 (土 )
9月 20日 (日 )
米国
NZ
インドネシア
ロシア
ブラジル
日本
日本
ギリシャ
市場予想 前月・ 前期・ 前年
-
-
7月
8月
8月
-
-
8月
8月
8月
9月
7月
9月
8月
8月
8月
-
8月
-
8月
5-7月
8月
-
7月
8月
8月
8月
8月
8月
8月
8月
8月
8月
9月
-
-
4-6月期
-
8月
7月
-
安保関連法案の採決
日銀金融政策決定会合( ~15日)
鉱工業生産(前月比)
卸売物価指数(前年比)
消費者物価指数(前年比)
IAEA総会(~18日、オーストリア・ウィーン)
黒田日銀総裁が記者会見
小売売上高( 除自動車、 前月比)
小売売上高( 前月比)
鉱工業生産指数( 前月比)
ニュ ーヨーク連銀製造業景況指数
貿易収支(季調済)
ZEW景気期待指数
消費者物価指数(前年比)
貿易収支
鉱工業生産(前年比、発表日未定、~16日)
国連総会(~28日、米国・ニューヨーク)
消費者物価指数(除食品&エネルギー、前年比)
FOMC( 連邦公開市場委員会、 ~ 17日)
消費者物価指数(前年比、確報、前回値は速報値)
ILO失業率
失業保険申請件数
政策金利
小売売上高指数(前月比)
貿易収支( 季調済)
貿易収支
全国百貨店売上高(前年比、発表日未定、~20日)
輸入( 前年比)
輸出( 前年比)
住宅着工許可件数(年率換算)
住宅着工許可件数( 前月比)
住宅着工件数(年率換算)
住宅着工件数( 前月比)
フィラデルフィア 連銀製造業景況指数
政策金利
イエ レンFRB( 連邦準備制度理事会) 議長記者会見
実質GDP(前期比)
政策金利
実質小売売上高(前年比)
経済活動指数(前月比、発表日未定、~18日)
日銀金融政策決定会合議事要旨(8月6~7日分)
8月
全国スーパー売上高(前年比、発表日未定、~25日)
自民党総裁選投開票( 無投票の場合は行われず)
ギ リシ ャ総選挙
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
▲4.4%
-
-
-
-
-
-
1.25%
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
0.25~0.50%
-
-
-
▲9.0%
-
-
-
-
▲0.4%
▲4.05%
3.78%
-
-
0.4%
0.6%
0.6%
▲14.92
219億ユーロ
25.0
0.1%
13.32億ドル
▲4.7%
-
1.8%
-
0.2%
5.6%
▲4,900人
1.50%
▲0.4%
▲3,688億 円
▲2,684億 円
3.4%
▲3.2%
7.6%
113.0万戸
▲15.5%
120.6万戸
0.2%
8.3
0.00~0.25%
-
0.2%
7.50%
▲9.2%
▲0.58%
-
-
1.9%
-
-
注: 発表日は現地時間。市場予想と実績は2015年9月3日12時時点のBloombergの値を表示。スケジュールは予告なしに変更されることがあります
出所: Bloombergおよび各種報道などよりSMBC日興証券作成
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投資情報部
Weekly Outlook No.220
投資情報部作成最新レポートのご紹介
【定期発行レポート】
Daily Outlook(日刊投資情報)、主要通貨デイリー 、新興国通貨デイリー、Global Market Review 、Japan Market
Review、Weekly Outlook(週刊投資情報)、投資部門別売買動向(現物・先物)、月刊投資情報(株式・為替・金利の見
通し)、日本株投資戦略(月刊プレゼン資料)、日興ストラテジー・セレクション(注目銘柄リスト)、注目スケジュール etc
【スポット・レポート】
<日本株式>
2015/09/01
二番底形成局面か
2015/08/24
株価上昇のきっかけは何か ~バリュエーションの調整進む~
2015/08/21
当面の日経平均の下値目途 ~今後の上昇相場に備える局面か~
<マクロ・為替・金利・新興国・海外株式>
2015/09/03
ブラジル経済
中銀が政策金利を 8 会合ぶりに据え置き
2015/08/31
米国株式
Hot Topics:株価下落局面での投資戦略
2015/08/27
豪ドル
今後の上値の重さを示唆する民間設備投資動向
2015/08/26
中国株式
利下げにもかかわらず株価の本格回復は 9 月以降となろう
2015/08/25
豪ドル
足元の急落について
2015/08/25
為替
ドル円:目先は波乱含みも、先行きドル高円安予想を継続
2015/08/24
米国株式
米国株の下落について~下値は限定的
【カンパニー・ブリーフ】
2015/08/28
商船三井(9104)
2015/08/28
東日本旅客鉄道(9020)
2015/08/28
東武鉄道(9001)
2015/08/28
日本航空(9201)
メキシコ概観
2015/06/10
ブラジル概観
【カントリー・レポート】
2015/07/14
【注目の投資テーマ&業界ナビ】
2015/08/31
注目の投資テーマ~2015 年 9 月~
2015/08/26
投資妙味の大きい、「中国関連銘柄」
【その他プレゼン資料】
2015/09/02
投資初心者向け資料~9 月の日本株と為替のポイント
2015/09/01
日経平均株価・ドル円の推移と主な出来事
2015/09/01
海外・個人投資家売買動向
2015/09/01
日銀の金融緩和策(ETF・REIT)
2015/08/31
米 2015 年 4-6 月期実質 GDP2 次推計値
2015/08/28
米国主要企業決算発表スケジュール
2015/08/27
日経平均株価は 3 万円を超えるか
2015/08/26
TOPIX の予想 EPS から日経平均の水準を探る
2015/08/26
米国の利上げ期待は後退
2015/08/21
8 月以降、秋ごろにかけて仕込み時
2015/08/21
円安ドル高は継続する見通し
2015/08/21
日経平均の下値目途 ~今後の上昇相場に備える~
* 上記レポートをご希望の方は、最寄りの支店までお問い合わせください。
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Weekly Outlook No.220
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円)の委託手数料をお支払いいただきます。投資信託の場合は銘柄ごとに設定された各種手数料等(直接的費用として、最大 4.32%の
申込手数料、最大 4.5%の換金手数料又は信託財産留保額、間接的費用として、最大年率 5.61%の信託報酬(又は運用管理費用)及
びその他の費用等)をお支払いいただきます。債券、株式等を募集、売出し等又は相対取引により購入する場合は、購入対価のみをお
支払いいただきます(債券の場合、購入対価に別途、経過利息をお支払いいただく場合があります。)。また、外貨建ての商品の場合、
円貨と外貨を交換、又は異なる外貨間での交換をする際には外国為替市場の動向に応じて弊社が決定した為替レートによるものとしま
す。上記手数料等のうち、消費税が課せられるものについては、消費税分を含む料率又は金額を記載しております。
リスク等について
各商品等には株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の価格の変動等及び有価証券の発行者等の信用状況(財
務・経営状況を含む。)の悪化等それらに関する外部評価の変化等を直接の原因として損失が生ずるおそれ(元本欠損リスク)、又は元
本を超過する損失を生ずるおそれ(元本超過損リスク)があります。
なお、信用取引又はデリバティブ取引等(以下「デリバティブ取引等」といいます。)を行う場合は、デリバティブ取引等の額が当該デリバ
ティブ取引等についてお客様の差入れた委託保証金又は証拠金の額(以下「委託保証金等の額」といいます。)を上回る場合があると共
に、対象となる有価証券の価格又は指標等の変動により損失の額がお客様の差入れた委託保証金等の額を上回るおそれ(元本超過
損リスク)があります。
また、店頭デリバティブ取引については、弊社が表示する金融商品の売付けの価格と買付けの価格に差がある場合があります。
上記の手数料等及びリスク等は商品毎に異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書又はお客様向け資料等をよ
くお読みください。なお、目論見書等のお問い合わせは弊社各部店までお願いいたします。
商 号 等 SMBC日興証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 2251 号
加入協会 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、一般社団法人第二種金融商
品取引業協会
(2015/04/09 版)
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