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Small Voice 細き 聲 聖書研究
Copyright (c) 2014 Makoto Minagawa All Rights Reserved
ほ そ き こえ
Small Voice
細き聲
聖書研究
大いなる強き風山を裂き岩石を砕きしが風の中にはエホバ在さざりき、風の後に地震ありしが地震の中にはエホバ在さざりき。
又地震の後に火ありしが、火の中にはエホバ在さざりき、火の後に静なる細微き声ありき。
列王記略上19:11、12 明治元訳聖書
日本学生宣教会
マタイによる福音書
4章15節
†
日本語訳聖書
【漢訳聖書】
Matt. 4:15 西布倫地、納大利地、沿海在約但外異邦人之加利利、
【明治元訳】
Matt. 4:15 ゼブルンの地(ち)ナフタリの地海(うみ)に沿(そひ)たる地ヨルダンの外(むかふ)の地異邦人(いはうじ
ん)のガリラヤ
【大正文語訳】
Matt. 4:15 『ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ、
【ラゲ訳】
Matt. 4:15 曰く「ザブロンの地、ネフタリムの地、ヨルダンの彼方なる湖辺の道、異邦人のガリレア、
【口語訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、海に沿う地方、ヨルダンの向こうの地、異邦人のガリラヤ、
【新改訳改訂3】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地とナフタリの地、湖に向かう道、ヨルダンの向こう岸、異邦人のガリラヤ。
【新共同訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地とナフタリの地、/湖沿いの道、ヨルダン川のかなたの地、/異邦人のガリラヤ、
【バルバロ訳】
Matt. 4:15 「ザブロンの地、ネフタリの地、海辺の道、ヨルダンのかなたの国、異邦人のガリラヤ、
【フランシスコ会訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、湖沿いの道、ヨルダンのかなた、異邦人のガリラヤ、
【日本正教会訳】
Matt. 4:15 曰く、ザワゥロンの地、ネファリムの地、海濱(かいひん)の路(みち)にイオルダンの外に在る
異邦のガリレヤ、
【塚本虎二訳】
Matt. 4:15 “
(ガリラヤの)湖に向かった、ゼブルン(族)の地とナフタリ(族)の地、ヨルダン川の向こう(の
ペレヤ)
、異教人の(住む)ガリラヤ──
【前田護郎訳】
Matt. 4:15 「ゼブルンの地、ナフタリの地、海沿いの道、
【永井直治訳】
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Matt. 4:15 ヨルダンの向側(むかいがは)
、海の道[なる]ゼブルンの地、またネフタリムの地、[即ち] 國人のガ
リラヤ、
【詳訳聖書】
Matt. 4:15 「ヨルダン川の向こう、湖への道にあるゼブルンの地とナフタリの地、異邦人[すなわち、イスラエ
ルに属していない民]のガリラヤ、
†
ギリシャ語聖書
Interlinear
Matt. 4:15 Gh/ Zaboulw.n kai. gh/ Nefqali,m( o`do.n qala,sshj( pe,ran tou/ VIorda,nou( Galilai,a tw/n evqnw/n(
Gh/
Zaboulw.n
Land of Zebulun,
pe,ran
tou/
beyond the
†
kai.
and
VIorda,nou(
Jordan,
gh/
land
Nefqali,m(
of Naphtali,
Galilai,a
Galilee
tw/n
of the
o`do.n
way
qala,sshj(
of[the] sea,
evqnw/n(
nations;
私訳(詳訳)
【私訳】 「ヨルダン川の向こう岸、海の道(湖沿いの道)[にある]ゼブルンの地とナフタリの地、[すなわ
ち]異邦人(異教徒)のガリラヤ」
†
新約聖書ギリシャ語語句研究
【ゼブルンの】 Zaboulw.n Zaboulw,n
ザブーローン
Zaboulōn {dzab-oo-lone‘}
(n-gm-s 名詞・属男単)
ゼブルン ヘブル地名「住処」
ヤコブの子ゼブルンがヨルダンの東に住み、海辺の民となった。ヤコ
ブの第10子、ゼブロン(ゼブルン) ゼブロン族
【地】 gh/ gh/ ゲー gē {ghay}
(n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)
1)地、大地 2)土地、陸、陸地、地面、土壌 3)国、国土、領地 4)地域、地方 5)故郷、国
【そして】 kai. kai, カイ kai {kahee}
(cc 接続詞・等位)
1)~と、~も
2)そして、~さえ 3)しかし、しかも 4)それでは、そうすれば
【ナフタリの】 Nefqali,m Nefqali,m ¥ ネフタリム Nephthaleim {nef-thal-ime‘}
(n-gm-s 名詞・属男単)
ナフタリ ヘブル地名 「わが角力」 ヤコブの第6子、ナフタリ ナフタリ族
【地】 gh/ gh/ ゲー gē {ghay}
(n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)
1)地、大地 2)土地、陸、陸地、地面、土壌 3)国、国土、領地 4)地域、地方 5)故郷、国
【湖沿いの道】 o`do.n qala,sshj 「海の道」
【湖】 qala,sshj qa,lassa タラスサ
thalassa {thal‘-as-sah} (n-gf-s 名詞・属女単)
1)海、湖 2)海洋、湖水 3)紅海 4)地中海
【道】 o`do.n o`do,j ホドス
hodos {hod-os‘}
(n-af-s 名詞・対女単)
1)道、道路、通路 2)旅、旅路、行路、旅行
【ヨルダン川の】 VIorda,nou
VIorda,nhj イオルダネース Iordanēs {ee-or-dan‘-ace}
(n-gm-s 名詞・属
男単)
1)ヨルダン(川) 2)古アラム語 「流れる」「河」
【かなたの地】 pe,ran
pe,ran ペラン
peran {per‘-an} (pg 前置詞・属)
1)向こう側に 2)向こう岸、対岸 3)ヨルダン川の向側
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【異邦人の】 evqnw/n e;qnoj
1)民族、部族、国民
エトノス
ethnos {eth‘-nos} (n-gn-p 名詞・属中複)
2)異邦民族 3)非ユダヤ人、異教徒、ヤーウェへの信仰をもたない異教徒
【ガリラヤ】 Galilai,a Galilai,a ガリライア Galilaia {gal-il-ah-yah}
(n-nf-s/n-vf-s 名詞・主女単/呼)
ガリラヤ
ヘブル地名「周辺」 パレスチナ北部地域を指す。(バークレイは「ガリラヤ」はヘブル語
「ガリル 環」からきているとする)ガリラヤ地方は異邦の民が多く居住し、ユダヤ人との混血も行なわ
れたところから「霊的暗黒の地」とされた。
†
英語訳聖書
Latin Vulgate
4:15 terra Zabulon et terra Nepthalim via maris trans Iordanen Galilaeae gentium
King James Version
4:15 The land of Zabulon, and the land of Nephthalim, [by] the way of the sea, beyond Jordan, Galilee of the
Gentiles;
American Standard Version
4:15 The land of Zebulun and the land of Naphtali, Toward the sea, beyond the Jordan, Galilee of the
Gentiles,
New International Version
4:15 "Land of Zebulun and land of Naphtali, the way to the sea, along the Jordan, Galilee of the Gentiles-Bible in Basic English
4:15 The land of Zebulun and the land of Naphtali, by the way of the sea, the other side of Jordan, Galilee of
the Gentiles,
Darby's English Translation
4:15 Land of Zabulon and land of Nepthalim, way of the sea beyond the Jordan, Galilee of the nations:
Douay Rheims
4:15 Land of Zabulon and land of Nephthalim, the way of the sea beyond the Jordan, Galilee of the Gentiles:
Noah Webster Bible
4:15 The land of Zabulon, and the land of Nephthalim, by the way of the sea, beyond Jordan, Galilee of the
Gentiles:
Weymouth New Testament
4:15 'Zebulun's land and Naphtali's land; the road by the Lake; the country beyond the Jordan; Galilee of the
Nations!
World English Bible
4:15 'The land of Zebulun and the land of Naphtali, Toward the sea, beyond the Jordan, Galilee of the
Gentiles,
Young's Literal Translation
4:15 'Land of Zebulun and land of Naphtali, way of the sea, beyond the Jordan, Galilee of the nations! --
†
細き聲 聖書研究ノート
<異邦人>
「異邦人
e;qnoj
エトノス」は「民族、国民」を意味し、ここでは「異邦民族」を指す。人はみな「異邦人」
である。その自覚を抜きにして同胞を(そして人間を)語ることはできない。 「異邦人」としての自己認識は
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同時に「異邦人」としての他者認識である。
<辺境の者>
イエスの宣教はイザヤの預言した「異邦人のガリラヤ」から始まった。福音は中央からではなく辺境から始まっ
た。辺境の者がイエスを求めた。彼らこそが「新しい革袋」だった。
<ガリラヤ>
ガリラヤの名は、ヘブライ語のガーリール lyliN:
ga-li-l(
「輪」
「周辺」
「地域」の意)のギリシア音訳ガリライア
Galilaia(
「周囲」すなわち「地方」の意)に由来する。元来はガリラヤ湖西方の山岳地帯の名称であった。旧約
時代には先住民カナーン人が残存し、この地方は「異民族のガリラヤ」
(イザヤ9:1)とよばれた。
†
心のデボーション
「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15
語訳聖書
大正文
ガリラヤ地方はカナン制服後ユダヤ人の地になったが、多くのカナン人の先住民が暮らしていた。その後この地
は、アッシリア、バビロニア、ペルシャ、マケドニア、エジプト、シリアなどに征服され、その都度、多民族の
移住が繰り返され、ユダヤ人との混血がおこなわれ、ユダヤ人から「異民族のガリラヤ」と呼ばれた。
ユダヤ人は「神に選ばれた者」であり(イザヤ43:20~21)、異邦人との混血は何よりも蔑むべきことで
あった。イエスの時代には、異邦人とは食事も共にしない者も多くいたのである。
「異邦人
e;qnoj
エトノス」は「異邦人」であるとともに、「異教徒」であることを意味する。
民族と個人を切り離すことはできない。それはいかなる個人も民族の宗教と無縁ではいられないということであ
る。人はだれでも「内なる宗教性」を持つ。それは内にあって光を与えられるのを待っている。
†
心のデボーション
「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15
語訳聖書
大正文
太平洋に浮かぶモアイ像で知られる「イースター島 Easter Island」には、ふるくから板に刻まれた絵文字「ロ
ンゴロンゴ」が存在した。周囲の島々は文字をもたなかったがイースター島(スペイン語:Isla de Pascua)だけ
に発達した独自の文字であった。
1864 年 1 月 2 日、イエズス・マリアの聖心会 (フランスのカトリック修道会) の平修道士、ユージーン・ユーロ
ー (Eugène Eyraud) は、イースター島に上陸、その後 9 カ月間イースター島に滞在し、数百枚の絵文字の文字
板を目撃し、報告している。
それから4年後の 1868 年、ヒッポリト・ルーセル神父 (Hippolyte Roussel)が、文字板を収集し、それらを翻訳
できる先住民を見つけ出そうとしたところ、わずかの文字板しか発見できず、テキストの読み方についても住民
の間で意見の食い違いがあった。
この貴重な「ロンゴロンゴ」は現在21枚しか残されておらず、解読ができなくなってしまった。
こ4年の間にイースター島から「ロンゴロンゴ」が消滅した理由について、「ロンゴロンゴは悪魔の文字である」
として宣教師によって焼却されたという説があるが、定かではない。
俗説としても、そのような想像がなされる背景に、「異邦人」「異教徒」を異文化として、これを軽んじ、排斥
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する信仰の姿勢があることを認めなければならない。
イエスは「異邦人のカリラヤ」を本拠地とし、弟子を選び、宣教を開始されたが、それは「異邦人のガリラヤ」
を破壊することでも、革命的に変革することでもなかった。
†
心のデボーション
「ゼブルンの地、ナフタリの地、 海の邊、ヨルダンの彼方、 異邦人のガリラヤ」 マタイ4:15
語訳聖書
大正文
「異邦人」を山浦玄嗣訳は「夷狄 えびす」となっている。
古代中国では文化の及ばない地を「夷」とし、東夷、西戎、北狄、南蛮と呼んだ。排斥された人々である。
日本では「都から遠く離れた地」をさし、京都からみれば東国武士は「あずまえびす」であった。荒々しき人々
であった。
†
細き聲 説教
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