Comments
Description
Transcript
JETRASの次期システム開発について
2009.9.11 CISTEC説明会 JETRASの次期システム開発について 2009年9月 経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部貿易管理課 1 内 容 1.JETRASとは 2.次期システム開発の背景 3 次期システムの概要 3.次期システムの概要 4.申請者から見た改善点 5.次期システムの操作イメージ 6.利用移行手続き 2 1.JETRASとは パソコン、インターネットを始めとする情報通信技術の飛躍的な発展を踏まえ、行政サービス の質的な向上や行政事務の効率化を図るため、2000年頃から行政業務の情報化が急速に 進展している。 特に、政府は、「規制改革推進3ヶ年計画」(平成13年3月閣議決定)、「新総合物流施策大綱」 (平成13年7月閣議決定)、 「e−Japan重点計画」(平成13年3月IT戦略本部、以後毎年重 点計画を策定。直近は「重点計画-2008(平成20年8月)」)を順次策定し、各種申請手続のオ ンライン化や輸出入・港湾手続のワンストップサービス等の電子政府の実現を推進している。 このような施策を背景として、経済産業省貿易経済協力局では、電子政府の一環として、外国 為替及び外国貿易法(外為法)に基づく輸出許可・承認、輸入割当・承認等の全ての輸出入手 続のペーパレス化、ワンストップサービスを実現するため、「貿易管理オープンネットワークシス テム(JETRAS)」を開発し、平成12年4月からサービスを行っている。平成14年11月には、 通関データベースを開発し、通関情報処理システム(NACCS)と接続。 JETRASライト 申請書作成 ソフト JETRAS(平成12年4月∼) インターネット 電子申請 受付システム 審査支援 システム 輸出入者 METI-LAN 審査官 専用回線 NACCSセンター 通関データ ベース NACCS 回線網 (平成14年11月∼) 通関情報処理システム (NACCS) 通関業者 3 税関職員 JETRASで電子申請ができる外為法に基づく輸出入関連手続 外為法で指定された貨物の輸出入等を行う場合、経済産業大臣の許可・承認等が必要であり、申請者は書面又は 電子申請システムにより申請を行うことができる。 (注)特別返品等包括輸出許可、特別返品等包括役務取引許可、委託加工貿易に係る輸出承認、輸入事前確認(魚介類・ワシントン条約以外)、関税割当の申請は、件数が少なく、 費用対効果が低いため、システム対象外。 規制対象 根拠法令 個別 包括 貨物 個別 包括 役務 ︵ 安全保障関連︶ 許 可 ︵ 安全保障以外︶ 承 認 輸 出 規 制 ・武器(銃包、火薬類、軍用車両、軍用航空機 等) ・大量破壊兵器関連汎用品(天然ウラン、原子炉 等) ・通常兵器関連汎用品(先端材料、工作機械 等) ・大量破壊兵器等の開発等(キャッチオール規制) ・外為法第48条第1項 ・上記貨物の技術(設計、製造、使用) ・外為法第25条第1項 ・国内需給調整物資(血液製剤、配合飼料、うなぎの稚魚 等) ・取引秩序維持物資(漁船) ・国際協定等に係る物資(有害廃棄物、希少野生動植物 等) ・輸出禁止物資(麻薬、知的財産を侵害する貨物 等) 国際合意等 ・ワッセナーアレンジメント ・原子力供給国会合 ・オーストラリアグループ ・ミサイル関連機材・技術輸出規制 ・輸出令第2条第1項 輸出令第2条第1項 ・ワシントン条約 ・キンバリープロセス証明制度 ・モントリオール議定書 ・バーゼル条約 ・ロッテルダム条約 等 2号 2の2号 承 認 輸 入 規 制 割当・承認 (割当) 事前確認 ・数量割当(水産物、オゾン層破壊物資) ・関税割当(皮革、革靴 等) ・輸入令第9条第1項 ・特定地域の特定貨物(鯨、くろまぐろ、めかじき、さけ、ます 等) ・輸入令第4条第1項第2号 ・大西洋まぐろ類保存国際委員会 等 ・全地域を対象に承認を要する貨物 (原子力関連、機械・武器、火薬類、化学品、医薬品 等) ・輸入令第4条第1項第2号 ・ワシントン条約 ・バーゼル条約 等 ・輸入令第4条第1項第3号 ・大西洋まぐろ類保存国際委員会 ・みなみまぐろ保存委員会 ・インド洋まぐろ類委員会 4 ・全米熱帯まぐろ類委員会 等 ・輸入の監視等が必要な物資(冷凍くろまぐろ、ワクチン、血清 等) (承認) ・輸入令第4条第1項第1号 ・モントリオール議定書 ・(国内生産者の保護) 4 JETRASのシステム体系 JETRASは申請者用ソフトウェア、電子申請サブシステム、審査支援サブシステム、通関データベース、 申請者届出サブシステムの5つのシステムから構成されている。 審査支援サブシステムはさらに、大括りの手続毎に分割されている。 申請者届出書送付(郵送) 申請者届出サブシステム 事前届出サブシステム 申請者ID、認証書等返送(郵送) JETRAS利用認証書の発行 貿易管理部 システム管理者 申請者 申請者用ソフトウェア 電子申請用 ホームページ 許可・承認情報 の通知、数量残 等の参照 認証システム インター ネット セキュア通信プロトコル XML形式 申請ファイル セキュア通信プロトコル 申請者 電子申請 電子申請サブシステム 貿易管理部 審査官 申請 受理 電子申請 申請者 許可・承認情報 の通知、割当数 量残等の参照 許可・承認情報 の送付 輸出役務包括 輸出役務個別 電子稟議・全文検索 輸出別1貨物包括 申請 輸出別1貨物個別サブシステム 貨物・役務 同時申請 許可通知 XML形式 申請ファイル 申請 輸入サブシステム / 許可/承認証の送付 輸出別2貨物サブシステム 承認通知 裏書確定情報の送付 NACCS回線網 電子裏書 通関業者 別1・別2 同時申請 申請 承認通知 (一部の申請者) NACCS端末 地方局 審査官 数量残等 の送付 審査支援サブシステム ダイアル アップ 通商事務所 審査官 通関申告 通関DB ホーム ページ 通関データベースサブシステム 許可・承認証及び 裏書情報の送付 通関実績の送付 許可・承認証及び 裏書情報の参照 Air-NACCS Sea-NACCS 5 通関の許可(関税法) 税関 5 現行JETRASの問題点 経済産業省 JETRAS(平成12年4月∼) 【問題点】 ・手続毎に分かれているため改修コスト が余計にかかる ・入力項目の名称等の一貫性が不十分 ・補正指示等の機能不足 ・古いブラウザ(Netscape)を使用、等 申請者届出書送付 証明書(電子鍵等)返送 申請者用ソフトウェア ・申請書作成、電子署名等 電子申請 申請者届出サブシステム ・証明書(ID、パスワード、電子鍵等)の発行 貿易経済協力局 担当官 電子申請サブシステム 許可情報の通知等 ・電子申請の受付、許可情報等の提供 等 申請 許可・承認通知 - 【問題点】 ・インストールが難しい ・独自の通信プロトコル採用 ・入力項目の文字数不足 ・電子署名が必要、等 審査支援サブシステム ・申請内容の審査支援、電子許可・承認証の発行 等 許可・承認証の送付 裏書確定情報の送付 通関データベースサブシステム ・電子裏書、税関参照情報の提供 等 許可情報の連絡 申告事項情報 の送付 電子裏書(申告 情報を活用) 申告情報の登 録(関税法) (平成14年11月∼) 通関許可情報の送付 通関実績の送付 突合情報の送付 NACCS 回線網 通関業者 許可・承認証及 び裏書情報の送 付 貿易経済協力局審 査官等 IFS 許可・承認証 及び裏書きの 確認 突合結果 の確認 輸(出入許可承認等電子申請︶ ︵税関システムとの連携部分︶ (経産省コンピュータ室) 輸出入者 税関 Sea-NACCS Air-NACCS 通関の 許可 (外部データセンター) 6 2.次期システム開発の背景 次期JETRASの開発背景には、電子政府構築と行政改革の二つの流れが少し時期をずらして 起こり、開発計画の進捗に大きく影響。 2000年∼ ・JETRAS(2000年4月) ・通関データベース(2002年11月) JETRAS運用 (経産省) 2003年∼2005年 電子政府構築計画 ・業務・システム最適化計画 (特許庁、貿易管理、調査統計他) 2006年∼2007年 ・新JETRAS仕様検討 新JETRAS仕様検討 ・電子申請・審査機能 の開発 新JETRAS開発 (経産省) 2007年∼2008年 ・貿易手続改革プログラム 貿易手続改革プ グラム (アジア・ゲートウェイ戦略の一部) ・規制改革推進のための3か年計画(改訂) NACCSとJETRASの統合決定 (2007年11月) 開発成果の継承 2008年11月・次期システム開発 (共同開発) 2010年2月下旬・稼働開始(予定) 次期システム開発 (NACCSセンター) 次期システム運用 (NACCSセンター) 7 「規制改革推進のための3か年計画(改訂)」(平成20年3月25日閣議決定) 8 貿易 (2)「次世代シングルウィンドウ」導入を契機とした貿易手続関連システムの利活用促進 ④JETRAS(貿易管理オープンネットワークシステム)とNACCS(通関情報処理システム)の システム統合等の検討【平成20年結論、平成21年度末までに措置】より抜粋 貿易手続関連システムの更なる利便性の向上を図るため、外国為替及び外国貿易法に基づく輸出 入手続を電子化したシステムであるJETRASと、「次世代シングルウィンドウ」の基幹をなすNACCSに ついて、統合のための具体策を検討し、平成21年度末までに統合を実現する。 「貿易手続改革プログラム改訂版」(平成20年8月1日貿易手続改革プログラムフォローアップ会合 3.「次世代シングルウィンドウ」の見直し (2)具体的取組み ④NACCSと関係省庁のシステム統合等の検討より抜粋 ○NACCSと港湾EDIの統合を平成20年10月に行うとともに、平成21年度には、貿易管理手続を処理 するJETRAS(貿易管理オープンネットワークシステム)統合を行うとともに、その他の関係省庁の システムについても一体的な運営を通じて、システム統合を図ること等により、利用者の利便性向上 や更なるリードタイムの削減を図る。 8 (参考1)JETRASと輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)の統合経緯 昭和52年10月 昭和53年 8月 平成 3年 7月 平成 3年10月 平成 9年 2月 平成 9年 4月 平成11年10月 平成12年 4月 平成14年11月 平成15年 3月 平成15年 7月 平成15年10月 平成17年 3月 平成18年 9月 平成19年 5月 平成19年11月 平成19年12月 平成20年 3月 平成20年 5月 平成20年 8月 平成20年10月 平成20年10月 平成20年10月 平成21年 9月 財務省の認可法人「航空貨物通関情報処理センター」を設立 ・航空貨物通関情報処理システム(Air-NACCS)稼働開始 新たに海上貨物を対象とすることとし、「通関情報処理センター」に改称 ・海上貨物通関情報処理システム(Sea-NACCS)稼働開始 ・厚労省FAINS(輸入食品監視支援システム)とのワンストップサービス開始 ・農水省PQ-NETWORK(輸入植物検査手続電算処理システム)とANIPAS(動物検疫検査手続電算処理システ ム)とのワンストップサービス開始 ・Sea-NACCSの更改(港湾手続の追加) ・経産省JETRASのサービス開始 ※現行JETRASは 運用十年目。 ・経産省JETRASとNACCSを接続したワンストップサービス開始(通関データベースの構築) ・net-NACCS(NACCSのインターネットによる利用)利用開始 ・輸入・港湾関連手続シングルウインドウ業務の開始 認可法人「通関情報処理センター」を解散し、「独立行政法人通関情報処理センター」を設立 新JETRAS構築に向けた「業務・システム最適化計画」の公表(電子経済産業省推進本部) 電子政府の流れ 新JETRASの開発スタート NACCSと港湾EDI(国交省)との統合、国際的なシステム連携が盛り込まれた「貿易手続改革プログラム」策定 関係省庁会議で各省の港湾関連システムのNACCSへ統合化が決定 行政改革の流れ JETRASも次期NACCSに統合化することを決定(新JETRASの開発中断) 通関情報処理センターを特殊会社として民営化することを盛り込んだ「独立行政法人整理合理化計画」を閣議決定 JETRASとNACCSの21年度末までの統合を盛り込んだ「規制改革推進のための3か年計画(改訂)」を閣議決定 改正NACCS特例法の成立 NACCSとJETRASとの統合を盛り込んだ「貿易手続改革プログラム改訂版」策定 「独立行政法人通関情報処理センター」を解散し、「輸出入・港湾関連情報処理センター株式会社」を設立 ・Sea-NACCSの更改(NACCSと港湾EDIの統合) ・シングルウィンドウ(府省共通ポータル)のサービス開始 ・次期システム(貿易管理サブシステム)の開発スタート(新JETRASの開発成果を継承) ・次期システム(貿易管理サブシステム)の開発は概ね計画どおりに進捗中 (今後の予定) 平成21年10月 ・国交省の港湾管理者手続をシングルウィンドウ(府省共通ポータル)に追加予定 平成21年12月∼ ・次期NACCS総合運転試験開始 平成22年2月下旬 ・空港関係手続をシングルウィンドウ(府省共通ポータル)に追加予定 ・Air-NACCSの更改及び次期システム(貿易管理サブシステム)のサービス開始(予定) 9 9 (参考2)JETRASの開発経緯 ●JETRASの構築 「総合物流施策大綱」(平成9年4月閣議決定)及び「規制改革推進3カ年計画」(平成10年3月閣議決定)において、輸出入手続きの 簡素化・迅速化を早期に実現すべしとの指摘を受け、平成10年に外為法の輸出入許可/承認手続きのシステム化に着手し、平成 12年4月からオンライン申請を開始。現在、運用10年目。平成22年2月に次期システムに切り替える予定。 ●通関情報処理システム(NACCS)との接続 「新総合物流施策大綱」(平成13年7月閣議決定)及び「規制改革推進3カ年計画」(平成14年3月閣議決定)において、輸出入・港湾 手続きをワンストップサービス化すべしとの提言に基づき、平成14年11月からNACCS(通関情報処理システム。財務省関税局が所 管)と接続し、税関から輸出入許可/承認情報の照会・確認が可能となった。現在、運用7年目。平成22年2月に次期システムに切り 替える予定。 ●新JETRASの開発 「電子政府構築計画」(平成15年7月各府省CIO連絡会議)において、府省ごとに「業務・システム最適化計画」を策定することとされた。 これを受けて、経済産業省においては、そのモデル事業の1つにJETRASが選定され、平成17年3月に次期JETRASの構築に向けた 「貿易管理業務(輸出入及び港湾・空港手続関係業務)の業務・システム最適化計画」(平成17年3月電子経済産業省推進本部決定) を公表し、平成18年9月から新システム開発を開始したが、平成19年10月に次期NACCSとのシステム統合が決まり、開発を中断。 ●次期NACCSとのシステム統合(次期貿易管理サブシステムの開発) 平成19年11月に、関係省庁会議において各省の港湾関係システムの一本化(サーバ等機材も同じデータセンターに集約) の方向性が決まり、JETRASも従来の独自システム構築から次期NACCSのサブシステムとして、輸出入・港湾関連情報処 理センター(株)(通称:NACCSセンター、旧(独)通関情報処理センター)が構築することとなった。これを受けて、 平成20年5月から職員1名を出向させ、次期JETRASの調達手続きを開始した。運用開始は平成22年2月の予定。 なお、次期貿易管理システムの開発には、開発を中断した新JETRASの成果物を可能な限り活用し、開発コストの重複投 資を回避している。 ●電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理等に関する法律(NACCS特例法) 平成20年5月に、NACCSセンターの民営化及び業務範囲拡大(外為法に基づく輸出入申請等の電子情報処理を含む)を 柱としたNACCS特例法改正法案が可決した(施行日は同年10月1日)。同法の施行に合わせて、輸出貿易管理規則、輸 入貿易管理規則、貿易関係貿易外取引等に関する省令における「電子情報処理組織」の定義に、NACCSセンターが運用す る電子情報処理組織を含めるよう改正した。 10 (参考3)輸出入・港湾関連府省システム統合に係る工程表 国交省の港湾EDIシステム(船舶入出港手続システム)は20年10月に統合済み。 経産省のJETRASは22年2月下旬から統合・サービス開始予定。 平成19年度 財務省 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度∼ 新Sea-NACCS 調達開発(H18FY∼) 新Sea-NACCS稼働 国交省 法務省 港湾EDIシステム 調達・開発 (平成20年10月以降) 新NACCS稼働 乗員上陸許可支援システム 開発 (平成22年2月以降) 財務省 経産省 新Air-NACCS 調達・開発 ★開発中断 計画変更 移管準備 新NACCS(JETRAS部分) 調達・開発 更改FAINS 調達・開発 厚労省 更改ANIPAS 調達・開発 更改FAINS稼働(次期更改時に統合) 更改ANIPAS稼働 (平成25年10月以降NACCSと統合予定) 農水省 更改PQ-NETWORK 調達・開発 更改PQ-NETWORK稼働 (平成25年10月以降NACCSと統合予定) 11 11 3.次期システムの概要 NACCS(Nippon Automated Cargo And Port Consolidated System)とは NACCSは、輸出入貨物関連の諸手続や船舶等の入出港手続等を処理する情報シス テムです。 平成20年10月に施行された改正「電子情報処理組織による輸出入等関連業務の処理 等に関する法律」により、以下の各法律に所管が分かれていた輸出入等関連業務の 電子申請がNACCSに統合化できるよう、制度改正が行われました。 ・国際運送貨物に係る税関手続等(財務省) ・出入国管理及び難民認定法に基づく申請等(法務省) ・食品衛生法又は検疫法に基づく申請等(厚生労働省) ・植物防疫法、家畜伝染病予防法等に基づく申請等(農林水産省) 植物防疫法、家畜伝染病予防法等に基づく申請等(農林水産省) ・外国為替及び外国貿易法に基づく申請等(経済産業省) ・港則法、港湾法に基づく申請等(国土交通省) 輸入に関しては本船の入港から貨物の船卸し、国内引取りまで、輸出に関しては貨物 の保税地域への搬入から本船への船積み、出港までの輸出入に係る一連の手続を情 報システムにより処理します。 ・輸出入貨物の税関への申告手続、貨物の搬出入等が処理できる。 ・平成22年2月下旬から、外国為替及び外国貿易法(外為法)に係る輸出許可・ 輸入承認等の電子申請システム(貿易管理サブシステム)が稼動予定。 ・輸出入及び港湾関連のすべての行政手続の迅速化・効率化やペーパーレス化等に より利用者の事務負担を軽減し、我が国の国際競争力強化の効果が期待される。 12 次期システムの特徴 次期システムはNACCSを構成する貿易管理サブシステムとして位置づけられる。 JETRASの基本機能を継承した上で、システム最適化設計を実施、オープンな標準を採用してシステム構築。 輸出入者は、パソコン(Windows XP、Vista)とインターネットがあれば利用可能(特別な環境は不要)。 通関業者は、NACCS利用者IDを使用して、裏書き処理、通関申告機能を利用可能。 輸出入・港湾関連情報処理センター 輸出入者 経済産業省 貿易管理サブシステム 電子申請 電子申請機能 (インターネット経由) (インタ ネット経由) ・電子申請の受付、許可情報等の提供 等 ・申請書作成等 申請 許可・承認通知 - 貿易経済協力局 審査官等 府省共通 ポータル 審査支援機能 ・申請審査業務 ・申請内容の審査支援、電子許可・承認証の発行 等 許可・承認証の送付 裏書確定情報の送付 通関裏書き機能 許可情報の連絡 ・電子裏書、税関参照情報の提供 等 許可・承認証 及び裏書きの 確認 通関業者 電子裏書(申告 情報を活用) NACCS 突合結果 の確認 税 関 通関の許可 13 次期システムの運用形態の変更 次期システムの運用保守・利用者サポートは、NACCSセンターが一元的に行います。 経済産業省 【平成12年4月 ∼現在】 職員 利用者 JETRAS サービス利用 調 達 (無料) システム構築(外注) ・輸出入業者 ・通関業者 ・税関など 申請者管理・運用管理 貿易管理部職員 地方局担当職員 【平成22年2月下旬∼】 NACCSセンター 経済産業省 職員 調達 仕様検討 システム企画 申請者管理・普及促進 貿易管理部職員 地方局担当職員 利用料支払い システム構築(外注) 利用者 運用・管理 サービス利用 サービス利用 NACCS(貿易管理サブシステム) ・輸出入業者 ・通関業者 ・税関など ※貿易管理サブシステム利用は無料 14 統一的なシステム運用 次期システムの設計・開発の基本方針 サービス指向アーキテクチャー( サービス指向アーキテクチャー(SOA SOA: :Service Oriented Architecture)の適用 Architecture)の適用 – 起案・決裁・許可等の手続き横断の機能は、サービス共通利用による重複投資抑制 – プログラム変更時等のシステムの改修箇所の局所化 – システム統廃合時のプログラムやデータの移行・変換作業の容易化 3層アーキテクチャーの適用 – データベースのセキュリティの向上 – 層毎に処理を明らかにすることで、変更時の影響範囲を限定 – オープンな標準に準拠したミドルウェアソフトの採用(ベンダーロックインの回避) 既存システム資産を最大限に活用 – 業務・システム最適化計画の下で平成18年度に開発した新JETRAS(申請・審査部分)の設計 書やプログラム等の開発成果を継承(業務・システム最適化を反映した要求仕様を継承) – JETRASと通関データベースの機能をSOAの適用し一体的なシステムとして再構築 – 電子様式の入力項目の名称、文字数を統一化し、一元的なデータ管理の実現 15 電子申請と審査業務プロセスの流れ 輸出入者等はNACCSセンターに利用申込を行い、利用者ID、初期パスワード、デジタル証明書、NACCSパッ ケー ジ・ソフト等を取得する。貿易管理サブシステムの利用料金は無料(パソコン・インターネット料金は自己負担)。 経産省への事前の申請者届出(新規・変更)手続は、本人確認(代表者、被委任者)のために従来通り必要。 ■ 次期システムを使った手続きフロー (裏書処理が必要な許可・承認の例) ① 輸出入許可・承認 の電子申請 輸出入者 輸出入・港湾関連情報処理センター(株) (NACCSセンター) NACCSパッケージ・ソフト (申請書作成、電子申請、 状況確認等) ③審査の状況確認(随時) ④許可・承認をした旨の通知 府省共通ポータル インターネット ⑤ 許可・承認番号 の連絡 ②審査、補正指示、決裁、 施行、 許可・承認証等交付 電子申請 審査支援 裏書処理 高速専用回線 NACCS ⑧ NACCSでの通関申告 ⑦ 許可・承認情報 及び裏書情報の審査 アクセス権の照合 (本人確認) NACCS端末 輸出入許可・承認 本省・地方局・通商事務所 ⑥ 許可・承認番号の照会及び 通関数量等の裏書登録 通関業者 経済産業省 他省システム NACCS利用認証 (利用者ID+パスワード) ⑨通関実績情報入力 税 関 16 電子申請と審査業務プロセスの流れ 審査業務プロセスと進捗状況の可視化 個々の審査業務プロセスを①∼⑩の論理的なサービスとして分割し、SOAに基づいて実装。 審査業務プロセスの進捗に合わせて状況ステータスを遷移させ、案件毎の審査状況を可視化。 経済産業省 申請者 審査業務プロセス 審査者 ① 台帳情報登録 システム システム 台帳情報 申請 申請書類 整理番号受領 整理番号 (書面又は 電子メール) ② 補正指示の受領 補正指示 (電話又は 電子メール) ③ ステータス 「補正依頼中」 ④ ステータス 「補正依頼中」の解除 申請書類の補正 申請書類 整理番号通知 申請書補正指示 補正済申請書受領 ⑤ 受理 整理番号発行 ステータス 「受理済」 輸出入者 審査官 ⑥ 伺い文作成 伺い文出力 起案 ステータス 「審査中」 伺い文 ⑦ 進ちょく状況確認 (必要に応じて 整理番号により システムで確認する) ⑧ ⑨ 許可承認証等受領 ⑩ 許可承認証等 決裁 決裁 決裁 ステータス 決裁 「決裁済」 決裁 施行 ステータス 「施行済」 交付 ステータス 「交付済」 17 4.申請者から見た改善点 次期システムでは、利用環境、サポート体制、機能・操作性の面で大きく改善。 2007年に実施した業務・システム最適化の過程で作成した要求仕様を踏襲。 次期システムの改善点(利用環境、サポート体制) 1. ユーザフレンドリーな利用環境 ・通関業者、海運業者、航空会社等約2500社の利用実績があるNACCSパッケージ ソフトはインストールが簡単。また、機能追加等は設定により自動アップデートする。 ・電子申請の受付は24時間365日(定期保守等を除く)のサービスを検討中(但し、平日 17時以後に到達完了した申請の審査官による確認は翌営業日から対応)。 ・プロキシーサーバ/ファイアーウォールへの特別な設定(8080ポート開通)は不要です。 ・業務で使っているパソコン(Windows 業務で使 ているパソコン(Wi d XP又はVi t メモリ 512MB以上等)から XP又はVista、メモリー512MB以上等)から インターネットを使用して、手軽に電子申請ができる。 ・通信セキュリティは、NACCSセンターが発行するデジタル証明書をパソコンに設定 することにより、SSL通信により暗号化し、情報漏洩を防止します。 2.充実したサポート体制 ・NACCSパッケージソフトの操作法等の問い合わせは、NACCSセンターのヘルプ ディスクが24時間365日体制で対応する。 ・利用手続き等の相談・問い合わせは、NACCSセンター業務部地域サービス課(川崎) 又は事業所(東海、西日本、九州)で受け付ける。 18 次期システムの機能・操作性の改善点(輸出入・通関事業者向けの機能拡充) 1.最終段階の電子申請書のダウンロードが可能 ・受理・審査・決裁・許可された最終段階の電子申請書(XMLファイル形式)でダウン ロードし、保管・再利用が可能になります。 ・業務サーバ等で一元管理すれば、貿易管理部門で共用し、業務効率化にも資する。 2.電子ライセンスの記載内容をPDFファイルで出力 ・電子ライセンス(輸出許可証等)の記載内容はPDFファイルで管理し、書面に近い見 やすさで表示・印刷できます。 3.申請、状況確認、裏書き、税関申告等の関連業務を同一環境で実行 3 申請 状況確認 裏書き 税関申告等の関連業務を同 環境で実行 ・NACCSパッケージソフトをインストールすれば、メニューから関連業務を選択して、 実行できます。ソフトウェアを使い分ける必要はありません。 4.操作性の改善 ・電子署名が不要になります(本人確認はNACCS利用者IDと貿易管理サブシステムの マスターファイルとの照合によるアクセス権のチェックに代替されます)。 ・審査官から補正指示を受けて、指摘された箇所を訂正する補正申請が可能になります。 ・申請書の買主名、申請理由等の入力項目の文字数を大幅に増やします。 ・パソコンの機種を変更する際に、過去の申請データはファイルとしてコピーすれば移行 可能。 19 輸出入許可・承認等手続の電子化率の現状と今後の目標 年間当たりの申請件数の総計は平成20年で約5.2万件。このうち、電子申請は約8%。 全申請の約3割を占める輸出許可の電子化率は約9%にとどまっている。 輸入承認(水産物)の電子化率は15%と最も高いが、輸入事前確認は0.5%程度と低い。 次期システム稼働後3年で、電子化率50%を目標に設定し、システム改良と業務プロセス改善を推進。 電子申請率の中期目標:50% 「貿易管理業務(輸出入及び港湾・ 空港手続関係業務)の業務・システム 最適化計画(2005年3月)」※の中で、 システム稼働後の電子化率を50%と 想定。 現状 ※2008年10月に施行された改正NACCS 特例 特例法において、外為法に基づく輸出入 基づ 輸 に係る電子申請システムはNACCCSの サブシステムとして、一体的に運用・保 守されるため、現在改訂中。電子化率の 目標は維持する方向。 22年3月 23年3月 24年3月 25年3月 50% ★次期システム稼働 40% 30% 現行システム 20% 約9% 20 5.次期システムの操作イメージ (1)申請書の作成 申請書作成はJETRASライトの操作性を踏襲しつつ、様式に近いシンプルなレイアウト。 申請書の買主名、申請理由等の入力項目の文字数を増やします。 <JETRAS> <次期システム> 選択した申請様式の入力 項目画面を表示 画面の大きさ、各列 の幅を変更可能 入力文字数が大幅 に増加 入力ガイダンス 21 21 (2)電子申請 電子署名が不要になります。 ユーザが設定する任意のフォルダに、申請書を保存できます。 <次期システム> <JETRAS> 添付資料追加 利用者の決めた保存先 に申請書ファイルを保存 添付ファイル追加ボタン 申請(送信)ボタン 申請書ファイル/添付資 料を添付 申請様式コードの 入力項目ガイド(ヘルプ)を表示 申請様式コードを入力 100:輸出許可申請 109:輸出許可内容訂正申請 等 22 22 (3)審査状況の確認 電子申請した案件の審査状況をインターネットを使って随時、確認できます。 審査状況はシステムが状況ステータスと管理しているので、リアルタイムで審査状況が 分かります。 <JETRAS> <次期システム> 検索条件を設定して、 進捗状況を確認 検索条件にあった案件の進捗状 況を一画面で4件まで表示 23 (4)電子ライセンスの記載内容の表示 電子ライセンス(輸出許可証等)の記載内容はPDFファイルで管理されるので、書面 に近い見やすさで表示・印刷できます。 <JETRAS> <次期システム> ライセンス番号を入力し、 許可証を取得 書面イメージの許可証(PDFファイル) 24 24 6.利用移行作業の流れ 輸出入業者等 【業務部】 郵送 現行JETRASの 利用登録企業 (事務連絡) ※登録720社/利用220社 ※9月上旬に説明会実施 (名古屋、神戸、東京) NACCS利用 申込書 NACCS利用 申込書 ・移行連絡担当者の登録 ・移行管理票の確認 ・申請者の変更・廃止の届出(必要があれば) 申請者の変更 廃止の届出(必要があれば) ・NACCS利用者IDの追記・提出 【業務部】 次期システムの 新規利用企業 NACCS利用 申込書 ・利用承諾書の送付 ・人数分のNACCS利用者ID発行 ・デジタル証明書の発行 (省令等改正) ・代表者と被委任者の全員、各々のNACCS利用者ID ・登記簿謄本・委任状等の本人確認証明書 本人確認の 証明書 連携 利用移行 管理票 利用移行説明会 ・名古屋(9/3) ・神戸(9/4) ・東京(9/9) ・利用移行の連絡 ・相談・助言 ・移行管理票の提供 ・移行管理票(NACCS利用者ID)の確認 利用者ID、暗証番号の デジタルの交付 経産大臣宛の 申請者届出 ・移行管理票の作成 ・登録リストとチェック ・利用者移行コンバータ表作成 【JETRAS利用移行相談窓口】 利用移行 管理票 郵送 【貿易管理課】 ・利用承諾書の送付 ・人数分のNACCS利用者ID発行 ・デジタル証明書の発行 利用者ID、暗証番号、 デジタル電子証明書の交付 (参考) 経済産業省 NACCSセンター NACCS利用 申込書 【貿易管理課】 ・接受完結(文書管理) ・内容審査(代表者、被委任者) ・次期JETRASに利用者登録 ・申請者届出書等の保管 郵送・持参 経産大臣宛の 申請者届出 本人確認の 証明書 ※次期システムの新規の利用登録は、平成22年 1月上旬から受付予定。 25 25 利用移行作業でご協力をお願いする事項 「JETRAS利用移行作業手順書」は9月中旬までに移行連絡担当者に送付する他、府省共通ポータル及び 経産省JETRASホームページから公開します。 JETRASの利用者マスターファイル(約720社)、過去から直近までの申請データ(約15万件)を移行対象とします。 利用者移行コンバータは、利用企業の協力を得ながら、大まかに以下のステップで行います。 ステップ1.NACCSセンターへの利用申し込み(9月30日までに) ・次期システム(貿易管理サブシステム)を利用する人数(代表者、本社・ 事業所等の担当者を含む)を本社でとりまとめて申込書に記載します。 ・NACCSセンターから人数分のNACCS利用者ID(8桁)を取得します。 ステップ2. 経産省に設置した「利用移行相談窓口」への対応(9月∼11月) ・JETRAS利用移行に関するお知らせ、作業手順書等を送付します。 ・個別に、「利用移行管理票」(直近のJETRAS利用者マスターファイルに登録され ている代表者・被委任者のリスト)を送付します。 ・「利用移行管理票」を確認し、異動等による変更・廃止の利用者の有無を確認し、 必要に応じて通達「特定手続等に係る申請者の届出について」に則り、変更・廃 止の届出を経産省に提出してください。 ・変更・廃止の届出を反映した、新しい「利用移行管理票」を送付します。 ・利用移行管理票に問題なければ確定とします。 ステップ3.「利用移行管理票」へのNACCS利用者IDの追記・経産省へ提出(11月末まで随時) ・ステップ2で確定した「利用移行管理票」に、ステップ1でNACCSセンターから取得 したNACCS利用者ID(8桁)を記入し、経産省「利用移行相談窓口」へ提出。 26 付録 よくある質問(FAQ) Q1.外為法で電子申請を行う社員は全員が申請者IDを取得する必要はあるか。 その必要はありません。法人の場合、代表者又は代表者から委任を受けた被委任者が申請者IDを 取得しさえすれば、社員の方はこのIDを使って電子申請することができます(代表者又は被委任者に 変更が生じた場合は、変更届出が必要です)。なお、次期システムからは、NACCSセンターが発行 するNACCS利用者IDが貿易管理サブシステムの申請者IDとなります。 Q2. 面談による書面審査を受けたいのだが、この申請方法でも電子ライセンスをもらう方法はあるか。 あります。電子ライセンスを利用するためには、最低限、電子様式(申請項目通達 で規定)による電 子申請を行うことが必要ですが それ以外の添付資料が大部にわたる場合などは 所定の送り状を 子申請を行うことが必要ですが、それ以外の添付資料が大部にわたる場合などは、所定の送り状を 添えさえすれば、受付窓口へ提出することができます(郵送も可)。 ※ 通達「電子情報処理組織を使用して行う特定手続等の運用について」に収録されている「電子申請に係る添付資料の送り状」参照 Q3. NACCS利用申込書や記入要領はどこで入手できるか。 次期システムに関する情報は経済産業省JETRASホームページ(※)のメニュー「次期システムへの 移行について」から提供しています。NACCS利用申込書や記入要領等もここからダウンロードするこ とができます。 ※ http://www.meti.go.jp/policy/jetras/ejetraaj.html 27 Q4.包括許可の電子ライセンスでは通関地ごとに分割する必要はないのか。 必要ありません。包括許可の電子ライセンスを取得すれば、どの通関地の税関でも システム上で参 照できるので、書面の許可証のように通関地ごとに分割する必要はなく、輸出の度に携行する必要も ありません。また、これまでは、輸出者がJETRAS通関データベースシステムの利用届出を行ってい ない通関業者を指定する場合は、電子申請しても書面交付を選択せざるを得ませんでしたが、次期 システムではNACCSを利用できる通関業者であれば電子ライセンスによる税関申告を行うことがで きます。 Q5.書面申請で取得した包括許可の更新を電子申請でできるか。 できます。JETRASの包括許可申請 できます JETRASの包括許可申請 の電子様式に、「新規、更新の別」という入力項目があり、ここで の電子様式に 「新規 更新の別」という入力項目があり ここで 「31:(原許可は書面)更新申請」を選択すれば手続きを進められます。詳しくは、通達「電子情報処理 組織を使用して行う特定手続等の申請項目について」をご覧ください。 Q6.条件付き許可等における事後報告をシステムで行うことができるか。 次期システムの最初のバージョンでは、事後報告 はシステム化の対象になっておりませんが、ニー ズの拡大等の事情の変化があれば、対象としていく予定です。 28 ご静聴、ありがとうございました! JETRASの次期システムについて、ご質問等があれば、 気軽に「JETRAS利用移行相談窓口」にご連絡ください。 【JETRAS利用移行相談窓口】 電子メール [email protected] 電 話 (03)3501-0538 担当者 渡辺、居藤 29