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「美の滋賀」づくりの取組 発行:滋賀県

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「美の滋賀」づくりの取組 発行:滋賀県
四季折々の趣を見せる山々と日本一の琵琶湖が奏でる
豊かな自然のシンフォニー。滋賀ではこうした穏やか
で美しい環境の中で、自然と共生する文化が育まれて
きました。
棚田や琵琶湖のえり、大地からの湧き水をたたえるカ
バタ、伝統工芸に見られる生活の美意識、千年の歴史
を越え信仰と深く結びつく中で大切に守られてきた神
と仏の美や行事など、人の営みから生まれる美が、地
域の暮らしの中に受け継がれています。
そして近年は、多くの作家により近代・現代美術の作
品が生み出され、さらに、滋賀の福祉の歴史を背景と
したアール・ブリュットを世界の舞台に送り出すなど、
新しい美の伝統をつくり続けています。
人びとのつながりの中で、これらの「美」が新たに生み
出され、育まれ、そして守られ、身近な日常に様々な
「美」
が満ち溢れている。
そのような地域の姿を
「美の滋
賀」
と呼んでいます。
「美の滋賀」づくりの取組 ∼滋賀をみんなの美術館に∼
「美」
が県民の誇りとして社会や日常の暮らしに浸透し、
多くの県民がその魅力を知り、
楽しみ、
つながり合うことができるよう、滋賀県では「滋賀をみんなの美術館に」を目標に、以下を柱
として「美の滋賀」づくりの取組を進めています。
① 県民や関係者とともに「美の滋賀」の土壌をつくり、活動の活発化をめざす
②「美の滋賀」の拠点となる新生美術館をつくり、地域や現場と交流しながら受発信する
③ 滋賀の「美」の魅力を県民自らが伝える舞台をつくる
発行:滋賀県
520-8577 滋賀県大津市京町四丁目1番1号 総合政策部
「美の滋賀」
発信推進室
2014年1月
☎ 077-528-3333 / 6 077-528-4830 / * [email protected]
平成25年度文化庁
地域発・文化芸術創造発信イニシアチブ
かつみ
中山 克己さん
芸術村IN余呉実行委員会 理事長
余呉の地でアートを通じて心の過疎を防
ぎ、元気に誇りを持って住み続ける町とす
るため頑張っています。
2012年から長浜市・余呉の地域全体を会場に、廃
校や古民家などに芸術作品を展示するアート・イベ
ント「余呉まるごと里山芸術村」を開催している。
﹁ 美 の 滋 賀 ﹂を 生 み 出 し 、
育 み 、守 る 人 た ち
なかやま
古くから琵琶湖や周囲の自 然とともに、そこに暮らす人びとによって生み出され、育まれ
てきた「美の滋賀」。現在も 多くの人のワザや情熱によって、活動が広がっています。
まさと
技術、歴史の痕跡としての「美」に立ち
山下 完和さん[写真奥]
しがらきとうしょうかい
やまなみ工房 施設長
信楽陶匠会のみなさん
陶芸作家グループ
滋賀県の先駆的な福祉の取組から多く
の学びを得ました。人間の創作活動は本
当に自由で、どこまでも広がります。
信楽に古くから受け継
がれる薪による焼 成を
核に、世界に向けて信楽
焼を発信しています。
甲賀市の知的障害者施設「やまなみ工房」では、
利用者の様々な個性や感性を生かした創作活動
の支援を行う。アトリエのほか、作品発表や就労
の場としてギャラリーやカフェも運営している。
きた が わ
陶芸を通じて人の流れを生み出し、信楽を元気にすることを目指して、海
外の陶芸家を招いた公開制作のワークショップや、展覧会を開催している。
信楽窯元散策路のWA 会長
信楽の窯元にとっての日常は、訪れる方にとっ
ては非日常の風景。多くの来訪者に制作現場
を体感して、楽しんでいただきたいと思います。
お くし ま
ひろべ
たかし
廣部 猛司さん
展覧会を企画・実施している。
渡岸寺観音堂
(向源寺)
北村 又郎さん 国宝維持保存協賛会 会長
全国から訪れる皆さんに、美しく慈愛に満ち
た国宝・木造十一面観音立像と、観音の里の
魅力を心静かに伝えられるよう、会員の力を
合わせてご案内しています。
つじ むら
各地での滞在制作を経て、高
島市に移住。地域と関わりな
がら、織りや編みによる造形
作品を中心とした空間作品
を制作している。
地元の協賛 会の会員が日頃の管 理や案内を交 代で
行っている。
こうじ
辻村 耕司さん
写真家
滋賀県の歴史・文化の奥深さに興味は尽きません。
ひっそり受け継がれてきた伝統をちゃんと記録しないと。
野洲市在住。滋賀にUターン後「湖国再発見」をテーマに県
内各地の風景・祭礼等を撮影している。
お くし ま かおり
奥島 香さん ガラス作家
生きることに正面から向き
合う地域の人の姿に心魅か
れています。
宅を兼ねたアトリエを構え、
制作を行う。
なかた
ようこ
中田 洋子さん[写真中央]
エナジーフィールド 総合ディレクター
八幡堀に面し、近江商人の粋を今に
伝える建物「天籟宮(てんらいきゅう)
」を
拠点に、
アートや文化を発信しています。
近江八幡市で「伝統とアート」をテーマにし
た国際芸術祭「BIWAKO ビエンナーレ」を
はじめとした取組を行っている。
さざなみかすり糸
滋賀には美しいワザと
知恵がたくさんあります。
地 域の人から少しずつ
学んでいます。
ガラス作家
滋賀にUターンの夫と県内から移住してきた妻の夫婦2人で高島市に自
東近江市ファブリカ村にて撮影
湖北地方では多くの仏像が地域の人たちの暮らしに根
付き、大切に受け継がれている。長浜市の向源寺では、
けいじ
湖を見ていて急に涙が出てく
ることがあります。そういう時
に作品を着想します。
表紙画像
井上 唯さん 現代美術家
い の うえ ゆ い
ら作るだけでなく、そのように見方を変
奥島 圭二さん
アール・ブリュットの社会への浸透を目指し、
長浜市中心市街地を会場に、2012年から
き た む ら ま た ろう
視線」を向けてみること。
「美」とは一か
しくそういった「美」を再認識する様々
無垢な感動をもらうと、気持ちが少
しずつやさしくなっていくような気が
するんです。
た作業場の公開を行っている。
生きとすることでしょう。美術館を「感
のだと思います。そして、滋賀県はまさ
湖北アール・ブリュット展推進会議 理事長
信楽の中心部、昔ながらの窯元が密集するエリアの窯
元が協力して、これまでなかなか見ることのできなかっ
れば、私たちの暮らしはなおのこと生き
えることによっても生み出していけるも
甲賀市在住。廃材にオイルパステルで描く「木彩画」と
いう独自のジャンルを切り開き、滋賀の美しい自然風景
を表現。県が取り組む「学校にアートがやってきた!」に
2013年アーティストとして参加、小学校での展示も行う。
へもその感性を連れて帰ることができ
然や暮らしの営みにも改めて「文化的な
自然画家
絵は少 年 時 代の夢の続
きで、滋賀の自然から多く
を学んできました。志こそ
すべて。子どもたち、草木
のように強く!
今井 智一さん
かし目の前に続いていく日常生活の中
がら、一方で私たちの目の前に広がる自
滋賀の美、伝統のワザを守り伝えるために新
たなコトづくりに挑戦していきたいです。
松本 光彩さん
会った際に、非日常へと旅をしつつ、し
性を養うモデルスペース」として捉えな
ようこ
北川 陽子さん ファブリカ村 村長
ま つ も と こう さ い
とも か ず
そのモノから感性という名のコトを生み
出しています。その積み上げられた思考、
や ました
家業「北川織物工場」
(東近江市)を、体験や展覧会など
を通じてものづくりにふれられる「ファブリカ村」にリ
ニューアル。
近江の産品や手仕事の素晴らしさを伝える。
いまい
私たちは「美しいもの」と出会った時に、
な資源に満ち溢れているといえるでしょ
う。ぜひ「美の滋賀」をきっかけに、人と
人、人と自然との新たな対話が育まれ
ることを願っています。
「美の滋賀」アドバイザー
文筆家・音楽家
アサダワタル
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