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第2次甲府市観光振興基本計画(全ページ一括)(PDF:5926KB)

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第2次甲府市観光振興基本計画(全ページ一括)(PDF:5926KB)
はじめに
国におきましては、平成 25 年 6 月に「観光立国実現に
向けたアクション・プログラム」を決定し、国内外からの
交流人口の拡大によって地域の活力を維持し、社会を発展
させるとともに、国際社会での日本の地位を確固たるもの
とするためにも、観光は極めて重要な分野であると位置づ
けました。
つつじがさき
本市におきましては、永正 16 年(1519 年)に武田信虎公が、躑躅ヶ崎に館を築い
てから平成 31 年(2019 年)で開府 500 年を迎え、甲府市遊亀公園附属動物園も開
園 100 周年を迎えます。また、平成 32 年(2020 年)の東京オリンピック・パラリ
ンピックの開催により、多くの外国人観光客が訪れることが予想され、さらに、平成
39 年(2027 年)にリニア中央新幹線の開通が予定されるなど、本市を取り巻く社会
環境は大きく変化しようとしております。
こうした中、本市の観光を支える市民、企業、団体、大学などと、甲府市や山梨県
などの行政機関が幅広く連携し、知恵と力を合わせ、観光に関わる多くの取り組みを
融合させ、効果の高い施策を推進するため、この度、平成 27 年度から平成 31 年度ま
でを計画期間とする「第 2 次甲府市観光振興基本計画」を策定いたしました。
今後におきましては、地域における主体的な取り組みを尊重しながら、長い年月に
培われた重層的な歴史・伝統・文化など本市の豊富な地域資源を活用し、人を惹きつ
ける賑わいのある観光地、回遊・滞在型の「都市観光」ができる観光地を目指し、
「く
らし潤うまちづくり」の実現に向け観光振興施策を推進してまいります。
結びに、本基本計画策定にあたり、大変貴重なご意見、ご提案をいただきました市
民の皆様をはじめ、未来志向の観点から熱心にご審議いただきました「第2次甲府市
観光振興基本計画策定検討委員会」の皆様に、深く感謝申し上げます。
平成 27 年 3 月
甲府市長 樋 口
雄 一
目 次
第1章 序論
1
1 計画策定の趣旨
1
2 計画の役割
3
3 計画の期間
3
4 計画の位置づけ
~甲府市総合計画との関係~
4
第2章 計画策定の背景
5
1 甲府市の観光の現状
5
2 甲府市の観光資源の整理
13
3 甲府市の観光振興の動き
15
4 甲府市の観光課題の分析
26
第3章
事業計画
30
1 本市が目指すべき観光地像
30
2 基本方針
32
3 具体的な施策・事業
38
第4章
数値目標
56
第5章
推進体制
57
資料編
58
甲府市観光振興基本計画策定検討委員会設置要綱
59
第 2 次甲府市観光振興基本計画策定検討委員名簿
60
甲府市観光振興基本計画庁内検討会議設置要綱
61
計画策定の経緯
63
甲府市の関連計画などの整理
65
国及び県の観光振興計画などの整理
69
1
1
1
1
本市では、観光の多様化や高度化が進む中、平成 21 年に「甲府市観光振興基本
計画」
(計画期間:平成 21 年度~平成 25 年度)を策定し、活力ある魅力的なまち
づくりの推進に努めてきました。
計画期間の5年間で、最終的に 74 施策事業中 73 施策事業について着手すること
ができ、着手率は 98.6%となりました。
また、計画の効果を検証するために設定した成果指標の達成状況は、次のとおり
でした。
指標
目標値
観光入込客数
実績
目標値
宿泊者数
実績
目標値
外国人宿泊者数
実績
ホームページの
アクセス件数
目標値
実績
基準年
中間年
最終年
(H21)
(H23)
(H25)
―
+2.0%
+2.0%(※1)
465.7 万人
460.2 万人
468.6 万人
(※2)
-1.2%
+0.6%
―
+1.0%
+2.0%
61.1 万人
59.8 万人
62.9 万人
-2.2%
+2.8%
+4.0%
+80.0%(※3)
―
4,300 人
6,198 人
9,350 人
+44.1%
+117.4%
―
+8.0%
+8.0%(※4)
12.1 万件
12.6 万件
22.1 万件(※5)
+4.4%
+83.2%
----------------------------------------------------------------------------------------------※1:4.0%だった当初目標値を中間年に変更
※2:平成 22 年から、観光庁が策定した「観光入込客統計に関する共通基準」を用いた統計手
法となったため、平成 22 年を基準年とした
※3:8.0%だった当初目標値を中間年に変更
※4:16.0%だった当初目標値を中間年に変更
※5:平成 24 年から本市観光課ホームページアクセス件数がカウントできるようになったため、
観光課ホームページアクセス件数を統計資料とした
1
1
1
2
「甲府市観光振興基本計画」の計画期間(平成 21 年度~平成 25 年度)内には、
東日本大震災の発生、国際情勢の変化、富士山の世界文化遺産登録、国をあげての
観光立国実現への動き、平成 32 年(2020 年)の東京オリンピック・パラリンピッ
クの開催決定など、観光を取り巻く環境が大きく変化しました。
さらに今後は、定住・交流人口の増加や地域活力の維持が、課題の一つとして、
重要度を高めています。その中で、観光振興を図ることは、将来の本市のあり方に
も大きな影響を与えると考えられます。
3
本市の魅力を再認識し、それらを更なる観光客の増加と、新たなまちづくりに繋
げるためには、
「甲府市観光振興基本計画」の成果を活かしつつ、環境の変化にあわ
せた新たな観光振興基本計画が求められます。
このような背景のもと、
「第 2 次甲府市観光振興基本計画」を策定することになり
ました。
2
1
1
2
本計画は、本市の観光を支える、市民、企業、団体、大学、NPO、観光関連業界、
甲府市や山梨県などの行政が、互いに情報を共有し施策に取り組むための「甲府市
の観光振興施策の指針」として策定されました。
したがって、本計画は、各主体が知恵と力を合わせ、観光振興にかかわる多くの
取り組みを融合し、効果の高い観光施策を実行する上での羅針盤としての役割を有
しています。
3
本計画の実施期間は平成 27 年度から平成 31 年度までの 5 年間とします。
本計画の成果指標として、計画期間の中間年と最終年において数値目標を設定し、
施策事業の評価・検証を行います。観光客の動向などについては、単年度ごとに統
計データを収集・分析し、その後の施策事業に反映させていきます。
また、社会情勢や住民意識の変化など様々な状況を考慮して、必要に応じて計画
の見直しを行います。
3
1
1
4
市政の基本方針であり、本計画の上位計画にあたる第五次甲府市総合計画では、
都市像として「人がつどい
心がかよう
笑顔あふれるまち・甲府」を掲げていま
す。また、
「にぎわいと豊かさを創りだす風格のあるまち」の実現に向けて、
「甲府」
の魅力を広く発信・PR します。それにより多くの人が訪れ、楽しみ、憩える観光地
を目指しています。
また、本市では都市計画マスタープラン(※6)の「まちづくりの方針」や景観形
成基本計画の「もてなし景観」への取り組み、中心市街地活性化基本計画の基本方
針など、他計画において、さまざまな観光へのアプローチが示されています。
本計画では上位計画及び他計画の内容を踏まえ、都市像の実現に向けた総合的な
観光振興施策を示します。
----------------------------------------------------------------------------------------------※6:長期的視点にたった都市の将来像を明確にし、その実現に向けての大きな道筋を明らか
にするもの
4
2 1
1
1
本市の観光関連施設の入込客数は、ここ数年伸び悩みの状況にあります。県立施
設の入込客数の変化に伴い、全体の入込客数も多少変化していますが、昇仙峡、温
泉、武田神社・甲斐善光寺などの各施設では、ほとんど変化がありません。また、
観光客が訪れるシーズンとしては、5月・8 月などが多くなっており、昇仙峡では
11 月に大きく増加しています。
出所:甲府市観光課
5
2 1
2
平成 23 年に発生した東日本大震災の影響を受け、日本人及び外国人の宿泊者数
は、平成 22 年から 23 年にかけては減少したものの、平成 24 年・25 年は、平成
22 年・23 年と比較すると、増加傾向にあります。特に外国人宿泊者数の推移を国・
地域別に見ると、平成 23 年以降は、韓国からの宿泊者数が減少する一方で、中国、
台湾、その他からの宿泊者数が増加する傾向にあります。
出所:甲府市観光課
6
2 1
3
観光案内所利用状況
観光案内所の案内人数及び電話案内数は、平成 23 年度をピークとして、平成
24 年度・25 年度と減少傾向にあります。パンフレット配布数は平成 24 年度が
ピークで、平成 25 年度は若干減少しました。
また、平成 25 年度を月別に見ると、案内人数やパンフレット配布数は、8 月・
11 月などで多くなっています。
出所:甲府市観光課
7
2 1
外国人案内人数
観光案内所における外国人案内人数は、平成 24 年度に一時減少しましたが、
平成 25 年には、大きな伸びを見せました。
また、平成 25 年度を月別で見ると、11 月に最も多く外国人観光客を案内しま
した。
出所:甲府市観光課
8
2 1
4
甲府市観光協会では、観光客に対して市内の名所を案内する観光ボランティアガ
イドを設置しており、利用者数は年々増加する傾向にあります。平成 25 年度にお
いては、件数自体は減少しましたが、利用者数は平成 24 年度を上回りました。
また、平成 25 年度を月別で見ると、6 月に最も多く観光客を案内しました。
出所:甲府市観光課
9
2 1
5
甲府駅からの二次交通(※1)の利便性を向上させるため、甲府ホテル旅館協同組
合と甲府市が連携し、レンタサイクルの貸出を行っています。
平成 25 年度のレンタサイクル貸出台数は、運営方法を変更したこともあり、平
成 24 年度と比較して減少しました(※2)
。月別に見ると、平成 25 年度は、5 月・
8 月・9 月などで貸出台数が多くなっています。
出所:甲府市観光課
----------------------------------------------------------------------------------------------※1:複数の交通機関などを使用する場合の 2 種類目の交通機関のことで、駅から目的地までの
交通などのこと
※2:上記グラフにおける平成 24 年度以前の値では、「半日」の貸出を 0.5 台と換算して集計
している
10
2 1
6
本市では、ホームページや、Facebook・twitter などの SNS(※3)を活用して、
観光関連の情報を発信しています。
市観光情報公式ホームページ(※4)のアクセス件数に関しては、平成 23 年 10
月に本市ホームページをリニューアルしたこともあり、平成 22 年度・23 年度と比
較すると平成 24 年度・25 年度は、ほぼ倍近くのアクセス件数となっています。
また、甲府市観光課の twitter アカウント(※5)のフォロワー数は、順調に増加
しています。
出所:甲府市観光課
----------------------------------------------------------------------------------------------※3:Social Networking Service。個人間のコミュニケーションを促進し、社会的なネットワ
ークの構築を支援する、インターネットを利用したサービスのこと
※4:甲府市観光情報公式ホームページ http://www.city.kofu.yamanashi.jp/welcome
※5:甲府市観光課 twitter アカウント @kofu_kanko
11
2 1
▲(参考)甲府市観光情報公式ホームページ
▲(参考)甲府市観光課 twitter アカウント
12
2 1
2
1
本計画の期間内である平成 31 年(2019 年)は、開府 500 年の節目の年となり、
歴史という視点を重視し、観光資源の有効活用を図っていく必要があります。
本市には、開府以前のものを含む多くの歴史的な遺産・伝統ある祭り・食文化が
あります。そこで、主な観光資源を、その起源や発展した時代・関連が深い時代に
よって分類しつつ整理します。(※6)
----------------------------------------------------------------------------------------------※6:時代の区分は次のとおりとした
・信玄以前:戦国時代以前
・信玄:中世(戦国時代)
・江戸:近世(江戸時代)
・近代:明治時代以降
2
昇仙峡・湯村温泉周辺
分野
関連が
名称
深い時代
御岳そば
芸術の森・武田神社周辺
時期
通年
名称
風土記の丘・南部里山周辺
時期
名称
時期
その他
名称
時期
印伝
通年
とうもろこし
夏
ほうとう
通年
宝飾
通年
なし
秋
煮貝
通年
ぶどう(ぶどう狩り)
秋
ぶどう(ぶどう狩り)
秋
ワイン
通年
・
いちご(いちご狩り)
冬~春
鳥もつ煮
通年
土
もも
夏
信玄餅
通年
産
きみひめ大福
通年
くろ玉
通年
旬果ロール
通年
月の雫
秋
甲州地どり
通年
右左口の里
通年
食
リ
エ
ー
シ
ョ
ン
ス
ポ
ー
ツ
・
レ
ク
温
泉
マウントピア黒平
湯村温泉
通年
通年
愛宕山こどもの国
通年
小瀬スポーツ公園
通年
緑が丘スポーツ公園
通年
寺川グリーン公園
通年
甲府温泉
通年
上九の湯
通年
積翠寺温泉
通年
地場産業センター
(かいてらす)
アリア・ディ・
産
業
フィレンツェ
(株)サドヤ醸造所
シャトー酒折(株)
ワイナリー
JA甲府市直売所
「穫れたてLand」
通年
通年
甲斐風土記の丘
曽根丘陵公園
風土記の丘
農産物直売所
上九ふれあい
農産物直売所
通年
通年
通年
通年
通年
通年
13
2 1
昇仙峡・湯村温泉周辺
分野
関連が
名称
深い時代
芸術の森・武田神社周辺
時期
名称
風土記の丘・南部里山周辺
時期
春~秋
要害山(山梨百名山)
春~秋
滝戸山(山梨百名山)
春~秋
荒川ダム(板敷渓谷)
春~秋
大蔵経寺山(山梨百名山)
春~秋
三方分山(山梨百名山)
春~秋
金峰山(日本百名山)
春~秋
不老園
2,3月
王岳(山梨百名山)
春~秋
釈迦ヶ岳
春~秋
県立考古博物館
通年
マンモス象牙美術館
通年
中道往還
通年
羅漢寺山(山梨百名山) 春~秋
然
太刀岡山(山梨百名山) 春~秋
黒富士(山梨百名山)
春~秋
帯那山(山梨百名山)
春~秋
武田の杜
通年
信玄以前
信玄
江戸
文
昇仙峡影絵の森美術館
通年
近代
金櫻神社
信玄以前
通年
金融資料館
通年
山梨ジュエリーミュージアム
通年
クリスタル・ミュージアム
通年
印傳博物館
通年
市立動物園
通年
県立美術館
通年
県立文学館
通年
県立科学館
通年
桜座
通年
太宰治ゆかりの地
通年
酒折宮
通年
通年
通年
甲斐善光寺
通年
甲府五山(円光院、長禅寺、
能成寺、法泉寺、東光寺)
信玄
史
江戸
近代
信玄以前 厄除け地蔵尊祭り
2月
信玄
お
江戸
10月
通年
通年
通年
積翠寺
通年
大泉寺
通年
入明寺
通年
要害城跡
通年
武田信玄公墓所
通年
舞鶴城公園、歴史公園
通年
山梨懸護國神社
通年
藤村記念館
通年
信玄公像
通年
天津司の舞
4月
御幸さん(おみゆきさん)
4月
柳町大神宮節分祭
2月
正の木祭り(植木市)
5月
祭
黒平ほうとう祭り
10月
信玄公祭り
4月
方代の里なかみち短歌大会
通年
り
武田の杜トレイルラン
12月
輝きの祭典(大宝飾展)
4月
もろこしフェア
6月
太白桜祭り
4月
なしフェア
8月
七夕祭り
7月
こうふのまちの芸術祭
9月
甲府大好きまつり
10月
甲府えびす講祭り
11月
やまなし映画祭
秋
アートフェスタ貢川
秋
・
イ
ベ
ン
ト
14
お洗垢離祭り
円楽寺
丸山塚古墳)
武田神社
近代
名称
甲州弁
古墳群(甲斐銚子塚古墳・
塩澤寺(厄除け地蔵尊) 通年
夫婦木神社
歴
時期
昇仙峡
自
化
名称
その他
ふれあい健康の杜
フェスティバル
11月
時期
通年
2 1
3
本市では甲府市観光協会などと連携を図りながら、観光振興のための施策を実施
しています。主な取り組みとしては次のようなものがあります。
1
歴史物語開発事業
本市には歴史的観光資源が市域全体に展開しています。そこで、この特性を活
かし、各スポットに物語性と連続性を取り入れ、平成 24 年度に、各時代背景を意
識した体験要素を組み込んだモデルコースを設定しパンフレットを作成しました。
また、こだわりのあるオプショナルツアーを実施するなど、観光客の誘致とリ
ピーターの創出を図ることを目的に、様々な事業を展開しています。
モデルコースの設定とパンフレットの作成
ボランティアガイドの研修会を兼ねたモニターツアーの実施
JR 東日本と連携した「駅からハイキング」の実施
参加者用のノベルティの作成
観光バスツアー(旅行会社主催)への展開
▲パンフレット例
15
2 1
大学生と連携した事業(山ガール)
若年層をターゲットにし、自然景観を別の角度からPRするため、甲府市のトレ
ッキングコースや観光スポットを、山梨県立大学の学生と巡り、ホームページで
4コースを紹介しています。
甲府駅北口で、電動アシスト自転車を借りて深
草観音や要害山を巡り、温泉に浸かって癒され
ました。
市町村合併により、富士河口湖町が隣町にな
りました。富士山の眺めが素晴らしい王岳山
頂へ登り、その後、農産物直売所に行きまし
た。
昇仙峡の奥にある、マウントピア黒平から黒
富士へ登ります。途中、思いがけず発見した
絶景スポットは忘れられません。
金峰山へ行くはずが・・・。なぜか昇仙峡に
変更。新しいスポット発見で大感動した珍道
中です。
▲ホームページでのコース紹介
着地型観光ツアーの実施
(公社)やまなし観光推進機構と連携し、平成 24 年度に、花鳥風月バスツア
ー「紅葉を見に行こうよう in 昇仙峡トレッキング」を実施し、観光ガイドから
昇仙峡の歴史やゆかりの人物について説明を受けながら、景観や自然を楽しみま
した。また、平成 25 年度に、スポーツツーリズムとして武田の杜でトレイルラ
ンニングツアー(※7)を実施しました。
----------------------------------------------------------------------------------------------※7:未舗装の起伏ある自然の山道を走るタイムレース。今回は湯村温泉にて 1 泊するツアー
16
2 1
2
観光客は、その土地でしか食べられないもの、買えないもの、地元の人との交流、
そこでしかできない収穫体験など、地域ならではの体験や交流を求める傾向が強く
なっています。
本市においても、景観をただ見るだけでなく、観光ボランティアガイドや地域住
民などとの交流を通じて、その歴史・伝統・文化にふれ、また、地域の食や特産品
を活かした観光施策への取り組みをはじめています。
着地型観光ツアーの実施
(公社)やまなし観光推進機構と連携し、平成 24 年度に、花鳥風月バスツア
ー 「2/23 富士山の日に甲府を遊びつくそう」を開催し、県外から 40 名程度の
方が参加しました。ツアーでは、ワイナリーや普段は見学できない宝石研磨技術
の工程を見学し、いちご狩りなどを行いました。また、食事にはほうとう鍋を提
供し、甲府の魅力を伝えることができました。
JR 東日本「びゅう商品」造成への協力
平成 26 年度には、JR 東日本の秋の重点販売地域として指定された「びゅう商
品」掲載パンフレットの特集として、市内の宝飾加工職人やショップを紹介する
とともに、本市出身で「赤毛のアン」の翻訳家である村岡花子さんに関する情報
提供を行いました。
甲府鳥もつ煮マップとほうとうマップの作成
地域の食である甲府鳥もつ煮とほうとうの提供店マップを甲府市観光協会が
作成し、観光キャンペーンなどで配布するなど、観光客の誘致に繋げています。
ワイナリー・ぶどう狩りの情報発信
市内のワイナリーや、ぶどう狩りができる観光農園の収穫時期などの情報を、
ホームページやリーフレットで取り上げ PR しています。
17
2 1
3
地域に対する理解と関心、誇りと愛着を持ち合わせることが、おもてなしを実践
するうえで重要です。そのためには、子どものころから観光教育を実施する必要が
あります。そこで、児童や大学生への観光教育や、市民のおもてなし意識を高める
取り組みを行いました。
大学への職員派遣(観光教育)
平成 25 年度に、山梨学院大学の依頼により本市観光課の職員を講師として派
遣し、本市の観光施策の内容や課題などを説明して質疑応答を行いました。
平成 26 年度には、
「花子とアン」推進委員会(※8)でも、本市観光課職員を
山梨県立大学に派遣し、ホームページや Facebook での情報発信の方法を指導し
ました。それにより様々な情報発信を行い、「花子とアン」推進委員会情報発信
媒体では、1年間で合わせて約 100 万アクセスの実績を達成しました。
児童の甲府大好きまつりへの参加(観光教育)
音楽隊や子どもみこしの担ぎ手として、児童に祭りに参加してもらうことを通
じ、ふるさと意識の醸成と市民の連帯感の高揚を図っています。
市民のおもてなし活動の推進
「花子とアン」推進委員会の事業で、平成 26 年度に、リアル宝探しゲームを
商店街の協力により実施しました。朝日通り商店街では、猛暑日になるとアイス
を配布するなど観光客や市民に対しておもてなし活動を行っています。リアル宝
探しゲームの参加者アンケートからは、“地元の方にやさしくしていただいてそ
れだけで満足です。
”との意見も寄せられました。
▲リアル宝探しパンフレットより
----------------------------------------------------------------------------------------------※8:NHK 連続テレビ小説「花子とアン」の放送を契機に、産学官が一体となり観光振興及び、
観光まちづくりを推進することを目的に設立された組織
18
2 1
4
甲府駅南口の周辺整備
甲府駅南口周辺地域修景計画に基づき、甲府駅南口広場などの周辺整備をすす
めています。
甲府駅南口駅前広場では、「歩行者にやさしい山梨らしさが感じられる広場づ
くり」をコンセプトに、鉄道から他の交通機関への乗り換えがしやすく、歩行者
にやさしい、緑豊かで山梨らしいシンボル性の高い空間づくりを目指した周辺整
備をすすめています。
また、平和通りでは、
「風格と賑わいの感じられる緑豊かな開放的な空間づく
り」をコンセプトとし、ここを舞台に様々な人々が行き交い、集い、賑わいの感
じられる空間づくりを目指し整備をすすめています。
甲府駅北口の拠点整備
甲府駅北口多目的広場(よっちゃばれ広場)には藤村記念館が移設され、県立
図書館、NHK甲府放送局などがその周辺に集積されました。この一帯では、様々
なイベントが開催されるなど、賑わいのある空間がつくられています。また市歴
史公園の近くには、昔のまちなみを再現した商業観光施設「甲州夢小路」がオー
プンしました。
▲藤村記念館
19
2 1
イベントの推進
「第 2 土曜市」
「七夕祭り」「夏祭り」「えびす講祭り」などの商店街ごとのイ
ベントを支援することにより、年間を通した賑わいを創出しています。
▲七夕祭り
▲えびす講祭り
空き店舗対策事業
中心市街地活性化基本計画に定める区域内で、空き店舗を活用した新たな事業
者を対象に、店舗改装費及び家賃の一部を支援する制度です。継続的なまちの賑
わいを創出することを目的に事業を推進しています。
5
甲斐山麓広域圏環境美化推進協議会の活動
秩父多摩甲斐国立公園内の環境美化を図るため、清掃やトイレなどの整備、観
光客などに対する普及啓発などを推進しています。また、当該公園内における清
掃活動にも参加しています(クリーン作戦:昇仙峡、荒川ダム、千代田湖周辺)。
さらに、登山道及び遊歩道などの補修整備やミツバツツジの植樹も行っています。
▲千代田湖
20
▲昇仙峡
2 1
6
観光産業の特徴として、人口が少ない地域で営業するよりも、同じサービスなら
人口の多い地域で営業した方が集客力に繋がります。つまり、一つの企業や団体だ
けでなく、地域全体で魅力向上に取り組まなければ成果の上がりづらい産業構造と
いえます。地域全体での魅力向上のためには、宿泊施設や交通事業者のような観光
に直接関係のある産業に限らず、幅広い関係機関と連携・協力して地域づくりに取
り組む必要があります。
JR 東日本との連携
平成 26 年度には、JR 東日本と連携し、
「村岡花子さんゆかりの地を巡る
駅
からハイキング」を期間設定型(2か月半)で、初めて実施したところ、予想の
2倍以上の参加者となりました。また、「花子とアン」推進委員会のイベントの
周知などにも連携して PR 活動を行いました。
昇仙峡観光協会・昇仙峡魅力づくり協議会との連携
本市を代表する観光地である昇仙峡の四季折々の魅力を、地元昇仙峡観光協会
と連携して情報発信しています。また、昇仙峡魅力づくり協議会が中心となり実
施しているイベント「わんぱく広場」や「ほうとう味くらべ真剣勝負」の周知、
当日の運営などで連携を図っています。
湯村温泉旅館協同組合との連携
湯村温泉旅館協同組合と甲府市観光協会などで主催している武田の杜トレイ
ルランニングレースを本市も共催し、周知や運営などに協力しています。
NEXCO 中日本との連携
山梨県や県内市町村と連携し、観光パンフレットを中央自動車道談合坂サービ
スエリアに設置するとともに、デジタルサイネージ(電子看板)を活用して観光・
イベント情報を掲出しています。
21
2 1
四市合同エクスカーションの実施
山梨市・笛吹市・甲州市とともに広域的な観光振興への取り組みとして、旅行
会社などを対象にしたエクスカーション(観光ルートの見学会)などを実施して
います。
集客プロモーションパートナー都市協定
歴史的に関わりの深い静岡市・長野市・上越市と集客プロモーションパートナ
ー都市協定を結び、相互交流やイベント情報の相互告知などを行っています。
山梨県立大学・JR 東日本(甲府駅)との連携
平成 26 年度に、山梨県立大学の学生と甲府駅の駅員が協力し、商店街などを
含んだ甲府駅から歩くウォークラリー「えきぽ」のコースを新たに設定しました。
7
旅行会社がバスツアーなどの旅行商品を造成する際の基礎情報を把握するため、
団体でも対応できる見学場所・食事場所・バスの乗降場所に関して、現状把握及び
検討をすすめています。
8
各種関係機関と連携し、体験・スポーツ・癒し・歴史・音楽・サブカルチャーな
ど、多様化する旅行者ニーズに合わせた観光メニューの開発に取り組んでいます。
22
2 1
9
レンタサイクル事業の実施
二次交通であるレンタサイクルを、甲府ホテル旅館協同組合が実施することで、
これまで甲府駅北口だけで行っていた貸出が、南口でも可能になりました。
「花子とアン」タクシーの実施
山梨県タクシー協会で、
「村岡花子ゆかりの地甲府を巡る観光タクシーコース」
を設定しました(平成 26 年 11 月 30 日まで)。
レトボンの利便性向上
お買い物バスである「レトボン」が、平成 24 年から「舞鶴城バス停」と「甲
州夢小路バス停」に停車することになりました。これにより観光客にとっての利
便性も向上しました。
23
2 1
10
「甲府大好きまつり」と「信玄公祭り」を、本市の 2 大祭りと位置づけ開催して
います。
「甲府大好きまつり」については、
平成元年の市制施行 100 周年を機に始められ、
市民主体の祭りを目指してきました。音頭・ビート to ビートなどのパレード、商
店街の出展ブース運営などを通じて、民間活力を積極的に活用し来場者の満足度ア
ップを図ってきました。それにより、祭りを通じて郷土愛を醸成し、本市の『元気』
の指標となるような市民の祭りを目指して努力しています。
また、
「信玄公祭り」については、本市から3団体が「甲州軍団」として参加する
とともに、甲府市実行委員会の独自事業として「子ども武者行列」
、
「剣道大野試合」
、
ばやし
「空手演武会」
、
「和太鼓演奏会」
、
「甲府囃子の演奏」
、
「武田 24 将騎馬行列」を実
施しています。県内外の観光客に親しまれる祭りとして、県などと連携して誘客促
進を図り、交流人口の増加を目指しています。
24
2 1
11
ホームページや SNS による情報発信
通常の観光案内のほか、
「信玄公祭り」、「甲府大好きまつり」などのイベント
情報や、紅葉情報など季節に応じた情報を発信してきました。また、英語・中国
語・ハングルでの外国人向けの情報提供も行っています。さらに、Facebook・
twitter といった SNS を通じて、県内外の方々と交流を図り観光客の誘致に繋げ
ています。
観光ポスター・ガイドマップなどによる PR
観光ポスターや甲府市観光ガイドマップ「甲府遊歩」を制作し、観光案内所や
関係機関で掲示、配布などを行っています。また、観光PR 用のDVDによる情報
提供も行っています。なお、ガイドマップについては 4 種類(英語・中国語(簡・
繁体字)・ハングル)を作成し、外国人観光客への対応を行っています。
平成 25 年度には、若い人々の関心を引き付けるため、山梨県立大学の学生と
協力し、観光プロモーションビデオによるPR も実施しました。
▲甲府市観光ポスター
25
2 1
4
1
少子高齢化・人口減少社会の進行
国立社会保障・人口問題研究所「日本の市区町村別将来推計人口(平成 20 年
12 月推計)
」によれば、本市の人口は、平成 22 年(2010 年)を 100%とする
と平成 47 年(2035 年)には 83%にまで減少するとされています。
また、年少人口(15 歳未満)
・生産年齢人口(15 歳以上 65 歳未満)が減少す
るのに対して老年人口(65 歳以上)は増加し、少子高齢化が進むことが予測さ
れています。
観光消費動向の変化
かつて観光は、主要な余暇の過ごし方でしたが、娯楽に関する選択肢の増加の
影響もあり、近年では観光旅行に出る人の数が減少しています。
観光のスタイルに関しては、価値観の多様化・高度化などに伴い、「見る・食
べる・遊ぶ」といった従来型の観光から、個人の興味やライフスタイルに応じた
「体験する・学ぶ・交流する」といった形の観光へとシフトしています。例えば、
「食」や「歴史」などテーマを持った観光や、特に平成 23 年の東日本大震災後
には、
「ボランティア活動」も兼ねた観光なども拡がってきています。
また、人々はゆとり・潤い・文化的・精神的な充実感を求めるようになってき
ており、団体旅行から、非日常を求めて旅する個人旅行へのシフトも見られます。
一方、インターネットや携帯電話・スマートフォンなどの普及に伴い、観光に
関する情報収集方法も大きく変化しており、マスメディアだけでなく、インター
ネットやソーシャルメディアによる情報収集も一般的になりました。また、ソー
シャルメディアの双方向性を活かして、消費者と交流することも容易になってい
ます。
これらの情報源の変化も、観光の多様化に拍車をかけています。
26
2 1
訪日外国人観光客の増加
平成 15 年の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」などの国をあげてのイン
バウンド(※9)推進に向けた政策や、平成 32 年(2020 年)の東京オリンピッ
ク・パラリンピックの開催決定が後押しとなり、平成 25 年の訪日外国人観光客
数は、史上初めて年間 1,000 万人を突破し、今後もさらなる増加が予想されて
います。
訪日外国人観光客も、これまでは中国・アメリカ・台湾・韓国・香港などが大
部分を占めていましたが、ビザ緩和などの影響で、東南アジアからの観光客も急
増しています。
これらの変化に伴い、宗教・文化など多様な背景を持った人々への対応が求め
られるようになってきています。
----------------------------------------------------------------------------------------------※9:
「入ってくる、内向きの」という意味。観光に関しては、一般的に訪日外国人旅行を指す
27
2 1
2
一方、本市の観光の現状に関しては、強みと考えられる要素と、今後改善が期待
される要素の両面が見受けられます。そこで、強みを伸ばしつつ、必要な改善をし
ていくということが基本的な方向性となっていきます。
強み(機会を含む)と考えられる要素
1 地域の歴史資源や伝統・文化、豊かな自然や温泉を多く持つ。
2 地域の食や特産品を多く持つ。
3
大都市圏に隣接するとともに、圏央道(※10)が開通するなど、大都市
圏からのアクセスが良い。今後は、中部横断自動車道・リニア中央新幹
線の開通が予定されるなど、さらにアクセスは改善傾向にある。
4 甲府市を主な舞台とした連続テレビ小説「花子とアン」が好評であった。
5 開府 500 年という大きな節目の時期を迎えている。
今後改善が期待される要素
1
地域の歴史資源や伝統・文化、豊かな自然や温泉のさらなる活用が求め
られている。
2
地域の食や特産品を活用した観光施策のさらなる展開が求められて
いる。
3
市民が地域に誇りと自信を持てるようなまちづくりが求められている。
4
市民のおもてなし意識の醸成や観光教育が求められている。
5
中心市街地の空洞化対策が求められている。
6
景観の形成や保護・保全に努める必要がある。
7
団体旅行に対応できる施設の把握が求められている。
8
旅行者のニーズに応えるために、従来の施設見学型の観光メニュー以外
のメニューも開発する必要がある。
9
二次交通の利便性向上が求められている。
10 訪日外国人観光客への対応が求められている。
11 関係機関や団体間の連携が必要である。
12 効果的なメディア戦略が必要である。
----------------------------------------------------------------------------------------------※10:首都圏中央連絡自動車道。東京都心から半径およそ 40km~60km の位置に計画された、
延長約 300km の高速道路
28
2 1
3
観光を取り巻く社会環境の変化や、本市の観光の現状分析を踏まえた上での本市
の観光課題は、次のとおりと考えられます。

開府 500 年という節目の時期に、歴史・伝統などを活用し、人を惹きつける
様々な事業を展開すること

文化・教育的な側面も強い東京オリンピック・パラリンピックという機会を
捉え、多様化した人々の観光ニーズに対応するため、歴史・伝統・文化など
豊かな観光資源を都市観光という形に再構築すること

東京オリンピック・パラリンピックの開催やリニア中央新幹線の開通を控え、
増加が予想される国内外からの観光客の受入れ体制を整備すること

観光に関する情報発信を効果的に行うこと

多様な分野の様々な機関・団体が緊密に連携をとって一体となり、観光施策
を推進していくこと
29
1 3
1
○歴史・伝統・文化などを活用した、
人を惹きつける賑わいのある観光地
本市は武田時代の中世城下町(古府中)と江戸時代の近世城下町(新府中)とい
う異なる二つのまちづくりの歴史を持ち、政治・経済・交通・文化の中心として発
展してきました。本計画の計画期間内の平成 31 年(2019 年)は、開府から 500
年(※1)という大きな節目にあたり、甲府の歴史が普段以上にクローズアップされ
ることが想定されます。この機を活かし、歴史・伝統・文化などを活用した人を惹
きつける賑わいのある観光地を目指します。
○豊富な地域資源を組み合わせた回遊・
滞在型の「都市観光」ができる観光地
本市においては、その歴史の中で、宝飾・印伝などの「産業・文化」、ワインや煮
貝、ほうとうなどの「食」
、古来より続く伝統芸能や信玄公祭りといった「祭り・イ
ベント」など、多様な地域資源が形成されてきました。また、昇仙峡をはじめ四季
の移り変わりが美しい山岳景観などの豊富な「自然」や「温泉」もあります。これ
らの地域の特色を活かし、新たな地域資源を見出すことで、回遊・滞在型の「都市
観光」ができる観光地を目指します。
----------------------------------------------------------------------------------------------※1:開府 500 年は、信玄の父信虎が躑躅ヶ崎館に移り住んだ 1519 年からの年数
30
1 3
都市観光とは
その言葉の印象から「都会を中心とした観光」と考えてしまうかもしれま
せん。
しかしその意味は、これまでの名所・旧跡を見るといった観光形態だけで
なく、芸術や買物、飲食などを楽しんだり、都市のまちなみや文化遺産、地
場産業などに触れたり、地域の人と交流するなど、まちの魅力を体験する観
光のことです。本市では「歴史」、
「産業・文化」、
「自然」、
「食」
、
「祭り」、
「温
泉」などの地域資源を活かし、本市のさまざまな魅力を感じていただく観光
スタイルとして考えています。
▲都市観光のイメージ
31
1 3
2
本市は大都市圏に隣接しアクセスが良く、今後、中部横断自動車道やリニア中央
新幹線の開通なども予定され、アクセスはさらに改善される傾向にあります。また、
平成 32 年(2020 年)の東京オリンピック・パラリンピックの開催や、訪日外国人
観光客の急増なども後押しし、本市に来訪する可能性のある人は非常に多いと考え
られます。
そのような状況の中で、開府から 500 年の節目を迎えるにあたり、歴史的背景や
長い間に育まれた数多くの観光資源を活用し、観光客の興味を引く都市観光のメニ
ューを提供することが求められています。それによって、人を惹きつける賑わいの
ある観光地づくりに取り組み、多くの観光客を誘客することが必要です。
そこで、本市の観光課題を解決していくために、本計画では次の 5 つを基本方針
とし、幅広く観光関連施策事業を展開していきます。特に、基本方針 1・2 は重点
方針とし、積極的に取り組んでいきます。
1 開府 500 年関連事業の展開【重点方針】
2 東京オリンピック・パラリンピックに向けた地域資
源の発掘と受皿づくり【重点方針】
3 観光インフラの整備・拡充
4 効果的な情報発信
5 推進体制の構築
32
1 3
基本方針 1
開府 500 年関連事業の展開【重点方針】
本市のまちづくりは、永正 16 年(1519 年)に武田信虎公が、躑躅ヶ崎の地に館
を築いたことが基点となっています。基幹道路や家臣屋敷・寺社・職人屋敷・市場
などが計画的に配置され、城下町が生まれました。その後、信玄公・勝頼公と受け
継がれ、都市としての整備が進み、武田氏滅亡後、近世になって甲府城が築城され
ました。明治以降は、県庁所在地として山梨県の政治・経済・文化の中心として発
展し、現在に至っています。
開府 500 年の歩みを示す歴史的文化遺産として、本市に中世から近世に築かれた
武田氏館・甲府城・甲府城下町などの史跡や、善光寺・甲府五山・府中八幡宮とい
った寺社群、宝飾産業のルーツとなる金峰山麓の水晶採掘跡、人・物・情報の行き
来を支えた甲州道中や中道往還・御岳道などの古道、水害からの復興の象徴として
建てられた謝恩碑などが残されています。
本市は、数多くの地域資源を持ちますが、その中でも全国的な知名度がある資源
と言えば、やはり「歴史」は外せません。また、
「サムライ」
・
「歴史」などは、世界
から見た「日本」のイメージを構成する主要な要素として、増加する外国人観光客
に対してもアピールしやすいと考えられます。さらに、市民が地域の豊かな歴史性
を再認識し愛着と誇りを持てるようにするためにも、歴史や文化などを活用した人
を惹きつける賑わいのある拠点をつくることには大きな意義があります。そこで、
開府 500 年という大きな節目を迎える中で、国内外に向けて本市の魅力を発信して
いくために、開府 500 年関連事業を次の3項目に分類し、重点的に展開していきま
す。
①開府 500 年関連施設などの整備
②開府 500 年関連イベントの企画・実施
③開府 500 年関連施策の実施環境の整備
33
1 3
基本方針 2
東京オリンピック・パラリンピックに向け
た地域資源の発掘と受皿づくり【重点方針】
平成 25 年(2013 年)に初めて 1000 万人を超えた訪日外国人観光客数は、平成
32 年(2020 年)の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、さらに増加する
ことが予想されます。国の観光立国推進閣僚会議による「観光立国実現に向けたア
クション・プログラム 2014」においても、
「効果の地域への波及」という観点で「地
方への鉄道旅行の促進」といった項目もあげられています。東京からのアクセスが
良好な本市では、今後さらに多くの訪日外国人観光客が訪れる可能性があります。
またオリンピック・パラリンピックは単なるスポーツイベントではありません。オ
リンピック憲章では、「スポーツを文化と教育に融合させること」を開催地・開催国
に対して求めており、
「
『平成 25 年度観光の状況』及び『平成 26 年度観光施策』
」
(観
光白書)では「オリンピック・パラリンピック競技大会はスポーツの祭典であるが、
その開催国に選ばれることは、その国自身の文化や魅力を世界に発信するまたとない
機会である」と記載されています。実際に、平成 24 年(2012 年)のロンドンオリ
ンピック・パラリンピックでは、英国政府観光庁が、文化・遺産・スポーツ・音楽・
田園地帯・ショッピング及び飲食の7つのテーマで英国をアピールしました。
そこで、東京オリンピック・パラリンピックという機会を活用して、歴史・伝統・
文化・自然・温泉など豊富な地域資源を文化プログラムにつなげるとともに、各地
域資源を有機的に結びつけて観光プラン化することには大きな意義があると考えら
れます。この取り組みによって多くの外国人観光客が訪れれば、地域に賑わいと活
気があふれ、地域の魅力が再認識されることが期待されます。また、東京オリンピ
ック・パラリンピックに向けて地域資源の発掘と受皿づくりを行うことは、将来のリ
ニア中央新幹線開通に伴う交流人口増加への対応という面でも、大きな意味を持ちます。
このような考えのもと、次の 3 項目に分類し施策を重点的に展開していきます。
①インバウンドの推進に向けた戦略的展開
②文化・芸術・歴史関連イベントの実施
③地域観光資源の「都市観光プラン」化
34
1 3
基本方針 3
観光インフラの整備・拡充
本計画では、重点方針として「開府 500 年関連事業の展開」と「東京オリンピッ
ク・パラリンピックに向けた地域資源の発掘と受皿づくり」を取り上げました。こ
れらの施策を円滑にすすめていくためには、観光のインフラ整備・拡充が不可欠です。
例えば、開府 500 年や東京オリンピック・パラリンピックに関連した施設やイベ
ントを用意しても、そこに行く交通手段や案内がなければ、せっかくの施設やイベ
ントが無駄になってしまいます。また、リニア中央新幹線の開通を控え、さらに増
加することが予想される国内外からの観光客を受け入れる体制が必要です。そこで、
次の 2 項目に従って、観光インフラの整備・拡充を図っていきます。
①安心・安全・快適な観光を支えるハード整備
②観光客をおもてなしするためのソフト整備
35
1 3
基本方針 4
効果的な情報発信
近年では、価値観の多様化に伴い、個人の興味やライフスタイルに応じて、目的
を持った観光をする人が増えています。そのため、ある人にとっては有益な観光情
報が、別のある人にとっては全く役に立たないということが起こり得ます。
一方、インターネットや携帯電話・スマートフォンなどの普及に伴い、観光に関
する情報を発信する方法も、多様になりました。これは、情報発信側にとってはメ
リットとも考えられますが、適切な方法を取らなければ、伝えたい相手に情報が伝
わらないということも十分に考えられます。
このような状況下では、適切な方法で、適切な相手に向けて情報発信することの
重要性が、一段と増していると言えます。そこで、次の 2 項目に従って、多様な情
報発信に努めていきます。
①戦略的な情報発信
②SNS など IT を活用した情報発信・交流促進
36
1 3
基本方針 5
推進体制の構築
観光は、旅行業・宿泊業・飲食業・運輸業・製造業など多様な分野と関連する、
非常に裾野の広い産業です。その中でも本市の観光は「都市観光」を重視している
ため、
「歴史」
、
「産業・文化」
、
「自然」、
「食」、
「祭り」、
「温泉」など様々な分野の取
り組みが観光に直結してきます。
また、観光は行政だけでなく民間企業、各種団体、大学をはじめとした教育機関、
市民などが幅広く連携することで、はじめて効果的・効率的に推進していくことが
可能になります。
そこで、多様な分野の機関・団体が、緊密に連携をとって一体となり観光施策を
推進していくことが大切になります。
一方、観光振興事業は、多様な展開の可能性があるため、絶えずその成果と課題
を把握し、情報を関係者間で共有していくことが望まれます。統計データなどの活
用を進め、客観的な視点を持ちながら、効果的な事業を進めるため、次の 2 項目に
従って、その環境を整備していきます。
①関係機関や団体との連携強化
②統計データの充実・分析
37
1 3
3
1
38
1 3
2
基本方針 1
①
開府 500 年関連事業の展開【重点方針】
開府 500 年関連施設などの整備
本市の歴史は戦国時代に始まり、平成 31 年(2019 年)で 500 年を迎えます。
この長い年月に培われた重層的な歴史・文化・産業などの資源が各地に点在して
おり、これらにより本市の魅力を高め、持続していくことが必要です。
中でも、開府 500 年に関連する歴史的文化遺産につきましては、
「史跡武田氏
館跡」や付随施設の整備などを積極的に進め、武田信玄公生誕 500 年(平成 33
年)へと繋げていきます。
「史跡武田氏館跡」総合案内所の建設
見学者の利便性向上のための総合案内所の建設
「史跡武田氏館跡」の復元整備
関連する史跡の堀・土塁などの復元整備
まちなか回遊道路の整備
・甲府城跡周辺における快適で安心・安全な歩行空間の整備、案内板
の設置など
・甲府城を中心とした東西・南北に伸びる歴史情緒溢れる遊歩道の調
査・研究
「重要文化財高室家住宅」の保存修理
重要文化財である高室家住宅の保全のための解体・復元
39
1 3
②
開府 500 年関連イベントの企画・実施
価値観の多様化に伴い、個人の興味やライフスタイルに応じて様々な目的を持
った観光をする人が増えています。地域の伝統・文化・祭りやイベントなど「そ
こだけにしかない価値ある時間・感動・交流」を求める傾向も強くなっています。
そこで、開府 500 年という大きな節目と関連した様々なイベントを積極的に
展開し、幅広い誘客を図っていきます。
歴史ボランティアガイドを活用した散策会の実施・充実
多様な施設で季節や祭りに対応した散策会の実施
関連イベントの実施・充実
藤村記念館を利用した各種イベントの開催など
小江戸甲府を学ぶ歌舞伎公演の実施
本市ゆかりの歌舞伎役者による公演の実施
開府 500 年をテーマにした芝居・講座などの開催
・演劇ワークショップ「こうふの芝居」など、テーマに沿った多様
なイベントの実施
・歴史や文学史に精通した文化人・著名人による講演会及び、ワー
クショップなどの開催
「信玄公祭り」の実施・充実
例年実施する同イベントでの新企画の検討と実施
40
1 3
③
開府 500 年関連施策の実施環境の整備
開府 500 年関連事業への効果的な誘客を図るため、ボランティアガイドの育
成や紹介パンフレットの作成を行います。またそれらの活動の意義を市内の子ど
も達に伝え、おもてなしの心を醸成するための教育を行うなど、事業の実施環境
もあわせて整備していきます。
歴史的に関係の深い都市との連携強化
・姉妹都市である大和郡山市(※2)との交流促進によるイベントの
充実
・上越市(上杉氏)、長野市(真田氏)、静岡市(徳川氏、今川氏)
との観光プロモーションパートナーシップ協定などの活用
歴史ボランティアガイドの育成
甲府の歴史だけでなく、観光施設の案内もできるボランティアガイ
ドの育成
歴史ガイドブックの作成と活用
甲府市内の史跡・寺院・観光施設などを紹介するガイドブックの作
成と活用
観光教育の推進
地域住民に対する歴史・文化・自然など観光資源に関する郷土教育
の推進とおもてなしの心の醸成
ラッピングバスの導入・バス車両広告の掲出
バスなどの交通機関を利用した開府 500 年のPR
「武田二十四将」などを活用した、武田氏城下町のイメージづくり
武田時代をテーマとした展示などによるPR
----------------------------------------------------------------------------------------------※2:江戸時代の享保 9 年(1724 年)、甲府城主であった柳沢吉里は大和郡山に城替えとなって
いる
41
1 3
基本方針 2
①
東京オリンピック・パラリンピックに向け
た地域資源の発掘と受皿づくり【重点方針】
インバウンドの推進に向けた戦略的展開
ぎんれん
通訳ガイドシステムの導入や「銀聯カード(※3)」取扱店の推進、免税店の検
討など、外国人に対する「おもてなし」の向上に取り組みます。あわせて、オリ
ンピック関連のイベントの誘致や関係団体との連携を強化することで、新たなイ
ンバウンド向けサービスの創出に努めます。さらに、平成 39 年(2027 年)に
予定されるリニア中央新幹線の開通を見据え、これらの取り組みをさらなる外国
人観光客誘致に繋げていきます。
多言語での外国人向け観光情報の発信強化
・観光案内所への通訳ガイドシステム(タブレット端末活用)の導入
・観光音声案内ガイドシステム(GPS 活用)の導入
・外国人観光客に対する宿泊施設や食事・交通機関などの情報集約・
発信
無料公衆無線 LAN 環境の整備促進
・携帯ルーターの貸出などのサービスの検討
・外国人観光客が利用しやすい無料公衆無線 LAN 環境の整備促進
・市役所の庁舎をはじめとする公共施設での Wi-Fi 設置の強化
免税店などの検討
・地域経済活性化を図るための免税店(輸出物品販売場)の検討
・中国人観光客が多く使用する「銀聯カード」取扱店の情報集約・発信
42
1 3
外国人観光客及び高齢者・障がい者への対応
・観光施設などのハード面、情報発信などのソフト面でのユニバーサ
ルデザインへの取り組みの強化
・ピクトグラムなどユニバーサルデザインに配慮したサイン計画の策定
聖火リレーコースの誘致など、東京オリンピック・パラリンピッ
クに関連したプロモーションの検討
・関係機関との協力による聖火リレーコース誘致の検討
・関係機関との協力による参加選手団練習会場の誘致の検討
・著名な日本人メダリストを活用した、東京オリンピック・パラリン
ピックに関連したプロモーションの検討
ムスリム(※4)をはじめとした外国人観光客のための環境整備
・ムスリムのための食事・礼拝環境の改善
・県警との連携による外国人観光客の安全確保
・宿泊施設における外国人観光客の受入れ体制の支援、ゲストハウス
の可能性の研究
東京オリンピック・パラリンピックに向けた各種団体との連携
強化
県や関係市町村・教育機関・在住外国人団体など、関連団体との連携
体制構築
----------------------------------------------------------------------------------------------※3:デビットカードの一種で、中国人の利用が多い
※4:イスラム教徒
43
1 3
②
文化・芸術・歴史関連イベントの実施
桜や紅葉、地域の祭りや伝統行事など、多彩な地域観光資源の掘り起こしを図
り、文化・芸術・歴史関連イベントなどを展開していきます。また、実施に際し
ては、委託事業・補助事業の活用など財源確保方法もあわせて検討していきます。
▲今昔舞踊劇 ▲天津司の舞
▲えびす講祭り
地域観光資源を活用したイベントの検討
伝統行事・温泉など多彩な地域資源を活用した観光プログラムの創出
昇仙峡における四季ごとの魅力づくりの推進
「昇仙峡魅力づくり協議会」と連携したイベント開催、環境美化活動
の実施
「甲府大好きまつり」の実施
観光施策としての同イベントの実施
委託事業・補助事業などの活用による関連事業の展開
・政府関係団体・財団などの委託・補助事業の活用による観光プログ
ラムの実施
・委託・補助事業資金獲得のための、関係自治体・大学・シンクタン
クなどとの連携強化
44
1 3
③
地域観光資源の「都市観光プラン」化
有形・無形の文化財のパッケージ化、観光プランやルートの作成・リニューア
ルなどを通じ、点在する地域観光資源を有機的に結びつけ、観光客のニーズにき
め細かく対応した「都市観光プラン」を創出していきます。それにより本市への
滞在時間の延長や延泊を促進します。
伝統文化などの観光プラン化
地域の伝統芸能・ポップカルチャーなど有形・無形の文化財のパッケ
ージ化、ストーリー化
JR などと連携した外国人向け周遊コースの開発検討
JR や他市などとの連携による、外国人向け周遊コースの開発検討
ニューツーリズム推進
・長期滞在型観光、エコツーリズム、都市農村交流によるグリーン・
ツーリズム、トレイルランニングなどを取り入れたスポーツツーリ
ズム、文化観光などの研究・推進
・県立美術館・文学館・考古博物館・科学館などとの連携強化
・ジュエリーなど、本市の産業の魅力アップによる産業観光(※4)
の推進
・こうふ地旅(※5)の実施・充実
フィルムコミッション(※6)事業の拡充
県のフィルムコミッション事業のサポート拡充と PR 促進
市民団体などの自主的観光関連活動の支援
市民団体・NPO・教育機関が実施する各種体験・イベントの発掘と支援
----------------------------------------------------------------------------------------------※4:歴史的・文化的に価値ある工場や産業製品を通じて、ものづくりの価値を認識すること
などを目的とした観光
※5:市民が甲府の食、自然、産業、歴史、文化など甲府の魅力を体験し、地域の方たちと交
流する市民参加型のイベント
※6:映画撮影などを誘致することによって地域活性化・文化振興・観光振興を図る取り組み
45
1 3
基本方針 3
①
観光インフラの整備・拡充
安心・安全・快適な観光を支えるハード整備
まちなか回遊道路や甲府駅周辺、各地の遊歩道・登山道といった道路関連施設
や、駐車場・観光案内所・トイレなど観光客が利用する基本的な施設などの整備
を進め、安心・安全・快適な都市観光を演出します。
美しい景観の形成
「甲府市景観計画」・「甲府市緑の基本計画」の推進による良好な自然
と景観の保全・形成
甲府駅北口周辺の整備
・甲府駅北口における都市計画道路や区画道路の整備による甲府駅周
辺の円滑な交通拠点の形成
・甲府駅北口における公園などの整備
甲府駅南口の観光関連施設整備
・
「甲府駅南口周辺地域修景計画」による駅前広場・道路(自転車道含
む)
・公園・駐輪場・多目的トイレなど公共施設の再整備
・観光客にも使いやすい大型バス駐車場の検討
・観光案内機能とバスセンター機能を融合した総合案内所の新設
駐車場など観光基本施設の維持・管理
・観光地における市営駐車場や公衆便所の維持管理
・信玄公像の御身拭いなど
登山道・遊歩道の維持管理及び安全確保
・崩落・落石危険箇所への落石防止柵設置、登山ルート上の案内板設
置など
・金峰山・釈迦ヶ岳などの登山道、板敷渓谷・御殿滝の遊歩道の整備
46
1 3
森林や関連施設の整備、維持管理
・マウントピア黒平の維持管理及び活用の推進
・企業の CSR(※7)活動の一環としての植樹などの森林保全活動
リニア駅舎及びその周辺整備の検討
リニア中央新幹線の駅舎や周辺整備の検討
----------------------------------------------------------------------------------------------※7:企業の社会的責任。企業の責任を、従来からの経済的・法的責任に加えて、企業に対し
て利害関係のある消費者や地域社会などにまで広げた考え方
47
1 3
②
観光客をおもてなしするためのソフト整備
市内では、様々なイベントや祭りが開催されます。従来は市民だけのイベン
ト・祭りと考えられていたものでも、交流・体験型の観光を求める人が増えてい
る今日では、観光客をおもてなしする場として活用することが可能です。また市
内の会議・スポーツ施設を活用し、MICE(※8)の積極的誘致を関連団体ととも
に推進していきます。
市民向け施設やイベント・まつりの観光における活用
・「甲府市ふれあいウォーキング大会」・「方代の里なかみち短歌大
会」
・「農林業まつり」の実施・充実
・中道交流センターなど、甲府南インターチェンジ周辺施設の活用
・寺川グリーン公園・上九の湯・上九ふれあい農産物直売所が連携し
たイベントの実施・充実
・各種体験実施団体との連携による観光ルートの開発・拡充、都市住
民向けの農業体験機会の提供、市民参加型イベントの検討
甲府駅周辺における賑わいの創出
甲府駅北口・南口でのイベントなどの開催による甲府駅周辺での賑わ
いの創出
動物園整備事業
甲府市遊亀公園附属動物園開園 100 周年を迎えるにあたり動物園・公
園の整備、他の観光スポットとの連携や周遊コース整備
ホスピタリティ(※9)向上に向けた取り組みの促進
・観光案内所の運営及び研修会などの実施を通じたサービス向上
・関連機関と連携したホスピタリティ講座の開催
MICE 誘致の促進
(公社)やまなし観光推進機構と連携した市内施設の活用による国際
会議や企業などの研修会・展示会など MICE 誘致の促進
48
1 3
観光客誘致対策補助金事業の実施
各種会議及び大会を市内で開催し、市内に宿泊した団体への補助金交付
ボランティアガイドの育成・充実
・甲斐善光寺御開帳など市内のボランティアガイドの育成・常設
・市内在住の外国人、留学生及び学生などによる、通訳や観光ガイド
としての活用方法の検討
・観光ガイド育成用ハンドブックの作成などサービスの質の向上
観光客が安心して旅行できる環境づくり
防災案内の多言語化など、観光客の安全安心に関する警察との協力体
制の構築及び対策の推進
観光地への交通手段拡充の検討
観光シーズンに合わせた路線バスの増便・シャトルバスの運行の検討
レンタサイクルなどの利用促進
二次交通としてレンタサイクルやレトボンの利用促進
昇仙峡・観光 IT 化計画の検討
昇仙峡内での Wi-Fi 施設設置、スマートフォンを活用した観光情報発
信の検討
▲太白桜祭り
▲動物園での体験
----------------------------------------------------------------------------------------------※8:Meeting(会議・研修・セミナー)
、Incentive tour(報奨・招待旅行)
、Convention ま
たは Conference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語
※9:心のこもったもてなし
49
1 3
効果的な情報発信
基本方針 4
①
戦略的な情報発信
発信する内容や、伝達したい相手を絞り込み、観光パンフレットなどの紙媒体、
ホームページや SNS といった電子媒体など、さまざまな情報メディアを使い分
けて、効果的・効率的な情報発信を行っていきます。また、旅行会社や各種メデ
ィアなどの大きな影響力を活用するため、これらに向けた発信を強く意識し、
「新
規性」
「話題性」
「季節性」
「時代性」などを考慮した情報発信を行います。
さらに、開府 500 年関連事業やリニア中央新幹線開通を印象付けられるよう
な情報発信を行います。
また、地元の農産物や加工品自体が重要な地域資源となるため、市内で開発し
た加工品などのブランド認定なども活用して、戦略的な情報発信をすすめていき
ます。
マスコミ・デジタルサイネージ(※10)などを活用した情報発信
テレビ・ラジオの広報番組や新聞・タウン誌、山梨中央銀行や NHK の
情報発信システム「デジタルサイネージ」を活用した、イベントや観
光情報などの発信
観光情報の発信強化・充実
・国内外へのトップセールスの実施
・全職員によるシティプロモーションの推進
・中央自動車道談合坂下り SA や、リニア見学センターでの情報掲出・
パンフレット設置
・企業と連携した観光キャンペーンでの首都圏・中京圏向けの PR の
実施
・
「ふるさと全国県人会まつり」
「太陽のマルシェ(※11)」などを通じ
た PR の実施
・リニア中央新幹線開通を視野に入れた、中京・関西圏への PR の実施
・高校生や大学生と連携した観光・イベント情報の発信強化
50
1 3
県外居住者向けの移住を見据えた観光情報などの提供
富士の国やまなし移住・交流推進協議会主催の「甲斐適生活相談会」、
「やまなし田舎暮らし出張セミナー」などへの参加・情報提供
市内加工品などのブランド認定
・地域資源を有効活用した新たな商品などの「甲府之証(※12)
」ブラ
ンド認定
・同制度の認知度向上のための食のイベント情報発信による PR
農産物直売所の活性化・農産物などの関連情報の発信強化
・農産物直売所における地場産品の PR などの実施
・
「太陽のマルシェ」などを活用した農産物などの関連情報の発信強化、
都市農村交流の促進
----------------------------------------------------------------------------------------------※10:映像表示装置とデジタル技術を用いた広告媒体。屋外・店頭・公共施設などに、液晶デ
ィスプレーやプロジェクターを設置して広告や各種案内を表示するもの
※11:東京で開催される日本最大級規模の定期開催型市場
※12:本市の誇れる特産品・地場産品などを有効活用して、新たに開発した加工製品を「甲府
ブランド」として認定する制度。商品の販路拡大を図るとともに、甲府の名を全国に発
信することとイメージアップを目的としている
51
1 3
②
SNS など IT を活用した情報発信・交流促進
観光庁の調査(平成 25 年 11 月)では、
「旅行者の 48%が SNS を利用し、そ
の内 57%が旅先での旅行体験を SNS で発信している」という結果が出ています。
この SNS の大きな情報伝播力を活用し、市民や観光客との交流を深めながら、
多様なコミュニティーに対して、本市の魅力を発信していきます。
SNS の有効活用
Facebook ページ、twitter など SNS を活用した情報発信、観光客な
どとの交流促進
市観光ホームページの改善・拡充
・スマートフォン用アプリケーションなど、情報発信媒体との連携
・市観光ホームページの定期的改善と拡充
52
1 3
推進体制の構築
基本方針 5
①
関係機関や団体との連携強化
行政内部の各部署の連携はもちろんのこと、民間企業・各種団体や、大学をは
じめとした教育機関、市民などとの連携を強化しつつ、観光振興施策の推進を図
っていきます。
また、観光客の出発地、本市に隣接する地域、歴史的に見て本市との関係が深
い地域など、県内外の各地域との連携も強化していきます。
他地域との連携強化による観光振興
・商工会議所・JA・観光協会などと一体となっての連携充実
・山梨市・笛吹市・甲州市などとの連携強化を通じた広域観光圏の
形成
・NHK 連続テレビ小説の舞台地間の連携
観光諸団体とボランティアとの連携充実
甲府市観光協会の「観光ボランティアガイド」や昇仙峡魅力づくり協
議会の「昇仙峡マイスター」など各種ボランティアガイド間での連携
充実
観光振興計画推進会議(仮称)の設置・運営
本計画の進行管理・評価を目的に、企業・団体・大学などで構成する
機関の設置・運営
53
1 3
②
統計データの充実・分析
観光入込客数などの統計データを、迅速に収集・分析し、観光客のニーズを踏
まえた新たな施策の検討などに活用していきます。またそれらの情報のホームペ
ージでの公開、観光関係団体との共有を通じて、市全体での活用を図ります。
統計調査を活用した、観光施策の推進
観光入込客統計調査(四半期ごとに実施)の活用方法の検討
国・県の動向調査の活用
・観光庁の観光白書や各種団体が発表するアクションプラン・統計な
どの活用
・山梨県の各種調査・統計への協力、発表データの活用
54
1 3
基本方針1 開府500年関連事業の展開【重点方針】
① 開府500
基本方針3 観光インフラの整備・拡充
1 「史跡武田氏館跡」総合案内所の建設
32 美しい景観の形成
2 「史跡武田氏館跡」の復元整備
33 甲府駅北口周辺の整備
年関連施設
などの整備
3 まちなか回遊道路の整備
① 安心・安
34 甲府駅南口の観光関連施設整備
全・快適な
4 「重要文化財高室家住宅」の保存修理
5
② 開府500
年関連イベ
ントの企
画・実施
③ 開府500
年関連施策
の実施環境
の整備
歴史ボランティアガイドを活用した散策会の
実施・充実
観光を支え
備
37 森林や関連施設の整備、維持管理
7 小江戸甲府を学ぶ歌舞伎公演の実施
38 リニア駅舎及びその周辺整備の検討
8 開府500年をテーマにした芝居・講座などの開催
39 市民向け施設やイベント・まつりの観光における活用
9 「信玄公祭り」の実施・充実
40 甲府駅周辺における賑わいの創出
10 歴史的に関係の深い都市との連携強化
41 動物園整備事業
11 歴史ボランティアガイドの育成
42 ホスピタリティ向上に向けた取り組みの促進
12 歴史ガイドブックの作成と活用
13 観光教育の推進
15
② 観光客を
おもてなし
するための
ソフト整備
「武田二十四将」などを活用した、武田氏城下町の
略的展開
48 レンタサイクルなどの利用促進
17 無料公衆無線LAN環境の整備促進
49 昇仙峡・観光IT化計画の検討
基本方針4 効果的な情報発信
18 免税店などの検討
19 外国人観光客及び高齢者・障がい者への対応
20
22
50
聖火リレーコースの誘致など、東京オリンピック・
ムスリムをはじめとした外国人観光客のための
① 戦略的な
環境整備
東京オリンピック・パラリンピックに向けた
情報発信
連イベント
の実施
25 「甲府大好きまつり」の実施
情報発信
52 県外居住者向けの移住を見据えた観光情報などの提供
53 市内加工品などのブランド認定
各種団体との連携強化
24 昇仙峡における四季ごとの魅力づくりの推進
マスコミ・デジタルサイネージなどを活用した
51 観光情報の発信強化・充実
パラリンピックに関連したプロモーションの検討
23 地域観光資源を活用したイベントの検討
術・歴史関
45 ボランティアガイドの育成・充実
16 多言語での外国人向け観光情報の発信強化
21
② 文化・芸
44 観光客誘致対策補助金事業の実施
47 観光地への交通手段拡充の検討
地域資源の発掘と受皿づくり【重点方針】
に向けた戦
43 MICE誘致の促進
46 観光客が安心して旅行できる環境づくり
イメージづくり
基本方針2 東京オリンピック・パラリンピックに向けた
ンドの推進
36 登山道・遊歩道の維持管理及び安全確保
6 関連イベントの実施・充実
14 ラッピングバスの導入・バス車両広告の掲出
① インバウ
35 駐車場など観光基本施設の維持・管理
るハード整
54
② SNSなどIT
を活用した情
報発信・交流
促進
農産物直売所の活性化・農産物などの関連情報の
発信強化
55 SNSの有効活用
56 市観光ホームページの改善・拡充
基本方針5 推進体制の構築
26 委託事業・補助事業などの活用による関連事業の展開
27 伝統文化などの観光プラン化
57 他地域との連携強化による観光振興
① 関係機関
③ 地域観光
資源の「都
市観光プラ
ン」化
28 JRなどと連携した外国人向け周遊コースの開発検討
や団体との
58 観光諸団体とボランティアとの連携充実
連携強化
29 ニューツーリズム推進
30 フィルムコミッション事業の拡充
59 観光振興計画推進会議(仮称)の設置・運営
② 統計デー
60 統計調査を活用した、観光施策の推進
タの充実・
31 市民団体などの自主的観光関連活動の支援
分析
61 国・県の動向調査の活用
55
1
4
本計画では、施策事業の8割以上の実施を目指し、その効果を検証するために成
果指標を設けます。計画期間である5年間の中間年と最終年において数値目標を設
定し、施策事業の評価を行うとともに、その結果をその後の施策の変更に反映させ
ていきます。また、「観光振興計画推進会議(仮称)」において、中間評価の際に最
終年の数値目標の設定を見直します。
1
2
3
4
5
----------------------------------------------------------------------------------------------※:数値目標の基準年は、直近の増加傾向にあった年を基準とせず、現状の実態が反映されて
いる平成 25 年及び平成 25 年度のデータを採用し、それに対する増加率を目標値とする
56
1
5
市民・企業・団体・大学・NPO・観光関連業界、甲府市や山梨県など各々の役割
を明確にし、本市の観光施策を担う実施主体と、知恵と力を合わせ協働して、本市
の観光振興の取り組みを進めます。
そのために、
「観光振興計画推進会議(仮称)」を設立し、本計画の進捗状況の検
討、実施事業の評価、計画変更の議論などを行います。さらに必要な場合は、関係
団体と連携し推進委員会や研究会などを設立していきます。
 観光振興推進体制イメージ図
地域住民
参画/連携
甲府市

観光振興計画推進会議(仮称)

庁内関連部署
•
•
•
•
•
•
•
•
事務局
産業部
産業振興室 観光課

山
梨
県
観
光
部
観(
光公
推社
進)
や
機ま
構な
し
情報発信の
連携
(
県大
内学
コ
12 ン
大ソ
学ー
)シ
ア
ム
観
光
関
連
事
業
者
シティプロモーション課
政策課
リニア交通室
南北地域振興課
まちづくり課
市民課
商工課
農政課
宿泊業
交通事業
商店など
•
•
•
•
•
•
•
•
林政課
市場経営室
都市計画課
区画整理課
公園緑地課
道路河川課
生涯学習文化課
スポーツ課
甲府市観光協会
連携
•
•
•
周辺市町村
商
工
団
体
・
各
種
団
体
•
•
•
甲府商工会議所
中小企業団体中央会
NPO/市民団体
警
察
・
病
院
な
ど
富士の国やまなし館
富士の国やまなし観光ネット
農村休暇邑
やまなし暮らし支援センター
やまなしフィルムコミッション
観光関連ホームページ
57
資 料 編
58
資料編
甲府市観光振興基本計画策定検討委員会設置要綱
平成20年7月24日
産
第
2
号
(設置)
第1 本市の歴史、文化、自然、人等の地域資源の活用によって、交流人口の
増加による地域活性化を図ることを目的とした、甲府市観光振興基本計画(以
下「基本計画」という。)を策定するため、甲府市観光振興基本計画策定検討
委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(所掌事項)
第2 委員会は、基本計画に関する事項について、調査及び検討を行う。
(組織等)
第3 委員会は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する15名以内の委員を
もって組織する。
(1)学識経験者
(2)関係団体からの代表者
(3)一般公募による者
(4)その他市長が必要と認めた者
2 委員の任期は、委嘱した日から平成27年3月31日までとする。
(委員長等)
第4 委員会に委員長及び副委員長を置き、委員の互選により定める。
2 委員長は、委員会を代表し、会務を総括する。
3 副委員長は、委員長を補佐し、委員長に事故あるとき又は委員長が欠けた
ときは、その職務を代理する。
(会議)
第5 委員会は、委員長が招集し、その議長となる。
2 委員長は、必要があると認めたときは、委員以外の者の出席を求めること
ができる。
(庶務)
第6 委員会の庶務は、産業部産業振興室観光課において処理する。
(その他)
第7 この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員
長が会議に諮って定める。
附 則
この要綱は、平成20年7月24日から施行する。
附 則
この要綱は、平成26年5月20日から施行する。
59
資料編
第 2 次甲府市観光振興基本計画策定検討委員名簿
(順不同・敬称略)
氏
60
名
所
属
役
職
備
1
吉田
均
山梨県立大学国際政策学部
教授
2
大木
政
甲府市観光協会
会長
3
丹沢
良治
甲府商工会議所
副会頭
4
雨宮
正英
山梨交通株式会社
専務取締役
5
輿石
修
甲府市議会経済建設委員会
委員長
6
新海
一男
山梨県中小企業団体中央会
専務理事
7
志村
忠良
昇仙峡観光協会
会長
8
萩原
爲仁
甲府市農業協同組合
代表理事常務
9
長坂
善雄
甲府商店街連盟
会長
10
田嶋
晴美
株式会社JTB関東法人営業甲府支店
支店長
11
山本
淳仁
甲府ホテル旅館協同組合
副理事長
12
仲田
道弘
山梨県観光部観光企画・ブランド推進課
課長
13
保坂
照次
甲府市産業部
部長
14
加藤
悠理
山梨県立大学
学生
公募
15
大輪
玲奈
山梨県立大学
学生
公募
考
資料編
甲府市観光振興基本計画庁内検討会議設置要綱
平成20年7月24日
産
第
1
号
(設置)
第1 本市における、交流人口の増加による地域活性化を図ることを目的とし
て策定する、甲府市観光振興基本計画(以下「基本計画」という。)の原案
を作成するため、甲府市観光振興基本計画庁内検討会議(以下「検討会議」
という。)を設置する。
(所掌事項)
第2 検討会議は、次に掲げる事項を所掌する。
(1)基本計画の原案の作成に関すること。
(2)その他、基本計画の原案の作成に必要な事項に関すること。
(構成)
第3 検討会議は別表に掲げる者(以下「構成員」という。)をもって構成する。
(会議)
第4 検討会議に議長を置き、産業部産業振興室観光課長が議長となる。
2 議長に事故あるとき又は欠けたときは、産業部産業振興室観光課観光係長
が議長の職務を代理する。
3 議長は、検討会議を招集し会務を総括する。
4 議長は、審議する事項について必要と認めるときは、構成員以外の者の出
席を求めることができる。
(事務局)
第5 検討会議の庶務は、産業部産業振興室観光課において処理する。
(その他)
第6 この要綱に定めるもののほか、検討会議の運営について必要な事項は、
議長が別に定める。
附 則
この要綱は、平成20年7月24日から施行する。
附 則
この要綱は、平成26年5月20日から施行する。
61
資料編
別表(甲府市観光振興基本計画庁内検討会議構成員)
産業部
産業振興室
観光課長
市長室
市長室
シティープロモーシ
ョン課
企画総室
企画部
リニア交通室
地域政策室
市民部
中道支所・上九一色出張所
産業振興室
産業部
農林振興室
まち開発室
建設部
まち保全室
政策課
総合計画課長
リニア政策担当課長
南北地域振興課
まちづくり課
市民課
商工課
観光課係長
農政課
林政課
都市計画課
区画整理課
公園緑地課
道路河川課
文化課
教育部
生涯学習室
スポーツ課
生涯学習課
62
議長
担当課長又は
係長1名
資料編
計画策定の経緯
第1回 甲府市観光振興基本計画庁内検討会議(以下庁内検討会議)
平成 26 年 8 月 5 日(火)
午後 3 時~
甲府市役所 8 階
8-1・2 会議室
・ 第2次甲府市観光振興基本計画の概要について
・ 計画策定スケジュールについて
・ 各課における観光関連事業の抽出について
第1回 第 2 次甲府市観光振興基本計画策定検討委員会(以下策定検討委員会)
平成 26 年 9 月 4 日(木)
午後1時 30 分~
甲府市役所 8 階 8-1・2 会議室
・ 委嘱式
・ 現状と課題及び観光地像について
・ 計画策定スケジュールについて
第2回 庁内検討会議
平成 26 年 10 月 23 日(木)
午前 10 時~
甲府市役所 8 階
・ 事業の抽出による実現化方策の検討について
・ 重点方針について
8-1・2 会議室
第2回 策定検討委員会
平成 26 年 11 月 21 日(金)
午後1時 30 分~
甲府市役所 9 階 9-2 会議室
・ 目指すべき観光地像について
・ 有識者アンケート調査に基づく施策事業の検討
について
第3回 庁内検討会議
平成 27 年 1 月 9 日(金)
午前 10 時~
甲府市役所 8 階
・ 実施計画について
・ 数値目標及び推進体制について
8-1・2 会議室
第3回 策定検討委員会
平成 27 年 1 月 19 日(月)
午後 2 時~
甲府市役所 7 階
・ 事業計画について
・ 数値目標及び推進体制について
7-2 会議室
63
資料編
パブリックコメントの実施
平成 27 年 1 月 27 日(火)
~平成 27 年 2 月 26 日(木)
・ 市のホームページ、市役所、公民館の窓口などで
意見を募集
第1回 ワークショップの実施
平成 27 年 2 月 14 日(土)
午後 1 時~
甲府第一高等学校
【テーマ】
東京オリンピック・パラリンピックに向けた地域
資源の発掘と受け皿づくり
第2回 ワークショップの実施
平成 27 年 2 月 21 日(土)
午前 9 時~
甲府商業高等学校
【テーマ】
開府 500 年関連事業の展開
第4回 策定検討委員会
平成 27 年 3 月 16 日(月)
午後 3 時 30 分~
中道交流センター
・ パブリックコメントに対する回答について
・ 計画(案)の決定
市長への報告会
平成 27 年 3 月 25 日(水)
・計画(案)の報告
午後1時 30 分~
甲府市役所 5 階 市長応接室
64
資料編
甲府市の関連計画などの整理
1 第五次甲府市総合計画
本市では総合計画を策定しており、現行の計画は、「第五次甲府市総合計画」
です。基本構想の計画期間は、平成 18 年度~平成 27 年度です。また、実施計
画では3年間の計画を策定し、毎年度ローリング方式により見直すこととしてい
ます(第六次甲府市総合計画は策定中)。
本計画の中で、都市像として「人がつどい、心がかよう、笑顔あふれるまち・
甲府」を掲げています。
5つの基本目標は次のとおりです。
・互いに支え合い健やかに暮らせるまち -福祉・健康への支援-
・夢にあふれ心豊かに人と文化が輝くまち
-教育・文化の振興-
・次代に引き継ぐ快適で美しい安らぎのまち -生活・自然環境の向上-
・にぎわいと豊かさを創りだす風格のあるまち -産業の振興-
・魅力と活気のあるだれもが住みたい楽しいまち -都市基盤の整備-
このうち、
「にぎわいと豊かさを創りだす風格のあるまち
-産業の振興-」
では、
「恵まれた自然や伝統、歴史的な観光資源を活かし風格とにぎわい、そし
て豊かさを実感できるまちを目指します。また、産業間の相互連携によりバラン
スのとれた産業の発展を目指します。」としています。
2 (仮称)第六次甲府市総合計画策定方針
現在、第六次甲府市総合計画を策定中です。基本構想は、平成 28 年度(2016
年度)を初年度とし、10 年後の平成 37 年度(2025 年度)を目標年度としてい
ます。実施計画では3年間の計画を策定し、毎年度ローリング方式により見直す
こととしています。
計画策定の背景では、次があげられています。
(1)人口減少・少子高齢社会や経済のグローバル化の進展
(2)自然災害に対する備えなど暮らしの安全・安心対策や持続可能な社会
の形成に向けた地球環境問題への対応の必要性
(3)リニア中央新幹線新駅の設置、中部横断自動車道や新山梨環状道路の
整備などの計画・実施
65
資料編
また、市民参画の手段として次があげられています。
(1)市民会議(ワークショップ等):市民の視点からまちづくりに対する
意見を聴取。
(2)市民意向調査(アンケート等):広範な市民の意向等を調査・把握。
(3)小中学生からの作文、絵画等の募集:本市の将来像について、小中学生
から作文や絵画等を募集。
(4)パブリックコメント:基本構想(案)について、市民から意見を求める。
3 第 9 次実施計画
第五次甲府市総合計画における最新の実施計画は第 9 次実施計画です。この計
画では、観光に関しては、「都市型観光の推進」、「資源を活かした観光まちづく
り」、
「受入体制の整備」
、
「情報発信の強化」があげられています。
このうち、
「都市型観光の推進」に関しては、次があげられています。
(1)昇仙峡や盆地の夜景など本市の豊かな自然や景観、武田信玄に代表され
る歴史を最大限に活用しながら、歴史資源の再評価を行う中で、観光客
が感動できる観光地づくりを行う。
(2)新たな交流人口獲得に向け、これまでとは違った視点からの地域資源
発掘や、PR 活動に努めていく。
66
資料編
4 平成 25 年市民満足度調査
本市では、市の施策及び事務事業に関する満足度調査を行っています。
平成 25 年の調査において、「観光振興」の満足度は 3.37(5 段階評価)で全
29 施策中 8 位、重要度は 3.37(5 段階評価)で全 29 施策中 15 位となってい
ます。
施策の相対的な位置付けを整理するため、満足度を横軸、重要度を縦軸にとっ
て、4 つの領域に分割すると、観光振興は「維持・改善領域(満足度が高く、重
要度が低い)
」に分類されています。
出所:甲府市平成 25 年度市民満足度調査
67
資料編
5 甲府市中心市街地活性化基本計画
本市では、平成 12 年に「中心市街地活性化基本計画」を策定し、これに基づ
き中心市街地の活性化に取り組んでいます。平成 26 年 10 月には新たな「甲府
市中心市街地活性化基本計画」が認定されました。
計画の中で、中心市街地活性化の基本的な方針として、次があげられています。
・方針 1:見て楽しみ、買って楽しめる中心市街地
・方針 2:歴史、文化、芸術が薫る中心市街地
・方針 3:まちとつながる、人とつながる中心市街地
このうち方針 2 に関しては、「舞鶴城公園や甲府駅北口の拠点施設、また、市
内に点在する地域資源の活用、さらには回遊道路等の整備により、武田信玄の時
代や江戸時代の城下町であり、明治以降の商業や行政の中心であった本市の歴史
と文化、芸術を感じられるまちをつくる。
」と記載されています。
68
資料編
国及び県の観光振興計画などの整理
国の計画など
1 観光立国推進基本計画
国では平成 19 年 1 月に「観光立国推進基本法」を施行し、同年6月に「観光
立国推進基本計画」が策定されました。そして、平成 24 年3月には、観光立国
推進基本計画(平成 24 年から平成 28 年度)が閣議決定されています。
観光立国推進基本計画の基本的な方針は次のとおりです。
1.震災からの復興 -観光が、復興を支え、日本を元気づける-
2.国民経済の発展 -観光が、日本経済と地域を再生する-
3.国際相互理解の増進 -観光が、世界を惹きつける-
4.国民生活の安定向上 -観光が、人生を楽しく豊かにする-
観光立国推進基本計画内では、観光立国の実現に関し、政府が総合的かつ計画
的に講ずべき施策があげられています。このうち、観光庁が主導的な役割を果た
すべき施策としては次があげられています。
(1)国内外から選好される魅力ある観光地域づくり(観光地域のブランド化・
複数地域間の広域連携等)
(2)オールジャパンによる訪日プロモーションの実施
(3)国際会議等の MICE 分野の国際競争力強化
(4)休暇改革の推進
一方、政府全体により講ずべき施策としては次があげられています。
(1)国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成
(2)観光産業の国際競争力の強化及び観光の振興に寄与する人材の育成
(3)国際観光の振興
(4)観光旅行の促進のための環境の整備
さらに、観光立国の実現に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必
要な事項としては次があげられています。
(1)多様な関係者の適切な役割分担と連携・協力の強化
(2)政府が一体となった施策の推進
(3)施策の推進状況の点検と計画の見直し
(4)地域単位の計画の策定
69
資料編
2 観光立国実現に向けたアクション・プログラム 2014
(観光立国推進閣僚会議)
国は、平成 25 年、観光立国推進閣僚会議を立ち上げ、6 月に「観光立国実現
に向けたアクション・プログラム」を決定しました。その実施に政府一丸、官民
一体となって取り組んだ結果、平成 25 年の訪日外国人旅行者数は約 1036 万人
となり、平成 15 年(2003 年)のビジット・ジャパン事業開始以来の政府目標
であった訪日外国人旅行者数年間 1000 万人を史上初めて達成しました。
これにとどまることなく、観光立国推進閣僚会議は、
「2020 年オリンピック・
パラリンピック東京大会」の開催という絶好の機会を捉え、2020 年に向けて、
訪日外国人旅行者数 2000 万人の高みを目指すこととしています。訪日外国人旅
行者数 2000 万人の高みという、これまでとは次元の異なる目標を達成するため
に必要となる施策を総動員すべく、本プログラムをとりまとめています。各施策
の要点を箇条書きにすると次のとおりです。
(1)
『2020 年オリンピック・パラリンピック』を見据えた観光振興
ア
オリンピック・パラリンピック開催をフルに活用した訪日プロモーション
イ
オリンピック・パラリンピックを機に訪日する外国人旅行者の受入環境
整備
ウ
オリンピック・パラリンピック開催効果の地域への波及
エ
オリンピック・パラリンピック開催を契機としたバリアフリー化の加速
(2)インバウンドの飛躍的拡大に向けた取組
ア
インバウンド推進の担い手の拡大
イ
訪日プロモーションの戦略的拡大
ウ
訪日プロモーションの新たな切り口での展開
エ
訪日プロモーションの実施体制の整備
オ
効果的なメディア戦略
カ
オールジャパン体制による連携の強化
(3)ビザ要件の緩和など訪日旅行の容易化
ア
ビザ要件の戦略的緩和
イ
外国人長期滞在の促進
ウ
出入国手続の迅速化・円滑化
エ
本邦航空会社による新規路線の開設や LCC の参入促進等による、利用しや
すい旅行商品の創出
70
資料編
(4)世界に通用する魅力ある観光地域づくり
ア
地域連携による情報発信力強化と新たな広域周遊ルートの形成
イ
地域の魅力を来訪者に体感してもらうための仕組みづくり
ウ
世界に通用する地域資源の磨き上げ
エ
観光振興による被災地の復興支援
(5)外国人旅行者の受入環境整備
ア
多言語対応の改善・強化
イ
無料公衆無線 LAN 環境の整備促進など、外国人旅行者向け通信環境の改善
ウ
公共交通機関による快適・円滑な移動のための環境整備
エ
「クルーズ 100 万人時代」実現のための受入環境の改善
オ
ムスリムおもてなしプロジェクトの実施
カ
「外国人旅行者向け消費税免税制度」の拡充を契機としたショッピング・
ツーリズムの振興と決済環境の整備
キ
外国人旅行者の安全・安心確保
ク
多様な滞在ニーズへの対応と宿泊施設の情報提供の充実
ケ
観光産業の人材育成
(6)MICE の誘致・開催の促進と外国人ビジネス客の取り込み
ア
MICE に関する取組の抜本的強化
イ
外国人ビジネス客の取り込み強化
ウ
IR(統合型リゾート)についての検討
71
資料編
山梨県の計画など
1 おもてなしのやまなし観光振興条例
山梨県では、平成 23 年 12 月に「おもてなしのやまなし観光振興条例」を施
行しました。条例の目的は、次のとおりです。
地域への誇りと愛着に基づくおもてなしを県民総参加により推進し、旅行者
がやすらぎと感動を覚え、再び訪れたいと思う魅力ある地域づくりを進めるこ
と等により県の観光の振興を図り、もって観光産業が県の基幹的な産業として
発展することを通じて、県経済の発展及び活力に満ちた地域社会の実現に寄与
することを目的としています。(条例第 1 条)
条例に規定されている「おもてなし」とは、旅行者の立場に立って、次に掲げ
る行為により旅行者をもてなすこととされています。
(1)温かな心配りによる接待
(2)地域の良好な景観の形成並びに施設の整備、適切な管理等による旅行者
の安全性、利便性及び快適性の確保
(3)地域の特産物の活用並びに歴史的又は文化的資産の保存及び活用
また、「おもてなしのやまなし観光振興条例リ
ーフレット」には、
「私たちにできる『おもてな
し』って何?」として、次をあげています。
(1)旅行者に明るくあいさつする
(2)住んでいる地域をきれいにして、旅行者
をお迎えする
(3)地域の魅力を知って、旅行者に紹介する
(4)外国人が安心して行動できる環境づくり
をする
(5)地域のお祭りやイベントに積極的に参加
し、旅行者とともに楽しむ
(6)地域にあるものを使って、うまいものづ
くり、土産物づくりをする
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資料編
観光を振興する上での基本理念は次のとおりです。
(1)観光振興は、
「おもてなし」が重要
観光の振興は、県民等が地域に対する理解と関心を深め、誇りと愛着を持
ち、おもてなしを実践することが重要であるという認識で推進
(2)観光振興は、県民総参加により推進
観光の振興は、県民、観光事業者、観光関係団体、市町村及び県が相互に
連携をとりながら協力して推進
(3)観光振興は、県経済の発展のために重要
観光の振興は、多様な産業が関連するものであり、県経済の発展のために
重要であるという認識で推進
(4)人材の育成が重要
観光の振興は、人材の育成が重要であるという認識で推進
(5)持続的な観光の振興の実現が重要
観光の振興は、持続的な観光の振興の実現のため、良好な自然環境、景観、
文化的資産等の保存・保全が重要であるという認識で推進
(6)安全・快適の視点が重要
観光の振興は、UD を推進すること等により、全ての旅行者が常に安全・
快適に旅行できるよう配慮することが重要であるという認識で推進
各主体の責務と役割は次のとおりです。
(1)県の責務
観光振興施策の総合的な策定・実施。市町村との連携を図り、市町村に必
要な支援や広域的な見地からの調整に努めるなど
(2)県民の役割
おもてなしの重要性に対する理解を深め、おもてなし推進に努めるなど
(3)観光事業者の役割
旅行者に対する良質なサービスの提供や魅力ある観光地づくりに主体的
に取り組むよう努める。県や市町村と連携を図り、観光振興施策に協力する
よう努めるなど
また、2月1日から7日を「おもてなし推進週間」と定め、県民や観光事業者
に、おもてなしについて理解と関心を深めてもらうための様々な事業を展開して
います。
73
資料編
2 やまなし観光推進計画
「おもてなしのやまなし観光振興条例」第 13 条の規定に基づき、山梨県では、
「やまなし観光推進計画」を策定しています。
本計画の計画期間は、平成 23 年度から平成 30 年度で、計画期間内の観光振
興の総合的な目標は、
「やすらぎと感動の山梨」とされています。
この総合的な目標を実現させるため、次の3つのジャンルに関して目標を設定
しています。
(1)旅行者に対する目標:旅行者の笑顔あふれる山梨
(2)地域に対する目標:地域がいきいきしている山梨
(3)インバウンド観光に対する目標:海外の人々が訪れたくなる山梨
施策の基本方針は次のとおりです。
(1)おもてなしの推進
(2)多様な観光の推進
(3)外国人旅行者の来訪の促進
(4)広報宣伝及び情報提供
また、具体的な戦略は次のとおりです。
戦略Ⅰ
①人材育成・郷土教育の充実
おもてなし戦略
②美しい景観づくり・観光インフラの整備
③魅力ある地域資源の発掘、育成、保全及び活用
④おもてなしに取り組む気運の醸成
戦略Ⅱ
①着地型観光の推進
地域資源活用戦略
②宿泊・滞在型観光の推進
③都市農村交流・二地域居住の促進
④環境に配慮した山岳観光の推進
⑤効果的な情報発信
戦略Ⅲ
①観光プロモーションの展開
インバウンド観光戦略
②外国人旅行者の受入環境整備
③国際交流の促進
④海外に向けた情報発信
その他の取組
①産業としての観光の発展
②観光地へのアクセスの向上
③災害に対する準備及び災害時の対応
74
資料編
3 東京オリンピック・パラリンピック開催決定に伴う県の取り組み
山梨県東京オリンピック・パラリンピック推進本部を平成 25 年 11 月 22 日に
設置し、次の専門部会において、関連事業の抽出・課題整理等を行い、具体的な
検討をすすめています。
(1)情報収集・連絡調整部会
(2)事前合宿等誘致部会
(3)観光戦略部会
(4)スポーツ振興部会
このうち、観光戦略部会にて検討する事業例は次のとおりです。
(1)富士山を核とした周遊観光の促進、リニア実験線の体験乗車等のPR に
よる誘客
(2)東南アジア、東アジア、姉妹友好県州等からの誘客促進
(3)県産品等のPR、販路拡大
(4)道路標識、案内板等の英語表記
等
75
資料編
4 平成 25 年観光入込客調査
「山梨県観光入込客統計調査(平成 25 年)
」の主な結果は次のとおりです。
観光客実人数
29,678 千人(前年比 108.5%)
観光客延人数
43,515 千人(前年比 101.3%)
平均訪問観光地点数
1.3 地点(前年 1.5 地点)
日帰り・宿泊別観光入
日帰り客実人数
23,157 千人(前年比 109.6%)
込客
宿泊客実人数
6,521 千人(前年比 104.9%)
県外客実人数
22,120 千人(前年比 108.7%)
県内客実人数
7,558 千人(前年比 108.0%)
延べ宿泊者数
483 千人(前年比 134.5%)
自然
6,091 千人(前年比 114.4%)
歴史・文化
8,855 千人(前年比 100.0%)
温泉・健康
6,025 千人(前年比 98.5%)
スポ・レク
9,376 千人(前年比 100.5%)
都市型観光
4,269 千人(前年比 95.4%)
行祭事・イベント
3,605 千人(前年比 100.4%)
その他
5,294 千人(前年比 100.6%)
春(3~5 月)
7,240 千人(前年比 113.1%)
夏(6~8 月)
9,550 千人(前年比 102.3%)
秋(9~11 月)
7,972 千人(前年比 105.1%)
冬(1~2 月、12 月)
4,916 千人(前年比 122.0%)
観光消費額
3,643 億円(前年比 110.0%)
1人当たり平均消費額
12,274 円(前年比 101.4%)
観光入込客
居住地別観光入込客
訪日外国人客
目的別観光入込客
(延べ人数)
季節別観光入込客
観光消費額
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第 2 次甲 府市観 光振興基 本計 画
平成 27 年 3 月
甲府市産業部産業振興室観光課
〒400-8585 山梨県甲府市丸の内一丁目 18 番 1 号
電 話
055-237-1161(代)
ホームページ http://www.city.kofu.yamanashi.jp
資料編
78
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