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世界の感染症 05

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世界の感染症 05
p20-021データ 07.2.25 6:24 PM ページ 020 (1,1)
データファイル
Infectious Diseases in the World
05
世界の感染症
参考:松浦善治「『新病原体』がわかる本」
(東京書籍)、WHO/UNAIDS「PROGRESS ON GLOBAL ACCESS TO HIV ANTIRETROVIRAL THERAPY」、厚生労働省ウェブサイト、ほか
広がるHIV/エイズ感染
B
DATA
出 典:国 連 エ イ ズ 合 同 計 画 ( UNAIDS) / WHO「 AIDS epidemic update: December 2005」、 UNAIDS「 UNAIDS 2004 Report on the global AIDS
epidemic」
、米国国際開発庁(USAID)/国連児童基金(UNICEF)/UNAIDS「Children on the Brink 2004」
、ほか
(グラフ1)世界のHIV/エイズ感染者数
(推定)の推移(1990∼2005年)
感染症の脅威
A
DATA
出典:世界保健機関(WHO)
「The World Health Report 2004」、厚生労働省ウェブサイト、ほか
(グラフ2)サブサハラ・アフリカのエイズ孤児
100万人
100万人
50
20
ヨーロッパ地域
195
2.0%
18
953
23.0%
東
地
中
海
地
域
S
259
381
138
46
16
40
S
59 70
S W
14
S
S
12
30
4,030万人
53
S
69
S
S
S
10
S
15
8
20
S
S
S W
アメリカ地域
6
6
16
36
S
A S
C
西太平洋地域
S
4
10
S M J
C
2
0
397
6.7%
0
1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 年
「UNAIDS 2004 Report on the global AIDS epidemic」より
1990
1995
2000
2003
2010
年
6
世界合計
0∼49歳のARTが
必要な推定人数
4,700,000人
サブサハラ・
アフリカ
465,000人
ラテンアメリカ/
カリブ
5.6
5
4
5%
46
18
東・南・
東南アジア
160,000人
ヨーロッパ/
中央アジア
10,904
19.1%
北アフリカ/中東
75,000人
311
HDI高位国
HDI中位国
HDI低位国
(注)HDI:人間開発指数(Human Development Index)
。国の開発の度合いを測定する尺度として、一人当たりGDP、平均寿命、就学率を基本要素として、これらを独自の数式に基づ
き指数化したもの。国連開発計画(UNDP)が毎年発行する「人間開発報告書」で発表される。
社会に影を落とすHIV/エイズ
169
366
S
604
28
976
61
154
111
196
1,028
2,095
436
S
707
1,136
近年流行した主な感染症
HIV/エイズ
下痢症
結核
マラリア
麻疹
1,566
髄膜炎
シャーガス病
百日咳
B型肝炎
その他
(注)近年流行した主な感染症のうち、H5N1は2003年12月26日∼05年12月14日、エボラ出血熱は00年∼05年、
A
ヒトの高病原性鳥インフルエンザ
A(H5N1)
T
腸チフス D
デング出血熱 E
エボラ出血熱 PE
ペスト
S
重症急性呼吸器症候群(SARS)
MA
マールブルグ出血熱
W
ウエストナイル熱 C
コレラ
Y
黄熱病 PO
ポリオ M
髄膜炎
J
日本脳炎
SARSは02年11月1日∼03年7月31日、その他の疾患は05年に流行した国を表示。
が高いのは、人間開発指数や所得の低い国々だ。また、
1981年にエイズという病気が確認されて以来、これ
1,798
1,272
0
26
2,777
611
0.3
A S PO
599
2,880
0.8
1
804
6.7%
S
T PE
S
348
2
1,100,000人
15
S M
S
5,625
52.7%
死因のうち感染症・
感染症・寄生虫症の
寄生虫症による死亡が
疾患別死亡者数
占める割合
(2002年、単位1,000人)
(2002年、単位1,000人)
3
E
E
2,922
19.9%
PO
D
13%
14%
E
A
S
S
MA PO
世界合計
6,500,000人
S
A A
PO
158
%
62%
東南アジア地域
PO
E Y M
C
アフリカ地域
57
11%
M
103
(15∼49歳、2004年)
カバー率
15%
Y
C
(グラフ4) 人間開発指数別HIV感染率
C
Y C
C Y C
「UNAIDS 2004 Report on the global AIDS epidemic」より
(グラフ3)抗レトロウイルス療法(ART)
カバー率(2005年6月時点)
Y C
Y C
S S
エイズで親を失った子ども(18歳以下)も増えている。
グローバル化で広がる感染症
これらがまん延する背景には、①グローバリゼーシ
感染症・寄生虫症による死亡は死因の2割近くを占め、
ョンによる人や物の大量移動、②急速な開発や人口増
までに2,500万人を超える人々が命を落としてきた。HIV
03年までに1,500万人がエイズ孤児となってしまった
世界の主な死因の一つとなっている。地図上に円グラ
加に伴う都市化の進行、③熱帯雨林帯への侵入の増加、
感染者の数はじりじりと増え続け、2005年には推定
が、その10人に8人はサブサハラ・アフリカの子どもた
フで示した疾患は、その地域で多くの死亡者を出した
④生態系や気候の変化、などが挙げられる。こうして
4,030万人へと膨らんでしまった。
ちだ。
感染症・寄生虫症だ。
昔は限定された地域の動物間の感染あるいは風土病だ
ったものが、世界規模に広がってしまったのだ。さら
HIV/エイズのまん延は、社会に大きな影響を与えて
WHOとUNAIDSは、エイズに有効な抗レトロウイル
いる。感染が深刻なサブサハラ・アフリカの9カ国※
ス療法(ART)を05年末までに300万人に提供するとい
近年は2003年に猛威を振るった重症急性呼吸器症候群
に、途上国では紛争や医療体制の遅れ、安全な水が利
では、エイズが原因で出生時平均余命が40歳を下回っ
う目標を立てた。しかし、同年6月時点でこの治療を受
(SARS)や現在アジアで広がりを見せているH5N1型鳥
用できないなどといった問題が状況を悪化させている。
てしまった。働き盛りの人々が次々と倒れることで開
けられた人は世界でおよそ97万人。必要な人数の15%
インフルエンザなど、新興感染症※といわれる病気が
感染症撲滅には貧困削減を含む包括的な取り組みが必
発が遅れ、ますます貧困に陥っている。現にHIV感染率
しかカバーできていない。
次々と現れている。
要だ。
※ボツワナ、中央アフリカ、レソト、マラウイ、モザンビーク、ルワンダ、スワジランド、ザンビア、ジンバブエの9カ国
021 monthly Jica 2006 February
感染症にはポリオのように撲滅間近なものもあるが、
※新たにヒトでの感染が証明された疾患(1970年以降)
、その土地に存在しなかったが新たにヒトの病気として現れてきた疾患
monthly
Jica 2006 February 020
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