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平成 18 年度 大型押出し成型機による高密度材製造過程の解析 Analysis of the manufacture process of the high density material by extruding machine of hot forming 高知工科大学 工学部 物質・環境システム工学科 学籍番号 1070051 嶋瀬 康宏(Yasuhiro SHIMASE) 指導教員 坂輪 光弘 教授 1 目次 1章 緒言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-31-1 背景 1-2 目的 2章 実験・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-52-1 実験項目 2-2 嵩密度分布測定 2-2-1 結果 2-3 温度分布測定 2-3-1 示差熱天秤による成型温度測定 2-3-2 サーモクレヨンによる成型温度測定 2-3-3 結果 2-4 圧力分布測定 2-4-1 結果 2-5 線収縮率測定 2-5-1 結果 2-6 考察 3章 結言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・-15- 謝辞 参考文献 2 1章 緒言 1-1 背景 近年,化石燃料の枯渇や,森林の乱開発,CO2排出量の増加による温暖化など地球を取巻く環境問 題は日々深刻化している.このため,現在の化石燃料依存型社会システムからの転換が迫られてお り,様々な代替エネルギーの研究が進められている.代表的な研究の一つにバイオマスエネルギー が上げられる.バイオマスエネルギーは植物や生物を利用し,カーボンニュートラルの観点からも, 環境負荷の小さい次世代エネルギー源として注目されている.しかし,実際には経済性やエネルギ ー変換技術等の諸問題により,本格的な導入には至っていない. 現在,高知県の森林面積率は83.6%1),人工林面積率は66.5%1)と全国でもトップクラスで,豊富 な木質系資源を保有している.しかし,価格面で有利な外国産木材の需要増加や,木造住宅の減少 に伴い,国内産木材の消費量は減少している.そのため,高知県内のみならず国内林業は衰退の一 途を辿り,森林の手入れも充分でなくなっている.人工林の荒廃は,水源涵養機能や表面侵食防止 機能などの公益的機能を低下させ,その損害は周辺地域の住民全体が被ることになる. 製材所等から排出されるオガクズや樹皮等は,肥料やチップ燃料として一部利用されているが, 供給過多や経済性の問題から有効に利用されていない.また,その他の有効利用方法等も確立され て無いため,約60%が産業廃棄物として処分されているのが現状である.そこで,木質系未利用資 源を有効かつ経済的に活用することが可能となれば,環境問題の面だけでなく,衰退していく国内 林業,人工林の荒廃問題を緩和することが可能となる.さらには産業の少ない山中間地域での雇用 を確保,経済活性化をも実現できると考えられる. 3 1-2 目的 本研究室は,オガクズやバーク等の木質系未利用資源の有効活用法を追求し,炭に付加価値を与 える研究を行っている.その一つとして,木質系未利用資源からの高密度炭製造を試みている.そ こで,未利用オガクズを使用し,新しく開発した大型成型機によって高密度材の製造を行った.こ のオガクズ成型物を使用して,コークスの代替品となる高密度炭素化物を製造し,直接溶融方式の ゴミ処理炉の熱源,還元材として利用することを最終目標に研究開発してきた. 本研究では,高密度炭素化物の材料となる,オガクズ成型物の大量生産を,大型成型機を用いて 行った.成型物には,高嵩密度・高強度が求められるが,製造時に温度・圧力・嵩密度分布の差が存 在すると,成型物炭素化後に嵩密度差や収縮率の変化が生じ,強度低下を招くと推測される.これ らの条件の関係性を解析することによって,オガクズ成型物製造時における最適条件の解明を行 うことで,高嵩密度・高強度な炭素化物が得られると考えた.そのために,更なる高密度・高強度な 高密度炭素化物が製造可能な,オガクズ成型物を目指した. 4 2章 実験 2-1 実験項目 試料作成 大型成型機により製造したオガクズ成型物を外部・内部・芯部と定義したポイント(Photo.1) より採取した.オガクズ成型物の製造条件は成型温度430℃,生産速度95.4kg/hで製造した.使用し た原料は製材所で発生したスギ・ヒノキのみのオガクズ(含水率約25%∼40%)を使用し,大型電気炉 で乾燥させ原料含水率5.0%以下に調整した.これらの製造条件は昨年までの研究結果を基に決定 した.粒度分布(分布計測量2.000g)はFig.1に示したグラフの通りである. 外部 内部 芯部 Photo.1 オガクズ成型物 100.0 80.0 60.0 40.0 20.0 0.0 重量(%) 4.75mm 4.75mm 2.38mm 1.00mm 0.250mm 0.150mm 0.075mm over under under under under under under 0.2 0.7 12.0 75.2 7.2 Fig.1 原料粒度分布 5 4.1 0.6 嵩密度分布測定 オガクズ成型物外部・内部・芯部からサンプリングし,水銀ポロシメーター(Thermo Quest社製 PASCAL140)を用いて,嵩密度分布の調査を行った.各サンプル測定を5回行い,平均値を示した. 温度分布測定 基礎実験として,非加熱オガクズ,成型物外部・内部・芯部からサンプリングし,示差熱天秤 (BRUKER AXS社製 TG-DTA2000S)によって重量変化率の測定を行った.各サンプル測定を5回行い, 平均値を示した.非加熱オガクズとの揮発量差を対比し,成型物外部・内部・芯部の温度域を測定 した.またサーモクレヨン(日油技研製)を用い,オガクズ成型物製造時の温度測定を行った. 圧力分布測定 小型熱プレス機(アズワン株式会社製 AH-2003)で成型圧力を1t∼10t,成型温度を100℃∼ 200℃変化させ作製したサンプル(原料:オガクズ5g,保持時間:5min)と,製造した成型物外部・内 部・芯部を,水銀ポロシメーターを用いて嵩密度を測定した.各サンプル測定を5回行い,平均値を 示した. 線収縮率測定 熱機械分析装置(BRUKER AXS社製 TMA 4000S)を用いて,オガクズ成型物外部・内部・芯部各部位 の線収縮率を測定し,線収縮率分布の有無,収縮が嵩密度に与える影響を調査した.各サンプル測 定を5回行い,平均値を示した. 6 2-2 嵩密度分布測定 オガクズ成型物内に存在する嵩密度差が,炭素化後の強度低下を招く要因の一つであると考え られ,嵩密度の均一化を図ることが高強度に繋がると考えた.オガクズ成型物外部・内部・芯部よ りサンプリングを行い,水銀ポロシメーターで水銀圧入法により嵩密度を測定した.測定は,適当 な大きさに調整したオガクズ成型物各部位を,ディラトメーターに挿入し,最大で150kPaの水銀浸 入量から測定した. 2-2-1 結果 オガクズ成型物各部位の嵩密度測定結果をTable 1に示す.成型物各部位において,嵩密度分布の 存在を確認した.嵩密度は外部が最も低く,内部・芯部の順に嵩密度が上昇していた.大型成型機加 熱圧縮帯の熱源に近いほど嵩密度が低下していた. Table 1 嵩密度分布測定結果 嵩密度(g/㎤) 外部 内部 芯部 1.13 1.23 1.27 7 2-3 温度分布測定 オガクズ成型物製造時,大型成型機の成型設定温度は430℃である.しかし,成型口が大口径であ るがゆえに,オガクズ成型物製造時に成型物内温度差が揮発量差,収縮率差を招き,嵩密度差の要 因になっていると考えられる.また,原料の含水率,木材成分等の要因により,成型機の設定温度と 実際の成型温度に差が生じていると考えられる. 2-3-1 示差熱天秤による成型温度測定 オガクズ成型物各部位と,ブランクとなる非加熱オガクズの加熱による重量変化について,示差 熱天秤(TG)で分析した.乾燥させたサンプルをアルミナ(Al2O3)風袋に入れて試料ホルダーにセッ トし,100 ml/minの流速で窒素ガスを流入させて窒素雰囲気にした.昇温速度10℃/minで室温から 1000℃まで昇温させ,オガクズ成型物各部位と非加熱オガクズの重量減少量を測定した.オガクズ 成型物は加熱圧縮成型されている為,原料オガクズとの重量減少率を比較する事で,成型物各部位 の温度測定が可能である.オガクズ成型物内の成型温度測定法は,以下の通りである. ①原料である非加熱オガクズのグラフの終点に,成型物各部位のグラフの終点を合わせる. ②成型物のグラフを右方向に移動させる. ③成型物の重量減少の始まる点と非加熱オガクズのラインの交点を成型温度とした. TG(%) 120 原料オガクズ 成型物外部 成型物内部 成型物芯部 100 80 60 40 20 0 25℃ 500℃ Temperature(℃) Fig.2 オガクズ成型物各部位と原料の重量減少 8 1000℃ TG(%) 120 100 原料オガクズ 80 成型物外部 60 40 20 0 25℃ 290℃ 1000℃ 500℃ Temperature(℃) Fig.3 オガクズ成型物外部成型温度 TG(%) 120 100 原料オガクズ 80 成型物内部 60 40 20 0 25℃ 275℃ 1000℃ 500℃ Temperature(℃) Fig.4 オガクズ成型物内部成型温度 TG(%) 120 100 原料オガクズ 80 成型物芯部 60 40 20 0 25℃ 300℃ 500℃ Temperature(℃) Fig.5 オガクズ成型物芯部成型温度 9 1000℃ Table 2 オガクズ成型物各部位の成型温度測定結果 成型温度(℃) 外部 内部 芯部 290 275 300 2-3-1の測定結果をFig.2に示す.オガクズ成型物と原料オガクズを比較すると,明らかに重量減 少に差が生じている.成型物各部位においても,重量減少に差が生じていることから,オガクズ成 型物製造段階での成型物内の温度分布を確認した. 2-3-1で述べたオガクズ成型物内の成型温度 測定法を用いた結果を,Fig.3∼5,Table 2に示す.実際の成型温度は成型物外部:290℃,成型物内 部:275℃,成型物芯部:300℃であることが明らかになった. 2-3-2 サーモクレヨンによる成型温度測定 2-3-1の実証実験として,大型押出し成型機で製造した,オガクズ成型物各部位の成型温度の実 測を,発熱体が指定温度以上ならば溶融するサーモクレヨンを用いて行った.大型押出し成型機の 成型口から,押出された直後のオガクズ成型物各部位にサーモクレヨンを押し当て,成型温度の測 定をした.サーモクレヨンは270℃・280℃・290℃・300℃の物を使用した.サーモクレヨンの溶融 を視認可能ならば指定温度以上,溶融を視認不可能ならば指定温度以下とした. Table 3 オガクズ成型物各部位のサーモクレヨン測定結果 外部 内部 芯部 270℃ ○ ○ ○ 280℃ ○ × ○ 290℃ × × ○ 300℃ × × × ○・・・溶融する ×・・・溶融しない 10 2-3-2の測定結果をTable 3に示す.サーモクレヨンによるオガクズ成型物各部位の測定結果 は,2-3-1での成型温度測定とほぼ同様の結果が得られた.これにより,示差熱天秤を用いた成型温 度測定結果は,精度が高く,信頼性を持つデータであることが実証された. 2-3-3 結果 オガクズ成型物内の成型温度分布は,大型成型機の成型口に設置している熱源から,最も遠い成 型物芯部が300℃,次いで熱源に最も近い成型物外部が290℃,最後に成型物内部が275℃と分布し ている.成型物芯部に熱源が無いにもかかわらず,最も温度が高い要因として,センタースクリュ ーで押出される際に発生する,摩擦熱による影響.更には,オガクズ成型物製造の際,中心部分では 高温の蒸気が噴出しており,これらが成型物芯部の成型温度を,引き上げている原因と考えられ る. Table 4 オガクズ成型物各部位の成型温度測定結果比較 外部 内部 芯部 熱天秤(℃) 290 275 300 サーモクレヨン(℃) 281∼289 271∼279 291∼299 11 2-4 圧力分布測定 オガクズ成型物製造時に圧力差が存在すると,嵩密度差が発生し,成型物炭素化後の強度低下に つながると考えられる.小型熱プレス機を用い,原料を内径30φの金型に挿入し,加熱・圧縮下で成 型物を作製した.成型圧力1t∼10t,成型温度100℃∼200℃変化させ作製した比較サンプル(原 料:オガクズ5g,保持時間:5min)と,製造した成型物外部・内部・芯部とを,水銀ポロシメーター で水銀圧入法により嵩密度を測定した.最高温度を200℃と決定した.これは200℃以上の熱を加え て使用すると,金型が劣化し,実験に支障をきたすからである.測定は,適当な大きさに調整したオ ガクズ成型物各部位,作成した比較サンプルをディラトメーターに入れ,最大で150kPaの水銀浸入 量から測定した. オガクズ成型物各部位の嵩密度と対応する比較サンプルより成型圧力を推定した. 2-4-1 結果 オガクズ成型物各部位と比較サンプルの嵩密度測定結果をFig.6に示す.比較サンプル200℃と 成型物各部位の嵩密度を比較した場合,成型物各部位の圧力分布は外部:2 t∼3t,内部:4t∼5t, 芯部:7t∼8tであることを確認した.1t∼4tの圧力域では成型圧力の上昇に比例して,嵩密度も増 加している.5t∼10tの圧力域では,成型圧力を上昇させても,嵩密度の増加にはあまり寄与してい 3 bulk density(g/cm) ない.また成型温度の上昇にしたがって嵩密度の収束傾向は顕著に現れる結果となった. 1.40 1.30 1.20 1.10 1.00 外部:1.13g/cm3 内部:1.23g/cm3 0.90 0.80 0.70 0.60 芯部:1.27g/cm3 1t 2t 3t 4t 5t 6t 7t 8t 9t 10t pressure(t) 200℃ 175℃ 150℃ 125℃ 100℃ Fig.6 オガクズ成型物各部位と比較サンプルの嵩密度 12 2-5 線収縮率測定 オ ガ ク ズ 成 型 物 内 の 収 縮 率 に 差 が 生 じ る と ,成 型 物 炭 素 化 過 程 で の 亀 裂 の 原 因 ,強 度 低 下 を 招く と考 え た.製造 し た成 型物外部・内部・芯部を一辺の長さ5mm程度の小片に切り出し, 測定用試料として使用した.測定試料をTMAの試料台にセットし,100 ml/minの流速で窒素ガスを 流入させ,窒素雰囲気にした.昇温速度10℃/minで室温から1000℃まで昇温させ,オガクズ成型物 各部位の押出し方向の線収縮率を測定した. 2-5-1 結果 オガクズ成型物各部位の線収縮率測定結果をFig.7,Table 5に示す.オガクズ成型物各 部 位の線収縮率は,設定温度1000℃到達時点で外部:34.72%,内部:34.27%,芯部:34.21%で あった. 5.00 0.00 Change of shrinkage (%) -5.00 成型物外部 -10.00 成型物内部 -15.00 成型物芯部 -20.00 -25.00 -30.00 -35.00 -40.00 500℃ 25℃ Temperature(℃) Fig.7 オガクズ成型物各部位の線収縮率 13 1000℃ 成 型 物 炭 素 化 時 に お け る オ ガ ク ズ 成 型 物 内 の 最 終 的 な 線 収 縮 率 差 は ,最 大 で 0.51%と 極 め て 小 さ く ,さ ほ ど 差 が 見 ら れ な か っ た . 200℃ ∼ 280℃ の 温 度 域 で は ,外 部 が 収 縮 し て い る の に 対 し ,内 部 ・ 芯 部 が 膨 張 し ,最 大 で 1.51%の 線 収 縮 率 差 を 確 認 し た .成 型 物 内 部 ・ 芯 部が膨張した温度域は,成型物製造時の温度分布に対応する結果となった. Table 5 オガクズ成型物各部位の線収縮率 線収縮率(%) 外部 内部 芯部 34.72 34.27 34.21 14 2-6 考察 これ までに得ら れた,オガ クズ成型物 各部位の嵩 密度・成型 温度・成型 圧力・線収 縮率 を Table 6に示 す .2-4の実 験 結 果より ,オ ガ クズ を 加 熱圧縮 成 型 した場 合 ,成 型温 度 の 上昇 に 従 っ て ,嵩 密 度 も 増 加 す る 傾 向 で あ る こ と が 確 認 で き る .し か し ,オ ガ ク ズ 成 型 物 各 部 位において比較すると,外部では相関性が弱く,明らかに嵩密度が低下している. 成型 物外部の嵩 密度が低下 した原因と して,製造 時に成型物 が成型口か ら押出され た際, 外 気 と の 接 触 面 が 最 も 多 い 外 部 が 急 激 な 温 度 低 下 に よ り 劣 化 し ,嵩 密 度 が 低 下 し た と 考 察 す る .同 時 に ,製 造 時 に 成 型 物 が 成 型 口 か ら 押 出 さ れ た 際 の 圧 力 開 放 に よ る 膨 張 も ,成 型物外部の嵩密度低下要因の一つであると考えられる. 2-5の実 験結果 ,最終的な 線収縮率の 差は見られ なかったが ,成型温度 分布の温度 域と成 型物内部・芯部の膨張が見られる温度域が対応している.炭素化時成型物内部・芯部の 膨 張 の 原 因 と し て 成 型 物 内 の 温 度 分 布 不 均 一 が 考 え ら れ ,温 度 分 布 の 均 一 化 に よ り ,成 型 物 内部・芯部の膨張を解消可能であると考察している. Table 6 オガクズ成型物各部位のデータ比較 外部 内部 芯部 嵩密度(g/㎤) 1.13 1.23 1.27 成型温度(℃) 290 275 300 2 ∼3 4∼5 7∼8 34.72 34.27 34.21 ※ 成型圧力(t) 線収縮率(%) ※成型温度200℃の比較サンプル 15 3章 結言 大型成型機で製造したオガクズ成型物製造過程での嵩密度・温度・圧力分布測定及び炭素化過 程での線収縮率測定の試験の結果,以下の事を確認した. 1. 製造過程においてオガクズ成型物断面方向に嵩密度・温度・圧力分布の発生を確認した. 2. オガクズ成型物各部位の成型温度分布は,外部:290℃,内部:275℃,芯部:300℃であること を見出した. 3. オガクズ成型物各部位の成型圧力分布は,成型温度200℃の比較サンプル使用時外部:2 t∼3t, 内部:4t∼5t,芯部:7t∼8tである推定できた. 4. オガクズ成型物炭素化過程において,成型物各部位の最終設定温度到達時点での線収縮率に 差は,ほぼ無かったが,成型温度分布に対応する200℃∼280℃の温度域では内部・芯部での 膨張を確認した. 5. オガクズ成型物製造過程での成型温度・成型圧力が嵩密度分布の発生原因であると推定 できた. 成 型 温 度 の 均 一 化 に は ,オ ガ ク ズ に 余 熱 を 加 え 大 型 成 型 機 に 投 入 し 押 出 し 成 型 を 行 う . 更 に ,大 型 成 型 機 は セ ン タ ー ス ク リ ュ ー 回 転 速 度 の 調 節 が 可 能 な た め ,成 型 時 間 を 長 く 行 うことにより,成型温度の均一化は可能である。 圧力分布測定に関しては大型成型機で製造した成型物と比較サンプルでは,成型方法・温度・ 加圧時間が異なり,一概には同一と言えない.よって,大型成型機での実測と測定方法の検討が今 後の研究課題である. 16 謝辞 本研 究の遂行な らびに本論 文の作成に あたり,終始ご懇切な 指導を賜り ました高知 工科 大 学 工 学 部 物 質 ・ 環 境 シ ス テ ム 工 学 科 教 授 坂 輪 光 弘 工 学 博 士 ,修 士 2年 稲 田 将 人 氏 , 修士2年 吉良拓人氏に心より感謝申し上げます. 有益なるご助言とご教示を下さった,高知県森林技術センター 森林経営部長 今西隆男 氏,資源利用部主任研究員 市原孝氏,高知工科大学 工学部 物質・環境システム工学科助 教授 堀沢栄 農学博士に心より感謝申し上げます. 最後に,多くの事を教えて頂いた坂輪研究室の皆様,物質・環境システム工学科の皆 様方 に心より御礼申し上げます. 17 参考文献 1) 農林水産省. 「都道府県の姿」-高知県〈http://www.toukei.maff.go.jp/shityoson/map2/39/forestry.html〉,(参照2007-02-27). 2) 真田雄三,鈴木基之,藤元 薫.新版 活性炭‐基礎と応用‐.東京,講談社,1992,284p.(ISBN 4-06-153337-1) 3) 濱 田 博 晟 . 現 場 で 活 か す 押 出 機 マ ニ ュ ア ル . 東 京 , 工 業 調 査 会 ,1993,162p.(ISBN 4-7692-4085-0) 4) Takao IMANISHI. Characteristics of charcoal made from used paper and utilization as a culture medium for basidiomycetes. Kochi University of Technology,2002,Ph.D.thesis, available from Kochi University of Technology Library 〈http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2002/g5/env/1046001.pdf〉,(accessed 2007-01-17). 5) Masato INADA. Effect of wood properties for development of Stove with fire wood in forcing house. Kochi University of Technology,2004,B.S.thesis, available from Kochi University of Technology Library 〈http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2004/2004fro/1050007.pdf〉,(accessed 2007-01-17). 6) Takuto KIRA. Production of high density charcoal from wood resources and its utilization. Kochi University of Technology,2004,B.S.thesis, available from Kochi University of Technology Library 〈http://www.kochi-tech.ac.jp/library/ron/2004/2004fro/1050033.pdf〉,(accessed 2007-01-17). 18