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クバンの春 2016 U-19 国際女子サッカー大会 (Kuban

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クバンの春 2016 U-19 国際女子サッカー大会 (Kuban
クバンの春 2016 U-19 国際女子サッカー大会
(Kuban Spring 2016
International Women’s U-20 Football Tournament)
筑波大学体育会女子サッカー部
ロシア遠征 報告書
実施日:
2016 年 3 月 9 日(水)〜3 月 21 日(月)
報告:筑波大学女子サッカー部
ヘッドコーチ
田部井
報告日:平成28年4月21日
祐介
<参加までの経緯>
「クバンの春」U-19 国際女子サッカー大会は、ロシアスポーツ省とロシアサッカ
ー協会が主催となり、ソチで開催している 19 歳以下を対象とした国際大会である。
2008 年の第 1 回大会から今大会で 9 回目を迎え、過去には日本代表 U-19 も 2011
年の第 4 回大会に出場し、優勝している。ロシアは 2017 年に FIFA コンフェデレー
ションズカップ、2018 年には FIFA ワールドカップを控えており、若年層の育成、
強化に力を注いでいる。
今大会の開催にあたり、ロシアサッカー協会が日本代表 U-19 を招待しようと外務
省を通じて日本サッカー協会に話をしたところ、スケジュールの関係で出場ができな
いとの返答を受け、在ロシア日本大使館の大槻耕太郎氏(筑波大国際学群 OB、ラグ
ビー部所属)より筑波大学、中川体育系長に筑波大学女子サッカー部の参加可否に関
する打診があった。3 月は女子サッカー部にとって、4 月から始まる関東女子サッカ
ーリーグに向けた強化を図る時期でもあり、ロシア遠征は貴重な経験になると想定さ
れたため、参加の意思表示を行った。年齢制限(19 歳以下を対象とした大会である
が、部内の選手のほとんどが 19 歳以上)や部の競技レベルに関して、大槻氏がロシ
アサッカー協会に筑波大学の参加可否を確認した結果、正式に筑波大学の参加が決ま
った。なお、大会参加においては、先方の依頼により筑波大学の名称ではなく日本代
表として参加することとなった(ユニホームの桐の葉上部に日の丸を刺繍)。
今回の遠征では、国際大会への参加だけでなく、ロシア人青年との交流やロシアの
事情及び文化等の理解を目的とし、渡航の経費は日露交流センターが負担することと
なった。
<大会概要>
大会名称 :
クバンの春 2016
U-19 国際女子サッカー大会
Kuban Spring 2016, International Women’s U-19 Football Tournament
実施場所 :
ソチ(ロシア)
スプートニクスポーツスタジアム
日
時
:
大会 URL :
3 月 11 日(木)〜3 月 19 日(土)
http://kuban.sportspring.ru
参加チーム: グループ A(ロシア・ルーマニア・イラン・筑波大学)
グループ B(北朝鮮・エストニア・シベリア・クラスノダール地方)
<遠征スケジュール>
月日
3 月 9 日(水)
出発日(成田発 – モスクワ着)
(モスクワ発 – ソチ着)
3 月 10 日(木)
調整日
テクニカルミーティング
3 月 11 日(金)
開会式
開幕戦(グループリーグ第1戦)
筑波大学 vs.ロシア U-19
3 月 12 日(土)
調整日
3 月 13 日(日)
グループリーグ第2戦
筑波大学 vs.イラン U-19
3 月 14 日(月)
調整日
3 月 15 日(火)
グループリーグ第3戦
筑波大学 vs.ルーマニア U-19
3 月 16 日(水)
調整日
オリンピック大学
3 月 17 日(木)
訪問
順位別トーナメント第1戦
筑波大学 vs.エストニア U-19
3 月 18 日(金)
調整日
ソチ第 15 ギムナジウム
3 月 19 日(土)
訪問
5 位決定戦
筑波大学 vs.クラスノダール地方(ロシア)U-19
3 月 20 日(日)
出国日(ソチ発 – モスクワ着)
(モスクワ発 – 成田着)
機中泊
3 月 21 日(月)
帰国日
<大会における本学の結果>
結果:
3 勝 1 敗 1 分(大会参加 8 チーム中 5 位)
グループリーグ第1戦
筑波大学 vs. ロシア U-19 代表
0対3(前半:0対3)
グループリーグ第2戦
筑波大学 vs. イラン U-19 代表
2対0(前半:2対0)
グループリーグ第3戦
筑波大学 vs. ルーマニア U-19 代表
0対0
トーナメント第1戦
筑波大学 vs. エストニア U-19 代表
2対0(前半:1対0)
5位決定戦
筑波大学 vs. クラスノダール地方 U-19 代表
4対0(前半:3対0)
<大会を終えて>
今回のロシア遠征は3月9日(水)から21日(月)までの2週間弱の長い遠征と
なったが、選手及びチームにとって有意義なものとなった。海外に初めて行く選手が
多く、長い期間ということで不安を覚える選手も多くいたが、チーム一同準備に余念
がないよう心掛けた。12月中旬からの約一月のオフシーズンを終え、今シーズンは
2月初旬に始動した。ロシア遠征では約10日間で5試合という過密な日程が組まれ
ることが予定されていたため、1カ月少しという準備期間の中で5試合を戦いぬける
身体づくりに取り組んだ。
ロシアに到着してからは、翌日の調整日を挟んで2日後には開幕戦が組まれていた
が、ヨーロッパ特有のピッチ状態(長い天然芝)への適応の難しさや、環境の変化か
ら高熱を出してしまった選手もおり海外遠征の準備の難しさを痛感した。
初戦のロシア戦では、開始直後に肘の脱臼により選手が一人離脱し、残り時間を1
0人で戦わざるをえない状況となってしまい、前半の3失点を受け0対3で敗れてし
まった。グループリーグの2試合目ではイランに2対0で勝利を収め、リーグ最終戦
のルーマニア戦では、勝てば上位トーナメント進出という状況の中、ゴール前の決定
機を多く作りだしながらも粘り強く体を張る相手を前に得点することができず、0対
0の引き分けとなった。チームとしてグループリーグ突破を目指したが、初戦の失点
数が響く形となった。
日本での関東リーグや関東大学リーグの対戦相手(大学生や高校生)と比べ、各国
の代表選手の身体サイズ、ボール際の激しさやゴールへの執着心は我々の想定を上回
るものであった。サッカーでは、より効果的な攻撃・守備のために「球離れを早くし
ろ!」や「パスを正確に!」というワードを頻繁に耳にすることがある。今遠征の試
合の中で、普段経験していない外国人選手とのスピードや身体的なフィジカル面での
差により「ボールを早く捌かないと足をかられて怪我をするからパスを早く出さねば」
や「普段とおるはずのパスが相手の足が長いからひっかかる」といった状況が数多く
みられ、選手にとっても貴重な経験となったはずである。
上位トーナメントに進むことができず、遠征の中盤を迎え心身の疲労蓄積もあった
が、残りの2試合を勝つために選手のモチベーションを高く維持することが必要であ
った。トーナメント1回戦からは、天然芝から普段の練習で慣れ親しんでいる人工芝
にピッチが変更され、エストニア戦は2対0、そして5位決定戦のクラスノダール地
方代表戦を4対0で終えた。初戦を除き、失点を0に抑えることができたことは選手
にとっても大きな自信となり、4月からのリーグ戦に向けた戦術面での確立を図るこ
とができた。最終的には3勝1分1敗という成績を収め、クロージングセレモニーで
は筑波大学が「Best team of the participants」賞を受賞した。
現地での生活においては、ビュッフェ形式の食事、2人1部屋での宿泊(スタッフ
は1人部屋)や試合会場への移動(宿泊地からバスで約15分)も含め、快適に過ご
すことができた。チームにはロシアサッカー協会から派遣されたリエゾンが一人帯同
し、通訳やトレーニングの時間設定など、全面的な協力もありロシア語が堪能でない
我々にとって大きな助けとなった。また、今大会では各国間の交流イベントも多く組
み込まれており、毎試合の前夜には「ナショナルミーティング」(計4回)が催され
た。音響や照明そして MC の雰囲気など衝撃を感じた選手は多かったはずである。
各国は担当日にそれぞれの出し物を提供し、伝統的な踊りや歌を披露する国も多い中、
筑波大学はソーラン節を披露した。独特な踊りに周りは驚きを見せていたが、踊りの
途中から他国の選手やスタッフも混ざり大きな反響を得ることができた。
大会の交流会とは別に、調整日(遠征8日目と10日目)にはロシアのソチ市のオ
リンピック大学と第15ギムナジウムに訪問し、ロシア人青年との交流及び文化の理
解を図った。オリンピック大学は2014年に開催されたソチオリンピックを記念し
て設立され、様々な年齢層・国籍の学生がスポーツ経営やビジネスを専攻している(筑
波大学の TIAS と類似)。現地では、学生(元オリンピアンも含む)による大学施設
や授業のプレゼンテーションが行われ、我々にとって大きな刺激となった。第15ギ
ムナジウムは「一校一国」プロジェクトに参加している学校であり、その担当国は日
本となっている。学校に入ると講堂に案内され、日本語による歓迎の挨拶、現地の伝
統的な踊りや歌の披露など盛大なおもてなしを受けた。また、現地学生による茶道や
手毬、寿司など日本の文化紹介やフットサル、大繩飛びを通して意義深い交流会とな
った。
ここまで挙げてきたように、今回の遠征では国際大会を通して選手の著しい成長が
みられた。パワーに勝る相手に対してどのように戦うのか、ゴールへの執念の重要性
を再認識させられた。また、普段体験することができない試合前の国歌斉唱は選手の
記憶に残るであろう。加えて、現地及び他国との交流を通して、他国の文化や人を知
るという面でも今遠征は有意的なものであった。日本への帰国日には、長い遠征から
ようやく帰ることができるといった安堵感と共に、選手の顔からは充実感が漂ってい
たように感じる。この遠征を機に将来的に海外に行きたい、住みたいと言った選手が
でてくる事を期待している。
最後になりますが、お忙しい中筑波大学女子サッカー部のロシア遠征にご帯同いただ
きました浅井先生、宮川先生、増成先生、誠にありがとうございました。皆様のご協
力がなければこの遠征は成り立ちませんでした。浅井先生のベンチからの激励は、選
手とスタッフの励みになりました。宮川先生と増成先生には、選手の怪我や体調不良
でご迷惑をおかけしましたが、最後まで試合を戦いぬくことができたのは間違い無く
メディカルチームの存在があったからです。
また、在ロシア日本大使館の皆様、日露交流センターの皆様に感謝を申し上げます。
この経験を活かして今後もチーム一同精進していきます。
<遠征帯同メンバー>
氏名
ポジション
所属
栞
DF
体育専門学群
麗実
DF
理工学群物理学類
佐宗 真琴
FW
体育専門学群
大友 あかね
DF
人間総合科学研究科
豊川 希絵
GK
理工学群社会工学類
FW
体育専門学群
羽成 春香
DF
社会国際学群社会学類
松崎 奈海
GK
生命環境学群地球学類
上津原 千賀
MF
体育専門学群
MF
体育専門学群
FW
体育専門学群
愛
DF
体育専門学群
晴奈
DF
体育専門学群
MF
体育専門学群
MF
体育専門学群
役職
所属
総監督
体育系
団長
体育系
伊藤
平
金城
葵
白井
蒼
武者 桜子
井上
轟
水谷 有希
森
春奈
氏名
浅井
武
宮川 俊平
兼チームドクター
増成 暁彦
田部井 祐介
松竹 貴大
副団長
茨城県立医療大学
兼トレーナー
保健医療学部医科学センター
監督
体育系
コーチ
人間総合科学研究科
体育センター
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