Comments
Description
Transcript
研究業績 - バイオ放射能研究所
研究業績 広島国際学院大学大学院 物質工学専攻 総合工学科バイオ・リサイクル専攻 教授 佐々木 健 1972 広島大学 工学部醗酵工学科 卒業 1972−1975 辰馬本家酒造醸造課 1975−1980 広島大学大学院 工学研究科 修士課程 博士課程後期 1980 広島電機大学化学教室 講師 1985 同 助教授 1992 同 教授 1994−1995 ニューサウスウェールズ大学(オーストラリア) 理学部バイオテクノロジー学科 特別客員教授(13 ヶ月) 1998 広島国際学院大学大学院 工学研究科 物質工学専攻 2005 教授 広島国際学院大学 地域連携センター長 資格 技術士(総合技術監理、生物工学) 環境計量士(濃度関係) 公害防止管理者(水質・1種) 甲種危険物取扱者、乙 4 種危険物取扱者 教職免許(高校工業、高校理科、中学理科) 放射線取扱主任者(第2種) バイオ技術者(中級) 自然体験リーダー(中級) 1 著者,学位論文等の名称 著者名 発行又は発 表の年月日 発行所、発表雑誌等又 は学会発表等の名称 概要 佐々木 健 1980 3月 広島大学工学部 大学院工学研究科 博士課程論文 紅色非硫黄光合成細菌 Rhodopseudomonas sphaeroides S の好気、嫌気、光合成増殖における増殖特性を明ら かにした。これらを利用し、本菌を食品工場廃液処 理に応用し、さらに菌体を飼料やビタミン B12、カロ チノイドの原料として利用する基礎技術を確立した。 本技術は現在一部の企業で実用化されている。 1) 光合成細菌 (分担執筆) 「有効電子当量を基準とした 増殖特性の評価」 西澤 義矩 佐々木 健 永井 史郎 1984 12 月 学会出版センター 北村博,森田茂慶, 山下仁平編 P88-92 本書は光合成細菌の生理と応用に関する本邦初の本 格的学術書である。第Ⅱ−4章を分担執筆した。光 合成細菌の増殖収率を有効電子を基準にして評価す る手法につき解説した。 2) 広島・中国路水紀行 佐々木 健 1989 6月 渓水社 中国地方、広島周辺の名水および温泉を探訪し、水 質分析を行い、この地方の水環境の実績を明らかに した。また、名水の保全活動を通じて、自然の大切 さ、緑の大切さを指摘している。電大銘水研究会の 努力の結晶であり、かつユニークなフィールドワー クでもある。新聞、TV、雑誌などで全国的にも照会 された。 3)非化学系技術者のための化 学実験 佐々木 健 藤野 卓三 鈴木 洸次郎 1990 3月 学術図書出版 化学を専攻しない学生、技術者のために、JIS の化学 実験法が最低限理解できるように、種々の化学実験 操作法をイラスト入りでわかりやすく解説した。 静岡大、東京の高専等でもテキストとして使用され ている。 4)Bioconversion of Waste Materials to Industrial Products. (分担執筆) 「Use of Photosynthetic bacteria on the Production of SCP and Chemicals from Agroindustrial Waste」 Sasaki, K Noparatnara-porn, N Nagai, S 1991 10 月 ELSEVIER Science Publisher Chapter 7, P223-262 Martin, A. M. eds. 廃棄物を有用なバイオマスに変換するための種々の 研究をまとめた成書。 Chapter 7 を分担執筆した。光合成細菌を用いた農産 および畜産廃棄物を有効に利用する技術を総説した。 著名な ELSEVIER 社での出版。 英文 40 ページ。全世界で販売。 5)名水紀行 山頭火と旅するおいしい 物語 佐々木 健 1992 10 月 春陽堂 漂白放浪の俳人、種田山頭火は水に関する多くの名 句を残している。彼は名水の中でも軟水の名水のみ をきき分け、名句をしたためているという仮説を立 て、全国の彼の足跡のある名水を分析し、この仮説 を検証した。 6)嫌気微生物学 (分担執筆) 「光合成細菌の生理と生態」 佐々木 健 1993 11 月 養賢堂 第7章 P145-164 上木勝司,永井史郎編 嫌気微生物の生態と生理をとりまとめた研究成書。 第7章光合成細菌の生理と生態を分担加筆した。 7)非化学系技術者のための物 質化学 ―ものをつくる化学― 佐々木 健 鈴木 洸次郎 1994 5月 学術図書出版 現代のハイテク工業には素材が重要な役割を占めて いる。素材をかたちづくる化学の基礎と応用を、物 理化学、有機化学、電気化学、物質工学的視点から わかりやすく解説した。 8)名水を科学する (分担執筆) 「広島の5名水」 佐々木 健 西村 良司 荒谷 昌弘 1994 10 月 技報堂出版 広島県の部を分担執筆した。中国地方、特に広島地 方の名水の特徴と広島の5名水の水質化学的特徴に ついてまとめた。 9)廃棄物のバイオコンバージ ョン ―有機性廃棄物のリサ イクル― 矢田 美恵子 川口 博子 佐々木 健 1996 6月 地人書館 廃棄物を有用物質へ変換することを目標にさまざま なバイオコンバージョン技術につき、とりまとめた 研究および実用成書。環境問題に対するバイオレメ ディエーション技術、バイオリアクターについても 詳説している。 10) 環境用水浄化実例集(1) (分担執筆) 「光合成細菌(PSB)による養 鯉池水の浄化」 佐々木 健 1996 9月 パワー社 P31-36 本書は現在の環境用水の実用浄化技術を第一線の研 究者、技術者による解説されたもので、4章からな る。176 ページの成書。1−6章の光合成細菌を用い た池水浄化技術について解説した。 学位論文 光 合 成 細 菌 Rhodopseudomonas sphaeroides S の増殖特性と その応用に関する研究 著書 2 11) バイオレメディエーション の実際技術 (分担執筆) 「光合成微生物による有用物 質生産」 佐々木 健 1996 11 月 シーエムシー 児玉徹監修 P55-68 光合成細菌を用いた、バイオマス、色素および CO2 固定等、バイオレメディエーション(環境修復)と 有用物質生産に関する最近の技術を解説した。 さらに、著者らにより報告されている光合成細菌を 用いた水素、ユビキノン、ALA の生産など、有用物 質生産についても解説した。 12) Bioconversion of Waste Materials to Industrial Products Second Edition (分担執筆) 「Use of Photosynthetic Bacteria on the Production of SCP and Chemicals from Agroindustrial Wastes」 共著 Sasaki, K Tanaka, T Nagai, S 1998 1月 BLACKIE A&P Chapman & Hall P247-292 Chapter 6 Use of Photosynthetic Bacteria for the Production of SCP and Chemicals from Organic Wastes を分担執筆。1991 年の First Edition を大きく書き換え、 特に光合成細菌による ALA 生産と応用を詳述した。 13)BioHydrogen 「 Hydrogen and 5-aminolevulinic acid Production by Photosynthetic Bacte- ria」 Sasaki, K 1998 12 月 Plenum Press P133-392 光合成細菌を用いた水素および ALA の生産とその除 草剤、および植物成長促進剤としての利用について、 これまでの報告を詳説した。 14)機能水の科学と利用技術 (分担執筆) 「最新の水質評価法とおいし い水の条件」 佐々木 健 1999 2月 ウォーターサイエンス 研究会 P381-392 おいしい水といわれる水の評価方法について、著者 らのこれまでの名水判定法にもとづく評定方法を詳 述した。バイオセンサーによる名水判定法も記述し ている。 15)続・名水を科学する (分担執筆) 「隠岐の水」 佐々木 健 西村 良司 荒谷 昌弘 1999 2月 技報堂 隠岐の島に分布する名水の歴史、故来由来および伝 統と、水質科学分析にもとづく水文学的特徴を総説 した。 16)バイオの扉 (分担執筆) 「お酒と名水」 佐々木 健 2000 裳華堂 P95-103 日本技術士会生物工学部会が出版した本で、14 章を 分担執筆した。お酒に適した水(醸造用名水)と飲 料用名水の特性について、詳しく解説した。 さらに、軟水醸造法や吟醸酒造りに必要な名水の水 質についても詳述している。 17)最新日本の酒米と酒造り (分担執筆) 「日本酒醸造と水」 佐々木 健 2000 養賢社 P243-253 お酒に適した水を評価するため、水質分析による評 価とバイオセンサーによる評価を論述した。 3章 10 節を分担執筆した。また、日本各地の名醸地 の水質分析も行い、水質の特性を解析している。 18)廃棄物のバイオコンバージ ョン―ゼロエミッションをめ ざして― 矢田 恵美子 石谷 博子 佐々木 健 2001 4月 地人書館 9の再改定本で、さらにゼロエミッションおよび環 境ホルモンの生物分解について加筆した。 19)Biohydrogen Ⅱ 「Hydrogen and poly (hydroxy) alkanet production from organic acid」 Noparatonarapron, N Takeno, K Sasaki, K 2001 PERGAMON An Imprint of Elsevier Science P33-40 バイオ技術による水素生産に関する国際的にも本格 的な学術書で、その中の1章を分担執筆した。光合 成細菌を用いた水素生産と生分解性プラスチック生 産についてまとめた。 20)事例に学ぶトレードオフを勝 ち抜くための総合技術監理 のテクニック 共著 佐々木 健 他 12 名 2003 1月 地人書館 P138-143 P179-182 技術士総合技術監理部門の技術者、またこれを受験 する人のためのテキスト。トレードオフへの対処の 仕方をまとめた。第3章3節、11 節を分担執筆した。 21)技術士試験適正科目徹底対 策 共著 佐々木 健 他 15 名 2004 6月 地人書館 P154-158 技術士一次試験の適正科目受験のための演習テキス ト。トレードオフの演習問題と解説を分担執筆した。 22)技術士二次試験総合監理部 門の徹底研究 共著 佐々木 健 他 17 名 2004 3月 オーム社 P165-169 技術士二次試験総合技術監理試験のためのテキスト。 記述式問題の経験文献の例題をあげて解説した。 23)水の特性と新川利用技術 (分担執筆) 「名水の現状」 佐々木 健 2004 5月 エヌ・ティー・エス P286-304 我国の名水の現状を紹介した。また、名水に関わる バイオ産業、食品産業および医用ビジネスについて、 水の特性と併せて紹介した。 24)広島県の名水 ―水質にこだわった名水 50 選― 佐々木 健 2005 8月 名水バイオ研究所 広島県内の名水の中から、特に水質に優れ、公開さ れた名水を紹介した。各水質の特徴、水質の持つ意 義について、56 名水を選び解説している。 3 25)光合成微生物による環境修 復 佐々木 健 山岡 洋介 竹野 健次 2006 10 月 シーエムシー P224-231 光合成微生物を用いた環境修復技術の現状と課題を まとめた。特に光合成細菌を用いた環境修復では、 我々の長年の研究をもとに、磁石および鉄含有多孔 質セラミックと光合成細菌の組み合わせで効率よく、 ヘドロから重金属を除去する技術を詳しく解説した。 26)もう少し深く理解したい人 のためのバイオテクノロジ ー ―基礎から応用展開まで― (分担執筆) 共著 佐々木 健 他6名 2007 4月 地人書館 P89-113 P204-280 バイオ技術書、生物工学技術士を目指す人のための、 バイオ技術の基礎から応用展開までをまとめたテキ スト。第7章、微生物の代謝制御と培養工学、第 11 章、環境工学、第 12 章、グリーンバイオテクノロジ ーを分担執筆した。 27)瀬戸内海辞典 (分担執筆) 広島の酒 共著 佐々木 健 2007 (有)南々社 P420-425 広島の酒造の特徴、特に西条の醸造用名水と酒質と の関わりを論じた。広島発祥のハイテク酒造技術で ある軟水醸造法についても論じている。 28)河川文化 ―名水と環境と健康― (分担執筆) 共著 佐々木 健 2008 日本河川協会 P211-294 名水の意義、名水の基準とは何か、名水と環境保全、 人々の暮らしとの関わり、及び名水の食品への意義 などについて長年の研究をまとめた。名水と山頭火 の関わりについても論じた。 29)第 11 回日本水大賞受賞活動 集 ―広島の原爆献水の水質保 全と水環境保全― (分担執筆) 共著 佐々木 健 2009 日本水大賞委員会 P99-104 広島の原爆献水の 22 年間に及ぶ調査と広島の水環境 保全活動について紹介した。日本水大賞審査部会特 別賞受賞。 30)原爆献水 ―ヒロシマでは平和祈念と 環境保全とかかさなる― 共著 佐々木 健 森川 博代 細川 雄一 高田 幸子 2010 7月 名水バイオ研究所 ヒロシマの原爆献水の 22 年間におよぶ水質調査の結 果をまとめた。平和祈念、平和教育のための活動で あるが、同時に環境保全にも有力なデータとなりう ることを示した 31)バイオ活用による汚染廃水の 新処理法―バイオ技術を活用 した光合成細菌による放射性 物質の除去と回収 共著 佐々木 健 森川 博代 原田 敏彦 大田 雅博 2012 3月 シーエムシー出版 P216-258 光合成細菌を用いた U、Co、Sr、Cs などの放射性核 種の除去と電磁石回収型多孔質セラミックに光合成 細菌を固定化した。実用的 Cs、Sr の除去・回収につ いて我々の研究をまとめた。 第 24 章を分担執筆した。 32)東日本大震災後の放射性物質 汚染対策―光合成細菌を用い た放射性物質の回収、除去技 術 共著 佐々木 健 森川 博代 原田 敏彦 大田 雅博 2012 3月 エヌ・ディー・エス P211-222 電磁石回収型多孔質セラミックに固定化した、光合 成細菌による有害金属、Hg、Cr、Cd、As および放射 性核種の Cs と Sr の除去回収について、我々の研究 をまとめた。福島での放射性 Cs の除染についても記 述した。第 3 章、第 5 節を分担執筆した。 33)西条・山と水の環境機構 10 周年記念誌―西条地区龍王山 における森林整備と 10 年経 過後の水質、水量の変化およ び西条酒造用水の特徴 共著 佐々木 健 森川 博代 竹野 健次 2012 5月 西条・山と水の環境機 構(西条酒造協会) P75-83 西条龍王山における森林整備と周辺自然水の水質と 水量を 10 年間調査した結果を報告した。さらに西条 酒造用水が酒造にどのように適しているかを、水質 とアルコール生成量から評価した。 4 学術研究論文 Ⅰ バイオマス変換と有用物質の生産に関する研究 1)Formation of cobalt-free corrinoides in Rhodopseudomonas sphaeroides Kamikudo, T Sasaki, K Hayashi, M 1977 J. Nut. Sci. Vitaminol. vol. 23, P179-185 光合成細菌 R. sphaeroides におけるビタミン B12 生合 成の前段階物質、cobalt-free corrinoid の諸科学的特 性を検討した。 2)Growth on acetate media of Rhodopseudomonas sphaeroides S and its vitamin B12 biosynthesis Sasaki, K Hayashi, M Nagai, S 1978 J. Ferment. Technol. vol. 56 (3), P200-206 R. sphaeroides S を廃液処理に応用し、同時に価値あ るビタミン B12 を回収することを念頭にして、廃液 に含まれる有機酸の利用性とビタミン B12 生成との 関係を明らかにした。 3)Growth, vitamin B12 and photopignents formations of Rhodopseudomonas sphaeroides S growing on propionate media under dark and light conditions Sasaki, K Nagai, S 1979 European J. Apply. Microbiol. Biotechnol. vol. 7, P201-210 R. sphaeroides S を用いてビタミン B12 やクロロフィ ルさらにカロチノイドを生産する際、光照射や溶存 酸素濃度の影響を、連続培養法を用いて詳しく検討 した。 4 ) The optimum pH and temperature for the aerobic growth of Rhodopseudomonas gelatinosa and vitamin B12 and ubiquione formations on a starch medium Sasaki, K Nagai, S 1979 J. Ferment. Technol. vol. 57 (5), P383-386 デンプン工場廃液に含まれるデンプンを利用して ビタミン B12 やユビキノン(心臓薬として価値が高 い)を生産することを念頭にして、R. gelatinosa を 用いて、増殖に最適の温度やpH を明らかにした。 5)Growth yield from electron available from substrates in aerobic and photosynthetic cultures of Rhodopseudomonas sphaeroides S Sasaki, K Nishizawa, Y Nagai, S 1980 Biotechnol. Bioeng., USA vol. 22 (12), P2529-2541 有効電子を基準にして、光合成細菌の増殖収率を評 価するという、新しい解析法を提案した。この方法 を用いると、異なる炭素源を用いた場合でも、同一 基準で増殖を評価できるので、実際の廃液処理プラ ントで応用すると、スケールアップなどに有用であ る。 6)Utilization of photosynthetic bacteria on soybean waste Nishizawa, Y Sasaki, K Hayashi, M Nagai, S 1980 Microbiol. Utilization of Renewable Resources vol. 1, P175-182 光合成細菌を味噌工場廃液の処理に応用すること を念頭に、廃液中の有機物の利用性を検討し、基礎 的な知見を明らかにした。 7)Single cell protein production by treatment of soybean waste with Rhodopseudomonas gelatinosa Sasaki, K Noparatonaraporn, N Hayashi, M Nishizawa, Y Nagai, S 1981 J. Ferment. Technol. vol. 59 (6), P471-477 味噌工場廃液を処理するための最適の操作条件を 検討した。さらに実際のプラントを計画する際に必 要な装置について、従来の活性汚泥法との比較を行 った。タイ王国カセサート大学との共同研究。 8)光合成細菌による大豆煮熟 廃液処理および微生物タン パク(SCP)の生産 永井 史郎 佐々木 健 1981 微生物と資源 vol. 5, P8-17 論文7)と8)をもとにした総説。 9)光合成細菌 Rhodopseudomonas sphaeroides S によるみか ん廃棄物の処理および菌体 (微生物タンパク)の生産 佐々木 健 1984 広島電機大学 自動車短大研究報告 vol. 17, P101-111 みかん外皮廃棄物を、従来のメタン発光処理のかわ りに、光合成細菌を用いて処理した。その際に必要 となる処理槽容量を試算し、光合成細菌を用いると、 大幅に処理槽を小型化しうることを明らかにした。 10)Aerobic-heterotrophic and photoheterotrophic growth in microaerobic-light chemostat cultures of Rhodopseudomonas sphaeroides S Sasaki, K M. L. Escamilla Nishizawa, Y Nagai, S 1985 J. Ferment. Technol. vol. 63 (4), P377-381 R. sphaeroides S を酵素と光が同時に存在する条件下 で培養した場合の呼吸と光合成の関係を検討した。 さらに呼吸と光合成の活性を、モデル式を用いて、 定量的に解析した。 メキシコ大学との共同研究 11)Stimulation of vitamin B12 formations in aerobic-grown Rhodopseudomonas gelatinosa under microaerobic condition Noparatnaraporn, N Sasaki, K Nishizawa, Y Nagai, S 1986 Biotechnol. Lett. vol. 8 (7), P491-496 光合成細菌 R. gelatinosa を用いた SCP およびビタミ ン B12 生産における、本菌の微好気状態でのビタミ ン B12 生成と、B12 生成をつかさどる ALA 合成酵素 活性の関係を明らかにした。 12)Production of 5-aminolevulinic acid by photosynthetic bacteria Sasaki, K Morii, Y Nishizawa, Y Nagai, S 1987 J. Ferment. Technol. vol. 65 (5), P511-515 光合成細菌を用いた人畜無害の除草剤(5−アミノ レブリン酸)の生産について検討した。諸実験の結 果、最大2mM の5−アミノレブリン酸を生産でき、 実用の見通しがついた。5−アミノレブリン酸生産 については本邦初の論文。 A. 5 13)Denitritying and phototrophic growth of Rhodobacter sphaeoides S under aerobicdark and –light conditions Sasaki, K Morii, Y Nishizawa, Y Nagai, S 1987 J. Ferment. Technol. vol. 66 (1), P27-32 光合成細菌 R.sphaeoides S の脱窒能力について検討 した。本菌は NO3 を N2 に還元する能力を有するき わめて珍しい菌であり、光合成能力とは別に、完全 な異化的硝酸還元を行うことを明らかにした。 14)Conversion of cobalt-free corrinoid to vitamin B12 with the resting cells of Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Hayashi, M Nagai, S 1989 J. Ferment. Technol. vol. 64 (4), P303-305 光合成細菌 R. sphaeroides のビタミン B12 生合成紀行 解明を目的として、本菌の生産する CFC がビタミン B12 に変換しうるかどうかを検討した。 その結果、CFC は効率よくビタミン B12 に変換され、 生合成中間体として何らかの役割を果たしている ことを推定した。 15)Influence of iron on the excretion of 5-aminolevulinic acid by a photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Ikeda, S Konishi, T Nishizawa, Y Hayashi, M 1989 J. Ferment. Technol. vol. 68 (5), P380-383 光合成細菌 R. sphaeroides の ALA(除草剤成分)生 産における Fe2+および Fe3+の影響を検討した。Fe2+ および Fe3+はともに菌体内で Fe2+に還元され、ALA 合成酵素活性を直接阻害し、ALA 生産を抑制する事 を明らかにした。 16)Production of a herbicide, 5aminolevulinic acid by Rhodobacter sphaeroides using the effluent of swine waste from anaerobic disgestor Sasaki, K Tanaka, T Nishizawa, Y Hayashi, M 1990 Apply. Microbiol. Biotechnol. vol. 32 (6), P727-731 光合成細菌 R. sphaeroides を用いて、 豚舎廃液の消化 脱離液を人畜無害の除草剤に変換することを研究 した。消化脱離液中の酢酸、プロピオン酸を効率よ く5−アミノレブリン酸に光合成的に変換しうる ことを見いだし、その照度、前駆体添加物等、5− アミノレブリン酸生成に及ぼす最適条件を検討し た。豚ぷん尿から除草剤生産という世界でも始めて の論文。 17)光合成細菌を用いた豚舎廃 液消化脱離液の処理 佐々木 健 大槻 和男 江本 美昭 浜岡 尊 1990 農業施設 vol. 20 (3), P270-277 光合成細菌 R. sphaeroides を用いて、 豚舎廃液を処理 すると同時に菌体を飼料等のバイオマスとして利 用することにつき研究した。豚舎は廃棄の消化脱離 液を本菌は有効に資化し増殖し、消化液中の COD、 低級脂肪酸はよく資化され、本菌による処理の可能 なことが示唆された。 18)豚ぷん尿から飼料や除草剤 をつくる(1) ―光合成細菌を用いたバイ オマス変換― 佐々木 健 1991 技術士 vol. 91 (7), P9-12 豚ぷん尿をメタン発酵し、バイオガスエンジンを駆 動し、さらに消化脱離液から菌体や除草剤(ALA) を生産する技術について総説した。 19)豚ぷん尿から飼料や除草剤 をつくる(2) ―光合成細菌を用いたバイ オマス変換― 佐々木 健 1991 技術士 vol. 91 (8), P12-14 豚ぷん尿をメタン発酵し、バイオガスエンジンを駆 動し、さらに消化脱離液から菌体や除草剤(ALA) を生産する技術について総説した。 20)Enhanced production of 5-aminolevulinic acid by repeated addition of levulinic acid and supplement of precursors in photoheterotrophic culture of Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Tanaka, T Nishizawa, Y Hayashi, M 1991 J. Ferment. Technol. vol. 71 (6), P403-406 R. sphaeroides が ALA を大量に蓄積しうる理由を、 菌体内の酵素の挙動を検討することにより明らか にした。レブリン酸の逐次添加で ALA 脱水素酵素 活性は抑制され、低レベルに維持され、ALA の大量 生産につながっていると推定された。 21)Formation of 5-aminolevulinic Acid under aerobic / dark condition by a mutant of Rhodobacter sphaeroides Tanaka, T Watanabe, K Hotta, Y Lin, D Sasaki, K Nagai, S 1991 Biotechnol. Lett. vol. (13), P589-594 低毒性除草剤、ALA を生産するにあたり、レブリン 酸を無添加で ALA 生産を生産しうる異変種を造成 し、その ALA 生産特性を調べた。 22)5−アミノレブリン酸の微 生物による蓄積とその応用 永井 史郎 西尾 尚道 佐々木 健 田中 徹 1991 BIOINDUSTORY vol. 8 (8), P535-544 微生物による ALA 生産について、その理論と応用 について著者らの論文をもとに総説した。さらに、 ALA を除草剤として利用する方法についても論述 している。 23)Effect of culture pH on the extracellular production of 5-aminolevulinic acid by Rhodobacter sphaeroides from volatile fatty acids Sasaki, K Tanaka, T Nishio, N Nagai, S 1993 Biotechnol. Lett. vol. 15 (8), P859-864 みかん外皮廃棄物の嫌気消化脱離液から光合成細 菌を用いて ALA を生産するにあたり、培地やpH や光照度をコンピュータを用いて厳密に制御する ことにより、安定して10mM 以上の ALA が自動 的に生産しうることを示した。 24)Growth characteristics of Spirulina platensis in mixotrophic and heterotrophic conditions Marquez, F Sasaki, K Nishio, N Nagai, S 1993 J. Ferment. Bioeng. vol. 75 (5), P408-410 らん藻スピルリナブラテンシスの混合栄養、従属栄 養条件下での増殖特性を解明した。本株が暗好気条 件下完全好気状態で増殖しうることを認めた。 6 25)光合成細菌による5−アミノ レブリン酸の生産 佐々木 健 田中 徹 堀田 康次 西尾 尚道 永井 史郎 1993 生物工学会誌 vol. 71 (6), P428-431 光合成細菌を用いた5−アミノレブリン酸の生産 について著者らの一連の報告を総説した。 26)5-aminolevulinic acid production from the agricultural waste by photosynthetic bacteria Sasaki, K Tanaka, T Nishio, N Nagai, S 1994 Proceeding of third Asia-pacific Biochemical Engineering Con- ference, Singapore P170-172 低毒性の除草剤、植物成長促進剤および藻類の光合 成促進物質の5−アミノレブリン酸の農産廃棄物 からの生産技術について総説した。 27)Utilization of volatile fatty acids from the anaerobic digestion liquor of sewage sludge for 5-aminolevulinic acid production by photosynthetic bacteria Tanaka, T Sasaki, K Noparatnaraporn, N Nishio, N 1994 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 72 (6), P677-680 都市下水汚泥を嫌気消化し、生成する揮発性脂肪酸 (VFAs)を利用して ALA 生産を行い、最大で約 9mM の ALA 生産が可能であった。 本廃棄物のリサイクル利用に関して新知見を得た。 28)Rhodobacter sphaeroides から の酵母エキス不感受性、5− アミノレブリン酸高生産変 異株の取得 田中 徹 渡部圭太郎 堀田 康司 佐々木 健 室岡 義勝 永井 史郎 1994 生物工学会誌 vol. 72 (6), P461-467 R. sphaeroides を UV 照射により、酵母エキスの存在 下でも著量に ALA 生産しうる変異株 CR286 株を得 た。この株をスクリーニングするにあたり、ALA 要 求性 E.coli 変異株を用いたバイオアッセイ法を新規 に開発した。CR286 株は5mM の低レブリン酸濃度 でも ALA を著量に生産し、最大蓄積量は最大で約 16mM であった。 29)Enhancement of biomass and pigment production during growth of Spirulina platensis in mixot rophic culture Marquez, F Nishio, N Nagai, S Sasaki, K 1995 J. Chem. Technol. Biotechnol. vol. 62 (2), P159-164 Spirulina platensis を混合栄養的に増殖させると光合 成増殖と従属栄養増殖が同時に進行し、低照度(約 8 klux)でも、従属栄養単独の場合より約1.5∼ 2倍の藻体と光合成色素が生産される事を明らか にした。この増殖における動力学解析もあわせて行 った。 30)5−アミノレブリン酸デヒ トラターゼ阻害剤の検索 田中 徹 柿薗 俊英 西川 誠二 渡部圭太郎 佐々木 健 西尾 尚道 永井 史郎 1995 生物工学会誌 vol. 73 (1), P13-19 レブリン酸にかわる安価で強力な ALA 脱水素酵素 (ALAD)阻害剤の検索を行った。 R. sphaeroides およびビタミン B12 高生産菌、 Propionibacterium freudenreichii を用いて行い、3− Oxolevulinic acid が強い阻害活性を有することを見 出した。この阻害作用について価額構造からの解析 もあわせて行った。 31)Rhodobacter sphaeroides の5 −アミノレブリン酸デヒト ラターゼにおよぼすプロピ オン酸の阻害作用と ALA の 菌体外生産 田中 徹 渡部圭太郎 西川 誠二 佐々木 健 西尾 尚道 永井 史郎 1995 生物工学会誌 vol. 73 (1), P21-25 プロピオン酸がレブリン酸同様、ALAD を阻害する 事を見出した。この阻害作用を酵素動力学的 ALAD 阻害も増強され、ALA 菌体外生産が増大した。これ らの結果について新規な知見を詳述した。 32)光合成細菌を用いた有機性 廃棄物からの5−アミノレブ リン酸の生産および除草剤、 植物生長調節剤への応用 佐々木 健 田中 徹 堀田 康司 1995 水処理技術 vol. 36 (3), P135-145 有機性廃棄物である農畜産廃棄物および都市下水 汚泥の嫌気消化脱離液を利用して ALA を生産する 技術について、これまでの著書らの開発した手法を 整理してまとめた。ALA の除草剤、植物生長調節剤 への応用について新規な知見を詳述した。 33)Inhibitory effect of oxygen accumulation on the growth of Spirulina platensis Marquez, F Sasaki, K Nishio, N Nagai, S 1995 Biotechnol. Lett. vol. 17 (2), P225-228 Spirulina platensis の増殖におよぼす酵素の影響を検 討した。高濃度の酵素(<10 mg/l)が Spirulina の増 殖を阻害した。この阻害は非抵抗阻害的に働き、阻 害定数 Ki は 2.66mM であった。Spirulina の高濃度 生産を達成するためには酵素の除去が重要である 事が明らかとなった。 34)Promotive effects of 5-aminolevulinic acid on the growth and photosynthesis of Spirulina platensis Sasaki, K Marquez, F Nishio, N Nagai, S 1995 J. Ferment. Bioeng. vol. 79 (5), P453-457 ALA がらん藻 Spirulina platensis の増殖を促進する事 を見出した。ALA 培地に添加する事により、藻体内 のフィコシアニンやクロロフィル含量が増大し、結 果として CO2 固定を促進し、増殖促進をうながすと 示唆された。 35)5-aminolevulinic acid production by Chlorella sp. during heterotrophic cultivation in the dark Sasaki, K Watanabe, K Tanaka, T Hotta, Y 1995 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 11 (3), P361-362 新規に分離したクロレラを用い、完全好気暗条件で ALA が生産できる事を示した。最大 ALA 生産量は、 1.9mM で、この ALA は C-5 経路を経て、生合成さ れていることを明らかにした。 7 36)An improved method for cell and spore count during aerobic caltivation of crystal toxin producing Bacilus sphaericus Sasaki, K Rogers, P. L. 1995 Biotechnol. Techniques vol. 9 (5), P321-326 Bacilus sphaericus の培養液を希釈後、40 秒間 Sonic (超音波)処理をすることで、細胞の破壊もなく clump をとき、正確に菌数や胞子の計測を可能にし た。従来の Sonic 無処理の方法と比較して約2倍の 細胞数と胞子の計測値が得られた。 Bacilus sphaericus のマラリアトキシン生産への簡便 な評価に応用することができるようになった。 37)光合成微生物によるバイオ コンバージョンと環境問題 佐々木 健 1995 BIOINDUSTORY vol. 12 (9), P40-49 光合成微生物を用いたバイオコンバージョン技術、 特に廃棄物や CO2 を利用して有用物質を生産し、環 境浄化に寄与する最新の技術について総説した。特 に著者らの光合成細菌と藻類を用いた有用物質生 産技術について詳しく解説した。 38)光合成細菌による有機酸、 揮発性脂肪酸の消費と水素 生産 佐々木 健 竹野 健次 江本 美昭 1996 日本水環境学会誌 vol. 71 (7), P709-712 農業廃棄物を処理すると同時に水素を生成し、エネ ル ギ ー と し て 回 収 す る 目 的 で Rhodobacter sphaeroides S の有機酸および揮発性脂肪酸消費と水 素生成の関係を検討した。 S 株はリンゴ酸、酢酸、プロピオン酸から水素を発 生し、最大 80 ml/g cell/h と、他の光合成細菌とほぼ 同等の水素発生能を示した。 39)Inhibitation of 5-aminolevulinic acid dehydratase by undissociated form of levulinic acid during extracellular formation of Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Watanebe, M Nishio, N 1997 Biotechnol. Lett. vol. 19 (5), P421-424 Rhodobacter sphaeroides の ALA 生産において培養液 中のレブリン酸(LA)は、実際には非解離の形で ALA 脱水素酵素を阻害し、ALA 生産に寄与してい ることを、我々のpH の ALA 生産のデータから明 らかにした。 40)シリル化処理によるシリカ ゲル表面への除菌効果の付 与 永富 寿 筑摩 清亮 佐々木 健 1997 日本農芸化学会誌 vol. 71 (7), P709-712 シリル化処理をシリカゲル表面に施すことにより、 E.coli および B.subtilis などの細菌に対し、除菌効果 (それぞれ 140 時間および 48 時間の間)を付与で きた。シリル化処理でシリカゲル表面の活性化処理 が可能なことを認めた。 41)低毒性農薬 ALA の実用的 合成に関する基礎知識 鈴木 洸次郎 佐々木 健 村本 慶博 朝倉 芝行 1997 広島電機大学 自動車工業短期大学 vol. 30, P113-118 低毒性農薬の ALA 化学合成において、新規に N-フ タロイルグリシンベンジルエステル誘導体の還元 分解を経由して合成する方法を提案した。 42)5−アミノレブリン酸の構 造方法と応用分野 竹矢 晴彦 田中 徹 堀田 康司 佐々木 健 1997 Porphyrins vol. 6 (3, 4), P127-135 5-aminolevulinic acid (ALA)は、低毒性除草薬、植物 生長促進剤、抗ガン剤(医薬品)など多くの用途が 開発されている。本報では、ALA 生産の工業的実用 化にいたるまでの各技術、光合成細菌によるバイオ 的手法、ALA 誘導体の精製など、これまでの研究結 果を総説した。 43)Enhansement of sporulation and crystal toxin production by corn steep liquor feeding during intermittent fed-batch culture of Bacillus spfaericus Sasaki, K Jiaviriyaboonya, S Rogers, P. L. 1998 Biotechnol. Lett. vol. 20 (2), P165-168 Bacillus spfaericus のマラリアトキシン生産において、 酵母エキスにコーンステープリカーを逐次流加す ることで菌体生産および胞子形成を促進させ、従来 の回分培養より、2−2.5倍のトキシン生産を可 能とした。 44)Growth and flocculation of a marine photosynthetic bacteria Rhodovulum sp. Watatabe, M Sasaki, K Nakashimada, Y Kakizono, T Noparatnaraporn, N Nishio, N 1998 Apply. Microbiol. Biotechnol. vol. 50 (6), P682-691 自己凝集性を有する海洋性光合成細菌をタイのエ ビ養殖場から分離した。この菌の凝集性の発現には、 Na, Ca, Mg などの陽イオンが必要であった。この菌 は Rhodovulum. Sp と同定された。この菌は菌表面に RNA, た ん ぱ く 質 , 多 糖 類 から なる Extracellular polymeric substance (EPS)を生成し、それによって凝 集がおこると確認された。 45)Promotion of growth and flocculation of a marine photo synthetic bacterium, Rhodovulum sp. by metal cations Watanabe, M Shiba, H Sasaki, K Nakashimada, Y Nishio, N 1998 Biotechnol. Lett. vol. 20 (12), P1109-1112 海洋の底質から分離された Rhodovulum sp.の凝集に は、Mg2+が重要な働きをしていることを明らかにし た。Ca2+は補助的な役割であった。 46)High density cell culture of a marine photosynthetic bacterium Rodovulum sp. with selfflocculated cells. Watanabe, M Sasaki, K Nakashimada, Y Nishio, N 1998 Biotechnol. Lett. vol. 20 (12), P1113-1117 凝集性光合成細菌を用いて、新規の Single tower fermenter による高濃度菌体生産を行った。菌体濃度 は、約 48 g/l に達し、さらに基質の酢酸は 22.5 g/l/day の高速度で消費された。 8 47)Treatment of aquarium water by denitrifying photosynthetic bacteria using immobilized polyvinyl alchohol beads Nagadomi, H Hiromitsu, T Takeno, K Watanabe, M Sasaki, K 1999 J. Bioscience Bioeng. vol. 87 (2), P189-193 S をアルギン酸およびポリビニルアルコール(PVA) に固定して、鯉の飼育水槽の浄化を行ったところ、 COD の効果的な浄化が行われた。しかし、PVA 固 定化では亜硝酸が蓄積し、鯉が死亡した。亜硝酸が 蓄積するのは Nitrite reductase を阻害するためと思わ れた。 48)N-アセチルフルフリルアミ ンを原料とする5−アミノ レブリン酸の実用的合成 鈴木 洸次郎 佐々木 健 村本 慶博 1999 日本化学会誌 1999 (3), P199-201 選択的除草剤、5−アミノレブリン酸(ALA)を2 −フルアルデヒドから容易に合成できる N−アセチ ルフルフリルアミンをへて合成できる実用的な合 成法を開発した。収量は約 42%であった。 49)1,5−ジヒドロキシ−2 −ピリドンを原料としピペ リジン−2,5−ジオンを経 由する5−アミノレブリン酸 の生成 竹矢 晴彦 佐々木 健 鈴木 洸次郎 1999 日本化学会誌 1999 (5), P355-358 5−アミノレブリン酸を2−フルアルデヒドから 得られる1,5−ジヒドロキシ−2−ピリドンを直 接原料として合成する方法を開発した。 最終的な収量は約 60%であった。 50)Flocculating property of extracellular polymeric substance derived from a marine photosynthetic bacterium, Rhodovulum sp. Watanabe, M Suzuki, Y Sasaki, K Nakashimada, Y Nishio, N 1999 J. Bioscience Bioeng. vol. 87 (5), P625-629 凝集性光合成細菌、Rhodovulum sp.の生産する RNA を主体とするポリマー(EPS)の凝集特性を、カオ リンを用いたモデル実験により解明した。この EPS は弱アニオン系凝集剤として働くことを明らかに した。 51)Removal of phosphorus from oyster farm mud sediment using a photosynthetic bacter- ium, Rhodobacter sphaeroides IL106 Takeno, K Sasaki, K Watanebe, M Kaneyasu, T Nishio, N 1999 J. Bioscience Bioeng. vol. 88 (4), P410-415 カキ養殖場の底質ヘドロを嫌気消化して、酢酸とリ ン酸イオンを遊離させた。この脱離液に脱窒光合成 細菌を接種し、約3g/l の菌体を得た。 菌体内にはユビキノンなどの有用物質が多く含ま れていた。 52)Flocculation mechanism of marine photosynthetic bacterium, Rhodovulum sp. and its application in marine environment Watatabe, M Noparatnaraporn, N Sasaki, K 2000 Proceeding of the 5th Asia-Pacific Biochemical Engineering Conference Puhket, Thailand, P-ENV17, P1-6 凝集性光合成細菌、Rhodovulum sp.の生産する RNA を主体とする(EPS)の凝集特性を調べた。 カオリンを使った凝集実験は Schulz-Hardy 法則に従 うことから、菌体の表面マイナスチャージがポリマ ーと金属を配して凝集することを明らかにした。 53)Application of the denitrifying photosynthetic bacteria for bioremediation Sasaki, K Takeno, K Takahashi, M Watanabe, M 2000 Proceeding of the 5th Asia-Pacific Biochemical Engineering Conference Puhket, Thailand, P-ENV3, P1-6 ヘドロを嫌気消化して、脱窒光合成細菌を増殖させ ることにより、効率的にヘドロのリンおよび硝酸の 除去など効率的にバイオレメディエーションを行 うことを見出した。 54)Simultaneous removal of chemical oxygen demand and nitrate in aerobic treatment of sewage wastewater using immobilized photosynthetic bacteria on porous ceramic plates Nagadomi, T Takahashi, T Sasaki, K Yong. H. C. 2000 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 16 (1), P57-62 脱窒光合成細菌を少量の寒天で多孔質セラミック プレート上に固定化保持することで、好気的に有機 物除去と脱酸イオンの除去を行いうる処理プレー トを開発した。 55 ) Extracellular formation of 5aminolevulinic acid by intact cells of the marine photosynthetic bacterium sp. with intact cell system under various pH conditions Noparatnaraporn, N Inagaki, T Watanabe, M Sasaki, K 2000 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 16 (5), P313-315 海洋性光合成細菌、Rhodovulum sp.を用いて、低毒 性除草剤、5−アミノレブリン酸(ALA)を生産す るにあたり、培地のpH に関係なく、非難解性のレ ブリン酸が ALA 脱水素酵素を阻害し、ALA の菌体 外生産に関係していることを明らかにした。 56)光合成細菌変異株による5 −アミノレブリン酸の工業 的生産 上山 宏輝 堀田 康司 田中 徹 佐々木 健 2000 日本生物工学会誌 vol. 78 (2), P48-55 光合成細菌を用いて植物生長促進剤あるいは、制癌 剤など広い用途を有する5−アミノレブリン酸を 生産する技術の確立について詳述した。特に変異株 造成のプロセスについても、新規の技術(マイクロ プレート法)を詳述している。 57)Simultaneous removal of chemical oxygen demand (COD), phosphate, nitrate and hydrogen sulphide in the synthetic seage wastewater using porous ceramic immobilized photosynthetic bacteria Nagadomi, H Kitamura, T Watanabe, M Sasaki, K 2000 Biotechnol. Lett. vol. 22 (17), P1369-1374 3種類の光合成細菌を多孔質セラミックに混合固 定化して、その窒素、リン酸除去、硫化水素分解能 を巧みに利用して、COD、リン、硝酸除去と脱臭を 兼ね備えた人工下水の効率的処理に成功した。 9 58)ポリビニルアルコール(PV A)を用いた固定化脱窒光合 成細菌による養魚水槽水の浄 化と亜硝酸の蓄積 永富 寿 渡辺 正規 佐々木 健 2000 水処理技術 vol. 41 (9), P261-267 固定化脱窒光合成細菌を用いて養魚水槽水を浄化 するにあたり、著量の亜硝酸が PVA を固定化担体に 用いると、蓄積することを明らかにした。 これは、PVA が脱窒菌の亜硝酸還元酵素を阻害する ためと推定された。 59)固定化光合成細菌を用いた 化学的酸素要求量、硝酸、 リン酸イオンおよび硫化水 素の同時除去 永富 寿 前田 昭司 高橋 昌利 佐々木 健 2000 水処理技術 vol. 41 (9), P411-420 光合成細菌の種を組み合わせて、多孔質セラミック プレートあるいはブロックに固定化し、COD、リン、 硝酸除去、さらに脱臭機能を兼ね備えたバイオリア クターシステムを構築する技術について詳述した。 60)Production of RNA by a mari- ne photosynthetic bacterium, Rhodovulum sp. Noparatnaraporn, N Watanabe, M Choorit, W Sasaki, K 2000 Biotechnol. Lett. vol. 22 (23), P1867-1870 海洋性光合成細菌、Rhodovulum sp.を用いた菌体外 RNA 生産の可能性を詳述した。最大で 460 mg RNA/l に達し、 酵母の2から3倍の RNA 生産量を示した。 61)Bioremediation of sediment mud of oyster farm by denitrifying and marine photosynthetic bacteria immobilized on porous ceramic Sasaki, K Takahashi, M Watanabe, K Nagadomi, H 2001 Proceeding of the Fifth International Symposium on Environmental Biotechnology, Kyoto, Japan, 0-11-2, 1-4 脱窒および海洋性光合成細菌を、鉄を含む多孔質セ ラミックに固定化して、カキ養殖場のヘドロ浄化を 行った。ヘドロ中のリン、窒素および銅やスズなど の重金属が除去できる可能性を認めた。 62)Effects of an external magnetic field on the sedimentation of activated sludge Hattori, S Watanabe, M Endo, T Sasaki, K 2001 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 17 (3), P279-285 外部に永久磁石を装着した活性汚泥処理装置で、人 工下水で馴養した活性汚泥で人工下水を処理した ところ、磁気を印加することで汚泥の凝集性、沈降 性の促進効果が確認された。 63)Biomass production in mixotrophic culture of Euglena gracilis under acidic condition Yamane, Y Utsunomiya, T Watanabe, M Sasaki, K 2001 Biotechnol. Lett. vol. 23 (15), P1223-1228 グルコースとアンモニアを用い、従属栄養的に Euglena gracilis を培養すると、強酸性以下でも 4.28 −4.48 g/l の高い収率が得られた。エネルギー論的解 析により、増殖時の ATP 生産量を推定した。 64)光合成細菌による環境修復 と有用物質生産 佐々木 健 竹野 健次 渡辺 昌規 2001 バイオサイエンスと インダストリー vol. 56 (9), P635-638 光合成細菌を用いたヘドロのバイオレメディエー ションと、ヘドロからの生分解プラスチック生産に ついて、これまでの著者らの研究をまとめた。5− アミノレブリン酸の大量生産についても詳述した。 65)固定化光合成細菌による養 鯉水槽水の簡易浄化と脱窒 永富 寿 竹野 健次 渡辺 昌規 佐々木 健 2001 日本水環境学会誌 vol. 24 (1), P64-68 プロの鯉師の養鯉水槽の水を分析することで、鯉に 適した飼育の水質を明らかにした。さらに種々の固 定化担体に光合成細菌を固定化し、水質浄化を行っ た。セラミックが鯉の水槽水浄化に効果があった。 66)Production of a cellulase free xylanase from agroindustrial waste materials by a thermotolerant Streptomyces sp. Techapun, C Singsuwongwat, S Sasaki, K 2001 Biotechnol. Lett. vol. 23 (20), P1685-1689 バガスやトウモロコシなど農産廃棄物からキシラ ナーゼを生産できる耐熱性菌を分離した。この菌は 遺伝子解析の結果、Streptomyces sp.と同定された。 キシラナーゼ以外、セルラーゼやマンノースは生産 しなかった。 67)Effect of an external magnetic field on the flock size and sedimentation of activated sludge Hattori, S Watanabe, M Endo, T Osono, H Togii, H Sasaki, K 2001 Proceedingings of the international conference on environmental concerns and emerging abatement technologies, Abatement technology, p-3, 1-3 Beijing, China, Oct. 9-12 外部磁気をかけることにより、活性汚泥の沈降性が 増大する現象について、フロックが磁気によりお互 いに引きつけあうため、フロックサイズが増大し、 その結果として沈降性が増大することを明らかに した。 68)光合成細菌による排水処理 における COD、窒素、リン および硫化水素の同時除去 佐々木 健 2001 日本生物工学会誌 vol. 79 (11), P434-439 光合成細菌を用いて、排水処理を行う際、COD、リ ン、窒素除去と脱臭を同時に行う技術的な問題点に ついて、主に実用的な面からの解説を行った。 69)Effects of an external magnetic field on the flock size and sedimentation of activated sludge Hattori, S Watanabe, M Osono, H Togii, H Sasaki, K 2001 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 17 (9), P833-838 外部磁気印加で活性汚泥のフロック径が増大し、沈 降性が改善されることを明らかにした。同時に COD も低減させうることも明らかにした。 70 ) Biosynthesis, biotechnological production and applications of 5-aminolevulinic acid Sasaki, K Watanabe, M Tanaka, T Tanaka, T 2002 Apply. Microbiol. Biotechnol. vol. 58 (1), P23-29 5−アミノレブリン酸の工業的生産と、その農学的、 医学的用途について、著者らのこれまでの研究をま とめた総説。 10 71)Magnetization of activated sludge by the external magnetic field Hattori, S Watanabe, M Sasaki, K Hidaka, Y 2002 Biotechnol. Lett. vol. 24 (1), P65-69 外部磁気印加で活性汚泥が磁化されることを、磁気 力顕微鏡(MFM)を用いて、ビジュアル的に観察し た。磁化レベルは活性汚泥の鉄含有量の増大ととも に増加した。 72)Production of cellulose free xylanase by thermotolerant Streptomyces sp. from agricultural waste and media optimization using mixture design and Placket-Burman experimental design method Techapum, C Sinsuwongwat, S Watanabe, M Sasaki, K Poosaran, N 2002 Biotechnol. Lett. vol. 24 (17), P1437-1442 Placket-Burman 実験計画法により、セルラーゼフリ ーキシラナーゼ生産の最適化を Streptomyces AB106 で行った。 Mixture design 法よりも、Placket-Burman 法の方が優 れた最適化が行われ、最大で 12 IU に達した。 73)Thermostable and alkalinetolerant cellulase-free xylanase production by thermotolerant Streptomyces sp. Ab106 Techapum, C Charoenrat, T Poosaran, N Watanabe, M Sasaki, K 2002 J. Bioscience and Bioengineering vol. 93 (4), P431-433 新規に分離された、Streptomyces sp. Ab106 を用い、 バガスから 55℃の培養で、cellulase-free xylanase を 生産した。この xylanase は極めて安定性が高く、pH 9、60℃の高温・高アルカリ条件でも、最大の 70% の活性を示した。 74)Optimization of thermostable and alkaline-tolerant cellulasefree xylanase production from agricultural waste by thermotolerant Streptmyces sp. Ab106 using the central composit experimental design Techapum, C Charoenrat, T Watanabe, M Sasaki, K Poosaran, N 2002 Biochemical Engineering Journal vol. 12 (2), P99-105 Streptomyces sp. Ab106 株で、耐熱性、耐アルカリ性 の cellulase-free xylanase を生産するにあたり、Central composit 実験計画法に基づき、最適pH 及び温度の 最適化を行った。その結果、最大 15 IU の酵素生産 が可能になった。 75)光合成細菌の医用と環境問 題への応用 佐々木 健 渡辺 昌規 Noparatnaraporn, N 2002 日本生物工学会誌 vol. 80 (6), P234-236 光合成細菌を用いて、ビタミン B12,ユビキノン, ポルフィリン,5−アミノレブリン酸など、生理活 性物質生産手段と、医用への応用をまとめた。また、 固定化光合成細菌を用いた高効率廃水処理バイオ リアクター、及びバイオレメディエーション技術に ついて、最近の我々の研究を解説した。 76)5−アミノレブリン酸 (ALA)の低コスト発酵生産 技術の開発 佐々木 健 渡辺 昌規 田中 亨 田中 徹 2002 バイオイダストリー vol. 19 (6), P25-37 5−アミノレブリン酸(ALA)を低コストで発酵生 産するにあたり、我々の行ってきた種々の異変株造 成法および ORP 制御発酵などの低コスト生産法を 総説した。 また、豚糞尿や農産廃棄物および都市下水汚泥から の ALA 低コスト生産法も、ゼロエミッション技術 の一つとして解説した。 77)Identification and cultivation of photosynthetic bacteria in wastewater from a concentrated latex processing factory Choorit, W Thanakoset, P Thongradistha, J Sasaki, K Noparatnaraporn, N 2002 Biotechnol. Lett. vol. 24 (13), P1055-1058 ラテックス廃水を効率良く処理できる光合成細菌、 10 株を分離した。その内、SS51 株と SY40 株の混合 培養で、COD 除去が 57%に達した。両菌株とも Rubrivivax gelatinosus と同定された。 78)Thermostable and alkalinetolerant xylanase production from agricultural waste for paper and palp-bleaching process Techapum, C Poosaran, N Watanabe, M Sasaki, K 2003 Proceedingings of 4th international conference: Role of Engineering toward a better Environment, Alexandia Egypt, Environment, oral, P1-6 新規に分離した Streptomyces sp. Ab106 株の生産す る、耐熱性,耐アルカリ性 xylanase の特性を検討し た。この酵素を用いてパルプのバイオ漂白を行う場 合の、環境面に及ぼす利点と意義について考察した。 79)Improvement of cellulose-free xylanase production by thermotolerant Streptomyces sp. Ab106 with optimized stirred type fermenter Techapum, C Poosaran, N Watanabe, M Sasaki, K 2003 Journal of Bioscience and Bioengineering vol. 95 (3), P298-301 混合攪拌ファーメンターを用いて、Streptomyces sp. Ab106 株を培養するにあたり、繰り返し流加培養を 実施した。2回の培地の流加で、32 IU の xylanase を生産した。これは従事、他の耐熱性 xylanase の生 産と比較して約2倍の生産量であり、十分実用化レ ベルであると考えられる。 80)Thermostable and alkaline-tolerant xylanase produced from agricultural waste and their reguired properties for use in pulp bleaching bioprocess: a review Techapum, C Poosaran, N Watanabe, M Sasaki, K 2003 Process Biochemistry vol. 38 (9), 1327-1340 新規に分離した Streptomyces sp. Ab106 株を用いて、 耐熱性,耐アルカリ性 xylanase を生産するにあたり、 種々培養方法、培地の最適化を実施した。また、生 産された xylanase の特性を詳細に検討した。これら 一連の我々の研究を総説した。 81)Coproporphyrin production by Rhodobacter sphaeroides under aerobic in the dark and dissolved-oxygen-controlled conditions Utunomiya, T Tanaka, T Watanabe, M Sasaki, K 2003 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 19 (2), P227-231 好気暗条件下、溶存酸素を制御した条件下で、光を 用いることなくポルフィリン生産を行った。 変異株 R.sphaeroides CR386 を用い、DO=2.0±0.2 mg/l に厳密に制御することにより、56.3 mg/l のコプ ロポルフィリンを生産することができた。 11 82)Stimilation of porphyrin production by application of an external magnetic field to a photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeroides Utunomiya, T Yamane, T Watanabe, M Sasaki, K 2003 Journal of Bioscience and Bioengineering vol. 95 (4), P401-404 光合成細菌の光合成ポルフィリン生産において、外 部から磁気を印加することで、N, S 極においてポル フィリン生産が増大した。N 極では 0.3T の磁気印加 で対照(磁気無印加)の約5倍のポルフィリン生産 を示した。この時、菌体内の ALA 脱水素酵素が 2-3 倍に増大している事が認められた。 83)農産廃棄物から生産した耐 熱性、耐アルカリ性キシラナ ーゼのパルプ漂白への応用と 排水中の塩素化合物の低減 佐々木 健 チャリン・テチ ャプン ナイヤタット・ プーサラン 2003 水処理技術 vol. 44 (6), P271-278 農産廃棄物バガスより、耐熱性 Streptomyces sp. Ab106 株を用いて生産した耐熱、耐アルカリ性キシ ラナーゼの生産と、これを用いたパルプ、バイオ漂 白についての我々の研究をまとめた。 84)Biosorption of cadmium ions using a photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeoides S and a marine photosynthetic bacterium Rhodovulum sp. and their biosorption kinetics Watanabe, M Kawahara, K Sasaki, K Noparatnaraporn, N 2003 Journal of Bioscience and Bioengineering vol. 95 (4), P374-378 光合成細菌のカドミウム吸着性を検討した。潰瘍性 光合成細菌が特に高いカドミウム吸着性を示した。 この吸着は Freundlich 吸着式に合致した吸着特性で あった。 85)Treatment of oil-containing sewage wastewater using immobilized photosynthetic bacteria Takeno, T Yamaoka, Y Sasaki, K 2005 World J. Microbiol. Biotechnol. vol. 21, P1385-1391 光合成細菌を寒天やアルギン酸に固定化して、食用 廃油を含む人工下水の浄化を行った。連続処理で希 釈率 D=0.4/day で 96%の油が処理できた。最大除去 活性は、3.83 kg 油/m3/day に達した。 86 ) Application of photosynthetic bacteria for medical field Sasaki, K Watanabe, M Suda, Y Ishizuka, A Noparatnaraporn, N 2005 Journal of Bioscience and Bioengineering vol. 100 (5), P481-488 光合成細菌の生産するビタミン B12、ユビキノン、 ポルフィリン、5−アミノレブリン酸、RNA および RNA 含有の EPS の医用への応用への応用と生産を 総説した。 特に EPS のドラッグデリバリーへの応用は詳しく 解説した。 87)Selection of photosynthetic bacterium Rhodobacter sphaeroides 14F for polyhydroxy alkanoate production with two stage aerobic dark cultivation Lorrungruang, C Martthong, J Sasaki, K Noparatnaraporn, N 2006 Journal of Bioscience and Bioengineering vol. 102 (2), P128-131 光合成細菌を用いて、従来容易でなかった好気暗培 養での生分解性プラスチック、ポリハイドロキシア ルカノエイト生産を行った。まず良好な Rhodobacter sphaeroides 14F を選別し、2段階培養で、3.5 g/l の 生産に成功した。 88)製油所廃棄物を用いた活性 汚泥の可溶化 渡辺 圭太郎 溝口 隆 古堀 寿浩 渡辺 幸一 佐々木 健 2006 J. Japan Petroleum Institute vol. 49 (3), P134-139 製油所由来活性汚泥を、製油所由来廃棄物を利用し て減容化するための、種々の薬剤の汚泥可溶化の可 能性を検討した。その結果、廃ソーダや硫化ソーダ は水酸化ナトリウムと同等の可溶化力を示した。製 油所由来活性汚泥は都市下水活性汚泥に比べ、微生 物相に細菌が多く、可溶化されやすかった。 89)高速攪拌処理と製油所廃棄 物を用いた活性汚泥の可溶 化促進 渡辺 圭太郎 溝口 隆 古堀 寿浩 藤本 尚則 佐々木 健 2006 J. Japan Petroleum Institute vol. 49 (3), P140-144 製油所廃棄物と高速ミキサーを組合わせ、製油所活 性汚泥を短時間で可溶化するシステムを開発した。 0.05 mol/l のアルカリと高速攪拌で、1 時間で 55%の 可溶化が達成され、1m3 のベンチスケール実験で も、このことが確認された。 90)Development of the model to predict the growth of Salmonella amsterdam and Salmonella bangkok in sterred fried rice with crab meat Pongsomboon, S Sirisansaneeyakul, S Sasaki, K Poosaran, N 2006 Chiang Mai University J. vol. 5 (3), P317-321 カ ニ 焼 き 飯 中 の サ ル モ ネ ラ 菌 の 汚 染 を Central Composit Design 法を用いて、温度、pH、塩濃度、 接種菌量から予測する方法を開発した。 91)A novel gene with antisalt and anticadmium stress activities from a halotolerant marine green alga Chlamydomonas sp. W80 Tanaka, S Suda, Y Ikeda, Y Ono, M Miyasaka, H Watanabe, M Sasaki, K Hirata, K 2007 FEMS Microbiol. Lett. vol. 271 (), P48-52 Chlamydomonas sp. W80 から分離された遺伝子の食 塩、カドミウムへの耐ストレス活性を調べた。C 末 端が耐ストレスに重要な働きをしていることを明 らかにした。 92)Oil degradation uisng a photosynthtic bacterium Rhodobacter sphaeroides S Yamaoka, Y Takeno, K Noparatnaraporn, N Sasaki, K 2008 Japanese J. Water Treatment Biology vol. 44(1), P29-39 光合成細菌 Rhodobacter sphaeroides S がリパーゼを 分泌し、食用油を分解することを明らかにした。油 分解は光合成よりも、好気培養で主として起こるこ とを確認した。 12 93 ) Isolation of a thermotolerant photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeroides strain NAT and its ability of oil and chemical oxygen demand removal at high temperature Yamaoka, Y Takeno, K Shinkawa, H Noparatnaraporn, N Sasaki, K 2008 Biosci. Biotechnol. Biochem. vol. 72(6), P1601-1603 新規にタイ国で分離した光合成細菌 Rhodobacter sphaeroides NAT をアルギン酸に固定化し、45-55℃ の高温で油含有排水を浄化できる手法を開発した。 高温でのリパーゼ分泌も確認した。 94)Practical operations of solubilizaton and reduction of activated sludge from petroleum refinery using high speed mixer and alkaline treatment Mizoguchi, T Watanabe, K Kobori, T Fujimoto, T Kumagai, H Sasaki, K 2008 J. Japan. Petroleum Institute. vol. 51(4), P245-251 製油所由来活性汚泥をアルカリ処理および高速攪 拌処理を組み合わせて減容化する実証試験を、製油 所内で 60 日実施した。最終的に 45%の汚泥減容化 が可能となった。 95)アルカリ処理と高速攪拌ミ キサーを組み合わせた活性 汚泥減容化システム 溝口 隆 渡辺 圭太郎 古堀 寿浩 藤本 尚則 熊谷 仁志 佐々木 健 2008 用水と廃水 vol. 50(3), P690-698 アルカリ処理と高速攪拌ミキサーを食い合わせた 新規の活性汚泥減容化システムを開発した。この基 礎から実用化までの知見をまとめた。 96 ) Relationship between solubilization of activated sludge and reduction of excess sludge using new system of alkaline solubil- ization with high speed mixing Fujimoto, T Kobori, Y Mizoguchi, T Watanabe, K Sasaki, K 2009 J. Japan Petroleum Institute. vol. 52(6), P316-321 40ℓのモデル実験で、アルカリ処理および高速攪拌 処理を組み合わせ、活性汚泥を減容した。余剰汚泥 の処理量を増大させる事で、最大 92%の汚泥減容化 が可能な事を明らかにした。 97)Biocoagulationof dairy wastewater by Lactobacillus casei TISTR 1500 for protain recovery using micro-aerobic sequencing batch reactor (micro-aerobic SBR) Seesuriyachan, P Kuntiya, A Sasaki, K Techapun, C 2009 Process Biochem. vol. 44(4), P406-411 Lactobacillus casei を用いて、酸性で自己凝集し、タ ンパク質を回収しつつ、排水処理を行いうる SBR リアクターを開発した。菌の滞留時間を制御する事 で、30 日連続運転が可能となり、排水処理と前処理 として有用する事を認めた。 98)Influence of food colorant and initial COD concentration on the efficiencies of microaerobic sequencing batch reactor (micro-aerobic SBR) for casein recovery under nonsterile condition by Lactobucillus casei TISTR 1500 Seesuriyachan, P Chaiyaso, T Sasaki, K Techapun, C 2009 Bioresources Technol. vol.100(18), P4097-4103 Lactobacillus casei を用いた SBR リアクターで、主と して casein を凝集し、タンパク質を 83%除去する事 により、乳製品工場排水を効率よく前処理すると同 時に、食品排水のアゾ色素と COD も除去できる事 を示した。 99)Comparative study on material orange removal by growing cells and washed cell suspensions of Lactobacillus casei TISTR 1500 Seesuriyachan, P Kuntiya, A Sasaki, K Techapun, C 2009 World J. Microb. Biotechnol. vol.25(6), P973-979 Lactobacillus casei によるメチルオレンジやアゾ色素 の脱色能を調べた。pH が 4 より低くとも、200- 800 mg/l の色素を脱色でき、66-15%の脱色率であった。 Na の存在で脱色率は約 2 倍増大した。 100)Influence of precursors and inhibitor on the production of extracellular 5-aminolevulinic acid and biomass by Rhodopsueudomonas palustris KG31 Saikeur, A Choorit, W Prasertsan, P Kantachote, D Sasaki, K 2009 Biosci. Biotechnol. Biochem. vol.73(5), P987-992 R.palustris による ALA 生産において、Box-Behnken デザイン法により、前躯体と、ALAD 阻害剤の添加 量の最適化を行った。30mM のグリシン、10mM の LA の添加で、182mM の ALA が生産できた。 101)光合成細菌による環境浄化 及び再資源化技術の開発 佐々木 健 竹野 健次 2009 生物工学会誌 vol. 87(10), P478-480 光合成細菌を用いて、水処理を行いつつ、ビタミン や CoQ10、5-アミノレブリン酸を生産し、産廃物を 再資源化する方法を総説した。また、光合成細菌に よる油含有排水処理や重金属の除去など最近の技 術についてもまとめた。 102)乳酸菌を用いた微好気半連 続処理法による乳製品工場 排水処理と蛋白質回収 Seesuriyachan, P 竹野 健次 新川 英典 佐々木 健 2010 環境技術学会誌 vol. 39(2), P112-117 微好気状態で乳酸をよく生成する乳酸菌 Lactobacillus casei による微好気半連続処理(SBR)法で、 連 続 的 に 乳 成 分 の 蛋 白 質 を 沈 殿 さ せ 、 COD を 80-90%低減しつつ、蛋白質を回収する方法の詳細を 解説した。 13 103 ) Solid state fermentation for extracellular poly-saccharide production by Lactobacillus confuses with coconut water and suger cane juice as renewable waste Seesuriyachan, P. Techapun, C. Shinkawa, H. Sasaki, K. 2010 Biosci Biotechnol Bioeng vol.74(2), P423-426 新規乳酸菌 Lactobacillus confuses を用いて、ココナ ッツ廃液や糖蜜廃液からデキストリンからなる多 糖類を固相培養法で大量生産する方法を開発した。 104)Methane fields and emission from rice rice grown with various organic fertilizer on zcidic low nutrient soil Leaungtiviroj, C. Limtong, P. Piriyarin, S. Takeno, K. Sasaki, K. 2010 農業施設学会誌 vol.40(4), P229-235 種々の有機肥料をタイ国の酸性土壌に与えた時の メタン発生と米の増殖量及び収量を検討した。メタ ン発生の多かった稲ワラとコンポスト設肥は米の 増殖と収量も良好であった。 105)Development of a new bio-tertilizer with a high capacity for N2 fixation, phosphate and potassium solubiliztion and auxin production Leaungtiviroj, C. Ruangphisarn, P. Hansanimitkul, P. Shinkawa, H. Sasaki, K. 2010 Biosci Biotechnol Biochem vol.74(5), P1098-1101 高い N2 固定能および、リンとカリ溶解性、オーキ シン生産能のそれぞれの高い細菌から、新規のバイ オ肥料を開発した。この新肥料は稲や野菜の収量を 最大 4 倍まで増大した。 106)Relationship between soil microorganisms and nutrient contents of Vetiveria zizanioides and Vetiveria nemoralis in some probrem soils of Thailand Leaungtiviroj, C. Piriyarin, S. Limtong, P. Sasaki, K. 2010 Apph Soil Eiology vol.46(1), P95-102 Vetiveria 草による三種となる問題の土壌栄養塩の改 良を試みた。0-30cm の土壌で、三種の土壌とも Vetiveria 草が微生物相を改善し、土壌の有機物、N、 P、Ca と S 成分も改善することを明らかにした。 107)Improvement of relatively dry sandy soil of low nutrient content in Thailand using organic fertilizer Leaungtiviroj, C. Takeno, K. Sasaki, K. Noparatnaraporn, N. 2010 J Soci Agric Struct vol.41, P29-37 貧栄養と高栄養土壌への有機コンポストと化学肥 料での土壌中微生物相と栄養塩の改善を調べた。 コンポストは微生物を増大させ、有機物、水分、N、 P を増加した。特に貧栄養土壌ではトウモロコシ収 量は 208%、野菜は 168%増大した。 108)コンポストによる水田のメ タン発生抑制と乾燥砂質土壌 の改良 Leaungtiviroj, C. 竹野 健次 新川 英典 佐々木 健 2010 環境技術学会 vol.39(9), P235-239 コンポスト投与による水田からのメタン発生抑制 と乾燥砂土壌の改良を行った。水田からのメタン発 生の大幅抑制と砂土壌改良によるトウモロコシと 野菜の大幅収量増を認めた。コンポストで砂漠化防 止に役立てる技術も論述した。 109)Metals related to radionuclides and heavy metals removal using photosynthetic bacteria immobilized recovery type porous ceramic Sasaki, K. Hara, C. Takeno, K. Okuhata, H. Miyasaka, H. 2010 Japanese J Water Treatment Biology vol.46 (3), P155-159 回収型多孔質セラミックに光合成細菌を固定化し て放射性核種 U、Co、Sr 及び Cu、Hg、Cr、As の除 去を検討した。U、Co、Sr はそれぞれ 82%、58%、 95%除去された。Cu、Hg、Cr、As もよく除去され た。 110)Intlnence of pH, sucrose concentration and agitation speed on expolysaccaride production by Lactobacillus contusus TISTR1498 using coconut water as a raw material substitute Kuntiya, A. Hammoungiai, P. Techapun, C. Sasaki, K. Seesuriyachan, P. 2010 Maejo Internat J. Sci. Technol vol.4(2), P318-330 ココナッツミルク廃棄物を基質として、乳酸菌 Lactobacillus confuses を使って EPS(菌体外多糖)の 生産を行った。pH、スクロース、撹拌速度の EPS 生産に及ぼす影響を検討し、最大で 30 時間後に 38.2g/L の EPS が生産できた。 111)活性汚泥再基質化条件と可溶 化成分の関係 藤本 尚則 小堀 寿浩 溝口 隆 渡辺 圭太郎 佐々木 健 2010 日本水処理生物学会 vol.46(3), P155-159 アルカリ処理と汚泥磨砕機を組合せて活性汚泥の 可溶化において、可溶化液の蛋白質の成分を分析し、 活性汚泥中での生分解性について検討した。アルカ リ濃度が高いと蛋白質濃度が上昇し、生分解性が高 いことを明らかにした。 112)光合成細菌を用いたレブリ ン酸濃度, pH の最適化, およ び酸化還元電位の制御による 5−アミノレブリン酸の大量 生産 田中 亭 西川 誠可 渡辺 圭太郎 田中 徹 佐々木 健 2010 生物工学会誌 vol.88(12), P565-571 NTG で変異せた Rhodobacter sphaeroides CR-720 株 による光照射を行わない状態での 5-アミノレブリ ン酸(ALA)の生産を行った。CR-720 株で ORP を -150∼-100mV に制御した場合、52mM の ALA 生産 が可能となり、ジャーファーメンターによる低コス ト生産技術が確率された。 113)光合成細菌の排水処理, 農業, 医療への応用と機能性バイオ マスとしての役割 佐々木 健 2010 温故知新 No.47, P68-78 これまでの光合成細菌を用いた排水処理、農業およ び医療への応用をまとめた総説。重金属除去などへ の新しい応用についても論述している。また、光合 成細菌菌体を新しい機能性バイオマスとして健康 食品や家畜、ペット、動物へのサプリメントとして 活用を提言している。 14 114) Development of new excess sludge reduction systeme with combination of alkaline solubilization and high speed mixer Fujimoto, T. Mizoguchi, T. Watanabe, K. Sasaki, K. 2011 J.Japan Petroleum Institute vol.54(2), P57-65 アルカリ処理と高速撹拌ミキサーの組合わせで、低 コストで活性汚泥 50-90%を減容する我々の新規技 術について、特性、問題点を解説した。 115)Enhancement of water purification ability by combination of benthic animals, Trichoptera and reeds Phragmites Japonica or watercress, Nasturtium officinale Amakawa, T. Yasumitu, Y. Takeno, K. Sasaki, K. 2011 Japanese J. Wather Treatment Biology vol.47(1), P43-49 ヨシやクレソンと底生動物を組合せることで、人工 下水成分の浄化を促進させうることを室内実験的 に証明した。実際の河川でのヨシや底生動物の存在 で水質が改善されてゆく事実の検証となることが 推定された。 116)アルカリ処理と高速撹拌ミ キサーによる活性汚泥可溶化 へ及ぼす金属イオンの影響と 対策 藤本 尚則 奥濃 清貴 溝口 隆 渡辺 圭太郎 佐々木 健 2011 日本水処理生物学会 vol.47(2), P59-66 アルカリ処理と高速撹拌ミキサーの組合わせで活 性汚泥を減容する際、Ca や Na の存在で汚泥の可溶 化率が低減することを見出した。しかし、凝集沈殿 剤、PAL の適量添加で可溶化率が回復することを明 らかにした 117)ビタミン類添加による底泥 の有機質の浄化 奥畑 博史 杉野 伸義 宮坂 均 森川 博代 竹野 健次 佐々木 健 2011 環境技術学会誌 vol.40(12), P737-743 松永湾沿岸干潟の底泥にビタミン類(ビタミン B、 ニコチン酸、ビオチン)を添加すると、約 240 日後 に COD および強熱減量が 80%、70%に低減した。 また、乳酸生成活性の強いヘドロと組合せて添加す ると、最大 64%まで強熱減量が減少した。 118)細菌で放射能汚染を浄化す る−光合成細菌とセラミック による放射性物質の回収 佐々木 健 原田 敏彦 大田 雅博 2011 化学 vol.66(7), P57-60 光合成細菌の新規変異株(SSI 株)と廃棄ガラスか ら製造した多孔質セラミックとの組合せで、水中の 放射性物質、特にセシウム、ストロンチウムを回収 して放射性物質を除染できる技術開発を行った。 119)光合成細菌成分による放射 性核種の除去と海水の浄化 佐々木 健 森川 博代 竹野 健次 2011 生物工学会誌 vol.89(3), P110-112 光合成細菌変異株(SSI 株)と磁石で回収できるケ イ酸系多孔質セラミックで、放射性物質を除去でき る技術を解説した。さらに、光合成細菌の生産する 5-アミノレブリン酸で海水中の藻類の増殖を促進す ることで海水を浄化する技術を解説した。 120)An X−linked body color gene of the Frog Rana rugosa and its application to the molecular analysis of gonaded sex differentiation Miura, I. Kitamoto, H. Koizumi, Y. Ogata, M. Sasaki, K. 2011 Sexual Development vol.5(5), P250-258 岩国の白−黄カエルから性関連の色素遺伝子を初 めて単離した。この W 遺伝子は劣勢で、X−遺伝子 とリンクしていた。このカエルから Dmrt1 と Rspo1 が発現し、生殖線の性分化マーカーが Cyp17 や Cyp19 より優先することを見出した。 121)Chemical oxygen demand reduction usin lactic acid formig bacteria to treat river mouth sediment Okuhata, H. Miyasaka, H. Miura, T. Morikawa, H. Sasaki, K. 2012 Japanese J. Water Treatment Biology vol.46(2), P1-7 6 種類の乳酸菌を環境浄化剤、えひめ AI、大阪湾ヘ ドロ(熟成ヘドロ)から単離した。大阪湾から単離 した Ob 株は 4 週間で 30.4%ヘドロの COD を分解し た。えひめ AI からの Aa 株は 13.4%であった。Ob 株は Paenibacillus motobuensis と同定された。 122)Practical removal of radioactivity from sediment mud in a swimming pool in Fukushima, Japan by immobilized photosynthetic bacteria Sasaki, K. Morikawa, H. Kishibe, T. Mikami, A. Hrada, T. Ohta, M. 2012 Biosci. Biotechnol Biochem. vol.76(4), P859-862 福島市中の放射能汚染された水泳プールの底のヘ ドロの放射性セシウムを約 90%固定化光合成細菌 SSI 株で除去できた。水中には放射性セシウム、ス トロンチウムはほとんど存在なかった。ヘドロの放 射性セシウムは SSI 株の表面マイナスチャージとカ リウムポンプで取り込まれていると推定された。 123)Practical removal of radioactivity from soil in Fukushima using immobilized photosynthetic bacteria combined with anaerobic digestion and lactic and fermentation as a pre− treatment Sasaki, K. Morikawa, H. Kishibe, T. Takeno, K. Mikami, A. Hrada, T. Ohta, M. 2012 Biosci. Biotechnol Biochem. vol.76, submitted 福島の放射能汚染された土壌の放射性セシウムを 嫌気消化と乳酸発酵で前処理し、固定化光合成細菌 で処理する組合わせを考案した。土壌の約 70%の放 射性セシウムの除染に成功した。 124)Simulation removal of cesium and strontium using a photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeroides SSI immobilized on porous ceramic made from waste glass Sasaki, K. Morikawa, H. Kishibe, T. Takeno, K. Mikami, A. Hrada, T. Ohta, M. 2012 Japanese J. Wather Treatment Biology submitted 光合成細菌 Rhodobacter sphaeroides SSI 株を廃棄ガ ラスから試作して多孔質セラミックに固定化し、水 中のセシウム、ストロンチウムの同時除去を行った。 1L 当たり 4 個のセラミック投入で 3 日間でセシウム 約 100%、ストロンチウム約 60%の除去回収が可能 であった。屋外 1ton タンクの実証試験でも同じ結果 を得た。 15 Ⅱ バイオマスリサイクルシステムおよびバイオシステムの構築 1)畜産廃棄物からのバイオマ スリサイクルシステムの開 発 佐々木 健 渡辺 昭三 江本 美昭 木谷 俊秀 浜岡 尊 1986 広島電機大学 自動車工業短大 研究報告 vol. 19, P63-74 豚舎廃液をメタン発酵し、生成するメタンガスで発 電を行い、バイオマスを有効利用するシステムを効 率よく運転するための基礎シミュレーションを実 施し、本システムの運用の可能性を確認した。 2)粗悪なメタンガスによる自 動車用エンジンの燃焼に 関する基礎研究(第一報) 木谷 俊秀 渡辺 昭三 江本 美昭 佐々木 健 1986 自動車整備技術に関す る 研究報告誌 vol. 15, P24-30 自動車短大との共同研究 畜産廃棄物から得たメタンガスでエンジンを駆 動し、その動特性を検討した。44)の続報で、特に 自動車用に改変するためにベンチュリー開発など、 エンジンの改造手法について検討した。 3)豚舎廃液のメタン発酵をバ イオガスエンジンの動力 特性 佐々木 健 木谷 俊秀 江本 美昭 浜岡 尊 1987 農業施設 vol. 18(1), P38-46 豚舎廃液をメタン発酵し、生成するメタンガスでエ ンジンを運転した。ここではメタン発酵特性とガス の組成の関係、およびガス組成とエンジンの動特性 の解明を行った。 4)粗悪なメタンガスによる自 動車用エンジンの燃焼に 関する基礎研究(第二報) 木谷 俊秀 渡辺 昭三 江本 美昭 佐々木 健 1987 自動車整備技術に関す る 研究報告誌 vol. 16, P66-72 バイオガスのうち特に粗悪なガスで自動車用エ ンジンを駆動するための問題点につき種々検討 を行った。 5)広島カキの鮮度判定システ ム 浜岡 尊 佐々木 健 1990 養殖 vol. 27(2), P77-80 広島カキ鮮度を客観的かつ迅速的に見地するこ とを目的として、カキのエラの呼吸活性(SDH活 性)が鮮度と相関することに着目して、SDHとp H およびアンモニア濃度の三項目で鮮度を20分以 内に100点満点で表示しうるシステムを開発し た。鮮度判定にはファジイ理論を用い、判定点数が 専門家の官能による判定とほぼ一致させることに 成功した。 6)ファジイ理論を用いた広島 カキの鮮度判定システム の開発 佐々木 健 浜岡 尊 1992 日本ファジイ学会誌 vol. 4(1), P201-208 3年間にわたりカキのSDHおよびpHおよび アンモニア分析値と、ファジイ推論を用いた判定シ ステム評価の結果をまとめ、本ファジイ判定システ ムが客観的な判定手法であることを確認した。 7)広島カキ鮮度判定システム の開発 佐々木 健 浜岡 尊 1992 マツダ財団研究報告会 vol. 4, P111-118 筆者らの種々の報告をもとにした総説で、ファジ イ推論を用いた判定システムの開発について初 期の技術から応用までは論述した。 8)Development of a system for judging the freshness of raw oysters from Hiroshima using fuzzy reasoning Hamaoka, T Sasaki, K 1992 Japanese J. Fuzzy Theory and System vol. 4(1), P65-73 カキのSDH、pH、およびアンモニアを指標に して、カキの鮮度を判定しうるシステムを開発し た。 9)ファジイ推論を用いた生カ キの鮮度判定におけるチュ ーニングとその有効性 佐々木 健 岩永 千尋 片山 裕次郎 浜岡 尊 1993 日本ファジイ学会誌 vol. 5(6), P1439-1449 ファジイ推論を生カキ鮮度判定に利用する際の 前件部、後件部のチューニングを行い、より客観 的鮮度判定が行いうるよう前報の技術の改良を実 施した。 10)A tuning treatment and application of fuzzy reasoning to reshness judgment of Hiroshima raw oyster Sasaki, K Iwanaga, C Katayama, Y Hamaoka, T 1993 Japanese J. Fuzzy Theory and System vol. 5(6), P1009-1019 ファジイ推論を用いてカキの鮮度判定を行う場合 種々のチューニングを用いより客観的に判定がで きるようにシステムの改良を行った。 11)ファジイ推論による生カキ の鮮度判定 佐々木 健 岩永 千尋 浜岡 尊 1994 日本ファジイ学会誌 vol. 6(1), P14-23 生カキの鮮度判定におけるこれまでの4報をま とめた総説。 12)バイオとファジイ推論 佐々木 健 1994 食品工業 vol. 37(22), P33-46 バイオテクノロジー分野におけるファジイ理論の 応用の現状と問題点を総説した。特に農業、食品 分野の他に、発酵工業へのファジイ推論の応用に ついて総説した。さらに医療部門へのファジイの 応用についても論及している。 16 Ⅲ 水質評価および水処理に関する研究 1)光合成細菌による池水の浄 化 佐々木 健 行武 道雄 1987 魚病研究会 研究報告書 vol. 2, P13-17 光合成細菌を用いた養魚池の水質浄化について検 討し、特に有機物(COD)除去に利用しうることを 認めた。 2)池水の管理と光合成細菌 (PSB)について 佐々木 健 1989 魚病研究会 研究報告書 vol. 4, P13-18 養魚池の水質管理のシステム化を目的として、固定 化光合成細菌を用いた浄化試験を実施した。 その結果、COD、NO3 が効率よく除去しうる事を認 めた。 3)広島近郊の名水の水質とパ ーソナルコンピュータによる 名水判定 佐々木 健 岩原 正人 大槻 和男 丸山 誠 鈴木 洸次郎 1989 用水と廃水 vol. 31 (9), P804-811 広島近郊に分布する名水と言われる水の水質成分 を調査し、それらが硬度の低い軟水である事を明ら かにした。さらに、これらのデータをもとに名水の 判定基準を種々設定し、実際の官能試験の結果に合 致するようなパソコンプログラムを開発し、名水の 度合いが 100 点満点表示できる事を示した。 4)食品工業廃液活性汚泥処理 におよぼすサポニンの添加 効果 佐々木 健 岩原 正人 鈴木 洸次郎 1990 広島電機大学 広島自動車工業短期大 学研究報告 vol. 23, P129-137 食品工場廃液を活性汚泥法で処理するにあたり、サ ポニンを少量添加する事で MLSS,処理水 COD を 大きく低減する事ができた。 5)光合成細菌による閉鎖性池 水の浄化と脱窒による硝酸 イオンの除去 佐々木 健 橋本 剛太郎 林 東 鈴木 洸次郎 1991 水処理技術 vol. 32 (6), P315-321 固定化光合成細菌を用いて養魚池などの閉鎖性池 水を浄化する際の脱窒活性の重要性を主として検 討した。脱窒による硝酸イオンの除去が COD 除去 にも影響している事を明らかにした。 6)養魚池の水質と魚病 佐々木 健 橋本 剛太郎 1992 日鱗 vol. 91-12 (292), P24-31 養魚池の水質の魚病の関係をまとめ、養魚池の水質 の浄化法、および養魚名水の水質について論じた。 7)広島の5名水 佐々木 健 西村 良司 荒谷 昌弘 1992 日本地下水学会誌 vol. 34 (1), P45-52 広島地区の典型的な名水のうち5つを選び、その地 下水学的、水文学的特徴を論じた。水質と土質との 関係も論述した。 8)厳島(宮島)の名水 佐々木 健 西村 良司 荒谷 昌弘 1992 安芸 vol. 11, P4-22 宮島全域の名水調査を1年間継続し、その水質につ いて論じた。特に土質と水質および自然林の保全と 水質の関係についても論じている。 9)広島の名水と食文化 佐々木 健 1992 けんみん文化 vol. 9 (3), P2-5 広島に広く分布する名水の水質と広島の食文化に ついて論述した。上田宗箇流の茶道、もみじまんじ ゅう、お好み焼きなどはミネラル分の低い軟水で成 り立っている事を、水質分析値を基に考察した。 10)藻類培養試験を用いた簡易 名水判定法の開発 佐々木 健 小野 真弓 片山 裕次郎 渡辺 昌規 岩永 千尋 鈴木 洸次郎 1994 広島電機大学 広島自動車工業短期大 学 研究報告 vol. 27, P131-138 名水で馴養藻類培養液を種々の名水や汚染された 水に接種し、その増殖を見る事で名水の度合いを評 価する方法を開発した。藻類のよく増殖する水は有 機物が多く、名水では藻類の増殖は少なく、この手 法で化学分析を行うことなく、名水の度合いが推定 できる可能性を示した。 11)水質化学成分と官能検査に よるおいしさとの相関 佐々木 健 岩永 千尋 渡辺 昌規 鈴木 洸次郎 浜岡 尊 近藤 進 1996 日本農芸化学会誌 vol. 70 (10), P1103-1116 種々の名水、湧水、河川水の分析ときき水の結果を 重回帰分析による解析を行った。その結果、厚生省 おいしい水の要件による名水判定の妥当性を確認 した。 12)ファジイ推論を適用したお いしい水の判定 岩永 千尋 佐々木 健 1996 日本水環境学会誌 vol. 19 (3), P209-219 厚生省おいしい水の要件にもとづき、ファジイ推論 を用いて名水判定を行うプログラムを開発した。本 法によると官能試験によるきき水と、パソコン判定 がよく一致し、相関係数は 0.849**を得た。 13)広島の名水と食生活 佐々木 健 1996 広島文教食物栄養 研究会雑誌 vol. 14, P22-28 広島地方に分布する名水の水質について解説した。 さらに、我々が用いているファジイ推論による名水 判定法について詳述した。これら、軟水の名水と広 島の食生活との関わりを水質化学的立場から解説 した。 17 14)おいしい水の科学 佐々木 健 1996 MRC News (食品膜 技術懇談会誌) vol. 16, P116-122 近年注目されているおいしい水の評価方法につい て、筆者らの行っている研究を総説した。全硬度有 機物、鉄、重炭酸イオンが水の味に大きく影響して いることを示した。さらに、最近、進歩の著しい膜 利用浄水装置について検討した結果と、食品工業、 醸造工業における水質浄化膜利用の現状と問題点 について解説した。 15)瀬野川水系熊野川における ツルヨシ群落と水質浄化に ついて 保光 義文 松本 誠 佐々木 健 1997 水処理技術 vol. 38, P5-15 瀬野川支流熊野川に分布する葦(ヨシ)の水質浄化 作用について、底生動物調査および水質化学分析の 両面からの検証を行った。ヨシの分布する所では、 Pollution index, PP index ともに低い値を示し、また、 有機物の分析値も低下している事を認め、ヨシ群落 が水質浄化に寄与している事を明らかにした。 16)ファジイ推論および重回帰 分析による名水の判定 岩永 千尋 佐々木 健 1997 日本ファジイ学会誌 vol. 9 (3), P373-383 「厚生省おいしい水の要件」にもとづいて、先に重 回帰分析により確立した名水判定と、ファジイ推論 を適用することで、官能検査との相関ばかりでなく 推論誤差も良好な結果が得られ、ファジイ推論によ る名水判定の有用性を確認した。 17)Evalution of the quality of water using fuzzy reasoning and multiple regression analysis Iwanaga, C Sasaki, K Hamaoka, T 1997 Japanese J of Fuzzy Theory and System vol. 9 (3), P291-306 )の英語版、名水の判定について、ファジイ推論と 重回帰分析の有用性について確認した。 18)パソコンによる名水判定と 醤油醸造における水質 古林 万木夫 辻 安信 谷口 茂 佐々木 健 1997 日本醤油研究所雑誌 vol. 23 (2), P71-75 播磨地方に分布する名水の水質評価を行った。御所 清水や揖保川水系伏流水はきわめて清冽な名水で あった。このような高度の低い軟水でダシをとると、 ミネラル水に比べ、グルタミン酸やイノシン酸溶出 が促進され、味が引き立つ可能性を認めた。 19)おいしい水センサの開発 佐々木 健 浜岡 尊 1997 電気学会論文誌 E vol. 117-E (6), P302-305 おいしい水の定義について、我々の行っている重回 帰分析およびファジイ推論による名水判定法を解 説した。さらに、バイオセンサを用いて、名水、特 に醸造用名水の判定を行う手法について電気化学 的解析を行った。 20)名水の化学的成分と水質評 価 佐々木 健 1997 BIOINDUSTORY vol. 14 (5), P44-53 水質のより微妙な評価方法の確立を目的として、ま ず、重回帰分析およびファジイ推論でおいしい水が 評価できることを示した。さらに、バイオセンサー を用いて、水質の評価を行うための原理とセンサー 作動特性等基礎的な項目につき検討を行った。 21)錦鯉の飼育水と名水 ―PSB による池水の浄化― 佐々木 健 1997 日鱗 vol. 97-1 (353), P38-43 養鯉飼育水の水質の適正化、および浄化方法の確立 を目的として、種々の養鯉水の水質化学分析を行っ た。さらに、我々が長年研究している PSB(光合成 細菌)を用いた池水の脱臭についても解説した。 22)名水と水質評価 佐々木 健 岩永 千尋 1997 日本醸造協会誌 vol. 92 (10), P698-708 名水のおいしさや水質の微妙な評価方法について 著者らがこれまで行ってきた、重回帰分析およびフ ァジイ推論による方法を総説した。さらに、醸造用 名水の判別につき、バイオセンサーを用いた新しい 手法につき解説した。 23)隠岐の名水 佐々木 健 1997 日本地下水学会誌 vol. 39 (4), P343-350 隠岐4島に分布する名水の調査を行った。大部分が 硬度 50 mg/l 以下の軟水の名水であった。トリリニ アダイヤグラム解析の結果、名水の全てが、海上よ り飛散する塩分の影響をうけている可能性が示唆 された。 24)醸造用水質判定バイオセン サーシステムの開発 佐々木 健 岩永 千尋 竹野 健次 浜岡 尊 土屋 義信 1998 生物工学会誌 vol. 76 (2), P51-57 醸造用名水の判定システムの確立を目的として、固 定化酵母を用いたフロータイプバイオセンサーを 試作して、その作動特性を検討した。 25)美しい錦鯉を育てる養鯉池 水の水質 佐々木 健 竹野 健次 渡辺 昌規 永富 寿 2002 水処理技術 vol. 43 (3), P117-123 美しい錦鯉を飼育している多数の養鯉池水の水質 を調査した。その結果、野池は軟水であったが、展 示池はほとんど硬度 50-100 mg/l の中硬度水であっ た。 18 26)電磁鍋加熱中の水質変化 平塚 広 竹野 健次 渡辺 昌規 佐々木 健 2003 日本食品工学会誌 vol. 4 (3), P91-98 電磁鍋で水を加熱すると、硬度、pHが急速に上昇 し、従来のガス加熱に比べ、水質が急速に変化する ことを見出した。 これは、水由来の Ca, Mg が鍋表面に付着し、急速 加熱で再溶出するため、起こる現象であることを推 定した。 27)Effect of the rate of temperature increase on water quality during heating in electromagnetic and gas- heated pans Hiratsuka, H Sasaki, K 2004 Biosci, Biotechnol. Biochem. vol. 68 (4), P927-930 電磁鍋で水を加熱する時に起きる硬度、pHなどの 急激な上昇は、温度上昇速度と密接な関係にあり、 上昇速度が大きいと、LPG、LNG ガス加熱でも、こ れらの変化がおきることを認めた。 28)南部鉄瓶および外国製鉄瓶 による水道水の加熱と水質変 化 平塚 広 竹野 健次 佐々木 健 2004 日本食品工学会誌 vol. 5 (2), P105-111 南部鉄瓶で水道水を加熱すると、硬度、pHなどの 上昇は認められなかったが、外国製鉄瓶で加熱する と、南部鉄瓶に比べ、硬度や pHの上昇が著しく、 お茶のアミノ酸、タンニン酸溶出を阻害し、味覚を 損なうことが明らかとなった。 29)電磁鍋の加熱による水質変 化と調理への影響 平塚 広 竹野 健次 佐々木 健 2004 水処理技術 vol. 45 (7), P311-318 電磁鍋を急速加熱すると、硬度、pHの上昇など、 水質が急速に変化することを明らかにした。この水 質変化とダシの溶出について検討し、水質変化をし た後の水質では、グルタミン酸やイノシン酸の溶出 が阻害されたことを明らかにした。 30)Efficacy of electrolyzed waster as a primacy cleaning agent Fukuzaki, S Hiratsuka, H Takehara, A Takahashi, K Sasaki, K 2004 Biocontrol. Science. vol. 9 (4), P105-109 電解整水器で調整したアルカリ電解水で、ステンレ ス表面のゼラチンの除去特性を検討した。50-80℃で 温度上昇にともない、ゼラチン除去効果は増大し、 純水よりもはるかに効率は良かった。酸性水はリン 酸カルシウム除去に有効であった。 31)名水が興す地場産業 佐々木 健 2005 バイオサイエンスと インダストリー vol. 63 (3), P48-49 広島に広く分布する排水の食品工業、自動車半導体 産業への利用について解説した。特に、酒造、お好 み焼き、ワサビなど広島特産の食品と軟水の関係を 論じた。 32)Changes in water quality during heating in electromagnetic and gas heated pans and the relationship between water quality changes and temperature increase rate Sasaki, K Takeno, K Hiratuka, H 2006 Int. J. Food. Science. Technol. vol. 41, 425-434 電磁鍋の水質変化に関するこれまでの研究の総説 で、この水質変化が温度上昇速度に関係しているこ と、温度上昇の大きい LNG ガス加熱でも水質変化 がおきること、水の硬度が高いほど、変化は大きい ことなどをまとめた。 33)ヨシ原除去にともなう瀬野 川の底生動物および水質へ の影響 渡辺 晃久 保光 義文 竹野 健次 佐々木 健 2006 環境技術学会誌 vol. 35 (8), P596-604 瀬野川支流熊野川の河川工事が底生動物におよぼ す影響を調査した。工事後、一時的に底生動物がか なりダメージをうけたが、約6ヶ月で元の状態に回 復し、水質化学分析も同じ傾向を示すことを明らか にした。 34)名水とは ―名水鑑定の実際― 佐々木 健 竹野 健次 保光 義文 2006 水処理技術 vol. 47 (6), P269-278 名水とは何か。名水の水質はどのようなものかを筆 者らの 20 年の水質分析の結果から解明し、まとめ た。また、各業界で必要となる名水水質と高度名水 鑑定の必要性を記述した。 35)名水井戸を掘ろう 佐々木 健 竹野 健次 保光 義文 2006 全国さく井協会誌 vol. 324 (10), P13-21 名水とは何か。名水の水質はどのようなものかを詳 述した。さらに、名水の井戸をさく井する場合の高 度名水鑑定の重要性と課題についても論述してい る。 36)小規模川床工事にともなう 瀬野川の底生動物および水 質の変化と回復 保光 義文 渡辺 晃久 竹野 健次 佐々木 健 2007 環境技術学会誌 vol. 36 (8), P214-219 瀬野川中流域での小規模河川工事の底生動物への 影響を調査した。工事後、生物指標、PP、Pi は一時 的に悪化したが、約6ヶ月で、元の状態に回復する ことを認めた。 37)瀬野川水系熊野川における 天然ヨシ原川床の水質浄化 能力 保光 義文 竹野 健次 渡辺 晃久 新川 英典 佐々木 健 2007 環境技術学会誌 vol. 36 (8), P589-594 瀬野川支流熊野川において、天然ヨシ原河床の水質 浄化能力について検討した。天然ヨシ原も人工水路 実験と同じく、有機物、窒素、リンを同程度に浄化 している事を明らかにした。 19 38)熊野川における生活排水、 農業集落排水処理施設放流水 の底生動物におよぼす影響及 び天然ヨシ原川床による水質 浄化特性 保光 義文 渡辺 晃久 竹野 健次 新川 英典 佐々木 健 2007 日本水処理生物学会誌 vol. 43 (2), P63-71 熊野川に設置された農業集落排水処理施設放流水 の底生動物に及ぼす影響を 14 年間追跡調査した。 放流水放出により、一時的に悪化した PP、Pi、Bi、 種数は3年で回復し、特にカゲロウ目、毛し目が優 先するヨシ原は、水質浄化能力が高いことを明らか にした。 39)瀬野川および熊野川の年間 水質変化と水質特性解析 山岡 洋介 原 千尋 保光 義文 竹野 健次 佐々木 健 2008 環境技術学会誌 vol. 37(8), P586-591 熊野川、瀬野川の水質調査を1年間行った。上流の 団地の生活排水で汚れた水が流下するうち、ヨシ原 等で浄化される事を確認した。この時、スティフダ イヤグラム解析は、有機物汚染で使えない事を明ら かにした。 40)カキ殻を用いた活性汚泥の減 量 楠 敏明 遠藤 睦巳 溝口 隆 竹野 健次 新川 英典 佐々木 健 2008 日本水処理生物学会 vol. 44(3), P169-174 カキ殻を焼き固めたアクアボールを入れた活性汚 泥では、汚泥量が 3 割減少する事を見出した。アク アボール水抽出液でも同じ現象が起き、汚泥の呼吸 速度が増大した。 41)底生動物による名水といわれ る水の評価 佐々木 健 天川 卓也 竹野 健次 保光 義文 2009 環境技術学会誌 vol. 38(10), P727-734 底生動物による名水の評価を行った。名水にオビカ ゲロウやサイズの大きなヨコエビが第一優占で生 息する場合、清らかな名水と判定しうる事、サワガ ニ、ナミウズムシ、ヘビトンボ、カミムラカワゲラ が認められると、名水として判定しうる事を明らか にした。 42)ヒロシマの原爆献水の水質変 化と環境変化 森川 博代 細川 雄一 高田 幸子 竹野 健次 佐々木 健 2011 環境技術学会誌 vol.40(11), P198-207 ヒロシマの原爆献水の 22 年にもおよぶ定点観測の 中で、環境破壊による水質劣化が認められる例を示 した。例えば自動車道開通により、融雪剤の使用が 数年後に名水損失に結びついている例を明らかに した。 43)瀬野川における生物指標を用 いた下水道整備の評価 天川 卓也 竹野 健次 保光 義文 佐々木 健 2012 環境技術学会誌 vol.41(1), P48-52 瀬野川で下水道整備が進むにともない、1998 年から 2005 年の間水質改善が進行している事を明らかに した。汚濁指数は 1/2、生物指数は約 3 倍、多様性 指数は 2.5 倍、汚濁性生物比率は 1/3 程度に水質改 善された。 20 Ⅳ その他 教育関係 1 ) Vitamin B12 and chlorophyll production by a photosynthetic bacterium growing on propionate media Nagai, S Sasaki, K 1978 Symposium of Comme mortaring 25 Years Biochemical Engineering University of Pennsylvania (USA) P150-159 光合成細菌を用いたビタミン B12 やクロロフィル 生産に関する基礎的な知見を明らかにしたもの。 アメリカ、ペンシルベニア大の論文集。 2)Production of herbicides, 5aminolevulinic acid by a photosynthetic bacterium, Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Noparatnaraporn, N Nishizawa, Y Hayashi, M Nagai, S 1988 Annual Reports of IC Biotech. vol. 11, P375-378 光合成細菌 R. sphaeroides S による除草剤成分 ALA の生産における、菌体内 ALA 脱水素酵素および ALA 脱水素酵素の挙動と ALA の生産との関係を調 べた。 3)Production of 5-aminolevulinic acid (ALA) as a herbicide from swine waste by Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Noparatnaraporn, N Nagai, S 1989 Annual Reports of IC Biotech. vol. 12, P397-400 豚ぷん尿消化脱離液に光合成細菌を作用させ、除草 剤成分である5−アミノレブリン酸を生産するこ とを認めた。また、大量に生成しうる可能性も認め た。 4)帝国海軍水蓄式大油槽 佐々木 健 1989 歴史読本 vol. 32 (15), P192-194 旧海軍が呉市広町に建造した水蓄式大油槽の建造 技術史と広地区の地下水の歴史および現状を技術 史的視点で論述した。 5)Production of 5-aminolevulinic acid by the repeated addition of levulinic acid in photosynthetic culture of Rhodobacter sphaeroides Sasaki, K Noparatnaraporn, N Nichio, N Nagai, S 1990 Annual Reports of IC Biotech. vol. 13, P268-271 みかん外皮廃棄物のような農産廃棄物から ALA 生 産することを目的とし、レブリン酸の逐次添加法を 応用して、みかん外皮廃棄物から約 15 mM の ALA 生産が可能であることを示した。 6)鋼の応用腐食割れに関する 研究 Ⅰ ステンレス鋼の有機試薬に よる着色 鈴木 洸次郎 田丸 武好 大園 洋仁 河野 健次 佐々木 健 小田 奉剛 渡辺 昌規 1994 広島電機大学 自動車工業短期大学 研究報告 vol. 34, P61-67 ステンレス鋼の表面をフェナントロリン等の有機 試薬で着色することにより、鋼の応力腐食割れを早 期に発見する方法について提案した。 7)Production of distiller malt from cultivated in Thailand Techapun, C Poosaran, N Pukrushpan, L Watanabe, M Sasaki, K 2001 広島国際学院大学 研究報告 vol. 34, P61-67 タイ国で栽培された大麦によるウィスキー醸造が 試験された。出来た麦芽は高い糖化力、アミラーゼ 活性、低い麦芽損失を示し、ウィスキー醸造に適し ていると判定された。 8)バイオマスを利活用した木 質防水トレーの研究 山嵜 勝弘 中村 格芳 佐々木 健 遠藤 敏郎 2006 広島国際学院大学 研究報告 vol. 39, P47-53 プラスチックトレーの代替品として、間伐材の薄板 を利用したトレーの防水機能強化を検討した。有機 天然物の塗布により、機能増大が認められた。 9)クリヤー塗膜染色法による リサイクル性に富んだ新規 ガラスビン着色プロセス 山嵜 勝弘 中村 格芳 佐々木 健 遠藤 敏郎 2007 環境技術学会誌 vol. 36 (9), P660-664 クリヤー塗装した磨きガラスに塗膜染色を施す実 験を行い、種々の染色を焼きつけすることで、染色 性、退色性、光沢保持率、物理的性状を改善したリ サイクルビンの試作に成功した。 10 ) Application of the PlackettBurman screening design to a linoar model, the effect of spices and herbs on the growth of Amylomyces sp. Biot 181, Rhizopas sp. Biot 232, Saccharomyces sp. Biot 81 Seesuriyachan, P Sakayapinan, P Techapun, C Sasaki, K 2008 広島国際学院大学 研究報告 vol. 41, P1-11 Plackett-Burman 実験デザイン法を用いて 13 種のス パイスとハーブの微生物の生育に及ぼす影響を調 べた。7 種のスパイスとハーブが Amylomyces sp., Rhizopas sp.及び Saccharomyces sp.の増殖を阻害した。 シナモンが Saccharomyces sp.の増殖を促進した。 21