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肺パラコクシジオイデス症の 1 例

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肺パラコクシジオイデス症の 1 例
日呼吸会誌
●症
42(7)
,2004.
629
例
肺パラコクシジオイデス症の 1 例
五十嵐 毅1)
黒瀬 龍彦1)
板橋 孝一1)
中野 郁夫1)
岡本 賢三2)
佐野 文子3)
木村 清延1)
加地
浩1)
要旨:症例は 43 歳男性で,ブラジル在住の日系 2 世であり,2 年前に来日した.2003 年 5 月頃より,咳,
痰,労作時の息切れが強くなり近医を受診した.胸部レントゲンおよび CT 所見より肺結核を疑われ当院に
紹介され入院となった.胸部写真では両側に空洞を伴う網状影,浸潤影を呈しており,また喀痰中に結核菌
は認められなかった.喀痰,TBLB にてパラコクシジオイデスに特徴的な船の操舵様の多極性に出芽をみる
酵母型細胞をみとめ,さらに培養にて温度依存性の二形性を示す真菌が同定され慢性肺パラコクシジオイデ
ス症と診断した.イトラコナゾール 200 mg!
day の投与により,胸部レントゲン,臨床症状の改善を認め
た.本症例は日本で発症した肺コクシジオイデス症として貴重な 1 例と思われたので報告する.
キーワード:輸入真菌症,パラコクシジオイデス,慢性肺パラコクシジオイデス症
Imported mycoses,Paracoccidioidomycosis,Chronic lung paracoccidioidomycosis
行時の呼吸困難を自覚し,近医を受診.風邪薬を処方さ
はじめに
れ帰宅したが,発熱が持続するため胸部レントゲンを撮
パラコクシジオイデスは主に南米に生息し,風土病的
影し,両肺に広汎な網状影,空洞を伴う病変を指摘され,
に深在性真菌症を引き起こす,特に肺においては進行す
結核の疑いで当院を紹介された.初診時,会話のたびに
ると間質性病変,空洞形成を呈し,呼吸不全にいたると
咳が起こり,痰の喀出も見られた.
言われている.
入院時検査所見:身長 163 cm,体重 53.1 kg,血圧 102!
今回我々は本邦 18 例目となる症例を経験した.本症
62 mmHg,脈拍 77!
分・整,呼吸数 20 回!
分,
体温 37.3℃,
例の特徴は,病変が肺のみであること,また両肺に多発
結膜は貧血・黄疸なし,頸部リンパ節は触知せず,心音
性空洞,線維化を伴う進行例であり,これまで本邦にお
は整で心雑音なし,呼吸音は両肺より fine crackle を聴
いてはこのような報告はほとんどなく,貴重な症例と考
取した.腹部は異常なし.浮腫,バチ状指なし,チアノー
えられたので報告する.
ゼなし.
症
入院時検査所見(Table 1)
:ツ反は 10 mm×10 mm,
例
赤沈の亢進,CRP,WBC の上昇を認めた.真菌症関連
症例:43 歳,男性.
では β-D グルカン,カンジテック,アスペルギルス抗
主訴:発熱,咳,痰.
原,クリプトコッカス抗原はすべて陰性であった.また
既往歴:なし.
SP-D,KL-6 は高値であった.
職業歴:ブラジル在住(サンパウロ)の日系二世であ
入院時胸部レントゲン写真(Fig. 1)
:両肺にびまん性
り,2 年前に日本に出稼ぎに来日した.
ブラジルでは 1985
に中,下肺野を中心に広汎に網状影,浸潤影を認め,気
年から 7 年間養鶏場で働いており,その後はレストラン
管支壁の肥厚,小さな空洞を両肺に数カ所認めた.
で勤務していた.
生活歴:喫煙 20 本!
日,飲酒歴
入院時胸部 CT 所見(Fig. 2)気管支周囲の間質を中
なし.
現病歴:2003 年 5 月頃より,咳嗽,喀出痰,また歩
心に,多発性に炎症性の浸潤影を認め,濃度の強い部分,
弱い部分が混在し,また特に濃度の強い陰影の内部には
空洞形成が認められた.また下葉には網状影が patchy
〒068―0004 北海道岩見沢市四条東 16 丁目 5 番地
1)
岩見沢労災病院内科
2)
同 病理科
〒260―8673 千葉市中央区亥鼻 1―8―1
3)
千葉大学真菌医学研究センター
(受付日平成 15 年 10 月 20 日)
に存在していた.
TBLB 所見(Fig. 3)肺胞腔内には炎症性細胞,多核
巨細胞を伴う組織球の集簇もみられ肉芽腫を認めた.
喀痰所見(Fig. 4 a)
,TBLB 所見(Fig. 4 b)
(Grocott 染
色)大小不同が強い円形の,複数の胞芽(多極性出芽)
630
日呼吸会誌
42(7)
,2004.
Table 1 Laboratory data
ESR
CBC
WBC
Neut
Lym
Mono
Eos
RBC
Hb
Ht
Plt
T.bil
ZTT
92 mm/H
9,330 /mm3
72 %
21 %
6%
2%
419 × 104 /mm3
13.5 g/dl
41 %
45 × 104 /mm3
0.6 mg/dl
13.2
GOT
GPT
LDH
γ-GTP
T.Cho
TG
BUN
Cr
T.P
Na
K
Cl
Ca
Fig. 1 Chest radiograph of initial examination showing
interstitial shadow in bilateral lung with nodular, infiltrative or cavitary changes.
10
11
158
38
204
110
7
0.6
7.5
142
4.2
103
9.2
IU/l
IU/l
IU/l
IU/l
mg/dl
mg/dl
mg/dl
mg/dl
g/dl
mEq/l
mEq/l
mEq/l
mg/dl
FBS
CRP
HBsAg
HCVAb
IgE
HIVAb
β-D glucan
Aspergillus Ag
Cryptococcus Ag
ACE
SP-D
KL-6
96 mg/dl
5.9 mg/dl
(−)
(−)
30 IU/ml
(−)
5.3 pg/ml
(−)
(−)
13.3 IU/l
255 ng/ml
1,165 U/ml
Fig. 3 Histopathological analysis of transbronchial lung
biopsy(TBLB)specimens obtained from the right upper lobe showing inflammatory exudates and granuloma formation.(HE stain×50)
と思われる像を認めた.
臨床経過:入院後の数回の喀痰検査でも結核菌は認め
られなかった.一方,喀痰所見,TBLB 所見よりパラコ
クシジオイデス症を強くうたがった.ペニシリン・スト
マイ添加ポテト・デキストロース寒天平板培地を用いて
喀痰検体からの培養を行った結果,温度依存性の二形性
を示し,35℃ の酵母形は多極性出芽,25℃ では菌糸形
発育が観察され肺パラコクシジオイデス症と診断した.
治療および経過:イトラコナゾール(ITCZ)200 mg!
日の内服を開始し,1 週間後には咳,痰は入院時の 1!
3
まで減少した.胸部レントゲン写真の改善は緩徐であっ
Fig. 2 Chest CT scan showing dense, infiltrative shadow mainly on peribronchial interstitium, with cavitation. Reticular shadow was observed in lower lung
field.
た.内服一カ月後の胸部写真(Fig. 5)を示した.現在
は咳,痰はほぼ消失しており,外来にて内服治療を継続
中である.
考
察
パラコクシジオイデス症(PCM ; paracoccidioidomyco-
肺パラコクシジオイデス症の 1 例
631
sis)は主に成人男性に感染する中南米地域の風土病と
して知られている.PCM の分布はラテンアメリカにほ
ぼ限られ,とくにコロンビア,ベネズエラ,ブラジルに
多い.流行地以外の感染例は,これらの流行地に住んで
いたか,少なくとも 5 カ月以上の滞在者にみられている.
また緩徐に進行するため,流行地を離れてから発症まで
の期間は平均 15.3 年と長いのが特徴である1).
臨床症状の特徴は肺に病変を認める慢性肺パラコクシ
a
b
Fig. 4 Mycetocyte with multipolar budding like the
steerage of a ship, a characteristic of paracoccidioides
in sputum(a)and TBLB(b)
(
. Grocott stain×200)
Fig. 5 Chest radiograph two months after hospitalization, showing improvement by the treatment of ITCZ
Table 2 List of the reported cases of paracoccidioidomycosis in Japan
Case
Year
Age, Sex
7
1
28
39
1966
1967
1970
52・M
68・M
63・M
Brazil
Brazil
Brazil
410
511
1974
1984
48・M
34・W
Bolivia
Brazil
612
713
814
915
1016
1117
1218
1319
1420
1521
1622
1722
Our case
1990
1991
1991
1993
1993
1997
1997
1997
1999
1999
2002
2002
2003
47・M
49・M
39・M
56・M
57・M
54・M
57・M
40・M
44・M
52・M
38・W
55・M
44・M
Brazil
Paraguay
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
Brazil
P: pathology. B: bacteriology
Exposure
Involvement
Diagnosis
Treatment
Oral mucosa, lymph node
Oral mucosa, lymph node, lung
Oral mucosa, lymph node, skin,
lung, stomach
Oral mucosa, lymph node, skin
Lymph node, skin, liver, spleen,
bone
Oral mucosa, lymph node
Lymph node
Lymph node
Oral mucosa, lymph node
Oral mucosa, lymph node, lung
Oral mucosa, lung
Lymph node, skin
Skin, bowel
Oral mucosa, skin, lung
Oral mucosa, lymph node, lung
Oral mucosa, lymph node
Oral mucosa
Lung
P, B
P, B
P
Sulfadiazine
Antimycotic drug
AMPH-B
P
P, B
Sulfadiazine
AMPH, KCZ
P, B
P, B
P
P, B
P
P, B
P
P, B
P, B
P
P
P
P, B
AMPH-B, FLCZ
Antimycotic drug
5FC, FLCZ
FLCZ
ITCZ
AMPH-B, FLCZ
Sulfadiazine
ITCZ
ITCZ
Terbinafine
ITCZ
632
日呼吸会誌
ジオイデス症は非常に緩徐に進行し,咳,痰,体重減少,
42(7)
,2004.
感染組織内での Paracoccidioides brasiliensis の寄生形態
労作時息切れ,発熱などを呈し,進行すると肺線維化が
は球状の酵母様細胞で,多極性出芽により増殖する.娘
進行し重篤な呼吸不全を呈する.また皮膚粘膜リンパ節
細胞は細い頸管を介して,多極性に母細胞から出芽して
型は痛みの伴う潰瘍性の病変が口腔,咽頭,喉頭,鼻に
おり,あたかも船の操舵のような外観を呈する.この多
発症し,周囲に拡大し,周囲のリンパ節などが侵される.
極性出芽を示す菌細胞の証明が診断上必須である.
さらに全身性パラコクシジオイデス症は初感染巣より血
確定診断は,病変部から上記の特徴的な形態の酵母様
行性およびリンパ行性に肝臓,脾臓,副腎,骨などに感
細胞を認めること,また培養より証明することであるが,
染が拡大してゆくものである.本症例は慢性肺パラコク
培養は室温での発育は非常に遅いため難しく,当院で
シジオイデス症に相当するもので,両肺に広範囲に空洞,
行った培養では 40 日程の培養で菌体を証明した.この
網状影を認め,労作時息切れも呈しており,かなりの進
ような場合にはより専門の施設への依頼,今後発展する
行例と思われた.
分子生物学的な手法にも有用性が期待される.また本邦
日本においてこれまで PCM は 17 例報告されており,
では喀痰から培養された例は本症例の他には 1 例であ
年 齢 は 34 歳∼68 歳(平 均 50 歳)
,男 性 15 例,女 性 2
り,また TBLB より分離された例は本症例が始めてで
例と男性に多い2).男性に多い理由としては,パラコク
あるが,肺病変の進んだ症例の多いブラジルでは喀痰で
シジオイデスが細胞内に estradiol に対するレセプター
の真菌検査の有用性は極めて高く TBLB は不要と言わ
を有し,estrogen が胞子型(感染力が弱い)から菌糸
れている.したがって病歴,
胸部写真などから本症を疑っ
型(感染力が強い)への変化を阻害するためと考えられ
た際には,喀痰に対し Grocott 染色を行うなど,積極的
3)
ている .また多くが口腔皮膚粘膜リンパ節型であり,
に真菌検索を行うべきであると考えられる.
肺にも病変が認められた者は 6 例で肺のみに病変を認め
本症では原則的には,すべての患者に治療が必要とさ
た例はなく,この点では慢性肺 PCM としては本邦初と
れる.アムホテリシン B,イトラコナゾール,ケトコナ
考えられる(Table 2)
.
ゾール,フルコナゾールなどの有用性が認められている.
呼吸器の症状は非特異的であり,咳,膿性痰,進行す
ると労作時の息切れを生じるようになる.血痰がでるこ
4)
本症例では治療が長期におよぶため,副作用の少ないこ
と,さらに有用性の点からイトラコナゾール(200 mg!
とはまれである.Maachado Filho らによれば ,肺のみ
day)を使用した.内服後一カ月で臨床症状の著明な改
に病変の限局する者は 25% であり,これらの呼吸器症
善と共に胸部写真が改善されてくるのが観察されたが,
状は肺が最初に感染をうけたか,多臓器より感染を受け
本薬剤においても治療期間については明らかではないこ
たかにより異なり,前者がより呼吸器症状が強く頻度も
と,また再発の可能性も高いことが知られている.本症
多いと報告している.本症例は肺のみの感染であるが,
例は病変がすでに広範囲にわたっていること,また現時
初診時は少しの会話時にも咳が誘発され,労作時息切れ
点においても喀痰より菌体を認めることより,臨床症状
も強かった.
がほとんど消失していても,長期間内服を継続する必要
胸部レントゲン所見は小粒状影,浸潤影,線状影であ
があると考えられた.
る.小粒状影は 3 ミリ以下の小さな,辺縁明瞭な不均一
文
な濃度をもつ.線状網状影は慢性の炎症に伴う線維化に
よって起こる.
そして,多くの場合これらの所見は両肺に認められ,
中,下肺野に病変がつよく典型的な butterfly appearance を呈する場合もある.また肺尖部に病変が及ぶこ
とは少ない.空洞は 1!
3 の症例に認められ,通常は 5 mm
以下の小さな空洞が中肺野に多く認められる.4 cm 以
上の空洞も認められることがあるが,多くは単発で上肺
野に起こることが多い.また,治療におけるレントゲン
の改善は緩徐である.通常の治療では陰影の改善は 3 カ
月から 6 カ月までかかることがある5).これらは肺結核
献
1)Ajello L, Polonelli L : Imported paracoccidioidomycosis, A public health problem in non-endemic areas.
Eur J Epidemiol 1985 ; 1 : 160―165.
2)Kamei K, Sano A : The trend of imported mycoses
in Japan. J Infect Chemother 2003 ; 9 : 16―20.
3)佐野文子,西村和子,宮地 誠:パラコクシジオイ
デス症における性差の解明.日本医真菌学会雑誌
1999 ; 40 : 1―8.
4)Machado J, Miraanda JL : Consideracoes relatives a
blastomicose sul-americana. O Hospital(RIO)58 :
431―449.
に似ている部分も多く,実際肺結核との合併も 10% 程
5)Bethlem NM, Lemle A : Paracoccidioidomycosis.
度と言われている6).本症例では数回の喀痰検査,TBLB
Seminars in Respiratory Medicine 1991 ; 12 : 81―97.
所見,ツベルクリン反応の結果から肺結核の合併は否定
6)Brummer E, Castaneda E, Restrepo A : Paracoc-
的であると考えられた.
cidioidomycosis : an Update. Clin Microbiol Rev
肺パラコクシジオイデス症の 1 例
633
15)立石 毅,高瀬孝子,他:パラコクシジオイデス症―
1993 ; 6 : 89―117.
ブラジルよりの出稼ぎ労働者に認められた症例―.
7)中嶋 弘,角 温雄:南アメリカ分芽菌症の 1 例.
皮膚臨床 1996 ; 8 : 1841―1844.
日皮会誌 1966 ; 76 : 687.
16)鏡味 勝,冨岡玖夫:パラコクシジオイデス症.呼
8)立野誠吾,側見鶴彦,他:南アメリカ・ブラストミ
吸 1994 ; 13 : 453―456.
セス症の 1 例.真菌誌 1967 ; 8 : 229―233.
17)岡本 潔,音山和宣,他:パラコクシジオイデス症
9)岡島邦雄,金田象顕,他:南アメリカブラストミセ
におけるイトラコナゾール著効例.西日皮膚 1997 ;
ス症の 1 治験例.真菌誌 1970 ; 11 : 140―144.
59 : 508.
10)名嘉真武男,国吉光雄,蜂須賀裕志:南アメリカ分
18)南光弘子:輸入真菌症,MB Derma 1997 ; 6 : 51―59.
芽菌症の 1 例.真菌誌 1974 ; 15 : 214.
19)堀 雅子,森安椎一郎,他:早期に起炎菌を検出し
11)青木良雄,丸茂健治,他:南アメリカ分芽菌症
(Para-
た南アメリカ分芽菌症の 1 例.日臨微生物誌 1997 ;
coccidioidomycosis)
.感染症 1984 ; 14 : 197―200.
7 : 215―218.
12)梅野哲義,佐藤公則,他:口腔咽頭病変を来した南
20)畑 康樹,他:パラコクシジオイデス症の 1 例.日
アメリカ分芽菌症.耳鼻臨 1990 ; 83 : 1559―1564.
皮会誌 2000 ; 110 : 1307―1313.
13)中島善洋,藤田美春,他:リンパ節より分離した
21)金村弘成,他:口蓋に発症したパラコクシジオイデ
Paracoccidioides brasiliensis の一症例.臨床病理
(総
ス症の 1 例.日口腔外雑誌 1999 ; 45 : 521―523.
会号)1992 ; 40 : 419.
22)今 田 微 香,杉 本 恭 子,他:Paracoccidioidomycosis
14)甲 田 賢 治,喜 納 勇,他:Paracoccidioidomycosis
の 2 例.西日皮膚 2002 ; 64 : 62―66.
(SouthAmericanblastomycosis)の 1 例.病 院 病 理
1991 ; 9 : 42.
Abstract
A case of chronic pulmonary paracoccidioidomycosis
Takeshi Igarashi1), Tatsuhiko Kurose1), Kouichi Itabashi1), Ikuo Nakano1),
Kenzo Okamoto2), Ayako Sano3), Kiyonobu Kimura1)and Hiroshi Kaji1)
Division of Internal Medicine and 2)Division of Pathology, Iwamizawa Rosai Hospital
1)
4 jo-east 16―5 Iwamizawa, Hokkaido, 068―0004, Japan
3)
Research Center for Pathogenic Fungi and Microbial Toxicoses, Chiba University
1―8―1 Inohana, Chuo-ku, Chiba 260―8673, Japan
In a 43-year-old Japanese Brazilian who came to Japan in 2001, since subjective symptoms such as cough, sputum, and dyspnea on exertion had become severe, he was referred to our hospital because of suspicion of pulmonary tuberculosis in chest radiography and CT findings. A chest radiograph of initial examination showed interstitial shadows in both lungs with nodular, infiltrative or cavitary changes. No Mycobacterium tuberculosis was found.
The mycetocyte with multipolar budding resembling the steerage of a ship, which was characteristic of Paracoccidioides was observed in sputum and transbronchial lung biopsy specimens. We cultured a fungus to show dimorphism of temperature dependency, and a diagnosis of chronic lung paracoccidioidomycosis was arrived at. By
administration of ITCZ 200 mg!
day, the chest radiography findings and clinical manifestations were improved.
This case seems to be worthy of reporting in Japan since the affected site or organ was limited to the two lungs
with multiple cavitary lesions and fibrotic changes on radiographic examination, and final diagnosis was made by
cytology of sputum and pathology of TBLB specimens.
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