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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University

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Twinkle:Tokyo Women`s Medical University
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慢性下顎骨骨髄炎の3症例
阿部, 廣幸; 遠藤, 桂子; 田中, 緑; 三宮, 恵子; 桑澤, 隆補; 扇内, 秀樹; 河西, 一秀
東京女子医科大学雑誌, 55(4):406-418, 1985
http://hdl.handle.net/10470/5502
Twinkle:Tokyo Women's Medical University - Information & Knowledge Database.
http://ir.twmu.ac.jp/dspace/
6
6
(東 女 医 大 誌 第 5
5巻 第 4号
)
頁 4
0
6
4
1
8 昭和 60年 4月 j
臨床報告
慢性下顎骨骨髄炎の 3症例
東京女子医科大学 歯科 ・口腔外科 (
部長:河西一秀教授〕
ヒロユキ
アベ
エンドウ
ケイコ
タナカ
阿部贋幸・遠藤桂子・田中
オギウチ
桑 津 隆 補 ・扇内
ミドリ
サングウ
ケイ コ
緑・三宮恵子
ヒデキ
秀樹 ・河 西 一 秀
(
受 付 昭 和6
0年 1月2
6日)
はじめに
口腔外科領域における炎症性疾患は口腔衛生の
向上ならびに化学療法剤の進歩,普及により重篤
な症例は減少しているが,その 一方,臨床でしば
しば遭遇する化膿性炎症は抗生物質が発達した現
在でも臨床的,細菌学的に種々な問題を呈示する.
なかでも慢性下顎骨骨髄炎は保存的療法での完治
が困難で長期の経過をたどることが多い.最近私
達は,各々異なった臨床像を呈する慢性下顎骨骨
髄炎の 3症例を経験したのでその概要を報告す
る
症 例I
患者 :K
.O
.5
8歳,女性.
初診-昭和5
8年 9月 9日.
主訴 :右顎下部よりの排膿.
写真 l 症例I.初診時顔貌所見 (
正面)
既往歴 :高血圧症にて降圧剤の投与を受けてい
され来院した.
る.
家族歴 ・特記事項なし .
現症
現病歴 :昭和 5
8年 5月初旬頃,右下顎角部の腫
全身所見 :体格中等度,栄養やや不良,体温
脹と開口障害のため某歯科を受診し,つ円部の切開
および抗生物質の投与を受ける. 6月 7日事百否l
3
5
.
9
"
C,脈拍 6
2/
min,血圧 162-90/
mmHg.
口腔外所見 :顔貌は左右非対称性で,右下顎角
2-3日
部にび慢性の腫脹を認める.表面皮膚は健康色を
抜歯嵩からの排膿と,右下顎角部の腫脹
後よりす1
呈し,波動は認められず,硬結,圧痛を認めた (
写
2日右顎下部に外歯震
が著明となり,さらに 6月2
真1).右顎下部には 1
0X1
2
m m大の外歯痩を認
をも認めた.その後局所の洗浄および抗生物質の
め,粘調性,帯黄色の排膿を認め,周囲皮膚は発
投与を受けるも,症状の消退を認めず当科を紹介
赤し ,硬結,圧痛を認めた (
写真 2).所属リンパ
のブリッヂ除去,引の抜歯を受けるも,
H
i
r
o
y
u
k
iABE,KeikoENDO,M
i
d
o
r
iTANAKA,KeikoSANGU,TakahoKUWASAWA,H
i
d
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k
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OGIUCHI a
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KAWANISHD,Tokyowomen'sM
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ec
a
s
e
s
-406ー
6
7
写真 3 初診時口腔内所見
初診時顔貌所見 (
右側面〕
写真 4 初診時 X線所見 (オノレソ パン トモグラム 〕
a
b
n
o
r
m
a
ld
e
p
o
si
tを認めた (写真 5
)
.
一般検査所見
白血球の増加,左方移動,
CRP
の上昇,赤沈の允進, A/
G比の低下と小球性の鉄
欠乏性貧血を認めた(表1).
外歯痩部所見
臨床診断 :慢性下顎骨骨髄炎.
写真 2
処置および経過 :9月 9日入院.鉄剤の経口投
La
tamo
x
e
fの点滴静注,局所洗浄を行なうも ,
宿所見は,右顎下リンパ節に大豆大 1個を触知し ,
与
,
汀動性で圧痛を認めた.
7
1
按歯寓,外歯痩からの排膿などの症状が改善さ
口腔内所見
7 甘
ι
れないため, 1
0月1
2日全麻下に腐骨除去掻腿術を
が欠損し,清掃不良で
765
1 6
施行した.術中所見は痩孔部,下顎角部の骨は吸
1臭を認める .引抜歯嵩は粘調性,帯黄色の排膿
収しており,一部慢性炎症を思わせる肉芽組織を
k認め,周囲歯肉は発赤,圧痛を認めた (写真 3)
.
認めた. 肉芽組織と腐骨を除去した骨面は凹凸不
司口障害はほとんど認められない.
抜:歯嵩は索状
整であるが平滑であった.痩孔とすl
:
7
1
抜歯嵩より下顎管から下顎下縁ま
物で連なり,引部舌側骨は一部吸収を認めたが,
?の境界やや不明瞭な透過像と,下顎下縁には腐
同部以外の舌側骨は正常と思われた.下顎枝部で
X線所見
干を思わせる不透過像を認め,下顎枝部では下顎
は管状の骨欠損を認め,炎症組織と思われる組織
主中央におよぶ虫喰い状,び慢性の境界不明瞭な
で満たされていたが,内面は平滑であった (
写真
E
過像を認めた (
写真 O.
6
)
.また震孔部の骨吸収部に一部病的骨折線を認
めたためミニプレートによる固定を行なった (
写
骨 シ ン チ グ ラ ム 所 見 :右下顎骨,右上顎に
4
0
7ー
68
表 l 症例 I 一般検査所見入院時
Na
血液,一般
赤血球
4.23X l
O
'/mm3
4
.
6
K
11.2X
1
0
3
/mm
3
血色素
1
0
.
2
g
/
d
l
ヘマトクリット
3
0
.
8
%
MCV
1
1
2
.
9
μ
3
蛋白
MCH
2
4
.
2
r
r
糖
孔
t
J
:
CHC
3
3
.
2
%
ウロビリノーゲン
36.4X
3
10'/mm
潜血
Seg
6
9
.
5
%
Eos
4
.
5
%
HB抗 原
Baso
1
.5
%
梅毒血清反応
白血球
C
I
4
.
5
P
pH
比重
白血球分類
ABORh
1
.5
%
緒方法
Lym
2
3
.
0
%
凝集法
出血待問
2
.
3
町
凝固時間
7
.
3
百
Mono
l
l
n
l
l
n
6
.
8
1
.2
1
6
+ー
1
.0
1
1
B型 Rh(+)
血清免疫学
ASLO
T.P
CRP
g
/
d
l
32>
2+
赤沈
GOT
1
4
KU
1
5分 値
1
7
GPT
1
0
KU
3
0分 値
4
4
LDH
1
5
1
6
0分 値
mU/ml
8
2
ALP
8
.
0
KAU
心電図
異常なし
ZTT
5
.
6
KU
肺機能
異常なし
TTT
1
.8
KU
尿素 N
総ピリノレビン
総コレステローノレ
1
8
。‘
‘。3
1
0
8
m
g
/
d
l
ガラス板法
生化学
A/G
mEq/1
mEq/1
1
0
5
尿検査
赤血球指数
血小板
mEq/1
1
4
3
KU
mg/dl
mg/dl
真7).術後経過は良好で現在外来で経過観察を行
物質には高い感受性が認められた(表2).
症 例1
1
I
なっており再発傾向は認めていない.
患者 :K
病理組織学的所見:血管増生を併う好中球を主
とする炎症性細胞浸潤がみられ,慢性下顎骨骨髄
初診:昭和5
印9
年 2月口
1
7日.
.
炎と診断した(写真 8)
主訴:開口障害.
細菌学的検査所見:術前より細菌検査のため膿
汁を採取し培養を行なったところ,主にグラム陰
既往歴:高血圧症にて降圧剤の投与を受けてい
る
a
c
t
e
r
o
i
d
e
s属が検出され,薬剤感受性
性梓菌の B
家族歴:特記事項なし.
検査では現在主に使用されているセフェム系抗生
9
年 2月初旬,某歯科にて比五の
現病歴:昭和5
-408
6
9
写真 7 術後 X線所見 (オノレソパントモグラム 〉
(
正面)
0
0)
写真 8 病理組織学的所見 (x4
障害が高度で口腔診査を充分できず,
(
右側面〉
写真 5 9
9
m
T
c.MDP骨シンチグラム 所見
X線検査を
受けたが原因不明とされ,抗生物質の投与を受け
当科を紹介され来院した.
現症
全 身 所 見 :体格中等度,栄養やや不良,体温
3
6
.
6
'
C,脈拍 9
0/
min,血圧 1
7
0-100mmHg.
口腔外所見 :顔貌は左右非対称性で,左耳下腺
部から下顎角部にかけてび慢性の腫脹を認める .
表面皮膚は健康色を呈し,波動は認められず,強
所属リンパ節所見は,
度の圧痛を認めた〔写真 9).
特に異常は認めなかった.
口腔内所見
全歯牙に辺縁性歯周炎を認め,清
1
7
部頬側歯肉にび慢性腫
掃不良で口臭を認める .
脹と圧痛があり,同部遠心部よりやや粘調性,黄
写真 6 術中所見
5
c
m 挿入可能で
白色の排膿を認め,ゾンデ約 1.
あった.同側歯牙の打診痛は認めない.耳下腺か
治療を受けた.数日後より左頬部に自発痛を認め,
同部の腫脹と開口障害が出現した.その後症状の
らの唾液分担、には左右差は認めない.関口障害は
変化がないため,近隣の某歯科を受診したが開口
高度で,関口度は 5
m mであった.
4
0
9
回(臼付〕
細菌
抗生物質
1
(
9
/
9
)
2
(
9
/
1
2
)
3
(
9
/
1
9
)
4
(
9
/
2
8
)
判+
十
仲
→
十
十
什
十
件
+
MINO
十
仲
+
仲
十
件
CEZ
十
件
十
CFX
+
什
斗
十
l
H
-
-32c
+
十
CTX
(
+
)
+
十
件
〔
廿
十
〕
+
十
+
什
+
什
+
什
+
仲
十
什
十
件
+
十
十
廿
十
(
f
t
十
〉
村
十
十
十
十
件
十
什
+
十
LMOX
十
仲
CZX
十
仲
+
仲
十
件
CLPM
+
村
十
廿+
+
十
←
十
件
十
仲
+
什
+
什
十
件
+
仲
十
十
+
十
件
+
仲
十
件
CCL
十
什
+
十
性
1
0(
10
/
1
7
)
抜歯寝からの
Pus
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p
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c
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1
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1
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件
廿
十
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1
3
)
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十
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(
1
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十
件
十
仲
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7
(
1
0/
7
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6
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1
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/
6
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c
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B
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N
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町l
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r
a
n
m
o
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*
B
a
c
t
e
r
o
i
d
e
s
gemcs
meranmogemcs
LCM
CMZ
5
(
1
0
/
4
)
吋C
表 2 症例 I 細菌学的検査所見,主なる抗生物質
IPABPC
CTM
D
r
i
p
車
告
抗 経口
十
什
LMOX
(
9
/
9
9
/
1
82
g
/
d
a
y
)
IPABPC
LMOX
》
直
?
t
(
9
/
1
9
1
0
/
32
g
/
d
a
y
)
CCL
(
10
/4-10/252
g
/
d
a
y
)
(
9
/
9
1
0
/
5L5
g
/
d
a
y
)
MINO
《
(
1
0
/
8
1
0
/
2
1200mg/day)
*にて薬剤感受性検査
( )は不完全阻止
'
7
1
写真 9 症例
I
I
. 初診時顔貌所見
写真 1
1
X線所見
(トモ グラム
〉
0 初診時 X線所見 (オノ
レソパン トモグラム )
写真 1
X線所見 :オルソパ ン トモ グラムでは庁部遠心
より下顎関節突起にまでおよぶ辺縁不整の虫喰い
状の不均一な透過像が認められ(
写真 1
0)
, トモグ
ラムでは下顎枝に辺縁不整な透過像が認められた
(
写真 1
1).左耳下腺造影像では特に異常所見は認
写真 1
2 左耳下腺造影像所見
2
)
.
めない (
写真 1
超音波撮影所見
左 耳 下 腺 内 に 巾 約1
c
mの
臨床診断 :慢性下顎骨骨髄炎.
h
y
p
o
e
c
h
o
i
cな病変が数個認められ,耳下腺と岐筋
処置および経過 :3月1
6日外来にて 口腔内 より
の境界に一部病的欠損があり暁筋の肥厚が認めら
腐骨除去術を施行した.骨質は脆弱で鋭匙にて容
3
).
れた (
写真 1
易に掻胞でき,小豆大から大豆大の腐骨を数個摘
一般検査所見 :白血球の増加,左方移動,赤沈
の充進, CRPの上昇, A/
G比の低下が認められた
(
表 3)
.
2m m
出した.その後経過観察していたが,関口度 2
など症状軽快 しないため, 3月3
1日入院.C
e
f
o
p
e
r
.
a
zo
n
eの点滴静注,局所洗浄を行ない, 4月 12日全
-411-
7
2
表 3 症供uII-般検査所見初診時
Na
血液,一般
赤血球
4.36X10'/mm'
K
白血球
9
.
9 X10'/mm'
C
l
血色素
1
3
.
2 g
/
d
l
ヘマトクリット
4
0
.
5 %
1
4
2
1
0
5
P
3
.
2 mg/dl
pH
6
+
乱1CV
92.8μ3
MCH
3
0
.
3
MCHC
3
2
.
7 %
ウロビリノーゲン
4
3
.
3 X10/mm'
潜血
蛋白
r
r
糖
4
6
4
1
%
%
HB抗原
%
梅毒血清反応
Mono
8
%
緒方法
Lym
2
7
%
凝 集j
法
Baso
出血時間
2
.
0 mm
凝固時間
1
0
.
0 mm
0型 RhCート)
ABO Rh
。
Eos
ガラス板法
血清免疫学
-
ASLO
生化学
T.P
7
.
1 g
/
d
l
A/G
0
.
7
7
+
1
.0
2
7
比重
白血球分類
Seg
4十
CRP
赤沈
GOT
1
6
KU
1
5分値
4
2
GPT
1
2
KU
3
0分 値
8
4
LDH
3
0
9
6
0分 値
mU/ml
1
1
8
ALP
9
.
8 KAU
心電図
異常なし
ZTT
4
.
0 KU
肺機能
異常なし
TTT
0
.
3 KU
尿素 N
総ビリノレピン
総コレステローノレ
mEq/1
尿検査
赤血球指数
血小板
mEq/1
3
.
9 mEq/1
1
2
.
4 mg/dl
0
.
5 mg/dl
1
6
0
mg/dl
麻下に再度腐骨除去術を施行した.その後は経過
o
i
d
e
s属が検出されている.感受性検査では主に
良好のため外来にて経過観察している.
使用されている抗生物質には高い感受性が認めら
病理組織学的所見:骨髄腔内に化膿性炎症像お
れた〔表4).
症例 I
I
I
よび壊死巣を認め,慢性下顎骨骨髄炎と診断した
患者:C.W.2
9歳,女性.
4
)
.
(写真 1
細菌学的検査所見
1, 2回目の検査では主に
初診:昭和5
7年 7月 9日.
グラム陽性球菌の S
t
r
e
p
t
o
c
o
c
c
a
c
e
a
e科
, P
e
p
t
o
s
-
主訴:右下顎骨骨体部終痛.
t
r
e
p
t
o
c
o
c
c
a
c
e
a
e科などが検出されており, 3,5
回目の検査では主にグラム陰性梓菌の B
a
c
t
e
r
-
既往歴・家族歴:特記事項なし.
現症歴
4
1
2
2年前に某歯科にて否百司のブリッヂ
7
3
写真 1
3 超音波撮影所見
写真 1
4 病理組織学的所見 (x2
0
0)
を装着した日より,司部に軽度の痔痛を自覚して
いたが放置していた.その後同部の終痛がしばし
ば発現するので,某大学病院にて引の治療を数回
7
年
受けるも症状が消退しないため,昭和 5
写真 1
5 症例 I
II
. 初診時顔貌所見
5月中
旬某歯科にてすl
の抜歯を受け根尖病巣を指摘され
骨体部に境界明瞭な骨様硬の鶏卵大の腫脹を認め
た.しかし痔痛は消失しないため当科を紹介され
圧痛を認めた .表面皮膚は健康色を呈しており,
来院した.
右下歯槽神経領域に麻癖感を認めた.所属リンパ
現症
節所見は,右顎下リンパ節に可動性の大豆大 l個
全身所見 ・体格中等度,栄養良好,体温 3
6
.
4
'
C,
を触知したが圧痛は認めなかった(写真 1
5)
.
脈拍 7
2
/
min,血圧 1
1
0一 70mmH
g
.
口腔内所見 :"1司が欠損,清掃やや不良である.
口腔外所見 :顔貌は左右非対称性で,右下顎骨
-41
3
7
τ司部頬側に骨様硬の腫脹を認め圧痛を認め
7
4
表 4 症例 I
I細菌学的検査所見,主なる抗生物質
回(日付〉
:
i
ミ
1
(
2/
2
0
)
徴好気性の
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は全抗生剤に∞の阻止円
にて薬剤感受性検査
る.粘膜色は健康色を呈していた.開口障害は認
顎下縁部には骨硬化像と骨増生像を認めた(写真
1
6
)
. トモグラムでは,下顎骨骨体部に辺縁不整な
めなかった.
X線所見:オルソパントモグラムでは,下顎骨
骨体部,下顎角部につ円部より下顎下縁まで下顎管
を含む境界不明瞭な虫喰い状の透過像を認め,下
-414ー
7
)
.
不均ーの透過像を認めた(写真 1
骨シンチグラム所見:右下顎骨骨体部に明らか
8
)
.
な abnormaldepositを認めた〔写真 1
/
'
;
)
一般検査所見 .特に異常所見は認めない(表
5)
.
臨床診断
巣部と思われる部位を試験穿骨した標本より慢性
骨髄炎との診断を得た.その後患者の都合で化学
療法続行し,昭和 5
8
年 4月 5日入院
慢性下顎骨骨髄炎.
処置および経過 :昭和5
7年 8月 4日外来にて病
7日全麻下
に腐骨除去掻腿術を施行した.下顎骨皮質骨部は
硬化性で内外下方に増生していたが,骨髄部は容
易に鋭匙で掻胞できた.下顎管は一部狭窄してお
り,下歯槽神経を圧迫していた.その後経過良好
で現在は外来にて経過を観察している .
病理組織学的所見 :好中球を主とする炎症性細
胞浸潤がみられ,慢性下顎骨骨髄炎と診断した(写
真1
9)
.
考 察
近年,多くの化学療法剤,抗生物質の進歩,
口
腔衛生の向上により口腔外科領滅における重篤な
感染症や急性顎骨骨髄炎は減少しているが,その
写真 1
6 初診時 X線 所 見 (オノレソパントモグラム )
写真 1
7 X線 所見 ( ト モ グ ラ ム 〉
(
正面〕
(
右側面〕
写真 1
8 99mTc_MDP骨 シ ン チ グ ラ ム 所 見
- 41
5ー
76
表 5 症例U
I
I
I
-般 検 査 所 見 初 診 時
1
4
1
Na
血液,一般
赤血球
3.91X10'/mm'
K
白血球
3
6
.
0 X10
/mm'
C
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血色素
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ヘマトクリット
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.
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1
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3
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6
pH
赤血球指数
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9
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3
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3
3
.
5 %
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2
2
.
2 X104/mm'
潜血
血小板
mEq/l
4
.
6 m
Eq/l
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蛋白
2
.
1
比重
白血球分類
0.1-1
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Seg
5
0
%
Eos
3
%
HB抗 原
Baso
1
%
梅毒血清反応
Mono
3
%
緒方法
Lym
4
3
%
凝集法
出血時間
2
mm
ガラス板法
凝固時間
8
mm
ABO Rh
B型 Rh(+)
血清免疫学
ASLO
生化学
T.P
6
.
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A/G
1
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CRP
赤沈
GOT
1
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1
5分 値
5
GPT
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3
KU
3
0分 値
1
8
LDH
2
2
1
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6
0分 値
5
0
ALP
4
.
4 KAU
心電図
異常なし
ZTT
7
.
6 KU
肺機能
異常なし
1
.
2 KU
TTT
1
5
.
1 mg/dl
尿素N
総ピリノレビン
総コレステロール
0
.
4 mg/dl
1
7
0
mg/dl
一
X線写真で異常所見が明瞭に表れない骨疾患
一方慢性下顎骨骨髄炎は抗生物質が発達,普及し
め
,
た現在でもしばしば遭遇する.
や骨髄炎の予後の判定に有用である 4)とされてい
慢性下顎骨骨髄炎の分類について Thoma は
1
)
臨床的に原発性と続発性に
K
i
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yと Kayら2)は
病理学的に骨反応の面から硬化性と化膿性に大別
している
骨髄炎の X線診断は骨に透過像や骨膜反応が出
る.硬化性骨髄炎の臨床診断は困難で, しばしば
X線 所 見 と 手 術 所 見 が 相 反 す る こ と が あ り ,
Waldroge15)は骨髄炎の X線診断が臨床,病理組織
学的診断および手術所見と一致した症例は 55%に
しかすぎなかったと述べている.
現する以前は困難であるめが, 9
9mTc_MDPによる
骨シンチグラムは骨代謝部に敏感に反応するた
1
)は歯性,外
顎骨骨髄炎の原因について, Thoma
傷性,血行性,放射線障害,薬物性などに分類し,
416-
7
7
局所的要因として口腔衛生の不良があげられる .
現病歴から考えると慢性的に感染を受けていたと
思われる炎症が,抜歯を契機に亜急性的臨床像を
呈し,化学療法剤により慢性化したものの診断の
不徹底により,腐骨の形成,外歯痩の形成などの
結果を招いたものと思われ,臨床的には続発性の
骨髄炎であり,細菌学的にはグラム陽性菌,陰性
菌の混合感染の化膿性の骨髄炎と思われる .症例
I
Iは歯周組織の炎症が原因と思われ,宿主側の全
身的要因の高血圧症,局所的要因の口腔衛生の不
写真 1
9 病理組織学 的所見 (x2
0
0)
良などにより,下顎骨骨体部ならびに下顎枝部の
骨膜に膿蕩を形成し岐筋が排膿を妨げ開口障害が
なかでも歯性感染によるものが最も多いと述べて
出現したもので,その結果食物摂取困難により
いる .すなわち慢性根尖病巣,歯周組織の炎症,
A/
G比の低下を招いたものと思われる .さらに長
抜歯後の感染による症例が大半でありへこれら
時間にわたる骨膜下の膿貯留による血液供給の不
の病巣がなんらかの刺激により骨髄に進展する
足により,腐骨を形成したものと思われ,臨床的
と,炎症性穆出物のため感染に直接影響されない
には続発性の骨髄炎であり,細菌学的には症例 I
血管も圧迫されて虚脱が起こったり,静脈血栓に
と同様混合感染で化膿性の骨髄炎と思われる .本
,
よる虚血の部位が拡がり骨髄内病変が拡大 7)し
例のような臨床像を呈する場合には トモグラム ,
ま た 病 原 菌 が Ha
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n管 や Vol
kman管 に
耳下腺造影,超音波撮影などは有用性を増し,積
沿っ て,周囲へ侵入し病巣を拡大していく.
極的に活用すべきであると考えられる .症例 I
I
I
顎骨骨髄炎の起炎菌については,黄色ブドウ球
は根尖病巣を持つ歯牙の抜歯を契機に炎症が骨髄
X線所見,手術時所見
菌が圧倒的に多いとされている 8.9)が,近年,逆に
におよんだものと思われ,
グラム陰性菌,放線菌など口腔に常在する弱毒菌
でも骨硬化,骨増生を認めており硬化性の骨髄炎
の感染による難治症例が報告されている叩 Oト 13)
と思われる.しかし臨床的には原発性か続発性か,
口腔外科領域の感染症を増悪させる,あるいは治
また骨シンチグラム所見での明らかな集積,病理
癒を遅延させる宿主側の考慮すべき影響因子とし
組織学的所見での高度な炎症性細胞浸潤像などか
ては,水が飲めないことによる脱水,発熱による
ら,硬化性でも化膿性のものが時間経過のために
脱水,食物撰取困難による 栄養状態の低下などや,
硬化性のような臨床像を示したとも考えられる .
また全身的原因としての基礎的疾患の有無があげ
なお 3症例を通じて宿主側の局所的要因,特に口
られ,感染抵抗力が低下した状態 (リンパ,網内
腔衛生の管理については一考を要するものと思わ
系の系統疾患,白血病,代謝疾患,慢性貧血など
れる.
の基礎疾患〉の人,治療薬とくに細胞毒性薬剤や
慢性下顎骨骨髄炎の治療法には,抗生物質投与
免疫抑制剤が連用されている人などが日和見感染
による保存的治療法と外科的治療法がある .抗生
を起こしやすいといわれている 14)
物質に伴う 一つの大きな問題点は耐性菌の出現で
今回私達が経験した 3症例は,いずれも歯性感
あり,口腔領域においては耐性ブドウ球菌がその
染が原因と考えられ抜歯後感染,歯周組織の炎症
代表例といえる .
一方下顎の血流量は上顎の約 1
/
3
からの感染,慢性根尖病巣等が宿主側の全身的,
であり円抗生物質の種類により血流,舌組織内 ,
顎
局所的要因で歯槽骨骨髄,骨体部骨髄へと進展し
骨組織内における濃度,移行速度,推移の関係が
たものと思われる.症例 Iは宿主側の全身的要因
それぞれ異なり,諸種抗生物質と各組織の聞に選
として小球性鉄欠乏性貧血,高血圧症があげられ,
択性がある 16) このように種々の条件による抗生
-4
1
7-
7
8
物質の投与が不適切であると,炎症が慢性化し,
抗生剤の投与のみでは治癒せず外科的治療法を併
用しなければならない.菌交代症および耐性獲得
を防止する新しい抗生物質の開発もさることなが
ら,感受性テストに基づく抗生物賞投与,多剤併
用,大量投与などはその一助となり,肝要なこと
と 考 え ら れ る 17) 外科的治療法の術式には,
saucerization(杯型形成術), decortication(皮質
除去術),顎骨切除術などがある川が,実際にはこ
れらを組み合わせて治療を行なっており,原因歯
が存在する場合にはこれを抜歯する.
これらの外科的治療法の目的は腐骨の除去とと
もに,病巣部組織への血行の回復をはかるもので
あるため,腐骨の除去のみならず,病巣周囲の正
常な骨組織に出血が認められるまで掻腿あるいは
切除しなければならないといわれている 19) 本 3
症例の場合も保存的な外科的治療法を行ない,自
家骨移植による再建などは必要とせず良好な結果
を得ている.抗生物質の使用についても充分感受
性のある抗生物質を使用しているが,投与用量,
併用法などについては検討すべき余地があるもの
と考えられる.
また抗生物質による化学療法と外科的治療法の
ほかに, Cortisonの投与20),高気圧酸素療法 21)
免疫療法 22),Closedirrigationsuction法 8) 抗生
物質の持続動注法などの併用も行なわれている.
このような併用療法も症例に応じ,本疾患の治療
法の一助になるものと思われる.
結 語
今回,私達は臨床像の異なる 3症例の慢性下顎
骨骨髄炎の治療にあたり,保存的な外科的治療法
を行ない良好な結果を得たので,その臨床的概要
と若干の文献的考察を加え報告した.
本 論 文 の 要 旨 は 東 京 女 子 医 科 大 学 学 会 第2
6
0回 例 会
において発表した.
文 献
1
) Thoma
,K.H.: OralSurgery1
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7
0
) 369-372
-418
6
.骨 診 断 総 論 第 1刷
3
) 奥山武雄:放射線医学大系 2
中 山 書 庖 東 京 ( 19
8
4
)6
3
4
) 越後成志・安藤良晴・ほか:慢性下顎骨骨髄炎の
91
7
3
0-1737(
1
9
8
3
)
骨シンチグラム.日口外誌 2
5
) Waldrogel,F
.
A
.,Medoff
,G
.andSwartz,M.
N.: O
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.HewEngJ
Med2
8
2260-266 (19
7
0
)
6
)石 川 梧 朗 監 修 口腔病理学 1
1.改訂版永末書底
東京(19
8
2
)323-328
7
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y,H.C. and Kay,L.W.: S
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1
9
7
5
)1
6
3
0-1636
1
0
) 馬場孝雄・坂井 浩・ほか・緑膿菌性菌交代症を
合併し 2カ年余の経過をたどった慢性下顎骨骨髄
7678-684 (19
6
8
)
炎の l例. 日口科誌 1
1
1
) 中西 貫・高橋昌士・ほか目慢性下顎骨骨髄炎の
2症例とその考察.日口科誌 20602-610(19
7
1
)
1
2
) 尾崎登喜雄・円道・紀三郎・ほか:長期間の経過を
8
た ど っ た 下 顎 骨 骨 髄 炎 の 1例 . 日 口 外 誌 1
1
5
7-161 (19
7
2
)
1
3
) 黄 弼湾・杉原一正・ほか・病的骨折を伴った慢
性 下 顎 骨 骨 髄 炎 の 1例 . 日 口 外 誌 2
9
8
3
)
1
2
7-133 (19
1
4
) 池本秀雄:日和見感染の話.臨床的にどう理解す
べきか. C
l
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7
(
2
8
8
)13-17 (19
8
0
)
1
5
)覚 道 幸 雄 : 歯 と 口 腔 の 臨 床 生 理 永 末 書 席 京 都
6
6
)4
4
3
(
19
1
6
) 服部孝範:抗生物質の顎骨組織内濃度に関する実
験的研究.第 2編.諸抗生物質について.日口外科
誌 1
4290-305 (19
6
5
)
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V.M.: C
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8
7
0
)
209-214 (19
1
8
) 手島貞一・町田興成・ほか:慢性下顎骨骨髄炎の
臨床的観察.第 1編,臨床統計的考察.日口外誌
2
483-88 (
1
9
7
8
)
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) Hjφrting-Hansen, E.: D
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7
1390-392 (
1
9
7
4
)
7
9
雑 報
0編集幹事会
編集後記
日 時 昭 和6
0年 2月 4日(月〉午後 4時より
編集にたず、さわりながら本学会雑誌のありかたにつ
場所学術室
議 題 東 女 医 大 誌5
5巻 4号編集
いて考えさせられることがしばしばある.
その他
本学会誌は医学全体にわたる総合的な雑誌である.
世の趨勢が専門分化の一途を辿る中で,専門以外の領
O集会幹事会
域の進歩に触れることができる点はそれなりに意義が
日 時 昭 和6
0年 2月 19B (火〉午後 4時 3
0分より
あろう.ありかた次第では東京女子医科大学の輝かし
場所学術室
い活動全体をも反映できるかもしれない.
議題学会例会について
しかし現実をみると,本誌にかぎらず,医学雑誌は
メモリアルレクチャーについて
総合的であればあるほど存立基盤の拡大が難しいこと
その他
がある.これは学会そのものについてもいえることか
もしれない.本学がめざましい飛躍を続けるなかで,
そのありかたは常に問われるにちがし、ない.
(
19
5
0
.
419-
2
. 4,T.K)
東京女子医科大学学会会則
(雑誌の発行・編集に関する条項抜奉〉
第 3条
本会の目的を達するため次の条項を行な
う.
1
. 集会 2
. 雑誌発行
第1
0条幹事は会長が指名し,会計,集会,編集,
その他の事務を分掌する.
第1
3条本会の雑誌を「東京女子医科大学雑誌」
2回もしくは 1
1田発行し,
と称し,年 1
本会会員に配布する.
東京女子医科大学雑誌投稿規定
(昭和 6
0年 1月 1日改訂〉
1.投稿の資格投稿者は共同執筆者を含め本会
会員に限る.
2
. 投稿内容 本誌は原著(和文,または英文),
総説,臨床報告,調査報告,集会記録・報告な
どを掲載する.いずれも未発表のものに限る.
3
. 経 費 原 著 は 刷 上 り 1編につき 4頁(図,写真,
0
0字詰 1
6枚に相当〉まで,報告(臨
表,込みで 4
床,調査),英文原著などは 2頁までの経費を学
会が補助する.超過頁分,アート紙,カラーアー
ト,図,写真, トレース代,別刷代等の実費は
著者負担とする.但し表は合計して 2頁分(報
告は 1頁分〉は学会が補助する.特別掲載は全
額著者負担とする.
0部を無
依頼原稿は全額学会負担とし,別刷 5
料とする.
4
. 寄稿細則
1)寄稿カード 本学会所定の寄稿カードに必
要事項を記入して添付する.
2
) 原稿はコピーを一部添えて提出する.
3
) 表紙原稿には表紙をつけ,次の項目を記入
する.
標題・著者の所属・主任あるいは指導者名
(所属が 2カ所ある場合は列記,あるいは一
方を脚注とする〉・著者の姓名(上つきでフリ
0部
,
ガナ〉・別刷(著者実費〕請求部数(単位 5
左余白に朱書).
4
)抄 録 原 著 お よ び 総 説 の 原 稿 に は 英 文 抄 録
(
約2
0
0語をダブル・スペースでタイプする〉
とその和訳をつける.英文・和文の内容は一
致させる.英文抄録の冒頭には標題・著者名
(姓は大文字),所属(主任あるいは指導者名〉
を記載する.
臨床報告,調査報告などは英文抄録不要,但
し,脚注とするため,著者名(姓は大文字〉・
所属・標題の順に英訳を別紙に記載して,添
付する.
5
) 本文
(1)和文 平易な文体で簡明に表現し,文字は
常用漢字,ひらがな,現代かなづかいを用い,
惜書で明瞭に書く.句読点を正しく,はっき
り付ける.文中の欧文文字はタイプ,または
活字体とする.
00字詰原稿用紙にベ
原稿は A4版,横書 4
ン,またはボールベンで書く.
ワープロ原稿は A4サイズ用紙を用い,上
下 3cm
,左右 2cmのマージン内に横書, 40
字 X20行.
(
2
) 英文簡明に表現する.論文の構成,その
他寄稿細則は和文に準ずる A 4版タイプ用
紙に夕、、ブ、ル・スペースでタイプする.
英文論文には必ず和文抄録を添付する.
6
) 論文の構成原著,総説,臨床(調査〉報告
などの構成は,原則として,緒言(はじめに,
目的〉・方法(資料,対象〉・結果〔成績,症
例〉・考察・総括(まとめ,要約〉・結論(結
用文
語,むすび,おわりに〉および文献仔 i
献に限る〉とする.
7
) 項目 本文の章,節,項目分けは,原則とし
., 1
)
, (
1
),①…とする(第 1章
,
て 1, 1
第 1節,第 1項などとしなし、).また, A
.,a
.,
a) …等を用いてもよい.
8
) 数字 文中の数字はアラビア数字を用いる.
単位 (km
, m, cm
,
単位は原則として CGS
m m,μ n m, km2,m2,cm2,m m2,m,a
cm3,m m3,1
,d
1,m1,μ1,kg,g,mg,μg,
s
,ms
,μs
,min
,h,d等).
9
) 用語 主として文部省学術用語に従い,専門
用語は学会で統ーされている用語を用う.文
中に度々繰返される語は略語を用いてもよい
が,その場合は,最初に掲出される語は省略
せず,後出の同語は略語を使用する旨,但し
書きする.
外国の人名,地名は原語(タイプか活字体〉
で書き, 日本語化している外来語は片カナで
書く.文中の欧米語は固有名詞,商品名,表
題,独語の名詞を除き,小文字で書く.
1
0
) 図,表,写真図,表,写真は本文とは別
紙とする.図は図 1,図 2… (
F
i
g
.1
,F
i
g
.2
…),表は表 1,表 2… (
Table1
,
Table2…
)
,
Photo1,Photo2
写真は写真 1,写真 2… (
…〉のように番号をつける.
図,表,写真には,番号と共に,必ず表題
をつける.図,写真の表題は下に,表の表題
は上に記入する.
写真は手札版が望ましく白黒明瞭なものに
限る.アート紙の場合は刷上り実寸大のもの,
電顕写真にはパーを入れる.
スライド焼付の図は原図を添付する.原図
および表の大きさは A4版以内とし,白紙あ
るいは青色方眼紙に黒色で明瞭に書く.
原色版〔カラーアート紙〉はスライドを添
付する.実費は著者負担とする.
提出された図,表が印刷に耐えない場合は,
改めて図,表を作製し直すことがある.その
実費は著者負担とする.図,表および写真の
挿入箇所は,本文原稿右側欄外に,図,表,
写真の番号を明記して示す.
1
1
) 文献
(1)引用文献
論文に直接関連する文献に限り,引用順に
一連番号をつけて,論文末尾に記載し,本文
中の引用箇所には,右上肩に片カッコを付し
た番号で示す.
(
2
) 雑誌名
文献に掲出する雑誌名は,略さないのが望ま
しい.略名を用いる場合は,外国誌は, I
n
d
e
x
Medicusにより,和雑誌は,各誌の表紙に示し
である略名による.
(
3
) 文献引用例
a
.雑誌論文の引用
著者名(必要数):論文名.雑誌名 巻数(号
数〉引用通巻頁数 (a-m) (発行年〉の順序とす
,
Jは不要.
る.巻〈号〉頁(年〉の間に, 1
著者・共同研究者名は,姓-familyname-,
名前 f
i
r
s
tname,m
i
d
d
l
ename一,の順に, 日
本人名は姓,名前の順に列記する.名前は頭文
字 1字でもよい.
共著者多数の場合は, 1
・ほか」または 1
e
ta
.
lJ
と省略してもよい.
例 i)松林花子・ほか:要保護女子における
精神障害の実態と長期経過観察例.東女
医大誌 5
1(
6
) 531-552 (
19
81
)
i
) Vaughn, K
.C
., and Duke, K
.C.:
例i
iz
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i
o
no
fn
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.
Hi
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s
t
r
y 7
2
(
2
) 191-198
(
1
9
81
)
例 ii
)S
pathas,D.H. e
t al
.
: Polyamine
t
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s
.JGen
M
i
c
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o
b
i
o
l1
2
8
(
3
) 557-563 (
1
9
8
2
)
b
.単行本あるいは叢書の一部からの引用
著者または編集者名,翻訳者名:書名.版次
引用頁 (b-n) 発行書庖名 発行地(発行年〉
〔編者名:叢書名巻数巻名版次引用頁
(b-n) 出版書庖名 発行地(発行年 )
Jの順
とする.
例i
v
) 杉山竹夫:医学免疫学.第 2版 東 京
大学出版会東京(昭 5
7
) 80-83
例 v)V
a
l
t
i
n,Heisz,飯田喜俊監訳:腎臓病
3頁.メディカル・
一病態生理と臨床. 5
サイエンス・インターナショナル 東京
(
1
9
8
2
)
例 vi
)C
ampbell,C
h
a
r
l
e
sD.: Aneurysms
s
u
r
g
i
c
a
l Therapy. 47-78. Futura,
MountKisco (
19
8
1
)
例v
i
DB
l
a
s
e
c
k
i
,John W.: Mechanisms
o
fImmunityt
oV
i
r
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s
I
n
d
u
c
e
dTumors
[
lmmunologys
e
r
i
e
s1
2
J96-98. Marc
e
lDekker,NewYork (
19
81
)
5
.雑誌の編集・発行編集委員会は編集幹事に
よって構成され,本誌の編集・発行に関する責
任と権限をもっ.
編集委員会は投稿原稿を査読し,採否を決定
する.編集委員会は原則として毎月 1回開催す
る.論文の掲載は受付順を原則とする.
2回,もしくは 1
1田とする.
本誌の発行は年 1
6
. 校正 初校・再校は著者校正を原則とする.大
幅な改変や訂正は許されない
7
. 別刷別刷は著者実費, 5
0部単位で申込みを
受ける.発行後の追加は認められない.
8
. 寄稿の宛名
干1
6
2 東京都新宿区河田町 1
0番地
東京女子医科大学学会編集幹事宛
(事務所は東京女子医科大学図書館学術室内〉
Te
.
l0
3(
3
5
3
)8
1
1
1 内線 2
2
3
3
編集委員
井口登美子
石
井
妙
子
津
澄
石
子
十
夫
猛
逸
日
良
林
小暮美津子
O神
彦
津
忠
日下部きょ子
十
。
串 田 つ ゆ
間
口
手
F~
鈴
木
竹
宮
敏
田
敦
ナ
キ
間
東
業t 馬
敏
田
和
横
炉ムー,
4
香
夫
茂
子
子
紘
夫
子
ABC順
昭和 6
0年 4月2
0日 印 刷
昭和 6
0年 4月2
5日 発 行
東京都新宿区河田町 1
0番 地
東京女子医科大学図書館内
東京女子医科大学学会
発行所
電話 0
3(
3
5
3
) 8 111番(代表〕
2
3
3番
内線 2
干1
6
2 東京都新宿区河田町
発行者
岡
正
士口
編集兼
守
1
0番 地
東京女子医科大学図書館内
電話 0
3(
3
5
3
) 8111番(代表〉
2
3
3番
内線 2
〒1
1
4東京都北区西ケ原 3丁目 4
6番 1
0号
印刷者
向
印刷所
株式会社杏林舎
喜代次
電話 0
3(
9
1
0
)4
3
1
1 (代表〕
東京女子医科大学雑誌規定
0会費払込は振替口座「東京 5-4342J東京女子医科大学学会宛のこと
O会費は毎年 1月中に払込まれること
会費(購読料〕
1カ 年 金 6,
0
0
0円
売価
1部 金 1,
0
0
0円
1
3東京都文京区本郷 3丁目 3
5番 6号大石グリー γ ピノレ 3階
〒1
広告
取扱者
株式会社大矢商会
電話 0
3(
8
1
3
)7
0
3
1~ 4番
Fly UP