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科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系へ の導入に関する

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科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系へ の導入に関する
調査資料-226
科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系へ
の導入に関する調査研究
2013 年 10 月
文部科学省 科学技術・学術政策研究所
一橋大学 イノベーション研究センター
赤池伸一 藤田健一 外木暁幸 花田真一
RESEARCH MATERIAL No.226
A Study on the Incorporation of Science and Technology Innovation Policy into the Macroeconomic
Policy System
Shinichi AKAIKE, Kenichi FUJITA, Akiyuki TONOGI and Shinichi HANADA
October 2013
National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP),
Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT)
and
Institute of Innovation Research (IIR),
Hitotsubashi University
本資料は、株式会社リベルタス・コンサルティングへの 2011-2012 年度の委託により得られた結
果を、一橋大学イノベーション研究センターとの共同により科学技術・学術政策研究所が取りまとめ
たものです。
本資料の引用の際には、出典を明記願います。
科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系への導入に関する調査研究
文部科学省科学技術・学術政策研究所 一橋大学イノベーション研究センター
要旨
科学技術イノベーション政策の経済的・社会的影響を測定するには、政策の変化、科学技術イノベーシ
ョンシステムの変化、経済パフォーマンスの変化及び国民生活への影響を体系的に接続することが必要
である。一方、従来の我が国あるいは海外における既存の代表的な政府マクロ経済モデルでは、技術進
歩率が外生的に与えられるなど科学技術イノベーションを明示的に扱っているものは少ないのが実情で
ある。
第1に、科学技術イノベーション政策を代表的な経済モデルに接続するため、政策の構造化を図り、測
定可能な指標群を構成した「科学技術イノベーション・モジュール」の開発を行うことによって、標準的な
政策とマクロ経済モデルの接続を試行した。このためマクロ計量モデル(MaeSTIP; Macroeconomic Model
for Science, Technology and Innovation Policy)を開発し、シミュレーションを試行した。
第2に、科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係に関するエビデンスを充実すること
の必要性が複数の有識者から指摘されている。科学技術イノベーション政策の研究開発への影響、無形
資産の一つとしての研究開発の生産性への効果は、不確実性があり、その因果関係も明らかではない。
既存の調査研究を整理するとともに、現在までに収集可能なデータを用いて現実的に論証可能な範囲
を明らかにする必要がある。このため、国際パネルデータ及び企業パネルデータを用いて検証を行った。
国際パネルデータによる分析は先進 13 ヵ国の 1981 年から 2010 年について R&D や MFP(Multi-Factor
Productivity)のデータを収集し、実証分析を行った。企業 R&D に最も強く影響を与えているのは GDP で
あり、政府資金も促進要因となっている可能性が示唆された。MFP には国内企業の知識ストックが影響し
ているほか、海外の知識ストックのスピルオーバーも観測された。企業パネルデータによる分析は科学技
術研究調査及び企業活動基本調査の企業単位の個票データを用いた。実証分析の結果、企業の TFP
(Total Factor Productivity)と研究開発集約度(研究開発支出の対付加価値比)の間には有意に正の関
係があり、製造業ではよりその傾向が強まるが非製造業では両者の関係は希薄になることが明らかとなっ
た。また、TFP と研究開発集約度との関係にはタイムラグがあることも明らかになった。併せて、知識ストッ
クの概念、測定方法等に関する課題を整理した。
本調査研究の結果は、マクロ経済政策においては、SNA(国民経済計算)における R&D 資本化
の具体化や、大規模経済モデルへの R&D や科学技術イノベーション政策の導入のための課題の抽
出に資することが期待される。また、科学技術イノベーション政策においては、現科学技術基本
計画のフォローアップや次期基本計画の検討のための基礎的な情報として、他の調査研究と相ま
って科学技術イノベーション政策の経済効果の測定に関する俯瞰的な知見を与えることが期待さ
れる。
註) 多要素生産性(Multi Factor Productivity; MFP)は一般的に全要素生産性(Total Factor
Productivity; TFP)と呼ばれている指標と概念的には同じものであり、OECD では自身が推計、公表して
いるデータをこう呼称している
A Study on the Incorporation of Science and Technology Innovation Policy into the Macroeconomic
Policy System
National Institute of Science and Technology Policy (NISTEP), Ministry of Education, Culture, Sports,
Science and Technology (MEXT), and Institute of Innovation Research (IIR), Hitotsubashi University
ABSTRUCT
This study advances the researches from two points of view for the purpose related to incorporation of
science and technology innovation policy into the macroeconomic policy system. The first point is related
to developing the "science and technology innovation module" by formulating the science and technology
policy, for example the 4th Science and Technology Basic Plan, and verifying the policy effect on
economic growth when the module is connected to the standard macro-econometric model. The simulation
in the case of the expansion of government R&D investment in the MaeSTIP (Macroeconomic Model for
Science, Technology and Innovation Policy) is implemented. The results demonstrate that the government
R&D contributes to productivity improvement of our country, to increase the potential growth rate, and to
stimulate the national demand through price decline and dip in costs in the medium to long term. The
second point is related to examining empirically the relationship between science and technology
innovation policy, productivity and R&D by using a corporate panel data and international panel data, after
summarizing measurement methods of knowledge stock. In international panel data, MFP (Multi-Factor
Productivity), R&D and related macroeconomic time series for 13 industrialized countries are collected for
the period from 1981 to 2010. The results show that the business R&D is affected most strongly by GDP,
and government funding is also an encouraging factor. In addition to knowledge stock of domestic
companies have a consequence on the MFP, and the spillover of knowledge stock overseas is also
mentioned. In the empirical analysis of companies’ panel data, the individual data are collected from the
Economic Census for Business Activity and Survey of Research and Development. In the result of the
analysis, there is a positive relationship significantly between TFP (Total Factor Productivity) and the
intensity of R&D in each individual company, and the correlation is stronger in the manufacturing sector
than non-manufacturing sector. It shows also that there are lugs on the relationship between R&D intensity
and TFP revealed.
概要
科学技術イノベーション政策の経済的・社会的影響を測定するには、政策の変化、科学技術イ
ノベーションシステムの変化、経済パフォーマンスの変化及び国民生活への影響を体系的に接続
することが必要である。一方、従来の我が国あるいは海外における既存の代表的な政府マクロ経
済モデルでは、技術進歩率が外生的に与えられるなど科学技術イノベーションを明示的に扱って
いるものは少ないのが実情である。
本調査は、二つのテーマから成り立っている。1 つ目のテーマは科学技術イノベーション政策
を代表的な経済モデルに接続するために政策の構造化を図り、測定可能な指標群を構成した「科
学技術イノベーション・モジュール」の開発を行うことによって、標準的な政策とマクロ経済モ
デルをつなぐことを試行することである。先ず、政府や国際機関の保有する先行モデル等につい
てレビューを行い、それら先行研究を踏まえて可能な限り国際比較可能な集計指標や標準的な手
法を用いて、科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系への導入に関する調査を行った。
一方、科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係に関するエビデンスを充実す
ることの必要性が複数の有識者から指摘されている。科学技術イノベーション政策の研究開発へ
の影響、無形資産の一つとしての研究開発の生産性への効果は、不確実性があり、その因果関係
も明らかではない。これまでに数多くの定量的、定性的な調査研究が行われており、これらの成
果を整理するとともに、現在までに収集可能なデータを用いて現実的に論証可能な範囲を明らか
にする必要がある。
これらの点を踏まえた 2 つ目のテーマは、科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性
の関係に関する既存文献のレビュー、関係データの収集・整理、変数間の関係性の推定等の調査
研究を行い、エビデンスの整理・充実を図るというものである。本調査では、国際パネルデータ、
企業パネルデータの二つのデータセットを用いて科学技術イノベーション政策、研究開発及び生
産性の関係に関する実証研究を行った。調査研究にあたっては、科学技術イノベーション政策が
経済的・社会的な効果を生むには長期間を要することを考慮し、可能な限り長期にわたる時系列
データを整備して分析を行った。併せて、知識ストックの概念、測定方法等に関する課題を整理
した。
本調査研究の結果は、マクロ経済政策においては、SNA(国民経済計算)における R&D 資本化
の具体化や、大規模経済モデルへの R&D や科学技術イノベーション政策の導入のための課題の抽
出に資することが期待される。また、科学技術イノベーション政策においては、現科学技術基本
計画のフォローアップや次期基本計画の検討のための基礎的な情報として、他の調査研究と相ま
って科学技術イノベーション政策の経済効果の測定に関する俯瞰的な知見を与えることが期待さ
れる。
第 1 部 科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に関する調査研究
1. 既存のマクロ経済モデル等に関する先行研究

国内外の主要な官庁や中央銀行、国際機関等が保有している代表的なマクロ経済モデル
では、生産要素として資本ストックと労働投入を用いたコブ・ダグラス型の生産関数が
採用されることが多く、モデル上、技術進歩は一定のパラメータ、ないし TFP(全要素
生産性)という変数はあるが数値はモデルの外から与える外生変数であるものがほとん
どである。技術進歩を内生化し、マクロモデルに応用した事例としては IMF の
MULTIMOD 拡張版モデル、ERASME プロジェクトの NEMESIS モデルがある。

マクロエコノメトリックス研究会のエコノメイトモデルは TFP を外から与える標準的な
マクロ計量モデルである。本研究ではエコノメイトモデルをベースとしては科学技術イ
ノベーション政策を組み込んだマクロ計量モデルを構築する。

R&D 資本ストックの推計においては、R&D 支出を恒久棚卸法で積み上げる手法が標準
的だが、R&D の懐妊期間(研究開発がなされてから成果が結実するまでのタイムラグ)、
R&D 資本ストックの陳腐化率について研究の必要性が認識されている。米国商務省経済
分析局(BEA)の R&D サテライト勘定 では推計方法の一つとして、陳腐化率 15%、懐
妊期間 0 年でストックを推計している。
2. 科学技術イノベーション政策の構造化

平成7年に制定された科学技術基本法では、
「我が国における科学技術の水準の向上を図
り、もって我が国の経済社会の発展と国民の福祉の向上に寄与するとともに世界の科学
技術の進歩と人類社会の持続的な発展に貢献することを目的とする」という理念を掲げ
ており、この理念の下に政府はこれまで累次の科学技術基本計画(以下、基本計画)を
策定し、長期的視野に立って体系的かつ一貫した科学技術政策を実行してきた。現在は、
平成 23~27 年度の 5 年間を計画期間とする第 4 期科学技術基本計画(平成 23 年 8 月閣
議決定)が実行されているところである。

科学技術イノベーション政策を定量化して把握するため、第 4 期科学技術基本計画にお
ける研究開発目標に基づき、政府研究開発投資の指標化を試みた。ここでの研究開発目
標をのちのマクロ計量モデルによるシミュレーションで用いる。
3. 科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に向けた試行

研究開発投資によって技術革新がなされ、生産プロセスへと反映されることで生産性、
すなわち TFP が向上すると考えられる。具体的にはコブ・ダグラス型のマクロ生産関数
を用いて TFP を推計したのち、TFP 上昇率には企業、大学、政府の R&D 資本ストック、
及び海外からの技術導入ストックの増加率が影響を与えるものと想定して TFP 関数を推
計し、
「科学技術イノベーション・モジュール」を構成した。

科学技術政策研究所「研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調
査(中間報告)」を踏まえ、企業、大学・政府、海外からの技術導入について、それぞれの
陳腐化率、懐妊期間を用いて R&D 資本ストックを推計した。R&D 支出を実質化するデ
フレーターについては組織別の研究支出デフレーターを用いた。

組織別の R&D 支出は負担源別研究費から配分率が一定と仮定して組み替え計算する。政
府負担研究費と政府の一般会計や特別会計等の予算に計上される「科学技術関係経費」
に定数をかけて推計する。民間、外国負担の研究費及び技術輸入額は名目 GDP の一定率
で支出されるものと想定する。

こうして推計した「科学技術イノベーションブロック」とエコノメイトベースのマクロ
経済モデルを接続することにより、研究開発が社会経済に影響を与え、そうした社会経
済の動向がまた研究開発に影響を及ぼすというダイナミズムを盛り込んだ新たなマクロ
計量モデル、MaeSTIP(Macroeconomic Model for Science, Technology and Innovation
Policy)モデルを構築した。
第 2 部 科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係性に関する調査研究
1. 知識ストックに関する議論の背景

我が国経済に生産性の向上やイノベーションといった様々な進歩をもたらすものは、企
業や大学等、あるいは政府によって行われる研究開発活動の短期的な水準や変動(フロ
ー)だけではなく、それらを積み上げた科学技術知識の総体、いわば科学技術の水準な
いしはポテンシャルであると考えられる。したがって、研究開発と生産性との関係性を
分析するためには、研究開発のフローを知識のストックとして計測し、評価していく必
要がある。

知識ストックは直接観測することはできないため、どのように定義し、計測していくか
が課題となる。これまでに国内外で行われてきた様々な取り組みでは、大きく分けると
特許ベース、あるいは研究開発費ベースでの計測が試みられてきた。特許ベースの計測
手法では特許の出願や登録を知識のフローとし、特許収入期間の逆数を陳腐化率として
ストックを推計する。一方、研究開発費ベースの計測手法ではフローの研究開発費に技
術の陳腐化率、懐妊期間を考慮し、恒久棚卸法で積み上げてストックを推計する。

経済成長の源泉としての R&D への関心が高まってきたことを背景として、国民経済計
算体系においても、従来の 93SNA では中間消費に位置付けられていた R&D を、次期
2008SNA では付随的な活動として扱わず、その産出を「知的財産生産物」として資産計
上する(
「R&D の資本化」
)ことが勧告されている。日本での 2008SNA 導入における知
識ストックの概念、推計の考え方等について、研究会において検討を行った。
2. 国際パネルデータを利用した変数間の関係性の推定

OECD 諸国のパネルデータを利用し、研究開発と生産性の関係性に関する分析を試行し
た。データは Main Science and Technology Indicators をはじめとする OECD データベ
ースを主に利用し、原則として 1981 年から 2010 年までを分析期間とした。分析対象国
は先進国を中心に 13 カ国とした。生産性の指標としては OECD が推計した MFP(太要
素生産性)を用いた。研究開発ストックは懐妊期間 0 年、陳腐化率 15%として推計した。
人的資本ストックは高等教育を受けたものの割合と生産年齢人口から計算した。

パネルデータ分析の結果、各国の企業 R&D に最も強く影響を与えているのは GDP であ
り、政府資金も促進要因となっている可能性が示唆された。MFP には国内企業の知識ス
トックが影響しているほか、海外の知識ストックのスピルオーバーも観測された。一方、
大学や政府の研究開発によって企業 R&D が抑制されるクラウディングアウト、あるいは
逆の補完効果、大学や政府の知識ストックからのスピルオーバー効果については観測さ
れなかった。

民間資金による企業 R&D の実質 GDP に対する弾力性は短期で 0.9 前後、長期で 1.3 前
後となり、長期的な弾力性は 1 を上回った。同様に、政府資金による企業 R&D に対する
弾力性は短期で 0.04、長期で 0.05 程度となった。
註) 多要素生産性(Multi Factor Productivity; MFP)は一般的に全要素生産性(Total Factor
Productivity; TFP)と呼ばれている指標と概念的には同じものであり、OECD では自身が推計、
公表しているデータをこう呼称している 。
3. 企業レベルのマイクロデータを利用した変数間の関係性の推定

企業パネルデータによる分析は科学技術研究調査及び企業活動基本調査の企業単位の個
票データを用いた。被説明変数となる全要素生産性(TFP)や説明変数となる総研究開
発集約度、性格別研究開発集約度(基礎、応用、開発)、性質別研究開発集約度(民間、
公的)
、その他の研究開発指標を企業単位で計算した。

実証分析の結果、企業の TFP(Total Factor Productivity)と総研究開発集約度の間には
有意に正の関係があり、製造業ではよりその傾向が強まるが非製造業では両者の関係は
希薄になることが明らかとなった。また、TFP と総研究開発集約度との関係には一定の
タイムラグがあること等が明らかになった。

性格別研究集約度の全体的な傾向としては、基礎および開発研究は TFP に対して有意に
正の影響を及ぼしているが、応用研究についての符号は正であるものの、有意性が低い
結果となっている。また、有意性はタイムラグが 4 期のときに最も大きくなる(5 期より
も 4 期の方が大きい)傾向が共通しており、性格によってタイムラグが異なる傾向は明
確には観測されなかった。

性格別研究開発集約度、その他の研究開発指標については、おおむねいずれの変数につ
いても TFP との間に有意な関係はみられなかった。
‐目次‐
序 ................................................................................................................................. 1
はじめに ..................................................................................................................... 1
本調査の実施体制 ....................................................................................................... 2
第 1 部の構成 .............................................................................................................. 3
第 2 部の構成 .............................................................................................................. 4
第1部
科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に関する調査研究 .................. 6
第 1 章 既存のマクロ経済モデル等に関する先行研究 .......................................................... 7
第 1.1 節 マクロモデルにおける生産関数、技術進歩と研究開発の取り扱い .......................... 7
1.1.1 国内外の官公庁、中央銀行、国際機関等の代表的モデル ...................................... 7
1.1.2 その他のモデル ............................................................................................... 8
1.1.3 内生的技術進歩のマクロモデルへの応用事例 .................................................... 10
第 1.2 節 研究開発活動の生産性への影響分析の手法 ................................................... 14
1.2.1 産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ ........................................... 14
1.2.2 研究開発の限界収益率を推定するアプローチ .................................................... 15
第 1.3 節 研究開発ストックの推計 ................................................................................ 17
1.3.1 研究開発ストックの推計に関する先行研究事例 ................................................... 17
第 2 章 科学技術イノベーション政策の構造化 ................................................................... 21
第 2.1 節 第 4 期科学技術基本計画の構造 ................................................................... 21
2.1.1 全体構成 ...................................................................................................... 21
2.1.2 第 4 期基本計画で提示された課題 ................................................................... 23
2.1.3 第 4 期基本計画で提示された課題達成に向けた条件づくり、政策展開 ................... 26
2.1.4 科学技術イノベーション政策の動向をあらわす代替指標の選定 ............................. 28
i
第 2.2 節 第 4 期科学技術基本計画における研究開発目標の指標化 ................................ 30
第 3 章 科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に向けた試行 ......................... 32
第 3.1 節 科学技術イノベーション・モジュールの基本的な枠組み ...................................... 32
3.1.1 モジュールの基本構造 .................................................................................... 32
3.1.2 科学技術イノベーション政策と経済モデルの接続点 ............................................. 33
第 3.2 節 モジュールを構成する主要変数 ..................................................................... 35
3.2.1 負担源別研究費 ............................................................................................ 36
3.2.2 負担源別研究費から組織別研究費への接続 ...................................................... 41
3.2.3 研究開発ストック ........................................................................................... 44
3.2.4 全要素生産性(TFP) ....................................................................................... 47
3.2.5 その他の関数及び定義式 ................................................................................ 53
第 3.3 節 MaeSTIP の全体構造 ................................................................................... 57
3.3.1 労働・生産、支出、賃金・物価ブロック ................................................................ 57
3.3.2 分配ブロック................................................................................................... 58
3.3.3 科学技術イノベーションブロック ........................................................................ 59
第 3.4 節 科学技術イノベーション政策による経済効果シミュレーションの試行 ..................... 61
3.4.1 シミュレーションの前提 .................................................................................... 61
3.4.2 シミュレーション試行結果 ................................................................................. 64
第 4 章 調査結果と今後の課題 ....................................................................................... 70
第 4.1 節 シミュレーション結果の概要 ........................................................................... 70
第 4.2 節 シミュレーション結果をみる際の留意点 ............................................................ 71
第 4.3 節 今後の調査の方向性 ................................................................................... 72
参考資料 ..................................................................................................................... 76
参考資料 A: 本調査で推計した TFP について .............................................................. 76
A.1 他の機関で推計された TFP との比較................................................................... 76
A.2 成長会計からの検証 ......................................................................................... 79
ii
A.3 TFP と研究集約度 ............................................................................................ 80
A.4 TFP 関数の推定 .............................................................................................. 86
A.5 科学技術イノベーション政策の内部構造の変化による経済効果の分析...................... 94
参考資料 B:海外主要国における研究開発活動と生産性の関係性 .................................... 96
B.1 MFP 成長率と研究集約度の推移 ........................................................................ 96
B.2 研究開発による MFP 関数の推定 .......................................................................107
参考資料 C: MaeSTIP 関連資料 ................................................................................109
C.1 方程式体系 ....................................................................................................109
C.2 変数リスト .......................................................................................................117
参考資料 D:データ一覧.............................................................................................122
参考文献 .................................................................................................................128
第2部
科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係性に関する調査研究 .......131
第 1 章 知識ストックの概念、推計方法 ............................................................................132
第 1.1 節 知識ストックに関する議論の背景 ...................................................................132
第 1.2 節 知識ストックの計測方法 ...............................................................................132
1.2.1 特許ベースと研究開発費ベース ......................................................................132
1.2.2 先行研究における懐妊期間と陳腐化率.............................................................133
1.2.3 2008SNA における R&D の資本化 ....................................................................135
第 2 章 国際パネルデータを利用した変数間の関係性の推定 .............................................136
第 2.1 節 研究開発及び生産性の関係性等に関する先行研究 ........................................136
2.1.1 コブ・ダグラス型生産関数をベースとした TFP と R&D の関係性分析 ......................136
2.1.2 国際パネルデータを利用した先行研究事例 ......................................................137
2.1.3 TFP に含まれる諸要因 ...................................................................................139
第 2.2 節 分析対象と利用データ ................................................................................143
2.2.1 分析対象 .....................................................................................................143
2.2.2 分析に用いたデータ ......................................................................................143
iii
2.2.3 各国の研究開発等の動向 ..............................................................................145
第 2.3 節 国際パネルデータに基づく企業の研究開発の要因分析 ....................................151
2.3.1 分析の枠組み...............................................................................................151
2.3.2 分析結果 .....................................................................................................152
2.3.3 今後の課題 ..................................................................................................154
第 2.4 節 国際パネルデータに基づく研究開発と生産性の関係性分析 ..............................155
2.4.1 分析の枠組み ................................................................................................155
2.4.2 研究開発の生産性上昇効果についての分析結果 ..............................................156
2.4.3 今後の課題 ..................................................................................................159
第 3 章 企業レベルのマイクロデータを利用した変数間の関係性の推定................................161
第 3.1 節 分析用データの概要 ...................................................................................161
3.1.1 被説明変数:TFP ..........................................................................................161
3.1.2 説明変数:科学技術関連指標(以下の変数リスト) ...............................................162
第 3.2 節 科学技術関係指標と TFP 成長率の関係分析 .................................................164
3.2.1 TFP 成長率と総研究開発集約度の関係性 ........................................................164
3.2.2 TFP 成長率と性格別研究開発集約度の関係性..................................................168
3.2.3 TFP 成長率と性格別研究開発集約度、他の研究関連指標の関係性 .....................174
3.2.4 今後の課題 ..................................................................................................178
参考資料 ....................................................................................................................179
参考資料 A:R&D のストック化に関する先行調査研究(公的機関) .....................................179
参考資料 B:知識ストックと生産性の関係性等の分析に関する先行調査研究(公的機関) ......182
B.1 サーベイした先行研究事例の一覧 .....................................................................182
B.2 先行研究で採られていた分析方法、利用データ等の概要 ......................................184
B.3 収集した各先行研究の概要 ..............................................................................188
参考資料 C:研究開発の経済分析に関する先行調査研究(学術文献) ...............................202
C.1 R&D(知識)ストックの扱いについて ......................................................................202
iv
C.2 R&D の効果の指標について .............................................................................202
C.3 生産関数について...........................................................................................202
C.4 スピルオーバーについて ..................................................................................203
C.5 その他 ...........................................................................................................203
C.6 参考文献 .......................................................................................................203
参考資料 D:OECD 等の国際パネルデータからみた各国の研究開発等の動向 ...................205
参考資料 E:生産性と知識ストックのタイムラグ構造 .........................................................210
参考資料 F:国際パネルデータ一覧 .............................................................................216
参考資料 G:企業レベル TFP 測定のためのデータ加工方法について ...............................230
参考資料 H:生産性と性格別研究開発集約度のタイムラグ構造 ........................................232
まとめ:今後の研究の方向性 ..........................................................................................239
科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因 .............................239
SNA での知識ストックの計測について ...........................................................................242
知識のライフサイクル、知識の生産・利用プロセス等に関する調査研究の充実 .....................243
謝辞 ...........................................................................................................................245
v
序
はじめに
科学技術イノベーション政策の経済的・社会的影響を測定するには、政策の変化、科学技術イ
ノベーションシステムの変化、経済パフォーマンスの変化及び国民生活への影響を体系的に接続
することが必要である。一方、従来の我が国あるいは海外における既存の代表的な政府マクロ経
済モデルでは、技術進歩率が外生的に与えられるなど科学技術イノベーションを明示的に扱って
いるものは少ないのが実情である。
本調査は、二つのテーマから成り立っている。1 つ目のテーマは科学技術イノベーション政策
を代表的な経済モデルに接続するために政策の構造化を図り、測定可能な指標群を構成した「科
学技術イノベーション・モジュール」の開発を行うことによって、標準的な政策とマクロ経済モ
デルをつなぐことを試行することである。先ず、政府や国際機関の保有する先行モデル等につい
てレビューを行い、それら先行研究を踏まえて可能な限り国際比較可能な集計指標や標準的な手
法を用いて、科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系への導入に関する調査を行った。
一方、科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係に関するエビデンスを充実す
ることの必要性が複数の有識者から指摘されている。科学技術イノベーション政策の研究開発へ
の影響、無形資産の一つとしての研究開発の生産性への効果は、不確実性があり、その因果関係
も明らかではない。これまでに数多くの定量的、定性的な調査研究が行われており、これらの成
果を整理するとともに、現在までに収集可能なデータを用いて現実的に論証可能な範囲を明らか
にする必要がある。
これらの点を踏まえた 2 つ目のテーマは、科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性
の関係に関する既存文献のレビュー、関係データの収集・整理、変数間の関係性の推定等の調査
研究を行い、エビデンスの整理・充実を図るというものである。本調査では、国際パネルデータ、
企業パネルデータの二つのデータセットを用いて科学技術イノベーション政策、研究開発及び生
産性の関係に関する実証研究を行った。調査研究にあたっては、科学技術イノベーション政策が
経済的・社会的な効果を生むには長期間を要することを考慮し、可能な限り長期にわたる時系列
データを整備して分析を行った。
本調査研究の結果は、マクロ経済政策においては、SNA(国民経済計算)における R&D 資本化
の具体化や、大規模経済モデルへの R&D や科学技術イノベーション政策の導入のための課題の抽
出に資することが期待される。また、科学技術イノベーション政策においては、現科学技術基本
計画のフォローアップや次期基本計画の検討のための基礎的な情報として、他の調査研究と相ま
1
って科学技術イノベーション政策の経済効果の測定に関する俯瞰的な知見を与えることが期待さ
れる。
本調査の実施体制
本調査研究は科学技術・学術政策研究所と一橋大学イノベーション研究センターの協力により
実施した。また、科学技術・学術政策研究所は調査研究を株式会社リベルタス・コンサルティン
グに委託して実施した。
また、調査研究にあたっては、以下のタスクフォース及び科学技術イノベーション政策及び研
究開発の経済効果測定に関する研究会より、調査の方向性や分析結果の考察等に関する助言を得
て実施した。
【タスクフォース】
赤池伸一 科学技術・学術政策研究所第3調査研究グループ客員研究官、内閣府経済社会総合研
究所客員研究官、一橋大学イノベーション研究センター教授(主査)
池内健太 科学技術・学術政策研究所第1研究グループ研究員(2012 年度より)
岡村麻子 科学技術政策研究所第3調査研究グループ客員研究官(2012 年度まで)
坂下鈴鹿 科学技術・学術政策研究所第3調査研究グループ総括上席研究官(2012 年度より)
外木暁幸 科学技術・学術政策研究所第3調査研究グループ客員研究官、内閣府経済社会総合研
究所客員研究員、一橋大学イノベーション研究センター特任助手(2013 年度より)
富澤宏之 科学技術・学術政策研究所科学技術・学術基盤調査研究室長
中野諭 科学技術・学術政策研究所科学技術動向センター客員研究官、独立行政法人労働政策研
究・研修機構研究員(2012 年度より)
花田真一 科学技術政策研究所第3調査研究グループ客員研究官、東京大学大学院経済学研究科
特任研究員(2012 年度まで)
藤田健一 科学技術政策研究所第3調査研究グループ総括上席研究官(2011 年度まで)
【株式会社リベルタス・コンサルティング 調査担当メンバー】
有泉久史 株式会社リベルタス・コンサルティング シニアコンサルタント
岩渕仁志 株式会社リベルタス・コンサルティング シニアコンサルタント
萱園理 株式会社リベルタス・コンサルティング シニアコンサルタント(主担当)
【科学技術イノベーション政策及び研究開発の経済効果測定に関する研究会(2012 年度より)
】
2
伊地知寛博 成城大学社会イノベーション学部教授
黒田昌裕 慶應義塾大学名誉教授、科学技術振興機構研究開発戦略センター 上席フェロー(主査)
中村洋一 法政大学経営システム工学科教授
永田晃也 九州大学経済学研究院教授
野村浩二 慶應義塾大学産業研究所准教授
深尾京司 一橋大学経済研究所教授、科学技術・学術政策研究所第1研究グループ客員総括主任
研究官
堀雅博 一橋大学経済研究所世代間問題研究機構教授
鷲津明由 早稲田大学社会科学総合研究院教授
【関係機関、オブザーバー】
内閣府経済社会総合研究所
文部科学省科学技術・学術政策局政策科学推進室
第 1 部の構成
第 1 部は、科学技術イノベーション政策を構造化し、科学技術イノベーションシステムに関す
る測定可能な指標群を構成して、標準的なマクロ経済モデル(内閣府「経済財政モデル」等)に
繋ぐことを目指したものである。
調査を実施するにあたっては、政府の研究開発投資などの科学技術イノベーション政策が政府
や民間の研究開発活動に影響を及ぼし、研究開発活動の成果が我が国の生産性や成長力、さらに
は企業や家計、政府の経済活動をはじめとする様々な社会経済変数に効果をもたらし、その変化
がまた政策や研究開発活動に影響するという構造を想定している。すなわち、本調査の主なター
ゲットは下図の網掛け部分のイメージとなる。
3
科学技術イノベーションシステム
国全体の戦略(新成長戦略など)
科学技術イノベーション
政策(科学技術基本計画
政府の研究開発
経済システム
労働
消費
人口
資本
投資
所得
TFP
輸出入
など)
政府研究開発投資総額
ライフイノベーシ ョン
民間の研究開発
知識・ノウハウの蓄
積、科学技術水準
グリーンイノベーション
総供給
安全かつ豊かで質の高い
国民生活
海外からの
技術導入
総需要
物価
科学技術システム改革
・・・
社会保障政策
医療、年金、介護
医療、介護、年金
○○政策
財政
本調査では、まず第 1 章で、内外のマクロ経済モデルにおける研究開発や技術進歩の取り扱い、
研究開発活動の生産性への影響を分析する手法、毎年毎年の研究活動の蓄積となる研究開発スト
ックの推計について、それぞれ先行研究のレビューを行い、本調査で検討を行うための基礎資料
としてとりまとめた。
つづく第 2 章では、第 4 期科学技術基本計画を例にとって政策の構造化について検討し、定量
化の可能性とマクロ経済モデルとの接続について検討を行う等、我が国の科学技術イノベーショ
ン政策の構造化と定量化を試みた。
第 3 章では、本調査で研究開発活動と生産性の影響をモデル化して開発した「科学技術イノベ
ーション・モジュール」の構造について解説を行うとともに、既存のマクロ経済モデルとの接続
可能性の検証のため、マクロエコノメトリクス研究会「エコノメイト年次マクロ経済モデル 2010
年版(緊急改訂版 2011.04ver)
」をベースに一部改修を加えたマクロ経済モデルと接続し、MaeSTIP
(Macroeconomic Model for Science, Technology and Innovation Policy)を構築した。さらに、この
MaeSTIP を利用して、第 4 期科学技術基本計画を踏まえた政府研究開発投資の拡充による経済効
果シミュレーションを試行した。
第 4 章では、本調査の結果をとりまとめるとともに、分析結果をみる際の留意点、今後求めら
れるさらなる詳細化や拡充の方向性について整理した。
第 2 部の構成
第 2 部は科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係について、知識ストックの
計測手法についてまとめた上で、国際パネルデータ及び企業パネルデータを用いて検証している。
4
第 1 章では、研究開発によって蓄積される知識ストックに関する議論の背景とその計測方法に
ついて、これまでの先行研究を整理するとともに、次期国民経済計算体系である 2008SNA での
R&D 資本化の動向、本調査で設置した研究会での議論等をとりまとめた。
第 2 章では、科学技術イノベーション政策と研究開発、生産性の関係性について国際パネルデ
ータに基づいて包括的な実証分析を行った先行研究のサーベイを行い、分析方法や結果の概要に
ついて整理するとともに、現時点で利用可能な国際パネルのデータセットを整備し、政策と研究
開発、生産性の関係性についての分析を試行し、結果を整理した。
第 3 章では、企業活動基本調査と科学技術研究調査の個票データを接続したデータセットを利
用し、科学技術イノベーション政策と研究開発、生産性の関係性について個々の企業レベルのデ
ータに基づくマイクロ分析を試行し、結果を整理した。
経済学等の
学術研究へ
指標
知識ストックの推計
生産関数等
経済システム
・ 行政情報
(資源配分・重要施
策DB)
・ 特許、論文等の実
数
・ 関数型
(補完・代替性の考
慮など)
・ 研究開発関係指標
(科調統計、論文、
特許、サイエンスリ
ンケージなど)
・ フローの積み上げ
でストック化
(タイムラグと陳腐
化率を考慮)
・ 生産要素の種類
(無形資産など)
(ハイブリッド)
IMFモデル
・ スピルオーバーの
扱い
(DSGE)
JSTプロジェクト 等
・ 科学技術に関する
知識
・ フローで代用(強い
仮定が必要)
研究開発デフレータ
教育・研究従事比率
・ 産業構造の扱い
陳腐化率
タイムラグ
R&D資本
5
・ 経済モデル
(マクロ経済モデル)
NISTEP従来モデル、
MaeSTIPモデル、NEMESIS
・ 産業連関分析
第1部
科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に関す
る調査研究
6
第 1 章 既存のマクロ経済モデル等に関する先行研究
第 1.1 節
マクロモデルにおける生産関数、技術進歩と研究開発の取り扱い
マクロモデルとは、国の経済の仕組みをマクロ経済学と計量経済学を基礎とし、所得や投資、
輸出入などの変数相互の依存関係を方程式体系であらわしたものであり、結果を定量的に示すこ
とができることから政策効果の検討や経済予測等に広く用いられている。
経済の需要と供給をそれぞれ推計し、それらのギャップが価格によって調整されていく、外的
ショックが様々な変数に波及していくといった過程を考える上で、モデルの骨格を成すのが生産
関数であり、そこから潜在 GDP を求める際等に用いる全要素生産性(TFP)である。
ここでは、内外のマクロ経済モデルの事例について調査し、生産関数の構造、全要素生産性や
技術進歩、研究開発の取り扱い等についてとりまとめる。
1.1.1 国内外の官公庁、中央銀行、国際機関等の代表的モデル
国内外の主要な官庁や中央銀行、国際機関等が保有している代表的なマクロ経済モデルでは、
生産要素として資本ストックと労働投入を用いたコブ・ダグラス型の生産関数が採用されること
が多く、モデル上、技術進歩は一定のパラメータ、ないし TFP という変数はあるが数値はモデル
の外から与える外生変数であるものがほとんどである。例外は IMF の MULTIMOD で、通常版
は他モデルと同様に外生であるが、TFP を内生化した拡張版モデルが存在している(詳細は第
1.1.3 小節を参照)
。
なお、近年のマクロ経済モデルにおいては、経済理論と整合的な長期均衡を考慮しつつデータ
へのフィットも重視した、いわゆる「ハイブリッド型モデル」が主流となっている。ハイブリッ
ド型モデルと従来型モデルとの違いについて明確な定義はないが、ハイブリッド型モデルでは、
短期的には均衡からの乖離を許容しつつも長期的には経済理論に基づく均衡関係に収束していく
関係を直接記述したエラーコレクション型の関数を採用している、経済主体が現在や過去のみな
らず将来の状況までも考慮に入れて最適な行動をとる合理的な期待形成が考慮されているといっ
た特徴がみられる。下表では、参考として、各モデルがハイブリッド型モデルと公称しているか、
エラーコレクション型関数や合理的期待を採用しているかどうかについて備考欄に記述した。な
お、備考欄に記載がない場合、公表されているモデル文書に該当する記述がみつけられなかった
ことを意味しているが、実際に当該モデルがハイブリッドモデル的な特徴を備えていないと断定
したものではない。
7
図表 1-1 国内外の官公庁、中央銀行、国際機関等の代表的なマクロモデル
開発主体
生産関数
技術進歩、研究開発
内閣府
「経済財政モデル」
民間資本ストック、労働投
入を生産要素としたコ
ブ・ダグラス型
内閣府
「都道府県別経済財政
モデル」
民間資本ストック、社会資
本ストック、労働投入を生
産要素としたコブ・ダグラ
ス型
TFP 上昇率という外生変数があ
り、潜在 GDP の算出に用いられ
ている。
生産関数を用いて導出した TFP
上昇率という外生変数があり、潜
在 GDP の算出に用いられている
(TFP は HP フィルターを適用
して平滑化している)。
内閣府経済社会総合研
究所
「短期日本経済マクロ
計量モデル」
民間資本ストック、労働投
入を生産要素とし、ハロッ
ド中立的な労働節約的な
技術進歩を仮定した CES 型
1
日本銀行
「Q-JEM」
民間資本ストック、労働投
入を生産要素としたコ
ブ・ダグラス型
FRB(米国連邦準備銀
行)
「FRB/GLOBAL」
労働投入、民間企業資本ス
トック、住宅ストック、石
油需要を生産要素とした
コブ・ダグラス型
IMF(国際通貨基金)
「 MULTIMOD mark
III」
資本ストックと労働投入
を生産要素としたコブ・ダ
グラス型
OECD(経済協力開発
機構)
「 NEW
GLOBAL
MODEL」
民間資本ストック、労働投
入を生産要素とし、ハロッ
ド中立的な労働節約的な
技術進歩を仮定したコ
ブ・ダグラス型
備考
エラーコレクション
潜在 GDP 等は生産関数で推定し
型関数を採用、
た技術進歩や効率、資本分配率な
合理的期待形成を考
どのパラメータ(定数)で定義。
慮
技術進歩はモデル上明示的に扱
われていない。生産関数を用いて
導出した TFP を HP フィルター
で平滑化した上で潜在 GDP を求
め、その成長率が外生変数となっ
ている。
技術進歩はモデル上明示的に扱
われていない。潜在 GDP は資本
と労働等の生産要素、生産関数の
推定パラメータ(定数)に基づい
て定義。
生産関数を用いて導出した TFP
上昇率という変数があり、潜在
GDP の算出に用いられる。TFP
は外生だが、TFP を内生化した拡
張版がある(拡張版では研究開発
は GDP 比で求められ、TFP に影
響を与える)。
具体的なモデル定式化は掲載さ
れていないが、技術進歩は外生と
記述されている。
「ハイブリッド型モ
デル」と公称、
エラーコレクション
型関数を採用、
将来の期待形成を考
慮
エラーコレクション
型関数を採用、
適応的期待と合理的
期待を選択可能
エラーコレクション
型関数を採用、
合理的期待形成を考
慮
エラーコレクション
型関数を採用
1.1.2 その他のモデル
その他、官公庁や中央銀行、国際機関の公式なモデルではないが代表的なマクロモデルをいく
つか紹介する。なお、財務省財務総合政策研究所や経済産業研究所のモデルについては、財務省
や経済産業省が政策の検討等に公式に活用し、継続的にメンテナンスされていくモデルであるの
かどうか位置づけが現段階では不明であるため、こちらに分類した。
日本経済研究センターの JCER 環境経済モデルは一般的な構造のマクロ経済モデルに CO2 排
1
CES(Constant elasticity of substitution)型関数は投入要素間の代替弾力性は一定であるが、コブ・ダグラス型関
数と異なり、代替弾力性を先験的に 1 と仮定しない関数。
8
出量等を推計する仕組みを盛り込んだものであるが、生産関数や技術進歩については他の多くの
モデルと同様の構造となっている。
エコノメイトモデルはデータからモデル体系、シミュレーション環境までをパッケージ化した
ものであり、GDP 等主要系列を独自に遡及推計して内閣府の公式統計よりも長期にわたる系列を
確保していること、モデルのカスタマイズが可能であること等から、本分析での作業のベースと
して利用した。
NEMESIS モデルは、R&D 支出や他産業や政府、海外からのスピルオーバーまで含んだ知識ス
トックという変数があり、資本から非熟練・熟練労働、エネルギーや中間投入といった様々な生
産要素で構成された生産関数の各項で知識ストックによるイノベーションが考慮される等、今回
とりあげたモデルの中では最も進んだ取り組みがなされている(詳細は第 1.1.3 小節を参照)
。
図表 1-2 その他のマクロモデル
開発主体
生産関数
技術進歩、研究開発
財 務 省 財 務 総 合政 策 研
究所、京都大学経済研究
所
「財政経済モデル」
民間資本ストック、労働投入を
生産要素としたコブ・ダグラス
型
TFP は外生変数であり、潜在 GDP の
算出に用いられている。
財 務 省 財 務 総 合政 策 研
究所、京都大学経済研究
所
「 フ ォ ワ ー ド 型マ ク ロ
経済モデル」
民間資本ストック、労働投入を
生産要素とし、ハロッド中立的
な労働節約的な技術進歩を仮
定したコブ・ダグラス型
TFP 上昇率は外生であり、潜在 GDP
の算出に用いられている。
合理的期待形成を考慮
「ハイブリッド型モデ
ル」と公称、
エラーコレクション型
関数を採用、
一部に合理的期待を考
慮
経済産業研究所
「MEAD-RIETI モデル」
民間資本ストック、労働投入を
生産要素としたコブ・ダグラス
型
技術進歩は外生(ソロー残差をスムー
ジングして算出した TFP を利用)。
日本経済研究センター
「JCER 環境経済マクロ
モデル」
労働投入、資本、エネルギーを
生産要素としたコブ・ダグラス
型
技術進歩は外生。
マ ク ロ エ コ ノ メト リ ッ
クス研究会
「Economate Macro」
民間資本ストック、労働投入を
生産要素としたコブ・ダグラス
型
TFP はモデル変数として存在せず、潜
在 GDP は資本と労働のほか、生産関
数で推定したパラメータ(定数項、タ
イムトレンド)に基づいて定義。
ERASME プロジェクト
「NEMESIS MODEL」
30 の産業部門毎に、資本、非熟
練労働、熟練労働、中間財、エ
ネルギーの5つの投入要素で構
成され、2つの要素ごとに推定す
る入れ子構造の CES 型関数。
各生 産要素には知識スト ック と
R&D 支出で説明されるイノベー
ション項が加味される。
自産業の R&D ストックのほか、他産業
や公的部門、海外からのスピルオーバ
ーを考慮した知識ストックをモデル変数
に持ち、生産関数のほか輸出入関数の
説明変数にも入っており、直接影響を及
ぼす形で定式化。
9
備考
1.1.3 内生的技術進歩のマクロモデルへの応用事例
技術進歩を内生化し、マクロモデルに応用した事例である IMF の MULTIMOD 拡張版、
ERASME プロジェクトの NEMESIS モデルについて、その取り組みは以下のようなものであっ
た。
(1) MULTIMOD
MULTIMOD では生産関数は、資本ストックと労働投入を生産要素としたコブ・ダグラス型生
産関数である。標準版モデルでは全要素生産性(TFP)は外生であるが、R&D 支出はイノベーショ
ンや技術進歩、経済成長に影響を与える重要な要素であるとして内生化して分析可能な拡張版が
存在している。
拡張版 MULTMOD では、R&D 支出を対 GDP 比で求める形で内生化し、フローである R&D
支出を積み上げてストックを推計している。
この R&D ストックを説明変数とした TFP 関数は以下のとおりである。これは先に紹介した、
知識ストックの弾力性を推定する形の定式化である。ストックや輸入比率にかかるパラメータは
各国共通であり、定数項のみが国や地域によって異なっている。
MULTIMOD は多国モデルであることから、自国の知識ストックに海外からのスピルオーバー
をも考慮している。なお、海外の知識ストックはその国の輸入をウェイトとして合算したもので
ある。また、ある国が製造のための中間財を輸入するとき、海外で改良された製品でも、それを
輸入して使用することで恩恵が得られる。つまり、そうしたスピルオーバーの効果は輸入比率が
高い国ほど大きくなるとして定式化されている。
G7 各国:
log(F) = φ1+ 0.24log(SD) + 0.26m・log(SF) - 3.18m
その他の工業化の進展度の低い国・地域:
log(F) = φ2+ 0.08log(SD) + 0.26 m・log(SF) - 3.18m
F:TFP、SD:国内 R&D ストック、SF:海外 R&D ストック、m:輸入比率
政府支出や減税が GDP に与える影響についてシミュレーションを行った結果、TFP を内生化
することにより財政政策の効果がより大きく、期間も長期にわたるものとなったと結論付けてい
る。
(2) NEMESIS
10
NEMESIS モデルの生産関数は 30 の産業部門毎に、資本、非熟練労働、熟練労働、中間財、
エネルギーの5つの投入要素で構成され、2つの要素ごとに推定する入れ子構造の CES 型生産関
数である。研究開発がこの生産関数に接続されている経路は以下のとおりである。
まず、R&D 支出は陳腐化を考慮して積み上げることで R&D ストックとする。R&D 支出の懐
妊期間(研究開発がなされてから成果が結実するまでのタイムラグ)は民間企業で 1 年、公的機
関等で 3 年と設定されている。
(産業・部門別、国・地域別…)
タイムラグ
R&D支出
R&Dストック
陳腐化率
注:ERASME, “NEMESIS Reference Manual”, 2010 より作成(以下、同様)
さらに自部門のストックに他部門や公的部門、海外からのスピルオーバーを考慮し、知識スト
ックを求める。
当該部門
R&Dストック
他部門
R&Dストック
知識ストック
技術フロー
マトリックス
国外
R&Dストック
公的
R&Dストック
知識ストックは2つのイノベーション2を通して経済パフォーマンスに直接影響を与える。

プロセス・イノベーションは生産関数の投入要素の生産性向上を通じて供給の増加をもたらす。ま
た、当該産業の生産物の(品質一定の下での)価格の下落を通じて、需要の増加をもたらす。

プロダクト・イノベーションは製品の機能・品質に関わるイノベーションである。従来の生産物に対
して付加価値の向上をもたらす。機能や品質が向上することで、従来の生産物に対して付加価値
額での変動をもたらすが、供給の増加とは区別される点が異なっている。
2
NEMESIS では生産プロセスが変わることによって価格が低下するイノベーションを「プロセス・イノベーショ
ン」
、価格は不変で生産されるプロダクトの品質・性能が向上する(ことによって品質あたりの価格が下がる)
イノベーションを「プロダクト・イノベーション」と定義している。
11
知識ストック
プロセス
イノベーション
プロダクト
イノベーション
生産性の向上
製品機能の
向上
製品機能の
価格低下
需要量の変動
製品機能の
需要の増加
価格の低下
供給の増加
供給側
需要側
価格弾力性
(ε)
需要の増加
R&D 支出や知識ストックから求めたイノベーション・インデックスが、生産関数の各生産要素
に影響を与える構造となっている。
IY
Y
M
KELHSLLS
LLS
KELHS
IM
LHS
KE
ILLS
K
E
IK
IE
ILHS
Ix
NEx
RDx
KNOWx
x=Y, M, LLS, LHS, K, E
Y:潜在的生産
QY:産出
M:中間財
LL:非熟練労働
LH:熟練労働
K:資本
E:エネルギー
innov:イノベーションのフロー
IY:プロダクトイノベーションの水準
KNOW:知識スピルオーバー
NE:R&D 困難性
RD:R&D 支出
SRD:R&D ストック
Delay:ラグ付き変数
研究開発や知識ストックが社会経済に与える影響として、生産関数を通じた供給力の増加、価
格の低下という経路に加え、輸出入関数でも知識ストックの影響が考慮されている。
12
NEMESIS モデルの輸出入関数では一般的なマクロモデルの所得要因、相対価格要因に加えて、
自国の知識ストックが EU 全体に占める割合が説明変数となっている。いわば、知識ストックは
生産性を通じて間接的に影響を与えるだけでなく、需要を直接変動させる要因として定式化され
ている。
(輸出関数)
輸出関数は、所得効果、相対価格効果、価格以外の効果の3つの要素で定式化されている。所
得弾力性(α1s)の符号は正、価格弾力性(α2s)は負、価格以外の要素の弾力性(α3s)は正と
なっている。
輸出関数が所得(輸出対象となる他国・地域の需要)
、価格(当該国・製品の価格の競合に対す
る優位性)で説明される構造は一般的なマクロモデルと同様であるが、知識ストックの効果が加
味されている点が特徴的である。その効果が正ということは、知識ストックのシェアが大きい国
は輸出について他の国・製品よりも優位となることを意味している。
ln EXP c,s   0c, s  1s ln INDACT c,s   2s ln
KNOW c, s
PEXP c, s
  3s ln
PINDICEXP c,s
KNOW total, s
EXPc,s:国 c、部門 s の輸出、INDACTc,s:他国・地域需要指数、PEXPc,s:輸出価格、PINDICEXPc,s:競
合製品価格指数、KNOWc,s:知識ストック、KNOWtotal,s:各国の知識ストック合計(EU 域内の輸出関数で
は EU 計、EU 域外への輸出関数では域外計)
(輸入関数)
輸入関数は、所得効果、相対価格効果、価格以外の効果で定式化されており、所得弾力性(β
1s)の符号は正、価格弾力性(β2s)は負、価格以外の要素の弾力性(β3s)は負となっている。
一般的なマクロモデルと異なり、所得と価格に加えて、知識ストックの効果が加味されており、
知識ストックのシェアが大きくなると輸入が抑制される構造となっている。
ln IMPc, s   0c, s  1s ln ADDEMQ c, s   2s ln
KNOW c, s
PIMPc, s
  3s ln
PPROD c, s
KNOW total, s
IMPc,s:国 c、部門 s の輸入、ADDEMQc,s:c 国内の s 製品需要、PIMPc,s:輸入価格、PPRODc,s:製品価格、
KNOWc,s:知識ストック、KNOWtotal,s:各国の知識ストック合計(EU 域内の輸入関数では EU 計、EU 域
外からの輸入関数では域外計)
(3) その他
TFP を内生化しているモデルはそれほど多くないが、新古典派的な経済理論では潜在成長率は
長期の成長率を規定する、マクロモデルにおけるきわめて重要な要素である。
たとえば、日本銀行の Q-JEM モデルでは、潜在成長率は家計や企業による期待成長率の代理
変数として、金利に影響を与え、ひいては個人消費や設備投資などの多くの需要に影響を与える
構造となっている。
13
第 1.2 節
研究開発活動の生産性への影響分析の手法
研究開発活動の生産性上昇への貢献(研究開発の収益率)を推計する方法には、ミクロデータ
に基づく分析とマクロデータに基づく分析がある。たとえば特定のイノベーションについてのケ
ーススタディに基づいて推計する方法もあるが、詳細なデータの把握・分析が可能な反面、一般
性を欠くという問題がある。
より一般的に収益率を推計する方法として、以下の式(1)のように拡張されたコブ・ダグラス型
生産関数をベースとし、研究開発と生産性上昇の関係を分析する方法がしばしば用いられる。
Q  A L K1 R
(1)
Q:産出、L:労働投入、K:資本投入、R:研究開発ストック投入
全要素生産性を T とおき、両辺を LαK1-αでわると、式(2)となる。
T
Q

L K
1
 A R
(2)
ここで、研究開発の収益率をρとおき、これを研究開発の限界生産性という形で定義すると、
以下の式(3)となる。

Q Q R Q
Q

  
R R Q R
R
(3)
この後、弾力性γを推定する(γに Q/R を乗じることで限界収益率を求める)か、限界収益
率ρを一定として直接推定するかで2つのアプローチがある。
1.2.1 産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ
式(2)から両辺に対数をとり、全要素生産性 T と研究開発ストック R のデータを元に回帰分析
を行うことで、弾力性γをパラメータとして求める。
ln T  ln A   ln R
(4)
ただし、ストック変数には強い上昇トレンドがあり、非定常な時系列である(平均や分散が一
定でない)ことが多い。このようなデータを回帰分析すると、本来関係がないのに有意な結果が
得られてしまう、いわゆる「みせかけの相関」の問題が生じるおそれがあるため、非定常性を除
去するために階差をとって推計を行うことがしばしば行われる。
なお、両辺を対数の形で想定した式(5)を、t-1 期について記述すると式(6)となる。式(5)から式
14
(6)を引くと、両辺が階差 log の式(7)となることから、どちらも同じく弾力性を推定する式である
と解釈できる。
(5)
(6)
(7)
1.2.2 研究開発の限界収益率を推定するアプローチ
式(2)を時間について微分する。
T A
R


T
A
R
式(3)よりγ=∂Q/∂R・R/Q であるから、式(8)となる。
T A Q R


T
A R Q
(8)
一国全体の生産関数をベースにすると産出 Q は GDP となり、全要素生産性 T と研究開発スト
ック R の増分のデータを元に回帰分析を行うことで、限界収益率(∂Q/∂R)を求めることが
できる。さらに、知識ストックの陳腐化がないものと仮定すれば研究開発ストックの増分はフロ
ーである研究開発支出に等しくなるので、ストックの推計を行わずに簡便に分析することが可能
となる。
いずれにしても、ベースとなる考え方は①と同じであるが、ρを一定として回帰分析により直
接求めている点が異なっている。本分析では、この2つのアプローチに基づいた分析をそれぞれ
行い、検討するものとする。
15
【参考】全要素生産性について
生産活動が効率的であるか否かは生産性によって計測することができる。たとえば労働生産性
は、生産額(あるいは付加価値額)÷労働投入量で指標化されるが、これは生産要素を1つとみ
なして求めた単一要素の生産性である。しかし、生産活動には労働だけでなく資本をはじめとし
た様々な要素があり、生産活動の効率性はこれらの要素を加味した総合的な生産性を検討する必
要がある。
全要素生産性(Total Factor Productivity; TFP)は、成長会計から派生してきた概念であり、
こうした総合的な生産性をあらわす指標である。産出ないし付加価値の成長を資本投入と労働投
入の寄与分、およびそれ以外=TFP に要因を分解する分析手法である。
TFP はシンプルかつ有効な分析手法として、マクロ経済モデルの中で技術進歩として扱われるほ
か、産業や企業レベルのミクロ分析等の分野においても現在も広く用いられている(中野(2008)
、
深尾・権(2011)3ほか)
。
TFP は様々な要素を含む広範な概念の指標であり、研究開発努力による技術革新のほか、他者
の行った技術のスピルオーバーをはじめ、労働の質の向上、資本の熟度、経営の改善、政策効果
等、自律的、他律的、間接的な要素が含まれる。
いずれにせよ、TFP は概念としての指標であり、数値は統計等によって直接観測できるものでは
ないことから、TFP の推定に用いる指標(産出、付加価値等)や推定のレベル(国全体、産業、
企業)
、推計の期間、変動成分の除去方法等の条件が異なれば推計結果も異なったものとなる。
3
中野諭「企業レベルの R&D ストックと全要素生産性の計測」
、内閣府経済社会総合研究所『平成 19 年度 イノ
ベーション政策及び政策分析手法に関する国際共同研究』No.2、第 3 章、平成 20 年 3 月。
深尾京司・権赫旭、
「日本経済成長の源泉はどこにあるのか:ミクロデータによる実証分析」
、経済産業研究所
『RIETI Discussion Paper』 11-J-045、2011 年 4 月
16
第 1.3 節
研究開発ストックの推計
ここまでみてきた研究費や技術輸入額はあくまでも毎年毎年のフローの金額であり、その時点
の研究活動や技術輸入の活発度をあらわす指標であると考えられる。一方で、我が国経済の生産
性の向上やイノベーションといったものは、年々のフローというより、それらを積み上げた科学
技術知識の総体、科学技術の水準ないしはポテンシャルによって影響を受けると考えられる。
研究開発の成果をあらわす指標としては、たとえば特許や学術論文のようにある程度数量的に
認識できるものもあるが、製品の製造工程の改善やノウハウといった定量的な把握が困難なもの
も多い。
ここでは、研究開発投資は一定の期間を経過した後に、投資と見合った有形無形の成果を産出
すると仮定するとともに、それらの成果は新しい技術や知識の出現、適用場面の喪失等によって
一定の期間で陳腐化していくものと仮定した研究開発ストックの推計を試みる。
1.3.1 研究開発ストックの推計に関する先行研究事例
研究開発支出のフローを積み上げた知識ストックの推計において、技術知識の陳腐化率と研究
開発投資の懐妊期間が必要であろうということは、多くの事例に共通するところであるが、その
数字がどの程度かということにはっきりとしたコンセンサスが得られておらず、理論的に確立さ
れている訳ではない。
SRDt  RDt m  1     SRDt 1
SRDt:t 期の R&D ストック、RDt-m:t-m 期の実質研究費(フロー)
、m:懐妊期間、δ:陳腐化率
陳腐化率の推計には以下のような方法が採られることが多い。
4

科学技術庁(1985) を根拠に技術の平均寿命(特許収入期間)の逆数で算出

特許の残存件数のデータを用いて推計

その他アンケートや先行研究の値を利用

10%ないし 15%等と仮定(明確な根拠はなし)

ゼロと仮定(ストックの推計を回避)
なお、特許収入期間の逆数をもって陳腐化率とする例もあるが、これは定額法に基づいた値で
あり、定率法で計算すると陳腐化率が大きく変わるという指摘もある。蜂谷(2005)では同じ科
学技術庁(1985)の値から定額法では 9.8%、スクラップバリューを 10%とした定率法では 20.2%
となると指摘している。
4
科学技術庁「民間企業の研究活動に関する調査(昭和 60 年度)
」
17
一方、研究開発投資の懐妊期間についても、アンケート等を根拠に値を与えることが多い。
5

科学技術庁(1985)の自主技術の平均研究期間や経済企画庁(1982) の平均開発期間を利用

その他アンケートや先行研究の値を利用

一律1年等と仮定

ゼロと仮定(BEA 等)
懐妊期間は、平均タイムラグで推計するものが多いが、アンケートの回答分布等を元にタイム
ラグ分布を想定するものもある。
懐妊期間の長さについては期間をとおして一定のものが多いが、経団連(1998)6の調査等、複
数時点の結果が得られるデータを利用し、中間年を補完して利用している例もある。
研究開発支出のストック化については、経済全体を国際比較可能な形で推計する国民経済計算
(SNA)体系においても検討が進められている。米国商務省経済分析局(BEA)の R&D サテラ
イト勘定7では推計方法の一つとして、陳腐化率 15%、懐妊期間 0 年でストックを推計している
(ただし、その際、当年度の支出も半分は陳腐化する)
。
同様に、我が国でも川崎(2006)等で検討された SNA と整合的な R&D 資本の推計は、内閣
府経済社会総合研究所で継続して検討されており、ESRI(2011)で検討の経緯や概要、パターン
別の推計結果が掲載されている。
主な先行研究において、R&D 支出をストック化する際に設定されていた懐妊期間、陳腐化率は
以下のようなものであった。
総じていえば、アンケート等に基づいたものであっても設定された値には幅がある。また、た
とえば特許件数等といった客観的と考えられるデータの利用についてすら、
「特許としてあらわれ
るものは技術や知識の一部に過ぎず、特許の取得や維持には企業としての戦略等、技術以外の要
因も関連している」といった批判もなされている。
米国 BEA や内閣府の推計においても、複数の前提条件を設定し、それぞれ推計を行っているこ
とからも、国全体の科学技術の水準とは明確な定義や定量的な観測が困難な事象であり、ある程
度妥当と考えられる前提に立ち、その前提に沿った推計を示すという形をとらざるを得ないこと
を示している。
5
6
7
経済企画庁「企業行動に関するアンケート調査」
、1982 年 1 月
経済団体連合会「産業技術力強化のための実態調査報告書」
、1998 年
「サテライト勘定」とは SNA のコアの体系には取り込まれていないが、特定分野について SNA と整合的な推
計を行う枠組みのことで、環境や無償労働等についてもサテライト勘定がある。
18
図表 1-3 先行研究における懐妊期間と陳腐化率
懐妊期間
経済財政白書
(2002)
冨田(2005)
陳腐化率
8
開銀(1987) をベンチマーク、経団連
(1998)の経年変化で推計
形補完
1 年(前期末ストックが説明変数となる
ので実質 2 年)
蜂谷(2005)
経団連(1998)を元に定率法で推計し、線
科学技術庁(1985)
(24.6~7.9%)
経団連(1998)を元に線形補完
(全産業平均 1988 年 4.3、93 年 3.6、98
特許の残存件数から陳腐化率を経年で推計
(1982 年 13%から 88 年 22%)
年 3.0(年))
中野(2008)
川崎(2006)
①0 年(BEA)、または
①15%(BEA)
、または
②科学技術庁(1985)
②科学技術庁(1985)
0 年(SNA の専門家会合 AEG での議論
①定率 15%、または
②期間に応じたパターン変更(1959 年 16%
を踏まえて設定)
~2002 年 23%)
BEA(2007)
①0 年(当期 R&D にも陳腐化率の 1/2
①定率 15%(ただし、企業の運輸 18%、電
子機器 16.5%、化学 11%)
、
が適用されるので実質半年)
または
②期間に応じたパターン変更
ESRI(2011)
①0 年(BEA)
、または
①15%(BEA)
、または
②NISTEP(1998)より設定
②11%(BEA)
、
9
③NISTEP(1999) より設定
8
9
日本開発銀行(現日本政策投資銀行)設備投資研究所「民間企業の研究開発に関するアンケート調査」
、1987
年
科学技術政策研究所「研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調査(中間報告)」、1999 年
6月
19
【参考】経済団体連合会調査による事業分野別の開発リードタイム、製品のライフサイクル
経済団体連合会「産業技術力強化のための実態調査報告書」
(1998 年)で調査されていた事業
分野別の開発リードタイム、製品のライフサイクルは以下のとおりである。3 時点の数値を把握
できる数少ない調査だったことからいくつかの先行研究でも R&D ストックの推計に利用されて
いる。
ただし、サンプルが経団連会員企業の一部(123 社)と限られていることもあり、変化率は事
業分野別の数値を使わずに全体平均と同じとする、リードタイムは利用するがライフサイクルは
別のデータを参照する等といった加工や工夫もなされていた。
図表 1-4 開発リードタイム及び製品ライフサイクルの短縮化の状況(事業分野別)
(単位:年)
開発リードタイム
製品ライフサイクル
10 年前
5年前
現 在
10 年前
5年前
現 在
2.2
2
1.7
5
5
3
6.4
4.4
2.8
15
12.5
10
石油精製・製品
2.6
2
1.8
鉄鋼
4.3
3
2.6
8.5
6.7
5.9
13.1
11.1
9.4
非鉄
3.5
2.3
1.6
繊維
4.2
3.5
2.4
7.5
5.7
3.8
5.8
4.8
4.1
化成品
5
3.9
洗剤・化粧品・油脂
7
4.7
3
14.1
8.5
5.7
2.8
7.7
6.7
5.7
9.9
10.8
2
1.3
13.2
15.8
12
9
0.6
5.5
4
2.5
窯業・土石製品
4.5
金属製品
5.8
3.2
2.4
13
10.6
9.6
5.8
3.1
20
10
10
重電機器
家電機器
6.6
6
5.4
24.4
23.6
23.1
1.6
1.5
1.1
1.6
1.3
0.9
半導体・デバイス
4.2
3.2
1.9
5.4
3.8
2.9
情報・通信機器
3.8
2.5
1.6
4.8
3.4
2
自動車
4.7
3.4
2.3
7.3
5.3
4.6
船舶
2.2
2.2
1.8
14.2
14.2
14.2
産業機械
3.1
2.4
1.5
14.7
10.9
9.1
精密機器
3.1
2.4
1.8
6.3
5.2
4.1
電力・ガス・原子力
6.6
7.4
9.2
18.4
19.2
26.8
情報・通信サービス
3.8
3.1
1.8
8.8
4.9
3.6
建築
食料品
パルプ・紙
医薬品
ゴム製品
3.3
2.5
2
7.7
6.5
5.7
エンジニアリング
4
3.5
3.3
21.3
19.3
18.8
全事業分野平均
4.3
3.6
3
11.1
8.9
8.1
20
第 2 章 科学技術イノベーション政策の構造化
本章では、科学技術イノベーション政策をマクロモデルと接続するために、政策を構造化して
整理し、適切な代理指標の選定、マクロモデルとの接続点について検討を行った。以下では、第
4 期科学技術基本計画を例にとって構造化を試みたものである。
第 2.1 節
第 4 期科学技術基本計画の構造
2.1.1 全体構成
平成7年に制定された科学技術基本法では、
「我が国における科学技術の水準の向上を図り、も
って我が国の経済社会の発展と国民の福祉の向上に寄与するとともに世界の科学技術の進歩と人
類社会の持続的な発展に貢献することを目的とする」という理念を掲げており、この理念の下に
政府はこれまで累次の科学技術基本計画(以下、基本計画)を策定し、長期的視野に立って体系
的かつ一貫した科学技術政策を実行してきた。
現在は、平成 23~27 年度の 5 年間を計画期間とする第 4 期科学技術基本計画(平成 23 年 8 月
閣議決定)が実行されているところである。
第 4 期基本計画は大きく5つのパートに分けてまとめられている。ここでは、基本計画のⅠで
掲げた 5 つの「目指すべき国の姿」が将来に向けた目標であり、Ⅱ及びⅢは目標達成のために解
決すべき重要課題かつより具体的な目標、Ⅳ及びⅤはその課題を達成するための条件づくりや環
境整備として捉え、計画の全体像と各パートで掲げられた課題や方策の相互関係を俯瞰し、整理
した。
第 3 期基本計画では推進すべき分野を大きく掲げていたが、第 4 期基本計画では課題解決型へ
転換しているのが大きな違いである。また、
「震災からの復興と再生」という課題は「①震災から
復興、再生を遂げ、将来にわたる持続的な成長と社会の発展を実現する国」という目標にも「②
安全、かつ豊かで質の高い国民生活を実現する国」にも関連している等、目標や課題はそれぞれ
独立したものではなく、相互に関連したり、重なったりしている部分もあるといった構造になっ
ている。
21
図表 2-1 第 4 期科学技術基本計画の全体像と構成要素
【目指すべき国の姿】
Ⅰ.基本認識
【重要課題】
【課題達成の条件づくり、政策展開】
Ⅱ.将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現
被災地の産業の復興、再生
①震災から復興、再生を遂げ、
将来にわたる持続的な成長
と社会の発展を実現する国
震災からの復興、
再生の実現
社会インフラの復旧、再生
グリーンイノベー
ションの推進
科学技術イノベーションに関する
新たなシステムの構築
②安全、かつ豊かで質の高い
国民生活を実現する国
世界と一体化した国
際活動の戦略的展
開
新しい早期診断法の開発
独創的で多様な基礎研究の強化
基礎技術の抜本的
強化
安全で有効性の高い治療法
の開発
高齢者、障害者、患者の生
活の質の向上
生活の安全性と利便性の向
上
食料、水、資源、エネルギー
の安定的確保
世界トップレベルの基礎研究の強
化
多様な場で活躍で きる人材の育
成
科学技術を担う人材
の育成
Ⅲ.我が国が直面する重要課題への対応
安全かつ豊かで
質の高い国民生
活の実現
科学技術外交の展開
Ⅳ.基礎研究及び人材育成の強化
革新的な予防法の開発
ライフイノベーショ
ンの推進
アジア共通の問題解決に向けた
研究開発の推進
エネルギー利用の高効率化
及びスマート化
社会インフラのグリーン化
独創的で優れた研究者の育成
次代を担う人材の育成
大学及び公的研究機関における
研究開発環境の整備
国際水準の研究環
境及び基盤の形成
知的基盤の整備
研究情報基盤の整備
国民生活の豊かさの向上
④国家存立の基盤となる科学
技術を保持する国
Ⅴ.社会とともに創り進める政策の展開
我が国の産業競
争力の強化
産業競争力の強化に向けた
共通基盤の強化
我が国の強みを活かした新
たな産業基盤の創出
地球規模の問題
解決への貢献
⑤「知」の資産を創出し続け、
科学技術を文化として育む
国
科学技術イノベーションの戦略的
な推進体制の強化
被災地における安全な生活
の実現
安定的な エネルギー供給と
低炭素化の実現
③ 大規模自 然災害 など地 球
規模の問題解決に先導的に
取り組む国
イノベーション推進に
向けたシステム改革
科学技術の共通
基盤の充実、強化
実効性のある科学
技術イノベーション
政策の推進
新フロンティア開拓のための
科学技術基盤の構築
領域横断的な科学技術の強
化
共通的、基盤的な施設及び
設備の高度化、ネットワーク
化
22
国民の視点に基づく科学技術イノ
ベーション政策の推進
科学技術コミュニケーション活動
の推進
政策の企画立案及び推進機能の
強化
地球規模問題への対応促進
国家安全保障・基幹技術の
強化
国家存立の基盤
の保持
社会と科学技術イノ
ベーションとの関係
深化
研究資金制度における審査及び
配分機能の強化
研究開発の実施体制の強化
科学技術イノベーション政策にお
けるPDCAサイクルの確立
研究開発投資の拡
充
官民合わせた研究開発投資の対
GDP比4%以上、政府研究開発投
資の対GDP比1%及び総額約25
兆円
2.1.2 第 4 期基本計画で提示された課題
第 4 期基本計画の「Ⅱ.将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現」では、重要な課題と
して、
「震災からの復興、再生の実現」
、
「グリーンイノベーションの推進」、
「ライフイノベーショ
ンの推進」を掲げ、それぞれどういった研究開発を充実、強化していくかというターゲットを具
体的に紹介している。また、
「Ⅲ.我が国が直面する重要課題への対応」においてもそれ以外の課
題として、
「安全かつ豊かで質の高い国民生活の実現」、
「我が国の産業競争力の強化」、
「地球規模
の問題解決への貢献」
、「国家存立の基盤の保持」、「科学技術の共通基盤の充実、強化」が挙げら
れている。
これらの要素のうち、たとえば安心や安全といった項目は社会経済への影響を定量的に示すこ
とは難しい。しかし、震災からの復興、再生については我が国の社会資本、民間資本ストックの
震災による滅失、今後の復興過程においては設備投資等の動向に大きな影響を与えると考えられ
る。また、グリーンイノベーションに係るエネルギー利用の効率化といった研究開発は我が国経
済全体のエネルギー効率の向上にも資するものであり、ライフイノベーションにかかわる新しい
治療法の開発も長期的な視点からみれば我が国の平均寿命、ひいては人口や年齢構成等に影響を
及ぼしていく可能性がある。
震災からの復興、再生については社会資本、民間資本の統計が整備されておらず、経済モデル
の中での検討は現時点では困難であること、資本ストックや設備投資そのものはイノベーション
に係るものではなく、本調査の主題から外れること等から直接には取り扱わないものとした。
また、グリーンイノベーションやライフイノベーションについては、研究開発が成果につなが
り、社会に影響を及ぼしていくまでには多くの時間を要する上、現時点では当該分野の研究開発
について統計調査が行われていないことから、定量的な分析は困難である。
今後、総務省『科学技術研究調査』等の統計調査で数値が把握され、各研究分野や産業、企業
といったミクロなレベルでの分析等が行われるようになれば、その知見を経済モデルにも活かし
ていくことが考えられる。
23
図表 2-2 「Ⅱ.将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現」で提示された課題
【重要課題】
【研究開発のターゲット】
汚染された土壌・水質の調査・改善、海洋生態
系の回復、生産性向上、農林水産物の安全性
向上
被災地の産業の復興、再生
先端材料・部品等の拠点の再構築、生産設備・
機器の再生と高度化
新産業と雇用の創出に向け、再生可能エ ネル
ギー、医療・介護、IT等の研究開発の取組促進
震災からの復興、
再生の実現
社会インフラの復旧、再生
被災地における安全な生活
の実現
家屋・ビル等の建造物、堤防等の防災インフラ、
鉄道・港湾・道路等の交通インフラ、電気・ガス
等の生活インフラの復旧再生、機能・利便・安全
性の向上
地震、津波等の調査観測の強化、防災・減災対
策
周辺及び全国の放射線モニタリングの強化、正
確・迅速な情報発信、汚染土壌・水の除染、放
射性廃棄物の処理・処分
太陽光、バイオマス、風力、小水力、地熱等の
再生可能エネルギーの大幅な普及拡大
安定的なエネルギー供給と
低炭素化の実現
グリーンイノベー
ションの推進
燃料電池や蓄電池、水素、超電導送電などエネ
ルギーの蓄積、製造・輸送・貯蔵の研究開発に
よる分散エ ネルギーシステム の革新、スマー ト
グリッド等のエネルギーマネジメントシステム
火力など基幹エネルギー供給の効率化・低炭素
化
製造部門における化石資源利用の効率化
エネルギー利用の高効率化
及びスマート化
民生・運輸部門の低炭素化・省エネルギー化
高効率な交通・輸送システムの構築
社会インフラのグリーン化
資源再生技術の革新、レアメタル・レアアース等
の代替材料の創出
気候変動や大規模自然災害に対応した都市・地
域の形成、自然環境や生物多様性の保全
国民の健康状態、生活習慣や環境の長期追
跡・調査等による客観的証拠に基づいた予防法
の開発
革新的な予防法の開発
医療情報の電子化、標準化、DB化等の基盤整
備、有効活用
予防効果の高いワクチンの研究開発、国内外へ
の普及、展開
新しい早期診断法の開発
ライフイノベーショ
ンの推進
微量物質の同定や検出法・機器の開発、内視
鏡等の肉眼視、3次元映像法等の開発と統合に
よる早期診断技術の開発
疾患、治療メ カニズ ム の解明 、新規創薬ター
ゲットの探索のため生命科学の基礎的研究の
強化
安全で有効性の高い治療法
の開発
核酸医薬、ドラッグデリバリーシステムなど革新
的治療法の確立、治療の質と安全性、有効性の
向上
放射線治療、ロボット手術等の新しい機器開発、
内視鏡と治療薬の融合、遠隔診断・医療技術の
開発
失われた機能の補助・再生医療に関連す る細
胞増殖・分化技術の開発、標準化、安全性評価
高齢者、障害者、患者の生
活の質の向上
24
生活支援ロボット、BMI機器など高齢者、障害者
の身体機能の代償技術、自立・生活支援、コミュ
ニケーション支援技術
図表 2-3 「Ⅲ.我が国が直面する重要課題への対応」で提示された課題
【重要課題】
【研究開発のターゲット】
災害に関する調査、予測、防災等
防災体制の強化、被害状況の把握や伝達、リス
ク管理など災害対応能力の強化
生活の安全性と利便性の向
上
環境汚染物質の有害性やリスク評価、管理及び
対策
交通・輸送システ ムの高度化、安全性評価、長
寿命化
安全かつ豊かで
質の高い国民生
活の実現
食料、水、資源、エネルギー
の安定的確保
高品質な食料・食品の生産、流通、消費、安定
確保
資源の探査、効率的・循環的利用、廃棄物の抑
制・再利用、代替資源の創出
国民生活の豊かさの向上
再生可能エネルギーの普及拡大
教育、福祉、医療・介護、行政、観光等の公的・
民間サービスの改善・充実
人文社会科学の融合、デザイン・コンテンツの潜
在力向上
我が国の産業競
争力の強化
産業競争力の強化に向けた
共通基盤の強化
市場占有率や今後の成長率等が高い先端材
料・部材、高機能デバイスやIT等にかかわる基
盤技術およびそのオープン化
計測分析、精密加工、組み込みシステム等の開
発技術、要素技術の行動化、ハー ド・ソフトの連
携
我が国の強みを活かした新
たな産業基盤の創出
次世代交通システム、スマートグリッド等の統合
システムの開発、実証実験、海外展開
次世代交通システム、スマートグリッド等の統合
システムの開発、実証実験、海外展開
地球規模の問題
解決への貢献
地球規模問題への対応促進
大規模な気候変動、大規模自然災害等の観測、
予測、対策と国際協調
生態系・生物多様性の調査・観測、保全・再生
新興・再興感染症の予防、診断、治療
国家安全保障・基幹技術の
強化
国家存立の基盤
の保持
科学技術の共通
基盤の充実、強化
海洋探査、宇宙輸送・衛星開発・利用、災害観
測・監視・伝達、新エネルギー、HPC、GIS等
原子力に係る安全、防災、核不拡散・セキ ュ リ
ティ等
新フロンティア開拓のための
科学技術基盤の構築
領域横断的な科学技術の強
化
共通的、基盤的な施設及び
設備の高度化、ネットワーク
化
25
物質、生命、海洋、地球、宇宙等に関する統合
的な理解や解明にっかわる理論研究、実験、観
測、解析等
ナノテク ノロジー、光・量子科学、高度IT技術な
ど複数領域に横断的に活用可能な科学技術の
強化
広範な領域や産学官の多様な機関に用いられ
る共通基盤とな る設備、施設の利活用、ネッ ト
ワーク化
2.1.3 第 4 期基本計画で提示された課題達成に向けた条件づくり、政策展開
第 4 期基本計画の「Ⅱ.将来にわたる持続的な成長と社会の発展の実現」、
「Ⅲ.我が国が直
面する重要課題への対応」では先にとりあげた課題のほか、課題達成のための条件づくりや政
策展開として「イノベーション推進に向けたシステム改革」、「世界と一体化した国際活動の戦
略的展開」が挙げられている。
これらの政策について実施以前と以後を明確に分け、その効果を分離するなど定量的な把握
や分析は困難である上、イノベーションの効果が発揮されやすくするための環境整備であって、
イノベーションそのものではないと考えられる。
また、「Ⅳ.基礎研究及び人材育成の強化」では、「基礎研究の抜本的強化」、「科学技術を担
う人材の育成」
、「国際水準の研究環境及び基盤の形成」といった項目が挙げられているが、特
に人材の育成については、経済モデルの中では生産関数における労働の質の向上という形で影
響を及ぼすことが考えられる。ただし、一般的にマクロ経済モデルは一国一財型のモデルが多
く、生産関数も一本で構成されているものが多いことから、長期にわたって労働の質を代替す
る適切な指標を選定し、かつモデル内で内生的に取り扱うことは容易ではない。本調査研究は
イノベーションが社会経済に与える影響を既存のマクロモデルで取り扱うための第一段階の試
行であり、モデル自体の大幅な改変が必要となるこうした問題については、現段階では取り扱
わないこととした。
26
図表 2-4 Ⅱ及びⅢで提示された課題達成のための条件づくり、政策展開
【課題達成の条件づくり、政策展開】
【個別施策】
科学技術イノベーション戦略協議会(仮)の創設。
関係府省、大学、公的研究機関、産業界等の幅
広い参加と連携
科学技術イノベーションの戦
略的な推進体制の強化
産学官の「知」のネットワーク強化
産学官協働のための「場」の構築。産学官の研
究開発能力を結集した中核拠点の形成
イノベーション推進に
向けたシステム改革
事業化支援の強化に向けた環境整備。研究開
発の初期から 事業化まで切れ目ない支援の充
実
科学技術イノベーションに関
する新たなシステムの構築
イノベーションの促進に向けた規制・制度の活用
地域イノベーショ ンシステ ムの構築 。地域が強
みや特性を活かした自律的なイノベーショ ン活
動を展開できる仕組みづくり
知的財産戦略及び 国際標準化戦略の推進。国
による国際標準化戦略の策定・実行、知的財産
権制度の見直し等
世界と一体化した国
際活動の戦略的展
開
アジア共通の問題解決に向
けた研究開発の推進
「東アジア・サイエンス&イノベーション・エリア構
想」等
我が国の強みを活かした国際活動の展開
先端科学技術に関する国際活動の展開
科学技術外交の展開
地球規模問題に関す る開発途上国との協調及
び協力の推進
科学技術の国際活動を展開するための基盤の
強化
図表 2-5 「Ⅳ.基礎研究及び人材育成の強化」で提示された課題達成のための条件づくり、政策展開
【課題達成の条件づくり、政策展開】
基礎技術の抜本的
強化
【個別施策】
独創的で多様な基礎研究の
強化
科学研究費補助金の一層の拡充等
世界トップレベルの基礎研究
の強化
研究重点型大学群の形成、世界トップレベルの
拠点形成等
大学院教育の抜本的強化(産学官対話の場の
創設、大学院教育振興施策要綱の策定等)
多様な場で 活躍できる人材
の育成
博士課程における進学支援及びキャリアパスの
多様化
技術者の養成及び能力開発
科学技術を担う人材
の育成
公正で透明性の高い評価制度の構築
独創的で優れた研究者の育
成
次代を担う人材の育成
国際水準の研究環
境及び基盤の形成
大学及び公的研究機関にお
ける研究開発環境の整備
知的基盤の整備
研究情報基盤の整備
27
研究者のキャリアパスの整備
女性研究者の活躍の促進
大学の施設及び設備の整備
先端研究施設及び設備の整備、共用促進
第 4 期基本計画の「Ⅴ.社会とともに創り進める政策の展開」でとりあげられた、
「社会と科学
技術イノベーションとの関係深化」
、
「実効性のある科学技術イノベーション政策の推進」につい
ても同様に、現段階では定量的な把握、分析は難しい。
2.1.4 科学技術イノベーション政策の動向をあらわす代替指標の選定
科学技術基本計画に掲げられた課題解決のための様々な研究開発は、関連分野における政府
研究開発を拡充させ、技術革新や民間の研究開発の促進につながり、様々な形で社会経済に影
響を及ぼすと考えられる。
図表 2-6 科学技術イノベーション政策がもたらす社会経済変数への影響(イメージ)
グリーンイノベーションの推進
安定的なエネルギー供給と低炭素化の実現
太陽光など再生可能エネルギーの普及
エネルギー供給の効率性向上
CO2排出の減少
ライフイノベーションの推進
安全で有効性の高い治療法の開発
ドラッグデリバリーなど革新的治療法の確立等
死亡率の低下
平均寿命の向上
一方で、研究開発が行われる分野によって生産性やその他の社会経済変数に与える影響は異
なってくると考えられる。また、政府研究開発に占める競争的資金の割合を変えるといった政
策的なポートフォリオの変更についても、研究開発における成果のあらわれ方等に影響を及ぼ
す可能性がある。
しかしながら、これらの現象を定量化した指標とし、生産や消費、投資等を国全体の集計レ
ベルで扱うマクロ経済モデルの枠組みの中に直接盛り込んで影響を評価することは現時点では
困難である。将来、関連調査でのデータの把握と蓄積(総務省『科学技術研究調査』での該当
技術分野における研究開発の把握等)がなされ、それらデータに基づいたミクロ分析や政策ケ
ーススタディによる定性的な掘り下げ等の分析が行われれば、その知見をマクロモデルに応用
できる可能性があるが、それは本調査の範疇を超える。
結論として、本調査で両者を接続するための代理指標として主に検討を行ったのは、
「政府開
発投資の拡充」に掲げられた研究開発投資の充実、強化である。本調査研究は、科学技術イノ
ベーション政策とマクロ経済モデルとを接続する試みの端緒であり、まずは研究開発の総額レ
ベルから検討を開始することとしたが、政策の構造化と適切な代替指標の選定については今後
も検討を継続すべきであろう。
28
図表 2-7 「Ⅴ.社会とともに創り進める政策の展開」で提示された課題達成のための
条件づくり、政策展開
【課題達成の条件づくり、政策展開】
【個別施策】
政策の企画立案及び推進への国民参画の促進
社会と科学技術イノ
ベーションとの関係
深化
国民の視点に基づく科学技
術イノベーション政策の推進
社会と科学技術イノベーション政策をつなぐ人材
の養成及び確保
科学技術コミュニケーション
活動の推進
政策の企画立案及び推進機
能の強化
実効性のある科学
技術イノベーション
政策の推進
倫理的・法的・社会的課題への対応
研究資金制度における審査
及び配分機能の強化
「科学技術イノベーション戦略本部(仮称)」等
研究資金の効果的、効率的な審査及び配分に
向けた制度改革
競争的資金制度の改善及び充実
研究開発法人の改革
研究開発の実施体制の強化
研究活動を効果的に推進するための体制整備
科学技術イノベーション政策
におけるPDCAサイクルの確
立
研究開発投資の
拡充
PDCAサイクルの実効性の確保
研究開発評価システムの改善及び充実
官民合わせた研究開発投資の対GDP比4%以上
政府研究開発投資の対GDP比1%及び総額約25兆円
(計画期間中の政府研究開発投資対GDP比率1%、
GDPの名目成長率2.8%を前提)
29
第 2.2 節
第 4 期科学技術基本計画における研究開発目標の指標化
以下では、科学技術イノベーション政策を定量化して把握するため、第 4 期科学技術基本計画
における研究開発目標に基づき、政府研究開発投資の指標化を試みた。
基本計画の抜粋は以下のとおりであるが、モデルシミュレーションにおいては名目 GDP、研究
開発支出ともにモデル内で決定する指標であり、また計画策定当時と足元の実績も変わってきて
いるため、すべての数値について基本計画と整合をとることは困難である。
図表 2-8 第 4 期科学技術基本計画における研究開発目標
(『科学技術基本計画(平成 23 年 8 月 19 日閣議決定)』
「4.研究開発投資の拡充」より抜粋)
政府においては、2020 年度までの官民合わせた研究開発投資の拡充目標(「新成長戦略」において、
「2020 年度
までに官民合わせた研究開発投資を GDP 比の 4%以上にする。
」とされている)を設定したところであるが、一
方で我が国の政府負担研究費割合が諸外国に比して低水準であること、民間企業の研究開発投資が厳しい状況に
ある中、政府の研究開発投資が呼び水となり、民間投資が促進される相乗効果が期待されること、さらに諸外国
が研究開発投資目標を掲げて拡充を図っていること等を総合的に勘案し、第 4 期基本計画においては政府研究開
発投資に関する具体的な目標を設定して、投資を拡充していくことが求められる。
このため、官民合わせた研究開発投資を対 GDP 比の 4%以上にするとの目標に加え、政府研究開発投資を対
GDP 比の 1%にすることを目指すこととする。
その場合、第 4 期基本計画期間中の政府研究開発投資の総額の規模を約 25 兆円とすることが必要である(同期
間中に政府研究開発投資の対 GDP 比率 1%、GDP の名目成長率 2.8%を前提に試算)
。
そこで、まず科学技術基本計画で「政府研究開発投資」としているものを国と地方の科学技術
関連経費の総額と定義し、2010 年度を足元の実績とおいた上で、基本計画の下線部の記述と整合
した想定を試みる。
図表 2-9 科学技術関係経費の推移
(単位:億円)
科学技術関係経費
地方公共団体に 科学技術関係
当初予算 補正予算等
おける科学技術 経費(国・地方
1次補正 2次補正 3次補正 予備費等 関係経費(参考) 計)
①
②
③(=①+②)
平成13 2001
40,766
34,685
701
5,380
5,076
45,842
平成14 2002
38,682
35,444
3,238
4,899
43,581
平成15 2003
36,015
35,974
41
4,475
40,490
平成16 2004
36,389
36,084
305
4,453
40,841
平成17 2005
36,155
35,779
375
4,250
40,404
平成18 2006
37,194
35,743
1,451
4,206
41,401
平成19 2007
36,288
35,113
1,175
4,160
40,447
平成20 2008
38,108
35,708
1,659
741
4,297
42,405
平成21 2009
46,609
35,639
13,465
1,521
-4,016
3,853
50,463
平成22 2010
37,868
35,890
1,836
142
4,028
41,897
平成23 2011
36,653
36,653
出典:科学技術関係経費の当初予算額、地方公共団体における科学技術関係経費は文部科学省「
「科学技術要覧」
、
補正予算等の額(2010 年度まで)は文部科学省「科学技術指標」より。
30
注:地方公共団体分は参考値として掲載されており、平成 21 年度までは最終決算額、22 年度のみ当初予算額
ここで、補正予算や地方の経費が把握できない 2011 年度を除き、2010 年度を起点とし、政府
研究開発投資が定率で成長するものと想定すると、年率 6%成長を見込むと第 4 期計画期間中の
総額が約 25 兆円となる。
なお、確認のため、名目 GDP を最終実績値である 2009 年度から基本計画に記述された年率
2.8%で延長させた場合、先の政府研究開発投資との比をとると第 4 期計画最終年度に 1%となる
ことがわかる。
図表 2-10 名目 GDP、政府研究開発投資の前提
名目GDP
←
第
2
期
→
←
第
3
期
→
←
第
4
期
→
平成13 2001
平成14 2002
平成15 2003
平成16 2004
平成17 2005
平成18 2006
平成19 2007
平成20 2008
平成21 2009
平成22 2010
平成23 2011
平成24 2012
平成25 2013
平成26 2014
平成27 2015
平均伸び率
計画期間累計額
④
4,936,447
4,898,752
4,937,475
4,984,906
5,031,867
5,109,376
5,156,438
4,941,823
4,763,630
4,897,012
5,034,128
5,175,084
5,319,986
5,468,945
5,622,076
2.8%
26,620,219
31
政府研究開
名目GDP比
発投資
45,842
43,581
40,490
40,841
40,404
41,401
40,447
42,405
50,463
41,897
44,410
47,075
49,899
52,893
56,067
6.0%
250,345
0.93%
0.89%
0.82%
0.82%
0.80%
0.81%
0.78%
0.86%
1.06%
0.86%
0.88%
0.91%
0.94%
0.97%
1.00%
第 3 章
科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルの接続に向け
た試行
第 3.1 節
科学技術イノベーション・モジュールの基本的な枠組み
3.1.1 モジュールの基本構造
先行研究および科学技術イノベーション政策の構造化についての検討を踏まえ、本調査で開発
する「科学技術イノベーション・モジュール」の基本的な枠組みを以下のように設定した。
1.
国の戦略、科学技術イノベーション政策に基づいて政府の研究開発投資目標が決定され、
政府負担研究費に影響を与える
2.
経済的要因(名目 GDP 等)から民間負担、外国負担の研究費が求まる
3.
政府や民間、外国負担の研究費は企業や大学、公的機関での研究開発活動に用いられる
4.
研究開発活動は一定の期間を経て成果として結実し、ストックとして蓄積される。ストッ
クは一定の割合で陳腐化する

企業、大学・政府機関等、組織によって研究開発の目的や性格が異なることを考慮し、使
用研究費及びストックは①大学・公的機関等、②企業等、③技術輸入に分割
5.
研究開発ストックは技術革新につながり、生産プロセスへと反映されることで全要素生産
性(TFP)を向上させる
6.
TFP の向上は生産能力を増加させるほか、生産コストの低下が価格を引き下げ、需要を喚
起するなど様々な社会経済変数に影響を与えるとともに、経済成長につながる
7.
経済成長がさらなる研究開発投資を促す
こうして経済成長がさらなる研究開発投資を促す等、1 や 2 のステップに影響を与えて研究資
金を増加させることで正の循環、ダイナミズムが生じる構造となっている。
32
図表 3-1 科学技術イノベーションブロックの概念図
科学技術イノベーションブロック
マクロ経済ブロック
負担源別研究費
科学技術
イノベーション政策
政府研究開発
投資総額
ライフイノベー
ション
グリーンイノ
ベーション
安全かつ豊か
で質の高い国
民生活
…
科学技術シス
テム改革
科
学
技
術
政
策
・
資
源
配
分
デ
ー
タ
ベ
ー
ス
(
仮
称
組織別使用研究費
科学技術
関係経費
資本
物価
金利
総額GDP比
1%
政府負担
研究費
大学等使用
研究費
大学・公的
機関等研究
開発ストック
ラグ、陳腐化率
分野、施策
分類別配分
競争的資金
への配分
民間負担
研究費
科
学
技
術
研
究
調
査
公的機関
使用研究費
企業等研究
開発ストック
企業等負担
研究費
ラグ、陳腐化率
外国負担
研究費
技術輸入
ラグ、陳腐化率
研
究
開
発
に
よ
る
生
産
性
向
上
効
果
導入知識ス
トック
労働
需要…
TFP
潜在GDP
GDP
)
経済成長等による研究開発促進
3.1.2 科学技術イノベーション政策と経済モデルの接続点
国内外の主要な官庁や中央銀行、国際機関等が保有している代表的なマクロ経済モデルでは、
生産要素として資本ストックと労働投入を用いたコブ・ダグラス型の生産関数が採用され、技術
進歩は全要素生産性(TFP)としてモデルの外から与える外生変数として扱われるものがほとん
どである。
本調査では、科学技術イノベーション・モジュールとマクロ経済モデルの主要な接続点として、
この TFP を採用することとした。
研究開発投資によって技術革新がなされ、生産プロセスへと反映されることで生産性、すなわ
ち TFP が向上すると考えられる。そこで、マクロモデルの中で研究開発と TFP を接続して研究開
発による TFP の上昇効果を盛り込むことによって、TFP の向上が生産能力を増加させるほか、生
産コストの低下が価格を引き下げ、需要を喚起し、経済成長につながる。経済成長がさらなる研
究開発投資につながるという正の循環、ダイナミズムが生じると考えられる。
一般的なマクロモデルでは生産性や潜在的な生産能力の指標である TFP や潜在 GDP のほか、
物価や様々な需要の変数等は既にモデル化されている。本調査研究ではマクロ経済モデルの中で
科学技術イノベーション政策を取り扱うための端緒として、外生変数である TFP を研究開発投資
等によって説明する関数を追加して内生化し、研究開発を経済成長とリンクさせることによって、
モデル構造の大幅な改変を伴わずに、研究開発のダイナミズムを考慮したモデルとする形で検討
を行った。
33
図表 3-2 研究開発、生産性向上、経済成長のダイナミズム
研究開発
技術革新
生産プロセスへの反映
製品の機能・
質の向上
生産性の向上
生産能力の向上
価格の低下
需要の増加
経済成長
34
第 3.2 節 モジュールを構成する主要変数
科学技術イノベーション・モジュールの中で我が国の研究開発活動を描写するための基礎デー
タとしては、総務省「科学技術研究調査」の研究費を利用している。同調査は昭和 35(1960)年
に調査が開始10された、統計法に基づく基幹統計調査である。
科学技術研究調査によると、我が国の研究費総額は 1959 年度の調査開始以来、1993 年度まで
一貫して増加を続け、その後も伸びは鈍化したものの、おおむね増加傾向にある。バブル崩壊後
の 90 年代初頭、リーマンショック後の 2008 年度以降など、大きく景気が低迷した時期に研究費
の減少がみられている。
なお、研究費総額は 2007 年度にピークとなる 18.9 兆円に達し、2010 年度は 17.1 兆円であっ
た。
図表 3-3 我が国の研究費の推移
(億円)
200,000
180,000
160,000
140,000
120,000
100,000
80,000
60,000
40,000
20,000
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0
(年度)
出所:総務省「科学技術研究調査」各年版
注1:1996 年度からソフトウェア業、2001 年度から卸売業等が調査対象に追加されている。
注2:科学技術研究調査に掲載されている値は百万円単位であるため、四捨五入による誤差により内訳の合算が
合計と一致しない場合がある。本分析の負担源別あるいは組織別等の研究費の内訳額は、モデル上の計算を
簡略化するため、誤差項を設けずに両者を一致させるよう調整した値を用いている(以下、同様)
。
Ri  Rtotal 
*
Ri
 Ri
Ri:i 部門研究費、Rtotal:研究費総額、 R *i
:調整後 i 部門研究費
i  1, 2 , 3
10
調査時点の前年度について捕捉する調査なので、データは 1959 年度以降となっている。なお、前身となる「研
究機関基本統計調査」は昭和 28(1953)年に開始されているが、調査対象が研究機関であったため、特に民間
企業等の部分で調査の範囲が異なり、数値の連続性がない。
35
研究費を GDP で除した研究開発の集約度から我が国と海外主要国の研究活動の活発さを比較
すると、日本の研究開発集約度は 90 年代前半、2009 年度を除いておおむね上昇傾向にあり、90
年代以降は世界で最も高い水準を維持している。
近年はアメリカ、ドイツをはじめとした欧米諸国も上昇傾向にあるが、韓国、中国の伸びは著
しく、特に韓国は 2008 年時点で約 3.4%と日本に迫る水準に達している
図表 3-4 海外主要国における研究費対 GDP 比の推移
4.0
(%)
3.5
アメリカ
3.0
イギリス
2.5
フランス
ドイツ
2.0
EU-15
OECD平均
1.5
韓国
1.0
中国
日本
0.5
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
0.0
(暦年)
3.2.1 負担源別研究費
研究活動は民間企業や国営・公営の研究機関、大学などの組織で行われるが、その資金はこれ
ら組織の自己資金のほか、国や地方公共団体、他の企業や大学、あるいは海外などの外部から受
け入れた資金で賄われている。
研究費を負担した負担源別に構成比をみると、大半を民間資金が占めており、1970 年代までは
7 割前後、1980 年代半ば以降は 8 割前後を占めている。
36
図表 3-5 研究費の負担源別構成比
(%)
100%
外国
90%
民間
80%
国・地方公共団体
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
1965
1967
1969
1971
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
1967
1969
1971
1973
1975
1977
1979
1981
1983
1985
1987
1989
1991
1993
1995
1997
1999
2001
2003
2005
2007
2009
1963
(年度)
1965
1961
1959
0%
(年度)
0.5%(%)
外国
0.4%
0.3%
0.2%
0.1%
1963
1961
1959
0.0%
(1) 科学技術関係経費から政府負担研究費への接続
科学技術研究調査で把握されている「政府負担研究費」と政府の一般会計や特別会計等の予算
に計上される「科学技術関係経費」は概念的には近いが、異なったものである。少なくとも、政
策的に政府が直接操作できるのは後者と考えられるが、科学技術関係経費の定義や算出の方法は
しばしば改訂されており、データが完全には連続していない点には留意する必要がある。
いずれにしても、科学技術イノベーション・モジュールでは負担源別研究費のうち政府負担研
究費については、まず科学技術関係経費を決定し、その経費にコンバータ(研究費÷経費の比率)
を乗じて政府負担研究費を求める形をとっている。
これまでの科学技術関係経費と政府負担研究費の推移をみると、研究費÷経費の比は 1990 年
代中頃まではおよそ 1.4 から 1.2 程度と研究費が経費を上回っていた。しかし、政府負担研究費
が 1998 年度以降横ばいないし減少に転じたのに対し、科学技術関係経費は 2002 年度頃まで増加
を続けた結果、研究費÷経費の比(グラフ右軸)は 0.7 から 0.8 程度まで低下し、政府負担研究
37
費が科学技術経費を下回り続けている。
図表 3-6 科学技術関係経費と政府負担研究費の推移
(億円)
60,000
1.60
1.40
50,000
1.20
40,000
1.00
科学技術関係経費(国・地方計)
30,000
0.80
政府負担研究費
0.60
研究費÷経費
20,000
0.40
10,000
0.20
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0
0.00
(年度)
出所:科学技術関係経費は文部科学省調べ(文部科学省「科学技術指標」、
「科学技術要覧」および「科学技術白
書」各年版より)
注1:1991 年度までは国の科学技術関係経費(当初予算額)であるが、92 年度以降は補正予算、予備費等を含み、
2000 年度以降は地方の科学技術関係経費を含む(2009 年度まで最終予算、2010 年度のみ当初予算額)
。
注2:科学技術関係経費(当初予算ベース)の昭和 57 年度以前は科学技術白書掲載の「科学技術関係予算」額。
この乖離の背景を検討するため、2000 年度以降捕捉されている地方の科学技術関係経費と科
学技術研究調査の政府負担研究費から抽出した地方負担分の研究費11を比較してみると、両者
の数字に大きな差はみられない。したがって、研究費と経費の乖離は国の予算に計上される経
費のうち、研究費として支出される割合が近年になって低下したことによる可能性がある。
11
科学技術庁「民間企業の研究活動に関する調査」及び、経済企画庁「企業行動に関するアンケート調査」を参
照。
38
図表 3-7 地方の科学技術関係経費と政府負担研究費の地方分の推移
(億円)
6,000
科学技術関係経費(地方)
政府負担研究費(うち地方)
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
0
(年度)
(2) 民間負担研究費など他の負担源別研究費
民間負担研究費の対名目 GDP 比は、おおむね上昇傾向が続いており、現在は 3%前後となって
いる。政府負担研究費も緩やかに上昇を続け、現在はおよそ 0.7%程度となっている。
民間負担研究費の GDP 比は、バブル景気崩壊やリーマンショック後等の景気低迷時に一時的
に低下する傾向がみられるが、1970 年代初頭や 80 年代初頭等、不況時でも GDP 比の上昇が一
部の時期にみられる。
科学技術イノベーション・モジュールでは、民間負担研究費、外国負担研究費については経済
規模に比例するものとし、対名目 GDP 比で求める形をとっている。
39
図表 3-8 民間・政府負担研究費の対名目 GDP 比
(%)
4.0
景気後退期
全体
民間負担分
政府負担分
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0.0
(年度)
注1:1965 年度以降の GDP はエコノメイトによる推計値、65 年度以前は内閣府「国民経済計算確報」の
平成 2 年基準値における同期間の GDP 変化率を適用して遡及推計した値を用いた。
注2:景気後退期は、内閣府「景気基準日付」を元に後退期の月数が 6 か月超の年度を後退期として網掛け
で表示した。
(3) 海外からの技術導入
ここまでは我が国の企業、公的研究機関、大学等で行われている研究費についてみてきたが、
次に海外からの技術導入の状況をみるため、科学技術研究調査の「技術輸入対価支払額」とその
対名目 GDP 比の推移をみることとした。
技術輸入額は第一次石油ショック後の 1974 年度、バブル崩壊後の 1993 年度、リーマンショッ
ク後の 2008 年度以降などに落ち込んでいるが、全体としては増加基調にある。
ただし、これを名目 GDP に対する比率でみると(グラフ右軸)
、第一次石油ショックを境に大
きく低下し、以降も緩やかに低下が続いたが、2000 年代に入ると再び GDP 比が上昇している。
科学技術イノベーション・モジュールでは、この技術輸入額についても対名目 GDP 比で求め
る形とした。
40
図表 3-9 技術輸入額および対名目 GDP 比
(%)
(億円)
8,000
0.25
技術輸入対価支払額
名目GDP比
7,000
0.20
6,000
5,000
0.15
4,000
0.10
3,000
2,000
0.05
1,000
0.00
(年度)
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
0
出所:総務省「科学技術研究調査」各年版
注:科学技術研究調査の技術貿易額は 1971 年度以降しか掲載されていない。 70 年度以前については、日本銀行
「国際収支統計」の特許等使用料支払額(ドルベース)を円単位に換算し、同期間の技術輸入対価支払額
にその変化率を適用して遡及推計
3.2.2 負担源別研究費から組織別研究費への接続
以上のように、科学技術研究調査の研究費は資金の出し手(負担源別)のほか、研究活動の担
い手(組織別)からもみることができる。どの負担源の資金がどの組織に拠出されるかは、負担
源によって大きく異なっていると考えられることから、科学技術イノベーション・モジュールで
は研究費を負担源ごとに企業、大学等の組織に配分していく形をとることとした。
以下、各負担源における組織別構成比をみていくが、基本的に各負担源での組織別構成比には
大きな変化がみられなかったため、科学技術イノベーション・モジュールでは負担源別組織別構
成比は外生変数として扱うこととした。
(1) 政府負担研究費における組織別構成比
研究費のうち政府(国・地方公共団体)が負担した研究費がどの組織の研究活動に支出され
たかをみると、大学等が 50%前後と最も多く、公的機関・非営利団体もおおむね 40%以上を
占めており、企業等の割合は 10%に満たない。
41
図表 3-10 政府負担研究費における使用組織別構成比
(構成比)
100%
大学等
90%
公的機関・非営利団体
80%
企業等
国・地方公共団体負担
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0%
(年度)
注:1965~70 年度の科学技術研究調査には負担源別・組織別の集計表が掲載されていない。ここでは、組織毎の
研究費計と報告書概要に掲載されていた概算の負担源別計をそれぞれコントロールトータルとし、RAS 法で
推計した内訳の金額を用いて構成比を算出している(以下、同様)。
(2) 民間負担研究費における組織別構成比
民間が資金を負担した研究費は、おおむね 8 割以上が企業等で使用されており、大きな変化
はみられていない。
図表 3-11 民間負担研究費における使用組織別構成比
民間負担
(構成比)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
大学等
公的機関・非営利団体
企業等
20%
10%
42
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0%
(年度)
(3) 外国負担研究費における組織別構成比
外国を支出源とする研究費は政府負担や民間負担に比べて研究費の金額が小さいこともあり、
年による構成比の変化が大きい。近年では 9 割前後を企業等が占める状況が続いている。
図表 3-12 外国負担研究費における使用組織別構成比
外国負担
(構成比)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
2009
2007
2005
2003
2001
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0%
1999
10%
1997
大学等
公的機関・非営利団体
企業等
(年度)
(4) 組織別研究費
研究を実施した組織別に研究費の構成比をみると、最大のシェアを占めるのは企業等であり、
1970 年代までは 6 割前後であったシェアが次第に高まり、現在は 7 割前後となっている。
公的機関・非営利団体は 15%前後から 10%弱、大学等はおよそ 30%から 20%へとシェアが低
下している。ただし、大学等のシェアは 1980 年代中盤以降安定しており、2 割前後の横ばいで推
移している。
科学技術イノベーション・モジュールでは、まず負担源別研究費を求め、次に負担源ごとに各
組織に研究費が配分される構造となっており、その研究費の組織ごとの合計額を組織別研究費と
して定義している。
43
図表 3-13 研究費の組織別構成比
(%)
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
2009
2007
2005
2003
2001
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
0%
1999
10%
1997
大学等
公的機関・非営利団体
企業等
(年度)
注:2001 年度以前は分類が「会社等」
、
「研究機関」、
「大学等」となっている。それぞれ「会社等」を「企業
等」
、
「研究機関」を「公的機関・非営利団体」
、
「大学等」を「大学等」としてデータを接続した。
3.2.3 研究開発ストック
科学技術イノベーション・モジュールでは、先行研究を踏まえ、研究開発ストックを以下のと
おり推計し、分析に用いた。
(1) ストックの推計式
ストックは前年度のストックから陳腐化した分を除き、当年度のフローを加算して積み上げる。
SRDt  RDt m  1     SRDt 1 ··········································································· (1)
SRDt:t 期の R&D ストック、RDt-m:t-m 期の実質研究費(フロー)
、
m:懐妊期間、δ:陳腐化率
なお、初期のストック SRD0 は式(1)を以下のように変形して求める。
SRD0 
RD1m ····························································································· (2)
g   
g:R&D ストックの初期時点の平均伸び率
g の値は事前には分からないため、ストックの伸び率とフローの伸び率が等しいと仮定し、初
期時点から 3 年間の平均伸び率で算出した(g が負になる場合は 0 として算出)
。
44
本モジュールでは、この推計式を用いて企業等、大学等、公的機関等の組織別および海外から
の技術輸入の 4 分類ごとに研究開発ストックを推計している。
(2) 懐妊期間と陳腐化率
科学技術政策研究所「研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調査(中間
報告)」
、1999 年 6 月ではアンケートを実施し、企業 630、大学・研究機関 932 票の有効回答を得
て集計・分析を行っている。同調査では、研究開発投資の懐妊期間を「研究開発終了後市場に導
入されるまでの期間(民間部門)
」又は「開発の成果が民間企業等において実用化されるまでの期
間(公的部門)
」に研究開発期間の1/2を加えたもの、技術知識の陳腐化率は「その技術を用い
て利益が得られた期間(民間部門)
」又は「その研究開発の成果として得られた技術や知識の寿命
(公的部門)
」の逆数として定義している。
この調査結果を踏まえ、本分析では、研究活動を企業等、大学・公的機関等と海外からの技術
輸入の3者に大別し、それぞれ懐妊期間、陳腐化率を以下のように設定した。
本分析での区分
企業等研究費
大学・公的機関等研究費
技術輸入額
懐妊期間
5年
9年
2年
陳腐化率
10.56%
7.47%
21.04%
科学技術政策研究所(1999)の参照先
民間部門研究開発(民間企業計)
公的部門研究開発(公的部門計)
導入知識(民間企業計)
なお、研究費を実質化する研究支出デフレーターについては、科学技術研究調査の組織別(企
業等、公的機関・非営利団体、大学等)に算出するものとした。また、ストックの推計をできる
だけ長期にわたって行うため、連続したデータが確保できない期間は代替指標の変化率を用いて
遡及推計を行っている。代替指標は、1965~80 年度は昭和 63 年版科学技術研究調査報告書掲載
の昭和 60 年基準の研究支出デフレーター、1955~64 年度は平成 2 年基準国民経済計算における
GDP デフレーターを用いている。
また、研究費に関するデータは、基本的には総務省「科学技術研究調査」で捕捉可能な 1959
年度以降としているが、特に企業以外では R&D 投資の懐妊期間が長く、ストックの推計期間が
短くなってしまうことから、
「科学技術研究調査」の前身である「研究機関基本統計調査」を用い
て 1955 年度まで遡っている。同様に「科学技術研究調査」の技術輸入額は 1971 年度以降しか把
握できないため、70 年度以前については、日本銀行「国際収支統計」の特許等使用料支払額(ド
ルベース)を円単位に換算し、その変化率を適用することで遡及推計している。
(3) 研究支出デフレーター
研究費は人件費、設備購入費等の形で支出されるため、研究支出を実質化するための研究支出
デフレーターはマクロモデルで内生的に導出される価格によって影響を受けるものと考えられる。
企業等においては賃金(W)と民間設備デフレーター(PI)、企業以外では政府最終消費デフレー
45
ター(PCG)と公的固定資本形成デフレーターによって決定されるものとして定式化している。
(企業等研究支出デフレーター)
被説明変数:
log(PBRD)
説明変数
定数項
-5.673974
( -38.155)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ log(W)
0.568375
( 25.478)
+ log(PI)
0.179122528
(
2.762)
1965~2008
0.9911
データ数:
D.W.比:
44
0.2677
W:一人当たり雇用者報酬、PI:民間企業設備デフレーター
(公的機関・非営利団体研究支出デフレーター)
被説明変数:
log(PRRD)
説明変数
定数項
-4.984033
( -55.386)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ log(PCG)
0.192482
(
4.049)
+ log(PIG)
0.88368179
(
13.553)
1965~2008
0.9972
データ数:
D.W.比:
44
0.2433
PCG:政府最終消費デフレーター、PIG:公的固定資本形成デフレーター
(大学等研究支出デフレーター)
被説明変数:
log(PERD)
説明変数
定数項
-5.852024
( -30.343)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ log(PCG)
0.4825133
(
4.736)
+ log(PIG)
0.775778734
(
5.551)
1965~2008
0.9917
データ数:
D.W.比:
46
44
0.1412
3.2.4 全要素生産性(TFP)
科学技術イノベーション・モジュールに導入する TFP 関数を推定する前に、まず TFP そのも
ののデータを推計する必要がある。ここでは、一般的なマクロ経済モデルで用いられる方法に従
い、生産関数を推定し、そのパラメータを使ってソロー残差から TFP を推計するものとする。
(1) 生産関数の推定
①コブ・ダグラス型生産関数
エコノメイトモデルでは民間資本 K と労働投入 L を要素としたコブ・ダグラス型の生産関数を
採用し、式(2)のように対数変換してタイムトレンド T を入れた形で推定を行っている。本分析で
は、以下の点についてエコノメイトモデルから変更を加えた上で生産関数を推定した。なお、推
定された労働分配率は 0.59(=1-0.41)となっている。

エコノメイトの稼働率指数の直近の動きが経済産業省の統計値と若干違うといった部分があったため、以
下の系列については公式統計の値に入れ替えを行った。


製造工業稼働率指数(経済産業省「鉱工業指数」
)

就業者数(厚生労働省「労働力調査」
)

総実労働時間(厚生労働省「毎月勤労統計」
)
)
民間企業資本ストックはエコノメイトによる推計値を利用しているが、一般的なマクロモデルと同様、1
期ラグをとることとした(資本ストックは期末値であり、当期の設備投資が直ちに生産可能な設備になる
のではなく、翌期の生産設備になる)

リーマンショックに伴う短期的かつ急激な変動が、本来中長期的な関係である生産関数を推定する際に与
える影響を考慮し、2009 年度ダミーを追加。
Y  A K  L1 ······························································································· (1)
ln Y    T   ln K  (1   ) ln L  D09 ··························································· (2)
Y:実質 GDP、T:タイムトレンド、K:民間企業資本ストック×製造工業稼働率指数
L:就業者数×総実労働時間、D09:2009 年度ダミー(2009 年度のみ 1、他の年度は 0)
47
図表 3-14 コブ・ダグラス型生産関数の推定結果
γ
パラメータ
t値
-2.6259
(
推定期間:
λ
-45.071)
α
0.0082
(
7.084)
2009 年ダミー
0.4144
(
16.793)
0.0481
(
2.074)
1970~2009
自由度修正済決定係数:
0.9961
D.W.比:
0.8488
②CES 型生産関数
コブ・ダグラス型関数はマクロモデルでは非常にポピュラーな関数形であり、一般的に十分
な説明力を持つとされるが、確認のため、コブ・ダグラス型をより一般化し、投入要素間の代
替弾力性について 1 以外の値をとることが可能な CES(Constant elasticity of substitution)
型生産関数による推定を試みた。


Y  A  K   1  L
ln Y    T 
1

··············································································· (3)
1
ln K   1    L   D09 ······················································· (4)

図表 3-15 CES 型生産関数の推定結果
γ
パラメータ
t値
推定期間:
λ
-2.7393
(
-15.568)
α
0.0092
(
5.054)
ρ
0.4933
(
4.173)
2009 年ダミー
-0.1211
(
-0.690)
0.0403
(
1.560)
1970~2009
自由度修正済決定係数:
0.9966
D.W.比:
0.8125
推定された代替パラメータρの有意性は低い、すなわち 0 に近いため、コブ・ダグラス型の
推定結果に近い結果となっている。代替弾力性(生産要素の相対価格が変動したとき、生産要
素投入量の組み合わせがどれほど変化するか)=1/(1-ρ)≒0.89、労働分配率は 0.51
(=1-0.49)となっている。
本分析では、コブ・ダグラス型でも十分な説明力が得られるものとして TFP の推計や分析に
用いるものとした。
48
(2) 全要素生産性(TFP)の推計
標準のエコノメイトモデルでは TFP という変数は存在せず、対数変換して推定したコブ・ダグ
ラス型生産関数に稼働率の最大値を代入したK*、
労働力人口等を代入したL*によって潜在 GDP
を定義している。
【エコノメイトモデル】
ln Y *    T   ln K *  (1   ) L*
(潜在 GDP のモデル定義式)
本分析では、全要素生産性 TFP を内生化することで、技術進歩による社会経済への影響をモデ
ル化するため、新たな変数 TFP を以下のとおり作成し、TFP を利用して潜在 GDP を定義する形
にモデルを変更するものとした。
【本分析で扱うモデル】
TFP 
ln Y
 ln K  1    ln L  D09
*
*
*(1 )
Y  TFP  K  L
(TFP の算出式)
(潜在 GDP のモデル定義式)
ただし、ソロー残差には GDP の毎期の振れまで含まれているため、その不規則な変動成分を
除去したうえで TFP を推計する必要がある。データの平滑化には移動平均法等が用いられるが、
移動平均によって平滑化をはかると平均をとる期間の分だけデータの初期が欠落する、元の系列
の変動に遅れて追従した変動パターンを示すといった欠点もあるため、ここでは HP フィルター12
により抽出した TFP のトレンド成分を用いることとした。
12
Hodrick-Prescott(HP)フィルターは系列をトレンド要因と循環要因とに分解する手法のことである。マクロモ
デルに HP フィルターを適用して平滑化した TFP を用いる方法は日本銀行の Q-JEM モデル、内閣府の都道府県
別経済財政モデル等でも採用されている。
49
図表 3-16 TFP の推移
(2000年度=100)
115
110
105
100
95
90
85
80
TFP
75
TFP(HPフィルタ後)
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
70
(年度)
この TFP について前期比をとり、成長率の推移をみたものは以下のとおり。
図表 3-17 TFP 成長率の推移
TFP成長率
8.00%
6.00%
4.00%
2.00%
0.00%
-2.00%
-4.00%
1.60%
TFP(HPフィルタ後)成長率
1.40%
1.20%
1.00%
0.80%
0.60%
0.40%
0.20%
0.00%
50
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
-6.00%
(年度)
(3) 全要素生産性(TFP)関数
本分析では、図表 3-17 に示した HP フィルター後の TFP を採用し、このデータに基づいて分
析を行った。なお、科学技術イノベーション・モジュールでは、
「第 1.2 節 研究開発活動の生産
性への影響分析の手法」に示した考え方に則り、全要素生産性の変動要因として研究開発に着目
した関数を推定した。
TFP 関数の推定方法には大きく分けて収益性推定アプローチ、弾力性推定アプローチがあるが、
様々な角度から関数の定式化を試行した結果13、以下の TFP 関数を採用した。
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
Δ log(SRDB)
0.0336108
(
2.728)
+ Δ log(SRDR+SRDE)
0.0500195
(
3.276)
+ Δ log(STI)
0.0466752
(
8.060)
+ D85C*Δ log(SRDR+SRDE)
0.0723758
(
8.126)
1971~2009
0.5536
推定期間:
自由度修正済決定係数:
データ数:
D.W.比:
39
1.2218
TFPF:HP フィルター済 TFP、SRDB:企業等研究開発ストック、SRDE:大学等研究開発ストック、
SRDR:公的機関等研究開発ストック、STI:導入知識ストック、D85C:1985 年度以降ダミー
この TFP 関数では、企業、大学・公的機関、技術輸入を分離して取り扱うことで、それぞれが
生産性に与える影響の違いを反映できる構造となっており、たとえば企業の研究開発ストックが
1%増加すると TFP が 0.03%上昇するといった関係が推定されている。
図表 3-18 TFP 関数における研究開発ストックの弾力性パラメータ
弾力性パラメータ
企業等研究開発ストック
0.03
大学・公的機関等研究開発ストック
導入知識ストック
13
詳細は「参考資料 A.4
0.05
(1985 年度以降は 0.12)
0.05
TFP 関数の推定」を参照。
51
ただし、このパラメータはあくまでもこの TFP 関数によって推定されたものであり、TFP や
研究開発ストックの推計方法、関数の推定期間等が異なれば当然変わりうるものであるほか、TFP
の変動要因として研究開発のみをとりあげている点には留意されたい。
なお、関数形や変数の構成はやや異なるが IMF の MULTIMOD 3 拡張版における TFP 関数で
は、研究開発ストックの弾力性パラメータは 0.24(第 1.1.3 小節を参照)であり、本分析で採用
した TFP 関数のパラメータと大きく異なってはいない。
そのほか、TFP 関数の実績値と推計値の推移から判断すると、70 年代後半の TFP 成長率の急
速な低下と導入知識ストックの減少が、同時期に発生しているために導入知識ストックのパラメ
ータが大きく推定されている可能性についても留意すべきと考えられる。現実には、同じ技術輸
入であっても、高度成長期における海外技術のキャッチアップを目的としたものと、近年のグロ
ーバル化が進む中での海外子会社からの技術移転等では性格が異なっていること等が考えられる
が、定量的な評価が困難なため本調査では上式に基づいて分析を行った。
図表 3-19 TFP 関数の実績値と推計値の比較
0.016
dlog(TFPF)
0.014
推計結果
0.012
0.010
0.008
0.006
0.004
52
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
0.000
(年度)
0.002
3.2.5 その他の関数及び定義式
以上が科学技術イノベーション・モジュールを構成する主要な変数である。本分析では、この
モジュールに、マクロエコノメトリクス研究会「エコノメイト年次マクロ経済モデル 2011 年版
緊急改訂版 2011.04ver」をベースとして開発したマクロ経済モデルを接続した分析を試行した。
したがって、科学技術イノベーション・モジュール以外のモデル構造の多くはエコノメイトモデ
ルに依拠しているが、本調査で研究開発投資の経済に与える影響を分析するにあたり、一部改修
している。
モデルの関数、定義式について、主に改修を行った点は以下のとおりである。なお、第 4.2.4
小節に示した生産関数および TFP の変更に伴って潜在 GDP のデータが変わったことにより、潜
在 GDP を説明変数とする関数で推定パラメータが変わったもの等、本質的でない変更について
は以下に含めていない。
(1) 民間企業設備投資
エコノメイトモデルでは、設備投資関数は「資本係数の可変性も考慮に入れた利潤原理を採用」
して定式化されている。
本分析では変数 TFP を追加し、潜在 GDP の系列も入れ替えているため、
エコノメイトモデルに採用されている関数とは若干パラメータが異なっているが、推定結果は以
下のとおりである。
被説明変数:
IP
説明変数
定数項
62509.121
(
5.579)
+ (YCB-TC+DPN)/PI+(YCB(-1)-TC(-1)+DPN(-1))/PI(-1)
8.7643165
(
1.787)
+ INTN-@PCH(PI)*100
-722.3033
( -1.078)
+ LOG(GDPP/KP(-1))
-77125.7
( -5.108)
+ D88
13764.74373
(
2.956)
1977~2008
0.9401
データ数:
D.W.比:
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ D89C91
20491.751
(
7.005)
32
1.1290
IP:民間企業設備投資、YCB:民間法人企業所得(配当受払前)
、TC:法人税、
DPN:民間企業設備資本減耗、PI:民間企業設備投資デフレーター、INTN:貸出約定平均金利、
GDPP:潜在 GDP、KP:民間企業資本ストック
log():自然対数関数、dlog():自然対数関数の階差、@pch():前期比関数、A(-x):変数 A の x 期ラグ、
各変数の下の数値は上段が推定されたパラメータ、下段の括弧内は t 値。
この関数を採用したモデルでは TFP が上昇し、生産性が向上することで潜在成長力が高まると、
第 4 項(GDPP/KP)が大きくなり、設備投資を抑制する方向に作用すると考えられる。
本分析では、各国の主要な官公庁、中央銀行等のマクロモデルで主流となっているハイブリッ
ド型モデル(経済理論と整合的な長期の均衡関係と短期の変動に対する追跡力をともに表現した
53
モデル)で採用されているエラーコレクション型 14 の設備投資関数を採用することとし、
MEAD-RIETI モデル(経済産業研究所)にならって以下のような定式化を試みた。

長期的に生産資本と潜在生産力(GDPP)の関係に一定の共和分関係を想定し、資本の限
界生産力が実質資本価格に等しくなるという長期均衡式を考え、短期的には企業所得や自
己ラグによって影響を受けるとする形で定式化している。

なお、MEAD-RIETI モデルでは GDP との共和分関係を想定していたが、本分析では潜在
GDP は企業の期待成長力の代理指標であり、長期的には GDP と GDPP は価格等によって
調整され、収束していくものとみなして潜在 GDP との共和分を想定している。

新古典派投資理論は、企業の利潤最大化行動から得られる最適な資本ストック量と既存の
資本ストック量の差分を埋める形で設備投資量が決定されると考える。ただし、資本スト
ックは瞬時に変更可能な生産要素ではないので、最適な資本ストック量と既存の資本スト
ック量の差分の一部が設備投資として実現する。
14
エラーコレクションモデルとは「誤差修正」の字義のとおり、長期的な均衡関係から生じる誤差を短期的な関
係で調整してゆくモデルを指す。
54
(長期の関係式)
被説明変数:
IP/KP(-1)
説明変数
定数項
0.1461793
( 35.587)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ LOG(KP(-1)/GDPP)+RCC/100
-0.077066
( -2.913)
1977~2008
0.1945
データ数:
D.W.比:
32
0.2577
(設備投資関数)
被説明変数:
DLOG(IP)
説明変数
定数項
-0.01315
( -0.753)
+ DLOG(IP(-1))
0.1063486
(
0.446)
+ DLOG((YCB-TC+DPN)/PI)
0.190676249
(
1.486)
+ DLOG(GDP(-1))
1.6170467
(
2.149)
+ ERR_IP(-1)
-0.667323
( -1.097)
+ D92
-0.0638326
(
-1.110)
1978~2008
0.5173
データ数:
D.W.比:
推定期間:
自由度修正済決定係数:
+ D93
-0.121067
( -2.165)
31
2.0291
RCC:実質資本コスト、ERR_IP:長期均衡式の推計誤差
なお、資本コストの定義には様々なものがあるが、今回は MEAD-RIETI モデルを踏まえ、
以下のように定義して作成した。
 1  PVDPt 


 INTN t  PI t *100  DPt *100 
RCC t  
PI t1
KPt 1

 1  CPTAX t 
PVDP:減価償却の割引現在価値、CPTAX:法人税率、DP:民間企業固定資本減耗
(2) 完全失業率
エコノメイトモデルにおける失業者、雇用者など労働関係の変数について、関数や定義式を以
下のように改変することで、労働市場の需給や人口関連変数との整合性が確保されるよう改修し
た。

労働参加率(NL/15 歳以上人口)を新規作成し、モデル上は15歳以上人口に対する比
率で労働力人口を求める。

失業率関数を新設し、内生化する(以下では、財市場の需給の影響を受けて変動し、徐々
に調整される構造で、GDP からみた労働分配率が高まると失業率の上昇要因となりうる
形)
。

労働力人口と失業率で就業者数を求める。
55

雇用者比率(LW/L)を新規作成し、モデル上は就業者に対する比率で雇用者数を求める。
(完全失業率)
被説明変数:
URATE/100
説明変数
定数項
0.0025752
(
0.378)
+ GDPGAP
-0.102839
( -6.686)
+ YW(-1)/GDPN(-1)
-0.007253729
(
-0.520)
1970~2009
0.9737
データ数:
D.W.比:
+ URATE(-1)/100
0.811917
( 23.037)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
40
1.9914
URATE:失業率、GDPGAP:GDP ギャップ 、YW:雇用者所得、GDPN:名目 GDP
15
(その他の定義)
NL=(POPT-POP14)*RLP/10
U=NL*URATE/100
L=NL-U
LW=L*RLW/100
LU=L-LW
NL:労働力人口、POPT:総人口、POP14:14 歳以下人口、
RLP:'労働参加率(15 歳以上人口に占める労働力人口の割合)
、U;完全失業者数、L:就業者数、
LW:雇用者数、RLW:雇用者比率(就業者数に占める雇用者の割合)
、LU:個人業主数
15
エコノメイトモデルの GDPGAP は GDPP/GDP で定義、算出されているが、内閣府等で用いられている一般的
な定義にならい、(GDP-GDPP)/GDPP で定義しなおしている。
56
第 3.3 節
MaeSTIP の全体構造
前節で紹介した研究開発のフロー、ストックの推計と生産性への影響を取り扱う「科学技術イ
ノベーションブロック」とエコノメイトベースのマクロ経済モデルを接続することにより、研究
開発が社会経済に影響を与え、そうした社会経済の動向がまた研究開発に影響を及ぼすというダ
イナミズムを盛り込んだシミュレーションを試行することが可能となる。
この両者を接続したモデル、MaeSTIP(Macroeconomic Model for Science, Technology and
Innovation Policy)について、以下、モデルの基本的な構造を概説する。
3.3.1 労働・生産、支出、賃金・物価ブロック
総需要は、実質所得や習慣要因、物価上昇が加味された民間消費、実質法人所得の増加、実質
金利および潜在 GDP/民間資本ストックの減少関数である民間設備等の民間需要、外生である政
府消費や公的固定資本形成、内外の価格差や所得効果によって変化する輸出入によって構成され
る。
一方、総供給はコブ・ダグラス型生産関数に基づいて、内生化された民間資本ストック、労働
供給、全要素生産性上昇率によって潜在 GDP が定まる。一般的なマクロモデルでは外生変数と
して扱われることが多い全要素生産性(TFP)を、研究開発活動によって変動しうる構造として
いる点が本モデルの最大の特徴である。
以上の需給から定まるギャップが物価を変動させる。物価のキーとなっているのは国内企業物
価指数(CGPI)であり、このキーデフレーターの変動が消費や設備投資など各需要項目のデフレ
ーターへと波及していく。物価の上昇は金利の上昇につながり、物価や金利は民間消費をはじめ
とする国内需要のほか、海外との相対価格を変化させ、輸出入に影響を与える。こうして、需給
ギャップは中長期的に調整され、縮小していくこととなる。
このように供給サイドからの長期成長経路、短期的な消費や設備投資等の需要の変動、両者の
ギャップの均衡調整プロセスをモデル化することで、研究開発活動やその他の政策効果、外的要
因の影響を需要と供給両面から検討できる構造としている。
57
図表 3-20 MaeSTIP の労働・生産、支出、賃金・物価ブロックにおける主要変数の相互関係図
可処分所得
公定歩合
一人あたり
雇用者所得
貸出金利
GDPギャッ
プ
【労働・生産ブロック】
完全失業
率
就業者あ
たりGDP
【賃金・物価ブロック】
名目GDP
雇用者数
潜在GDP
雇用者
比率
GDPデフ
レータ
実質GDP
就業者数
消費者物
価指数
【支出ブロック】
雇用者所得
労働
参加率
一人あたり
雇用者所得
民間消費
労働力人口
民間消費デ
フレータ
15歳以上
人口
65歳以上
人口
住宅ストック
民間住宅デ
フレータ
民間住宅
企業物価
指数
総人口
民間資本
ストック
TFP
科学技術イノベーション
ブロックより
※
各
ス
ト
ッ
ク
の
減
耗
分
は
国
民
所
得
へ
民間設備
民間設備デ
フレータ
法人所得
法人税
政府消費
政府消費デ
フレータ
公的資本
公的資本デ
フレータ
※
各
デ
フ
レ
ー
タ
ー
は
W
や
C
G
P
I
、
他
の
デ
フ
レ
ー
タ
等
で
説
明
世界輸出
物価
輸出
輸出デフ
レータ
世界貿易
…外生変数
…内生変数
為替レート
原油輸入
原油価格指
数
原油価格
($)
その他輸入
輸入デフ
レータ
輸入デフ
レータ($)
3.3.2 分配ブロック
所得の分配は、まず名目 GNP から消費税率を乗じて求めた間接税や固定資本減耗等を差し引
き、国民所得が決定される。法人企業所得や財産所得は名目 GNP と金利等によって決定され、
雇用者所得は賃金に雇用者数を乗じることで求まる。法人所得からは法人税、個人所得からは個
人直接税や社会保障負担が決定され、定義によって家計可処分所得が求まる。こうして決まった
所得が民間消費や民間設備投資といった需要に影響を与える。
58
図表 3-21 MaeSTIP の分配ブロックにおける主要変数の相互関係図
貸出金利
消費税率
名目GNP
【分配ブロック】
間接税
国民所得
財産所得
法人所得
法人所得(配
当受払後)
法人税
社保給付
雇用者所得
個人所得
可処分所得
個人直接
税
家計営業
余剰
個人企業
所得
社保負担
3.3.3 科学技術イノベーションブロック
まず、研究活動の資金(政府負担および民間負担)
、および海外からの技術輸入額は名目 GDP
に対する比率(外生)によって求められる。ただし、政府負担研究費については、まず国と地方
を合計した科学技術関係経費総額が対名目 GDP 比で求められ、その額に科学技術関係経費と政
府負担研究費のコンバータを乗じることで求める。
政府/民間/外国により負担された研究資金は、その資金を受けた企業等/公的機関・非営利
団体/大学等における研究活動につながる。負担された資金がどの組織で使われるかは、研究活
動の負担源別・組織別のマトリクスから算出されたコンバータを介して決定される。
企業等/公的機関・非営利団体/大学等の使用研究費は、それぞれの研究支出デフレーターで
除して実質研究費が求められる。研究支出デフレーターはマクロモデルの民間企業設備投資や政
府消費支出等デフレーターによって求められる。
技術輸入については、企業等/公的機関・非営利団体/大学等の研究費を名目、実質でそれぞ
れ合算した後に除してインプリシットに算出した総研究支出デフレーターを用いて実質化される。
59
図表 3-22 MaeSTIP の科学技術イノベーションブロックにおける主要変数の相互関係図
【科学技術イノベーションブロック】
民間設備デ
フレータ等
TFP
経費・研究
費比率
(負担源別研究費)
(使用組織別研究費)
政府負担
企業等
科学技術関
係経費
(使用組織別
実質研究費)
(研究開発
ストック)
企業等(実質)
企業研究開発
ストック
RRD_G2B
企業等R&D
デフレータ
RRD_G2R
タイムラグ
RRD_G2E
陳腐化率
公的機関・
非営利団体
民間負担
大学・公的機関等研
公的等(実質)
究開発ストック
RRD_P2B
公的等R&D
デフレータ
RRD_P2R
タイムラグ
RRD_P2E
陳腐化率
大学等
外国負担負担
大学等(実質)
RRD_F2B
大学等R&D
デフレータ
RRD_F2R
RRD_F2E
総R&Dデフ
レータ
名目GDP
技術輸入
導入知識ス
トック
実質技術輸入
タイムラグ
陳腐化率
これらの研究開発活動は、知識ストックとして蓄積され、モデルの TFP に影響を与えることで、
生産性の上昇によるコストの削減、物価の下落等といった形で社会経済の様々な場面に影響を及
ぼす。さらに、経済成長が名目 GDP をとおしてふたたび研究開発に影響を及ぼすことで、研究
開発と経済成長の中長期的なダイナミズムを考慮した構造となっている。
60
第 3.4 節 科学技術イノベーション政策による経済効果シミュレーションの試行
本調査で構築した MaeSTIP の挙動、動学的特性を確認するとともに、研究開発投資の経済効
果について検討する際の参考として、以下のとおりシミュレーションを試行した。
3.4.1 シミュレーションの前提
本分析では一定の懐妊期間を想定していること、社会経済の動きの中で供給サイドの効果が需
要にあらわれるまでには時間がかかることを考慮し、参考としてシミュレーション期間は 2050
年度までで実施することとした。
シミュレーションは、基準ケース(ベースラインケース)とインパクトケースの 2 ケースにつ
いて実施した。
「基準ケース」は政府見通し等から妥当と思われる想定を与え、そのままシミュレーションを
行ったケースである。一方、
「インパクトケース」は研究開発について基準ケースとは異なった想
定を与え、その他の条件は全て基準ケースと同じとしてシミュレーションを行ったものである。
具体的なシミュレーションの前提条件は以下のとおりとした。
(1) 研究開発関連の想定
MaeSTIP では、研究活動の資金源となる、科学技術関係経費、民間負担・外国負担研究費、技
術輸入額は名目 GDP 比に対する比率で内生化している。
この比率の将来値は、基準ケースでは最終実績値(2010 年度値)と同率のまま推移するものと
し、インパクトケースでは第 4 期科学技術基本計画を踏まえ、計画期間中(2011~15 年度)の科
学技術関係経費の総額 25 兆円、2010 年度の経費額から毎年 6%率成長という想定に整合するよ
う名目 GDP 比を設定し、
計画期間終了後は最終年次の対名目 GDP 比率で固定して延長している。
同様に、民間負担研究費についても 2011 年度以降対名目 GDP 比を 3%に固定した。
図表 3-23 2011 年度以降についての名目 GDP 比の将来想定
基準
標準ケース
2010年度値で固定
科学技術関係経費
0.89%
民間負担研究費
外国負担研究費
技術輸入額
2.91%
0.01%
0.11%
インパクトケース
第4期基本計画を踏まえた総額目標
経費が6%成長となるよう段階的に上昇
2015年度以降GDP比1%
2011年度以降3%
(同左)
(同左)
なお、科学技術関係経費の金額については第 2.2 節に示したとおり、第 4 期基本計画期間につ
61
いて毎年 6%成長、総額 25 兆円という設定をベースとし、この経費額とモデルの基準ケースで推
計された名目 GDP であらためて比を算出すると、2010 年度は 0.89%となり、インパクトケース
ではそこから段階的に上昇して、2015 年度には 1.08%となる。インパクトケースにおける GDP
比はこの値とし、16 年度以降は 15 年度と同率のまま推移すると想定した。
また、科学技術研究調査の負担源別研究費のうち政府負担研究費は、民間など他の負担研究費
と異なり、科学技術関係経費(国・地方計)にコンバータをかけることで求める形としている。
コンバータの値は、実績期間中は政府負担研究費÷科学技術関係経費(国・地方計)、将来期間は
最終実績と同値としている。
そのほか、政府、民間、外国の負担研究費が企業等、公的機関・非営利団体、大学等でそれぞ
れ使用される割合についても最終実績値と同率のまま推移すると想定している。
(2) マクロ経済の前提
政府支出や人口成長率、為替、原油価格など外生変数の将来想定については、内閣府「経済財
政の中長期的試算」
(平成 24 年 1 月 24 日)など政府の見通しやエコノメイトモデル等、以下に
挙げた諸機関の将来見通しを元に設定した。ただし、将来人口を除いて、それぞれ 2030 年程度
までの見通しであり、本分析ではその伸びに合わせて機械的に 2050 年度まで伸ばしている点に
留意されたい。

内閣府「経済財政の中長期試算(平成 24 年 1 月 24 日)
」

国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 24 年 1 月推計)
」中位推計

厚生労働省「平成 21 年財政検証」の年金給付額、
「医療費等の将来見通し及び財政影響試
算(平成 22 年 10 月 25 日)
」の医療給付費の将来見通し

エコノメイトモデル(2011 年 4 月版)の将来予測シミュレーション時の想定
62
エコノメイトモデルの将来予測の前提
シミュレーション期間: 2020年度まで
変数
名目公的固定資本形成
想定
2010年は▲3%、11年以降は▲1%
政府最終消費
全期間0.5%
社会保障給付
2009、10年は2.5%、11年以降は2%
公定歩合
世界工業製品輸出物価指数
全期間0.3%で固定
2010年は2%、11年以降は3%
世界貿易
2010年は3%、11年以降は4%
外国為替相場
2010年は87円、11年は82円、以降は2020年の110円まで段
階的に円安進行
2010年は80ドル/バレル、11年90、12年100、以降は20年
の120まで段階的に上昇
全期間3%
原油価格
その他の財貨・サービスの
輸入デフレータ($)
実質海外への要素所得
実質海外からの要素所得
消費税率
2010年は1%、11年以降は5%
2010年は1%、11年以降は5%
2012年に7%、13年に8%、14年に10%に引き上げ
総人口
65歳以上人口
労働力人口
2009、10年は▲0.1%、11年以降は▲0.4%
2009、10年は2.1%、11年以降は2%
2010年は▲0.6%、11年以降は▲0.8%
所定内労働時間
公的企業所得
補助金
統計上の不突合
TFP上昇率
2010年は▲0.4%、11年以降は▲0.2%
全期間1.5%
2009~15年まで▲2%、16年以降は固定
2009年以降▲2%
モデル上存在せず(タイムトレンドで永続的に定率で成長)
内閣府「経済財政モデル」
「経済財政の中長期試算」(H24.1.24)の前提
MaeSTIPで試行したシミュレーションの前提
2023年度まで
参考として2050年度まで
想定
足元は政府予算案、2013~14年度は中期財政フレーム、以
降は社会保障関係は高齢化要因で増加、それ以外の支出
は実質横ばい(物価上昇率並み増加)
想定
「平成24年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」よ
り名目伸び率を想定。2013、14年度は名目で横ばい、以降
は実質で横ばい
IMF世界経済見通しを踏まえ、年率0.6~1.4%
厚生労働省「平成21年財政検証」、「医療費等の将来見通し
及び財政影響試算(平成22年10月25日)」の給付額推計結
果を元に将来の伸びを想定。
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
2010は2.6%、2011は7%、12は1.1%、2013以降は0.3%
(IMF WEO2011Sep。WEOでは16年まで)
本モデルでは為替が外生で調整されないため、伸びをやや
緩めた(2020年まで3%、以降1%)
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
IMF世界経済見通しを踏まえ、年率4.3~5.3%(慎重シナリ
オ)、3.2から4.2%(成長シナリオ)
(内生。短期的には内外金利差の影響、長期的には物価上
昇率格差を相殺するように変動)
IEA世界エネルギー見通しの上昇率
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
(世界輸出物価と同率で延長)
2014年4月に8%、2015年10月に10%に引き上げ
労働参加率は足元の水準で横ばい(慎重シナリオ)、女性・
高齢者を中心に上昇(成長シナリオ。30~34歳女性で67%
から2023年度75%)
足元は0.2%、以降20年代初頭に1.1%まで上昇(慎重シナリ
オ)、20年代初頭に1.9%まで上昇(成長シナリオ)
63
GDPとGNPの乖離が大きくなる(国民所得にまわるのはGNP)
ため、全期間1%と想定
モデルが年度単位データのため、2014年度8%、2015年度
9%、2016年度以降10%
日本の将来推計人口(平成24年1月推計)中位推計値に入
れ替え
人口の想定と整合を取るため、労働参加率に変更し、足元の
水準で固定
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
(エコノメイトの想定に合わせ延長)
(研究開発投資による内生変数)
3.4.2 シミュレーション試行結果
科学技術イノベーション政策の総額目標の効果について MaeSTIP で推計したシミュレ
ーション結果のうち、主要な変数について以下にとりまとめた。基本的には基準ケースと
インパクトケースの差が政策目標の効果であり、両ケースの差分を中心にとりあげている
が、参考としてシミュレーションによる推計値の水準も掲載した。
(1) 科学技術イノベーション政策の総額目標による研究開発の拡充
インパクトケースでは、第 4 期基本計画中の科学技術関係経費(国・地方計)を総額 25
兆円まで増加させ、計画期間終了時点の経費の対名目 GDP 比を維持する。結果として、科
学技術関係経費は 2010 年度に 4.2 兆円であったが、2015 年度には基準ケースで 4.6 兆円、
インパクトケースで 5.6 兆円と 1 兆円の差が生じている。第 4 期基本計画期間中(2011~
2015 年度)の差額は累計すると 3.0 兆円となる。GDP 比を計画終了時点から一定としてい
るため、以降も差額が累積し、2020 年度までで 8.5 兆円、2030 年度までで 21.0 兆円、2050
年度までで 48.8 兆円に達する。
図表 3-24 科学技術関係経費(国・地方計)のシミュレーション結果
科学技術関係経費(国・地方計)
兆円
10
25.0%
9
8
20.0%
2010
2015
2020
2030
2040
2050
7
6
15.0%
5
4
10.0%
3
2
(単位:兆円)
標準
インパクト
乖離率
差分
基準
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
4.2
4.2
0.0
0.0%
0.0
4.6
5.6
1.0
21.4%
3.0
5.4
6.6
1.2
21.3%
8.5
6.2
7.5
1.3
20.8%
21.0
6.7
8.1
1.4
20.6%
34.3
7.4
8.9
1.5
20.6%
48.8
5.0%
1
第4期計画期間(2011~2015年度)総額
(億円)
基準
標準
インパクト
差分
220,199.0 250,345
30,146
基準
標準ケース
インパクトケース
2049
2046
2043
2040
2037
2034
2031
2028
2025
2022
2019
2016
2013
2010
2007
2004
0.0%
2001
0
乖離率
科学技術関係経費に計上される予算の全てが政府負担研究費となるわけではない。本モ
デルでは研究費÷経費の比を 2010 年度実績の 0.8 で将来期間も固定しているため、たとえ
ば 2015 年度の政府負担研究費は基準ケースで 3.6 兆円、
インパクトケースで 4.4 兆円と 0.8
兆円の差となっている。その他の時点についても研究費÷経費の比は一定のため、科学技
術関係経費の結果に約 0.8 を乗じた結果となっている。
64
図表 3-25 政府負担研究費のシミュレーション結果
8
兆円
25.0%
7
20.0%
6
5
15.0%
4
10.0%
3
2
政府負担研究費
5.0%
1
0.0%
2001
2004
2007
2010
2013
2016
2019
2022
2025
2028
2031
2034
2037
2040
2043
2046
2049
0
基準
標準ケース
インパクトケース
乖離率
2010
2015
2020
2030
2040
2050
(単位:兆円)
基準
標準
インパクト
乖離率
差分
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
3.3
3.3
0.0
0.0%
0.0
3.6
4.4
0.8
21.4%
2.4
4.3
5.2
0.9
21.3%
6.7
4.9
5.9
1.0
20.8%
16.6
5.3
6.4
1.1
20.6%
27.1
5.8
7.0
1.2
20.6%
38.5
科学技術関係経費(国・地方計)のうち一定の割合が政府負担研究費となり、民間や外
国が負担した研究費はそれぞれ企業や公的機関、大学等に供給され、研究活動に支出され
る。デフレーターで実質化した研究費総額は、2015 年度までの基準ケースとインパクトケ
ースの差額を累計すると 5.0 兆円となる。以降、20 年度までで 12.0 兆円、30 年度までに
27.3 兆円、50 年度までに 60.3 兆円となる。
図表 3-26 実質研究費総額のシミュレーション結果
兆円
30
8.0%
7.0%
25
6.0%
20
5.0%
15
4.0%
実質国内研究費総額
3.0%
10
2.0%
5
1.0%
標準ケース
基準
インパクトケース
乖離率
2049
2046
2043
2040
2037
2034
2031
2028
2025
2022
2019
2016
2013
2010
2007
2004
0.0%
2001
0
2010
2015
2020
2030
2040
2050
(単位:兆円)
基準
標準
インパクト
乖離率
差分
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
18.4
18.4
0.0
0.0%
0.0
19.9
21.3
1.3
6.7%
5.0
21.7
23.2
1.4
6.7%
12.0
23.2
24.7
1.6
6.8%
27.3
23.9
25.6
1.7
6.9%
43.5
24.5
26.2
1.7
6.9%
60.3
R&D の懐妊期間を企業で 5 年、大学・公的研究機関等で 9 年としているため、フローの
研究開発費の増加は研究開発ストックにただちには反映されない。総研究開発ストックに
おける基準ケースとインパクトケースの差額は 2015 年度の時点では 0 であり、2020 年度
65
でも 2.1 兆円(1.1%)にとどまっている。ただし、インパクトケースでは常に研究開発額
が基準ケースを上回っているため、
次第にストックの乖離も大きくなり、2030 年度には 10.1
兆円、2050 年度には 17.6 兆円となる。
図表 3-27 総研究開発ストックのシミュレーション結果
300
兆円
8.0%
7.0%
250
6.0%
200
5.0%
150
総研究開発ストック
4.0%
3.0%
100
2010
2015
2020
2030
2040
2050
2.0%
50
1.0%
0.0%
2001
2004
2007
2010
2013
2016
2019
2022
2025
2028
2031
2034
2037
2040
2043
2046
2049
0
標準ケース
基準
インパクトケース
(単位:兆円)
標準
インパクト
乖離率
基準
乖離幅
ケース
ケース
(%)
150.5
150.5
0.0
0.0%
167.8
167.8
0.0
0.0%
181.0
183.0
2.1
1.1%
210.9
220.9
10.1
4.8%
232.3
247.2
14.9
6.4%
245.5
263.1
17.6
7.2%
乖離率
(2) 科学技術イノベーション政策の総額目標の経済効果
このような研究開発ストックの増加によって、TFP 成長率は 2020 年度に 0.05%ポイン
ト、2030 年度に 0.07%ポイント押し上げられる。以降は逓減し、2050 年度には両ケース
の乖離幅は 0.01%ポイントまで縮小する。
図 3-28 TFP 成長率のシミュレーション結果
0.90
%
0.14
0.80
0.12
0.70
0.10
0.60
0.50
0.08
0.40
0.06
0.30
TFP成長率
標準
基準
0.04
0.20
0.02
0.00
0.00
2001
2004
2007
2010
2013
2016
2019
2022
2025
2028
2031
2034
2037
2040
2043
2046
2049
0.10
標準ケース
基準
インパクトケース
乖離幅
2010
2015
2020
2030
2040
2050
ケース
0.79
0.66
0.70
0.63
0.50
0.42
(単位:%)
インパクト
乖離幅
ケース
0.79
0.00
0.66
0.00
0.75
0.05
0.70
0.07
0.52
0.02
0.43
0.01
66
こうした TFP の変化を反映し、我が国経済の供給能力を示す潜在 GDP も増加する。基
準ケースとインパクトケースの乖離率は 2020 年度に 0.1%、2030 年度に 1.1%、50 年度に
2.1%となる。
図表 3-29 潜在 GDP のシミュレーション結果
兆円
800.0
2.5%
700.0
2.0%
600.0
1.5%
500.0
400.0
1.0%
300.0
潜在GDP
0.5%
200.0
0.0%
100.0
基準
標準ケース
インパクトケース
2049
2046
2043
2040
2037
2034
2031
2028
2025
2022
2019
2016
2013
2010
2007
2004
-0.5%
2001
0.0
2010
2015
2020
2030
2040
2050
(単位:兆円)
標準
インパクト
乖離率
差分
基準
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
613.2
613.2
0.0
0.0%
0.0
623.0
623.0
-0.0
0.0%
-0.0
650.6
651.3
0.6
0.1%
1.4
706.2
714.3
8.1
1.1%
48.7
721.1
734.0
12.9
1.8%
158.8
711.4
726.6
15.2
2.1%
302.1
乖離率
TFP 成長率の上昇による潜在成長率の上昇、物価の下落に反応し、民間設備投資が誘発
される。また、生産性の上昇による生産コストの低下により、海外に対する価格優位が働
き、輸出も増加する。結果として、実質 GDP でみると 2020 年度の乖離率はほぼ 0%であ
るが、2030 年度に 0.2%、2050 年度に 0.5%となる。
図表 3-30 実質国内総生産のシミュレーション結果
兆円
800.0
0.6%
700.0
0.5%
600.0
0.4%
500.0
400.0
0.3%
300.0
実質国内総生産
0.2%
200.0
0.1%
100.0
標準ケース
基準
インパクトケース
乖離率
2049
2046
2043
2040
2037
2034
2031
2028
2025
2022
2019
2016
2013
2010
2007
2004
0.0%
2001
0.0
2010
2015
2020
2030
2040
2050
(単位:兆円)
標準
インパクト
乖離率
差分
基準
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
529.4
529.4
0.0
0.0%
0.0
563.3
563.3
0.0
0.0%
0.0
603.9
603.9
0.1
0.0%
0.1
639.6
641.0
1.4
0.2%
7.1
659.1
661.7
2.6
0.4%
28.8
672.9
676.1
3.2
0.5%
58.6
67
基準ケースとインパクトケースの差額を投入側である実質研究費(図表 3-26)、その効果
である実質 GDP(図表 3-30)とで比較すると、実質国内研究費のフローの差額は 2011 年
度に 0.7 兆円で、2015 年度には 1.3 兆円、以降は微増で推移する。一方、実質 GDP では
2020 年度まではほぼ 0 であるが、2031 年度には研究費のインパクトを上回る。以降も拡
大傾向が続き、2050 年度には実質 GDP の差分は研究費の差分の約 1.9 倍となっている。
3.5
(兆円)
基準
標準とインパクトケースの差額の推移
実質国内研究費総額
3.0
実質国内総生産
2.5
2.0
1.5
1.0
2011
2013
2015
2017
2019
2021
2023
2025
2027
2029
2031
2033
2035
2037
2039
2041
2043
2045
2047
2049
0.0
(年度)
0.5
この差額を各年度までの累積でみると、実質 GDP の累積差額は 2020 年度までで 0.1 兆
円、2030 年度までで 6.7 兆円、2050 年度までで 58.6 兆円となり、実質研究費総額の累計
差額にほぼ相当する規模となっている。
70.0
60.0
(兆円)
基準
標準とインパクトケースの差分累計額の推移
実質国内研究費総額
実質国内総生産
50.0
40.0
30.0
20.0
2011
2013
2015
2017
2019
2021
2023
2025
2027
2029
2031
2033
2035
2037
2039
2041
2043
2045
2047
2049
0.0
(年度)
10.0
68
なお、これらの金額は実質ベースであり、生産性の上昇により物価が下落しているので、
名目 GDP からみると一貫してインパクトケースが基準ケースを下回っている。総供給であ
る潜在 GDP(図表 3-29)と比較して総需要である実質 GDP(図表 3-30)の伸びが小さい
ということは、インパクトケースの方が GDP ギャップが大きくなっていることを示してい
る。
国内総生産への影響を名目価格ベースでみると実質需要の増加を価格の低下が上回るこ
とから 2020 年度の乖離率は 0%、2030 年度には▲0.5%、2050 年度には▲0.6%となり、
一貫してインパクトケースが基準ケースをやや下回る結果を示している。
図表 3-31 名目国内総生産のシミュレーション結果
兆円
基準
標準ケース
インパクトケース
乖離率
2049
-0.8%
2046
0
2043
-0.7%
2040
-0.6%
100
2037
200
2034
-0.5%
2031
-0.4%
300
2028
400
2025
-0.3%
2022
500
2019
-0.2%
2016
-0.1%
600
2013
700
2010
0.0%
2007
800
2004
0.1%
2001
900
国内総生産
2010
2015
2020
2030
2040
2050
(単位:兆円)
基準
標準
インパクト
乖離率
差分
乖離幅
ケース
ケース
(%)
累計
471.9
471.9
0.0
0.0%
0.0
520.9
520.9
0.0
0.0%
0.0
614.1
613.9
-0.2
0.0%
-0.5
696.8
693.4
-3.5
-0.5%
-21.0
753.7
749.0
-4.7
-0.6%
-63.3
831.2
826.1
-5.1
-0.6% -112.8
69
第4章
第 4.1 節
調査結果と今後の課題
シミュレーション結果の概要
本調査研究は、科学技術イノベーション政策の経済的・社会的影響を測定するため、経
済理論から導かれた経済構造の体系であるマクロ経済モデルの枠組みに科学技術イノベー
ション政策や研究開発活動を拡張し、一体として推計・分析を行うことを目指し、その端
緒となる試みを行ったものである。
まず、我が国の科学技術イノベーション政策、研究開発活動を描写し、生産性への影響
を推定する「科学技術イノベーション・モジュール」については、国・地方公共団体の科
学技術関係経費、民間および外国負担研究費等を名目 GDP から求める構造とし、これらの
資金が企業、大学、公的研究機関に供給されて研究開発活動が行われる形としている。我
が国の科学技術水準の代替指標となる研究開発ストックは、企業の研究開発、大学および
公的機関等の研究開発、海外からの技術輸入の 3 者別に、一定の懐妊期間と陳腐化率に基
づいて求められる。モデルの全要素生産性(TFP)はこれら研究開発ストックの増加によっ
て上昇する形で定式化しており、企業、大学・公的機関、技術輸入を分離して取り扱うこ
とで、それぞれが生産性に与える影響の違いを反映できる構造としている。本調査研究で
採用した TFP 関数のパラメータは以下のとおりであり、たとえば企業の研究開発ストック
が 1%増加すると TFP が 0.03%上昇するといった関係にあると推定されている。
図表 4-1 TFP 関数における研究開発ストックの弾力性パラメータ
弾力性パラメータ
企業等研究開発ストック
大学・公的機関等研究開発ストック
導入知識ストック
0.03
0.05
(1985 年度以降は 0.12)
0.05
さらに、本調査で開発した MaeSTIP16を用いて、現在の研究開発水準が今後も維持される
としたケースと、第 4 期科学技術基本計画を踏まえて研究開発を充実させたケースについ
16
Macroeconomic Model for Science, Technology and Innovation Policy の略。本調査で開発した「科学技術イ
ノベーション・モジュール」と、マクロメトリクス研究会「エコノメイト年次モデル」をベースに改修
を施したモデルを接続したモデル全体を指す。
70
て将来シミュレーションを試行することで、研究開発が我が国の生産性向上に寄与し、潜
在的な成長力を高めるとともに、中長期的にはコストや価格の下落を通して需要を喚起す
る効果があることを示した。
第 4.2 節
シミュレーション結果をみる際の留意点
ただし、本調査研究は、科学技術イノベーション政策のマクロ経済モデルへの導入に向
けた試行の端緒であり、本調査で試行したシミュレーション結果をみる際には以下のよう
な点に留意すべきである。
(1) TFP は推計方法や分析期間等によって変わりうる
本分析で国全体の生産性を代替する指標として扱った全要素生産性(TFP)はマクロ経済
モデルで利用するための TFP であり、付加価値として実質 GDP を利用するなど国全体のレ
ベルで推計した指標である。
TFP はマクロモデルでだけ用いられる手法ではなく、様々な機関や有識者が企業単位のパ
ネルデータや産業別等の分析にも利用されているが、こうしたミクロ分析での TFP とは必
ずしも一致しない。
(2) TFP が変わると生産性の上昇効果の大きさも変わりうる
一般的なマクロ経済モデルには既に TFP 変数が存在していることが多い。本調査で開発
した科学技術イノベーション・モジュールを既存のモデルに接続する場合、相手先のモデ
ルによって TFP、ひいては TFP 関数における研究開発ストック変数のパラメータ推定結果
=生産性上昇効果の大きさも変わりうる。
(3) TFP の変動要因として研究開発要因のみを対象としている
TFP の変動要因には研究開発努力による技術革新以外にも様々なものが考えられるが、本
分析では先行研究を踏まえ、技術革新による影響の部分を分析の対象としており、それ以
外の要因による影響は一定とみなしている。
TFP に含まれる様々な概念をそれぞれ定量化し、より詳細に分解して分析を深化させてい
くことは今後の課題である。
71
(4)
供給サイドのインパクトによる需要への影響の大きさはマクロモデルの構造に依
存する
本調査では、科学技術イノベーション政策とマクロ経済モデルを接続する主要な「コン
セント」として TFP を想定しており、研究開発による技術革新は潜在成長力の向上、生産
コストの逓減をもたらすなど、供給サイドから社会経済に影響を及ぼす形となっている。
一方、こうした供給サイドの変数がどの程度実需に影響を及ぼすかはマクロモデルの設計
や構造に依存している。
本調査では、マクロ経済モデルに科学技術イノベーション政策を導入するテストとして、
エコノメイトモデルをベースとしたマクロ経済モデルと接続したが、エコノメイトモデル
は需要主導的な性格が強く、価格等の調整メカニズムがあまり強く働かないため、潜在 GDP
など供給サイドの変数の影響が小さく出ている可能性がある。
他の経済モデル、たとえば内閣府の経済財政モデルは、長期的な均衡水準に向けてモデ
ル変数が収束する性格が強いモデルとされており、同モデルと接続した場合には、需要に
及ぼす効果がより大きく計測される可能性がある。
このように、
「科学技術イノベーション・モジュール」を既存のマクロモデルに接続した
際のモデルの挙動は接続相手のモデルによって変わる性格があり、本調査で試行した
MaeSTIP のシミュレーション結果はその一例に過ぎないという点には留意されたい。
第 4.3 節
今後の調査の方向性
以上、本調査の検討結果のほか、以下の有識者の方々から頂いたご意見を踏まえ、今後
さらなる精緻化、詳細化について検討が求められる分野や必要な取り組みについてとりま
とめた。
72
黒田 昌裕
東北公益文科大学長、科学技術振興機構研究開発戦略センター 上席フ
ェロー、独立行政法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター 上席フ
ェロー
永田 晃也
九州大学経済学研究院教授
深尾 京司
一橋大学経済研究所教授、科学技術・学術政策研究所 第1研究グルー
プ 客員総括主任研究官
堀 雅博
一橋大学経済研究所教授
(五十音順)
【代表的な政府モデルにおける TFP に基づいた分析・検討】
今回調査では、本調査研究で推計した TFP に基づいて研究開発と生産性の関係分析を
実施しているが、接続先のモデルにおける TFP のデータが変われば研究開発の弾力性パ
ラメータ等の結果も変わりうるものである。
我が国の代表的な政府モデルであり、マクロ経済政策の公的な検討基盤といえる経済
財政モデルについて内閣府より TFP のデータをご提供いただくとともに、当該データに
基づいた分析を実施して、その分析結果を内閣府にフィードバックする等、科学技術・
学術政策研究所と内閣府との間で科学技術イノベーション政策とマクロ経済政策の一体
的な議論、検討を継続的に行っていくことが求められる。
【TFP へ影響を及ぼす諸要因の掘り下げ】
本調査では、TFP の変動要因として研究開発に起因するものを分析対象とした。これ
は Griliches をはじめとするイノベーション経済学の分野で広く用いられている手法であ
るが、一方で、TFP には研究開発だけでなく労働の質の向上、経営の改善、あるいは研
究開発以外の無形資産の影響等といった様々な要因が含まれていることから、こうした
諸要因の影響を分解し、それぞれの影響の大きさを分析すること等により、TFP 関数を
さらに精緻化していくことが望まれる。
【研究開発支出・ストックのデータ推計方法の標準化に対する関与・貢献】
研究開発支出は費目としては人件費、原材料費、有形固定資産購入費、リース料等と
いった形で支出される。したがって、従来のマクロ経済モデルでいう雇用者報酬には研
究者の人件費が含まれ、民間企業設備投資には研究開発由来の設備購入費、あるいは製
品を海外から購入するなら財貨・サービスの輸入に含まれていると考えられる。このよ
うに重複、あるいは計上できない部分が存在することにより、研究開発と生産性との関
係を過大に(あるいは過小に)見積もってしまう可能性があり、可能な限り分離して推
計することが望ましいと考えられる。
また、研究開発支出のフローを積み上げた知識ストックの推計において、技術知識の
73
陳腐化率と研究開発投資の懐妊期間が必要であろうということは、これまで研究されて
きた多くの先行研究に共通するところである。しかしながら、その定義や水準は確立さ
れておらず、数字がどの程度かということについて明確な根拠やコンセンサスが得られ
ている訳ではないのが実情である。
こうした研究開発支出やストックの推計について OECD 等で行われている関連研究、
国連統計委員会や内閣府経済社会総合研究所等で検討されている SNA の R&D サテラ
イト勘定といった国際的な標準化の動向や議論について、科学技術・学術政策研究所が
積極的かつ継続的に関与し、貢献していくことが必要と考えられる。
【科学技術イノベーション政策の政府及び民間の研究開発への影響、政府・民間の研究開
発の相互関係等についての検討】
現在の科学技術イノベーションブロックでは、その入り口となる研究活動に対する資
金供給は、政府、民間、外国に分離されてはいるものの、基本的にそれぞれ並行して名
目 GDP 比で求める構造となっている。
科学技術イノベーション政策の構造化とデータベース化、適切な代理指標の抽出を行
うとともに、民間や政府、大学間の研究開発の代替性や補完性(クラウディング・イン
あるいはアウト等)
、産学連携の促進等の政策要因の影響等について、定量的な検証やモ
デルへの反映を引き続き検討すべきと考えられる。
【科学技術イノベーションブロックにおける研究開発の効果が及ぼす影響の経路】
現在の MaeSTIP のモデル化では、研究開発による生産性の上昇、生産コストの低下や
物価の下落、需要の喚起という「プロセス・イノベーション」は盛り込まれているが、
価格にあらわれない品質改善や機能の向上といった「プロダクト・イノベーション」を
明示的に取りこむことまではできていない。
たとえば多国間モデルである NEMESIS モデルでは、研究開発と TFP を接続するので
はなく、知識ストックから算出されるインデックスを生産関数の投入要素にそれぞれ掛
け合わせる形となっているほか、輸出入関数に知識ストックのシェア変数を入れること
でイノベーションでの優位が国際競争に働く効果を考慮するといった試みが行われてい
る。
このような先行研究を踏まえ、現在の MaeSTIP で構造化されていない「プロダクト・
イノベーション」の効果、社会経済に及ぼしていく影響の経路について引き続き検討し
ていくことも必要と考えられる。
【科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係についての更なるエビデンス
の収集・分析】
本調査研究では、拡張したコブ・ダグラス型生産関数の概念を踏まえ、研究開発が全
74
要素生産性(TFP)に影響を与える形で定式化している。この考え方自体はイノベーシ
ョン経済学の分野では一般的なものであり、また一般的なマクロ経済モデルの構造を大
幅に変えることなく接続が試行できるという意味で、既存の政府マクロ経済モデルへの
接続を目指すという本調査の目的に合致したものと考えられる。
しかし、そもそも TFP は経済成長と労働・資本の投入による寄与の差分から推計され
るものであり、労働と資本の投入量で説明できないすべての要因、研究開発努力による
技術革新をはじめ労働の質の向上、資本の熟度、経営の改善、政策効果等、様々な要素
を含んだものであるため、国全体の集計レベルでこれらの要素を含んだ変数を統計的に
頑健な形で推定することは難しい。
科学技術イノベーション政策にかかわるデータや指標の整備を行うとともに、企業レ
ベル等のミクロデータに基づく分析、政策研究や研究開発マネジメント等のケーススタ
ディ、海外各国のパネルデータに基づいた長期的な国際比較など複数の観点から調査や
分析を行うことにより、研究開発の生産性向上効果の蓋然性を高めていくことが必要と
考えられる。
具体的には、産業別や海外のパネルデータに基づいて TFP 関数をそれぞれ推定し、研
究開発の弾力性パラメータの水準や安定性を検証する、あるいはこうしたミクロ分析で
推定した弾力性パラメータを、
「科学技術イノベーション・モジュール」の TFP 関数の
パラメータに適用する等といった方法が考えられる。
【MaeSTIP の構造方程式等にかかわる技術的な課題の改善】
本調査では、
「科学技術イノベーションブロック」をマクロモデルと接続するテストと
して、エコノメイトモデルをベースに若干の改修を施したモデルを選択し、両者を接続
した MaeSTIP を用いて検討を行った。しかし、研究開発の効果を分析するためには長期
にわたる将来シミュレーションを実施する必要があり、現在の MaeSTIP では外生扱いと
なっている為替レートや金利変数等の内生化についても改善の余地があると考えられる。
ただし、MaeSTIP は試行のための暫定モデルであって、「科学技術イノベーションブ
ロック」の既存の政府モデルへの接続を目指すのであれば他の課題より優先度は低い。
【関係諸機関、有識者との連携】
以上の取り組みを有効かつ円滑に進め、科学技術イノベーション政策とマクロ経済政
策を一体的に検討していくためには、科学技術・学術政策研究所が内閣府や経済社会総
合研究所をはじめとする関係諸機関、経済学者等と積極的に連携し、継続的に検討して
いくことが強く望まれる。
75
参考資料
参考資料 A:
本調査で推計した TFP について
第 3.2.4 小節に記載したとおり、本調査では全要素生産性(TFP)をコブ・ダグラス型生
産関数のソロー残差を HP フィルターで平滑化することで推計している。
しかし、そもそも生産性は分子や分母に何をとるのか(粗産出ベースか付加価値ベース
か等)といった定義、あるいはマクロかミクロベースかといった計測の方法、推定期間等
によって異なった値をとりうるものである。
以下では、検証のために、①本調査の TFP と OECD や EU KLEMS の推計結果の比較、
②成長会計の考え方に基づいた視覚的な確認を行ったほか、本調査で推計した TFP に基づ
いた③TFP と研究集約度の関係性、④科学技術イノベーション・モジュールで利用するた
めの TFP 関数の推定、の結果をそれぞれ掲載した。
A.1 他の機関で推計された TFP との比較
まず、本分析で推計した TFP と OECD の多要素生産性(MFP)
、EU KLEMS17の TFP
(付加価値ベース全産業の値)について比較を試みた(グラフの単位は 2000 年=100 の指
数に統一)
。
推計された TFP には 1986 年に上昇、87 年に低下、88 年にふたたび上昇するなど似通っ
た傾向もみられるが、いくつかの点で異なった傾向もみられている。
たとえば OECD と EU KLEMS では推定の期間が異なり、全体の傾きも異なるが、1980
年代後半に生産性が高くなる点は共通しており、特に OECD では 1988 年から 90 年にかけ
て 3~5%程度の高い伸びを示している。本分析で推計した TFP は、同じ期間で大きくても
2%程度とやや異なった傾向を示している。
また、
EU KLEMS の推計によると 1990 年代以降、
我が国の生産性の伸びはほぼ止まり、
年による変動はあるものの、おおむね横ばいとなっている。
17
EU が主導して米国や日本も参画し、経済成長、生産性、雇用創出、技術変化に関する産業レベルデー
タを各国共通の枠組みで試算するプロジェクト。日本からは経済産業研究所が参加し、作成したデータ
を提供している。
76
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
参考図表 A-1 TFP の推移
120
(2000=100)
110
100
90
80
70
60
TFP
TFP
MFP(OECD)
-6
MFP(OECD)
TFP(EU KLEMS)
77
(年)
TFP(EU KLEMS)
注:OECD, “OECD Productivity Statistics”
EU KLEMS, “Growth and Productivity Accounts: November 2009 Release, updated March 2011”
の値を 2000 年の値=100 となるよう指数化
参考図表 A-2 TFP 成長率の推移
(前期比:%)
8
6
4
2
0
-2
-4
(年)
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
(前期比:%)
参考図表 A-3 TFP 成長率の推移(HP フィルタ適用後)
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
-0.5
TFP
MFP(OECD)
TFP(EU KLEMS)
78
(年)
A.2 成長会計からの検証
全要素生産性の推移を視覚的に確認するため、GDP 成長率を労働と資本に分解し、成長
会計からみてみることとした。労働分配率(α)は 0.6 と仮定し、GDP(Y)の変化率(3
年平均)
、K(資本)
、L(労働)それぞれの寄与度をみた(折れ線グラフと棒グラフの合計
との差がソロー残差であり、概念としては先の TFP 成長率に相当する)。
おおむね経済の成長は労働、資本の投入量の変化によって説明できており、特に資本投
入を稼働率、労働投入を労働時間で調整した下段のグラフでは、バブル景気の興隆と低迷
等に対して良好なフィットを示している。すなわち、全要素生産性の変動は大きくないと
いう結果となっており、先に示した本分析の TFP 成長率が近年安定的であることと整合的
である。
本分析で推計した TFP は、マクロベースの GDP および労働、資本を投入要素とした生
産関数と親和性が高いものであり、マクロモデルとの接合を目的としている本分析の目的
に沿うものと考えられる。
参考図表 A-4 成長会計からみた経済成長率と資本、労働の寄与
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
(1-α)・ΔK/K
α・ΔL/L
4.0%
ΔY/Y
2.0%
0.0%
1970
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
-2.0%
Y:GDP、K:民間資本ストック、L:就業者数
79
参考図表 A-5 成長会計からみた経済成長率と資本(稼働率調整済)、労働(マンアワーベース)の寄与
12.0%
10.0%
8.0%
6.0%
4.0%
(1-α)・ΔK2/K2
α・ΔL2/L2
2.0%
ΔY/Y
0.0%
-2.0%
-4.0%
1970
1972
1974
1976
1978
1980
1982
1984
1986
1988
1990
1992
1994
1996
1998
2000
2002
2004
2006
2008
-6.0%
Y:GDP、K2:民間資本ストック×製造工業稼働率指数、L:就業者数×総実労働時間
A.3 TFP と研究集約度
(1) TFP 成長率と研究集約度の推移
まず、研究開発と生産性の関係性について状況を概観するため、TFP 成長率(以下、す
べて HP フィルタ適用後の TFP)と研究集約度の推移をみる。なお、研究集約度は、一定
の懐妊期間を考慮し、
「タイムラグあり研究開発費」÷実質 GDP、または陳腐化を含む「Δ
研究開発ストック÷実質 GDP で算出している。
1970 年代後半、90 年代後半など不況時に低下する傾向もみられるが、フローの研究開発
費からみた集約度はトレンドとしては上昇傾向にある。一方、研究開発知識の陳腐化を考
慮し、ストックの増分から算出した研究集約度では上昇トレンドがみられなくなる。
80
参考図表 A-6 TFP 成長率と研究集約度の推移
(研究支出/GDP)
(%)
2.50
(%:TFP成長率)
1.2
2.00
1.1
1
1.50
0.9
1.00
0.8
0.7
0.50
0.6
0.5
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
TFP(フィルタ後)成長率
0.4
0.50
企業等研究集約度(ラグ5期)
(年度)
0.00
2008
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
0.00
企業等(ラグ5期)
(Δ 研究開発ストック/GDP)
(%)
1.60
(ストック差分)
(%:TFP成長率)
1.2
1.40
1.20
1.1
1.00
1
0.80
0.9
0.60
0.8
0.40
0.7
0.20
0.6
0.00
0.5
TFP(フィルタ後)成長率
0.4
0.00
大学・公的機関等研究集約度
導入知識研究集約度
(年度)
-0.20
企業等研究集約度
2008
2006
2004
2002
2000
1998
1996
1994
1992
1990
1988
1986
1984
1982
1980
1978
1976
1974
1972
-0.20
企業等
(2) TFP 成長率と研究集約度の分布
横軸に研究集約度、縦軸に TFP 成長率をとってプロットする。正の相関関係(片方が増
えるともう片方も増える)があれば右上がりの直線上、負の相関があれば右下がりの直線
が描かれる形になると考えられる。
企業等では、1990 年頃までは右上がりの直線上を動いているが、以降は研究集約度がお
おむね上がる傾向、TFP 成長率は下がる傾向にあり、右下がりとなっている。2000 年度以
降は TFP 成長率にあまり変化がみられず、グラフからも目立った傾向を読み取ることがで
きなくなっている。ストックの増分からみると、2000 年頃までは時計回りに周回した分布
となっている。
81
参考図表 A-7 TFP 成長率と研究集約度の分布
(研究支出/GDP)
(%:TFP成長率)
1.2
(%:TFP成長率)
1.2
1.1
1.1
1975
1
1990
0.9
1975
1
0.9
1985
2000
2005
1995
0.8
2009
0.8
0.7
0.7
0.6
0.6
0.5
1980
0.5
2.50
大学・公的機関等(ラグ9期)
0.60
2.00
0.4
(%:対GDP比)
導入知識(ラグ2期)
0.50
企業等(ラグ5期)
1.50
1.00
0.50
0.00
0.4
(Δ 研究開発ストック/GDP)
(%:TFP成長率)
1.2
(%:TFP成長率)
1.2
1.1
1.1
1975
1
1990
0.9
1
0.9
1985
2000
2005
2009
0.8
1
1995
2000
0.8
0.7
1
0.7
0.6
0.6
0.5
1980
0.5
導入知識
82
0.27
1.00
0.80
0.60
0.40
大学・公的機関等
0.4
(%:対GDP比)
0.25
企業等
0.20
0.00
-0.20
0.4
大学・公的機関等では、おおむね 2000 年頃までは右下がりの線上で変動している。総じ
て、研究集約度と TFP 成長率がともに継続的に上昇ないし下降するような時期はみられて
いない。
参考図表 A-8 TFP 成長率と研究集約度の分布(大学・公的機関等)
(研究支出/GDP)
1.1
(%:TFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
(%:TFP成長率)
1.2
1.2
1975
1.1
1
1990
1
0.9
0.9
1985
2000
0.8
2005
1995
2009
0.8
0.7
0.7
0.6
0.6
0.5
0.5
1980
0.06
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
0.50
(%:対GDP比)
0.07
0.4
0.4
(Δ 研究開発ストック/GDP)
大学・公的機関等
(%:TFP成長率)
1.2
(%:TFP成長率)
1.2
1.1
1975
1
1
1990
0.8
0.9
2000
0.8
1985
2005 2009
1995
0.6
0.7
0.4
0.6
0.2
0.5
1980
0.4
83
-0.04
-0.06
0.43
0.41
0.39
0.37
0.35
0.33
0.31
0.29
0.27
0.25
0
(%:対GDP比)
海外からの導入知識は、1970 年代後半を除くとおおむね右下がりの線上にある。ただし、
ストックの増分からみると 1980~90 年頃にも研究開発と生産性の上昇がともにみられて
いる。
参考図表 A-9 TFP 成長率と研究集約度の分布(導入知識)
(研究支出/GDP)
(%:TFP成長率)
導入知識(ラグ2期)
2.4
1.2
(%:対GDP比)
2.2
1.1
1975
1
2
1990
0.9
0.8
(
1985
2000
企
業
等
ラ
グ
5
期
2005
2009
1995
0.7
0.6
1.8
1.6
1.4
1.2
)
1
0.5
1980
(%:対GDP比)
0.50
0.14
0.13
0.12
0.11
0.10
0.09
0.08
0.07
0.06
0.40
0.8
0.4
(Δ 研究開発ストック/GDP)
(%:TFP成長率)
導入知識
1
(%:対GDP比)
1.2
0.9
1975
1
1990
0.8
1985
2000
1995
0.8
企
業 0.7
等
2005
2009
0.6
0.6
1980
0.4
0.5
2000
0.4
0.2
0.25
0.08
0.06
0.04
0.02
0.00
-0.02
-0.04
(%:対GDP比)
-0.06
0.43
0.41
0
(%:対GDP比)
84
0.27
0.3
1980
(3) 企業等と大学・公的機関等の研究集約度の分布
縦軸に企業、横軸に大学・公的機関等の集約度をとってみると、特に 1990 年代以降、右
上がりの線上にある。公的研究機関や大学等の研究活動が企業の研究活動の呼び水になっ
ている可能性がある。ただし、ストックの増分からみると両者の間に一貫した傾向はみら
れていない。
参考図表 A-10 企業等と大学・公的機関等の研究集約度の分布
(研究支出/GDP)
2.4
(%:対GDP比)
2009
2.2
75
2
(
企
業
等
ラ
グ
5
期
2005
2005
1995
2000
1.8
1.6
1990
1.4
1.2
)
1985
1975
1
1980
1.10
1.00
0.90
0.80
0.70
0.60
0.50
0.40
0.14
(%:対GDP比)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等(ラグ9期)
(Δ 研究開発ストック/GDP)
1
(%:対GDP比)
0.9
1975
1995
0.8
企
業 0.7
等
1990
1975
0.6
0.5
2009
2000
2005
1985
0.4
1980
大学・公的機関等
0.43
0.41
0.39
0.37
0.35
0.33
0.31
0.29
0.27
(%:対GDP比)
0.25
0.3
0.08
0.06
0.13
0.8
(%:対GDP比)
「参考資料 B.1 MFP 成長率と研究集約度の推移」
にも示したとおり、
研究集約度と TFP
成長率の間に明確な正の相関関係はみられていないのは、他の海外主要国にも共通した現
象である。
85
A.4 TFP 関数の推定
以下では、
「第 1.2 節 研究開発活動の生産性への影響分析の手法」で提示した収益性推
定アプローチ、弾力性推定アプローチに基づいた TFP 関数の推定を試行し、モデルに採用
する関数について検討を行った。
(1) 収益性アプローチに基づく推定結果
まず、TFP 上昇率を研究開発ストックの増分÷GDP で説明し、技術の限界生産性を推定
する。推定は生産関数に基づいて推計した TFP の全期間のほか、先にみた TFP 成長率と
研究集約度のプロットを踏まえ、1990 年頃を境に大きく構造が変化している可能性を考慮
し、1970~80 年代、90 年代以降と期間を分ける形で回帰分析を行っている。
陳腐化がないと仮定することでストック変数を除去し、TFP 上昇率を研究費÷GDP で説
明したモデルでは、企業または技術輸入が全期間、大学・公的機関等は 90 年代以降のみで
限界生産性が正となった。ただし、企業は 90 年代以降に限ると負となり、大学・公的機関
等は全期間、70~80 年代のどちらでも負となっている。
参考図表 A-11 収益性アプローチ(陳腐化率=0と仮定)に基づいた推定結果
全期間
1971~2009年度
推定期間
被説明変数
統計量
1990年代以降
1990~2009年度
Δ TFP/TFP
(
0.0130
6.537)
(
0.0183
2.810)
(
0.0126
22.257)
企業研究支出(5期ラグ)
/GDP
(
0.4321
4.136)
(
0.7178
1.899)
(
-0.4584
-6.586)
大学・公的機関等研究支出(9期ラグ)
/GDP
(
-1.8664
-5.093)
(
-2.9431
-3.808)
(
0.4225
2.242)
技術輸入額(2期ラグ)
/GDP
(
2.6738
3.736)
(
1.5284
0.908)
(
0.9951
1.529)
定数項
説明変数
70~80年代
1971~1989年度
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.5767
0.3152
0.6514
0.4107
0.8053
0.9901
TFP 上昇率を研究開発ストックの増分÷GDP で説明すると、企業の全期間(正)、90 年
代以降(負)が有意でなくなる、導入知識の 70~80 年代(正)が有意でなくなる等、若干傾
向が異なる。90 年代以降はどの説明変数も有意ではなくなっている。
86
参考図表 A-12 収益性アプローチに基づいた推定結果
全期間
1971~2009年度
推定期間
被説明変数
(
0.0173
8.806)
(
0.0172
9.606)
(
0.0100
4.402)
(
-0.1086
-0.730)
(
0.5162
2.342)
(
0.0092
0.067)
(
-2.8383
-5.614)
(
-3.5499
-7.967)
(
-0.5597
-0.784)
(
3.6646
3.924)
(
4.0362
5.123)
(
-1.2631
-0.712)
Δ 企業研究ストック
/GDP
Δ 大学・公的機関等研究ストック
/GDP
Δ 導入知識ストック
/GDP
統計量
1990年代以降
1990~2009年度
Δ TFP/TFP
定数項
説明変数
70~80年代
1971~1989年度
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.7173
0.6684
0.9165
2.2722
-0.0680
0.2339
(2) 弾力性アプローチに基づく推定結果
対数に変換したうえで、TFP を研究開発ストックで説明し、生産性の技術に対する弾力
性を推定してみると、全期間では企業と導入知識が有意に正、90 年代以降は大学・公的研
究機関、導入知識が有意に正となる。ただし、90 年代以降は企業が有意に負となっており、
70~80 年代はいずれの変数とも符号は正だがやや有意性が低くなっている。
参考図表 A-13 弾力性アプローチに基づいた推定結果
全期間
1970~2009年度
推定期間
被説明変数
1990年代以降
1990~2009年度
logTFP
定数項
log企業研究ストック
(
-4.1204
-39.401)
(
-3.6416
-21.357)
(
0.0845
3.342)
(
0.0416
1.195)
(
-0.0303
-5.497)
(
0.0108
0.343)
(
0.0489
1.243)
(
0.2280
23.684)
(
0.0972
7.728)
(
0.0388
1.957)
(
0.0193
4.807)
説明変数
log大学・公的機関等研究ストック
log導入知識ストック
統計量
70~80年代
1970~1989年度
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.9896
0.1387
0.9840
0.2385
-4.5431
( -279.848)
0.9998
1.0372
被説明変数、説明変数ともに階差をとってΔlog として推定を行うと、全期間だけでな
く 70 から 80 年代についても企業、導入知識が有意に正となった。90 年代以降は大学・
87
公的研究機関、導入知識は有意に正だが、企業が有意に負となっている点は対数モデル
と同様である。
参考図表 A-14 弾力性アプローチに基づいた推定結果(Δlog)
全期間
1971~2009年度
推定期間
被説明変数
Δ log大学・公的機関等研究ストック
Δ log導入知識ストック
統計量
1990年代以降
1990~2009年度
Δ logTFP
Δ log企業研究ストック
説明変数
70~80年代
1971~1989年度
自由度修正済決定係数
D.W.比
(
0.0553
2.743)
(
0.0728
2.599)
(
-0.0286
-2.532)
(
0.0461
1.805)
(
0.0155
0.455)
(
0.2289
11.875)
(
0.0514
5.321)
(
0.0362
2.799)
(
0.0172
2.449)
-0.2527
0.4889
0.2728
0.4834
-0.0462
1.6282
(3) CUSUM Square テストによる構造変化の検証
研究開発と TFP の関係を収益性からあるいは弾力性から推定することを試みてきたが、
TFP 成長率を研究集約度(研究支出÷実質 GDP ないしΔ研究開発ストック÷実質 GDP)
から推定すると安定した結果が得られなかった。TFP と研究開発ストックの弾力性を回帰
すると安定した結果が得られるが、ストック変数の非定常性から階差をとって推定する方
が望ましいと考えられる。
同時に、推定期間を変えると変数の有意性や符号が変化することから、研究開発と TFP
の関係性のパラメータは長期に安定したものではなく、ある時点を境に構造変化が起きて
いる可能性が否定できない結果となった。そこで、CUSUM Square テストによって構造変
化が起きているかどうか、どの時点で起きているのかを検定した。
CUSUM Square テストは Y=aX + b といった数式を回帰分析するとき、a, b といったパ
ラメータは推定期間内で誤差を最小にする定数として求まるが、この関係に構造変化が起
きていないかどうかを検証する検定法の一種である。CUSUM Square テストは、逐次残差
の累積 2 乗和を用いた構造変化の検定法であり、推定期間を変えながら、t-1 期までの推定
期間でパラメータ a、b を求め、そのパラメータで被説明変数を予測し、その誤差(逐次残
差)をとることを繰り返し、その逐次残差を累積した値をみることでパラメータの安定性
をみることができる。
88
【企業等研究開発ストックと TFP の関係】
以下では、1978 年頃を境に 5%の信頼区間から逸脱し、1980 年頃に累積和の方向が折れ
曲がっていることから、その近辺で構造変化が起きていると考えられる。
(全期間)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.006473
(
7.648)
1.4
1.2
+ Δ log(SRDB)
0.028911
(
2.683)
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1971~2009
0.1402
データ数:
D.W.比:
39
0.1247
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
1975
1980
1985
1990
CUSUM of Squares
1995
2000
2005
5% Significance
TFPF:HP フィルター後全要素生産性、SRDB:企業等研究開発ストック、Δlog:自然対数の階差
推定期間を 1980 年度以降に変更して回帰し、再び CUSUM Square テストを行うと、今
度はパラメータが安定的であることがわかる(ただし、研究開発ストックの項の有意性は
やや低い)
。
(1980 年度以降)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.006937
(
9.387)
1.4
1.2
+ Δ log(SRDB)
0.019068
(
1.617)
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1980~2009
0.0527
データ数:
D.W.比:
30
0.1160
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
82
84
86
88
90
92
94
96
CUSUM of Squares
98
00
02
04
06
08
5% Significance
89
【大学・公的機関等研究開発ストックと TFP の関係】
公的機関・非営利団体、大学等の研究開発ストックについて、同様に回帰分析を行い、
CUSUM Square テストを行うと、80 年代前半に構造変化が起きていることが伺われる結
果となった。
(全期間)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.008801
(
8.014)
1.4
1.2
+ Δ log(SRDE+SRDR)
-0.004395
( -0.241)
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1971~2009
-0.0254
データ数:
D.W.比:
39
0.0991
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
1975
1980
1985
1990
CUSUM of Squares
1995
2000
2005
5% Significance
SRDE:大学等研究開発ストック、SRDR:公的機関等研究開発ストック
推定期間を 1985 年以降に変更し、再度回帰分析、検定を行うと、95 年付近でも若干信
頼区間を外れている。
(1985 年以降)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.005496
(
9.193)
1.4
1.2
+ Δ log(SRDE+SRDR)
0.069899
(
5.164)
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1985~2009
0.5168
データ数:
D.W.比:
25
0.5246
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
88
90
92
94
96
98
CUSUM of Squares
00
02
04
06
08
5% Significance
さらに推定期間を 1996 年以降に変更すると、以降は CUSUM Square テストの信頼区間
には収まっているものの、研究開発ストックの項の有意性が低く、符号も負になっている。
また、式全体の F 検定の結果等からも関数自体が説明力を持っていないことが明らかであ
る。
90
(1996 年以降)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.008358
( 16.257)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1.6
+ Δ log(SRDE+SRDR)
-0.010202
( -0.743)
1996~2009
-0.0357
1.2
データ数:
D.W.比:
14
0.3570
0.8
0.4
0.0
-0.4
98
99
00
01
02
03
CUSUM of Squares
04
05
06
07
08
5% Significance
【導入知識ストックと TFP の関係】
海外からの技術輸入による導入知識ストックについて、回帰分析を行い、CUSUM Square
テストを行うと、全期間について信頼区間の範囲内に収まっていた。
(全期間)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
定数項
0.007638
( 23.649)
1.4
1.2
+ Δ log(STI)
0.03638
(
5.491)
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
1971~2009
0.4342
データ数:
D.W.比:
39
0.4300
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
1975
1980
1985
1990
CUSUM of Squares
1995
2000
2005
5% Significance
STI:導入技術ストック
91
09
【各研究開発ストックと TFP の関係】
ここで、企業等研究開発ストック、非企業研究開発ストック、導入知識ストックをすべ
て説明変数として回帰分析を行い、CUSUM Square テストを行うと、全期間について信頼
区間の範囲内に収まっていた。
(全期間)
被説明変数:
説明変数
1.4
Δ log(TFPF)
+ Δ log(SRDB)
0.0552821
(
2.743)
+ Δ log(SRDR+SRDE)
0.0461474
(
1.805)
+ Δ log(STI)
0.051364352
(
5.321)
1971~2009
-0.2527
データ数:
D.W.比:
1.2
1.0
0.8
推定期間:
自由度修正済決定係数:
39
0.4889
0.6
0.4
0.2
0.0
-0.2
-0.4
1975
1980
1985
1990
CUSUM of Squares
1995
2000
2005
5% Significance
ただし、個別の変数ごとに推定した際には大学・公的機関等研究開発ストック等で構造
変化が起こっている可能性があったので、大学・公的機関等研究開発ストックについて 85
年度以降ダミー(D85C)を追加した結果は以下のとおりである。すなわち、TFP の大学・
公的研究機関研究開発ストックに対する弾力性は 1984 年度までは 0.05、85 年度以降は 0.12
(0.05+0.07)となっていることを示している。同様に、企業についてもスイッチングダミ
ーの導入を試みたが、有意な結果が得られなかった。
なお、この値は本分析に類似した TFP 関数を採用している MULTIMOD の弾力性パラメ
ータ 0.2418よりも小さく、少なくとも本分析で推定した弾力性が著しく高いということはな
いと考えられる。
これらの検討を踏まえ、以下の関数を科学技術イノベーションブロックの TFP 関数とし
て採用することとした。
18
第 2.1.3 小節を参照。
92
(全期間、ただし大学・公的機関等について 85 年以降スイッチングダミーを追加)
被説明変数:
Δ log(TFPF)
説明変数
Δ log(SRDB)
0.0336107
(
2.728)
1.4
+ Δ log(SRDR+SRDE)
0.0500195
(
3.276)
+ D85C*Δ log(SRDR+SRDE)
0.072375759
(
8.126)
1.2
1.0
0.8
+ Δ log(STI)
0.0466752
(
8.060)
推定期間:
自由度修正済決定係数:
0.6
0.4
1971~2009
0.5536
データ数:
D.W.比:
39
1.2218
0.2
0.0
-0.2
-0.4
86
88
90
92
94
96
98
CUSUM of Squares
00
02
04
06
08
5% Significance
D85C:85 年度以降ダミー(1984 年度まで 0、85 年度以降 1)
「参考資料 B.2 研究開発による MFP 関数の推定」に示した、OECD のデータに基づい
た海外主要国での推定によると、階差 log 形式で有意に推定されたフランスでは民間企業
0.07、大学・公的機関等 0.09、導入知識 0.01 であった。推定期間や生産性の定義等は異な
るが、推定されたパラメータを比較すると民間企業の研究開発ストックの弾力性は日本の
方が低く、大学・公的機関等および導入知識については日本の方が大きい。また、3区分
のストック弾力性を合計するとフランスは約 0.17 となり、1984 年度までは日本がやや小さ
く(約 0.13)
、85 年度以降はやや日本が大きくなっている(約 0.20)
。
93
A.5 科学技術イノベーション政策の内部構造の変化による経済効果の分析
本調査では、科学技術関係経費の総額、企業、大学・公的機関等の使用者別の研究開発
という観点から科学技術イノベーションブロックを構成し、シミュレーションを試行した。
一方、総額ではなく科学技術イノベーションの内部構造の変化、たとえば競争的資金への
配分などポートフォリオの変更が研究開発システムに影響を及ぼし、生産性、ひいては社
会経済へ効果をもたらすという方向での分析の深化も必要と考えられる。
そこで、科学技術経費の 3 分類(ミッションオリエンテッド、競争的資金、一般大学経
費)と科学技術研究調査の性格別研究費(基礎、応用、開発)のデータを用いて、調査本
編とは異なった角度から科学技術イノベーション・モジュールを構成することを試みた。
科学技術イノベーションブロック
マクロ経済ブロック
性格別使用研究費
科学技術
イノベーション政策
政府研究開発
投資総額
OECD社会経
済目的別分類
科
学
技
術
政
策
・
資
源
配
分
デ
ー
タ
ベ
ー
ス
科学技術
関係経費
資本
総額GDP比
1%
競争的資金へ
の配分
ミッションオリエ
ンテッドな資金
への配分
基礎研究
ストック
基礎研究費
科
学
技
術
研
究
調
査
(
仮
称
)
ラグ、陳腐化率
応用研究
ストック
応用研究費
ラグ、陳腐化率
開発
研究費
開発研究
ストック
ラグ、陳腐化率
技術輸入
導入知識
ストック
研
究
開
発
に
よ
る
生
産
性
向
上
物価
金利
労働
需要…
TFP
潜在GDP
GDP
ラグ、陳腐化率
経済成長等による研究開発促進
具体的には、A と B の関係性を分析することで科学技術イノベーション政策における資
金配分の変更が科学技術システム(国内の様々な機関での研究開発活動)にもたらす影響
を明らかにし、さらに B のデータと TFP の関係性を分析することで研究開発の生産性向上
効果をモデル化する形を想定した。
A) 別途委託調査で整備されつつある「科学技術政策・資源配分データベース」の OECD
社会経済目的別分類の科学技術関係経費のデータを利用
B) 科学技術システムは、科学技術研究調査の性格別研究費(基礎、応用、開発)で把握
し、それぞれ研究ストックを推計
A および B の時系列データを整備し、回帰分析によるモデル方程式の推定を暫定的に試
みたところ、科学技術関係経費の競争的資金、ミッションオリエンテッドな資金と性格別
94
研究費の接続(A→B)については、総額ベースでは両者の間に相関がみられるものの、安
定した推定結果は得られなかった。一方、基礎研究、応用・開発ストック、導入知識スト
ックと TFP の関係性(B→TFP)についてはある程度妥当な推定結果が得られた。
なお、科学技術研究調査では、性格別研究費は自然科学系の研究についてのみ把握され
ているが、非自然科学分野においても同じ構成となっているものとみなして案分すること
で、研究費総額と性格別研究費の合計を一致させている。また、性格別研究費を実質化す
るデフレーターはすべて総研究支出デフレーターを利用した。
分析にあたっては、研究開発の懐妊期間や陳腐化率、変数の構成や関数形について複数
のパターンで回帰分析を試みたが、タイムラグを基礎研究 12 年、応用研究 8 年、開発研究
4 年、陳腐化率を 10%とし、推定した TFP 関数の例を以下に示す。
log(TFPF) =
-4.5956091
(-149.0607)
+
0.03459054 *log(SRD_BAS)
(2.0224)
OLS
Sample:
1986 - 2009
+
0.145779 *log(SRD_APP+SRD_DEV)
(27.0531)
Adj.R2=
0.997868718
+
0.036542 *log(STI)
(2.3008)
D.W.=
0.38586268
TFPF:HP フィルター済 TFP(本編調査と同データ)
、SRD_BAS:基礎研究ストック、
SRD_APP:応用研究ストック、SRD_DEV:開発研究ストック、STI:導入知識ストック
科学技術イノベーション政策の内部構造の変化による経済効果を分析していくためには、
以下のようなさらなる検討が必要と考えられる。
1.
別途調査で整備している「科学技術イノベーション政策・資源配分データベース」
のデータや施策の定性データ等を掘り下げ、ミクロ分析やケーススタディの知見を
活用
2.
それらデータ・事例を分析、科学技術イノベーションにかかわる政策から施策、プ
ログラム・制度、具体的なプロジェクトや研究開発の取り組みを構造化、代理指標
による定量化
3.
定量化された科学技術イノベーション政策の様々な指標に加え、公的資金と政府資
金の代替性・補完性等を踏まえた科学技術システムの描写を試行
4.
研究開発活動と生産性、マクロ経済モデルと接続
95
参考資料 B:海外主要国における研究開発活動と生産性の関係性
B.1
MFP 成長率と研究集約度の推移
「参考資料 A.3 TFP と研究集約度」では、我が国の研究集約度と TFP 成長率の分布を
プロットし、我が国では両者の間に安定した正の相関関係がみられないことを示した。こ
こで、参考として海外の状況を確認し、我が国の状況と比較するため、OECD で推計され
た多要素生産性(MFP)と、OECD “Main Science and Technology Indicators”に収録され
ている研究開発費を利用し、日本と同じ枠組みでストックの推計、分析を試みることとし
た。
なお、
「企業等研究開発投資」は Business Enterprise Expenditure on R&D(BERD)
、
「大学・公的機関等研究開発投資」は Higher Education Expenditure on R&D(HERD)
と Government Intramural Expenditure on R&D(GOVERD)の合計、
「導入知識」は
Technology balance of payments: Payments を用い、各国通貨ベースの数値を GDP デフ
レーターでそれぞれ実質化している。
また、ストック化の前提となる懐妊期間、陳腐化率は日本モデルと共通とした。MFP に
ついても HP フィルターで抽出したトレンド成分を利用した。
結果の図表は次ページ以降に示したが、やはり海外においても、研究集約度と MFP 成長
率がともに上昇する関係ははっきりした傾向としては観測されない。一部、アメリカの大
学・公的研究機関等(1990~95 年頃)、アメリカの導入知識(1990~2000 年頃)
、イギリ
スの導入知識(1990~95 年頃)では右上がりの直線上に分布した時期もみられるが、一貫
し、安定した傾向とまではいえない。
96
参考資料 B-1 TFP 成長率と研究集約度の推移(OECD ベース)
1.4
1.2
1
0.8
0.2
企業(ラグ5期)
(%)
(%)
1.80
1.80
(%:MFP成長率)
1.4
1.60
1.60
1.40
1.40
1.2
1.20
1.20
1
1.00
1.00
0.8
0.80
0.80
0.6
0.60
0.60
0.4
0.40
0.40
0.2
企業研究集約度(ラグ5期)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
MFP成長率
企業(ラグ5期)
(%)
(%)
1.80
1.80
(%:MFP成長率)
1.6
1.60
1.60
1.4
1.40
1.40
1.2
1
0.80
0.80
0.8
0.60
0.60
0.6
0.40
0.40
0.4
0.20
0.20
0.2
(年)
(年)
企業研究集約度(ラグ5期)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
MFP成長率
企業(ラグ5期)
(%)
(%)
1.60
1.60
1.40
1.40
1.20
1.20
1.00
1.00
0.80
0.80
0.60
0.60
0.40
0.40
0.40
0
1994
1994
1995
1995
1996
1996
1997
1997
1998
1998
1999
1999
2000
2000
2001
2001
2002
2002
2003
2003
2004
2004
2005
2005
2006
2006
2007
2007
2008
2008
2009
2009
2010
2010
2011
2011
1992
1992
1993
1993
1990
1990
1991
1991
1988
1988
1989
1989
0.00
0.00
1986
1986
1987
1987
)
1.00
1.00
0.20
1.20
1.20
(
フ
ラ
ン
ス
0.60
(年)
(年)
0.40
0
0.20
2010
2010
2011
2011
2008
2008
2009
2009
2006
2006
2007
2007
2004
2004
2005
2005
2002
2002
2003
2003
2000
2000
2001
2001
1999
1999
1998
1998
1997
1997
1996
1996
1995
1995
1994
1994
1993
1993
1992
1992
1991
1991
1990
1990
1988
1988
1989
1989
0.00
0.00
1986
1986
1987
1987
0.20
0.20
0.00
)
0.40
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
MFP成長率
MFP成長率
0.20
企業研究集約度(ラグ5期)
企業研究集約度(ラグ5期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
(
ド
イ
ツ
0
(年)
(年)
0.00
0.00
0.00
1994
1994
1995
1995
1996
1996
1997
1997
1998
1998
1999
1999
2000
2000
2001
2001
2002
2002
2003
2003
2004
2004
2005
2005
2006
2006
2007
2007
2008
2008
2009
2009
2010
2010
2011
2011
0.4
0.20
0.20
1992
1992
1993
1993
0.40
0.40
1990
1990
1991
1991
0.6
1988
1988
1989
1989
)
(%:MFP成長率)
1.6
0.60
0.60
1986
1986
1987
1987
(
米
国
(%)
(%)
2.00
2.00
1.80
1.80
1.60
1.60
1.40
1.40
1.20
1.20
1.00
1.00
0.80
0.80
97
参考資料 B-2 TFP 成長率と研究集約度の推移(OECD ベース)
(%)(%)
1.60
1.60
(%:MFP成長率)
1.6
1.40
1.40
1.4
1.20
1.20
0.80
0.80
0.8
0.60
0.60
0.6
0.40
0.40
0.4
0.20
0.20
0.2
0
(年)
企業研究集約度(ラグ5期)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
MFP成長率
0.00
2011
2010
2001
2000
2002
2001
2003
2002
2004
2003
2005
2004
2006
2005
2007
2006
2008
2007
2009
2008
2010
2009
2011
1999
1998
2000
1999
1997
1996
1998
1997
1995
1994
1996
1995
1994
1993
1993
1992
1991
1992
1990
1991
1988
1989
1989
1990
1986
1986
1987
1987
1988
0.00
0.00
(年)
0.40
)
1
0.20
(
イ
ギ
リ
ス
1.2
1.00
1.00
企業(ラグ5期)
(%)
(%)
7.00
7.00
(%:MFP成長率)
3.5
3.4
6.00
6.00
3.3
5.00
5.00
3.2
4.00
4.00
3
3.00
3.00
2.9
2.00
2.00
2.8
2.7
1.00
1.00
2.6
企業研究集約度(ラグ5期)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
MFP成長率
2.5
0.50
(年)
(年)
(年)
0.00
2011
2010
2001
2000
2002
2001
2003
2002
2004
2003
2005
2004
2006
2005
2007
2006
2008
2007
2009
2008
2010
2009
2011
1999
1998
2000
1999
1997
1996
1998
1997
1995
1994
1996
1995
1994
1993
1993
1992
1991
1992
1990
1991
0.00
0.00
1988
1989
1989
1990
)
3.1
1986
1986
1987
1987
1988
(
韓
国
企業(ラグ5期)
98
参考資料 B-3 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)
(%)
2.00
(%:MFP成長率)
1.801.6
1.601.4
2000
1.40
2005
1.2
1.20
1.00
(
米
国
1995
2010
1
0.800.8
1990
0.600.6
)
0.40
0.4
0.20
0.2
2011
2010
2008
2.002009
2006
1.80
2007
2004
1.60
2005
2001
1.402002
2003
1999
1.202000
企業研究集約度(ラグ5期)
1997
1.00
1998
0.801995
1996
1994
1992
0.601993
1990
0.40
1991
1988
0.20
1989
0
0.001986
1987
0.00
(年)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
(%:対GDP比)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率導入知識(ラグ2期)
企業(ラグ5期)
大学・公的機関等(ラグ9期)
(%)
1.80
(%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
1.4
1.60
1.4
1.401.2
1992
1995
1.2
1.20 1
2000
(
ド
イ
ツ
1.00
)
0.400.4
1
0.8
2000
0.80
2005
0.6
0.8
0.60
0.6
2010
0.200.2
(%:対GDP比)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
企業(ラグ5期)
大学・公的機関等(ラグ9期)
導入知識(ラグ2期)
学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
FP成長率
0.2
MFP成長率
(%)
1.80
(%:MFP成長率)
1.6
(%:MFP成長率)
1.60
1.6
1990
1.401.4
2000
1.2
1.00 1
0.800.8
1
2005
0.600.6
0.8
0.40
0.4
0.6
0.20
0.2
MFP成長率
(%)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
99
1.10
導入知識(ラグ2期)
1.05
0.2
1.00
2011
2010
1.60
2009
2008
2006
1.40
2007
2005
2003
1.20
2004
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
大学・公的機関等(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
2002
1999
2000
1.00
2001
企業研究集約度(ラグ5期)
企業(ラグ5期)
1997
0.80
1998
1996
1994
0.60
1995
1993
1991
0.40
1992
1990
0.4
1988
0
0.20
1989
0.00
1986
0.00
1987
)
199
1.4
1995
1.201.2
(
フ
ラ
ン
ス
1.30
(年)
1.20
2011
2010
2008
1.80
2009
2007
2005
1.60
2006
2004
2003
1.40
2002
2000
1.20
2001
1999
1997
1.00
1998
1996
1994
0.80
1995
1993
1991
0.60
1992
1990
1988
0.40
1989
(年)
1987
0.4
0
1986
0.20
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
0.00
参考資料 B-4 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)
(%)
1.60 (%:MFP成長率)
1.6
1.40
1.4
(%:MFP成長率)
1.5
2000
2005
1.20
1.2
1.3
1
1990
0.800.8
1.2
0.600.6
1.1
0.400.4
1
0.200.2
0.9
(年)
(%:対GDP比)
企業(ラグ5期)
大学・公的機関等(ラグ9期)
導入知識(ラグ2期)
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
(%)
(%:MFP成長率)
7.00
3.5
(%:MFP成長率)
3.5
3.4
6.00
5.00
3.3
2002
3.2
3.2
2004
4.00
3.1
3.1
3
2006
3.00
3
2.9
2.00
2.8
2.9
2008
1.00
2.7
2.8
2.6
2.7
2.6
(年)
2.5
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
企業(ラグ5期)
大学・公的機関等(ラグ9期)
導入知識(ラグ2期)
(%:対GDP比)
100
1.00
2011
2010
2.50
2009
2008
2007
2006
2.002005
2004
2003
2002
2001
1999
1998
1997
1996
1.502000
企業研究集約度(ラグ5期)
1.00
1995
1994
1993
1992
1991
0.50
1990
1989
1988
2.5
1987
0.00
0.001986
)
3.4
2000
3.3
(
韓
国
0.8
1.00
2011
2009
1.60
2010
2008
2006
1.40
2007
2005
2003
1.20
2004
2002
2000
1.00
2001
1999
0.80
1998
1997
1996
1995
0.60
1994
1993
1992
0.40
1991
1989
0.20
1990
1988
0
1986
0.00
1987
0.00
0.90
)
1.00
1.4
0.80
(
イ
ギ
リ
ス
1995
参考資料 B-5 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(企業等)
(%)
2.00
(%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
企業(ラグ5期)
1.80
1.5
1.5
1.60
2000
1.4
1.4
1.40
1.3
1.3
1.20
2005
1.2
1995
0.60 1
1
2010
0.400.9
0.9
0.20
0.8
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
0.7
(年)
MFP成長率
0.6
1.9
1.8
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
(%:対GDP比)
1.6
導入知識研究集約度(ラグ2期)
(%)
1.80 (%:MFP成長率)
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1990
1991
1.5
1.3
1.4
企業研究集約度(ラグ5期)
1.7
0.6
1989
1988
1987
1986
0.7
0.8
1990
0.00
0.46
)
1.1
0.801.1
0.44
(
米
国
200
1.2
1.00
(%:MFP成長率)
企業(ラグ5期)
1.601.4
1.4
1.40
1.2
1992
1.20
19
1
1.00 1
2000
0.80
0.8
0.8
0.60
0.6
2005
0.400.6
0.20
0.4
2011
2010
2008
1.80 2009
2007
2006
2004
2003
2000
1999
1998
1.60 2001
2002
企業研究集約度(ラグ5期)
(年)
0.2
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
1.50
1997
1996
1995
1994
1.40
1993
1992
1991
1.30 1990
1989
1988
1987
1.20 1986
0.2
2010
1.70 2005
0.4
0.00
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
(%)
1.80
(%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
企業(ラグ5期)
1.601.6
0.50
)
1992
0.45
(
ド
イ
ツ
1.2
1995
1.6
1.40
1990
1.4
1990
1.4
1.20
1.2
2000
1
0.80 1
0.60
0.8
0.8
0.40
0.6
2005
0.6
0.20
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
101
0.64
1.40
1.35
1.30
MFP成長率
(%)
1.60
0.62
0.2
0.60
2011
2010
2009
2008
2007
2005
2004
2003
2002
2001
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
1.25
2000
1999
1998
1.20
1.15
1.10
導入知識研究集約度(ラグ2期)
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
企業研究集約度(ラグ5期)
1.05
1988
1987
0.2
2009
2006
0.4
0.000.4
1986
)
1995
1.2
1.00
1.00
(
フ
ラ
ン
ス
参考資料 B-6 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(企業等)
(%)
1.60 (%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
企業(ラグ5期)
1.5
1.401.5
2000
1.201.4
1.3
2005
200
0.801.2
1.2
0.60
1.1
1.1
1
1
1990
(%:MFP成長率)
企業(ラグ5期)
3.5
3.5
3.4
3.4
2000
5.003.3
3.3
2002
3.2
3.2
4.00
3
3
2006
2.9
2.002.9
1.002.8
2.8
2008
2.7
2.6
2.5
(%:対GDP比)
102
0.38
(年)
0.37
2.20
MFP成長率
2.00
1.80
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
導入知識研究集約度(ラグ2期)
1.60
1.20
1.40
1994
1993
1992
1991
1990
1988
1989
企業研究集約度(ラグ5期)
1.00
2.5
1987
1986
0.00
2.6
2008
2.7
0.80
)
2004
3.1
2004
3.1
3.00
0.45
MFP成長率
6.00
(
韓
国
0.40
2011
2009
1.50
2010
2008
2007
2005
1.40
2006
2004
2003
0.8
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
(%)
(%:MFP成長率)
7.00
0.9
2001
1997
企業研究集約度(ラグ5期)
1998
1.20
1996
1993
1994
1.10
1995
1992
1989
1990
1.00
1991
1988
0.00
0.8
1986
0.90
1987
0.20
0.9
1.30
2002
0.40
2000
)
1995
1.001.3
1999
(
イ
ギ
リ
ス
1.4
参考資料 B-7 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(大学・公的機関等)
(%)
2.00
(%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
1.80
1.5
1.5
1.60
1.4
2000
1.4
1.40
1.3
1.3
1.20
2005
1.2
1.2
1.00
1995
2010
0.60 1
0.9
(%)
1.80 (%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
1.4
1.601.4
1.40
1.2
1.20
1.2
2000
0.80
0.8
0.60
0.8
2005
0.400.6
0.6
0.4
(%:MFP成長率)
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
MFP成長率
(%:MFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
1.6
1.601.6
1.40
1.20
1995
1.2
1.00
1.2
2000
1
0.80 1
0.8
0.600.8
2005
0.6
0.20
0.4
導入知識研究集約度(ラグ2期)
2011
2010
0.782009
2008
2006
0.76
2007
2005
2003
0.742004
2001
0.72
2002
2000
1998
0.701999
企業研究集約度(ラグ5期)
0.681996
1997
1995
1993
0.661994
0.641991
1992
1990
1987
1988
0.62
1989
(%:対GDP比)
0.601986
1.40
1.35
1.30
0.2
0.4
2009
0.00
2009
(年)
(%:対GDP比)
0.2
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
MFP成長率
(%)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
2005
0.6
103
0.180
0.40
0.175
)
1990
1.4
1990
1.4
0.2
0.40
2011
2010
0.752009
2008
2007
2004
2003
2000
1999
導入知識研究集約度(ラグ2期)
(%)
1.80
2001
0.65
2002
企業研究集約度(ラグ5期)
1997
0.60
1998
1996
1995
1993
0.55
1994
1992
1991
1989
0.501990
1988
1987
0.451986
0.2
0.702005
2006
2010
0.00
(
フ
ラ
ン
ス
1
1
1.00 1
0.20
0.4
1995
1992
1995
0.20
)
1992
0.170
(
ド
イ
ツ
0.6
0.10
0.58
0.56
0.54
MFP成長率
1990
0.7
0.05
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
導入知識研究集約度(ラグ2期)
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
0.52
0.48
0.46
1997
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
1986
1987
企業研究集約度(ラグ5期)
0.44
0.6
0.8
1990
0.00
0.00
0.200.8
0.7
1995
1
0.400.9
1996
)
1.1
0.801.1
0.50
(
米
国
参考資料 B-8 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(大学・公的機関等)
(%)
1.60 (%:MFP成長率)
(%:MFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
1.5
1.401.5
2000
1.201.4
)
1.001.3
2005
2007
199
1.3
1994
1.2
0.801.2
1992
0.601.1
1.1
0.40 1
1
1990
1990
0.200.9
企業研究集約度(ラグ5期)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
(%)
(%:MFP成長率)
7.00
0.20
0.8
0.00
(%:対GDP比)
(年)
2011
2009
0.65
2010
2008
2007
2004
2005
0.60
2006
2003
2002
2000
0.55
2001
1999
1998
1997
1995
0.50
1996
1994
1993
1992
1990
0.45
1991
1989
1988
1986
0.40
1987
0.000.8
0.9
(%:MFP成長率)
大学・公的機関等(ラグ9期)
3.5
3.5
6.00
3.4
3.4
5.003.3
3.3
3.2
3.2
4.00
3
3
2006
2.9
2.002.9
2.8
2.8
2008
1.00
2.7
2.7
2.6
(年)
(%:対GDP比)
2.5
MFP成長率
0.43
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
104
0.44
2011
0.43 2010
2009
2008
2007
2005
2004
2003
2001
2000
1999
1997
0.42 2006
導入知識研究集約度(ラグ2期)
0.41 2002
企業研究集約度(ラグ5期)
0.40 1998
1996
0.39 1994
1995
1993
1992
2.5
0.38 1990
1991
2.6
1989
0.00
1988
)
2004
3.1
2004
3.1
3.00
0.37 1986
1987
(
韓
国
0.45
(
イ
ギ
リ
ス
1.4
1995
参考資料 B-9 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(導入知識)
(%)
2.00
1.80 (%:MFP成長率)
導入知識(ラグ2期)
1.601.5
2000
1.401.4
1.201.3
1.00
2005
1.2
(
米
国
0.80
)
0.40
1.1
0.60
1995
1
2010
0.45
0.40
0.35
0.30
0.25
0.20
MFP成長率
0.15
導入知識研究集約度(ラグ2期)
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1990
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
0.10
企業研究集約度(ラグ5期)
0.05
0.00
0.6
1989
1990
1988
1987
0.7
1986
0.000.8
1991
0.200.9
(年)
(%:対GDP比)
(%)
1.80
(%:MFP成長率)
1.60
1.4
1.40
期)
導入知識(ラグ2期)
1.201.2
(
ド
イ
ツ
00
)
2005
1992
1.00
1995
1
0.80
2000
0.600.8
0.40
0.6
0.20
2005
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
2000
1999
1998
(年)
1.40
MFP成長率
1.20
1.00
導入知識研究集約度(ラグ2期)
2010
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
0.80
0.60
0.40
0.20
企業研究集約度(ラグ5期)
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
0.2
(%)
1.80
1.60 (%:MFP成長率)
導入知識(ラグ2期)
1.6
1.40
1990
1.201.4
0.80
2000
1
0.60
0.8
0.40
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2003
2002
2001
(年)
0.210
MFP成長率
0.205
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
0.200
1999
1998
2000
0.195
導入知識研究集約度(ラグ2期)
0.190
0.185
0.180
企業研究集約度(ラグ5期)
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
0.2
0.175
0.000.4
1988
2005
0.200.6
1987
)
1995
1.001.2
1986
(
フ
ラ
ン
ス
0.170
0.75
0.70
(%:対GDP比)
1987
1986
0.000.4
2010
(%)
1.60
1.40
1.20
1.00
0.80
0.60
0.40
105
参考資料 B-10 TFP 成長率と研究集約度の分布(OECD ベース)(導入知識)
(%)
1.60
(%:MFP成長率)
1.40
1.20
1.00
1995
1.3
2005
2007
0.80
1.2
0.60
1.1
0.40
1990
2011
2009
1.202010
2008
2007
2005
1.002006
2004
2003
2001
0.802002
2000
1999
1997
企業研究集約度(ラグ5期)
0.601998
1996
1995
1993
0.401994
0.8
1992
0.9
1989
0.00
1
0.201990
1991
0.20
1988
)
2000
1.4
0.001986
1987
(
イ
ギ
リ
ス
導入知識(ラグ2期)
1.5
(年)
(%:対GDP比)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
MFP成長率
(%)
7.00
(%:MFP成長率)
導入知識(ラグ2期)
6.003.5
3.4
5.00
3.3
4.00
2004
3.003.1
2.00
3
2006
2.9
1.00
2.8
2008
2011
2010
2009
2008
2007
2006
2005
2004
2002
2003
0.53
0.52
MFP成長率
0.51
0.50
0.49
0.48
0.47
0.46
(年)
大学・公的機関等研究集約度(ラグ9期)
導入知識研究集約度(ラグ2期)
0.45
2.5
2001
2000
1999
1998
1997
1996
1995
1994
1993
1992
1991
1990
1989
1988
企業研究集約度(ラグ5期)
0.44
2.6
1987
0.002.7
1986
)
3.2
0.43
(
韓
国
(%:対GDP比)
106
B.2 研究開発による MFP 関数の推定
参考として、OECD Main Science and Technology Indicators(MSTI)の海外主要国の
データを利用し、研究開発による生産性関数を本編分析と同じ以下の4通りの手法で回帰
分析による推定を試みた。
① 研究開発の限界収益率を推定するアプローチ
T
T
  0   0  SRD
GDP
(T:全要素生産性、SRD:R&D ストック、GDP:国内総生産)
①’研究開発の限界収益率を推定するアプローチ(陳腐化率を 0 と仮定)
T
T
  1   1  RD
GDP
(RD:R&D 支出)
② 産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ
ln T   2   2  ln SRD
②’産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ(階差 log で推定)
Δln T   2 Δln SRD
分析結果は次ページのとおりであるが、日本での試行と同様、研究開発の限界収益率を
推定する①のアプローチからは安定した結果が得られておらず、おおむね研究集約度の各
項は有意でないか符号が負となっているものが多くなっている。
企業、大学・公的機関、導入知識のすべてが有意に正となっているのはイギリス(②)、
フランス(②’
)であった。なお、韓国については MSTI のデータ収録期間が他の国よりも
短く、十分な自由度が確保できていないが参考値として結果を掲載した。
107
参考資料 B-11 MFP 関数の推定結果
① 研究開発の限界収益率を推定するアプローチ
アメリカ
1991~2010年
推定期間
被説明変数
イギリス
1995~2007年
韓国
2005~2009年
(
0.0246
7.167)
(
0.0189
6.437)
(
0.0003
0.277)
(
0.0141
9.227)
(
0.0279
38.621)
(
-1.0408
-3.361)
(
-1.1827
-2.215)
(
0.4558
0.995)
(
-0.1491
-0.481)
(
-0.7790
-14.534)
(
-3.5050
-2.850)
(
-4.9715
-4.032)
(
3.3576
4.117)
(
-0.7430
-0.563)
(
2.8276
4.919)
(
-3.5994
-2.869)
(
-0.3786
-0.634)
(
0.8912
1.320)
(
0.1684
0.834)
(
-0.1439
-0.418)
Δ 企業研究ストック
/GDP
Δ 大学・公的機関等研究ストック
/GDP
Δ 導入知識ストック
/GDP
統計量
フランス
1991~2009年
Δ MFP/MFP
定数項
説明変数
ドイツ
1992~2010年
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.4170
0.5232
0.5405
0.6028
0.9301
1.2831
-0.0743
0.2128
0.9914
3.0588
イギリス
1990~2007年
韓国
2004~2009年
①’研究開発の限界収益率を推定するアプローチ(陳腐化率を 0 と仮定)
アメリカ
1990~2010年
推定期間
被説明変数
統計量
フランス
1990~2005年
Δ MFP/MFP
(
0.0397
3.783)
(
0.0265
5.232)
(
0.0144
0.998)
(
0.0262
3.563)
(
0.0306
22.790)
企業研究支出(5期ラグ)
/GDP
(
-1.2652
-3.327)
(
-0.4823
-2.719)
(
-0.2623
-0.188)
(
0.1608
0.408)
(
-0.8187
-21.187)
大学・公的機関等研究支出(9期ラグ)
/GDP
(
-1.6407
-1.177)
(
-0.9630
-1.174)
(
-0.3056
-0.086)
(
-2.7132
-2.452)
(
3.6815
6.879)
技術輸入額(2期ラグ)
/GDP
(
0.3637
0.897)
(
-0.6717
-3.474)
(
1.1642
0.134)
(
-0.1901
-0.633)
(
-0.8199
-2.176)
定数項
説明変数
ドイツ
1992~2010年
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.3008
0.3317
0.9234
0.7770
-0.2242
0.0726
0.3296
0.4179
0.9911
3.1713
フランス
1990~2009年
イギリス
1994~2007年
韓国
2004~2009年
② 産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ
アメリカ
1990~2010年
推定期間
被説明変数
定数項
log企業研究ストック
(
4.9866
10.430)
(
4.4083
10.271)
(
1.8992
8.711)
(
-3.4226
-11.118)
(
-5.4880
-13.235)
(
-0.1165
-2.136)
(
0.0927
3.064)
(
0.0316
0.348)
(
0.1983
4.794)
(
0.0980
0.959)
(
0.0105
0.297)
(
-0.1724
-4.759)
(
0.2255
2.892)
(
0.5200
10.732)
(
0.6633
2.753)
(
0.1191
9.237)
(
0.1079
9.321)
(
-0.0029
-0.644)
(
0.0288
7.599)
(
-0.1319
-0.986)
説明変数
log大学・公的機関等研究ストック
log導入知識ストック
統計量
ドイツ
1991~2010年
logMFP
自由度修正済決定係数
D.W.比
0.9966
0.5383
0.9938
0.6102
0.9974
0.2406
0.9990
1.6158
0.9988
2.6335
イギリス
1995~2007年
韓国
2005~2009年
②’産出の技術知識ストック弾力性を推定するアプローチ(階差 log で推定)
アメリカ
1991~2010年
推定期間
被説明変数
Δ log企業研究ストック
Δ log大学・公的機関等研究ストック
Δ log導入知識ストック
統計量
フランス
1991~2009年
Δ logMFP
定数項
説明変数
ドイツ
1992~2010年
自由度修正済決定係数
D.W.比
(
0.0144
4.347)
(
0.0094
2.117)
(
0.0040
5.753)
(
0.0143
13.275)
(
0.0280
42.451)
(
-0.0564
-1.582)
(
-0.0143
-0.189)
(
0.0729
2.550)
(
-0.0266
-1.226)
(
-0.0783
-15.707)
(
-0.0331
-0.726)
(
-0.2231
-2.311)
(
0.0893
3.502)
(
-0.0517
-0.978)
(
0.0732
4.333)
(
0.0040
0.196)
(
0.0397
2.391)
(
0.0121
5.265)
(
0.0033
1.642)
(
0.0024
0.434)
0.0893
0.1317
0.4771
0.6378
0.9539
1.2251
0.2814
0.4403
0.9945
2.9668
108
参考資料 C:
MaeSTIP 関連資料
C.1 方程式体系
【凡例】
log():自然対数関数、dlog():自然対数関数の階差、exp():指数関数
A(-x):変数 A の x 期ラグ、@pch():前期比関数(@pch(A) =(A-A(-1))/A(-1))
@recode(条件式, A, B):条件式が成立しているとき A、していないとき B を返す関数
各変数の下の数値は上段が推定されたパラメータ、下段の括弧内は t 値。
(生産関数)
log(GDP/(L*LHRTLF)) =
-2.625925 +0.008242902*TIME
*(log(KP(-1)*ROMA/(L*LHRTLF)))
(-45.071) (7.0837)
(16.793)
+0.4144497
+0.04806254*D09
(2.0742)
OLS
Sample:
1970 2009 Adj.R2=
0.996140 D.W.=
0.848777
(1) 生産・労働ブロック
URATE2/100 =+0.002575202
(0.37782)
-0.1028391 *GDPGAP
(-6.6863)
-0.007253729*(YW(-1)/GDPN(-1))
(-0.52041)
+0.811917 *(URATE2(-1)/100)
(23.037)
OLS
Sample:
1970 2009 Adj.R2=
log(INTN2) =+0.3353209
(2.9226)
0.973652 D.W.=
+0.08301802*log(INTORA)
(2.1017)
1.991448
+4.613692*log(PDG/PDG(-1))
(3.0086)
+0.6819994 *log(INTN2(-1))
(7.4743)
OLS
Sample:
1980 2009 Adj.R2=
0.972253 D.W.=
1.401739
PVDP = (-1 / 18) * log(0.1) * ((1 - 0.1 * exp(-1 * (INTN / 100) * 18)) / (INTN / 100 - log(0.1) / 18))
RCC = ((1 - PVDP) / (1 - CPTAX)) * (INTN - @pch(PI) * 100 + DP / KP(-1) * 100)
NL = (POPT - POP14) * RLP / 10
GDPP = exp(log(TFPF) + 0.4144497 * log(KP(-1) * 115.64) + (1-0.4144497) * log(NL * 0.9883 * LHRRGF *
1.0999))
GDPGAP = (GDP - GDPP) / GDPP
LW = L * RLW / 100
URATE = @recode(URATE2>0 , @recode(URATE2<100 , URATE2 , 100) , 0)
109
U = NL * URATE / 100
L = NL - U
LU = L - LW
INTN = @recode(INTN2>0 , INTN2 , 0)
(2) 支出ブロック
CP =
+8933.508 +(15.63004 + CDUM)*YDP/PC
-804.2278*(@PCH(CPI)*100)
(1.4767) (2.7227)
OLS
IH =
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
-11019.3 +22.58461*YDP/PC
(-2.8205) (8.5317)
-0.05091914
(-7.8881)
OLS
Sample:
(17.655)
0.997633 D.W.=
(-3.2185)
1.211145
-622.075*(@PCH(PH)*100)
(-3.4727)
*(KH(-1)+KH(-2))
(3.8962)
1983 2008 Adj.R2=
+0.8142704*CP(-1)
+5181.139 *D87C90
(5.4704)
+5407.803 *D96
0.849822 D.W.=
1.445456
IP/KP(-1) =+0.1461793
-0.07706603*(log(KP(-1)/GDPP)+RCC/100)
(35.587) (-2.9126)
OLS
Sample:
1977 2008 Adj.R2=
0.194451 D.W.=
dlog(IP) = -0.01314973
+0.1063486*dlog(IP(-1))
+0.1906762*(dlog((YCB-TC+DPN)/PI))
(-0.75291)
(0.446)
+1.617047*dlog(GDP(-1))
(2.1492)
-0.0638326*D92
(-1.1104)
OLS
JP =
Sample:
0.257704
(1.4863)
-0.667323*ERR_IP(-1)
(-1.0973)
-0.1210673*D93
(-2.1647)
1978 2008 Adj.R2=
+3343.812 +0.02408995*GDP
(2.2057) (1.8827)
0.517313 D.W.=
-0.194251*KJP(-1)
(-1.912)
2.029146
+1923.201*D97
(1.7645)
-2905.993*D99
(-2.4896)
OLS
Sample:
1980 2008 Adj.R2=
0.351871 D.W.=
1.100114
log(EXC) = +0.673686 +0.4445719*log(TWM) -0.3953155*log(PEXC/(PEW*EXR2))
+0.4144903*log(EXC(-1))
(1.1114) (4.5145)
(-2.3645)
(3.5603)
OLS
Sample:
1980 2009 Adj.R2=
log(MOIL) =+0.9087667
0.986236 D.W.=
1.625335
+0.09284704*log(GDP) -0.04792304*log(PMOIL(-1)/CGPI(-1))
110
(1.3221)
(2.2039)
(-3.4022)
+0.7483373*log(MOIL(-1))
(9.9627)
OLS
Sample:
1980 2009 Adj.R2=
0.850302 D.W.=
1.906109
log(MCOT) =-2.113727 +0.3933791*log(GDP) -0.3550875*log(PMCOT(-1)/CGPI(-1))
(-1.4388) (2.4943)
(-2.904)
+0.7175507*log(MCOT(-1))
(10.686)
OLS
DH =
OLS
DP =
OLS
JPN =
OLS
JGN =
OLS
Sample:
-0.1311914 *D92
(-2.1539)
1975 2009 Adj.R2=
0.988693 D.W.=
-4079.844+0.05507719 *KH(-1)
(-4.8931) (23.696)
+1109.18*D70C89
(3.1151)
Sample:
1980 2008 Adj.R2=
-396.6815 +0.1270351 *KP(-1)
(-0.2673) (54.733)
Sample:
1980 2008 Adj.R2=
0.989066 D.W.=
1981 2008 Adj.R2=
-767.5536*D89
(-1.886)
0.332857
-6369.621 *D80C02
(-8.3968)
0.994375 D.W.=
+872.6076 +0.003738331*(D(PJP*KJP)-AP)
(5.8605) (6.6562)
Sample:
1.848420
0.777303
+2652.277*D97
(3.6687)
0.743933 D.W.=
-2241.093*D99
(-2.978)
2.508417
+168.2532 +0.1243506 *(D(PJG*KJG)/100-AG)
(3.2609) (2.197)
Sample:
1981 2006 Adj.R2=
0.132748 D.W.=
1.250273
ERR_IP = IP / KP(-1) - (0.1461793 - 0.07706603* (log(KP(-1) / GDPP) + RCC / 100))
MC = MOIL + MCOT
GDP = CP + CG + IH + IP + IG + JP + JG + EXC - MC + RES20
GNP = GDP + EXO - MO + KORTK20
DX = DP + DH + DG
KP = KP(-1) + IP - DP
KH = KH(-1) + IH - DH
KJP = KJP(-1) + JP
KJG = KJG(-1) + JG
CPN = CP * PC / 100
IHN = IH * PH / 100
111
IPN = IP * PI / 100
EXCN = EXC * PEXC / 100
EXON = EXO * PEXO / 100
EXN = EXCN + EXON
MOILN = PMOIL * MOIL / 100
MCOTN = PMCOT * MCOT / 100
MON = MO * PMO / 100
MCN = MOILN + MCOTN
MN = MCN + MON
GDPN = CPN + CGN + IHN + IPN + IGN + JPN + JGN + EXCN - MCN
GNPN = GDPN + (EXON - MON)
DPN = DP * PI / 100
DHN = DH * PH / 100
DGN = DG * PIG / 100
DN = DPN + DHN + DGN
IG_EX = IG(-1) * (1 + PCH_IG / 100)
IG_EN = IGN / PIG * 100
CG_EX = CG(-1) * (1 + PCH_CG / 100)
CG_EN = CGN / PCG * 100
IGN_EX = IGN(-1) * (1 + PCH_IGN / 100)
IGN_EN = IG * PIG / 100
CGN_EX = CGN(-1) * (1 + PCH_CGN / 100)
CGN_EN = CG * PCG / 100
IG = @recode(DUM_GM = 0 , IG_EN , IG_EX)
IGN = @recode(DUM_GM = 0 , IGN_EX , IGN_EN)
CG = @recode(DUM_GM = 0 , CG_EN , CG_EX)
CGN = @recode(DUM_GM = 0 , CGN_EX , CGN_EN)
(3) 物価・賃金ブロック
CGPI =
+50.3244
(7.589)
+0.1529539 *PMC
(8.7259)
+0.6532338 *W/(GDP/L) +47.87489 *GDPGAP
(7.2875)
(3.2242)
112
OLS
W =
OLS
PC =
OLS
PCG =
OLS
PH =
OLS
PI =
Sample:
1983 2008 Adj.R2=
-1236.825 +51.85623 *PC(-1)
(-8.0407) (15.371)
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
+9.526469 +0.01293518*W
(3.3184) (53.769)
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
0.867101 D.W.=
+15.08111 *GDP/L
(4.4793)
0.977885 D.W.=
0.846384
+1268.81
(1.4395)
*GDPGAP
0.240456
+0.2366609*CGPI
(8.8784)
0.989701 D.W.=
0.501527
0.989897 D.W.=
0.624090
+22.44996 +0.2818772 *PC
(6.751)
(2.9686)
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
+12.81514 +0.133373*CGPI
(1.7572) (1.9669)
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
+70.58364 +0.4282819 *CGPI
(18.415) (12.624)
+0.01487565*W
(24.495)
0.949905 D.W.=
+0.01355196*W
(19.032)
-2.758603*D87C90
(-1.7688)
0.441891
-0.9615258 *GDP/L
(-21.151)
+64.80018 *GDPGAP
(7.6224)
OLS
PIG =
OLS
PJP =
OLS
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
+18.59515 +0.2780276 *PI
(2.6445) (4.4315)
Sample:
1975 2008 Adj.R2=
-24.56107 +0.5104646 *CGPI
(-1.6753) (2.0102)
Sample:
1980 2008 Adj.R2=
0.978369 D.W.=
+0.011104*W
(18.4741)
0.915761 D.W.=
0.953770 D.W.=
1.585068
+0.5107742 *log(CGPI)
(2.0579)
+0.4980345 *log(PEXC(-1))
(5.4712)
OLS
Sample:
1980 2009 Adj.R2=
0.981677 D.W.=
PEXO =
+20.0278
(5.7314)
+0.6873149 *PDG(-1)
(16.751)
+0.124183 *CGPI
(3.7514)
OLS
Sample:
1975 2009 Adj.R2=
0.986557 D.W.=
PMO =
0.255074
+0.7179474 *PJP(-1)
(5.6532)
log(PEXC) =-3.550742 +0.3775692 *log(PEW*EXR2)
(-4.3287) (6.7183)
-0.09298577*D07C09
(-4.7719)
0.684442
+11.57818 +0.009177226*PMC
1.307038
-0.02207224*EXR2
(-3.2308)
1.030525
+0.8715736 *PMO(-1)
113
OLS
CPI =
OLS
(4.6081)
(1.2555)
Sample:
1975 2009 Adj.R2=
+6.10359
(3.7685)
+0.2076172 *PC
(3.8698)
Sample:
1975 2009 Adj.R2=
(40.749)
0.982905 D.W.=
0.843232
+0.7379824 *CPI(-1)
(18.336)
0.996028 D.W.=
1.184777
PMOIL = POILJ * EXR2 / 30.648
PMCOT = PMCOTD * EXR2 / 107.78
PMC = MCN / MC * 100
PDG = GDPN / GDP * 100
P = GNPN / GNP * 100
PD = DN / DX * 100
(4) 分配ブロック
YR =
-563552.1 +44931.51 *log(Y)
(-5.4875) (5.2914)
+4123.641 *INTN
(7.8177)
+0.3936862 *YR(-1)
(4.4021)
-282.936 *TIME
(-1.5371)
OLS
HZSK =
OLS
AP =
OLS
AC =
OLS
TI =
OLS
YCB =
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
-982.8019 +0.8237871 *YR
(-2.8489) (67.481)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
0.967559 D.W.=
0.832554
+1381.952 *D70C89
(4.5564)
0.994170 D.W.=
0.601903
+166.3627 +0.6804353 *(D(PJP)/100*(0.5*JP+KJP(-1))) -3355.04 *D85C86
(0.52028) (3.7164)
(-2.6672)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
0.549754 D.W.=
1.702570
0.999963 D.W.=
1.258962
-0.4372198 +0.9867096 *AP
(-0.16116) (855.51)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
-4253.5
+0.03991893*((1+CONTAX)*GDPN)
(-2.0375) (4.9406)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
+5154.639 +0.4557456 *Y-YW
(0.6635) (6.0987)
+0.604414*TI(-1)
(8.1455)
0.993553 D.W.=
+1892.545*D70C89
(2.5188)
1.597688
-1701.438 *(INTN+INTN(-1))
(-7.1017)
(4.0412)
+10974.25 *D70C89
114
OLS
YC =
OLS
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
+1356.961 +0.9234405 *YCB
(1.2237) (43.104)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
0.788859 D.W.=
0.932008
-93.86529 *INTN
(-1.1066)
0.992414 D.W.=
1.176200
log(TC) = -2.613201 +1.291601 *log(YCB*CPTAX)
(-3.1396) (14.498)
OLS
YUH =
OLS
TP =
OLS
SI =
OLS
Sample:
1955 2050 Adj.R2=
+5069.192 +0.25958
(2.0301) (1.7259)
Sample:
*YU
1981 2008 Adj.R2=
0.846271 D.W.=
+2790.747 *D89C91
(2.3677)
0.908731 D.W.=
-4561.88 +0.113669*(YW+YUH+HZSK)
(-2.1878) (14.415)
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
Sample:
1981 2008 Adj.R2=
+0.6908109 *YUH(-1)
(5.6491)
1.756023
-5844.076*TPDUM
(-7.0427)
0.920368 D.W.=
-17864.96 +0.1756264 *(YP-TRPY-TP)
(-10.598) (21.177)
0.606098
+3251.684*D89C91
(3.0978)
1.352621
+0.8688784 *POP65
(9.6506)
0.988976 D.W.=
0.977411
A = AP + AG
AU = AP - AC
Y = GNPN - (TI - SB + DN + SDEF)
YU = Y - (YW + YR + YC + YGA)
YW = W * LW / 100
YP = YW + YUH + HZSK + TRRV + TRH
YDP = YP - TP - SI - TRPY
(5) 科学技術イノベーションブロック
dlog(TFPF) =
OLS
Sample:
+0.03361075*dlog(SRDB)
+0.05001951*dlog(SRDR+SRDE)
(2.7275)
(3.2762)
+0.07237576*D85C*dlog(SRDR+SRDE)
+0.04667516*dlog(STI)
(8.1262)
(8.0603)
1971 2009 Adj.R2=
log(PBRD) =-5.673974 +0.568375 *log(W)
(-38.155) (25.478)
0.553633 D.W.=
1.221765
+0.1791225 *log(PI)
(2.7622)
115
OLS
Sample:
1965 2008 Adj.R2=
0.991115 D.W.=
0.267666
log(PRRD) =-4.984033 +0.192482 *log(PCG) +0.8836818 *log(PIG)
(-55.386) (4.0491)
(13.553)
OLS
Sample:
1965 2008 Adj.R2=
0.997162 D.W.=
0.243339
log(PERD) =-5.852024 +0.4825133 *log(PCG) +0.7757787 *log(PIG)
(-30.343) (4.736)
(5.5514)
OLS
Sample:
1965 2008 Adj.R2=
0.991722 D.W.=
0.141222
GFRDN = TGBAORD * CNV_KR
BERDN = GFRDN * RRD_G2B + PFRDN * RRD_P2B + FFRDN * RRD_F2B
BERD = BERDN / PBRD
SRDB = SRDB(-1) * (1 - 0.1056) + BERD(-5)
RERDN = GFRDN * RRD_G2R + PFRDN * RRD_P2R + FFRDN * RRD_F2R
RERD = RERDN / PRRD
SRDR = SRDR(-1) * (1 - 0.0747) + RERD(-9)
HERDN = GFRDN * RRD_G2E + PFRDN * RRD_P2E + FFRDN * RRD_F2E
HERD = HERDN / PERD
SRDE = SRDE(-1) * (1 - 0.0747) + HERD(-9)
GERDN = BERDN + RERDN + HERDN
GERD = BERD + RERD + HERD
PGRD = GERDN / GERD
SRD = SRDB + SRDR + SRDE
TIM = TIMN / PGRD
STI = STI(-1) * (1 - 0.2104) + TIM(-2)
TGBAORD = GDPN * RGBA
PFRDN = GDPN * RPFRD
FFRDN = GDPN * RFFRD
TIMN = GDPN * RTIM
116
C.2 変数リスト
(1) 内生変数
略号
変数名
単位
A
在庫品評価調整額合計
10 億円
AC
法人企業在庫品評価調整額
10 億円
AP
民間在庫品評価調整額
10 億円
AU
個人企業在庫品評価調整額
10 億円
BERD
実質企業等使用研究費
2000 年 10 億円
BERDN
企業等使用研究費
10 億円
BLCURNF
経常収支
億円
CG
実質政府最終消費支出
10 億円
CG_EN
実質政府最終消費支出(実質内生時用)
10 億円
CG_EX
実質政府最終消費支出(実質外生時用)
10 億円
CGN
名目政府最終消費支出
10 億円
CGN_EN
名目政府最終消費支出(名目内生時用)
10 億円
CGN_EX
名目政府最終消費支出(名目外生時用)
10 億円
CGPI
企業物価指数
2005 年=100
CP
民間最終消費支出
10 億円
CPI
消費者物価指数(全国)総平均
2005 年=100
CPN
民間最終消費支出
10 億円
DGN
公的資本減耗
10 億円
DH
実質民間住宅資本減耗
2000 年 10 億円
DHN
民間住宅資本減耗
10 億円
DN
民間・公的資本減耗合計
10 億円
DP
実質民間企業設備資本減耗
2000 年 10 億円
DPN
民間企業設備資本減耗
10 億円
DX
DP+DH+DG
10 億円
ER
月間有効求人倍率
倍
ERR_IP
民間設備投資長期間形式の誤差項
率
EXC
財貨・サービスの輸出
10 億円
EXCN
財貨・サービスの輸出
10 億円
EXN
輸出と海外からの所得
10 億円
EXON
海外からの要素所得
10 億円
FFRDN
外国負担研究費
10 億円
GDP
実質国内総生産
10 億円
GDPGAP
GDP ギャップ
比率
GDPN
国内総生産
10 億円
GDPP
潜在 GDP
10 億円
GERD
実質国内研究費総額
2000 年 10 億円
GERDN
国内研究費総額
10 億円
GFRDN
政府負担研究費
10 億円
GNP
実質国民総所得
2000 年連鎖 10 億円
GNPN
国民総所得
10 億円
HERD
実質大学等使用研究費
2000 年 10 億円
117
略号
変数名
単位
HERDN
大学等使用研究費
10 億円
HZSK
HZSKKK-HZSKK
10 億円
IG
実質公的固定資本形成
10 億円
IG_EN
実質公的固定資本形成(実質内生時用)
10 億円
IG_EX
実質公的固定資本形成(実質外生時用)
10 億円
IGN
名目公的固定資本形成
10 億円
IGN_EN
名目公的固定資本形成(名目内生時用)
10 億円
IGN_EX
名目公的固定資本形成(名目外生時用)
10 億円
IH
実質民間住宅投資
2000 年連鎖 10 億円
IHN
民間住宅投資
10 億円
IIP
鉱工業生産指数:鉱工業
2005=100
INTN
全銀 貸出約定平均金利(含む当座貸越)
%
INTN2
全銀 貸出約定平均金利(含む当座貸越)(範囲調整前)
%
IP
民間企業設備投資
10 億円
IPN
民間企業設備投資
10 億円
JP
実質民間企業在庫投資
2000 年連鎖 10 億円
JPN
民間企業在庫投資
10 億円
KH
民間住宅資本ストック
2000 年 10 億円
KJG
公的企業資本ストック
2000 年 10 億円
KJP
民間企業在庫ストック
2000 年 10 億円
KP
民間設備資本ストック
2000 年 10 億円
L
就業者数 合計
万人
LU
個人業主数
万人
LW
雇用者数 合計
万人
M2CD
マネーサプライ M2+CD(末残)
億円
MC
財貨・サービスの輸入
2000 年連鎖 10 億円
MCN
財貨・サービスの輸入
10 億円
MCOT
その他の財貨・サービスの輸入
2000 年連鎖 10 億円
MCOTN
その他の財貨・サービスの輸入
10 億円
MN
輸入と海外への所得
10 億円
MOIL
実質原油輸入額
2000 年 10 億円
MOILN
名目原油輸入額
10 億円
MON
海外への要素所得
10 億円
NL
労働力人口 合計
万人
P
国民総所得デフレーター
2000 年=100
PBRD
企業等研究支出デフレーター
2000 年=100
PC
民間最終消費支出デフレーター
2000 年=100
PCG
政府最終消費支出デフレーター
2000 年=100
PD
DN/DX*100
2000 年=100
PDG
国内総生産デフレーター
2000 年=100
PERD
大学等研究支出デフレーター
2000 年=100
PEXC
財貨・サービスの輸出デフレーター
2000 年=100
PEXO
海外からの要素所得デフレーター
2000 年=100
PFRDN
民間負担研究費
10 億円
PGRD
総研究支出デフレーター
2000 年=100
118
略号
変数名
単位
PH
民間住宅投資デフレーター
2000 年=100
PI
民間企業設備投資デフレーター
2000 年=100
PIG
公的固定資本形成デフレーター
2000 年=100
PJP
民間企業在庫デフレーター
2000 年=100
PLANDLF
地価公示
1975 年=100
PMC
財貨・サービスの輸入デフレーター
2000 年=100
PMCOT
その他の財貨・サービスの輸入デフレーター
2000 年=100
PMO
海外への要素所得デフレーター
2000 年=100
PMOIL
原油輸入デフレーター
2000 年=100
PRRD
公的機関等研究支出デフレーター
2000 年=100
PVDP
減価償却の割引現在価値
RCC
実質資本コスト
RERD
実質公的機関・非営利団体使用研究費
2000 年 10 億円
RERDN
公的機関・非営利団体使用研究費
10 億円
SI
社会保障負担
10 億円
SRD
総研究開発ストック
2000 年 10 億円
SRDB
企業等研究開発ストック
2000 年 10 億円
SRDE
大学等研究開発ストック
2000 年 10 億円
SRDR
公的機関・非営利団体研究開発ストック
2000 年 10 億円
STI
導入知識ストック
2000 年 10 億円
TC
法人税
10 億円
TFPF
全要素生産性(HP フィルタ適用後)
TGBAORD
科学技術関係経費(国・地方計)
10 億円
TI
間接税
10 億円
TIM
実質技術輸入額
2000 年 10 億円
TIMN
技術輸入額
10 億円
TP
個人直接税
10 億円
U
完全失業者数 合計
万人
URATE
完全失業率 合計
%
URATE2
完全失業率 合計(範囲調整前)
%
W
1 人当たり雇用者所得
1000 円/人
Y
国民所得
10 億円
YC
民間法人企業所得(配当受払後)
10 億円
YCB
民間法人企業所得(配当受払前)
10 億円
YDP
家計(支払)個人可処分所得
10 億円
YP
個人所得
10 億円
YR
財産所得
10 億円
YU
個人企業所得(配当受払後)
10 億円
YUH
家計(受取)営業余剰・混合所得
10 億円
YW
雇用者報酬
10 億円
(2) 外生変数
略号
変数名
AG
公的企業在庫品評価調整額
CDUM
民間最終消費限界消費性向ダミー
単位
10 億円
119
略号
変数名
単位
CNV_KR
経費・研究費比率
率
CONTAX
消費税率
率
CPTAX
法人税率
率
DG
実質公的資本減耗
2000 年 10 億円
DUM_GM
政府支出内生・外生制御用ダミー
EXO
実質海外からの要素所得
2000 年連鎖 10 億円
EXR2
外国為替相場
円/$
INTORA
基準割引率(公定歩合)
%
JG
実質公的在庫投資
2000 年連鎖 10 億円
JGN
公的在庫投資
10 億円
KORTK20
交易利得
2000 年連鎖 10 億円
LHRRGF
所定内労働時間:全産業
時間
MO
実質海外への要素所得
2000 年連鎖 10 億円
PCH_CG
実質政府消費支出対前年度比(実質外生時用)
%
PCH_CGN
名目政府消費支出対前年度比(名目外生時用)
%
PCH_IG
実質公的固定資本形成対前年度比(実質外生時用)
%
PCH_IGN
名目公的固定資本形成対前年度比(名目外生時用)
%
PEW
世界工業製品輸出物価指数
1990 年=100
PMCOTD
その他の財貨・サービスの輸入デフレーター($)
2000 年=100
POILJ
原油価格(通関ベース)
ドル/バレル
POP14
14 歳以下人口
千人
POP65
65 歳以上人口
千人
POPT
総人口
千人
RES20
開差
2000 年連鎖 10 億円
RFFRD
外国負担研究費対名目 GDP 比
率
RGBA
科学技術関係経費対名目 GDP 比
率
RLP
労働参加率
率
RLW
就業者に占める雇用者比率
率
RPFRD
民間負担研究費対名目 GDP 比
率
RRD_F2B
外国負担研究費に占める企業等の比率
率
RRD_F2E
外国負担研究費に占める大学等の比率
率
RRD_F2R
外国負担研究費に占める公的機関等の比率
率
RRD_G2B
政府負担研究費に占める企業等の比率
率
RRD_G2E
政府負担研究費に占める大学等の比率
率
RRD_G2R
政府負担研究費に占める公的機関等の比率
率
RRD_P2B
民間負担研究費に占める企業等の比率
率
RRD_P2E
民間負担研究費に占める大学等の比率
率
RRD_P2R
民間負担研究費に占める公的機関等の比率
率
RTIM
技術輸入額対名目 GDP 比
率
SB
補助金
10 億円
SDEF
統計上の不突合
10 億円
TIME
タイムトレンド
1965 年=1
TPDUM
特別減税ダミー
1または0
TRH
社会保障給付
10 億円
TRPY
家計その他支払
10 億円
120
略号
変数名
単位
TRRV
家計その他受取
10 億円
TWM
世界貿易(実質)
90 年 10 億ドル
YGA
公的企業所得(配当受払後)
10 億円
121
参考資料 D:データ一覧
本調査では、総務省『科学技術研究調査』等の統計調査から収集し、整備した時系列デ
ータを参考資料として掲載する。
122
負担源別・組織別研究費等の推移
研究費総額
科学技術関係経費(国・地方計)
負担者
国・地方公共団体
使用者
単位
昭和34
昭和35
昭和36
昭和37
昭和38
昭和39
昭和40
昭和41
昭和42
昭和43
昭和44
昭和45
昭和46
昭和47
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
企業等
百万円
171,116
210,867
275,540
319,250
368,252
438,133
508,595
576,631
702,484
877,487
1,064,653
1,355,505
1,532,372
1,791,871
2,215,836
2,716,032
2,974,573
3,320,685
3,651,319
4,045,864
4,583,630
5,246,248
5,982,356
6,528,700
7,180,782
7,893,931
8,890,299
9,192,932
9,836,640
10,627,572
11,815,482
13,078,315
13,771,524
13,909,493
13,709,139
13,596,030
14,408,236
15,079,315
15,741,499
16,139,925
16,010,588
16,289,336
16,527,998
16,675,053
16,804,155
16,937,584
17,845,224
18,463,102
18,943,767
18,800,063
17,246,300
17,109,951
百万円
95,616
124,374
163,849
179,423
207,294
243,850
252,359
292,177
378,970
504,351
628,352
823,265
895,021
1,044,927
1,301,926
1,589,052
1,684,847
1,882,231
2,109,501
2,291,002
2,664,912
3,142,257
3,629,793
4,039,018
4,560,126
5,136,634
5,939,948
6,120,164
6,494,268
7,219,319
8,233,820
9,267,167
9,743,049
9,560,684
9,053,608
8,980,253
9,395,895
10,058,409
10,658,357
10,800,064
10,630,161
10,860,216
11,451,012
11,576,840
11,758,939
11,867,276
12,745,839
13,327,392
13,830,433
13,634,478
11,983,844
12,010,034
公的機関・ うち民間非
非営利団体
営利
百万円
26,804
34,008
41,950
49,815
53,828
64,720
72,593
82,540
94,078
114,673
137,068
166,363
213,910
268,260
339,747
409,395
449,928
504,438
529,521
603,788
660,392
763,917
906,918
949,260
971,010
1,033,110
1,160,571
1,240,193
1,384,451
1,394,180
1,452,290
1,514,156
1,620,548
1,772,528
1,896,819
1,863,226
2,030,154
2,007,786
2,023,943
2,116,981
2,171,341
2,220,702
1,843,594
1,815,875
1,782,107
1,796,342
1,691,975
1,753,318
1,689,656
1,720,593
1,712,676
1,665,938
百万円
6,028
8,611
10,758
13,041
13,221
15,254
15,796
16,467
17,067
18,728
19,906
21,150
23,325
25,424
32,088
84,236
85,923
101,901
88,831
100,831
94,604
145,541
245,521
276,178
279,651
307,425
349,812
399,971
441,273
458,925
498,535
537,291
573,453
612,427
618,179
636,799
640,021
679,251
716,967
714,068
689,609
707,069
361,570
332,664
321,968
298,796
309,775
322,878
310,282
273,229
255,138
249,419
大学等
百万円
48,696
52,485
69,741
90,012
107,130
129,563
183,643
201,914
229,436
258,463
299,233
365,877
423,441
478,684
574,163
717,585
839,798
934,016
1,012,297
1,151,074
1,258,326
1,340,074
1,445,645
1,540,422
1,649,646
1,724,187
1,789,780
1,832,575
1,957,921
2,014,073
2,129,372
2,296,992
2,407,927
2,576,281
2,758,712
2,752,551
2,982,187
3,013,120
3,059,199
3,222,879
3,209,086
3,208,418
3,233,392
3,282,338
3,263,109
3,273,966
3,407,410
3,382,392
3,423,678
3,444,992
3,549,780
3,433,979
百万円
55,922
63,358
79,963
97,864
111,291
139,004
162,398
194,010
224,195
262,796
299,687
370,101
447,388
518,835
626,139
783,242
882,903
976,486
1,078,811
1,219,171
1,353,416
1,465,024
1,612,428
1,666,164
1,721,432
1,777,779
1,867,253
1,955,309
2,111,840
2,117,780
2,202,419
2,346,561
2,504,462
2,696,718
2,965,848
2,918,177
3,292,401
3,160,552
3,203,853
3,498,493
3,503,749
3,540,764
3,476,942
3,452,681
3,394,467
3,389,068
3,389,698
3,335,072
3,306,072
3,345,560
3,495,722
3,307,155
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
百万円
百万円
百万円
731
721
825
796
741
1,010
1,380
2,865
5,067
8,439
11,368
17,666
21,962
27,449
26,351
23,335
28,698
29,074
39,292
31,964
36,917
58,875
68,983
70,238
78,448
88,646
97,782
110,003
107,551
106,456
102,834
118,810
133,483
103,220
127,285
107,192
149,415
115,323
139,490
223,412
187,766
184,511
161,634
169,864
164,724
149,832
148,884
136,026
150,372
126,108
141,305
141,096
20,636
25,784
32,051
37,640
41,641
56,683
61,006
71,789
82,520
101,084
119,757
146,341
188,865
228,211
288,646
342,257
380,504
419,291
449,179
514,696
577,585
629,637
708,484
721,345
739,626
766,741
831,534
880,010
981,678
975,738
1,007,460
1,066,892
1,180,102
1,316,870
1,441,371
1,425,534
1,581,820
1,505,911
1,508,513
1,591,944
1,650,712
1,697,615
1,670,768
1,609,961
1,582,065
1,623,808
1,506,932
1,539,345
1,475,283
1,542,685
1,541,030
1,496,456
34,555
36,852
47,086
59,428
68,909
81,311
100,013
119,357
136,608
153,273
168,562
206,093
236,561
263,175
311,142
417,650
473,701
528,121
590,340
672,511
738,914
776,512
834,962
874,581
903,358
922,392
937,937
965,296
1,022,611
1,035,586
1,092,125
1,160,859
1,190,877
1,276,627
1,397,192
1,385,451
1,561,166
1,539,318
1,555,850
1,683,137
1,665,271
1,658,638
1,644,540
1,672,856
1,647,678
1,615,428
1,733,882
1,659,701
1,680,417
1,676,767
1,813,387
1,669,603
(うち国の 民間
み)
百万円
992,502
1,104,492
1,189,863
1,296,833
1,327,125
1,378,884
1,436,700
1,524,865
1,584,072
1,712,856
1,695,693
1,722,884
1,800,012
1,933,119
2,092,442
2,316,424
2,245,824
2,633,797
2,495,127
2,515,558
2,811,430
2,744,278
2,760,815
2,581,745
2,572,274
2,463,882
2,346,406
2,339,459
2,590,964
2,538,993
2,545,915
2,672,045
2,472,754
百万円
115,194
146,989
195,203
220,816
256,418
298,542
345,597
381,921
477,489
613,891
763,766
984,704
1,083,826
1,271,838
1,588,286
1,931,232
2,089,689
2,341,456
2,568,656
2,823,305
3,226,628
3,776,351
4,363,784
4,855,536
5,451,130
6,108,562
7,014,906
7,229,723
7,716,558
8,501,469
9,603,321
10,721,481
11,255,017
11,199,369
10,731,483
10,663,869
11,100,468
11,904,661
12,493,863
12,593,345
12,448,321
12,684,199
12,986,147
13,162,678
13,363,122
13,497,488
14,397,352
15,066,684
15,577,912
15,387,925
13,682,504
13,732,042
外国
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
百万円
百万円
百万円
94,885
123,645
163,018
178,606
206,492
242,819
250,927
289,185
373,666
495,570
616,355
805,150
872,232
1,016,474
1,274,357
1,564,403
1,654,502
1,851,154
2,067,682
2,257,263
2,625,780
3,080,036
3,556,179
3,963,417
4,475,163
5,042,507
5,835,932
6,003,973
6,380,669
7,106,502
8,123,094
9,139,891
9,599,526
9,446,327
8,916,565
8,860,992
9,233,291
9,930,840
10,477,814
10,530,868
10,386,064
10,613,857
11,227,218
11,349,998
11,550,227
11,668,590
12,541,817
13,138,507
13,630,020
13,447,678
11,780,712
11,803,309
6,168
8,178
9,812
12,049
12,079
7,915
11,476
10,630
11,430
13,467
17,133
19,930
24,885
39,963
51,017
67,013
69,208
84,549
79,136
87,601
81,545
132,881
197,056
226,359
229,914
264,668
327,329
358,608
400,743
416,974
443,264
445,684
438,776
453,907
453,723
436,008
446,513
500,491
513,504
523,389
519,097
521,509
170,792
204,197
198,427
171,028
182,985
206,805
206,260
174,312
168,126
166,233
14,141
15,167
22,374
30,161
37,847
47,808
83,193
82,105
92,393
104,853
130,279
159,624
186,710
215,400
262,911
299,816
365,979
405,753
421,839
478,441
519,302
563,434
610,548
665,760
746,052
801,387
851,645
867,142
935,146
977,994
1,036,963
1,135,907
1,216,715
1,299,134
1,361,195
1,366,869
1,420,664
1,473,330
1,502,545
1,539,087
1,543,160
1,548,833
1,588,137
1,608,483
1,614,468
1,657,870
1,672,550
1,721,373
1,741,632
1,765,935
1,733,666
1,762,501
百万円
520
374
570
543
587
600
700
800
800
1,200
700
1,158
1,198
1,411
1,558
1,981
2,743
3,852
3,388
3,586
4,873
6,144
7,000
8,220
7,590
8,140
7,900
8,242
8,323
9,742
10,273
12,045
13,406
11,808
13,984
15,367
14,102
43,783
48,087
58,518
64,373
64,909
59,694
46,566
51,028
58,174
61,346
59,783
66,578
68,074
70,754
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
百万円
百万円
百万円
8
6
21
61
21
52
127
237
341
629
449
827
1,004
1,218
1,314
1,647
2,003
2,527
1,775
2,215
3,346
4,631
5,363
6,515
5,481
6,234
6,188
6,048
6,361
7,892
8,466
10,040
11,137
9,758
12,069
13,189
12,246
41,053
45,784
56,331
61,848
62,160
56,978
43,988
48,854
55,138
52,859
50,041
60,692
61,827
65,629
注1:総務省「科学技術研究調査」より作成。平成 8 年度からソフトウェア業、平成 13 年度から卸売業等が調査対象に追加されている。
注2:内訳の項目計が総額に一致するよう、端数を調整しているため、内訳の値は一部公式統計値と一致していない場合がある。
注3:1965~70 年度の負担源別・組織別研究費は非掲載のため、組織別計・負担減別計の値と前後の年の構成比から RAS 法により推計。
注4:負担者の「うち国のみ」は、各組織の国からの外部資金計と国営研究機関、国営大学の自己資金を合算した額。
国・地方が峻別できない区分があるため、厳密には国の資金の全てではない。
注5:科学技術関係経費は文部科学省調べ(文部科学省「科学技術指標」、「文部科学要覧」より)
科学技術関係経費(当初予算ベース)の昭和 57 年度以前は科学技術白書掲載の「科学技術関係予算」額
46
87
126
108
122
111
121
128
122
179
92
160
86
84
125
216
598
1,206
1,491
1,262
1,399
1,378
1,556
1,470
1,701
1,708
1,575
2,030
1,468
1,566
1,580
1,670
1,750
1,725
1,684
1,821
1,384
1,926
1,648
1,532
1,578
2,034
1,717
1,615
1,506
2,058
7,168
8,113
3,596
3,520
3,249
466
281
423
374
444
437
452
435
337
393
160
171
108
109
119
118
142
119
122
109
128
135
81
235
408
198
137
164
494
284
227
335
519
325
231
357
472
804
655
655
947
715
999
963
668
978
1,319
1,629
2,290
2,727
1,876
科学技術関係 科学技術関係 地方公共団体
経費(当初予 経費(補正・予 における科学
算)
備費等)
技術関係経費
百万円
43,600
51,000
62,947
74,898
90,595
108,665
120,579
143,088
167,937
191,912
221,403
263,390
305,316
360,865
441,872
539,196
677,321
771,959
870,605
990,489
1,150,841
1,292,062
1,398,242
1,448,012
1,461,859
1,483,839
1,532,869
1,606,386
1,662,336
1,715,746
1,815,199
1,920,871
2,022,631
2,238,376
2,815,265
2,368,174
3,184,949
2,965,952
3,002,611
4,163,579
3,760,528
4,247,445
4,584,188
4,358,084
4,048,994
4,084,123
4,040,423
4,140,071
4,044,726
4,240,519
5,046,264
4,189,657
百万円
百万円
43,600
51,000
62,947
74,898
90,595
108,665
120,579
143,088
167,937
191,912
221,403
263,390
305,316
360,865
441,872
539,196
677,321
771,959
870,605
990,489
1,150,841
1,292,062
1,398,242
1,448,012
1,461,859
1,483,839
1,532,869
1,606,386
1,662,336
1,715,746
1,815,199
1,920,871
2,022,631
2,134,676 103,700
2,266,265 549,000
2,358,474
9,700
2,499,549 685,400
2,810,452 155,500
3,002,611
0
3,032,179 1,131,400
3,156,728 603,800
3,285,987 467,600
3,468,512 608,100
3,544,427 323,800
3,597,366
4,100
3,608,361
30,500
3,577,945
37,510
3,574,334 145,100
3,511,258 117,500
3,570,796 240,000
3,563,929 1,097,000
3,589,009 197,800
百万円
493,858
507,576
489,857
447,528
445,262
424,968
420,637
415,968
429,723
385,335
402,848
123
負担源別・組織別研究費割合等
研究費総額
負担者
国・地方公共団体
使用者
単位
昭和34
昭和35
昭和36
昭和37
昭和38
昭和39
昭和40
昭和41
昭和42
昭和43
昭和44
昭和45
昭和46
昭和47
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
%
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
%
%
%
55.9
59.0
59.5
56.2
56.3
55.7
49.6
50.7
53.9
57.5
59.0
60.7
58.4
58.3
58.8
58.5
56.6
56.7
57.8
56.6
58.1
59.9
60.7
61.9
63.5
65.1
66.8
66.6
66.0
67.9
69.7
70.9
70.7
68.7
66.0
66.1
65.2
66.7
67.7
66.9
66.4
66.7
69.3
69.4
70.0
70.1
71.4
72.2
73.0
72.5
69.5
70.2
15.7
16.1
15.2
15.6
14.6
14.8
14.3
14.3
13.4
13.1
12.9
12.3
14.0
15.0
15.3
15.1
15.1
15.2
14.5
14.9
14.4
14.6
15.2
14.5
13.5
13.1
13.1
13.5
14.1
13.1
12.3
11.6
11.8
12.7
13.8
13.7
14.1
13.3
12.9
13.1
13.6
13.6
11.2
10.9
10.6
10.6
9.5
9.5
8.9
9.2
9.9
9.7
%
28.5
24.9
25.3
28.2
29.1
29.6
36.1
35.0
32.7
29.5
28.1
27.0
27.6
26.7
25.9
26.4
28.2
28.1
27.7
28.5
27.5
25.5
24.2
23.6
23.0
21.8
20.1
19.9
19.9
19.0
18.0
17.6
17.5
18.5
20.1
20.2
20.7
20.0
19.4
20.0
20.0
19.7
19.6
19.7
19.4
19.3
19.1
18.3
18.1
18.3
20.6
20.1
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
民間
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
%
%
%
1.3
1.1
1.0
0.8
0.7
0.7
0.8
1.5
2.3
3.2
3.8
4.8
4.9
5.3
4.2
3.0
3.3
3.0
3.6
2.6
2.7
4.0
4.3
4.2
4.6
5.0
5.2
5.6
5.1
5.0
4.7
5.1
5.3
3.8
4.3
3.7
4.5
3.6
4.4
6.4
5.4
5.2
4.6
4.9
4.9
4.4
4.4
4.1
4.5
3.8
4.0
4.3
36.9
40.7
40.1
38.5
37.4
40.8
37.6
37.0
36.8
38.5
40.0
39.5
42.2
44.0
46.1
43.7
43.1
42.9
41.6
42.2
42.7
43.0
43.9
43.3
43.0
43.1
44.5
45.0
46.5
46.1
45.7
45.5
47.1
48.8
48.6
48.9
48.0
47.6
47.1
45.5
47.1
47.9
48.1
46.6
46.6
47.9
44.5
46.2
44.6
46.1
44.1
45.2
外国
%
61.8
58.2
58.9
60.7
61.9
58.5
61.6
61.5
60.9
58.3
56.2
55.7
52.9
50.7
49.7
53.3
53.7
54.1
54.7
55.2
54.6
53.0
51.8
52.5
52.5
51.9
50.2
49.4
48.4
48.9
49.6
49.5
47.6
47.3
47.1
47.5
47.4
48.7
48.6
48.1
47.5
46.8
47.3
48.5
48.5
47.7
51.2
49.8
50.8
50.1
51.9
50.5
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
%
%
%
82.4
84.1
83.5
80.9
80.5
81.3
72.6
75.7
78.3
80.7
80.7
81.8
80.5
79.9
80.2
81.0
79.2
79.1
80.5
80.0
81.4
81.6
81.5
81.6
82.1
82.5
83.2
83.0
82.7
83.6
84.6
85.2
85.3
84.3
83.1
83.1
83.2
83.4
83.9
83.6
83.4
83.7
86.5
86.2
86.4
86.5
87.1
87.2
87.5
87.4
86.1
86.0
5.4
5.6
5.0
5.5
4.7
2.7
3.3
2.8
2.4
2.2
2.2
2.0
2.3
3.1
3.2
3.5
3.3
3.6
3.1
3.1
2.5
3.5
4.5
4.7
4.2
4.3
4.7
5.0
5.2
4.9
4.6
4.2
3.9
4.1
4.2
4.1
4.0
4.2
4.1
4.2
4.2
4.1
1.3
1.6
1.5
1.3
1.3
1.4
1.3
1.1
1.2
1.2
%
12.3
10.3
11.5
13.7
14.8
16.0
24.1
21.5
19.3
17.1
17.1
16.2
17.2
16.9
16.6
15.5
17.5
17.3
16.4
16.9
16.1
14.9
14.0
13.7
13.7
13.1
12.1
12.0
12.1
11.5
10.8
10.6
10.8
11.6
12.7
12.8
12.8
12.4
12.0
12.2
12.4
12.2
12.2
12.2
12.1
12.3
11.6
11.4
11.2
11.5
12.7
12.8
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
100.0
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
%
%
%
1.5
1.6
3.7
11.2
3.6
8.7
18.1
29.6
42.7
52.4
64.1
71.4
83.8
86.3
84.3
83.1
73.0
65.6
52.4
61.8
68.7
75.4
76.6
79.3
72.2
76.6
78.3
73.4
76.4
81.0
82.4
83.4
83.1
82.6
86.3
85.8
86.8
93.8
95.2
96.3
96.1
95.8
95.5
94.5
95.7
94.8
86.2
83.7
91.2
90.8
92.8
8.8
23.3
22.1
19.9
20.8
18.5
17.3
16.0
15.2
14.9
13.1
13.8
7.2
6.0
8.0
10.9
21.8
31.3
44.0
35.2
28.7
22.4
22.2
17.9
22.4
21.0
19.9
24.6
17.6
16.1
15.4
13.9
13.1
14.6
12.0
11.9
9.8
4.4
3.4
2.6
2.5
3.1
2.9
3.5
3.0
3.5
11.7
13.6
5.4
5.2
4.6
89.6
75.1
74.2
68.9
75.6
72.8
64.6
54.4
42.1
32.7
22.8
14.8
9.0
7.7
7.6
6.0
5.2
3.1
3.6
3.0
2.6
2.2
1.2
2.9
5.4
2.4
1.7
2.0
5.9
2.9
2.2
2.8
3.9
2.8
1.7
2.3
3.3
1.8
1.4
1.1
1.5
1.1
1.7
2.1
1.3
1.7
2.2
2.7
3.4
4.0
2.7
注6:組織別研究支出デフレーターは科学技術研究調査(ただし、1981~2007 年度は科学技術要覧掲載データ)の値を平成 12 年度=100 となるよう換算した値。1965~80 年度は昭和 63 年版科学技
術研究調査報告書掲載の昭和 60 年基準の研究支出デフレーター、1959~64 年度は平成 2 年基準国民経済計算における GDP デフレーター、のそれぞれ同期間の変化率を適用して遡及推計
124
研究支出デフレータ、実質研究費、研究開発ストック等
研究支出デフレータ
実質研究費(平成12年度基準)
負担者
使用者
昭和34
昭和35
昭和36
昭和37
昭和38
昭和39
昭和40
昭和41
昭和42
昭和43
昭和44
昭和45
昭和46
昭和47
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
単位
平成12=100
平成12=100
平成12=100
平成12=100
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
17.0
18.5
20.0
20.3
21.5
22.7
23.2
24.4
25.8
27.4
29.5
31.9
33.5
36.4
43.9
54.3
58.0
62.8
65.8
67.4
72.8
78.7
81.5
84.2
85.6
88.1
89.7
87.9
88.5
90.7
94.8
97.8
99.5
99.9
99.7
100.3
100.7
102.0
102.9
100.8
99.7
100.0
98.3
96.4
95.8
96.2
98.1
99.7
100.7
100.5
95.3
96.6
19.3
20.7
22.4
23.1
24.6
26.0
27.2
28.3
29.3
30.5
32.4
34.4
35.9
38.5
46.3
57.4
61.3
66.1
68.8
70.0
75.9
82.1
84.6
87.2
88.4
90.7
91.8
89.4
89.9
91.7
95.7
98.5
100.0
100.3
99.8
100.3
100.6
101.9
102.9
100.7
99.6
100.0
98.2
96.5
96.0
96.5
98.5
100.3
101.5
101.5
96.2
97.4
19.3
20.7
22.4
23.0
24.5
25.9
27.1
28.3
29.4
30.6
32.5
34.6
36.2
38.8
46.8
57.4
60.7
65.4
68.2
69.8
75.3
81.3
83.7
86.0
87.2
89.5
90.7
89.1
89.7
91.8
95.9
99.3
100.9
101.3
100.9
101.3
101.6
102.5
103.3
101.5
100.2
100.0
98.0
96.2
95.4
95.9
97.6
98.9
99.9
100.0
94.9
96.3
13.0
14.0
15.1
15.6
16.6
17.5
18.3
19.5
20.7
22.0
24.0
26.5
28.5
31.4
38.0
47.3
51.2
56.0
59.4
61.7
66.0
70.5
73.4
76.2
78.0
80.6
82.6
82.6
83.8
86.7
90.8
94.2
96.7
97.8
98.4
99.6
100.4
102.0
102.8
101.0
99.8
100.0
98.5
96.1
95.6
95.5
96.6
97.6
98.2
97.1
92.7
94.0
百万円
1,006,887
1,140,250
1,379,135
1,571,630
1,710,266
1,926,113
2,196,679
2,362,760
2,721,441
3,201,856
3,607,542
4,255,832
4,571,029
4,928,124
5,050,052
4,998,065
5,130,875
5,289,419
5,545,000
6,005,247
6,295,114
6,664,696
7,341,167
7,756,191
8,389,020
8,955,408
9,914,635
10,459,626
11,109,169
11,713,250
12,465,844
13,369,088
13,839,206
13,917,671
13,756,573
13,556,910
14,310,336
14,784,900
15,297,073
16,004,578
16,054,631
16,289,336
16,822,195
17,304,537
17,536,557
17,606,467
18,197,970
18,526,570
18,808,028
18,704,338
18,098,010
17,708,639
企業等
公的機関・
非営利団体
大学等
百万円
百万円
百万円
494,413
600,097
730,443
777,062
843,759
937,623
927,700
1,033,544
1,291,816
1,654,050
1,941,831
2,392,977
2,492,075
2,714,614
2,810,985
2,767,041
2,750,749
2,849,664
3,065,833
3,274,617
3,510,225
3,825,423
4,288,987
4,632,319
5,160,009
5,660,895
6,468,934
6,848,914
7,227,722
7,870,686
8,606,928
9,406,173
9,743,048
9,532,509
9,071,482
8,953,788
9,340,680
9,873,584
10,362,292
10,726,091
10,672,220
10,860,216
11,657,750
12,002,546
12,253,925
12,303,662
12,937,027
13,288,117
13,629,019
13,435,918
12,462,707
12,325,768
138,939
164,487
187,472
216,270
219,638
249,461
267,511
291,811
319,618
374,949
421,380
480,128
591,693
691,318
726,585
713,646
740,922
771,192
775,985
864,657
876,896
939,389
1,083,439
1,103,166
1,113,294
1,154,784
1,279,124
1,392,332
1,544,136
1,518,634
1,514,341
1,524,570
1,606,444
1,750,329
1,880,310
1,839,892
1,998,950
1,958,116
1,958,963
2,086,449
2,167,112
2,220,702
1,880,283
1,887,700
1,867,750
1,873,093
1,734,274
1,772,338
1,691,306
1,720,593
1,804,206
1,730,078
373,535
375,666
461,220
578,298
646,870
739,028
1,001,468
1,037,405
1,110,007
1,172,858
1,244,330
1,382,728
1,487,261
1,522,192
1,512,483
1,517,378
1,639,203
1,668,562
1,703,182
1,865,973
1,907,993
1,899,883
1,968,740
2,020,705
2,115,717
2,139,729
2,166,576
2,218,380
2,337,311
2,323,931
2,344,574
2,438,345
2,489,715
2,634,833
2,804,781
2,763,230
2,970,706
2,953,200
2,975,819
3,192,038
3,215,299
3,208,418
3,284,162
3,414,291
3,414,882
3,429,711
3,526,669
3,466,115
3,487,703
3,547,828
3,831,097
3,652,794
特許等使用
実質技術輸
技術輸入対
料支払(国
入対価支払
価支払額
際収支)
額
億円
223
342
407
410
490
562
598
691
860
1,130
1,325
1,548
1,635
1,699
1,958
2,102
2,129
2,473
2,635
2,499
2,894
3,126
3,907
4,484
4,915
5,652
6,015
5,687
6,040
6,507
7,528
8,694
8,619
8,899
7,906
8,561
9,445
10,967
11,557
11,862
11,019
12,180
13,703
13,705
12,893
15,248
16,689
17,914
19,640
18,486
15,755
16,168
百万円
18,334
28,108
33,469
33,766
40,282
46,206
49,167
56,868
70,789
93,003
108,998
127,324
134,543
173,916
227,792
159,832
169,131
177,302
190,066
192,058
240,984
239,529
259,632
282,613
279,280
281,447
293,173
260,577
283,245
312,195
329,925
371,907
394,661
413,908
362,974
370,693
391,715
451,169
438,400
430,054
410,296
443,287
548,379
541,713
563,764
567,643
703,707
705,388
710,510
600,044
534,901
530,070
百万円
107,882
151,994
167,521
166,224
187,080
203,128
212,360
233,019
274,239
339,360
369,335
399,754
401,339
478,315
519,155
294,124
291,736
282,419
288,640
285,070
330,965
304,291
318,604
335,748
326,272
319,292
326,952
296,482
319,887
344,088
348,085
380,176
396,601
414,151
364,230
369,626
389,053
442,360
426,023
426,448
411,425
443,287
558,140
562,163
588,335
590,060
717,617
707,813
705,419
596,989
561,317
548,617
研究開発ストック
百万円
9,026,700
9,148,605
9,422,051
9,801,052
10,286,072
10,845,019
11,447,743
12,245,770
13,300,932
14,741,468
16,613,566
18,822,281
21,020,340
23,351,459
25,676,967
27,938,063
30,192,157
32,477,944
34,801,780
37,116,636
39,604,516
42,239,424
45,133,220
48,349,048
51,845,376
55,564,729
59,948,152
64,360,143
68,829,204
73,574,159
78,743,923
84,372,262
90,056,197
94,938,028
98,902,450
102,474,631
106,230,042
110,452,209
115,064,409
119,524,387
123,872,557
127,945,572
132,457,969
137,227,954
141,902,341
146,231,635
150,522,074
企業等
公的機関・非
営利団体
大学等
百万円
百万円
百万円
3,620,449
3,838,226
4,163,353
4,500,765
4,869,243
5,292,674
5,661,467
6,097,160
6,745,116
7,686,882
8,816,978
10,278,882
11,685,508
13,166,132
14,586,773
15,813,451
16,894,300
17,959,926
19,129,191
20,383,765
21,741,465
23,270,989
25,102,560
27,084,049
29,383,982
31,941,929
35,037,796
38,186,719
41,381,924
44,882,678
48,749,996
53,008,169
57,153,554
60,650,648
63,317,422
65,584,890
67,999,806
70,692,610
73,589,762
76,544,774
79,133,866
81,637,545
84,674,370
87,735,303
90,724,380
93,447,548
96,516,513
650,287
673,776
711,890
805,755
884,504
982,919
1,096,967
1,231,293
1,358,953
1,506,901
1,661,847
1,829,518
2,012,471
2,237,088
2,491,358
2,785,381
3,169,006
3,623,599
4,079,501
4,488,409
4,894,047
5,299,653
5,679,754
6,120,134
6,539,856
6,990,718
7,551,951
8,090,986
8,599,883
9,112,256
9,710,695
10,377,637
11,146,564
11,832,550
12,463,000
13,056,583
13,687,700
14,415,557
15,219,025
15,922,056
16,731,628
17,439,891
18,096,094
18,830,765
19,591,218
20,348,456
20,708,709
4,755,965
4,636,602
4,546,808
4,494,531
4,532,325
4,569,426
4,689,310
4,917,317
5,196,863
5,547,685
6,134,741
6,713,881
7,322,362
7,948,239
8,598,836
9,339,231
10,128,851
10,894,418
11,593,088
12,244,462
12,969,004
13,668,782
14,350,906
15,144,866
15,921,538
16,632,082
17,358,406
18,082,438
18,847,397
19,579,225
20,283,233
20,986,456
21,756,078
22,454,830
23,122,029
23,833,158
24,542,536
25,344,041
26,255,622
27,057,557
28,007,063
28,868,136
29,687,505
30,661,886
31,586,743
32,435,631
33,296,852
導入知識ス
トック
百万円
469,884
523,015
580,494
624,582
680,250
740,253
796,863
862,223
955,051
1,093,468
1,232,737
1,373,123
1,485,556
1,651,311
1,823,030
1,733,588
1,660,577
1,593,611
1,546,955
1,506,546
1,520,534
1,504,905
1,506,877
1,525,578
1,530,868
1,528,066
1,533,513
1,507,344
1,510,086
1,536,452
1,561,267
1,612,952
1,670,188
1,732,932
1,732,553
1,737,650
1,761,102
1,832,926
1,873,301
1,905,606
1,916,091
1,956,233
2,102,781
2,222,519
2,343,236
2,440,279
2,644,462
2,795,880
2,913,046
2,897,130
注7:実質研究費の総額は、組織別の研究費をそれぞれのデフレーターで実質化したものを合算しており、研究支出全体のデフレーターはインプリシットに算出した値。
注8:特許等使用料支払は日本銀行「国際収支統計」。1984 年度以前はドルベースの統計値をエコノメイトの為替レートで円換算、技術輸入対価支払額は総務省「科学技術研究調査」より。
1970 年度以前は同期間の特許等使用料支払の変化率を適用して遡及推計
注9:研究開発ストックは実質研究費に研究開発の懐妊期間、陳腐化率を想定して積み上げた推計値。懐妊期間及び陳腐化率は、科学技術政策研究所「研究開発関連政策が及ぼす経済効
果の定量的評価手法に関する調査(中間報告)」を踏まえて設定した値。
125
GDP、研究集約度、TFP等
研究費対名目GDP比
研究費対名目GDP比
負担者 名目
うち民間 うち政府 うち外国
公的機
GDP
負担分 負担分 負担分
企業等 関・非営 大学等 非企業
使用者
単位
昭和34
昭和35
昭和36
昭和37
昭和38
昭和39
昭和40
昭和41
昭和42
昭和43
昭和44
昭和45
昭和46
昭和47
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1966
1967
1968
1969
1970
1971
1972
1973
1974
1975
1976
1977
1978
1979
1980
1981
1982
1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
2009
2010
兆円
13.9
16.7
20.2
22.4
26.3
30.5
33.9
39.8
46.6
55.1
65.4
75.8
83.5
97.2
117.7
140.2
154.4
173.3
192.2
210.8
227.6
248.4
264.6
276.2
288.8
308.2
330.4
342.3
362.3
387.7
415.9
451.7
473.6
483.3
482.6
489.4
497.7
509.1
513.6
503.3
499.5
504.1
493.6
489.9
493.7
498.5
503.2
510.9
515.6
494.2
476.4
%
%
%
1.23
1.26
1.36
1.43
1.40
1.44
1.50
1.45
1.51
1.59
1.63
1.79
1.83
1.84
1.88
1.94
1.93
1.92
1.90
1.92
2.01
2.11
2.26
2.36
2.49
2.56
2.69
2.69
2.72
2.74
2.84
2.90
2.91
2.88
2.84
2.78
2.89
2.96
3.06
3.21
3.21
3.23
3.35
3.40
3.40
3.40
3.55
3.61
3.67
3.80
3.62
0.83
0.88
0.96
0.99
0.97
0.98
1.02
0.96
1.03
1.11
1.17
1.30
1.30
1.31
1.35
1.38
1.35
1.35
1.34
1.34
1.42
1.52
1.65
1.76
1.89
1.98
2.12
2.11
2.13
2.19
2.31
2.37
2.38
2.32
2.22
2.18
2.23
2.34
2.43
2.50
2.49
2.52
2.63
2.69
2.71
2.71
2.86
2.95
3.02
3.11
2.87
0.40
0.38
0.40
0.44
0.42
0.46
0.48
0.49
0.48
0.48
0.46
0.49
0.54
0.53
0.53
0.56
0.57
0.56
0.56
0.58
0.59
0.59
0.61
0.60
0.60
0.58
0.57
0.57
0.58
0.55
0.53
0.52
0.53
0.56
0.61
0.60
0.66
0.62
0.62
0.70
0.70
0.70
0.70
0.70
0.69
0.68
0.67
0.65
0.64
0.68
0.73
%
%
%
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
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0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.00
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
0.01
1.23
1.26
1.36
1.43
1.40
1.44
1.50
1.45
1.51
1.59
1.63
1.79
1.83
1.84
1.88
1.94
1.93
1.92
1.90
1.92
2.01
2.11
2.26
2.36
2.49
2.56
2.69
2.69
2.72
2.74
2.84
2.90
2.91
2.88
2.84
2.78
2.89
2.96
3.06
3.21
3.21
3.23
3.35
3.40
3.40
3.40
3.55
3.61
3.67
3.80
3.62
0.69
0.74
0.81
0.80
0.79
0.80
0.74
0.73
0.81
0.92
0.96
1.09
1.07
1.08
1.11
1.13
1.09
1.09
1.10
1.09
1.17
1.27
1.37
1.46
1.58
1.67
1.80
1.79
1.79
1.86
1.98
2.05
2.06
1.98
1.88
1.84
1.89
1.98
2.08
2.15
2.13
2.15
2.32
2.36
2.38
2.38
2.53
2.61
2.68
2.76
2.52
利団体
%
%
%
0.19
0.20
0.21
0.22
0.20
0.21
0.21
0.21
0.20
0.21
0.21
0.22
0.26
0.28
0.29
0.29
0.29
0.29
0.28
0.29
0.29
0.31
0.34
0.34
0.34
0.34
0.35
0.36
0.38
0.36
0.35
0.34
0.34
0.37
0.39
0.38
0.41
0.39
0.39
0.42
0.43
0.44
0.37
0.37
0.36
0.36
0.34
0.34
0.33
0.35
0.36
0.35
0.31
0.34
0.40
0.41
0.42
0.54
0.51
0.49
0.47
0.46
0.48
0.51
0.49
0.49
0.51
0.54
0.54
0.53
0.55
0.55
0.54
0.55
0.56
0.57
0.56
0.54
0.54
0.54
0.52
0.51
0.51
0.51
0.53
0.57
0.56
0.60
0.59
0.60
0.64
0.64
0.64
0.66
0.67
0.66
0.66
0.68
0.66
0.66
0.70
0.75
0.54
0.52
0.55
0.62
0.61
0.64
0.76
0.71
0.69
0.68
0.67
0.70
0.76
0.77
0.78
0.80
0.84
0.83
0.80
0.83
0.84
0.85
0.89
0.90
0.91
0.89
0.89
0.90
0.92
0.88
0.86
0.84
0.85
0.90
0.96
0.94
1.01
0.99
0.99
1.06
1.08
1.08
1.03
1.04
1.02
1.02
1.01
1.01
0.99
1.05
1.10
実質研究費対GDP比
実質
GDP
兆円
65.1
72.9
81.4
87.6
96.7
105.9
112.4
125.3
140.6
157.7
174.6
186.4
192.8
213.2
226.0
225.7
236.6
245.3
257.0
272.3
283.5
287.4
298.7
308.1
318.9
334.1
355.1
361.8
383.9
408.4
427.1
453.6
464.2
467.5
465.3
472.2
483.0
496.9
496.8
489.5
493.0
505.6
501.6
507.0
517.7
528.0
540.0
552.5
562.3
541.3
531.1
%
1.55
1.56
1.69
1.79
1.77
1.82
1.95
1.89
1.94
2.03
2.07
2.28
2.37
2.31
2.23
2.21
2.17
2.16
2.16
2.21
2.22
2.32
2.46
2.52
2.63
2.68
2.79
2.89
2.89
2.87
2.92
2.95
2.98
2.98
2.96
2.87
2.96
2.98
3.08
3.27
3.26
3.22
3.35
3.41
3.39
3.33
3.37
3.35
3.34
3.46
3.41
TFP
うち公的 うち大学 うち非企
うち企業
機関等 等支出 業支出
支出分
支出分 分
分
%
%
%
%
0.76
0.82
0.90
0.89
0.87
0.89
0.83
0.82
0.92
1.05
1.11
1.28
1.29
1.27
1.24
1.23
1.16
1.16
1.19
1.20
1.24
1.33
1.44
1.50
1.62
1.69
1.82
1.89
1.88
1.93
2.02
2.07
2.10
2.04
1.95
1.90
1.93
1.99
2.09
2.19
2.16
2.15
2.32
2.37
2.37
2.33
2.40
2.41
2.42
2.48
2.35
0.21
0.23
0.23
0.25
0.23
0.24
0.24
0.23
0.23
0.24
0.24
0.26
0.31
0.32
0.32
0.32
0.31
0.31
0.30
0.32
0.31
0.33
0.36
0.36
0.35
0.35
0.36
0.38
0.40
0.37
0.35
0.34
0.35
0.37
0.40
0.39
0.41
0.39
0.39
0.43
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0.79
0.80
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注 10:1965 年度以降の名目および実質 GDP はエコノメイトによる推計値。65 年度以前は同期間の内閣府「国民経済計算確報」の平成 2 年基準の GDP 変化率を適用して遡及推計
注 11:TFP はコブ・ダグラス型生産関数を推定し、ソロー残差から推計した値。「HP フィルター」はホドリック=プレスコット・フィルターの略で、系列をトレンド要因と循環要因とに分解する
手法
126
特許出願件数
負担者
使用者
単位
昭和34
昭和35
昭和36
昭和37
昭和38
昭和39
昭和40
昭和41
昭和42
昭和43
昭和44
昭和45
昭和46
昭和47
昭和48
昭和49
昭和50
昭和51
昭和52
昭和53
昭和54
昭和55
昭和56
昭和57
昭和58
昭和59
昭和60
昭和61
昭和62
昭和63
平成元
平成2
平成3
平成4
平成5
平成6
平成7
平成8
平成9
平成10
平成11
平成12
平成13
平成14
平成15
平成16
平成17
平成18
平成19
平成20
平成21
平成22
1959
1960
1961
1962
1963
1964
1965
1966
1967
1968
1969
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1971
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2003
2004
2005
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2007
2008
2009
2010
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うち日本
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件
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件
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件
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うち日本
人
件
件
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優先権証明書
発行件数 うち実用
件
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日本人の海外への
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新方式
旧方式
新方式
件
件
件
件
件
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-
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75,697
90,982
87,663
88,186
90,027
97,807
論文発表数
件
471,336
495,138
519,901
521,113
545,017
548,554
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581,247
560,130
571,878
589,978
586,765
610,142
641,177
648,625
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670,116
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691,092
692,901
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1,080,008
1,088,467
うち日本
うち米国
件
件
29,771
29,809
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42,083
43,347
42,275
44,273
47,530
48,449
51,128
53,690
55,726
56,133
61,364
63,580
62,428
63,070
62,494
66,931
62,070
68,719
65,246
64,481
70,628
71,971
69,129
162,652
173,979
178,528
179,858
187,965
188,818
185,729
193,310
199,314
194,748
199,920
204,916
205,486
206,290
214,211
212,283
204,165
212,071
215,035
212,581
215,808
214,156
232,442
225,226
255,034
255,516
254,525
295,146
292,676
297,403
注 12:特許出願件数、登録件数、現存権利件数は特許庁「特許行政年次報告書」、「特許庁年報」より
注 13:日本人の海外への特許出願件数、登録件数は旧方式は特許庁「特許行政年次報告書」、「特許庁年報」掲載値、新方式は WIPO「Patent applications/grants by patent office and country
of origin (1995-2010)」より集計したもの。PCT 出願件数のカウント方法等が変更されており、数値は連続していない。
注 14:論文発表数はトムソン・ロイター サイエンティフィック"Web of Science"を基に、科学技術政策研究所が集計(文部科学省「科学技術指標 2011」より。article, letter, note, review を分析対象
とし、整数カウントにより分析)
127
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130
第2部
科学技術イノベーション政策、研究開発及び生産性の関係
性に関する調査研究
131
第1章
知識ストックの概念、推計方法
第 1.1 節
知識ストックに関する議論の背景
我が国経済に生産性の向上やイノベーションといった様々な進歩をもたらすものは、企
業や大学等、あるいは政府によって行われる研究開発活動の短期的な水準や変動(フロー)
だけではなく、それらを積み上げた科学技術知識の総体、いわば科学技術の水準ないしは
ポテンシャルであると考えられる。したがって、研究開発と生産性との関係性を分析する
ためには、研究開発のフローを知識のストックとして計測し、評価していく必要がある。
本調査では、この「研究開発活動によって生み出された知識の蓄積」を「知識ストッ
ク」と定義し、検討を行っていくものとする。
第 1.2 節
知識ストックの計測方法
1.2.1 特許ベースと研究開発費ベース
知識ストックは直接観測することはできないため、どのように定義し、計測していくか
が課題となる。これまでに国内外で行われてきた様々な取り組みでは、大きく分けると特
許ベース、あるいは研究開発費ベースでの計測が試みられてきた。
(1) 特許ベース(特許、論文等の実数を利用)
 特許の出願や登録を知識のフローとし、特許収入期間の逆数を陳腐化率としてストック
を推計
 知識の平均寿命については、論文の発表件数と被引用件数の経年分布から計測される場
合もある
 産業分野別に計測するには、学術分野別等に把握される特許や論文の指標を、別途コン
コーダンス情報等を利用して組み替える
m
PS t   Pt ,t i  1     PS t 1
i 0
PSt:t 期の特許ストック、Pt,t+i:t 年に出願され、t+i 年に登録となった特許数、
m:出願から登録までに要する最長期間、δ:陳腐化率
132
(2) 研究開発費ベース(R&D フローの積み上げによるストック化)
 フローの研究開発費に技術の陳腐化率、懐妊期間を考慮し、恒久棚卸法で積み上げてス
トックを推計
 懐妊期間については設定しない(0 年とする)事例も多い
SRDt  RDt m  1     SRDt 1
SRDt:t 期の R&D ストック、RDt-m:t-m 期の実質研究費(フロー)、
m:懐妊期間、δ:陳腐化率
両者を比較すると、特許ベースで捉える方法は推定の条件に仮定はあるものの観測可能
であるという点はメリットである。一方で、制度や特許のカウント方法の変更等により、
必ずしも長期の連続した時系列データが得られない場合があるほか、そもそも「特許とし
てあらわれるものが知識のすべてではない」といったデメリットも指摘される。
研究開発費ベースで捉える方法は、特許という枠にとらわれずに研究開発活動による蓄
積のポテンシャルを捉えることができるが、直接観測することは困難であり、懐妊期間や
陳腐化等の想定如何で推計結果が変わりうる性格を持っている。
なお、国家の経済の全体像を国際比較可能な形で体系的に記録する国際基準である国民
経済計算体系(System of National Accounts; SNA)において、経済成長の源泉としての関心
の高まりを背景として、
従来の 93SNA では中間消費に位置付けられていた R&D を 2008SNA
では付随的な活動として扱わず、その産出を「知的財産生産物」として資産計上する(「R&D
の資本化」)ことが勧告されている。
こうした動向もあわせ、本調査では知識ストックを研究開発費ベースで捉える方向で検
討していくこととした。
1.2.2 先行研究における懐妊期間と陳腐化率
研究開発費を積みあげて知識ストックを計測するには、フローの研究開発費のほか、知
識の陳腐化の程度、研究開発投資の懐妊期間といった情報は重要なパラメータとなる。
先行研究でどのように陳腐化率等が設定されていたかを整理したものが図表 1-1 である。
大別すると、①懐妊期間は0ないし1年、陳腐化率は 15%等と設定して推計、②独自アン
ケートや先行研究等で把握された数値を参照して利用、の2つの方法が多く採用されてい
133
る。そのほか、陳腐化に関しては、残存件数等の特許関連データを利用する等19の方法も採
られる。
Guellec and
Pottelsberghe
(2001)
経済財政白書
(2002)
Ulku (2004)
冨田(2005)
蜂谷(2005)
Abdih and Joutz
(2005)
川崎(2006)
Khan and Luintel
(2006)
BEA(2007)
中野(2008)
Coe and Helpman
et al. (2008)
ESRI(2011)
図表 1-1 先行研究における懐妊期間と陳腐化率
懐妊期間
陳腐化率
0年
15%
開銀(1987)をベンチマーク、
経団連(1998)の経年変化で推
計
0年
1 年(前期末ストックが説明変数
となるので実質 2 年)
経団連(1998)を元に線形補完
(全産業平均 1988 年 4.3、93 年
3.6、98 年 3.0(年))
0年
0 年(SNA の専門家会合 AEG で
の議論を踏まえて設定)
0年
経団連(1998)を元に定率法で推
計し、線形補完
20%
科学技術庁(1985)
(24.6~7.9%)
特許の残存件数から陳腐化率を
経年で推計(1982 年 13%から 88
年 22%)
15%(0、5、10%でも推計し、
結果は頑健とした)
①定率 15%、または
②期間に応じたパターン変更
(1959 年 16%~2002 年 23%)
15%
0 年(当期 R&D にも陳腐化率の 定率 15%(ただし、企業の運輸
1/2 が適用されるので実質半年) 18%、電子機器 16.5%、化学
11%)、
または
期間に応じたパターン変更
①0 年(BEA)、または
①15%(BEA)、または
②科学技術庁(1985)
②科学技術庁(1985)の特許収入
期間の逆数(7~24 年)
1年
5%
①0 年(BEA)、または
②NISTEP(1999)より研究主
体ごとに設定(5~12 年)
①15%(BEA)、または
②11%(BEA)、
③NISTEP(1999)より研究主体
ごとに設定(6.67~10.1%)
備考:先行研究のリストについては参考資料1を参照。
19
知識ストックは陳腐化しないと仮定することでストックの推計自体を回避し、フローの研究開発集約度
を利用して分析する方法もあり、特に長期のデータを整備することが難しいマイクロベースの分析でし
ばしば採用されている。
134
1.2.3 2008SNA における R&D の資本化
経済成長の源泉としての R&D への関心が高まってきたことを背景として、国民経済計算
体系においても、従来の 93SNA では中間消費に位置付けられていた R&D を、次期 2008SNA
では付随的な活動として扱わず、その産出を「知的財産生産物」として資産計上する(「R&D
の資本化」)ことが勧告されている。
先行研究に示したとおり、知識ストックの推計はこれまで様々な形で試みられてきたが、
国民経済計算の枠組みの中で知識ストックが推計されるようになれば、そのデータが標準
として今後各方面で研究や分析に利用されていくことになると考えられる。
2008SNA における知識ストックのコンセプト、推計の考え方等について、本調査で設置
した研究会では次のような議論がなされた。

知識ストックのコンセプトとしては、ポテンシャルの評価であるべき。研究開発が実
行され、まだ完成していない段階でもいわば在庫仕掛品として資本サービスを提供し
ており、完成された段階では生産などの別の段階に資本サービスを提供する。そこま
ではポテンシャルのサービスで、それが本当に売れるようになったかとか失敗したか
というのは別の話になる。3つの段階があり、3 つ目のアクチュアルの段階では懐妊期
間があるかもしれないが、ポテンシャルとしては懐妊期間を入れるべきではない。

失敗も含む(研究開発が失敗したとしても、それは他の研究開発の参考になる等とみ
なし、知識として蓄積される)が、明らかに経済的便益を見いだせないものは除外(中
間消費として取り扱う)すべき。

研究開発を捉える区分として、研究開発の資金拠出をする主体による区分、研究開発
を実施する主体による区分がある。外部支出研究費の中には必ずしも中間投入ではな
い補助・助成も含まれていること等から、最終的な実施主体ベースで捉えることが適
当。

フローの研究開発費を技術の陳腐化を考慮しつつ、恒久棚卸法で積み上げて知識スト
ックとして推計。

陳腐化率については、例えば 15%と先験的に固定した値を設定するほか、産業による
技術の陳腐化速度の違いや経年的な変化を踏まえてシナリオとして想定するといった
ことが行われている(ESRI、BEA 等)。これらの設定の根拠となる基礎的な調査やデ
ータが現状では不足している。
SRDt  RDt  1     SRDt 1
SRDt:t 期の R&D ストック、RDt-m:t 期の実質研究費(フロー)、
δ:陳腐化率
135
第2章
国際パネルデータを利用した変数間の関係性の推定
研究開発活動の生産性上昇への貢献を定量的に分析する方法には、マクロデータに基づ
く分析とマイクロデータに基づく分析がある(特定のイノベーションについてのケースス
タディから分析する方法もあるが、一般性を欠くという問題がある)。
一方、こうした研究開発による経済効果など知識と経済の関係性を分析するには、単に
データ同士の相関をみるだけでは十分ではなく、研究開発と知識ストック、イノベーショ
ン、経済への影響の相互関係を理論的に整理した上であることが本来は望ましい。本調査
の中でも一定の検討や議論を行ってきたが、現時点ではまだ途上であり、今後も経済学的
な、あるいは政策的な観点等からさらなる検討が必要な状況である。
本調査では、今後の検討に資するため、現時点でこうした分析を行う際にどこまでデー
タが入手可能であるのか、それらデータからどのような関係性をみることができるのかを
確認するための定量分析を試行するものとする。本章では、OECD 等の国際パネルデータ
に基づいた分析を行い、つづく第 3 章では、科学技術研究調査及び企業活動基本調査の企
業単位の個票データに基づいたマイクロ分析を試行した。
第 2.1 節
研究開発及び生産性の関係性等に関する先行研究
2.1.1 コブ・ダグラス型生産関数をベースとした TFP と R&D の関係性分析
研究開発と生産性の関係分析では、以下のようなコブ・ダグラス型生産関数をベースと
した分析方法がしばしば用いられる。
Q  A L K1 R
·················································································· (1)
Q:産出(ないし付加価値)、L:労働投入、K:資本投入、R:研究開発ストック投入
全要素生産性を T とおき、両辺を LαK1-αでわると、式(2)となる。
T
Q

L K
1
 A R ··············································································· (2)
研究開発と生産性の関係を分析する際、 (1) 式のように生産関数に直接組み込む方法と、
(2) 式のように全要素生産性の関数を推定する方法が考えられる。
さらに、 (2) 式を時間について微分し、 (3) 式の形で限界収益率(∂Q/∂R)を推定す
る分析方法もある。知識ストックの陳腐化がないものと仮定すれば知識ストックの増分(Δ
R)はフローの R&D に等しくなるのでストックを計測せずに生産性への影響を分析するこ
136
とが可能になる。この式を回帰分析で推定する場合、限界収益率を一定と仮定しているこ
とになり、陳腐化を想定しないことも含め、厳密には式(1)や式(2)と同じ式ではないものの、
長期のデータを積み上げてストックを計測することが困難な企業レベルの個票データに基
づいた分析等で利用されている。
T A Q R
 
T
A R Q ················································································· 式(3)
これらのどの式を用いるにせよ、あるいはマクロ、ミクロどちらのデータを用いるにせ
よ、研究開発と生産性の関係を分析するにあたっては、経済成長を労働と資本といった従
来の生産要素に加え、研究開発等の要素を加味して分析を行う方法が一般的である。
2.1.2 国際パネルデータを利用した先行研究事例
本調査で国・地域ごとのマクロなデータを組み合わせた国際パネルのデータを利用した
分析を実施するにあたり、まず OECD や IMF 等の国際機関で実施された国際パネルデー
タに基づいた研究開発と経済の関係性についての先行研究をみてみたところ、民間企業の
研究開発活動に対する公的資金の影響などの要因分析を行った事例には以下のようなもの
があった。
図表 2-1 民間研究開発の要因分析に関する先行研究事例の概要
文献 3: Guellec and Pottelsberghe (1997)
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金 R&D, Δ優遇措置)


短期的には財政的インセンティブ、補助金の両方が民間の R&D を喚起するが、長期的には
補助金の方がより効果的。また、インセンティブと補助金の効果は代替的。
補助金は 15%程度が適切で、多すぎても少なすぎても良い効果をもたらさない。
文献 4: Guellec and Ioannidis (1997)
Δ民間資金 R&D=f(ΔGDP, Δ政府資金による民間の R&D、構造変化要因、実質長期金利)


90 年代に民間 R&D が停滞した理由は、不景気、政府投資の減少、高い利子率、サービス
業への移行といった要因で説明できるが理由は国によって異なる。
政府の資金拠出は民間 R&D に長期的に影響を与える。
文献 5: Guellec and Pottelsberghe (2000)
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金 R&D, Δ優遇措置, Δ政府 R&D, Δ大学等 R&D)


政府の資金拠出、税制上の優遇措置は民間 R&D に正の効果をもたらすが、両者には代替関
係がみられる。
政府の資金援助は民間 R&D の 13%程度が適切で、多すぎても小さすぎても効果が小さく
なる。
137

政府 R&D は国防分野では民間をクラウドアウトするが、文民分野では中立的である。
また、研究開発活動の生産性上昇への貢献を扱った事例には以下のようなものがあった。
図表 2-2 研究開発活動と生産性の関係分析に関する先行研究事例の概要
文献 8: Guellec and Pottelsberghe (2001)
TFP=f(企業 R&D ストック、海外 R&D ストック、公的 R&D ストック、Δ雇用、国別短期
効果)


企業 R&D ストックの TFP 弾力性は 0.13、海外 R&D は 0.44、公的 R&D は 0.17。
R&D が集約的である国でより効果が高い。
文献 14: Khan and Luintel (2006)
TFP=f(TFP(1 期ラグ)、民間知識ストック、公的知識ストック、海外知識ストック、人的
資本、公的インフラ、対外・対内直接投資、ハイテク輸出・輸入、景気循環)

企業 R&D ストックの弾力性は短期 0.03(長期 0.17)、政府 R&D は 0.03(0.21)、海外
R&D は 0.01(0.06)
文献 16: Ulku (2004)
TFP=f(特許ストック、中等学校就学率、カントリーリスク、市場のオープン性、製造業輸入
率等)

イノベーション(特許ストック)と経済成長の間には正の関係がみられたが、R&D ストッ
クとイノベーションの間には大きな市場を持つ OECD 諸国以外では有意な結果が得られな
かった。
文献 18: Coe and Helpman el al. (2008)
TFP=f(国内 R&D ストック、輸入比率×海外 R&D ストック、人的資本、特許保護、法的起
源等)



95 年の先行研究で示された R&D ストック、海外 R&D ストックと TFP の関係は、近年の
パネル共和分分析の手法を用いてもおおむね支持された。
人的資本を考慮すると、G7 諸国の R&D ストックの推定パラメータがより大きくなった。
また、制度要因も大きな影響を与えていることが明らかになった。
公的部門の R&D を分離することを試みたが有意かつ頑健な結果は得られなかった。
なお、本調査研究で収集した上記を含む先行研究のリスト、各調査研究で用いられてい
たデータや分析方法等の一覧、調査結果の概要等については報告書末尾の「参考資料 B:」
を参照されたい。
138
2.1.3 TFP に含まれる諸要因
(1) TFP の定義
以上のように、先行研究では研究開発と経済の関係性を分析する際、全要素生産性(Total
Factor Productivity; TFP)を利用して両者を接続する形で分析している事例が多い。これ
は、知識ストックが経済に与える様々な影響とその多様な経路を個別に明らかにしていく
ことを一旦置いておき、一次近似として知識ストックと経済成長をマクロ的に捉えようと
したものと考えられる。
図表 2-3 科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因と構造(イメー
ジ)
【その他要因】
グローバル競争の
激化
製品サイクルの
短縮
企業をはじめとする
知識ストックと経済成長の間
を TFP で接続
陳腐化率
法制度、規制
…
【直接要因】
付加価値、利益
GDP、産業別付加価値
プロダクト・イノベーション
資金調達コスト
企業
知識ストック
企業研究開発
長期プライムレート
特許件数
内部使用研究費(SRD)
政府補助
デフレーター
陳腐化率
研究費に占める政府資金
政策要因(研究開発促進税制)
(
代
替
・
補
完
関
係
)
プロセス・イノベーション
特許件数
(
代
替
・
補
完
関
係
)
…
【間接要因】
海外からの知識の
スピルオーバー
その他の
社会的効果
(資本・労働・その他の
無形資産)
国内の公的知識の
スピルオーバー
サイエンスリンケージ
産学連携
国家間の技術的近接性
輸入比率
大学、政府等
研究開発
大学、政府等
知識ストック
内部使用研究費(SRD)
科学技術関係経費の総額
分野別配分
システム改革
海外研究開発
新たな知識の獲得
論文数、被引用件数
特許件数
海外
知識ストック
R&D支出(MSTI)
139
生産価格の低下
供給能力の向上
その他の生産性向上
その他の生産要素
研究開発の効率、
採算性、期待収益
科学技術
イノベーション政策
新たな市場の開拓
需要の拡大
経
済
成
長
GDP
そこで、あらためて TFP について確認すると、TFP とはソローの成長会計から推計され
る「経済成長のうち資本及び労働の投入によらない残りのすべて」として定義されるもの
である。
したがって、
研究開発も TFP に影響する要因であると考えることができるが、
他にも様々
な要素が含まれていると考えられる。したがって、TFP の要因分析を行うにあたっては、
他の要因も定量化し、コントロールしなければ研究開発による効果を正確に捉えることは
難しい。
図表 2-4 TFP の定義と含まれる諸要因
・
Y
=
・
・
T +
α K+
・
(1-α )L
【経済成長】
【労働投入】
・就業者数
・労働時間 等
【資本投入】
・有形固定資産
・製造工業稼働率指数 等
【TFP】
経済成長のうちK、Lであらわせない部分
自律的要素 研究開発投資
技術ストック
他律的要素 スピルオーバー技術 同化
学習効果
規模の効果
労働の質の向上
資本の熟度
間接的要素
分業の進展、産業構造の変化
技術改善
技術進歩
生産効率の向上
経営の改善
外部経済、制度改革、政策効果
注:TFP に含まれる要因の例は、渡辺千仭「技術経済システム」、創成社、2007 年 12 月よ
り
140
(2) TFP の変動要因
TFP の変動要因を定量的に分析した先行研究では、以下のような要因、指標を用いて
分析が行われてきた。ただし、以下はいくつかの研究を総括した一般論であり、推計の
際に資本投入、労働投入をどのように定義したかなど TFP の定義に依存し、その如何に
よってどの要素が TFP に含まれるかは変わりうるものである。したがって、TFP の分析
を行っていく際には、利用する TFP がどのようにして推計されたものであるかを念頭に
置いて説明変数の選定を行う必要がある。
図表 2-5 TFP に含まれる要因と利用可能な指標
要因
概要
関連指標
企業 R&D ストック 民間企業による研究開発の蓄積
製品やサービスの開発、生産工程の改善等を通して経済の生産性向上に寄
与する

企業等研究開発支出(SRD、OECD/MSTI)
(うち有形固定資産は除くべきか。SRD で日本については把握可能)

陳腐化率

デフレーター(SRD ではコスト型デフレーター、OECD/MSTI では
GDP デフレーター)
大学・政府 R&D
大学、政府による研究開発の蓄積
ストック
基礎研究中心で、それ自体が直ちに実用化、製品化に結び付くものではない
産学官連携、あるいは論文やパテント等を通じて企業での応用、開発研究に
活用されるなど、スピルオーバー効果をもたらす
(外部から財に体化されない形で得られる公共財的な技術知識が経済の
生産性向上に寄与する)

大学等、政府等研究開発支出(SRD、OECD/MSTI)
(うち有形固定資産は除くべきか。SRD で日本については把握可能)

陳腐化率

デフレーター(SRD ではコスト型デフレーター、OECD/MSTI では
GDP デフレーター)

サイエンスリンケージ(TFP の要因分析の中で扱われた事例はない
が、公的知識ストックからのスピルオーバーに関連すると考えられ
る)
海外 R&D ストック 海外の民間企業による研究開発の蓄積
海外の R&D により品質や性能の向上した財を中間財、投資財として購入する
ことによって自国にもメリットが生じる
R&D で得られた技術知識、アイデアは既存のパテントから着想した改良、技
術者の移動、リバースエンジニアリング等、様々な形で財によらない形でも波
及していく(知的財産保護が強化されたとしても自由に伝播していく)

他国の企業等研究開発支出(OECD/MSTI)

他国の R&D ストックを合算する際のウェイト(技術的近接性等)

陳腐化率

デフレーター(OECD/MSTI では GDP デフレーター)
141
要因
他国の R&D スト
ックを合算する際
のウェイト

人的資本要因

資本の質

経済構造

制度要因

概要
指標
海外の知識からのスピルオーバー効果を捉える際、国家間の技術的近接性
等によって効果の大きさが変わる可能性がある
国別共同特許出願数のウェイトを国家間の技術的近接性の指標とする
(共同特許の多い国とはより技術的に近い=スピルオーバー効果も大
きい)

二国間貿易額を海外の R&D ストックを合算する際のウェイトとす
る(財の輸入が多い国からは中間財、投資財の購入によるスピルオ
ーバー効果も大きい)
労働者の質の向上は経済の生産性向上に寄与する
平均教育年数×生産年齢人口(いくつか事例はあるが継続的にメンテ
された公開データは少ない)

大卒以上比率×生産年齢人口(OECD で過去に何度か調査されたデ
ータ有)
資本の質の向上は経済の生産性向上に寄与する
(ただし、先行研究では R&D 等と同時に入れている事例はみられない。
R&D による質の向上分が含まれており、分離することが困難なためと考
えられる)
資本の熟度、学習効果

資本年齢

資本の質指数(JIP データベースでは TFP 推計の際の資本投入で考
慮されている)
国による、あるいは産業による構造の違いは生産性、スピルオーバー効果の
違いともなりうる
輸入依存度(輸入比率(輸入÷GDP)は、海外からのスピルオーバー
効果の大きさに影響するとした研究もある)

ICT 部門シェア、ICT 投資比率

ハイテク製品輸出入

対外・対内直接投資
法律や規制等の制度は国ごとの生産性の違い等の理由となりうる
市場のオープン性指数

法的起源(イギリス、ドイツ、フランス、スカンジナビア等のダミ
ー)

特許保護指数

政府による研究開発優遇措置指数
※独自のスポット調査、あるいは非公開データを使っていることが多く、応
用が困難
景気循環要因
TFP には景気変動による影響も含まれるが、経済構造や人的資本等によるト
レンド的な変動を除いた短期の循環要因はコントロールして分析すべき

稼働率

失業率(一般に稼働率は製造業のみを対象としていることが多く、
経済全体の循環要因としては失業率の方がよいとする事例あり)
注)SRD:総務省「科学技術研究調査」、OECD/MSTI:OECD “Main Science and Technology Indicators、
JIP データベース:経済産業研究所「日本産業生産性データベース」
142
第 2.2 節
分析対象と利用データ
2.2.1 分析対象
先行研究を踏まえ、本調査では OECD 諸国のパネルデータを利用し、研究開発と生産性
の関係性に関する分析を試行した。データは Main Science and Technology Indicators を
はじめとする OECD データベースを主に利用し、原則として 1981 年から 2010 年までを分
析期間とした。
分析対象国は、研究開発費や多要素生産性(MFP)等のデータの整備状況等を踏まえて、
以下の 13 カ国とした(ただし、韓国については企業 R&D 等のデータが 1995 年以降しか
存在しないため、一部の分析では対象から除外している)。





カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ





アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ



スペイン
イギリス
アメリカ
2.2.2 分析に用いたデータ
研究開発費等のデータは購買力平価ベース、2005 年基準の実質価格(米ドル)に統一し
て利用している。企業、政府等(政府及び大学等)の R&D ストックは前年度のストックか
ら陳腐化した分を除き、当年度のフローを加算して積み上げる恒久棚卸法で推計すること
とし、懐妊期間は 0 年、陳腐化率は 15%に設定した。
SRDt  RDt m  1     SRDt 1
SRDt:t 期の R&D ストック、RDt-m:t-m 期の実質研究費(フロー)、
m:懐妊期間、δ:陳腐化率
なお、初期のストック SRD0 はストックの推計式を以下のように変形して求めた。
SRD0 
RD1m
g   
g:R&D ストックの初期時点の伸び率
g の値は事前には分からないため、ストックの伸び率とフローの伸び率が等しいと仮定し、
初期時点の伸び率で算出した(g が負になる場合は 0 として算出)。
海外の R&D ストックについては、自国を除く他の分析対象国の R&D ストックを①単純
に合算、②自国と相手国の技術的近似性を考慮したウェイトで合算、の 2 とおりで分析を
143
実施した。技術的な近似性は EPO への国別共同特許出願件数のマトリクスを用いて算出す
ることとし、年毎の変動を考慮して 3 か年の移動平均を利用した。2010 年はデータがない
ため、2009 年と同値とした。
人的資本については、「25~64 歳人口に占める高等教育を受けた者の割合」×25~64
歳人口で算出した値を用いた。なお、高等教育を受けた者の割合は 1998、1999、2009 年
の 3 時点しかデータが存在しないため、1997 年以前は 98 年、2010 年以降は 2009 年と同
水準とし、2000 年から 2008 年は直線補完して指標を算出した。
また、多要素生産性(Multi Factor Productivity; MFP)は一般的に全要素生産性(Total
Factor Productivity; TFP)と呼ばれている指標と概念的には同じものであり、OECD では
自身が推計、公表しているデータをこう呼称している20。データは国によって多少の違いは
あるものの、原則として 1985 年~2010 年の MFP 成長率として公開されている。本分析で
は、成長率を 1995 年=100 の指数に換算した上で分析に利用した。
20
OECD では、MFP について
「Multi-factor productivity (MFP) relates a change in output to several types of inputs.
MFP is often measured residually, as that change in output that cannot be accounted for by the change in combined
inputs.」
、TFP について「Total factor productivity is a synonym for Multi-factor productivity (MFP). The OECD
productivity manual uses the MFP acronym to signal a certain modesty with respect to the capacity of capturing all
factors' contribution to output growth. 」と定義している(OECD Glossary of Statistical Terms より)
。
144
2.2.3 各国の研究開発等の動向
以下、本分析で整備した国際パネルデータから、各国の研究開発等の動向をみていく。
(1) 研究開発の動向
各国の研究開発の活発さを研究開発集約度(研究開発支出÷GDP )から比較する。
国内総研究開発支出の集約度は、イギリス、フランス、アメリカ等は横ばいであるもの
の、全体的には上昇傾向にある国が多くなっている。日本の集約度は上昇傾向にあり、水
準も対象国の中でも上位にあるが、
2009 年以降は 2 年連続で低下している。
フィンランド、
韓国の集約度の伸びが特に近年になって著しい。
図表 2-6 国内総研究開発支出の対 GDP 比の推移
(%)
4.5
4
カナダ
3.5
デンマーク
フィンランド
3
フランス
ドイツ
2.5
アイルランド
イタリア
2
日本
韓国
1.5
オランダ
スペイン
1
イギリス
0.5
アメリカ
0
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
(期間別平均)
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
全期間 1981-85 1986-90 1991-95 1996-2000 2001-05 2006-10
1.7
1.3
1.4
1.7
1.8
2.1
1.9
2.0
1.1
1.4
1.7
2.0
2.5
2.8
2.6
1.4
1.7
2.2
2.9
3.4
3.7
2.2
2.0
2.2
2.3
2.2
2.2
2.2
2.4
2.3
2.5
2.3
2.3
2.5
2.7
1.1
0.7
0.8
1.1
1.2
1.2
1.5
1.1
1.0
1.2
1.1
1.0
1.1
1.2
2.8
2.3
2.6
2.6
2.9
3.2
3.4
2.6
2.1
2.3
2.6
3.4
1.9
1.9
2.1
1.9
2.0
1.9
1.8
0.9
0.5
0.7
0.8
0.9
1.0
1.3
1.9
2.2
2.1
2.0
1.8
1.7
1.8
2.6
2.6
2.7
2.6
2.6
2.6
2.8
145
各国で実施された研究開発を実施主体からみると、全体のうち企業等で実施された割合
は日本、ドイツ、アメリカ、韓国等では 7 割前後を企業が占める一方、イタリアやオラン
ダ、スペインなどでは 5 割前後にとどまっている。
アイルランド、フィンランド等は当初は企業の割合は中程度ないし下位であったが 80 年
代から 90 年代にかけて上昇し、近年は 7 割前後を占めている。
図表 2-7 国内総研究開発支出に占める企業等研究開発支出の割合
(%)
85
80
カナダ
75
デンマーク
フィンランド
70
フランス
ドイツ
65
アイルランド
イタリア
60
日本
韓国
55
オランダ
スペイン
50
イギリス
45
アメリカ
40
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
(期間別平均)
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
全期間 1981-85 1986-90 1991-95 1996-2000 2001-05 2006-10
44.1
37.7
39.9
41.7
46.0
50.3
48.6
52.2
45.7
47.8
49.3
54.3
60.3
61.3
64.6
55.4
60.9
57.5
66.0
69.3
67.8
47.8
41.4
42.7
46.6
52.0
52.0
52.2
63.2
58.7
63.3
60.8
63.0
66.3
67.1
55.7
41.3
52.2
64.0
65.9
61.3
50.9
44.0
46.3
43.2
44.3
43.0
39.7
43.4
74.2
70.8
75.5
74.5
72.9
74.5
76.8
73.0
76.3
71.8
73.7
73.0
48.1
47.5
51.8
45.9
47.9
47.2
47.0
46.3
46.1
47.8
43.5
47.7
47.7
44.8
46.9
43.7
49.5
50.2
48.4
43.5
45.0
59.0
50.1
51.6
58.4
65.6
64.9
63.0
146
次に、各国で実施された研究開発を資金の拠出主体からみると、全体のうち民間資金の
割合はおおむね 4~5 割前後の国々が多い。日本、韓国、フィンランドなどは 7 割前後で他
の諸国よりも民間資金が多くなっている。
図表 2-8 国内総研究開発支出に占める民間資金の割合の推移
(%)
90
80
カナダ
70
デンマーク
フィンランド
60
フランス
ドイツ
50
アイルランド
イタリア
40
日本
30
韓国
オランダ
20
スペイン
イギリス
10
アメリカ
0
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
(期間別平均)
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
全期間 1981-85 1986-90 1991-95 1996-2000 2001-05 2006-10
44.1
37.7
39.9
41.7
46.0
50.3
48.6
52.2
45.7
47.8
49.3
54.3
60.3
61.3
64.6
55.4
60.9
57.5
66.0
69.3
67.8
47.8
41.4
42.7
46.6
52.0
52.0
52.2
63.2
58.7
63.3
60.8
63.0
66.3
67.1
55.7
41.3
52.2
64.0
65.9
61.3
50.9
44.0
46.3
43.2
44.3
43.0
39.7
43.4
74.2
70.8
75.5
74.5
72.9
74.5
76.8
73.0
76.3
71.8
73.7
73.0
48.1
47.5
51.8
45.9
47.9
47.2
47.0
46.3
46.1
47.8
43.5
47.7
47.7
44.8
46.9
43.7
49.5
50.2
48.4
43.5
45.0
59.0
50.1
51.6
58.4
65.6
64.9
63.0
147
図表 2-8 で示したとおり、
各国の研究開発の 5 割から 7 割前後は企業で実施されている。
企業の研究開発支出の資金の多くは民間資金で賄われているが、政府資金の割合からみる
と国による違いがみられる。
1980 年代には政府資金の割合が 3 割を占める国もあったが、
90 年代以降は高くても 20%
に満たない。近年ではスペインで政府資金の割合が上昇しているのは例外的である。
全体的には 5%前後の国が多いが、日本は期間を通じて 1%前後と非常に低い水準にとど
まっている。
図表 2-9 企業等研究開発支出に占める政府資金の割合の推移
(%)
35
30
カナダ
デンマーク
25
フィンランド
フランス
20
ドイツ
アイルランド
イタリア
15
日本
韓国
10
オランダ
スペイン
イギリス
5
アメリカ
0
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
(期間別平均)
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
全期間 1981-85 1986-90 1991-95 1996-2000 2001-05 2006-10
6.7
12.1
10.8
8.8
3.8
2.7
2.8
6.9
11.5
11.2
6.6
4.8
2.6
2.5
3.7
3.6
3.1
5.7
4.0
3.5
3.0
15.2
23.4
21.0
15.9
10.5
10.3
10.0
9.4
16.5
11.7
10.3
8.4
5.9
4.5
6.6
12.4
9.2
5.3
5.0
3.1
4.8
13.3
14.7
20.1
13.2
12.2
13.2
6.6
1.4
1.7
1.5
1.3
1.6
1.3
1.1
5.7
3.6
5.6
5.8
6.1
7.9
10.0
13.0
7.5
5.0
3.8
3.0
10.7
5.4
12.7
10.6
7.8
11.3
16.5
12.9
27.7
18.9
11.8
9.7
8.6
7.5
18.2
30.0
28.5
18.4
12.4
9.0
11.7
148
(2) MFP の動向
次に、OECD が推計し、公表している多要素生産性(MFP)上昇率の推移をみると、国
や時点による変動が大きく、全体的な傾向がみづらくなっているが、韓国やアイルランド
等で生産性の伸びが大きく、スペインやイタリア等では伸びが小さい傾向が続いている。
図表 2-10 多要素生産性(MFP)上昇率の推移
(%)
10
8
カナダ
6
デンマーク
フィンランド
4
フランス
ドイツ
2
アイルランド
イタリア
0
日本
韓国
-2
オランダ
スペイン
-4
イギリス
-6
アメリカ
-8
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
(期間別平均)
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
全期間
0.3 (1985~2010)
0.8 (1985~2007)
1.8 (1985~2010)
1.0 (1985~2009)
0.9 (1992~2010)
2.7 (1985~2010)
0.4 (1985~2010)
1.5 (1985~2008)
3.8 (1985~2010)
1.0 (1985~2007)
0.5 (1985~2010)
1.5 (1985~2007)
1.1 (1985~2010)
1986-90 1991-95 1996-2000 2001-05 2006-10
-0.5
0.6
1.3
0.5
-0.2
0.8
1.8
0.4
0.2
2.4
1.7
2.7
1.8
0.2
1.7
1.2
1.3
0.7
1.1
0.7
0.5
3.2
3.5
4.3
1.9
0.7
1.4
1.2
0.3
-0.4
-0.6
3.3
0.7
0.7
1.1
5.8
3.6
3.7
3.0
3.2
1.1
0.5
1.2
0.9
0.8
1.3
-0.2
-0.2
0.1
0.9
1.5
2.2
1.5
0.7
0.7
1.5
1.7
0.8
149
MFP を 1995 年の水準を 100 とした指数に換算してみると、韓国やアイルランド、フィ
ンランドでは生産性の伸びが高く、イタリアやスペイン、デンマークなどは生産性の伸び
が低いことがよみとれる。リーマンショックや欧州危機等により、フィンランドをはじめ
近年になって大きく低下している、あるいは伸びが停滞している国が多い。
図表 2-11 多要素生産性(MFP)の推移
(1995年=100)
180
160
カナダ
デンマーク
フィンランド
140
フランス
ドイツ
アイルランド
120
イタリア
日本
韓国
100
オランダ
スペイン
80
イギリス
アメリカ
60
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
1
9
9
8
150
1
9
9
9
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
第 2.3 節
国際パネルデータに基づく企業の研究開発の要因分析
2.3.1 分析の枠組み
民間企業の研究開発活動に影響を与える要因としては、付加価値や資金調達コスト、政
府補助などの直接要因のほか、国内の公的知識および海外の知識ストックからのスピルオ
ーバー効果等、様々なものが考えられる。
本分析では、第 2.1 節に示した考え方、先行研究で採用された指標の利用可能性等を踏ま
え、以下の変数群によって民間企業の研究開発活動に与える要因の分析を試みた。
図表 2-12 分析に利用した変数の出所、定義
指標
民間資金による企業等研究
開発支出(被説明変数)
実質国内総生産
実質長期金利
略号
BF_BERD
完全失業率
政府資金による企業等研究
開発支出
大学等研究開発支出
政府研究開発支出
大学等・政府知識ストック
UR
GF_BERD
GDP
RLR
HERD
GOVERD
SPRD
出所、定義
OECD/MSTI
OECD/National Accounts
OECD/MSTI
原則として 10 年物国債利回り-消費者物価上昇率
OECD/Country Profiles
OECD/MSTI
OECD/MSTI
OECD/MSTI
OECD/MSTI の大学等および政府の研究開発支出
から恒久棚卸法で推計
なお、民間資金による企業等研究開発支出の要因分析を行う前に、まず民間資金による
企業 R&D(BF_BERD)と、GDP や政府資金による企業 R&D 等との関係、タイムラグ構
造を簡便にみてみることとした。
図表 2-13 は左辺を BF_BERD、
右辺を当該変数の当期から 4 期ラグまでの説明変数とし、
それぞれ自然対数の階差(実質長期金利、失業率は階差)をとった式を最小二乗法で回帰
したものである。この結果からは、いずれの変数でもタイムラグは主に当期ないし 1 期で
あること、政府研究開発支出や実質長期金利のパラメータは有意性が低いこと等がよみと
れる。
151
図表 2-13 民間資金による企業 R&D と各要因のタイムラグ構造
Δ lnGDP
0.849 ***
T
T-1
T-2
T-3
T-4
(5.868)
0.328 **
(2.034)
0.280
(1.592)
-0.404 *
(-1.964)
-0.027
(-0.151)
Δ lnGF_BERD
0.007
(0.366)
0.050 ***
(2.640)
0.037 *
(1.964)
0.035 *
(1.927)
0.023
(1.245)
Δ lnGOVERD
0.068
(1.104)
0.001
(0.018)
0.046
(0.873)
-0.027
(-0.506)
-0.010
(-0.184)
Δ lnHERD
0.229 ***
(3.373)
0.116 *
(1.675)
-0.025
(-0.352)
-0.006
(-0.078)
0.128 *
(1.913)
Δ lnSPRD
Δ RLR
1.551 ***
(3.454)
-0.703
(-1.074)
-0.685
(-1.003)
-0.324
(-0.476)
0.613
(1.383)
0.241
(0.782)
0.236
(0.717)
-0.458
(-1.409)
-0.050
(-0.144)
0.142
(0.418)
Δ UR
-1.289 ***
(-3.154)
-0.754
(-1.579)
-0.217
(-0.431)
0.484
(0.855)
0.015
(0.032)
注1)上段が推定パラメータ、下段の()内の数値は t 値、「***」は当該変数のパラメータの有意水準が 1%
以上で有意、「**」は 5%、「*」は 10%。
注2)推定には定数項を含むが上表では記載を省略。以下同様。
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)、T-x:x 期ラグ
BF_BERD:民間資金による企業 R&D、GDP:実質 GDP、GF_BERD:政府資金による企業 R&D、
GOVERD:政府 R&D、HERD:大学等 R&D、SPRD:公的知識ストック(大学等および政府)、RLR:
実質長期金利、UR:完全失業率
2.3.2 分析結果
民間資金による企業 R&D を、実質 GDP、政府資金による企業 R&D、実質長期金利、失
業率のほか、公的知識ストック、または大学、政府の研究開発支出で説明する関数の推定
を試みた。なお、公的知識ストックと大学、政府の研究開発支出は元来同じデータのフ
ローとストックであるため、ここでは公的知識ストックを採用した関数、大学および政
府の研究開発支出を採用した関数をそれぞれ推定してみることとした。
分析結果をみると、実質 GDP の項は強く有意に正であり、政府資金による企業 R&D も
有意に正な結果が得られた。一方で、公的知識ストック、あるいは大学及び政府の研究開
発支出はいずれも有意に推定されなかった。その他のコントロール変数としては、実質長
期金利はパラメータの符号が正になってしまうほか、失業率は符号は想定どおり負である
ものの、有意な結果は得られなかった。
なお、この関数では自己ラグを含んだダイナミックパネルモデルとなっているため、短
期の弾力性はそれぞれ推定されたパラメータ、長期の弾力性は短期弾力性÷(1-自己ラ
グ項のパラメータ)として解釈できる。

民間資金による企業 R&D には、GDP(企業の本業の稼ぎの代替指標)が強く影響し
ており、公的な研究資金の拠出も企業の研究開発を促進している可能性がある。

外部からの資金調達コスト、公的 R&D が企業 R&D を補完あるいは代替する効果、公
的知識ストックからのスピルオーバー効果等の影響は有意に観測されなかった。
152

民間資金による企業 R&D の実質 GDP に対する弾力性は短期で 0.9 前後、長期で 1.3
前後となり、長期的な弾力性は 1 を上回った。同様に、政府資金による企業 R&D に対
する弾力性は短期で 0.04、長期で 0.05 程度となった。
図表 2-14 民間資金による企業 R&D 関数の推定結果(公的知識ストック)
Δ lnBF_BERD
被説明変数:
推定期間
データ数
自由度修正済決定係数
D.W.
Δ lnBF_BERD(-1)
(+)
Δ lnGDP
(+)
Δ lnGF_BERD(-1)
(+)
Δ lnSPRD
(+)
Δ RLR
(-)
Δ UR(-1)
(-)
1983-2011
314
0.273
2.097
1983-2011
276
0.279
2.048
1983-2011
302
0.281
2.042
係数
0.301
(6.152)
0.927
(7.477)
0.038
(2.291)
-0.037
(-0.251)
係数
0.299
(5.588)
0.805
(5.671)
0.039
(2.251)
-0.013
(-0.084)
0.579
(2.276)
-0.584
(-1.866)
係数
0.281
(5.459)
0.902
(7.007)
0.038
(2.263)
0.011
(0.071)
***
####
***
####
**
####
####
***
####
***
####
**
####
####
**
####
*
####
***
####
***
####
**
####
####
-0.419
(-1.394) ####
注)網掛けは想定される符号条件に反し、有意に推定されたことを示す。以下同様。
図表 2-15 民間資金による企業 R&D 関数の推定結果(政府、大学等研究開発支出)
Δ lnBF_BERD
被説明変数:
推定期間
データ数
自由度修正済決定係数
D.W.
Δ lnBF_BERD(-1)
(+)
Δ lnGDP
(+)
Δ lnGF_BERD(-1)
(+)
Δ lnGOVERD(-1)
Δ lnHERD(-1)
Δ RLR
Δ UR(-1)
1983-2011
314
0.271
2.101
1983-2011
276
0.278
2.030
1983-2011
302
0.279
2.045
係数
0.303
(6.093)
0.925
(7.501)
0.038
(2.343)
-0.020
(-0.394)
-0.014
(-0.243)
係数
0.290
(5.381)
0.801
(5.709)
0.038
(2.236)
-0.015
(-0.289)
0.039
(0.667)
0.583
(2.292)
-0.604
(-1.930)
係数
0.281
(5.411)
0.903
(7.074)
0.038
(2.326)
-0.011
(-0.209)
0.002
(0.041)
***
####
***
####
**
####
####
####
(-)
(-)
153
***
####
***
####
**
####
####
####
**
####
*
####
***
####
***
####
**
####
####
####
-0.422
(-1.405) ####
2.3.3 今後の課題
今回の試行では、企業の研究開発に最も強く影響を与えているのは GDP であり、政府資
金も促進要因となっている可能性が示唆された。一方、大学や政府の研究開発によって企
業 R&D が抑制されるクラウディングアウト、あるいは逆の補完効果、大学や政府の知識ス
トックからのスピルオーバー効果については観測されなかった。
しかし、現時点ではこうした分析に利用できるデータは不足しているのが実情であり、
今回の分析はあくまでも現在利用可能なデータを使って試行した暫定的なものである。今
後知識の生産や利用等の関連データの充実を図るとともに、それらデータを活用して研究
を深化させていくことにより、今回の分析では捉えきれなかった実態を明らかにしていく
ことも可能になると考えられる。

企業、政府、大学等の主体、対象とする国や地域、時点等が異なれば、知識の生産
や利用の状況は異なっている可能性があり、知識ストック推計の際の陳腐化率等に
実態を反映していくことが望ましい。

知識と産業の結びつきの強さによって、公的な知識ストック等からのスピルオーバ
ー効果も変わってくる可能性がある。サイエンスリンケージ(特許中の学術論文の
引用件数)等の共通の尺度によって国や時点間の実態を把握し、分析に利用してい
くことが望ましい。

今後、第 2.3 節でとりあげたような研究開発や知識ストック等を取り巻く要因と相互
関係についての検討を進めるとともに、その構造を明らかにするために必要なデー
タを充実させていくことにより、実態の把握や分析に役立てていくことが求められ
る。
154
第 2.4 節
国際パネルデータに基づく研究開発と生産性の関係性分析
2.4.1 分析の枠組み
第 2.1.1 小節に示したようなコブ・ダグラス型の生産関数の考え方をベースとし、自然対
数をとった全要素生産性(TFP)を被説明変数、自然対数をとった知識ストック等を説明
変数として弾力性を推定することで、TFP の変動要因を分析し、研究開発の生産性に対す
る影響を分析することを試みた。
ln T  ln A   ln R
T:全要素生産性、R:研究開発ストック、A:その他の要因
なお、TFP は経済成長のうち労働投入と資本投入の寄与分を除いたものであり、研究開
発以外にも様々な要因が含まれていると考えられる。そこで、本分析では企業等の研究開
発ストックに加え、スピルオーバーを考慮して政府や大学等の公的研究開発ストック、海
外の企業等研究開発ストックを説明変数とした。また、研究開発以外の要因をコントロー
ルするため、人的資本も加味して分析を行った。
なお、分析に用いた各指標の相関係数は以下のとおりである。
図表 2-16 各指標間の相関係数
lnMFP
lnMFP
lnSBRD(-1)
lnSPRD(-1)
lnSFRD(-1)
lnSFRD2(-1)
lnHC(-1)
0.254
0.154
0.628
0.449
0.130
Δ lnMFP
Δ
Δ
Δ
Δ
Δ
Δ
lnMFP
lnSBRD(-1)
lnSPRD(-1)
lnSFRD(-1)
lnSFRD2(-1)
lnHC(-1)
0.243
0.116
-0.001
0.230
-0.063
lnSBRD
(-1)
0.981
-0.094
-0.047
0.945
lnSPRD
(-1)
-0.126
-0.077
0.956
lnSFRD
(-1)
0.823
-0.205
lnSFRD2
(-1)
lnHC(-1)
-0.125
Δ lnSBRD Δ lnSPRD Δ lnSFRD Δ lnSFRD2 Δ lnHC
(-1)
(-1)
(-1)
(-1)
(-1)
0.574
0.252
0.132
-0.013
-0.011
0.062
0.254
0.291
-0.279
-0.123
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)、(-1):1 期ラグ
MFP:多要素生産性、SBRD:企業等研究開発ストック、SPRD:公的研究開発ストック、
SFRD:海外企業等研究開発ストック(単純合算)、
SFRD2:海外企業等研究開発ストック(技術近接性ウェイト)、
HC:人的資本(高等教育を受けた割合×25~64 歳人口で代替)
155
結果をみると、おおむね MFP の水準は全ての変数と正の相関ないし弱い正の相関を示し
ており、特に海外の企業等研究開発ストックとの相関が比較的大きかった。また、企業等
と公的研究開発ストックの相関係数は 0.981 となっており、どちらもストック変数である
こともあって非常に強い正の相関を示している。ストック変数の定常性を除去するため、
階差をとっても(図表 2-16 下段)相関係数は 0.574 と比較的大きく、企業等と公的研究開
発ストックは非常に似通った動向を示す指標となっている。
海外の企業等研究開発ストックについては、他国のストックを単純に合算した場合と技
術的近接性をウェイトとして合算した場合を比較しても、他の変数との相関係数の傾向は
似通っており、両者の相関も 0.823 と強い正の相関を示している。
2.4.2 研究開発の生産性上昇効果についての分析結果
生産性の要因分析を行い、研究開発の生産性上昇効果をみるため、全要素生産性(OECD
推計の MFP)を被説明変数とし、企業知識ストック、公的知識ストック、海外知識ストッ
ク、人的資本で説明する関数の推定を試みた。なお、両辺は自然対数をとり、最小二乗法
によって弾力性を推定した。

国内企業の知識ストックは生産性と有意に正の関係がみられる。

海外の知識ストックも同様に生産性と正の関係にあり、海外からの知識のスピルオ
ーバー効果が観測されている。日本を含む研究開発集約度の大きな国々では、海外
からのスピルオーバーが小さくなっている可能性がある。

公的知識ストックと生産性は全体でみると有意に負のパラメータが推定された。た
だし、日本を含む研究開発の集約度が大きい国々では負になっていないほか、たと
えば GBAORD に占める競争的資金の割合を加味するとその項は正となる等、公的
知識と生産性の関係が負であると解釈すべきではないと考えられる。
図表 2-17 全要素生産性の弾力性推定結果
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnHC(-1)
(+)
lnSBRD(-1)
(+)
lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
lnSPRD(-1)
(+)
lnSFRD2(-1)
(+)
305
0.7366
0.0705
0.0416
(1.3598)
0.1942
***
(15.4678)
305
0.7553
0.0838
0.1488
***
(4.0315)
0.2993
***
(12.0005)
-0.2066
***
(-4.8206)
305
0.8123
0.0936
0.0589
*
(1.7472)
0.2414
***
(10.6173)
-0.2291
***
(-6.0422)
0.1736
***
(9.1786)
0.2468
***
(4.0195)
-2.7858 ***
(-3.2070)
IMSHR*lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
305
0.8099
0.1483
0.1224
***
(3.7452)
0.2935
***
(13.3455)
-0.3239
***
(-8.1209)
(-)
156
300
0.8805
0.4846
0.0294
(1.0771)
0.2427
***
(13.3358)
-0.2485
***
(-7.6358)
0.0742 ***
(12.6884)
0.1707
***
(11.2749)
注1)上段が推定パラメータ、下段の()内の数値は t 値、「***」は当該変数のパラメータの有意水準が 1%
以上で有意、「**」は 5%、「*」は 10%。
注2)推定には定数項、国別固定効果を含むが上表では記載を省略。以下同様。
注3)網掛けは想定される符号条件に反し、有意に推定されたことを示す。
ln:自然対数、Δln;自然対数の階差、(-1):1 期ラグ
SBRD:企業等研究開発ストック、SPRD:政府等研究開発ストック、SFRD2:海外企業等研究開発スト
ック(技術近接性ウェイト)、HC:人的資本(高等教育を受けた割合×25~64 歳人口)、COMPRATE:
21
GBAORD に競争的資金が占める割合、IMSHR:輸入比率
被説明変数はすべて lnMFP(自然対数をとった全要素生産性)
図表 2-18 全要素生産性の弾力性推定結果(研究開発集約度の大きい国々)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnHC(-1)
(+)
lnSBRD(-1)
(+)
lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
lnSPRD(-1)
(+)
lnSFRD2(-1)
(+)
125
0.9530
0.4082
0.1395
***
(5.2103)
0.2270
***
(26.5668)
125
0.9559
0.4243
0.1048
***
(3.6852)
0.1405
***
(4.6418)
0.1421
***
(2.9687)
125
0.9593
0.4678
0.0970
***
(3.5404)
0.1692
***
(5.5736)
0.0576
(1.0940)
0.0563
***
(3.2914)
125
0.9592
0.4659
0.0965
***
(3.5146)
0.1670
***
(5.4721)
0.0688
(1.2629)
-0.0069
(-0.8165)
0.0543
***
(3.1350)
0.0427
(0.6871)
-0.1847
(-0.2169)
IMSHR*lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
125
0.9652
0.4172
0.0884
***
(3.1091)
0.1706
***
(6.1023)
0.0361
(0.7461)
(-)
注)「集約度の大きい国々」は、研究開発集約度が調査対象国の平均を上回るフィンランド、フランス、
ドイツ、日本、アメリカの 5 カ国。
図表 2-19 全要素生産性の弾力性推定結果(研究開発集約度の小さい国々)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnHC(-1)
(+)
lnSBRD(-1)
(+)
lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
lnSPRD(-1)
(+)
lnSFRD2(-1)
(+)
180
0.6436
0.0501
0.0609
(1.4357)
0.1609
***
(8.5040)
180
0.6973
0.0705
0.2513
***
(4.8493)
0.3002
***
(9.8764)
-0.3052
***
(-5.5943)
180
0.8372
0.1481
0.0995
**
(2.4457)
0.1847
***
(7.5997)
-0.2974
***
(-7.2218)
0.2006
***
(8.3051)
175
0.8816
0.5653
0.0447
(1.2236)
0.2236
***
(11.0662)
-0.2805
***
(-7.3379)
0.0796 ***
(11.4917)
0.1946
***
(10.7130)
0.4112
***
(5.7333)
-4.8293 ***
(-4.7427)
IMSHR*lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
180
0.7837
0.1535
0.2177
***
(4.9507)
0.2814
***
(10.9113)
-0.4206
***
(-8.7325)
(-)
注)「集約度の小さい国々」は、研究開発集約度が調査対象国の平均を下回るカナダ、デンマーク、アイ
ルランド、イタリア、オランダ、スペイン、イギリスの 7 カ国。
21
GBAORD:Government Budget Appropriations or Outlays for RD の略。我が国では「科学技術関係経費」
に相当する。
157
以上、図表 2-17 から図表 2-19 では両辺とも自然対数の水準で推定を行っているが、ス
トック変数は上昇トレンドを持ち、データが非定常な傾向を持つことから、推定結果がみ
せかけの相関を示すなど最小二乗法でそのまま推定することが問題となる場合がある。
そこで、被説明変数、説明変数とも階差をとってトレンドを除去した分析を試みた。た
だし、人的資本はそもそも短期に変動する指標ではなく、差分を利用して推定するには適
さないと考えられる。実際、本分析で利用している OECD のデータも高等教育を受けた者
の割合は 1998、1999、2009 年の 3 時点しかデータが存在しないため、直線補完する等の
加工を施したデータであり、人的資本の項を採用してみても符号が負となって推定される
ケースが多かったことから、ここでは企業、公的、海外の知識ストック変数のみを説明変
数とした。
なお、階差をとることはデータの定常性の観点からは好ましいが、推定されるパラメー
タは短期的な効果しかあらわすことができなくなってしまうと考えられる。以下、階差の
間隔を変えていくとどのような結果が得られるかを図表 2-20 から図表 2-22 にそれぞれ示
した。全体的には、階差の間隔が短いほど個々のパラメータが小さくなり、式の決定係数
が小さく、ダービンワトソン比が 2 に近づく傾向がみられる。また、企業の知識ストック
および海外の知識項は生産性にプラスの効果をもたらしているが、国内の公的知識ストッ
クについては前期差では有意でないもの、階差の期間を伸ばすにしたがって有意にマイナ
スとなっている。
ただし、先述のとおり企業の知識ストックと公的知識ストックにはかなり似通った傾向
がみられるため、公的知識がマイナスになった分、企業が過大に推定されている可能性が
ある。現状では、データの制約から企業、公的、海外の知識ストックの陳腐化率は全て一
律 15%としており、産業や大学等での知識の生産・利用のプロセス等についてのデータを
充実させ、より分析を深化させていくことが必要と考えられる。
図表 2-20 全要素生産性の弾力性推定結果(1期の階差)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
Δ lnSBRD(-1)
(+)
Δ lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
Δ lnSPRD(-1)
(+)
Δ lnSFRD2(-1)
(+)
293
0.1845
1.5850
0.1191
***
(3.4642)
293
0.1826
1.5903
0.1238
***
(3.5003)
-0.0305
(-0.5798)
293
0.2395
1.6162
0.0841
**
(2.2961)
-0.0248
(-0.4841)
0.0386
***
(3.7989)
0.1241
***
(3.9488)
-0.0286 **
(-2.5389)
IMSHR*Δ lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
293
0.2201
1.5898
0.1032
***
(2.9512)
-0.0430
(-0.8343)
(-)
158
288
0.2484
1.6475
0.0638
*
(1.7654)
0.1892
**
(2.4083)
-1.1054 ***
(-3.7820)
0.0363
***
(3.6441)
図表 2-21 全要素生産性の弾力性推定結果(3期の階差)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
Δ lnSBRD(-1)
(+)
Δ lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
Δ lnSPRD(-1)
(+)
Δ lnSFRD2(-1)
(+)
269
0.4059
0.4991
0.1402
***
(5.5733)
269
0.4122
0.5082
0.1521
***
(5.9055)
-0.0756
*
(-1.9430)
269
0.4403
0.5122
0.1382
***
(5.4375)
-0.0849
**
(-2.2303)
0.0463
***
(3.7125)
264
0.4228
0.5078
0.1323
***
(5.1218)
-0.0806
*
(-1.8000)
-0.0005
(-0.1110)
0.0471
***
(3.7581)
0.0194
*
(1.6883)
-0.2856 **
(-2.2497)
IMSHR*Δ lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
269
0.4358
0.5116
0.1092
***
(3.8881)
-0.0790
**
(-1.9747)
(-)
図表 2-22 全要素生産性の弾力性推定結果(5期の階差)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
Δ lnSBRD(-1)
(+)
Δ lnSPRD(-1)
(+)
COMPRATE*
Δ lnSPRD(-1)
(+)
Δ lnSFRD2(-1)
(+)
245
0.5813
0.3156
0.1619
***
(7.3824)
245
0.5941
0.3287
0.1774
***
(7.9720)
-0.0956
***
(-2.8846)
245
0.6065
0.3302
0.1496
***
(6.2572)
-0.0956
***
(-2.7731)
0.0429
***
(2.8694)
240
0.5916
0.3158
0.1664
***
(7.3282)
-0.1194
***
(-2.9378)
0.0042
(0.6658)
0.0425
***
(2.8091)
0.0163
(1.0645)
-0.2675
(-1.6045)
IMSHR*Δ lnSFRD2(-1) (+)
IMSHR
245
0.6065
0.3149
0.1684
***
(7.6059)
-0.1046
***
(-3.1905)
(-)
そのほか、国内企業の知識ストック、国内の公的知識ストックや海外の知識ストックか
らのスピルオーバー効果が生産性にあらわれるまでの期間が異なっている可能性を考慮し、
タイムラグを 1 年から 5 年に変更しつつ、それぞれ最小二乗法で推定することも試みた。
すべての推定結果は「参考資料 E:生産性と知識ストックのタイムラグ構造」に掲載して
いるが、企業知識のタイムラグを 1 年、公的知識を 3 年、海外を 3 年としたケースでは3
変数ともパラメータの符号が有意に推定されており、企業で積み上げた知識の効果が早く、
国内公的部門や海外からの間接的な効果はそれよりも遅れてあらわれている可能性がある。
2.4.3 今後の課題
今回の試行では、全要素生産性と国内企業の知識ストックの間には有意に正の関係がみ
られるほか、海外の知識ストックからのスピルオーバー効果も観測される一方、政府や大
学等の公的な知識ストックからのスピルオーバー効果は観測されず、むしろ推定結果では
有意に負となるケースもみられた。
159
しかし、現時点ではこうした分析に利用できるデータは不足しているのが実情であり、
今回の分析はあくまでも現在利用可能なデータを使って試行した暫定的なものであること
から、結果は慎重に解釈すべきである。今後、知識の生産や利用等の関連データの充実を
図るとともに、それらデータを活用して研究を深化させていくことが必要であり、そうす
ることで今回の分析では捉えきれなかった実態を明らかにしていくことも可能になると考
えられる。

企業、政府、大学等の主体、対象とする国や地域、時点等が異なれば、知識の生産や
利用の状況は異なっている可能性があり、知識ストック推計の際の陳腐化率等に実態
を反映していくことが望ましい

今回の分析では、企業と公的な知識のストックの性質がかなり似通っているために、
多重共線性等の問題から公的知識ストックの項が負に推定されていると考えられるが、
陳腐化率の設定等に実態を反映させることで、異なった結果が得られる可能性がある。

知識と産業の結びつきの強さによって、公的な知識ストック等からのスピルオーバー
効果も変わってくる可能性がある。サイエンスリンケージ(特許中の学術論文の引用
件数)等の共通の尺度によって国や時点間の実態を把握し、分析に利用していくこと
が望ましい。

第 3.1.3 小節でとりあげたように TFP に含まれる要因は様々である。研究開発以外に
ついても TFP に影響を与えうる要因については、指標化して説明変数に加え、その影
響をコントロールして分析することが望ましい。

今後、科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因と相
互関係についての検討を進めるとともに、その構造を明らかにするために必要なデー
タを充実させていくことにより、実態の把握や分析に役立てていくことが求められる。
160
第 3 章
企業レベルのマイクロデータを利用した変数間の関係性の
推定
第 2 章の冒頭に記したとおり、研究開発活動の生産性上昇への貢献を定量的に分析する
方法には、マクロデータに基づく分析とマイクロデータに基づく分析がある。第 2 章では
国別のマクロデータ(国際パネルデータ)に基づいた分析を行ったが、本章では、科学技
術研究調査及び企業活動基本調査の企業単位の個票データに基づいたマイクロ分析を実施
し、現時点で利用可能なデータから研究開発と経済成長との関係性についての定量分析を
試行するものとする。
第 3.1 節
分析用データの概要
3.1.1 被説明変数:TFP
分析に利用する被説明変数となる企業単位の全要素生産性(TFP)を経済産業省「企業
活動基本調査」の個票データから算出した。先行研究にならい、TFP として企業 f の t 時
点(t>0)における TFP を初期時点(t=0)における当該産業代表的企業の TFP との比較
の形で、以下の式のように計算した。





1
S i , f ,t  S i ,t ln X i , f ,t ln X i ,t
i 1 2
t 1
t n 1
  lnY s lnY s 1    S i , s  S i , s 1 ln X i , s ln X i , s 1
s 1 2
s 1 i 1 2
n
ln TFP f ,t  ln Y f ,t  ln Y t  





Yf,t:t 期における企業 f の産出量、Xi,f,t:企業 f の生産要素 i の投入量、
Si,f,t:企業 f の生産要素 i のコストシェア
注)各記号上のバーは各変数の産業平均を示す。
さらに計算された 2001 年から 2006 年の TFP から算出した TFP 成長率ΔlnTFP を被説
明変数とし、研究開発集約度等の科学技術関連指標を説明変数とした要因分析を行った22。
なお、TFP の具体的な算出やデータの加工方法に関しては、
「参考資料 G:企業レベル TFP
測定のためのデータ加工方法について」を参照されたい。
22
TFP の計測方法、分析の枠組み等については、科学技術政策研究所「イノベーションの経済分析 第 1
部アウトカム指標としての TFP データの分析」NISTEP REPORT No.119(2009 年 3 月)等の先行研究を
踏まえて設定した。
161
3.1.2 説明変数:科学技術関連指標(以下の変数リスト)
被説明変数 Y=lnTFPt-lnTFPt-1 に対して、各説明変数として、1 期ラグ(t-1 期)、2
期ラグ(t-2 期)、3 期ラグ(t-3 期)、4 期ラグ(t-4 期)の 4 期分のデータを用いる。
利用するデータは、開示された 1984 年~2010 年の「科学技術研究調査」の各企業のデ
ータ
(うち 1999 年~2006 年にかけて 1 年でも研究開発活動を実施したことのある企業、
8,221 社)と、「企業活動基本調査」のデータに基づき TFP を推計した企業 35,452 社を
突合し、一致した 4,159 社(のべ 38,263 件)のデータである。
本分析の対象とした 4,159 社および総務省「平成 18 年事業所・企業統計調査」における
業種別企業数の分布を以下に示す。
事業所・企業統計調査は、我が国すべての事業所を対象として行われる国の最も基本的
な統計調査の一つであり、事業所及び企業を対象とした各種統計調査実施のための母集団
情報としての事業所及び企業の名簿を作成することを目的としたものである。一方、科学
技術研究調査の対象企業は、事業所・企業統計調査で研究活動を実施しているとした回答
企業から資本金と産業によって抽出された企業であることから、研究活動の活発な化学や
電気機械等の製造業の比重が大きくなる傾向がある。科学技術研究調査と企業活動基本調
査を突合した本分析のデータにも同様の傾向がみられている。
図表 3-1 本分析の対象データ及び事業所・企業統計における業種別企業数
サンプル数
全製造業
食料品
繊維
パルプ・紙
化学
石油・石炭製品
窯業・土石製品
一次金属
金属製品
一般機械
電気機械
輸送用機械
精密機械
その他の製造業
全非製造業
農林水産業
鉱業
建設業
電気・ガス・水道業
卸売・小売業
金融・保険業
不動産業
運輸・通信業
サービス業
その他
全産業
3,442
285
71
84
590
32
121
110
272
488
647
281
151
310
717
3
3
58
1
381
1
2
4
264
4,159
162
事業所・企業統計
企業数
258,648
23,488
21,519
6,685
4,364
407
10,364
6,666
34,121
28,878
21,234
12,141
(一般機械に含む)
88,781
1,257,187
10,616
1,743
280,023
567
438,119
17,978
4,727
111,109
70,619
321,686
1,515,835
本分析で利用する企業レベルのパネルデータにおける各説明変数の定義、サンプル数、
平均値は以下のとおりである。なお、企業によって一部欠損する期間を含む unbalanced
panel である。
図表 3-2 本分析の対象データ及び事業所・企業統計における業種別企業数
変数
代理変数
研究開発集約度 研究開発集約度
利用可能データ
サンプル数
社内使用研究費-うち有形固定資産購入
費+社外支出研究費
平均値
38,250
0.0300
38,250
38,250
38,250
0.0015
0.0050
0.0239
38,250
0.0018
民間部門から投入された +社内使用研究費-社外から受け入れた
研究開発集約度
研究費うち社内使用
38,250
0.0308
公的部門から投入された 社外から受け入れた研究費(公的部門)
研究開発集約度
38,250
0.0003
35,640
1,684
研究者数の対従業員数 研究者数÷従業者総数
比
38,263
0.0691
ドクター保有者数の対研 研究者うち博士号取得者数÷研究者数
究者数比
17,619
0.0356
転入研究者数の対研究 (採用・転入研究者合計-新規採用者)÷
研究者数
者数比
17,619
0.0292
性格別研究開発集約度
性格別研究開発
(基礎研究、応用研究、 性格別研究費
支出の集約度
開発研究支出額)
社外へ支出した研究集
社外へ支出した
約度(公的機関、民間企 社外へ支出した研究費
研究集約度
業等)
基礎
応用
開発
社外から受け入れた研究費(民間部門)
性質別研究開発
支出の集約度
研究者一人当た 研究者一人当たり研究
り研究費
費(万円)
研究開発人材の
割合
研究者の流動性
(社内使用研究費-うち有形固定資産購
入費)÷研究者数
なお、研究開発集約度の平均値を産業別にみると、製造業の中では精密機械、化学、電
気機械等の業種で集約度が高くなっている。非製造業の中ではサービス業で集約度が高い
こともあり、非製造業平均が製造業平均を上回っている。サービス業には様々な業態が含
まれていることから一概にはいえないが、標準偏差の値も大きいことから、一部の企業が
サービス業の平均を押し上げている可能性がある。
163
図表 3-3 産業別研究開発集約度
製造業計
食料品
繊維
パルプ・紙
化学
石油・石炭製品
窯業・土石製品
一次金属
金属製品
一般機械
電気機械
輸送用機械
精密機械
その他の製造業
非製造業計
建設業
卸売・小売業
サービス業
その他の非製造業
全産業
第 3.2 節
サンプル数
32,952
3,006
871
896
6,188
377
1,290
1,274
2,655
4,329
5,419
2,756
1,178
2,713
5,298
537
3,025
1,595
141
38,250
平均値 標準偏差
0.0283
0.0489
0.0118
0.0255
0.0170
0.0139
0.0110
0.0111
0.0449
0.0558
0.0171
0.0216
0.0158
0.0143
0.0106
0.0151
0.0173
0.0228
0.0255
0.0258
0.0408
0.0459
0.0236
0.1090
0.0451
0.0379
0.0208
0.0222
0.0411
0.1346
0.0113
0.0118
0.0196
0.0587
0.0939
0.2226
0.0190
0.0167
0.0300
0.0677
科学技術関係指標と TFP 成長率の関係分析
3.2.1 TFP 成長率と総研究開発集約度の関係性
TFP 成長率を研究開発集約度(研究開発費を売上高で除したもの)のほか、コントロー
ル要因としての TFP レベル、売上高、定数項および業種ダミーで回帰式を設定し、分析を
実施した。なお、研究開発の懐妊期間を考慮し、研究開発集約度は 1 期ラグから 4 期ラグ
までそれぞれ設定して推定を行っている。
 ln TFPt     ln TFPt 1   ln SALESTT t 1   RDINTENS t  x   tj   ik
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)
TFP:全要素生産性、SALESTT:売上高、RDINTENS:研究開発集約度
t:時点、x:集約度のタイムラグ(1 期から 4 期)、Φtj:時点別固定効果、Φik:産業別ダミ
ー
各関数の推定結果は図表 3-4 に示したが、おおむね研究開発の限界収益率(研究開発集約
度の項のパラメータ)はタイムラグが長くなると大きくなる傾向があり、4 期ラグのとき
0.12 で最大となった。
分析の対象を製造業に限定すると収益率はさらに高くなる。一方、非製造業では研究開
発が生産性に与える影響は有意でない結果となっている。
サンプル数が少なくなるので参考になるが、代表的な業種をいくつか抽出して業種別に
推定してみると、タイムラグは 3 期ないし 4 期のときに収益率が最大となる業種が多い。
ただし、医薬品では研究開発の項は有意でない等、研究開発期間がこれ以上に長いこと等
164
から推定できなかった可能性がある。長期間継続して回答データの得られる企業は限られ
ており、データ面の制約から本分析ではこれ以上の掘り下げは断念した。
図表 3-4 総研究開発集約度による TFP 成長率推定結果
(全産業)
8069
0.0766
2.1000
-0.1596
lnTFP(-1)
(-)
***
(-21.8974)
0.0044
ln売上高(-1)
(+)
***
(5.4874)
0.0334
研究開発集約度(-1) (+)
**
(2.1575)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
研究開発集約度(-2) (+)
6554
0.0791
2.0800
-0.1618
***
(-20.0757)
0.0046
***
(5.2727)
5852
0.0744
2.0957
-0.1541
***
(-18.1433)
0.0053
***
(5.8819)
5318
0.0860
2.0477
-0.1789
***
(-19.5806)
0.0056
***
(5.7985)
0.0288
(1.3467)
0.0682
**
(2.5115)
研究開発集約度(-3) (+)
0.1225
***
(3.7622)
研究開発集約度(-4) (+)
注1)上段が推定パラメータ、下段の()内の数値は t 値、「***」は当該変数のパラメータ
の有意水準が 1%以上で有意、「**」は 5%、「*」は 10%。
注2)推定には定数項、時点別固定効果、業種ダミーを含むが上表では記載を省略。
注3)網掛けは想定される符号条件に反し、有意に推定されたことを示す。以下同様。
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)、(-x):x 期ラグ
(全製造業)
6926
0.0670
2.1451
-0.1471
lnTFP(-1)
(-)
***
(-18.8267)
0.0039
ln売上高(-1)
(+)
***
(4.5960)
0.1666
研究開発集約度(-1) (+)
***
(4.6712)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
研究開発集約度(-2) (+)
5698
0.0724
2.1240
-0.1538
***
(-17.8128)
0.0044
***
(4.8689)
5143
0.0724
2.1590
-0.1514
***
(-16.7064)
0.0054
***
(5.6205)
4725
0.0889
2.0625
-0.1830
***
(-18.8120)
0.0060
***
(5.8521)
0.1264
***
(3.0484)
0.1697
***
(4.0749)
研究開発集約度(-3) (+)
0.2004
***
(4.2808)
研究開発集約度(-4) (+)
165
(全非製造業)
1143
0.1387
1.9822
-0.2328
lnTFP(-1)
(-)
***
(-11.6237)
0.0053
ln売上高(-1)
(+)
**
(2.1551)
0.0070
研究開発集約度(-1) (+)
(0.3428)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
856
0.1265
1.9456
-0.2190
***
(-9.6712)
0.0033
(1.2076)
709
0.0945
1.9123
-0.1836
***
(-7.5099)
0.0028
(0.9854)
593
0.0708
1.9668
-0.1644
***
(-6.1010)
0.0014
(0.4568)
-0.0024
(-0.0853)
研究開発集約度(-2) (+)
-0.0044
(-0.1109)
研究開発集約度(-3) (+)
0.0401
(0.8164)
研究開発集約度(-4) (+)
(化学)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
研究開発集約度(-1) (+)
1200
0.0441
2.2825
-0.1180
***
(-6.8316)
0.0022
(1.2746)
0.1370
***
(2.6367)
994
0.0365
2.1832
-0.1130
***
(-5.9169)
0.0041
**
(2.1578)
910
0.0397
2.2164
-0.1161
***
(-5.7145)
0.0038
*
(1.8949)
845
0.0485
2.2829
-0.1339
***
(-6.2961)
0.0051
**
(2.4700)
0.1125
**
(1.9849)
研究開発集約度(-2) (+)
0.1785
***
(2.8704)
研究開発集約度(-3) (+)
0.1610
**
(2.5022)
研究開発集約度(-4) (+)
(一般機械)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
研究開発集約度(-1) (+)
研究開発集約度(-2) (+)
956
0.1340
1.9708
-0.2047
***
(-9.5044)
0.0063
***
(2.8689)
0.3376
***
(3.7103)
781
0.1190
2.0336
-0.1822
***
(-7.6596)
0.0059
**
(2.3711)
697
0.1327
2.0477
-0.2001
***
(-7.9663)
0.0060
**
(2.2217)
630
0.1248
2.0506
-0.2082
***
(-7.6561)
0.0073
**
(2.5425)
0.0096
(0.0977)
0.2601
**
(2.5489)
研究開発集約度(-3) (+)
0.2738
**
(2.0586)
研究開発集約度(-4) (+)
166
(電気機械)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
研究開発集約度(-1) (+)
1169
0.0427
2.1458
-0.1383
***
(-6.8498)
0.0078
**
(2.4530)
0.1542
(1.5364)
939
0.0513
2.0997
-0.1568
***
(-6.9370)
0.0080
**
(2.2928)
841
0.0351
2.0650
-0.1372
***
(-5.7857)
0.0111
***
(2.9704)
768
0.0690
1.8969
-0.1878
***
(-7.2542)
0.0108
***
(2.6363)
0.2001
(1.4789)
研究開発集約度(-2) (+)
0.1667
(1.2021)
研究開発集約度(-3) (+)
0.3687
**
(2.1736)
研究開発集約度(-4) (+)
(卸売・小売)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
研究開発集約度(-1) (+)
622
0.1081
2.0358
-0.2011
***
(-8.0311)
0.0073
**
(2.0921)
0.0035
(0.0894)
478
0.1160
2.0501
-0.1975
***
(-7.0363)
0.0051
(1.3415)
405
0.0796
1.8064
-0.1634
***
(-5.2994)
0.0061
(1.4975)
347
0.0563
1.8383
-0.1461
***
(-4.3443)
0.0001
(0.0202)
0.4752
**
(2.3402)
研究開発集約度(-2) (+)
0.5690
**
(2.4594)
研究開発集約度(-3) (+)
0.5599
**
(1.9864)
研究開発集約度(-4) (+)
(医薬)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
研究開発集約度(-1) (+)
研究開発集約度(-2) (+)
325
0.0999
2.5893
-0.2235
***
(-6.1669)
0.0107
***
(2.6234)
0.0460
(0.4649)
274
0.0858
2.5650
-0.2147
***
(-5.3515)
0.0117
**
(2.5682)
254
0.1071
2.5377
-0.2295
***
(-5.5910)
0.0097
**
(2.0060)
242
0.0937
2.5840
-0.2203
***
(-5.1435)
0.0109
**
(2.1706)
-0.0174
(-0.1533)
0.1779
(1.2596)
研究開発集約度(-3) (+)
0.1276
(0.8519)
研究開発集約度(-4) (+)
167
3.2.2 TFP 成長率と性格別研究開発集約度の関係性
前項では TFP 成長率と研究開発費の総額の集約度との関係性を分析したが、さらに科学
技術研究調査で把握できる性格別研究費を利用して説明変数の詳細化を試みた。
科学技術研究調査では、研究費のうち自然科学(理学,工学,農学及び保健)に使用し
た研究費を「基礎」,「応用」及び「開発」に区分している。この性格によって生産性へ
の占めており、影響のあらわれ方が異なる可能性があると考えられる。なお、平成 24 年の
調査結果によれば、企業では性格別研究費のうち基礎研究が 7%、応用研究が 19%、開発
研究が 74%を占めており、企業で行われる研究開発の多くは開発研究である。
図表 3-5 科学技術研究調査における性格別研究の定義
性格別研究
基礎研究
定義
特別な応用,用途を直接に考慮することなく,仮説や理論を形成するため,
又は現象や観察可能な事実に関して新しい知識を得るために行われる理論
的又は実験的研究
応用研究
基礎研究によって発見された知識を利用して,特定の目標を定めて実用化
の可能性を確かめる研究や,既に実用化されている方法に関して,新たな
応用方法を探索する研究
開発研究
基礎研究,応用研究及び実際の経験から得た知識の利用であり,新しい材
料,装置,製品,システム,工程等の導入又は既存のこれらのものの改良
をねらいとする研究
研究開発集約度を研究開発の性格別(基礎、応用、開発)で分離し、それぞれ推定を試
みたのが図表 3-6 である。基礎研究の項はパラメータの大きさは大きいがタイムラグが 1
期、2 期の際には推定結果は有意ではない。また、パラメータは 4 期ラグのときに最大とな
った。応用研究は 1 期ラグの際に 10%水準で有意となるが、2 期ラグ以上では有意な結果
が得られなかった。開発研究はタイムラグの長さにかかわらず有意であり、4 期ラグのとき
に最大となった。分析の対象を製造業に限定すると収益率はさらに高くなる一方、非製造
業では研究開発が生産性に与える影響は有意に観測されなかった。業種をさらに限定した
分析も試みたが、サンプル数が減ることもあって、安定した推定結果が得られなかった。
168
図表 3-6 性格別研究開発集約度による TFP 成長率推定結果
(全産業)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
ln売上高(-1)
基礎研究開発集約度(-1)
8069
0.0771
2.0981
-0.1607
(-)
***
(-22.0193)
0.0044
(+)
***
(5.4106)
0.3398
(+)
(1.6162)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
6554
0.0798
2.0823
-0.1622
***
(-20.1107)
0.0045
***
(5.2237)
5852
0.0751
2.0958
-0.1552
***
(-18.2582)
0.0052
***
(5.7392)
5318
0.0860
2.0487
-0.1789
***
(-19.5828)
0.0055
***
(5.6215)
0.3602
(1.5947)
0.6006
**
(2.1999)
0.7022
**
(2.2465)
0.0887
*
(1.8246)
-0.0925
(-1.6211)
0.1199
(1.1046)
0.1117
(0.9070)
0.0417
**
(2.1004)
0.0495
**
(1.9670)
0.0670
**
(2.2126)
0.1008
***
(2.8337)
注1)上段が推定パラメータ、下段の()内の数値は t 値、「***」は当該変数のパラメータ
の有意水準が 1%以上で有意、「**」は 5%、「*」は 10%。
注2)推定には定数項、時点別固定効果、業種ダミーを含むが上表では記載を省略。
注3)網掛けは想定される符号条件に反し、有意に推定されたことを示す。以下同様。
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)、(-x):x 期ラグ
169
(全製造業)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
ln売上高(-1)
基礎研究開発集約度(-1)
6926
0.0675
2.1455
-0.1477
(-)
***
(-18.9001)
0.0039
(+)
***
(4.6406)
0.4788
(+)
*
(1.8443)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
5698
0.0729
2.1236
-0.1545
***
(-17.8719)
0.0044
***
(4.8234)
5143
0.0727
2.1592
-0.1519
***
(-16.7634)
0.0054
***
(5.6256)
4725
0.0883
2.0615
-0.1830
***
(-18.7943)
0.0060
***
(5.8197)
0.7119
**
(2.5489)
0.5205
*
(1.7255)
0.4887
(1.4720)
0.0601
(0.6059)
-0.0505
(-0.4661)
0.0548
(0.4831)
0.1368
(1.0475)
0.1964
***
(4.6951)
0.1356
***
(2.7101)
0.1966
***
(4.0093)
0.1928
***
(3.5174)
(全非製造業)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
ln売上高(-1)
基礎研究開発集約度(-1)
1143
0.1389
1.9740
-0.2348
(-)
***
(-11.6976)
0.0055
(+)
**
(2.2171)
0.0415
(+)
(0.1016)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
856
0.1279
1.9539
-0.2175
***
(-9.6103)
0.0034
(1.2481)
709
0.0976
1.9102
-0.1874
***
(-7.6533)
0.0031
(1.0827)
593
0.0740
1.9735
-0.1679
***
(-6.2086)
0.0004
(0.1328)
-0.3317
(-0.7768)
0.7953
(1.2037)
1.9722
**
(2.0892)
0.0981
(1.5130)
-0.1107
(-1.4680)
0.5524
(1.4950)
-0.0657
(-0.1725)
0.0014
(0.0531)
0.0212
(0.6350)
-0.0052
(-0.1222)
0.0220
(0.4351)
170
(化学)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
1200
0.0463
2.2777
-0.1231
***
(-7.0624)
0.0020
(1.1605)
0.5466
**
(2.2128)
994
0.0379
2.1759
-0.1191
***
(-6.1403)
0.0037
*
(1.9322)
910
0.0412
2.2056
-0.1224
***
(-5.9490)
0.0036
*
(1.7786)
845
0.0459
2.2778
-0.1357
***
(-6.3110)
0.0050
**
(2.3970)
0.5661
**
(2.0695)
0.5621
*
(1.8516)
0.6097
*
(1.8566)
-0.0102
(-0.0900)
0.0884
(0.6537)
0.1651
(1.0975)
-0.0062
(-0.0377)
0.1883
**
(2.4074)
0.1033
(1.2162)
0.2185
**
(2.3524)
0.1354
(1.4111)
(一般機械)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
956
0.1339
1.9750
-0.2057
***
(-9.5338)
0.0063
***
(2.8603)
1.6060
(1.1415)
781
0.1197
2.0281
-0.1855
***
(-7.7770)
0.0060
**
(2.4124)
697
0.1335
2.0532
-0.2024
***
(-8.0380)
0.0058
**
(2.1556)
630
0.1243
2.0552
-0.2105
***
(-7.7058)
0.0072
**
(2.5043)
2.8897
(1.6347)
2.0790
(1.1627)
2.3882
(1.3757)
0.5229
(1.5101)
-0.1616
(-0.4696)
-0.0550
(-0.1506)
0.0083
(0.0233)
0.2830
***
(2.9042)
-0.0151
(-0.1472)
0.2887
***
(2.7160)
0.2597
*
(1.8724)
171
(電気機械)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
1169
0.0428
2.1461
-0.1403
***
(-6.9338)
0.0086
***
(2.6609)
-2.1764
(-0.9894)
939
0.0509
2.1013
-0.1583
***
(-6.9779)
0.0087
**
(2.4515)
841
0.0343
2.0634
-0.1386
***
(-5.8364)
0.0117
***
(3.1059)
768
0.0667
1.8945
-0.1870
***
(-7.2033)
0.0107
**
(2.5550)
-0.9133
(-0.3912)
-1.6079
(-0.6935)
-1.9741
(-0.7495)
-0.0276
(-0.0776)
-0.3303
(-0.8801)
-0.1161
(-0.2992)
0.6963
(1.1493)
0.1975
*
(1.8439)
0.2451
(1.6317)
0.2258
(1.4559)
0.3538
*
(1.9606)
(卸売・小売)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
622
0.1124
2.0255
-0.2027
***
(-8.0860)
0.0070
**
(1.9897)
0.9235
(1.1541)
478
0.1261
2.0647
-0.2029
***
(-7.2531)
0.0068
*
(1.7346)
405
0.0823
1.8146
-0.1668
***
(-5.3998)
0.0063
(1.4708)
347
0.0613
1.8612
-0.1410
***
(-4.2233)
-0.0026
(-0.5627)
-0.3443
(-0.3729)
0.8254
(0.8249)
2.5862
**
(2.3637)
-1.5042
**
(-2.0382)
-0.3999
(-0.4849)
-0.5192
(-0.6114)
-1.0707
(-1.1829)
0.0500
(0.6695)
0.8397
***
(3.5563)
0.7586
***
(2.7625)
0.4359
(1.2097)
172
(医薬)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-2)
(+)
基礎研究開発集約度(-3)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-1)
(+)
応用研究開発集約度(-2)
(+)
応用研究開発集約度(-3)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-1)
(+)
開発研究開発集約度(-2)
(+)
開発研究開発集約度(-3)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
325
0.0969
2.5895
-0.2257
***
(-6.1810)
0.0103
**
(2.5164)
0.3392
(0.9056)
274
0.0825
2.5607
-0.2199
***
(-5.4290)
0.0108
**
(2.3424)
254
0.1031
2.5425
-0.2332
***
(-5.6413)
0.0094
*
(1.9358)
242
0.0897
2.5956
-0.2225
***
(-5.1520)
0.0105
**
(2.0854)
0.3970
(0.9381)
0.5910
(1.2014)
0.6806
(1.2337)
-0.1151
(-0.6610)
-0.1387
(-0.5801)
0.0959
(0.3223)
-0.0043
(-0.0127)
0.0498
(0.3132)
0.0023
(0.0132)
0.1976
(0.9480)
0.0798
(0.3907)
ここまでは、性格別の研究開発集約度のタイムラグを変更しつつ回帰分析を行ったが、
同じ式においてはいずれの性格であっても同じタイムラグ期間を設定して分析を行ってい
た。しかし、基礎研究と応用研究、開発研究などの性格によって研究開発の成果が生産性
に影響を及ぼすまでのタイムラグが異なっている可能性がある。そこで基礎、応用、開発
のそれぞれについてタイムラグを 1 期から 5 期に設定し、すべての組み合わせ(5×5×5
=125 通り)について回帰分析を試みた(参考資料 H:生産性と性格別研究開発集約度の
タイムラグ構造)。
全体的な傾向としては、基礎および開発研究は TFP に対して有意に正の影響を及ぼして
いるが、応用研究についての符号は正であるものの、有意性が低い結果となっている。ま
た、有意性は 4 期ラグのときに最も大きくなる(5 期よりも 4 期の方が大きい)傾向が共通
しており、性格によってタイムラグが異なる傾向は明確には観測されなかった。
173
3.2.3 TFP 成長率と性格別研究開発集約度、他の研究関連指標の関係性
第 1 章、第 2 章でとりあげてきたとおり、TFP を構成する要素は研究開発だけではない。
ここでは、科学技術研究調査から入手できるいくつかの研究関連指標について TFP との関
係性分析に追加することを試みた。
ここでは、第 3.2.2 小節の分析で用いた TFP 成長率を性格別研究開発集約度(4 期ラグ)
で説明した関数に、その他の研究関連指標として社外支出研究開発集約度、公的部門から
投入された研究開発集約度、研究者一人当たり研究費、従業員に占める研究者の割合、研
究者中のドクター保有者の割合、研究者中の転入研究者の割合を加味した関数をそれぞれ
推定した。
各関数の推定結果は図表 3-7 に示したが、おおむねいずれの変数についても TFP との間
に有意な関係はみられなかった。ただし、「従業員に占める研究者の割合」は 3 期ラグと
したときに 10%水準で有意となっており、タイムラグを異なった期間に設定したケースで
も符号は正となっている(3 期ラグ以外では有意性が不足)。
図表 3-7 性格別研究開発集約度と他の研究関連指標による TFP 成長率推定結果
(社外支出研究費)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
社外支出研究開発集約度(-1) (+)
5318
0.0858
2.0487
-0.1789
***
(-19.5813)
0.0055
***
(5.6211)
0.7046
**
(2.2509)
0.1123
(0.9112)
0.1016
***
(2.8180)
-0.0179
(-0.1471)
5093
0.0856
2.0364
-0.1774
***
(-19.0934)
0.0052
***
(5.3787)
0.6502
**
(2.0667)
0.1756
(1.4023)
0.1196
***
(3.3059)
5118
0.0728
2.1417
-0.1575
***
(-17.2935)
0.0056
***
(5.8347)
0.6861
**
(2.2140)
0.1159
(0.9160)
0.1040
***
(2.9451)
5318
0.0861
2.0491
-0.1790
***
(-19.5917)
0.0054
***
(5.5520)
0.6730
**
(2.1458)
0.1089
(0.8843)
0.0951
***
(2.6502)
0.0228
(0.1841)
社外支出研究開発集約度(-2) (+)
-0.1034
(-0.8164)
社外支出研究開発集約度(-3) (+)
0.1561
(1.1396)
社外支出研究開発集約度(-4) (+)
174
(公的部門から投入された研究開発集約度)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
公的部門から投入された研究
開発集約度(-1)
公的部門から投入された研究
開発集約度(-2)
公的部門から投入された研究
開発集約度(-3)
公的部門から投入された研究
開発集約度(-4)
(+)
5318
0.0860
2.0489
-0.1793
***
(-19.6102)
0.0054
***
(5.6017)
0.7083
**
(2.2656)
0.1177
(0.9548)
0.1039
***
(2.9132)
-1.1265
(-1.0974)
5093
0.0857
2.0358
-0.1777
***
(-19.1079)
0.0052
***
(5.3858)
0.6586
**
(2.0963)
0.1783
(1.4234)
0.1240
***
(3.4346)
5118
0.0727
2.1420
-0.1576
***
(-17.2961)
0.0055
***
(5.7954)
0.6698
**
(2.1659)
0.1136
(0.8971)
0.1006
***
(2.8643)
5318
0.0861
2.0484
-0.1791
***
(-19.5980)
0.0054
***
(5.5786)
0.7030
**
(2.2489)
0.1245
(1.0069)
0.1041
***
(2.9189)
-0.7832
(-0.7381)
(+)
-0.1707
(-0.1585)
(+)
-0.8864
(-1.1651)
(+)
(研究者一人当たり研究費)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
研究者一人当たり研究費(-1)
(+)
研究者一人当たり研究費(-2)
(+)
研究者一人当たり研究費(-3)
(+)
研究者一人当たり研究費(-4)
(+)
5066
0.0891
2.0392
-0.1810
***
(-19.4385)
0.0053
***
(5.2475)
0.6962
**
(2.2245)
0.1166
(0.9436)
0.1057
***
(2.9473)
0.0000
(1.2102)
4875
0.0861
2.0504
-0.1778
***
(-18.8117)
0.0052
***
(5.1757)
0.6534
**
(2.0813)
0.2008
(1.6004)
0.1249
***
(3.4689)
4887
0.0709
2.1520
-0.1559
***
(-16.6326)
0.0057
***
(5.7253)
0.6876
**
(2.2033)
0.0990
(0.7724)
0.1032
***
(2.8852)
5043
0.0811
2.0696
-0.1723
***
(-18.2469)
0.0055
***
(5.5121)
0.7085
**
(2.2486)
0.1211
(0.9734)
0.1028
***
(2.8180)
0.0000
(1.0945)
0.0000
(-0.1146)
0.0000
(-0.5973)
175
(従業員に占める研究者の割合)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
従業員に占める研究者の割合
(-1)
従業員に占める研究者の割合
(-2)
従業員に占める研究者の割合
(-3)
従業員に占める研究者の割合
(-4)
(+)
5318
0.0863
2.0473
-0.1806
***
(-19.6460)
0.0053
***
(5.4298)
0.6878
**
(2.1998)
0.0711
(0.5657)
0.0652
(1.5633)
0.0338
(1.6312)
5093
0.0857
2.0360
-0.1783
***
(-19.0487)
0.0052
***
(5.3066)
0.6457
**
(2.0549)
0.1550
(1.2093)
0.1030
**
(2.4364)
5118
0.0732
2.1401
-0.1594
***
(-17.3905)
0.0054
***
(5.6119)
0.6511
**
(2.1053)
0.0530
(0.4044)
0.0540
(1.2312)
5318
0.0861
2.0476
-0.1801
***
(-19.6121)
0.0053
***
(5.4410)
0.6953
**
(2.2241)
0.0671
(0.5238)
0.0614
(1.2937)
0.0170
(0.7777)
(+)
0.0424
*
(1.7412)
(+)
0.0334
(1.2517)
(+)
(研究者中のドクター保有者の割合)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
研究者中のドクター保有者の
割合(-1)
研究者中のドクター保有者の
割合(-2)
研究者中のドクター保有者の
割合(-3)
研究者中のドクター保有者の
割合(-4)
(+)
3955
0.0933
2.0786
-0.1883
***
(-17.6382)
0.0045
***
(3.7887)
0.8337
**
(2.2263)
0.1602
(1.0804)
0.1033
**
(2.5115)
0.0185
(0.9841)
2805
0.0995
2.0539
-0.1966
***
(-15.7653)
0.0052
***
(3.7040)
1.2807
***
(2.8921)
0.1011
(0.5559)
0.0962
**
(1.9646)
1902
0.0762
2.0751
-0.1538
***
(-10.3888)
0.0051
***
(2.9224)
1.7802
***
(2.7587)
-0.1801
(-0.7715)
0.0320
(0.5522)
975
0.1203
0.0000
-0.2218
***
(-10.8011)
0.0029
(1.1253)
2.0314
**
(2.1161)
-0.2626
(-0.8378)
-0.0684
(-0.9002)
0.0181
(0.7947)
(+)
0.0294
(1.0197)
(+)
0.0399
(0.9852)
(+)
176
(研究者中の転入研究者の割合)
データ数:
自由度修正済決定係数:
D.W.比:
lnTFP(-1)
(-)
ln売上高(-1)
(+)
基礎研究開発集約度(-4)
(+)
応用研究開発集約度(-4)
(+)
開発研究開発集約度(-4)
(+)
研究者中の転入研究者の割合
(-1)
研究者中の転入研究者の割合
(-2)
研究者中の転入研究者の割合
(-3)
研究者中の転入研究者の割合
(-4)
(+)
3955
0.0933
2.0786
-0.1883
***
(-17.6382)
0.0045
***
(3.7887)
0.8337
**
(2.2263)
0.1602
(1.0804)
0.1033
**
(2.5115)
0.0185
(0.9841)
2805
0.0995
2.0539
-0.1966
***
(-15.7653)
0.0052
***
(3.7040)
1.2807
***
(2.8921)
0.1011
(0.5559)
0.0962
**
(1.9646)
1902
0.0762
2.0751
-0.1538
***
(-10.3888)
0.0051
***
(2.9224)
1.7802
***
(2.7587)
-0.1801
(-0.7715)
0.0320
(0.5522)
975
0.1203
0.0000
-0.2218
***
(-10.8011)
0.0029
(1.1253)
2.0314
**
(2.1161)
-0.2626
(-0.8378)
-0.0684
(-0.9002)
0.0181
(0.7947)
(+)
0.0294
(1.0197)
(+)
0.0399
(0.9852)
(+)
177
3.2.4 今後の課題
今回の試行では、総務省「科学技術研究調査」と経済産業省「企業活動基本調査」の企
業レベルの個票データを接続することにより、企業の TFP と研究開発集約度の間には有意
に正の関係があり、製造業ではよりその傾向が強まるが、非製造業では両者の関係は希薄
になること、TFP と研究開発集約度との関係にはタイムラグがあること等が明らかになっ
た。
一方で、基礎や応用、開発等の性格による違い、企業における研究者の割合や流動性と
いった変数による生産性への影響を観測することはできなかった。
しかし、第 2 章でとりあげた国レベルのマクロデータによる分析の場合と同様、今回の
分析はあくまでも現在利用可能なデータを使って試行した暫定的なものである。今後、知
識の生産や利用等の関連データの充実を図るとともに、それらデータを活用して研究を深
化させていくことが必要であり、そうすることで今回の分析では捉えきれなかった実態を
明らかにしていくことも可能になると考えられる。

知識と産業の結びつきの強さによって、公的な知識ストック等からのスピルオーバー
効果も変わってくる可能性がある。サイエンスリンケージ(特許中の学術論文の引用
件数)等の共通の尺度によって産業、時点間の実態を把握し、分析に利用していくこ
とが望ましい。

第 2.1.3 小節でとりあげたように TFP に含まれる要因は様々である。研究開発以外に
ついても TFP に影響を与えうる要因については、指標化して説明変数に加え、その影
響をコントロールして分析することが望ましい。

企業レベルの TFP の推計には、参考資料 G に示したように、産業別有形固定資産の時
価・簿価比率、各生産要素(資本・労働・中間投入)のコスト等のデータを用いる。
たとえば時価・簿価比率を算出するために必要な長期間の産業別有形固定資産額等、
必要な関連データは様々である。企業の生産性分析を行うたびにデータを一から整備
するのは非効率的であり、必要なデータセットを継続的にメンテナンスする、企業活
動基本調査等の統計調査の個票データから TFP を推計するプロセスを NISTEP 内部で
標準化するといったことが望ましい。

今後、科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因と相
互関係についての検討を進めるとともに、その構造を明らかにするために必要なデー
タを充実させていくことにより、実態の把握や分析に役立てていくことが求められる。
178
参考資料
参考資料 A:R&D のストック化に関する先行調査研究(公的機関)
経済企画庁(1982)「企業行動に関するアンケート調査」、1982 年 1 月
日本開発銀行(1987)、(現日本政策投資銀行)設備投資研究所「民間企業の研究開発に関する
アンケート調査」、1987 年
経済団体連合会(1998)、「産業技術力強化のための実態調査報告書」、1998 年
【経団連会員企業アンケート(有効回答数 123 社)】
開発リードタイム
10 年前
5年前
食料品
パルプ・紙
石油精製・製品
鉄鋼
非鉄
繊維
化成品
洗剤・化粧品・油脂
医薬品
ゴム製品
窯業・土石製品
金属製品
重電機器
家電機器
半導体・デバイス
情報・通信機器
自動車
船舶
産業機械
精密機器
電力・ガス・原子力
情報・通信サービス
建築
エンジニアリング
2.2
5
2.6
4.3
3.5
4.2
5
7
9.9
2
4.5
5.8
6.6
1.6
4.2
3.8
4.7
2.2
3.1
3.1
6.6
3.8
3.3
4
2
5
2
3
2.3
3.5
3.9
4.7
10.8
1.3
3.2
5.8
6
1.5
3.2
2.5
3.4
2.2
2.4
2.4
7.4
3.1
2.5
3.5
全事業分野平均
4.3
3.6
製品ライフサイクル
10 年前
5年前
1.7
3
1.8
2.6
1.6
2.4
3
2.8
13.2
0.6
2.4
3.1
5.4
1.1
1.9
1.6
2.3
1.8
1.5
1.8
9.2
1.8
2
3.3
6.4
15
8.5
13.1
7.5
5.8
14.1
7.7
15.8
5.5
13
20
24.4
1.6
5.4
4.8
7.3
14.2
14.7
6.3
18.4
8.8
7.7
21.3
4.4
12.5
6.7
11.1
5.7
4.8
8.5
6.7
12
4
10.6
10
23.6
1.3
3.8
3.4
5.3
14.2
10.9
5.2
19.2
4.9
6.5
19.3
2.8
10
5.9
9.4
3.8
4.1
5.7
5.7
9
2.5
9.6
10
23.1
0.9
2.9
2
4.6
14.2
9.1
4.1
26.8
3.6
5.7
18.8
3
11.1
8.9
8.1
現
179
在
現
在
科学技術庁(1985)、「民間企業の研究活動に関する調査(昭和 60 年度)」
繊維工業
化学工業
医薬品工業
石油・石炭製品工業
窯業
鉄鋼業
自主技術
研究期間
特許収入
期間
3
5
8
5
4
3
8.7
12.6
10.0
13.0
14.0
12.2
自主技術
研究期間
特許収入
期間
4
3
3
3
3
2
13.3
9.8
13.8
7.4
9.5
4.1
非鉄金属工業
金属製品工業
機械工業
電気機械工業
輸送用機器工業
精密機械工業
科学技術政策研究所(1999)、「研究開発関連政策が及ぼす経済効果の定量的評価手法に関する調
査(中間報告)」、1999 年 6 月
【企業、大学・研究機関アンケート(有効回答数 630 社、456 大学、476 機関)】
民間企業計
建設業
製造業
運輸・通信・公益
私立大学
懐妊期間
(年)
陳腐化率
(%)
5
4
5
4
9
10.56
19.57
10.05
26.06
8.61
懐妊期間
(年)
陳腐化率
(%)
12
7
9
8
9
6
6.95
9.02
4.73
8.67
7.45
7.72
国立大学
公立大学
大学共同利用機関
特殊法人
国立試験研究機関
公立試験研究機関
科学技術政策研究所(2010)、「平成 21 年度民間企業の研究活動に関する調査報告」、『NISTEP
REPORT』No.143、2010 年 8 月
科学技術政策研究所(2012)、
「分野別知識ストックに係るデータの収集・分析」、
『NISTEP NOTE
(政策のための科学)』No.1、2012 年 7 月
【NISTEP(2010)で実施した企業アンケート(有効回答数 1414 社)から特許出願
数データを用いて分野別に推計】
公的部門
懐妊期間(年)
陳腐化率(%)
ライフサイエンス
情報通信
環境
物質材料
ナノテクノロジー
エネルギー
宇宙開発
海洋開発
その他
全体
7.0
7.5
8.0
7.0
8.6
6.3
12.0
10.5
4.5
7.0
12.5
16.7
20.0
11.1
20.0
11.1
6.7
6.7
20.0
14.3
180
民間部門
懐妊期間(年)
陳腐化率(%)
4.06
4.03
3.84
3.84
3.96
3.90
3.81
3.90
3.90
3.91
32.7
26.9
30.1
32.5
31.2
26.9
26.3
28.0
28.6
28.8
蜂谷義明(2005)、「研究開発の循環性、収益性の検討-設備投資との比較を中心に-」、日本
政策投資銀行『調査』No.81、2005 年 3 月
冨田秀昭(2005)、
「R&D のスピルオーバー効果分析
-日本のハイテク産業における実証-」、
日本政策投資銀行設備投資研究所『経済経営研究』、Vol. 26(2)、2005 年 6 月
中野諭(2008)、「企業レベルの R&D ストックと全要素生産性の計測」、内閣府経済社会総合
研究所
『平成 19 年度 イノベーション政策及び政策分析手法に関する国際共同研究』No.2、
第 3 章、平成 20 年 3 月
川崎泰史(2006)、
「R&D の資本化について」、内閣府経済社会総合研究所『New ESRI Discussion
Paper』No.1、2006 年 12 月
内閣府経済社会総合研究所(2011)、「R&D サテライト勘定の調査研究 報告書」、『季刊国
民経済計算』No.144、2011 年 2 月
内閣府経済社会総合研究所(2012)、「我が国の国民経済計算における R&D 資本化の導入に向
けて」、『季刊国民経済計算』No.149、2012 年 9 月
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Ulku, H. (2004), “R&D, Innovation, and Economic Growth: An Empirical Analysis”, IMF Working Paper,
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Abdih, Y. and F. Joutz (2005), “Relating the Knowledge Production Function to Total Factor Productivity:
An Endogenous Growth Puzzle”, IMF Working Paper, WP/05/74
Khan, M. and K. B. Luintel (2006), “Sources of Knowledge and Productivity: How Robust is the
Relationship?” OECD Science, Technology and Industry Working Papers, 2006/06,
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OECD (2010), “Handbook on Deriving Capital Measures of Intellectual Property Products”, OECD
181
参考資料 B:知識ストックと生産性の関係性等の分析に関する先行調査研究(公的
機関)
B.1 サーベイした先行研究事例の一覧
1.
Giorno, C., P. Richardson and W. Suyker (1995), “Technical progress, factor productivity and
macroeconomic performance in the medium term”, OECD Economic Studies No.25, 1995/II
2.
Sakurai, N., E. Ioannidis and G. Papaconstantinou (1996), “The Impact of R&D and Technology
Diffusion on Productivity Growth: Evidence for 10 OECD Countries in the 1970s and 1980s”, OECD
Science, Technology and Industry Working Papers, 1996/02
3.
Guellec, D. and B. van Pottelsberghe (1997), “Does government support stimulate private R&D?”,
OECD Economic Studies No. 29, 1997/II, p95-p122.
4.
Guellec, D. and E. Ioannidis (1997), “Causes of fluctuations in R&D expenditures – a quantitative
analysis”, OECD Economic Studies No. 29, 1997/II, p123-p138.
5.
Guellec, D. and B. van Pottelsberghe (2000), “The Impact of Public R&D Expenditure on Business
R&D”, OECD Science, Technology and Industry Working Papers, 2000/04
6.
Bassanini, A. and S. Scarpetta (2001), “The Driving Forces of Economic Growth: Panel Data
Evidence for the OECD Countries”, OECD Economic Studies, 2001/2.
7.
Verspagen, B. (2001), “Economic Growth and Technological Change: An Evolutionary
Interpretation”, OECD Science, Technology and Industry Working Papers, 2001/01,
8.
Guellec, D. and B. van Pottelsberghe (2001), “R&D and Productivity Growth: Panel Data Analysis of
16 OECD Countries”, OECD Economic Studies, 2001/2.
9.
Pilat, D. and F. C. Lee (2001), “Productivity Growth in ICT-producing and ICT-using Industries: A
Source of Growth Differentials in the OECD?”, OECD Science, Technology and Industry Working
Papers, 2001/04,
10. Colecchia, A. and P. Schreyer (2003), “The contribution of information and communication
technologies to economic growth in nine OECD countries”, OECD Economic Studies, 2002/1.
11. Pilat, D., F. Lee and B. van Ark (2003), “Production and Use of ICT: A Sectoral Perspective on
Productivity Growth in the OECD Area”, OECD Economic Studies, 2002/2.
12. Bourlès, R. and G. Cette (2005), “A comparison of structural productivity levels in the major
industrialised countries”, OECD Economic Studies, 2005/2.
13. Luintel, K. B. and M. Khan (2005), “An Empirical Contribution to Knowledge Production and
Economic Growth”, OECD Science, Technology and Industry Working Papers, 2005/10
14. Khan, M. and K. B. Luintel (2006), “Sources of Knowledge and Productivity: How Robust is the
Relationship?”, OECD Science, Technology and Industry Working Papers, 2006/06,
15. Wölfl, A. and D. Hajkova (2007), “Measuring Multifactor Productivity Growth”, OECD Science,
Technology and Industry Working Papers, 2007/05
182
16. Ulku, H. (2004), “R&D, Innovation, and Economic Growth: An Empirical Analysis”, IMF Working
Paper, WP/04/185
17. Abdih, Y. and F. Joutz (2005), “Relating the Knowledge Production Function to Total Factor
Productivity: An Endogenous Growth Puzzle”, IMF Working Paper, WP/05/74
18. Coe , D., E. Helpman, and A. Hoffmaister (2008), “International R&D Spillovers and Institutions”,
IMF Working Paper, WP/08/104
19. Cova, P., M. Pisani, N. Batini, and A. Rebucci (2009), “Global Imbalances: The Role of Non-Tradable
Total Factor Productivity in Advanced Economies”, IMF Working Paper, WP/09/63
20. Afonso, A. and J. Gonzalez (2008), “Economic Growth and Budgetary Components: A Panel
Assessment for the EU”, ECB Working Paper No. 848
183
B.2 先行研究で採られていた分析方法、利用データ等の概要
分析手法
1
Δ民間部門の付加価値=(Δ労働効率性, Δ雇用
対象国・
データ
備考(分析の組合
地域
期間
せ)
G7 諸国
備考(データ)
推定結果等は記載
数, Δ平均労働時間, Δ民間資本蓄積) の関数
なし、シミュレーショ
を組み込んだ OECD 保有のマクロモデル、
ン結果のみ
INTERLINK モデルでシミュレーション
2
3
業種別に推定
TFP 上昇率=f(研究開発集約度)の関数を国際
OECD
1970 年
パネルデータにより推定
主要
代~90
10 か国
年
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金
OECD
1981~
関数形等を変えつ
・国別の補助率
R&D, Δ優遇措置) の関数を国際パネルデータ
17 カ国
96 年
つ、全対象をプール
やランク変数に
して推定
ついてはソース
により推定
関数はエラーコレクション型関数で推定
や作成方法が明
分析手法は SURE を利用
記されていな
い。
・資金拠出主体
別は MSTI であ
る程度把握可能
4
Δ民間資金 R&D=f(ΔGDP, Δ政府資金による民
OECD
1972~
間の R&D、構造変化要因、実質長期金利) の関
12 カ国
95 年
G6、G12 別に推定
・構造変化要因
はハイテク部門
数を、国際パネルデータにより推定
の R&D シェアを
関数はエラーコレクション型関数で推定
GDP シェアで加
重平均したもの
5
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金
OECD
1984~
タイムラグや変数を
・国別の補助率
R&D, Δ優遇措置, Δ政府 R&D, Δ大学等 R&D)
17 カ国
96 年
変えつつ、全対象を
やランク変数に
プールして推定
ついてはソース
の関数を国際パネルデータにより推定
分析手法は 3SLS を利用
や作成方法が明
記されていな
い。
6
ΔGDP=f(Δ物的資本蓄積, Δ人的資本蓄積、Δ
OECD
1971~
変数を変えつつ、全
・人的資本=学
人口、Δ物価, Δ政府の大きさ, ΔR&D、Δ金融
21 カ国
98 年
対象をプールして推
校教育平均年数
定
×生産年齢人口
市場の発達度、Δ貿易等) の関数を国際パネル
データにより推定
184
分析手法
7
8
対象国・
データ
備考(分析の組合
地域
期間
せ)
備考(データ)
ΔGDP=f(Δ特許、Δ投資、Δキャッチアップポ
OECD
1966~
関数形等を変えつ
・キャッチアップ
テンシャル、Δ輸出、ΔR&D)の関数を国際パネ
諸国等
95 年
つ、全対象をプール
ポテンシャル=
ルデータに基づいて推定
29 カ国
して推定
一人当たり GDP
MFP=f(企業 R&D ストック、海外 R&D ストック、
OECD
1980~
全対象をプールして
・海外 R&D は他
公的 R&D ストック、Δ雇用、国別短期効果)等の
16 カ国
98 年
推定
国の R&D ストッ
MFP 関数を国際パネルデータに基づいて推定
クを二国間の技
分析手法は OLS のほか 3SLS や SURE を利用
術近接性をウェ
イトとして合算
・R&D の懐妊期
間は 0 年、陳腐
化率は 15%
9
生産性を国・年代ごとに全体および産業(製造
11 カ国
1970~
国、年代、業種別に
99 年
要因分解
OECD
1980~
経済成長への ICT
主要
2000 年
寄与度を国別、年代
業、うち電子機器、サービス業、ICT 生産業)別に
計測し、寄与度分解
10
経済成長への ICT 寄与度を国別、年代別に推計
9 カ国
別に推計(関数の推
定結果は記載なし)
11
経済成長への ICT など産業別寄与度を国別、年
OECD
1990~
経済成長への ICT
代別に推計し、比較
19 カ国
2000 年
など産業別寄与度
を国別、年代別に推
計
12
Δ時間当たり労働生産性=f(Δ雇用量, Δ労働年
OECD
1992~
変数、対象国のグル
齢人口、Δ雇用率、Δ自営業率、Δ全体に占め
25 カ国
2002 年
ープを変えつつ推定
当期の国内への知識の流入(フロー)=f(1 期前の
OECD
1981~
関数形、推計方法を
国内への知識の流入(フロー), 研究者への利
19 カ国
2000 年
変えつつ、全対象を
る公的雇用比率、Δ年間平均労働時間、Δパー
トタイム労働率、Δ投資比率(対 GDP)、ΔICT 生
産比率(対 GDP)、ΔICT 投資比率(対 GDP)、Δ
R&D 投資比率(対 GDP)、Δインターネットユーザ
ー数、ΔGDP、Δ消費者物価指数)の関数を国際
パネルデータにより推定
13
プールして推定
益、国内の知識量(ストック)、その他の国の知識
量(ストック))の関数を国際パネルデータにより推
定
185
分析手法
14
対象国・
データ
備考(分析の組合
地域
期間
せ)
MFP=f(MFP(1 期ラグ)、民間知識ストック、公的
OECD
1980~
分析手法、推計方
・人的資本=学
知識ストック、海外知識ストック、人的資本、公的
16 カ国
2002 年
法を変えつつ、全対
校教育平均年数
象をプールして推定
×生産年齢人口
インフラ、対外・対内直接投資、ハイテク輸出・輸
15
16
備考(データ)
入、景気循環)の関数を国際パネルデータにより
・R&D ストックの
推定
陳腐化率は
OLS や IV 法による通常のパネル分析では企業
15%
R&D 以外安定した結果が得られず、Dynamic
・海外 R&D は#8
Heterogeneous パネルモデルで推定。
等と同様の方法
成長会計による MFP の推計および労働、資本の
OECD
1990~
寄与度分解
14 カ国
2003 年
TFP、就業者当たり特許取得件数、GDP=f(特許
OECD
1981~
被説明変数、説明
・特許ストックの
ストック、中等学校就学率、カントリーリスク、市
諸国等
1997 年
変数、対象国・地域
陳腐化率は
場のオープン性、製造業輸入率等)の関数を国
30 カ国
のグループを変えつ
20%
つ推定
・リスク指標は世
際パネルデータに基づいて推定
国、年別に要因分解
分析手法は固定効果モデルおよび GMM 法
界銀行が出所と
のこと。オープン
性については詳
細不明
17
特許出願数=f(特許ストック、科学者・エンジニア
米国
数)および TFP=g(特許ストック)の関数が長期
的に成立することを共和分分析によって検証
1948~
アメリカのマクロの
特許ストックはS
97 年
み
=出願+(1-
陳腐化率)×
S(-1)。ストックの
陳腐化率は
15%を基本に
0、5、10%でも推
定(いずれでも
結果は頑健)
186
分析手法
18
TFP=f(国内 R&D ストック、輸入比率×海外 R&D
備考(データ)
対象国・
データ
備考(分析の組合
地域
期間
せ)
24 カ国
1971~
変数を変えつつ、全
・特許保護は先
2004 年
対象をプールして推
行研究で作成さ
定
れた指標、法的
分析手法としては通
起源はイギリ
常の OLS のほか、
ス、ドイツ、フラ
Dynamic OLS を利
ンス、スカンジナ
用
ビア
ストック、人的資本、特許保護、法的起源等)の
関数を国際パネルデータに基づいて推定
・海外 R&D は二
国間輸入をウェ
イトとして他国の
R&D を合算
・R&D ストックの
陳腐化率は 5%
19
DSGE モデルを用いて TFP が経済に与えた影響
5 地域
1994 年
をシミュレーション分析
(米国、
第4四
ユーロ
半期を
圏、日
定常状
本、アジ
態とし、
ア新興
500 四
国、そ
半期
の他)×
2 部門
(貿易
財、非
貿易財)
20
GDP 成長率や生産性上昇率を公的債務や民間
EU-15
1971~
被説明変数、説明
投資、人口成長率等を操作変数とし、政府の各
諸国
2006 年
変数、年代を変えつ
つ推定
種支出、収入で説明する関数を推定
分析手法は、Arellano-Bond 動学パネル推定
187
B.3 収集した各先行研究の概要
Technical progress, factor productivity and macroeconomic performance
in the medium term
著者
Claude Giorno, Pete Richardson and Wim Suyker
発表媒体・時期
OECD, OECD Economic Studies 1995(11)
分析方法
Δ民間部門の付加価値=(Δ労働効率性, Δ雇用数, Δ平均労働時間, Δ民間
資本蓄積) の関数を組み込んだ OECD 保有のマクロモデル、INTERLINK モ
デルでシミュレーション
分析対象国・地域 G7(米国、日本、ドイツ、フランス、イタリア、英国、カナダ)
分析対象期間
記載なし(1995 年以前)
(1)タイトル
(概要)
INTERLINK モデル(OECD が開発したマクロ経済モデル)を用いて、新技術が導入されるこ
とによりマクロ経済にどのような影響がでるかをシミュレーション。

全要素生産性の上昇は生産性と実質所得の増加をもたらすが、どの程度調整されるかは、技
術の変化がどの程度経済の長期的均衡に影響を与えるかに依存する。

仮に労働効率性の成長の方が全要素生産性よりも永続的に大きいとすると、実質賃金がゆっ
くり調整される場合においては、失業率は下がっていく。

潜在的な生産性向上により、国内の需要をインフレ圧力なく引き上げる効果をもたらす。ま
た海外の需要が高まるか、他の OECD 諸国で同時に生産性が高まれば、競争によって潜在
的な生産性と実際の需要のギャップを埋める効果がある。

金融市場における条件と、金融市場の反応が、経済の調整過程を強化する上で特に重要な要
素になる。たとえば、名目利子率が硬直的である場合、調整過程がうまく働かず、均衡への
到達は遅くなる。

労働市場の不完全性によって、NAIWU(インフレを加速させない賃金水準)が上昇し続け
る極端なケースでは、技術進歩の便益は部分的に失われてしまう。

市場硬直性を小さくしていくことが、技術進歩が進む中では重要となる。
The Impact of R&D and Technology Diffusion on Productivity Growth:
Evidence for 10 OECD Countries in the 1970s and 1980s
著者
Norihisa Sakurai, Evangelos Ioannidis, George Papaconstantinou
発表媒体・時期
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 1996/02
分析方法
TFP 上昇率=f(研究開発集約度)の関数を国際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD の主要 10 か国(G7 各国、オーストラリア、デンマーク、オランダ)
分析対象期間
1970 年代~90 年
(2)タイトル
(概要)
技術の変化は長期的な経済成長の背後にある主要な原動力であり、両者の関係が経済学者や政策
立案者の間で注目されている。研究開発活動は技術の進歩、イノベーションの成果による生産性
への貢献につながり、生活水準の向上や雇用の創出など経済全体にも影響を及ぼしうるものであ
る。本稿はこうした認識の下で、R&D と生産性や国際的なスピルオーバーの関係は 1970 年代と
80 年代で変わってきたのかについて分析したものである。
188
まず成長会計の考え方に基づいて、対象 10 カ国のマクロおよび産業別の TFP を推計している。
結果を概観すると 1970 年代から 80 年代にかけての各国の経済成長のうち 42%が TFP、37%が
資本、21%が労働投入によって説明できるものとした。
次に一般的なコブ・ダグラス型生産関数に基づき、R&D 変数と TFP の関係性について回帰分
析を実施している。なお、R&D ストックの計測が困難なことからフローである R&D の集約度を
説明変数として用いており、国内の R&D、海外からの技術導入等、複数のパターンで分析を行
っている。分析結果によると、研究開発の限界収益率は製造業では全データをプールして分析す
ると約 15%で年代による有意な違いもみられなかったが、国・年代別に分析を行うと 1970 年代
には日本が約 40%と最大であったが、80 年代にはイタリアが約 50%と最も高くなったとしてい
る。一方、サービス業では平均して 1970 年代に 130%、80 年代に 190%と製造業よりも顕著に
高い結果を示したとしている。
(3)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
Does government support stimulate private R&D?
Dominique Guellec, Bruno van Pottelsberghe de la Potterie
OECD, OECD Economic Studies No. 29, 1997/II P95~122
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金 R&D, Δ優遇措置) の関数を国
際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD17 カ国
分析対象期間
1981~96 年
(概要)
財政刺激や直接的補助金が、企業の事業資金による研究開発に影響を与えたかどうかを調査し
たもの。分析では、以下のようなエラーコレクションモデルの数式を国際パネルデータに基づい
て SURE 法で推定しているほか、補助率を組み込んだ関数についても分析を行っている。
 ln RPit   ln RPit 1   ln VAit   1  ln VAit 1   ln RGit   1 ln RG it 1   ln Bit   1 ln Bit 1
  2 ln RPit 2   2 ln VAit 2   2 ln RG it 2   2 ln Bit 2
  i   t   it
RP:民間資金により民間で実施された R&D、VA:ビジネス部門付加価値、RG:政府資金により民間で実
施された R&D
B:研究開発税制指数、i:国、t:時点

少なくとも短期間では、財政的インセンティブ、直接的補助金の両方が民間の研究開発投資
を喚起した。

長期的にみると、
財政的インセンティブよりも直接的補助金の方がより効果的な投資喚起手
段であった。これは、インセンティブが主に現在進展しているプロジェクトを促進させる一
方、直接的補助金は新しいプロジェクト立ち上げに寄与するためと考えられる。

民間研究開発への政府のサポートは、長期的計画に組み込まれるのであれば、どのような形
態であれ、短期的なものよりも効果的になる。これは投資家が直面する不確実性を緩和する
ためと考えられる。

補助金交付水準が過度に高い、もしくは過度に低い国は、中間的な補助金交付水準の国と比
189
べて、民間の研究開発によい影響をもたらさない。短期的には、補助金の交付率が 15%位
で政府の投資による研究開発からの利益が最大になり、30%を超えるとほぼ補助金の効果が
なくなる。

より安定的な財政政策、補助金政策をとる国は、不安定な国と比べ、財政刺激や補助金が民
間の研究開発へ及ぼす効果が高い

直接的補助金と財政的インセンティブは代替的効果をもたらすため、一方を拡充すると他方
の効果が弱まってしまう。このため、これらの政策を同時に発動する場合、実施機関の協調
が必要になる。

国防関連の研究開発への補助金は、資源価格引き上げなどの影響を通じて、民間の研究開発
を減少させる。
(4)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
Causes of fluctuations in R&D expenditures – a quantitative analysis
Dominique Guellec and Evangelos Ioannidis
OECD, OECD Economic Studies No. 29, 1997/II P123~138
Δ民間の R&D=f(ΔGDP, Δ政府資金による民間の R&D、構造変化要因、実
質長期金利) の関数を、国際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD 加盟の G12 諸国(米国、カナダ、日本、フランス、ドイツ、英国、イ
タリア、オランダ、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)
分析対象期間
1972~95 年
(概要)
1990 年代初めから半ばにかけての景気の下落と、政府の研究開発資金の減少との間にどのよう
な関係があるのかを、国別データのグラフ化及びパネルデータ分析を用いて分析。

1990 年代における民間の研究開発への支出が横ばいになった理由は、この期間の不景気、
政府投資の減少、
高い利子率、
ハイテク産業からサービス産業への移行によって説明できる。

ただしその原因の中で主たる要素は国ごとに異なる。例えば日本やドイツでは、バブル崩壊
によるマクロ経済ショックによって民間の研究開発水準が伸び悩んだのに対し、
米国、
英国、
フランスでは、政府投資の減少とサービス業への移行が、研究開発投資水準が横ばいになっ
た原因である。

政府の資金拠出は、長期的に民間の研究開発水準に影響を与える。このため、政府資金によ
る民間の研究開発は、長期計画にのっとったものである必要がある。

不景気時には、企業は期待収益が小さいプロジェクトから停止していくため、応用研究より
も基礎研究から停止されていく可能性が高い。このため、より基礎研究的要素を持ったもの
に対する政府投資が有効であるといえる。

過去 10 年間にわたって政府拠出が減少していることから、将来的には主として長期計画の
基礎的研究開発に影響を及ぼすことになるかもしれない。
190
(5)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
The Impact of Public R&D Expenditure on Business R&D
Dominique Guellec, Bruno van Pottelsberghe de la Potterie
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2000/04
Δ民間資金 R&D=f(Δ付加価値, Δ政府資金 R&D, Δ優遇措置, Δ政府
R&D, Δ大学等 R&D) の関数を国際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD17 カ国
分析対象期間
1984~96 年
(概要)
助成や調達、税制上の優遇措置等により直接、あるいは公的研究機関や大学での研究活動などに
より間接的に民間の研究開発活動を支援・促進することは主要な政策ツールである。本分析は、
こうした政策による民間 R&D への効果を計測したもので、結果の概要は以下のとおり。

政府による研究開発への直接的な資金援助は民間資金による研究開発に正の効果を与えて
おり、1ドルの政府資金は 1.7 ドルの研究開発につながる。

税制上の優遇措置は民間資金による研究開発に正の効果をもたらす。

企業は政府支援が継続して行われることが不確実であると追加的な研究開発を実施しない。
2つの政策ツールが継続して実施されるとより効果的である。

直接的資金援助と税制優遇措置は代替的であり、一方を拡充すると他方の効果が減少する。

政府の研究開発プログラムは企業よりも長期的な視野に立ったものであることを反映し、直
接的資金援助は税制優遇措置よりも効果が長く継続する。

政府の資金援助は多すぎても少なすぎても効果が小さくなる。この分析では17カ国の平均
で民間の研究開発の約 13%がその閾値であった。

公的機関や大学における国防分野の研究開発は、研究者や他の資源の需要や価格を引き上げ
ること等から、民間の研究開発をクラウドアウトする。文民分野での公的研究開発は中立的
である。
大学での基礎的研究等の成果のスピルオーバーがあらわれるには長い時間がかかる
とみられ、本分析のデータでは確認できなかった。
(6)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
The Driving Forces of Economic Growth
Andrea Bassanini, Stefano Scarpetta
OECD, OECD Economic Studies No. 33, 2001/II P10~53
ΔGDP=f(Δ物的資本蓄積, Δ人的資本蓄積、Δ人口、Δ物価, Δ政府の大き
さ, ΔR&D、Δ金融市場の発達度、Δ貿易等) の関数を国際パネルデータに
より推定
ΔR&D は、国全体の R&D と民間の R&D から構成されており、引き算によ
って政府による R&D を計算
分析対象国・地域 OECD21 カ国
分析対象期間
1971~98 年
(概要)
財政刺激や直接的補助金が、企業の事業資金による研究開発に影響を与えたかどうかを調査。

国ごとの結果を見ると、投資収益率、人的資本、研究開発、貿易、金融構造、マクロ経済政
策の違いが、GDP の差に大きな影響をもたらしているといえる。

GDP に対する物的資本の弾力性は、国民経済計算の結果と整合的であるといえるが、一方
191
で人的資本の弾力性は整合的ではない。これは、教育への投資には正の外部性が働くからで
あると考えられる。
特に教育水準が相対的に低い場合は、
少なくとも過去数十年間において、
教育への投資から得られる社会的便益は私的便益を上回っていたと考えられる。

民間部門の物的資本蓄積は、インフレ率と負の関係があったといえる。つまり、高いインフ
レに見舞われた国は物的資本の築盛が進まず、GDP にマイナスの影響を与えていたといえ
る。またインフレ率が変動しやすい場合には、より低リスク低リターンのプロジェクトへの
投資が増えることを通じて、GDP に影響を及ぼしていたと考えられる。

税率がある一定の水準にある場合、直接税を上げると GDP にマイナスの効果をもたらすが、
一方で政府消費、政府投資は GDP に少なくともマイナスの影響をもたらさない。つまり、
政府投資は民間部門の枠組みの改善を通じて、GDP 成長に影響を及ぼしている可能性があ
る。

民間部門の研究開発は高い社会的便益をもたらすように見えるが、民間主導でない研究開発
と GDP との間の明確な関連は見いだせなかった。しかしながら、回帰分析では特定できな
い国際的なスピルオーバーがある可能性があり、長期的には技術の外部への波及効果をもた
らす基礎的知識の創出に影響を与えている可能性はある。
(7)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
Economic Growth and Technological Change
Bart Verspagen
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2001/01
ΔGDP=f(Δ特許、Δ投資、Δキャッチアップポテンシャル、Δ輸出、Δ
R&D)の関数を国際パネルデータに基づいて推定
分析対象国・地域 29 カ国(OECD 諸国および香港、マレーシア、フィリピン、シンガポール、
韓国、台湾、タイ、トルコ)
分析対象期間
1966~95 年
(概要)
本稿は進化経済理論(evolutionary economic theory)の観点から技術変化の役割に重きを置い
て、近年の経済成長を説明しようとしたものである。
まず、一人当たり GDP と輸出に占める特許の割合との関係を年代を変えつつ推定し、次に一人
当たり GDP と R&D 集約度の関係性についても同様に推定した。
さらに GDP 成長率をイノベーション(特許、R&D)、キャッチアップポテンシャル(一人当
たり GDP)およびその他の要因(投資、輸出)によって説明する Fagerberg 成長モデルに基づ
いた分析を行った。これら分析の結果から以下のように結論をまとめている。

米国は他の OECD 諸国の平均から離散的である。

外国技術の同化が活発になってきており、もはや研究開発よりも世界の技術的フロンティア
にキャッチアップしていくために重要となってきている。

国家間の特許など技術的競争力の違いが成長力を説明する重要な要素となってきており、海
外の技術を同化する活発な努力が必要となってきた。

こうした傾向は世界経済が収束ではなく離散的になっていく確率を高める。経済成長への進
化論的アプローチは経済成長には急進的なイノベーションが重要であることを示唆する。
192
(8)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
R&D and Productivity Growth
Dominique Guellec, Bruno van Pottelsberghe de la Potterie
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2001/03
MFP=f(企業 R&D ストック、海外 R&D ストック、公的 R&D ストック、
Δ雇用、国別短期効果)
等の MFP 関数を国際パネルデータに基づいて OLS や 3SLS、SURE 等で推
定
分析対象国・地域 OECD16 カ国
分析対象期間
1980~98 年
(概要)
本稿はスピルオーバー効果等、R&D による様々なタイプの全要素生産性成長率への長期的な
効果について分析したものである。
なお、R&D のストック化にあたっては懐妊期間を 0 年、陳腐化率を 15%に設定して恒久棚卸
法で算出しており、海外の R&D は二国間の技術近接性をウェイトとして他国の R&D を合算し
たものである。
分析は MFP 上昇率を企業、公的および海外の R&D 等で説明するエラーコレクションモデル
の形で定式化し、以下のような関数を就業率やドイツ統一ダミーを操作変数とした3段階最小二
乗法、見かけ上無関係な回帰(seemingly unrelated regressions; SUR)法によって推定してい
る。
 ln MFPit   ln MFPit 1   brd  ln BRD it 1   frd  ln FRD it 1   prd  ln PRD it 2   ln MFPit 2
  brd ln BRD it 2   frd ln FRD it 2   prd ln PRD it 3
  U U it   G G   i   t   i
MFP:全要素生産性、BRD:企業 R&D ストック、FRD:海外 R&D ストック、
PRD:政府及び大学等 R&D ストック、U:就業率(1-失業率)変化、G:ドイツ統一ダミー
分析結果から企業の R&D の 1%の増加は、生産性の伸び率を 0.13%引き上げるとし、R&D
が集約的である国、防衛関連の政府資金のシェアが低い国でより高いとした。
また、海外の R&D の 1%の増加は生産性の伸びを 0.44%引き上げるとし、R&D が集約的であ
る国でより効果が高いとしている。
そのほか、公的 R&D の 1%の増加は生産性の伸びを 0.17%引き上げるとし、大学のシェアが
高い、防衛のシェアが低い、企業 R&D が集約的である国で効果が高いとしている。
193
(9)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
Productivity Growth in ICT producing and ICT-using Industries
Dirk Pilat, Frank C. Lee
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2001/04
生産性を国・年代ごとに全体および産業(製造業、うち電子機器、サービス
業、ICT 生産業)別に計測し、寄与度分解
分析対象国・地域 11 カ国
分析対象期間
1970~99 年
(概要)
本稿は OECD 加盟国の生産性の上昇に果たした ICT 部門の役割について分析したものである。
ICT 部門はいくつかの OECD 加盟国、特に 90 年代後半の米国の生産性の伸びに多大な貢献をし
ている。ICT 部門の比重が高いフィンランドやアイルランド等では 90 年代後半の伸びは平均を
上回っている一方、オーストラリアのような ICT 部門の比重の低い国々でも高い生産性の伸びが
みられており、ICT 部門の比重が大きいことが必須条件ではないことが示唆されており、ICT 投
資が部門を超えたスピルオーバー効果を持っていることも影響していると考えられる。
分析では、就業者当たり付加価値、マンアワーベースの付加価値および多要素生産性を国・年
代ごとに全体および産業別に推計し、全体の生産性の伸びに対する各部門の寄与度分解を行って
いる。
The contribution of information and communication technologies to
economic growth in nine OECD countries
著者
Alessandra Colecchia, Paul Schreyer
発表媒体・時期
OECD, OECD Economic Studies No. 34, 2002/ⅠI P154~171
分析方法
経済成長への ICT 寄与度を国別、年代別に推計
分析対象国・地域 OECD9 カ国(米国、日本、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、
オーストラリア、フィンランド)
分析対象期間
1980~2000 年
(10)タイトル
(概要)
ICT(情報通信技術)の発達が、経済成長にどの程度影響を与えたかを推計。本論文では、ソ
フトウェアを ICT 資本とみなし、国民経済計算上の無形投資財として扱った上で、ICT 関連の投
資データをなるべく公式ソースから収集し、分析している。

9 カ国すべてにおいて、ICT 資本財への投資率は劇的に上昇している。とりわけ IT 設備や
ソフトウェアなどの IT 投資は、ICT 投資の中で最も増加している要素であり、9 カ国中ほ
とんどの国で 2 ケタの伸びを達成している。

ただし国別にみると、ICT 投資額には違いがある。2000 年時点で、ICT 投資財全体の約 3
分の 1 が米国に集中しており、フィンランド、カナダ、オーストラリアは全体に比べてやや
低水準である。

IT 投資への需要の伸びとともに、IT 投資の価格は下落している。このため、他の生産要素
から IT 資本財への代替が進んでいる。

ソフトウェア価格は、IT 設備価格と比較してそれほど落ち込んでいないが、この価格低下
の鈍さがソフトウェア資本の急速な蓄積の阻害要因にはなっていない。

1990 年代前半には、ICT は隔年 0.2~0.5%程度の経済成長に貢献している。また 1990 年台
194
後半は、0.3~0.9%に伸びている。

ICT 資本財投資の効果は、国際的な波及効果を生み出している。この効果は米国が一番高い
が、それに次ぐのは投資額の低いフィンランド、カナダ、オーストラリアであり、この 3
カ国よりも投資額の多いドイツ、イタリア、フランス、日本においては、ICT の経済成長へ
の寄与度は低かった。
Production and Use of ICT: A Sectoral Perspective on Productivity
Growth in the OECD Area
著者
Dirk Pilat, Franck Lee, Bart van Ark
発表媒体・時期
OECD, OECD Economic Studies No. 35, 2002/2 P47~78
分析方法
経済成長への ICT など産業別寄与度を国別、年代別に推計し、比較
分析対象国・地域 OECD19 カ国
分析対象期間
1990~2000 年
(11)タイトル
(概要)
ICT(情報通信技術)投資が果たす役割を、(1)投資全体の増加による GDP への影響と(2)全要
素生産性上昇への影響に分割。このうち、(2)の効果について検証した論文。

ICT が全要素生産性に与えた影響を通じた経済成長への寄与度を見ると、対象国中ではフィ
ンランドが一番高く、1996 年から 2000 年には 3%を超えている。

経済成長影響を与えた全要素生産性の寄与度を、情報通信技術利用サービス業、情報通信サ
ービス業、ハードウェア製造業、その他の業種に分けてみると、下記のことがわかる
・フィンランド:情報通信サービス業、ハードウェア製造業が大きな役割を果たしている。
・ドイツ:ハードウェア製造産業の寄与度が高い。
・フランス:1990 年代前半は、情報通信サービス業の寄与度はほとんどなかったが、90
年代後半に寄与度が大きくなった。
・イタリア、日本:情報通信技術利用サービスの全要素生産性への寄与度は、むしろマイ
ナスに作用していた。

米国の ICT 発達による経済成長への寄与度は大きいことが、その寄与度の多くは、ICT の適
切な活用による、小売業の効率化によると考えられる。

米国およびオーストラリアでは、ICT の発展が労働生産性の上昇と全要素生産性の上昇両方
に影響を与えており、これらが 1990 年代を通じた経済成長の原動力となったことがうかが
える。
A comparison of structural productivity levels in the major industrialised
countries
著者
Renaud Bourlès, Gilbert Cette
発表媒体・時期
OECD, OECD Economic Studies No. 41, 2005/Ⅱ P75~108
分析方法
Δ時間当たり労働生産性=f(Δ雇用量, Δ労働年齢人口、Δ雇用率、Δ自営業
率、Δ全体に占める公的雇用比率、Δ年間平均労働時間、Δパートタイム労
働率、Δ投資比率(対 GDP)、ΔICT 生産比率(対 GDP)、ΔICT 投資比率(対
GDP)、ΔR&D 投資比率(対 GDP)、Δインターネットユーザー数、ΔGDP、
Δ消費者物価指数)の関数を国際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD25 カ国
(12)タイトル
195
分析対象期間
1992~2002 年
(概要)
年代別の労働生産性や ICT 普及の影響が、全体の労働生産性にどの程度影響を及ぼしているか
を推定し、国ごとの GDP の差がどの要素に起因するかを主に労働の側面から概観した論文。

全体をみると、労働時間と雇用率は、GDP に対して収穫逓減であることを示唆している。
また特に若年世代(15~24 歳)と、老齢世代(55~64 歳)のグループでは、この収穫逓減
の効果が大きい。

欧州各国と米国を比較すると、労働生産性に差がみられる理由として、これら若年世代と老
齢世代の労働参加によるものと推定される。つまり米国は、25~54 歳の労働人口が相対的
に大きく、収穫逓減を抑えられていることにより、労働生産性が高くなっているといえる。

また上記の労働参加にだけでなく、米国では、ICT の普及により、時間当たり労働生産性の
水準が欧州各国よりも構造的に高くなっていることが浮き彫りになる。

欧州各国と米国の GDP の差は、主に上記の①労働人口の特徴と②ICT の普及によりもたら
されており、余暇時間への嗜好の違いによってのみもたらされているわけではない。

米国の生産性にキャッチアップするためには、①ICT の普及による労働生産性の向上を目指
した政策、および②年代による労働生産性の違いをより均一化することを目指した労働に対
するインセンティブ設計政策、を推し進めることが適切と思われる。

この分析では、教育水準別の雇用率等の詳細データは含んでいないため、教育による労働生
産性向上の効果を含めた研究が必要と思われる。
An Empirical Contribution to Knowledge Production and Economic
Growth
著者
Kul B. Luintel, Mosahid Khan
発表媒体・時期
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2005/10
分析方法

当期の国内への知識の流入(フロー)=f(1 期前の国内への知識の流
入(フロー), 研究者への利益、国内の知識量(ストック)、その他の国の
知識量(ストック))
を動学的パネルデータにより推定(静学的パネル推計も実施)

当期の全要素生産性= f(1 期前の全要素生産性、国内の知識量(スト
ック)、その他の国の知識量(ストック))
により全要素生産性を推計
分析対象国・地域 OECD19 カ国
分析対象期間
1981 年~2000 年
(13)タイトル
(概要)
知識生産関数の推計を実施することにより、国内の知識の蓄積がどの要素によって影響を受け
るかを、国ごとに知識関数に違いがあるかを厳密に調べたうえで推計。

静学モデルと動学モデルを実施しているが、定量的な結果については、それほど差は見られ
ない。

国内の知識ストック、海外の知識ストックともに、新しいアイデアの生産にはネットでプラ
スの影響を与える。

また国内、海外の知識ストックは、全要素生産性にプラスの影響を与えるが、知識生産関数
196
の性質(形状)は国ごとに大きな違いがあるため、知識ストックが全要素生産性に与える影
響も同様に、国ごとに大きく異なる。

知識生産部門に従事している科学者、技術者が多い国ほど、新しいアイデアの海外からの流
入量は多くなるものの、そのスピルオーバーから得られる利益は低い。つまり、国内の知識
基盤が乏しい国(例:アイルランド、ニュージーランド)は、知識の蓄積によって劇的に全
要素生産性が改善する一方で、すでに大きな知識基盤を有している国(ドイツ、日本、スイ
ス、英国、米国など)への知識の蓄積の影響は限られている。

多くの国で、研究開発を複製している(つまり、すでに存在する知識を基に研究開発を行う)
状況が見受けられたが、それが内生的成長につながることを指示する証拠は得られなかっ
た。

OECD 諸国間で知識生産関数の性質が異なっていることから、研究開発政策は、それぞれの
国の具体的な性質や固有の要素に合わせて構築する必要がある。つまり、各国の特徴を踏ま
えない画一的な政策は効果が小さいといえる。
(14)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
Sources of Knowledge and Productivity
Mosahid Khan, Kul B. Luintel
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2006/06
MFP=f(MFP(1 期ラグ)、民間知識ストック、公的知識ストック、海外
知識ストック、人的資本、公的インフラ、対外・対内直接投資、ハイテク輸
出・輸入、景気循環)の関数を国際パネルデータにより推定
分析対象国・地域 OECD16 カ国
分析対象期間
1980~2002 年
(概要)
本稿は OECD 加盟国の生産性を標準的な方法で計測し、複数の理論に基づいて 10 の主要な生
産性の決定要因を示した。その結果、知識水準と生産性の関係は頑健であるが、他の決定要因も
重要であるとした。
なお、R&D のストック化にあたっては懐妊期間を 0 年、陳腐化率を 15%として恒久棚卸法で
算出しており、海外の R&D は二国間の技術近接性をウェイトとして他国の R&D を合算したも
のである。
分析は、MFP 成長率を以下の変数で説明する関数を OLS、操作変数法、GMM 等の手法で推
定している。標準的な固定効果モデルを OLS や操作変数法で分析しても民間 R&D ストックを除
いて有意な結果は得られなかったが、Dynamic Heterogeneous パネルモデルを OLS、GMM 等
で推定したケースでは有意かつ頑健な結果が得られたとしている。

Sb:民間 R&D ストック

Sp:公的 R&D ストック

Sf:海外の R&D ストック

Zi:公的インフラ

Hi:人的資本(平均教育年数×25~64 歳人口で代替)

Xh:ハイテク産業輸出
197

Mh:ハイテク産業輸入

Fo:海外への直接投資

Fi:海外からの直接投資

U:ビジネスサイクル(操作変数)
(15)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
分析対象国・地域
分析対象期間
Measuring Multifactor Productivity Growth
Anita Wölfl, Dana Hajkova
OECD, OECD Science, Technology and Industry Working Papers 2007/05
成長会計による MFP の推計および労働、資本の寄与度分解
OECD14 カ国
1990~2003 年
(概要)
本稿は多要素生産性(MFP)を推計し、GDP の成長への寄与を資本と労働、MFP に分解して
捉える、OECD14 か国についての成長会計の包括的な分析であり、MFP の推計方法の解説と実
際の推計、およびその結果についての考察を行ったものである。
ここ 10 年、多くの OECD 諸国では GDP の成長は資本と MFP によって牽引されており、そ
の背景には 95 年から 2003 年の期間における ICT の役割の増大がみられている。
また、MFP の計測方法について解説するとともに、以下のような仮定や手法が計測結果に大
きな影響を与えることも留意すべきであるとしている。

労働投入は総労働時間か就業者数か

資本ストックや労働力の構成(教育水準、資本の年齢など質の考慮)

ICT 製品の価格

完全競争や一次同次の仮定

ホドリック・プレスコットフィルターによるトレンド成分の抽出
(16)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
R&D, Innovation, and Economic Growth: An Empirical Analysis
Hulya Ulku
International Monetary Fund, IMF Working Paper WP/04/185, 2004
TFP、就業者当たり特許取得件数、GDP=f(特許ストック、中等学校就学
率、カントリーリスク、市場のオープン性、製造業輸入率等)の関数を国際
パネルデータに基づいて推定
分析対象国・地域 OECD20 カ国および非 OECD 加盟国 10 カ国
分析対象期間
1981~97 年
(概要)
本稿は 30 カ国の特許と R&D に関するパネルデータを用い、イノベーションは R&D によって
もたらされ、持続可能な経済成長が可能となっているのかどうかについて分析したものである。
分析した結果、固定効果モデルでは、特許ストックと一人当たり GDP にはすべての期間で正
の関係がみられ、
特許ストックが 1%増加すると一人当たり GDP は非 OECD 諸国で 0.11、OECD
全体では 0.07%、OECD で市場の小さい国では 0.06%高まるという結果が得られた。GMM 法
でもおおむね類似した結果が得られた。
TFP との関係では特許ストックが有意に正で推定されたのは非 OECD 諸国のみであった(OECD
198
諸国では符号は正だが有意性が不足)。
この結果は内生的成長モデルを支持するものであるが R&D に関してイノベーションが収穫一
定であること、イノベーションが恒久的な経済成長につながることの証左とはならない。しかし
ながら、特許や R&D データによってイノベーションや研究開発活動のすべてを把握できる訳で
はないことから、R&D ベースの成長モデルが棄却された訳ではないといえる。
分析では、労働者当たり GDP、特許出願件数、または全要素生産性を被説明変数とし、投資、
特許ストック、教育水準、市場のオープン性、カントリーリスク等の変数で説明する関数を GMM
法等により推定している。また、全ての国、OECD 諸国、非加盟国、G7、非 G7、市場の大小、
所得の高低等によりサンプルを分類してそれぞれ推定し、傾向を分析している。 なお、特許の
ストック化は陳腐化率を 20%に設定して算出している。
Relating the Knowledge Production Function to Total Factor Productivity:
An Endogenous Growth Puzzle
著者
Yasser Abdih and Frederick Joutz
発表媒体・時期
International Monetary Fund, IMF Working Paper WP/05/74, 2005
分析方法
共和分分析によって知識生産関数が長期的に成立することを分析
分析対象国・地域 米国
分析対象期間
1948~97 年
(17)タイトル
(概要)
本稿は、R&D ベースの成長モデルの中心となる知識生産関数を共和分分析の手法を用いて分
析し、スピルオーバー効果を推計するものである。分析から知識生産関数、TFP と知識ストック
の間に正の関係が長期的に成立していることが明らかになった。一方で、知識の異時点間のスピ
ルオーバー効果が強いこと、知識ストックの TFP に対する長期的な影響は小さいことも示した。
分析では特許出願件数、特許ストック、科学者数、R&D に従事するエンジニア数、民間部門
TFP のデータを利用して以下の 2 つの関係を想定し、共和分分析によって長期的関係があること
を明らかにした。

特許出願数=f(特許ストック、科学者・エンジニア数)

TFP=g(特許ストック)
(18)タイトル
著者
発表媒体・時期
分析方法
International R&D Spillovers and Institutions
David T. Coe, Elhanan Helpman, and Alexander W. Hoffmaister
International Monetary Fund, IMF Working Paper WP/08/104, 2008
TFP=f(国内 R&D ストック、輸入比率×海外 R&D ストック、人的資本、
特許保護、法的起源等)の関数を国際パネルデータに基づいて推定
分析対象国・地域 24 カ国
分析対象期間
1971~2004 年
(概要)
本稿は国内外の R&D ストックの TFP への影響について、国際パネルデータを用いて分析を行
うものである。先行研究をベースとし、人的資本の影響をコントロールすること、国による法律
や特許保護の観点からの制度要因の違いを考慮するといった拡張を施した分析を行った。
その結果、人的資本の影響をコントロールした後でも国内および海外の R&D ストックは TFP
199
に有意な効果をもたらしており、制度の違いは全要素生産性と、R&D のスピルオーバー効果に
対して大きな影響を及ぼしていることを示した。
分析では、TFP を被説明変数とし、国内の R&D ストック、海外の資本ストック、人的資本、
特許保護指数、法的起源(イギリス、ドイツ、フランス、スカンジナビア)等を説明変数とする
関数を推定している。
なお、R&D のストック化にあたっては懐妊期間を 1 年、陳腐化率を 5%に設定して恒久棚卸法
で算出しており、海外の R&D は二国間輸入をウェイトとして他国の R&D を合算したものであ
る。また、公的部門の R&D を分離することを試みたが有意かつ頑健な結果は得られなかったと
している。
Global Imbalances: The Role of Non-Tradable Total Factor Productivity in
Advanced Economies
Pietro Cova, Massimiliano Pisani, Nicoletta Batini, and Alessandro
著者
Rebucci
発表媒体・時期
International Monetary Fund, IMF Working Paper WP/09/63, 2009
分析方法
動学的一般均衡モデルを用いたシミュレーション分析
分析対象国・地域 米国、ユーロ圏、日本、アジア新興国、その他
分析対象期間
1994 年第 4 四半期を定常状態とし、2006 年までシミュレーションを実施
(19)タイトル
(概要)
本稿は、米国、ユーロ圏、日本の貿易、非貿易部門を対象に全要素生産性が果たした役割につ
いて分析したものである。
分析では、IMF の GEM モデルをベースとした 5 カ国、2 部門の動学的一般均衡モデルを利用
している。5 カ国は米国、ユーロ圏、日本、アジア新興国および残余の世界全体、2 部門は貿易
部門(製造業)、非貿易部門(卸売・小売業、電気ガス水道供給、運輸・通信業)で構成され、
TFP データは EU KLEMS データベースを参照して作成している。
シミュレーション結果では、米国の非貿易財部門の生産性が 1%上昇すると、貿易収支が GDP
の 0.16%分低下するなど、1999 年以降の米国の貿易収支の悪化、ユーロ圏と日本の黒字にかな
りの影響を及ぼしたことを示すとともに、部門間の TFP の違いが同時期の米ドルの実質実効レー
トの動向の一部も説明することができるとした。
Economic Growth and Budgetary Components: A Panel Assessment for
the EU
著者
António Afonso and Juan González Alegre
発表媒体・時期
European Central Bank, Working Paper Series No.848, 2008
分析方法
GDP 成長率や生産性上昇率を公的債務や民間投資、人口成長率等を操作変数
とし、政府の各種支出、収入で説明する関数を推定
分析対象国・地域 EU-15 諸国
分析対象期間
1971~2006 年
(20)タイトル
(概要)
本稿は政府の予算項目の再配分は欧州諸国の長期的な経済成長率を高めることができるのかど
うかについて検証したものである。
200
分析によれば、政府の支出によって民間部門の配分が誘導されることが識別され、公的投資は
経済成長に正の効果、政府消費や社会保険料は負の影響を及ぼすとした。特に公的投資について
は TFP に対して負の影響を及ぼすが、それを上回る強いクラウディング・インの効果があり、民
間投資を誘発することで経済成長を高めることを明らかにした。
分析では、経済成長率、労働生産性上昇率、TFP を被説明変数とし、機能別等の政府支出を説
明変数、公的債務や民間投資、交易条件、人口成長率等を操作変数とし、GMM 法によって推定
を行っている。
201
参考資料 C:研究開発の経済分析に関する先行調査研究(学術文献)
C.1 R&D(知識)ストックの扱いについて
R&D(知識)ストックに関しては、多くの研究が「R&D 支出の合計に一定の減耗率をかけたもの」
として、計算している。減耗率に関しては、5%とするもの(Franco et al. (2011))、10%とするも
の(Acs et al. (2009))、20%とするもの(Li (2011))もあるが、主流は 15%とするもののようである
(Akdieri and Cincera (2009)、Baghana and Monhen (2009)、Lokshin and Monhen (2012)、
O’Mahony and Vecchi (2009)、 Thomson (2010)、 Willson (2010))。ただし、頑健性確認のため
に複数の減耗率を試したものもあるが、どの減耗率を用いても結果はあまり変わらないようであ
る。
また、企業の利潤最大化問題を解き、R&D 支出額は現在の R&D ストックに対して最適に決ま
るはずであるという点を利用して逆算して割引率を求めたもの(Huang and Diewert (2012))や、
産業の技術(ローテク、ミドルテク、ハイテク)に応じて異なる割引率を設定したもの(ハイテクほ
ど減耗率が高い、 Ortega-Argiles et al. (2010))などもある。
また、R&D 支出の類型ではなく特許数の累計を用いたもの(Grimpe and Kaiser (2010)、Wu
and Shanley (2009))も存在し、 Wu and Shanley (2009) は減耗率ではなく、5 年間で集計から
落とす形で扱っている。
C.2 R&D の効果の指標について
R&D の効果を生産関数の形で直接捉える研究に関しては 3 節に譲り、本節では R&D の効果を
他の指標で測定した研究について概観する。
R&D の効果の指標としてよく用いられるものとしては、売上高に占める新製品・革新的製品の
売上高がある(Berchicci (2013)、 Escribano et al. (2009) 、Grimpe and Kaiser (2010))。これは、
R&D の効果を売上の上昇という利益に直結する形で測定したものである。
もう一つの指標としては、特許数が挙げられる(Acs et al. (2009)、Wu and Shanley (2009))。
伝統的には良く用いられてきた指標であるが、利益に直結しない特許が含まれることや、特許戦
略自体が企業の戦略的選択であることなどから、売上高を利用した指標も良く用いられるようだ。
企業財務的な研究では、一株当たりの利益率の増加を利用したものも見られた(Li (2011))。ま
た、自営業者の割合に着目し、技術革新によって企業か行動がどのように変化したかを捉えよう
とした研究(Acs et al. (2009))も見られた。
C.3 生産関数について
生産関数は、大別するとコブ・ダグラス型(Aldieri and Cincera (2009)、Braunerhjelm et al.
(2010)、O’Mahoney and Vecchi (2009)、Ortega-Argukes et al. (2010))と CES 型(Baghana and
Mohnen (2009)、 Lokshin and Mohnen (2012)、Thomson (2010))に分けられる。
202
生産関数の要素としては、労働と固定資本に加えて、R&D ストックやスピルオーバーの項を加
えて推定するものが多いが、中には第一段階で TFP を推定し、その TFP を R&D 関連の指標で
回帰するもの(Franco et al. (2011))も見られた。
C.4 スピルオーバーについて
スピルオーバーに関しては、直接外国の R&D ストックなどを生産関数に投入するものも見ら
れた(Franco et al.(2011))が、ウェイト付けをして何らかの「距離」を含めるものも多い。距離に
ついては企業の属性や空間距離を距離として利用するものと、経済的な関係の深さを利用するも
のに分けられる。
例えば、Aldieri and Cincera (2009) は技術的な近さ(各技術要素のベクトルを作り、その距離
で計算)と本社間の地理的な距離でウェイト付けして他企業の R&D ストックの影響を取り入れて
いる(少し古いが Iwasa and Odagiri (2004)も地理的な近さを利用したウェイトを利用している)。
経済的な距離については、例えば Franco et al. (2011)は GDP に占めるその国との貿易額の割
合をウェイトとして外国の R&D ストックの影響を集計している(少し古いが、Frantzen (2003)
は国内産業間の波及効果は産業のシェアで、国際間の波及効果は貿易額の割合で、それぞれウェ
イト付けしている)。
C.5 その他
R&D の効果をストックとして見るのではなく、フローとして単年度の計算を行ったり、あるい
は差分を取って成長率に対する増加率で分析した研究も見られる。そのような場合は研究部門の
労働者数(Braunerhjelm et al.(2011))が用いられることもある。
また、R&D 支出の決定自体を論じた論文も多く、そのような場合は前期の R&D 支出や資産制
約(Brown et al. (2009)、Brown and Petersen (2011)、Thomson(2010))、R&D 補助金の額(Hu et
al. (2011))などを含めて推定するようである。
C.6 参考文献
1. Acs, Z.J., P. Braunerhjelm, D.B. Audretsch and B. Carlsson (2009) “The Knowledge Spillover Theory
of Entrepreneurship”, Small Business of Economics, 32(1), pp.15-30
2. Aldieri, L., and M. Cincera (2009) “Geographic and Technological R&D Spillovers within the Triad:
Micro Evidence from US Patents”, Journal of Technology Transfer, 34(2), pp.196-211
3. Baghana, R., and P. Mohnen (2009) “Effectiveness of R&D Tax Incentives in Small and Large
Enterprises in Quebec”, Small Business of Economics, 23(1), pp.91-107
4. Berchicci, L., (2013) “Towards an open R&D System: Internal R&D Investment, External Knowledge
Acquisition and Innovative Performance”, Research Policy, 42(1), pp.117-127
5. Braunerhjelm, P., Z.J. Acs, D.B. Audretsh and B. Carlsson (2010) “The Missing Link: Knowledge
203
Diffusion and Entrepreneurship in Endogenous Growth”, Small Business of Economics, 34(2),
pp.105-125
6. Brown, J.R., S.M. Fazzari and B.C. Petersen (2009) “Financing Innovation and Growth: Cash Flow,
External Equity, and the 1990s R&D Boom”, Journal of Finance, 64(1), pp.151-185
7. Brown, J.R., and B.C. Petersen (2011) “Cash Holdings and R&D Smoothing”, Journal of Corporate
Finance, 17(3), pp.694-709
8. Escrubano, A., A. Fosfuri and J.A. Tribo (2009) “Managing External Knowledge Flows: The
Moderating Role of Absorptive Capacity”, Research Policy, 38(1), 96-105
9. Franco, C., S. Montresor and G.V. Marzetti (2011) “On Indirect Trade-Related R&D Spillovers: The
“Average Propagation Length” of Foreign R&D”, Structural Change and Economic Dynamics, 22(3),
pp.227-237
10. Frantzen, D., (2003) “Intersectoral and International R&D Knowledge Spillovers and Total Factor
Productivity”, Scottish Journal of Political Economy, 49(3), pp.280-303
11. Grimpe, C., and U. Kaiser (2010) “Balancing Internal and External Knowledge Acquisition: The Gains
and Pains from R&D Outsourcing”, Journal of Management Studies, 47(8), pp.1483-1509
12. Hu, R., Q. Liang, C. Pray, J. Huang and Y. Jin (2011) “Privatization, Public R&D Policy, and Private
R&D Investment in China’s Agriculture”, Journal of Agricultural and Resource Economics, 36(2),
pp.416-432
13. Huang, N., and E. Diewert (2011) “Estimation of R&D Depreciation Rates: A Suggested Methodology
and Preliminary Application”, Canadian Journal of Economics, 44(2), pp.387-412
14. Iwasa, T., and H. Odagiri (2004) “Overseas R&D, Knowledge Sourcing, and Patenting: An Empirical
Study of Japanese R&D Investment in the US”, Research Policy, 33(5), pp.807-828
15. Li, D., (2011) “Financial Constraints, R&D Investment, and Stock Returns”, Review of Financial
Studies, 24(9), pp.2974-3007
16. Lokshin, B., and P. Mohnen (2012) “How Effective are Level-Based R&D Tax Credits? Evidence from
the Netherlands”, Applied Economics, 44(12), pp.1527-1538
17. O’Mahony, M., and M. Vecchi (2009) “R&D, Knowledge Spillovers and Company Productivity
Performance”, Research Policy, 38(1), pp.35-44
18. Ortega-Argiles, R., M. Piva, L. Potters and M. Vivarelli (2010) “Is Corporate R&D Investment in
High-Tech Sectors More Effective?”, Contemporary Economic Policy, 28(3), pp.353-365
19. Thomson, R., (2010) “Tax Policy and R&D Investment by Australian Firms”, Economic Record,
86(273), pp.260-280
20. Wilson, D.J., (2009) “Beggar Thy Neighbor? The In-State, Out-of-State, and Aggregate Effects of
R&D Tax Credits”, Review of Economics and Statistics, 91(2), pp.431-436
21. Wu, J., and M.T. Shanley (2009) “Knowledge Stock, Exploration, and Innovation: Research on the
United States Electromedical Device Industry”, Journal of Business Research, 62(4), pp.474-483
204
参考資料 D:OECD 等の国際パネルデータからみた各国の研究開発等の動向
第 3.2.3 小節に国際パネルデータからみた各国の研究開発等の動向についてとりまとめている
が、紙面の都合等から本編に掲載しなかった一部図表を以下に紹介する。
政府が資金を負担した研究開発費と GBAORD
(Government budget appropriations or outlays
for RD; 政府の科学技術関連支出)を比較すると、両者の相関は非常に高く、多くの国で 0.99 前後
となっているが、日本は 0.93 で他の諸国に比べて相関がやや低い。
政府負担 R&D と GBAORD の比をとると、カナダでは前者がやや大きく、イギリスでは後者
がやや大きい等、国によって水準に多少の違いはあるものの、比率はおおむね 1 前後となってい
る。スペインは比率の変動が大きく、2000 年頃には 0.6 を割り込んだ。日本は 2000 年頃から比
率が低下しており、近年は 0.8 を割り込んでいる。
参考図表 D-1 政府資金 R&D の対 GBAORD 比
(比)
1.4
1.2
カナダ
デンマーク
1
フィンランド
フランス
ドイツ
0.8
アイルランド
イタリア
0.6
日本
韓国
0.4
オランダ
スペイン
イギリス
0.2
アメリカ
0
1
9
8
1
1
9
8
2
1
9
8
3
1
9
8
4
1
9
8
5
1
9
8
6
1
9
8
7
1
9
8
8
1
9
8
9
1
9
9
0
1
9
9
1
1
9
9
2
1
9
9
3
平均値
カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
1.070
0.978
0.864
0.866
0.929
0.953
0.834
0.937
0.895
0.938
0.776
0.821
0.921
1
9
9
4
1
9
9
5
1
9
9
6
1
9
9
7
標準偏差
1
9
9
8
1
9
9
9
最大値
0.026
0.112
0.040
0.060
0.037
0.077
0.047
0.117
0.055
0.044
0.122
0.042
0.113
205
1.136
1.229
0.924
1.063
1.009
1.101
0.920
1.116
0.981
1.028
0.950
0.908
1.098
2
0
0
0
2
0
0
1
2
0
0
2
最小値
1.002
0.817
0.757
0.815
0.880
0.831
0.722
0.751
0.816
0.859
0.524
0.687
0.734
2
0
0
3
2
0
0
4
2
0
0
5
2
0
0
6
2
0
0
7
政府資金と
GBAORDの
相関
0.999
0.994
0.995
0.958
0.989
0.994
0.995
0.931
0.994
0.988
0.977
0.974
0.972
2
0
0
8
2
0
0
9
2
0
1
0
生産性と研究開発の関係性をみるため、まず MFP 上昇率を縦軸、研究開発集約度を横軸にと
って分布をみたが、全体的には両者の間に相関関係はほとんどみられなかった。
参考図表 D-2 MFP 上昇率と研究開発集約度(その1)
5.00
4.00
3.00
M
F
P
上 2.00
昇
率
%
1.00
1985-1995年平均
(
1996-2007年平均
)
0.00
-1.00
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
研究開発集約度(%)
相関係数
全期間
1985-1995
1996-2007
0.05
-0.01
0.34
1985-1995年平均
MFP
研究開発
上昇率
集約度
カナダ
0.07
1.54
デンマーク
1.34
1.51
フィンランド
2.05
1.91
フランス
1.55
2.26
ドイツ
アイルランド
3.19
0.93
イタリア
1.29
1.13
日本
2.29
2.61
韓国
4.54
2.06
オランダ
0.79
2.01
スペイン
1.32
0.73
イギリス
1.12
2.07
アメリカ
0.72
2.62
1996-2007年平均
MFP
研究開発
上昇率
集約度
カナダ
0.82
1.92
デンマーク
0.13
2.31
フィンランド
2.16
3.22
フランス
1.02
2.17
ドイツ
1.05
2.43
アイルランド
2.50
1.20
イタリア
0.00
1.07
日本
0.87
3.10
韓国
3.08
2.55
オランダ
1.06
1.92
スペイン
-0.16
0.99
イギリス
1.68
1.77
アメリカ
1.26
2.63
206
期間を 5 年毎に分割し、それぞれみていくと 2001 年~05 年、2006~10 年にはやや正の相関
がみられるが、90 年代以前ではほぼ無相関である。
参考図表 D-3 MFP 上昇率と研究開発集約度(その2:期間別)
1986-90年 (相関係数 0.05)
1991-95年 (相関係数 -0.28)
7.00
4.00
カナダ
6.00
カナダ
3.50
デンマーク
5.00
デンマーク
3.00
フィンランド
M
F 4.00
P
上 3.00
昇
率 2.00
%
日本
M
F 2.50
P
上 2.00
昇
率 1.50
%
韓国
1.00
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
フィンランド
フランス
ドイツ
アイルランド
イタリア
(
(
オランダ
0.00
イギリス
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
韓国
オランダ
0.50
スペイン
-1.00
日本
)
)
1.00
スペイン
イギリス
0.00
0.00
アメリカ
0.50
1.00
研究開発集約度(%)
1996-2000年 (相関係数 0.16)
2.50
3.00
アメリカ
2001-05年 (相関係数 0.44)
3.50
4.50
カナダ
4.00
デンマーク
3.50
フィンランド
フィンランド
イタリア
1.50
2.00
フランス
1.50
ドイツ
アイルランド
1.00
イタリア
(
(
M
F
P
上
昇
率
%
アイルランド
2.00
デンマーク
2.50
ドイツ
2.50
カナダ
3.00
フランス
3.00
韓国
0.50
0.50
日本
)
)
日本
1.00
韓国
0.00
オランダ
0.00
オランダ
-0.50
スペイン
イギリス
-0.50
0.00
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
3.00
3.50
アメリカ
カナダ
3.00
デンマーク
2.50
フィンランド
2.00
フランス
1.50
ドイツ
アイルランド
1.00
イタリア
(
0.50
)
日本
韓国
0.00
オランダ
-0.50
スペイン
イギリス
-1.00
1.00
1.50
2.00
2.50
0.50
1.00
1.50
2.00
2.50
研究開発集約度(%)
2006-10年 (相関係数 0.54)
0.50
イギリス
0.00
3.50
0.00
スペイン
-1.00
研究開発集約度(%)
M
F
P
上
昇
率
%
2.00
研究開発集約度(%)
5.00
M
F
P
上
昇
率
%
1.50
3.00
3.50
4.00
アメリカ
研究開発集約度(%)
207
3.00
3.50
4.00
アメリカ
国ごとに両者の関係をみていくと、ほぼ相関はみられず、むしろやや右下がりの直線で負の相
関を示している国が多い。
参考図表 D-4 MFP 上昇率と研究開発集約度(その3:国別)
カナダ (相関係数 0.23)
デンマーク (相関係数 -0.48)
3.0
6.0
2.5
5.0
2.0
4.0
1.5
M
F
P 1.0
上
昇 0.5
率
%
0.0
(
(
M 3.0
F
P
上 2.0
昇
率
% 1.0
)
)
0.0
-0.5
-1.0
-1.0
-1.5
-2.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
0.0
0.5
1.0
1.5
研究開発集約度(%)
2.0
2.5
3.0
3.5
研究開発集約度(%)
フィンランド (相関係数 -0.26)
フランス (相関係数 -0.03)
6.0
3.5
3.0
4.0
2.5
2.0
2.0
)
)
1.5
1.0
0.5
(
M
F
P
上
昇
率
%
(
M
F
0.0
P
上
昇
-2.0
率
%
-4.0
0.0
-0.5
-1.0
-6.0
-1.5
-8.0
-2.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
4.5
0.0
0.5
1.0
研究開発集約度(%)
1.5
2.0
2.5
研究開発集約度(%)
ドイツ (相関係数 -0.42)
アイルランド (相関係数 -0.26)
4.0
8.0
7.0
3.0
6.0
2.0
5.0
)
)
4.0
3.0
2.0
(
M
F
P
上
昇
率
%
(
M 1.0
F
P
上 0.0
昇
率
% -1.0
1.0
0.0
-2.0
-1.0
-3.0
-2.0
-4.0
-3.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
0.0
0.5
1.0
研究開発集約度(%)
1.5
2.0
研究開発集約度(%)
イタリア (相関係数 -0.23)
日本 (相関係数 -0.40)
4.0
6.0
3.0
5.0
)
)
(
4.0
M 3.0
F
P
上 2.0
昇
率
% 1.0
(
2.0
M 1.0
F
P
上 0.0
昇
率
% -1.0
-2.0
0.0
-3.0
-1.0
-4.0
-2.0
0.0
0.5
1.0
1.5
0.0
研究開発集約度(%)
0.5
1.0
1.5
2.0
研究開発集約度(%)
208
2.5
3.0
3.5
4.0
韓国 (相関係数 -0.14)
オランダ (相関係数 0.01)
8.0
3.0
7.0
2.5
M 1.5
F
P
上 1.0
昇
率
% 0.5
)
)
(
2.0
M 5.0
F
P
上 4.0
昇
率
% 3.0
(
6.0
2.0
0.0
1.0
-0.5
0.0
-1.0
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
0.0
0.5
研究開発集約度(%)
1.0
1.5
2.0
2.5
2.0
2.5
研究開発集約度(%)
スペイン (相関係数 -0.48)
イギリス (相関係数 -0.26)
4.0
4.0
3.5
3.5
3.0
3.0
M
F 2.0
P
上 1.5
昇
率 1.0
%
)
)
(
2.5
M
F 2.0
P
上 1.5
昇
率 1.0
%
(
2.5
0.5
0.5
0.0
0.0
-0.5
-0.5
-1.0
-1.0
0.0
0.5
1.0
1.5
0.0
研究開発集約度(%)
アメリカ (相関係数 -0.03)
2.5
2.0
(
M
F
1.5
P
上
昇
率 1.0
%
)
0.5
0.0
-0.5
0.5
1.0
1.5
2.0
1.0
1.5
研究開発集約度(%)
3.0
0.0
0.5
2.5
3.0
3.5
研究開発集約度(%)
209
参考資料 E:生産性と知識ストックのタイムラグ構造
第 3 章で構築した国際パネルデータに基づき、多要素生産性 MFP を国内企業の知識ストック
SBRD、国内の公的知識ストック、海外の知識ストック SFRD2 によって説明する関数を推定し
たもの。各ストック変数の影響が生産性にあらわれるまでの期間が異なっている可能性を考慮し、
タイムラグを 1 年から 5 年に変更しつつ、それぞれ最小二乗法で推定したもの。
 ln MFPt     ln SBRDt i   ln SPRDt  j   ln SFRD 2t k   m
ln:自然対数、Δ;階差(前期差)
MFP:多要素生産性、SBRD:企業等研究開発ストック、SPRD:公的研究開発ストック、
SFRD2:海外企業等研究開発ストック(技術近接性ウェイト)
t:時点、i:SBRD のタイムラグ、j:SPRD のタイムラグ、k:SFRD2 のタイムラグ、Φ:国別固
定効果
No.
自由度修正済
決定係数
D.W.
SBRD
ラグ
1
0.220
1.590
1
2
0.180
1.590
1
3
0.180
1.590
1
4
0.178
1.535
1
5
0.209
1.533
1
6
0.218
1.583
1
7
0.179
1.583
1
8
0.179
1.583
1
9
0.176
1.529
1
10
0.205
1.522
1
11
0.218
1.581
1
12
0.179
1.581
1
13
0.179
1.583
1
14
0.176
1.529
1
15
0.204
1.518
1
16
0.222
1.532
1
SPRD
パラメータ
0.103
(2.951)
0.124
(3.460)
0.123
(3.461)
0.100
(2.715)
0.097
(2.517)
0.098
(2.845)
0.118
(3.362)
0.118
(3.357)
0.095
(2.630)
0.089
(2.335)
0.097
(2.836)
0.119
(3.404)
0.118
(3.398)
0.095
(2.646)
0.086
(2.273)
0.074
210
ラグ
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
4
SFRD2
パラメータ
-0.043
(-0.834)
-0.030
(-0.578)
-0.031
(-0.583)
-0.032
(-0.590)
-0.077
(-1.370)
-0.013
(-0.258)
0.010
(0.204)
0.010
(0.201)
0.001
(0.022)
-0.036
(-0.655)
-0.005
(-0.108)
0.020
(0.402)
0.019
(0.391)
0.005
(0.102)
-0.029
(-0.543)
-0.040
ラグ
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
パラメータ
0.039
(3.799)
0.000
(-0.003)
0.001
(0.149)
-0.003
(-0.307)
0.018
(1.921)
0.038
(3.752)
0.000
(-0.044)
0.001
(0.130)
-0.003
(-0.338)
0.018
(1.862)
0.038
(3.728)
-0.001
(-0.077)
0.001
(0.116)
-0.003
(-0.339)
0.018
(1.853)
0.043
No.
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
自由度修正済
決定係数
0.177
0.177
0.177
0.205
0.223
0.199
0.197
0.198
0.208
0.232
0.193
0.193
0.189
0.219
0.229
0.190
0.190
0.186
0.212
0.228
0.190
D.W.
1.532
1.533
1.530
1.519
1.544
1.506
1.523
1.529
1.520
1.600
1.598
1.601
1.549
1.546
1.590
1.586
1.590
1.539
1.531
1.586
1.583
SBRD
ラグ
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
38
0.189
1.588
2
39
0.186
1.537
2
SPRD
パラメータ
ラグ
SFRD2
パラメータ
(2.109)
(-0.818)
0.093
-0.029
(2.576)
0.092
(2.557)
0.094
(2.617)
0.084
(2.198)
0.087
(2.310)
0.094
(2.455)
0.091
(2.369)
0.088
(2.305)
0.080
(2.104)
0.128
(3.639)
0.148
(4.109)
0.147
(4.106)
0.125
(3.372)
0.118
(3.104)
0.118
(3.451)
0.137
(3.905)
0.136
(3.895)
0.116
(3.192)
0.104
(2.812)
0.114
(3.406)
0.135
(3.913)
0.133
(3.904)
0.113
211
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
3
(-0.576)
-0.030
(-0.599)
-0.029
(-0.569)
-0.043
(-0.813)
-0.051
(-1.010)
-0.054
(-1.055)
-0.057
(-1.099)
-0.061
(-1.179)
-0.062
(-1.208)
-0.071
(-1.346)
-0.061
(-1.135)
-0.061
(-1.141)
-0.062
(-1.097)
-0.105
(-1.829)
-0.036
(-0.708)
-0.015
(-0.292)
-0.015
(-0.301)
-0.022
(-0.405)
-0.058
(-1.038)
-0.022
(-0.450)
0.001
(0.021)
0.000
(-0.002)
-0.012
ラグ
パラメータ
(3.908)
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
0.000
(-0.010)
0.002
(0.154)
-0.003
(-0.310)
0.018
(1.846)
0.037
(2.952)
-0.009
(-0.815)
0.000
(0.003)
0.006
(0.592)
0.018
(1.893)
0.038
(3.760)
-0.002
(-0.160)
0.001
(0.130)
-0.003
(-0.343)
0.019
(2.024)
0.038
(3.745)
-0.002
(-0.169)
0.001
(0.101)
-0.004
(-0.374)
0.018
(1.945)
0.038
(3.716)
-0.002
(-0.186)
0.001
(0.103)
-0.004
No.
40
41
42
43
44
45
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
56
57
58
59
60
自由度修正済
決定係数
0.211
0.230
0.187
0.187
0.188
0.212
0.229
0.205
0.202
0.203
0.214
0.265
0.231
0.231
0.222
0.248
0.260
0.225
0.225
0.215
0.237
D.W.
1.525
1.540
1.537
1.542
1.538
1.526
1.547
1.509
1.527
1.533
1.525
1.610
1.605
1.615
1.574
1.570
1.600
1.594
1.604
1.561
1.552
SBRD
ラグ
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
61
0.257
1.595
3
62
0.223
1.590
3
SPRD
パラメータ
ラグ
SFRD2
パラメータ
(3.187)
(-0.238)
0.099
-0.046
(2.719)
0.094
(2.723)
0.112
(3.167)
0.111
(3.144)
0.113
(3.202)
0.096
(2.652)
0.096
(2.690)
0.104
(2.841)
0.100
(2.735)
0.098
(2.663)
0.093
(2.555)
0.169
(5.128)
0.190
(5.612)
0.188
(5.598)
0.175
(4.791)
0.168
(4.454)
0.159
(4.902)
0.178
(5.336)
0.177
(5.321)
0.161
(4.519)
0.150
(4.073)
0.152
(4.810)
0.171
212
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
(-0.850)
-0.048
(-0.994)
-0.039
(-0.766)
-0.040
(-0.799)
-0.039
(-0.782)
-0.054
(-1.031)
-0.057
(-1.145)
-0.061
(-1.193)
-0.063
(-1.229)
-0.067
(-1.308)
-0.067
(-1.331)
-0.110
(-2.096)
-0.103
(-1.921)
-0.103
(-1.924)
-0.110
(-1.932)
-0.154
(-2.628)
-0.076
(-1.501)
-0.059
(-1.137)
-0.060
(-1.156)
-0.066
(-1.209)
-0.102
(-1.795)
-0.058
(-1.194)
-0.039
ラグ
パラメータ
(-0.387)
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
0.018
(1.928)
0.042
(3.859)
-0.002
(-0.153)
0.001
(0.056)
-0.003
(-0.357)
0.018
(1.909)
0.037
(2.958)
-0.010
(-0.917)
-0.001
(-0.065)
0.005
(0.522)
0.018
(1.956)
0.036
(3.601)
-0.004
(-0.396)
-0.002
(-0.166)
-0.004
(-0.441)
0.018
(1.985)
0.036
(3.636)
-0.004
(-0.374)
-0.002
(-0.207)
-0.004
(-0.479)
0.017
(1.880)
0.036
(3.612)
-0.003
No.
63
64
65
66
67
68
69
70
71
72
73
74
75
76
77
78
79
80
81
82
83
自由度修正済
決定係数
0.223
0.214
0.234
0.254
0.216
0.215
0.216
0.234
0.250
0.228
0.225
0.225
0.235
0.260
0.225
0.225
0.226
0.262
0.256
0.220
0.219
D.W.
1.599
1.554
1.541
1.554
1.550
1.558
1.554
1.540
1.556
1.517
1.539
1.541
1.537
1.567
1.560
1.573
1.567
1.565
1.558
1.551
1.563
SBRD
ラグ
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
4
4
4
84
0.220
1.557
4
85
0.252
1.549
4
SPRD
パラメータ
ラグ
SFRD2
パラメータ
(5.281)
(-0.781)
0.170
-0.040
(5.266)
0.155
(4.462)
0.140
(3.918)
0.134
(4.035)
0.153
(4.475)
0.152
(4.455)
0.153
(4.503)
0.134
(3.830)
0.132
(3.848)
0.140
(4.002)
0.137
(3.896)
0.134
(3.808)
0.129
(3.709)
0.149
(4.410)
0.170
(4.919)
0.170
(4.891)
0.170
(4.938)
0.185
(5.032)
0.142
(4.248)
0.161
(4.698)
0.161
(4.677)
0.161
(4.726)
0.172
213
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
(-0.812)
-0.050
(-0.951)
-0.081
(-1.479)
-0.071
(-1.469)
-0.064
(-1.271)
-0.065
(-1.298)
-0.065
(-1.310)
-0.078
(-1.497)
-0.071
(-1.431)
-0.074
(-1.488)
-0.075
(-1.483)
-0.079
(-1.573)
-0.080
(-1.604)
-0.115
(-2.046)
-0.118
(-2.052)
-0.118
(-2.055)
-0.117
(-2.048)
-0.181
(-3.052)
-0.091
(-1.676)
-0.085
(-1.521)
-0.086
(-1.546)
-0.086
(-1.543)
-0.138
ラグ
パラメータ
(-0.347)
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
-0.002
(-0.167)
-0.005
(-0.513)
0.017
(1.850)
0.040
(3.734)
-0.003
(-0.311)
-0.002
(-0.216)
-0.004
(-0.468)
0.017
(1.815)
0.036
(2.958)
-0.012
(-1.080)
-0.003
(-0.333)
0.003
(0.341)
0.017
(1.874)
0.039
(3.591)
-0.005
(-0.491)
-0.003
(-0.317)
-0.006
(-0.604)
0.018
(1.990)
0.039
(3.659)
-0.005
(-0.445)
-0.003
(-0.349)
-0.006
(-0.637)
0.017
No.
86
87
88
89
90
91
92
93
94
95
96
97
98
99
100
101
102
103
104
105
106
自由度修正済
決定係数
0.256
0.219
0.219
0.220
0.249
0.260
0.223
0.223
0.224
0.249
0.263
0.242
0.239
0.239
0.249
0.246
0.225
0.221
0.220
0.231
0.242
D.W.
1.555
1.548
1.558
1.552
1.539
1.555
1.550
1.559
1.553
1.537
1.556
1.511
1.536
1.536
1.532
1.582
1.536
1.561
1.560
1.557
1.574
SBRD
ラグ
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
5
107
0.218
1.525
5
108
0.215
1.549
5
SPRD
パラメータ
ラグ
SFRD2
パラメータ
(4.694)
(-2.371)
0.139
-0.087
(4.235)
0.157
(4.669)
0.157
(4.653)
0.158
(4.712)
0.162
(4.555)
0.137
(4.293)
0.156
(4.786)
0.155
(4.766)
0.157
(4.831)
0.154
(4.470)
0.146
(4.402)
0.156
(4.597)
0.152
(4.484)
0.150
(4.393)
0.145
(4.307)
0.132
(3.831)
0.143
(4.042)
0.139
(3.926)
0.136
(3.833)
0.130
(3.718)
0.126
(3.659)
0.134
(3.797)
0.131
214
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
(-1.665)
-0.076
(-1.412)
-0.078
(-1.454)
-0.080
(-1.480)
-0.119
(-2.136)
-0.099
(-2.010)
-0.096
(-1.886)
-0.097
(-1.913)
-0.097
(-1.928)
-0.112
(-2.131)
-0.096
(-1.936)
-0.101
(-2.014)
-0.101
(-1.996)
-0.104
(-2.063)
-0.104
(-2.098)
-0.135
(-2.271)
-0.143
(-2.372)
-0.141
(-2.334)
-0.142
(-2.339)
-0.146
(-2.421)
-0.112
(-1.914)
-0.110
(-1.851)
-0.110
ラグ
パラメータ
(1.868)
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
0.040
(3.690)
-0.004
(-0.367)
-0.003
(-0.317)
-0.006
(-0.685)
0.017
(1.825)
0.039
(3.642)
-0.003
(-0.309)
-0.002
(-0.206)
-0.006
(-0.627)
0.016
(1.769)
0.035
(2.905)
-0.013
(-1.162)
-0.004
(-0.367)
0.002
(0.175)
0.017
(1.852)
0.036
(2.966)
-0.013
(-1.204)
-0.005
(-0.439)
0.002
(0.214)
0.018
(1.896)
0.037
(3.058)
-0.013
(-1.134)
-0.005
No.
109
110
111
112
113
114
115
116
117
118
119
120
121
122
123
124
125
自由度修正済
決定係数
0.214
0.224
0.243
0.219
0.216
0.215
0.225
0.246
0.222
0.219
0.219
0.228
0.245
0.224
0.221
0.221
0.230
D.W.
1.548
1.546
1.572
1.524
1.546
1.545
1.542
1.572
1.528
1.549
1.550
1.546
1.568
1.522
1.544
1.547
1.542
SBRD
ラグ
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
5
SPRD
パラメータ
ラグ
SFRD2
パラメータ
(3.698)
(-1.846)
0.128
-0.111
(3.606)
0.121
(3.462)
0.125
(3.681)
0.132
(3.804)
0.130
(3.720)
0.127
(3.633)
0.120
(3.474)
0.123
(3.724)
0.131
(3.879)
0.128
(3.783)
0.126
(3.708)
0.119
(3.534)
0.116
(3.614)
0.125
(3.814)
0.121
(3.688)
0.119
(3.606)
0.113
(3.459)
2
2
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
(-1.852)
-0.111
(-1.868)
-0.115
(-1.996)
-0.111
(-1.897)
-0.113
(-1.929)
-0.114
(-1.944)
-0.112
(-1.927)
-0.121
(-2.224)
-0.122
(-2.203)
-0.124
(-2.231)
-0.125
(-2.269)
-0.121
(-2.197)
-0.113
(-2.218)
-0.121
(-2.328)
-0.121
(-2.311)
-0.123
(-2.366)
-0.121
(-2.353)
ラグ
(-0.438)
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
注)パラメータ欄の上段は推定されたパラメータ、下段の()内の数値は t 値。
215
パラメータ
0.002
(0.199)
0.017
(1.807)
0.037
(3.051)
-0.012
(-1.048)
-0.004
(-0.377)
0.002
(0.170)
0.017
(1.767)
0.036
(2.986)
-0.011
(-1.004)
-0.002
(-0.228)
0.002
(0.219)
0.016
(1.701)
0.036
(2.917)
-0.012
(-1.095)
-0.002
(-0.208)
0.004
(0.349)
0.017
(1.796)
参考資料 F:国際パネルデータ一覧
第 3 章で実施した分析で利用するために、各国の研究開発や経済状況について収集し、整備し
た国際パネルデータセットを参考資料として掲載した。
データは Main Science and Technology Indicators をはじめとする OECD データベースを主に
参照して以下の 13 カ国についてとりまとめており、収録期間は原則として 1981 年以降である。
ただし、生産性(Productivity)の Total Industry TFP のみ EU KLEMS が推計したデータであ
り、出典は OECD ではない。





カナダ
デンマーク
フィンランド
フランス
ドイツ








アイルランド
イタリア
日本
韓国
オランダ
スペイン
イギリス
アメリカ
なお、表中の各数値の単位については以下のとおり略記している。
単位略号
定義
mil. 2005 PPP
million 2005 dollars - constant prices and PPP
mil. current PPP
million dollars - current prices and PPP
mil. NC
million national currency - for euro area, pre-EMU euro or EUR
NC/$
National currency per US$
216
(1) カナダ
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
%
%
1981 1982
7193 7806
3460 3738
1917 2062
1756 1948
2110 2464
499
535
188
307
40.8
37.9
50.6
52.2
4.8
4.5
3.8
5.3
81.9
76.9
10.7
12.5
0.0
0.0
7.4
10.7
4.1
3.3
1.0
0.8
65
95
26
34
..
..
99
123
128
132
211
216
128
139
362
407
..
..
..
..
..
..
465
563
392
487
115
142
2110 2464
#N/A
587246
307103
52.3
360471
1.20
1.17
587246
117148
105871
19.9%
18.0%
#N/A
#N/A
570457
316499
55.5
379859
1.23
1.20
570457
115315
88821
20.2%
15.6%
1983 1984
7855 8556
3706 4168
2068 2120
2023 2200
2721 2990
584
640
459
546
34.7
35.4
52.8
51.9
4.5
4.1
8.1
8.6
70.9
70.1
12.6
12.8
0.0
0.0
16.6
17.1
3.9
3.9
0.7
0.8
100
125
41
59
..
..
123
128
152
132
248
331
171
186
474
497
..
..
..
..
..
..
544
541
571
632
158
190
2721 2990
#N/A
#N/A
585960
337960
57.7
411386
1.23
1.22
585960
122129
97664
20.8%
16.7%
99.3
#N/A
#N/A
620031
371041
59.8
449582
1.30
1.21
620031
144612
114340
23.3%
18.4%
1985 1986
9230 9685
4862 5223
2195 2276
2099 2108
3060 3203
751
788
545
587
40.0
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342 ..
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-1.1
-0.6
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#N/A
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2011
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..
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2012
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19%
19%
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17%
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..
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..
..
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..
..
..
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#VALUE! #VALUE! #VALUE!
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..
..
..
..
..
..
..
..
(2) デンマーク
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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mil. NC
mil. NC
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mil. NC
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mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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ty
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1995=100
1995 = 100
growth rate in %
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Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
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average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
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2.1
2.1
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84.3
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188
200
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..
..
..
..
..
..
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109483
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..
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..
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..
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..
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..
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万人
万人
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#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
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..
(3) フィンランド
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
%
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mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
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NC/$
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
%
%
%
%
..
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..
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..
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2
..
5
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3
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..
..
..
10
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..
..
..
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4
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5
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88.8
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0.81
89086
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20.4%
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20.6%
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55.0
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0.79
86450
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277
250
280
80
5
56.3
41.6
1.2
0.9
95.6
3.5
0.1
0.8
2.6
11.3
20
3
248
66
2
..
..
..
..
mil. NC
mil. NC
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
1982
..
..
..
..
5
12
45
2
25
mil. NC
mil. NC
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
Economic
Statistics
..
mil. NC
mil. NC
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
1981
1004
549
223
226
208
63
3
54.5
43.4
1.1
1.0
94.9
4.2
0.0
0.9
2.1
9.5
15
2
単位
mil. 2005 PPP
1984 1985
1375 1506
797
884
295
315
273
300
319
382
95
111
3
5
..
..
..
..
..
..
..
..
..
96.6
..
3.2
..
0.0
..
0.2
..
..
..
..
22
23
3
6
..
..
7
9
16
20
75
105
5
8
32
35
..
..
..
..
..
..
89
100
33
38
6
7
319
382
2.3
80.0
81.8
89.8
90.5
-0.1
0.8
94632 97757
59542 63387
62.9
64.8
52681 57311
1.01
1.04
0.88
0.90
94632 97757
19842 19968
19051 20263
21.0% 20.4%
20.1% 20.7%
1986 1987
1631 1782
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338
368
325
358
430
481
120
143
6
18
..
59.6
..
38.1
..
1.2
..
1.0
..
96.3
..
3.2
..
..
..
0.6
..
3.8
..
10.4
29
31
7
8
..
..
10
12
22
24
119
135
8
10
40
44
..
..
..
..
..
..
111
126
42
47
7
8
430
481
2.9
1.8
84.2
85.7
91.7
91.9
1.3
0.3
100339 103841
66516 70856
66.3
68.2
61660 66571
0.85
0.74
0.93
0.94
100339 103841
20305 20950
20970 22813
20.2% 20.2%
20.9% 22.0%
1988 1989
1909 2045
1143 1260
390
395
368
379
545
621
159
194
25
33
..
62.2
..
35.3
..
1.6
..
0.9
..
96.2
..
3.1
..
0.0
..
0.7
..
4.8
..
10.7
32
33
11
11
4
6
13
15
25
27
154
175
12
13
47
53
..
..
..
..
..
..
144
169
51
58
9
10
545
621
2.9
3.2
88.2
91.0
94.1
95.5
2.3
1.5
109263 114811
77132 84118
70.6
73.3
75403 84291
0.70
0.72
0.98
1.00
109263 114811
21613 22207
25237 27513
19.8% 19.3%
23.1% 24.0%
1990 1991
2139 2177
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400
481
401
440
713
800
203
212
32
37
..
56.3
..
40.9
..
1.5
..
1.3
..
93.3
..
5.4
..
0.1
..
1.2
..
3.6
..
11.2
32
19
10
21
23
24
16
28
30
29
200
195
14
30
59
71
..
..
..
..
..
..
196
226
65
84
10
11
713
800
1.2
-1.8
92.1
90.4
95.8
92.8
0.3
-3.1
115391 108468
87812 85469
76.1
78.8
89316 85217
0.64
0.68
1.02
1.00
115391 108468
22575 20783
27419 23776
19.6% 19.2%
23.8% 21.9%
1992 1993
2204 2222
1251 1297
484
455
454
455
840
881
203
314
47
86
..
56.6
..
39.8
..
1.8
..
1.8
..
92.3
..
6.1
..
0.1
..
1.5
..
4.6
..
8.5
19
20
26
26
27
26
30
30
33
34
216
267
31
27
73
70
..
..
..
..
..
..
225
213
86
91
13
19
840
881
1
3.2
91.3
94.3
92.8
95.7
0.0
3.2
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80.7
82.4
83003 83914
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0.96
0.98
0.98
104688 103839
22865 26599
23912 24220
21.8% 25.6%
22.8% 23.3%
1994 1995
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495
462
421
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930
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286
67
43
..
59.5
..
35.1
..
1.0
..
4.5
..
89.1
..
5.6
..
0.0
..
5.3
..
5.7
..
11.9
18
11
21
24
17
20
29
32
31
33
292
295
28
33
64
66
..
..
..
..
..
..
215
245
96
93
19
19
887
930
3.8
2.2
97.8 100.0
99.2 100.0
3.6
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0.88
0.73
0.98
1.00
107633 111898
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25.4% 26.5%
1996 1997
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1937 2197
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461
453
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359
439
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82
..
62.9
..
30.9
..
0.9
..
5.3
..
90.7
..
4.1
..
0.0
..
5.1
..
5.2
..
14.1
11
14
24
27
28
30
32
35
31
48
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324
32
94
67
75
..
..
..
..
..
..
259
313
100
143
19
18
939 1184
2.1
3.2
102.1 105.4
101.4 104.1
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2.7
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87.5
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0.87
1.00
1.00
115892 123084
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30.0% 32.2%
27.4% 28.9%
7%
5.7%
8%
6.1%
8%
6.1%
9%
5.9%
9%
6.0%
10%
6.7%
11%
4.9%
12%
4.2%
10.6%
5.1%
495
334
267
13.0%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
11.3%
480
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250
12.1%
万人
%
9.6%
483
328
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258
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335
265
12.9%
11%
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12.1%
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496
335
269
13.2%
12%
3.2%
13.2%
6.1%
499
336
271
13.4%
12%
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13.8%
18%
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9.0%
1.1%
509
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14.0%
20%
15.1%
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0.8%
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341
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17%
14.9%
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0.6%
512
342
278
14.4%
17%
12.7%
6.0%
1.2%
514
343
279
14.5%
%
year
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
mil. US$
..
..
..
..
mil. US$
score
score
2000 2001
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867
501
490
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1850 2100
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70.2
70.8
26.2
25.5
0.9
1.2
2.7
2.5
95.4
95.6
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3.4
0.1
0.3
1.0
0.7
5.6
6.7
14.5
15.2
20
17
29
30
27
26
28
29
70
58
370
393
88
87
70
75
..
..
..
..
..
..
346
350
159
192
17
21
1296 1352
3.7
1.4
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110.2 111.1
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95.1
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1.12
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1.01
141480 144711
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2002 2003
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993
513
501
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25.7
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1.1
3.1
3.1
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95.8
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3.3
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0.1
1.0
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14.2
13.6
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25
26
33
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390
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78
89
..
..
..
..
..
..
378
393
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198
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42
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1.8
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-0.2
0.2
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1.00
1.01
147366 150331
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33.3% 33.7%
2004
5401
3787
1069
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1.2
3.2
95.3
3.7
0.0
1.0
5.8
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30
28
28
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397
102
92
2
14
71
408
234
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3.1
122.8
114.0
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156128
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40.2%
34.8%
2005
5601
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1066
535
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3716
2890
66.9
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1.2
6.3
90.9
3.8
0.0
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6.5
12.4
17
30
28
32
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95
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18
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422
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1614
1.6
124.7
114.9
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161097
161097
100.0
157429
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161097
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60683
41.8%
37.7%
2006
5846
4168
1095
546
1694
3947
2541
66.6
25.1
1.2
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0.0
6.3
6.6
12.7
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27
29
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460
105
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3
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77
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47
1694
2.7
128.1
118.3
2.9
168202
174526
103.8
165765
0.80
0.95
168202
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65458
44.9%
38.9%
2007
6151
4447
1147
520
1740
4144
2834
68.2
24.1
1.2
6.5
90.9
3.5
0.1
5.5
7.0
13.7
21
28
30
29
136
414
105
101
4
11
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449
290
41
1740
3
132.0
120.4
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191278
108.0
179830
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0.94
177176
81620
70051
46.1%
39.5%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
%
万人
万人
mil. US$
mil. US$
1998 1999
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840
468
485
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66.9
30.0
29.2
1.0
0.9
5.1
3.0
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94.4
4.4
4.2
0.2
0.0
4.5
1.4
4.5
4.7
14.8
14.2
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21
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28
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33
36
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80
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357
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78
73
..
..
..
..
..
..
324
323
149
159
17
18
1250 1275
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1.2
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106.7 107.7
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9.7
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..
9.8
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333
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9.9
334
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10.0
334
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..
..
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10.1
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..
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335
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10.3
335
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..
..
..
10.3
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10.9
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340
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343
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..
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5132 ..
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..
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..
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score
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346
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280
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11.6
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..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
-1080
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..
..
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1.116
1.752
1.360
0.236
..
..
..
..
(4) フランス
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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%
%
%
%
%
%
%
%
%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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0.6
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0.0
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1.3
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..
..
..
..
..
..
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354
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..
..
..
..
..
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..
..
..
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..
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..
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..
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..
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..
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..
..
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..
..
..
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..
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2002
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10.2
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331
..
..
..
2003
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0.1
10.4
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333
..
..
..
2004
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..
..
2005
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..
..
50.7
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..
..
..
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..
..
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..
..
..
2007
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..
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8.1
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1.05
1.04
1.04
GDPデフレータ
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Statistics Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
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名目長期金利
CPI上昇率
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25~64歳人口
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FDI
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Outflows of foreign direct investment
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State control of business enterprises
Market
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NC/$
NC/$
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
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%
%
%
%
%
%
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万人
万人
%
%
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mil. US$
mil. US$
mil. US$
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score
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9.6
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..
..
..
..
(5) ドイツ
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
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mil. NC
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%
%
%
%
%
%
%
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mil. NC
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mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
1981 1982
35620 36515
24568 25665
6077 5919
4786 4717
9071 9871
1709 1778
1079 1262
56.8
56.9
41.8
41.7
0.4
0.4
1.0
1.0
81.7
79.8
16.9
18.7
0.2
0.2
1.2
1.3
1.8
3.5
0.8
0.9
257
232
163
171
375
412
339
339
1381 1814
987 1154
371
404
180
196
..
..
..
..
..
..
..
..
3841 3928
804
842
9071 9871
1983 1984
37206 38265
26220 27064
5872 5987
4941 5012
9763 9926
2010 2081
1487 1603
58.9
59.6
39.6
38.9
0.4
0.3
1.1
1.2
82.2
82.7
16.1
15.6
0.3
0.2
1.4
1.5
5.2
5.3
0.9
1.2
182
198
274
296
393
390
218
222
1482 1509
1185 1190
311
320
236
204
..
..
..
..
..
..
3215 3236
1083 1135
938
990
9763 9926
1985
41979
30326
6116
5353
10753
2484
1763
61.1
37.5
0.3
1.2
83.1
15.3
0.2
1.4
5.4
1.4
227
338
419
206
1359
1521
326
213
..
..
..
1986
43385
31262
6342
5484
10932
3584
3191
62.1
36.3
0.4
1.2
84.7
13.7
0.2
1.4
5.8
1.3
224
353
493
205
1132
1592
335
221
..
..
..
1987
45867
33179
6609
5851
11324
3972
3541
63.7
34.6
0.4
1.3
86.5
11.9
0.2
1.5
6.4
1.2
215
360
593
238
911
1713
369
230
..
..
..
1988
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34262
6811
5929
11380
4297
3633
63.7
34.2
0.5
1.7
86.3
11.4
0.2
2.1
6.8
1.1
250
387
628
239
800
1591
356
233
..
..
..
1989
48894
35364
6961
6341
12085
5382
4220
63.5
33.9
0.5
2.1
86.0
11.0
0.3
2.7
7.1
1.0
263
411
683
239
777
1547
417
250
..
..
..
1990
49425
35623
7215
6364
12843
5735
5234
63.5
33.8
0.5
2.1
86.3
10.7
0.3
2.7
7.9
1.0
301
453
752
248
769
1608
445
249
..
..
..
1991
53292
36956
8653
7684
15057
6771
5331
61.7
35.8
0.5
1.9
87.0
10.1
0.3
2.6
7.0
1.3
374
513
811
304
778
1862
485
478
..
..
..
1992
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35508
8830
7348
15903
7954
5810
61.2
36.4
0.4
2.0
86.5
10.7
0.3
2.5
7.6
3.4
433
596
940
271
747
2209
527
400
..
..
..
1993
49622
33317
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7547
16045
8538
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60.8
37.2
0.3
1.7
87.6
10.3
0.2
1.9
8.4
3.4
440
604
935
268
672
1992
515
417
..
..
..
1994
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7436
15815
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6768
60.4
37.5
0.3
1.7
87.6
10.2
0.2
2.0
8.3
3.4
451
582
869
267
604
1975
503
419
..
..
..
1995
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32952
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7699
16177
9650
7791
60.0
37.9
0.3
1.8
87.5
10.2
0.1
2.2
8.2
3.4
370
580
833
246
556
2157
520
421
..
..
..
1996
50267
33225
9343
7699
16461
10862
8308
59.6
38.1
0.3
2.0
87.1
10.5
0.1
2.3
9.2
1.8
356
615
809
242
578
2225
557
425
..
..
..
1997
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35206
9349
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16009
13132
10944
61.3
35.9
0.3
2.4
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9.2
0.1
2.8
9.7
2.0
325
563
763
273
563
2040
530
432
..
..
..
1998
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14594
12078
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34.8
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2.5
88.7
8.5
0.1
2.7
10.5
2.1
294
552
760
275
589
1998
519
433
..
..
..
1999
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40627
9590
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16322
16153
12156
65.4
32.1
0.4
2.1
90.7
7.0
0.2
2.1
11.3
2.1
293
563
736
280
594
2092
543
417
..
..
..
2000
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43308
9910
8361
16253
19771
14743
66.0
31.4
0.4
2.1
90.8
6.9
0.2
2.1
11.6
2.2
280
542
768
270
556
2002
582
410
..
..
..
2001
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10254
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23501
16289
65.7
31.4
0.4
2.5
90.7
6.7
0.2
2.4
12.2
2.3
270
512
814
288
513
1949
676
341
..
..
..
2002
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10769
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0.5
2.4
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6.2
0.2
2.4
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2.5
288
515
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306
503
2095
689
334
..
..
..
2003
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17101
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20600
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2.3
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514
2122
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334
..
..
..
2004
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23135
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30.5
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5.9
0.1
2.3
13.2
2.5
306
586
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474
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733
332
..
..
..
2005
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4.5
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14.1
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303
593
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667
2006
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..
..
..
..
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990
991 1141
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..
..
..
..
..
..
..
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1.6
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..
..
..
..
..
..
..
..
..
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..
2007
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2008
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19692
-0.3
114.2
2009
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-3.3
110.4
2010
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23016
1.7
112.3
2011
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..
..
..
..
92.0
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..
..
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348
8894
3856
937
23437
NC/$
NC/$
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
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274746 284922 283496 308602 331617 327670 330095 348782 384635 428287 475504 472642 444440 480381 511551 544418 606758 653195 690939 782329 832371 867676 889516 984723 1060210 1198992 1294622 1331412 1160824 1319855 1423014
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16.5%
%
%
17.4%
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83.6
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85.0
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96.1
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28.6%
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
%
%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
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12%
10.1%
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7841
5232
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15.3%
%
万人
万人
万人
%
12%
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5393
4109
14.6%
13%
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-0.1%
7772
5400
4140
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14%
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5408
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14%
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..
..
..
..
mil. US$
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..
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..
..
..
score
score
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%
%
mil. US$
mil. US$
24120
..
..
..
..
..
..
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..
..
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..
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..
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1.04
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2005=100
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2012
..
..
..
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..
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4296
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..
..
..
..
..
..
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#N/A
#N/A
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#N/A
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#N/A
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..
..
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#N/A #N/A #N/A #N/A
#N/A #N/A #N/A #N/A
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
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1.9%
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5577
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5572
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9.8%
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1.0%
8253
5560
4603
17.7%
15%
10.5%
4.0%
1.7%
8252
5536
4571
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15%
11.3%
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#N/A
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#N/A
#N/A
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..
..
..
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#N/A
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..
..
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..
..
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13% #VALUE! #VALUE!
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2.6%
2.6%
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2.3%
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20.2% 20.5% #VALUE! #VALUE!
#VALUE! 26.4% #VALUE! #VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#VALUE!
#N/A
#N/A
..
..
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2.131
1.827
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0.68
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..
..
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..
..
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1.267
1.958
1.315
0.529
..
..
..
..
..
..
..
..
(6) アイルランド
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
1981 1982
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129
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48
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118
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64
..
..
..
..
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37.7
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56.5
1.1
1.1
4.8
4.8
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80.5
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13.7
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0.1
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..
..
..
..
..
..
12
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0
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1983 1984
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135
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106
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70
..
..
..
..
42.1
43.3
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1.2
1.6
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11.2
10.8
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17
..
..
..
..
..
..
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19
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3
0
0
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70
..
..
..
1985 1986
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397
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210
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97
..
..
..
..
45.7
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1.5
1.5
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6.5
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13.8
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1
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..
..
..
..
..
..
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0
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-1.8
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70.6
..
..
..
1987 1988
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418
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233
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105
104
..
..
..
..
48.6
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..
..
..
..
..
..
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0
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..
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NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
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65.1
26614
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69.3
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0.83
53844
20482
20063
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37.3%
1989 1990
444
499
259
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100
117
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74
101
102
..
..
..
..
55.4
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2.1
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30
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..
..
..
..
..
..
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5
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102
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245 #VALUE!
11.2% 11.5% #VALUE!
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! 35.9% #VALUE! #VALUE! #VALUE!
10%
3.9%
5.0%
4.9%
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259
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8%
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5.0%
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392
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201
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259
..
..
..
..
8%
4.6%
4.1%
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398
270
206
11.2%
10.7
265
..
..
..
..
8%
4.5%
4.1%
2.2%
405
275
211
11.2%
9%
4.5%
3.8%
3.9%
424
290
227
11.0%
9%
4.6%
4.3%
4.9%
434
297
234
10.9%
..
..
..
..
18079 14304 15332
-10614 -31670 -5545
150060
203683
21150
24712
10.8
270
..
..
..
..
10.8
275
..
..
1.297
2.444
1.274
0.172
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4.4%
3.3%
2.4%
413
282
218
11.1%
317708
247094
17803
26331
..
..
..
..
..
..
..
..
(7) イタリア
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
%
%
%
%
%
万人
万人
万人
%
%
year
mil. US$
mil. US$
mil. US$
mil. US$
score
score
score
score
1981 1982
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112
50.1
48.5
47.2
48.5
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0.0
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3.0
86.9
83.6
8.8
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0.0
0.0
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4.7
2.7
2.3
2.3
2.6
25
26
24
44
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63
11
24
330
360
250
300
38
42
40
65
..
..
..
..
..
..
331
417
105
105
87
74
1344 1548
88.0
1983 1984
10112 11092
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1948 2080
2390 2759
1953 2403
471
511
116
150
45.1
43.5
52.4
52.9
0.0
0.0
2.5
3.6
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18.1
18.0
0.0
0.0
4.3
6.2
0.5
0.7
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2.3
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20
85
154
20
37
430
547
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438
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199
101
120
..
..
..
..
..
..
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485
113
136
112
200
1953 2403
86.6
-1.6
86.9
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86.8
88.0
1.3
1985
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0.0
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0.0
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1.5
2.0
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..
..
..
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207
273
2744
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88.9
1.0
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..
..
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..
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..
..
..
..
..
..
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..
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..
..
..
..
..
..
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..
..
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..
..
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..
..
..
..
..
..
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..
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..
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..
..
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..
..
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..
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128
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..
..
..
..
..
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..
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..
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..
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..
..
..
..
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..
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..
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..
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..
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..
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..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
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..
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..
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..
..
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2006 2007
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98.0
2009
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1010
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315
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711
67
9778
-3.4
94.6
2010
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356
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201
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1.9
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2011
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9911
..
..
..
..
..
..
..
..
1.3
..
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319
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9161
2012
..
11171
..
..
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..
..
..
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7.4
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7.6
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8.1
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8.2
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..
..
..
..
..
(8) 日本
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
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Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
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%
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%
%
%
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mil. NC
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mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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Productivi
ty
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1995=100
1995 = 100
growth rate in %
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Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
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average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
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Inward FDI stocks
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Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
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..
..
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11.2
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11.6
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11.8
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201440 ..
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..
..
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..
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..
9850 ..
..
..
..
33508 ..
..
..
..
50322 ..
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..
..
132851 203372 200151
..
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30963 45831 50243 73545 127981 74698
..
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..
..
7818 2778 -6503 22548 24417 11938
2.217
1.431
1.140
3.149
2.589
1.432
2.965
1.355
1.368
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0.349
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224
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831110
214890
56276
-1670
..
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(9) 韓国
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
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%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
1981
単位
mil. 2005 PPP
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
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1982
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1983
1984
1985
1986
1987
1988
1989
1990
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#N/A
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#N/A
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#N/A #N/A
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1993 1994
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96.6
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#N/A #N/A
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82.7
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1995 1996
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..
..
..
..
..
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20.3
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16.5
17.6
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3.2
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#N/A #N/A
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..
..
..
..
..
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25.9
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9.9
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4
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#N/A #N/A
#N/A #N/A
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2540 2691 2798 3162 3156 3414 3632 4013 4537 5026 5769 6267 ..
3274013 3749497 4485316 5158300 5576800 6099500 6736800 7228300 8139600 9346100 10630000 11957621 13045561
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..
..
..
..
..
70.0
24.9
5.1
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..
..
..
..
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342397
..
..
..
..
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25.0
2.1
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#N/A
#N/A
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176605
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mil. US$
mil. US$
mil. US$
score
score
score
score
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0.3
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! 22.5% 23.1%
#N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A
#N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A
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..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
2.412
2.645
2.734
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225
3.4%
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4.0%
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..
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93.1
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..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
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..
..
..
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..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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..
..
..
..
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3
3.1
3
4.2
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#N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A
#N/A #N/A #N/A #N/A #N/A #N/A
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
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2.4%
2.4%
2.5%
2.9%
2.5%
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2.0%
2.6%
7.0%
6.6%
4.4%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
mil. US$
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year
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%
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..
..
..
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%
%
%
万人
万人
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2012
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! 38.8% #VALUE! #VALUE! #VALUE!
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#N/A
..
..
..
..
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12%
12%
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9.5% 10.0% 10.4%
#N/A
#N/A
..
..
..
..
#N/A
#N/A
..
..
..
..
#N/A
#N/A
..
..
..
..
#N/A
#N/A
..
..
..
..
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..
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..
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1.478
1.991
1.141
1.302
..
..
..
..
(10) オランダ
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
%
%
%
%
%
%
%
%
%
%
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
Total Industry TFP (value added based) by EU KLEMS Nov. 2009, updated Mar. 2011
1995=100
1995 = 100
growth rate in %
National 実質GDP(PPPベース)
Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
%
%
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84.2
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7.2
0.0
0.0
8.2
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15
16
..
..
122
91
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104
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118
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127
..
..
..
..
..
..
628
794
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1576 1768
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1.13
1.14
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-0.6
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1750 2013
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..
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113
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1053
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4.6%
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..
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11.7
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..
..
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#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
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..
..
..
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..
..
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..
..
..
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..
..
..
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1.708
0.871
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..
..
..
..
(11) スペイン
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
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Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. NC
mil. NC
mil. NC
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mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
mil. NC
growth rate in %
Productivi
ty
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1995=100
1995 = 100
growth rate in %
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Accounts 名目GDP(PPPベース)
mil. 2005 PPP
mil. current PPP
Economic
Statistics
Population
Education
FDI
Product
Market
Regulation
GDPデフレータ
名目GDP(現地通貨ベース)
Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
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average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
%
%
%
%
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..
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..
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..
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..
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..
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..
..
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..
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Technology balance of payments: Receipts
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..
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Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
総人口
15~64歳人口
25~64歳人口
高齢化率(65歳以上人口比率)
Population aged 25-64 with tertiary level of education
average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
Outward FDI stocks
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Market Regulation
State control of business enterprises
Legal and administrative barriers to entrepreneurship
Barriers to international trade and investment
1981
23710
14928
3214
4893
3395
397
480
42.0
48.1
3.0
6.9
61.3
30.0
単位
mil. 2005 PPP
2005=100
mil. NC
NC/$
NC/$
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
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万人
万人
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year
mil. US$
mil. US$
mil. US$
mil. US$
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540
194
1571
3395
85.9
1982
1983
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14463
3302
4714
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482
502
615
..
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..
49.0
..
2.6
..
5.3
..
63.0
..
30.2
..
..
..
6.8
..
3.1
..
12.5
67
69
49
44
73
74
61
57
224
221
218
258
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152
202
207
..
..
..
..
..
..
600
616
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..
..
..
..
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2.8
1984
1985 1986
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719
653
766
809
719
..
45.9
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..
43.5
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..
2.6
2.5
..
8.0
9.2
..
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64.4
..
23.0
23.4
..
..
..
..
11.1
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..
5.2
5.7
..
14.6
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77
80
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53
49
81
128
125
60
54
66
208
205
188
288
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446
158
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190
206
204
200
..
..
..
..
..
..
..
..
..
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669
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281
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195
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-0.3
0.3
2.4
..
..
..
..
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36.5
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2.8
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20.0
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..
..
12.0
12.0
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58
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67
170
177
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204
222
198
209
..
..
..
..
..
..
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800
209
249
2002 1957
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95.1
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-0.2
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..
..
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74
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199
..
..
..
..
..
..
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3.5
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..
..
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149
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120
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394
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261
..
..
..
..
..
..
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..
..
..
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2.3
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19.1
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..
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..
..
..
..
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1.2
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..
..
..
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143
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..
..
..
1033
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104.8
101.2
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1999
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..
..
..
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..
..
..
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2001
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..
..
..
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..
..
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20.3
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..
..
..
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2004
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..
..
..
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2092
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121.8
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2007
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177
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2008
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2003
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2009
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..
..
..
..
..
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..
..
2012
..
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..
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55.7
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85.8
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0.64
0.64
0.64
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(13) アメリカ合衆国
DB名
MSTI
GBAORD
指標名
Gross Domestic Expenditure on R&D
Business Enterprise Expenditure on R&D
Higher Education Expenditure on R&D
Government Intramural Expenditure on R&D
Total Government Budget Appropriations or Outlays for R&D
Technology balance of payments: Payments
Technology balance of payments: Receipts
Percentage of GERD financed by industry
Percentage of GERD financed by government
Percentage of GERD financed by other national sources
Percentage of GERD financed by abroad
Percentage of BERD financed by industry
Percentage of BERD financed by government
Percentage of BERD financed by other national sources
Percentage of BERD financed by abroad
Percentage of HERD financed by industry
Percentage of GOVERD financed by industry
Exploration and exploitation of the Earth
Environment
Exploration and exploitation of space
Transport, telecommunication and other infrastructures
Energy
Industrial Production and technology
Health
Agriculture
Education
Culture, recreation religion and mass media
Political and social systems, structures and processes
General advancement of knowledge : R&D financed from General University Funds (GUF)
General advancement of knowledge : R&D financed from other sources than GUF
Defence
Total
Multi-factor Productivity
単位
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
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mil. NC
mil. NC
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..
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Productivi
ty
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1995 = 100
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GDPデフレータ
Economic 名目GDP(現地通貨ベース)
Statistics Exchange Rates
Purchasing Power Parities for GDP
GDP
Export
Import
輸出比率
輸入比率
Share of ICT value added in business sector value added
Shares of ICT investment in non-residential gross fixed capital formation
Unemployment rates
名目長期金利
CPI上昇率
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15~64歳人口
25~64歳人口
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average number of years of schooling of the population aged between 25 and 64 years
working age population (15-64 years)
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FDI
Inward FDI stocks
Inflows of foreign direct investment
Outflows of foreign direct investment
Product Product Market Regulation
State control of business enterprises
Market
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NC/$
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mil. 2005 PPP
mil. 2005 PPP
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%
%
%
%
%
%
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万人
万人
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%
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mil. US$
mil. US$
mil. US$
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score
score
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1.00
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1.00
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2012
..
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..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
..
1.278
1.406
2.022
0.406
229
32%
30%
29%
29%
28%
28%
27%
26%
4.0%
4.7%
5.8%
6.0%
5.5%
5.1%
4.6%
4.6%
6.0%
5.0%
4.6%
4.0%
4.3%
4.3%
4.8%
4.6%
3.4%
2.8%
1.6%
2.3%
2.7%
3.4%
3.2%
2.9%
28217 28505 28775 29024 29294 29562 29843 30139
18682 18931 19166 19375 19608 19845 20075 20289
14740 14910 15081 15236 15413 15600 15791 15974
12.4% 12.4% 12.3% 12.4% 12.4% 12.4% 12.5% 12.6%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
12.8
12.8
21258 21509
..
1421017 ..
..
..
..
..
1531607
..
..
..
..
12.8
12.9
21757 22117
..
..
..
..
1.058
1.193
1.631
0.350
12.9
22336
..
..
316222
145966
..
..
12.6%
16.4%
9%
27%
5.8%
3.7%
3.8%
30418
20449
16110
12.7%
11.8%
14.6%
12.8%
16.0%
13.4%
16.5%
#VALUE! #VALUE! #VALUE! #VALUE!
31% #VALUE! #VALUE! #VALUE!
9.3%
9.6%
9.0% #VALUE!
3.3%
3.2%
2.8% #VALUE!
-0.4%
1.6%
3.2% #VALUE!
30666 30905 #VALUE!
20595 20737 #VALUE!
16237 16368 #VALUE!
12.9% 13.1% #VALUE!
#VALUE! 41.2% #VALUE! #VALUE! #VALUE!
3553095 3748512 4067501 4429426 ..
..
2345923 2397396 2441705 2658932 ..
..
36236 244922 414039 329080 303605 351350 ..
112638 243151 221166 310091 158581 236227 ..
0.836
1.102
1.236
0.169
..
..
..
..
参考資料 G:企業レベル TFP 測定のためのデータ加工方法について
(1) 産出
名目産出額として売上高を使った。ただし、商業の場合は、売上高から仕入れ額を引
いた額を名目産出額とした。名目産出額を実質化するために適用したデフレーター
( 2000 年基準)は JIP2009 のデフレーターを「企業活動基本調査」の 3 桁産業分類
に合わせて、再集計して求めたものである。0 以下の産出額はサンプルから除いた。
(2) 中間投入
中間投入額は以下の通りである。
中間投入額=売上原価+販売費・一般管理費-(賃金総額+減価償却費)
ただし、商業に関しては、賃金総額、減価償却費と仕入額を売上原価と販管費の合計
から引いたものを中間投入額とした。実質化のための中間投入デフレーターは JIP2009
の中間投入デフレーターを「企業活動基本調査」の 3 桁産業分類に合わせて作成した。
(3) 資本
各企業の実質純資本ストック (Kf,t)は、土地を除いた各企業の簿価表示の有形固定資産
額(KNBf,t)に、その企業が属している産業の資本ストックの毎年の時価・簿価比率
(Kit/KNBit)を掛けることによって求めた。
K f ,t  KNB f ,t 
i
Kt
i
KNBt
ただし、
「企業活動基本調査」で報告されている有形固定資産額には土地を含まれてい
る。土地に関する報告は 1995 年と 1996 年しかされてない。ここでは、有形固定資産額
に対する土地の割合の産業平均を 1995 年と 1996 年のデータで計算し、各年の簿価の有
形固定資産額からこの割合の分を引くことによって土地を除いた簿価表示の有形固定資
産額 (KNBf,t)を求めた。
産業 i の実質純資本ストック (Kit)は 1975 年『法人企業統計調査』の「その他の有形
固定資産額期末値」を JIP2009 の投資デフレーター(注)によって 2000 年価格に変換し、
実質純資本ストックの初期値にしたうえで、恒久棚卸法 (perpetual inventory method)
により 1975 年以降の各年の純資本ストックを推定した。恒久棚卸法の計算式は次のとお
りである。
K t  1   t  K t  I t
i
i
i
i
t は、産業 i の t 期の名目投資(=当期末その他の有形固定資産-前期末その他の有
形固定資産+減価償却費)を投資デフレーターによって実質化したものであり、δit は、
230
JIP2009 から求めた、産業 i の t 期の資本減耗率である。KNBit は、産業 i の t 期の
簿価の「当期末その他の有形固定資産」である。
(4) 労働
労働投入は、各企業の常用従業者数に産業の平均労働時間を掛けて算出した。平均労
働時間は JIP2009 から取った。
(5) 各生産要素のコスト
①資本コスト
資本のユーザーコスト (ckf,t)は以下のように計算されている。
i
1  z f ,t i 
p t 
i
p  f ,t rt  1  ut 1   f ,t it   t  i 
c 
1  uit t 
pt 
k
f ,t
ここで、zf,t は、1 単位の投資に対する固定資本減耗の節税分、ut は法人実効税率、
λf,t は企業の自己資本比率、rt は長期市場金利(利付き国債利回り(10 年のもの))、it は
長期貸出金利(長期貸出プライムレート)、pit は投資デフレーターを、それぞれ表わして
いる。固定資本減耗の節税分(zf,t)と、法人実効税率 (ut)は以下のように計算した。
z f ,t 
ut 
i
ut   t
 f ,t r t  1  u t 1   f ,t it   it
u t  1  u t   u t
1  u tc
n
l
c
ここで、unt、ult、uct はそれぞれ、法人税率、住民税率、事業税率である。
②労働コスト
労働コストとして、従業者に対する賃金総額を使った。
③中間投入コスト
中間投入コストとして、名目中間投入額を使った。
(6) 二重計算問題について
本稿では各生産要素の投入額、投入コストから研究開発のための生産要素の投入額、
投入コストを引くことによる二重計算問題の処理は行っていない。なお、科学技術政策
研究所「イノベーション測定手法の開発に向けた調査研究」(2008 年3月)によれば、
二重計算問題の処理は推計結果に重大な影響は及ぼさなかった。
231
参考資料 H:生産性と性格別研究開発集約度のタイムラグ構造
第 4 章では、科学技術研究調査および企業活動基本調査の企業レベルのデータを接続し
たデータセットに基づき、全要素生産性 TFP を基礎、応用、開発の性格別研究開発の集約
度(対売上高比)で説明する関数を推定した。
そこでは性格別の研究開発集約度のタイムラグを変更しつつ回帰分析を行ったが、同じ
式においてはいずれの性格であっても同じタイムラグ期間を設定して分析を行っていた。
しかし、基礎研究と応用研究、開発研究などの性格によって研究開発の成果が生産性に影
響を及ぼすまでのタイムラグが異なっている可能性がある。
そこで基礎、応用、開発のそれぞれについてタイムラグを 1 期から 5 期に設定し、すべ
ての組み合わせ(5×5×5=125 通り)について回帰分析を行った。以下は、推定結果のう
ち性格別研究開発集約度の項のパラメータのみを抽出した一覧である。
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
自由度修正済
決定係数
0.077
0.080
0.075
0.086
0.085
0.080
0.080
0.075
0.085
0.085
0.075
0.075
0.075
0.073
D.W.
2.098
2.079
2.094
2.047
2.086
2.080
2.081
2.164
2.036
2.071
2.094
2.165
2.094
2.140
基礎
ラグ
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
応用
パラメータ
0.340
(1.616)
0.421
(1.962)
0.467
(2.082)
0.455
(1.975)
0.448
(1.917)
0.498
(2.331)
0.492
(2.303)
0.503
(2.254)
0.511
(2.245)
0.501
(2.176)
0.460
(2.053)
0.471
(2.109)
0.455
(2.028)
0.451
(1.996)
232
ラグ
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
3
開発
パラメータ
0.089
(1.825)
0.077
(1.090)
0.103
(0.932)
0.148
(1.252)
0.158
(1.311)
-0.109
(-1.898)
-0.096
(-1.681)
0.011
(0.098)
0.050
(0.424)
0.041
(0.341)
0.129
(1.198)
0.117
(1.038)
0.135
(1.261)
0.127
(1.082)
ラグ
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
パラメータ
0.042
(2.100)
0.051
(2.027)
0.065
(2.159)
0.099
(2.798)
0.066
(1.568)
0.043
(1.826)
0.049
(1.949)
0.073
(2.403)
0.119
(3.318)
0.089
(2.101)
0.064
(2.351)
0.050
(1.684)
0.066
(2.180)
0.100
(2.851)
基礎
No.
自由度修正済
決定係数
15
0.073
2.060
1
16
0.086
2.049
1
17
0.084
2.039
1
18
0.072
2.142
1
19
0.086
2.047
1
20
0.090
2.018
1
21
0.085
2.086
1
22
0.085
2.073
1
23
0.073
2.059
1
24
0.091
2.016
1
25
0.084
2.087
1
26
0.079
2.079
2
27
0.080
2.080
2
28
0.074
2.164
2
29
0.085
2.035
2
30
0.085
2.070
2
31
0.080
2.081
2
32
0.080
2.082
2
33
0.074
2.165
2
34
0.085
2.037
2
35
0.084
2.072
2
36
0.075
2.165
2
D.W.
ラグ
応用
パラメータ
0.439
(1.903)
0.474
(2.064)
0.472
(2.060)
0.458
(2.015)
0.461
(2.005)
0.477
(2.040)
0.491
(2.099)
0.482
(2.076)
0.452
(1.946)
0.484
(2.060)
0.473
(2.020)
0.270
(1.191)
0.282
(1.246)
0.240
(1.053)
0.306
(1.295)
0.319
(1.333)
0.353
(1.560)
0.360
(1.595)
0.285
(1.249)
0.353
(1.495)
0.366
(1.533)
0.223
(0.974)
233
ラグ
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
2
2
3
開発
パラメータ
0.109
(0.906)
0.122
(1.011)
0.184
(1.502)
0.122
(0.976)
0.140
(1.157)
0.141
(1.091)
0.079
(0.600)
0.112
(0.855)
0.072
(0.552)
0.110
(0.781)
0.100
(0.760)
0.086
(1.222)
0.085
(1.204)
0.144
(1.294)
0.188
(1.603)
0.177
(1.470)
-0.105
(-1.828)
-0.093
(-1.621)
0.032
(0.288)
0.065
(0.554)
0.053
(0.443)
0.140
(1.248)
ラグ
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
パラメータ
0.065
(1.539)
0.096
(2.782)
0.072
(2.041)
0.072
(2.030)
0.102
(2.862)
0.081
(1.913)
0.063
(1.926)
0.082
(2.082)
0.079
(2.050)
0.112
(2.775)
0.070
(1.664)
0.039
(1.674)
0.051
(2.045)
0.074
(2.451)
0.118
(3.308)
0.088
(2.084)
0.041
(1.778)
0.050
(1.967)
0.074
(2.445)
0.119
(3.332)
0.091
(2.143)
0.069
(2.545)
基礎
No.
自由度修正済
決定係数
37
0.074
2.166
2
38
0.075
2.164
2
39
0.074
2.191
2
40
0.074
2.123
2
41
0.085
2.039
2
42
0.084
2.040
2
43
0.073
2.193
2
44
0.085
2.036
2
45
0.091
2.005
2
46
0.085
2.071
2
47
0.085
2.074
2
48
0.074
2.122
2
49
0.092
2.002
2
50
0.085
2.072
2
51
0.075
2.096
3
52
0.075
2.167
3
53
0.075
2.096
3
54
0.073
2.142
3
55
0.073
2.062
3
56
0.075
2.166
3
57
0.074
2.168
3
58
0.075
2.166
3
D.W.
ラグ
応用
パラメータ
0.249
(1.093)
0.240
(1.051)
0.264
(1.141)
0.269
(1.142)
0.263
(1.108)
0.314
(1.321)
0.271
(1.162)
0.290
(1.222)
0.339
(1.413)
0.314
(1.299)
0.343
(1.424)
0.286
(1.204)
0.340
(1.409)
0.324
(1.342)
0.602
(2.208)
0.610
(2.211)
0.622
(2.283)
0.525
(1.892)
0.591
(1.996)
0.659
(2.394)
0.672
(2.443)
0.678
(2.467)
234
ラグ
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
2
2
2
開発
パラメータ
0.141
(1.254)
0.146
(1.301)
0.186
(1.535)
0.149
(1.209)
0.202
(1.644)
0.203
(1.655)
0.190
(1.511)
0.220
(1.789)
0.183
(1.418)
0.121
(0.928)
0.128
(0.980)
0.112
(0.857)
0.172
(1.227)
0.145
(1.108)
0.097
(0.871)
0.108
(0.965)
0.090
(0.806)
0.139
(1.195)
0.134
(1.114)
-0.002
(-0.014)
0.001
(0.011)
-0.003
(-0.022)
ラグ
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
パラメータ
0.051
(1.700)
0.075
(2.470)
0.115
(3.257)
0.080
(1.894)
0.126
(3.488)
0.073
(2.053)
0.082
(2.334)
0.122
(3.399)
0.104
(2.452)
0.085
(2.531)
0.084
(2.113)
0.094
(2.431)
0.143
(3.515)
0.093
(2.205)
0.063
(2.345)
0.049
(1.650)
0.066
(2.194)
0.095
(2.703)
0.062
(1.473)
0.068
(2.519)
0.049
(1.643)
0.074
(2.442)
基礎
No.
自由度修正済
決定係数
59
0.075
2.192
3
60
0.074
2.125
3
61
0.075
2.096
3
62
0.075
2.167
3
63
0.075
2.096
3
64
0.073
2.142
3
65
0.073
2.062
3
66
0.073
2.144
3
67
0.073
2.196
3
68
0.072
2.144
3
69
0.073
2.142
3
70
0.077
2.087
3
71
0.073
2.062
3
72
0.074
2.126
3
73
0.073
2.061
3
74
0.078
2.084
3
75
0.073
2.063
3
76
0.086
2.051
4
77
0.085
2.040
4
78
0.072
2.143
4
79
0.086
2.048
4
80
0.090
2.020
4
D.W.
ラグ
応用
パラメータ
0.602
(2.139)
0.668
(2.231)
0.589
(2.155)
0.613
(2.224)
0.601
(2.200)
0.536
(1.925)
0.617
(2.082)
0.573
(2.072)
0.580
(2.062)
0.599
(2.169)
0.537
(1.935)
0.632
(2.144)
0.645
(2.177)
0.624
(2.068)
0.647
(2.184)
0.647
(2.182)
0.633
(2.134)
0.668
(2.154)
0.679
(2.178)
0.655
(2.126)
0.697
(2.252)
0.743
(2.355)
235
ラグ
2
2
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
1
1
1
開発
パラメータ
0.001
(0.012)
-0.019
(-0.160)
0.115
(1.057)
0.107
(0.944)
0.120
(1.105)
0.117
(0.986)
0.088
(0.726)
0.107
(0.853)
0.157
(1.247)
0.114
(0.910)
0.129
(1.025)
0.108
(0.834)
0.049
(0.369)
0.076
(0.577)
0.056
(0.426)
0.073
(0.526)
0.067
(0.509)
0.149
(1.252)
0.162
(1.360)
0.135
(1.159)
0.130
(1.091)
0.154
(1.252)
ラグ
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
パラメータ
0.109
(3.096)
0.078
(1.851)
0.063
(2.318)
0.049
(1.648)
0.067
(2.213)
0.096
(2.722)
0.064
(1.516)
0.093
(2.642)
0.056
(1.579)
0.072
(2.040)
0.097
(2.749)
0.077
(1.812)
0.061
(1.832)
0.068
(1.683)
0.079
(2.053)
0.114
(2.849)
0.065
(1.542)
0.095
(2.749)
0.071
(2.021)
0.070
(1.990)
0.099
(2.780)
0.078
(1.833)
基礎
No.
自由度修正済
決定係数
81
0.086
2.040
4
82
0.084
2.041
4
83
0.074
2.194
4
84
0.085
2.037
4
85
0.091
2.006
4
86
0.073
2.144
4
87
0.074
2.195
4
88
0.072
2.144
4
89
0.073
2.142
4
90
0.077
2.087
4
91
0.086
2.051
4
92
0.084
2.041
4
93
0.072
2.144
4
94
0.086
2.049
4
95
0.090
2.021
4
96
0.091
2.020
4
97
0.091
2.008
4
98
0.077
2.086
4
99
0.091
2.018
4
100
0.090
2.021
4
101
0.085
2.087
5
102
0.085
2.073
5
D.W.
ラグ
応用
パラメータ
0.728
(2.338)
0.763
(2.451)
0.764
(2.462)
0.763
(2.456)
0.812
(2.577)
0.650
(2.116)
0.667
(2.152)
0.673
(2.191)
0.674
(2.196)
0.723
(2.308)
0.698
(2.232)
0.672
(2.138)
0.678
(2.191)
0.702
(2.246)
0.768
(2.406)
0.777
(2.445)
0.753
(2.368)
0.766
(2.416)
0.788
(2.479)
0.786
(2.471)
0.655
(2.111)
0.621
(2.002)
236
ラグ
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
5
1
1
開発
パラメータ
0.030
(0.257)
0.035
(0.298)
-0.011
(-0.095)
0.025
(0.211)
0.024
(0.198)
0.109
(0.922)
0.149
(1.218)
0.118
(0.992)
0.112
(0.946)
0.127
(1.043)
0.096
(0.782)
0.160
(1.281)
0.104
(0.818)
0.112
(0.907)
0.105
(0.797)
0.066
(0.465)
0.119
(0.840)
0.058
(0.412)
0.080
(0.560)
0.089
(0.623)
0.158
(1.297)
0.161
(1.320)
ラグ
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
パラメータ
0.125
(3.470)
0.071
(2.006)
0.080
(2.271)
0.119
(3.315)
0.102
(2.391)
0.093
(2.625)
0.056
(1.581)
0.071
(2.006)
0.099
(2.837)
0.076
(1.799)
0.093
(2.697)
0.071
(1.997)
0.070
(1.989)
0.101
(2.834)
0.081
(1.897)
0.094
(2.517)
0.093
(2.310)
0.079
(2.010)
0.112
(2.765)
0.082
(1.919)
0.062
(1.898)
0.081
(2.057)
基礎
No.
自由度修正済
決定係数
103
0.074
2.060
5
104
0.091
2.017
5
105
0.085
2.088
5
106
0.085
2.071
5
107
0.085
2.074
5
108
0.075
2.123
5
109
0.093
2.003
5
110
0.085
2.072
5
111
0.073
2.061
5
112
0.074
2.125
5
113
0.073
2.060
5
114
0.078
2.084
5
115
0.073
2.062
5
116
0.091
2.019
5
117
0.092
2.007
5
118
0.077
2.085
5
119
0.091
2.017
5
120
0.090
2.020
5
121
0.085
2.088
5
122
0.085
2.074
5
123
0.073
2.061
5
124
0.091
2.018
5
D.W.
ラグ
応用
パラメータ
0.607
(1.991)
0.751
(2.377)
0.686
(2.214)
0.692
(2.241)
0.702
(2.273)
0.672
(2.209)
0.812
(2.590)
0.727
(2.360)
0.631
(2.075)
0.590
(1.929)
0.638
(2.099)
0.713
(2.312)
0.650
(2.140)
0.758
(2.399)
0.743
(2.359)
0.736
(2.376)
0.774
(2.452)
0.795
(2.518)
0.723
(2.305)
0.665
(2.122)
0.668
(2.167)
0.801
(2.518)
237
ラグ
1
1
1
2
2
2
2
2
3
3
3
3
3
4
4
4
4
4
5
5
5
5
開発
パラメータ
0.143
(1.185)
0.154
(1.257)
0.140
(1.146)
0.034
(0.277)
0.040
(0.333)
-0.009
(-0.075)
0.037
(0.302)
0.020
(0.167)
0.093
(0.765)
0.123
(0.984)
0.101
(0.835)
0.128
(1.057)
0.091
(0.749)
0.113
(0.870)
0.148
(1.137)
0.102
(0.788)
0.127
(0.980)
0.117
(0.896)
0.050
(0.377)
0.089
(0.671)
0.046
(0.343)
0.079
(0.556)
ラグ
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
5
1
2
3
4
パラメータ
0.079
(2.053)
0.110
(2.730)
0.068
(1.608)
0.085
(2.530)
0.081
(2.041)
0.092
(2.387)
0.141
(3.464)
0.091
(2.148)
0.060
(1.803)
0.067
(1.673)
0.080
(2.067)
0.114
(2.848)
0.066
(1.563)
0.094
(2.505)
0.093
(2.300)
0.079
(2.023)
0.113
(2.793)
0.083
(1.948)
0.060
(1.839)
0.080
(2.025)
0.079
(2.040)
0.112
(2.770)
No.
自由度修正済
決定係数
125
0.085
D.W.
2.089
基礎
ラグ
5
応用
パラメータ
0.728
(2.323)
238
ラグ
5
開発
パラメータ
0.068
(0.510)
ラグ
5
パラメータ
0.071
(1.689)
まとめ:今後の研究の方向性
科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因
研究会での議論を踏まえ、科学技術イノベーション政策と研究開発の関係、研究開発や
知識ストックと様々な経済変数の相互関係について検討するため、模式図として整理する
ことを試みた。
科学技術イノベーション政策、研究開発及び知識ストックを取り巻く要因と構造(イメージ)
【その他要因】
グローバル競争の
激化
製品サイクルの
短縮
陳腐化率
法制度、規制
…
【直接要因】
付加価値、利益
GDP、産業別付加価値
プロダクト・イノベーション
資金調達コスト
企業
知識ストック
企業研究開発
長期プライムレート
特許件数
内部使用研究費(SRD)
(
代
替
・
補
完
関
係
)
政府補助
デフレーター
陳腐化率
研究費に占める政府資金
政策要因(研究開発促進税制)
プロセス・イノベーション
特許件数
(
代
替
・
補
完
関
係
)
…
【間接要因】
その他の
社会的効果
(資本・労働・その他の
無形資産)
国内の公的知識の
スピルオーバー
海外からの知識の
スピルオーバー
サイエンスリンケージ
産学連携
国家間の技術的近接性
輸入比率
大学、政府等
研究開発
大学、政府等
知識ストック
内部使用研究費(SRD)
科学技術関係経費の総額
分野別配分
システム改革
海外研究開発
新たな知識の獲得
論文数、被引用件数
特許件数
海外
知識ストック
R&D支出(MSTI)
注)枠囲みは想定される要因、枠外は関連する指標の例。
239
生産価格の低下
供給能力の向上
その他の生産性向上
その他の生産要素
研究開発の効率、
採算性、期待収益
科学技術
イノベーション政策
新たな市場の開拓
需要の拡大
経
済
成
長
GDP
(1) 研究開発活動に影響を与える要因
①民間企業
研究開発には資金が必要であるから、本業で稼ぐ、あるいは金融機関や市場から調達す
る、政府補助の活用といった要因等が研究開発の資金源として直接影響を与えると考えら
れる。また、統計データ等から指標としてダイレクトに把握することは難しいが、研究開
発の効率、採算性とリスク、期待される収益等の要因も企業が研究開発を進めるかどうか
の判断に直接的な影響を及ぼすと考えられる。
また、政府や大学で行われた基礎的な研究をヒントとして応用や製品化を図る、あるい
は海外から導入した新技術や製品をベースに改良する等、間接的な要因として知識のスピ
ルオーバー効果が働くと考えられる。
そのほか、グローバル化の進展など市場における競争の激化、技術の陳腐化速度の高ま
りのほか、法制度や規制緩和の動向等の外部環境の変化も研究開発に影響を与えると考え
られる。
②大学、政府等
政府、大学等の研究開発には政府の科学技術関係経費や配分など科学技術政策等の要因
が影響する。また、大学や政府等の研究開発は企業の研究開発に比べて基礎研究よりの性
格を持つと考えられる。
(2) 研究開発によって生み出されるもの
研究開発(フロー)は知識のストックとして(ある意味自動的に)蓄積される。
このポテンシャルとしての知識ストックから生み出される成果としては、まず特許や論
文等が考えられる。これらが成果の全てではないにせよ、成果の一面をあらわす代理指標
として利用できる可能性がある。
 特許件数(フローとしての出願、取得、ストックとしての現存件数等)

論文数(発表数、被引用件数等)
民間企業では、そもそも研究開発をする目的からすれば、生産効率の向上といったプロ
セス・イノベーション、あるいは新製品・サービスの開発といったプロダクト・イノベー
ションが研究開発の成果と考えられる。こうしたイノベーションの状況を把握するには、
たとえば特許の出願件数といった指標を利用することが考えられる。
240
一方、大学や政府等では、研究開発それ自体が経済的便益を生み出すことを目的とした
ものではないと考えられる。企業よりも基礎研究的な性格が強い、大学や政府の知識スト
ックの成果に接近するデータとしては論文関連の指標は有望と考えられる。
(3) 研究開発、知識ストックと経済の関係性
イノベーションの指標としては特許の出願件数等が考えられるが、それが全てではない。
また、イノベーションが経済にもたらす影響は、より安価な、あるいは新しい製品・サー
ビスの提供、さらには需要の拡大・創出による経済成長まで多岐にわたる。先行研究で研
究開発の経済効果を分析するにあたって TFP からアプローチしている事例が多いことは、
それぞれを分離し、直接かつ漏れなく計測することが困難であることから、マクロデータ
から一次近似的な分析を行うためと考えられる。

プロセス、プロダクト・イノベーションによる生産の効率化、新製品・サービスは需
要の拡大、創出をもたらし、資本及び労働の投入によらない経済成長=TFP の上昇に
つながる。
知識ストックから経済成長までの間を TFP で接続するのは、ある意味その間をブラッ

クボックスとして扱っていることになるが、両者の関係性をマクロレベルで捉えるこ
とには意義があると考えられる。
一方で、知識ストックがもたらすイノベーション、さらに経済へと波及していく過程に
ついては、マクロではなく個別の事例を掘り下げたケーススタディ、あるいは企業単位の
データ等に基づくマイクロ分析等によって因果関係等を明らかにしていく努力が引き続き
必要と考えられる。
(4) 研究会での議論
こうした研究開発を取り巻く様々な要因について研究会に提示したところ、以下のよう
なご指摘をいただいた。

オスロマニュアルではイノベーションをプロダクト、プロセス、組織、マーケティ
ングの4つに分類(組織、マーケティングは広義にはプロセス・イノベーションに
含まれる)しており、海外では計測に向けた取り組みがなされている。
241

研究開発以外に起因するイノベーションも多いので、そこも考慮すべき。また、研
究開発が製品化され、イノベーションをもたらす部分には経営など他の要因も影響
する(cf. 近年のシャープ)。研究開発からだけでは実態に接近することは困難。

海外との知識の流れについては、海外からの流入だけではなく、海外へ出ていく部
分もある。また、研究開発促進税制は過年度の研究開発や法人税で決まるので必ず
しも外生ではないと考えられる。

研究開発をとりまく様々な要因と相互関係は多種多様と考えられることから、それ
ぞれを図式化してみて、その理論的背景や実態を把握するデータの有無、今後必要
となるデータとその把握方法等を引き続き検討していくことが必要。
SNA での知識ストックの計測について
2008SNA において、R&D の産出を「知的財産生産物」として資産計上することが勧告さ
れ、内閣府経済社会総合研究所において日本の国民経済計算でも R&D の資本化が検討され
ている。その中では、実際に推計するにあたり、研究開発の所有権やソフトウェアの二重
計上、名目額を実質化するデフレーター、知識の陳腐化率等について課題が提示されてい
る。
本調査で設置した研究会では、こうした知識ストックの推計上の課題について、次のよ
うな議論がなされた。

R&D の資本化の方法についてはフラスカチマニュアル、IPP ハンドブック等で定めら
れている定義、推計方法等を精査し、現行の科学技術研究調査(SRD)と比較・検討
して、今後の調査項目の改訂につなげていくことが適当。

R&D の支出や生産、投資、ストックなどの段階について、全体像および各ステップの
整理と定義、それぞれでの課題の検討を行っていくことが必要。

知識ストックを推計する際、研究開発のうち有形固定資産は除く必要がある(2008SNA
ではフラスカチマニュアルに従い、除いて推計する形となっている)。自社開発ソフ
トウェアの扱いについてもさらなる検討が必要。

陳腐化率について、産業間の格差や時系列の変化を捉えられる調査が現状では不足し
ている。NISTEP でのこれまでの調査や今後の検討を活かしていくほか、企業におけ
る有形固定資産の除却等についてのデータも踏まえ、さらなる検討が必要。
242
知識のライフサイクル、知識の生産・利用プロセス等に関する調査研究の充実
(1) 関連研究の成果、データの活用
研究開発費を積みあげて知識ストックを計測するには、フローの研究開発費のほか、知
識の陳腐化の程度、研究開発投資の懐妊期間といった情報が重要なパラメータとなる。
こうした状況を把握するのに利用できるデータは現時点では多くはないが、経済のグロ
ーバル化や企業間の競争が激化する中、技術の寿命が短くなっている(=陳腐化率が上昇
している)ことがアンケート調査や特許データの分析等から指摘されている。また、IPP ハ
ンドブック(OECD(2010))では、R&D サービスの寿命が 10~20 年と長期に及び、産業ご
との分散が大きいことからライフサイクル把握のための調査を行うことが推奨されている。
このような知識のライフサイクルやプロセスの実態を把握するには、研究開発期間や技
術の寿命について企業や研究機関に直接アンケートを実施するほか、例えば以下のような
データを活用することが考えられる。
 特許(出願件数、取得件数、平均特許収入期間等)
 論文(発表数、被引用件数等)
 技術分野と産業のコンコーダンス(特許や論文関連の指標を産業別に組み替える
対応表)
 サイエンスリンケージ(特許が引用する論文数等)
たとえば、知識の陳腐化については、①特許収入期間の逆数、②論文の発表年以降の
被引用件数の分布、から分野別に陳腐化の状況をみることができると考えられる。その
際、企業の産業別の状況を把握するには、特許や論文の技術分野を産業に組み替えるコ
ンコーダンス情報が利用できる。また、サイエンスリンケージによって特許技術と学術
論文の結びつきをみることで、イノベーションに科学が与えている影響をみることがで
きると考えられる。
本調査で設置した研究会では、特許関連のデータをベースに知識の陳腐化の状況等を
測る方法については、以下のような議論があった。

懐妊期間や陳腐化の根拠データとして特許の情報を代理指標として活用する方法に
ついては、特許にあらわれるものが知識の全てではなく、むしろ特許以外の部分が
243
重要であること、特許が切れても公共財として誰でも使える形で生産に寄与するこ
と等を考慮すると、知識ストックのコンセプトに合わない部分がある。
こうした議論を踏まえると、特許の平均収入期間を陳腐化率の水準としてそのまま利
用するのではなく、陳腐化率の産業別の分散や経年的な変化を補完する際の参考とする
等、利用の方法については別途検討していくことが必要と考えられる。
(2) 今後の課題
知識のライフサイクルや生産、利用のプロセス等については、科学技術・学術政策研究
所においてこれまでの様々な調査研究や取り組みがなされてきた。科学技術・学術政策研
究所に蓄積された情報とノウハウを活かし、国民経済計算を所管する内閣府経済社会総合
研究所、科学技術研究調査を所管する総務省をはじめとする関係機関と連携しつつ、今後
も検討を続けていくことが必要と考えられる。
研究会では、今後必要となる取り組みについて、以下のようなご指摘をいただいた。

科学技術イノベーション政策の基盤を強化するため、知識のライフサイクル、知
識の生産や利用プロセス等の測定について、科学技術・学術政策研究所として引
き続き調査研究を行うとともに、関係機関との連携を強化する。

アンケートによって知識の生産や利用のプロセスの実態を把握するにあたっては、
技術の陳腐化や研究開発の懐妊期間についての考え方や定義について検討を行い、
そのためにとのようなデータが必要か、アンケートとしてどのような設問が適切か
などをそれぞれ検討していくことが必要。また、どのようなデータが把握できるか
については、回答側の企業とともに試行錯誤を積み重ね、経験を積むことも必要。

R&D 生産のための中間投入のトランザクションは複雑なので、いくつか図式化して
しっかりと整理することが必要。調査票の設計も含め、科学技術・学術政策研究所
が関係機関と連携しつつ、取り組んでいくことが望まれる。
244
謝辞
「科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系への導入に関する調査研究」の実
施に当たって、タスクフォース及び研究会のメンバーの先生方、並びにご協力いただいた
研究者の方々に深く感謝申し上げます。
特に、本調査研究の実施にあたり、適時、丁寧な助言をいただきました黒田昌裕先生(慶
應義塾大学名誉教授、科学技術振興機構研究開発戦略センター 上席フェロー)及び深尾京
司先生(一橋大学経済研究所教授、科学技術・学術政策研究所第1研究グループ客員総括
主任研究官)に重ねてお礼を申し上げます。
本調査は科学技術・学術政策研究所及び一橋大学イノベーション研究センターの共同研
究として、以下の研究助成金等により実施しています。

「科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業」政策課題対
応型調査研究(科学技術・学術政策研究所)

文部科学省特別教育研究経費(連携融合事業)「イノベーション・プロセスに関する産学
官連携研究」
(一橋大学イノベーション研究センター)

科学研究費補助金(基盤研究(S))(「イノベーション・プロセスに関する産学官連携研究」
(研究代表者:中馬宏之
一橋大学イノベーション研究センター教授、課題番号:
20223002)

科学技術振興機構戦略的創造研究推進事業(社会技術研究開発)科学技術イノベーシ
ョン政策のための科学 研究開発プログラム「科学技術イノベーション政策の経済成長
分析・評価」
(研究代表者:楡井誠 一橋大学イノベーション研究センター准教授)
245
調査資料-226
科学技術イノベーション政策のマクロ経済政策体系への導入に関する調査研究
2013 年 10 月
文部科学省 科学技術・学術政策研究所
第 3 調査研究グループ
〒100-0013
東京都千代田区霞が関 3-2-2 中央合同庁舎第 7 号館 東館 16 階
TEL:03-3581-2419 FAX:03-3503-3996
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