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正しいテープテクノロジを選ぶには
正しいテープテクノロジを選ぶには テープバックアップテクノロジは、今日のダイナミックなビジネス には欠かせません。この記事では、現行のテープ及びオートメショ ンテクノロジ の違いを解説し、それらの長所と短所を分析、その上 で、これらのテクノロジが、バックアップ/リストアストレージソ リューションとして、どのように重要なビジネス要求を満たすこと ができるかを説明します。 1 重大です。 全 ての自動テープオートローダ及びライブラリ • リニアテクノロジよりも、テープメディアがテー ソリューションの基礎であるテープテクノロジに は、ヘリカルスキャンテクノロジとリニアテクノロ ジという、2つの主なグループが存在します。この2 つのテクノロジの主な違いは、書込みが行われるテ ープメディアと書込みを行うテープヘッドの間の メカニカルな関係にあります。図1は、テープメデ ィアのテープヘッドに対する物理的な位置関係を 示しています。 プヘッド上を移動する速度が遅くなります。これに より、リニアテクノロジよりもテープ走行を安定さ せるためのメカニズムは簡単になります。 • 例えば、ビデオオンデマンドアプリケーションな どで、個々のデータセットの取出しを早く行うこと ができる、マルチポジションローディングに適して います。 ヘリカルスキャンテクノロジ 8mmのヘリカルスキャンテープドライブには、AIT、 ヘリカルスキャンテープとは、4mmもしくは8mm幅 のデジタルアナログテープ(DAT)です。物理的な外 ECRIX、Mammoth、STK Redwood等が挙げられます。 見としては、ヘリカルスキャンドライブはスタンダー Seagate、Hewlett-Packard ® (HP ® )、SONY ® では、 ヘリカルスキャンテクノロジに基づく標準の4mm ドなVCRに近いものです。テープがヘッドに巻きつい DDS3やDDS4 DAT テープドライブを製造しています。 ており、ヘッドは垂直より少し傾いています(図2参 照)。 多くのUNIXユーザは、リニアテクノロ ジよりも優れた以下のような利点を持つ ヘリカルスキャンテクノロジを好んで使 用しています。 • テープの初めから終わりまでの1回の 「パス」で、フル容量を記録します。 これは、1巻のテープの使用回数として 200回以上までになる可能性があるので、 1 ヘリカルスキャン テープとは、4mm もしくは 8mm 幅の デジタルアナログ テープ(DAT)の ことです。 リニアテクノロジ リニアテクノロジについては、図 3に示 されているように、その物理的なフォー ムが1リールのカセットプレイヤに似て います。テープは、テープカセットの最 初の部分でロードされ、リニア方式でテ ープヘッド面を巻きつかずに通過します。 テープは、両方向に複数回、比較的早い “Choosing the Right Tape Backup Architecture” (Eric Eldridge著 Power Solutions, Issue 2, 1999) 参照 -1- 速度で通過します。データが書き込まれ ているテープの表面は、テープヘッ ド以外と全く接触しません。結果と リニアテープ製品には、 して、一般的には、リニアテクノロ デジタルリニアテープ ジは、ヘリカルスキャンテクノロジ テープバックアップを選択するための 条件 テープバックアップテクノロジを選 択するための主な条件は、以下に挙げ られています。ビジネスにとって、最 (DLT)、リニアテープ も重要な条件を決定することは、テク メディアの消耗や損傷、汚れが少な オープン(LTO)テクノロ ノロジの選択肢、時にはベンダーの選 いと考えられています。 ジ、シングル(チャネル) と比較して、テープヘッドやテープ リニアテープ製品には、デジタルリ ニアテープ(DLT)、リニアテープオー リニアレコーディング プン(LTO)テクノロジ、シングル(チャ (SLR)の 3 種があります。 ネル)リニアレコーディング(SLR)の3 択肢にも関わってきます。 スピード スピードは費やす費用に関わるため、 高速のドライブは価格も高くなるのが 普通です。テープドライブの価格には、そのスピード 種があります。これらの主な違いは、 によって、1ドライブにつき$300から$100,000以上の幅 テープにデータを書き込むフォーマットにあります。 があります。バックアップのデータ総量とバックアッ この3種はそれぞれが異なっており、互いに互換性は プにかけられる総時間が、要求されるパフォーマンス ありません。 レベルを決定します。 Windows NTカスタマの大半は、現在Quantum、 1 DDS3ドライブで、5時間で 18GBのバックアップが Benchmark、Tandberg® の3社が製造しているDLTテ 可能です。1時間でこれと同量のデータをバックアッ クノロジを使用しています。2000年中には、HP、IBM、 プするには、DLT7000等の、より高速なドライブが必 Seagate、Fujitsu® が、Quantumに対抗する標準テクノ ロジとしてLTOを出荷開始しようとしています。また、 Quantum DLTテクノロジに基づいた、DLT1テクノロジ 要となります。例えば、ある組織が「ホット」データ ベースバックアップ、ミラーリング、レプリケーショ ン等を利用したりして、データオフラインを全く行わ を提供しているBenchmark社は、DLTテクノロジファ なかったりする場合、バックアップウィンドウは基本 ミリを価格のお得な市場までに更に広げていくと予 的に無限にできるので、比較的低価格なドライブのほ 想されています。Tandberg社は、SLRリニアテクノロ うが適していると考えられます。 ジに使用しているドライブと同時に、Quantimが製造 しているDLTドライブと同じDLTドライブを製造して 容量 います。 容量とは、1つのテープデータカートリッジに書き込 STKでは、9740テープドライブでリニアテクノロジ むことができるデータ最大量の尺度ですが、これも容 を提供、IBMではMagstar™ テープドライブでこれを 量の大きいものほど価格が高くなっていく傾向があ 提供しています。これらの製品は、大容量とハイパフ ります。容量は、ドライブの価格のみに影響するので ォーマンスのどちらも求めているカスタマにとって、 はなく、テープカートリッジの価格にも影響します。 適応範囲に限界があります。 図 1. ヘリカルスキャン vs. リニアテクノロジ -2- 図3. リニアドライブの物理的な構成 図2. ヘリカルスキャンドライブの物理的な構成 耐久性 テープの価格は、12GBDATカートリッジ1本の$20 ($1.67/GB)から、100GB SDLTカートリッジ1本で テープ走行時間の最大保証値で表わしたドライブの $100以上($1.00/GB)にまで及びます。業界アナリ 耐久性は、4つ目の要素です。DATドライブは、通常、 ストによると、データカートリッジにドライブの10倍 より高価なDLTドライブの1.5倍のテープ走行時間を の購入費用を毎年のように費やしている購入者もい 提供します。耐久性を比較する目的で、1GBあたりの ます。よって、カートリッジのコストが、テープドラ 価格を求めるためには、製品ごとの価格を、テープ走 イブテクノロジの選択を決めることもあります。 行時間 × 速度(GB/時間)で割ります。図4は、2 つのドライブテープのサンプル計算です。 価格 価格、スピード、容量 バックアップのデー は、常に密接に相関関係 タ総量とバックアッ があるわけではありませ プにかけられる総時 ん。Redwoodドライブは 高速(20Mbps)で、価格 間が、要求されるパ も高価です。しかし、容 フォーマンスレベル 量は50GBで、これよりも DDS3ドライブは、実質的に低価格であるため、最初 は割安に感じるかもしれませんが、1GBあたりの価格 ではDLT7000はDDS3の3分の1の価格です。 トポロジ、又は接続性 テープドライブとデータソース間の接続も考慮され るべきでしょう。ステレオの全コンポーネントが、ス を決定します。 ずっと価格の低いドライ ピーカを動かすパワーアウトプットを原則的には備 えていなければならないのと同様、テープドライブの ブの容量と変わりません。 パフォーマンスは、LANやSANのデータスループット 速度14Mbps、容量20GBの9840は、高速ですが、中規 レートと一致しなければなりません。 模のサイズで価格も高くありません。SDLT及びLTO 100Tx Ethernet LANの一般的な最大バックアップパ は、中くらいの価格で速度10Mbpsから15Mbps、容量 フォーマンスは、1時間につき約20GBです。そのレー 100GBが期待できます。3Mbps、40GBのBenchmarkの トは、1つのDLT7000ドライブのパフォーマンスとほ DLT1は、非常に低価格で、高容量とかなりのスピー ドを提供しています。 注) ここではMbpsはMB/秒を テープバックアップを選択するための条件 意味しています。 ■ ■ ドライブ耐久性計算サンプル ■ ドライブの 種類 価格 ($) 価格/時間 ($/GB) DDS3 599 0.023 [$599/(6,000テープ走行時間×4.3GB/時間)] DLT7000 4,500 0.008 [$4,500/(30,000テープ走行時間×18GB/時間)] ■ ■ ■ バックアップとりストアの速度* 容量* −非圧縮と圧縮− 価格 耐久性 トポロジ、又は接続性 −SCSI/直接接続 −LAN −SAN オートメーション −オートローダもしくはライブラリの利用が可能 *この記事におけるパフォーマンス及び容量の見積りは、全て非圧縮の場 合であり、圧縮のものではありません。 図4. ドライブ耐久性計算サンプル -3- 注:2000 年 2 月現在のデータ 図 5. 製品化されているテープバックアップドライブ:パフォーマンス及び価格 ぼ一致します。1時間につき約36GB テープドライブの います。また、カートリッジ用の貯蔵スロ から54GBのパフォーマンスを持つ パフォーマンスは、LAN ットも備えています。両者の違いは、オー LTO又はSDLTドライブをそのLAN上 トローダがテープドライブ1台を装備して で使用すると、ドライブのパフォー やSANのデータスルー マンスは、LANの最大パフォーマン プットレートと一致しな でのドライブを装備することが可能です。 ければなりません。 テープテクノロジの選択は、オートメー ス程度にとどまってしまいます。SAN いるのに対し、ライブラリは、4∼20台ま (FC1)の一般的な最大バックアップパ ションバックアップデバイスのパフォー フォーマンスは、最大400GB/時間が マンスや容量に影響を与えます。例えば、 実測されています。そのため、SANは最高で16まで DLT4000テープドライブ1台と7スロットを備える のDLT7000バックアップドライブに、無理なく対処 オートローダは、4.3GB/時間、140GBのストレージ できます。 までに制限されます。物理的なサイズが同程度の Mammoth-2テープドライブを使用しているオートロ オートメーション ーダは10カートリッジを搭載可能で、これは オートメーションもまた、ドライブテクノロジの選 Mammoth-2データカートリッジがDLT Tape IVカー 択に影響します。オートメーションバックアップデ トリッジの3分の2程度であるためです。このコンフ バイスには、オートローダ、ライブラリの2種があり ィグレーションでは、オートローダは、速度43.2GB ます。オートローダ、ライブラリは、どちらもとも /時間、容量600GBで、データをバックアップする に、いっぱいになったカートリッジを自動的に空の ことが可能です。同じオートローダをSDLT で使用し ものに交換することができるロボット機構を備えて た場合、容量700GBで、最大54GB/時間までのパフ -4- ォーマンスを提供します。 複数のデバイスを装備可能なライブラリでは、オ ートローダよりもずっと高いパフォーマンスと容量 を提供できます。そのため、テープテクノロジの選 択は、ライブラリのパフォーマンスにより大きく影 響します。16ドライブのライブラリ1台、又は4ドラ イブのライブラリ4台とSANとの組合せは、パフォー マンス及び容量面で、優れた結果をもたらします。 今日のテープバックアップの比較 図5では、2000年2月において製品化されている、又 は発表済みの全テープドライブを、それぞれの価格、 容量、パフォーマンスとともに表しています。図5製 作時に未発売のドライブの価格については、おおよ そのものを記しています。1時間あたりの価格/GB で各ドライブのコストを決定するには、チャートに 示されているMB/秒のパフォーマンス概算に3.6を 掛け、1時間あたりのGBを求めてください。 -5-