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燃料価格の変動による自動車社会への影響の分析
中央大学理工学部情報工学科 卒業研究論文 燃料価格の変動による自動車社会への影響の分析 学籍番号 04D8101033F 伊藤 指導教員 圭 田口 東 2008 年 3 月 教授 あらまし 本研究では,ガソリンや軽油などの燃料価格の変化に対し,運送業界や一般家庭がどの ように影響を受けるのかを分析する. まず,自動車貨物輸送量(営業用車),貨物輸送におけるガソリン消費量(営業用車), 貨物輸送における軽油消費量(営業用車),自動車貨物走行キロ,ガソリン消費者向販売量, 軽油消費者向販売量,1 世帯当り平均ガソリン購入量,1 世帯当り平均ガソリン支出,自動 車旅客輸送量(自家用車),軽自動車旅客輸送量(自家用車),旅客輸送におけるガソリン 消費量(自家用車)の 2001 年から 2006 年までの 1 ヶ月ごとのデータに対し,回帰分析お よび時系列分析を用いてモデルを作成し,その式やグラフを比較する.次に,それぞれの データに対して価格弾力性を求め,その特性を考察する.そして,自動車貨物輸送量(営 業用車)および自動車貨物走行キロのデータから貨物輸送の輸送効率を求め,考察を加え る. キーワード:回帰分析,最小二乗法,時系列分析,燃料価格,価格弾力性 目次 第1章 はじめに................................................................................................................. 1 第2章 回帰分析・時系列分析 ........................................................................................... 2 2.1 回帰分析 ................................................................................................................... 2 2.1.1 最小二乗法 ......................................................................................................... 2 2.1.2 決定係数............................................................................................................. 3 2.2 時系列分析................................................................................................................ 4 2.2.1 AR(自己回帰)モデル...................................................................................... 4 2.2.2 MA(移動平均)モデル..................................................................................... 5 2.2.3 ARMA(自己回帰移動平均)モデル ................................................................. 5 2.2.4 ARIMA(自己回帰和分移動平均)モデル......................................................... 6 2.3 季節性次数について ................................................................................................. 6 2.4 最尤法....................................................................................................................... 7 2.5 時系列分析を利用した回帰分析 ............................................................................... 7 第3章 モデルの構築.......................................................................................................... 9 3.1 自動車貨物輸送量モデル(営業用) ...................................................................... 11 3.2 貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用) ............................................. 13 3.3 貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用) .................................................... 16 3.4 貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用) ............................................. 18 3.5 ガソリン消費者向販売量モデル ............................................................................. 20 3.6 軽油消費者向販売量モデル..................................................................................... 22 3.7 1 世帯当り平均ガソリン購入量モデル ................................................................... 24 3.8 1 世帯当り平均ガソリン支出モデル ....................................................................... 27 3.9 自動車旅客輸送量モデル(自家用) ...................................................................... 29 3.10 軽自動車旅客輸送量モデル(自家用)................................................................. 32 3.11 旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用)............................................ 34 3.12 考察 ...................................................................................................................... 36 第4章 価格弾力性・輸送効率 ......................................................................................... 38 4.1 需要の価格弾力性 ................................................................................................... 38 4.2 価格弾力性の導出 ................................................................................................... 39 4.3 輸送効率の定義 ...................................................................................................... 40 4.4 輸送効率の導出 ...................................................................................................... 41 4.5 考察 ........................................................................................................................ 41 第5章 おわりに............................................................................................................... 43 5.1 まとめ..................................................................................................................... 43 i 5.2 今後の課題.............................................................................................................. 43 謝辞 .................................................................................................................................... 44 参考文献 ............................................................................................................................. 44 付録 ii 第1章 はじめに 現在,世界規模で原油価格が高騰している.2008 年 1 月には,ニューヨーク商業取引所 (NYMEX)において,原油先物相場は一時的にではあるが 100 ドルに達した.原油は生 活には欠かせないものとなっており,原油価格の高騰が様々な方面に影響を与えている. ガソリンや軽油などの,燃料価格の上昇もその一つである. 自動車は社会にとって欠かせないものであり,日常の足としての利用だけでなく,トラ ックによる貨物輸送やバスによる旅客輸送など,様々な場面で活躍している.自動車はガ ソリンや軽油などの燃料なしでは使うことが出来ない.それゆえ,燃料の価格が変動すれ ば自動車社会に大きな影響を与える. 燃料価格変動の影響を最も受ける対象の一つとして,トラック輸送などの運送業界が挙 げられる.トラックによる輸送では,燃料価格の上昇は収益に直接影響を与える.文献[11] によると,軽油価格が 1 円上昇すると運送業界に約 160 億円の負担が生じ,この 3 年間で 増えた負担は 5800 億円に上る.しかし,燃料価格の上昇分を運送料に転嫁できていない運 送業者は 6 割以上に上っており[11],燃料価格の上昇は運送業者の経営の大きな負担になっ ていると推測できる. そこで,本研究では,運送業界や一般家庭などの自動車社会に対して燃料価格の変動が 与える影響を,回帰分析および時系列分析を使用して,2001 年から 2006 年までの期間で 1 ヵ月ごとに分析し,モデルを構築する.また,価格弾力性および貨物輸送の輸送効率を導 出する. 1 第2章 回帰分析・時系列分析 本章では,本研究でモデル作成のために使用する回帰分析と時系列分析について説明す る.まず,2.1 節で回帰分析について説明し,次に 2.2 節で時系列分析について説明する. 回帰分析については,文献[7]に基づいて述べる.また,時系列分析については,文献[1,5, 7]に基づいて述べる. 2.1 回帰分析 回帰分析とは,従属(目的)変数 Y と独立(説明)変数 X との間の関係を,回帰方程式 と呼ばれる式で表すことで説明する統計的方法である.回帰方程式は,以下のように表さ れる. Yi =β1 +β2 X i + u i (2.1.1) ここで,β1 ,β2 を回帰係数と呼ぶ. u i は誤差項である.誤差項 u i はランダムであり,同じ X の値で実験・観測を行っても値が異なる場合がある.Y が X の線形関数である場合を線形 回帰,それ以外の場合を非線形回帰と呼ぶ.また,独立変数が一個の場合は単回帰分析, 二個以上の場合は重回帰分析と呼ぶ. 実際に回帰分析を行う場合,回帰方程式を求めるために回帰係数を推定する必要がある. その方法の一つとして,最小二乗法が挙げられる. 2.1.1 最小二乗法 本項では,2.1 節で挙げた最小二乗法について説明する.まず, (2.1.1)式の誤差項 u i に ついて考える.(2.1.1)式を u i について変形すると, u i = Yi − (β1 +β2 X i ) (i = 1,2, …, n) (2.1.2) と表せる.n はデータの数である.ここで, u i の符号の影響を取り除くため二乗和をとり, ∑u = ∑ {Y − (β +β S= 2 i i 1 2 2 X i )} 2 (2.1.3) とする.S は Yi が X i で説明できない部分を表しているので,できるだけ小さい方が望まし ^ ^ い.ここで, β1 ,β2 を S を最小にするβ1 ,β2 の推定量とするのが,最小二乗法である. ^ ^ ^ ^ このときのβ1 ,β2 をβ1 ,β2 の最小二乗推定量と呼ぶ.S を最小にするβ1 ,β2 は, ∂S = −2∑ (Yi −β1 −β2 X i ) = 0 ∂β1 ∂S = −2∑ (Yi −β1 −β2 X i ) X i = 0 ∂β2 (2.1.4) を解くことで求められる.(2.1.4)式を整理すると, ⎧⎪nβ1 + (∑ X i )β2 = ∑ Yi ⎨ 2 ⎪⎩(∑ X i )β1 + (∑ X i )β2 = ∑ X i Yi _ (2.1.5) _ となる. (2.1.5)式を,正規方程式と呼ぶ.ここで, X , Y を X i , Yi の標本平均としてこ の方程式を解くと, _ ^ β2 = ∑(X _ ^ _ ∑ ( X i − X )(Yi − Y ) ^ _ i − X )2 (2.1.6) _ β1 = Y −β2 X ^ ^ と表すことができる.また,β1 ,β2 を標本回帰係数と呼ぶ. 2.1.2 決定係数 回帰方程式が実測値にどの程度あてはまっているのかをはかる基準として,決定係数が 使われている.この決定係数を用いて,モデルのあてはめのよさを示す.まず,実測値 Yi と ^ 回帰値 Yi とのずれを, ^ ei = Yi − Yi (i = 1,2, … , n) 3 (2.1.7) とおく.これは X i で説明できずに残った部分であり,回帰残差と呼ばれる. 次に, Yi のばらつきについて考える. Yi のばらつきの総和(変動)は ∑ _ (Yi − Y ) 2 であり,これは X i で説明できる部分と出来ない 部分に以下のように分けられる. _ _ ^ ∑ (Yi − Y ) 2 = ∑ (Yi − Y ) 2 + ∑ ei2 こ の う ち , Xi で 説 明 で き る 部 分 は ∑ ei2 = ∑ (Y i ^ ∑ (2.1.8) _ ^ (Yi − Y ) 2 で あ り , 説 明 で き な い 部 分 は − Yi ) である.そこで,決定係数を Yi の変動のうち, X i で説明できる部分の 2 割合とすれば,以下のように定義できる. R2 = 1− ∑ ei2 ∑ (Y i _ −Y) = 2 ^ _ ∑ (Y _ ∑ (Yi − Y ) 2 i −Y) (2.1.9) 2 決定係数 R 2 は 0 から 1 の間の値をとり,1 に近いほどあてはまりがよいといえる. 2.2 時系列分析 時系列分析とは,時間経過に沿って記録された時系列データを扱うための分析手法であ り,データの将来の変動の予測,データ列の特徴の表現,モデルの推定などを目的として いる.以降では,時系列分析のうち,AR(Auto Regressive,自己回帰)モデル,MA(Moving Average,移動平均)モデル,ARMA(Auto Regressive Moving Average,自己回帰移動平 均)モデル,ARIMA(Auto Regressive Integrated Moving Average,自己回帰和分移動平 均)モデルについて説明する. 2.2.1 AR(自己回帰)モデル 本項では,AR モデルについて説明する.AR モデルは一般的に,以下のように表される. p x(t ) = ∑ a m x(t − m) + u (t ) (2.2.1) m =1 ここで,p は次数, a m は自己回帰係数,u(t)はホワイトノイズ(誤差項)を表している.p 4 次の AR モデルは AR(p)モデルと表され,p 期前までの値を用いて現在の値を予測する. また,p 次の AR モデルにおいて, a p を推定された自己回帰係数,z を変数とした場合, 1 − a1 z − a 2 z 2 − … − a p z p = 0 (2.2.2) の根の絶対値が 1 よりも大きいことが定常性の条件である. (2.2.2)式を p 次の AR モデル の特性方程式と呼ぶ. 2.2.2 MA(移動平均)モデル 本項では,MA モデルについて説明する.MA モデルは通常, q x(t ) = u (t ) − ∑ bm u (t − m) (2.2.3) m =1 と表される.q は次数を,u(t)はホワイトノイズ(誤差項)を,そして bm は重みを表してい る.q 次の MA モデルは MA(q)モデルと表され,q 期前までの誤差項の移動加重和を利 用して現在の値を予測する.また, (2.2.3)式を展開すると, x(t ) = u (t ) − b1u (t − 1) − b2 u (t − 2) − … − bq u (t − q ) (2.2.4) となる. (2.2.4)式が収束した場合,高次の MA モデルは 1 次の AR モデルに近似可能であ る.また,(2.2.4)式が収束するとき,もとのモデルは反転可能であるという.一般的に, q 次の MA モデルが反転可能な条件は, bq を推定された重み,z を変数とした場合に, 1 − b1 z − b2 z 2 − … − bq z q = 0 (2.2.5) の根の絶対値が 1 よりも大きいことである.この条件は,AR モデルの定常性の条件に対応 している. 2.2.3 ARMA(自己回帰移動平均)モデル 本項では,ARMA モデルについて説明する.ARMA モデルは AR モデルと MA モデルを 5 組み合わせたモデルであり,以下のように表される. p q m =1 n =1 x(t ) = ∑ a m x(t − m) + u (t ) − ∑ bn u (t − n) (2.2.6) このとき,p,q は AR 部分および MA 部分の次数, a m は自己回帰係数, bn は重み,u(t)は ホワイトノイズ(誤差項)であり,ARMA(p,q)モデルと表される.また,自己回帰係 数 a m をゼロとおけば MA モデルとして,bn をゼロとおけば AR モデルとして使用すること が出来る.ARMA モデルの定常性は AR モデル部分で決定され,反転可能性は MA モデル 部分で決定される. 2.2.4 ARIMA(自己回帰和分移動平均)モデル 本項では,ARIMA モデルについて説明する.通常,時系列分析を行うためには時系列デ ータが定常である必要がある.そこで,非定常データを扱うために,元データの階差をと る手法が提案されている.ARMA モデルにこの考えを利用したモデルが ARIMA モデルで ある.ARIMA モデルでは,ARMA モデルの元データの値(AR 部分)と,ホワイトノイズ (MA 部分)に対し階差をとっている.これを式に表すと以下のようになる. p q m =1 n =1 x(t ) = ∑ a m x(t − m) + u (t ) − ∑ bn u (t − n) (2.2.7) x(t ) = x(t ) − x(t − s ), u (t ) = u (t ) − u (t − s ) パラメータは ARMA モデルと同様,p ,q は AR および MA 部分の次数, a m は自己回帰係 数, bn は重み,u(t)はホワイトノイズ(誤差項)である.また,s は階差の次数を表してい る.このとき,このモデルは ARIMA(p,s,q)モデルと表される. 非定常なデータの例として,トレンドの変化があるデータや季節変動を持つデータなど が挙げられる.この場合,階差をとることで非定常性を除去できる可能性がある.また, 季節性を除去するためには,通常その周期分の次数の階差をとる. 2.3 季節性次数について 本節では,季節性を持った時系列データに対し ARIMA モデルを適用するために,季節 性次数の定義を行う.ARIMA モデルを用いて季節性を除去するためには,その周期分の次 数の階差をとる必要がある.ここで,季節性次数 1 の大きさは周期分の非季節性次数の大 きさと同等であると定義する.一ヶ月ごとのデータの場合,周期は 12 になるため,例えば 6 AR モデルで季節性の次数 1 をとった場合,12 期前のみの元データの値を用いてモデルを 構築する.また,季節性次数をそれぞれ Sp,Ss,Sq とした場合,季節性次数を用いた ARIMA モデルを ARIMA(p,s,q)(Sp,Ss,Sq)モデルと表す. 2.4 最尤法 上記で述べた各モデルのパラメータを推定する方法として,最小二乗法や最尤法が挙げ られる.最小二乗法については 2.1.1 項で述べたため,本節では最尤法について説明する. 最尤法は「現実の標本は確率最大のものが実現した」という仮定である,最尤原理に基づ いた手法である.N 個のデータ X = (x1 , x 2 , … , x n ) が与えられたとする.また,k 個のパラメ ータθ= (θ1 ,θ2 , … ,θk ) を持つ確率分布を f (x,θ) と表す.このとき,データ X が確率分布 f (x,θ) の独立なサンプルである尤もらしさを尤度といい, N L(θ) = ∏ f (xi ,θ) (2.4.1) i =1 と定義される.最尤法はこの尤度を最大にするときのパラメータの値を求める方法である. なお,実際には(2.4.1)式に対数をとった対数尤度を最大にする方法が取られることが多 い.この対数尤度は, N l (θ) = ∑ log f ( xi ,θ) (2.4.2) i =1 と表される. 2.5 時系列分析を利用した回帰分析 通常,回帰分析を行うためには元データの残差に自己相関が無いことが求められる.こ れは自己相関があった場合,係数推定の際に有意性に偏りが生じるためである.このため, 季節性やトレンドを有する時系列データに対して適用するには適さない場合が多い.一方, 時系列分析は時系列データに対して適用するのに適しているが,自らの過去の値を利用す るため,独立変数をとることが出来ないという問題が生じる.そこで,時系列分析を回帰 分析の残差(誤差項)部分に適用することで,この問題を解決する.時系列分析を利用し た回帰分析を以下のように定義する. 7 y (t ) = β1 +β2 x(t ) + r (t ) p q m =1 n =1 r (t ) = ∑ a m r (t − m) + u (t ) − ∑ bn u (t − n) (2.5.1) r (t ) = r (t ) − r (t − s ), u (t ) = u (t ) − u (t − s ) r(t)は残差,p ,q は AR および MA 部分の次数,s は階差の次数,a m は自己回帰係数,bn は 重み,u(t)はホワイトノイズ(誤差項)を表している.残差部分を説明する式は,ARIMA 分析を表す(2.2.7)式と対応している. 8 第3章 モデルの構築 本章では,第 2 章で述べた分析方法を用いて,燃料価格の変動がもたらす影響を分析す るために使用する以下のモデルについて説明する. ・ 自動車貨物輸送量モデル(営業用) ・ 貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用) ・ 貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用) ・ 貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用) ・ ガソリン消費者向販売量モデル ・ 軽油消費者向販売量モデル ・ 1 世帯当り平均ガソリン購入量モデル ・ 1 世帯当り平均ガソリン支出モデル ・ 自動車旅客輸送量モデル(自家用) ・ 軽自動車旅客輸送量モデル ・ 旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用) 対象期間は 2001 年 1 月から 2006 年 12 月までであり,分析間隔は 1 ヶ月である.これ らの分析には SPSS 15.0J を使用する.また,ガソリン消費者向販売量モデルを除き,モデ ルの独立変数として,レギュラーガソリン市場価格または軽油市場価格を使用する.レギ ュラーガソリン市場価格および軽油市場価格の変動を,図 3.1,図 3.2 に示す.図 3.1,図 3.2 を見ると,レギュラーガソリン市場価格,軽油市場価格共に 2004 年 4 月を境に上昇し ていることがわかる.これらのデータは文献[9]に基づいている.なお,本章で使用するデ ータの詳細は付録に記載する. 9 10 日付(年・月) 図 3.2 軽油市場価格 2006年7月 2006年10月 2006年10月 2005年1月 2004年10月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年10月 2003年7月 2003年4月 2003年1月 2002年10月 2002年7月 2002年4月 2002年1月 2001年10月 2001年7月 2001年4月 2001年1月 2006年7月 0 2006年4月 20 2006年4月 40 2006年1月 60 2005年10月 80 2006年1月 100 2005年10月 120 2005年7月 140 2005年7月 図 3.1 レギュラーガソリン市場価格 2005年4月 日付(年・月) 2005年4月 2005年1月 2004年10月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年10月 2003年7月 2003年4月 2003年1月 2002年10月 2002年7月 2002年4月 2002年1月 2001年10月 2001年7月 2001年4月 2001年1月 軽油市場価格(円) レギュラーガソリン市場価格(円) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 3.1 自動車貨物輸送量モデル(営業用) 本節では,営業用車の貨物輸送量(自動車貨物輸送量)に対して燃料価格の変動が与え る影響について説明するモデル(自動車貨物輸送量モデル(営業用) )を作成する.このモ デルで使用する自動車貨物輸送量データは,文献[10,12]に基づいている.営業用車とは, トラック事業者,バス事業者,ハイヤー・タクシー事業者,軽車両など運送事業者の保有 する自動車のことを表す.自動車貨物輸送量データは普通車,小型車,特殊用途車,軽自 動車による輸送量の合計値である.自動車貨物輸送量の変動を図 3.1.1 に示す.なお,自動 車貨物輸送量データの単位は千トンである. 自動車貨物輸送量(千トン) 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 2006年10月 2006年4月 2006年7月 2006年1月 2005年10月 2005年7月 2005年4月 2004年10月 2005年1月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年7月 2003年10月 2003年1月 2003年4月 2002年10月 2002年7月 2002年4月 2002年1月 2001年7月 2001年10月 2001年4月 2001年1月 0 日付(年・月) 図 3.1.1 自動車貨物輸送量 ARIMA モデルのパラメータの選択は,以下のモデルについて回帰方程式部分の定数項の 有無別にモデルを作成したとき,有意水準を満たし,決定係数が最も高く,独立変数の係 数が適しているものを採用する. ・ ARIMA(1,0,0)(0,1,0) ・ ARIMA(2,0,0)(0,1,0) ・ ARIMA(0,0,1)(0,1,0) ・ ARIMA(0,0,2)(0,1,0) 11 ・ ARIMA(1,0,1)(0,1,0) また,3.5 節のガソリン消費者向販売量モデル,3.7 節の 1 世帯当り平均ガソリン購入量 モデル,3.8 節の 1 世帯当り平均ガソリン支出モデルでは,上記のパラメータではうまくモ デルを作成できなかったため,SPSS15.0J のエキスパートモデラー機能を使用してパラメ ータを選択する. 本モデルでのパラメータ別の決定係数を表 3.1.1 に示す.このモデルの場合,回帰方程式 に定数項を含めてモデルを作成すると,独立変数(軽油市場価格)の係数が正となる.す なわち,軽油市場価格が上昇すると自動車貨物輸送量が増加することを表している.これ は,実情にそぐわないため,不適と考えられる.よって,表 3.1.1 より,ARIMA(1,0,1) (0,1,0)モデルを選択する.なお,次節以降でも同様にしてパラメータを選択する. 表 3.1.1 パラメータ別の決定係数 決定係数(定数項有) 決定係数(定数項無) ARIMA(1,0,0)(0,1,0) 0.875 0.850 ARIMA(2,0,0)(0,1,0) 0.881 0.864 ARIMA(0,0,1)(0,1,0) 0.872 0.829 ARIMA(0,0,2)(0,1,0) 0.878 0.848 ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 0.883 0.871 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :自動車貨物輸送量モデル(営業用) 従属変数 y(t) :自動車貨物輸送量(営業用車)(千トン) 独立変数 x(t) :軽油市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 決定係数 :0.871 モデルの式 : y (t ) = −73.121 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.976 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) − 0.689 * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.1.1) (3.1.1)式より,軽油市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数が−73.121 となって いる.これは,軽油価格が 1 円上昇すると自動車貨物輸送量が 73.121(千トン),つまり 12 約 7 万トン減少することを表している.決定係数は 0.871 であり,モデルのあてはまり はよいといえる.独立変数の係数の絶対値も大きいため,軽油市場価格が自動車貨物輸 送量に与える影響は大きいと考えられる. 自動車貨物輸送量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.1.2 に示す.観測の値は実デ ータの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.この図を見ると,自動車貨物 輸送量は年々減少していることがわかる.また,2006 年末に自動車貨物輸送量が上昇して いるが,これとほぼ同時期,一時的にレギュラーガソリン及び軽油市場価格の下降が見ら れる(図 3.1,図 3.2). 観測 適合 550,000 ( Number 自 動 500,000 車 貨 物 輸 送 450,000 量 千 ト ン 400,000 ) 350,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.1.2 自動車貨物輸送量の実測値と予測値の比較 3.2 貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用) 本節では,営業用車が貨物輸送にて消費したガソリンの量(ガソリン消費量)に対する 燃料価格の変動の影響について説明するモデル(貨物輸送におけるガソリン消費量モデル (営業用))を作成する.このモデルで使用するガソリン消費量のデータは,文献[10]に基 づいている.このデータは,営業用車による貨物輸送におけるガソリンの消費量を表して おり,トラック運送業界がどの程度ガソリンを消費しているのかを表す指標として考える 13 ことができる.トラックは一般的に軽油を使用するが,小型のものはガソリンを使用する ものがある.なお,営業用車にはタクシーも含まれるが,タクシーによる人の輸送は旅客 輸送にあたるため,除外されている.また,ガソリン消費量の変動を図 3.2.1 に示す.なお, ガソリン消費量データの単位は千リットルである. 1,000,000 900,000 ガソリン消費量(千L) 800,000 700,000 600,000 500,000 400,000 300,000 200,000 100,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.2.1 ガソリン消費量(貨物) 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用) 従属変数 y(t) :ガソリン消費量(貨物)(千 L) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(2,0,0)(0,1,0) 決定係数 :0.806 モデルの式 : y (t ) = −34.752 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.334 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + 0.202 * (r (t − 2) − r (t − 14)) + u (t ) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.2.1) 14 (3.2.1)式より,レギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数が −34.752 になっている.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇するとガ ソリン消費量が 34.752(千 L)減少することを表している.決定係数は 0.806 であ り,モデルのあてはまりはよいといえる.このことから,ガソリン消費量は燃料価 格の上昇の影響は受けているが,ガソリン消費量の絶対量が 80 万(千 L)台を推移 していることを考えると,その割合は約 0.004%程度であり,影響は非常に小さいと 考えられる. ガソリン消費量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.2.2 に示す.観測の値は 実データの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.(3.2.1)式が表す 通り,ガソリンの消費量は若干の減少傾向が見られるものの,ほぼ一定の水準を保 っていることがわかる.また,後述の軽油消費量に比べて絶対的な消費量が少ない. この理由として,ガソリンが必須品であることや,ガソリンを使うトラックは小型 トラックが多く,また,数が少ないことが挙げられる.さらに,このようなトラッ クは宅配委託などを受けた個人事業者などが利用していると考えられ,大規模な運 送業者と比べてガソリン消費量の節約が行われにくいことが推測できる. 観測 適合 950,000 ( Number ガ ソ 900,000 リ ン 消 850,000 費 量 ) ( 貨 800,000 物 千 750,000 L ) 700,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.2.2 ガソリン消費量の実測値と予測値の比較 15 3.3 貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用) 本節では,営業用車が貨物輸送にて消費した軽油の量(軽油消費量)に対する燃料価格 の変動の影響について説明するモデル(貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用))を 作成する.このモデルで使用する軽油消費量のデータは,文献[10]に基づいている.このデ ータは営業用車による貨物輸送における軽油消費量を表している.大型のトラックはディ ーゼルエンジンを搭載したものが多く,トラック輸送において,軽油はガソリン以上に使 用されている.そのため,このデータはトラック運送業界全体の燃料消費量を分析するに あたって,より有用であると考えられる.軽油消費量の変動を図 3.3.1 に示す.軽油消費量 データの単位は千リットルである. 3,000,000 軽油消費量(千L) 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.3.1 軽油消費量(貨物) 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. 16 モデル名 :貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用) 従属変数 y(t) :軽油消費量(貨物)(千 L) 独立変数 x(t) :軽油市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,0)(0,1,0) 決定係数 :0.860 モデルの式 : y (t ) = −823.397 * x (t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.591 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.3.1) (3.3.1)式より,軽油市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は−823.397 である.こ れは,軽油市場価格が 1 円上昇するとガソリン消費量が 823.397(千 L)減少することを表 している.この値は,3.2 節のガソリン消費量の係数の 20 倍以上である.また,決定係数 は 0.860 であり,モデルのあてはまりはよいといえる.このため,軽油市場価格が軽油消 費量に与える影響は非常に大きいと考えられる. 軽油消費量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.3.2 に示す.観測の値は実データの 値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.この図を見ると,軽油の消費量は年々 減少していることがわかる.これは 3.2 節で述べたガソリン消費量とは異なっており,輸送 量の低下による走行距離の減少,運送業界による燃料消費の効率化などの要因が考えられ る.また,2005 年以降,消費量の減少の幅が小さくなっている.この変化は自動車貨物輸 送量にも見られるため,トラックによる貨物輸送では主に軽油が使用されているといえる. 17 観測 適合 3,000,000 ( Number 軽 2,750,000 油 消 費 量 2,500,000 ) ( 貨 物 2,250,000 千 L ) 2,000,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.3.2 軽油消費量の実測値と予測値の比較 3.4 貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用) 本節では,営業用車が貨物輸送において走行した距離(自動車走行キロ)に対する燃料 価格の変動の影響について説明するモデル(貨物輸送における自動車走行キロモデル(営 業用))を作成する.このモデルで使用する自動車走行キロのデータは,文献[10]に基づい ている.自動車走行キロでは荷物の積載の有無にかかわらず,トラックが走行した総距離 を表している.なお,自動車走行キロデータの単位は千 km である.自動車走行キロの変 動を図 3.4.1 に示す. 18 自動車貨物走行キロ(千km) 25,000,000 20,000,000 15,000,000 10,000,000 5,000,000 2001年1月 2001年4月 2001年7月 2001年10月 2002年1月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2006年1月 2006年4月 2006年7月 2006年10月 0 日付(年・月) 図 3.4.1 自動車走行キロ 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用) 従属変数 y(t) :自動車貨物走行キロ(千 km) 独立変数 x(t) :軽油市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(0,0,2)(0,1,0) 決定係数 :0.835 モデルの式 : y (t ) = −2882.255 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = u (t ) − (−0.346) * (u (t − 1) − u (t − 13)) − (−0.280) * (u (t − 2) − u (t − 14)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.4.1) (3.4.1)式の軽油市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は−2882.255 である.これ は,軽油市場価格が 1 円上昇すると自動車走行キロが 2882.255(千 km)減少することを 表している.決定係数は 0.835 であり,モデルのあてはまりはよいといえる.しかし,独 立変数の係数の絶対値は大きいが,従属変数の値の約 0.01%程度であるため,軽油市場価 19 格が自動車走行キロに与える影響は小さいと考えられる. 自動車走行キロの実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.4.2 に示す.観測の値は実デー タの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.自動車走行キロのデータも,3.1 節の自動車貨物輸送量や,3.3 節の貨物輸送における軽油消費量と同様の傾向を持っている. 全体的に減少傾向であり,2005 年以降はその幅が小さくなっている.自動車走行キロデー タの傾きは他の二つと比べて緩やかであるが,2004 年から 2005 年にかけて大幅に減少し ている.2003 年 10 月には首都圏でディーゼル規制が行われ,さらに 2004 年から燃料価格 の上昇が顕著になっているため,これらによる運送業者の廃業や輸送経路の見直しなどの 影響を受けていることが考えられる. 観測 適合 23,000,000 Number 自 22,000,000 動 車 貨 物 21,000,000 走 行 キ 20,000,000 ロ ( 千 19,000,000 k m ) 18,000,000 17,000,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.4.2 自動車走行キロの実測値と予測値の比較 3.5 ガソリン消費者向販売量モデル 本節では,市場でのガソリンの販売量(ガソリン販売量)に対する燃料価格の変動の影 響について説明するモデル(ガソリン消費者向販売量モデル)を作成する.このモデルで 使用するガソリン販売量のデータは,文献[4,6]に基づいている.3.2 節で扱ったガソリン 消費量(貨物)が,貨物輸送において営業用車が消費したガソリンの量を表しているのに 20 対し,こちらはガソリンの市場での販売量を表している.つまり,旅客輸送用の営業用車 や,自家用車全般,二輪車などが消費したガソリンの量も含んでいることになる.また, モーターボートや発電機などもガソリンを使用する.ガソリン販売量データの単位は千リ ットルである.ガソリン販売量の変動を図 3.5.1 に示す. 7,000,000 ガソリン販売量(千L) 6,000,000 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.5.1 ガソリン販売量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :ガソリン消費者向販売量モデル 従属変数 y(t) :ガソリン販売量(千 L) 独立変数 x(t) :なし 使用したモデル :ARIMA(0,0,0)(0,1,1) 決定係数 :0.864 モデルの式 : y (t ) − y (t − 12) = 42503 .557 + u (t ) − 0.774 * (u (t − 12) − u (t − 24)) u (t ) :ホワイトノイズ (3.5.1) 21 このモデルでは,独立変数を使用した場合にモデルの決定係数において信頼度が低下し たため,独立変数を使用せず時系列分析のみでモデル作成を行った.また,決定係数は0.864 であり,モデルの当てはまりはよいといえる.そのため,このモデルは独立変数,つまり レギュラーガソリン市場価格の影響を受けないと考えられる. ガソリン販売量の実測値と,モデルで求めた予測値を図3.5.2に示す.観測の値は実デー タの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.ガソリンの販売量はほぼ一定の 水準を維持していることがわかる.これは,ガソリン価格が上昇した2004年以降も同様で あり,ガソリン価格の影響をほとんど受けていないことを表しており,3.2節の貨物輸送に おけるガソリン消費量と同じ傾向が見られる. 観測 適合 6,000,000 Number ガ ソ リ 5,500,000 ン 消 費 者 向 5,000,000 販 売 量 ( 千 4,500,000 L ) 4,000,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図3.5.1 ガソリン販売量の実測値と予測値の比較 3.6 軽油消費者向販売量モデル 本節では,市場での軽油の販売量(軽油販売量)に対する燃料価格の変動の影響につい て説明するモデル(軽油消費者向販売量モデル)を作成する.このモデルで使用する軽油 販売量のデータは,文献[4,6]に基づいている.軽油販売量は,3.5 節のガソリン消費者向 販売量と同様,市場で販売された軽油の量を表している.3.3 節で扱った貨物輸送における 22 営業用車以外に,大型バスなどの旅客輸送用の自動車,ブルドーザーや大型フォークリフ ト(小型のものはバッテリーやガソリンを使用するものもある)などの重機なども軽油を 使用する.軽油販売量データの単位は千リットルである.また,軽油販売量の変動を図 3.6.1 に示す. 4,000,000 3,500,000 軽油販売量(千L) 3,000,000 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.6.1 軽油販売量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :軽油消費者向販売量モデル 従属変数 y(t) :軽油販売量(千 L) 独立変数 x(t) :軽油市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 決定係数 :0.733 モデルの式 : y (t ) = −736.491 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.896 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) − 0.799 * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.6.1) 23 (3.6.1)式の軽油市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は−736.491 である.これは, 軽油市場価格が 1 円上昇すると軽油販売量が 736.491(千 L)減少することを表している. 決定係数は 0.733 であり,モデルのあてはまりはよいといえる.独立変数の係数の絶対値 も大きいため,軽油市場価格が軽油販売量に与える影響は大きいと考えられる.しかし, このモデルの決定係数は前述のものと比べると低いため,軽油販売量を説明するには,独 立変数が軽油市場価格だけでは不十分であると考えられる. 自動車走行キロの実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.6.2 に示す.観測の値は実デー タの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.軽油の販売量は,3.5 節のガソリ ンの販売量とは異なり,年々減少していることがわかる.これは,3.3 節の貨物輸送におけ る軽油消費量と同じ傾向である.3.2 節,3.5 節の内容も踏まえると,ガソリンと軽油の消 費量および販売量は,ほぼ同じ傾向を持っているということがわかる. 観測 適合 3,750,000 3,500,000 3,250,000 ( Number 軽 油 販 売 量 千 L 3,000,000 ) 2,750,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月月月月月月月月月月月月月月月月月月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.6.2 軽油販売量の実測値と予測値の比較 3.7 1 世帯当り平均ガソリン購入量モデル 本節では,家庭における 1 ヶ月のガソリン購入量(1 世帯当り平均ガソリン購入量)に 対する燃料価格の変動の影響について説明するモデル(1 世帯当り平均ガソリン購入量モ 24 デル)を作成する.このモデルで使用する 1 世帯当り平均ガソリン購入量のデータは,文 献[8]に基づいている.1 世帯当り平均ガソリン購入量は,全国の一般家庭において,1 ヶ 月の間にガソリンを購入した量の平均を表している.つまり,レギュラーガソリン市場価 格の上昇に対して 1 世帯当り平均ガソリン購入量が減っていれば,一般家庭でもガソリン を節約していると考えることができる.1 世帯当り平均ガソリン購入量データの単位はリ ットルである.また,1 世帯当り平均ガソリン購入量の変動を図 3.7.1 に示す. 1世帯当り平均ガソリン購入量(L) 60 50 40 30 20 10 2006年10月 2006年7月 2006年4月 2006年1月 2005年10月 2005年7月 2005年4月 2005年1月 2004年10月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年10月 2003年7月 2003年4月 2003年1月 2002年10月 2002年7月 2002年4月 2002年1月 2001年10月 2001年7月 2001年4月 2001年1月 0 日付(年・月) 図 3.7.1 1 世帯当り平均ガソリン購入量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. 25 モデル名 :1 世帯当り平均ガソリン購入量モデル 従属変数 y(t) :1 世帯当り平均ガソリン購入量(L) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(0,0,1)(1,1,0) 決定係数 :0.726 モデルの式 : y (t ) = 5.156 − 0.041 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = −0.534 * (r (t − 12) − r (t − 24)) + u (t ) − (−0.425) * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.7.1) (3.7.1)式のレギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は−0.041 で ある.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇すると 1 世帯当り平均ガソリン購 入量が 0.041(L)減少することを表している.決定係数は 0.726 であり,モデルのあては まりはよいものの,前述のものと比べると低い.独立変数の係数の絶対値も小さいため, レギュラーガソリン市場価格が 1 世帯当り平均ガソリン購入量に与える影響は小さいと考 えられる. 1 世帯当り平均ガソリン購入量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.7.2 に示す.観 測の値は実データの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.(3.7.1)式およ び図 3.7.2 を見ると,若干の減少傾向が見られるものの,ほぼ一定の水準を維持している. このことと,3.5 節のガソリンの販売量がほぼ一定の水準を維持していることから,1 世帯 当りの平均ガソリン支出は価格の上昇に対し増加していると推測できる.1 世帯当りの平均 ガソリン支出については,次節にて述べる. ただし,図 3.7.2 を見ると,2001 年から 2003 年までは購入量が増加し,2004 年以降は 一定の水準を維持していることがわかる.このことから,ガソリン価格が上昇する 2004 年 以降は,購入量を減らすまでには至っていないものの,一般家庭においてもガソリンを節 約しようという動きがあるということがわかる. 26 1 観測 適合 世 55 帯 1当 世り 帯ガ 当ソ りリ 50 ガン ソ平 リ均 購 ン入 平量 ( 均 購 45 入 量 L ) 40 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 月月月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 2006 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2002 2001 2001 2001 2001 月 日付(月・年) 図 3.7.2 1 世帯当り平均ガソリン購入量の実測値と予測値の比較 3.8 1 世帯当り平均ガソリン支出モデル 本節では,家庭における 1 ヶ月のガソリン支出(1 世帯当り平均ガソリン支出)に対する 燃料価格の変動の影響について説明するモデル(1 世帯当り平均ガソリン支出モデル)を作 成する.このモデルで使用する 1 世帯当り平均ガソリン支出のデータは,文献[8]に基づい ている.1 世帯当り平均ガソリン支出とは,全国の一般家庭において,1 ヶ月の間にガソリ ンを購入するのに使用した金額の平均を表している.1 世帯当り平均ガソリン支出データの 単位は円である.また,1 世帯当り平均ガソリン支出の変動を図 3.8.1 に示す. 27 1世帯当り平均ガソリン支出(円) 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 2006年10月 2006年7月 2006年4月 2006年1月 2005年7月 2005年10月 2005年4月 2005年1月 2004年10月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年10月 2003年7月 2003年4月 2003年1月 2002年7月 2002年10月 2002年4月 2002年1月 2001年7月 2001年10月 2001年4月 2001年1月 0 日付(年・月) 図 3.8.1 1 世帯当り平均ガソリン支出 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :1 世帯当り平均ガソリン支出モデル 従属変数 y(t) :1 世帯当り平均ガソリン支出(円) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(0,0,1)(1,1,0) 決定係数 :0.945 モデルの式 : y (t ) = −992.148 + 11.439 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = −0.658 * (r (t − 12) − r (t − 24)) + u (t ) − (−0.426) * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.8.1) (3.8.1)式のレギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は 11.439 で ある.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇すると 1 世帯当り平均ガソリン支 出が 11.439(円)増加することを表している.決定係数は 0.945 であり,モデルのあては まりは非常によいといえる.独立変数の係数の絶対値は,従属変数である 1 世帯当り平均 28 ガソリン支出の増加量と比較すると小さい.よって,残差の自己回帰部分や移動平均部分 が 1 世帯当り平均ガソリン支出に与える影響も大きいと考えられる. 1 世帯当り平均ガソリン支出の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.8.2 に示す.観測 の値は実データの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.3.7 節で述べたよう に,1 世帯当り平均ガソリン支出は増加していることが予想される.図 3.8.2 より,3.7 節 で予想した通り,1 世帯当り平均ガソリン支出は年々上昇していることがわかる.特に 2004 年以降は上昇の幅が大きくなっており,ガソリンの価格と同じ傾向を持っていることがわ かる. 観測 適合 Number 1 世 7,000 帯 当 り 平 均 6,000 ガ ソ リ ン 支 5,000 出 ( ) 円 4,000 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 10 7 4 1 月月月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 月月月 月 2006 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2002 2001 2001 2001 2001 月 日付(月・年) 図 3.8.2 1 世帯当り平均ガソリン支出の実測値と予測値の比較 3.9 自動車旅客輸送量モデル(自家用) 本節では,自家用車の旅客輸送量(自動車旅客輸送量)に対する燃料価格の変動の影響 について説明するモデル(自動車旅客輸送量モデル(自家用))を作成する.このモデルで 使用する自動車旅客輸送量のデータは,文献[10,12]に基づいている.自家用車とは営業用 車以外の自動車のことであり,軽自動車は含まない.この旅客輸送量を分析することによ り,一般家庭や企業が人の輸送にどれくらい車を使用しているかを推測することができる. 29 企業の所有する自家用車の例として,外回りや役員の送迎などに使用する車が挙げられる. 自動車旅客輸送量データの単位は千人である.自動車旅客輸送量の変動を図 3.9.1 に示す. 4,000,000 自動車旅客輸送量(千人) 3,500,000 3,000,000 2,500,000 2,000,000 1,500,000 1,000,000 500,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.9.1 自動車旅客輸送量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :自動車旅客輸送量モデル(自家用) 従属変数 y(t) :自動車旅客輸送量(自家用車)(千人) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 決定係数 :0.573 モデルの式 : y (t ) = 189710.781 − 1720.543 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = −0.884 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) − (−0.998) * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.9.1) (3.9.1)式のレギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は−1720.543 である.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇すると自動車旅客輸送量が 30 1720.543(千人)減少することを表している.決定係数は 0.573 であり,このモデルは他 のモデルと比べてあてはまりが悪い.よって,自動車旅客輸送量を説明するには,独立変 数がレギュラーガソリン市場価格だけでは不十分であると考えられるが,独立変数の絶対 値の係数も大きく,図 3.9.2 より,レギュラーガソリン市場価格の上昇した 2004 年以降で は自動車旅客輸送量が減少しているため,レギュラーガソリン市場価格が自動車旅客輸送 量に与える影響は大きいと考えられる 自動車旅客輸送量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.9.2 に示す.観測の値は実デ ータの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.図 3.9.2 を見ると,2004 年か ら輸送量が減少していることがわかる.このことから,ガソリンの価格上昇を受けて移動 に自動車の利用を控える傾向があることがわかる.しかし,3.7 節で扱った 1 世帯当り平均 ガソリン購入量のデータは,ガソリンの価格が上昇しても一定の水準を維持している.こ のことから,自動車の利用を控えているのは企業であると推測できる. _1 デ ル 3,600,000 ( 自 家 3,400,000 用 車 輸 送 3,200,000 量 ) ( 旅 客 3,000,000 ) 千 人 2,800,000 2,600,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月月月月月月月月月月月月月月月月月月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.9.2 自動車旅客輸送量の実測値と予測値の比較 31 観測 適合 3.10 軽自動車旅客輸送量モデル(自家用) 本節では,3.9 節では除外した自家用軽自動車の旅客輸送量(軽自動車旅客輸送量)に対 する燃料価格の変動の影響について説明するモデル(軽自動車旅客輸送量モデル(自家用)) を作成する.このモデルで使用する軽自動車旅客輸送量のデータは,文献[10,12]に基づい ている.軽自動車旅客輸送量データの単位は千人である.また,軽自動車旅客輸送量の変 動を図 3.10.1 に示す. 1,400,000 軽自動車旅客輸送量(千人) 1,200,000 1,000,000 800,000 600,000 400,000 200,000 2006年7月 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2005年4月 2005年7月 2005年10月 2004年7月 2004年10月 2005年1月 2003年10月 2004年1月 2004年4月 2003年1月 2003年4月 2003年7月 2002年4月 2002年7月 2002年10月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 2001年7月 0 日付(年・月) 図 3.10.1 軽自動車旅客輸送量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. 32 モデル名 :軽自動車旅客輸送量モデル(自家用) 従属変数 y(t) :軽自動車旅客輸送量(自家用車) (千人) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 決定係数 :0.947 モデルの式 : y (t ) = 581.263 * x (t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.904 * (r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) − 0.757 * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.10.1) (3.10.1)式のレギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は 581.263 である.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇すると自動車旅客輸送量が 581.263(千人)増加することを表している.決定係数は 0.947 であり,モデルのあてはま りは非常によいといえる.独立変数の係数の絶対値も大きいため,レギュラーガソリン市 場価格が軽自動車旅客輸送量に与える影響は大きいと考えられる. 軽自動車旅客輸送量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.10.2 に示す.観測の値は 実データの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.図 3.10.2 を見ると,自家 用軽自動車による旅客輸送量は年々増加している.ガソリン価格が安定していた 2003 年以 前もその傾向は変わらず,燃費のよい軽自動車へのシフトは燃料価格が上昇する以前から 進んでいたと考えられる.また,3.7 節や 3.9 節でも述べたように,一般家庭でのガソリン の購入量はほぼ一定である.よって,軽自動車の利用を増やしているのは主に企業である と推測できる. 33 _1 デ ル ( 自 家 1,200,000 用 軽 自 動 車 輸 1,000,000 送 量 観測 適合 ) ( 旅 客 800,000 ) 千 人 600,000 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月月月月月月月月月月月月月月月月月月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.10.2 軽自動車旅客輸送量の実測値と予測値の比較 3.11 旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用) 本節では,軽自動車を含めた自家用車による,旅客輸送におけるガソリン消費量(自家 用車ガソリン消費量)に対する燃料価格の変動の影響について説明するモデル(旅客輸送 におけるガソリン消費量モデル(自家用))を作成する.このモデルで使用する自家用車ガ ソリン消費量のデータは,文献[10]に基づいている.自家用車ガソリン消費量データの単位 は千リットルである.また,自家用車ガソリン消費量の変動を図 3.11.1 に示す. 34 自家用車ガソリン消費量(千L) 6,000,000 5,000,000 4,000,000 3,000,000 2,000,000 1,000,000 2006年10月 2006年1月 2006年4月 2006年7月 2005年7月 2005年10月 2004年10月 2005年1月 2005年4月 2004年1月 2004年4月 2004年7月 2003年7月 2003年10月 2002年10月 2003年1月 2003年4月 2002年4月 2002年7月 2001年7月 2001年10月 2002年1月 2001年1月 2001年4月 0 日付(年・月) 図 3.11.1 自家用車ガソリン消費量 以下に,モデル作成に使用した従属変数および独立変数,使用したモデル,モデルの決 定係数,モデルの式を示す. モデル名 :旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用) 従属変数 y(t) :自家用車ガソリン消費量(旅客) (千 L) 独立変数 x(t) :レギュラーガソリン市場価格(円) 使用したモデル :ARIMA(1,0,1)(0,1,0) 決定係数 :0.791 モデルの式 : y (t ) = 239244.352 − 2398.720 * x(t ) + R (t ) R (t ) = r (t ) − r (t − 12) = 0.897 * ( r (t − 1) − r (t − 13)) + u (t ) − 0.789 * (u (t − 1) − u (t − 13)) r (t ) :残差 u (t ) :ホワイトノイズ (3.11.1) (3.11.1)式のレギュラーガソリン市場価格を表す独立変数 x(t)に対する係数は− 2398.720 である.これは,レギュラーガソリン市場価格が 1 円上昇すると自家用車ガソリ ン消費量が 2398.720(千 L)減少することを表している.決定係数は 0.791 であり,モデ ルのあてはまりはよいといえる.独立変数の係数の絶対値も大きいため,レギュラーガソ 35 リン市場価格が自家用車ガソリン消費量に与える影響は大きいと考えられる. 自家用車ガソリン消費量の実測値と,モデルで求めた予測値を図 3.11.2 に示す.観測の 値は実データの値を,適合の値はモデルによる予測値を表している.図 3.11.2 を見ると, 自家用車ガソリン消費量は 2003 年までは増加し,2004 年から減少に転じている.これは 3.3 節の貨物輸送におけるガソリン消費量とは異なる結果である.また,2003 年以前は普 通自動車,軽自動車共に輸送量が増加しており,2004 年からは普通自動車の輸送量が減少 している.このことから,2004 年以降は普通自動車からの軽自動車へのシフトを行なわれ ることで,自家用車ガソリン消費量が減少していると考えられる.加えて,3.9 節及び 3.10 節で前述した通り,その主体は一般家庭ではなく企業であると考えられる. 観測 適合 ( 自 5,000,000 家 用 車 ガ ソ リ 4,500,000 ン 消 費 量 4,000,000 旅 客 ) ( 千 3,500,000 L ) 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 9 5 1 月月月月月月月月月月月月月月月月月月 2006 2006 2006 2005 2005 2005 2004 2004 2004 2003 2003 2003 2002 2002 2002 2001 2001 2001 日付(月・年) 図 3.11.2 自家用車ガソリン消費量の実測値と予測値の比較 3.12 考察 まず,各モデルの独立変数の係数に注目する.3.2 節のガソリン消費量,3.7 節の 1 世帯 当り平均ガソリン購入量のモデルでは,独立変数の係数の絶対値の従属変数の値に対する 割合が約 0.01%以下と,小さいことがわかる.このことから,これらのモデルでは独立変 数が従属変数に与える影響が小さい,または持たないと考えられる.また,他のモデルで 36 は,独立変数の係数の絶対値の,従属変数の値に対する割合は約 0.01∼0.05%となってい る.この中でも,3.9∼3.11 節の自家用車に関するモデルでは,どれも割合が約 0.05%とな っており,独立変数が従属変数に与える影響が大きいと考えられる.逆に,3.4 節の自動車 走行キロモデルでは約 0.01%と小さいが,独立変数の絶対値そのものは大きく,決定係数 も高いため,小さいながらも影響力を持っていると考えられる.また,独立変数を持たな い 3.5 節のガソリン販売量については,独立変数の影響を受けないと考えられる. 次に,各モデルの分析結果から,燃料価格の上昇に対して,運送業界に関連性の高い軽 油の消費量や販売量,輸送量などは減少しており,燃料の消費を抑えようとする傾向が見 られることがわかる.また,ガソリンの消費量や販売量,一般家庭のガソリン購入量など は変化量が少なく,一定の水準を維持していることがわかる.これらの結果を考えると, 運送業界が燃料費を減らすために行動していることは明らかである.一般家庭においては 目立った結果は見られないものの,1世帯当り平均ガソリン購入量を表す 3.7 節の図 3.7.2 では,2003 年以前では年々増加しているものの,2004 年以降燃料価格が上昇するにつれて 増加量が減少し,一定の水準を維持し始めていることから,燃料消費を抑えようという動 きは存在していると考えられる.3.9 節以降の自家用車に関する分析結果からは,営業用車 だけではなく,自家用車においても燃料価格が上昇するにつれ,燃料消費が減少する傾向 があることがわかる.ここで,3.7 節の結果と比べると,自家用車全体では節約の効果が見 られるのに対し,一般家庭では購入量の増加は抑えられているものの,減少はしていない ことがわかる.自家用車とは個人所有のものではなく企業の所有する車両も含んでいるた め,自家用車の燃料消費量が減少しているのは,企業が自家用車の使用を控えているか, 自家用車を普通車から軽自動車に移行させているためであると考えられる.また,各モデ ルの独立変数の係数と,その絶対値の従属変数の平均値に対する割合を表 3.12.1 に示す. 表 3.12.1 独立変数の係数とその割合 独立変数の係数 係数の割合(%) 自動車貨物輸送量モデル(営業用) −73.121 0.0168 貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用) −34.752 0.00421 −823.397 0.0345 −2882.255 0.0138 0 0 −736.491 0.0229 −0.041 0.0913 1 世帯当り平均ガソリン支出モデル 11.439 0.231 自動車旅客輸送量モデル(自家用) −1720.543 0.0551 581.263 0.0591 −2398.720 0.0554 貨物輸送における軽油消費量モデル(営業用) 貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用) ガソリン消費者向販売量モデル 軽油消費者向販売量モデル 1 世帯当り平均ガソリン購入量モデル 軽自動車旅客輸送量モデル(自家用) 旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用) 37 第4章 価格弾力性・輸送効率 本章では,価格弾力性および輸送効率について説明する.価格弾力性については,第 3 章で使用したデータに対して価格弾力性を導出し,データの性質を考察する.また,輸送 効率を求めることによって,運送業界の企業努力がどの程度行われているのかを推測する. 価格弾力性については文献[3]に基づいて述べる. 4.1 需要の価格弾力性 需要の価格弾力性とは,価格が 1%上昇した際に需要が何%変化するかを示す数値の絶対 値である.まず,商品の値段が 1%上昇したと仮定する.商品を販売する側にとって,価格 が 1%上昇した場合,収入は上昇した分だけ増加する.しかし,実際には価格が上昇すれば 需要は低下する.ここで,需要の価格弾力性について考える.弾力性が X > 1 である場合, 弾力的であるといい,価格が上昇(下降)すれば収入は減少(増加)する.逆に, X < 1 で ある場合,非弾力的であるといい,価格が上昇(下降)すれば収入は増加(減少)する. また, X = 1 の場合,価格によらず収入は一定であることを意味する.通常,贅沢品は弾力 的であり,必需品は非弾力的であるという傾向がある. (4.1.1)式のようになる.ここで,Dは需要を, 需要の価格弾力性をXとして式で表すと, Pは価格を表している. X = dD/D dP/P (4.1.1) D:Min(基準点のD,比較点のD) P:Min(基準点のP,比較点のP) これを実際に求めるには,対象となるデータを自然対数変換し,回帰分析を行えばよい. その理由を以下に表す. d log Y /d Y = 1 / Y d log Y = d Y / Y より, 38 (4.1.2) X = dD/D dP/P = d log D d log P (4.1.3) とおくことが出来る.よって, log D =α+ X log P (4.1.4) α:定数(切片) と表すことができ,価格弾力性は自然対数をとった回帰式で表すことができる.また,回 帰分析は 1 次式に近似する方法であるため,非線形のデータには不適である.そこで,デ ータに対し自然対数をとることで,非線形のデータでも線形変換できる場合がある.自然 対数変換を行っているのはこの為である. 4.2 価格弾力性の導出 第 3 章で使用した自動車貨物輸送量(営業用車),ガソリン消費量(貨物),軽油消費量 (貨物),自動車貨物走行キロ,ガソリン販売量,軽油販売量,1 世帯当り平均ガソリン購 入量,1 世帯当り平均ガソリン支出,自動車旅客輸送量(自家用車) ,軽自動車旅客輸送量 (自家用車) ,自家用車ガソリン消費量(旅客)のデータに対し,価格弾力性を導出した結 果を表 4.2.1 に表す.なお,価格弾力性の導出する場合,通常は絶対値をとるため符号は削 除されるが,今回は弾力性の正負を求めるため,絶対値をとっていない.また,需要の価 格弾力性は弾力性が負であることが前提であるため,弾力性が正であった場合,弾力的ま たは非弾力的であることに対する議論をすることはできない. 39 表 4.2.1 各データに対する価格弾力性 使用する独立変数 自動車貨物輸送量(貨物) 軽油市場価格 ガソリン消費量(貨物) レギュラーガソリン市場価格 軽油消費量(貨物) 価格弾力性 X 弾力的 −0.236 × −0.10 × 軽油市場価格 −1.054 ○ 自動車貨物走行キロ 軽油市場価格 −0.139 × ガソリン販売量 レギュラーガソリン市場価格 +0.128 − 軽油販売量 軽油市場価格 −0.212 × 1 世帯当り平均ガソリン購入量 レギュラーガソリン市場価格 +0.089 − 1 世帯当り平均ガソリン支出 レギュラーガソリン市場価格 +0.926 − 自動車旅客輸送量(自家用車) レギュラーガソリン市場価格 −0.045 × 軽自動車旅客輸送量(自家用車) レギュラーガソリン市場価格 +0.889 − 自家用車ガソリン消費量(旅客) レギュラーガソリン市場価格 −0.157 × まず,軽油消費量(貨物)に注目すると,価格弾力性が−1.054 であり,絶対値が僅かに 1 を超えている.つまり,軽油消費量は弾力的である.このことは,僅かではあるが軽油消 費量の減少した割合が燃料価格の上昇した割合よりも上回っている,または価格が上昇し た分だけ消費量を削減できていることを意味している.つまり,軽油の消費量の削減とい う点では,運送業界による効率化の結果が出ていると考えられる.また,ガソリン販売量 および 1 世帯あたり平均ガソリン購入量に注目する.これら二つのデータの価格弾力性は 共に正の値であり,燃料価格が上昇してもデータの値は減少せず,逆に増加しているとい うことを意味している.これは,燃料価格が上昇する 2004 年よりも前では,ガソリン販売 量,1 世帯あたり平均ガソリン購入量が共に増加していたことが影響しているためであると 考えられる.次に,1 世帯当り平均ガソリン支出に注目する.もし燃料価格が上昇しても, 従来通りガソリンを購入していれば,ガソリンの支出は燃料価格が上昇した割合と同じ割 合だけ増加すると考えられる.しかし,1 世帯当り平均ガソリン支出の価格弾力性は+0.926 であり,ガソリンの支出の増加の割合が燃料価格の増加の割合よりも小さくなっている. そして,図 3.7.2 の 1 世帯当り平均ガソリン購入量においても,2003 年以前は購入量が増 加していたのに対し,2004 年以降は増加せず,一定の水準を維持していることがわかる. これらのことから,一般家庭においてガソリンの購入を控える動きがあると推測できる. 4.3 輸送効率の定義 自動車貨物輸送量の値を自動車貨物走行キロの値で割った値を,1km 走行する際に何ト ンの貨物を輸送できるかを表す輸送効率として定義する. 輸送効率を X として式で表すと, (4.3.1)式のようになる.ここで,T は自動車貨物輸送量を,D は自動車貨物走行キロを 40 表している.輸送効率の単位はトン/キロである. X = 4.4 T D (4.3.1) 輸送効率の導出 4.3 節で述べた輸送効率を求めた結果を図 4.4.1 に表す.求めた輸送効率の詳細は付録に 記載する. 0.023 輸送効率(トン/キロ) 0.022 0.021 0.020 0.019 0.018 2006年10月 2006年7月 2006年4月 2006年1月 2005年10月 2005年7月 2005年4月 2005年1月 2004年10月 2004年7月 2004年4月 2004年1月 2003年10月 2003年7月 2003年4月 2003年1月 2002年10月 2002年7月 2002年4月 2002年1月 2001年10月 2001年7月 2001年4月 2001年1月 0.017 日付(年・月) 図 4.4.1 輸送効率 図 4.4.1 を見ると,輸送効率は年々低下していることがわかる.ここで,4.2 節の自動車 貨物輸送量と自動車貨物走行キロの価格弾力性の値に注目する.自動車貨物輸送量の価格 弾力性は−0.236 であり,自動車貨物走行キロは−0.139 である.つまり,自動車貨物輸送 量の減少量が自動車貨物走行キロの減少量を上回っており,その結果輸送効率が低下して いると考えられる. 4.5 考察 上記の分析結果から,運送業界,一般家庭共に燃料価格の上昇に対してその影響を軽減 するよう,対策をとっていることが推測できる.しかし,運送業界では自動車貨物輸送量 41 の減少によって輸送効率が低下しているため,結果として運送業界の収益は悪化している と推測できる.また,一般家庭においてもガソリンの支出は依然として増加しており,現 状では燃料価格の上昇に対応し切れていないと考えられる.ガソリンが必須品として生活 に欠かせない存在となっている以上,この傾向はこれからも続くと考えられる.以上を踏 まえると,運送業界,一般家庭共に燃料価格の上昇の影響を受けることは避けられないと 考えられる.よって,価格の上昇が今後も続けば,運送業界の自助努力のみでは業績は悪 化し,一般家庭においても燃料費が家計を圧迫することは避けられないと推測できる. 42 第5章 5.1 おわりに まとめ 本研究では,燃料価格の変動による自動車社会への影響を分析した.自動車貨物輸送量 (営業用)モデル,貨物輸送におけるガソリン消費量モデル(営業用),貨物輸送における 軽油消費量モデル(営業用),貨物輸送における自動車走行キロモデル(営業用),ガソリ ン消費者向販売量モデル,軽油消費者向販売量モデル,1 世帯当り平均ガソリン購入量モデ ル,1 世帯当り平均ガソリン支出モデル,自動車旅客輸送量モデル(自家用),軽自動車旅 客輸送量モデル(自家用),旅客輸送におけるガソリン消費量モデル(自家用)を作成した. また,価格弾力性,輸送効率を導出した.その結果,燃料価格の上昇に対して,ガソリン に関する分析においては,その値は一定の水準を維持し,軽油に関する分析においては, その値は減少する傾向にあることがわかった.また,運送業界,一般家庭共に燃料の消費 を節約する動きが見られる.運送業界は結果が目に見える形で出ているが,貨物輸送量の 減少により,輸送効率が低下している.また,一般家庭ではあまり効果を上げていないこ とがわかった.これらのことから,燃料価格の上昇に対し自助努力のみで対処するのは困 難であることが予想され,燃料価格の上昇分の運送料金への転嫁に対する理解や,政府に よる補助などの支援が必要であると考えられる. 5.2 今後の課題 今後の課題を以下に示す. ・ 本研究では 2006 年 12 月までのデータを使用して分析しているが,2007 年以降も原油 価格は高騰を続け,その結果燃料価格はさらに上昇している.よって,2007 年以降の データを使用して分析を行う. ・ 本研究で扱っている輸送量のデータの単位はトン数であるが,貨物輸送量に関するデー タは 1 トンの貨物を 1 キロ運んだことを表すトンキロのデータも多く使われるため,ト ンキロの貨物輸送量のデータに対して分析を行う. ・ 本研究では大型バスなどによる営業用車による旅客輸送量を考慮していないため,営業 用車による旅客輸送量に対して分析を行う. ・ 本研究では各データに対して燃料価格のみを独立変数にとりモデルを作成している.し かし,実際には燃料価格以外にも各データに対し影響を与える要因が存在するため,そ れらを考慮したモデルを作成する. ・ 本研究で使用した自家用車に関するデータは,企業所有の自家用車と一般家庭所有の自 家用車とを分けていない.したがって,自家用車に関するデータを所有者別に分けて分 43 析を行う. ・ ガソリン販売量のモデルを作成する際,時系列分析では独立変数を取ることが出来なか ったため,独立変数を取ることが出来るよう,別の分析方法を考える必要がある. 謝辞 本研究を進めるにあたり,多くのご指導ご助言をいただいた中央大学理工学部情報工学 科の田口東教授並びに中央大学理工学部土木工学科の鹿島茂教授に心から感謝いたします. また,多くのご助言,ご協力をいただいた海上技術安全研究所の鳥海重喜氏,佐藤春樹氏 をはじめとする田口研究室の皆様に心から感謝いたします. 参考文献 [1]石村貞夫,SPSS による時系列分析の手順,東京図書,2006. [2]関卓磨,アジアの特性を活かした国際輸送量の予測,中央大学大学院土木工学専攻修士 論文,2006. [3]山地憲治,エネルギー・環境・経済システム論,岩波書店,2006. [4]通産省調査統計部資源エネルギー統計調査室,エネルギー生産・需給統計年報,通商産 業調査会,2001. [5]廣松毅,浪花貞夫,高岡慎,経済時系列分析,多賀出版,2006. [6]経済産業省経済産業政策局調査統計部,資源・エネルギー統計年報,経済産業調査会, 2002,2003,2004,2005,2006. [7]東京大学教養学部統計学教室,統計学入門,財団法人東京大学出版会,1991. [8]統計局, 家計調査(二人以上の世帯) (農村漁家世帯を含む),2001,2002,2003,2004, 2005,2006,(オンライン),入手先<http://www.stat.go.jp/data/kakei/2.htm#nou> [9]財団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センター, 給油所石油製品一般小売価格月 次調査 ,(オンライン) , 入手先<http://oil-info.ieej.or.jp/price/data/SekiyuMonthly.pdf>. [10]国土交通省, 自動車輸送統計調査ホームページ ,2001,2002,2003,2004,2005, 2006,2007,(オンライン),入手先<http://toukei.mlit.go.jp/jidousya/jidousya.html>. [11]富士物流株式会社, 富士物流株式会社 物流・倉庫のソリューション企業 , (オンライン),入手先<http://www.fujibuturyu.co.jp/headlines/080114/01.html>. [12]国土交通省, 陸運統計要覧ホームページ ,2001,2002,2003,2004,2005,2006, (オンライン),入手先<http://toukei.mlit.go.jp/youran/youran.html>. 44 付録 表 1 レギュラーガソリン市場価格,軽油市場価格,自動車貨物輸送量(営業用車) レギュラーガソリン 軽油市場価格 自動車貨物輸送量(営業用車) 市場価格(円) (円) (千トン) 2001 年 1 月 105 85 434,190 2001 年 2 月 105 84 437,435 2001 年 3 月 104 84 515,350 2001 年 4 月 103 84 498,612 2001 年 5 月 103 83 463,117 2001 年 6 月 102 83 438,556 2001 年 7 月 102 83 473,859 2001 年 8 月 102 83 448,120 2001 年 9 月 102 83 487,693 2001 年 10 月 102 82 472,095 2001 年 11 月 101 82 485,297 2001 年 12 月 100 81 516,607 2002 年 1 月 99 80 416,606 2002 年 2 月 98 80 399,429 2002 年 3 月 97 79 478,236 2002 年 4 月 98 79 461,945 2002 年 5 月 100 81 451,633 2002 年 6 月 101 82 415,676 2002 年 7 月 100 81 451,198 2002 年 8 月 99 80 423,691 2002 年 9 月 99 80 472,286 2002 年 10 月 99 80 445,862 2002 年 11 月 100 81 460,933 2002 年 12 月 100 81 479,329 2003 年 1 月 100 81 410,853 2003 年 2 月 100 81 400,731 2003 年 3 月 102 82 465,350 2003 年 4 月 104 84 441,982 2003 年 5 月 104 84 441,093 2003 年 6 月 102 83 408,390 2003 年 7 月 101 82 436,374 2003 年 8 月 101 82 425,417 2003 年 9 月 101 82 459,045 2003 年 10 月 101 82 441,696 2003 年 11 月 100 81 446,551 2003 年 12 月 100 81 475,044 2004 年 1 月 100 81 406,125 2004 年 2 月 100 81 397,686 2004 年 3 月 100 81 454,673 2004 年 4 月 107 85 436,083 2004 年 5 月 108 85 433,048 2004 年 6 月 113 89 394,679 2004 年 7 月 114 90 425,749 2004 年 8 月 114 90 411,628 2004 年 9 月 119 94 434,072 2004 年 10 月 119 94 428,561 2004 年 11 月 120 95 442,916 2004 年 12 月 119 94 458,711 2005 年 1 月 117 93 396,481 2005 年 2 月 116 93 370,121 2005 年 3 月 117 93 443,828 2005 年 4 月 122 98 423,089 2005 年 5 月 124 100 416,429 2005 年 6 月 123 99 392,307 2005 年 7 月 125 101 423,288 2005 年 8 月 129 105 402,347 2005 年 9 月 131 106 429,003 2005 年 10 月 131 107 419,676 2005 年 11 月 130 107 431,793 2005 年 12 月 129 106 447,526 2006 年 1 月 128 106 383,212 2006 年 2 月 130 107 365,670 2006 年 3 月 131 108 431,534 2006 年 4 月 131 108 415,413 2006 年 5 月 136 113 394,684 2006 年 6 月 136 113 396,944 2006 年 7 月 137 114 406,186 2006 年 8 月 144 120 401,057 2006 年 9 月 144 121 440,280 2006 年 10 月 141 118 427,645 2006 年 11 月 137 115 427,702 2006 年 12 月 134 113 461,479 表 2 ガソリン消費量(貨物),軽油消費量(貨物),自動車貨物走行キロ ガソリン消費量(貨物) 軽油消費量(貨物) 自動車貨物走行キロ (千 L) (千 L) (千キロ) 2001 年 1 月 752,099 2,395,186 19,556,598 2001 年 2 月 744,398 2,373,679 19,296,715 2001 年 3 月 897,670 2,827,447 22,972,213 2001 年 4 月 868,145 2,660,073 22,011,013 2001 年 5 月 887,555 2,613,047 21,984,568 2001 年 6 月 821,994 2,577,270 21,527,874 2001 年 7 月 851,611 2,660,526 22,214,290 2001 年 8 月 816,158 2,398,546 20,515,462 2001 年 9 月 836,811 2,630,164 21,936,369 2001 年 10 月 841,850 2,684,686 22,239,951 2001 年 11 月 824,963 2,636,449 21,792,095 2001 年 12 月 873,148 2,768,134 22,959,844 2002 年 1 月 727,535 2,299,026 18,919,194 2002 年 2 月 755,188 2,330,522 19,288,768 2002 年 3 月 865,254 2,708,436 22,246,977 2002 年 4 月 876,400 2,567,711 21,712,402 2002 年 5 月 839,574 2,509,389 20,953,657 2002 年 6 月 830,297 2,529,287 21,418,933 2002 年 7 月 870,909 2,658,786 22,418,051 2002 年 8 月 800,286 2,346,090 20,098,456 2002 年 9 月 827,060 2,545,053 21,389,051 2002 年 10 月 835,344 2,679,964 22,204,867 2002 年 11 月 815,393 2,610,222 21,576,290 2002 年 12 月 867,734 2,678,274 22,510,211 2003 年 1 月 715,640 2,273,370 18,766,380 2003 年 2 月 766,121 2,391,322 19,620,339 2003 年 3 月 886,956 2,688,797 22,299,760 2003 年 4 月 867,143 2,486,664 21,543,208 2003 年 5 月 862,897 2,419,655 21,187,770 2003 年 6 月 852,749 2,470,852 21,606,157 2003 年 7 月 901,244 2,512,092 22,357,495 2003 年 8 月 819,568 2,311,757 20,364,704 2003 年 9 月 840,363 2,473,194 21,323,467 2003 年 10 月 848,195 2,572,224 22,704,916 2003 年 11 月 810,560 2,469,347 21,755,687 2003 年 12 月 854,175 2,540,987 22,550,340 2004 年 1 月 721,550 2,168,968 19,151,723 2004 年 2 月 758,860 2,331,588 20,205,078 2004 年 3 月 847,012 2,544,163 22,249,571 2004 年 4 月 823,462 2,370,677 21,170,778 2004 年 5 月 827,518 2,302,166 20,849,423 2004 年 6 月 812,984 2,187,065 20,232,914 2004 年 7 月 854,730 2,286,940 21,242,988 2004 年 8 月 795,573 2,124,596 19,700,665 2004 年 9 月 825,041 2,257,864 20,708,477 2004 年 10 月 854,535 2,448,351 22,182,340 2004 年 11 月 848,294 2,374,283 21,730,645 2004 年 12 月 876,881 2,430,550 22,300,937 2005 年 1 月 754,406 2,117,762 19,267,780 2005 年 2 月 725,402 2,031,221 18,174,442 2005 年 3 月 849,443 2,336,677 21,166,206 2005 年 4 月 828,484 2,207,135 20,318,916 2005 年 5 月 823,523 2,178,194 20,074,833 2005 年 6 月 828,612 2,226,416 20,233,707 2005 年 7 月 874,261 2,305,580 21,176,581 2005 年 8 月 824,146 2,141,637 19,846,404 2005 年 9 月 839,208 2,219,302 20,329,060 2005 年 10 月 818,507 2,253,727 20,899,878 2005 年 11 月 810,033 2,228,574 20,706,516 2005 年 12 月 845,386 2,259,931 21,217,240 2006 年 1 月 727,588 1,965,775 18,332,414 2006 年 2 月 733,343 2,015,775 18,322,529 2006 年 3 月 822,247 2,282,614 20,632,829 2006 年 4 月 833,582 2,216,673 20,480,265 2006 年 5 月 837,950 2,084,822 19,901,340 2006 年 6 月 834,491 2,239,861 20,433,664 2006 年 7 月 882,610 2,251,637 21,112,986 2006 年 8 月 822,157 2,099,308 19,661,799 2006 年 9 月 830,098 2,260,442 20,485,539 2006 年 10 月 810,912 2,269,353 21,016,903 2006 年 11 月 804,806 2,214,944 20,658,323 2006 年 12 月 841,229 2,316,941 21,592,433 表 3 ガソリン販売量,軽油販売量,1 世帯当り平均ガソリン購入量 ガソリン販売量 (千 L) 軽油販売量(千 L) 1 世帯当り平均ガソリン購入量 (L) 2001 年 1 月 4,421,420 3,025,890 41 2001 年 2 月 4,356,560 3,261,395 41 2001 年 3 月 4,931,861 3,713,139 44 2001 年 4 月 4,600,411 3,299,176 42 2001 年 5 月 4,835,384 3,247,689 41 2001 年 6 月 4,729,013 3,342,357 41 2001 年 7 月 5,432,232 3,613,362 44 2001 年 8 月 5,585,952 3,481,477 50 2001 年 9 月 4,825,161 3,413,837 43 2001 年 10 月 4,824,159 3,544,361 42 2001 年 11 月 4,798,418 3,553,349 42 2001 年 12 月 5,340,674 3,678,345 46 2002 年 1 月 4,572,954 3,036,843 43 2002 年 2 月 4,308,313 3,131,501 40 2002 年 3 月 4,968,314 3,615,125 43 2002 年 4 月 4,777,250 3,231,269 41 2002 年 5 月 4,887,971 3,123,661 43 2002 年 6 月 4,687,346 3,162,434 41 2002 年 7 月 5,411,945 3,414,573 44 2002 年 8 月 5,773,631 3,403,797 51 2002 年 9 月 5,004,200 3,329,441 46 2002 年 10 月 4,915,663 3,431,905 45 2002 年 11 月 4,928,005 3,399,472 45 2002 年 12 月 5,369,241 3,519,566 49 2003 年 1 月 4,568,962 2,958,646 44 2003 年 2 月 4,451,727 3,041,449 42 2003 年 3 月 5,053,989 3,472,786 46 2003 年 4 月 4,739,027 3,024,449 44 2003 年 5 月 5,046,195 3,109,762 45 2003 年 6 月 4,909,368 3,093,449 44 2003 年 7 月 5,155,357 3,217,338 45 2003 年 8 月 5,556,750 3,142,674 53 2003 年 9 月 5,083,293 3,212,679 47 2003 年 10 月 5,094,818 3,439,611 45 2003 年 11 月 4,907,421 3,160,452 44 2003 年 12 月 5,510,994 3,422,006 49 2004 年 1 月 4,751,950 2,905,377 45 2004 年 2 月 4,560,442 2,991,703 44 2004 年 3 月 5,245,333 3,410,896 47 2004 年 4 月 4,834,106 3,060,037 45 2004 年 5 月 5,125,602 3,079,745 48 2004 年 6 月 4,738,861 3,047,443 43 2004 年 7 月 5,647,275 3,322,020 47 2004 年 8 月 5,847,353 3,268,775 50 2004 年 9 月 5,024,295 3,098,662 45 2004 年 10 月 5,108,219 3,290,203 45 2004 年 11 月 4,815,465 3,156,403 43 2004 年 12 月 5,521,296 3,447,552 46 2005 年 1 月 4,821,254 2,896,159 42 2005 年 2 月 4,631,030 3,009,223 42 2005 年 3 月 5,361,416 3,526,896 45 2005 年 4 月 4,962,570 3,116,297 42 2005 年 5 月 4,889,139 2,730,462 46 2005 年 6 月 5,122,586 3,235,742 45 2005 年 7 月 5,399,116 3,167,288 45 2005 年 8 月 5,839,086 3,143,701 53 2005 年 9 月 5,130,241 3,025,656 46 2005 年 10 月 4,844,011 3,036,837 46 2005 年 11 月 4,986,923 3,118,232 44 2005 年 12 月 5,628,314 3,442,923 47 2006 年 1 月 4,866,485 2,795,501 45 2006 年 2 月 4,515,599 2,889,121 41 2006 年 3 月 5,236,836 3,414,232 45 2006 年 4 月 4,979,366 3,096,751 44 2006 年 5 月 4,896,152 2,745,902 45 2006 年 6 月 4,935,511 3,038,147 42 2006 年 7 月 5,475,080 3,193,350 47 2006 年 8 月 5,601,251 2,983,248 52 2006 年 9 月 4,855,062 2,944,916 44 2006 年 10 月 4,984,978 3,143,327 45 2006 年 11 月 4,927,967 3,205,215 45 2006 年 12 月 5,566,047 3,329,016 50 表 4 1 世帯当り平均ガソリン支出,自動車旅客輸送量(自家用車), 軽自動車旅客輸送量(自家用車) 1 世帯当り平均ガソリン 自動車旅客輸送量 軽自動車旅客輸送量 支出(円) (自家用車)(千人) (自家用車)(千人) 2001 年 1 月 4,259 2,942,131 718,212 2001 年 2 月 4,196 2,738,150 687,686 2001 年 3 月 4,506 3,158,938 833,839 2001 年 4 月 4,309 3,056,001 778,112 2001 年 5 月 4,209 3,065,281 807,836 2001 年 6 月 4,163 3,097,502 803,586 2001 年 7 月 4,506 3,324,571 844,525 2001 年 8 月 5,126 3,179,224 847,590 2001 年 9 月 4,343 3,083,656 868,112 2001 年 10 月 4,222 3,125,036 829,072 2001 年 11 月 4,252 3,272,903 850,266 2001 年 12 月 4,602 3,273,856 848,394 2002 年 1 月 4,175 3,132,780 776,639 2002 年 2 月 3,940 2,803,148 781,753 2002 年 3 月 4,123 3,269,674 942,632 2002 年 4 月 4,095 3,166,386 837,818 2002 年 5 月 4,281 3,305,722 895,352 2002 年 6 月 4,176 3,059,585 872,819 2002 年 7 月 4,458 3,358,565 941,050 2002 年 8 月 5,101 3,278,455 897,548 2002 年 9 月 4,545 3,170,860 917,606 2002 年 10 月 4,499 3,142,611 920,703 2002 年 11 月 4,516 3,177,115 918,399 2002 年 12 月 4,914 3,263,165 940,262 2003 年 1 月 4,431 2,956,796 827,127 2003 年 2 月 4,286 2,776,925 821,115 2003 年 3 月 4,760 3,183,194 972,832 2003 年 4 月 4,570 3,166,728 884,695 2003 年 5 月 4,686 3,241,058 996,873 2003 年 6 月 4,535 3,088,608 910,056 2003 年 7 月 4,613 3,410,016 980,807 2003 年 8 月 5,425 3,216,604 940,472 2003 年 9 月 4,753 3,216,014 984,362 2003 年 10 月 4,578 3,123,460 1,004,937 2003 年 11 月 4,432 3,149,221 1,004,362 2003 年 12 月 4,876 3,161,790 995,566 2004 年 1 月 4,494 2,930,996 901,632 2004 年 2 月 4,381 2,882,821 907,487 2004 年 3 月 4,753 3,304,257 1,047,156 2004 年 4 月 4,660 3,063,042 1,012,514 2004 年 5 月 4,995 3,215,888 1,048,457 2004 年 6 月 4,664 3,118,311 998,991 2004 年 7 月 5,223 3,196,756 1,053,844 2004 年 8 月 5,579 3,299,120 1,033,931 2004 年 9 月 5,117 3,095,687 1,065,680 2004 年 10 月 5,155 3,229,724 1,081,630 2004 年 11 月 4,983 3,134,258 1,074,153 2004 年 12 月 5,212 3,191,207 1,065,383 2005 年 1 月 4,744 3,129,451 1,002,421 2005 年 2 月 4,648 2,724,202 958,108 2005 年 3 月 5,024 3,160,964 1,113,380 2005 年 4 月 4,910 3,116,183 1,060,575 2005 年 5 月 5,455 3,208,041 1,122,491 2005 年 6 月 5,289 3,021,420 1,070,877 2005 年 7 月 5,461 3,216,095 1,073,134 2005 年 8 月 6,586 3,289,392 1,127,186 2005 年 9 月 5,832 3,007,826 1,108,725 2005 年 10 月 5,754 3,047,707 1,110,470 2005 年 11 月 5,436 3,140,497 1,154,275 2005 年 12 月 5,840 3,181,455 1,104,864 2006 年 1 月 5,464 3,096,114 1,043,740 2006 年 2 月 5,082 2,789,377 997,049 2006 年 3 月 5,629 3,243,927 1,173,426 2006 年 4 月 5,599 3,051,408 1,144,128 2006 年 5 月 5,825 3,125,080 1,187,270 2006 年 6 月 5,433 3,059,522 1,135,664 2006 年 7 月 6,210 3,121,847 1,171,555 2006 年 8 月 7,171 3,216,777 1,214,793 2006 年 9 月 6,150 3,050,098 1,186,182 2006 年 10 月 5,978 3,043,583 1,152,390 2006 年 11 月 5,856 2,955,463 1,160,801 2006 年 12 月 6,232 3,124,605 1,225,056 表 5 自家用車ガソリン消費量(旅客),輸送効率 自家用車ガソリン消費量(旅客)(千 L) 輸送効率(トン/キロ) 2001 年 1 月 4,084,313 0.022201714 2001 年 2 月 3,613,742 0.022668884 2001 年 3 月 4,441,993 0.022433624 2001 年 4 月 4,521,521 0.022652842 2001 年 5 月 4,397,662 0.021065549 2001 年 6 月 4,095,256 0.020371542 2001 年 7 月 4,674,657 0.021331269 2001 年 8 月 4,727,886 0.021843037 2001 年 9 月 4,638,939 0.022232166 2001 年 10 月 4,421,444 0.021227340 2001 年 11 月 4,312,962 0.022269405 2001 年 12 月 4,562,001 0.022500458 2002 年 1 月 4,176,433 0.022020283 2002 年 2 月 3,686,296 0.020707854 2002 年 3 月 4,485,988 0.021496673 2002 年 4 月 4,391,350 0.021275629 2002 年 5 月 4,571,828 0.021553899 2002 年 6 月 4,327,889 0.019406942 2002 年 7 月 4,775,290 0.020126549 2002 年 8 月 4,851,997 0.021080774 2002 年 9 月 4,531,345 0.022080737 2002 年 10 月 4,543,775 0.020079472 2002 年 11 月 4,360,663 0.021362941 2002 年 12 月 4,451,082 0.021293847 2003 年 1 月 4,062,504 0.021893034 2003 年 2 月 3,763,943 0.020424265 2003 年 3 月 4,801,499 0.020867938 2003 年 4 月 4,426,902 0.020516072 2003 年 5 月 4,750,521 0.020818283 2003 年 6 月 4,295,996 0.018901557 2003 年 7 月 4,582,973 0.019518018 2003 年 8 月 5,030,269 0.020889918 2003 年 9 月 4,797,341 0.021527691 2003 年 10 月 4,398,279 0.019453761 2003 年 11 月 4,586,986 0.020525714 2003 年 12 月 4,316,822 0.021065935 2004 年 1 月 3,898,493 0.021205664 2004 年 2 月 3,770,248 0.019682478 2004 年 3 月 4,403,110 0.020435136 2004 年 4 月 4,394,733 0.020598346 2004 年 5 月 4,670,810 0.020770263 2004 年 6 月 4,270,499 0.019506780 2004 年 7 月 4,420,379 0.020041860 2004 年 8 月 4,859,808 0.020894117 2004 年 9 月 4,620,031 0.020961078 2004 年 10 月 4,217,579 0.019319918 2004 年 11 月 4,209,271 0.020382092 2004 年 12 月 4,299,487 0.020569136 2005 年 1 月 4,097,687 0.020577410 2005 年 2 月 3,524,979 0.020364917 2005 年 3 月 4,179,483 0.020968708 2005 年 4 月 4,288,417 0.020822420 2005 年 5 月 4,598,963 0.020743834 2005 年 6 月 4,106,690 0.019388785 2005 年 7 月 4,284,339 0.019988496 2005 年 8 月 4,657,123 0.020273043 2005 年 9 月 4,312,962 0.021102943 2005 年 10 月 4,029,806 0.020080309 2005 年 11 月 4,081,471 0.020853001 2005 年 12 月 4,100,267 0.021092564 2006 年 1 月 4,110,099 0.020903521 2006 年 2 月 3,481,442 0.019957398 2006 年 3 月 4,295,869 0.020914922 2006 年 4 月 4,217,640 0.020283575 2006 年 5 月 4,372,301 0.019832031 2006 年 6 月 4,077,815 0.019425983 2006 年 7 月 4,272,041 0.019238681 2006 年 8 月 4,516,522 0.020397777 2006 年 9 月 4,464,234 0.021492234 2006 年 10 月 4,038,986 0.020347670 2006 年 11 月 4,053,390 0.020703617 2006 年 12 月 3,972,495 0.021372256