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プレ評価結果報告書

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プレ評価結果報告書
プレ評価結果報告書
平成 13 年 8 月
独立行政法人
産業技術総合研究所 評価部
プレ評価結果報告書
はじめに
本報告書は、独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)評価部が
本年4月から7月にかけて実施した研究センター、研究部門等の研究ユニットのプレ評
価結果を取りまとめたものである。
産総研は、従来の工業技術院の 15 の研究所等を大括りして、独立行政法人として本
年4月に設立された職員数 3,200 名強を誇るわが国では最大級の公的研究機関である。
独立行政法人は、従来の国の機関と違い、予算や機構等の面で大幅な裁量権を有してお
り、その利点を活かして効率的かつ効果的な研究活動を実施することが期待されている。
そのためには、研究活動に関する適切な評価を行うことが重要であり、国レベルでは独
立行政法人を所管する各省庁に独立行政法人評価委員会が設置され、独立行政法人の活
動を定期的に評価することとなった。一方、産総研では「評価部」という他の独立行政
法人では例を見ない研究活動の評価のための組織を自ら設置して、自己評価を実施する
仕組みとした。
今回のプレ評価では、平成 13 年度が産総研自体の発足の時期であり、その第一期の
研究活動の成否が今後の産総研の活動に大きな影響を与える可能性があることを踏ま
え、研究ユニットの実施する研究の目標やユニットの運営方針など活動の方向の妥当性
について評価を行ったものである。
プレ評価は、産総研の新たな研究ユニットのなかの 47 ユニットを対象として本年4
月からスタートし、延べ 150 余名の外部専門家等に依頼して書面評価及び委員会形式で
の評価を実施、7 月に終了した。このような短期間でプレ評価を実施し得た背景には、
御多忙の中わざわざ時間を割いてつくばを始めとする各研究拠点へ出向いて下さった
外部評価委員の方々や立ち上げ期で様々な混乱の中にあった研究ユニット側の多大な
協力があった。ここで改めて感謝の意を表したい。
研究ユニットが今回のプレ評価結果を研究活動に適切に反映し、かつ、本報告書で指
摘された事項について産総研全体が速やかに真摯に対応することを期待している。
平成 13 年 8 月
独立行政法人産業技術総合研究所 評価部
1
プレ評価結果報告書
目次
ページ
はじめに
プレ評価結果の概要
第1章 プレ評価の実施
1-1. プレ評価の趣旨
1-2. プレ評価の実施
第2章 プレ評価の結果-意見・コメントの分析-
2-1. 研究ユニットにおける共通的・横断的事項
2-2. 産総研の運営全般に関わる事項
2-3. 評価方法に関わる事項
第3章 プレ評価を踏まえて今後対応すべき事項
3-1. レビューボードでの指摘を踏まえ対応すべき事項
3-2. 今後の評価活動を行ううえで対応すべき事項
おわりに
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別紙1:産総研組織図
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
別紙3:研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
別紙4:プレ評価委員会評価用紙
別紙5:プレ評価委員会の日程表と開催次第
別紙6:研究ユニットのプレ評価結果
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1.研究の妥当性
(1)本研究ユニットにおける研究は産総研の社会的意義に鑑み妥当か?
(2)中期計画に照らしポリシーステートメントは適切な内容であるか?
(3)ポリシーステートメントには適切な運営方針が記述されているか?
(4)研究課題の設定が研究ユニットのミッションに沿っているか?
(5)研究課題の設定に過不足はないか?
(補1)研究テーマの選定に際し、
産業界や学界の意見を十分反映していると考えられるか?
2.研究計画
(1)研究目標が明確に示されているか?
(2)研究目標が当該分野における国内外の研究レベルと比較して適正か?
(3)研究開発手法は妥当か?
(補2)研究の実施段階で産業界や学界と連携を十分行っているか?
3.研究予算、研究体制等
(1)研究組織(グループの構成、グループ数)の設計は適切か?
(2)研究課題に対して、予算、マンパワーが過大あるいは過少ではないか?
4.プレ評価委員会のまとめ
別紙7:プレ評価結果一覧表(評点)と分布図
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プレ評価結果報告書
プレ評価結果の概要
平成 13 年 8 月
産総研 評価部
1. プレ評価の趣旨
産総研発足時に研究センター及び研究部門・研究系の各研究ユニットが実施する研究
の内容、目標、ユニットの運営方針など、活動の方向の妥当性について評価し、その結
果を研究開発に反映させるために実施。
2. プレ評価の実施
本年4月から7月にかけて 47 の研究ユニットを対象として、外部の専門家等を研究
ユニット毎に3~5名、延べ 154 名選任し、書面評価及び直接対面による委員会開催に
より評価(ピアレビュー)を実施。
評価項目はすべての研究ユニットに共通に、 (1) 研究の妥当性、 (2) 研究計画の妥当
性、 (3) 研究予算・研究体制等の妥当性、 (4) プレ評価委員会のまとめとした。それぞ
れの項目について、コメントおよび評点(4 段階)を付すことで評価結果とした。
なお、プレ評価については、今後の研究ユニットの研究活動等への反映のための助言
的な意味合いが強いことから、評点よりコメントを重視する方針で議論をまとめてもら
った。
3. プレ評価の結果及び今後対応すべき事項
各研究ユニットの評価結果は、総じて言えば、「研究目標、研究内容、研究体制等は
概ね妥当であるが、今後研究活動を行っていく上でいくつか検討すべき課題がある」と
いうことであった。今後検討すべき課題のういち、主なものは次のとおりである。
(1) 研究ユニットに共通または横断的な課題
①
研究ユニット内で研究テーマが細分され、それに対応してグループも細分化さ
れており、研究ユニットの特色が見えないとの指摘が数多くのユニットで指摘
されているが、これは過去の研究に引きずられていることも一因と考えられる。
研究ユニットにおいて研究テーマを絞り込み、特色を出すということが今後取
り組むべき重要な課題である。
②
一方で、絞り込みによりシーズ研究の芽が摘まれないようにすることも重要で
あり、この相反する課題をバランスよく進めることが研究ユニット長の運営手
腕に期待される。
③
研究目標については、多くの研究ユニットにおいて一層の具体化を求める指摘
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プレ評価結果報告書
がなされており、今後の実績の評価を考えると、必ずしも定量的ではなくても
より具体性のある目標を掲げるよう努力することが重要である。
④
技術進歩の早い分野においては、研究計画に固執せずその時々の研究動向等を
踏まえ柔軟に見直すことが重要である。
⑤
研究成果の産業化に向けた意識や取り組みが十分であるとは考えられないこと
から、研究ユニット内の研究者にこのような意識を浸透させることが重要であ
る。また、研究ユニット内のグループ間及び研究ユニット間の連携についても
実効性のある形で取り組むことが重要と考えられる。
さらに、検討課題には次のような研究ユニット単独で対応できない課題が数多く含ま
れており、産総研としてこれらを真摯に受けとめ、適切な対応を行うことが今後の研究
活動を活性化するうえできわめて重要である。
(2) 産総研の運営全般に関する課題
①
産総研が目指すべき研究が見えないという指摘を踏まえ、産総研の行う研究の
わが国の科学技術戦略における位置付けの明確化、及びそれを踏まえた研究ユ
ニットの研究の位置付けの明確化を図ること
②
研究活動における産学官の区別が明瞭でなくなりつつあることを踏まえた産総
研の果たすべき役割の明確化
③
産総研のカバーする技術分野は幅広いが、それ故にテーマが総花的となってい
ることから、研究テーマを絞り込み、特徴を有する研究所となること
④
上述の (1) においても指摘しているように、研究成果を産業化して社会に還元
するという意識がまだ浸透しておらず、意識を有する研究者であっても、その
具体的な道筋についてのイメージを有している人が必ずしも多くないことから、
意識改革の浸透の促進及び研究成果を社会還元するための体制の整備
その他、今後評価活動を行ううえで対応すべき課題としては、実績評価に向けた各研
究ユニットの特徴を踏まえた評価項目の再検討、外部プロジェクトに参加した場合の外
部プロジェクトのために実施される評価と産総研の内部評価との関係等の整理、レビュ
ーボード委員の追加に際しての条件の検討、十分な時間的余裕を持った評価プロセスの
実施などが挙げられている。
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プレ評価結果報告書
第1章
1-1.
プレ評価の実施
プレ評価の趣旨
本年4月に、従来の工業技術院の 15 の研究所及び計量教習所が統合され、独立行政
法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という。) が発足し、中期目標の第一期が開
始されることとなった。産総研においては、従来の固定的な研究所に替わり、重点的、
時限的な研究を実施する「研究センター」、一定の拡がりを持った継続的な課題について
研究を進める「研究部門・研究系」などの新しい研究ユニットに再構成し、その時々の
状況に対応した柔軟かつ機動的な研究を行うこととしている。また、従来は個々の研究
所にあった研究管理・関連部門を統合・強化することとし、なかでも、理事長直属の他
から独立した機関として「評価部」を新たに設置し、一元的な研究の評価を行うことと
した。[産総研組織図(p. 21 別紙1)]
評価部においては、独立行政法人通則法の規定等を踏まえ、研究ユニットの研究活動
の実績に関し、各事業年度及び最終的な評価などを、原則外部専門家等で構成する「レ
ビューボード」による委員会形式(ピアレビュー)により実施することとしている。評
価部が行う評価の結果については、理事長に報告された後、研究資源の配分や研究体制
の改廃等に反映されることとなっている。
今回のプレ評価についていえば、第一期の中期目標期間は独立行政法人としての立上
げの時期であり、今後の産総研の研究活動に大きな影響を与える可能性があることを踏
まえ、各研究ユニットが現在行おうとしている研究の内容、目標、体制等の妥当性につ
いて産総研発足の時点で改めて外部の専門家等の意見を伺い、その結果を今後の研究開
発に反映させるために実施したものである。
1-2. プレ評価の実施
今回のプレ評価は、本年4月から延べ 154 名の外部専門家等に産総研の 47 の研究ユ
ニットについて書面評価及び対面評価を行ってもらい7月に終了した。
1-2-1. プレ評価の対象
産総研の研究ユニットとしては、前述の「研究センター」、「研究部門・研究系」の
他に異分野融合性が高く突発的な行政ニーズ対応型の研究を実施する「研究ラボ」があ
る。ユニットの数は研究センターが 23、研究部門が 22、研究系が 2 で研究ラボが 7 と
なっており、全部で産総研には 54 の研究ユニットが存在する。
産総研の評価においては、個々の研究プロジェクトや研究テーマではなく、総体とし
ての研究ユニットの活動の実績を評価することを基本としており、今回のプレ評価にお
5
プレ評価結果報告書
いても研究ユニットの研究活動を対象とした。
具体的には、研究センター、研究部門及び研究系の 47 研究ユニットを対象とした。
[プレ評価対象研究ユニット一覧(p. 22 別紙2)]
研究ラボを対象としなかったの
は、規模が小さいこと、試行的な研究ユニットであり毎年の成果ヒアリングにおいてそ
の改廃を検討することとなっていることなどによるものである。
1-2-2. レビューボード委員
プレ評価に際しては、外部からの専門家等を中心としたレビューボード委員会による
評価という形式をとった。研究ユニット毎に3~5名の委員に依頼し評価を行ってもら
った。その結果、47 の研究ユニットで延べ 154 名の外部専門家等に委員を委嘱するこ
ととなった。[研究ユニット毎のレビューボード委員一覧(p. 38 別紙3)]
委員の内訳を見ると、大学関係者 101 名、産業界関係者 31 名、独立行政法人・特殊
法人関係者等 20 名、マスコミ関係2名となっており、大学関係者の比率が 2/3 とかな
り大きくなっている。委員の年齢構成は 40~44 才 9 名、45~49 才 20 名、50~54 才
46 名、55~59 才 44 名、60~64 才 26 名、65 才以上 5 名で、平均は 54 才であった。
性別に関しては全員が男性で女性が 0 名、国籍別に関しては全員が国内で外国委員は 0
名であった。地域別に関して、北海道 6 名、東北 10 名、関東 85 名、中部 18 名、近畿
32 名、中国・四国 0 名、九州 4 名であった。また、複数の研究ユニットを担当した委
員は 2 名であった。
委員のレビューボード委員会への出席状況を見ると、かなり急なお願いをしたにもか
かわらず出席率は極めてよく、全体で 9 割以上の出席があった。
1-2-3. プレ評価の方法
プレ評価においては、前述のように外部の専門家等のピアレビューにより、対象とな
った研究ユニット毎にそれぞれの研究目標、研究内容、研究体制等の妥当性等について
評価を行ってもらった。具体的には、これらの項目について、産総研の第一期中期目標、
中期計画、平成 13 年度計画及び各研究ユニットから提出されたポリシーステートメン
ト、研究計画書、その他評価にあたって必要な書類に基づいて、予備的な書類審査を行
った上で、委員会形式での研究ユニットとの議論を通じ最終的な委員会としての評価結
果を得ることとした。
委員会において作成された評価結果に対しては、研究ユニット側からもコメントを提
出してもらった。
委員会においては、研究ユニット、評価部以外に関係理事、企画本部、産学官連携部
門、技術情報部門等が出席し、研究ユニットのみでは対応できない産総研全体の問題等
についての質疑に対応をした。
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プレ評価結果報告書
1-2-4. プレ評価項目
プレ評価は、研究ユニットが産総研発足に際し研究を開始するにあたっての研究目標
や研究内容等が外部の専門家等から見て妥当であるか否かについて検討してもらうた
めに実施したものである。したがって、研究ユニット毎の性格の違い等を踏まえた評価
項目を設定するより、研究ユニット共通の評価項目を適用することが妥当であると判断
し、評価項目を設定した。
今回のプレ評価項目は次のとおりである。
[プレ評価委員会評価用紙(p. 43 別紙4)]
(1) 研究の妥当性
①
本研究ユニットにおける研究は産総研の社会的意義に鑑み妥当か。
②
中期計画に照らしポリシーステートメントは適切な内容であるか。
③
ポリシーステートメントには適切な運営方針が記述されているか。
④
研究課題の設定が研究ユニットのミッションに沿っているか。
⑤
研究課題の設定に過不足はないか。
⑥
研究テーマの選定に際し、産業界や学界の意見(産業界や社会ニーズ)を十分に反
映していると考えられるか。
(2) 研究計画
①
研究目標が明確に示されているか。
②
研究目標が当該分野における国内外の研究(目標)レベルと比較して適正か。
③
研究開発手法は妥当か。
④
研究の実施段階で産業界や学界と連携を十分行っているか、あるいは行おうと
しているか。
(3) 研究予算、研究体制等
①
研究組織(グループの構成、グループの数)の設計は適切か。
②
研究課題に対して、予算、マンパワーが過大あるいは過少ではないか。
(4) プレ評価委員会のまとめ
これらのプレ評価項目について、コメント及び評点を付すことで評価結果を出すこと
とした。評点については、次の 4 段階とした。
A:
B:
C:
D:
妥当である/適切である
概ね妥当である/概ね適切である
妥当でない部分がある/適切でない部分がある
妥当でない/適切でない
事前の予備的な書類審査の段階では、それぞれの委員ごとにこれらのコメント及び評
点を提出してもらい、レビューボード委員会においては、研究ユニットからのプレゼン
テーションとそれに続く質疑応答を踏まえ、委員同士で議論を行ってもらい、委員会と
7
プレ評価結果報告書
しての結論という形で評価結果を取りまとめてもらった。なお、委員会としての合意の
形成ができない場合には、両論併記を行うという形でまとめてもらうこととした。
また、プレ評価は実績の評価に比べ、今後の研究ユニットの研究活動に対する助言的
な意味合いが強いことから、評点付けに重きをおくことはせず、コメントを重視すると
いうことで委員には議論を行ってもらった。
1-2-5. プレ評価結果の取扱
プレ評価結果については、あくまで研究ユニットの研究活動等への反映にとどめるも
のとする。
プレ評価結果の研究ユニットの研究への反映については、研究ユニット長が一義的に
責任を有することとなっている。ユニット長が必要と判断した場合には、プレ評価結果
を踏まえ、研究目標、研究内容、研究体制等を改善し、必要でないと判断した場合には
それに対する説明責任が生じることとなる。
プレ評価結果の反映状況については、今後の研究ユニットの研究活動等への反映のた
めの助言的な意味合いが強いことから、秋以降に実施されるレビューボードによる研究
ユニットの活動実績の年度毎の評価時にフォローアップを行うこととしている。
プレ評価の結果については、原則として、レビューボード委員の名前を付して公開す
ることとしている。ただし、個々の委員の発言内容等については公開しないこととして
いる。また、研究ユニットからのコメントも合わせ公開することとしている。
1-2-6. スケジュール
今回のプレ評価については、独立行政法人発足前の本年2月からレビューボード委員
の人選を開始し、4月中旬までに終了した。その後、4月下旬には委員に対しポリシー
ステートメント、評価用紙等のプレ評価のための資料を送付し、5月上旬までに書面に
よる予備的な評価を実施し、5月中旬からは委員会形式による対面での議論及び評価を
行い、7月下旬に終了した。[プレ評価委員会の日程表(p. 45 別紙5)]
委員会については、6月に集中的に開催し、41 研究ユニットに対する評価を実施し
た。一日に 4 委員会を開催したのが 3 日、3 委員会を開催したのが 4 日、2 委員会を開
催したのが 6 日であった。
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プレ評価結果報告書
第2章
プレ評価の結果-意見・コメントの分析-
今回実施した 47 の研究ユニットのプレ評価結果は[研究ユニットのプレ評価結果
(p. 48 別紙6)];[プレ評価結果一覧表(評点)と分布図(p. 172 別紙7)]の
とおりである。
各研究ユニットの評価結果は、評点、コメントともにユニット毎に様々であるが、総
じて言えば、「研究目標、研究内容、研究体制等は概ね妥当であるが、今後研究活動を
行っていく上でいくつか検討すべき課題がある」ということであったといえる。
この章では、コメントからの共通課題の抽出結果の分析について示す。研究ユニット
に独自のもの、研究ユニットに横断的あるいは共通と考えられるもの、さらには産総研
の運営全般に関すると考えられる指摘があった。これらの意見・コメントについてその
共通項を抽出して分析することは産総研が新たな体制で走り始めた今の時点において
非常に重要であると思われる。なお、評点に基づく項目毎の分析結果については[プレ
評価結果一覧表(評点)と分布図(別紙7)]に記述したのでそちらを参照されたい。
以下に、研究ユニットに共通的・横断的事項、産総研全体の運営に関わる事項と評価
に関わる事項の3つに分けて整理・分析した結果を示す。
2-1.
研究ユニットにおける共通的・横断的事項
2-1-1.
研究テーマ・グループ構成に関して
(1) テーマ選択やグループ形成に対する過去の研究活動の影響
特に研究部門の多くに対するものであるが、旧来の複数の分野またはグループが合併
したものであるので、その結果として、「産総研となることによって、何をどの様に変
えていくのかが曖昧である」との指摘があった。シーズ的研究の多くも、国立研究所時
代からの継続課題をベースとしており、研究ユニットのミッションに合わないものがあ
るなど、一つのユニットとして機能するまでに時間が掛かることへの懸念が表明された。
研究センターについてさえ、例えば、高分子基盤技術研究センターについては最近終了
した産業技術開発プロジェクトの構成を引き継いだ形でセンターが成立したため人・研
究テーマのバランスが悪い、あるいは、光反応制御研究センターについては科学技術庁
(現文部科学省)の中核的研究拠点育成制度(COE プロジェクト)のグループをそのま
まセンターのチームにしたため、センターのミッションに直接つながらないチームがセ
ンターに入っているなどの問題を有しているなどの指摘がなされた。過去の経緯を考慮
した人員配置・テーマ選択等がなされたことは、立ち上げ期には止むを得ないことも理
解できるが、研究の重点化やグループの再編成が必須であるとの指摘を受けた。
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プレ評価結果報告書
(2) 研究テーマ数・研究グループ数の過多と、研究テーマの細分化
研究ユニット側からは、研究グループ・チームの形成に際してその適正規模に対する
指導があったことによるとの弁明もあったが、研究テーマをもっと大括りにしグループ
構成ももっとメリハリをつけるべきであるという指摘が少なからずなされている。具体
的には、研究ユニット内のグループの規模が小さい(物質プロセス研究部門)、研究テ
ーマが細分化され過ぎている(海洋資源環境研究部門)、50 人で9グループは細か過
ぎるので3つぐらいが適当(ナノテクノロジー研究部門)等の指摘があり、グループを
もっと大括りした方が良いとの指摘が数多くのユニットに対してなされた。
センターについても、部門ほどではないにしろ、テーマに総花的傾向が見られるので
予算、メンバー等の観点から一層の重点化が必要であるなどと指摘された。しかしなが
ら、一方で極端な集中化を行うことで、シーズ研究の芽が摘まれる事態は避ける必要が
あることも指摘されている。
2-1-2.
研究計画に関して
(1) 研究課題や研究目標の一層の具体化
研究課題や研究目標について一層具体化すべきとの意見が、多くの研究ユニット
に共通して出された。特に研究目標については、総じて具体性を具備すべきとの意
見が多かった。全ての目標ではないが、単に「何々について検討する、研究する」
との記述しかなく、「ほとんど書かれてない」という意見もあるものがあり、今後
の成果ヒアリングに向けて評価委員として評価結果を下すことの困難さを指摘され
ることも多かった。「目標というのは、いつまでに何をどうするかを具体的に明示
するものであって、きちんとした目標を書類に残すべきである」というような、基
礎的な指摘も見られた。
(2) 研究計画、研究体制の柔軟性の確保
研究課題をダイナミックに考えなければならないような動きの早い分野もあるの
で、提出した研究計画について研究者側が研究課題に固執する心配があること、つ
まり情勢変化にかかわらず当初の計画さえこなせばよいと見なすことへの懸念が示
された。また研究センターの7年という年限は例えば情報技術のような分野におい
ては長過ぎる場合もあるとの意見があった。
2-1-3.
研究連携等に関して
(1) 各レベルにおける連携の具体化
ユニット内の研究グループ間のみならず、ユニット間の連携や国内外の外部機関との
10
プレ評価結果報告書
協力関係も積極的に推進するべきであるが、研究テーマが産業化を意識していないとの
指摘もなされた。グループ間の相互刺激により柔軟に研究展開を図ることは、創造的に
研究を推進する上で重要であり、独立行政法人化することにより種々の連携を図り易く
なったはずであるが、同一研究ユニット内における研究グループ相互間の連携があまり
見られないとの指摘がなされたユニットが少なくない。また、研究ユニット間の連携に
ついては、研究者が複数ユニットに単に併任しているだけで研究ユニット相互の具体的
な協力関係が曖昧な場合があり、関連する研究ユニットと共同の研究戦略をたてること、
お互いの責任範囲を明確した上で連携することが必要であるとの指摘がなされた。
2-1-4.
研究ユニット内マネージメントに関して
(1) ユニットの運営の透明性の確保
ユニット長は、研究計画の趣旨や成果の評価方針を各研究者に前もって説明しておく
必要があること、研究課題の選択・研究資源の配分・成果の評価に関する方針とルール
を全構成員に理解させることが、組織の円滑な運営にとって非常に重要であると指摘さ
れた。なかでも研究者の評価は特に大事なことであるので、ユニット長は評価軸をメン
バーに対して明示しておくこと、論文数以外にも、そのユニットのミッションに合った
柔軟な評価基準を有することの重要性が指摘された。
2-2.
産総研の運営全般に関わる事項
2-2-1.
産総研の位置づけに関して
(1) 産総研の役割、ミッション
中期計画に、国民に対して提供すべきサービスとして「将来のわが国の技術シーズの
開拓や共通基盤的技術の開発等を始めとした公的機関に期待される研究開発課題を達
成する」が掲げられているが、そもそも産総研の果たすべき役割とは何か、何を目指し
た研究を行うつもりかという指摘が数多くなされた。特に、ライフサイエンスやナノテ
クノロジー分野では、総合科学技術会議などで策定されるわが国全体としての戦略に基
づいた産総研の役割分担が不明確であり、産総研内部の議論が徹底されていないとの指
摘があった。そのため、産総研の中での「研究センター」や「研究部門・研究系」の役
割分担も不明確という指摘を受けた。
(2) 産総研の公的役割
一方で、産総研は実用化を目指すような研究ばかりを推進するのか、むしろ企業では
できないような少し先を見据えた研究や、公共機関がやらなくてはならない研究をする
べきではないかという指摘がなされた。計測標準研究部門の計量標準や標準物質の整備、
11
プレ評価結果報告書
地質関連ユニットの地質図などはより推進すべきとの声が聞かれたのは当然として、知
的基盤整備を主務としない研究ユニットに対しても、例えば、情報処理研究部門では国
家安全のための情報セキュリティ技術、生物遺伝子資源研究部門では生物遺伝子資源デ
ータベースの研究など基盤的技術研究への重点化も不可欠との具体的指摘があった。
(3) 産総研の独自性の発揮
他方、研究活動における産学官の区別が明瞭でなくなっているため、産総研は大学や
企業では出来ないことを研究する機関という位置付けが難しいとの指摘もあった。それ
に関連してポジティブな評価を受けた例としては、応用を睨んだ基礎研究という位置付
けや大学では構築しにくい研究体制を敷いている、強相関電子技術研究センター、生物
情報解析研究センターなどがあり、今後の成果を大いに注目したいという大学、企業両
サイドからのコメントがあった。
2-2-2.
マネージメントに関して
産総研としての新体制の中で思いきった組織運営を行うべきとの指摘が多々なされた。
具体的には、以下のとおりであった。
(1) 産総研全体における研究テーマの重点化
[2-1-1. ]での指摘にも関連するが、産総研全体として研究テーマが総花的であ
り、産総研の行おうとしている研究が見えにくく、産総研全体において研究テーマの絞
り込み、重点化が必要であるとの指摘が数多くなされた。これに関連して、産総研はテ
ーマの絞り込みを行って各研究ユニットの特徴付けを行い、研究資源を効率的に運用す
べきであるとの指摘もなされた。
(2) 研究成果の産業化に向けた体制の構築及び意識改革
委員会でのプレゼンテーションにおいて、産総研の推進する「産業技術力の向上や新
産業の創出」に呼応する形で、研究ユニット長の多くは応用や実用化を目指すことを強
調していた。それに対して、[2-1-3. ]でも述べたように、委員からは研究ユニッ
トのマネージメントレベルの意識に比べて現場の研究員は産業界にまだ目が向いてい
ないという印象があり、産業界とより緊密に連携し研究成果の産業化に向けた体制の構
築や研究者の意識変革が必要であるという指摘を多くの研究ユニットで受けた。
(3) 研究体制改廃の具体的指針の明示
研究活動の活性化・流動化に向けて、研究ユニットの設立・存続・廃止に関する具体
的指針の立案・提示を行うことが重要であるとの指摘がなされた。
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プレ評価結果報告書
(4) 若手研究者の確保
若手研究者を増やすべきだという意見は、大半の研究ユニットで聞かれた。産総研は
大学と比較すると一人前の研究者の比率が高い。しかしながら、若い人が多くいないと
研究が進んでいかないという面があるので、ポスドク・任期付・中途採用等の若手研究
者を増やして、人材の流動化を図るべきであるという指摘がなされた。その一方で、現
在の産総研の新規採用職員が、初めは5年間の任期付き採用であることに対し、若い人
を5年で回していく(5年で総括する)運営では、若手がチャレンジングな研究に取り
組むリスクを取らなくなり、俗に言うノーベル賞の後追いを行うような研究所になって
しまう懸念があると指摘された。シニア(ベテラン)研究者を大事にし、地味で長期的
スパンの研究を大切にすることの必要性も考慮した人材確保の必要性も言及された。い
ずれにしろ、研究の活性化と持続的発展のためには、若手常勤研究者の確保が極めて重
要であり、長期的展望にたった雇用計画の必要性、若手研究者の教育と中堅の研究指導
者候補の再教育の必要性、それらと共に個人が多様なキャリアパスを選べるようなシス
テムの整備が大事であると指摘された。
(5) 産総研内の意志疎通の推進
研究現場の意見が効率的に産総研組織上層部へ吸い上げられるような具体的な道筋
を付けるべきであるとの指摘もなされた。
(6) 運営費交付金の配分の在り方
研究ユニット長がその権限、運営手腕を発揮できるように、外部資金の獲得とは関係
なく、十分な運営費交付金を研究ユニットに与える体制づくりを行うべきであるとの指
摘は研究部門を中心に多くのユニットに対しなされた。
(7) 新規分野における支援体制の充実
バイオに代表されるような新規分野において、特許戦略の策定・実行は単独の研究ユ
ニットだけでは困難であると指摘があった。また、ティッシュエンジニアリング研究セ
ンターやジーンディスカバリー研究センターなど医療に関連する研究ユニットに対し
ては、その製品化に向け医療の関連する省庁間の連携も重要であり、産総研および国レ
ベルのバックアップが必要である。一例として、医薬製品化のための法的枠組み等のガ
イドラインの整備を促進すべきであるとの指摘を受けた。
2-2-3.
外部プロジェクトに関して
(1) 組織管理運営、評価の重複
外部の大きなプロジェクトに参加して研究を行う場合、産総研と外部組織との間で管
13
プレ評価結果報告書
理・運営上の重複が起こる。例えば、次世代半導体研究センターでは NEDO 委託による
「半導体 MIRAI プロジェクト」のプロジェクトリーダーがセンター長であり、当センタ
ーはプロジェクトに組み込まれた形で研究開発を進めることになる。生物情報解析研究
センターはバイオ産業情報化コンソーシアム(JBiC)と、パワーエレクトロニクスは新
機能素子協会との間で研究者の交流を含めた大規模な共同研究を実施することとなっ
ており、これらの研究センターの研究活動のみで評価を行うことは難しい状況にある。
産総研の組織として、外部プロジェクトに参加する場合の評価の考え方を明確にする必
要性が指摘されている。
(2) 知的所有権の所属
また、強相関電子技術研究センターなどにおいて、科学技術振興事業団(JST)から
知的所有権の一部を要求されているが、産総研として、知的所有権等の所属を明確にす
る必要性が指摘されている。
2-3.
評価方法に関わる事項
研究ユニットの評価に対する意見、コメントをまとめると以下のとおりである。
(1) 評価項目及び評価結果の反映方法の明示
研究ユニットのパフォーマンスの評価に対して研究センターと研究部門の性格の相
違を踏まえ、その評価項目を明示すべきとの指摘があった。また、評価結果がどの程度
研究資源配分などに反映されるのかを評価者、被評価者に明示すべきであるとの意見も
あった。
(2) 評価フォーマットの在り方
評価に当たって、評価項目をあらかじめ決めたフォーマットを使用すると、フリーな
観点での議論を制限、阻害するのではないかとの意見が一部の委員から表明され、フォ
ーマットの在り方について検討すべきとの指摘があった。
(3) ユニットによる自己評価
今後、評価を行うにあたって研究ユニットによる自己評価の導入を検討したらどうか
という意見があった。
(4) プレ評価の問題点
プレ評価は何のために行うのか、評価の基準、立脚点が不明、評価の具体的な反映方
法についての考え方が整理されていないなどの意見が出された。
14
プレ評価結果報告書
第3章
3-1.
プレ評価を踏まえて今後対応すべき事項
レビューボードでの指摘を踏まえ対応すべき事項
今回のプレ評価においては、上述のように 150 余名のレビューボード委員から数多く
の貴重なコメントがなされた。これらのコメントのうち研究ユニット単独で対応できる
ものについては、研究ユニット長自身の判断により研究活動に反映すべきかどうかの是
非を判断し対応を行うことが重要である。
一方、コメントの中には第 2 章で示したように研究ユニット単独では対応できない指
摘も数多く含まれている。産総研としてはこれらを真摯に受けとめ、適切な対応を行う
ことが今後の研究活動の活性化を図っていく上で極めて重要であると考える。
第 2 章での分析を踏まえ、研究ユニット共通・横断的な課題として対応すべき事項と
して、あるいは産総研全般の課題について以下に整理する。
3-1-1.
研究ユニットに共通または横断的な事項
ここにおいては、評価委員のコメント中、全ての研究ユニットで指摘されているわけ
ではないが、研究ユニットに共通する、または横断的に当てはまると考えられる事項を
整理した。
(1) 研究テーマ及びグループ構成
①
産総研全体同様、研究ユニット内でも研究テーマが細分され、それに対応して
グループも細分化されており、研究ユニットの特色が見えないとの指摘が数多
くのユニットで指摘されているが、これは過去の研究に引きずられていること
も一因と考えられる。研究ユニットにおいても研究テーマを絞り込み、特色を
出すということが今後取り組むべき重要な課題である。
②
一方で、絞り込みによりシーズ研究の芽が摘まれないようにすることも重要で
あり、この相反する課題をバランスよく進めることが研究ユニット長の運営手
腕に期待される。
(2) 研究計画
①
研究目標については、多くの研究ユニットにおいて一層の具体化を求める指摘
がなされており、今後の実績の評価を考えると、必ずしも定量的ではなくても
より具体性のある目標を掲げるよう努力することが重要である。
15
プレ評価結果報告書
②
技術進歩の早い分野においては、研究計画に固執せずその時々の研究動向等を
踏まえ柔軟に見直すことが重要である。
(3) 研究連携等
①
研究成果の産業化に向けた意識や取り組みが十分であるとは考えられないこと
から、研究ユニット内の研究者にこのような意識を浸透させることが重要であ
る。また、研究ユニット内のグループ間及び研究ユニット間の連携についても
実効性のある形で取り組むことが重要と考えられる。
3-1-2.
産総研の運営全般に関する事項
ここにおいては、評価委員からのコメント中、産総研全体として、特にマネージメン
トが取り組むことが必要であると考えられる事項を整理した。
(1) 産総研の役割
①
産総研の行う研究のわが国の科学技術戦略の中での位置付けの明確化及びそれ
を踏まえた研究ユニットの研究の明確化
②
研究活動における産学官の区別が明瞭でなくなりつつあることを踏まえた産総
研の果たすべき役割の明確化
(2) 産総研のマネージメント
①
産総研のカバーする技術分野は幅広いが、それ故にテーマが総花的となってい
ることから、研究テーマを絞り込み、特徴を有する研究所となること
②
上述の[3-1-1. の(3)]においても指摘しているように、研究成果を産業化し
て社会に還元するという意識がまだ浸透しておらず、意識を有する研究者であ
っても、その具体的な道筋についてのイメージを有している人が必ずしも多く
ないことから、意識改革の浸透の促進及び研究成果を社会還元するための体制
の整備
③
研究活動の活性化に向けた研究ユニットの設立・存続・廃止に関する具体的指
針の立案・提示
④
組織の活性化と新陳代謝促進のための長期展望にたった雇用計画の策定とそれ
に基づく若手常勤研究者・ポスドクの雇用及び育成、並びにキャリアパスの活
用による流動化の促進
⑤
研究現場の意見が効率的に産総研組織上層部へ吸い上げられるような具体的な
体制の整備及び実効的な運用の確保
⑥
研究ユニット長がその権限、運営手腕を発揮できるような運営費交付金配分の
16
プレ評価結果報告書
あり方の検討
⑦
研究活動の評価結果の反映に関し、透明性を確保する観点からの研究資源配分
方法の明示
⑧
新規分野における特許取得への支援のあり方の検討、及び必要な場合の法律の
枠組みの整備等に関する関係省庁への働きかけ
3-2.
今後の評価活動を行ううえで対応すべき事項
プレ評価においては、評価のあり方についても評価委員から様々なコメントがなされ
た。また、評価部として実際にプレ評価を運営するにあたっていろいろな課題に直面し
た。以下、評価委員からのコメント及び評価部が直面した問題等を踏まえ、今後対応す
べき事項について整理する。
(1) 評価項目
プレ評価に際しては、研究ユニットの性格の違いに関わらず、一律に同じ評価項目を
使用したが、秋以降に実施する実績の評価においては、研究ユニットの性格の違い等に
より評価の観点等が異なる可能性があることから、研究ユニットの意見を聴取しつつ、
研究ユニット毎に評価項目を定めこれを被評価研究ユニットに開示することが重要で
ある。
(2) 外部プロジェクトに参加した場合の評価のあり方
外部のプロジェクト、特に大規模なプロジェクトに参加して研究を行うユニットの場
合、産総研の内部評価で行う評価の範囲をどうするか、また、外部プロジェクトのため
に実施される評価と産総研の内部評価との関係をどう考えるか、さらには、内部評価の
結果を研究資源等にどのように反映させるかについて整理を行っておくことが必要で
ある。
(3) レビューボード委員
プレ評価においては、時間の制約等の問題から 1 研究ユニットに3~5名の評価委員
を委嘱して実施したが、秋以降の成果の評価においては、評価委員の人数を増やすこと
を計画している。その際、産学の比率を考慮して企業からの委員の参加を増やすことや、
委員の年齢構成、女性比率等を念頭において検討することが必要である。さらに、研究
の国際的な競争を考えると、外国の専門家の参加を検討することが重要である。また、
個々の研究ユニットの評価だけでなく、研究分野として評価を行うことも重要であり、
関連する複数のユニットの評価が可能な委員を増やすことも必要である。
17
プレ評価結果報告書
(4) 評価プロセス
プレ評価においては、その実施に際し時間的余裕が少なかったこともあり、評価委員、
研究ユニットの双方との意思の疎通が十分でない面もあったが、今後はできる限り時間
的余裕を持って評価プロセスに入ることが重要であると考えられる。また、短期間で評
価委員会を開催せざるを得なかったことから、一日に複数の研究ユニットのプレ評価実
施したが、今後は一日当たりの評価委員会の開催数を極力減らし産総研側の評価関係者
ができる限り出席できるようにすることが重要である。
(5) その他
評価委員からは、評価用のフォーマットのあり方、研究ユニットによる自己評価の導
入について検討を行うべきであるとの指摘がなされているが、これについては、その是
非も含めて至急検討することが重要である。
18
プレ評価結果報告書
おわりに
従来の国の研究機関はいわば予算、定員等についての国の細かな「管理」のもとで運営
が実施されていたが、独立行政法人となることにより、これらの「管理」から解放され自
らが適切であると考える組織の構築、予算の配分等が可能となった。一方で自由度が増
したことから、如何に自らを律し、効率的かつ効果的な研究を実施するかが大きな課題
となっており、そのために「評価」を活用することが重要となっている。(従来のシステム
では評価を行っても、国からの予算や機構・定員が個別に行われてきた関係から、その
結果の反映は限定的であった。)
産総研の「評価」の基本は研究の実績を評価し、その結果を研究活動に反映するととも
に研究資源の配分等にも反映させることにより、研究活動の活性化を図ることであるが、
この「評価」のシステムをきちんと根付かせることが産総研の今後に大きな影響を与え
るものと考えられる。
プレ評価の結果は、各ユニットともすべての項目でおしなべて概ね妥当ということで
あったが、これは白紙の状態で設立したわけでなく、過去の延長で設立された経緯を踏
まえての評価であったように思われる。過去の延長というのは、過去の業績を踏まえて
いるというポジティブな意味合いとともに、過去のしがらみから抜けきれていないとい
うことも意味している。そのため研究課題が多すぎるのではないかという指摘は程度の
差こそあれ、研究センター、研究部門、研究系にかかわらず、ほぼすべての研究ユニッ
トでなされている。したがって、研究ユニットとしての今後の最大の課題は、過去のし
がらみとは決別し効率的で効果的な研究体制を構築することであろう。そのために、産
総研全体としても研究ユニットをその方向に向かわせるよう指導、支援していく必要が
あろう。
また、産総研全体に対しても厳しい注文が出されている。これは新たに独立行政法人
として発足した産総研への期待が背景にあると考えられるが、一言で言うと、外部から
見てどういう研究を行っているかが目に見えて分かりやすい研究所、すなわちアイデン
ティティを持った研究所となるべきということである。受身で総花的な研究を行うので
はなく、独立行政法人として能動的かつ特徴をもった研究を行うようにしていく必要が
ある。そのためには国の研究開発における産総研の役割、産総研内における各研究ユニ
ットの役割を明確にするとともに、マネージメントを含めたすべての研究者や職員の意
識改革も急務と考えられる。
最後に、今回のプレ評価は評価部にとって設立後最初の仕事であった。ほとんど手探
りの状態ではじめたものであり、プレ評価の手続き、委員会の準備・運営等において関
係者に多大のご迷惑をおかけたことをこの場を借りてお詫びしたい。今回判明した様々
な反省点を今後の評価業務に十分に反映していく所存である。
19
別紙1: 産総研組織図
アドバイザリーボード
理事長
副理事長・理事
監事
企画本部
評価部
フェロー
環境安全管理部
技術情報部門
産学官連携部門
研究ユニット
知的財産部
23研究センター
22研究部門
2特別研究体
7研究ラボ
成果普及部門
地質標本館
計量研修センター
国際部門
(2001.4現在)
業務推進部門
能力開発部門
先端情報計算センター
財務会計部門
特許生物寄託センター
研究環境整備部門
21
TLO
産総研イノ
ベーションズ
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
(a)研究センター
研究センター
深部地質環境
研究センター
活断層
研究センター
ユニットの概要
組織
(研究チーム、研究グループ等)
深部地質環境研究センターは、地層処分システムの安全性評 センター長 小玉 喜三郎
価に関する国の施策に資することを目的として、評価手法・基
準に必要なわが国固有の地質の知見・データを整備し、評価モ 研究チーム(T):
地質総括 T
デルを構築するとともに、地質特性長期変化のメカニズム等の
地球物理 T
技術資料の作成や、地質環境図類の作成などによって深部地質
地下水 T
の情報を社会に提供することを主目的として設置された部門で
深部流体 T
ある。35 名、8 チームで構成され、つくば中央第 7 事業所に展
長期変動 T
開している。
地殻物性 T
当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を
地球化学 T
目的とした「地球科学情報研究部門」・「地圏資源環境研究部
地質情報 T
門」・「海洋資源環境研究部門」・「活断層研究センター」・
「北海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」
および成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、
国際部門の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外
的 に はこ れらの 組 織を 総称し て「地質調査総合センター」
(Geological Survey of Japan)として活動を行っている。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は交付金・委託費を合わ
せて総額 467 百万円で、一人当たりの平均予算額は 13.3 百万
円である。
重点課題として、1) 地質特性の長期変化の評価モデルの研究、
2) 地質特性の長期変化に関するメカニズムの研究、3) 全国的な
既存地質データのデータベース化とデータ処理の研究、4) 地質
環境の地域分布と情報提供に関する研究を掲げている。
活断層研究センターは、地震調査研究推進本部(文部科学省)に センター長 佃 栄吉
より示された総合基本施策の内、「活断層調査、地震の発生可
能性の長期評価、強震動予測等を統合した地震動予測地図の作 研究チーム(T):
活断層調査研究 T
成」、研究成果の社会への迅速な公開と提供の推進等の課題達
断層活動モデル研究 T
成の一翼を担い、活断層調査事業の一層の推進と活動性評価の
地震被害予測研究 T
精度向上、地震被害予測の研究の積極的推進、さらに内外の活
断層データを収集・評価し、広く流通・公開する体制の整備な
ど、活断層に関するナショナルデータセンターとしての地位の
確立を主目的として設置された部門である。15 名、3 チームで
構成され、つくば中央第 7 事業所に展開している。
当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を
目的とした「地球科学情報研究部門」・「地圏資源環境研究部
門」・「海洋資源環境研究部門」・「深部地質環境研究センタ
ー」・「北海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研
究体」および成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本
館」、国際部門の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、
対外的にはこれらの組織を総称して「地質調査総合センター」
(Geological Survey of Japan)として活動を行っている。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 347 百万円(交
付金 330 百万円、科振費等の委託費 17 百万円)、一人当たり
の平均予算額は 23.1 百万円である。
重点課題として、1) 活断層調査事業の推進、2) 大規模活断層
評価研究、3) 地震被害予測研究、4) 活断層及び地震被害予測情
報の集積と発信を掲げている。
22
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
化学物質
リスク管理
研究センター
フッ素系
温暖化物質
研究センター
ライフ
サイクル
アセスメント
研究センター
パワーエレク
トロニクス
研究センター
本研究センターは、環境安全と化学物質の有効利用を両立さ センター長 中西 準子
せるために必須の、リスク評価、リスク管理のための理論を構
築し、その研究結果の実例を提示することによって、行政機関、 研究チーム(T):
大気圏環境評価 T
企業、市民の意思決定が、科学的、合理的に行われるよう支援
地圏環境評価 T
するために設置された。研究職員 16 人 4 チームで構成され、つ
新規物質 T
くばセンターで実施されている。
リスク評価・管理研究 T
研究予算は総額 197 百万円、内、交付金 177 百万円、文部科
学省他の委託費が計 20 百万円(H13 年 7 月 31 日現在)、1人
当たりの平均予算は 12.3 百万円である。重点研究課題として、
化学物質の環境濃度予測、毒性評価、新規リスクの探索手法、
リスク評価・リスク管理のための社会経済的なリスク評価手法
の研究開発を行っている。
フッ素系等温暖化物質対策テクノロジー研究センターは、フ センター長 山辺 正顕
ッ素系地球温暖化物質の代替物の評価・合成・開発を一体的に
研究チーム(T):
遂行する国内唯一の公的研究機関として設置された。
評価 T
研究予算は交付金 130 百万円(6月4日現在)、常勤研究者
12 人、常勤行政系職員2人、併任研究者3人、非常勤職員5人、 分子設計 T
合成 T
3チーム(合成、評価、分子設計)で構成され、つくばセンタ
ー第5事業所と西事業所を拠点として、民間からの人材をセン
ター長に登用し発足している。
重点研究課題として①長期の温暖化影響予測を導入した新環
境影響評価法の開発、②フッ素化合物の燃焼性評価法の開発、
③計算機化学予測による好適代替化合物の開発と評価、がある。
本研究センターは、企業や政府・自治体による環境負荷の削 センター長 稲葉 敦
減を目的とした意思決定を支援する手法およびそれを具体的に
示すソフトウェアの開発を行い、人間活動による環境負荷の削 研究チーム(T):
環境影響評価 T
減に貢献するために設置された。
エネルギー評価 T
研究職員 11 人、環境影響評価およびエネルギー評価の2チー
ムで構成され、つくばセンターで実施されている。研究予算は
総額 117 百万円、内、交付金 69 百万円、経済産業省他の委託
費、財団等受託研究費が計 48 百万円(7 月 31 日現在)、1人
当たりの平均予算は 10.6 百万円である。
重点研究課題として、1) インベントリーデータベースの拡充、
2) インパクト評価手法を取り入れた「NIRE-LCA, Ver. 4」の開
発、3) 環境調和型製品の開発を促進する Design for Engineering
のマニュアル作成とその普及、4) 長期的なエネルギー戦略を検
討するアプリケーションツールの開発、5) 地域エネルギーシス
テムの設計評価用ソフトウェアの基本設計の研究を行ってい
る。
本研究センターは、これからの電力エネルギー技術のキーコ センター長 荒井 和雄
ンポーネントとなる SiC などを使った革新的パワーデバイスの
研究チーム(T):
実用化を目指し研究開発を進めるセンターである。
結晶成長・評価 T
常勤職員 14 名、4チームで構成され、つくば中央第2事業所
デバイスプロセス T1
に位置している。研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額
デバイスプロセス T2
179 百万円(交付金 70 百万円、委託費 109 百万円)、一人当
スーパーデザイン T
たりの平均予算額は 13 百万円である。
スーパーノードネットワーク T
主要研究課題として、1) SiC を中心としたワイドバンドギャ
ップ半導体と新しいデバイス構造の開発、2) デバイスの革新的
電力機器ユニット化、3) 電力エネルギーネットワークの接合点
の電力変換・制御に取り込む技術の開発、を掲げている。
23
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
生命情報科学
研究センター
生物情報解析
研究センター
ティッシュ
エンジニア
リング
研究センター
本研究センターは、ゲノム配列からタンパク質分子の立体構 センター長 秋山 泰
造・機能、それらの細胞・個体内での相互関係に至るまでの幅
広い生命現象を、情報論的な立場から取り扱う総合的な科学、 研究チーム(T):
アルゴリズム T
生命情報科学(バイオインフォマティクス)の研究を行うセン
ターである。5つの研究チームがあり、職員 30 名(研究員 25、 数理モデル・知識表現 T
ゲノム情報科学 T
事務系スタッフ 5)の他、NEDO フェロー、技術研究員、学生を
分子情報科学 T
含め 50 名強が主に臨海副都心センターを拠点として活動して
細胞情報科学 T
いる。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 355 百万円(交
付金 340 百万円、委託費 15 百万円)、研究員一人あたりの平
均予算額は約 14 百万円である。生命情報科学のアルゴリズム、
数理モデル、知識表現などの基盤的研究と、ゲノム情報科学、
分子情報科学、細胞情報科学の応用的研究を融合させ、強力な
計算機による大規模計算とソフトウェアの開発にも重点をおい
て研究開発を行っている。また、自ら生物学実験を行うチーム
を持たないことを特徴とすることから、産総研の内外を問わず、
幅広い産学官共同研究を行っている。
本センターは、大量のゲノム情報に含まれる生物情報の取得、 センター長 京極 好正
取得に関する新技術の開発、取得した情報の整理及び統合を生 研究グループ / チーム(T):
物科学の立場より推進することを目的とし、特に、ポスト・ゲ 構造ゲノム解析グループ
高次構造解析 T
ノムシーケンス研究に重点を置き、我が国が世界に対して優位
分子認識解析 T
性を持つ分野(膜タンパク質の立体構造解析やヒト完全長 cDNA
構造情報解析 T
の機能解析、バイオインフォマティクス)を中心としたタンパク
機能構造解析 T
質機能解析を実施し、知的財産権の取得やデータの公開等を通
じて、成果の速やかな産業化を目指して設置された組織である。 機能ゲノム解析グループ
プロテオーム発現 T
研究職員 25 名(大学等との併任を含む)、10 チームで構成
遺伝子発現解析 T
されている。会社からの出向等を含めると 70 名程。研究予算
蛋白質ネットワーク解析 T
(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 1850 百万円、研究職員一人
細胞ゲノム機能解析 T
当たりの平均予算額は 74 百万円である。
遺伝子多様性解析 T
重点研究課題として、構造ゲノム解析(4 チーム)、機能ゲノ
ム解析(5 チーム)、統合データベース解析(1 チーム)を掲げ 統合データベース解析グループ
統合データベース解析 T
ている。
本センターは、多種類の細胞を生体中にある状態と同様に組 センター長 立石 哲也
織化し、組織・臓器の持つ高次な機能を再現した三次元細胞組
織モジュールを生産し、産業・医療における実用的利用に供す 研究チーム(T):
メディカルデバイス T
るための諸技術を総合的に確立することを目的に設置された組
細胞工学 T
織である。
組織再生工学 T
研究職員 13 名、6 チーム(メディカルデバイス、細胞培養研
組織遺伝子 T
究、組織再生、遺伝子、実験動物代替システム、硬組織形成)
動物実験代替システム T
で構成されている。ポスドク、非常勤職員等を含めると現在 70
硬組織形成 T
名程。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 455 百万円(交付
金 417 百万円、科振費等の委託費 38 百万円)、研究職員一人
当たりの平均予算額は 37.9 百万円である。
本センターは、生命科学分野で蓄積しつつある膨大な新知識を センター長 倉地 幸徳
縦横に活用しつつ、創造的で系統だったアプローチにより、細胞
調節から加齢に至るまでの重要な生命現象に関わる新規機能遺 研究チーム(T):
ジーンディスカバリーT
伝子を発見し、又、遺伝子とそれから産生されてくる蛋白質等の
ジーン
構造と機能を、複雑なネットワーク作用機構との関連で解析し、 セルレギュレーション T
ディスカ
遺伝子機能ネットワーク T
新しいレベルでの生命現象の理解を目指して設置された。
エイジングコントロール T
研究職員 14 名(大学等との併任を含む)、7 チーム(ジーン
バリー
遺伝子導入 T
ディスカバリー、セルレギュレーション、遺伝子機能ネットワー
細胞運動解析 T
研究センター ク、エイジングコントロール、遺伝子導入、細胞運動解析、構造
構造解析 T
解析)で構成されている。ポスドク、非常勤職員等を含めると
60 名程。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 296 百万円、研究
職員一人当たりの平均予算額は 22.8 百万円である。
24
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
ヒューマン
ストレス
シグナル
研究センター
強相関
電子技術
研究センター
次世代半導体
研究センター
ヒューマンストレスシグナル研究センターは人間生活の中で センター長 二木 鋭雄
生じるストレスや加齢が生体に及ぼす影響を、基礎科学から工
学、心理学まで横断的に研究し、ストレス障害の防止・治療技 研究チーム(T):
ストレス応答研究 T
術の開発に役立てることを目的に設置された。常勤研究者 14 人
ストレス計測評価研究 T
(内併任3人)、3グループで構成され、関西センターを拠点
ストレス・加齢工学研究 T
として、外部から招いたセンター長とつくばセンターの併任協
力をもとに発足している。
研究予算は総額 134 百万円、内、交付金 111 百万円、他に
NEDO 委託費 23 百万円(7 月 27 日現在)があり、1人当たり
の平均予算は 9.6 百万円である。
重点研究課題として①細胞内のストレス応答の解明と制御②
生体ストレスマーカーおよび環境ストレス物質の高感度計測、
③日常生活でのストレス評価技術と生活行動シミュレーション
技術の研究開発がある。
近年急速に進展しつつある強相関電子物理の概念に基づい センター長 十倉 好紀
て、既存のエレクトロニクスの延長では到達できないような、
革新的な量子効果デバイス・量子材料の創製を目的とする。研 研究チーム(T):
究職員16 名(内大学併任5名)、非常勤研究職員(特別研究員、 強相関相制御 T
ポスドクなど)8名、また JRCAT との共同研究職員(ポスドク、 強相関物性 T
強相関フォトニクス T
民間派遣)9名を含む、7研究グループで構成され、つくば中
強相関超構造 T
央第4事業所で研究が行われている。研究予算(H13 年 7 月 31
強相関デバイス T
日現在)は、総額 298 百万円(交付金 298 百万円、委託費等0
強相関理論 T
百万円)である。
強相関スピン計測 T
強相関電子系相制御技術、超格子物質・接合作製技術、極限
スピン計測技術、強相関デバイス・プロセス要素技術、強相関
フォトニクス物質、量子位相制御理論、などの電子材料・電子
技術を開拓する。(強相関電子とは、多数の電子がお互いに強
い影響を及ぼしながら、存在する状況をさす。電子の集団は、
ちょうど分子集団が固体や液体や液晶の形態をとるように、量
子固体-液体-液晶の間を、磁気的、電気的、光学的な性質を
大きく変えながら、相変態を行う。また、これら電子集団の相
はピコ秒以内の超高速の切り替えが可能となる。外部から小さ
な刺激を入力として、劇的な電子相変化を巨大出力とする現象
を電子技術として発展させようとするのが、強相関電子技術の
基本的な理念である。)
本研究センターは、名前の通り次世代の半導体集積化デバイ センター長 廣瀬 全孝
(研究チーム無し)
ス及びシステムの研究開発において日本をリードする研究拠点
を目指すセンターである。NEDO「半導体 MIRAI プロジェクト」
の中核としても位置づけられている。常勤職員 42 名で構成さ
れ、つくば研究センターに展開している。技術研究組合超先端
電子技術開発機構(ASET)からの企業研究者および大学からの半
導体 MIRAI プロジェクトへの参加者と一体となって、5 つの研
究グループを構成する。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 172 百万円(交
付金 108 百万円、科学技術振興調整費等の委託費 64 百万円)、
一人当たりの平均予算額は 4 百万円である。その他に上記の
MIRAI プロジェクトからの資金が充当される予定である。主要研
究課題として、1) 高誘電率(high-k)ゲート絶縁膜材料とゲー
ト電極材料及び形成技術の開発、2) 低誘電率(low-k)層間絶縁
材料を用いた配線技術及び評価技術の開発、3) トランジスタの
新原理形成プロセス・計測技術の開発、4) リソグラフィー関連
計測法の開発、5) 回路システム技術のための新コンセプトの実
証、を掲げている。
25
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
サイバー
アシスト
研究センター
マイクロ
・ナノ機能
研究センター
ものづくり
先端技術
研究センター
高分子
基盤技術
研究センター
本研究センターは、誰でもどこでも安心して高度な情報支援 センター長 中島 秀之
が受けられる社会を実現するため、情報洪水を解消し、情報弱
者を支援し、またプライバシを保証する、現実世界の状況に基 研究チーム(T):
デバイス研究 T
づいた情報サービス(状況依存型知的情報サービス)の技術を開
ソフトウェア研究 T
発し、その普及を図るために設立された。常勤研究者 12 名、併
任研究者 2 名、常勤行政職 3 名(内 1 名はリエゾンディレクタ)、 コンテンツ研究 T
パーソナルエージェント研究 T
ポスドク等 2 名からなる 5 チーム(うち 2 チームは常勤研究者
マルチエージェント研究 T
0)で構成され、つくば中央第2事業所と臨海副都心センターに
展開している。知能システム研究部門、情報処理研究部門、光
技術研究部門などと連携をしている。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額約 2 億円(交付
金約 90 百万円、科学技術振興事業団 CREST 研究予算約 90 百
万円)、一人当たりの平均予算額は 15 百万円である。重点課題
として、1) 情報インフラに基づくグラウンディングの研究、2)
プライバシ保護技術の研究、3) それらの応用としての情報サー
ビス技術の開発および普及、4) インフラのための標準化を掲げ
ている。
マイクロ・ナノ機能広域発現研究センターは、ナノメーター・ センター長 矢部 彰
マイクロメーターオーダーの幾何学的構造やエネルギー状態等
に起因する現象や効果を、工学的に有意義な機能としてマクロ 研究チーム(T):
マイクロ・ナノ機能研究 T
スコピックに発現するナノ機能構造体の製造技術の基盤を確立
機能付加加工研究 T
することを目的として、ナノ加工技術(超微細レーザー加工技
術、レーザーアブレーション技術)と微細構造機能発現技術(機
能付加加工技術、ナノ粒子技術、集積・デバイス化技術)を融
合させたナノスケール加工プロセス技術の研究開発を行うため
に設置された。
6 人 2 グループで構成され、つくばセンターで実施されてい
る。センター長と一人の副センター長を配している。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 85 百万円、内、交
付金 29 百万円、委託費が計 56 百万円円、1人当たりの平均予
算は 12.1 百万円である。
重点研究課題として 1) 超微粒子応用微細機能構造体創製プ
ロセス技術の研究開発、2) 精密形状転写加工のマイクロスケー
ル解析・評価技術の研究開発、3) ナノスケール機能構造創製プ
ロセス技術の研究がある。
ものづくり先端技術研究センターは、中小製造業の競争力強 センター長 小島 俊雄
化と新規産業の創出に貢献することを目的に、加工全般におけ
る技能をデジタル化する技術、およびデジタル化された高信頼 研究チーム(T):
加工技術研究 T
性、高精度な技術情報をインターネットで公開し、設計・製造
システム技術研究 T
における独自業務アプリケーションの構築を可能とする情報処
成形技術研究 T
理基盤技術・システム化技術を開発を行うために設置された。
14 人3チームで構成され、つくばセンターで実施されている。
センター長と一人の副センター長を配している。研究予算(H13
年 7 月 31 日現在)は総額 68 百万円、内、交付金 20 百万円、
委託費が計 48 百万円、1人当たりの平均予算は 4.9 万円である。
重点研究課題として 1) 加工デジタルモデルの研究開発、2) 情
報処理基盤技術・システム化技術がある。
本研究センターは、高分子材料の合成から成形加工にわたる センター長 中浜 精一
精密な構造制御に関する基盤技術の確立を主たる目的として設
置された。22 人6グループで構成され、つくばセンター及び臨 研究チーム(T):
高分子合成 T
海副都心センターで実施されている。
高次構造制御 T
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 116 百万円(運
多相系高分子 T
営費交付金 110 百万円、委託費6百万円)1人当りの平均予算
ソフトマテリアル T
は 5.3 百万円である。重点研究課題として、1) 一次構造制御技
高分子成形加工 T
術の研究開発、2) 高次構造制御技術の研究開発、3) 多相系高分
高分子複合 T
子の研究開発、4) ソフトマテリアルの研究開発、5) 高分子成形
加工の研究開発、6) 高分子複合材料の研究開発がある。
26
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
光反応制御
研究センター
新炭素系材料
研究センター
シナジー
マテリアル
研究センター
超臨界流体
研究センター
本研究センターは、新しい太陽光エネルギー利用技術の開発 センター長 荒川 裕則
や汚染物質の少ない光・レーザー反応の完全制御技術の確立に
向けた革新的な光反応制御技術の研究開発を行うために設置さ 研究チーム(T):
光反応機構 T
れた。平成9年に開始した科技庁 COE プロジェクト「光反応制
太陽光エネルギー変換 T
御・光機能材料」を母体とする職員 26 人に博士研究員等 13 人
レーザー反応制御 T
を加えた研究員 39 人、4グループで構成されている。研究予算
レーザー精密プロセス T
(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 400 百万円(運営費交付金
90 百万円、COE の研究委託費 310 百万円)、職員一人当たり
の平均予算は 15.4 百万円である。
重点研究課題として 1) 光誘起電子移動メカニズムの解明、2)
人工光合成技術の開発(水の光触媒分解、二酸化炭素の光固定)、
3) 高性能色素増感太陽電池の開発、4) 選択的レーザー化学反応
プロセスの開発、5) レーザー精密加工プロセスの開発を行う。
これらの「光反応制御」技術の開発研究を光誘起電子移動過
程の理論的・実験的解析やレーザーのコヒーレント制御に基づ
く量子反応制御等の基礎・基盤技術から、太陽光エネルギー利
用技術やレーザー精密反応プロセスの実用化応用技術まで一貫
して有機的な連携組織で行うことを特徴としている。
本研究センターは、炭素系物質・材料の作り出すナノスペー センター長 飯島 澄男
スを精査し、その構造や機能を明らかにしながら、優れた機能
特性と環境に適合しやすい炭素系材料の特長を生かした、新し 研究チーム(T):
ナノスペース T
い炭素系材料による革新的な環境・エネルギー材料及び情報通
ハイブリッド T
信材料の開発を目指して設置された。
極限反応 T
研究職員 18 人 6 チームで構成され、つくばセンターで実施さ
ダイヤモンド半導体 T
れている。平成 13 年度研究予算は総額 512 百万円、内、交付
一次元ナノ構造 T
金 387 百万円、経済産業省他の委託費が計 125 百万円(7 月 31
トライボマテリアル T
日現在)、1人当たりの平均予算は 28.4 百万円である。重点研
究課題として、1) ナノスペース解析技術、2) ハイブリッド物質
合成、3) スーパーハード物質合成、4) ダイヤモンド紫外発光素
子、5) 一次元ナノ構造材、6) スーパートライボマテリアルの研
究を行っている。
複数の機能が相乗した無機系材料の開発、およびエネルギー、 センター長 神崎 修三
環境関連機器部材への具体的な応用展開を目指した材料技術の
確立を行う。研究職員 18 名、5研究グループで構成され、中部 研究チーム(T):
流体透過機能材料 T
センター(志段味地区)で研究が行われている。
摺動材料 T
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 195 百万円(交
環境浄化材料 T
付金 70 百万円、委託費等 125 百万円)、一人当たりの平均予
環境認識材料 T
算額は 10.8 百万円である。(1) 高温腐食雰囲気下で汚染物質を
共生材料評価・標準 T
分離・除去する材料、(2) 機器の省エネルギー化や長寿命化を可
能とする低摩擦・摩耗材料、(3) 有害ガスを連続的に選択分離・
浄化する材料、(4) 高温腐食雰囲気下で微量ガスをモニタリング
する材料、に関わる技術の開発、及び (5) 将来の材料標準に資
する材料評価・標準技術の開発が重点課題として設定されてい
る。
超臨界流体研究センターは、「サスティナブル・ケミストリ センター長 新井 邦夫
ーの視点から、化学技術自身を環境調和型のものとするために
化学製品のライフサイクル全体の環境負荷を低減する技術を追 研究チーム(T):
流体特性解明 T
及する」ための技術課題の一つである、「超臨界反応場技術の
有機反応 T
基盤技術を整備し、実用化を目指す」という目標に沿って、超
材料合成 T
臨界流体反応場を利用した環境調和型化学合成プロセスの開発
を目指した研究を実施し、化学工業の発展に寄与することを主
目的として設置された部門である。15 名、3 チームで構成され、
東北センターに展開している。
27
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
超臨界流体
研究センター
(つづき)
スマート
ストラク
チャー
研究センター
界面ナノ
アーキテクト
ニクス
研究センター
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 172 百万円(交
付金 79 百万円、NEDO の委託費 93 百万円)、一人当たりの平
均予算額は 11.5 百万円である。
重点課題として、1) 超臨界流体反応場を用いた有機合成の研
究、2) 高温・高圧 in-situ 測定技術の開発研究、3) 超臨界水対
応装置材料データベースの構築を掲げている。
スマートストラクチャー研究センターは、構造全体の信頼性 センター長 Fu-Kuo Chang
を向上させ大きな災害を引き起こす破壊を最小限に抑えるとと
もに、構造全体機能の拡大を堆進させ、更に運用時のメンテナ 研究チーム(T):
バイブレーション
ンスコストの削減を可能にする技術研究を行うために設置され
コントロール研究 T
ている。17 人 5 チームで構成され、つくばセンターで実施され
ている。センター長は米国スタンフォード大学の教授が就任し、 デバイス技術研究 T
圧電材料研究 T
つくばセンターに副部門長を配している。
センシング技術研究 T
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 178 百万円、内、
統合化製造技術研究 T
交付金 149 百円、委託費が計 29 百万円、1人当たりの平均予
算は 10.5 百万円である。重点研究課題として 1) センシングパ
ッチ技術の開発、2) 損傷制御技術の開発、3) 統合化製造技術の
開発がある。
東京大学大学院新領域創成科学研究科と強く連携しながら、 センター長 清水 敏美
原子・分子という極微な単位を「部品」として、さらにサイズ
の大きい構造体へ組み上げていく手法により、エネルギー環境 研究チーム(T):
高軸比ナノ構造組織化 T
問題や医療福祉問題を解決するナノ構造材料、ナノ機能素子づ
高軸比ナノ構造制御 T
くりを行う。研究職員 24 名、4研究グループで構成され、つく
高密度界面ナノ構造 T
ば中央第5及び第4事業所で研究が行われている。
高組織化マシンナノ構造 T
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 159 百万円(交
付金 149 百万円、委託費・外部資金 10 百万円)、一人当たり
の平均予算額は 6.6 百万円である。具体的には、「有機ナノチ
ューブ」や「分子ワイヤー」などの高い軸比をもつナノ構造、
「クラスター固体」や「ナノ微粒子」などの高密度な界面をも
つナノ構造、「分子スイッチ」や「分子モーター」などの高度
に組織化されたナノマシン構造を「部品」として、「界面」を
利用しながらボトムアップ的に、より高次で大きなサイズをも
つ構造体に組織化、高密度化、配列化する研究を行い、最終的
には、1~100 nm の空間解像度をもつセンサーやチップなどの
機能集積素子を開発する。さらには、分子などを対象とした超
高感度、超高解像度の計測・分析手法の開発も行っている。
28
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
(b)研究部門
研究部門
ユニットの概要
計測標準
本研究部門は、物理標準並びに標準物質の整備を目的とし、
これら計量標準の研究開発から維持・供給までの一体的な実施
を主たる業務とする部門である。226 名、15 科、32 室で構成
され、つくば中央第2、第3、第5事業所と関西センター扇町
サイトに展開している。本部門、成果普及部門の計量標準管理
部と計量研修センター、国際部門の国際標準協力室で構成され
る計量標準関連4部署を計量標準総合センターと総称してい
る。本部門は、国家計量標準を主体的に担う同センターの中核
部門として活動している。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 2,287 百万円(交
付金 1,342 百万円、科振費等の委託費 909 百万円、その他 36
百万円)、一人当たりの平均予算額は 10 百万円である。
重点課題として、1) 国家計量標準の開発・維持・供給、2) 特
定計量器の基準適合性評価、3) 次世代計量標準の開発、4) 共通
基盤的計測分析技術の開発、5) 国際計量システムの構築、6) 計
量の教習と人材の育成、7) 計量標準に係わる成果の普及、を掲
げている。
研究部門
地球科学情報
研究部門
組織
(研究チーム、研究グループ等)
部門長 小野 晃
科 / 研究室(K):
時間周波数科
時間標準 K, 波長標準 K
長さ計測科
長さ標準 K, 幾何標準 K
力学計測科
質量力標準 K, 圧力真空標準 K
質量計試験技術室
音響振動科
音響超音波標準 K
強度振動標準 K
温度湿度科
高温標準 K, 低温標準 K
放射温度標準 K, 湿度標準 K
流量計測科
流量標準 K, 流量計試験技術室
物性統計科
熱物性標準 K, 流体標準 K
応用統計 K
電磁気計測科
電磁気標準 K
電磁波計測科
高周波標準 K, 電磁界標準 K
量子放射科
放射線標準 K, 放射能中性子
標準 K, 光放射標準 K
無機分析科
無機標準 K, 環境標準 K
有機分析科
有機標準 K, 高分子標準 K
先端材料科
材料評価 K, 材料分析 K
法定計量技術科
計量標準技術科
校正試験技術室
型式承認技術室
地球科学情報研究部門は、国土の属する日本島弧地域を主要 部門長 加藤 碵一
対象にかつ必要に応じて関連する大陸地域や他の島弧地域をも
観照しつつ、地球表層~地球深部におけるより高次の地球科学 研究グループ(G):
堆積層序システム研究 G
的実態の解明・把握に努め、当該分野の知的資産の形成・知的
複合構造システム研究 G
基盤の構築・整備に寄与すること、また、特に社会的要請の高
火山複合システム研究 G
い地震・火山などに対する国の研究を分担し中立公正な地球科
深成変成システム研究 G
学情報の提供を心掛け、国民社会の安寧や産業発展に貢献する
地質統合研究 G
ことを主目的として設置された部門である。98 名、19 グルー
複合年代層序研究 G
プで構成され、つくば中央第 7 事業所に展開している。
地球物理情報研究 G
当部門と共に、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備を
地殻構造研究 G
目的とした「地圏資源環境研究部門」・「海洋資源環境研究部
門」・「深部地質環境研究センター」・「活断層研究センター」・ 地球化学研究 G
微小領域同位体研究 G
「北海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研究体」
地震地下水研究 G
および成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、
地震発生過程研究 G
国際部門の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外
実験地震学研究 G
的にはこれら の組織を総称して「地質調査総合センター」
(Geological Survey of Japan)として活動を行っている。
火山活動研究 G
29
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
地球科学情報
研究部門
(つづき)
地圏資源環境
研究部門
海洋資源環境
研究部門
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 751 百万円(交
付金 400 百万円、科振費等の委託費 351 百万円)、一人当たり
の平均予算額は 7.7 百万円である。
地質情報・地球物理情報・地球化学情報・地球科学情報解析・
地震関連情報および火山マグマ情報に集約した課題を縦軸に、
横軸には 1) 地球科学情報の国際標準化、2) アジアの地球科学
情報高度化、3) 先端的地球科学技術開発を新たな戦略的重点課
題として掲げている。
マグマ活動研究 G
アジア地圏情報研究 G
情報解析研究 G
地質リモートセンシング研究 G
地質標本研究 G
地圏資源環境研究部門は、地熱・燃料・鉱物資源を含む天然 部門長 野田 徹郎
資源の安定供給のための調査・研究・技術開発、また、地圏の
利用や地圏環境の保全のための地質環境に関する調査・観測及 研究グループ(G):
貯留層変動探査研究 G
び利用技術の開発・研究を行うことを主目的として設置された
高温岩体研究 G
部門である。69 名、11 グルーブで構成され、つくば中央第 7
地熱資源研究 G
及び西事業所に展開している。
燃料資源地質研究 G
当部門とともに、「地質の調査」課題の達成と知的基盤整備
資源有機地化学研究 G
を目的とした「地球科学情報研究部門」・「海洋資源環境研究
鉱物資源研究 G
部門」・「深部地質環境研究センター」・「活断層研究センタ
アジア地熱研究 G
ー」・「北海道地質調査連携研究体」・「関西地質調査連携研
究体」及び成果普及部門の「地質調査情報部」、「地質標本館」、 物理探査研究 G
開発安全工学研究 G
国際部門の「国際地質協力室」等と強い連携をしており、対外
的にはこれら の組織を総称 して「地質調査総合センター」
地下水資源環境研究 G
地圏環境立地研究 G
(Geological Survey of Japan)として活動を行っている。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 768 百万円(交
付金 180 百万円、電源特会(評価費)等の委託費 588 百万円)、
一人当たりの平均予算額は 11.1 百万円である。
重点課題として、1) 地熱貯留層評価管理技術の開発、2) 石炭
起源ガス・ガスハイドレート資源評価技術の開発、3) 大規模潜
頭性熱水鉱床の探査手法の開発、4) 東アジアにおける資源開発
研究協力・技術協力の体制構築、5) 地圏資源・環境に関する知
的基盤情報の整備・提供、6) 地圏利用のための地圏特性評価と
モニタリングシステムの開発、7) 地圏環境汚染評価手法の開発
を掲げている。
海洋資源環境研究部門は、海洋を対象とした鉱工業の科学技 部門長 宮崎 光旗
術の発展及び地質の調査を任務として、海洋の基盤情報整備、
海洋資源の探索・利活用、環境修復創造、防災等のための調査・ 研究グループ(G):
分離吸着材料開発研究 G
研究と技術開発を行うことを主目的として設置された部門であ
環境調和プラスチック
る。72 名、14 グループで構成され、つくば・中国・四国の 3
開発研究 G
センターに展開している。
海底系資源・環境研究 G
当部門はまた、深部地質環境研究センター・活断層研究セン
センシング材料開発研究 G
ター・地球科学情報研究部門・地圏資源環境研究部門および成
水中加工自動化技術開発研究 G
果普及部門の地質調査情報部・地質標本館、国際部門の国際地
海洋地球変動研究 G
質協力室等とともに「地質調査総合センター(Geological Survey
沿岸環境保全研究 G
of Japan)」と総称され、国としての「地質の調査」による地
生態系環境修復創造研究 G
質情報基盤の構築・整備の一端を担っている。
海洋生態機能開発研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 611 百万円(運
物理環境修復創造研究 G
営交付金 344 百万円、科振費等の委託費 267 百万円)、一人当
海洋環境材料開発研究 G
たりの平均予算額は 8.5 百万円である。
重点課題として、1) 海水希少資源採取吸着剤の開発、2) 海洋
海洋地質研究 G
海洋地球物理研究 G
バイオマス等利用技術の開発、3) 水中加工自動化技術の開発、
海洋動態モニタリング研究 G
4) 太平洋における気候変動と海洋環境変動の関連性の解明、5)
生態系・生物機能を用いた沿岸環境修復技術の開発、6) 海洋環
境材料の開発、7) 日本周辺海域の地質情報整備、8) 海洋資源環
境基盤 DB の構築、9) 沿岸・広域海洋環境の計測・診断・評価
技術の開発を掲げている。
30
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
エネルギー
利用
研究部門
電力
エネルギー
研究部門
環境管理
研究部門
エネルギー利用部門は、エネルギー資源の変換・輸送・貯蔵 部門長 請川 孝治
技術、および熱・動力などへの変換・利用技術の開発をとおし
て、エネルギーの安定供給の確保と地球環境保全を目指した環 研究グループ(G):
小型分散システム研究 G
境調和型エネルギー需給構造の構築に貢献することを目的とし
循環システム研究 G
て設置された。116 人 18 グループで構成され、つくばセンター
熱・物質移動制御研究 G
を中心に北海道、大阪の各研究サイトで実施されている。部門
エネルギー変換材料研究 G
長はつくばセンターに所属し、2人の副部門長を配している。
ターボマシン研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 854 百万円、内、
クリーン動力研究 G
交付金 309 百万円、委託費が計 545 百万円、1人当たりの平均
熱回生利用研究 G
予算は 7.4 百万円である。
燃焼反応制御研究 G
重点研究課題として 1) 分散型エネルギーシステム、2) エネ
炭化水素循環・利用研究 G
ルギーのカスケード利用、リサイクルシステム、3) エネルギー
ガスハイドレード研究 G
貯蔵・輸送技術、4) クリーン燃料製造、5) エネルギー源の多様
エネルギー貯蔵材料研究 G
化技術がある。
システム安全研究 G
バイオマス安全研究 G
新燃料開発研究 G
クリーン燃料研究 G
太陽エネルギー利用研究 G
熱化学研究 G
分子化学研究 G
本研究部門は、環境負荷低減、セキュリティの確保に配慮し 部門長 大和田野 芳郎
た使いやすく経済的なエネルギーシステムの構築を目標に、電
力エネルギーを中心とした研究開発を行うために設置された部 研究グループ(G):
超電導応用 G
門である。97 名、14 グループで構成され、つくば中央第2、
超電導材料技術 G
第5事業所に展開している。
薄膜太陽電池 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 958 百万円(交
半導体エネルギーデバイス G
付金 125 百万円、エネルギー研究開発費等の委託費 833 百万
太陽光発電システム G
円)、一人当たりの平均予算額は 9.9 百万円である。
エネルギーネットワーク G
主要研究課題として、1) 高効率分散電源技術(燃料電池、太
燃料電池 G
陽光発電、熱電発電)の開発、2) ネットワーク強化技術(超電
エネルギー材料 G
導、二次電池、スーパーキャパシター、エネルギーネットワー
熱電変換 G
ク、宇宙・海洋監視技術)の研究開発、3) 長期的エネルギー源
水素エネルギーG
(水素エネルギー、核融合)の研究開発、を掲げている。
核融合プラズマ G
パワーレーザーG
宇宙技術 G
電力環境計測 G
本研究部門は、快適で安全な環境の創造を目的として、温室 部門長 指宿 堯嗣
効果気体を含む環境負荷物質の放出と大気、陸域、海洋等への
分配・循環メカニズムと環境影響を明確にし、また、適切な環 研究グループ(G):
域間環境評価研究 G
境浄化・修復技術の選択と開発、さらに技術の評価を行うとと
環境計測研究 G
もに、技術・手法の実用化、国際的な普及・移転を推進するた
環境分子科学研究 G
めに設置された。90 人 14 グループで構成され、つくばセンタ
環境流体工学研究 G
ーと東北サイトで実施されている。部門長はつくばセンターに
計測技術研究 G
所属し、各サイトに副部門長を配している。
浄化機能促進研究 G
研究予算は総額 500 百万円、内、交付金 215 百万円、環境省
浄化触媒研究 G
他の委託費が計 285 百万円(7 月 31 日現在)、1人当たりの
水質浄化研究 G
平均予算は 5.6 百万円である。
生態系機能制御研究 G
重点研究課題として 1) 省資源・ダウンサイズ環境分析システ
大気環境評価研究 G
ムの研究開発、2) 有害化学物質・粒子状物質(SPM)の発生源
地球環境評価研究 G
対策技術と環境負荷低減効果の評価、3) 有害化学物質の先端的
光利用研究 G
処理・浄化技術の研究開発、4) 環境浄化能を強化した土壌浄化
励起化学研究 G
技術の研究開発、5) 窒素及び有害化学物質の新規生物学的除去
環境材料研究 G
技術の研究開発、6) オゾン・生物処理併用型水高度処理システ
31
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
環境管理
研究部門
(つづき)
環境調和技術
研究部門
情報処理
研究部門
知能システム
研究部門
ムの研究開発、7) 有害化学物質の封鎖・無害化材料の研究開発、
8) 炭素の生物地球科学的循環過程評価の研究開発、9) CO2 海洋
隔離トータルシステム評価技術の研究開発、10) 大気/海洋/植
生間の CO2 交換量・放出量推定手法の研究開発に取り組んでい
る。
本研究部門は、独立法人のミッション「エネルギー・環境な 部門長 春田 正毅
ど外部不経済性が働きやすく、国が自ら「公共財」として課題
解決技術の開発に取り組んで行くことが必要な分野」の研究開 研究グループ(G):
エコ・マテリアル G
発の一端として、また 21 世紀の成長産業のひとつとして期待さ
再資源化 G
れる環境産業の発展に資することを目的として、地球環境の負
粒子分離 G
荷を極小にするために必要な技術の研究開発を行い、持続可能
金属回収 G
な社会の実現に貢献するために設置された。
膜分離プロセス G
研究職員数 65 人、12 グループで構成され、つくばセンター
グリーンプロセス G
で実施されている。研究予算は総額 438 百万円、内、交付金 228
熱利用化学システム G
百万円、経済産業省他の委託費が計 210 百万円(7 月 31 日現
在)、1人当たりの平均予算は 6.7 百万円である。リサイクル、 超臨界 G
化学プロセス、環境触媒を重点3分野として研究を行っている。 触媒探索 G
クリーン燃料 G
触媒設計 G
炭化水素変換 G
本研究部門はつくばセンター(中央第2事業所)にあり、コ 部門長 大蒔 和仁
ンピュータとネットワークが融合した地球規模のデジタル情報
システム(インターネットはその代表的なものです)を、「誰 研究グループ(G):
グローバル情報技術 G
でもどこでも」「快適に」「安心して」利用しながら、大容量
ハイエンド情報技術 G
の情報・知識を高速かつ自由自在に創造・流通・共有できるよ
メディアインタラクション G
うにすることを目指して、情報処理基盤技術の研究開発を行っ
ている。
常勤の職員は 49 名、研究予算(H13 年 8 月 10 日現在)は、
総額 392 百万円(運営交付金 287 百万円、科振費等の委託費
105 百万円)である。
これまでの技術的な蓄積や、公共の研究機関としての役割に
即して、重点研究課題としてグローバル情報技術、ハイエンド
情報技術、先端メディア技術、セキュリティ技術の4つを掲げ、
ハイエンド情報技術グループ、グローバル情報技術グループ、
メディアインタラクショングループの3グループを中心に戦略
的に研究を推進している。
知能システム部門は IT 技術、システムの知能化の基礎研究お 部門長 谷江 和雄
よびそれをベースとした情報システム、機械システム、ロボッ
ト・メカトロニクスシステムの知能化についての研究を行うた 研究グループ(G):
ヒューマンセンタード
めに設置された。78 人 13 グループで構成され、つくばセンタ
ビジョン研究 G
ーを中心に実施されている。部門長はつくばセンターに所属し、
人間共存システム研究 G
2人の副部門長を配している。
フィールドロボティクス研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 417 百万円、内、
ITS 研究 G
交付金 307 百万円、委託費が計 110 百万円、1人当たりの平均
3次元視覚システム研究 G
予算は 5.3 百万円である。
タスク・インテリジェンス
重点研究課題として、1) 生活支援知能システムの研究開発(人
研究 G
間共存型ロボット、ヒューマノイド、高齢者支援機器、生活支
ヒューマノイド研究 G
援機器等)、2) 社会・産業応用知能システムの研究開発(防災ロ
音声聴覚情報研究 G
ボット、ITS、高度オートメーション等)、3) 実環境理解技術
推論・学習研究 G
の研究開発(3 次元視覚技術とその産業応用)、4) 人間中心型
分散システムデザイン研究 G
情報システム技術の研究開発(情報メディアインタラクション
技能・力学研究 G
等)、5) 知能基盤研究開発(推論、学習、技能の基礎研究)が
ある。
32
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
エレクトロ
ニクス
研究部門
光技術
研究部門
生物遺伝子
資源
研究部門
急速かつグローバルに進展する IT 社会の基盤となる情報処理 部門長 伊藤 順司
デバイス(信号の演算、記憶、増幅、伝達、変換・検出、表示)
技術について、新電子現象・材料の発見・解明から個別デバイ 研究グループ(G):
先端シリコンデバイス G
スさらには応用システムへの一貫した研究を展開することによ
デバイス評価計測 G
り、技術革新の原動力となる多様なシーズの創出や技術の高度
機能集積システム G
化を実現する。61 名、12 研究グループで構成され、つくば中
高密度 SI G
央第2事業所で研究が行われている。
超伝導計測デバイス G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 518 百万円(交
磁束量子デバイス G
付金 238 百万円、委託費等 280 百万円)、一人当たりの平均予
スピントロニクス G
算額は 8.5 百万円である。(1) 革新的シーズの創出:革新的新機
量子凝縮物性 G
能デバイスの創出を目指した新電子現象・材料の探索・解明と
超伝導材料 G
その制御技術の開発、(2) LSI 基盤技術:LSI(超高集積半導体回
低温物理 G
路)技術のブレークスルーの実現、(3) システムインテグレーシ
機能性酸化物 G
ョン技術:種々のデバイス機能を高密度に集積・実装する機能
フロンティアデバイス G
集積化技術の開発、が研究の3つの柱として設定されている。
光の持つ特徴を生かして、産業技術や人間生活に役立つ光技 部門長 小林 直人
術の研究開発を行う。当部門が対象とする技術分野は、(1) 光情
報通信・処理技術を主な対象とするソフト・フォトニクス、(2) 人 研究グループ(G):
情報通信フォトニクス G
間や環境にとって使いやすい光表示・入出力技術などへの光の
光電子制御デバイス G
利用をめざすアメニティ・フォトニクス、(3) 新たな光源の極限
超高速フォトニクス計測 G
性能実現や先端的な光計測利用技術の開発を行うハード・フォ
量子ナノ構造 G
トニクスである。
98 名、19 研究グループで構成され、つくば中央第2、第5、 光エレクトロニクス材料 G
錯体光学材料 G
東事業所、関西センターで研究が行われている。研究予算(H13
年 7 月 31 日現在)は、総額 689 百万円(交付金 296 百万円、 有機超薄膜 G
分子フォトニクス G
委託費等 393 百万円)、一人当たりの平均予算額は 7.0 百万円
集合体フォトニクス G
である。
ガラス材料技術 G
重要研究課題として、(1) テラビット級光時分割多重通信に対
薄膜ナノプロセス G
応可能な超高速光制御・システム化技術;光情報通信・制御用
デバイス機能化技術 G
光エレクトロニクス材料・デバイス技術、(2) 大容量情報通信を
超短パルスレーザーG
リアルタイムで操作するためのフレキシブル機能光導波デバイ
広帯域量子放射技術 G
ス技術;ヒューマンインターフェース光デバイスに使用可能な
高輝度量子放射源 G
有機薄膜光電子デバイス技術、(3) 可視~近赤外高輝度超短パル
放射光利用技術 G
ス光源、極端紫外コヒーレント光、高輝度X線源、広帯域自由
電子レーザー、エネルギー可変γ線、低速陽電子ビームの発生・ 高機能量子ビーム開発利用 G
先端量子計測 G
利用技術;高精度形状計測、広帯域光センシング、位相・コヒ
光計測制御 G
ーレンス制御、光ピンセット技術を展開する。
本研究部門は、微生物等、及びそのゲノム情報の機能解析に 部門長 曽良 達生
より生物資源、遺伝子資源の医薬を含む工業利用へのシーズ発
掘及び有効活用・産業化を図ることを目的とし設置された組織 研究グループ(G):
生物資源情報基盤研究 G
である。研究職員 69 名(+併任者 7 名)、13 グループ(+1
分子生態解析研究 G
併任グループ)で構成され、つくばと北海道の 2 箇所に拠点が
酵素開発研究 G
ある。ポスドク、非常勤職員等を含めると現在 140 名程。
生理活性物質開発研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 456 百万円(交付
高機能物質開発研究 G
金 305 百万円、科振費等の委託費 151 百万円)、研究職員一人
複合微生物系解析・利用研究 G
当たりの平均予算額は 6.6 百万円である。
重点課題として、生物遺伝子の探索・機能解析(4 グループ)、 環境保全型物質開発・評価
研究 G
生物遺伝子資源を活用した有用物質生産技術開発(7(+1)グルー
遺伝子資源解析研究 G
プ)、生物遺伝子資源を活用した環境計測・環境浄化・環境保
分子環境適応研究 G
全技術開発(2 グループ)を掲げている。
生体物質設計研究 G
遺伝子発現工学研究 G
生物資源高度利用研究 G
ナノバイオテクノロジー研究 G
ミクロ生物化学工学研究 G
33
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
分子細胞工学
研究部門
人間福祉
医工学
研究部門
脳神経情報
研究部門
物質プロセス
研究部門
分子細胞工学研究部門は細胞と個体における生体機能を分子 部門長 地神 芳文
レベルで解明し、得られた糖鎖、核酸、タンパク質等の新機能
を産業に応用する目的で設置された。常勤研究者 60 人、9グル 研究グループ(G):
遺伝子機能解析 G
ープで構成され、つくばセンター第6事業所とつくばオープン
遺伝子ダイナミックス G
スペースラボを拠点としている。
遺伝子機能制御 G
研究予算は総額 714 百万円、内、交付金 456 百万円、他に
機能性核酸 G
NEDO 委託、COE、科振費などの外部予算計 258 百万円(7 月
生物時計 G
31 現在)があり、1人当たりの平均額は 11.9 百万円である。
バイオセンサ G
重点研究課題として①ゲノム情報の活用による遺伝子発現制
蛋白質デザイン G
御の解析・利用、②生命現象の分子・細胞レベルでの解明・操
蛋白質構造形成 G
作・利用、③分子・分子集合体の構造の解析・利用の研究開発
分子認識 G
がある。
本研究部門は、高齢社会における快適な生活環境や使いやす 部門長 斎田 真也
い製品環境(ユニバーサルデザイン)の構築を目指し人間特性
の解明とモデル構築、高齢者の変容した身体機能の支援機器や 研究グループ(G):
感覚知覚 G
患者にとって負担の少ない医療機器技術の開発を目標に、人間
行動モデリング G
生活工学、福祉工学および医工学の3分野、58 人 11 グループ
視覚認知機構 G
で研究を遂行している。
身体・生態適合性評価技術 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 417 百万円(内
認知的インターフェース G
訳、運営費交付金 405 百万円、委託費 12 百万円)、1人当た
高齢者動作支援工学 G
りの平均予算は 7.2 百万円である。
福祉機器 G
重点研究課題として、1) 感覚・知覚における知的基盤の構築
人工臓器・生態材料 G
と高齢社会における環境評価技術の開発、2) 認知・行動モデル
ニューロバイオニクス G
の構築に関する研究、3) 情報・メカトロニクス技術に基づく福
治療支援技術 G
祉機器技術と人体適合評価技術の開発、4) 長期生体適合性を有
医用計測 G
する体内埋め込み人工臓器・生体材料技術の開発、5) 無侵襲診
断技術および低侵襲手術支援技術の開発がある。
本研究部門は、脳・神経の構造と機能に関し、生命工学的ア 部門長 河野 憲二
プローチと情報工学的アプローチ双方で総合的な研究を行い、
研究グループ(G):
その成果の活用を図る。また、脳神経研究に資する計測機器の
脳遺伝子研究 G
開発も行う部門である。常勤の職員は 60 名(うち事務職員2名
脳機能調節因子研究 G
を含む)、11 研究グループで構成され、つくば中央第2、第6、
DNA 情報科学研究 G
北事業所と第4事業所に展開している。
構造生理研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 623 百万円(交
感覚認知科学研究 G
付金 449 百万円、科振費等の委託費 171 百万円(外部への再委
認知行動科学研究 G
託費を除く))、一人当たりの平均予算額は 11 百万円である。
システム脳科学研究 G
重点課題として、1) 脳神経細胞・遺伝子の機能解析とその利
脳機能解析研究 G
用、2) 高次脳機能の研究、3) 脳における情報処理機構の解明、
情報数理研究 G
4) 脳型情報処理の基本原理の解明、5) 脳型情報処理の工学的実
応用数理研究 G
現を掲げている。
認知工学研究 G
本研究部門は、持続可能性社会実現のための化学技術開発を 部門長 水上 富士夫
目的に、革新的技術シーズとなる新物質・材料の創製並びに新
研究グループ(G):
反応プロセスの開発を行うとともに、このための基礎・基盤技
触媒・膜システム G
術の整備・確立を目指している。常勤研究者 82 人 13 グループ
機能性無機物質化学 G
で構成されている。
ポーラス材料 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 414 百万円(運
分子触媒 G
営費交付金 276 百万円、委託費 138 百万円)、1人当たりの平
高圧化学 G
均予算は 5.0 百万円である。
無機固体化学 G
重点研究課題として 1) 新転換反応プロセスの研究開発、2)
物性解析 G
低反応性小分子の化学工業原料化、3) 特異物性ポリマーの研究
機能分子化学 G
開発、4) 機能性無機膜材料の研究開発、5) 分子情報材料の研究
生体模倣材料 G
開発、6) 生体の機能模倣と鍵物質の研究開発、7) 爆発危険性予
生体関連機能物質 G
測評価システムの研究開発、がある。
環境適合型高分子材料 G
材料システム G
爆発研究 G
34
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
セラミックス
研究部門
基礎素材
研究部門
本研究部門は、1) 環境に配慮した材料開発のパラダイムシフ 部門長 亀山 哲也
トに対応する技術体系の再構築、2) 多様な機能を複合あるいは
相乗させた材料の開発、3) 材料設計技術の確立、評価手法標準 研究グループ(G):
テーラードリキッドソース
化などの知的基盤の構築を主な目的として設置された。71 人 13
研究 G
グループで構成され、中部センターを中心に実施されている。
機能複合粉体研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 416 百万円(運
低環境負荷型焼結技術研究 G
営費交付金 215 百万円、委託費 201 百万円)、一人当たりの平
生体機能性セラミックス研究 G
均予算額は 5.8 百万円である。
メソポーラスセラミックス
重点研究課題として 1) アドバンスドマテリアルソースの研
研究 G
究開発、2) 低環境負荷型焼結技術の研究開発、3) ナノアッププ
空間機能化セラミックス研究 G
ロセスの研究開発、4) メソ多孔化技術、5) セラミックスデザイ
力学特性標準技術研究 G
ン技術の研究開発がある。
化学計測研究 G
環境材料化学研究 G
粒子配列制御研究 G
超音波プロセス研究 G
データベース基盤技術研究 G
解析評価研究 G
基礎素材研究部門は金属、無機系物質について新規な機能、 部門長 五十嵐 一男
構造材料、あるいは新製造プロセスの研究開発を行うために設
置された。常勤研究者 122 人、25 グループで構成され、中部セ 研究グループ(G):
金属材料組織制御・評価研究 G
ンター(54 名)を中心に東北(9 名)、中国(11 名)、九州(48
軽量金属材料凝固プロセス
名)の各研究サイトで実施されている。部門長は中部センター
研究 G
に所属し、各4サイトに副部門長を配している。
木質材料組織制御研究 G
研究予算は総額 578 百万円、内、交付金 209 百万円、他に科
機能付与リサイクル技術研究 G
振費総合、NEDO 産業技術助成等の委託費が計 369 百万円(7
難燃性マグネシウム合金
月 25 日現在)、1人当たりの平均予算は 4.7 百万円である。
プロセス研究 G
重点研究課題として①リサイクル指向の軽量金属組織制御技
金属系複合材料研究 G
術の開発、②環境応答機能付加コーティング技術、③マイクロ
耐環境性評価技術研究 G
エクスプロージョンによる結晶粒微細化プロセスなどがある。
セラミックス系複合材料研究 G
高耐久性コーティング研究 G
高耐食性コーティング研究 G
高信頼性表面処理研究 G
環境応答機能薄膜研究 G
機能性ナノマテリアル研究 G
高耐久性材料研究 G
低環境負荷プロセス研究 G
相制御プロセス研究 G
機能性金属材料研究 G
多機能材料技術研究 G
分子構造制御研究 G
無機・有機複合化材料技術
研究 G
炭素材料研究 G
天然素材複合化技術研究 G
機能集積マイクロ化
システム研究 G
分離機能複合化材料技術研究 G
予測診断技術研究 G
35
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
機械
システム
研究部門
ナノテク
ノロジー
研究部門
計算科学
研究部門
機械システム部門は、材料からプロセス、機械、システムま 部門長 筒井 康賢
での一連の研究を行うために設置された。また、それらの基礎
となる科学を探求することによって、製造技術を中心とする産 研究グループ(G):
ファインファクトリー研究 G
業技術の躍進に貢献するとともに、21 世紀の世界が目指す持続
プロセスメカニズム研究 G
可能な社会の実現に向け、技術的な指標を社会に提示して行く
集積機械研究 G
ことを目的としている。
微小機構研究 G
60 人 11 グループで構成され、つくばセンターで実施されて
循環型生産システム研究 G
いる。部門長はつくばセンターに所属し、2人の副部門長を配
循環型材料加工研究 G
している。
循環型機械材料研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 416 百万円、内、
トライボロジー研究 G
交付金 269 百万円、委託費が計 147 百万円、1人当たりの平均
先進材料・構造健全性研究 G
予算は 6.9 百万円である。
安全信頼性研究 G
重点研究課題として 1) 環境調和型製造技術、2) マイクロ・
複雑現象工学研究 G
ナノ・ファブリケーション技術、3) 信頼性工学技術を掲げてい
る。
産総研におけるナノテクノロジーの中心として、ナノメート 部門長 横山 浩
ルスケールにおける物質研究の新たな手法やコンセプトの開拓
から、生体を含むナノ構造物質の持つ諸現象の解明と応用、そ 研究グループ(G):
してそれらの産業技術への展開まで幅広く先導していく。47 名、 ナノ構造物性理論 G
ナノダイナミクス研究 G
9研究グループで構成され、つくば中央第2、第4、第5事業
近接場ナノ工学 G
所で研究が行われている。
ナノクラスターG
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 228 百万円(交
機能性超分子 G
付金 119 百万円、委託費等 109 百万円)、一人当たりの平均予
分子ナノ組織体 G
算額は 4.9 百万円である。
分子ナノ物性 G
当部門では、経験とノウハウから論理と予測に裏打ちされた
バイオマテリアル G
物質・材料研究への脱皮するため、理論・計算科学を研究活動
単一分子・界面技術 G
の基盤として重視し、その上に構造を作り出すプロセス技術や
構造機能評価のための計測技術を配置し、ナノ材料、ナノデバ
イス、ナノバイオテクノロジーをターゲットとした研究開発を
推進している。
本研究部門では、工学・理学・社会科学の広範な分野におい 部門長 寺倉 清之
て、計算機シミュレーションによる現象の解析・予測を通して、
知的資産の蓄積、研究支援、生産活動の効率化、環境問題、エ 研究グループ(G):
量子モデリング研究 G
ネルギー問題、安全などに貢献することを目指す。基礎解析研
粒子モデリング研究 G
究グループ、量子モデリング研究グループ、粒子モデリング研
連続体モデリング研究 G
究グループ、連続体モデリング研究グループ、複合モデリング
研究グループの5研究グループで構成され、専任研究者 26 名、 複合モデリング研究 G
基礎解析研究 G
併任研究者 16 名、研究協力者1名に加えて、数名のポスドク研
究者からなる。つくば第2事業所のつくばオープンスペースラ
ボの2階にオフィスを構えている。
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は、総額 92 百万円(交付
金 68 百万円、科振費等の委託費 24 百万円)、専任研究者一人
当たりの平均予算額は 3.5 百万円である。
本研究部門が扱う対象は、ミクロの量子力学世界からマクロ
の世界までの広がりを持つ。現実の問題の殆どは、マルチスケ
ール、マルチ物理と云われる複合現象であり、それらを扱うた
めの手法の開発を重要課題と捉えている。また、現象の解析の
段階から、新しい現象の予測、狙った機能を持つ系の設計の段
階に進むべく、一般的な最適化問題等への取り組みも重視して
いる。計算科学は本質的に基盤的・境際的な研究であり、産総
研の多くの研究ユニットをつなぐ横糸的役割を果たす。
36
別紙2:プレ評価対象研究ユニット一覧
(c)研究系
研究系
人間系
特別研究体
生活環境系
特別研究体
ユニットの概要
組織
(研究チーム、研究グループ等)
本研究体は、関西に存在することを積極的に活用し広範な連 系長 田口 隆久
携的研究を推進するとともに、分子から人間さらにそれを支え
る高分子材料に関わる幅広いライフサイエンス研究を融合的研 研究グループ(G):
動的構造機能制御研究 G
究マネージメントにより進め、Industrial Bio-Engineering の発
精密構造解析研究 G
展に貢献し、国民の自立し快適な生活を約束する医療福祉等の
細胞機能操作研究 G
分野における新産業創成に貢献を目的として設置された組織で
ある。研究職員 35 名、7 グループで構成されている。ポスドク、 ニューロニクス研究 G
メソフェーズ工学研究 G
非常勤職員等を含めると現在 100 名程。
刺激応答材料研究 G
研究予算(H13 年 7 月 31 日現在)は総額 235 百万円(交付
グリーンバイオ研究 G
金 209 百万円、科振費等の委託費 26 百万円)、研究職員一人
当たりの平均予算額は 6.7 百万円である。
研究グループはニューロニクスをコアとして動的構造機能制
御、精密構造解析、細胞機能操作、メソフェーズ工学、刺激応
答材料、グリーンバイオの 7 つの研究グループからなる。
生活環境系特別研究体は、関西の産業・研究集積を背景に、 系長 小林 哲彦
人間の生活に密着した環境・エネルギー技術の開発を目指して、
固体表面の化学的機能の研究を中心として、基礎から実用化ま 研究グループ(G):
環境ガラス研究 G
でを、一体的、且つ分野融合的に研究する組織として設置され
環境触媒研究 G
た。関西センターを拠点として常勤研究者 54 人、9グループで
次世代電池研究 G
構成される。
小型燃料電池研究 G
研究予算は総額 546.1 百万円、内、交付金 139.8 百万円、他
水素システム研究 G
にニューサンシャイン、NEDO 産業技術研究助成等の委託費計
界面機能制御研究 G
406.3 百万円(7 月 31 日現在)があり、1人当たりの平均予算
界面イオニクス研究 G
は 10.1 百万円である。
重点研究課題として、①生活環境における微量有害化学物質
ナノ界面機能科学研究 G
新テーマ発掘研究 G
などの検知・浄化技術、②リチウム電池、固体高分子形燃料電
池、水素などの生活に密着した分散エネルギー・クリーンエネ
ルギー技術、③環境・エネルギー技術を支える界面機能材料(触
媒、電極材料、多孔質材料など)の基礎・基盤技術を設定して
いる。
37
別紙3: 研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
別紙3:研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
(a)研究センター
研究センター
評価委員氏名
所属
役職
小川 勇二郎
筑波大学 地球科学系
教授
江崎 哲郎
九州大学大学院 工学研究院
付属環境システム科学研究センター
センター長, 教授
村上 隆
東京大学大学院 理学系研究科
教授
島崎 邦彦
東京大学 地震研究所 地球流動破壊部門
教授
入倉 孝次郎
京都大学 防災研究所
所長
井上 大榮
財団法人電力中央研究所 我孫子研究所
研究参事
池田 三郎
筑波大学 社会工学系
教授
中村 雅美
日本経済新聞社 編集局 科学技術部
編集委員
片谷 教孝
山梨大学 工学部 循環システム工学科
助教授
原 穆
オゾン層保護対策産業協議会
事務局長
田口 武夫
東京薬科大学 薬学部
教授
松野 太郎
海洋科学技術センター 地球フロンティア研究システム システム長
山地 憲治
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
教授
花木 啓祐
東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻
教授
森口 祐一
独立行政法人国立環境研究所
社会環境システム研究領域 資源管理研究室
室長
佐々木 三郎
財団法人電力中央研究所 狛江研究所
参事, 副所長
赤木 泰文
東京工業大学大学院 理工学研究科 電気電子工学専攻
教授
小松 一彦
日本電信電話株式会社 通信エネルギー研究所
所長
伊藤 久義
日本原子力研究所 高崎研究所 材料開発部 技術開発課 課長
久原 哲
九州大学大学院農学研究院
教授
合原 一幸
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
教授
江口 至洋
三井情報開発株式会社
取締役
稲垣 冬彦
北海道大学大学院 薬学研究科
教授
小原 雄治
国立遺伝学研究所 生物遺伝資源情報総合センター
センター長, 教授
安永 照雄
大阪大学 遺伝情報実験センター ゲノム情報解析分野
教授
宮永 豊
筑波大学 体育科学系 スポーツ医学
教授
岩田 博夫
京都大学 再生医科学研究所 生体組織工学
組織修復材料学分野
教授
片岡 一則
東京大学大学院 工学系研究科 材料学専攻
教授
宮田 暉夫
株式会社高研
代表取締役社長
ジーン
ディスカバリー
研究センター
新井 賢一
東京大学 医科学研究所 染色体制御分野
所長, 教授
村松 喬
名古屋大学大学院 医学研究科 生物化学第一講座
教授
島本 功
奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 教授
ヒューマン
ストレスシグナル
研究センター
飯田 健夫
立命館大学 理工学部 ロボテイクス学科
教授
淀井 淳司
京都大学 ウイルス研究所 生体応答学研究部門
教授
中西 博昭
島津製作所 基盤技術研究所
主任研究員
深部地質環境
研究センター
活断層
研究センター
化学物質リスク
管理研究センター
フッ素系等温暖化
物質対策
テクノロジー
研究センター
ライフサイクル
アセスメント
研究センター
パワー
エレクトロニクス
研究センター
生命情報科学
研究センター
生物情報解析
研究センター
ティッシュ
エンジニアリング
研究センター
38
別紙3: 研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
強相関電子技術
研究センター
次世代半導体
研究センター
サイバーアシスト
研究センター
マイクロ・ナノ
機能広域発現
研究センター
ものづくり
先端技術
研究センター
高分子基盤技術
研究センター
光反応制御
研究センター
新炭素系材料開発
研究センター
シナジー
マテリアル
研究センター
超臨界流体
研究センター
スマート
ストラクチャー
研究センター
福山 秀敏
東京大学 物性研究所
所長
瀬恒 謙太郎
松下電器産業株式会社 先端技術研究所
主幹研究員
北岡 良雄
大阪大学大学院 基礎工学研究科 物理系専攻
教授
安田 幸夫
名古屋大学大学院 工学研究科
教授
渡辺 久恒
日本電気株式会社 NEC ラボラトリーズ
支配人
小柳 光正
東北大学大学院 工学研究科 機械知能工学専攻
適応設計学研究室
教授
竹林 洋一
株式会社東芝 研究開発センター
知識メディアラボラトリー
技監
石田 亨
京都大学大学院 情報学研究科 社会情報学専攻
教授
坪田 知己
日本経済新聞社 日経デジタルコア設立事務局
代表幹事
植田 憲一
電気通信大学 レーザー新世代研究センター
センター長, 教授
松本 洋一郎
東京大学大学院 工学系研究科 機械工学専攻
教授
潟岡 泉
日本航空電子工業株式会社 中央研究所
所長
稲崎 一郎
慶應義塾大学 理工学部
教授, 理工学部長,
理工学研究科委員長
桝田 正美
新潟大学大学院 自然科学研究科
教授
岩田 一明
(財)国際高等研究所
フェロー, 大阪大学・
神戸大学名誉教授
蒲池 幹治
福井工業大学 工学部応用理化学科
教授
堀江 一之
東京農工大学 工学部
教授
土肥 義治
東京工業大学大学院 総合理工学研究科
物質科学創造専攻
教授
増原 宏
大阪大学大学院 工学研究科 応用物理学専攻
教授
金子 正夫
茨城大学 理学部 自然機能科学科
教授
佐藤 幸蔵
富士写真フィルム株式会社 足柄研究所
研究部長
大橋 弘通
株式会社東芝 研究開発センター
技監
篠原 久典
名古屋大学大学院 理学研究科 物質理学専攻
教授
尾浦 憲治郎
大阪大学大学院 工学研究科 電子工学専攻
教授
岡田 清
東京工業大学大学院 理工学研究科 材料工学専攻
教授
河本 邦仁
名古屋大学大学院 工学研究科
教授
植松 敬三
長岡技術科学大学 化学系
教授
荒井 康彦
九州大学大学院 工学研究院 化学工学部門
教授
杉 義弘
岐阜大学工学部 応用精密化学科
教授
福嶋 喜章
株式会社豊田中央研究所 第2特別研究室
室長,
シニアフェロー
武田 展雄
東京大学大学院 新領域創成科学研究科
教授
石川 隆司
航空宇宙技術研究所 先進複合材評価技術開発センター センター長
新谷 紀雄
物質・材料研究機構 材料研究所 材料基盤研究センター
主幹研究員
インテリジェント材料研究グループ
相澤 益男
界面ナノ
アーキテクトニクス 浅子 佳延
研究センター
江口 健
東京工業大学
副学長
株式会社日本触媒 光電材事業企画グループ
主任部員
キャノン株式会社 中央研究所
上席研究員
39
別紙3: 研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
別紙3:
(b)研究部門
研究部門
計測標準
研究部門
地球科学情報
研究部門
地圏資源環境
研究部門
海洋資源環境
研究部門
エネルギー利用
研究部門
電力エネルギー
研究部門
環境管理
研究部門
環境調和技術
研究部門
情報処理
研究部門
評価委員氏名
所属
役職
山崎 弘郎
株式会社横河総合研究所
研究理事
長島 昭
慶応義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科
教授
二瓶 好正
東京理科大学 理工学部 工業化学科
教授
江木 紀彦
アイ・ティー・エンジニアリング株式会社
代表取締役社長
池田 昌彦
株式会社堀場製作所 分析センター
マネージャー
足立 守
名古屋大学 博物館
館長, 教授
佐々木 和彦
応用地質株式会社 エネルギー事業部
事業部長
野津 憲治
東京大学大学院 理学系研究科 地殻化学実験施設
教授
西田 泰典
北海道大学大学院 理学研究科
教授
新妻 弘明
東北大学大学院 工学研究科 地球工学専攻
教授
大塚 俊道
石油公団 地質調査部
部長
駒田 広也
財団法人電力中央研究所 我孫子研究所
研究参事
大屋 峻
三井金属資源開発株式会社 資源事業部
主席技師長
徳山 英一
東京大学 海洋研究所 海洋底地質学分野
教授
中田 英昭
長崎大学 水産学部 海洋資源動態科学講座
教授
中原 裕幸
社団法人海洋産業研究会
常務理事
辻井 薫
海洋科学技術センター 極限環境生物フロンティア研究
領域長
システム 深海微生物研究領域
岡崎 健
東京工業大学大学院 理工学研究科
機械制御システム専攻
教授
宝田 恭之
群馬大学 工学部
教授
堤 香津雄
川崎重工業株式会社 技術総括本部 技術研究所
化学・環境研究部
主管研究員
横山 明彦
東京大学大学院 工学系研究科
教授
秋田 調
財団法人電力中央研究所 狛江研究所 電気物理部
部長
小久見 善八
京都大学大学院 工学研究科 物質エネルギー化学専攻
教授
御園生 誠
工学院大学 工学部 環境化学工学科
教授
中澤 高清
東北大学大学院 理学研究科
教授
大垣 眞一郎
東京大学大学院 工学系研究科 都市工学専攻
教授
御園生 誠
工学院大学 工学部 環境化学工学科
教授
恒川 昌美
北海道大学大学院 工学研究科 環境資源工学専攻
教授
石川 矯
三菱化学株式会社 科学技術戦略室
部長
後藤 敏
日本電気株式会社 NEC ラボラトリーズ
支配人
村岡 洋一
早稲田大学 理工学部 情報科学科
教授
徳田 英幸
慶應義塾大学 環境情報学部
教授
中津 良平
株式会社 ATR 知能映像通信研究所
代表取締役社長
40
別紙3: 研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
知能システム
研究部門
エレクトロニクス
研究部門
光技術
研究部門
生物遺伝子資源
研究部門
分子細胞工学
研究部門
人間福祉医工学
研究部門
脳神経情報
研究部門
物質プロセス
研究部門
セラミックス
研究部門
基礎素材
研究部門
東倉 洋一
日本電信電話株式会社 先端技術総合研究所
所長
木戸出 正継
奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科
教授
新井 民夫
東京大学大学院 工学系研究科 精密機械工学専攻
教授
榊 裕之
東京大学 生産技術研究所 榊研究室
教授
宮崎 照宣
東北大学大学院 工学研究科 応用物理学専攻
教授
中島 康治
東北大学 電気通信研究所 知能システム部
教授
井口 家成
東京工業大学大学院 理工学研究科 物性物理学専攻
教授
神谷 武志
文部科学省 大学評価・学位授与機構 学位審査研究部
教授
中西 八郎
東北大学 多元物質科学研究所
副所長, 教授
加藤 義章
日本原子力研究所 関西研究所
所長
冨田 房男
北海道大学大学院 農学研究科 応用生命科学専攻
教授
平石 明
豊橋技術科学大学 エコロジー工学系
教授
熊谷 泉
東北大学大学院 工学研究科 生物工学専攻
教授
原山 重明
株式会社海洋バイオテクノロジー研究所 釜石研究所
所長
川嵜 敏祐
京都大学大学院 薬学研究科 生命薬学専攻
教授
永井 和夫
中部大学 応用生物学部 応用生物化学科
教授
鶴尾 隆
東京大学 分子細胞生物学研究所
所長, 教授
小林 利克
株式会社ジェンコム
代表取締役社長
伊福部 達
北海道大学 電子科学研究所 電子情報処理部門
教授
菊地 眞
防衛医科大学校 医用電子工学講座
教授
小松原 明哲
金沢工業大学工学部 人間情報工学科・経営情報工学科 教授
芳賀 達也
学習院大学 理学部 生命分子科学研究所
川人 光男
国際電気通信基礎技術研究所 計算論的神経科学プロジ プロジェクト
ェクト サイバーヒューマンプロジェクト
リーダー
木村 實
京都府立医科大学 第二生理学科
教授
遠藤 忠
東北大学大学院 工学研究科 材料化学専攻
教授
瀬戸山 亨
三菱化学株式会社 ポーラスマテリアル研究所
所長
相田 卓三
東京大学大学院 工学系研究科 化学生命工学専攻
教授
大久保 達也
東京大学大学院 工学系研究科 化学システム工学専攻
助教授
上野 文雄
株式会社東芝ディスプレイ・部品材料社
バッテリーエナジー
技師長
平野 眞一
名古屋大学大学院 工学研究科
教授
古賀 和憲
京セラ株式会社 部品研究開発本部
副本部長
内藤 牧男
財団法人ファインセラミックスセンター試験研究所
副所長
花田 修治
東北大学 金属材料研究所 加工プロセス工学研究部門
教授
相澤 龍彦
東京大学 先端科学技術研究センター
物質デバイス大部門 高信頼性材料分野
教授
落合 庄治郎
京都大学大学院 工学研究科
付属メゾ材料研究センター
教授
41
教授
別紙3: 研究ユニット毎のレビューボード委員一覧
機械システム
研究部門
ナノテクノロジー
研究部門
計算科学
研究部門
下山 勲
東京大学大学院 情報理工学系研究科
知能機械情報学専攻
教授
小川 治男
オリンパス光学工業株式会社 研究開発センター
先進技術研究所 複合精密部
部長
堤 正臣
東京農工大学大学院 生物システム応用科学研究科
教授
川合 知二
大阪大学 産業科学研究所
(高次インターマテリアル研究所長兼務)
教授
曽根 純一
日本電気株式会社 システムデバイス・基礎研究本部
基礎研究所
所長
安藤 恒也
東京大学 物性研究所
教授
藤原 毅夫
東京大学大学院 工学系研究科 物理工学専攻
教授
牧野内 昭武
理化学研究所 ものつくり V-CAD 研究プログラム
プログラム
ディレクター
加藤 重樹
京都大学大学院 理学研究科 化学専攻
教授
別紙3:(c)研究系
研究系
人間系
特別研究体
生活環境系
特別研究体
評価委員氏名
所属
役職
楠見 明弘
名古屋大学大学院 理学研究科 生命理学専攻
教授
長田 義仁
北海道大学大学院 理学研究科 生物科学専攻
教授
小原 收
財団法人かずさ DNA 研究所 ヒト遺伝子研究部
部長
小久見 善八
京都大学大学院 工学研究科 物質エネルギー化学専攻
教授
岡田 治
大阪ガス株式会社 開発研究部
シニアリサー
チャー
金田 清臣
大阪大学大学院 基礎工学研究科 化学系専攻
教授
42
別紙4: プレ評価委員会評価用紙
別紙4: プレ評価委員会評価用紙
(評価委員ご氏名:
該当する記号に○印を付して下さい。
1.研究の妥当性
(1) 本研究ユニットにおける研究は産総研の社会的意義に鑑み妥当か?
a. 妥当である。
b. 概ね、妥当である。
c. 妥当でない部分がある。
d. 妥当でない。
[当該評価の根拠を具体的に]
(2) 中期計画に照らしポリシーステートメントは適切な内容であるか?
a. 適切な内容である。
b. 概ね、適切な内容である。
c. 内容が不十分である。
d. 全面的に再考する必要がある。
[当該評価の根拠を具体的に]
(3) ポリシーステートメントには適切な運営方針が記述されているか?
a. 適切な運営方針が記述されている。
b. 概ね適切な運営方針が記述されている。
c. 不十分である。
d. 適切でない。
[当該評価の根拠を具体的に]
(4) 研究課題の設定が研究ユニットのミッションに沿っているか?
a. ミッションに沿っている。
b. 概ね、ミッションに沿っている。
c. 不十分である、
d. ミッションに沿っていない。
[当該評価の根拠を具体的に]
(5) 研究課題の設定に過不足はないか?
a. 過不足はない。
b. 概ね、過不足はない。
c. 幾分、過不足がある。
d. 過不足がある。
[当該評価の根拠を具体的に]
43
)
別紙4: プレ評価委員会評価用紙
2.研究計画
(1) 研究目標が明確に示されているか?
a. 目標が明確に示されている。
b. 概ね、明確に示されている。
c. 明確さが不十分である。
d. 不明確である。
[当該評価の根拠を具体的に]
(2) 研究目標が当該分野における国内外の研究レベルと比較して適正か?
a. 目標が国内外の研究レベルと比較して適正である。
b. 概ね、適正である。
c. 適正さが不足している。
d. 適正でない。
[当該評価の根拠を具体的に]
(3) 研究開発手法は妥当か?
a. 研究開発手法は妥当である。
b. 概ね、妥当である。
c. 妥当でない部分がある。
d. 妥当でない。
[当該評価の根拠を具体的に]
3.研究予算、研究体制等
(1) 研究組織(グループの構成、グループ数)の設計は適切か?
a. 設計は適切である。
b. 概ね、適切である。
c. 適切でない部分がある。
d. 適切でない。
[当該評価の根拠を具体的に]
(2) 研究課題に対して、予算、マンパワーが過大あるいは過少ではないか?
a. 適切である。
b. 概ね、適切である。
c. 過大あるいは過小の傾向がある。
d. 過大あるいは過小である。
[当該評価の根拠を具体的に]
追記:評価のための追加資料
評価者から見て、今回の資料に加えどんな資料(データ、情報、等)があれば、引き続き開催される委
員会においてより適正な評価ができるか、以下に具体的にご記入をお願いいたします。
1)
2)
3)
4)
44
別紙5: プレ評価委員会の日程表と開催次第
別紙5:(a)プレ評価委員会の日程表
ユニット名
5月
6月
7月
場所 14 15 16 17 18 21 22 … 1 4 5 6 7 8 11 12 13 14 15 18 19 20 21 22 25 26 27 28 29 2 3 4 … 23
月 火 水 木 金 月 火 … 金月火水木金月火水木金月火水木金月火水木金 月火 水 … 月
研究センター
深部地質環境
活断層
化学物質リスク管理
フッ素系温暖化物質
ライフサイクル
アセスメント
パワーエレク
トロニクス
生命情報科学
生物情報解析
ティッシュエンジニ
アリング
ジーンディス
カバリー
ヒューマンストレス
シグナル
強相関電子技術
次世代半導体
サイバーアシスト
マイクロ・ナノ機能
ものづくり先端技術
高分子基盤技術
光反応制御
新炭素系材料
シナジーマテリアル
超臨界流体
スマート
ストラクチャー
界面ナノアーキ
テクトニクス
研究部門
つくば
つくば
つくば
つくば
計測標準
地球科学情報
地圏資源環境
海洋資源環境
エネルギー利用
電力エネルギー
環境管理
環境調和技術
情報処理
知能システム
エレクトロニクス
光技術
生物遺伝子資源
分子細胞工学
人間福祉医工学
脳神経情報
物質プロセス
セラミックス
基礎素材
機械システム
ナノテクノロジー
計算科学
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
つくば
名古屋
名古屋
つくば
つくば
つくば
◎
◎
◎
◎
東大
◎
つくば
◎
お台場
お台場
◎
◎
お台場
◎
東京
◎
大阪
つくば
東京
お台場
つくば
つくば
お台場
つくば
つくば
名古屋
仙台
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
つくば
◎
つくば
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
◎
研究系
人間系
生活環境系
大阪
大阪
◎
◎
45
別紙5: プレ評価委員会の日程表と開催次第
別紙5:(b)プレ評価委員会の開催次第
No. 研究ユニット名
開催月日
時間
場所
臨海副都心センター,
5月15日(火) 11:30-16:00
4 階 TV 会議室
出席者数
1
サイバー
アシスト
委員 3, ユニット 5, 理事 1, 評価部 4,
企画本部 2, 技術情報 1
2
生活環境系
5月16日(水) 10:00-17:00
大阪 : 関西センター,
融合棟多目的ホール
委員 3, ユニット 7 他, 理事 1,
評価部 4, 企画本部 1, 技術情報 1
3
計算科学
5月21日(月) 10:00-15:00
つくば中央第 2,
OSL 棟 2 階大会議室
委員 3, ユニット 5, 理事 1, 評価部 4,
企画本部 2, 技術情報 2
4
地圏資源環境 5月21日(月) 10:00-15:00
つくば中央第 7,
本館 432 室
委員 4, ユニット 8, 理事 2, 評価部 4,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 2
5
海洋資源環境
6月1日(金) 10:00-15:00
つくば中央第 7,
本館 432 室
委員 4, ユニット 6, 理事 2, 評価部 4,
企画本部 3, 技術情報 1
6
フッ素系
温暖化物質
6月4日(月) 10:00-16:00
つくば中央第 5-1,
6 階会議室
委員 3, ユニット 5, 理事 1, 評価部 3
7
エレクトロ
ニクス
6月4日(月) 10:00-17:00
つくば中央第 2,
委員 3, ユニット 5 他, 理事 2,
本館 D821 室(視聴覚室) 評価部 3, 企画本部 1, 技術情報 1
8 エネルギー利用 6月4日(月) 10:00-17:00
つくばセンター西,
研究本館 2 階 2301 室
委員 3, ユニット 8, 理事 2, 評価部 3,
企画本部 1, 技術情報 1
9 生物遺伝子資源 6月5日(火) 11:45-17:00
つくば中央第 6,
第 3 本館 2 階会議室
委員 4, ユニット 20, 理事 2, 評価部 4,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
10
スマート
つくば中央第 2,
6月6日(水) 10:00-17:00
ストラクチャー
OSL 棟 2 階大会議室
委員 3, ユニット 9, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 1, 技術情報 1
11
基礎素材
12
ものづくり
先端技術
6月7日(木) 10:00-15:00
13
超臨界流体
東北センター,
委員 3, ユニット 5(他 行政 1), 理事 1,
6月7日(木) 10:00-15:30 A 棟1階会議室(A19)
評価部 3, 企画本部 1, 東北センター1,
・B 棟 2 階会議室(B53) 産学官 1, 技術情報 1
14
環境管理
15
16
17
6月7日(木) 10:00-16:10
つくばセンター東, 本館
委員 3, ユニット 6, 理事 2, 評価部 2,
2 階特別会議室 1A-2208 企画本部 1, 技術情報 1
つくばセンター西,
研究本館 2 階第 1 会議室
ライフサイクル
東京大学工学部 10 号館
6月8日(金) 10:00-12:00
アセスメント
400 号室
光反応制御
6月8日(金) 10:00-17:00
地球科学情報 6月11日(月) 10:00-15:30
18
ナノテク
ノロジー
19
化学物質
リスク管理
20
6月6日(水) 10:00-17:40 名古屋 : 中部センター
委員 3, ユニット 6, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 1, 技術情報 1
委員 3, ユニット 5, 評価部 3,
企画本部 1
つくば中央第 5, 第 2 本館 委員 3, ユニット 7, 理事 1, 評価部 3,
6 階第 3 会議室
企画本部 1, 技術情報 1
つくば中央第 7,
本館 432 室
6月11日(月) 10:00-17:00 つくば中央第 2, M304 室
6月11日(月) 11:00-17:00
委員 3, ユニット 3, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 2, 技術情報 1
つくばセンター西,
研究本館 2 階第 1 会議室
界面ナノアーキ
つくば中央第 5,
6月12日(火) 10:00-16:30
テクトニクス
第 2 本館 6 階第 2 会議室
委員 4, ユニット 3, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
委員 2, ユニット 12, 理事 2, 評価部 2,
産学官 2, 技術情報 1
委員 3, ユニット 5, 評価部 3,
企画本部 2, 技術情報 1, 産学官 1
委員 3, ユニット 4, 理事 2, 評価部 3,
企画本部 1, 技術情報 1, 産学官 1
21
環境調和技術 6月12日(火) 11:00-17:15
つくばセンター西, 研究本 委員 3, ユニット 6, 理事 2, 評価部 3,
館 2 階第 1 会議室
企画本部 1, 技術情報 1
22
物質プロセス 6月13日(水) 9:00-17:00
つくば中央第 5,
第 2 本館 6 階第 3 会議室
23
情報処理
24
人間系
6月13日(水)
10:00-15:00 つくば中央第 2, OSL 棟
(+視察 1H) 2 階大会議室 1 (203-6)
6月13日(水) 12:00-17:00
委員 4, ユニット 16, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
委員 3, ユニット 4, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 1, 産学官 1, 技術情報 1
委員 3, ユニット 6 他, 理事 1, 評価部
関西センター, 人間系特別
4, 企画本部 1, 産学官 2, 技術情報 1,
研究体 2 階会議室
関西センター2 他
46
別紙5: プレ評価委員会の日程表と開催次第
25
シナジー
マテリアル
6月14日(木) 10:00-16:30
志段味先端技術連携センタ 委員 3, ユニット 7, 理事 1, 評価部 3,
ー内 3 階会議室
企画本部 1, 技術情報 1
26
マイクロ
・ナノ機能
6月14日(木) 10:00-17:00
委員 2(他 書面審査 1), ユニット 4,
つくばセンター東, 本館
理事 1, 評価部 1, 企画本部 2, 産学官
2 階特別会議室 1A-2208
1, 技術情報 2
27
ヒューマンスト
関西センター, 産学官共同 委員 3, ユニット 3 他, 理事 1, 評価部
6月14日(木) 10:00-18:30
研究棟 2 階セミナー室
3, 企画本部 1, 産学官 2, 技術情報 1
レスシグナル
28
パワーエレクト
つくば中央第 2,
6月14日(木) 11:00-17:00
OSL 棟 1 階 106-5
ロニクス
29
30
31
32
機械システム 6月19日(火) 10:00-17:00
委員 2(他, 書面参加 1), ユニット 9,
つくばセンター東, 本館
理事 1, 評価部 3, 企画本部 1, 産学官
2 階特別会議室 1A-2208
1, 技術情報 1
ティッシュエン
臨海副都心センター,
6月19日(火) 10:30-14:30
4階会議室
ジニアリング
生命情報科学 6月20日(水)
活断層
委員 4, ユニット 6, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 1, 産学官 1, 技術情報 1
10:00-15:00 臨海副都心センター,
(+視察) 4 階 TV 会議室
つくば中央第 7,
6月20日(水) 10:00-15:30 (午前)本館 810 号室
(午後)本館 444 号室
委員 4, ユニット 8 他, 理事 2, 評価部
3, 企画本部 1, 産学官 2, 技術情報 1
委員 3, ユニット 5, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 1, 産学官 3, 技術情報 1
委員 3, ユニット 4, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 3, 産学官 1, 技術情報 1
33 電力エネルギー 6月20日(水) 10:00-17:00
つくば中央第 2,
OSL 棟 1 階 106-5
委員 3, ユニット 7, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 4, 産学官 1, 技術情報 1
34
新炭素系材料 6月20日(水) 11:00-16:00
つくば中央第 5,
第 2 本館 6 階会議室
委員 3, ユニット 5, 評価部 3,
企画本部 1, 産学官 1
35
つくば中央第 7, (午前)深部
委員 3, ユニット 12, 理事 1, 評価部 4,
深部地質環境 6月22日(金) 10:00-15:30 地質研究棟 326 号室, (午後)
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
本館 810 号会議室
つくば中央第 3,
9 号館 3 階大会議室
委員 5, ユニット 6, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1,
成果普及 1, 国際 1
つくば中央第 6-9,
2 階会議室
委員 4, ユニット 10, 理事 1, 評価部 2,
企画本部 3, 産学官 2, 技術情報 2
38 高分子基盤技術 6月22日(金) 13:40-17:30
臨海副都心センター,
4階会議室
委員 3, ユニット 9, 評価部 3,
企画本部 1, 技術情報 1
39
知能システム 6月25日(月) 10:00-17:00
つくば中央第 2,
委員 3, ユニット 6, 理事 1, 評価部 4,
本館 D822 室(視聴覚室) 企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
40
セラミックス 6月26日(火) 10:00-16:00 中部センター, 第 4 会議室
36
37
計測標準
6月22日(金) 10:00-17:00
分子細胞工学 6月22日(金) 10:00-17:00
委員 3, ユニット 14, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 1, 産学官 2, 技術情報 1
41 強相関電子技術 6月26日(火) 10:00-16:30
つくば中央第 4,
2 階第 5 会議室
42
つくば中央第 6, 生物情報 委員 3, ユニット 5(他数名), 評価部 4,
棟(6-10 棟) 2 階会議室
企画本部 2, 産学官 3, 技術情報 1
脳神経情報
6月27日(水) 10:00-16:15
委員 3, ユニット 8, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
43 人間福祉医工学 6月28日(木) 10:00-16:00
つくば中央第 6,
第 3 本館 2 階会議室
委員 3, ユニット 13, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 3, 産学官 1, 技術情報 1
44
臨海副都心センター,
4階会議室
委員 2, ユニット 4, 理事 1, 評価部 4,
企画本部 1, 産学官 2, 技術情報 1
つくば中央第 2,
OSL 棟 1 階会議室
委員 3, ユニット 9, 理事 3, 評価部 4,
企画本部 2, 産学官 3, 技術情報 2
生物情報解析 6月28日(木) 11:00-15:00
45
光技術
6月29日(金) 10:00-16:30
46
次世代半導体
47
ジーンディス
東京大学医科学研究所
7月23日(月) 10:30-12:00
カバリー
所長室
7月3日(火) 11:30-16:00 経済産業省別館 5 階 503
47
委員 3, ユニット 4, 理事 1, 評価部 3,
企画本部 2, 産学官 1, 技術情報 1
委員 1, ユニット 4, 理事 1, 評価部 4,
企画本部 1, 産学官 1, 技術情報 1
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
別紙6: 研究ユニットのプレ評価結果
1.研究の妥当性
(1)本研究ユニットにおける研究は産総研の社会的意義に鑑み妥当か?
(a)研究センター
研究
センター
委員会のコメント
(コメントなし)
深部地質
環境
地層処分を科学的に検討する研究手法を開
発・維持し、データを整備し、それを提示し、
将来に備えることは、国と国民にとって極めて
重要で、意義深いことであり、国際および国内
社会が強く望んでいることでもある。
(コメントなし)
活断層
本研究ユニットは、活断層の調査研究を基
に、地震発生危険度、被害予測を含む地震災害
に関する総合的評価の研究を行い、それらの情
報の集積と発信により知的基盤の充実と先導
的基礎研究の推進をめざしている。これらの研
究方針は、産総研の目指している「研究活動を
通じた経済的発展への貢献」・「知的基盤等の
充実への貢献」等の社会的意義に鑑み妥当であ
る。
ユニットの返事
産業技術の発展は、歴史的には産業振興に貢
献してきたと同時に、公害・環境問題の原因と
もなってきた。化学物質リスクの問題は、その
化学物質 中でも特に重要度が高く、社会的緊急性を持っ
ている。産業技術の研究を担う産総研として、
リスク管理
主体的にこの問題に取り組むことは、社会の要
請に応えるものであり、利便性とリスクについ
ての考え方を社会に提示する意味でも意義が
大きい。
オゾン層破壊、地球温暖化対策技術に関わる
代替物および環境評価法の開発は我が国のみ
フッ素系
ならず国際的にも高い政策的・社会的ニーズに
温暖化物質
対応する急務の課題である。民間ではできない
ことを目指しており、妥当である。
ライフ
サイクル
アセス
メント
委員
会の
評点
A
A
社会的責任は認識しているが、これまでの工
技院になかった研究分野、考え方なので、その
方向性の転換にどこまで、研究員の意識や研究
体制がついていけるか、難しい点もあるが、努
力したい。
A
(コメントなし)
A
意思決定支援ソフトの開発はユニークで意
手法およびツール開発はセンターで行う。普
義がある。ただし、産業界との連携と役割分担 及は、(社)産業環境管理協会等に任せること
の明確化が必要である。
が基本。外部の委員会等に積極的に参加し、デ
ータ収集を図る。役割分担は明確であると考え
る。
B
経済産業省の産総研として、本省の政策との
連係に努力している。デバイス開発というシー
ズサイドからは IT 産業との直接的関係が無い
とみなされ、ニーズサイドの省エネ、電力技術
からは速効性を問われている。21 世紀は IT 社
会のもとでの環境・エネルギー問題に対処して
持続的発展を図らねばならないことは自明で
ある。この点を世に問うために、電力技術、エ
レクトロニクス両研究部門とともに、本年 12
月にシンポジウム「IT 社会とエネルギー」(仮
題)の開催を予定している。
A
環境・エネルギー問題は 21 世紀のきわめて
重要な社会的課題であり、今後ますます重要と
なる電気エネルギーの効率的な利用の観点か
ら、本研究センターのパワーエレクトロニクス
研究は課題解決のための基盤技術開発として
パワー
エレクトロ 意義のあるテーマと考える。
ニクス
48
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
生物情報の解読のために IT 技術を活用する
バイオインフォマティクス研究の強化は世界
的課題である。特にアルゴリズム的な研究に特
化して、イニシアティブを取る試みは日本とし
ては重要である。
生命情報
科学
バイオインフォマティクスは、その産業上お
よび社会的な重要性から、国策的に危急に整備
すべき分野であり、産総研の果たすべきミッシ
ョンともきわめて良く一致している。そして当
分野の重要性は、生物学データの膨大な蓄積が
進むにつれて、ますます指数関数的に増大して
いくと認識して、我々はユニット設計をしてき
た。特に、我が国においては実験から離れた基
盤的・アルゴリズム的なバイオインフォマティ
クス研究が弱いと言われてきたため、これらの
研究に特化した研究拠点作りを目指している。
今回、評価委員の先生方に当ユニットの設計思
想を深くご理解いただき、ご評価いただけた点
を大変に誇らしく思っている。今後とも産総研
の社会的使命を意識しつつ、当分野のイニシア
ティブを取れるようなユニット運営を図りた
い。
ここで計画されている研究は、ポストゲノム
分野の一つの中核を成すテーマであり、基礎的
にも非常に重要で、産業界等への多大な貢献が
期待され、産総研の社会的意義に沿うものであ
る。
(コメントなし)
研究の内容は、先端的・先導的なもので、方
向性も適切である。医学(療)界・産業界への
ティッシュ インパクトは大きい。単なる研究を超えた社会
エンジニア 的成果が期待され、各国が最も力を入れている
分野の一つである。昨年、米国からの調査団が
リング
来たことからもわかるように、我が国のポテン
シャルは高い。
(コメントなし)
生物情報
解析
ジーン
ディスカ
バリー
A
センターとしての基本方針は、高質の基礎研
究を比較的広い分野にわたって推進する事で
あり、それから得られる新知見を産業移行する
事である。つまり、重要領域において、基礎研
究を行い開発に連結していく事である。プレ評
価では、産学との関連等を事細かく説明し作文
での整合性を行う事はしていない。批評で触れ
られている遺伝子治療、細胞医療関連プロジェ
クトに関しては、基礎研究が進むに従い当然そ
の応用を考えるものだし、動物からヒト疾病へ
の試験へと進む研究論理が当然働く。当センタ
ーは医療機関ではないので、遺伝子導入法、ベ
クター開発などの基礎研究に重点を置くが、研
究の進展に従って医科研等の先端医療機関と
の共同は当然必要になるし、その準備も怠って
ならないのは自明のことである。
私の重要な仕事の一つは、各研究者と日ごろ
B 委員:ジーンディスカバリーRC にかぎらず、
から様々な形による生産的討議を持ち、啓発を
多くのバイオテクノロジー技術開発の最終目
する事であり、研究論理が健全に働いている状
標に疾病の治療がある。産総研は病院を持た
態にする事である。
ず、一方、大学病院は、今後独立行政法人化に
伴い、ますます患者の治療に追われるであろ
う。トランスレーショナルリサーチのセンター
も設立されつつあるが、現在は規模が少ない。
今後の国家戦略として、医療技術開発のため
に、大学病院の目標の再構築が必要である。産
総研としても、開発の最終段階をどのような連
帯の下に進めるかお考えいただきたい。
A 委員: 本項目にコメントするには、大学・
研究所や企業研究所と共に、国の研究開発にお
ける産総研の役割、あるいは、産総研内におけ
るジーンディスカバリー研究センターの役割
等について明確にする必要がある。私の理解で
は、産総研の現在の基準に基づいて、機能ゲノ
ミクスの一翼を担う当センターの役割は重要
であるが、発見、発明から開発に至る研究のど
こをどのように担うのか、より明確にして行く
べきであると感じる。特に、遺伝子治療、細胞
治療など医科学分野にかかわる先端技術の開
発は、その検証がヒトの系で検証される必要が
ある。細胞レベル、モデル動物に続き、どのよ
うにヒトの系につなげるか、医科研をはじめ探
索型研究所病院との戦略的な連携を構築する
べきである。
49
A
A
B
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
ジーンディ C 委員:ほぼ妥当であるが個々の研究グループ
スカバリー の研究意義をもう少しはっきりさせるべきで
(つづき) ある。
現代社会におけるストレスや加齢の問題に
は、大きな関心が高まっているが、まだ科学的
な説明が十分なされたとは言い難い。本研究ユ
ニットの基礎科学から工学までを横断的に研
ヒューマン
究する体制により、ストレスや加齢の分子レベ
ストレス
ルでの機構解明がストレスセンサーなどの新
シグナル
産業の創出を促し、それらと人間工学との融合
が、具体的な人間生活支援技術の開発を可能に
すると考えられる。本ユニットの取り組みテー
マの社会的意義は大きい。
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
21 世紀社会の分野横断的・革新的な新科学
技術体系の創成が可能な原理探索型研究であ
る。そのため、新産業創出に寄与する技術シー
ズを発掘する期待が大きい。本研究は、社会の
ための科学技術を先導する創造的研究と我が
国の将来を担う「産業」の競争力強化を目指す
産総研のなかで1つのモデルケースとなろう。
意義に関する評価は、特に A+としたい。
ストレスや加齢の問題は社会の大きな関心
事であり、分野を超えた融合研究を実施して、
ストレスや加齢の機構解明を行い、人間生活の
高い質を確保できる技術を開発して、社会に貢
献できるよう努めていきたい。
(コメントなし)
A+
技術開発のみで終始することなく、開発した
次世代半導体研究センターは、産業として実
際に使える技術の開発において主導的役割を 技術の実用化まで、十分な目配りを図りたい。
果たすという役割を担うべきである。半導体技
術は情報化社会を支える中核技術であるが、最
近、日本の半導体技術の優位性が相対的に低下
していることを考えると、本研究センターの研
究の重要性は極めて高く、産総研の社会的意義
にも合致している。
・人間指向の情報処理環境の実現は、わが国に
とっても、世界的にも必須の課題であり、産
総研がこの分野の研究のリーダーシップを
取ることは、妥当と考える。特に社会システ
ム的な広がりに効果が期待できる。
・本研究は、デバイス、インフラ、サービスの
融合に関っており産総研の研究に相応しい。
・情報弱者の支援は、今後 10 年間の大きな問
題としてクローズアップされていくことは
間違いなく、本テーマの選択の社会的意義は
大きい。
・サイバーアシストコンソーシアムで産官学の
様々な技術・産業分野の活性化が狙える。
A
A
(コメントなし)
A
マイクロ・ナノ加工により新しい機能を発現
センターの社会的意義は評価されたと考え
する技術はナノテクノロジーの根幹であり、社 る。マイクロ・ナノ機能を解明し、それを工学
的に利用できるところまで技術開発するとい
マイクロ 会的意義は概ね妥当である。
うセンターのコンセプトとそれを具現化する
・ナノ機能
研究活動の重要性を、国内外に対して積極的に
PR してゆきたい。
B
幅広い加工分野についての検討が研究課題
加工に関連する技能の本質を明らかにし、広
範に利用可能とすることは社会的に意義深い。 の前提であり、拡がりと深さを並行して追求し
ものづくり
但し、現在実用化されつつある革新的な加工技 ていくように務める。
先端技術
術なども、次のステップとして対象として取り
上げることを期待する。
A
50
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
妥当性については、社会的意義は十分であ
る。高分子基盤技術は、あらゆる産業の発展の
ための材料技術の要である。高分子基盤技術研
究センターの理念と目標は明確である。これを
実現するように努力して欲しい。研究課題が必
ずしも絞り込まれておらず、少し総花的な感じ
を受ける。高分子の成型加工分野の研究を重視
するとのセンター長の説明に共感する。
「精密高分子技術」プロジェクトを通じて具
体的な研究課題を絞り込むことにしている。
(1) 一次構造制御技術についてはオレフィン類
の立体特異性リビング重合、極性モノマー
との共重合、固相縮合重合。
(2) 三次元構造制御技術については結晶性ポリ
マーについての三次元構造制御。
(3) 表面・界面構造制御技術についてはポリマ
ーアロイ界面構造解析。
(4) 材料形成技術では固相せん断場などの外場
による相溶化、ミクロ相分離構造の広域化
(5) 材料評価技術では固体 NMR による相溶性
評価。
をおこなう。
グローバルな研究で、今後ますます重要度を
増す課題に取り組んでおり、国のエネルギー問
題、地球環境問題の解決に責任をもつという意
味で、産業技術総合研究所(産総研)の社会的意
義によく適合している。太陽エネルギー変換研
究を総合的に展開しているところはわが国で
は産総研にしかなく、存在意義は高い。また、
本研究は様々な科学技術分野の研究者の協力
光反応制御
が必要な学際領域的課題に属し、産総研が融合
的に行うのに適した課題である。
産業技術総合研究所は産業界のニーズに応
えるのが重要な役割の一つであり、産業界との
橋渡しまで視野に入れて研究をしてほしい。従
来の特許の上にたったものでなく、既存の特許
を乗り越えた、独自の差別化技術を出して欲し
い。
本研究ユニットの存在意義と行うべき研究
に対して全面的なご理解と御賛同いただき有
り難い。期待に答えるべく独創的な研究開発を
心がけ、目的とする技術開発が産業技術として
開花するよう頑張りたい。
高分子
基盤技術
A
新炭素系材料は、産業基盤材料としてシリコ
ン、鉄以上に幅広いインパクトを社会に与える
潜在的可能性を有するとともに、環境にやさし
い次世代型材料である。産総研が研究センター
を設置して集中的に研究を推進する意義は大
きい。
(コメントなし)
本研究ユニットの目指している研究方針は、
エネルギー・環境関連機器部材への応用展開を
念頭においたシナジーマテリアルの材料化技
術を確立しようとするもので、これまでの研究
シナジー
バックグランドを活かした全体的な研究方向
マテリアル
は意欲的であり、十分に評価できる。今後、金
属、高分子等、他材料とのシナジー効果も取り
入れた、より広い視野に立った“マテリアル”
研究に展開を拡げていくことも期待される。
(コメントなし)
本研究センターにおける研究は、社会的ニー
ズから考えて、妥当であり、有意義である。
安全・無害な超臨界状態の水および二酸化炭
素を用いた超臨界流体利用技術は、環境調和型
化学技術創製のための有力な手段となり得る。
また、得られる成果は、今後の環境調和・物
超臨界流体
質循環型社会の構築のために、大きく寄与する
ものと考えられる。
環境調和社会およびエネルギー資源の有効
利用の観点から、環境負荷の軽減に必要な基盤
技術の一つの確立を目指している。
(コメントなし)
新炭素系
材料
51
A
A
B
A
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
スマート
ストラク
チャー
社会的貢献、意義については重要性が高く、 本研究の重要性について、社会的に未だ十分
大いに研究を発展させるべきである。
な認識が得られているとはいえないため、今後
もその重要性について発信していきたい。
ナノテクノロジーへの取り組みに対する産
総研全体の戦略が見えないため、センターが産
総研の中で何をどう受け持つかという位置づ
けが明確でない。ナノテクノロジーの社会的な
界面ナノ
意義は総合科学技術会議等で明らかにすべき
アーキテク
と思われるが、産総研は研究戦略をまとめてき
トニクス
ちんと提示し、その後で他の研究ユニットとの
役割分担等を明確にしたうえでこのセンター
の任務設定を行うべきである。そうでないとセ
ンターはミッションを果たせない。
産総研としてのナノテク戦略如何に関わら
ず、本センターは、我々が有する独創的なナノ
構造材料からのボトムアップナノテクノロジ
ーの確立を目指し、それを所掌分野としてい
る。自ずとそれが当センターの産総研ナノテク
戦略の枠組み内での重要な役割分担と考える。
A
-
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
計測標準
本研究ユニットは産総研の研究基盤となる
当研究部門は我が国計量標準システムの最
各種標準を担当する部署であり、社会的意義と 上位部分の整備を担う部門であり、他研究ユニ
いう点では妥当という表現以上にポジティブ ットとの比較に止まらず、研究を主たる業務と
な意味で特に重要な地位にあると考える。
する多くの独立行政法人の中でも、ミッション
及び社会的位置づけが際だって明確であると
考えています。当研究部門の事業は、産総研個
別法によっても特定されているように、経済・
社会活動の基盤として国自らが行う“計量”の
施策について、その研究業務を主体的に実施す
ることであり、このような明確なミッションを
通して、当部門が負うところの責任の重さ、社
会的意義を十分にご理解いただいたと思いま
す。
地球科学
情報
本研究ユニットは、国民が暮らす地球の表層
から深部まで、さらに国民生活に関連深い火山
や地震を研究対象としているが、それは国民の
生活の基礎となる場の知的情報を提供するこ
とであり、我国最大規模の公的研究機関とし
て、将来の産業技術の要となる知的共通基盤的
な技術課題への対応を目的とする産総研の社
会的意義に十分適合している。我が国の中枢を
担う研究機関として、より特徴的かつ強力な研
究テーマを追求することが望まれる。
地圏資源
環境
研究課題の取り上げ方は妥当である。産総研
で取組むべき、あるいは産総研でないと実施で
きない課題が適切に取り上げられている。
海洋資源
環境
周囲を海に囲まれ広大な経済水域を有する
わが国においては、資源・エネルギーをはぐく
む場としてのみ海洋を見るばかりでなく、海洋
そのもの、および海水を広義の資源対象とし、
それらを基礎研究から開発・保全までパッケー
ジで取り組む研究組織は不可欠である。このよ
うな状況のもと、独立行政法人産業技術総合研
究所の設置趣旨を考慮すれば、本研究所がわが
国におけるこのような研究を担う唯一の受け
52
地質情報が知的基盤の一環として国レベル
でも認知され、その重要度がより高まってきて
いることを受けて産総研における地質調査ミ
ッション遂行の中核たるべく研究能力のより
いっそうの向上をはかり期待に応えたい。
委員
会の
評点
A
A
(コメントなし)
A
研究ユニットへの積極的な評価として受け
止めると共に、これからも常に産総研、経済産
業省、そして国(の研究実施機関)として海洋
に関する研究とは何かを考え、研究を実施して
いきたいと考えます。テーマ絞り込みは、個々 Aの研究テーマの取捨選択に終わるのではなく、
それらテーマの目的・目標及び科学技術的・社
会的背景を再度整理し、ユニットとして一層特
色あるテーマでもって研究資源配分に反映し
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
皿といえる。しかし、1 ユニットとしては扱う て行くつもりです。
海洋資源 研究テーマが多岐にわたるため、1 ユニットと
環境
しての特色を出すためには研究テーマごとの
(つづき) 有機的な連携、さらに柱となるテーマの絞込み
が今後必要になると考えられる。
各個別テーマ間の整合性を進めるべきであ
再編1年目であり、これまでの研究の継続性
る。
をある程度許容したため現時点ではミッショ
エネルギー
ンと整合しないテーマもあるが、早急に重点化
利用
を図るつもりである。但し、萌芽的研究はミッ
ションの枠にとらわれずグループの自由裁量
を認める方針である。
電力を中心としたエネルギー技術を革新す
べく、様々な分野(いわゆる電気工学関連分野)
を取り込み、リスクの大きい長期的課題や材料
電力
エネルギー 技術まで遡って研究を実施するとの方針は、産
業総合技術研究所の設立方針に全く沿った内
容である。
環境管理
環境調和
技術
情報処理
知能
システム
B
(コメントなし)
A
発足当初であり、従来の研究組織、内容を引
きずっている部分が残っており、今後の成果、
研究ニーズの動向を見ながら、本部門の特徴を
鮮明にしていく。また、本部門の重点課題、外
部との連携課題を認識し、それぞれでの当部門
の果たすべき役割を特定していきたい。
A
エコ・マテリアルとエコ・プロセスについて
社会が持続可能な発展を続け、循環型社会が
構築されていくためには、環境産業の育成・発 は指摘された点を自覚しており、リサイクル・
展は極めて重要である。その意味で、三つの基 トータル・デザインに基づいた資源・素材の循
盤技術の選定は妥当。但し、エコ・マテリアル、 環利用技術の開発、分離膜、超臨界流体を用い
エコ・プロセスは非常に広い範囲をカバーして た特徴ある化学プロセスの開発等に重点を置
いるので、領域の絞り込み、あるいは方法論の くこと、および三つの基盤分野間の融合による
独自化による絞り込み等によって、世界的に存 革新的技術の開発に着手することにより、研究
在感を持った特徴のある研究拠点となること 部門の特徴を出していく計画である。
を目指してもらいたい。
A
環境問題への取り組みは、今後、ますます重
要になることから、本部門で研究を行うことの
意義は大きい。しかし、環境問題は広範囲であ
るので、焦点を絞り、この部門の特徴を鮮明に
すべきである。
本部門の研究は、国家の情報技術の共通基盤
の確立を目指したものであり、社会的に有意義
である。また、従来からの論文による成果発表
というスタイルだけでなく、オープンソースと
して、国内だけなく世界的なレベルでの貢献を
めざしているところに重要な意義が認められ
る。
「情報技術の基盤提供」という意義を認めて
いただいて大変ありがたい。またオープンソー
スについての評価についてご理解いただき感
謝している。産総研内部でも特に情報技術につ
いて当部門が果たすこのような役割について
理解が得られるようにさらに努力したい。
ご期待の添えるよう最大限の努力をする所
本研究ユニットは十分な社会的意義を持つ
ものと認められる。新しい研究体制を活かした 存である。社会的ニーズに答える成果をあげる
柔軟的かつ機動的な運営によって、社会に貢献 ことが部門の最大のミッションと考えている
が、また、部門のもう一つのミッションは、未
することを期待したい。
来のセンターの立ち上げのネタになるような
まだ誰も気がつかない未知の分野を発掘し、そ
れを育て上げることと考えている。後者はま
た、トップダウン的に目標の提示が困難であ
り、不適切な目標の設定は逆に、独創性の有る
研究者の創造の芽を潰すことになる。この部門
のミッションが持つ 2 つの側面に十分留意し
た運営を心がけていきたいと考えている。社会
の新しい変化に迅速に対応する必要性は重々
感じているが、実際の業務活動を速やかに行う
観点において、まだ工技院時代の規制が数多く
残っている。それらをよい方向に変える努力を
しつつ、目標を達成して行きたい。
53
A
A
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
「エレクトロニクス研究部門」で実施予定の
研究テーマは、ニーズ志向のものが多く、社会
的に有意義である。ただし、材料物理デバイス
系の研究テーマは充実しているが、電子産業や
情報産業がカバーする広汎な領域の一部に留
エレクトロ
まっている。それ以外の領域は産総研内の他の
ユニットで担っているように見受けられるが
ニクス
それらのユニットと緊密な連携をとりお互い
に補完しあって研究を行うべきである。また、
産業界との連携が必要である。特に、回路シス
テム系についてはどのように連携するかの記
述がほしい。
テーマの設定は網羅的ではなく、戦略的に重
点化しており、広汎な IT 技術の一部であると
のご指摘はその通りである。産総研全体のバラ
ンスや連携については、予算の交付と連動させ
た新たな誘導システムが必要かと考える。な
お、回路システムについてであるが、これにつ
いては外部との補完的共同研究スキームでカ
バーする方針である。実際、米国 NIST との間
で JJ 回路の設計と試作を分担しており、また
シリコンでは国内の大学との間で回路シミュ
レーションの共同研究を実施している。
B
21 世紀における光技術の重要性は指摘の通
光技術は先端性を有するとともに異なる産
業分野に応用可能であるという横断性を持つ りである。当研究部門が光技術研究の世界的な
ことを考えると、21 世紀の重要な基盤技術と 中核的研究機関となるべく今後の効果的な研
して本分野は強調しすぎることはない。光技術 究展開を図りたい。
に関する研究の実施は、革新的・基盤的技術の
涵養の一つの柱として、産総研における主要な
ミッションである新技術シーズの創出と産官
学結集による産業力強化・新産業創出に大きく
貢献することは可能である。この研究部門が光
技術研究の中核的研究機関となることを期待
する。
A
ポリシーステートメント、研究計画等は中期
バイオテクノロジーの分野の中で微生物研
究は我が国の得意分野であり、世界の第一線に 計画期間を意識して作成したため、長期的展望
あることを考えると、強い部分をより強くし、 に欠けた点は反省すべき点があると考えてい
産業基盤を固める意識が高い。生物遺伝子資源 る。特に組換え生物の安全性に関する研究や
生物遺伝子 の探索、データベース化(これは大学、民間で BRC との長期的な関係について方針を確立す
は難しい)、機能解析、利用に焦点を当て、バ る必要があると認識している。
資源
イオテクノロジーを先導・提言し、基礎研究と
応用研究の接近を強く意識して研究を推進す
る点で、社会的意義に鑑み妥当である。しかし、
産総研の立場として見た場合、長期的展望が少
し物足りない。
A
光技術
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
産業技術の基盤となる創造性の高い研究を
推進しようとしている点が評価できる。いずれ
のプロジェクトも応用面を考慮している点で
社会的意義を認める。今後、更に、知的基盤の
充実や、新産業ニーズに対応する革新技術への
挑戦など民間では出来ない研究開発を強化す
べきである。
生命機能の理解・発見・利用を意識した上で、
技術シーズ創出および革新技術開発に軸足を
置くことを部門の基本的考え方とする。民間で
出来ない研究開発としてバイオテクノロジー
B
の安全性(いわゆるバイオセーフティー)に対
応する問題などがあり、現在産総研全体として
検討が行われている。当部門としてもこれに積
極的に協力する。
本研究ユニットの研究分野は社会的に絶対必 高い期待に応えるべく、より大きなスケール
要な分野である。高齢化社会 21 世紀の主要な での研究フォーメーションを模索していきた
技術分野であり、産総研の中でこの分野が拡充 い。
されることを期待する。
研究成果の産業育成へのもって行き方が示さ
れていないので、それを明示することを望む。
A
21 世紀は生命科学の時代とも言われ、安心
で豊かな人間生活社会の形成が求められてお
ります。特に脳神経情報分野の研究は、今後急
速に進展することが想定され、産総研として医
療福祉産業や情報工学産業の発展に欠くこと
のできない研究開発分野であるという認識の
意を強く致しました。
A
過去の国際的貢献を考えて、脳神経情報研究
の社会的意義は今後益々増大し、産総研の主要
テーマとなることが予想される。脳機能の理解
脳神経情報 は、人間生活の発展に欠くことのできない重要
課題である。
54
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
物質
プロセス
セラミッ
クス
「産業競争力強化及び新産業創出さらには
持続可能性社会の実現に資することを目的と
した新物質・材料の創製、新反応プロセスの開
発」という当該部門のミッションは、産総研の
社会的意義に鑑み概ね妥当である。次いで、ポ
リシーステートメントの内容については、具体
的な寄与の仕方を述べようとしているが、さら
にはエネルギー問題、環境問題、食料問題、高
度情報社会といった今日的なキーワードに対
し、どう考え、どう寄与したいかについても明
記すべきであった。我が国の 21 世紀の将来像
に関わるもう少しスケールの大きな研究の前
提があっても良かったのではないか?
現実的には、当該部門のミッションについ
て、ユニット内の研究者が個々充分な自覚と認
識をもつように指導することが重要である。当
該部門は、産総研の中でも比較的基礎・基盤志
向的な研究を担う部門と考えていることから、
研究の重心もまたそこに設えるべきである。ま
た、個々の課題については出口イメージをもた
せることが必要である。新物質・材料の創製、
新反応プロセスの開発が目的であるとするな
ら、始めから研究者の評価は論文や口頭発表な
どの数ということより、研究成果が新技術に繋
がるかどうか? 技術移転できるかどうか?
といった可能性から自己評価すべきである。
A
有難うございます。セラミックス研究分野で
セラミックス研究は産総研の社会的意義に
鑑み妥当である。ややもすると注意を払わなか は機能性材料分野、特に電気・電子機能性材料
ったセラミックスの製造における環境面への 系の分野に注目して、拡充に努めたいと考えて
影響を考慮した方法を採用し、かつ環境保全に 居ります。
対応する材料開発を対象としており、今後の産
業界へのインパクトは大きい。敢えて言えば、
セラミックス産業の大きな部分を占める電子
材料関連研究を強化して欲しい。
A
基礎素材全領域を現存する研究者でカバー
することはどだい無理。従って、現状では部門
内の分野間のバランスは無理には取っていな
い。無理にバランスを取ってこじんまりとする
よりも、抜けているところを外部との連携でカ
バーする事も戦略の一つと考え運営する事と
している。また、現在の組織は、ニーズ指向型
研究グループが6割強を占めるが、現状の運営
費交付金の配分が続くならばこの傾向はより
強くならざるを得ない。しかし、ニーズ志向型
研究の中から有望なシーズが出てくる場合や、
逆にシーズ指向の研究から商品化に直結する
成果が出ることもあり、そのような場合には、
可能な限り臨機応変に対応していきたい。
B
ご指摘の点は、産業界全体を熟知し、またグ
ローバルな視点から経済産業動向分析しつつ、
作り上げてゆくような国の産業政策課題作り
と大きく関与するものと考える。今まさに、デ
ジタルマイスタープログラムが始まろうとし
ているところであり、これを成功させることこ
そが、我が国の製造技術再生のために最も重要
なものと捉えている。製造技術分野の活性化の
B
環境と安全を重視した基礎素材研究は社会
ニーズに応えている。しかしニーズ対応型研究
とシーズ育成型研究のバランス、及び基礎素材
研究の分野間のバランスが十分に検討された
とは言えず、将来的に問題が残る。
基礎素材
機械
システム
成果の評価は、論文や口頭発表の数ではな
く、新技術に繋がるかどうかで行うべきとの評
は、その通りです。元々、この姿勢で評価を行
うつもりでおります。ただ、新技術の開発・移
転過程で、それらをどのように発信し認めさ
せ、広め普及させるかということが問題となり
ます。この点で、誌上及び口頭での発表は大切
と考えています。
環境調和型製造技術、信頼性工学は、社会的
要請である安心・安全、持続的循環型社会に必
須の研究課題であるし、マイクロ・ナノ・ファ
ブリケーションは次世代製造技術として期待
されている研究課題であるから、社会的意義に
鑑み妥当である。製造技術分野が直面している
のは生産構造の欠陥であり、国際競争力の低下
であると考えられる。そして、その欠陥ならび
55
別紙6:プレ評価結果 1. (1) 社会的意義
に低下要因を救うための技術に焦点を充てる
べきかと思われるが、その観点から見ると別の
機械
システム 重点課題があっても良い。
(つづき)
ためには、日本の製造技術の強みをさらに強化
するような技術開発が必要不可欠であるが、ど
のようなシナリオで将来像を描くべきか、国内
外の有識者と連携し、重点課題を洗い出してゆ
きたい。
ナノテクノロジーは、IT、バイオ、環境の諸
問題解決のための基盤技術であり、社会的意義
は直接的というより間接的につながっている。
ナノ材料、ナノデバイスなど本研究ユニットが
対象とする研究は将来の産業を担う重要な要
素であるという観点から、“概ね妥当”と判断
した。特に、有機材料に係わるナノテクノロジ
ーは産業界からの期待も大きい。研究の社会的
意義は高いが、社会とのつながりを示す図を作
成するべきである。研究ユニット内の物理・化
学・電子工学・バイオなどの研究が有機的に機
能すれば、予想を超えた成果も期待できる。
ナノテクノロジーに関しては現状では期待
感が先行して、実態が見えにくいのが、当部門
に限らず全体的な傾向である。産総研として、
社会との関わりはとりわけ重要性が高い。これ
を示すのは、評価意見にあるように「図」を一
般論として作成することではなく、部門として
の社会的な貢献を具体例を積み重ねることで
例証することが不可欠であると考える。具体例
は、実際に多分野の融合を含むという意味で、
最後の指摘にも応えるものとなる。
ナノテク
ノロジー
計算科学
・本部門の計画には、産業の基盤となる重要な ・産総研の前身である、工業技術院の8つの研
究所からの研究者が本研究部門を構成して
技術テーマが原子スケールからナノスケー
ル、連続体まで、連続的に配置されている。 いる。そのことが、本研究部門の守備範囲の
広さにつながっている。
・計算科学は、それ自体、次代の産業基盤にと
って重要であると共に、産総研内での他の研 ・本研究部門の活動が、 産総研全体の研究活
動に貢献できるようにという視点は常に持
究グループの研究・開発の進展にも寄与する
ち続けたい。
ことができる。
B
A
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
人間系
タンパク、細胞、ニューロと生物素材を階層
的に捉え、かつ材料関連を 3 ユニット加えてい
る体制に、並々ならぬ意欲を感じる。特に、研
究における産官学の連携を図ることを課題と
してとらえていることは、現代のバイオテクノ
ロジーにおいては極めて重要なポイントだと
考える。
生活環境系
環境とエネルギーに関するリスクの高い研
究を生活者に近い視点から実施することは、知
識・技術の社会還元に直結する有用な方法であ
り、産総研の他の研究組織での研究と相互に補
完する効果が期待される。
56
委員
会の
評点
(コメントなし)
A
生活密着型のエネルギー技術や生活周辺の
環境問題を具体的研究ターゲットとしつつ、分
野融合や産学官連携を基軸として産業競争力
強化、新産業創出に資することを目指していま
す。
A
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
1.研究の妥当性
(2)中期計画に照らしポリシーステートメントは適切な内容であるか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
中期計画の具体的内容については、特に委託
科学的見地から検討し、学術的立場からデー
タを整備するというポリシーは全く適切であ 研究についての実施契約にむけて、現在、委託
り、これが公平・中立に行われることは、強く 元と最終協議中であり、この中でより具体化を
望まれることである。従来から蓄積されてきた 進めている。
地球科学というサイエンスを、応用に向けて転
換する方向性を高く評価したい。ただし、中期
計画において、どの程度の期間内で、何をどこ
まで行うかについての、具体的計画がもう少し
ほしい。
A
当センターのポリシーステートメントは、産
総研の中期目標・中期計画をより発展させ、政
府の地震調査研究推進本部の総合基本施策を
反映している。
A
(コメントなし)
現時点では、ほぼ妥当と考えられる。OECD
国際的な活動の不足(力量不足)を痛感して
化学物質
や NEDO などに加えて、さらに国内外の研究 いる。研究内容を熟知している外交官的な人を
リスク管理
機関との協力関係を進めるべきであろう。
採用できないか、検討中である。
信頼性の高い環境影響評価の指標を作るこ
とに重点が置かれており、中期計画に示され
た、目標達成のための措置などに照らし合わ
フッ素系
せ、適切に絞り込まれた内容である。「全く新
温暖化物質 規な代替化合物」について分子設計、合成法ま
で 4 年間で行えるか、その実現可能性に懸念が
あるが、ステートメントとして唱うことはよし
とする。
ライフ
サイクルア
セスメント
中期計画との関係を明確にすべきである。
B
(コメントなし)
A
ポリシーステートメントは、センター内の職
員等に対する評価方法を中心としたセンター長
B
としての意志表明と考えていた。中期計画との
関係で述べることが必要であれば、書き換える。
中期計画の詳細は未定な部分もある。「産総
研の支援がどれだけ得られるか、外部資金をど
れだけ獲得できるか、次期プロジェクトをいか
にたてるか、またそれはどの様な形態であるべ
きか」など、これからの努力に負うところが大
であるためである。研究背景と国内外の研究水
準、独立法人としての役割については、現在と
りまとめているプロジェクトのプレ最終評価
に詳細する。要約は提出したセンター評価資料
のパワーエレ研究センター紹介記事に述べた。
ポリシーステートメントに盛り込んで行く。
A
研究のグローバルな流れと既存拠点を視野
ポリシーステートメントでは、当分野の世界
に入れ、かつ研究の流動性も考えられているの 的動向を分析し、バイオインフォマティクスの
で、適切にポリシーが設定されている。
専門研究機関の設立という点では日本が欧米
に 10 年遅れたことを述べた。しかし一方、その
10 年に大学や国研等に小規模な分散拠点が既
にできている点にも注目し、既存の施設と重な
A
中期計画そのものが詳細ではないため、その
範囲においては適切と考える。しかしながら、
ポリシーステートメントには本分野の研究背
景と国内外の研究水準、また産でも学でもない
パワー
立場である独立行政法人として行う理由を明
エレクトロ 記した方がより良いと考える。
ニクス
生命情報
科学
委員
会の
評点
57
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
らない全く独自の拠点の機能と、求められる貢
献とは何かを論じた。ポリシーステートメント
の準備には、当ユニットとしてもたいへんに力
を注いだので、その内容を高くご評価いただけ
たことは大変にありがたい。またポリシーステ
ートメントでは、当分野の速い流れに鑑み、中
期計画を遵守しつつも、目標設定を常に細かく
再点検する必要性も述べている。これが委員の
先生方が述べられた研究の流動性への考慮と
いう観点である。委員にご評価頂けたこれらの
諸点を、今後とも忠実に実行することを心がけ
たい。
生命情報
科学
(つづき)
生物情報
解析
ポリシーステートメントの各項目は中期計
画の内容に沿った適切なものであると判断さ
れる。
A
(コメントなし)
A
再生医工学に関連する分子生物学、遺伝子科
本分野における研究動向・研究体制等につい
て包括的に課題を掘り起こしながら明らかに 学の役割を重視しつつも、再生組織臓器の臨床
ティッシュ
し、国家的戦略についても触れており優れてい 応用、産業化技術の開発が当センターの目標で
エンジニア
る。ただ、総花的傾向があり、TERC の技術戦 ある。
リング
略については少し散漫である。出口として狙う
のは特許なのか、ベンチャー企業化なのか?
B
このセンターが寄せ集め的観のある事を私
自身十二分に承知している。何度も述べるが、
このセンターの成立過程から言って、仕方のな
い結果なのだ。この点に関して、産総研から前
もって評価者には何の説明もされていないし、
従って、評価者がどうしてこのセンターは一見
バラバラの研究グループから構成に関して理
解できないのは当然である。私にその説明を要
求されても、センターの命名からして答え様が
無いし、この間の経緯を、産総研改組時の事情
として、評価者に別途説明書を送るべきではな
いかと考える。
評価者が、センターにある特定研究分野、あ
るいは蛋白、ゲノム構造決定などある技術応用
等を中心としたトップダウン的研究プロジェ
クトを期待するのは、これまで多く設置されて
きたセンターの例から常識的なものであり、
又、産総研の中でも単純明快なプロジェクトを
掲げ、表面上はまとまっているようなセンター
の存在から判断して当然である。研究分野が、
このセンターほど広範囲に亙っているもので
は、ポストゲノム時代にしては野暮ったいが
“ジーンディスカバリー研究センター”と命名
する他無かったのであろう。
グループ間の相互関連に関する批評もこれ
に関連するが、生命科学を研究対象とするもの
の集合であり、共通することは多く、各グルー
プ間でアッセイ系提供、その他の協力が出てく
るのは、当然の事である。例えば、エイジング
グループでは既にリボザイムアプローチにも
取り組んでいるし、又ネットワークグループの
構造生物学研究者との共同もセットアップし
ている。こういった細細した事は、センター方
針などに述べるべき事ではないし、又、今回の
短い説明時間でのプレ評価フォーマットでは、
B
A 委員: 生命の機能研究の広領域をカバーす
る課題を標榜しているが、各チームの相互関連
が必ずしも明確ではない。ジーンディスカバリ
ーと遺伝子機能ネットワークチームの関係は
明瞭である。セルレギュレーションとエイジン
グコントロールチームは広域の課題を掲げて
いるが、これ自体は膨大な分野である。本研究
グループは、独自の生物機能を細胞、個体レベ
ルで解明することを目指しているが、前2チー
ムとのつながりについては、例えばアッセイ系
を提供するのかなど、あまり明確ではない。
B 委員:(コメントなし)
ジーン
ディスカ
C 委員:概ね適切である。
バリー
58
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
カバーし切れるものでは無かった。この点に関
して、評価者から何も質問は出てこなかった。
見方を変えれば、センター内で、分野が少し
違い直接の共同研究は無くても、研究論理に関
して異なった視点から互いに啓発しあえる事
であり、視野の違った優秀な人達がある一定存
在する事は、むしろプラスであるともいえる。
要は、センター内にこういう人達が、グループ
の壁を越して自由に語り合えるフォーラムが
あり、いつでも話が出来る環境と雰囲気が作れ
るか、という点である。これに関しては、既に
手ごたえのある活動をスタートさせているが、
グループ間相互関連の必要性は、十分理解して
いるところであり、センターの重点分野を整備
していく中でさらに強化して行く。
ジーン
ディスカ
バリー
(つづき)
ストレスや加齢の機構解明には、細胞内での
中期計画に記された目的を達成するため、細
ヒューマン 胞から個体(人間)レベルまで体系的な研究が 応答メカニズム解明から個体レベルでの応答
ストレスシ 組まれており、多岐にわたる分野の研究者集団 解明までの幅広い研究分野の融合が不可欠。
グナル
の融合と創造性の発揮による研究活動を行う
ことが述べられている。
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
ポリシーステートメントは適切である。高度
情報化社会のニーズに対応する次世代デバイ
ス技術などの共通基盤技術の開発および萌芽
的な研究課題の発掘、発信を行う中期計画に照
らして、本研究ユニットは、強相関電子の持つ、
広範な可能性に賭けた原理探求型研究と新科
学技術分野を創成する課題を設定している。明
確且つ大きな挑戦を含みつつ実現可能なサブ
テーマが数多い。
A
(コメントなし)
A
期待に応えるべく、従来の国研の殻をうち破
3 年以内に世界のトップスリーとなることを
宣言し、そのためにフラットなセンター内組織 るようなマネージメントと研究開発を推進し
を形成し能力主義の採用によりプロフェッシ たい。
ョナルな研究者集団を育成するという明確な
意思表示を行っている点は多いに評価できる。
研究内容には、50-70 nm 技術世代の半導体技
術開発の鍵となる重要技術が織り込まれてお
り、適切な内容であると判断する。
A
・誰でも安心して高度情報環境を享受できる社 ・センターの合言葉は「社会を変えること」で
あるとメンバーには説明している。我々の持
会を目指す研究の方向性は適切。
つ技術を研究だけにとどめておくのではな
・研究員が研究しやすいようにとの配慮を中心
く、新しい社会の設計に役立てたい。研究し
に書かれたように感じられる。センターの研
やすいための配慮はそのための手段であっ
究の責任者が何を最大の狙いとしているか
て、目標ではない。しかしながら、後の方で
は、明らかでない。
も指摘されているように、かなりアンビシャ
・ポリシーステートメントの書式が大変分かり
スな目標設定なので、研究者支援はセンター
にくかった。工夫が必要。
としては最大の関心事の一つである。
・ポリシーステートメントの「書式」に関して
は我々の問題ではないと理解して良いか?
B
研究センターのコンセプトを実現するため
の方法として、産学官の英知を結集して、短期
間に最大限の成果を出せるようなプロジェク
トを推進するストラテジーを検討している。そ
の中で、ポリシーステートメントには、大きな
目標に向けて必要となる課題から、外部協力者
により遂行される方が効果的と考えられる課
C
重点項目を通じて、これらの基本的な方向に
至る道程がポリシーステートメントには必要
である。3つの具体的目標(研究テーマ)を立
マイクロ
てているが、実効の上がる連携が取れるように
・ナノ機能
具体的な目標を立てる必要がある。
59
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
題を除外して、センター自身で集中的に研究開
発する課題を記述した。センターとしては、自
身に課した要素課題の解決と、全体目標の推進
を図ることが責務と考えている。ポリシーステ
ートメントにおいては、自身の研究課題のみに
ついて個別目標を記述したため、各課題の連携
を含む全体像が見えにくくなっており、今後、
研究センターの目指すコンセプトの全体像を
含めたより大きな視点からの記述を加える方
向で調整し、国内外への説明・宣伝を強化して
いきたいと考えている。
マイクロ
・ナノ機能
(つづき)
ご指摘の点はセンターの中心課題であり、ポ
速効波及型研究を実施するという立場から
は、このステートメントは適切である。ただし、 リシーステートメントの長さの問題はあるが、
ものづくり 「技能の解明」および「技能の再生産」に関す 常に、具体的で分かり易い表現を心がける。
先端技術 る基礎的研究が今後のものづくり意欲創出の
ベースとなるであろうから、この方面の研究に
も十分留意されたい。
B
ポリシーステートメントの内容は適切であ
研究の社会に貢献する大目標と具体的なセ
るが、文章が分かりづらく、適切でなく、修正 ンターの方針が混同しており、以下の4点を基
をおこなうべき。
本として訂正することにしたい。
(1) 産学官共同研究の中核的役割をはたす。
(2) 高分子の高度な構造制御により材料の高性
能化、高機能化をはかる基盤技術を構築す
る。
(3) 合成から成形加工(特に後者を重視して)
に至る横断的技術として体系化する。
(4) 産学官、国の内外に開かれたセンターとす
る。
B
高分子
基盤技術
[理念目的]、[研究の方向性と特徴]につ
いては、概ね適切である。光反応機構チームと
太陽光エネルギー変換チーム、レーザー精密プ
ロセスチームの間は融合発展させていくこと
が可能だが、レーザー反応制御チームは他のチ
ームとの間にブリッジをかけるのが難しいよ
うに見える。当研究センターの研究課題はみな
目標達成が容易でない。評価の基準は、課題ご
とに同じでない。計画と評価基準をどのように
光反応制御
するか議論するべき。研究成果は数よりむしろ
質が問われるべきである。論文より特許出願を
重視した方がよいとの意見と、論文、特許とも
に重視すべきとの意見があった。国際競争力の
ある優れた技術に関しては、積極的に外国出願
をすべきである。独自の技術を開発し特許をと
ることが産総研の存在意義の一つではなかろ
うか。成果を出すためには、課題の集中が大事
と考える。
新炭素系
材料
ポリシーステートメントの内容は、基礎研究
としてのナノスペースの新科学の構築と目的
基礎研究としての機能材料化技術およびデバ
イス応用技術の開発という二つの方向性を明
確に志向している。種々の物質創製技術、特性
制御技術、応用化技術、評価技術などが不可欠
であるが、これらが十分考慮されたポリシース
テートメントである。
60
各チーム員が共通のミッションに向け有効
な連携をするように心がけている。ご指摘のレ
ーザー反応制御チームの他との連携について
は、レーザーを扱うチームが三つあることを考
えれば連携は十分可能。例えば、レーザー分光
を得意とする光反応機構チームとの間で極短
パルスレーザー利用の観点から既に連携が検
討されている。本センターの研究課題はどれも
チャレンジングなものばかりである。研究の質
を重点にして評価を行う方向。課題の集中につ
いては、現在の各課題の担当者は平均8名であ
り、この体制で十分やっていけると思う。当面
課題の集中は行わない。成果は特許と論文で発
信する。外国特許出願に対しては、出願費用が
充分に手当されるかが問題。
B
(コメントなし)
A
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
高次構造制御による複機能の発現を目指し
たねらいは十分に評価できる。新しい材料創製
シナジー
方法として共生効果(シナジー)をねらった方
マテリアル
向以外とともに個々の機能の性能向上を念頭
に置いた研究も必要である。
(コメントなし)
超臨界水・二酸化炭素を反応場とした有機合
成反応が研究対象とされており、環境負荷の少
超臨界流体
ない新化学合成プロセス技術の確立を目標と
した中期計画に照らして、適切な内容である。
(コメントなし)
B
A
立ち上げ間もないこともあり、研究計画の内
内容としては適切である。ただし、民間等に
呼びかけるなど、我が国の最先端の研究の場と 容について不十分なことがあるのはご指摘の
して情報発信を行うことを意識して、外部との とおりであり、これから修正を加えていきた
い。また、産業への応用は重要な部分であるの
協力体制強化が必要である。
で、ニーズに応じた研究を遂行していきたい。
A
産総研全体の戦略が明確でない以上、中期計
ポリシーステートメントの定義、解釈そのも
画とポリシーステートメントの関係を議論す のが企画本部、研究関連部門などで混乱し、不
るのはあまり意味がないと考える。
明確である。ユニット長が企画本部から依頼さ
れたポリシーステートメントの内容は、研究の
界面ナノ
方向性、マネージメントの方向性、評価軸とし
アーキテク
て重要視するもの、成果の普及に対する方向性
などを盛り込んだ、ある意味でユニット長の自
トニクス
由に任された運営方針の提言であり、必ずし
も、中期計画に照らして厳密に表現されたもの
ではない。この設問自身が誤解を招く恐れ有
り。
-
スマート
ストラク
チャー
(b)研究部門
研究部門
計測標準
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
各項目そのものは細かく上げられておりそ
れぞれ妥当であるが、それらの間のプライオリ
ティあるいはウェート付けを示すべきである。
一方で表現が細かすぎる傾向があり、キャッチ
フレーズ的に一言で強い印象を与える言葉を
用いるなどの特徴を出す工夫がほしい。また、
2010 年といった長期的整備目標の視点を踏ま
えつつも、第一期における達成目標を明示すべ
きである。計量標準と法定計量の重視は理解で
きるがこれらを強調しすぎるきらいがある。産
総研の他研究部門との橋渡しとなる共通基盤
的計測分析といった、計量標準を囲む領域の広
がりが感じられるように記述すべきである。な
お、計量標準においても物理標準に比べ標準物
質に対する記述が不十分である。
(ポリシーステートメントにおいて)「第1
期における達成目標を明示すべきである。」と
ありますが、達成目標は経済産業省から与えら
れた「第1期中期目標」に数値を伴って明示さ
れております(配布資料をご参照願います)。
さらにそれをブレークダウンした達成計画は、
「第 1 期中期計画」に詳細な数値とともに明示
してあります(同じく配布資料をご参照願いま
す)。ポリシーステートメントには、これらの
目標と計画を達成するために当部門が、どのよ
うな運営方法をとるかを記述いたしました。
「計量標準と法定計量の重視は理解できる
がこれらを強調しすぎるきらいがある。」とあ
りますが、従来の工業技術院時代における国立
標準研のあり方に対する日本の産業界からの
痛烈な批判を踏まえ、まず国立標準研の職員が
意識を変える必要があるとの考えから、あえて
この点を強調しております。世界の中で日本の
標準が極端に貧弱であることを考えると、短期
的にはまず産業界が必要とする標準を開発・供
給することに全力を傾注し、しかる後余裕が出
たところで中期的な課題として「広がりのある
共通基盤的計測分析」技術を本格的に手がける
べきと考えます。当部門が標準の開発・供給に
B
61
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
全力を傾注するためには、職員が安心してそれ
に専念できる環境を整える必要があります。そ
のためにポリシーステートメントでは職員評
価の指標が従来とは変わり、標準の開発と供給
が最大限評価されるようになったことを、明示
的かつ具体的に記述しております。
今回の「ポリシーステートメント」は、経済
産業省との契約文書(すなわち中期目標・中期
計画)に対して、その実現に向けて基本方針を
提示する「従属的・説明的」文書であると理解
しています。プレゼンテーションでは、中期計
画について十分な説明時間がとれなかったこ
ともあり、中期計画内に含まれる6つの項目
(①国家計量標準の開発・維持・供給、②特定
計量器の基準適合性評価、③次世代計量標準の
開発、④国際計量システムの構築、⑤計量の教
習と人材の育成、⑥計測・分析技術)について、
上記したところの国立標準研の置かれた環境、
それを踏まえた達成目標の設定や項目相互の
関係整理について説明が不十分であったと考
えます。中期計画に掲げた項目は、計量標準の
整備を一体的な事業として展開する当部門に
とりいずれも重要であり、あえて一般の事業活
動に例えれば、(製品の開発と販売:①国家計
量標準の開発・維持・供給、②特定計量器の基
準適合性評価)、(製品の品質保証:④国際計量
システムの構築)、(新規製品研究:③次世代計
量標準の開発)、(新分野への展開:⑥計測・分
析技術)、(宣伝・広報活動:⑤計量の教習と人
材の育成) と類型できるかと思います。着実な
事業展開を進めるには、時代の要請に即応した
6項目の適切なバランスが重要であると認識
しています。今回のご意見を踏まえて、“どの
ような組織運営で6項目のバランスをとって
いくのか”という視点をポリシーステートメン
トに組み込みたいと考えます。また、産業界へ
横断的に貢献する共通基盤的計測技術(ナノ計
測等)や、新分野(バイオ等)の計量標準整備
については、他研究ユニットの主体的な関与が
不可欠であり、“他研究ユニットとの柔軟な連
携”についても検討します。
標準物質については、種類が膨大であるため
研究機関ごとの位置づけを考慮しつつ、他機関
との業務分担が不可欠と認識しています。この
ため、関係機関と鋭意調整を進めつつあり、次
の機会には分担の考え方と方針を説明できる
ものと考えます。
計測標準
(つづき)
地球科学
情報
社会が何を求めているかの検討が不十分な
ため、ポリシーステートメントは通り一遍で一
般的な記述になっており、当研究部門の哲学が
見え難い。部門としての特性を、明快に、強く
打ち出すべきである。研究グループは細分化さ
れているが、それらの必要性が明確に示されて
おらず、その編成については将来見直しの余地
がある。成果評価の内容についても明快さが欠
けている。
62
第1期のグループ編成は、移行期の混乱によ
る研究活動の低下を最小限にするため職員の
処遇を考慮してあえて現実的に対応したもの
である。しかし内容的には、ステートメントに
記述したつもりであるが、地質学、地球物理、
地球化学の基盤的な基礎研究分野、地震・火山
などの社会的要請の強い分野、地質情報の高度
化などに重点化を図っている。そもそも複雑な
地質現象を対象にするので、従来からグループ
や研究分野等をこえた連係を図っており、研究
グループの細分はそれほど拘泥する必要はな
B
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
いと思料する。また、単に過去を継承するだけ
でなく、19 グループの内、新規に編成したも
の8、再編成したもの6であり、研究者の意向
を反映して研究体制の強化を図っているつも
りである。成果の評価についても、とくに地質
図幅等については産総研のなかでも、もっとも
明確な数値目標を提示しているユニットであ
ると自負している。将来(特に第2期以降)に
ついては、本ユニットだけでなく関連ユニット
も含めて抜本的な見直しを第1期中に検討す
べきであると考えている。
地球科学
情報
(つづき)
中期計画上の戦略が反映されておらず、ポリ
シーの内容が明確でない。「産業技術の戦略に
関する政策立案に貢献」・「政策立案に技術的
側面から貢献」に関して、各分野における我が
国の研究戦略の企画・立案に資することを主目
的とした調査・研究や活動の計画が具体的に見
えないなど、独法化によって何をどのように変
え、それをどのように実現していくかの具体的
な方法が明らかにされていない。
産総研として発足したばかりであり、考察が
不十分な点があり、また研究グループの意識も
まちまちな点は否めない。いまのところ総体的
に政策立案に貢献するとしか言えないが、徐々
に研究と政策立案の関係付けを明確にしてい
きたい。
「理解・利用・保護」の3キーワードをもと
に海の研究を推進する方向性は他の研究機関
と区別される極めてユニークなポリシーステ
ートメントと考えられる。しかし、1. (1) (p. 52)
で述べたように、1 ユニットとしては扱う研究
テーマが多岐にわたるため、個々の研究テーマ
の位置づけがやや不明瞭になるきらいがある。
ポリシーステートメントは、委員会でも説明
したように、部門長による部門構成員に向かっ
ての運営方針です。研究部門の特徴であるボト
ムアップにリーダーシップがどう応えるかを
構成員に説明したものです。また、本ステート
メントは発足に当たってのメッセージであり、
その方向性とボトムアップによる研究の根源
がよりよく共鳴してテーマの再配置へと続く
中で、ステートメント自身を進化させる考えで
す。
B
社会・産業界に役立つ技術、製品、データベ
産業界および社会への産総研としての特徴
を打ち出してもいい。エネルギー利用の環境対 ース等を最大の目的としている(中期計画の中
策をどう考えているのか、産総研のポリシーを では定量的表現が困難なため明確に記述して
いないが)。エネルギーと環境は表裏一体の関
明確に出してほしい。
エネルギー
係であり、短期ビジョンに基づく研究課題は
「CO2 削減」を目的とするものであり、総合エ
利用
ネルギー効率向上のための分散型エネルギー
システム技術の一部とクリーンエネルギーに
よるエネルギーセキュリティ確保を含む現実
的な研究課題の設定であると考えている。
B
エネルギー分野全体に対する位置づけや主
要課題は、評価委員会説明資料にも記述してい
るが、さらに HP 等を活用して外部に向けても
明確に発信していく方針である。電気、燃料、
熱などのエネルギー供給・利用を総合的に考え
る必要性から、エネルギー関係の研究ユニット
との密接な連携が当然不可欠であり、技術シー
ズとしてのエレクトロニクス、物質材料、情報
分野などとの連携もより一層推進していく。
B
地圏資源
環境
海洋資源
環境
ポリシーステートメントでは中期計画をダ
イナミックに捕らえ、活力を感じる部門の研究
方針が示されている。ただ、産総研の他の部門
電力
との連携といった、電力エネルギーに関する課
題全体の中における当研究部門の位置づけを
エネルギー
もう少し明確にしてもらいたい。
環境管理
環境調和
技術
適切である。
(コメントなし)
部門内の理解を得る努力をするとともに、確
中期計画書は、環境調和技術部門に関しては
非常に簡略化されており、これを参照しての評 固とした姿勢で実行していきたい。
価は困難。この点を別にすれば、ポリシーステ
ートメントは適切であり、良く書けている。
63
C
A
A
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
情報処理
「1.(1) 社会的意義」(p. 53) と中期計画が一
適切な内容である。とくに、オープンソフト
ウェアによる産業界への働きかけやグローバ 致している、という意味で評価を頂いたと思
ルコンピューティングに関する国際的な連携 う。特に海外部門の設置については今年度はフ
は、重要な戦略と評価できる。「海外部門の設 ィージビリティー調査を行い、イメージを固め
置」については、非常に重要であると考えるが、 ていきたいと考えている。
具体的な内容が不明であり、明らかにしてもら
いたい。
A
部門のミッションは、知能システム技術とい
う枠組みの中で、21 世紀の社会ニーズに答え
得る研究開発を実施し産業を創造する芽を作
ることである。その活動において、いち早く世
界の動向を捉え、トップダウン的に研究の重点
課題を設定し、その方向で部門研究者に努力を
要請することも一つの理想である。しかし、ブ
ームとなっている IT 技術においても、インタ
ーネット周辺の技術以外にビジネスになって
いないのが現実であり、ロボット技術を含む知
能化技術全般において、真に産業のネタになる
有用なシーズとニーズはなにかを模索してい
るのが世界の現状である。
外国の進んだ技術をキャッチアップする時
代においては、手がけるテーマの重点化も容易
であったが、世界の先端を走る日本の状況にお
いては、研究者の独創性を尊重し活躍する土俵
を研究者に与え、その成果の内の見込みのある
ものを管理者側が抽出し、重点化していく方法
が現実的と考えている。部門としての目標の提
示が、あえて幾分あいまいな表現になっている
のはこうした方針からである。
こうした運営において、最初は小さな問題解
決になるとしても、それを特に社会的な観点か
らの大きな目標で位置づけて展開するように
研究者を指導する努力は鋭意怠らないように
する所存である。また、成果の社会への普及に
ついては、研究をその研究者が定義する研究の
性格に応じて、産官共同研究の成立や、実用化
の成功などの尺度で評価することで、促進され
ると考えている。この方針も、ポリシーステー
トメントに明記しているが、表現については再
度見直すこととしたい。
一方、我々が主張する上記の方針が効果をあ
げるためには、基本的に管理者側が独創性の無
い研究を厳格に見極め排除し中断させるシス
テム、常に独創的アイディアや研究を発掘する
ことを可能にするための研究者の流動性の確
保が不可欠である。研究部門は産総研の内部の
組織ではあるが、新しい研究課題の発掘、展開
の方向性においては産総研の全体性や中期目
標の枠に硬くとらわれずにある程度、独立、活
発に進めるべきと考えている。場合によって
は、他の研究部門と重複したテーマを競争的に
行ったり、協力研究者を部門に併任させたりす
ることも有益と考えている。こうした環境を整
えるための内部での研究評価体制と新しい人
材の導入や部門間での研究者の流動性確保の
仕組みについては、部門の立ち上げから日が無
いために現状では十分ではない。至急、仕組み
を構築すべく努力したい。
B
ポリシーステートメントは、極めて多くの視
点からの研究の方向付けを表現している。一つ
一つにはそれぞれの妥当性が認められるが、全
体として本研究ユニット全体としてどのよう
な指針で将来を開拓していくが読みにくい。
「知能システム」という一般人から見て極めて
身近に感じられる技術であるが故に、小さな問
題解決に留まってしまう可能性もある。それゆ
え、より具体的目標の設定とその変更の仕組み
もポリシーに中に加えて欲しい。研究成果の具
体的な評価や社会での普及などを行う仕組み
が見えにくい。
知能
システム
64
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
既に実績や蓄積のある研究については、その
発展の方向が記されており、その実施のための
運営方針も適切である。但し、エレクトロニク
ス部門として産業界とどのようにかかわって
エレクトロ
いるか、関連分野の研究者との協力や分担の進
め方、長期的展望を踏まえた新テーマについて
ニクス
も記述が必要である。
有料共同研究・研修および受託研究スキーム
を総動員して企業ニーズを研究現場にインプ
リメントしていくとともに、部門の成果(論文
や特許)などをいち早く企業に広報する具体策
として、エレクトロニクスフォーラムを立ち上
A/B
げつつある。これは部門のホームページを活用
して会員を集め、定期的な交流会やメルマガ等
によって上記二つのプランを実行するための
ものである。今現在で 20 名弱の会員が集まっ
ている。
「研究戦略性の重視」、「産業界との連携の
重視」の方針は適切である。これを実体あらし
めるためには、トップ、ミドルマネージメント
の明確な方針と強い指導力が必要になろう。研
究マネージメント、研究評価、成果の普及、重
要研究課題の諸項目について妥当な記述がな
されている。ただし、産官学の連携、研究の戦
略性については、踏み込んだ記述がなされてお
らずやや抽象的である。TLO などの産総研内の
システムを利用して、今までと違うより具体的
な対策を講じることが重要。
今後産官学の連携、特に成果の具現化につい
ては個々のケースについて産業界との連携を
深める試みをしている。また研究の戦略につい
ては補足説明資料で説明したようにかなり絞
り込みを始めており、今後の研究活動の方向性
の決定に生かしていきたい。
社会的要請を踏まえて、研究内容・組織・運
営・評価の方向性について、明確かつ具体的な
ポリシーを掲げている。しかし、外部に対する
ポリシーステートメントであるとすれば、こと
ば使いにまぎらわしい点があり、もう少し推敲
生物遺伝子
されたい。例えば、“ナショナルセンター化”
の意味は言葉のイメージと異なる。COE 化のほ
資源
うが適当ではなかろうか。“基礎から応用にわ
たる”という表現はあいまいである。研究テー
マのタイプをフロンティア、目的基礎、開発、
研究支援システム等に分類して記述するのが
いいのではなかろうか。
ポリシーステートメントが法人の内外に向
けたものである点に対する配慮に欠けたこと
は事実、ただし“ナショナルセンター化”につ
いては法人全体として言葉が社会に認知され
るよう努めていくべきではないだろうか。“基
礎から応用にわたる”という表現はバイオ研究
における基礎と応用の接近を意識して用いた
ものであり研究の実状に沿っていると考えて
いる。
光技術
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
先端的技術開発、新分野開拓、新規産業化を
バイオ分野の新産業育成が産総研のライフ
目標とするポリシーは妥当である。
サイエンス分野の最大の課題として位置づけ、
そのために必要な先端的技術開発、新分野開
拓、新規産業化を推進する。部門内の人的、資
金的資産あるいはスペース配分においてもこ
のような観点から重点的な配分を行っている。
新規産業化に関しては、当研究部門から産総研
ライフサイエンス分野で初めてベンチャー企
業の役員兼業が 6 月 27 日に人事院において承
認されている。ベンチャーのインキュベーショ
ンを部門の重要な役割と位置づけている。
ポリシーステートメントはもう少し具体的
に書くべきである。ポリシーステートメントは
この研究分野の大きな背景を述べて、当研究部
門としてはこれこれを目指すという行動目標
を示すべきである。当研究部門では大学や企業
で出来ないことを実施すべきである。その点、
規格制定、評価基準策定、企画立案などを重要
な課題として位置づけているのは適切である。
ただし、これと重要研究課題のつながりが不明
瞭なので、その点の記述を工夫した方が良いと
考える。中長期的に産業育成につなげることを
目標とし、その方策を示すべきである。この研
65
第一次ポリシーステートメントは字数制限
の元に作成されている。今回のものもその点を
踏襲して作成した関係で十分な表記がなされ
ていないものとなっている。理事長のポリシー
ステートメントが出た段階で整合性も加味し
ながら修正可能な時期に修正したい。
B
B
A
B
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
人間福祉 究分野は大事な分野であるから、ポリシーステ
医工学
ートメントをそれに相応しいものに書き直し
(つづき) て欲しい。
適切な現状認識に立った望ましいポリシー
である。脳機能を理解し新しい産業を開発する
ということは良いが、基礎基盤研究を深めるこ
脳神経情報
とに力点を置いて真に革新的な新技術に結び
つけてほしい。
勇気づけられるコメントをいただき感謝し
ます。脳機能情報研究分野は今後さらに競争の
激しくなる研究分野であり、その中で研究アク
ティビティを高め、基礎基盤的研究の成果を革
新的技術開発に結びつけていくよう努力する
心構えでおります。
全体として、適切な方針と内容になってい
る。重点7課題は、現状の制約のなかではほぼ
妥当な選択であると考えられるが、将来的に
は、産総研内の物質プロセス研究の基礎・基盤
部門として何をなすべきか? といった議論を
通じて、重点課題を組み替えることを視野に入
れるべき。研究の必要性も大切であるが、意義
と波及効果についての記述はあった方が良い。
現状では、研究部門内のグループが細分化さ
れすぎている。基礎研究をするにはグループの
規模はもっと大きい方が、研究の協力、情報の
共有がし易いのではなかろうか? 個々の先端
的研究に偏重しており、フォーメーションプレ
ゼンテーションに問題がある。運用の適正化が
望まれる。グループとプロジェクトとは必ずし
も一致している必要はない。グループの一部が
プロジェクトをしてもいいし、複数グループか
ら研究者が集まってプロジェクトをしてもい
い。グループ編成の大ぐくり化のメリットを考
えるべきである。
研究の必要性は当然、意義と波及効果に直結
していますので、これらについての記述も心が
けたいと思います。現在のグループ数は多いと
は考えていますが、細分化されすぎであるとは
考えていません。過去の経緯から考えれば、現
時点でグループを大ぐくりすれば、かえって実
質的には細分化、個人研究者の増加に繋がると
考えています。研究の協力、情報の共有は重要
であり、それを行う方策を考えています。しか
し、グループの大ぐくり化がその一つの方策と
は成り得ても、必ずしも必須条件とは考えてい
ません。名前を産総研に変えたら、直ぐ生まれ
変われるわけでは有りません。現在は、本当に
新しく生まれ変わるための過渡期であること
をご理解いただきたいと思います。グループと
プロジェクトについてはご意見の通りで、実際
もそうなっていると思います。
社会的貢献、情報の発信についての責任を前
面に出して、対応しようとする姿勢はよく理解
できるし、適切である。
1) ポリシーステートメントでは、研究部門と
して重視する課題を明確にし、それに向か
って短期的に実現すること、長期的に実現
することを明確にすべきである。
2) ニーズの把握については、WMC(World
Material Center)任せでなく、ユニットと
して対応するシステムを構築することも必
要であろう。
ポリシーステートメントは、長期的な運営方
針を明示するものと解釈し、これを実現するた
めに各グループの研究計画・年次計画を策定し
ております。また、ニーズの把握は、学協会、
各種の展示会等への出展・発表あるいは企業と
の共同研究等を通じても積極的に得ることを
考えています。また、産総研産学官連携部門の
活動や、中部センター(産官学連携センター)
独自の発表会等における企業との交流からも
ニーズの情報を得ることを考えています。
物質
プロセス
セラミッ
クス
基礎素材
確かに基礎素材の定義も含めてポリシース
基礎素材研究の俯瞰的戦略が明確には記述
されてない。基礎素材の定義と研究の仕分けを テートメントを組み立てることはそれなりに
したうえで、それぞれの短期、長期の取り組み、 意義のあることと思うが、当該部門のようにそ
また地域企業との連携を検討する必要がある。 れぞれ別々に記述した形になっていてもいい
4地域研究センターの研究ポテンシャルの融 のではないか。また、ポリシーステートメント
合による研究推進も考えなければならない。 を法律の如く事細かに盛り込むことは却って
運営を難しくすると判断し(4研究拠点を網羅
して表すことは現状困難)、現在のステートメ
ントになったもの。さらに、地域企業とは地域
コンソーシアム6課題を動かしていることや
地域企業を巻き込んだ研究会を立ち上げてい
る例からも理解いただけると考えているが、そ
れなりの連携体制を確保していると判断して
いる。4研究拠点の融合は当該研究部門の立ち
上げ時からの命題であり、常々議論しているの
でステートメントに事細かく織り込む必要は
ないと考えている。
66
A
A
B
B
別紙6:プレ評価結果 1. (2) ポリシーの内容
機械
システム
評価軸としてかかれている、「論文」、「学
協会等の設立」等について、「数」の評価のほ
かに「質」の評価をどのように考えるのか。サ
イテーションインデックスやインパクトファ
クターに代表される評価は必要ないか。ポリシ
ーステートメントに記載されているもの以外
に社会にインパクトを与える手段はないか。ま
た、機械分野は社会としての持続的な需要があ
るので、概して旧態依然となりがちであるが、
産総研の研究ユニットとして、積極的に次世代
の戦略的な産業創出とそのためのシナリオを
描き、それに向かって進むことも必要ではない
か。短中期的な計画だけでなく、流行に惑わさ
れない長期にわたる斬新な研究戦略について
もお考えいただきたい。
研究論文発表については、研究者としてやる
べき最小限の活動を謳っているに過ぎない。産
業界や社会にインパクトを与えるような研究
成果の発信については、機械システムの特徴を
生かし、技術を具体化した“もの”を提示する
ことも重要手法になるものと考えている。具体
的にはマイクロファクトリーやマイクロデバ
イス等。産業化のシナリオについては、産業界
や学界との連携の中から、いくつかの具体例を
発信できるよう努力してゆきたい。
B
研究員の理解、目標の具体性ともに重要な観
述べている内容は“概ね適切”である。ただ
し、表現についてはもう少し研究内容に絞った 点であり、参考にしたい。
記述にすべきである。産総研全体のマネージメ
ナノテクノ
ントへの意見は別途議論すべきである。中期計
ロジー
画との関連を明確にし、研究員の理解を得るこ
とも必要である。また、研究成果としての目標
に多少具体性を持たせるとナノテクノロジー
の発展方向が見えやすい。
B
部門としてのまとまった成果を目指すとい
・中期計画に沿って方針が述べられている。
・「寄り合い所帯」的性質をもつ本部門の「運 うことと、研究者の個性に基づく個別研究のバ
営方針」として、良く工夫した、適切な内容 ランスを適切に勘案することが重要であると
考えている。
である。
A
計算科学
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
現有の人材、設備を活用しつつ掲げた中期計
画を達成するために、妥当な内容が記載されて
いると考える。IF、パテントなど目標値を具体
化したのは良い。一方で各ユニットの研究計画
と目標の表現がやや抽象的である。
各グループの計画は昨年末の時点のペーパ
ーが元になっており、人事・予算等不確定な要
素が残った状況で記述されたためぼやけた印
象になってしまった点は反省している。これを
補うものとして、5 月 23 日段階の各グループ
計画書を評価ヒアリング当日配布した。こちら
は、本年度の達成点・目標が比較的具体的に書
かれている。これでも不十分である場合には次
年度以降表現法の再考を要する。計画の評価で
は方向性や比較優位性は判断できると思われ
るが、計画内容の詳細まで記述できるかどうか
は別途議論の必要がある。
A
人間系
記載されている研究課題や運営方針は本特
別研究体の目的、趣旨に概ね合致しており全体
としては適切であると思われる。しかし、中期
生活環境系 計画に縛られているきらいがあるから、長期的
展望にたった設定も望まれ、それに沿った将来
を志向する方向付けが少しあってもよいと考
える。
67
評価部ご指摘の事情があるため、特に成果が
「中期」で具体的に得られるものに限定した目
標作成となっていることを否めません。長期展
望を含めた形で研究計画書をリバイスいたし
たく考えております。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
1.研究の妥当性
(3)ポリシーステートメントには適切な運営方針が記述されているか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
全体的な運営方針は妥当であると評価され
るが、各チームについて、各チーム内の協力者
の構成、研究者間や協力者との相互関係はどう
なっているか、さらに各チームについての評価
の方法に関する具体的運営方針などを明確に
する必要がある。
各チームの評価についての具体的な運営方
針の明確化については、チームの年度業務計画
書や個人研究業務計画書を基準に評価してい
きたい。今回は人事関連資料ということで提示
しなかった。
活断層調査の計画的実施と着実な成果の報
告を第一にあげるとともに、国際的な視点から
の研究成果の評価、共同研究の推移を明確にし
ており、突発的な地震災害に対する緊急研究の
取り組みや、成果普及活動・外部交流の推奨な
ど、運営方針は適切である。データセンターの
役割を持って外に開かれている。
委員
会の
評点
B
(コメントなし)
A
概ね適切な方針が記述されている。ポイント
化学物質 は、ミッションオリエンティッドのセンターで
リスク管理 あること。構成員にその考え方を浸透させる努
力をより進めることが重要。
この点の徹底に努力したい。
運営方針は適切で、明確であり、メンバー
個々に解りやすいものである。特許戦略を重視
フッ素系
していることは評価される。成果だけでなく研
温暖化物質
究態度を評価の対象に含めるのは特筆される。
安全を取り上げたことも非常によい。
(コメントなし)
B
A
エネルギー評価チームの位置づけがはっき
ポリシーステートメントの位置づけが不明
ライフ
りしていない。
確である。本評価項目を立てるのであれば、ポ
サイクルア
リシーステートメントの作成時に明確な指示
セスメント
が必要と考える。
C
プロジェクトを開始して、2 年 9 ヶ月経過し
た現在、結晶、プロセス、デバイス、それに結
晶・デバイス評価の各課題で、世界に肩をなら
べる成果が出てきた。これからがまさに、それ
らの間の連係を強化してより大きな成果に結
びつけて行く時と考えている。
週一回のセンター全員のミーティングによ
って、各課題の進捗と問題点と解決の方向性を
議論している。分散研とは適時開かれる技術検
討会を通じて、課題の掘り起こしと解決を図っ
ている。(チームは産総研の職員の共通研究バ
ックグランドをもとにした運営上の組織であ
る。現行のプロジェクトでは課題毎に職員、企
業派遣共同研究員、ポスドクが一体となってグ
ループをつくり運営している。
チームとグループは必ずしも対応していな
い。産総研独自の課題もあるが、プロジェクト
との共同研究もある。従って、産総研予算を中
心とした課題の評価だけでは、センター全体の
アクティビティの評価とはならない)流動化に
ついては、材料・プロセス研究からデバイスへ
B
概ね適切な運営方針が記述されているが、各
チームがいかに有機的に連携していくかの観
点が明確でないという印象を受けた。そのた
め、これら4つのチームを設置した理由並びに
各チーム間の連携の具体的方針とともに、人材
の適正適所配置のため流動化に留意すること
を明示することが必要と考える。
パワー
エレクトロ
ニクス
68
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
の乗り入れ、結晶・デバイス評価の研究からデ
バイス作製への乗り入れなど、適時、概ね上流
の研究者が下流(デバイス)まで対応出来るよ
うに図っている。スーパーデザインチームにつ
いては、人材の獲得が遅れている。エンジニア
リング振興協会の委員会活動で凌いでおり、早
期の人材の採用を必要とする。
パワー
エレクトロ
ニクス
(つづき)
生命情報
科学
生物情報
解析
センター長の意志が明確に示されており、研
ポリシーステートメントでは、研究評価・テ
究評価、テーマの選択性、予算配分等について ーマ選択の自由度・予算配分・特許戦略などに
運営方針が述べられている。
ついて、ユニットの方針を可能な限り具体的か
つ数量的に述べた。ポリシーステートメントは
対外的な宣言(約束)であるとともに、ユニッ
トを構成するメンバーに対する運営方針の説
明としての意義が高いと考えている。構成員の
数が決して多くは無いユニットであるので、構
成員との直接的な対話を今後も重ねながら、成
果をできるだけ多く生み出すような最適な運
営方針を探り、それを対外的にも明確に示して
いきたい。
基礎研究における国際レベルの貢献を目指
している点を非常に評価したい。また JBiC か
らの研究員の受け入れを含む共同研究など、産
官学のバランスの取れた研究体制の構築が計
画されており好ましい。しかし、ほとんどのチ
ームでリーダーが併任である構成を見ると、軌
道に乗った研究をマンパワーで進めるような
仕事には適しているかもしれないが、厳しい国
際競争の中で、特に基礎研究で優れた成果を出
していくのは難しいと考える。新たなリーダー
クラスの人材育成にも力を注いでほしい。
この人数では全面的にマンパワーで進める
ような仕事はむずかしいと考える。サブリーダ
ーにすぐれた研究者が多く、すでにリーダー的
役割を果たしており、ポスドク等との協力によ
り基礎研究でも優れた成果を出す積りでいる。
再生医療産業の実現に向けてリーダーシッ
1. (2) (p. 58) でも述べたが、TERC をどう
いう研究センターにしたいのか、その記載が少 プを常に取りつつ、産学の組織化をはかること
ティッシュ
し足りない。産業化へのプロセスを総合的に、 に当センターの使命がある。
エンジニア
効率的に進行させていく使命が新組織にはあ
リング
り、既存の研究所、大学、企業との連携と調整
を円滑にすすめれば効果があがるであろう。
ジーン
ディスカ
バリー
A
A
B
この批判の中で、評価者は重要な誤解をして
A 委員: 産総研の現在の基準に基づき、研究
チームの構成、研究業績の評価、内部への貢献、 いる。トップダウン型のセンター経営は、何も
外部への貢献等、運営方針が適切に述べられて 目標設定型のプロジェクト(例えば、力仕事タ
いる。ステートメント自体は納得できるが、こ イプのプロジェクトのイメージ)が無いといけ
れらの課題を遂行するうえで、個人の自由な発 ない、という事では無い。新しい重要な標的探
想に基づく長期にわたる基礎研究と、目的の明 索型の基本的にボトムアップのプロジェクト
確な計画研究をどのようなバランスで遂行す の集まりであっても構わず、ただ、全体として
るのかに関するポリシーをより明確にする必 の経営を強いリーダーシップで行うという事
要があろう。特に本センターにおけるトップダ である。
センター長は、センター内の研究グループの
ウン型とボトムアップ型の研究、自由な発想に
B
基づく研究と目標設定型の研究のバランスに 活発な啓発を行なえる環境を積極的に創出す
ついて検討する必要がある。そこで問題となる るとともに、プロジェクトの重要性と将来性、
のは、大学研究所、独法研、企業研究所が、ど 研究者の創造的資質等の判断から、リソース
のように特徴ある研究を推進し、どのように連 (予算、研究室スペース等)の重点配分を計り、
携するか、十分明確になっていないことがあげ より創造的で生産的な研究活動の活性化を計
って行く。又、将来、必要に応じ、機を見て、
られる。
重点分野のプロジェクトをトップダウン的に
設立する可能性は有る。現時点では、センター
内に可能性の高いプロジェクトがいくつも走
っており、ここ当分は、未来型研究分野の見極
69
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
めを行う事をして行きたい。
生命科学、バイオテクの分野では、大掛かり
な人的資金的リソースを要求する力仕事的プ
ロジェクトを別とすれば、産官学の研究区分け
をする事には、余り意味はない。産総研の中で
のこのセンターの位置づけは、研究者の人的リ
ソース面から明確であると思うし、それなりに
特徴もあると思う。このセンターと産、学との
連携は、現在既に幾つもあるし、立ち上がった
ベンチャー(子会社)もある。センター長自身
の関与するベンチャー立ち上げも初期準備に
入っている。
B 委員:(コメントなし)
ジーン
C 委員: 一応記述されている。
ディスカ
バリー
(つづき)
研究成果は、特許等の知的財産として公開す
センター内連携、産学官連携及び国際的共同
研究体制を積極的に進める運営方針がうたわ るとともに、学会や(社)人間生活工学研究セ
ヒューマン れている。また研究活性化の方策、定量化でき ンター等の中立的機関と協力して、評価手法の
ストレスシ ないものも含めた研究評価、成果普及等が明確 標準化や成果普及に努める。
に記述されている。なお、評価方針と研究成果
グナル
普及に関し社会還元への方策も明記すべきで
ある。
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
国内外での基調・招待講演や定評ある国際学
術誌での出版によって、広く成果を発信すると
の基本方針、国際ワークショップの開催を通じ
てセンターの若手研究者の業績評価、研究奨励
の場とする点、チームリーダーの強力なリーダ
ーシップと若手研究者への教育的配慮を重視
する点、等の方針は適切である。特に、将来の
指導的人材育成を意識しているのは、現在ポス
ドク等若手研究者が十分に教育されない風潮
を考え、重要であると判断した。
A
(コメントなし)
A
スタート当初は、5 つの研究グループの内部
グループリーダー制、国内外の研究機関との
人事交流、インセンティブ制度、アドバイザリ ではすべてフラットな組織を採用するが、研究
ーボード制等、具体的な運営方法が盛り込まれ の進展に応じて、サブグループなどの内部構造
ており、適切な運営方針が記されていると考え も必要に応じて組織する予定である。
る。ただし、今後の研究の進展に伴って成果を
大型化する必要が出てくる場合には、集中的な
人員の投入といった必要に応じた柔軟なグル
ープワークも必要となろう。その場合にはグル
ープワークに慣れている産業界リソースを旨
く活用していただきたい。
A
・センターの目標の実現と関連研究・自己啓発 ・サポート体制の一つとしては専任のリエゾン
ディレクタ(要するに研究マネージャ)を1
を考慮しているのは妥当。
名用意している。これは他のユニットにはな
・個人研究から応用研究まで、意欲的ではある
い配慮であると考えている。また、プレ評価
が、上手くいくか、不安がある。サポート体
委員会後に弁理士や工業デザイナーを非常
制をしっかりせねばならない。
勤顧問として採用した。
・基礎研究も成果の普及も行うため非常に忙し
くなっていくとの危機感から、 5割を個人 ・5割の関連研究と自己啓発は研究の質を維持
していくためには最低限必要な要件であり、
研究に確保するという方向性が生まれたと
明示の必要はないかもしれない。しかしなが
思われる。しかし、競争下の研究ではその方
ら、「センターは企業化」という産総研の風
針を維持するのは困難だろう。あれもこれも
潮に鑑み敢えて記述した。なお、これにより
研究するのではなく、ユニットの研究者が中
センターの目標達成に費やす時間が減るわ
心的な研究テーマにフォーカスして活動を
けではないので、実際には各研究者が倍の時
展開し、インパクトを強めていくべきではな
間働くことになる(とメンバーには伝えてあ
いだろうか。
る)。
B
70
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
本研究センターは、3つの具体的な課題を持
ちながらも、マイクロ・ナノレベルでの機能発
現とそのメカニズムの解明および体系化を、学
問的な意味での目標としている。現在までも、
超微粒子の分級、発生、特性評価、また、水素
結合制御による氷のスラリー化などマイク
ロ・ナノレベルでの基礎研究を継続して実施し
てきており、中期計画の具体的課題への取り組
みを通して、全体として、マイクロ・ナノ機能
の広域発現技術の体系化に取り組んで行きた
いと考えている。
また、3つの具体的目標間には、以下のよう
な相互関連がある。まず均一・無汚染の超微粒
子の作製・制御技術(レーザーを使用する加工
場制御)と、レーザーの超解像を用いたナノ加
工装置は、いずれも、雰囲気や材料を選ばない
レーザーによるナノ加工技術であり、レーザー
アブレーション場の制御など共通した課題が
多いと考えている。また、超精密金型の加工・
計測の研究は、ナノ形状精度を実現するナノ加
工装置とも共通した課題が多いと考えており、
全体としてレーザーの持つ加工・計測面での特
徴を最大限に発揮させる視点から取り組んで
いきたい。
B
ものづくり
運営にあたっては、アウトソーシング等も含
産学官の連携組織を造り、一体的な運営を行
先端技術 め効果的な組織構成による運営を期待する。 う計画である。
A
研究課題は基本的であり、単なる技術解決課
題でない。そのためには、記述されたような広
い研究体制が必要であり、同時に、単なる能率
追求の研究では解決し得ないことが明らかで
ある。基礎研究と開発研究の密接な連携が必要
である。各研究テーマ間の連携が不明確であ
る。「センター長を中心に研究員が一丸となっ
て」とあるが、具体的にどのような運営が行わ
れるかは明確ではない。設定された評価基準は
妥当である。
マイクロ
・ナノ機能
ポリシーステートメントに十分な内容が書
かれていないので、この資料から適切な運営方
針であるかどうかを判断するのは難しい。ポリ
シーステートメントは本来、センターのアイデ
ンティティを書くべきである。ただし、センタ
ー長に十分な研究予算と権限が与えられてい
ないが故に、総花的になっておりアイデンティ
ティがわからないという印象を受ける。一流の
高分子研究の成果の発信を目指すなら、研究分
野の構成を大学と同じような全分野にする必
要はない。研究分野を集中すべきである。独自
の研究が育ってきたら、他の研究員もそれに協
力する体制をとるような運営をすべきである。
産総研の他のユニットでも面白い高分子研究
を計画している。他のユニットとの協力関係を
構築していくことが重要である。
ポリシーステートメントについては上記の
趣旨に基づいて明確な形で修正する。高分子技
術を体系化するために合成から成形加工まで
(特に後者を重視して)横断的に研究をおこな
う。しかし、それぞれのテーマについては総花
的にならないよう特長を生かして集中した研
究をおこなう。特に、大学における基礎的原理
的研究成果から企業研究に結びつける産総研
としての研究のあり方を追求する。産総研の材
料研究グループと連携をとる準備を進めてい
る。
運営方針は概ね妥当である。トップダウンの
組織が機能するかどうかの試みとして見てい
る。新しいセンター独自の機能し易い体制作り
を提案して欲しい。予算の問題は大事である。
安心して研究できる予算を産総研として定常
的につけて欲しい。もちろん研究課題は、産総
光反応制御
研及びセンターのミッションに合致したもの
でなければならない。理論的研究ないし基礎的
研究に位置づけられる課題については産業へ
の応用という命題に繋がるものかを厳密に吟
味すべき(純粋に学問的興味のみに基づく課題
は排除すべき)と考える。
センターは特定のミッションを掲げており、
その目標達成の為にはトップダウン的運営が
必須。平成 14 年度以降の予算確保がキーポイ
ントなることは事実。産総研企画本部の配慮を
お願いしたい。本センターの研究開発方法の一
つの特徴は基礎的・理論的研究から実用的・応
用的研究までの一貫した系統的な研究が展開
出来るところ。この特徴を発揮して良い成果を
残したい。
高分子
基盤技術
71
B
B
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
新炭素系
材料
社会インフラ型技術開発は、当該センターに
二つの研究の方向性を実現できるように、各
チームの研究内容は比較的明確に分担されて おいて必要であり、企業に信頼できるデータを
おり、運営方針は概ね適切に記述されている。 提供すべきと考えている。また、研究を通じて
今後、世界でトップクラスの研究者集団を目指 トップクラスの情報が集まる研究運営を図る。
しつつ、基礎から実証までの夫々の研究フェー
ズに適切に対応できる柔軟なマネージメント
を期待する。
研究テーマの中には達成が困難視されるほ
どに高い目標を持った研究課題が含まれてい
シナジー
るなど、内容は相当チャレンジングであるもの
マテリアル
の、そういう高い目標を掲げて課題に向かって
努力する姿勢は高く評価できる。
「流体特性解明チーム」・「有機反応研究チ
ーム」・「材料合成研究チーム」、3 チームの
研究協力の相互関係を明確にすることが望ま
超臨界流体 しい。横断的な研究協力により相補うことが期
待される。無機微粒子材料の合成研究の実施に
ついては、ポリシーステートメント中に、明確
に記述するべきである。
スマート
ストラク
チャー
界面ナノ
アーキテク
トニクス
B
(コメントなし)
A
第1期において超臨界流体研究センターは
超臨界流体を用いた環境調和型の有機合成研
究に特化しているので、現状では当センターと
して無機微粒子についてナノテクノロジーと
して明確に記述することはできないと考えて
いる。
B
センター発足後、定期的に TL 会議を開催し、
マイルストーンを「もので示す」という方針
など、運営方針としては適切である。但し、セ 運用について議論を重ねている。センター長と
ンター長と、今後、もっと研究内容、姿勢を議 は来日時に民間企業との提携視野に入れたワ A
ークショップを開催するなどいい方向を導き
論したほうがより望ましい。
出したいと考えている。
1. (2) (p. 61) と同じ。
ファイブPとして明確にユニット長の運営
方針を記載したつもりである。評価委員からも
その明確性について指摘を頂いたはずである。
-
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
研究評価については詳しすぎるほど述べら
れているが、それ以外の運営方針については記
述そのものが不十分でありプライオリティも
示されていないためその意味を読みとること
が難しい。全体の運営方針について、箇条書き
等により分かり易く掲示すべきである。例え
ば、今後の人員の拡充の計画、非常勤職員の活
用、民間の活用、等々といったように具体的に
示すと分かり易い。
経済産業省が当部門に示した中期目標は包
括的な計量標準の整備であり、この実現に向け
て業務内容を整理分類した6項目が中期目
標・計画に提示されています。各項目とも達成
目標が具体的に示されているため、当部門では
組織運営の骨格となる“何をなすべきか”につ
いて、すでに明示的な出発点があると考えられ
ます。さらに、これらの6項目に優劣の関係は
存在せず、すべてに十分な成果をあげて初めて
計量標準の健全な発展が達成できる構造とな
っています。このためコメントにある“プライ
オリティ付けによる運営方針の整理”は、各項
目のなかでどのような方向性を求めているの
か明示せよ、とのご指摘かと思われます。例え
ば、法定計量業務については、従来の検査業務
だけでなく、国際的に整合した適合性評価シス
テム構築のような、より高度で非ルーチン的業
務を重要課題として求めています。次回のポリ
シーステートメントでは、中期計画策定の背景
にある業務の考え方、方向性等についてとりま
とめたいと思います。
C
計測標準
72
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
次に事業を“いかにしてなすべきか”につい
ては、人員の拡充、民間の活用等について部門
の考え方を明示するよう検討いたします。この
場合、部門の責任で実施できる部分と、部門の
権限を越えて法人全体の運営方針のなかで議
論されるべき論点が、交錯して現れるものと予
想します。ご指摘を奇貨として、計量標準の将
来展開と法人全体の運営のあり方について、再
度論点整理と方向性を部門として提示してい
きたいと考えます。
計測標準
(つづき)
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
単なる論文点数主義に陥らないように配慮
されているのは適切である。コンサルタントへ
の指導や、人材の育成・供給などの面で、当部
門に期待するところは大きい。それらについ
て、具体的にどのようにするかの検討が必要で
ある。また成果を考える上で、地質図幅の研究
など、第一期 4 年を越える、タイムスケールの
長い研究が含まれていることを考慮する方が
良い。
人材の育成・供給については、全国地質調査
業連合会や地質学会とまさに産学官連係を図
りつつあるところである。ご指摘のように研究
も含めてロングレンジの運営が必要であり、む
しろ産総研本部に対してより理解を深めてい
ただけるよう努力するつもりである。
ここで運営方針とはどういうことを指すの
異なる研究組織を合体させてスムーズな立
ち上げがなされており、完全ではないが、概ね かとらえかねている。
妥当であるといえる。ミッションに基づいた重
点研究課題を核として研究する体制が構築さ
れている。しかし、ポリシーの内容を実現して
いく具体的な運営方法について十分に記述さ
れているとはいえない。
「マネージメントの方向性」は妥当と判断さ
れる。しかし、個々の研究テーマをまとめ、1
研究ユニットとして具体的な運営方針を明確
に打ち出すことが望まれる。
A
B
(コメントなし)
B
分散型エネルギーシステムとエネルギーの
セキュリティはこれからの日本にとって大き
エネルギー
な柱になると考えられるので、本運営方針は適
利用
切である。評価を公平に行う宣言は研究員の意
欲を益すもので立派な運営方針と考える。
今後、本運営方針を確実に実行致します。
産総研の最大の特徴である、世界的にもまれ
な広範囲な先端研究を実施しているとの特徴
を活用すべく、「他部門と協力の上これを推進
する」、「様々な技術分野を内包している産総
電力
研の利点を最大限に活かし」、「他ユニットと
エネルギー
の人の交流」などの方針が随所に示されてお
り、極めて適切な部門運営方針である。競争力
の強化、長期的課題の育成などについて具体的
な方策が明示されればより望ましい。
競争力強化については、大き目のグルーピン
グを行い技術ポテンシャル、マンパワー、予算
など総合力の強化を図っている。長期的課題に
ついては、産総研内にこれに適した仕組みが不
備であるため、予算運用制度の改善を要求する
と共に他省庁を含めた外部予算の獲得に努力
する方針。(ポリシーステートメント)
環境管理
概ね適切である。グループあるいは研究員の
意見を部門運営に反映させる方法についてポ
リシーステートメントに明記するとよい。ポリ
シーステートメントは構成員に対して明示さ
れ、正しく伝えられることが大切である。
グループ、研究員の短期評価、研究員の長期
評価でヒアリングを実施することで、ポリシー
ステートメントについて十分な理解を得てお
り、グループ及び研究員の研究ポテンシャルを
かなり把握することができた。今後、2-3 ヶ月
に1回程度、グループ単位での議論、検討を実
施したい。ここでの意見を部門運営に取り入れ
るとともに、部門長への意見等を気楽に出せる
雰囲気を維持するよう務めていく。
A
環境調和
技術
運営方針は適切である。弾力的、機動的な運
新しい組織設計の精神を踏まえ、合目的的な
営を心がけて頂きたい。
運営を優先して行うつもりである。
A
73
A
A
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
情報処理
世界で実際に使われる基盤技術の提供をめ
ざすことは、大変すばらしいことでもある。そ
れと同時に、研究開発の先端性を重視し、いち
早く使えるレベルにまで高める努力が必要で
ある。海外部門の設置に関しては、十分な検討
を要する。
特に「実際に使われる」の部分をご理解いた
だいたことはありがたいし産総研内部でもこ
のような理解を持っていただくべく努力をし
たい。海外部門の設置は当部門の研究内容が世
界レベルであるのかどうか、ピントはずれでは
ないのか、などについてのリファレンスを得る
場として設置したいというのが率直な考えで
ある。
A
テーマの選定や研究の推進に関して、トップ
ダウンとボトムアップのバランスをより重視
する必要がある。現状は、ボトムアップにウェ
ートを置き過ぎ、トップダウンのマネージメン
トが欠如している。各委員からは次のような意
見が寄せられている。研究人材の確保、流動化
及び他機関との交流に関して具体的な方針を
述べる必要がある。例えば、任期付き職員やポ
スドクの確保及び非常勤職員の活用の積極的
推進のための具体的施策、他機関の客員研究員
の受け入れ、及び職員の他機関兼務に関する基
本方針などの記述が不十分である。また、ユニ
ット間及びユニット内グループ間の連携を促
進する具体的施策も必要となる。
旧組織からの移行期であること、また、部門
構成時の研究者配属の原則(部門側は希望者を
拒否できない)から、多彩な人材が部門には混
在している状況がある。ミッション遂行のため
に本当に貢献できる研究者は誰かを見極めて
いる段階である。また、組織の現状は、新人枠
を大量に要求できる状況に無く、外部からの人
材の早急な補強によって研究戦略を強化でき
る状況にも無い。
こうした環境下でとれる部門運営戦略は、ま
ず、アクティブな研究者を抽出し、その成果を
外部に「売り込んで」、外部特に産業界との連
携を図り、共同研究や受託研究の仕組みを通し
て、研究資源としての研究者や交付金以外の外
部資金を獲得すること、また、外部資金をベー
スに産総研の新人採用枠とは独立に、若手研究
者を絶えず雇用し、絶えず新鮮な研究テーマを
手がけられる環境を作ることである。
この方針は、部門内では常に議論されている
が、ポリシーステートメントでは強く表明され
ていないので対処したい。また、部門研究者の
外部との実態の有る交流も重要であるが、現実
には1部門では解決できない規制が産総研全
体にあり、これは他の多くの研究部門も悩まさ
れていることである。
現状の時間性勤務の制約下では、制度上実施
するにはいろいろな拘束がある。こうした制度
改善や新規人材確保、流動性確保などにおいて
部門が裁量権をもって自由に組織を運営する
ことを認めるよう上の運営本部に働きかけて
いるところである。
B
知能
システム
革新素子探索と産業ニーズへの対応を目指
し、限られた資源の重点投資、共通インフラの
整備などグループ間の有機的な協力により装
エレクトロ
置を有効活用する方針は妥当である(成否は、
方針をメンバーと共有し実体化できるか否か
ニクス
で定まると考えられる)。また、論文は質が重
要であり、目標値を設定するのならば高いイン
パクトファクター(IF>3)にするべきである。
光技術
インパクトファクター(IF)の大小は研究分
野によって異なる。電子デバイス分野では、国
際的に著名な雑誌でも 1<IF<2 程度であり、デ
バイス研究を重視する本部門のポリシーから
みて、IF>1 という設定は妥当と考える。
適切なコメントであり、その通り今後とも努
研究部門長は個別の研究グループ長の考え
や研究者の状況の具体的な把握に努めている。 力していきたい。特に研究評価は出来るだけポ
運営方針の記述に見合った活動が始まってい ジティブに行い、研究活性化に資するよう図っ
る。これは高く評価してよい。ただし、研究戦 ている。
略を研究計画に反映させる方策や、研究活性化
のために研究評価をどのように使うか、具体的
な記述がほしい。
74
A
A
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
我が国が微生物産業の世界的リーダーである
ことを意識した内容での方針は評価できるが、
生物遺伝子 もう少し決断をもってこの分野を進展させる
運営方針、ヒト・モノ・カネの見地からの決意
資源
表明があってもよいと思われる。研究者からの
提案を大事にする点(ボトムアップ)はよく理
解できるが、
“戦略性”の面が少し物足りない。
(コメントなし)
B
プロジェクト設定の在り方、評価の実施なら 評価委員会の席上で当部門から産総研ライフ
びに評価結果に基づいた研究分野・人的・資金 サイエンス分野初のベンチャー企業役員兼任の
的資源の配分は、流動性のある運用と共に、評 件を紹介したがご理解いただけなかったことが
価できる。今後、ベンチャー企業創出を積極的 残念に思います。研究成果をレベルの高い論文
に狙うには技術インキュベーションに関する 誌に投稿するばかりでなく、特許を取得し、自
運営方針など具体性に欠けている部分がある。 らの特許を実用化するためにベンチャー企業を
創設することは今後の産総研のアクティビティ
ーを示す重要な尺度として考えています。当部
門ではベンチャーの可能性のある研究開発には
優先的に資産を投入する方針です。具体的には
新規採用、研究スペースの優先的配分、優先的
研究資金配分を行っており、ポリシーステート
メントにもこの趣旨を明示しています。
B
ご指摘の点を考慮しつつ運営していきたい。
部門長のリーダーシップを発揮できるよう
にすることは新法人の方針であるので適切で 3分野の統合、2部門への分割に関しては第 2
ある。ただし、それに加えて部門内、産総研内 期中期計画作成に合わせて結論を出したい。
の他部門との共同研究および人的交流も強調
した方が新法人に相応しいと考える。研究部門
の目標があいまいであるからまずそれを明確
にして、その上でその目標に向かってどのよう
に研究を推進していくかを明示すべきである。
部門長は研究員の意見を取り入れるフィード
バック機構を意識して、そのことを運営方針に
明記すべきである。また、研究予算の配分にお
いては、成果の出たグループには潤沢に配分す
るなど、フィードバック機能をもった運営をす
ることを勧める。人間生活工学、福祉工学およ
び医工学の三分野あることがこの部門の特徴
であり、三分野の統合に留意してほしい。一方、
人間福祉部門と医工学部門はかなり違った部
分もあるので、将来2つの部門に分けるという
選択も考えられるとの意見があった。
B
若手研究者の育成と、国際的科学技術雑誌へ
の発表を重視していることは適切である。大学
との連携について色々な面から方法を模索し
てほしい。実験動物施設、FMRI、MEG など、
脳神経情報 共有研究設備のより効率的な運営を目指して
ほしい。
本研究分野はバイオサイエンスの分野の中
でもまだまだ解明しなくてはならないことが
多く、数多くの新しい原理・現象の発見が期待
される分野です。従って、本分野で今後世界の
研究者たちと研究開発及び技術開発において
対等に競うため、若手研究者の育成と質の高い
国際誌への発表を重点に国内外の研究機関と
の連携を図りながら効率的な運営を進めてい
く所存です。
A
概ね適切な運営方針が示されている。産総研
独自で、研究者の評価(表彰を含む)システム
を作ることが必要である。研究段階に応じた評
価を行うということについては賛同するが、評
価方法(論文の数など)には疑問を呈したい。公
的研究機関が、成果を世に問える研究とはどの
ようなものか? をもう一度組織として検討
し、場合によっては外部有識者の参画を募っ
ご意見の通りです。論文の数などについての
見解は、上に述べた通りです。ただ、誌上及び
口頭発表の数について誤解が有るようなので、
述べさせていただきます。評価は、技術開発の
到達点、問題の解決度合い等で先ず行うべきも
のと考えており、目標設定は産総研全ユニット
でそうなっていると思います。しかし、昨今の
分かりやすい数値目標とかが災いし、天の声が
B
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
物質
プロセス
75
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
て、評価基準を決め、これを開示しておく方法
は如何か? 時間がかかっても、前人未到の科
物質
学 技 術 を ど のよ う に 将 来 のた め に残すべき
プロセス か? を評価基準と共に考えていただきたい。
また、各研究員が自分の研究課題がどのステ
(つづき) ージ(基礎、応用、実用など)に対応している
か、また自分の組織内の役割を明確にしておく
ことも大事である。
働き発表論文数の目標設定をも行わざるを得
ない状況でした。このような設定は、部外者に
奇異な感じを与え、それのみが印象深く捕らえ
られ、誤解されかねないとの懸念は当初よりあ
りました。その通りになったわけですが、それ
が最終目標・目的であり、評価の主たる対象で
有るわけではないことに、ご注意いただきたい
と思います。
1) 資源配分としては、人材の充実は、設備等
への投資よりも重要である。将来の研究計
画の実現のためのユニットとしての新人採
用等の計画も必要である。
2) ポリシーステートメントで触れられていな
いが、個人の成果評価は大事である。研究
計画を立てるときに年度ごとの目標を上司
と相談して決め、それを基に評価するなど
評価指針を明確に示し、評価を行うことが
大事である。
3) 個人に対する評価軸として、論文、特許等
に加えて社会的貢献も重視してほしい。
総合科学技術会議においても材料技術は重
点分野に入っており、それに見合った人員枠を
セラミックス研究部門に割り当てていただけ
るようお願いしたいと思っております。人的資
源の拡充は、重点研究分野及び知的基盤・標準
化技術を中心に考えております。また個人の評
価に関しては、産総研のシステムとしての短期
評価(年次評価)及び長期評価(昇格)により
行うことになっており、この中に社会的貢献も
評価軸に加えられています。
記述が概略的である。基礎素材の研究とは何
かを定義し、各研究グループの特性に応じた運
営を、掘り下げて記述する必要がある。評価は
「研究者個人」とともに「グループ」としても
必要であり、「個人レベルの研究展開」+「グ
ループでの研究展開」を融合させてほしい。4
研究所統合のメリットを生かすような運営上
の工夫を行うべきである。
基礎素材の定義については前に述べたとお
りである。ポリシーステートメントは部門とし
てどのような運営指針を持つのかであって
個々の研究グループに対応させるものではな
いと考えている。グループとしての評価は短期
評価表の作成の際、グループ長としてどのよう
な目標を立てるか記述していることから当然
行うことになり、研究費等に反映させる。この
ような既定の事実をポリシーステートメント
には織り込む必要性がないのではないかと考
えている。4研究拠点からなる研究部門として
統合のメリット(現状はデメリットの方が多い
が)を活かす工夫は既に行っている。それを、
実施するための予算措置は可能なのであろう
か。
B
ポリシーステートメントに何をどこまで記
運営については、産総研の中期計画等、いわ
ゆる高い次元で決まっているので、ポリシース 入すべきかの検討は不十分であったと反省す
テートメントに、運営方針が具体的にかかれて る。しかしながら評価部からプレ評価委員会に
いないようである。高い次元で決まっているも 設定されたこれらの設問がいかにも後付であ
のを継承するのであれば、評価できる。ただし、 る印象が強い。
研究ユニット独自の特徴的な運営方針もある
と考える。
C
個人評価、研究評価の充実がその具体策であ
研究ユニットの運営方針の根幹は研究者個
人の独創に基づく自由な研究と、分野融合型の ることをポリシーステートメントに表現して
共同研究の推奨である。ナノテクノロジー分野 いる。評価委員からも具体的な提言を期待した
の発展はそれ以外には考えられないが、それを い。
推進する具体的方策への記述があるとよい。研
究所の内外と活発な共同研究がこれからます
ます発展することを期待したい。
B
・部門としてのまとまりの重要性、萌芽的研究 ・部門全体として協力しないと達成できないよ
の重要性が述べられているのは適切である。 うな重要な課題の設定という考えは、ずっと
持っているにも拘わらず、まだ適切な課題の
所属グループ全体に求心力が働くような、よ
設定に至っていない。一層の努力をしたい。
り具体的な方針、すなわち全グループが協力
しないと達成できないテーマもあわせて明 ・委員会からいただいた上記の意見はどれもこ
れも大変貴重なものと受け止めている。運営
示されているとよいのでは無いか。
B
セラミッ
クス
基礎素材
機械
システム
ナノテク
ノロジー
計算科学
76
B
別紙6:プレ評価結果 1. (3) 運営方針
・生体関連では、実験グループとの共同研究を
持つことを研究方針の基本とするよう明示
すべきだ。
・本部門ではとくに、部門長の、研究者の意思
を尊重する、エンカレッジする、という考え
計算科学
を生かすことが大切である。
(つづき)
・日本でこれだけ広い分野の計算科学の研究者
を抱えている研究所は他にはないのではな
いか。分野間の連携や実験グループとの連携
等によって、その利点を活かすようにすべき
だ。
にあたり、実際にそれらが満足されるように
できる限りの努力をしたい。ポリシーステー
トメントをいずれ改める場合には、上記の意
見を取り入れるようにしたい。
(c)研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
具体的な細部についてまで、このポリシース
テートメントだけから理解するのは不可能だ
が、運営方針として基本的には納得できる記述
がされている。狙いと社会性の記述が若干、具
体性に欠ける点がある。
「社会性の記述不足」というご指摘は十分に
深く受け止め、まず今年度の実際の活動で示す
とともに、次年度においてはより詳しく書き込
む予定である。ポリシーステートメントが主と
して内部の構成員に対して評価の基準も含め
て示す面の意識が強すぎたきらいがあること
は反省点である。「狙い」については、「セン
ター」のような明解性は難しいとしてももう少
しまとまりを強調する書き方の工夫を考えて
いきたい。
A
分野の融合や基礎から実用化までを一体化
した課題設定・目標設定の考え方は本特別研究
体の特徴を生かす上で有効で適切なものと考
えられる。ただし、ハード的な研究とソフト的
な研究、あるいは革新技術と既存技術の組み合
わせやシステム化による問題解決等を如何に
生活環境系 バランスよく実施するかが本研究体の目指す
目的を考えると非常に重要であると思われる。
その観点からの運営上の仕組みを良く考える
必要があろう。インセンティブ等の項で安全管
理に関する貢献が入れられている点は適切で
ある。全体的に、流行語、カタカナを使った記
述が多すぎ、理解しにくい点がある。
ハード的な研究とソフト的な研究、あるいは
革新技術によるブレークスルーと既存技術の
組み合わせやシステム化による問題解決等の
バランスが、エンジニアリングを志向するユニ
ットとして重要であることはご指摘のとおり
です。短期的には、外部との連携の中で、補強
してゆきたいと考えています。また、わかりに
くい表現につきましては、吟味して改めるつも
りです。
研究系
人間系
77
B
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
1.研究の妥当性
(4)研究課題の設定が研究ユニットのミッションに沿っているか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
本ミッションは、データの整備と評価モデル
質の高い実データの整備と、科学的な根拠の
の提示を二大目標として設定されており、その ある評価モデルの提示を相互に関連させるこ
方向は妥当であるが、この二者間の相互関係に とが当センターの基本的考え方である。両者の
ついて、具体的に示してほしい。
相互関係については、具体的に成果を出しなが
ら常に最新の考えに基づき明確にし、更新して
いきたい。
B
当センターのミッションは明快である。それ
をポリシーステートメントに明確に記述する
方が良い。
A
全体にまんべんなく設定するよりも、現在の
得意分野で重点化することを考えておられる
化学物質 が、現状では止むを得ないと考える。新規物質
グループの研究課題は、人的資源を考慮しなが
リスク管理
ら、他機関との連携も含めて拡張する努力を期
待する。
フッ素系温暖化物質の地球環境評価、安全性
評価は極めて重要。成果が国際的に認知され、
フッ素系
本ユニットの考え方に賛同する仲間を増やし
温暖化物質 ていくことが重要である。HFC 等 3 ガス分野の
IPCC の活動でリーダーシップをとれるように
なって欲しい。
(コメントなし)
新規リスク探索については、化学的な方法
と、データマイニング手法の二通りの進め方を
している。前者については、大学に多くの研究
者がおり、大学との共同研究または、委託研究
を考えている。後者については、CRM で主体
的に行うが、既存のソフトをできる限り活用す
る方針である。
B
(コメントなし)
A
中期目標・中期計画でのテーマ構成とユニッ
トとが必ずしも対応していないこと、2つのチ
ームの研究内容が独立して示されており、相互
関係が説明されていないことから、2つのチー
ライフ
ムから構成されるユニット(センター)全体の
サイクルア ミッションが明確でなく、ミッションに沿って
セスメント いるかどうかの評価が困難である。
中期目標に、エネルギー評価チームのミッシ
ョンが明確に書き込まれていない。エネルギー
評価チームは、環境影響評価チームのミッショ
ンを支えるという位置づけにすることを評価
委員会でご示唆頂いたものと考えている。従来
LCA は製品評価を主とし、エネルギー評価は世
界、国、自治体といった比較的大きな評価単位
を扱っていた。とらえ方がマクロかミクロかと
いった違いはあるが根底のフィロソフィーに
大差はない。相互に補完しつつ、将来的には評
価の融合化を目指したい。
B
概ねミッションに沿っていると考えられる。
ただし、前問のコメントとも多少重複するが、
各チーム毎のミッション、役割分担、具体的な
連携の実施方法を明らかにすることが重要で
ある。
例えば、a-軸結晶面では、良好な MOS 界面
とデバイス性能の実現の可能性があるが、結晶
-エピ-MOS プロセス・デバイスの連係によ
り、その実現を図っている。デバイス性能と結
晶欠陥との関係は重要課題として取り組む。
GaN のエピ成長は、3C-SiC 基板成長に大いに
依存している。SiC のスーパージャンクション
は次期課題として必須と考えているが、シミュ
レーション・設計、エピ・プロセスの検討を開
始している。各チームとも現在の課題目標達成
に向けて精一杯な状態である。実用化への貢献
という大きな目標にむけて、実力と夢のある集
団になるよう努力する。
B
パワー
エレクトロ
ニクス
78
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
生命情報
科学
生物情報
解析
バイオインフォマティクスの課題を十分考
当ユニットは、バイオインフォマティクスの
慮してテーマ設定がなされている。
研究に特化して研究員を集めており、ユニット
の目標設定と各構成員のテーマの合致性は他
ユニットに比べても著しく高いのではないか
と自負している。当ユニットの新設が決まる前
から工業技術院の研究職員であったメンバー
は4名のみで、その他のメンバーは新設が予定
された以降に当ユニットのミッションに沿っ
て集められた新しい人材である。研究員の人数
が少ない点に多少の問題はあるものの、テーマ
がきわめて良く収束し、相互連携しているとい
う利点は今後とも当ユニットの強みとして活
かしていきたい。バイオインフォマティクス分
野の多様性に柔軟に対応しつつ、バイオインフ
ォマティクス分野の中心課題を十分考慮した
テーマ設定を今後ともしていきたい。
A
機能ゲノムグループは一番頻度多く、グルー
構造ゲノム解析グループ:
研究課題は明確であり、困難が予想される プの集まりを持ち、チーム間の連絡は密であ
る。プロジェクトには、作業的部分もあるが、
が、成果がまたれる。
その大半は参加企業が担当し、センタースタッ
機能ゲノム解析グループ:
フは方法論、データ解析法の開発に専念してい
ヒト完全長 cDNA 解析は日本独自のもので、
るので、明らかに研究であり、しかも産・官・
基盤作りとしてミッションにふさわしい。しか
学連携の特色がでている。ただし、遺伝子多様
しそのあとの研究戦略が明確でなく、このまま
性チームは他の機能ゲノムグループとは別の
では研究というより作業の要素が強く感じら
NEDO プロジェクトの一部であり、チームリー
れる。また、チーム相互の関連が明確でない。
ダーも統合データベースグループのリーダー
また遺伝子多様解析チームの課題はグループ
と同じなので、来年度からは、統合データベー
B
のミッションにそぐわないと考えられる。
スグループの中に含める方向でいる。統合デー
タベースグループの計画は評価当日配布資料
統合データベース解析グループ:
どのようなデータベースを作ろうとするの に述べられているように、JBiC の支援をうけ
か、フィロソフィー(デザイン)が最も重要で て、産業界でも使いやすい、統合データベース
あるが、その点が明確でない。使いやすい、継 の構築を目指し、SNP 情報、遺伝子発現情報、
続性のあるデータベースの開発が望まれる。 医学情報、タンパク質立体構造情報、代謝パス
ウエイ情報を対象として統合化をおこなう。し
たがって、遺伝子多様性チームの成果は、機能
ゲノムグループのミッションとは直接関係し
ないが、統合データベースグループのミッショ
ンには大切なものである。
6 つの再生医工学基盤技術のグループを協調
対象(骨, 細胞, , ,)ごとに生物学的解析の
ティッシュ
基礎面から工学的な応用面までを含むチーム させて、最終的に医療デバイス完成への強い意
エンジニア
作りはなかなか良い。全体を把握し、将来を展 志を持ち続けることにマネージャーの役割が
リング
ある。
望するマネージャーの役割が重要である。
A
A 委員: 本センターの各研究ユニットのミッ
センターのミッションははっきりしている。
ションをどのように規定するかにより、研究課 評価者は、センターとは、大輪の花火的、力仕
題の設定が適切かどうかの評価が変わり得る。 事のプロジェクトを行うもの、あるいは、一定
ジーンディ
の狭く定義されたプロジェクトを行う組織体、
B 委員:(コメントなし)
スカバリー
との潜在意識があるようだ。我々は、根の生え
C 委員:ほぼ沿っている。高木グループの内容
ていない花火や、生け花を作って見せようとし
がヘテロで課題が多すぎる。
ているのではなく、根の生えた長続きのする花
を咲かせようと努力するものだ。
B
分子・細胞レベルにおけるストレスメカニズ
ムの解明やストレス物質のセンシング技術と
ヒューマン いうミクロなアプローチと、生活場におけるマ
ストレスシ クロなストレス解明が研究課題として設定さ
れており、当研究センターのミッションに沿っ
グナル
ている。なお共通課題として、ストレスそのも
のの定義について明らかにするべきである。
79
生体への刺激をすべてストレスと考えてい
るが、今後の研究成果を基に、産総研としての
ストレスの定義を明確に見えるようにすると
ともに、世界的定義として認知されるように努
力したい。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
強相関
電子技術
既存のエレクトロニクスの延長では到達で
きない、革新的な量子効果デバイス・量子材料
の創製に向けての研究課題が系統的に設定さ
れている。強相関電子系の物理概念に基づいて
新物質探索、電子物性・機能の開拓、新概念に
基づくデバイスの構築、新規オプトニクス材料
の開拓・設計、人工格子の新規物性・機能の開
発、デバイスプロセス要素技術の開発、デバイ
ス構造プロトタイプの開発、強相関エレクトロ
ニクスの原理提案、強相関スピトロニクスへの
スピン計測技術の開発と展開など、研究課題は
ミッションに沿っている。
(コメントなし)
A
各研究グループ内のみならずグループ間に
50-70 nm 技術世代の半導体技術開発に必要
な研究課題が織り込まれており、研究ユニット おいても、適切な協力が行われ、総合的に力を
のミッションが十分に考慮されていると考え 発揮できるような運営に留意したい。
る。各研究課題のミッションも分かる。注意す
べきはいかにして総合的成果に高められるか
であろう。
A
その点は了解しているつもりである。週1回
・挙げられたどのテーマも、研究ユニットのミ
のペースで内部で議論を重ねている他、アドバ
ッションに合致している。
・しかし、ミッションが求める範囲は、本セン イザリーボードを組織し随時情報交換を行っ
ターの場合、余りに広大であり、その多様な ている。
選択肢の中から、この少人数で行う実際の課
題を選定することは大変難しい作業であり、
これはどれだけ議論してもしすぎるという
ことはない。その意識を持っていていただき
たい。
A
本研究センターの研究は、明確な目標を持ち
ながらも、マイクロ・ナノレベルでの機能発現
とそのメカニズムの解明という基礎研究とそ
の体系化を、学問的な意味での大きな目標とし
ている。ただし、成果を中心に記述する中期計
画には表現しにくいため明確な記述は避けて
いる。現在までも、超微粒子の分級、発生、特
性評価、また、薄膜熱電素子の特性、マイクロ
バブルの汚れ吸着機能、超微細凹凸面の流動特
性や水素結合制御による氷のスラリー化、ケモ
メカニカル効果によるガラスの加工などマイ
クロ・ナノレベルでの基礎研究は実施してお
り、上記中期計画と共に、マイクロ・ナノ機能
の広域発現という概念の体系化と、より広い意
味での実証にも取り組んで行きたいと考えて
いる。
C
内部における産業界との共同研究をベース
研究推進途中においても企業に対するヒア
ものづくり リングなどを行い、得られた成果を中小企業が にした連携の中で常に確認しながら研究を進
先端技術 活用する意図があるか否かを継続的に確認さ めると共に外部からの意見を研究会等を介し
てニーズの確認・把握に務める。
れることを望む。
A
従来の6チームによる研究組織を修正して、
課題設定自身はミッションに沿っている。世
界一流の高分子研究センターを目指すなら、研 (1) 合成、(2) 構造・物性、(3) 成形加工の大き
究テーマを選別し、集中することが要求され く3つのグループにまとめて研究を進める。
る。センターは研究テーマを切ることができな
ければならない。5 本のうち 2 本は切る覚悟が
ないといいものは育たない。将来研究課題を絞
った場合、研究課題の対象外になった研究者が
自分の経験を絞られた研究課題に積極的に活
かすような雰囲気を作ることも大切である。
A
次世代
半導体
サイバー
アシスト
マイクロ
マイクロ・ナノ機能広域発現研究がミッショ
ンというのだと考えた。その点からいえば、機
能発現をさせるという部分が不明確。単に、微
細加工技術ができれば、ただちに機能発現する
ものではないだろう。ミッションを達成するに
はミクロ・ナノスケールの現象の総合的・基礎
的な現象解明など抜けている部分がある。
・ナノ機能
高分子
基盤技術
80
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
ミッションに対して、研究課題の幅が広がり
すぎている。
1 つのセンターの中に同じ方向を目指してい
る理論グループがあるのはとてもメリットが
あるので、基盤的研究をセンター内に残すこと
は意義があるという考え方もある。基礎研究と
応用研究と有機的に連携しないとまずい。基礎
光反応制御 部門の解析が応用部門に生かされることを期
待する。反応制御チームは、数年の間に文面ど
おりのミッションを達成するのは難しい。評価
の基準を他のチームとは異なり、非常に新しい
概念をだすとか、研究の中できらりと光る物を
出してもらえばよいというような評価軸とす
る必要がある。他の 3 チームは、実用的研究に
方向を変えることが可能であろう。
新炭素系
材料
ユニットのミッションは、新炭素系物質の創
製と材料化およびその応用開発であるが、その
遂行に必要な課題設定がなされている。プレ評
価で各チームから発表された課題を着実に実
施されたい。
各研究課題に対して研究者が平均8名従事
しており、現在の研究課題の幅が広がりすぎて
いるとは考えていない。むしろ広い視野からの
ミッション達成に挑戦している。反応制御チー
ムのミッションとして、完全に副生成物が出来
ない反応制御を第1期中に実現することは、指
摘の通り困難かもしれないが、すでに従来の常
識を覆すような結果も出始めており、きらりと
光る成果を評価したい。
B
各チームの課題を着実に実施する予定。
B
環境センサーの開発など、全体的に中期目標
以上の目標をかかげており、概ね適切といえ
る。ただし、共生化することにより目標達成に
シナジー 至る筋道をもう少し具体的に明らかにする必
要があると考えられる。また、研究課題の多く
マテリアル
が実用化を目指しているが、真にその方向をと
るためには、数年後の段階で取捨選択して重点
的に研究課題を絞り込むことも必要となるで
あろう。
(コメントなし)
超臨界流体利用技術は、今後の社会的課題(環
境調和・循環型社会構築)にとって有力な手段
となる。その実用化のためには、短期間の集中
超臨界流体 研究が必要で、得られた成果の社会還元を急ぐ
ことが強く求められている。この意味で、研究
課題の設定は研究ユニットのミッションに沿
っており、適当であると判断される。
(コメントなし)
B
A
損傷化技術についてはもっと現実的な研究
損傷修復も重要であるが、損傷の発生を抑制
内容で進めて欲しい。課題設定は妥当である することがまず重要であると考え、その原因と
が、実用化をもっと目指して欲しい。
なる振動を検出し、抑制する機能を備えたスマ
ート構造体の開発を進める。研究課題は、その
ためのセンシング技術及びアクチュエーショ
ン技術の開発であり、それを統合化した形とし
てのスマートパッチによる実用化試験である。
こうした研究を通してより現実的なニーズ対
応のテーマへと調節し、中期的計画を立案す
る。応用面では科学技術基本計画および産業技
術戦略にベクトルをあわせた研究開発に取り
組んでいく。
A
この設問における「研究課題」とは何を意味
産総研の戦略に基づくこのセンターのミッ
界面ナノ
アーキテク ションがはっきりしないため、研究課題の設 するのか不明であり、評価側も判断に困難を伴
うことは理解できる。
トニクス 定、過不足の判断は困難である。
-
スマート
ストラク
チャー
81
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
計測標準
研究課題が多岐に亘るのは計量標準の性格
上当然と考えられ、それらを個々に評価しない
といけないという側面もあるももの、計量標準
の高度化・国際化というミッションには全体と
しては沿っていると判断する。
当部門のミッションをご理解いただき、その
延長として次世代標準研究から標準供給業務
までを含む広範囲の業務展開が当部門にとっ
て不可欠であることをご理解いただけたもの
と考えます。
A
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
現在の研究課題 18 項目とも、本研究ユニッ
トのミッションである「知的基盤整備」・「社
会安寧・産業への貢献」
・
「技術の開発高度化」・
「普及」および「国際貢献」のいずれか複数に
沿っており、妥当である。
(コメントなし)
ミッションに沿った 7 つの重点課題を設定
し、社会的要請に沿った幅広い課題を設定して
いる。
(コメントなし)
提案された研究課題は、本ユニットのポリシ
ーステートメントに掲げられている 3 つのキ
ーワードに沿ったものと判断される。しかし、
研究課題が極めて多岐にわたるため、現状では
1研究ユニットとしての特徴を多様性に求め
ることとし、その中から「海」をキーワードと
した新たな研究分野の展開が期待される。
A
A
上記 1. (1) (p. 52)、 1. (2) (p. 63)、ある
いは 2. (2) (p. 116) で敷衍した「インターデ
ィシブリナリ、トランスディシブリナリの追
求」などに即した課題設計を浸透させていきま
す。
B
概ねミッションに沿っていると考えるが、更
第1期(4 年間)以内に、小型分散エネルギ
エネルギー
に系統的な調整が必要である。
ーシステムとエネルギーセキュリティの研究
利用
に重点化する予定である。
B
両グループとも、ミッションの整理と、外部
予算の獲得努力を継続中で、これを支援する。
再生可能エネルギーおよび未利用エネルギー
に対する取り組みは、複数のユニットで連携を
とりつつ分担しているのが現状。既に、光技術
研究部門との連携による新型太陽電池の開発
(薄膜太陽電池グループ、全員光技術研究部門
からの併任)や、パワーエレクトロニクスセン
ターとの連携(当部門グループ長からセンター
のチーム長への併任)などの明示的な例を有し
ており、今後もこの方向を推進する方針であ
る。
全体的にプロジェクトに参加している(多く
は立ち上げに主体的にかかわっている)場合が
多いため、全体像の提示とその中での位置づけ
を明示するよう努める。核融合や宇宙の分野で
は、国全体の計画の下に個々のテーマを分担し
ており、予算規模にかかわらず、いずれも主体
的で国際的にも高く評価された先進的成果を
挙げている。全体計画の見直しにも参加してお
り、学術研究や巨大ミッションに偏らない産総
研の立場からの発言を行っていく。このような
現状をより分かりやすく説明するよう努める
と共に、今後の方向についても従来の経緯にと
らわれずに精査していきたい。
B
宇宙技術グループと電力環境計測グループ
の研究課題がよりミッションに合うようにも
う少し工夫が必要と思われる。太陽光以外に、
社会的に注目を集めている風力、バイオマスな
どの利用についてどのように考えられている
のか。産総研の他部門との創造的協力関係など
を明示した研究課題が追加設定されれば、さら
に優れた研究課題の構成になると思われる。外
部機関が中心となって進めているプロジェク
ト研究に参加する課題に関しては、常に全体の
研究の中での位置づけを確認し先導的に研究
を進めることはもとより、産総研として独自の
電力
視点から研究方向性を峻別し、それをもってプ
エネルギー
ロジェクトに対して提言・提案を行うなど積極
的な情報発信が重要な役目であろう。
82
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
環境管理
環境調和
技術
ミッションに沿ってはいるが、部門内グルー
今回のプレ評価では、3研究分野について関
プ間や外部機関との連携を一層進めることが 連するグループ間での議論を踏まえて、説明資
必要である。
料を作成した。このプロセスはグループの連携
強化に効果的であるとのコンセンサスが得ら
れており、関連グループ合同での研究成果報告
を含む議論の場を設定していく。外部機関との
連携が不足している研究グループがあり、今
後、指導をしていく。
従来の経緯があるので止むを得ない面があ
るが、今後、どのような方針でテーマの絞込み
をしていくかが重要。産総研全体のミッション
の中での本ユニットの位置づけや役割分担、連
携の進め方をはっきりさせて、特色ある研究部
門となることを期待する。
A
指摘された点を踏まえて、新しい研究課題の
抽出と設定を世界的かつ長期的視点に立って
行い、スケールの大きい課題に挑戦して行きた
B
い。また、お互いの特徴を生かした連携を図り、
産総研全体の発展に寄与する。
4つの研究課題は、ユニットのミッションに
評価に感謝している。この4つを重点として
沿っている。
集中的に資源を投下したい。
A
「知能システム技術にかかわる研究を広く
すでにこれまでのコメントでも示したよう
取り上げ、新産業の創造と発展に貢献するこ に、世界の最先端を走ることを義務とする研究
と」というユニットのミッションには沿った課 集団として、厳格な目標設定はかえって、新規
題設定が行われている。
アイディアの芽を摘むことになると考えてい
る。優れたアイディアが提案された場合にそれ
を見逃さずに、拡大発展させていく仕組みをぜ
ひ部門内に確立したい。こうした視点からは、
長年手がけられて世の中にすでに認知されて
いる課題で、産業の土俵にいまだに載らない研
究課題は、移行期に整理、中断しなければなら
ない課題であり、その準備はすでに進めてい
る。
研究者の発意により独創的課題が提起され、
それが部門運営者に認められて部門の重点研
究として研究が発展し、その成果を基に産学官
連携コンソーシアムや新しいラボやセンター
のような形で実用化研究が振興・発展し、産業
界に展開していくという研究の流れが部門の
ミッション達成の一つの理想形態と考えてい
る。この理想の実現に努力する所存である。
A
シーズ創出、ニーズ対応に照らし合わせる 1) 人的資源の量的不足については、現在設定
しているグループ間には基本的にバリアー
と、次世代のエレクトロニクスの基幹部分をカ
はないこと、およびグループ間の連携を戦
バーすべく、研究課題が設定されているが、超
略的に進めることでカバーする方針であ
伝導関連の分野以外は人的資源に(量的)不足
る。また、マイクロファブや共用計測ネッ
エレクトロ の傾向がある。システム系についてはよりソフ
トがこの問題を解決する大きな手段になる
ト系との連係を強めることを考慮されても良
ニクス
と考えている。
いと思われる。
2) ソフト系との連携については、その必要性
は認識している。システムインテグレーシ
ョン技術の研究においては特にソフト側の
ニーズを把握していきたいと考えている。
B
ソフトフォトニクス、アメニティフォトニク
スハードフォトニクスとも適切な課題設定を
今後も行っていく。特にソフトフォトニクスに
関してはコメント事項を踏まえ、もう一段上の
レベルの研究展開を図りたい。また産総研の政
策立案という公的な研究機関の役割は、特にマ
ネージメントを担う部分の責務であり、この課
題への注力も行っていく。
B
情報処理
知能
システム
光技術
ハードフォトニクス分野に関しては、長期的
な基盤技術育成を主眼とする部分と、短期的な
産業界のニーズに応える部分とを明確にして
課題の取捨選択をすることが必要である。アメ
ニティフォトニクス分野の課題設定は概ね妥
当。
有機半導体は、薄膜技術を活用して現在実用
化に近づいている有機 EL(電子蛍光)より、
83
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
さらに一段高める努力を行っているが、違いを
もう少し明確に表現すべき。ソフトフォトニク
ス分野の課題設定は手堅いが、さらにもう一段
上のレベルを狙ってほしい。
情報通信の分野はマンパワー不足なので、シ
光技術
ステムを目指した要素技術を考え、産業界と密
(つづき)
に交流しながら行うべきである。また、従来以
上に産官のチャンネルを太くし、産業界の考え
ることをよく把握すべきである。産総研は政策
立案といった公的な研究機関の役割も忘れな
いでほしい。
生物遺伝子資源研究武門の研究は広い範囲に
わたっている。とくに微生物の探索から、生態
解析、環境保全技術への応用、分子レベルでの
生物遺伝子
環境適応解析、構造解析あるいはゲノム情報に
資源
基づく新規分子の設計、生物資源を利用した高
分子、脂質、生理活性物質の合成と利用、ナノ
レベル分析技術の確立までをも視野に入ってお
り、研究ユニットのミッションに沿っている。
分子細胞
医工学
A
1) ゲノム情報の活用による遺伝子発現制御
の解析・利用、2) 生命現象の分子・細胞レベ
ルでの解明・操作・利用、3) 分子・分子集合
体の構造解析の解明・利用、の三つの重要課題
の設定は概ねミッションに沿っている。しか
し、互いに密接な関係をもつべきこれらの研究
内容が、独立して設定されている部分が認めら
れ、横断的な機能面での課題設定が不足してい
る。
コメントの趣旨は先生方の発言では1、2、
3相互ではなく、研究課題レベルでの相互関係
に関する指摘と受け止めています。プレゼン後
の質疑応答の時間が少ないため、十分な説明が
できなかった面があろうかと思います。たとえ
ばある課題に対する研究手法として生物化学
的手法と有機合成化学的手法の違いがあり、そ
れぞれに特長があることを補足的説明でご理
解いただけたと考えています。
また今回は説明できませんでしたが、これま
でのグループをそのまま継承しているのでは
なく、産総研発足時にすでに従来のグループの
廃止および新設を行っています。たとえばグル
ープによっては研究対象は異なっても研究手
法が大きく括れる研究者を集めた横断的課題
設定の試みを行っています。このような改変は
人間的要素も加味しながら、重要課題の設定を
含めて継続していく方針です。
研究ユニットのミッションは機器や技術の
開発に重点を置いているのに対して、重要研究
で採り上げている課題はもっと広範囲になっ
ているように見える。ミッションをあまり絞り
込まない方が良いと考える。3つの分野を融合
して共通の最終目標に向かって現状の過不足
を補えるような今後の共通の研究テーマを示
すべきである。バーチャルヒューマンモデルは
共通の目標になりうると考える。
3分野統合の視点に立てば、ご指摘のとお
り、バーチャルヒューマンモデルを共通目標と
するのが適切と考えている。健康人から、障害
者、病人にいたる広義のヒューマンモデルを開
発することは、人間生活の安心、安全の向上に
大きな役割を果たすと確信している。
工学
人間福祉
(コメントなし)
産総研の研究部門はその発足の趣旨がセン
いくつかのグループの研究課題の設定が、ま
だ十分脳研究に特化していない面がある。時間 ターの場合と異なり、部門長の意思で研究者を
がかかることは理解できるが、最終的には脳研 集めているのではなく研究者の希望で研究部
門に参画するというシステムであるため、研究
究をするという目標を達成してほしい。
課題の設定において直接的には脳神経研究に
脳神経情報
結びつきにくいものが生じてしまっている点
をご理解下さるようお願いいたします。先生方
のご指摘どおり、これから産総研本部の協力を
得ながら時間をかけて脳科学研究へと全体の
研究体制を整えていきたいと思います。
84
B
B
B
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
物質
プロセス
セラミッ
クス
従来の流れから、個々のグループが多くの細
かいテーマを抱えていることは、その通りで
す。しかし、それから脱却し、且つ横の連絡を
取らせ、流動性を出すために、重点課題を設定
し、しかもそれを7つに絞り込みました。した
がって、完璧であるとは考えていませんが、当
面はこの重点7研究課題の基で研究を行い、ま
たこの7研究課題を活用して横の連絡と流動
化を図って行きたいと考えています。将来的に
は、グループの再編・大型化は考えています。
しかし、大型化に伴いグループ掌握の困難さが
増しますので、短兵急のグループ大型化は意に
反した細分化に繋がる危険性もあります。した
がって、現グループ体制は出来たばかりですの
で、微調整はあるにしても、しばらくは、この
ままでやってみようと考えています。
B
有難うございます。 ご指摘の点を考慮しつ
課題設定については、従来のテーマを発展す
る形で継承されており、それなりに進展が見込 つ、部門・グループの運営を行いたいと思いま
す。
めるであろう。
1) セラミックス製造における環境問題をトー
タルで考えることが大事である。
2) 低温焼結技術の開発においては、その前段
階のプロセスのエネルギーも含めて考える
ことが必要である。
3) 有機溶剤を使用するプロセスの脱有機溶剤
化など、環境関連の課題に取り組んでほし
い。
4) 材料の評価、標準化については、他の団体
も取り組んでいることであり、国全体の役
割としてこの部門でどこを分担するのかを
明確にするとともに、JFCC(日本セラミッ
クスセンター)との連携も全体のシステム
として必要となろう。
A-
確かに萌芽的研究を実施する研究グループ
については、当該部門のミッションに沿ってい
ないところもある。それは、我々がそれを検討
しなかったのではなく、それらのグループの多
くが、研究拠点毎にシナリオを考えているナシ
ョナルセンター化構想とリンクしており、研究
部門の考えと馴染まないが整理できないでい
るところである。4つの研究拠点からなる当該
部門としては、4つのナショナルセンター化構
想に巻き込まれる可能性を秘めている。萌芽的
研究グループをどのように位置づけるか具体
化させるためにも産総研総体として一日も早
くナショナルセンター化構想の骨格を明確に
していただきたい。
B
研究課題の設定は概ね妥当である。一方、重
点研究7課題が、研究部門のミッションとチグ
ハグになっているところも垣間見える。例え
ば、第1~第4のグループのテーマ設定は、多
少狭義にすぎる。産業界の委託などでかなりの
数の個別テーマが設定されたためであろうが、
もう少し大きくくくる部分がないと、部門の目
標がぼやけて小さくまとまっている印象は払
拭できない。組織を小さくしすぎた弊害であろ
う。グループをできる限り大きくくって流動
性、情報の共有・交換をしやすい体制をつくる
方が好ましい。
重点課題についてはミッションに概ね沿っ
ているが、研究部門全体で見ると十分でない。
萌芽的研究の多くが国研時代からの継続課題
をベースにしており、そのポテンシャルを生か
して、戦略を考えたうえで、将来に向けて展開
する努力が必要である。
基礎素材
機械
システム
研究課題の設定に際して、ポリシーステート
メントに書かれている産総研あるいは研究ユ
ニットのミッションを意識し、本ユニットが
「技術の空洞化などの問題に対応し」「中核を
担う」のであれば、「環境調和型製造技術」「マ
イクロ・ナノ・ファブリケーション」「信頼性
工学」で、どのように産業を引っ張っていくの
かについて考えて記載していただきたい。
85
ご指摘の通りである。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (4) 課題の設定
ナノテク
ノロジー
計算科学
研究ユニットが目指している“ナノテクノロ
ジー”のミッションと研究課題は整合性があ
る。ボトムアップ型のナノテクノロジーを目指
している。ナノテクノロジーの分野は複数の異
なる分野の融合によりはじめて発展が期待で
きるが、研究課題はこれを推進するように設定
されている。ただし、いくつかのグループに分
散化の方向となるようなキーワードが見られ
るため、できれば、研究部門長を中心とした統
一的な研究課題を 2~3 に絞り重点課題とすべ
きである。
発足直後であり、軽軽に重点化することはで
きない。ある程度の時間をかけて、強みのある
分野を特定し、育成していくなかで、自発的に
重点化が進むようにすることが肝要であろう。
でなければ、個人の発想を重視するというポリ
シーと整合しない。
・産総研の掲げている、「産学官ポテンシャル
の結集による産業技術力の向上や新規産業
の創出」という中期目標には適っていると思
われる。しかし、その与えられたミッション
はそう具体的ではないと言える。実際に、こ
の部門は、プログラムを作る部門にもできる
し、なんでも相談員の部門にもできる。他の
部門とのかかわり方をよく考慮した、明確な
ミッションを与えることが、重要である。
・産総研になって、バックグラウンドが広がっ
たという意味で、最も利益を得たのは計算科
学部門であるといえると思う。部門の境際的
性質を生かし、積極的に他ユニットと共同研
究を行って、成果を上げるようにして欲し
い。
他の研究ユニットとの具体的協力など、もっ
と積極的に取り組むべきことと考えている。こ
れまでのところ、本部門内の体制の整備を優先
的に行ってきた。最初に述べたように、いくつ
もの研究所からの研究者の集合体であり、この
ような組織が形成できたということは組織改
編のおかげであることは事実である。一方、そ
うであるが故に、内部の体制の整備にやや時間
を要するということにもなっていることを理
解していただきたい。
A
B
(c)研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
現有の人材、設備をフルに活用するという条
件が存在することを考慮すれば、十分にミッシ
ョンに沿った課題が設定されていると思う。グ
ループ間の相互関連、連携性をもう少し明確に
した方が良い。今後どのように連携し発展して
いくかが、この人間系としての課題。ただ、個々
の課題は広い領域にまたがるため、相互に有機
的連関をもたせつつミッションを遂行してい
くには、研究上の強い求心力が求められるであ
ろう。
非常に的確なご指摘を感謝いたします。私自
身もこの点が重要であると考えております。い
ろいろな仕組みを予定しておりますので結果
でまたご判断願います。今回の発表ではグルー
プリーダーの発表に時間を割いたためグルー
プのまとまりの方を強調する一方でこのよう
な欠点が目立ってしまった面もあるかと思い
ます。実際のグループ間の連携は各研究員レベ
ルでどんどん進んでいるところであり、このよ
うな動きもご覧になっていただけるようなプ
レゼンテーションを心がけたいと思います。
B
生活者に密着した課題を広く捉えており、ミ
ッションに沿っている。グローバルな視点から
の課題が見られないのは、研究体の性格上やむ
生活環境系 を得ないと考える。しかし、ミッションに沿っ
た長期的展望グローバルな視点にたった課題
が将来を展望するためには必要であり、それを
内包するような課題設定が望まれる。
「特別研究体の存続に関して 3 年で見直す」
ということが、いろいろな不適切な表現で研究
現場に風評として入ってきており、研究者の士
気にも影響し苦慮しています。「頑張れば未来
はある」ということを明示しつつ、長期展望を
加えた研究課題にリバイスしたいと考えてい
ます。
B
研究系
人間系
86
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
1.研究の妥当性
(5)研究課題の設定に過不足はないか?
(a)研究センター
研究
センター
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
深部地質
環境
現在、委託元と実施契約を協議中で、短期・
従来、現在、将来の科学的研究から見て、妥
当である。ただし、達成目標を、短期、中期、 中期・長期の目標や課題をさらに具体化しつつ
長期に分け、それらの中での課題の軽重につい ある。年度ごとに、フレキシブルに見直すこと
て、さらに各期間内での達成の具体的見通しに にしている。
ついて、示していただけたら、さらによい。
A
活断層
基礎研究が欠けている。基礎的課題は多い方
産総研の研究センターは、確実な中(短)期的
が望ましく、長期的に取り組む課題についても 目標達成が求められている。そのため、組織的
明確に設定する方が良い。
研究については、実現可能なものを示してい
る。個々の研究者の長期的視点に立った活動も
可能な運営を行っており、活発な研究活動と発
展を期待している。
B
当面、人的資源の不足のため、測定はほとん
課題の設定は十分ではないが、現有スタッフ
からみて、止むを得ないと考えられる。測定と ど行わない方針である。分析機関への人の派遣
化学物質 モデル計算がアセスメントの両輪であるが、測 依頼や、委託研究などを行う。測定技術、測定
リスク管理 定面への取り組みが弱い。測定技術に対するモ 計画への提言は可能。
デル側からの要求を他部門に提言していくこ
とも重要。
B
環境評価、分子設計、合成の編成は今までの
フッ素系
ポテンシャルの上にたったものであり、発足段
温暖化物質
階として適切に絞り込まれている。
A
(コメントなし)
エネルギー評価チームで行うエネルギー需
上記 1. (4) (p. 78) のユニット全体の目標が
明確にならなければ、2チーム構成での課題設 給分析は、電源構成など環境影響評価チームの
定が必要十分なものかどうか、判断しにくい部 課題の基礎データとなる部分を多く含んでい
る。しかし、エネルギー評価チームの課題は、
分が残る。
ライフ
環境影響評価(LCA)チームでの活用以外の部
分もある。中期目標には、環境影響評価チーム
サイクルア
のミッションが大きく前面に出ているために、
セスメント
それを支える部分以外をセンターのミッショ
ンとして認めがたいという意見と理解する。セ
ンターは中期目標を成し遂げる必要があるが、
中期目標を前提としつつさらに発展する部分
を創り出すことも必要と考える。
B
ご指摘の通りであり、努力する。特にナイト
課題の設定に概ね過不足はないと考える。し
かし、これも前2問と重複する所があるが、一 ライド系の位置づけについては、プロジェクト
体的なセンターとしてチーム間の棲み分け及 においても、次世代通信システムのデバイスと
パワー
びチームの連携を深めるように努めることが しての位置づけが明確になり、ポリシーステー
エレクトロ 重要である。それにより課題全体のカバーが可 トメントにはその旨明記したい。
能となる。また、基盤的研究(ナイトライド系)
ニクス
の位置づけをポリシーステートメントに明記
(次世代通信システム(RF 応用))することによ
り、研究者の志気がより上がることになる。
B
生命情報
科学
それぞれのチームの研究課題は重要不可欠
である。しかし、バイオインフォマティクス全
体をカバーしているわけではない。特に、細胞
内の生命現象のシステム的モデル化技術の研
究開発を拡充強化すべきである。
87
当ユニットには5つの研究チームを設置し
ている。このチーム設計は、バイオインフォマ
ティクスという学問分野を分析し、その全体を
できる限りカバーできるように、(チーム数の
上限を考慮しつつ)設計したものである。これ
B+
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
らの研究課題の設定をおおむねご評価いただ
けた点をありがたく思う。しかし一方、評価委
員の先生方がご指摘されたように、細胞内生命
現象のシステム的モデリングの分野は今後大
きな研究展開が期待されており、単独の小チー
ムだけでカバーできないほどの広がりを見せ
始めている。評価委員の今回のご指摘に従い、
今後は細胞レベルに対応した研究開発の優先
度をできるだけ上げていくことにしたい。現
在、細胞モデリングの分野は世界的にも試行錯
誤的、萌芽的な研究が始まったばかりである
が、理論基盤的な研究を重視する当ユニットの
活躍の可能性は大きいと考えている。本件は後
の 2. (1) 項 (p. 104) 等の回答とも関連する。
「細胞レベルの研究の強化」が一つの課題であ
ると受け止めた。
生命情報
科学
(つづき)
生物情報
解析
概ね妥当であるが、少しテーマを広げ過ぎて
いるきらいがある。例えば、機能ゲノム解析グ
ループの「細胞ゲノム解析」は現手法では多様
な結果が予想され、その後の解釈が困難になる
と考えられる。また統合データベース解析グル
ープの「比較ゲノム解析による生物進化」は
BIRC のミッションと少しずれていると見受け
られる。
テーマは絞った積もりで居る。機能ゲノムグ
ループは、分子細胞生物学的チームを加えるこ
とも可能だが、個々の機能解析はあえてとりあ
げてない。その中で、細胞ゲノム解析チームは、
網羅的に機能解析できる手法の開発を目指し
ている。具体的には、2. (3) 計画の項 (p. 120)
に述べている。統合データベース解析グループ
の「比較ゲノム解析による生物進化」の研究は B
統合データベース構築にも必要と考える。遺伝
子の相同性分類、機能的分類等の解析を通じ、
ヒトゲノムの生物学的特徴を明らかにし、EST
や完全長 cDNA 配列との相同性検索によるヒ
トゲノムの遺伝子探索ツールの開発が可能と
なる。したがってミッションに十分沿ったもの
と考える。
ポスドク、院生に加え企業大学からの客員研
「基盤から生産技術までトピックスも含ま
ティッシュ れ過不足ない」という意見と、「人数の面から 究員が続々と参加しつつある。
エンジニア 拡がり過ぎが感じられ、動物実験代替や細胞ゲ
リング
ノム等の保険的なものをやめ、課題を絞った
ら」という意見あり。
-
上記のことが理解されれば、センターが、こ
A 委員: 本センターの各研究ユニットのミッ
ションの規定の仕方により、研究課題の設定に れから成長して行くものである事が理解され
ると思う。
ジーンディ 過不足がないか見解がわかれる。
B/C
スカバリー B 委員:(コメントなし)
C 委員: 多比良、今村、倉地グループはわか
りやすい。他のグループのテーマ設定はもう少
し成果を見てから再検討が必要である。
当研究センターのミッションを遂行するに
は、より多くの研究課題の設定が望ましいが、
ヒューマン 当研究センターの規模から研究課題の設定は
ストレスシ 概ね妥当である。理想的には、ストレスのミク
ロ的解明とマクロ的解明の間を結ぶ研究課題
グナル
が必要であると思われる。
強相関
電子技術
基礎科学的な原理探求型の課題、萌芽的な科
学技術を追求する課題、新科学技術分野を創成
することを企図する課題等が設定されている。
基礎から応用への縦糸となる課題、科学技術の
分野横断的な横糸の課題が、十分に考慮されて
88
各研究チーム間の研究交流の場を設けて、ミ
クロ的解明とマクロ的解明の間を結ぶ研究課
題の提案ができるような研究運営に努めたい。
例えば、ミクロ的解明によるストレスマーカー
の同定を受けて、それを日常生活の中でセンシ
ングするセンサー開発につなげるような研究
課題を模索中である。
A
(コメントなし)
A
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
強相関
いる。ただし、デバイス化や理論面で他研究ユ
電子技術 ニットと連携をさらに模索するとともに、研究
(つづき) ユニット間の関連を明示することが望まれる。
次世代
半導体
サイバー
アシスト
概ね過不足はないが、現状では必要条件は満
たすが十分条件は満たしているとはいえない。
特に、新デバイス・プロセス技術がどのように
新デバイスの実現に結びついていくのか必ず
しも明確でない。また、システムアーキテクチ
ャの開発に関して、その手法を遺伝的アルゴリ
ズムだけに限定している根拠も明確でなく、通
常の回路構成技術に関する優先的に行うべき
具体的研究テーマを入れるべきと考える。これ
に関連しては、研究の進捗を見ながら人員配置
等の柔軟な見直しを行ってほしい。
これらの研究課題は、新しい技術原理のアイ
ディアを実証し、50 nm あるいはそれ以細の
技術世代に有用な実用技術に立ち上げるのが
目標である。現在取り上げているテーマは、限
定的な選択ではなく、柔軟に、改廃や新規課題
の採択を行う予定である。研究体制や人員配置
の見直しにも、機動的に対処したい。
・研究リソースは、サイバーアシストの全テー ・「異分野」を入れて「情報学」のセンターと
マのためには、極端に、不足している。現実 する(50 名規模)ことは理事長からも示唆が
には、この陣容でサイバーアシストの全テー あった。我々としても歓迎である。ただし、
マはやりようが無いくらいである。しかし、 これには人材の投入が必要で、センターだけ
産総研のテーマとして、必須の、落とせない で解決できる問題ではない。
課題であることも事実なので、現状の計画で ・情報処理学会に「知的都市基盤研究グループ」 B
を立ち上げた。ここで社会的な連携を深めて
挑戦して行くしかないだろう。
・社会をこの研究センターで変える気があるの いく所存である。
であれば、たとえば、異分野、文科系、法律 ・認知科学者との討論などは積極的に行ってい
学者も入れてテーマを構築すべきではない る。
か。すなわち、「社会性」を持つべきだ。
マイクロ・ナノ加工とそれによる機能発現は
小さな課題ではなく、ナノ粒子生成では解決し
ない。ミクロ・ナノスケールの現象の総合的・
基礎的な現象解明のための研究課題が必要で
はないか。
マイクロ
・ナノ機能
マイクロ・ナノ加工とそれによる機能発現
は、大きな課題であり、それを産業界に役立つ
出口を明確に意識しながら、一つ一つ実現する
と共に、新しい学問的体系化を実現しようとす
る大きな目標を持っている。学問的体系化は、
センター長を中心に広く産総研の研究者を巻
き込みながら、実現していく戦略のもと、スタ
ートさせたい。それと共に、新機能を考案、発
C
現させ、新技術として、基本特許を取得するな
ど、マイクロ・ナノ領域での新技術の創製にも、
特に力を入れたいと考えている。
なお、ナノ粒子技術は、本研究センターが大
きなポテンシャルを持つ技術の一つであり、マ
イクロ・ナノ機能構造体生成に適用できる手法
の一つとして、更に発展させたいと考えてい
る。
常に製造現場との接点を重視しながら研究
本研究課題のミッションについては概ね過
ものづくり 不足無く課題が設定されている。但し、設計の を進めていく方針である。
先端技術 ノウハウ、技能(p. 60 の 1. (2) に関連)等の
調査・分析と体系化にも将来留意されたい。
高分子
基盤技術
B
このセンターが産官学のまとめ役になるな
ら、この課題設定でよいが、国際的な高分子研
究のセンターを目指すなら、研究テーマの集中
化が必要である。高分子合成の面で、固相重合
による縮合系高分子の構造制御などを除き、研
究課題に独自のものが感じられない。異分野に
学び、独自の発想による研究課題を期待した
い。高分子の機能につながる研究の課題のとり
あげ方が不明。産総研の他のユニットと密接に
つながっている課題で、しかし、高分子基盤技
術研究センターでとりあげるべき課題がある
89
A
固相縮合重合などユニークな幾つかの研究
に焦点を合わせて、研究チームの編成を修正し
たい。特に、成形加工研究の力が不足しており、
早急に体制を回復したい。ゲル研究については
中心となる研究者の採用を考えたい。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
はず。ゲル研究は産業につながるかというとこ
ろまできている。産業界、学界はゲルの研究に
期待しているのに、ソフトマテリアルチームの
高分子
基盤技術 中で、ゲルの研究が弱くなっているのは残念で
(つづき) ある。プラスチックのリサイクルの研究は非常
に重要であると思うが、その視点が欠けている
と思う。
独自技術の開発に注力して欲しい。光反応機
構チームの高速分光研究は太陽光エネルギー
変換チームや太陽電池の実用研究に踏み込ん
で欲しい。各チームとも研究課題が多く、全体
的にやや分散傾向のように思われる。
光反応制御
大きな目標達成のためには研究マンパワー
の集中が必要なのではないか。しかし現時点で
研究課題を絞るのは難しいのではないかとの
意見もあり、今後の研究の進展状況を見ながら
考えるのはどうか。
新炭素系
材料
独創的な技術開発を心がけたい。光反応機構
チームの高速分光研究は、太陽光エネルギー変
換チームと積極的に連携を計る予定。上述した
ように各研究課題を担当する研究者は平均8
名おり、課題は多いとは思わないが、分散しな
いようなマネージメントを心がけたい。
産総研の優位性を判断して課題設定及び研
研究課題が若干多いように見受けられる。各
テーマの関連を考慮するとともに、今後、研究 究の進展に合わせて対応する。
動向に対応するなど課題設定は常に研究の進
展に合わせた対応を望む。
本研究ユニット規模でできる範囲で考えれ
ば、概ね過不足はないと言えるであろう。しか
し、エネルギー環境関連材料への展開を考えて
いる割には研究課題が片寄っているきらいが
ある。個々の仮題については、標準チームでは、
シナジー
透過電顕による原子レベルでの微視的評価で
マテリアル 特性を理解しようとしているが、構造材料にお
ける破壊要因などマクロな構造制御(傷への対
応など)という観点からの評価も必要と思われ
る。摩耗チームでは、難しいテーマに短期間で
解答を与えるには、単に方針だけでなく、もっ
と具体的な方法を示すことが必要と思われる。
(コメントなし)
研究課題の設定に過不足はなく、適当であ
る。NSS 研究や民間との共同研究・プロジェク
トと協力し、それらの研究と合わせて総合的に
超臨界流体
進めていくという点を明確にした上で、全体と
して成果があがるように、総合的に機能する円
滑な運営が望まれる。
(コメントなし)
スマート
ストラク
チャー
界面ナノ
アーキテク
トニクス
B
B
A
各グループ間のテーマの整理はある程度さ
研究課題は、アクチュエータ材料の開発から
れている。ただし、競争原理がなくなるような それを用いたデバイスの完成までを目標に幅
整理はしない方向でさらに検討することが必 広に設定されているが、チーム間において多少
要である。
の重複はある。その中でいい意味での競争も起
こるし、協力関係も生まれると考えている。現
状ではセンサとアクチュエータによる損傷抑
制機能をもたせたスマートパッチの開発に偏
った印象を与えるが、将来的には損傷修復の可
能性も検討してみたい。
1. (4) (p. 81) に同じ。
B
B
1. (4) (p. 81) に同じ。
-
90
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
2010 年に現在の米国並みという目標に対し
ては、設定そのものは大枠として考えれば過不
足はないと判断される。しかしながら、標準体
系全体を俯瞰してというよりも従来の研究の
延長線上での設定と見られる部分も見受けら
れる。また、標準物質については数がやや過多
ではないかという意見がある一方で、量は適切
であるが、種類を再検討する必要との両方の意
見もある。なお、それぞれの課題のプライオリ
ティ付けとその根拠を示すべきである。
第一期においては、知的基盤特別委員会での
議論を踏まえながら、世界一流の標準研究所と
比肩するため、自ら開発する必要のある標準を
中心に研究を進めています。今後、基本的な量
の標準が整うにつれて、国家間でシェアするこ
とが合理的である標準、新分野での標準につい
て検討するフェーズに入ると思われます。
軸足となるキーワード例は“先端産業の支
援、環境・健康・安全”等ですが、ご指摘にも
あるようにニーズは刻々と変化するものであ
り、外部の有識者意見、産業界のニーズ、科学
技術動向を踏まえながら適切な課題・キーワー
ドを選択していけるメカニズム(外部フォーラ
ムの利用等)を検討しています。さらに、標準
の経済効果は重要な指標であるため、経済効果
の分析手法(海外機関の例)の調査を開始して
ノウハウの蓄積に努め、社会への説明責任を今
以上に意識した運営を目指します。また、標準
物質については当部門が開発すべき標準物資、
他機関に任せるべきものを峻別し、合理的かつ
効率的な開発体制を早急に確立する予定です。
B
研究成果の社会還元の一環として要請が高
いわりに従来かならずしも十分に実施されて
いなかった都市地域の地質情報基盤の構築を
地質調査情報部のみならず他省庁機関とも連
係して進めるべく予算要求や勉強会の実施、原
課との折衝などを通じて具体化を図っている。
予算グループと研究グループが必ずしも一対
一の対応になっていないため重複するテーマ
があるようにみえるが、既述したようにグルー
プを超えた計画の進捗・連係は本部門の特徴で
もある。ただし、よりわかりやすい説明ぶりは
検討する必要あることは認識している。
B
計測標準
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
現有の研究者をグループ化する時の最適の
課題を集めていると思われる。互いの研究領域
が重複しているところがあるのは、現状では過
渡的措置として仕方ないが、将来は類似研究テ
ーマをまとめるなど、研究グループのパワーア
ップや効率的運営を考慮すべきと考える。ま
た、研究成果を積極的に社会還元するような視
点の課題や、わが国の陸水研究センターとして
の役割を担うような課題の設定が望まれる。
重点研究課題の設定に過不足はない。
(コメントなし)
指摘の点については十分検討し、実現して行
現状の研究課題は多岐にわたっている。その
理由は上述のように「海」をキーワードとした きたいと考えます。
研究組織が本ユニットのみであるため、組織自
体が多様性を持つことを強いられるためと理
解される。しかし、第 1 期中に柱となる課題と、
将来を見据えた萌芽的課題の区分けがある程
度必要と思われる。また、今後本研究ユニット
は以下の課題について新たに取り組むことが
望まれる。
1) 沿岸利用のための基礎探査
2) 地圏資源環境と連携したメタンハイドレー
ト研究
3) 海洋観測機器開発の研究
91
A
B
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
評価制度の導入により、個々のグループ年度
抜本的な高度エネルギーシステムを実現す
る「将来のフロンティアを切り拓く技術」に関 目標が安全サイドに設定されたことは事実で
する、もう少し高い技術目標設定があってもい あるが、革新的な成果に対しては無制限に加点
できる評価方法を採用することにより、目標を
エネルギー い。
遙かに凌駕する成果へのインセンティブを与
利用
えるよう工夫している。また、エネルギーセキ
ュリティ研究会と分散型エネルギーシステム
研究会を発足させ、将来のフロンティアを切り
拓くための技術戦略を検討する。
B
前述のように、国内外の全体計画の中でのテ
ーマの位置づけと主体性、エネルギー技術とし
ての位置づけ、成果などを研究計画書の中によ
りはっきりと書くよう努める。特に宇宙技術に
関しては、エネルギーのみならずフロンティア
分野も含めた宇宙としてのまとまりの価値と、
その中で我々の研究部門が果たすべき役割に
配慮したい。上述の薄膜太陽電池の開発などは
これに対応する例と認識している。エネルギー
技術は多くの関連する技術から構成されてお
り、今後も各分野の進歩と合わせて積極的に取
り入れる課題設定をしてゆきたい。
B
環境管理
1. (1) (p. 53) に述べた考えをベースに進め
多くの環境関連課題の中から、研究資源を考
慮して敢えて選択した訳だから、過不足を判断 ていく。
することは困難。また、基礎的、萌芽的な研究
は、表に出し難いことがあり、この点からも過
不足を判断し難い。関連研究機関との差別が明
確になるよう部門の特徴ある課題を優先すべ
きである。
-
環境調和
技術
限られた研究資源をより効果的に用いるた
概ね妥当であるが、今後、テーマの絞込みに
よる整理が必要。その際、採掘からリサイクル め、指摘された点に留意して取り組み始めたと
までの資源の流れを見据えて課題を選定すれ ころである。
ば、研究部門としてユニークな特色を出せるで
あろう。テーマの選定には産学など周りの技術
レベルなどとの状況比較が必要である。
B
情報処理
重要なテーマをカバーするには、人員が足り
ないことで、国としてやるべき重要な課題がい
くつか欠けている。例えば、情報処理の基盤の
研究課題(高信頼性コンピューティング、大規
模ソフト開発方法論、ポスト PC に向けたソフ
ト基盤技術)やネットワーク基盤に関する研究
課題などである。
設問 1. (4) (p. 82) とも関連するが、宇宙技
術グループ、核融合プラズマグループ、パワー
レーザーグループの課題は産総研外との共同
研究の要素が強いためと思われるが、産総研の
研究として見た場合、当部門に存在することの
電力
位置づけ、主体性をもう少し具体的表現すると
エネルギー 分かり易い。産総研の他の研究部門のシーズ的
研究の出口を電力エネルギーに誘導するとい
った、産総研の守備範囲の広さ、懐の深さを生
かした課題設定も取り入れてほしい。
知能
システム
欠けているとご指摘いただいた研究課題に
ついて、外部の有力研究機関との協力による実
現も含めて検討したい。人員がないからできな
いといっているといつまでたってもできない
ので、研究課題実現のための現実的な解決策を
探りたい。
類似研究課題の重複(たとえば画像処理)が
現時点は組織移行時であり、また部門が組織
認められ、より効率的な研究課題の設定が可能 された背景から、テーマに重複があるのは事実
と思われる。
であり、移行時にも旧組織下では本来ならば継
続しているテーマを中途打ち切りとした課題
もある。委員各位が指摘されるように、我々自
身も一層の継続、中断、統合を進めていく必要
があると考えており、次年度はそれを一層進め
る方針である。また、東倉委員指摘の中期計画
課題については、情報処理研究部門が扱ってい
る。特に応用展開に関わる研究テーマによって
は部門内の研究者の専門分野だけでは処理で
きない課題もあり、その場合は部門間の連携を
とる予定である。部門長間、グループ長間では
92
-
C
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
意見交換は進めており、例えば、情報処理研究
部門とは、オープンハウスを同日に開催するな
どの協力も進めている。また、IT 技術関連では、
情報処理研究部門を始めサイバーアシストセ
ンターとも研究提案で協力している。今後さら
に課題によってはこうした部門間の協力を推
進していくつもりである。一方、課題の重複に
ついては、画像処理に課題の重複がある点であ
るが、画像あるいは視覚処理の分野は、基礎、
応用いずれも広大なものがあり、その点におい
ては、人数的に決して多いわけではない。さま
ざまな応用展開においては、類似の基礎技術を
必要とするのでそれぞれの応用の中で重複す
る場合があるが、個々の応用課題実施上、やむ
を得ないものと考えている(一人の人間がいく
つもの応用のために活動するのも限界があ
る)。プロジェクト的な資金の投資の観点から
応用課題において重複しないようにするべき
であることは注意している。補足するならば、
似たような基礎技術でも、応用課題がことなる
と意外と異なった方向に発展することが多い
ものである。類似の基礎技術の研究を行ってい
る研究者を多様に伸ばすためにはこのような
運営も必要かと考えている。
知能
システム
(つづき)
課題設定としては適切と思われるが、限られ
たスタッフでの対応には苦労が予想される部
エレクトロ 分がある。短期的な目標としての論文発表だけ
ニクス
でなく長期的目標設定があってもよい。チャレ
ンジングな研究テーマを狙うグループも必要
と思われる。
IT 技術の革新スピードが極めて速いことか
ら、長期目標(たとえば 10 年後)の設定は基
本的に重要でないと考えている。重要なこと
は、第1期で手がける研究テーマそれぞれにお
いて、大きなインパクトを外部に与えることで
ある。
3つの柱にわけてそれぞれを展開させてい
く方向性は評価できる。特に、材料グループを
アメニティでまとめ、デバイスまでターゲット
にしていることは戦略性がでていると考えら
れる。実績がないという不安はあるが積極性を
評価したい。ただし、全体としてもう一段階戦
略的な視点を出すようにがんばって頂きたい。
例えば、「光と情報」という分野では、キーワ
ード(例えばナノフォトニクス)で括り、出口
としての機能、サービスに踏み込んで計画書を
書いてほしい。また、情報通信で大きな目標を
立てるのであれば産総研として人と資金を投
入し重点的に拡充していく必要がある。
ほぼ適切なコメントであろう。ナノフォトニ
クス(あるいはナノフォトニックデバイス)は
今後の重要なキーワードと考えて具体的な研
究展開をすでに視野に入れている。また情報通
信は産総研の研究課題の中でも最重要の一つ
と認識しており、産総研自身の重点的な投資を
大いに期待したい。
光技術
新しい展開課題設定も多くあり、概ね問題は
ないが、グループ毎には多少評価が異なってく
る。新規な研究に向う姿勢が少し弱いグループ
生物遺伝子 も見られる。もっと自信を持ってパイオニアに
なってほしい。そのための高い目標、大胆なテ
資源
ーマ設定が望まれる。例えば、微生物利用工場
(一定空間やプラント内における微生物共生
型のエネルギー、食糧生産等)のようなアイデ
ィアについて検討することも一案。
93
B
B
コメントに沿って検討していきたい。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
分子細胞
工学
重要研究課題のテーマ数が多いことは事実
テーマが多く、分散している。焦点の絞り込
みが必要である。また、ユニット内外の研究機 ですので、焦点の絞り込みを行いたいと考えま
関との協力関係を重視したテーマ設定が必要 す。具体的には評価委員会の先生方の御指摘を
受けて部門内の若手の研究者を中心とする勉
である。
強会を企画しており、部門長の発議による将来
を見越した横断的研究課題について部門内競
争的なプロジェクトを発足させる予定です。こ
の過程で重要課題の絞り込み及びグループの
改変に着手することと致します。ゲノム情報の
利用に関してはたとえば糖鎖プロジェクトで
インフォマティクス情報解析技術により遺伝
子の絞り込みを行い、癌の診断においてもゲノ
ム情報を活用していることを指摘させて頂き
ました。現行テーマへの配慮過多についてはプ
ロジェクト研究の責任継続性から即座に廃止
することができない事情もあることもご理解
いただきたいと考えます。テーマの絞り込みに
は随時着手致します。センター等との協力関係
については評価委員の先生方にセンターと部
門の構造と目的の違いをお分かりいただけな
かった事が指摘につながっていると考えます。
基本的にはティシューエンジニアリングセン
ターあるいはジーンディスカバリーセンター
ではセンター長が必要な人材を選び、研究資金
を優先的に配分して時限でミッションを達成
することになっています。したがって産総研設
立時には協力できる研究者はそれらのセンタ
ーに移っているはずです。もちろん当部門でこ
れらに関係するような進展が見られれば、協力
することもありますし、研究者の移籍も当然あ
りうることです。これらの可塑性、流動性につ
いては補足説明でも言及致しました。
C
研究部門としての性格上、すぐに成果が出せ
るもの(短期成果)と、5 年、10 年先の成果が期
待されるもの(中長期の成果)があり、それら
のバランスをとりながら部門を運営すること
が不可欠と考えている。このことは、グループ
の構成においても同様なことがいえる。このた
め、研究課題が具体的なものと抽象的なもの、
実現が十分期待できるものと不確定要素の多
い課題が混在することになる。
今後、部門として研究課題が達成する目標時
期を明示する等、社会に理解されやすい形に整
理する必要があると考えている。
現行の統合的テーマについては、当日説明し
ましたように「人間行動適合型生活環境創出シ
ステム技術(産技プロジェクト)」では、行動
モデリンググループを中核に視覚認知機構グ
ループおよび高齢者動作支援工学グループが
参画しており、「オープン MRI 手術支援システ
ム」の研究では、治療支援技術グループと医用
計測グループが協力して実施している。また、
「体内埋め込み型人工すい臓システム」の研究
では、人工臓器・生体材料グループ、医用計測
グループが担当し、さらに、「体内埋め込み型
人工心臓システム」の研究では、当部門が中心
となり一部基礎素材部門に協力を仰ぎ実施し
ている。今後の共通理念としてはバーチャルヒ
ューマンモデルの構築がある。
B
研究課題の設定に過不足はないが、具体的な
ものと幾分抽象的なもの、および実現が十分期
待できるものと不確定要素のあるものとが混
在しているように映るので、もう少し整理した
方が良い。3つの分野を融合した多グループに
よる統合的テーマの策定を検討する必要があ
ると考える。
人間福祉
医工学
94
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
・課題の設定については具体的なものや抽象的 ・課題の設定については出来る限り具体的に述
べてもらいたいというご指摘に対しては、先
なものがあってばらつきが大きい。情報処理
のプレ評価委員会で申し上げましたように、
の分野については課題設定が近すぎて脳研
本研究分野の性格上、意義ある研究成果を求
究の課題設定としては不足である。分子神経
めようとすれば 16 年度までの具体的な目標
生物学研究分野においては平成 13 年度の研
を掲げるということは非常に困難であると
究課題は具体的に述べられているが、平成
思います。私どもが現在最も重要視している
16 年度までの研究目標は抽象的である。出
ことは、いかに基本的な原理・現象を発見し
来る限り具体的に述べてもらいたい。
脳神経情報
成果を生み出すかということであると思っ
・目標、目的を実現するための課題設定が最適
ております。
であるかどうかについて検討すべき分野も
ある。たとえば、目標に対して機能分子の同 ・目標、目的を実現するための課題設定が最適
であるかどうかについて検討すべき分野も
定、MEG, fMRI, ニューロン活動の記録、光
あるというご指摘については、今後 2-3 年を
学的イメージングなど、どの研究戦略、組み
かけ研究体制の整備も含め検討をさせてい
合わせが最適であるかについても考慮する
ただきたいと存じます。先生方がたのご助言
余地が有る。
もいただければ幸いです。
C
物質プロセスというなら、もっとプロセスら
しい部門として、システム設計やシミュレーシ
ョン関連の課題があってしかるべきであろう。
研究分野のバランスが悪い。重点 7 課題も、プ
ロセスの視点から再度切り直して整理しても
良かろう。さらに、こうしたバランスの悪さを
補完するには、部門内外で共同研究が円滑に図
れる仕組みを構築すべき。
当該部門のエネルギーや環境問題に関する
関与が少ないように思われるが、産総研の他の
組織でその種の研究を行う枠組みがあるのな
ら問題ない。標準物質・プロセスなど、標準化
についても当該部門の今後の検討課題であろ
う。
かなりにごもっともとも思います。しかし、
これは当ユニットのみに係わることではなく
他のユニットそれどころか産総研全体に関わ
る問題なので、当ユニットとしてはいかんとも
し難い、いかんとも申し上げ難いところです。
例えば、プロセス研究は物質プロセス、エネル
ギー、環境調和、超臨界、光反応制御などのユ
ニットに分散しています。したがって、プロセ
スの視点で切り直すとしても大変な労力と痛
みを伴うことになります。
現在の、研究ユニット体制はそれなりに考え
られ、一定のフィロソフィーの基で、痛みを伴
って生まれたものと理解しています。当面は、
これでやってみるのが筋であり、現時点で改変
しても朝令暮改式改悪にしか成らないと思い
ます。ただ、現ユニット制が完璧であると考え
ているわけではないので、長所を伸ばし、欠点
を理解しそれを補う努力をしなければ成りま
せん。従って、ご意見の通り、エネルギー、環
境調和、計測標準、計算科学を始めとする他ユ
ニットとは連携・補完しながら研究を進めるこ
ととしています。
B
1) 電子部品用セラミックス材料の研究を強化
することが重要。産業界、大学の活発な研
究が進む中で、セラミックス部門としてど
のような研究戦略をもってこの分野に参入
するか、十分議論した上で、研究に着手さ
れることを望む。
2) 産業構造を反映したテーマへの研究リソー
ス配分を考慮すること。
3) 今回の組織改変に伴い、研究課題が大変多
くなっている。将来的に再編、集中化して
いくことが必要と思われる。
セラミックス研究部門としては、材料研究の
一環として電子部品用セラミックス材料の研
究に取り組んでおります。また、環境との調和
をプロセスに反映させるなどの観点からも、将
来の産業のあり方をにらんだ、研究テーマ設定
に心がけております。社会の高度情報化に寄与
が出来る材料として、電子セラミックスの重要
性は認識されており、セラミックス研究部門と
しても当該分野の拡充を目指したいと思って
おります。
世界の現状認識と 5-10 年後の技術的進歩を
議論すべきだ。「使われてこその素材/材料」
から考えると、ユーザーサイド(現時点~2010
年)のニーズ調査が必要である。その中で自己
の位置づけをしっかりさせ、どこにオリジナリ
ティーがあるか認識した上での設定であって
ほしい。
重点課題については、現状認識と 5-10 年後
の技術的進歩をそれぞれ調査・議論し進めてき
たところである。シーズ志向型研究グループで
はそのような認識が薄い点は確かに存在する。
それらについては指摘を踏え、議論を深めるこ
ととする。
物質
プロセス
セラミッ
クス
基礎素材
95
B
B
別紙6:プレ評価結果 1. (5) 課題の過不足
ご指摘の通りであるが、時間と共にいろいろ
従来からの継続課題だけではなく、社会ニー
ズに応えるための新規研究課題があるのでは な連携が進みつつあるのも事実。常に何が求め
ないか。また、このために、研究ユニット間、 られているのか? を把握すべく努め、内外部
産総研内部、あるいは産業界との連携・協力に との連携を積極的に推進してゆきたい。
より、強い部分を組み合わせて、国際的にも対
応できる体制を作る必要はないか。
C
過不足というより、拡がりが大きい様にも思
過渡期の計画であり従来の研究の流れを基
ナノテクノ われる。課題間の相互関連がもう少しはっきり 本的に踏襲しているという意味で分散してい
ロジー
すると、さらに望ましい。
る状況は避けられない。融合化は今後の課題で
ある。
B
・生体、有機、無機あるいは原子スケールから ・化学反応ダイナミックスに関しては、本研究
連続系、基底状態と励起状態というように、 部門での主たる守備範囲を凝縮系反応と考
えている。学会における研究進展を参考にし
全体のバランスがとれている。ただし、スタ
つつ、どのような対応をすべきか検討を進め
ティックな課題が多く、理論化学、計算科学
たい。
における重要な分野の1つである高速な現
象を扱う化学ダイナミックスについての研 ・より将来的なテーマの設定ができていないこ
とは事実で、内部での議論、外部の方々との
究が十分に考慮に入れられていないように
議論を通して長期的方向性を明確にする努
思われる。
力をしたい。
・比較的、直近のテーマはあるが、その次のス
テップの提示がない。もう1つ先の目標も設 ・産総研全体に、腰を落ち着けてじっくりとし
た研究を進めるという雰囲気が欠けていて、
定されていると良い。励起状態を扱うことも
それに対して批判的な見解を持っているに
重要なテーマである。
も拘わらず、我々自体に同じ傾向があるとい
・「人のやっていないところを狙う」という姿
う指摘は謙虚に受け止め、今後の研究に反映
勢は大切であるが、それを強調しすぎて多少
できるようにしたい。
視野が狭くなっていると考えられるグルー
プもある。研究には大道を行くというやり方
もある。4,5 年のスコープで、腰を据えて取
り組む、という気持ちも大事ではないか。
C
機械
システム
計算科学
(c)研究系
研究系
人間系
委員会のコメント
ユニットの返事
実質的な内部/外部との連携がスムーズに
既存の人材と設備のもとでの課題設定であ
るので、困難も多くあったと推定されるが、そ 進むようにマネージメントで気を配って参り
の割にはよくまとまっており、心配な点は少な ます。
い。最終的な目標の達成のためには異分野との
連携が必要とされるのは当然のことであるの
で、そうした連携を視野に入れて研究を進めら
れればよい。
中期的展望にたった課題は十分であるが、長
期的展望を開く課題を増やすことが必要と考
える。また、中期的課題解決のための方法とし
ても、1. (3) 項 (p. 77) と同じくハード的な
生活環境系
研究とソフト的な研究、あるいは革新的技術と
既存技術の組み合わせやシステム化による問
題解決等のバランスについての考え方が重要
であろう。
96
委員
会の
評点
A
前述のとおりです。
B
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
1.研究の妥当性
(補1)研究テーマの選定に際し、産業界や学界の意見を十分反映していると考えられるか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
十分反映している。
(コメントなし)
地震被害予測の研究は学界でも評価は高い。
当面 4 年間の短期的研究は十分である。しか
し、長期的展望に立って、産業界の要望にも十
分に目を向けた研究が望まれる。全体として
2000 もある活断層について、引き続き同様な
活動を期待している。
A
(コメントなし)
B
産業界との協力はできる。学会への協力度は
外部からセンター長を迎えたことで、かなり
意識して研究課題が設定されている。日本化学 いまのところ小さいが、拡大に努力する。
化学物質
工業会のプロジェクトにも当センターの研究
リスク管理
員が多く参加している。今後とも学界、産業界
への貢献を期待する。
一般的には産業界のニーズを反映している。
提案している環境影響評価法の方向は有効で
あり、スタンダードとなるよう、国際的に今後
イニシアティブをとってほしい。計算化学、合
フッ素系
成分野ではデータの蓄積、新規手法の開発にお
温暖化物質
いて学界ニーズに応えられると考えられ、更な
る努力を期待したい。フッ素系等温暖化対策に
対して、経済産業省の研究機関として、責任あ
る役割を果たしてほしい。
委員
会の
評点
現在進行中(今年が最終年度)の RITE の新
規冷媒等開発プロジェクトに参加している民
間企業 8 社と意見交換会を開催し、産業界の意
見を反映させた次期プロジェクトの提案に向
けて、経済産業省オゾン層保護等推進室と協力
して作業を開始している。
A
A
十分ではないが、LCA については少なくとも
産業界が参加している日本 LCA フォーラム
ライフ
産業界の要望にこたえている。
への参加、経済省/NEDO/社団法人・工業会事
サイクルア
業への参加など、産業界との共同作業に積極的
セスメント
に参加し、接点を保っている。
B
産業界と共同で研究が進められており連携
がとられている。学界について言えば、電気学
パワー
会、応物学会においては、当センターのメンバ
エレクトロ
ーが委員なども兼ねており、十分研究テーマに
ニクス
反映されている。
スーパーデザインについては、先行する LSI
実装技術開発との接点を求めていく。パワーエ
レクトロニクス研究分野との交流を深めて行
く。デバイス業界だけでなく、システム/建築
業界などとの交流を図り、ユーザの開拓を図り
たい。
A
テーマの設定に関しては十分反映している。
当ユニットでは、産業界との共同研究・技術
研修をきわめて積極的に受け入れている。また
連携大学院等の制度に基づく学生の受入や、大
学との共同研究も数多く実施している。構成員
の中には大学の客員教授等を兼任しているも
のも複数おり学界との結び付きも強い。バイオ
インフォマティクスは学際的かつ総合的な学
問分野であり、外部の様々な分野の専門家との
協力は決して欠かせない。また当ユニットでは
常に応用を意識しており、応用先としての産業
界等との関係も深い。特許の取得・成果プログ
ラムの公開・試用サービスの提供などを通じ
て、外部からのフィードバックを得ながら、社
会的期待を十分に反映した適切な研究テーマ
設定を行っていきたい。
A
生命情報
科学
97
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
生物情報
解析
産業界の意見は反映していると考えられる。
学界の意見を特に反映しているとは思えない
が、質的にも量的にも大学等ではできない特徴
ある研究を進めることができればそれで良い
と考えられる。
ティッシュ
資料及び説明を踏まえれば十分に反映して
エンジニア いると考えられる。
リング
評価コメントのとおりに考えている。
B
(コメントなし)
A
(コメントなし)
A 委員:(コメントなし)
ジーンディ B 委員:(コメントなし)
スカバリー
C 委員: 特に思えない。リーダーの研究を軸
にしているだけのように見える。
-
産業界や学会に対して、成果発表やシンポジ
将来的に産業界の要求に応え得るテーマの
ヒューマン 選定である。また、酸化ストレスの分子機構や ウムなどを定期的に行って、外部の意見や評価
ストレスシ 人間のメンタルストレスの生理計測などに見 に対応できるように努めていきたい。
グナル
られるように、学界の方向を十分に反映してい
る。
強相関
電子技術
応用につながる基礎を行っている。新規産業
においては基礎が応用に直結するとの認識が
一般的になってきた。新規機能の原理実証まで
行う姿勢は高く評価できる。新しい概念を作り
出す基礎研究であり材料科学を大きく変える
可能性がある。
A
(コメントなし)
A
次世代
半導体
当研究センターに関しては産官学館一体の
主に産業界のメンバーから構成される技術
MIRAI プロジェクトを中心に据えており、した 協議会や、学を含むアドバイザリーボードによ
がって十分に反映していると考えられ問題は り、継続的に産学の意見を採り入れる予定であ
ない。
る。
A
サイバー
アシスト
よく考えられており、適切である。この研究 ・前述のように、情報処理学会に「知的都市基
は、正統的な課題であるから、これから、社会、 盤研究グループ」を立ち上げた。
学会を引っ張っていく気持ちで取り組んで欲 ・人工知能学会においても大会でのデモなどを
しい。
通じて成果の普及と他の研究者への呼びか
けを行って行きたい。
A
産業界や学界の意見を十分反映している。
現在までも、産学官のキーパーソンを集めて
調査研究を実施してきたほか、ナノ・マニュフ
ァクチャリングに関する国際シンポジウムを
開催し、産業界や学界の意見を反映させるよう
に努めてきたが、今後とも、産学官の英知を結
集したプロジェクトフォーメーション作業、
「ナノマニュファクチャリングに関する研究
会」や、学会活動を通して、産学の意見も十分
に反映させていきたい。
B
産業界や学会の最先端で活躍されている委
員による検討会等を通して研究テーマを選定
してきている。今後も研究会等を通して意見交
換を継続し研究計画に反映する。
B
テーマにより産業界や学界の意見を反映し
「精密高分子技術」プロジェクトを重視し、
ているものも、反映していないものもある。 産学官の共同研究を実質的に意義深いものと
するよう、努力したい。
B
マイクロ
・ナノ機能
(コメント無し)
ものづくり
先端技術
高分子
基盤技術
98
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
産業界、学界の意見を充分に反映している。 研究の進捗状況を見ながら、テーマを絞りつ
しかし、研究分野が広すぎて大学の研究課題と つ独創的な研究成果が残せるよう頑張って行
さほど区別化されていないで、重み付けと集中 きたい。
化されていない。選定テーマは光反応の重点テ
ーマをほとんど全部包含しており、その重要性
光反応制御
については総論としては誰も異論を唱えられ
ない。
今年からは研究の進捗状況を見ながら、テー
マを絞って優先順位をつけて世界にオリジナ
ルとして誇れる研究を行って下さい。
世界的にトップレベルの学術テーマ設定を
しており、また、実現すれば産業的にインパク
トが大きい研究目標が設定されている。
(コメントなし)
提案されている研究課題は社会からの要請
や産業界・学界の動きをかなり把握し、反映し
シナジー
ているものといえる。特に、環境浄化と認識材
マテリアル
料は社会ニーズをよくキャッチしており、その
研究成果が期待される。
(コメントなし)
新炭素系
材料
A
A
A
産業界からのニーズはあるが、意見交換は十
ご指摘の通り他のプロセスとの比較検討は
分とはいえない。産業界の他のプロセス開発を 必要なので、積極的に外部との意見交換や調査
超臨界流体
調査し、それと比較・評価をしながら進めるこ 研究などを行っていきたい。
とが必要である。
B
この分野は学界にはアピールしているが、産
業界に十分にアピールしていく必要がある。つ
くばを中心に省庁間の垣根も払った研究会な
どを開いて、より広い産業界の理解を得るよう
に努力をするべきである。
現在のテーマは、各チームの専門性を重視し
て設定されたものであるが、いずれ産業界や学
界の意見を十分聞き、ニーズに即してテーマへ
と調整してゆきたい。現在、他省庁の国研との
連携を考えており、特に土木研や建築研との連
携と従来経済省以外の研究所との付き合いの
ある民間企業との連携を模索中である。
-
シーズをどのようにニーズで引っ張ってい
くか企業でも模索しているため、社会への還元
を考えて新産業創出を言っているのは評価で
きる。しかしながら、当センターから提案され
たデバイス(機能集積素子)のイメージは練ら
れていないため、不明確なまま残されており、
したがって中期計画において、目標達成に必須
界面ナノ となる技術課題が何であるかも漠としている
ように思える。早急に新しい提案がほしい。研
アーキテク 究成果とそれを産業用途にいかに結びつける
トニクス かの道筋が明確でない。研究者は常にこのよう
な意識を持って研究を行うべきである。
分野横断的でかつ革新的な基盤技術を創製
するために、従来の有機、無機、金属などの分
野を超越してボトムアップ型のアセンブリ技
術を確立するのが当センターの使命と考えて
おり、機能集積素子はその波及効果の一例であ
る。
ご指摘の通り、社会や産業への波及効果は常
に意識し、我々が有する研究成果を新産業創出
にリンクさせるその道筋の解明と確立そのも
のが研究課題と考える。例えば、DNA を効率
的に分離し、検出できるバイオチップ、光や電
子などの外部因子を認識して、情報を分子の運
動機能で伝達できる情報変換素子、ガス吸着を
光の透過率で検出する高感度センサなどが機
能集積素子の一例である。
7 月3日に当センターの成果として、NHK、
朝日新聞を始め、各種メディアを通して外部報
道されたベロ毒素の新検出システムの提案が
そのひとつの具体例である。
-
スマート
ストラク
チャー
99
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
計測標準
外部フォーラムや工業会との連携を通して、
設問の表現として、“産業界や学界”ではな
くもっと包括的に“社会”と言うべきと思うが、 産業界の声を反映すべく努力を続けています。
それはさておき、知的基盤特別委員会の報告書
に基づいて詳細な標準整備計画をたてており、
反映していると判断される。
これまでに構築されている産業界・学界との
交流を基に、全体的に、その動向を反映してい
ると思われる。地質図幅の出版については、一
層の交流促進が望まれる。
(コメントなし)
地球科学
情報
地圏資源
環境
わが国のオピニオン・リーダーとして、産業
界や学界の意見を踏まえて研究していると考
えられる。
(コメントなし)
本研究ユニットの各グループは、従来から産
業界・学界と積極的に交流を図った経緯があ
り、今回提案された研究テーマについても産業
界・学界が大きな関心を持つものと判断され
る。今後は、この交流の中で産業界・学界をリ
ードする研究テーマの掘り出しが必要であろ
う。
(コメントなし)
海洋資源
環境
委員
会の
評点
A
A
A
B+
産業界のニーズを反映していると考えるが、 近年、新規課題の提案に当たって産業界のニ
ニーズを先取りするテーマがあってもいいの ーズを反映することが強く求められている。今
後とも産業界のニーズに応えるとともに、一方
エネルギー ではないか。
で、業界別のニーズからは生まれてこない業界
利用
横断的ニーズの先取りを試みるつもりである。
このことこそが、社会・産業界の変革の基盤と
なると考えている。
A
学界においても今後の議論が必要とされる
電力
ところもあるが、スタート時点での方向性とし
エネルギー
ては反映していると判断される。
A
(コメントなし)
環境管理
学界からの評価や国際的な連携の程度から
環境問題は流動的であり、学界、産業界ある
見て、外部の動向を概ね反映していると判断さ いは行政・社会の動向を把握することが重要と
れる。
考えている。新聞・雑誌等の情報収集、整理と
その部門内への開示を開始している。また、参
加している学界、行政の各種委員会の情報(報
告書など)を集めて、部門内に流すようにする
とともに、産業界との交流を活発にしていく。
B
環境調和
技術
周囲の状況については、より一層的確に調査
テーマの選定では、周囲の技術レベル等の状
況を比較すべきである。触媒分野では、学界の した上で、テーマの選定を行うように徹底す
動向を反映していると考えられる。
る。
B
情報処理
今後、産業界とミッションについて議論を深
ご指摘どおり、産業界との議論の場が欠けて
めていただくことを期待する。
いた。既存の学協会の場の活用あるいは独自に
場を設けるなどして議論したい。いずれにして
も見せられるタマを厳選して戦略を立てたい。
B
知能
システム
社会のニーズをきちんと反映させることは、
テーマ選定において社会のニーズを明確か
つ具体的に反映させる仕組みが必要である。ま ご指摘の通り、極めて重要なことである。日ご
た学界、特に大学との意見交換を十分に行い、 ろから、大学に限らず、工業会と交流すること
効果的な連携によって国の研究開発としての や、また、部門の活動、成果の紹介に業界、
B
100
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
総合力を発揮するための努力が求められる。
知能
システム
(つづき)
エレクトロ
ニクス
光技術
(コメントなし)
(コメントなし)
研究テーマの選定に関して、産業、社会ニー
ズを考慮して相当議論された跡が伺える。ただ
し、長期的な位置づけの基盤的な研究が主流な
ので、直接ニーズに応えるには企業と連携した
短期的な研究を行うなどさらに努力を要する。
加速器を使った放射線源は材料改質など産業
応用が広いと思われるが、応用対象をより明確
にする必要がある。また加速器の内面研磨によ
る性能向上は長期的には産業用加速器の開発
にもつながるものである。このような基盤的研
究と産業応用の展開の関係をわかりやすい形
で提示し、実証してゆくことが重要と考える。
産、学ではできない国が戦略的にやるところ
生物遺伝子
にも充分焦点をあてている(微生物資源のデー
資源
タベース等)。
糖鎖の研究などに見られるように産業界の
ニーズをよく反映しているテーマもあるが、か
なりのテーマで、過去に引きずられている面が
あり、今後は積極的に産業界のニーズをくみ取
り、研究に反映させる努力が必要である。学会
の動向は概ね反映している。
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
企業を積極的に回り、共同研究、受託研究の立
ち上げに取り組む習慣を部門内に浸透させる
努力をしている。さらには、ニーズ把握、技術
の産業移転の立場からオープンハンスを企画
して、社会や産業界との交流を深めることを考
えている。また、部門内に産学の有識者からな
る顧問委員会を立ち上げて、産学界と意見交換
する場を定常的に持つことを検討したい。
それなりに努力している。大学や企業と共同
研究しており、産業界や学界の意見を反映して
いると考えられる。
短期的で有用な成果を如何に示して行くか
については今後も大きな課題の一つと考えて
いる。また加速器利用の研究は基盤的研究と産
業応用の展開の適切な兼ね合いを図って行き
たい。
B
(コメントなし)
A
当部門では現在経済産業省産業科学技術研
究開発プロジェクトとして6課題を担当して
います。また平成 13 年度新規発足課題として
2件あります。その一つが糖鎖関連遺伝子の網
羅的単離を目的として会社の研究者が産総研
OSL に結集する集中型プロジェクトです。
評価委員の先生方には産技プロジェクトの
設定がどのような過程で行われているかご理
解頂けていないようですが、新規プロジェクト
提案に当たっては学会および産業界と連携し、
当然産業界のニーズと先端研究の方向性から
課題の設定が行われます。当部門で継続6件、
新規2件の産技プロジェクトが動いているこ
とは、当然学会および産業界のニーズを取り込
み、指導している事を意味しています。もちろ
ん当部門のすべての研究者が産技プロジェク
トに参加しているわけではありませんので、内
部での温度差のあることは認めますが、部門と
しては産業界のニーズを重視する姿勢である
ことは明確と考えます。
C
(コメントなし)
十分学界で評価されるような実績に基づい
平成 13 年度より開始された第2期科学技術
た研究計画である。特に産業界の意向を反映し 基本計画において、国家的・社会的課題に対応
ているかどうかは判断できない。
した研究開発の重点化のなかで、「脳機能の解
明、脳の発達障害や老化の制御、神経関連疾患
脳神経情報
の克服、脳の原理を利用した情報処理・通信シ
ステム開発等の脳科学」の推進が求められてい
ます。
101
-
B
-
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
物質
プロセス
セラミッ
クス
基礎素材
機械
システム
ご意見の通りです。そのような努力を心がけ
我が国の学協会には、組織として未だ政策
的、戦略的に研究方向を誘導、決定する力に乏 ます。
しい。むしろ、行政の方が研究方向の設定には
敏感で、これを予算などに反映している。産総
研の研究者は、個別に国内外の学術誌、学協会、
セミナーなどの多くの発表情報から適切な研
究方向を模索しており、研究テーマの設定は、
学界の意見や方向性と概ね合致している。
しかし、今後考えておかねばならないのは、
産業界のニーズは、テンポが速く如何に目標が
営利的であっても、産総研のミッションを考え
れば、その動向を的確に把握し、適切な研究課
題で競合すべきである。あるいは、競合をする
ためのプランニングセクションを備えるべき
である。
A
有難うございます。産業界のニーズに応えつ
産業界ときちんとタイアップしているテー
マもある。基礎的研究と産業に近い実用化研究 つ、産業界をリード出来る成果を上げられるよ
があり、個々によって産業界との関係は違う。 う努力して行こうと思います。
全ての研究が産業界とタイアップする必要は
なく、セラミックス研究部門の研究が産業界を
リードするという関係があっても良い。平均し
て言えば、産業界のニーズを取り入れようとい
う意識が進んできており、それを評価したい。
A
シーズ志向型研究の場合は、社会全般の動向
は鋭敏にキャッチするとしても、必ずしも現状
の産業界や学界の方向を反映する必要はない
と考える。一方、前に述べたように6割強の研
究者がニーズ指向型である当該部門では、産業
界の動向はかなり敏感に反映しており、地域コ
ンソーシアムを含めて産業界と連携して実施
する研究課題を多く提案もし、実施もしてい
る。たまたまの出会いがベースとは大きな誤解
である。現在、プログラムの立ち上げ作業や研
究コンソーシアムの組織等、産業界、学界との
連携を強化して進めているところである。
B
概ね反映していると考えられるが、必要条件
ご指摘のように内部の議論を積み重ね、産業
である。内部の議論を通して更に一層の努力を 界や学会の意見を反映するように努めたい。そ
期待する。
のために、外に開かれた成果発表会などを企画
し、産業界や学界からの意見や批判を広く求め
てゆきたい。
B
新産業創出を抽象論ではなく、具体論として
「身体感覚」をもって意識することが本質的に
重要なことである。そのためには、産業ニーズ
に明確に応える研究活動の実例を、身の回りに
育てていくことで、一つの研究文化として定着
させることが必要である。そのために、産業ニ
ーズに直結した、あるいは起業化に結びつく研
究課題を重点的に取り上げ、かつ部門としての
ハイライトを当てることが有効である。中期的
な課題として取り組みたい。とくに、起業化推
進のメカニズムを、組織的に意識してビルトイ
ンすることで、身体感覚が日常化するよう努力
していくことが必要である。
B
環境プラント用材料の研究に見られるよう
に、概ね反映されている。産業界との交流は企
業との個別的な出会いがベースになっており、
全体的な仕組みを考える必要がある。学界にお
けるトピックスは色々あり、評価しにくい。
個々のグループでどこまで具体的に反映して
いるか読みとれない。研究テーマ選定にさらに
議論を深める必要がある。
産総研のミッションである新規産業の創出
を気にしない人が多いようだ。産業界のニーズ
をもう少し意識してほしい。研究所のマネージ
メントレベルでは意識があるが研究員の意識
がついていってない気がする。
ナノテク
ノロジー
102
別紙6:プレ評価結果 1. (補 1) 産業界等のニーズ
計算科学
・概ね、反映している。学会的なテーマの集合
体という感じだが、一方、産業界が必要とし
ているテーマは、余り取り上げられていな
い。
・この部門はかなり特殊な性格をもっていて、
実験系のグループと比べて、産業界と遠いは
ずである。直接産業界の役に立たなくとも、
産総研の役に立てば十分ではないか。つま
り、産総研の中のグループとの共同研究を通
じて、社会に貢献すれば良い。そういうこと
を産総研のリーダーは認識すべきである。
・開発したソフトウェアを外部に提供すること
は有意義なことである。また、そのようなソ
フトウェアが利用されている実績も、論文な
どと同様、評価の対象となることを期待した
い。
具体的適用研究については、社会的にもイン
パクトのあるものを取り上げるように努力し
たい。一方、理論開発、計算手法開発、も本部
門の重要課題と認識しており、それらは共通基
盤性の強いものであり、産業界や学界の要請に
つながるものと思う。ソフトウェアの開発と公
開も、社会への貢献、学界への貢献につながる
と考えており、重要課題として取り上げてい
る。ただし、厳選されたものに限るつもりであ
る。本部門の特性について、産総研リーダーが
的確に認識するように要望していただいたこ
とは感謝したい。
-
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
一般的にいって、産総研としての特徴をはっ
きりと打ち出すことが大事である(他との差別
化)。グループによって差が見られる。メソフ
ェーズ、グリーンバイオについては学界や産業
界での動向を把握することが必要と考えられ
る。
ご指摘の件は常に意識されるべき問題で、単
に人間系だけではなく、産総研としても考える
べきポイントであります。産総研としては、広
い分野別の戦略を考えながら研究を進めてい
るところであり、これとの整合性や協調体制に
ついてももう少し時間をとって説明すべきで
あったと反省しております。
メソフェーズは JCII の中で産業界・学会と連
携して進めている課題を主としており、また、
グリーンバイオは、公設試をまとめた連合組織
や企業・大学も参加する地域コンソーシアムの
中の中核として活動しておりますので単にグ
ループの狭い興味で研究を進めているわけで
はないことは明らかです。しかしながら、ご指
摘の通り、常に我が国や世界の動向を把握し十
分に先進的な課題に取り組むべきことは当然
であり、人間系としても自主的にこの部分を補
完する調査や研究会活動をして行く所存です。
一言さらに付言すれば、このような動向に気
づきながらも、行政機関直属の研究所として政
策対応業務として与えられた課題を業務とし
て遂行する必要な場面もないとはいえません。
このような場合でも、業務として目標をクリア
ーしつつ世界に貢献する結果を出して行きた
いと考えております。
B
人間系
燃料電池、水素吸蔵合金、環境触媒などの分
野で現在のニーズを十分反映している。しかし
次世代を展望するシーズとなるような研究テ
生活環境系
ーマ、例えば、ポストリチウム電池、ポストナ
フィオンなど、をもっと前面に出すことが望ま
れる。
103
前述のとおり長期展望を加味した課題設定
にリバイスしたいと考えております。また、産
業界や学界のみならず、資源エネルギー庁や
NEDO に出向者を出し、経済省の技術政策とも
密に連携しているところです。
B
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
2.研究計画
(1)研究目標が明確に示されているか?
(a)研究センター
研究
センター
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
深部地質
環境
委託元と実施契約を協議している過程で、中
中期および短期も目標は十分示されている
が、それを選んだ理由、それらとプロジェクト 期・短期目標とプロジェクト全体との関連や理
全体の目標との関連に具体的説明が欠けてい 由をさらに具体化しつつある。
る。
A
活断層
指摘についてはより明確にするよう努力し
4 年間の計画は明確だが、研究レベルや、そ
の最終的目標(活断層評価 or 社会的活用 or たい。98 断層以外の断層の調査については社
研究論文)が不明確である。そこに至る過程、 会的要請とマンパワー・予算より総合的に判断
内容、目標の形態を明らかにし、98 断層の活 して実施したい。
動性評価以外の、先導的研究面の目標と共に、
具体的に明示すべきである。
B
10 月にグループの再編成を行い、目標を明
大気圏チームの目標は明確である。リスク評
価・管理研究グループは扱う範囲が広いので、 確化する。
化学物質
各分野ごとにもう一歩絞り込んで目標を具体
リスク管理
化し、年次計画のような形で示されることが望
まれる。
B
フッ素系
今までのポテンシャルの上に立って、適切に
温暖化物質 構築されている。
A
(コメントなし)
ライフ
研究課題、目標及び内容として一括して記述
ありがとうございます。評価の A、B、C の
サイクルア されているが、成否を判定できる書き方になっ 基準を明確にして頂きたい。
セスメント ている。
研究目標は概ね明確に記されているが、スー
パーデザインチームが目指すターゲットの目
標設定に明瞭でない部分がある。マイルストー
ンの設定など、一層、具体的・定量的な目標を
掲げて研究を推進することが重要である。
パワー
エレクトロ
ニクス
生命情報
科学
一つには、前述の予算・人材獲得の不明確さ
のため、目標に明確さを欠く点がある。材料・
プロセス・デバイスについてはポテンシャルも
上がってきており、実用化へのステップアップ
研究が着実に進められると予測する。スーパー
デザインについては、中期までに i-Cubic の構
想・仕様設計ができ、その開発の基盤技術の立
ち上げがなされればよいと考えている。
現在省エネ先導研究として提案している「ス
マートパワースイッチモジュール研究開発」 B
(8月末に採否が決まる)がその先導、マイル
ストーンとなることを期待している。
パワーエレの導入の成否はコストに依存す
る。自明な道はないが、もっともインパクトの
大きなシステムを睨んだ目標にむけて、総合的
にバランスの取れた戦略をとりたい。
(むしろ、
結晶の品質の向上、コストの推移、プロセスの
イノベーションなどに適時対応して、柔軟に軌
道修正を行っていく)
ほとんどのチームの目標が具体的だと評価
ほとんどのチームで目標が具体的に明示さ
れている。ただし、細胞情報科学チームでは研 された点は良かった。一方、ご指摘を頂いた細
究課題の重要性を踏まえて、長期的視野に立っ 胞情報科学チームについては、そのテーマがバ
イオインフォマティクス分野の中でもきわめ
たより具体的な目標の設定が期待される。
て新しいという点に問題の核心がある。同チー
ムでも、プロテオーム解析のためのシステム開
発や、細胞シミュレーションに必要となる要素
技術の開発については明示的な目的設定を行
104
B
B
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
っている。しかしながら、中長期的目標として
掲げている「細胞シミュレーション」について
は、世界的に急速に発展しつつも 3 年後・5 年
後の技術的な姿を見通すことはきわめて難し
い。情報科学側の方法論だけでなく、生物学的
なデータ収集の難しさに直面し、実験手法の面
からもブレークスルーが求められているため
である。具体的、数値的な目標設定が難しいテ
ーマであると考えており、現状では、ボトムア
ップな進め方を取るのが戦略的には最も正し
いのではないかと考える次第である。同チーム
が有する代謝シミュレーションなどの技術は
世界的なレベルであるので、これらの技術の具
体的発展を早急に図りながら、我々の目指す
「細胞シミュレーション」の、より具体的、客
観的な目標をできるだけ早期に設定したい。
生命情報
科学
(つづき)
機能グループの研究目標は統括的な機能デ
ータの収集による知的基盤作りにある。統合デ
ータベースグループの目標は事前配布資料に
は明確に示されていなかったが、説明時の資料
には、1) 統合バイオ・データベースの構築と
運用、2) ヒトゲノムに関する大規模アノテー
ション・ファクトリー、3) 比較ゲノム解析に
よる生物進化の研究、と示されている。
B
PLGA・コラーゲン複合体チューブに血管内
全体としては目標の設定とその取り組み方
ティッシュ
が明確に示されている。血管内皮細胞・平滑筋 皮細胞、平滑筋細胞を播種・増殖し動物実験に
エンジニア
細胞系については、その産業応用に向けての取 供するところまで女子医大との間で進めてい
リング
る。2 年後の臨床応用を検討中。
り組みについて述べることが望まれる。
A
これは評価者の理解不足での評価であるし、
短時間のプレ評価フォーマットでの説明では、
理解してくれと言うのが無理な話ではある。タ
グ的グループ名で仕事の正確な定義はできな
いが、それでグループの仕事の批評が行われて
いるようだ。評価者は、ジーンディスカバリー
チーム(リボザイム)に関しては先に十分聞か
れる機会があったとかで、理解を示されたが、
エイジング、細胞調節、ネットワークに関して
は、不十分な理解しかお持ちでないまま評価さ
れたようだ。これら研究プロジェクトの世界、
国内での正当な位置付はなされていない。短時
とは言えプレ評価会での説明をおこなった。必
要な質問をし、提供した情報を十分読んでいた
だけていたなら、これらのプロジェクトの理解
と世界の研究分野における位置づけは、かなり
フェアーに出来たはずである。いずれにして
も、今回のプレ評価説明会のフォーマットで
は、諸事情から、生産的なものにはなりえなか
った。
B
生物情報
解析
構造グループは目標が明確である。チャレン
ジングであるが競争も厳しいと考えられる。機
能グループは作業目標は明確であるが、そのあ
との研究目標が明確でない部分がある。データ
ベースグループはどのような統合データベー
ス作りを目指すのか、研究目標(フィロソフィ
ー)がやや明確でないところがある。
A 委員: ポストゲノムの遺伝子機能解析とい
う目標は明示されている。そのためのリボザイ
ムをツールとして用いた技術開発の目標は明
確であり、妥当である。エイジング、セルレギ
ュレーション、遺伝子ネットワークはそれ自体
が、広大な研究領域であるが、各研究ユニット
がバイオロジーを展開しつつ、独自技術の開発
を行うことを目ざしている、と理解するが、機
能研究と技術開発研究をどのように展開する
ジーンディ
かの戦略がやや不明瞭である。
スカバリー
B 委員:(コメントなし)
C 委員: 大体はっきりしている。
現代社会が人間に与えるストレスをミクロ
的、マクロ的に解明するための3研究課題の目
標は概ね明確にされている。ただし、「ストレ
ヒューマン
ス・加齢工学研究」の研究目標がやや分散気味
ストレスシ
であり、またセンサー等の性能についても開発
グナル
目標をより明確にすべきである。長期的には各
チームを横断する具体的な研究課題が設定さ
れて行くものと期待する。
105
研究を進めていく過程で、各チーム間の連
携、相乗効果を目に見える形にしたい。ストレ
ス・加齢工学研究については、既存の研究開発
プロジェクトと新たなセンター内研究の双方
B
を推進しているため、研究目標が分散気味であ
るが、今後はストレス研究に焦点を絞ってい
く。また、センサーについては、特異性、感度、
迅速性いずれも現存のものを凌ぐものにする。
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
デバイスチームは、その後のセンター内での
即応型の技術開発や従来型の電子技術の進
展を狙うものではなく、強相関電子の相制御を 緊密な議論を通して、ターゲットとする具体的
コア概念とする革新的な電子技術の創成を目 なデバイスを絞り込み、研究を進めている。
標としており、明確に研究目標が示されてい
る。ただし、研究計画書においてもデバイスチ
ームの研究ユニットにおける位置づけを明確
に記述してほしい。
A
テーマとしては明確であると思えるが、最終 1) 単なる材料開発ではなく、デバイス特性の
向上を目的とした研究を意図しており、試
的にはデバイス特性と関連付けて目標達成か
作デバイスの特性評価も重点的に行う。し
どうかを判断できる部分も欲しい。例えば、
かし、50-70 nm 技術世代のデバイス特性
high-k ならば、リーク電流**以下といった数
について、詳細な目標設定とその実証を行
値だけではなく、移動度、電流駆動能力、サブ
うのは、現時点ではきわめて困難である。
スレッショルド特性(S 値)、ドレインリーク
今後の課題としたい。
電流(Idss)等のデバイス特性についての目標
設定をしていただきたい。これに関連してグル 2) ご意見に従い、次のようにグループ名を変
更した:高誘電率材料ゲートスタック技術
ープ名についても出口が見えるような機能的
グループ、低誘電率材料配線モジュール技
なネーミングをするといった工夫がほしい。
術グループ、新構造トランジスタ及び計測
解析技術グループ、リソグラフィ・マスク
計測技術グループ、回路システム技術グル
ープ。
B
具体的なスペック自体が研究対象である。現
・目標の具体的な内容(スペック)が提示され
るとイメージがつかみやすいが、立ち上がり 在徐々に詰めつつある。初年度が終わるまでに
の時期だけに、目標を示すのが難しいことも 明示したい。
あると思われる。
・数値性能であらわせない研究目標を、例えば、
マイボタンと呼ぶ携帯端末のイメージで示
しており、興味深い。
B
研究目標に関しては、マイクロ・ナノ機能の
3 つの研究課題については、具体的な研究方
向、手法が表現されている。ただし、超微粒子 解明と広域発現技術としての確立という大き
については、集積して機能構造体を形成する技 な目標を持ち、この研究センターを立ち上げた
術、の中身が不明である。また、精密形状転写 わけであるが、具体的な中期目標としては、産
では、機能発現に必要なマイクロ・ナノ構造は、 業界に貢献できる目標を明確に示すことを心
必ずしも回折格子のように 2 次元的な構造で がけた。学問的には基礎的総合的に取り組み体
はないと考えられる。3次元構造の形状転写に 系化を目指すわけであるが、我々の研究センタ
は発想の転換が必要ではないか。高コヒーレン ーのもつ独自の視点としては、レーザー照射の
ト完全固体レーザーと極微細化高技術の関連 効果、超微粒子技術、ミクロな静電気的効果、
ミクロな熱流体効果の視点からの切り口で取
マイクロ も明確ではない。
しかし、これらについて、明確な研究計画を り組むことを考えている。学問的方向性から言
・ナノ機能
書くことは不可能で、だからこそ研究が必要で えば、数年先といえども推定できない範囲であ
ある。その意味では、研究のポリシーの確立と り、研究目標という形での記述はひかえてい
長期的な保証が重要となる。4 年や 10 年でで る。
きる研究であってはならない。個々の研究目標
に対しては概ね研究目標は記述されているが、
目標間の連携の取り方は不明確である。別途提
供された資料により、別紙2の 1)~3) の課題
(p. 26) に対する数値目標を確認し、それらが
目的に対し概ね妥当なものであると判断しま
した。
B
システム技術チームの研究に関しては、目標
NEDO プロジェクトの提案書の中で、ユーザ
ものづくり をさらに具体化させ、得られる成果のイメージ 自身による改良機能などについての具体的な
先端技術 を明確にされることが望ましい。
目標とその評価指標について成果のイメージ
としてとりまとめる。
B
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
106
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
研究目標は明確に示されている。常にナノマ
テリアルプログラム・精密重合プロジェクトと
の関係を意識して研究を進めること。研究者は
自分の興味があるところを研究するだけでな
く、その力を他のチームや会社の未解決問題の
解決にも役立てるべき。
「精密高分子技術」プロジェクトの中でセン
ターが果たすべき役割を明確にして研究を進
める。特に、プロジェクトの6項目のテーマ間
での連携を重視し横断的な高分子技術の研究
を進める。そのために企業、大学の研究者と常
に研究レベルで議論し率直に意見を交換でき
るセンターの風土を確立したい。また、積極的
に企業の未解決問題を掘り起こし、議論し、研
究テーマに取り入れる努力をしたい。
概ね目標は明確に示されている。各チームが
それぞれ独立しているが、もう一歩踏み込んで
チーム間の得意分野を出しあって研究協力し、
その成果をフィードバックして研究を進めて
欲しい。各チームの融合をはかることによりブ
レークスルーをはかることは大いに可能であ
り、これを目標に入れて下さい。
理論的研究においては理論構築あるいは機
構解析、状態解析が真の目的ではなく、実用化
研究における課題の解決、例えば非効率過程の
光反応制御 解明や反応選択性向上、材料高機能化等に結び
つく知見を誘導すべきなので、一部、目標のブ
レークダウンが必要と思われる。
高速分光研究では、色素増感太陽電池の機能
が発現している試料を直接測定し、その試料の
電子の挙動を全過程通して測定することにチ
ャレンジして欲しい。測定に適した装置を開発
したり、試料の作成にも工夫を凝らす必要があ
る。それが出来るチームだと期待している。ま
た、実用化研究では、産業への利用という観点
での詳細な目標をさらに付加すべきと考える。
各チーム間の連携・融合を図り、ミッション
に合致した大きなブレークスルーを達成した
いと考えている。理論的研究においては実用化
研究と連携し、実用技術に繋がる研究課題のブ
レークダウンを図る予定。高速分光研究におい
ては、色素増感太陽電池の実用モデル試料を対
象とした研究や研究手法の開発を行う。色素増
感太陽電池では、実用化を視野に入れた、性能
やシステム、耐久性についての目標を設定済
み。
高分子
基盤技術
新炭素系
材料
A
A
プレ評価でのプレゼンテーションの内容も
含めて研究計画は明確に示されている。
(コメントなし)
数値目標、目標設定した根拠まで明示してあ
シナジー るので、明確に示されていると考えられる。摺
マテリアル 動材料の比摩耗量が従来材料の 1/10 以下など
目標設定が高すぎると感じられる部分もある。
(コメントなし)
A
B
14 年度計画ではより具体的な研究目標を設
各研究課題の研究目標をもっと具体的に示
すべきである。各研究チームの目標を、1 年後 定していきたい。
超臨界流体
に目標が達成されたかどうかを判断できる具
体的な表現にすることが必要である。
B
目標は明確だが、一年後には目標にいたる筋
目標については現在はまだ技術主義的思考
道を明確に具体的に示せる努力をしてほしい。 でニーズ思考になっていない面はある。今後、
関連企業とのワークショップ開催でプロジェ
クト化を目標に議論を進めていきたい。具体的
目標で研究ステップの筋道を設定していく。
A
今後 1,2 年の研究進展に伴い、ボトムアップ
中期計画の達成目標が機能集積素子にどう
界面ナノ
つながるのか明確になっていないという点で、 ナノテクで構築される可能性のある機能集積
アーキテク
素子をいくつかに絞り、技術課題およびロード
研究目標の明確さは不十分と考えられる。
トニクス
マップと共に明確にしていきたい。
-
スマート
ストラク
チャー
107
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
(b)研究部門
研究部門
計測標準
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
各研究分野の目標は定量的に明確に示され
中期計画の策定において、可能な限り数値目
ている。
標を設定し、各部署の目標、責務を明確化する
ことを意図した結果と思えます。
A
概ね妥当であるが、研究目標と成果目標の間
理学系の研究分野においては研究目標と成
に乖離があるので評価しづらい。論文数以外の 果目標間に乖離があるのはやむをえない面も
評価軸も考慮することが望ましい。
あるが、上述したように研究目標としては時流
におもねらず志を高く持ちつつ長期的展望に
立ち、一方短期的にはマンパワーや予算等の現
実的な条件を踏まえて具体的な数値目標を示
している数少ないユニットの1つだと自負し
ている。論文以外の評価軸を考慮する必要性は
十分認識しているつもりであるが、具体的にど
うすべきかは産総研全体でも明確ではない。評
価は研究をより活性化するためなのだから、グ
ループ長に第1次評価をさせるのは疑問であ
ると思う。ユニット長として研究目標達成につ
とめ、グループ間で軋轢が起こらないようつと
めたい。
B
地圏資源環境研究部門では、研究の対象が
「地圏=自然」であるため、開発目標として明
確な数値を設定することが困難な側面がある
が、プレ評価直後に作成したグループの年間研
究・業務計画でより明らかにするよう努めた。
C
個々の研究テーマは、成果の目標そして日程
今後とも、目標及び展開過程を明確にすると
について概ね明確に提示してある。
ともに、安易な設定や自縛は避けたい。
A-
研究計画中で、目的と目標の違いが曖昧であ
る。また「中核的研究拠点となる」という点な
ど、それらの目標を達成するための具体的シナ
リオやマイルストーン、実現の見通しが一部の
グループ以外は明らかにされていない。
エネルギー
それぞれの研究テーマについては概ね明確
利用
に示されていると考える。
今後とも研究目標の明確化に努力します。
萌芽的研究、基礎的研究では研究目標の提示
は必ずしも明確である必要はないが、電力を中
心とするエネルギー技術に関するプロジェク
ト研究では、多くの場合数値目標を明確に示し
ており、これに向かってどのように研究を進め
電力
るのか、定量的な研究目標の明示が必要ではな
エネルギー いかと考える。数値目標を明示した研究グルー
プもある一方で、宇宙技術グループ、核融合プ
ラズマグループ、パワーレーザーグループの目
標が理解しにくい。また、H13 年度の計画にお
いても、目標が十分明確でないグループも見ら
れる。
萌芽的なテーマに対しては、取り組み方の戦
略とスケジュールを明確にすることで対処し
たい。指摘のテーマはいずれも中期的には数値
的に明確な目標が設定されており、その達成に
向けて研究を進めているが、目標を各年度毎の
段階的な目標にブレークダウンすると共に全
体の流れも計画書の中で読めるよう改善する。
他のグループについても目標の明確化に努め
る。
A
C
環境管理
短期的には、目標は具体的で明確である。た
中期計画・目標については具体的な研究方法
だし、目標の中で方法論を明記することと、長 を明記したつもりであるが、長期的目標も含め
期的目標をより明確にすることが必要である。 て、部門内での検討をさらに進める。長期的目
標については、大きな目標を設定して、その実
現に向けて解決すべき研究課題を選定して実
行して行きたい。
A
環境調和
技術
まとめのところで具体的に指摘いただいて
概ね明確に示されているが、より明確に、具
体的に表現するとよい。研究を分類し、それぞ いる2軸マトリックスを用いた整理などを導
れの位置づけや性格に応じて目標を設定する 入して、研究テーマの性格に応じて研究目標を
わかりやすいものにしていく。
とわかり易い。
B
108
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
情報処理
知能
システム
研究課題は記述してあるが、目標が明確に書
かれてない。目標というのは、いついつまでに
何の成果をだすということであり、この点から
目標をもっと明確化にしてもらいたい。評価を
する観点から、目標はきちんと書類に残した方
が良い。
研究目標は概ね明確であるが、研究部門およ
研究評価は、原理を追及する科学的研究か、
び研究グループの特色を考慮した、より具体的 使えるものを開発することを目指す応用技術
な評価尺度を設定する努力が必要である。
研究かをまず研究の提案者に主張して貰うと
同時に、管理者の主観でそれを判断し、前者で
あれば学問的な業績の蓄積とその研究者ある
いは研究テーマの成果に対する学会での評価、
また後者であれば共同研究あるいは受託研究
への展開の有無で評価する。この点はポリシー
ステートメントにおいても明らかにしている。
これらの評価に加えて、論文業績、知的財産
権取得に関わる特許を出すことは、研究者とし
て不可欠であり、この点は論文数、出願特許件
数で厳格に評価する。また、研究の具体手内容
については、各研究者と管理者との間で取り交
わされる短期評価文書でより詳細に記述する
こととしている。以上の点は過度的期間にある
現在、必ずしも徹底していないところがある。
時間をかけて改善していきたい。
現行のグループの目標は適切かつ明確に設
エレクトロ 定されている。プレゼンテーションでは各研究
ニクス
グループの特徴がよく示されたが、書面上でも
特色が解るように記述頂きたい。
光技術
A
北海道センターのナショナルセンター化の
方向と研究部門のミッションとは 100%合致
しているわけではないので、指摘の点は良く理
解している。その上でより高いレベルの研究に
向けて研究目標の明確化を図っていきたい。
研究グループそれぞれに技術開発あるいは
グループによっては、基礎研究としては優れ
ているが、中期研究期間内での研究課題・目標 基礎研究なのか姿勢を問い、より具体的な研究
が大ざっぱ過ぎて、具体性に欠けるものがあ 目標の設定を求めます。
る。目標において技術開発か基礎研究かの姿勢
をより明確にすべきである。
109
B
(コメントなし)
概ね、個々の研究者の実績を踏まえた計画で 研究計画書はすでに見直しを行っており、コ
あり、実現可能性は高そうに思われる。ただし、メントの指摘はほぼ改善されていると考えて
一応の研究成果が出た後、それらをどのように いるが、中期計画も含め今後ともより適切な研
展開してゆくかに言及している計画書はあまり 究目標となるよう見直しを図る。
多くない。また、研究目的、研究内容、目標が
明確に書かれていない計画書も見受けられる。
さらに、[13 年度の研究計画]は一部に目標
及び内容が大きすぎて達成が不可能なものが含
まれている。また、中期計画において「量子暗
号通信等を開発」、「三次元表示が可能な書き
換え可能なホログラム」、「多機能放射光」、
「高機能量子放射源」、「超高精度計測、光制
御の研究開発」など具体的に何を意味するかわ
からない表現が数カ所見受けられる。
全体として生物系の不確定要素を考慮すれ
ば明確である。ただし、何を行なうかについて
生物遺伝子 は理解できるが、何故その課題をここで行なう
のか説明が十分でない場合がある(例えば北海
資源
道センターのグループで)。また、もう一つ上
のレベルを目指して欲しい。
分子細胞
工学
「…を目指す」のような表現は目標ではない、
というご指摘であった。もっと定量的あるいは
具体的な定性的目標を立てよ、というご指摘で
あった。もっともなご指摘である。デモイメー
ジを出す必要がある。普及までに長い時間がか
B
かるソフトウェア開発では目標が建てにくい
が、それにしても「その時点で考えている目標」
は時点時点で明確にしていく必要があろう。探
索的研究では多少定性的な目標になるのはや
むを得ない面もあるが。
B
B
B
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
人間福祉
医工学
3分野の目標は明確であるが、機器開発が最
終目標なのか、それに関連する規格の制定や評
価基準の策定なども目標としているのかが分
かりづらいので表現を少し改めた方が良いと
考える。産総研は規格の制定や評価基準の策定
も行って欲しい。
福祉工学分野、医工学分野の研究課題は比較
的研究目標が明確であるが、人間生活工学分野
では、研究開発目標が若干曖昧であり、何をど
こまで明らかとしようと考えているのか分か
りにくい。逆に出口目標があまりに具体的過ぎ
るテーマがいくつも見られる。水平展開しやす
い目標にする方が良いと考える。
企業の2、3歩先を行く基礎的研究をしてほ
しい。全体に産業化の部分がメーカー任せのよ
うに感じられるが、産総研としては産業化につ
ながるところまで道筋を示してほしい。各研究
者毎の研究テーマを活かしつつ、部門が一致団
結して研究を推進していることを強調すべき
である。
人間関連分野の研究は、多岐にわたってい
る。その中で、人間生活工学分野は、人間特性
解明に始まり、データベース構築、規格制定、
使いやすさの評価手法の開発などが主目的で、
継続性・公共性の視点から当部門の重要課題と
位置づけている。
他方、福祉工学や医工学分野では、人間生活
分野の評価技術開発においてその共通性を保
ちながら、ウェートは機器開発に置いている。
その趣旨は、ポリシーステートメント等の文章
で読み取れると思うが、今後より明確に記述す
ることを心がけたい。
産業化については、メーカーとの協力体制を
強め、実用化の実現に向けて責任ある体制が取
れるように努力をしたい。
B
やや抽象的であり、達成目標として具体性が
14 年度以降の研究計画の目標について、研
脳神経情報 望まれる計画もみられる。
究の進展状況を見ながら見直しを図っていき
ます。
B
ご意見の通りです。当ユニットの見解は、既
研究目標を掲げる場合には、その意義と効果
について明確に記述する配慮が必要である。官 に 1. (1) (p. 55) 及び 1. (3) (p. 75) で述べさ
は産や学と異なる目標を掲げることによって、 せて頂きました。
初めて産学官の連携の意味が生まれるように
思われる。従って、多くの研究グループが目標
や期待される成果の第一に論文○○報以上、学
会発表○○件以上...をかかげているのは、
奇異に感じられる。
目先の論文数を目標とせず、継続性、持続性
が必要とされる、産総研でなければ達成できな
い規模の研究課題について、具体的な中期目標
を設定し、地道に取り組んでいただきたい。つ
まり、あくまで論文や学会発表の数は、参考程
度でよい。
B
圧電体に関するご指摘は、もっともだと思い
ます。非鉛系圧電体はその開発の必要性は認識
されていますが、しかしながら非公表では有り
ますが、非常に長い失敗の歴史があります。ま
た、現在有力候補に挙がっている幾つかの物質
についても、鉛と同様の化学的性質、イオンの
毒性、地殻中の存在量の少なさ等について問題
点が指摘されております。このような背景のた
め、材料探索的な側面があることも、ご理解頂
きたいと思います。
B
客観的に自己評価を行い、日本が育成すべき
客観的に自己評価を行うことの重要性は認
技術に対して担うべき目標をより明確にすべ 識している。日本が育成すべき技術に対して担
きであろう。
うべき目標については当然部門としての意見
は持つべきであるが、それを産総研総体の考え
とするには技術情報部門等々との十分な摺り
合わせが必要であり、現状そのような時間は取
ることは不可能であった。
B
物質
プロセス
セラミッ
クス
基礎素材
1) 圧電体合成技術などテーマによっては、目
標と期限設定をもう少し明確にした方が良
いものが見られた。目標と期限設定を明確
にすること。本人が目標をはっきり認識し
ないとがんばりようがない。
2) 数値目標でなくてもよいが、このレベルの
もの程度の明確な目標設定は必要である。
3) 成果を長い目で見るべき研究テーマがあ
り、それはそれなりに評価されるべきであ
る。
110
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
機械
システム
評価については初めての試みでもあり、今後
研究目標は研究計画書に具体的に明確に記
載されている。数値的目標も示されており、高 改善したい。
く評価できる。ただし、実現容易でない無理な
目標、あるいは、異なる目標設定もあるのでは
ないかと思われる。
A
テーマの設定については、産総研の発足以前
に地ならしをしておくことが必要であるが、複
数の所の関わる新たな研究ユニットとしては、
そのような機会を実質的に捉えることが困難
であったという事情がある。このような状態
は、初年度ゆえの過渡的なものであると考える
が、同時に、ナノテクノロジーそのものが黎明
期であり、個々人の独自の発想がその原点であ
ることを考えると、既に成熟している分野と比
較して、テーマ設定が羅列的になることは避け
られないし、それが自然であるとも言える。
今後、より高次な意味で、目玉となるテーマ
を引き出し育てる努力を、外部予算の獲得とも
からめて進めていく。
B
ポリシーステートメント及び計画書におい
て、“計画の事前公表を避ける”としているの
で、“明確”とは言えないが、その範囲で示さ
れている目標は明確であると考える。ユニット
の行う基礎研究は各研究グループの研究対象
に自由度をもたせる上で理想的な方法と考え
ナノテクノ
られるが、それぞれの研究がどこまで進展させ
ロジー
ることを目標として計画しているのかはっき
りしない面もある。また、課題の羅列でなく、
重点研究については目標を明示するとユニッ
ト全体として取り組むべき姿が見えやすい。
計算科学
・概ね、明確に示されているが、13 年度中の
計画が過大すぎるように思われるグループ
もある。
・グループによって、適用研究の目標設定(目
的物質系、目的系、数値設定など)が不明確
な部分がある。一般的に、何をどの程度まで
計算できるようするかという、より定量的な
目標設定をすべきである。
目標設定はいつも困難な作業である。かなり
曖昧になっていたり、過大になっていたりとい
う指摘については、認めざるを得ない。これは、
単に本部門がまったく新しいグループとして
B
スタートしたという事情だけが原因という訳
ではない。今後の検討を通して事情の改善を図
りたい。
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
人間系
ニューロニクス研究グループと細胞機能操
作研究グループの研究目標は明確である。動的
構造機能制御研究グループについては、研究目
標がやや分散している感を受ける(フォールデ
ィング解析? ケージドアミノ酸の利用? 標
的蛋白質?)。また、精密構造解析研究グルー
プについては、蛋白質構造解析に係る技術開発
とその応用が主たる研究課題であることはよ
く理解できたが、研究目標についての記述にお
いては具体性が低いように思われる。この両者
はともに「ゲノム情報利用活用技術及び有用蛋
白質機能解析」に含まれているが、こうしたポ
ストゲノム研究においては特に戦略性が重要
であり、研究目標にもっと具体性が必要である
と考えられる。もちろん、数値目標を掲げるこ
とに伴うデメリットも良く知られていること
なのでそれを勧める訳では決してないが、もう
少し具体的な戦略対象の提示は必要と考える。
メソフェーズ工学研究グループとグリーンバ
イオ研究グループについては、国内外の研究と
比べて優位性を保てるのか疑問がある。しか
し、全体としては研究目標は明確に示されてい
ると結論できる。
動的構造機能制御研究グループについては、
平成 13 年度の研究計画を中心に説明したた
め、研究目標が分散した印象を受けられたかと
思う。当該グループでは、蛋白質の機能発現を
支えている動的構造形成過程を制御すること
により、蛋白質の機能制御技術の開発を目指し
ておるが、そのため、ケージドアミノ酸を含む
モデルペプチドを用いた実験系と実際の蛋白
質のフォールディング系を合わせる必要があ
る。今年度の計画だけでは、モデルペプチド系
と蛋白質系は独立しているように見えるかも
しれないが、近未来的に両者を一本としてい
く。また、ポストゲノム研究における戦略性の
重要性は当グループでも充分認識しており、各
個人の目標では、数値目標を含む具体的目標を
設定しておるが、時間の関係でプレゼンの時に
は充分説明できなかった。次回の評価では、そ
の点を明示しご批判を仰ぎたい。
精密構造解析研究グループについては、(1)
何が結晶の良し悪しを決め、(2) どうすれば結
晶がよくできるのか、という問題を、X 線結晶
学に則し、また、現実に構造が問題となってく
るタンパク質を対象に研究するというのが大
A
111
別紙6:プレ評価結果 2. (1) 目標の明確さ
人間系
(つづき)
きな目標。「良い結晶を作る」という目標に向け、
生物学的アプローチ(超好熱性微生物利用)、化学
的アプローチ(特定イオンの添加、両親媒性溶媒の
添加)、物理的アプローチ(磁場、高圧、微小重力)
を組み合わせ、上記 (1) (2) の問題を扱っていこう
というのが研究シナリオ。さらに具体的にというこ
とになると、解析する蛋白質名や個数を明らかに示
すべきであったかもしれない。大きな目標は構造か
ら蛋白耐熱性の秘密を明らかにすることであり、こ
れについてはゲノムインフォマティックス的アプ
ローチよりも我々の方がゴールにつくのは早いと
信ずる。メソフェーズ工学研究グループとグリーン
バイオ研究グループについては1. (補 1) (p. 103)
でコメントした通りである。
前者に関しては、液晶材料研究の分野では世界的
な連携体制を構築して研究を進めており動向の把
握については問題ないと思われるが、このようなグ
ループの中で頭一つ飛び抜けるにはどうしたら良
いかという点については、冷静な分析とたゆまぬ努
力をつづけつつ優位性の確保できる部分について
の外部からの声にも耳を傾けつつ研究マネージメ
ント行う。その結果をみながら次回またご議論いた
だければ幸である。後者については、キチンキトサ
ン研究については関連学会の副会長をするなど外
部からも評価していただいている。ただし、研究が
材料の修飾による機能化という面がつよいため最
先端という位置づけが難しいきらいはある。しかし
ながら、ニーズオリエンティドな研究も外部(特に
産業界)との連携には重要であり、これについてこ
れまで築いてきたパイプを生かした研究展開を行
う。また、この課題については海外(特に東南アジ
ア)との連携関係が確立しており我が国の政策的指
導的地位の確立にはこれまでも十分に貢献してき
たところ。このような優位性を生かしながら研究マ
ネージメントと行う。
生分解性プラスチックについては、企業が従来よ
りかなりの研究を進めてきた分野であるため、産総
研として、あるいは人間系として、どの部分に取り
組むべきか、十分に議論する必要があると感じてい
る。この観点からすでに生分解性ナイロン4の将来
性についての調査を開始している。このように、ま
だいろいろな問題点を抱えていることは事実であ
るが、これらについて真摯に考え、合理的に将来構
想を練り、特徴のある研究ユニットとなることに寄
与するような目標設定が今後できるように努めて
行く。
目標をさらに具体性を持たせたものにリバイス
概ね、中期目標と期待される成果が具体
的に示されている。しかし抽象的な、ある したいと考えています。委託研究についても目標や
いはあいまいな目標設定になっている場合 役割を明確に記述します。
も見受けられる。できるだけ目標設定を具
生活環境系
体的、客観的にする努力がほしい。平成 13
年度の目標に対する成果について、委託研
究などを含めて、明確にできる場合は記述
することが望ましい。
112
B
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
2.研究計画
(2)研究目標が当該分野における国内外の研究レベルと比較して適正か?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
十分適正である。
(コメントなし)
活断層と津波による過去の地震の解析研究
や被害予測の研究など、最先端の研究や新しい
試みが含まれていて、評価できる。
委員
会の
評点
A
(コメントなし)
A
国内外を通じて歴史の浅い分野であるため、 目標はかなり高く設定されているので、実現
現段階では当面の目標として設定せざるを得 できるよう努力する。
化学物質
ない。その点から考えれば、むしろ高めの目標
リスク管理
設定ではないかと思われる。社会的ニーズの大
きさからいえば、目標は高いほうが望ましい。
A
評価法ではトップレベルにある。合成につい
合成研究の目標は、候補化合物の一つである
ては何を合成するかで評価が分かれるところ 含フッ素エーテルの効率的合成法の開発、新規
であり、現段階では明らかでない。分子軌道法 な有力候補化合物である窒素系フッ素化合物
フッ素系 計算化学では概ねトップレベルと考える。
の合成技術開発等多岐に亘っている点で評価
が分かれていると思われるが、直接フッ素化、
温暖化物質
間接フッ素化、電解フッ素化等多様なフッ素化
学反応を自由に選択、駆使できる点でトップレ
ベルに近いと考えている。
B
LCA に関する目標については先進的で適正
エネルギー評価は、LCA の基礎となるだけ
であるが、エネルギー評価は目標が明確でなく でなく、それ自体でセンターとなり得る大きな
他所の研究レベルと比べてまだ萌芽的段階。 テーマである。そういう分野については、まだ
ライフ
萌芽的な段階であることを自認している。現状
サイクルア
B
では、LCA と関連する分野での研究が多いが、
セスメント
エネルギーシステムに特有な分野についても
今後、外部の研究レベルに負けぬよう育成を図
りたい。
パワー
概ね適正であるが、欧米においてはすでに商
業ベースに乗りつつあるところもあり、国内外
の動向を考慮して当センターとしての独創的
研究を目指して、明確な目標値を設定して研究
を加速的に進めることが重要である。
エレクトロ
ニクス
十分対抗できる。
生命情報
科学
113
ご指摘の通りと考える。プロジェクト終了時
には国内でも一部実用化開発が進むものと期
待したい。材料・プロセス・デバイスともに信
頼性・コストを含めて解決すべき本質的課題は
残る。当センターではそれらの解決を独創的研
究で解決すべく挑戦していくとともに、前項で
のべたようにパワーユニットとしての革新を目
指した研究に取り組む。エン振協委員会の議論
では、パワーエレの導入はコストドリブンであ
り、コストはパワー密度の向上(小型化)と標
準化(モジュール化)に強く依存するとの結論
に向かっている。この一年で、現状での i-Cubic
の構想・仕様設計が出せるようにしたい。
B
研究目標は、当分野の世界最先端レベルを念
頭において策定している。この点を的確にご評
価頂き、感謝している。マルチプルアラインメ
ントのアルゴリズムは性能で世界一の評価を
受けており、遺伝子発見の Gene Decoder シス
テムも世界レベルと評価されている。また7回
膜貫通型レセプター遺伝子の探索では、世界に
例の無い成果を挙げつつあると自負している。
A
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
生物情報
解析
研究目標は、いずれの研究課題においても世
界的に先駆けた成果が期待されるものとなっ
ている。
(コメントなし)
A
培養骨・軟骨・靱帯については世界的にも進
目標は高い。当然のことながら、研究グルー
プには得意な領域と不得手な領域がある。軟骨 んでいる。培養神経細胞は阪大系との医工学連
ティッシュ
組織再生のような得意な領域では“国内外の研 携が進んでおり、実用化は近い。
エンジニア
究レベルと比較して適正”な目標設定が行われ
リング
ている。一方、不得手な領域では目標設定が余
り明確でない。要は結果次第と考える。
B
A 委員: リボザイムをツールとして用いた技
残念な批評である。多忙を極める評価者が、
術開発は、国際的にも最先端にある。エイジン センターとその主要プロジェクトの総合的理
グ、セルレギュレーション、遺伝子ネットワー 解を十分に行う事が出来なかった事を示して
クの各研究ユニットも高い水準にあるが、バイ いる。リボザイムに関しては、これまでセミナ
オロジーにおいては、国内外にも、多くの研究 ーを聞かれる等の機会もあったとの事で、問題
グループが存在しているので、どの領域で独自 点までは別として十分理解されている様子だ
性を示すのか、より明確にしてゆきたい。また、 が、例えば、我々エイジンググループの仕事が、
各研究ユニットは、機能研究を展開する過程 新研究分野開拓という世界初の画期的研究を
ジーンディ で、遺伝子発現、遺伝子導入、遺伝子治療に関 進めている事さえも理解されていない様で残
B
スカバリー する独自技術の開発をどのように行うのか、必 念だ。さらに、遺伝子治療関連の批評は、その
ずしも明確ではない。特に、遺伝子治療用のベ 重要性は十分に理解している。上述したよう
クター開発を行うには探索型病院と連携する に、健全な研究論理に従って、仕事の進展とと
必要がある。
もに御指摘の先端医療センターとのタイアッ
プは当然計って行くものだ。これらの点に関し
B 委員: 追加資料で明らかになったように、 ては、限られた短時間のプレ評価の中で細かく
各研究ユニットはそれぞれ高い研究レベルを 説明できなかったし、又、質問も出なかった。
保っている。
C 委員: 適正である。
ストレスに関する研究について世界をリー
ストレス応答および計測評価に関する研究
は、国内外の研究機関と連携して進めることを ドし、先導する役割を果たしたい。
ヒューマン 前提にしており、いずれも国内外の研究最前線
ストレスシ のレベルである。戦略的にストレスに特化した
研究に絞る努力を進めれば、世界的研究レベル
グナル
を超えられる。ストレスと認知、ストレスと加
齢の研究レベルは十分評価できる。
強相関
電子技術
次世代
半導体
研究リーダーを中心にインパクトファクタ
ーの極めて高い国際学術誌に多くの研究成果
を発表し、国内外で広範な学会活動を繰り広げ
ている。この分野の世界のフロントランナーと
して高い目標を設定している。物質からデバイ
スの実証まで研究レベルは極高いと考えられ
る。トップクラスの人材がこれだけ集まってい
る研究グループは他研究機関にはないといえ
る。この人材を活かすべく産総研を魅力的な場
所にするための適切なマネージメントが望ま
れる。
技術水準としては概ね適正であるが、最近の
国外における研究の進捗があまりにも早いた
めに、今後の本分野の状況変化に応じて研究目
標の一部見直しも積極的に行うべきと思われ
る。また、前項 2. (1) (p. 106) で指摘してい
るようにデバイス特性についての具体的数値
目標を掲げてほしい。
114
A
(コメントなし)
A
プロジェクトの前期 3 年終了時には、研究体
制を含めて全面的な見直しを予定している。ま
た、年次毎に研究計画や目標を再検討する。デ
バイス特性目標についても、技術の進展や研究
開発の状況を注視しながら、可能な項目から設
定を図りたい。
B
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
・産業化を視野に入れた研究目標の設定はチャ ・海外動向や産業化の調査は随時行っている。
プレ評価以降決定した共同研究も多い。
レンジングであり適切である。
・個々の研究者の質の高さが適正さを維持して ・7 年間同じことを行うつもりはない。とりあ
えず最初の 3 年でプロトタイプを出し、世に
きているが、今後はよほど適正なパワーをか
けなければ、その維持が困難になるだろう。 評価を問いたい。
・個々の要素研究についてのベンチマークや産
業化の検討が不足気味なものもある。
・この分野は、非常に、進歩、変化が早く、7
年などの時限では長すぎる。もっとダイナミ
ックに対応する体制を持つべきだ。
B
現在までに行ってきた研究活動、調査研究、
個々の研究としては国内外の研究レベルと
マイクロ 比較して概ね適正と判断される。製造技術への また、学界活動等に基づいて研究目標を設定し
・ナノ機能 発展という点ではさらにブレークスルーが必 たことは評価されたと考える。今後とも、より
高い目標を目指して努力して行きたい。
要である。
B
国内外の関連研究について交流を含めて今
国内外に於いて、加工プロセスを解明しよう
とする研究は古くから行われている。これらは 後とも注意を払っていく。
ものづくり
いずれも、陽にはうたっていないが、結局は加
先端技術 工関連技能の技術化を目指したものである。本
研究は、これを陽にうたったものであり、研究
対象としては興味深い。
A
産官学の連携の中心になるならこれでいい
第一に高分子基盤技術研究センターとして
のであるが、国際的トップの高分子研究センタ は「合成」から「成形加工」に至る横断的高分
ーを目指すなら、研究レベルはちょっとものた 子技術の基盤構築を産学官共同でおこなう役
りない。
割を確立したい。2. (補2) (p. 128) でも述べ
るように国際的に一流の研究成果を挙げるこ
とで真の産学官コーディネーションが可能に
なると考えている。センターの研究環境を整備
して、国際的にトップレベルの成果が若手研究
員の中から次々に生まれるよう努力する。
B
独創的な研究開発を心がけたい。色素増感太
目標は適正である。国内で有力研究ユニット
の 1 つであることは確かである。特徴のある研 陽電池の研究開発においては、世界最高性能の
究、世界初、ここだけというものを出していた エネルギー変換効率の達成を目指している。
だきたい。光反応機構チームは太陽光エネルギ
ー変換チームと融合して、不均一系の電子移動
光反応制御
系の測定にチャレンジして欲しい。色素増感太
陽電池は効率の伸び悩み傾向にあるが、効率の
飛躍的増大が可能なら実用化に大きなチャン
スがあろう。それを実現し得る技術の構築を期
待している。
A
サイバー
アシスト
高分子
基盤技術
新炭素系
材料
世界的にトップレベルの研究成果を既に出
しているテーマも多い。材料化および応用開発
の研究目標は意欲的かつ具体的であり、実用化
でもトップを期待する。
全般的に目標が非常に意欲的で十分なレベ
シナジー ルにある。ただし、技術的な解決の糸口が見え
マテリアル ないなど、どの程度実現可能か疑問な目標も含
まれる。
超臨界流体利用技術の開発研究については、
欧米および我が国を含めて、競争が激化してい
超臨界流体 る。ここに取りあげられている各課題は、国際
的にもレベルは高く、集中研究により、欧米よ
り一歩前進することを強く期待する。
115
期待に添えるよう努力したい。
A
(コメントなし)
B
特に超臨界水有機合成については実用化を
果たすべく基礎データの蓄積に努めると共に、
基本特許の確立が重要なので戦略的に特許出
願を行う等、期待に応えた成果を出したいと考
えている。
A
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
スマート
ストラク
チャー
米国と異なる点は民生用の研究であり、国内
圧電材料については世界のトップになると
期待している。日本独自の応用が出来る研究レ はもちろん、諸外国との関連機関と積極的に連
ベルを期待する。国内外の研究にたいして独自 携しながら、当センターの役割等について明確
にし、材料開発と整合した製品を出していきた
性を必ず出せるようにしてほしい。
い。SSRC 独自の材料を開発することを目指す
とともに、電子機器、医療機器などを含めた幅
広い応用に対応していきたい。
界面ナノ
素材として今までにない分子の合成技術は
アーキテク 非常に高いと考えられる。
トニクス
B
(コメントなし)
-
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
国外の研究レベルと比較して適正と判断さ
れる。ただし、研究計画には、当該研究におけ
る世界的研究レベルを明示し、それに対して当
研究テーマの目標を示すと言う形で、第3者が
判断できるよう記述すべきである。
純粋に研究のレベルという視点では、従来の
工業技術院の時代から標準研究のレベルは世
界の標準研と遜色ないものと自負しておりま
す。一方で、今後大幅に増加する標準供給を的
確に実施しつつ、レベルの高い研究成果を達成
するには、研究分野のさらなる重点化、研究資
源の集中投資が重要になるものと考えます。同
時に、近年の先端技術に支えられた標準の開発
では、多額の予算が必要であることを勘案する
と、全世界の中で標準開発の分担が不可避的な
選択であると予想します。このような重点化の
プロセスの中で、世界との比較、国際的な位置
づけを明確にしていきます。
A
計測標準
地球科学
情報
各テーマによって異なり、バラツキがあるの
で一律な判断は難しいが、全体として概ね妥当
といえる。
(コメントなし)
国内外の研究レベルと比較して、適正に設定
がなされており、概ね妥当であるが、物理探査
の研究など一部に、研究目標の設定が曖昧で、
判断が不可能なものもある。
(コメントなし)
地圏資源
環境
海洋資源
環境
本研究ユニットが掲げる3つのミッション、
海洋資源開発と利用、海洋環境変動の解明と海
洋環境保全、さらに基礎研究の目標は国際的に
も最前線のレベルを有すると考えられる。しか
し、1 ユニットとしてはやや取り扱う分野が広
く、またインターディシプリナリーな展開にや
や欠けると思われる。
個別の研究テーマについてのレベルは全体
エネルギー として高いと判断する。但し、世界のトップレ
利用
ベルに甘んじることなく、トップレベルから抜
き出た独創性のある技術開発を要望したい。
ネットワーク分野の様に高い目標を掲げて
いるグループもあるが全般的に無難な目標設
電力
定になっていると見受けられる。当部門の各グ
エネルギー
ループの実力の高さを考慮すると、全体的には
もう少しチャレンジングな目標を掲げても良
116
B
B
好意的評価として、今後とも一層努力しま
す。個々の成果や目標が横に並ぶのではなく、
裾野と峰々を持つ連峰となることが肝心と考
えています。また、インターディシブリナリ、 Aトランスディシブリナリの追求は本研究部門
での研究展開の根底と考えています。
ご期待に応えるべく努力します。
A
可能な限り挑戦的な目標設定を行うように
改善する。目標の的確性および達成度はグルー
プおよび個人の評価に関連するため、ユニット
内の評価はもちろん、産総研の評価システムに
おいても挑戦的な目標設定が阻害されること
B
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
いのではないか。薄膜太陽電池グループやエネ のないよう運用に配慮が必要と考える。計画書
電力
ルギー材料グループなど、第一期(中期目標期 の記述の明確化にも努める。
エネルギー
間)と 13 年度の研究目標の区別と記述に曖昧
(つづき)
な部分が認められるグループがある。
環境管理
環境調和
技術
情報処理
目標レベルは適正か高めに設定されている。
A
概ね妥当なレベルである。今後、突出した領
分野融合により新しい研究領域を開拓する
域を形成して頂きたい。
とともに、独創的成果を出した人を大きく育て
るための手立てを素早く打つことによって、突
出した領域を作っていく。
B
研究レベルは高いが、目標が具体的でなく、
世界レベルでのベンチマークがされていない
ために、比較がしにくい。もっとも、目標は予
算根拠をはっきりさせない限り書けないかも
知れないが。また、いずれのグループも、特許
の目標が少ないと思われる。
ご指摘は謙虚に受け止めたい。「世界レベル
でのベンチマーク」を知る意味でも海外拠点設
置の意義は大きいとおもう。特許についてはソ
ースコード公開によるインターネットの向こ
うにいる不特定多数の研究者による開発モデ
ルでは多少相反する概念かも知れないと考え
る。しかし、特にメディア関係では積極的に成
果の保全に努めたい。
B
定性的な研究レベルは高いレベルに設定さ
れていると思われるが、目標をより具体化し、
他研究機関との差異を行うことが望ましい。シ
ステム技術に対する新しい評価手法に対する
取り組みも重要である。
特に基礎指向の研究では、論文数、管理者の
主観的評価とともに、対外的な「評判」をも指
標に加えて、成果を評価していく。このプロセ
スの中で、研究者には常に現在の研究が世界の
どの位置にいるかを明確にして貰うつもりで
ある。その結論が、外部との定量的な差別化指
標として研究目標の中に記述されるように工
夫したい。しかし、課題によっては、目標が定
性的にならざるを得ない場合や、開発対象その
ものがユニークということで、対外的優位性を
主張しなければならないものもあると考えて
いる。いずれにしても外部との競争を意識した
具体的目標の設定は重要と考えており、それを
満たす効果的方法を今後も検討していく所存
である。
B
知能
システム
国内外の研究レベルと比較して、目標設定は
高いところと低い部分があるが、高いものが比
エレクトロ
較的多く適正である。但し、当該部門の目標設
ニクス
定については、他の研究ユニットの活動を含め
て産総研全体として総合的点検を行うことが
望まれる。
光技術
(コメントなし)
中期計画の最終年度の到達目標が明確に記
されていない計画が見受けられる。意欲的な研
究計画書もあり、もっと多くの計画がこのよう
に提案されることが望ましい。全体評価は B と
した。個々の研究計画書は A も C もある。そ
れぞれの分野で学会において名を知られてい
る研究者がコアにおり、少なくとも国内レベル
でははずかしくない布陣である。ただし、世界
的なリーダーシップを取るには、アクティブな
パートナーとの共同研究の国際的チームを組
むなどさらに大胆な工夫を付け加えることを
望みたい。ハードフォトニクスは新しい展開を
意図した研究目標を設定してほしい。
117
(コメントなし)
A/B
中期計画の最終年度の到達目標が明確に記
されていないものは、改訂を図っている。アク
ティブなパートナーとの共同研究の国際的チ
ームを組むことに関しては、具体的なパートナ
ーをすでに設定しており有効な連携を図る予
定である。
B
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
概ね我が国の研究レベルと対比して妥当で
あるが、グループ毎には評価が異なってくる。
微生物探索、生態解析等に関しては、国内外の
生物遺伝子
レベルを鑑みても進んでいると思われる。有用
資源
酵素・有用物質の探索と有効利用という観点か
ら行う分子レベルでの設計に関しては、企業で
の研究も盛んで、その辺の状況をはっきりと掴
み目標設定することが必要と思われる。
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
脳神経情報
物質
プロセス
セラミッ
クス
(コメントなし)
B
これまではたとえば IF3 以上を目標にしてレ
糖鎖関連、時間細胞生物の研究などは国際的
に非常に高いレベルにある。全体としても概ね ベルの向上を行ってきましたが、基礎研究を軸
高いレベルにある。さらに高いレベルの国際誌 足にするグループについては IF5 以上のより高
い国際誌への発表を目標として提示致します。
に発表する努力が必要である。
ポストゲノム研究で独自性を打ち出すのは困
難な状況にありますが、横断的交流を経て得意
分野を生かした戦略性を企画致します。
B
適当な時期に、研究動向を書き加えるよう努
研究計画において、国内外の研究動向に関す
る記載が少なく、現段階では比較が難しいが、 力したい。
これまでの研究実績から判断すると、ほぼ適切
な研究レベルと思われる。研究計画書は、周囲
の研究状況を書いて、自分たちの目標、計画を
書くものである。そのように計画書が書いてあ
れば評価しやすい。過去 2,3 年のポリシーステ
ートメントやミッションに沿った成果とか、全
研究者の研究業績を提出してもらうと評価が
しやすい。
B
概ね適正である。
脳科学研究における着実な進歩をこれから
も維持していく所存です。
B
現在、グループごとの研究水準はまちまちで 発表に関する評価基準については、現在、作
あるが、今後、国際的な雑誌、口頭による発表 製中です。情報収集法については、委員会のご
などを通して評価されることになる。その時の 意見も活用させていただいて、良い方策を作り
評価基準を予め作っておいて(開示して)は如 たいと思います。
何か?
グループによって、外部からの情報不足と感
じられる課題が設定されている。積極的に最も
ホットな産業界からの情報を取り入れる工夫が
なされれば、飛躍できると思われる研究課題が
幾つも見当たる。研究員自身が情報収集に努め
ると共に、部門内の情報の共有、交換を促す仕
組みを部門トップが考えていただきたい。世界
的視野に立った調査を踏まえて、競合する研究
の進捗状況を把握する必要性が、組織にはある。
一定期間ごとに、外部に対してシンポジウム
等の発表会を行うのも方策である。常時、アド
バイザー、フォローアップ委員などとして、複
数の研究員と一体となって研究を支援する外部
の有識者の任用制度を設けては如何か?
B
競合部分の中で独自色を出すべきというご
指摘に関しては、企業化に不可欠なプロセスに
力点を置いていることで特徴を出しておりま
す。また、材料探索という観点からは組織的に
運営し、大学をしのぐ成果を上げて行きたいと
考えております。また、当部門では、知的財産
に関して、その権利の確立、及びその実用化普
及を重要と考え、既に実施してきており、今後
とも特許の実施と普及に繋がる企業との共同
研究へと展開して行きたい。
B
研究目標が具体的でないものがあるので全
体としては評価のしようがない。
1) 一部のテーマについてはトップレベルにあ
り、一部のテーマは大学等での研究と競合
するものも多い。競合する中でどう独自の
ものを出していくかを示す必要がある。
2) セラミックス研究部門はプロセスの分野が
強い。産業界で使ってもらうにはプロセス
全体を通してコスト意識を持って研究を進
めるべきである。
118
別紙6:プレ評価結果 2. (2) 研究レベル
セラミッ
クス
(つづき)
基礎素材
機械
システム
3) 論文目標については高いレベルと思われる
が、特許に関して、もう少し高く位置づけ
ることが必要と考える。
4) 特許教育、特許戦略が大事である。
国内外の研究を十分比較して客観的に自己
意見は妥当と考えている。高耐久性材料関係
評価すべきである。国内レベルとともに、米国、 については昨年度 NEDO の情報調査事業を活
ドイツの国立研究所などとの比較を重視すべ 用して欧米を調査したが、基礎素材全般につい
きであろう。
ては今後の課題。但し、制度や置かれている条
件等により差があり、単純な比較は難しいこと
も事実。
B
閉塞感の強い製造技術分野においては、ご指
摘の通り次の戦略的な研究分野の見極めが非
常に需要であると考えている。研究部門として
の長期的な研究戦略を産業界の意見を踏まえ
つつ練りあげ、産総研内部はもとより、経済産
業省、総合科学技術会議等に積極的に働きかけ
るなどして研究環境を実現を図りたい。また、
部門としての進むべき方向性を常に外部に提
示し、批判に耳を傾けながら研究開発を進めて
ゆきたい。
A
いずれの研究内容とも国際的にも先導的な
課題であり、高く評価できる。ただし、国際的
にトップレベルのオリジナリティーと産総研
自体のミッションを常に意識することが必要
である。つまり、次世代の戦略的な産業創出の
ための研究を指向したものがさらにあっても
よいのではないか。
ナノテク
ノロジー
研究内容としては、いずれの計画も、現在の
国際的科学水準の見地からは適正と思われる。
ただし、大きな課題に絞って研究目標を掲げて
ほしい。
(コメントなし)
計算科学
・原子系から連続系までカバーして、骨組みは ・やってみなければ分からないというのは、今
もある程度はその通りである。しかし、いく
すばらしいが、いくぶん総花的であり、研究
つかの課題については道筋が見えてきたと
レベルについては、「やってみなければ分か
思えるものが出てきている。
らない」というのが正直な感想である。
・ハイブリッド手法はぜひ我国独自のものを完 ・ハイブリッド手法については若手の優秀な研
究者も意欲的に取り組む姿勢を見せており、
成させてほしい。
本部門の特色を活かした成果を挙げられる
ようにしたい。
A
-
(c)研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
ニューロニクスグループは狙い、手法、長期
展望も非常に良い。研究目標が十分に高くない
グループもあるが、長期的に高められていくと
いう展望があるので、第一期の研究目標の設定
としては妥当なものになっている。
目標については、十分に高い設定をする必要
性は承知しているが、個々のレベルを高めなが
ら、世界の動向を精査しながら、マネージメン
トをして行く必要があり、今後の第1期 4 年間
の過程の中でそのような結果となっているの
かどうかを注視していただきたい。
A
長期展望については前述のとおりです。また
基礎科学と実用化技術の研究との連携を高
いレベルで行うことを目指しており、他の研究 研究グループの客観的なポテンシャル自己評
生活環境系 組織には見られない貴重な存在と言える。しか 価とそのエビデンスについては、資料を作成し
し、長期的な展望が読みとれるように記述を工 提出する予定です。
夫してもらいたい。
A-
研究系
人間系
119
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
2.研究計画
(3)研究開発手法は妥当か?
(a)研究センター
研究
センター
委員会のコメント
深部地質
環境
各チーム毎に、妥当であると評価できるが、
プロジェクト全体の目標との関連がより具体
的に示されているとさらによい。
2. (1) (p. 104) と同様。
活断層
明確に示されていない部分もあるが、全般的
には妥当といえる。
(コメントなし)
化学物質
新しい分野だから、現段階では判断できな
リスク管理 い。
(コメントなし)
フッ素系
評価指標の開発、分子設計、合成の連携体制
温暖化物質 は適切。連携の具体的な運営が問われる。
(コメントなし)
ユニットの返事
委員
会の
評点
A
エネルギーシステム評価手法においても、地
LCA 手法の開発は実用化に近い水準まで来
ライフ
ており先進的であるが、エネルギーシステム評 域冷暖房システムの評価研究でエネルギー・資
サイクルア
価手法にはまだ独創性は認められずこれから 源学会の奨励賞を受賞するなど、独創的研究が
セスメント
育ちつつある。
挑戦する段階。
A
-
A
B
パワーデバイスの実用化プロセスには、ドラ
研究のキーテクノロジーにおいては開発手
法的な面では妥当と判断するが、設備の充実等 イプロセス/微細加工が必須である。また、あ
ハード的には他の研究ユニットとの連携を積 る程度のクリーンスペースはこれも必須。SiC、
GaN などの独自なプロセスもあるが、多くの部
極的に進めてほしい。
分でシリコン・化合物プロセスと共通してい
パワー
る。施設維持のコストの観点からもエレクトロ A
エレクトロ
ニクス研究部門などとさらに協力を進めて行
ニクス
きたい。平成 15 年 4 月完成予定の特殊ガス・
クリーン施設の活用がポイントと考えている。
産総研としての利用方法の方針を詰めて行き
たい。
生命情報
科学
生物情報
解析
アルゴリズムや数理モデル研究の重視、大規
研究開発手法は挑戦的である。ただし、現時
点での「妥当」な手法が 2 年先も妥当との保証 模並列計算技術の徹底的な利用など、これまで
はない。センター長はじめみなさんの先見性に の国際的なバイオインフォマティクス研究に
比べても、はるかに先進的で攻撃的なポリシー
期待する。
を打ち出しているつもりである。これらはさっ
そく実を結びつつあり、論文や特許申請などに
つながっている。評価委員の先生方にもこの点
を誉めていただけたものと考えている。一方、
たった 2 年先にも手法が陳腐化する恐れがあ
るというご指摘は、深く我々の胸に刻みたい。
今後とも常に挑戦的であるとご評価いただけ
るように、先見性のある研究戦略を練っていき
たい。
A
現時点では各グループの立ち上げに専念し
ているが、次の段階では、各グループ間の共同
研究を行うことは、考えている。既に、構造グ
ループと機能グループの接点のテーマの探索
も始まっている。統合データベースグループの
作るデータベースがどのようなものかは、上の
目標に書かれている。機能グループの細胞ゲノ
ムグループは、血球系細胞の核/細胞比の測定
が可能になったことより、当面はこれを指標と
B
いずれの研究課題においても、概ね妥当であ
ると判断されるが、構造グループと機能グルー
プが早い段階で共同に研究する状況になり、そ
れにのっとった成果の出るシステムになるこ
とが望まれる(例えば、ヒト cDNA ライブラリ
ーからヒト膜蛋白質の探索->機能解析->構造
解析といった流れが確立されること)。データ
ベースグループはどのように進めるのか手法
が明示されていないが、まずどのようなデータ
120
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
ベースを作るのかを明確にすべきである。機能 し、遺伝子注入細胞の薬剤応答を解析する。
生物情報
グループの細胞ゲノム解析において「細胞に遺
解析
伝子を自動注入し変化を解析する」手法をもう
(つづき)
少し具体的に検討した方がよいと考えられる。
再生医療に必要な基盤技術とメディカルデ
再生医療を成功に導く為に重要な細胞、組織
モジュールの形成に必要な開発手法がとられ バイス技術が当センターの主要課題である。
ティッシュ
ている。遺伝子レベルからの解析、幹細胞の利
エンジニア
用、細胞に特定機能を与える細胞刺激、分化機
リング
能を維持するための複合材料など基本的なも
のは網羅されている。
A 委員: 本研究センターは、「基盤分野およ
び、高度学際分野の2研究実施分野を組織し、
広範な研究アプローチをとる」ことが示されて
いる。これは、上記の事柄にも関係するが、基
盤分野は広大な研究領域であり、どの分野で特
色を出すか、工夫が必要である。リバザイムを
駆使する技術開発ではリードしているが、並行
ジーンディ
した他の分野の技術開発を進めるのか、リボザ
スカバリー イム技術とからんで進めるのか考慮する必要
がある。
A
基盤分野の特色、云々に関しては、聞くもの
がある。リボザイム、のほかに、構造生物学、
又は、ゲノミックス、プロテオミックス等の分
野で、新しい方法論の開発を進めるのは、重要
で、同意する。しかし、現時点でのセンター構
成に関しては、再び前述のセンター設置過程の
問題に絡んでくるし、これから新研究員採用に
関連して、必ずしもリボザイム技術の分野でと
B/C
言うのでなく、これから重要となるであろう基
盤分野を見極め、強化して行く事になる。
B 委員: 急展開するこの領域において、さら
に卓越性を示すためには、先端を行くリボザイ
ム技術との連携を強めるとともに、さらに新し
い芽を出して育てる柔軟性が必要であろう。
C 委員: 現時点では妥当である。
研究開発手法としては適切な方法が取られ
ストレス研究の世界的に注目される研究組
ヒューマン
ている。ストレスシグナルの解明に必要な分子 織となるように努力したい。
ストレスシ
解析技術の多くを網羅しており、完全に整備さ
グナル
れれば世界レベルの研究手法になりえる。
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
新材料の創成に必要な研究要素の主要なも
のは考慮されており、開発手法は妥当である。
強相関物性チームの研究計画書の記述は高圧
の装置作りが強調されすぎているため、研究課
題と手法の関連がやや不明確に見える。評価に
必要な手法、特に原子レベルの局所的な顕微分
光法、は産総研内で連携を進めて展開してほし
い。
標準的かつ広範な物性測定手法は既に自家
薬籠のものであるため、新規開発の高圧装置を
強調しすぎたが、これも含め多重極限での物性
測定を推進したい。また、原子レベルの局所分
光については、エレクトロニクス部門の研究グ
ループとの共同研究を予定している。
A
A
評価手法は充実しているように思われるが、 これらのテーマの下では、従来技術の延長線
新デバイス・プロセス技術やシステムアーキテ 上にない新しい技術原理を創出することを目
クチャ技術等、50-70 nm 世代の半導体製造技 的に、具体的なアイディアが存在することを前
術開発に繋げていくための手法が必ずしも明 提に課題を設定している。新技術原理を実用的
確でない部分もある。一部に「評価手法ありき、 なレベルに持ち上げるのが目標であり、ご指摘
あるいは装置ありき」の姿勢が見えるので、目 のような隘路に陥らないように留意したい。こ
標の達成にダイレクトに結びつくような評価 の趣旨を生かすため、柔軟に、研究テーマの打
ち切りや新規課題の採択を行う予定である。
手法へと発展させるべきである。
B
本研究センターについては、研究開発手法の
内部における基礎的研究(全体のビジョンや
記述は見当たらないと全委員の意見が一致し 要素技術の構築)と、共同研究を通じての製品
た。
化を2軸として活動する予定である。
B
本研究センターのミッションは大きく、ナノ
テクノロジーの基盤技術としてのナノ加工技
術、ナノ機能解明、ナノ機能広域発現化技術へ
の貢献と考えることが出来るが、レーザー応用
加工を一つの切り口として、具体的に研究開発
C
個々の研究目標に対する研究開発手法は概
ね妥当と考えられが、研究ユニットのミッショ
マイクロ
ン達成に向けて十分な連携を取れる体制にな
・ナノ機能
っておらず、総体としての研究開発手法として
は不十分な部分がある。転写に関して、レプリ
121
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
カのみでなくて、電子ビームを使ってマスター を進め、方法論を含めた体系化を目指してゆく
を作ってほしい。マクロに作ってミクロに再現 予定である。
するようなスケーリング技術の展望が必要。
3つの具体的課題は、ナノ加工とそれを活用
したナノ機能発現という観点から考えれば、相
互に関連しお互いに刺激し合って体系立つよ
うに機能するものと考えている。センターとし
マイクロ
ての特徴の出せる切り口からのチャレンジと
・ナノ機能
いう面では、固体半導体レーザー技術の将来に
とって超高熱流束冷却技術の確立は本質的に
(つづき)
重要と考えられるので是非取り組みたいと考
えている。また、3次元構造に関しては転写技
術ではなく、レーザーの超解像によるナノ加工
技術の適用を目標としている。さらに、具体的
課題の中で、電子ビーム描画等を積極的に使用
する予定である。
異なる加工プロセス(塑性加工、切削加工な
ご指摘の点はセンターの研究の基本的ポジ
ものづくり ど)における研究開発手法の整合性に配慮され ションである。このようなアプローチから技能
先端技術 たい。
の技術化に関する方法論の確立への展望があ
ると考えている。
高分子
基盤技術
高分子物質・材料の構造、物性、機能の評価
部門が、センターとして弱い。高分子の評価の
ための装置を常に新しくし、使える状態にして
おくことがセンターとして大事である。将来は
テーマを集中して、いい成果が出るようにして
ほしい。
B
高分子材料の構造、物性、評価分野に集中し
て研究員を募集し、強化していく方針である。
平成 13 年度はナノ構造、物性の研究者を企業
から招聘した。14 年度は高分子材料に表面・
界面の構造、物性の若手研究者を採用する予定
A
にしている。「精密高分子技術」プロジェクト
(7 年)の前半に高分子材料評価のための機器
類、
(特にナノ構造評価をおこなう解析機器類)
を整備する予定である。研究の進展に伴い、テ
ーマを集中することを考えている。
産総研ならではの研究開発を行って行きた
ほぼ妥当な手法を提示している。研究の進め
方については、広くさまざまな方法を考慮して い。
最善の手法を採用することを今後も続けてい
光反応制御
ただきたい。産総研ならではの手法、装置、解
決法の開発を念頭において努力をお願いした
い。
A
実証研究へのフェーズに移行する必要があ
新しい評価システムの導入など現時点での
開発手法は妥当と判断される。しかし、材料化 る場合には、企業の協力も必要と考えられる。
および応用開発を狙った目的基礎研究では、今 産官学連携センターとも相談しつつ、具体的方
後フィージビリティスタディから実証研究に 策を検討したい。
フェーズが移行すると研究手法が変化する。実
証研究に必要な試作および評価の質的変化な
どを見越した研究開発手法の具体化を検討す
る必要がある。
B
新炭素系
材料
現段階でとくに見直すべき必要はない。今
後、実用化を検討する段階で見直す必要がでる
だろう。化学的な研究開発といった観点や構造
マテリアル
材料における傷の問題などマクロな構造の評
価手法の検討も導入するとよいと思われる。
(コメントなし)
シナジー
熱及び流れの解析ソフトの研究については、
3 チームともに、研究開発手法は明確に述べ
られているが、「流体特性解明チーム」の熱及 基礎データの測定結果とソフトを連動した研
超臨界流体 び流れの解析ソフトの開発は、必要となる超臨 究を実施していきたい。
界流体の伝熱・流動の基礎データの測定も含め
て研究開発することが期待される。
122
B
B
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
スマート
ストラク
チャー
他のセンシング技術例えば光ファイバー技
圧電材料に力点を置いているのは妥当であ
るが、具体的応用の見極めが難しくなったとき 術も実用化研究の位置づけで取り組みたい。
に、どうするのか、検討するべきである。その
時々の評価のフィードバックを頻繁にして、テ
ーマを出し入れするなど、少しずつ変化させる
研究体制にするべきである。
センターが開発するユニークな分子に対し
て、分子のもつどのような機能を狙うのかを単
一分子レベルで明らかにする必要がある。その
界面ナノ 機能を発現させるためにどのような技術を開
発しようとしているのかを明らかにしてほし
アーキテク い。手段として集積化もあるだろうが、単に並
トニクス べるというのでは意味がない。機能を引き出す
ためにはどのように並べるべきかという戦略
が重要である。単一分子レベルの機能評価はナ
ノテクノロジー研究部門と連携を図るとよい
と思われる。
A
当センター内およびナノテク関連の研究ユ
ニットと連携を図り、現在でも単一分子レベル
での機能評価および計測技術の開発を推進し
ている。今後もご指摘に沿った形での開発手法
を進めていく。
-
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
妥当である。
計測標準
ユニットの返事
委員
会の
評点
当部門では、標準の研究から供給までを一体
として実施します。このため、研究フェイズの
あとに、供給に必要な技術文書(品質マニュア
ル等)の整備、国際比較の実施、国内標準供給
体制への支援等の業務を研究開発の継続とし
て組み込んでいます。このような一体的な開発
手法が評価されたものと考えます。
A
地球科学
情報
研究グループによって状況が違うので一律
に判断しにくいが、概ね妥当である。
(コメントなし)
地圏資源
環境
研究内容が具体的でない計画があるが、概ね
妥当である。
(コメントなし)
海洋資源
環境
研究開発手法のうちで、ハードウエアに関し
ては海洋研究に不可欠な大型研究施設の新規
導入、あるいは更新について、より明確な方針
が望まれる。また、研究体制についてはグルー
プ間の連帯を推進することが不可欠と判断さ
れる。
B
B
大型研究施設等に関しては、関係部署等とも
連携し、より明確な方針を打ち出したい。また、
グループ間の連帯等はインターディシブリナ
リ、トランスディシブリナリの追求にとって欠 B
かせないものとの自覚があります。ポリシース
テートメント「マネージメントの方向性」でも
‘intergroup’として表現したところです。
各研究テーマの最終イメージを明確にした
最終目標に向けた各研究テーマのロードマ
ップを明確にし、その中で時系列的な目標およ
エネルギー 上で、戦略を構築してほしい。
利用
びそのための最適な研究手段を明確にするよ
う努力します。
B
前述のように既に他部門との連携の例はあ
るが、これを一層推進すると共に、計画書に明
示するよう改善する。国際的な研究協力も、多
くのテーマに関連して行っているが、必ずしも
全部計画書に記載されていないので、明示する
よう改善したい。従来は人の交流、研究費用の
分担は困難だったが、独法化によって、共同研
究費用の分担などが可能になったと思われる
B
産総研内の他部門との協力関係を明示した
研究開発手法が数多く示されることを期待し
たい。国際的な研究協力関係が、部門内に更に
電力
あっても良いのではないかと考える。研究開発
エネルギー 手法の記述に不明瞭な部分が見られる。たとえ
ば、燃料電池関連の研究において、内容が優れ
ていることはすでに理解しているが、書面の上
にそれが読みとれるように記述を工夫するこ
123
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
電力
とが望まれる。
エネルギー
(つづき)
環境管理
環境調和
技術
情報処理
知能
システム
ので、これも積極的に検討したい。燃料電池グ
ループの研究開発手法については、テーマごと
により的確・明示的に記述するよう改善する。
具体的に検討・立案されており、妥当である。
A
研究目標を達成するための方法論について
大きな問題はなく概ね妥当であるが、研究目
標に対して(半)定量的なアセスメントを今後 は、ルーティンにならないよう工夫が必要と考
導入していくことが必要でないか。大部分のテ えている。研究者の冒険心を過度に抑制しない
よう留意して、アセスメントのやり方を検討す
ーマでアセスメントは可能であろう。
る。
B
やり方はテーマにより異なるが、妥当であ
評価いただいて感謝している。特にソフトウ
る。
ェア関連の研究テーマ遂行方法自体もある意
味で「研究」である。研究の方法論も産業界の
方々と共有したいと考える。
A
ニーズの積極的な導入、および異分野を含む
従来の国研は、国の資金でほとんどの研究が
多様な連携を奨励するシステムを構築する必 推進されている。したがって、研究者も国のみ
要がある。
を研究資金のスポンサーと考え、行政官との連
携のもとにプロジェクトを推進する体制をと
ってきた。
今後も、プロジェクト設立に際してこの形式
は重視していくが、新組織の自由度を生かし、
かつ、技術シーズのより迅速なニーズへの展開
を図るために、共通のニーズをもつ産業界関係
者との間でコンソーシアムや NPO などの組織
形態を活用した民間資金に基づく部門・民間連
携組織を構築し、それを中核にした新たな産学
官研究推進体制を導入すべく検討を進めてお
り、すでに我々の成果に興味を持つ業界関係者
と具体的な検討を進めている。
また、こうした組織的な研究に成長するシー
ズを育成するためには、部門の管理者としてで
きることは、すでに他の項目でも述べたが、比
較的自由な目標設定のもとで、有能な研究者を
獲得すると同時に、研究者の発意を尊重し、ユ
ニークな提案・成果を見極めて重点化していく
ことが重要と考えている。
B
これまで蓄積してきた装置や手法を十分に
活かして研究開発を進める方針は妥当である。
エレクトロ
産総研内部の相互協力を促進し、初期の目標の
達成を期待する。他の研究者への協力を推進
ニクス
し、チームとして成果を達成するタイプの貢献
も十分に評価することが大切である。
光技術
(コメントなし)
概ね妥当であるが多くの研究課題が並列的
に立てられている。研究計画については、目標
を着実に達成するためにも、もっと重点化する
必要がある。見学したところ設備は充実してい
るようだが、これから始める研究に関して、材
料関係はデバイス作製のための、情報通信では
システム評価のための環境は整ってないと思
われる。
新規要素技術開発が含まれており妥当であ
生物遺伝子
る。とくにこれからの複合系の開発手法の開発
資源
については、高い評価ができる。
124
研究者の短期評価においてはご指摘の点は
担保されている。一方、長期評価(昇格等)に
おいては、産総研全体のポリシーに関連するこ
A/B
とであるが、必ずしも明確でないのは事実であ
る。
指摘の通り、研究計画の重点化はさらに図り
つつある。しかし一方で、それにより重要で基
盤的な研究活動が阻害されないようにも留意
している。デバイス作成やシステム評価の環境
は、産総研自身の投資を期待して、出来る限り
早急に整備したい。
B
(コメントなし)
A
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
概ね高い技術水準をもって適切なアプロー
チで研究開発を進めようとしている。しかし、
将来的には公的研究機関として、より高いレベ
ルの革命的研究、開発手法の開拓も期待され
る。
部門として IF の高い国際論文誌への投稿を
指向して数年間でレベルの向上を果してきま
した。また産技プロジェクトへの貢献等で政策
的技術開発にも実績を残してきています。した
がって困難な道筋であっても国際的に認めら
れる高い研究レベルを達成しつつ産業化への
貢献を指向したいと考えます。バイオ分野では
新規な技術開発が大きな進展をもたらすこと
から、産業界との共同研究により革新的研究手
法の開拓を行います。
B
研究計画には研究開発手法が具体的に記述
されていないので、厳密な評価ができない。た
だし、人間福祉に関する課題と医工学に関する
課題では研究開発手法が異なるので、あえて同
じ手法を採ろうとするのは無理があると思う
ので、それぞれに適した手法を明示した方が良
いと考える。
研究手法の詳細な記載は、特許等に抵触する
部分もあり、十分には表記し切れていないが、
可能な限り盛り込むとよう今後努力すると同
時に、詳細版を内部資料としてお渡しするなど
の対応も考えたい。
後半の問題はまとめのコメントの欄にも再
度ご指摘いただいている通りで、大きな問題と
認識している。しかし現時点では、部門設立間
もない時期であり、先ず、一体感をもった研究
部門として運営し、「今後とも一体の部門とし
て運営するか、発展的に分離展開するか」につ
いては、第 2 期中期計画作成に合わせて結論を
出したい。
B
工夫をすれば更に効率があがると考えられ
現在、産総研の他の研究部門、国内外の研究
る計画もみられる。
グループと研究協力をしながら研究開発に従
脳神経情報
事しているが、これからも効率的な研究遂行に
向けて努力していきたいと存じます。
B
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
物質
プロセス
セラミッ
クス
基礎素材
研究開発手法は、ほぼ妥当であるが、計算機
科学的な材料設計手法も積極的に取り入れて
バランス良く行うべきである。プロセスや計算
機科学の人が他の部門に移動したとするなら、
それら部門との連携策を講じるべき。つまり、
部門内外との共同研究体制をサポートする仕
組みを積極的に構築されたい。また、部門内の
既存設備の有効活用についても検討されたい。
外部との連携について、実施拠点が筑波との考
え方であるが、最初から国内外の研究機関にあ
る研究施設・設備を有効に活用するといった視
点があっても良いような気がする。
ご意見の通りです。これについては、一部 1.
(5) (p. 95) で述べさせていただきました。国
内外の研究機関にある研究施設・設備の活用に
ついては、頭脳を含め、共同研究を通して活用
しており、これに関しては今後益々活発にすべ
きと考えております。
各研究グループが、主体的に開発を進める姿
勢が感じられ、意欲が感じられてよろしい。
1) 良いものができても、企業に受け入れられ
るためには、コスト、安全性などトータルエ
ネルギーの観点からの評価も必要である。
2) セラミックス薄膜低温焼結装置の開発など
では出口イメージを明確にして、それに対し
て研究開発手法を考えて欲しい。
3) 医療材料関係の研究においては、その関連
分野の人と十分連携をとって研究を進める
ことが重要。
1) 及び 3) については、配布資料において簡
単に説明しております。2) については、企業
との特許共同出願の関連からここで行った以
上の説明は控えさせて頂きました。なお、当研
究部門では、技術の開発段階に応じ、外部との
連携を勧め、研究成果の実用化のため、研究部
門のみでは遂行し得ない研究あるいは情報収
集を行いたいと考えております。従って、当項
目の評価は、もう少し高い評価であってほしい
気がします。
より適切な手法は当然あるが、それぞれのグ
ループは見合った手法、経験をもっており、現
時点では、これで出発すればよい。しかし今後
は基本特許をとるための取り組みを重視し、研
究の方法論、研究組織の面から、真剣に議論す
べきだ。
基本的に同意できる意見である。特許に関し
て産総研本体がまず出願数ありきに傾いてい
るようにみえるが、実施できる特許を取得すべ
きとの示唆は重要である。今後は若手研究者を
主な対象として特許マインドの醸成に一層努
力していきたい。
125
B
B
B
別紙6:プレ評価結果 2. (3) 開発手法
機械
システム
ナノテク
ノロジー
計算科学
難しいご指摘であるが、今後、試みていきた
いずれの研究内容とも国際的にも先導的な
課題であり、高く評価できる。ただし、国際的 い。
にトップレベルのオリジナリティーと産総研
自体のミッションを常に意識することが必要
である。つまり、次世代の戦略的な産業創出の
ための研究を指向したものがさらにあっても
よいのではないか。
研究開発の具体的な手法についての詳細な
記述がある訳ではないが、目的指向型と萌芽的
研究を組み合わせる体制の考え方は概ね妥当
と思われる。産業応用への展開をイメージでき
る記述があればさらに望ましい。ミッションを
4 年でやるとするならば、課題を絞る必要があ
る。
A
(コメントなし)
B
研究計画書に記述されていないので評価で
質問の意味がやや漠然としていて、研究ユニ
きない。しかし、現時点では仕方ない面もある、 ットサイドとしてもコメントできない。
と考える。
-
(c)研究系
研究系
人間系
委員会のコメント
ユニットの返事
ほぼ妥当である。
(コメントなし)
概ね、妥当と思われる。現状の延長が多いが、 理論解析から機能材料合成、システムとして
やむを得ないであろう。
の評価まで一貫して行える連携研究体制を考
えております。また理論計算や界面分析とコン
生活環境系
ビナトリアルケミストリとの組み合わせも、材
料機能開発の独自のチャレンジ手法と考えて
います。
126
委員
会の
評点
A
B
別紙6:プレ評価結果 2. (補2) 産業界等との連携
2.研究計画
(補2)研究の実施段階で産業界や学界と連携を十分行っているか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
十分と考えられる。
(コメントなし)
企業との情報交換や共同研究等、産業界等
との連携は十分と思われる。
(コメントなし)
委員
会の
評点
A
A
化学物質
リスク管理
連携は十分行われていると考えられる。今
外国との関連については、既に 1. (2) (p. 57)
後の実施段階では、国内・国外の研究機関、 で述べた。後者については、1. (補 1) (p. 97) で
化学リスクにかかわる学会、国際組織との一 述べた。
層の連携・交流のための方針の確立が必要か。
A
フッ素系
温暖化物質
方向性としては妥当。但し発足段階で評価
まだスタート段階であるが、既にこれまでの
するのは設問として不適当。
成果の学会発表も実施している。また先に述べ
たように現行プロジェクト参加の民間 8 社との
意見交換会を通して、産業界の意見を反映した
次期プロジェクトの提案作業を実施中である。
A
ライフ
産業界、学会との連携は強く意識されてい
ありがとうございます。現在でも多数の技術
サイクルアセ る。
研修を積極的に受け入れるなど産業界等との
スメント
連携を重視しています。
A
産業界や学界との連携には全く問題はな
プロジェクトは資金が安定する面で是非必
い。
要であるが、プロジェクト外に対して、従来、
運営上排他的にならざるを得ない点がある。パ
ワーエレ技術開発は総合的技術開発であるか
ら、こうした面と矛盾なく内外を問わず必要な
共同研究が多方面と柔軟にできるように工夫
していきたい。知財権の厳密な運用、秘密保持
などこれまでの国研に無かった文化の形成が
必要と思える。
A
パワー
エレクトロ
ニクス
生命情報
科学
全体としては、十分連携を行っていると言
上記の 1. (補 1) (p. 97) でも述べたとおり、
える。
当ユニットは外部連携をきわめて重視してい
る。一例であるが、8 月上旬には、大手電機メ A
ーカーとの共同研究契約について、新聞の全国
紙6紙以上に大きく報道された。
データベースについてはいろいろなところ
データベースがいろいろなところで作られ
で作られているので、十分連携をとる必要が ていることは、十分承知しており、それらを統
ある。
合することが一つの目標である。当センターは
バイオ産業情報化コンソーシアムに支援され
ており、産業界とは密接な連絡がとられてい
る。また、DDBJ とはアノテーターの人材交流
等を行い、連携をとる。
-
ティッシュ
関西地区での連携(学・官)や企業との共
当面ゲノムの関東、再生の関西の方針に従っ
エンジニアリ 同研究が十分に見られる。
て組織作りするが、総合的医療体制を考える
ング
時、東京拠点の立ち上げも考慮している。
A
生物情報
解析
(コメントなし)
A 委員:(コメントなし)
ジーンディス
B 委員:(コメントなし)
カバリー
C 委員:不明である(資料からは)。
-
3 課題とも産業界および学界と十分連携を
今後も、外部との連携を十分にとって、社会
ヒューマン
ニーズに適応した研究開発を推進できるよう
ストレスシグ 取っている。
に運営していきたい。
ナル
127
A
別紙6:プレ評価結果 2. (補 2) 産業界等との連携
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
マイクロ
・ナノ機能
学界との連携は十分行われている。産業界と
の連携について現段階で特にコメントの必要
はないと考えられるが、産総研内にある企業か
ら人を受け入れる制度の活用を期待したい。
A
充分行っていると考えられる。さらに、今
後に期待する。
A
先端技術
光反応制御
新炭素系
材料
シナジー
マテリアル
超臨界流体
スマート
ストラク
チャー
(コメントなし)
ネットワークを利用して、オープンな連携
産学官の英知を結集した形での研究開発と
体制を拡充する。
実証をターゲットとしており、産学との連携は
必須であると考えている。具体的な共同研究な
どと共に、本研究センターは、「ナノ・マニュ
ファクチャリングに関する研究会」を主催して
おり、ナノ加工、ナノ製造の分野で内外の研究
開発をリードすることを目指している。
ものづくり
基盤技術
A
連携は十分と考える。ただ、回路技術につ
回路システム技術についても、産業界からの
いては産業界との一層の連携を望む。
参画が得られるように、計画の見直しなど、対
応を図って行きたい。
(回答不能)
高分子
(コメントなし)
地方試とのつながりもあるし、十分産業界
とのつながりもあると思う。連携に努力して
いるし、これからも努力してほしい。産総研
には高分子の研究者がたくさんいる。他にも
高分子の研究をしている研究部門もある。機
能を分離して、高分子基盤技術研究センター
は世界一流の研究を目指し、産学官のコーデ
ィネートは他の研究部門に任せるという考え
もあるという意見があった。
学界と情報交換が充分出来ている。産業界
との連携にも努力している。
B
国内外の研究発表をはじめとする各種の学
会活動での連携を今後も重視する。また、研究
の展開において、産総研としての柔軟性や機動
性を活かした連携研究共同体を組織し、実質上
の集中研究組織を構成する予定である。また、
センターではアジア地域との国際連携も重視
する。
-
高分子学会を通じて大学、産業界との連携を
重視し、研究を実施していく方針である。今後
研究を進める中で、常に学会の中でセンターの
あり方、プロジェクトの進め方について議論
し、そこからの提案を受けて修正もしていきた
い。世界一流の研究を目指すことと産学官共同
研究のコーディネートは両立させることが重
要である。一流の研究成果を挙げることで真の
産学官コーディネーションが可能になると考
えている。(これまで産学官コーディネーショ
ンは産・学共同研究の場を提供することが主
で、国研の研究者が研究の上で主導的にコーデ
ィネーションの任務を果たすことが少なかっ
たが、ここでは産総研研究者が研究をリードす
る真の産学官連携を目指したい。)
A
(コメントなし)
A
目的基礎研究は、研究最終段階において企
コメントに従って連携のための方策を検討
業および大学との共同実用化試験など、連携 したい。
のための方策を積極的に展開されたい。
B
国内外の成果発表も多く、十分連携が行わ
れていると考えられる。
A
産業界・学界と連携は十分である。
(コメントなし)
(コメントなし)
必ずしも十分ではない。産業界にもう少し
各チームの守備範囲で民間企業との共同開
働きかけたほうがいい。つくばを中心に、外 発などの連携を模索していく。
部機関、民間との連携などの努力を積極的に
やっていただきたい。
今後、材料特性や機能性が明確になり、機能 (コメントなし)
界面ナノ
集積素子としてのターゲットが明確になった
アーキテクト 時、新たな展開が始まると思われる。また、外
部への成果公表も活発化すれば、外部連携を通
ニクス
じて応用探索の動きも活発化すると期待する。
128
A
B
-
別紙6:プレ評価結果 2. (補2) 産業界等との連携
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
計測標準
標準物質については、ご指摘の問題意識を完
特に標準物質の分野は、産総研だけで行おう
とせずに役割分担を含めてもっと民間の力(財 全に共有しております。ポテンシャルのある他
団、社団法人、学会)を導入・統合する努力を 機関との開発分担は不可欠であり、具体的には
製品評価技術基盤機構(NITE)、(財)化学物質評
すべきである。
価研究機構(CERI)と分担について協議を重ね
ています。前述いたしましたが、次の機会には
青写真を提示することが可能と考えます。ま
た、標準物質だけでなく多くの標準について高
い技術レベルをもつ上位の民間校正機関との
緊密な連携は不可欠であり、この連携により等
価的に国としての標準供給体制の厚みを増す
ことが可能と思われます。適切な研究開発のス
キーム(委託費予算)を利用して、研究開発の
段階から産業界との連携が実現できる方策を
検討したいと思います。
B
地球科学
情報
併任者数をみても明らかなように、学界との
研究メンバーに企業人が加わっていないな
ど、民間との連携が少ない。企業が参画できる 連係はあるが、民間との連係は指摘のように少
部分が少ないと思われる。産業界との連携に対 ない。これは研究分野の特性にもよるが、今後
して、具体的にとり組む積極性が必要である。 はとくに情報関係での連係強化を図りたい。
-
産業界との連携については主として「共同研
産学官連携の中心に位置づけられているも
のの、その連携についての具体的な方策が不明 究」で、学界との連携については、大学との双
であり、個々の研究計画書でもほとんど触れら 方向の「併任」等を積極的に実施している。ま
た産官学連携では、提案公募等により積極的な
れていない。
連携を図っている。今回の委員からの御指摘は
レビューボードでのプレゼンテーションでの
説明が十分でなかったためかもしれない。
C
地圏資源
環境
海洋資源
環境
本研究ユニットは立ち上がった直後であり、
これまでの実績で判断すれば、従来から産業
界・学界と積極的に交流を図った経緯がある。
今後は研究グループ相互の連帯を通して、新分
野での産業界・学界との連携が望まれる。
(コメントなし)
B+
産業界と学界と連携を行っているが、それを
グループの短期評価指標の一つとして外部
エネルギー 部門内で積極的に促進する具体的な方法論が との共同研究を挙げており、産業界や学会との
利用
ほしい。
共同研究に対するインセンティブを与えてい
ます。
B
電力
国全体のプロジェクトの中で重要な役割を
エネルギー 担うなど、十分な連携を取っている。
A
一部の研究グループでは外部機関との連携
が不足しており、今後、指導をしていく。
B
環境調和
技術
実質的成果をもたらす連携を重視するとと
十分とは言えないまでも、かなりの連携を行
っている。ただ、産総研という立場では、ある もに、それらを迅速に実用化する道筋を連携の
程度のコスト意識が必要。経済性見通しについ 中で作っていくように努力する。
ては今後厳しく問われるであろう。
B
情報処理
テーマによって異なるアプローチをしてい
評価は頂いたがまだ不十分だと思う。さらに
るが、各テーマとも産業界や学界と十分連携を 連携の強化(というか役割の住み分け)を図り
図っている。
たい。
A
環境管理
外部とはかなり連携をとっている。
(コメントなし)
129
別紙6:プレ評価結果 2. (補 2) 産業界等との連携
新しい業界との連携は重要と考えている。現
既存の枠組みにおける産業界との連携は評
価できるが、今後は新しい産業分野(第3次産 時点でも、第 3 次産業に属する企業との共同研
業など)との連携も積極的に開拓する姿勢が求 究、受託研究は具体的に実施している。新組織
の説明等に各業界を回り、新たな連携を構築す
められる。
ることに努力する所存である。すでに一部の産
業界の訪問は開始している。
A
部門の意志決定プロセスは極めてシンプル
大学院生への研究指導協力などの実績は評
エレクトロ 価される。今後は世界最高レベルの研究成果達 であるので、実質的、機動的な連携を図ってい
ニクス
成のために産学との弾力的な連携の推進を期 けるものと考えており、事実、その方向で努力
をしているところである。
待する。
B
今後は産業界との連携をより深めるべくす
十分行っているところも全然行ってないと
ころもある。全体的には、産業界との連携の実 でに作業や試みを開始しており、順次拡大する
績はある程度あるが、産総研の新しい方針から 予定である。
比べるとさらに努力してほしい。学会との協力
はよくやっているようだ。
B
できる限り産業界、学会との連携を推進する
グループによりばらつきがみられる。充分な
生物遺伝子 ところもあれば、現在行おうとしているとこ よう努めていきたい。
資源
ろ、もっと積極的に行ってもらいたいグループ
もあり、統一的な評価は難しい。
-
当部門は経済産業省産業科学技術研究開発
プロジェクトとして継続6件、新規2件と学会
および産業界と連携し、産業技術政策にも貢献
してきています。プロジェクトの企画立案にお
いてはバイオインダストリー協会(JBA)、バ
イオテクノロジー研究開発組合、技術研究組合
医療福祉機器研究所などにおいてバイオ企業
あるいは医療機器企業を組織化するとともに、
プロジェクトの開発委員会においても運営及
び進捗に貢献しています。また筑波大学、東京
理科大学等との連携大学院教授にも多数就任
し、積極的に大学院生の受け入れに努めていま
す。産総研の組織上部門はセンターと異なり研
究者が希望した場合に拒否することが許され
ていないことから、現状では温度差があること
は発足時には当然と考えています。しかし部門
としてのポリシーを鮮明にすることにより若
い研究者の危機感に訴え、意識改革を求めたい
と考えます。
B
研究の立ち上げ段階から、製品化に至るまでの
全てのプロセスで、密接な連携を心がけている。
B
学術雑誌あるいは学会発表を通して学界と
先生方のご指摘のように、引用頻度の高い学
交流している。産業界に関しては判断できな 術雑誌への投稿あるいは国際学会発表を通し
い。
て学界との交流を図る努力しているところで
脳神経情報
あるが、脳神経情報研究分野が他の研究分野に
比較して産業界との交流が少ないことは認識
しております。現在、企業との共同研究や特許
取得を通して交流を図りつつあるところです。
-
努力いたします。当ユニット研究員の学協会
産総研でありながら、グループの構成員に
は、企業からの研究者が少なく、産業界との連 委員への推薦も宜しくお願いいたします。
携が今一歩の感がある。また、研究員の学協会
での委員としての活動実績が少ないように見
受けられる。出張経費等の条件が緩和されたこ
とでもあり、もっと学会活動に積極的で、学会
からのホットな情報を吸収するよう指導すべ
き。努力を願いたい。
C
知能
システム
光技術
開放研究施設による研究組合との共同研究、
バイオインダストリー協会などとのナショナ
ルプロジェクトの企画立案など、産業界との連
携は評価される。連携大学院等を通じた大学と
の交流も活発である。関連学会での活躍も評価
できる。しかし、各研究グループの間に差が感
じられる。
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
物質
プロセス
概ね妥当。
130
別紙6:プレ評価結果 2. (補2) 産業界等との連携
セラミッ
クス
基礎素材
機械
システム
ナノテク
有難うございます。産業界と共同研究等を通
じて連携に努め、学界とも各種委員の派遣等を
通じた貢献を行うと共に、共同研究を通じた連
携を図ってゆくことを計画しております。ま
た、セラミックス関連研究の情報については、
関連する研究発表会や研究会等を通じて積極
的に収集して行こうと思います。
A
グループレベルの個別的連携はあっても、基
部門総体としてもより一層、産業界、学界と
礎素材部門としての組織的連携が不十分であ の連携強化の方策を考え、いくつか手を打ちつ
る。地域を代表する企業の研究所との交流がさ つある。しかし、発足して2ヶ月余では十分な
らに必要である。
手を打てなかったことも事実。地域を代表する
企業との連携は当然としても、企業が中央研究
所体制を変えつつある現在ケースバイケース
で臨む。
B
産業界との連携を強く意識して研究開発を
学界に関しては限られた範囲でしか連携が
行われていない。基礎となる研究成果を産業界 進めていきたい。産総研 TLO の活用を図ると
に移転し、積極的に新産業を創出すべく情報や 共に、ベンチャーマインドを持った研究者の育
テクノロジーの中核としての機能を担ってい 成に努めてゆきたい。
ただきたい。ベンチャー等の枠組みを利用して
アイディアを持つ人が製品化できる仕組みも
考えていただきたい。
B
連携が何を意味するのかを再定義する必要
がある。単に研究予算を共同的に獲得し、運用
するという意味では相当な連携が進んでいる
とも言えるが、当部門で目標とする実体のある
産業技術を明確に意識した連携ということに
なると、指摘のとおり今後大いに努力が必要で
ある。AIST-NPF のような共通基盤施設は、産
学からも期待が高いことを意識して、産総研全
体としてバックアップし、活用していくことを
お願いしたい。
C
産総研の外の世界との交流は、意識的に行う
ように努力している。
-
現時点でも連携は結構良くやっており、また
産業界、学界に貢献している。
今後とも産業界と連携し、ニーズを取り込ん
で、産業界と互いに刺激しあいながら研究を進
めることが重要。
材料開発研究には産業界から期待が大きい。
産業界とは共通基盤施設(AIST-NPF)などを
活用して連携を深めてほしい。学界とは各グル
ープで連携があるようなのでその関連図を明
示してほしい。
ノロジー
計算科学
現時点では評価しない(できない)。
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
人間系
十分おこなっているし、また行おうとしてい
る。
(コメントなし)
産業界や学界のみならず、本省や NEDO 等と
中心的な研究者は学界との連携を積極的に
行っており、また、産・学を含む研究会でも役 も、今後も連携を密なものとしてゆきたいと考
生活環境系 割を担っている。企業との共同研究も多く見ら えております。
れ、産業界との連携も積極的に進められてい
る。
131
委員
会の
評点
A
A
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
3.研究予算、研究体制等
(1)研究組織(グループの構成、グループ数)の設計は適切か?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
各チームの構成等の設計は適切と考えられ
るが、チーム同士の相互関係、プロジェクト全
体に対する意義について、もう少し具体的に明
示すべき。(ただし、ユニット統括班からのプ
レゼンテーションを聞くことによって、理解は
格段に向上した。)
(コメントなし)
小人数ながら、客員研究員などによって課題
を解決しようとしている意欲は評価できる。
(コメントなし)
現時点では適切な構成といえるが、グループ
構成にも流動性を持たせることが必要。大気圏
化学物質
グループと比較して、新規物質グループと地下
リスク管理 水土壌グループのスタッフが少ないように見
えるが、全体のスタッフ数の制約から、やむを
得ないともいえる。
委員
会の
評点
A
A
人員の増加に努力したい。
B
フッ素系
スタート時の組織として妥当である。将来的
特に専門性の高い研究員の確保・充足が必須
温暖化物質 には、人員、予算など問題を含んでいる。
である。
A
チーム単位では適切な研究組織が設計され
センタースタート時にあっては、それぞれ単
ライフ
ているが、2 つのチームの連携関係が不明。
独で外部に認められる部隊となることが必要。
現状では LCA が前面に出ているが、エネルギ
サイクルア
セスメント
ーチームを育成し、両チームを本格的に融合す
ることはセンター後半の課題と考える。
B
ほぼ適正と考えるが、常勤研究者数がやや不
デバイスからパワーエレまで引っ張れる指
足気味の印象を受ける。
導的人材が必要。スーパーデザインについて
は、人材の獲得が遅れており、早期の人材の採
用を必要とする。デバイスプロセスでもスパー
パワー
ジャンクションなどの展開にはデバイス・プロ
エレクトロ
セスでのさらなる人材が必要。デバイス設計も
ニクス
専任が必要。パワーエレの設計・評価について
も外部との連係を図るにしても、センターにも
専任者が必要。材料研究については、産総研内
との協力を求めて行く。
B
ご指摘に従い、以下のような方策で臨みた
グループの構成に差がある。最も基礎となる
アルゴリズムのチームと最も応用に近い細胞 い。アルゴリズムチームは、当分野の世界的第
情報科学チームの構成が少し弱い。この両者を 一人者である後藤修氏がリーダーとして活躍
し、企業との共同研究などを鋭意進めている。
強化することが望ましい。
プレ評価の後で、企業からの技術研修の派遣研
究者を2名、アルゴリズムチームに配属した。
しかし今後は、職員の雇用などの面でもアルゴ
リズムチームの強化を図っていきたい。一方、
細胞情報科学チームについても、高橋勝利リー
ダーのもとで先進的で期待の大きい研究テー
マに取り組んでいるが、上記のいくつかの項目
でもご指摘された通り、さらに一層の人員強化
を図るべきと考えている。プレ評価の後、細胞
情報科学チームを補強する目的で、国内外から
2名のポスドク研究員候補者を発掘した。今年
B
生命情報
科学
132
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
度の秋冬にも雇用を開始し、細胞情報科学チー
ムの強化に当てる。残念ながら現在の産総研の
体制では正職員の補充はなかなか難しい。中堅
以上のレベルの研究者を集める上では、この点
が支障になっている。
生命情報
科学
(つづき)
機能グループはグループミーティングを頻
繁に開き、チーム間の連携は強い。チームはお
台場に限れば、構造グループより小さいことは
ない。お台場のスタッフは、各チームいずれも
1-2 名であり、これは定員が十分貰えないこと
もあり、それは、ポスドク、各企業からの出向
者等で賄っている。統合データベースグループ
は 10 月から、スタッフが 2 名増える予定。ポ
スドクも 13 年度中に 10 名程度採用予定。
B
つくば残留チームと東大拠点の重要性を考
サブグループの5つの数と各々がもつミッ
ションと機能は適切に設計されている。マネー えると東大併任の意義は大きいが、2 年以内に
ティッシュ
ジャーとしてセンター長は重要だが、東大との 統一して問題解消する。
エンジニア
併任でかつ東大内にもチームを持つことは、そ
リング
の役割を果たす上で無理があるように見受け
られる。
A
評価者の批評とは逆に、私は一定の急速な拡
大は必須の条件であると信じる。特に研究室を
米国から動かし、改めてこのセンターで新設し
なければならないエイジンググループは、この
1-2 年の急速な拡張なくしては研究が遂行出来
ない。このセンターから、有用な成果を十分に
スカバリー
B 委員:(コメントなし)
挙げる事が出来、そして世界に伍した研究組織
体として行くには、初期にこそ重点分野での拡
C 委員: 適切でない。数年後に成果に応じて
充が必要である。このセンターではより優れた
見直すべきである。
常任研究者採用のための新しいプロセスを既
に設定した。
-
ヒューマン
基礎科学から工学までをカバーする適切な
ストレスシ 設計である。
グナル
A
生物情報
解析
全体のグループ構成は、3つの研究課題に対
応し構成されており適切である。構造グループ
はよくまとまっている。機能グループは立ち上
がり時期で仕方ないのかも知れないが、それぞ
れのチームが小さく、またチーム間の連携が不
足のように見受けられる。データベースグルー
プはチームリーダークラスの人材が不足して
おり、今後の拡充が必要であろう。
A 委員: センター長が大いなる意欲と希望を
持って、研究組織を設計されていることには敬
意を表したい。それを現実化するためには、急
速に拡張するのではなく、まず現在のチーム
ジーンディ が、連携して、優れた成果を出すことである。
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
(コメントなし)
スピン計測 T については、スピン超構造観測
強相関スピン計測チームは単に計測という
位置づけが適切かどうか。スピンのダイナミク とトランスポート(電荷ダイナミクス)との関
B
スとトランスポートの関係を追求するサイエ 連を重視したい。これに対応して、近いうちに、
チーム編成の改変を行う予定である。
ンスの方向も検討に値すると考えられる。
センター長の主導性の発揮に対して期待を
込めてという意味で A とした。ただし、研究
体制の中で各グループ、グループ内での各研究
者の役割分担がはっきりせず、また各研究者に
関する CV 等の質的情報が不足しているため、
判断ができない部分もある。各研究者の研究履
歴を追加でいただきたい。(質問事項)
各研究者の担当は、産業界からの参加メンバ
ーをも含めて、各研究グループリーダーを中心
に検討を進めているところである。研究者の研
究履歴、最近の研究進捗状況は、センターで把
握しているので、提出可能である。
・デバイスからアプリケーションまでバランス ・共同研究に関しては、各々に担当研究者を一
名決め、責任を持つ体制を考えている。場合
良く設計されている。
によっては一研究者が複数の共同研究をこ
・バランスは良いが人数に問題がある。絶対数
なすことも充分可能であると考えている。共
が足りない。また、大量の外部研究者と共同
同研究は時間の経過とともに見直す。
研究するのは大変ではないか。展開の方法が
・コンソーシアムはそれらの共同研究間の情報
問題である。
交換や全体運営の場として構成する。
・コンソーシアムの位置付けが不明確な面があ
る。
133
A
C
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
中期計画にある、マイクロ・ナノ加工技術の
重要性の指摘からすれば、研究職員 7 名、3 グ
ループという小さな組織で、将来の産業界に重
要なマイクロ・ナノ機械加工の中心的課題を担
うには、はるかに大規模で、かつ高度な研究組
織を構築する必要があるのは当然である。ま
マイクロ た、ドイツ、フリードリッヒシラー大学の応用
物理学研究所に設置されている欧州共同バイ
・ナノ機能
ナリー光学研究機構のように、形状転写の前
に、電子ビームまたはイオンビーム露光装置に
よる超微細加工技術の開発がなければ、光学波
長領域であっても、微細加工による機能発現を
実現することはできない。センター長の強力な
指導の下に研究組織の再構成が必要ではない
か。
マイクロ・ナノ機能広域発現のための基盤技
術として、まず、レーザーの超解像利用ナノ加
工技術の確立に重点的に取り組むべく、ポスド
ク、大学院生等を含めた 16 名の研究員でスタ
ートしている。また、今後とも新規職員および
外部から研究員が参加する予定である。なお、
当面は2つの研究チームが一丸となって研究
開発を進めていく体制を取って行きたいと考
えており、また、学問的観点からも全体を体系
立てて検討する体制を研究センター内に作り
上げて行く予定である。
設定されている課題の数を考えると、産官学
連携研究共同体は産業界、大学のほか公設試
との連携を想定している。また、加工現場に精
ものづくり の連携を効果的に進めることを期待する。
通した技術者や研究者を非常勤職員や特別研
先端技術
究員として雇用するなど、全体として 100 名
規模の研究グループを想定している。
高分子
基盤技術
チームの構成はバランスが良いとは言えな
い。チーム間で協力してやっていかないと課題
解決に結びつかない。どのように共同研究をき
ちんと進められるかで、成果がでるかどうかが
きまる。共同研究者を全国から広く集めたほう
が良い。若い共同研究者を選ぶこと。このセン
ターで若い研究者を育ててほしい。異分野の研
究者を入れることにより、研究が進展すること
があるので、異分野の人を加えることも考える
べきである。センターのチームメンバーが、
夫々の得意分野は生かしながらも、全体の研究
課題と合わせて、思いきって新しいテーマでの
共同研究をコーディネートし、自分でも実行さ
れることを期待する。
チームの編成は「精密高分子技術」プロジェ
クトの編成と対応させて修正することにして
いる。「高次構造制御」「多相系高分子」「ソ
フトマテリアル」の各チームは高分子構造、物
性分野で、「高分子成形加工」「高分子複合」
チームは高分子材料形成分野で共同研究出来
るように修正する。センターの若い研究者が広
い分野で大学との共同研究を積極的に進めら
れるよう、多くの大学教官に産総研併任をお願
いする。ぜひ、センターの若い研究者が主体的
に取り組む共同研究の新しいテーマを実行す
ることにしたい。
ご指摘の意見を踏まえ、ここ数年の研究成果
グループ数は適切と思われる。チーム間の踏
み込んだ融合、協力を望む。将来的には、セン を観て直接ミッションに繋がらない研究チー
ターとしてのミッションを考えて、ミッション ムが存在する場合再編も視野に入れたい。しか
に直接つながらないチームは研究部門へ移動 し現在は、この体制で進めて行きたい。
することも考えてよいのではないか。経験をつ
光反応制御 んだ非常勤の研究者が 13 年度末で半減する
と、影響が大きいような気がする。流動的な研
究者を確保するための予算措置がとれないか。
今までの歴史を背負っているから今はこれで
よい。仕方がない。しかし、将来は再編は余儀
なくされるものと思う。
新炭素系
材料
C
B
B
B
研究の進展を見つつ、組織をフレキシブルに
独立法人化前からのテーマとの連続性を考
慮すべき時期であり、現時点では適切と判断さ して、他ユニットや企業、大学等の協力も得て、
れる。今後、研究が実証研究フェーズに進展す 再編成を進めて行く。
B
ると、複数の組織の横断的研究協力が益々重要
になるので、早い段階での研究組織のレビュー
も検討する必要があると思われる。
134
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
全体に人数が少ないが、その中で環境認識材
料チームと共生材料評価・標準チームが少な
い。特に、長期的な視野で材料の標準化を行う
ためには共生材料評価・標準チームの陣容では
不十分と考えられる。
シナジー
マテリアル
超臨界流体
スマート
ストラク
チャー
妥当である。研究組織の設計は適切であり、
成果が期待される。
各チームは基本的に、パーマネント職員3名
(チームリーダーを含む)程度、ポスドク3名
程度、共同研究者数名および非常勤実験補助職
員数名で構成することを想定している。環境認
識チームは、職員3名、派遣研究者1名、実験
補助職員3名に加え、今年度中にポスドク2名
の採用を予定しており、他のチームと組織構成
は遜色ないと判断している。ただし、このチー
ムのみシナジープロジェクトとリンクしてい
ないため、当面は企業からの共同研究者が無い
のは事実であるが、成果等の情報発信を通じ
て、積極的に企業との共同研究を行う予定であ
る。また、共生材料評価・標準チームであるが、
今年度中にポスドク1名、非常勤技術職1名の C
採用を予定しており、来年度1名の職員採用を
要求中であるとともに、シナジープロジェクト
の3つの材料技術とリンクしており共同研究
者も確保されている。加えて、評価・標準は1
つの研究センターで行う研究とは考えておら
ず、他の研究ユニットとネットワークを形成す
ることにより実施すべきと判断している。事
実、セラミックス研究部門の力学特性標準技術
研究グループ、化学計測研究グループ等との密
接な連携の下に研究を推進中である。従って、
環境認識材料チームと共生材料評価・標準チー
ムの陣容が不十分という指摘は事実をやや誤
認されていると思われる。
(コメントなし)
グループの構成はやや圧電材料に偏ってい
スマートパッチ課題の開発として取り組む。
るが、特徴を出すためには当然の構成である。 制御は信号処理技術や商品化を見やったソフ
大学、企業をどうまきこんでいくかを議論し、 ト開発も振動制御技術の一環として進める。企
協力・競合の姿勢でやってほしい。
業、大学、他独法との競争もしくは共同で研究
活動を幅広く進めていく。
界面ナノ
判断できない。将来の目標ターゲットをはっ
アーキテク きりさせ、それを達成するために必要な技術を
トニクス 明確にすることが先決であろう。
135
A
A
(コメントなし)
-
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
ほぼ妥当であるが、当面はともかく 2010 年
の長期目標を考えると、この組織・体制で遂行
可能かどうか疑問もある。周波数標準や環境標
準物質など総務省や環境省といった他省庁と
関わりのある分野について役割分担や連携を
明確化すべきと考える。
ご指摘のように、計量標準について、すべて
の技術を当部門で抱えこむことは非現実的で
あると考えます。体制及び人員に関して、我が
国で最大級の独立行政法人であり、産業技術の
ほぼ全分野をカバーしている産総研が、組織全
体として標準に関わる体制が整えば、2010 年
の目標だけでなく、より多くの技術課題につい
て総合的・全面的な研究展開が可能となり、同
時に当部門を流動性の高い組織へ再構築する
道も開けるものと考えます。ダイオキシン計量
については、環境管理研究部門と連携して計量
法実施の体制をとりつつありますが、現状では
希な例と言わざるを得ません。当部門は、産総
研内の他研究ユニットとの連携を通して、計量
標準の陣容を拡充する方策が法人とっても有
益な成果を生むものと確信していますし、これ
までにも同様の主張を繰り返し発信してきま
した。今後も努力は続けます。
一方、薬品や農産物等の他省庁が所掌する物
品の計量標準については、経済産業省と緊密な
情報交換を図りつつ、外部研究機関との連携を
実施することが望ましいと考えます。産総研内
連携、他省庁機関との連携、いずれの場合につ
きましても、国内外に対する標準技術の窓口、
司令塔は NMIJ であり、このような整理の下で
連携を進めていくことが適切と考えます。
B
計測標準
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
過渡期として現状は理解できるが、グループ
数の絞り込み等、将来に向けて考慮すべき課題
がある。
既述したとおりである。
B
予算、マンパワーとも現実には大きな制約が
研究者・研究組織のポテンシャルは高く、海
外の期待も大きい。しかし、マンパワー・予算 ある。ポリシーステートメントには、それらの
有効な運用として、予算に関しては、研究の性
共に、組織設計のポリシーが明確でない。
格に関しバランスよい資金配算を行うととも
に、自由な研究を奨励し競争的資金獲得を支援
すること、マンパワーに関しては、優れた部署
への優先配置・採用を記述してある。また、マ
ンパワーを補うものとして、部門内外の併任・
分担を奨励していることを口頭で述べた。これ
以外に、マンパワー、予算に関する組織設計の
ポリシーとは何を指すのであろうか。
研究組織の規模はその課せられたミッショ
ンで決まるものと判断される。本ユニットは
「海」をキーワードとした唯一の研究組織であ
るため、組織自体が多様性を持つことを強いら
れる。そのため小人数の優秀な研究者が、限ら
れた予算内で多岐にわたる研究を推進してい
る。この点を考慮すれば、研究組織は極めて効
率よく機能しているものと判断される。しか
し、今後の研究展開により、現状の体制では対
応が困難な新たな研究課題が生まれ、そのため
にマンパワーと予算配分の見直しが必要にな
136
A
工業技術院 15 研究所(及び計量研修所)が
一法人に変態する中で、独立行政法人としての
新たな仕組みの活用と必要な研究の継続性等
から本研究部門発足第一歩として、現組織を設
計しました。指摘点は十分認識しています。
B-
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
ると考えられる。この新たな研究課題の創生の
海洋資源
ため、研究ユニット内外での交流の推進、さら
環境
に「海」にとらわれることなく産総研外のさま
(つづき)
ざまな研究機関との交流が望まれる。
エネルギー
組織は現段階では妥当である。グループとし
今後とも時代の変化に対応したグループ編
利用
ての研究評価は望ましい。
成に努力します。
A
前述のように、エネルギー分野での位置づけ
とミッションの明確化、外部予算獲得の努力を
継続中で支援したい。エネルギーネットワーク
グループと、太陽光発電システム、超電導応用
グループなどは構成員の重複を含む連携があ
り、燃料電池グループの材料界面の解析技術を
薄膜太陽グループの材料に適用し成果を上げ
るなどの実績もある。これらを明示的に研究計
画書に盛り込むようにする。
B
環境管理
グループを固定する考えはもっていない。グ
概ね妥当と判断される。現時点では、むしろ
グループの役割分担、連携、強調点を明確にし ループ間の連携を深めること、各グループの研
て研究を進めることが重要。研究の活性を維持 究成果の評価などを踏まえて、対応するつもり
するには、グループを固定せず柔軟な編成がで である。
きるよう留意すべきである。
B
環境調和
技術
研究者の大胆な組み合わせやグループの組
改革や再編は部門内での理解がないと発展
み直しを行っている。今後、組織を弾力的に変 につながらないので、指摘されたことは早速実
えていくためには、目的や見直し基準をはっき 行していく。
りし、部門内に向けてアナウンスするとよい。
B
グループ数を少なくして、大規模なグループ
で臨もうとしている点を評価する。グローバル
情報技術グループが比較的オープンな研究体
制を取っているのに対し、他の 2 グループは、
招聘研究員、内外の共同研究が少ないと思われ
る。
グループ数を少なくして一つのグループの
人数を増やしている点を評価していただいた。
産総研内の他のユニットに比べ当研究部門の
大きな特徴であり、部門長の方針でもある。こ
の点を産総研内でも理解・評価を頂きたい。招
聘研究や共同研究についてのご指摘は理由を
精査したい。
A
グループ研究フェーズにかなりばらつきが
あり、戦略的に整理する必要がある。現在のグ
ループ数は、過去のイナーシャに大きく左右さ
れているため、今後 1, 2 年を過渡期として、思
い切ったグループの統廃合が求められる。コア
グループを明確にし、部門全体のミッションを
代表させることによって、多様な研究の受け入
れを可能にする。
現在のグループ編成はベストではない。過度
期間の措置として構成されたグループも含ま
れており、それらのグループには、今年 1 年か
けてミッションの明確化ができない場合は統
廃合をする旨、グループ長には通告済みであ
る。希望する研究者は拒めない部門の性格から
して、すべての部門を活性化することはかなり
困難と考えている。現実には、新井委員が指摘
されるように、部門の中で「光る、目玉となる」
グループをいくつ構成できるかが重要なポイ
ントと考えている。こうした重点化を視野に入
れつつ再編の検討を進めている。マージンは、
C
今後、改組する可能性がある部門が存在すると
いうことで少なくなっている。
研究グループ間や部門間でのトピックの重
複は、キャッチアップではない、先端分野の追
求を使命とする組織の性格上、やむを得ないと
考えている。この点でグループ名はリーダーが
その活動を世の中に示す上で適切と考える名
称を使うようにしている。なお、部門間の適切
な連携は必要で、現在でも一部では推進してい
るが、研究ユニット間の情報交換の組織として
の仕組みについては、産総研本部に提言してい
きたい。
1. (4) (p. 82) で述べたように、宇宙技術グ
ループと電力環境計測グループを電力エネル
ギー研究部門に取り込むためには、論理的な理
由付けとしてもう少し工夫が必要ではないか。
電力
部門内のグループ間の有機的結合方法が、言葉
エネルギー
としてもう少し具体的に明示出来ればさらに
よいと考えられる。
情報処理
知能
システム
137
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
概ね妥当である。一部の研究グループでは、
様々な専門の研究者が便宜上集まったと思わ
エレクトロ れる部分もある。今後は、研究ユニットの間あ
るいは外部との人事交流を深め、組織の有機性
ニクス
の高まりを期待する。また、5 年を越える長期
的で探索的な研究を行う研究グループがあっ
てもよい。
光技術
全体の人数、研究場所の分散、得意テーマ領
域の分布を考慮すると概ね妥当な組織設計と
なっていると思われる。旧体制と比べると大き
く機構改革が行われた印象はないが、3つの柱
を立てて集約したことや、つくばと関西で連携
を図ったことは評価できる。一方で、研究の発
展段階によって研究チームのサイズは異なる
のが自然であろう。今後は、萌芽的な研究、基
礎実証からの発展段階、応用的展開の段階、収
束段階、のそれぞれについて適切な規模の伸縮
を図ることが望ましい。材料グループで作製し
た有機半導体をフェムトのグループが評価す
るなどグループ間の連携も重要と考える。
ご指摘の有機的な連携の重要性については、
大いに認識している。長期的な探索研究につい
ては、それ自体が探索的であるテーマはあえて
設定していない。しかし、各テーマの中にはそ
れぞれ探索的要素が入っており、具体的目標を
目指した研究を展開しつつも大きな発見やシ
ーズを産み出せるものと考えている。
B
光技術研究部門は既存の4研究所、9研究部
から研究者が集まった組織であり、産総研の研
究ユニットの中でも旧体制から大きく「組織改
革」したものの一つであると考えている。現在、
ソフトフォトニクス・アメニティフォトニクス
およびハードフォトニクスに関する3本柱を
立て、光技術に関する基礎から応用・実用化ま
B
での研究開発を行っている。所内外にその存在
を知らせる努力を行うとともに、内外の有識者
による評価および有機的連携・融合に努めてい
る。研究チームの規模・構成等は指摘の通り柔
軟に設計する。またグループ間の連携がよく取
れるよう定期的なグループリーダー会議で互
いの研究紹介を行っている。
過去の組織の延長に現在の組織構成があり、 貴重なコメントであり今後参考にしていき
スタート時点では概ね妥当と思われる。今後は たい。
生物遺伝子
研究者の意見を尊重しながらも、産総研として
資源
の戦略性を考慮した組織編成を考えていく必
要があると思われる。
B
グループ数が多すぎる。絞込、整理重点化が
グループ及び重要研究課題について重点化
必要である。類似テーマを整理し、グループに を図り、効率的運用を目指します。類似研究に
よっては全体としてまとまった方が効率的と ついては特徴を鮮明にして発展させるか改廃
思われる。
するかについて整理致します。
B
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
研究課題名や研究方法論からすると、目指し
ているところに差が見えないグループが見ら
れる。それらは相互連携し、あるいは場合によ
り、グループ再編成(統合)をした方が、研究
遂行上望ましいと思われるので、内部で再検討
して欲しい。異なるグループとして存在するこ
とに必然性があるなら、相互に研究目標、研究
方法論の違いを明確にし、外から見て違いがわ
かる納得のいくグループ名をつけるべき。どこ
から見ても合理的なグループ体制を構築する
のが部門長の役割である。
グループ編成においては、グループ内の研究
目標や方法論の近さや同一性を重視し、かつグ
ループ編成が個人評価システムを兼ねている
関係で4、5名を適切な単位と考え組織を構築
した。しかし、グループの構成は、固定的なも
のと考えておらず、グループの成果を勘案しつ
つ、より良いグループ構成を行いたいと考えて
いる。グループ名に関しては比較検討が十分で
ないところもあるので適切な機会があれば対
応したい。
C
ご意見は理解できますが本部門としては限
システムに比べ、分子あるいは細胞関係部門
の比重が少ないように思われる。脳の神経回路 られた人的資源で効率的な研究を推進させる
を構成するニューロンの接続様式をマクロ、ミ 必要があるため、脳機能の基本原理の解明と脳
脳神経情報
機能の老化メカニズムの解明に主たる重点を
クロ的に扱う分野も重要である。
おいて組織の設計を計っていきたいと思いま
す。
B
先にも述べたように将来的にはグループ再
編も視野に入れています。また、人員移動の微
調整はいつでも臨機応変に行いたいと考えて
います。テーマ数は多いのはその通りで、重点
課題を中心に纏めて行きたいと考えています。
また、重点課題も複数のグループが絡むように
しています。ただ、横断的連携はこれで十分と
は考えていません。より高いレベルのシナジー
A
物質
プロセス
1グループ、10 名前後を構成員数としてい
る点では概ね妥当である。流動性を共同研究者
や学生に求めている点でも良好である。しか
し、研究テーマを変えざるを得ない場合、構成
員の流動性をどのようにして確保し、テーマを
発展させるかが今後の課題。従って、現在のグ
ループ構成員数をもう少し多く(2~3 グルー
プ相当)して、中間評価の段階などでサブテー
138
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
マ毎に人が移動でき易い体制を構築する方が、 効果が現れるような方策を講じて行きたいと
当該部門のような基礎研究を志向する組織で 考えています。
は好ましいのではないかとの意見がでた。
各グループにおいて、テーマ数が多すぎる。
物質
多くのテーマで 1~2 名の研究者が従事するこ
プロセス とになっており、これでは成果の達成度という
(つづき) 点でマンパワーが不足する懸念がある。また、
各セクションが縦割りになり過ぎており、これ
では組織としてシナジー効果が期待できない。
幾つかのテーマについては、横断的なプロジェ
クトにした方が良くはないか?
セラミッ
クス
概ね適切である。
今後、セラミックス研究部門としては、こう
いう新しい研究課題を実施したいという目標
を設定し、それにはこういう人材が必要という
将来計画を、希望も含めて要望することが重
要。
セラミックス研究部門としては、ポリシース
テートメントに述べた環境と調和した材料・プ
ロセス技術の開発、多様な機能を複合・相乗さ
せた材料の開発、材料設計技術・評価手法標準
化等知的基盤の構築に関わる研究を充実し、大
学、産業界等から広く優秀な人材を招聘したい
と考えております。
B
テーマごとに人数のばらつきが大きく、よく
設計されているとは言えない。限られた予算の
なかで部門全体として何をやり、そのためにど
のような組織にするか、外から見ても分かるよ
うにする努力が必要である。
確かに 3~7 人とばらつきがあることは事
実。しかし、3人のグループについては、特殊
な事情があって発足させたものでありその点
の理解をいただく必要がある。第1期の中で定
年退職者も相当数あることからグループの再
編も含め、グループとしてパフォーマンスが最
大限発揮できるよう再構築を図りつつ進めて
いきたい。部門全体としての方向性が見えにく
くなっている点については反省し、一層の明確
化を図る。一方でこの作業は、ナショナルセン
ター化構想と密接にリンクしているため産総
研総体としてはナショナルセンター化構想を
早急に具体化する必要がある。
B
ご指摘のような点があることは承知してい
工業技術院から独立行政法人に変革したこ
とによって、直ちに研究組織や研究体制が新規 ます。グループの組み替えを含め、グループ間
のものになることはあり得ないが、目標を遂行 相互の連携を改善すべく早急に対処します。
するために、なぜこの組織が必要であるか、ま
た、グループ間がどのように有機的関係をもっ
て全体の目標を達成するのかが説明しきれて
いないようである。従来の研究組織を単純に組
み替えたように見えるところがある。
C
個人を主体とした運営であり、グループの数
が必ずしもテーマの細分化を意味するもので
はない。研究の観点からは、部門全体一グルー
プとして、垣根なく活動することを理想として
いる。グループの設定は、むしろ当部門におい
ては、個人の処遇の観点からリーダーを置いて
いるというのが実感である。
産総研のマネージメントへの希望としては、
グループ単位での研究活動を基本として考え
る制度に限定せずに、個人に立脚した運営にも
マッチした枠組みが必要である。その一例は、
個人の処遇とグループリーダー等の職位が対
応していることは、当部門での運営の足かせに
なっている。
他方、目玉となる研究テーマを設定すること
は、部門運営の基本として重要であると考えて
いる。初年度には、複数の研究所からの寄り合
B
基礎素材
機械
システム
ナノテク
ノロジー
世界的に活躍し分野をリードしている研究
者が多数見受けられるが、9グループは細かい
と思われる。研究部門の目玉となるテーマと萌
芽的なテーマが見えるように出来るだけ早く
グループの再設計をすることが望ましい。目玉
の部分は米のナノテクノロジーイニシアティ
ブで使われている“角砂糖の中に図書館”とい
ったわかりやすいイメージを持つものを 2~3
作ることが望ましい。
139
別紙6:プレ評価結果 3. (1) グループ設計
い所帯であることから、実際上、研究活動は従
来の延長を基本とせざるを得ず、大胆なくくり
なおしは出来なかったという経緯がある。今後
2,3 年をかけ、とくに新たなプロジェクト研究
の開始などを、足がかりとして、キャッチテー
マを打ち出すことを考えている。
ナノテク
ノロジー
(つづき)
計算科学
・材料に関する種々のシミュレーション手法 ・人員構成という観点からは、連続体モデリン
ググループに若手研究者の補強が必要と認
が、原子系から連続系までバランスよく配置
識している。また、北浦氏の参加により、
されている。
・概ね、適切であると思えるが、研究者の履歴、 fragment MO 法の開発は一つの目玉にすべ
きであると考えており、ここもまた人員の一
年齢構成等が分からないため明確なことは
層の補強が必要である。また、電子励起関連
言えない。
・グループを明確に分けてしまってはいけな
は今後の重要課題であることは一般的な認
識であり、現有勢力は十分ではない。
い。部門全体が協力しあう研究テーマを設定
・グループ分けは 産総研の方針として各研究
したらよい。
ユニットに要請された。グループ分けは形式
的であることは繰り返し述べてきたが、実態
としてはグループ分けが明確になりつつあ
る傾向もみうけられて危惧している。全体的
な運営ができるように一層の努力をしたい。
B
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
人間系
人間系のミッションを最終的に達成するた
めには、広範な研究成果の集積が必須なのは自
明の事である。研究組織を厳しく目的に向けて
設計するのが得策な場合ももちろん存在する
が、本ユニットのようなミッションに関して
は、現在のようなゆるやかな組織が望ましいと
考える。シーズを探すことと、ニーズに応える
という目的の両立は極めて微妙なバランスを
要求するので、現研究組織の設計の妥当性は、
研究の実際の進捗状況と見比べて継続的に判
断せざるを得ないと考える。
ご指摘の通り、研究は刻々変化する外部環境
に対応しつつも、独自の思想や哲学に根ざした
独創的な課題を長期的に追求する必要もある。
これは、環境や人の状況に柔軟に対応するマネ
ージメントの重要性を示唆しており、リーダー
の責任が重要である。この点を常に意識しつつ
アンテナの感度をあげて運営していきたい。
グループの数、構成はおおむね適当である。
その中で、ガラス部門が他のグループから少し
距離があるように感じるが、他のグループはそ
れぞれの協力関係も理解され、比較的よく構成
されている。運用面でグループ間の交流・協力
が十分に配慮することが望まれる。
環境ガラス研究グループは、明確に生活環境
または生活エネルギーに的を絞った研究計画
を示しており、また同グループの矢澤リーダー
にはユニット全体の環境技術の融合を推進す
る取りまとめも担当してもらっています。ユニ
ットとしては違和感のない設定と考えていま
す。またエネルギー技術の融合の取りまとめは
宮崎副系長が担当し、環境、エネルギー両面か
らグループ間の連携や分野融合を推進しよう
としています。この目的でのユニット内研究費
の設定も行っています。グループ構成について
は、状況に応じて組換えるなど、柔軟に対応し
て行く予定です。
生活環境系
140
委員
会の
評点
A
B
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
3.研究予算、研究体制等
(2)研究課題に対して、予算、マンパワーが過大あるいは過少ではないか?
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
委員会のコメント
ユニットの返事
適切と考えられるが、研究のポテンシャルが
保たれるように、予算、マンパワーの配分が適
切に継続的に行われることを望む。なお、委託
費に比べて、運営交付金が極端に少額であるの
が、非常に気になる。委託費に見合う交付金が
あって、当然と考える。
委員
会の
評点
(コメントなし)
A
意欲的な研究計画を推進する上で、予算・マ
客員研究員等、外部研究員の拡充と外部予算
ンパワーは過少と思われ、その面で工夫が必要 の獲得に努力したい。
である。
B
野外調査は必須であるが、人員制約から外部
委託になる。しかし、外部資金を利用した委託
は、再委託となりできないので、交付金を使わ
ざるを得ない。この点で、交付金の増額を望み
たい。
B
フッ素系
現状で止むを得ない面もあるが、本来的には
必要な人員充足のための予算の確保に苦慮
温暖化物質 人員不足が懸念される。
している。
B
ライフ
チーム単位では適切であるが、2 つのチーム
サイクルア の連携関係が不明。
セスメント
B
活断層
野外観測が重要であることを考えると予算、
マンパワーが弱い。委託などを通じて関連研究
化学物質
企業(シンクタンクなど)を育てれば、センタ
リスク管理
ーの人材が少なくても研究は可能。そのための
予算獲得が必要であろう。
3. (1) (p. 132) と同じ。
ありがたいご指摘です。産総研には、人材の
研究の進展に応じて具体的実用化に向けて
人材・予算がともに増強されることを期待した 早期採用、単年度予算の障害へのサポートなど
パワー
エレクトロ い。プロジェクトの期間をにらみ産総研側が今 適時性のある支援をお願いしたいと思ってい
ニクス
後の予算措置などを当センターにどのように る。
充当していくかが今後の課題。
生命情報
科学
B
研究の重要性に鑑み、定常的な予算を十分に ここでいただいた「評価 c」については、我々
確保することが望ましい。
自身も重く受け止めている。当ユニットは現
在、明らかに我が国で最も人材が充実したバイ
オインフォマティクスの研究センターでありな
がら、ナショナルセンターとしての適切な予算
および人員規模には遠く及ばない。これは米国
NCBI の年間予算が 30 億円前後であることから
も、また我が国の「バイオインフォマティクス」
の研究予算が総額約 140 億円(H13)であるは
ずのことから考えても、予算の一層の拡充が必
要な事は明白である。そのために当ユニット C
は、産総研本部のご理解を得られるように頑張
るだけでなく、我が国のアカデミアあるいは総
合科学技術会議などの場にも我々の存在感を
訴えていく努力が必要と考えている。我々は単
にそのような“best effort”をしていれば良い
のではなく、まさに確実に予算確保をする義務
があると考えている。さもなければ、産総研を
信じて集まって来た貴重な研究人材を単に抱
え込んでいることは、国益に反する行為と言わ
ざるを得ない。なおご指摘いただいた「定常」
141
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
性とは、現在当ユニットの予算の 95%を占める
ミレニアム(日本新生)プロジェクト予算につ
いて、ほんの 1~2 年先の動向が保証されてい
ないことへのご指摘だと思われる。これは当ユ
ニットの死活問題であるため、各方面への訴え
を強めていきたい。これだけの研究人材を集め
ておきながら数年後の運営基盤が見えないと
いうのは、たしかに適切な状態とは言い難い。
生命情報
科学
(つづき)
質は高いが、カバーしている領域の広さの割
予算については問題ないと考える。成果を期
待したい。マンパワーについては JBiC からの りに研究者の層が薄いことは否めない。
派遣で足りているように見えるが、人材の質が
問題である。
A
設定した目標を戦略的に達成するにはスタ
生体材料と解析グループのスタッフは充実
ティッシュ
ッフの人数が少し足りないと考えられる。ポス しているが、医療製品設計、製品管理部門の人
エンジニア
ドク等で補おうとしているが、テーマの重み付 材の補強が急務。
リング
けをし、配置等を考えることが必要である。
B
生物情報
解析
A 委員: 研究課題に関して、予算、マンパワ
今回の評価批評の中で、このコメントが最も
ーが過少であるという印象を持つ。
貴重である。予算も、マンパワーも足りない。
ジーンディ
十分に耳を傾けて欲しい。
スカバリー B 委員:ほぼ適当であるが、今後の展開に応じ
て柔軟に予算を使用されたい。
-
C 委員:現時点でははっきりしない。
センター全体の運営交付金は決して低い額
ではないが、3研究チームの研究分野ごとに充
ヒューマン
足度が異なる。具体的には、ストレス加齢工学
ストレスシ
チームにおいてはマンパワーが不足し、ストレ
グナル
ス応答チームにおいては基本的設備の不足が
見られる。早急な解決が望まれる。
強相関
電子技術
次世代
半導体
センター全体として、外部資金の獲得に誠意
努力する。外部との連携等をさらに強化してマ
ンパワーの不足を補うとともに、ストレス応答
チームについては、各方面からの支援も求め
て、できるだけ早くテイクオフしたい。
予算に関しては将来的にも現在の状態が保
マンパワーのうち、常勤職に関しては産総研
証されるように強く希望する。マンパワーに関 本部の理解を求めたい。現状では非常勤研究員
しては、産総研内の協力体制を充実すべきであ (ポスドク)でマンパワー不足を補う以上、予
る。
算的には現在の状況でも厳しい。
コストパーフォーマンス的な評価は当然な
がら今後の成果に依存するため、現時点での判
断は保留とする。38 億円という予算で、クリ
ーンルーム内設備のどこまでをカバーするか、
どんな装置を導入する予定かといった内訳が
わからない。これらの情報を追加でいただきた
い。(質問事項)
今年度に導入予定の装置は、各研究グループ
リーダーを中心に計画を立てており、別表の通
りである。なお、クリーンルームの付帯設備自
体は、別途予算から充当され、この予算額には
含まれていない。
B
B
-
センターの設計としては 50 人規模の研究者
・我が国の将来を担う社会のための IT 研究で
あるが、研究課題に対して予算、人が過少で、 (ポスドクや出向を含む)を想定している。現
率直に言ってこのままでは、インパクトのあ 状では学生を含めて 20 人程度なので、指摘の
通り人材不足である。コンソーシアム参加企業
る研究となるのは難しいと思われる。
・研究課題は適切であるので、今後は予算、マ に対し出向を働きかけるとともに、人件費を含
ンパワーの成長シナリオを検討するのも一 む予算の獲得に努力している。
案である。
C
現状の予算規模、マンパワーは少ないように
研究予算に関して、現在は現行プロジェクト
思われる。外部資金の手当を検討する必要があ を中心とする委託費と運営費交付金で運営し
マイクロ る。
ている。ただし、本年度、また、来年度開始の
・ナノ機能
プロジェクトに主体的に取り組むべく努力中
であり、外部資金の獲得、および、新たなマン
パワーの獲得に向けて最大限の努力を払う。
C
ものづくり
先端技術
B
サイバー
アシスト
(ノーコメント)
今後の具体的な研究展開の中での評価が重
要である。
142
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
産総研ではセンターの研究活動を重視して、
センターに力を発揮してもらうには、産総研
として予算の裏づけをきちんとすべきである。 予算配分も重点配分とすると聞いていた。しか
産総研が研究予算をとってきて、センターに予 し、実際は殆ど重点配分ではなく、プロジェク
ト予算に頼っているのが現実である。センター
算を配分すればよい。
が主体的に研究活動を進めるため、原点に立ち
返ってセンターへの重点配分を実行していた
だきたい。プロジェクト予算以外にセンターの
研究に対する運営交付金の重要さを理解して
いただきたい。
B
色素増感太陽電池の研究開発プロジェクト
COE プロジェクトが終了すると、予算は大
幅に減少する。新しいプロジェクトを始める については NEDO の太陽光発電技術開発プロ
か、交付金を増加しないと、初期のミッション グラムの一つの研究課題に採択されたので予
算的に対応出来ることとなった。しかし、COE
の達成も難しくなる。
研究予算は平成 13 年度限りであり、ご指摘の
光反応制御
通り新しい受託研究予算を確保すると共に交
付金の増加を期待している。本年度の本センタ
ーへの交付金配布額はセンターへの配布額と
しては少な過ぎないかと思っている。
B
新炭素系材料開発研究センターの研究内容
一人当たりの研究費(人件費含まず)として
は、研究設備費が大きいので、本研究ユニット に沿ったテーマ提案として、H14 年度の材料ナ
としては十分ではないかもしれない。研究資源 ノプログラム提案及び材料加工プログラムの
は研究がスタートした現段階では妥当と思わ 提案を現在行っている。
れる。今後の研究組織設計に伴う研究資源の変
化の方向性を検討し、必要なタイミングで研究
目標と連携した予算申請を積極的に実施され
たい。
B
高分子
基盤技術
新炭素系
材料
現時点では、評価は難しい。研究予算は大体
適当と思われるが、環境認識材料チームのよう
シナジー に、これからまったく新たに研究を始めるグル
マテリアル ープにとっては少し過少と考えられる。今後、
実用化を検討する段階で見直す必要がでるだ
ろう。
(コメントなし)
運営交付金のみでは足りないが、委託金を含
めると、適切な範囲にあると言える。
(コメントなし)
超臨界流体
B
A
研究員の教育を含めて総合的に取り組みた
予算としては少ない。人材、予算は今後獲得
するような努力をして欲しい。今後、能力の高 い。現在は研究予算が 1 本化されていないし、
い人材を獲得するなど、大学や企業を巻き込ん 将来的にも 3 本の大テーマで運営していくこ
とになると考えている。センターがどこを目指
で研究を推進すべきである。
すかに因るが、将来は COE となれるような方
向を目指している。そういう意味ではマンパワ
ーが不足している。実用化を進める研究はぜひ
進めたく見合った予算獲得を考えていく。研究
予算及びマンパワーについての不足感は我々
も感じており、当センターととしても積極的に
外部ファンド(NEDO の産技など)の獲得に向
けて尽力し、新規人材獲得や人材育成にも努力
したい。
B
研究員それぞれの役割や達成目標について
予算については、各チームとも、運営費交付
金予算を越える額の予算を CREST などから は、センター長、チーム長の年間活動方針に沿
界面ナノ
獲得しており、予算は適切であると考えられ った形で個人年間業務計画を提出させ、相互理
アーキテク
る。マンパワーについては、過不足よりも、研 解と了解のもと明確にしているつもりである。
トニクス
究員のそれぞれの役割や達成目標を明確にす
る必要があると考えられる。
-
スマート
ストラク
チャー
143
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
各課題毎の担当者にばらつきがある。また、
3. (1) (p. 136) と同様に長期的視点から見る
と全体としては過少ではないかと判断される。
ただ設問の趣旨と少しずれるが、予算、人員の
不足云々について企画本部に要請する前に、ま
ず非常勤や OB の活用、民間への役割文案とい
った自助努力を最大限行うことが肝要である。
また、予算については基本量関連は交付金、組
み立て量は委託費で、といった仕分けにより予
算の有効活用を図る工夫も必要であろう。
現状の予算・人員が研究課題(中期計画)と
の比較において過少ではないかとのご指摘は、
部門も同じ認識を持っております。研究課題の
策定においては、予算・人員の伸びを想定して
おります。今後、資源の拡充が実現できない場
合は、研究課題の変更も想定しながら、部門を
運営することになると考えます。
研究部門の権限で可能な組織運営の工夫・効
率化については、次回のポリシーステートメン
トで提示することを考えています。委員のご指
摘にもありますが、計量標準ミッションの円滑
な達成のため、エンドユーザとのインターフェ
ースに十数名程度の研究系職員を配置せざる
を得ませんでした。このこともあり、従来から
指摘されている職員の不足が、いっそう顕在化
しています。繰り返しになりますが、計量標準
の整備を主体的に実施するミッションは、産総
研がほぼ独占的に抱えています。外部機関との
優位性、差別化の観点からも、人的資源を含め
た研究資源の当該ミッションへの投入は、十分
な必要性と説明根拠を持つものと考えます。ま
た、予算について、運営費交付金研は既存標準
の維持・管理に、新たな標準の開発は委託費中
心に振り分ける等の議論は進めています。過度
に運営費交付金だけに頼らぬよう、委託費獲得
に向けて努力を続けています。
B
現状ではよりいっそうの進捗は困難。優先度
をつけたり、既存データセットを構築したりし
て対応する。本部に対してマンパワーの増大に
ついて要望を続けていく。民間の活用について
は検討しているところである。
C
計測標準
地球科学
情報
5 万分の 1 地質図幅調査の 30 年計画には問
題がある。グループ数の調整による研究者の集
中や大学・民間の活用などでマンパワーの大幅
な増強を図り、強力に促進するための工夫と体
制づくりが必要である。
地圏資源
環境
これまでの実績からみると、概ね妥当である
といえる。ただし、今後の研究環境や内容の変
化にもよるので判断の難しい面がある。
海洋資源
環境
現状の予算・マンパワーについては、研究課
題が多岐に亘ること、又各研究課題が概ね第一
級であることから、やや過少と考えられる。今
後、第1期中に研究の進展・社会的要請からユ
ニット内に新たなビジョンが創生され、研究課
題の再編成がはかられる場合、予算・マンパワ
ーの現状の分配、さらに総額についてより柔軟
な対応が望まれる。又、ポスドク制度、連携大
学院等の制度をこれまで以上に積極的に推進
することが望まれる。
(コメントなし)
B
本研究部門の発足にあたり、前向きの評価及
び積極的提言を頂いたと思っております。指摘
点に関しては、部門としてもまさに推進したい
と考えているところです。また、1. (1) (p. 52)
や 2. (3) (p. 123) で述べたことなどを基本と
して、部門としても研究資源の獲得・内部配分
に取り組むつもりです。
エネルギー研究の交付金増額に対する企画
個々の研究グループについての予算配分や
研究者数のデータがないので判断できないが、 本部の理解を得るよう努力します。
エネルギー ユニット全体として「運営交付金/研究者」が
全ユニット中最低であるのはなぜか。エネルギ
利用
ー研究には、資金とマンパワー、更に時間がか
かるものである。
144
B-
B
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
企画本部に対する要望ともなるが、部門内の 当部門の研究予算は、外部からの委託費が大
マネージメントの円滑な実行や委託費の有効 半を占めているが、スペース課金の支払が交付
な運用に向けて、交付金と委託費の間のバラン 金でしかできないためその残金が極端に少なく
電力
なり、委員会での指摘にもあるように部門の運
スをもう少し取るべきではないか。
エネルギー
営に困難をきたしている。外部予算獲得の努力
と成果が自らの不利につながっている現在の制
度・運営の改善を企画本部に要求している。
B
環境管理
ご意見の通りと考える。長期的な展望に基づ
当面は限られた研究資源と連携で研究を進
めていくのは止むを得ないが、早い時期にテー いた人材の育成・確保は、研究部門の重要な使
マの重点化を検討することが必要。また、研究 命と考えている。
遂行には、若手研究者の寄与が大きいので、ポ
スドク以外にも長期展望に基づき新人を絶え
ず採用していくことが必要。
B
環境調和
技術
長期的視点で新しい研究課題を抽出・設定す
マンパワーに対して課題数が多いのは現時
点では止むを得ない。早い時期に重点化、絞込 る過程で早急に重点化を図るとともに、中核と
みを行うことが必要。ただし、特徴をもった基 なる基盤技術を磨き上げていく計画である。
盤研究を育成することを期待する。
B
情報処理
産総研の中で、情報処理の研究職員が 49 人
とは著しく過少であるという点で、委員の意見
が一致した。日本が IT 技術へ重点化を図ろう
としている時、産総研全体の 2~3 割のリソー
スを情報処理分野に投入すべきではないか。取
り上げている研究課題は全て非常に重要であ
り、かけている予算、マンパワーは現在に比べ
て一桁増加させるべきではないか。もし、余り
に過少な人数でやるくらいなら、国としては、
情報処理技術の研究開発はやらないと宣言し
てもらいたいくらいである。
知能
システム
概ね妥当である。各グループの今後の研究の
マンパワーの問題は、難問である。これまで
方向に応じて、マンパワーのダイナミックな再 に固定的な組織の中で活動してきた旧組織の
配分も必要である。
習慣を持つ多く研究者を人的資源とする中で、
ダイナミックな組織運営は、目標とするところ
であるが、達成には多くの障害がある。基本的
には、一部の新組織の仕組みに適応力を持つ研
究者を中核に、共同研究者、客員研究員、連携
大学院学生を組み合わせることで、変化の有る
グループを構築することを目指し、徐々に組織
全体をその方向に移行させるなどして、研究人
材の適切な活用に努力したい。
エレクトロニクス部門の研究は、高価な装置
を必要とするものが多いので、コスト面からも
共通利用装置の整備が重要である。またバイオ
エレクトロ
系やソフト系に比して、コストが高くなるのは
ニクス
常識である。その点からすると、予算はかなり
少ない。なお光熱水料が研究所全体として支援
されているのはよい。
光技術
このコメントは是非とも産総研指導部ある
いは所管している経済産業省幹部にもご覧頂
きたい。一番重要なご指摘ともいえる。国とし
ての施策というか考え方に関わる大きな問題
のご指摘である。評価委員は産業界、大学、公
的研究機関からそれぞれお越し頂いており、そ
の方々からのご指摘あることを十分に産総
研・経済産業省はお汲み取り頂きたい。もちろ
ん、我々も不断の努力は続けていきたい。
各職員当たり平均 700 万円という予算は大
学と比べると少なくない。しかし、光技術研究
部門の研究課題はどれも産業界、社会ニーズの
実現に必要な先端技術であり、総論で謳ってい
るようなブレークスルーの探索、産学官の協力
による新産業の創出のそれぞれにおいて産総
研がリーダーシップをとるにはもうすこし予
算規模、マンパワーを確保する必要がある。ま
た、研究成果が予算に反映されるような仕組み
の導入が必要になろう。
145
-
B
(コメントなし)
C
コメントの通りである。現在外部資金を獲得
するための努力をおこなっているが、産総研自
体のより一層の支援・協力も期待したい。特に
当部門のミッションは社会的にも極めて重要
であると考えており、重点的な運営交付金の配
算も期待したい。
C
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
既に、研究基盤(設備等)の整備が進んでい
る研究機関としては、予算、マンパワーは概ね
生物遺伝子
適切である。各研究グループでばらつきがある
資源
のは、各グループの従来の実績を反映している
ものと考えられ妥当である。
(コメントなし)
B
当部門には集中型研究と通常の研究グルー
プが混在することを理解して頂きたいと思い
ます。全体的人員からポストドク数が多すぎる
印象を持たれたようですが、集中型研究では借
りスペースラボ(OSL)で 3 年間の時限で研究
揮発を行うことになっていることから、多数の
ポストドク及びテクニシャンを雇用するのが
当然と考えます。この集中型研究部分を差し引
けば、ポストドク及びテクニシャンの数は決し
て多いとは言えないのが実情です。本年度当初
配布された交付金は昨年度実績から 25%減で
あり、かなりの数のポストドクを部門として失
っています。幸い産総研内部の競争的資金獲得
において当部門の研究者が努力して研究資金
を獲得した結果、昨年度と並ぶ研究費レベルに
戻ったのが現状です。大学との研究費の比較は
単純ではないと考えます。周知のようにバイオ
の研究でポストドク及びテクニシャンを確保
することは不可欠ですが、産総研では研究費の
中からこれらの雇用費用を支出せざるを得な
いのです。一方企業のバイオ研究に比べれば当
部門の研究費は数分の一であり、企業からの評
価委員の先生は少ないと判断されていたと記
憶しています。一流のバイオ研究施設では一人
の研究員当り純然たる研究費として2千万円
必要とされています。現在の研究費レベルでは
数年後に先端バイオ機器のない研究施設にな
る可能性のあることを指摘させて頂きました。
-
研究者の人数の割には予算が少ないように
思われる。実質的に戦力となる研究者と本課題
に関連する研究者に分けて示すと、本当に必要
な予算、マンパワーが見えてくるのかも知れな
い。部門長の当部門内の予算配分の方針を明示
して欲しい。
予算配分に関しては、昨年度からの継続課題
(特に外部組織との連携課題)の維持を考慮し
つつ、重要課題に重点配分を行ったが、本年は
予算総額が従来より3割減程度になっている
ため、若干縮小している点は否めない。次年度
からは個人あたりの研究成果も勘案しつつ予
算配分を行いたい。
-
具体的な状況(予算の執行状況、研究員のバ
ックグラウンド)がわからないので、判断が困
難である。特に過少とは考えられないが、脳研
脳神経情報
究に関する外部資金が少なくなって来ている
ことを考えると、その分を補填すべきである。
平成 12 年度の実績から比較すると不足して
おり、13 年度において外部資金の獲得に努力
しているが十分ではありません。第2期科学技
術基本計画において、競争的研究資金の拡充が
謳われていることから産総研内外の研究応募
制度の拡充に期待したいと思います。
-
予算は多くはないが、新規に大型設備備品等
を購入しない限り、既存の設備を活用した研究
のできない額ではない。論文にはなりにくいが
大事とされる分野に、物質プロセス研究部門と
して研究予算が重点配分できるよう、部門長裁
量での予算の増額を産総研に望みたい。
ご意見の通り、部門長裁量予算は無いに等し
い状況です。競争的外部資金獲得には努力して
おり、徐々に効果が現れつつあります。研究支
援については理事長特命の検討チームが発足
しているので、そことの関係を密接にし、研究
者の負担軽減、支援充実に努めるつもりです。
B
非常勤職員の人件費が研究費のかなりの割
合を占め、研究の実効的予算は十分でないよう
に思われる。この状況では大型研究機器の購入
などに支障をきたすことが懸念される。一方で
常勤職員当たりのポスドク、テクニシャンの数
は、大学などに比べて恵まれており、これを研
究成果に反映させるよう、より一層の努力が必
要とされる。
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
物質
プロセス
146
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
産総研の交付金は、大学などと比較すれば多
く、潤沢である。やりたい個人研究があれば、
積極的に競争的外部資金の確保に努力すべき
物質
である。
プロセス
研究者に優れた成果が出ると、論文作成を始
めとして、特許取得、広報活動などの仕事の集
(つづき)
中することが往々あるが、産総研が組織として
考えるべきことに、研究者個人に負担の少ない
研究支援部門の充実がある。
現在の資料では評価が難しい。
セラミックスは、その用途が構造用材料から
機能性材料まで広がり、構造も緻密体から多孔
体さらに膜や粉体まで広く、さらに、他材料と
の複合体も考えられます。このように、セラミ
ックスの研究は、関連する多分野の知識・技術
を必要とし、多くの設備と人材が必要と思われ
ます。
-
意見の通りである。基礎素材の運営費交付金
の積み上げについては、もともと全体予算が少
なかった地域研究所からなるグループに対し
て前年度予算等を基準とするつくばと同じ方
法で査定しているので多くなる要素は何もな
かった。これについては、準備チーム、企画本
部に申し上げてきたが現状理解が得られてい
ない。それはそれとして自己努力で解決できる
部分については努力を重ねており、14 年度に
向けて積極的に課題提案を行っているところ
である。
C
部門としても積極的に訴えていく所存であ
機械・製造技術は産業の基盤技術であり、こ
れをおろそかにすると日本の産業の競争力が る。
失われるのではないか。従ってニーズに基づい
た適切な研究が遂行され成果がでるならばと
いう条件のもとで、戦略的な産業創出シナリオ
に対して、戦略的な予算・マンパワーの配分を
考えてよいのではないか。現状は独立行政法人
化の過渡期であるので判断しにくいが、従来に
比べて戦力が削がれた感がある。
B
予算額に関しては、評価委員会の所見に全く
同感である。兼ねてから、交付金の配分額につ
いては、研究の性格や今後の技術課題としての
ナノテクノロジーの重要性から、極めて不十分
な配算であり、産総研としての戦略が全く感じ
られないことを指摘してきた。また、このよう
な額であることの理由についても、その開示を
強く求めてきたところであるが、企画本部から
は意味のある回答はほとんど得られていない。
次年度以降、抜本的な見直しを強くお願いした
いところである。とくに、交付金配分の原則を
再確認し、企画本部が率先して厳守してもらい
たい。例えば、相当なオーバーヘッドを徴収す
る外部資金の額が、交付金額に跳ね返るがごと
きは、企画本部が自らルールをご都合主義で捻
じ曲げていると言われても仕方がなかろう。
C
セラミッ
クス
基礎素材
機械
システム
他のユニットと比較して、総体として、職員
1人当たりの予算が低く、基盤の一つである素
材研究が軽視されているように見える。ドイツ
のように、基礎的・長期的研究(マックス・プ
ランク)-実用研究(フラウン・ホッファー)
の間のバランスがとれるように増額できない
か。また一方で限られた予算をどう有効に使う
か、工夫が必要である。
ナノテクノロジーは、極めて重要な基盤技術
であるため、予算がもっと多くて良いと思われ
る。原子・分子をナノスケールで操作する機器
は、高価であるが、精度の高い装置を持つこと
は、世界的競争に勝つためには重要であり、可
能なかぎりさらに充実する必要がある。
ナノテク
ノロジー
147
別紙6:プレ評価結果 3. (2) 予算・人の過不足
計算科学
・予算、マンパワーとも過少である。特に、運 ・予算、マンパワーが過少であるとの批判につ
いては、ある意味では本部門への応援である
営交付金が少なすぎる。計算機その他周辺設
と思って感謝したい。予算については、全く
備の更新、プログラムの外注、外部との協力
体制を作るためには不十分のように見える。 新しい組織である本部門の活動が具体的な
・スタッフに関していえば、化学ダイナミック
レベルでどの程度のことになるかが見えて
いない段階で予算要求をする必要があり、部
ス分野の人がいないのは問題ではないか。
門長の意向でかなり押さえ気味にしたこと
・計算科学の場合、変化が激しく、若い研究者
は事実である。今年度の活動状況を基礎とし
が活躍できる分野であるのに、若い研究者が
て予算要求する次回には、より実質的に進め
少ないのが問題だ。ポスドクの導入などを積
られると思う。
極的に考える必要があるように思われる。
・部門長の意向もあって、予算、人員が抑制さ ・部門長としては、人員については決して抑え
たことはない。NEDO や JSPS のポスドク制
れすぎている。現状は、志気にかかわるので
度の利用は常に奨励している。(一方、ポス
はないか、危惧されるほどである。
ドクの将来の問題など、深刻な社会問題にな
・現状で計算機資源がどれぐらいあるのかが明
りつつあるという認識も持っている。)
らかでないが、自前の計算機をもつことは必
・計算機資源については、種々の見方が可能で
要であろう。
あり、よく検討のうえ今後の対応を進めた
い。
C
(c)研究系
研究系
人間系
生活環境系
委員会のコメント
ユニットの返事
委員
会の
評点
精密な解析になると億単位の機器が必要にな
予算とマンパワー、設備などの関係は妥当で
あると考える。しかし、現在のライフサイエン る。産総研全体での整備も視野にいれつつ、人
スの進行から考えると当然必要とされる大型機 間系としても外部資金を積極的に獲得する努力
器の購入が難しいレベルの予算になっている。 を以前にも増して進めて行く。
今後は外部資金の獲得を積極的に図ることが重
要である。
B
次期テーマの萌芽を促す分野融合研究や、外
部との連携を推進するインセンティブとして、
系長裁量の研究予算を設定したく考えてきまし
た。しかし交付金の研究員あたりの配分額が、
全ユニット中でも最下位に近く、系長裁量の研
究費が事実上用意できない状況にあることは残
念です。
B
グループによって予算に大小があるが、研究
課題を中長期的に考えると妥当である。モティ
ベーションを与えるために、予算の少ない基礎
的傾向の強いグループなどに対して系長による
予算調整が望まれる。
148
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
4.プレ評価委員会のまとめ
(a)研究センター
研究
センター
深部地質
環境
活断層
委員会のコメント
ユニットの返事
1) 本研究センターの事業は、社会的要請と行政の責務で
ある。学術的な面から極めて意義深く、強力に推進して
いただきたい。
2) 当初の計画書には、具体的記述が乏しく、評価が完全
に行えるか不安であったが、プレゼンテーションが効果
的に行われたお陰で、非常に多くの適切な情報が与えら
れ、評価が十分行い得る状況となったことに、謝意を表
したい。
3) 社会的公平性は、研究が、サイエンティフィック・コ
ミュニティー(学術誌や学界)から評価されることによ
って得られるので、諸研究は、単なる報告書としてだけ
でなく、一般誌などでの公表が望まれる。
4) 各研究チームと各研究者の研究ポテンシャルの維持を
お願いしたい。そのためには、研究センターの幹部が、
しかるべき上位機関との関連で、研究の方向とポテンシ
ャルの維持のために、十分交渉を行い、研究環境の維持
に勤めていただくように、お願いしたい。
5) 本センターの研究は、地道な基礎研究と、その社会へ
の応用とから成り立つので、新しい発展の芽と方向を見
失わないようにすべきと考える。
(コメントなし)
長期的・先導的研究については、より具
大きな目標に対して意欲的に取り組む当センターの姿
勢は評価できる。知的基盤整備を推進する上で予算・マン 体的に検討を進めたい。
パワーが不足と思われるので、産総研としても配慮が必要
である。緊急的課題を扱う研究センターとして動いている
部分は現状でよいが、短期的研究にとらわれず、活断層研
究的立場にたって、長期的永続的な課題にも取り組んで欲
しい。4 年間の成果を結実させた先につなげる方向性が望
まれる。また、知的基盤整備を目指すことと社会に役立つ
先導的研究が 2 本柱とされているが、目標・計画には知的
基盤整備しか読みとれず、先導的研究は目標に明示されて
いない。知的基盤研究だけでは国際的競争に打ち勝つとい
う貢献はできない。次期の研究計画も視野に入れた、先導
的研究の目標を明記すべきである。
横糸研究では、外部に出す以前に、外部
ミッションオリエンティッドのセンターとして、研究課
題の設定その他が適切に行われている。成果の公表、普及、 専門家にレビューを依頼する方針である。
化学物質 維持管理を積極的に。独法化で拡がった自由度を活かして
センターの運営を行うことが重要。横糸研究では、研究の
リスク管理
進展に応じて国内外の関係者の参画を考慮されたい。産総
研として、化学物質以外のリスクについても同様のセンタ
ーを設置することを検討することも必要。
組織として、社会ニーズに対応してこのようなセンター 1)
を作ったことは評価される。評価を中心に置き、分子設計、
合成を配した研究グループ編成は適切である。特許戦略を
重視する姿勢も注目される。スタンダードとしての信頼を
フッ素系
得るための国際的努力、特許戦略への研究員の意識改革、
2)
温暖化物質 重要分野への人材投入が今後の課題。
149
産業界がオゾン層保護対策ほどに積極
的でなく、経済省もフッ素系温暖化物質
対策には苦慮している。それだけに経済
省の政策提言を下支えする本センター
の科学的アプローチが重要となる。
センターの基軸となる新評価指標の確
立に基づいて、用途別にベストの代替物
を評価・選択し、実用化を促進する新規
プロジェクトの提案が目下の最大の課
題である。
別紙6:プレ評価結果
ライフ
サイクル
アセス
メント
4. 委員会のまとめ
エネルギー評価チームの位置づけがはっきりしな
全体として、中期目標に照らした場合にエネル
い。中期目標のミッションの記述との不整合が見ら ギー評価チームの位置づけが不明確であること
れる。
が問題と認識する。中期目標では、環境評価チ
ームの課題である LCA を前面に出しているの
で、ミッションとの整合性を重要視するなら、
LCA 研究を支えることがエネルギーチームの課
題と位置づけるように示唆されたと受け止め
る。一方、エネルギーシステム分析は、LCA の
基礎のみならず、他にも活躍の場面が多い研究
領域である。評価委員の先生方は、エネルギー
システム研究の第一線でご活躍の先生方なの
で、当センターのエネルギーシステム研究を、
もの足りなく感じられていると理解する。エネ
ルギー評価チームには、LCA を支える研究のみ
ならず、他の部分でも大きく飛躍することを期
待している。LCA 研究を支えるというミッショ
ンとの整合性を重視しつつ、評価委員の先生方
のレベルに早期に到達するよう、エネルギー評
価チームを育成したい。研究対象とすべき分野
の範囲に比して少ない人的資源をいかに有効活
用するかが今後の課題である。
当センターの研究を積極的に進めていってほし
い。国際レベルに負けないような研究成果を上げて
産業界の期待に応えられるよう努力進展してほし
い。今回の資料だけでは判断できないが、今後は当
センターの評価とともに産総研全体の枠組みについ
パワー
ても評価することに意味があるのではないかと思わ
エレクトロ れる。なお、評価を行うに当たり明確で無かった点
を述べたい。第一点は、本センターのように既に国
ニクス
家プロジェクトとして他機関と共同で研究が進めら
れているような場合、評価対象研究範囲としてどこ
まで含まれるのかが明確でない。第二点は評価対象
研究期間が明確でない。引き続く成果評価の際に評
価が困難にならぬよう明確化を望みたい。
生命情報
科学
世界では、米国バージニア工科大に置かれた
CPES(Center for Power Electronics Systems)
やドイツフランフォーファ(エルランゲン、ベ
ルリン)などパワーエレクトロニクスの革新を
目指したセンターが動いている。SiC に関して
は ABB、シーメンス、クリーのパワーエレ実用
化へのピッチは上がっている。こうした動きの
なかで、負けない戦略(先取り研究と状況に対
する柔軟な対応)を練ると同時に、パブリック
セクターとして持続的発展に向けての世界的な
レベルでの共同戦線も必要と考えている。ご支
援をいただきたいと考えている。センターの立
場としては、センターの評価はプロジェクトと
一体不可分と考えている。
・このセンターの課題の設定については妥当である。 ・妥当であるとご評価頂いた現在の課題設定に
沿って、できるだけ多くの成果を生み出すよ
・バイオインフォマティクスの分野は広くて設定さ
う努力を重ねたい。
れた課題で全てをカバーしているわけではなく、
バイオインフォマティクスの研究の進展は速いの ・バイオインフォマティクス分野の速い進展に
対応するため、研究目標は常に再評価と見直
で、将来はチームの再編あるいは新しいチームの
しをかけていきたい。戦略性を重視して研究
創生を含め柔軟な対応を図っていただきたい。
センターを設立したのだから、目標の遵守は
・なお、本センターがバイオインフォマティクス関
極めて重要と考えるが、一方でそのような目
連の人材育成を目指していることは産総研の社会
標すら修正を余儀なくされる可能性のある分
的意義に鑑み適切である。
野であることは常に忘れないようにしたい。
何を成すことが産総研としての重要な社会貢
献であるのかを柔軟に考慮した運用を図りた
い。チームの再編や創成は、職員の人事待遇
の問題とリンクされてしまっているために現
実的にはいくつかの問題点がある。現状では、
チームの枠を越えた協調を奨励することで、
このような硬直化の問題に対処している。す
なわち各チームは、目的をもった「目的集団」
であると同時に、それぞれの専門分野の「職
能集団」としても機能しており、他の目的集
団(チーム)のために職能を貸すような考え
150
別紙6:プレ評価結果
方が当センター内では徹底している。チームを
またいだ自由な協調が行われており、これで組
織の硬直化の問題は著しく軽減されると考え
られる。しかしご指摘のように、たとえば 3
年程度の一定期間の経過後には、チーム構成を
抜本的に改造して、その時点での研究実態に合
わせるべきではないかと考える。
・当ユニットは、バイオインフォマティクス分
野の人材育成を特に目指している。この点はポ
リシーステートメントで述べた「従来の分散的
拠点では実現できない、新たな大規模拠点なら
ではの貢献」と考えている。プレ評価の後に、
文部科学省の新規課題(人材養成)の審査結果
が出て、当ユニットは人材養成機関の一つとし
てこの予算に採択された。これにより、さらに
多くの研究人材をポスドク等として受け入れ
る事が可能となる。我々は産総研ならではの特
長を活かし、産業界からの人材、連携大学院の
学生、あるいは分野転向を図る個人研究者など
を広く受けいれて、バイオインフォマティクス
の人材養成のための一大インキュベーション
センターとなることを、研究ミッションの確実
な遂行と並行して鋭意進めていく決意である。
この人材養成の使命についても、評価委員の先
生方にご理解いただけた点は、大変にありがた
く思っている。
生命情報
科学
(つづき)
生物情報
解析
4. 委員会のまとめ
期待にこたえられるようにしたい。統合データ
完全長 cDNA 解析に基づき、その機能解析、構造
解析、それらの統合データベース化が有機的に結び ベースグループをどこに設置すべきか、出資母
ついた特徴あるセンター作りをして欲しい。統合デ 体の性格にもより簡単ではない。将来的には、
ータベースグループの主メンバーは遺伝研との併任 DDBJ をどこに置くべきかなどと含めて考える
なので、場所を遺伝研に設けても良いのではないか。 べきことである。当面は、連携を蜜にとること
特に、データベースのアノテーション(注釈付け) で対応する。その際、グループリーダーが併任
を行うには生物学的素養を持った人材が重要で、近 であることは、重複を避けるのにはプラスであ
くに多種生物の遺伝学の専門家がいることは大きな る。プロジェクト研究の多発足による人材の分
助けとなると考えられる。統合データベースを作る 散という懸念には、拠点が多数形成され、研究
際には他機関、他プロジェクトとの連携を密にし実 場所が拡大し、そこでも人材育成ができるとし
施しないと、少ない人材が分散してしまい、似たよ て、プラスとなる方向にもっていかねばならな
うなプロジェクトが乱立することになる。これは国 い。
家戦略として非常にマイナスで、このようなことに
ならないように十分に注意が必要である。
医療産業に大きな影響をおよぼし、かつ国際的競
争の厳しい分野である。外国特許等の情報を常にサ
ーチする専任のスタッフがいるのが望ましい。特許
申請も弁理士まかせでなく研究者がかなりの力を投
入しないと、いい特許は作れない。この点について
は、AIST としてどのようにサポートしていくのかも
ティッシュ 重要なところである。関西には「ティッシュエンジ
エンジニア ニアリング」を行う機関として、発生・再生科学研
究センター(理研)、再生医科学研究所(京大)、
リング
先端医療センター(神戸市)等々があり、当然それ
らと密接に連携しながら、かつ独自のものを出して
いく必要がある。この TERC のミッションとして、
それは「産業化」を念頭に置いたものになるべきで
あろう。またその際には省間の壁も問題で、例えば
再生医療のガイドラインもまだ日本にはないので国
として、早く制定する必要がある。
151
企業のバイオ関連の研究者で特許管理部門の
経験者の採用を考えている。これまで工技院時
代以来、医療用具の標準化、規格化に従事して
きた経験を生かし再生医工学分野で世界に先が
けたレギュレーション作りに関与していきた
い。
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
(コメントなし)
ジーン
ディスカ
バリー
まず第一に述べたい事は、このプレ評価の殆どの課題は、
そもそも産総研が改組するにあたりまず考慮し、それに添っ
てセンター等、ユニットの設立がおこなわれるべきものだっ
たものである。つまり、本来産総研改組の審議の基準として
採用さるべきものであった。現時点で、グループ間の関連相
互協力、センターのまとまり等について、このセンターの責
任事として評価の対象にされても、どうにもならないし、意
味が無い。このセンターは、もともと、リボザイム技術開発
が核になるプロジェクトとして、出来てきたと理解してい
る。しかし、それだけでは、センターとして成り立ち得なか
った事情があったのであろうし、旧生命研からの研究者の移
行も勘案されて(既に他の機会でも述べたような)、このセ
ンターが成立した過程がある。この過程の終末期になって私
が招聘されてきた経緯は十分に理解して頂かないと、私はこ
の時点でのセンター経営の責任を負えないし、又センターの
存続すら意味が無くなる。諸困難のあるセンターの初期状況
の中で、私は“基本理念を高質の基礎研究の遂行と、新知見
の産業移行に置く”事を明確にし、センターの研究者諸君に
も徹底理解させている。この一見、当たり前の理念は、実は、
入り口よりも出口での重い責任を自らに課したものであり、
産総研にとって非常に重要なものであると信じる。センター
を充実し、その重点分野の形成は、これから成されなければ
ならない事であるが、重点分野の一つをエイジング生物学、
特に血液、循環器病その関連周辺、に置き充実して行く方針
は既に立っている。
第二に、プレ評価の過程を通して感じる事は、既に産総研
が管理研究を志向して、本来目指すべき、創造性の高い研究
が出来にくい状況を、無意識的に作ろうとしているのではな
いかという事である。生産的ではない、型にはまった研究管
理は止めて欲しいし、折角独自性とフレキシビリティー、ト
ップダウンの運営をセンターに任せたのなら、センター長を
信じ、任せて、ポジティブインセンティブサポートは行って
も、形式上の管理のための評価などは、やるべきでないと強
く求める。研究評価は、少なくとも、2-3 年のスパンで考え
て欲しい。特に最初一年はこのセンターにとっては、混沌と
した準備期間でしかない。この時点で、早くも管理型評価シ
ステムを取れば、産総研は研究活性化の為の千歳一隅の改革
機会を失する事になる。産総研として是非やって欲しい事
は、効率的で創造的研究遂行のためのインフラ構造の整備
(ハードとソフト両面)、優秀な外部研究者を各ユニットに
おいて厳選して取れるシステムの整備(つまり外部に開かれ
た人の流動化が可能なシステム創出)、インセンティブ予算
編成など、沢山ある。
第三に、このセンターの外部評価会員には、センターとの
コネのない方々を選び、辛口の評価をお願いしている。評価
は所詮人が行うものであり、必ずしも公平なものではない場
合が生ずる。今回のセンタープレ評価を通して、早くもこの
センターの成立過程、研究、理念に関して評価者の理解が脆
弱である事が明らかになった。従って、出てきたスコアーだ
けで、ユニット間の比較をする事は余り意味のある事ではな
いし、今回のような評価スコアーが何らかの形で予算配分に
反映する事があれば、なにおかをいわんや、である。
産総研の確固とした目的、理念に基づいて、実質の成果に
よってユニットの評価、予算配分、存在価値判断はされるべ
きものだ。このセンターは派手な大輪の花火を打ち上げて観
客に見せようとするのではなく、高質の研究を通して、根の
生えた花を咲かせ、実質産業に有用な知的財産の創出を追求
するものである。
152
別紙6:プレ評価結果
(1) 第一に、新たな国際競争力のある市場創出に役
立つ研究に向けて努力することが期待される。
しかし、センターの研究開発成果は、社会的還
元を最終目的とするも、新しい研究分野での挑
戦もあるので、独創的で、国際的にオリジナリ
ティーの高い基礎技術の醸成・育成にも十分力
ヒューマン
を注ぐことが大切である。
ストレス
シグナル
強相関
電子技術
次世代
半導体
サイバー
アシスト
4. 委員会のまとめ
ストレスという、重要性が認識されているのに、
これまで正面から取り組まれていない課題につい
て、生化学、化学から生理学、人間工学、そして
心理学まで広く横断的に研究を実施し、基礎科学
の進展、関連産業の創成を目指したい。ストレス
を幅広くヒトへの刺激、シグナルと考えるが、研
究を進め成果を上げる過程で具体的に目に見える
ものとしていきたい。
(2) センターとしてストレスの定義を明らかにし、
その上でストレスバイオサイエンスの研究と
ストレス関連産業の興隆育成を図るべきであ
る。またストレスの定義を明確にするために、
理想的には、ストレスのミクロ的解明とマクロ
的解明の間を結ぶ研究課題が必要であると思
われる。
本センターが掲げる強相関電子技術は我国から
発信する技術となり得る研究テーマであり、慎重に
かつ果敢・動機的に推進・運営されることが望まれ
る。参加している研究者は超一流であり、レベルの
高い研究成果が期待される。非常に基礎的な電子物
性探索における新しい概念形成に挑む原理探索的
研究の展開を目指す一方で、それを出発点にした素
子の実現・実証をも視野に入れた組織構成となって
おり、通常の基礎科学研究とは異なった目標を設定
している点を高く評価した。本テーマのように応用
を鮮明に意識した基礎研究は大学における今後の
研究の方針策定にも大きな刺激となる。このような
組織では、それぞれのチームが緊密に連携して研究
を進めることが重要となるので、この点を十分意識
した運営管理支援体制が必要である。とくに矮小化
された成果に左右されない長期的視野に立った支
援体制の確立に、産総研の見識を期待したい。
(コメントなし)
内外ともに激しい競争にさらされている分野で
当センターでは、時間的制約を十分に考慮しな
あり、外の動きに対して柔軟に対応しつつ、りっぱ がら、科学的な知見に基づいた技術開発を展開し、
な成果がでるように、大いに期待したい。
実用的な成果を産業界に移転することを目指して
いる。評価委員各位には、今後も、適切なご指摘
をお願いしたい。
・個人の中心のユビキタス情報社会を目指す研究の ・リソース配分に関してはセンターではなくて、
産総研へのコメントと受け取っている。我々と
意義は大きい。デバイスから知的コンテンツ・サ
しても(上述のように)外部資金獲得に努力す
ービスにわたる個人ベースの研究を深耕し、セン
るが、常勤研究者の人材割り当てに関してはど
ターが内外の研究者と連携して新しい応用を開
うしようもないので、企画本部の理解を望む。
発する必要がある。予算とマンパワーは過少であ
り、リソースの増強とダイナミックな配分をしな
いとインパクトのある研究に発展させるのは難 ・全体的に、目標やテーマの設定は良いが、それ
しい。
を実施する体制が弱いとの評価であると認識し
ている。これに関しては我々も同感であり、リ
ソース獲得に向けて社会への更なる働きかけを
・なお、委員の総意は、コメントとして述べた点に
続けるつもりである。
主に表されている。評点の A, B, C を機械的に処
理することで良しとすることのないよう、特に希
望する。
153
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
A 委員:
ナノ・マイクロメーターオーダーの幾何学的構造やエネルギー状態
等に起因する現象や効果を、工学的に有意義な機能としてマクロスコ
ピックに発現するナノ機能構造体の製造技術の基盤を確立することを
目的として研究を推進することはナノテクノロジーの根幹であり、社
会的意義は概ね妥当である。
上記目的に対して、3つの具体的目標(研究テーマ)を立てている
が、研究テーマ間の関連が今ひとつ明らかではない。センター長の強
力な指導の下に、実効の上がるように具体的な目標を立てる必要があ
る。
これらに加えて、ミクロ・ナノスケールの現象の総合的・基礎的な
現象解明のための研究課題も必要である。また、研究課題に対して予
算規模は少ない。今後の予算獲得に向けた努力が期待される。
センターの目指すコンセプ
トとその社会的意義は評価さ
れたと考える。これを短期間
で具現化するための方法は単
一ではないが、制約条件の中
で、センター内と外部協力者
のポテンシャルを集約して最
大のインパクトを与えられる
ように、研究課題全体のバラ
ンスと連携を不断に見直しつ
つ運営する。また、学問的に
もナノ機能、ナノ加工、広域
発現化技術の体系化に取り組
み、世界をリードできるよう
B 委員:
に努力する。さらに、国内外
新たな機能発現を目指したナノ機能構造体製造技術の基盤確立は、
にナノ機能広域発現技術の重
ナノテクノロジーの根幹であり、同技術を確立する事の社会的意義は
要性を説明し、この分野の研
大きい。しかし、この目的を実現する上で計画に設定された研究課題
究者を増やすことを目指す。
は必ずしも充分ではなく、少なくとも同機能を発現させる為の研究課
特に、研究センターとしてポ
題の設定が必要と思われます。また、本研究の社会的重要性から考え
テンシャルを持つ、レーザー
ると、より強力な研究組織の構築が必要で、マンパワー、予算規模等
を活用するナノ加工、機能創
を再考する必要があると思われる。
成の分野で、革新的な成果を
挙げることに重点を置く。
C 委員:
今後とも、大きな目標に向け
1.研究目的について
てセンターで行うべき課題の
ナノサイエンス、ナノテクノロジーが 21 世紀の科学技術のスタート
に必要不可欠なテーマであることは疑問の余地がない。一方、ナノス 設定や課題への力のおき方等
ケール構造の製造技術は今だ未開拓で、そのための研究をスタートす について、学界・産業界の意
見や動向を反映しつつセンタ
マイクロ べきであることも、明白な事実である。本研究センターの研究目的は、
ー長の責任で随時見直しを行
科学技術の発展上、また、我が国の国家戦略上も重要である。
・ナノ機能
う。長期的な目標と、中・短
2.研究の背景について
期的な目標について、産業技
ナノスケール構造が生み出す新しい機能の発見と理解がナノサイエ
術としての発展と学問的な体
ンス、ナノテクノロジーであるとすると、必要な構造を設計し、それ
系化を強く意識して、具体的
を製造するというナノ構造製造技術は、さらに深い理解と技術的発展
を必要とする。最初に指摘したいことは、製造技術の開発は、先端科 に設定し、設定した研究課題
の解決に向けてセンターのポ
学の研究より、はるかにむずかしい研究である、という点である。
マイクロ構造製造技術からの発展は不可欠の要素であり、当研究セ テンシャルを集約して最速・
ンターがマイクロ・ナノ機能発現として、マイクロからナノへの発展 最大の成果をあげるべく努力
を指向するのは、技術発展の必然である。半導体製造で大きく発展し する。
また、より強力な研究組織と
たマイクロ加工技術も、電子技術が回路内に閉じ込められた電流制御
して機能するように、外部資
で十分なために、2 次元平面加工が中心であり、3次元マイクロ加工
金の獲得、新たなマンパワー
は現在でも端緒についた段階である。
一方、当研究センターが目標とするマイクロ・ナノ機能発現は、本 の獲得に向けて最大限の努力
質的に、物質の微細構造によって物質の特性に人為的な変化を加える を継続的に行う。
か、または、マクロ的には隠されていた機能を発現させようというも
のであるから、その微細構造は本質的に3次元構造でなければならな
い。しかし、人類史上、本当の3次元構造制御によって、新しい機能
を自由に作り出すことができるナノ加工が実現するには、膨大な時間
と経験が必要である。トランジスタの発明から、現在の電子社会の実
現にかかった時間と、その実現のために費やした努力の大きさを考え
ると、ナノ構造の理解とその機能発現は、さらに大きな課題である。
3.重点課題について
当研究センターの研究目的を達成するためには、3 つの重点課題が
有機的に結合、相互補完をしながら発展することが重要である。現状
では、3 つの重点課題間の連携、相互補完関係が必ずしも明確でない
ことは、プレ評価委員解でも指摘されたとおりである。一方、当研究
センターの目標とするマイクロ・ナノ機能発現は、製造技術のみなら
ず、化学技術上の観点から見ても、巨大な研究テーマであり、3 つの
重点課題のみで実現できるわけではない。3 つの重点課題の関係が強
154
別紙6:プレ評価結果
すぎると、最終的には、小さな研究目的内に収斂してしまう危険性もあり、相互関
係が密接であることが、ただちによい研究体制だということもできない。
研究テーマの独自発展と、それらから生み出される成果の共有を通じた相互刺激
を、適宜、組み合わせて、最適な研究計画の遂行をすることが求められ、研究員の
自覚的交流とセンター長の指導性に期待するところが大である。
マイクロ
・ナノ機能
(つづき)
3-1 ナノ微粒子生成、分留関係について
ナノ微粒子が界面効果、量子効果を発生することは、かなり古くに発見された。
我が国でも、大阪大学の白木教授のグループがシリコン・ナノ粒子による発光現象
を観測したのは、80 年代である。その後、ナノ粒子の製造法にレーザーアブレーシ
ョンが使われるようになり、ナノ粒子の研究は広く行われている。レーザーアブレ
ーション法によるナノ粒子性性の目的は何かを明らかにする必要がある。科学研究
用には、化学組成比を保ちながらナノ粒子を発生することができるので有利な方法
であるが、一方ではイオン、中性原子から凝縮させる過程は、単なる環境制御であ
り、選択性を入れる余地が少ない。ある意味で、自然に凝縮する過程を利用してい
るのみなので、特定のサイズのナノ粒子を効率よく生産するという製造技術に繋げ
るには、どの方向が重要かを考慮する段階にある。現在の方法は、あくまでもナノ
粒子生成とナノ粒子の基本物性の理解に役立てることが目的であり最終目標ではな
い。
ナノ粒子の分留技術は、基本物性の理解のために必要不可欠なプロセスであり、
同時に、流体力学と電気力を併用したある種の質量分析法は、今後のナノ粒子分留
にとって、基本技術として重要である。これらの研究を通じて、ナノ粒子生成に働
く基本的な力、凝集力とナノ粒子を分離して扱うことのできる技術の基本が理解で
きることが重要だと考える。
次に、ナノ微粒子を利用したデバイス製造技術への発展については、現時点では
未解決に見える。ナノ粒子を個別に利用してデバイスを作るのではなく、ナノ粒子
相互間の機能協調、コヒーレンスの存在などが重要になると考えられる。太陽電池
などへの応用では、必要ないとしても、本来のナノ機能広域発現という観点からす
ると、規則配列や機能性物質のような人為的デザインが、ナノ粒子の持つ基本特性
の強調、制御につながるような方向の研究への発展を期待する。
3-2 マイクロ・ナノ構造転写技術
マイクロ・ナノ加工の最大の問題点は生産性の高い技術であり、転写、複製技術
の重要性は従来技術の比ではない。マイクロ・ナノ構造素子は、超高集積デバイス
になるのは当然であり、微細化された分だけ生産性が向上しなければ、実用化され
ることはない。現時点のナノテクノロジー技術は単一の素子を作るための基礎技術
であり、将来、転写、複製技術が必要となる。ただし、これまでマイクロ微細加工
で開発されてきた転写、複製技術が、ナノ領域でも有効かどうかは、疑問の余地が
あるところである。なぜなら、原子サイズから見てまだマクロなサイズであるマイ
クロ構造体と、原子サイズに近いナノ領域の転写、複製では、異なる力、変形が支
配するはずだからである。したがって、本重点研究課題が重要な役割を期待されて
いるところは十分理解できる。
精密モールド技術の研究対象として、ガラス金型を用いて、成形中のポリマー重
合条件や熱変形を研究しようというのは、直接計測から研究しようという研究機関
の研究として理解できる方向である。ただし、実際の精密金型やガラス成形に応用
しようとする場合、異種の成形材料、金型の間に単純な拡大則が成立するかどうか
については確証がない。特に、高分子の重合、液層から固相への変化、温度均一化
に果たす滞留の影響など、条件が異なると、基本原理が変わる可能性がある。それ
らを越えた一般化を実現するには、単なる実験的データ集積ではなく、理論解析と
深く結びついた計算機シミュレーション、デザイン技法にまで発展させる必要があ
る。
対象として、遠近両用レンズなどが考慮されている。直接的な社会的応用という
点では優れているし、頭脳によるイメージ再構成とつながるために、収差に関する
要求が緩和される利点はあるが、一方、技術開発の尺度としては、より純粋に光学
特性が要求される最先端光学素子をおく方がよい。
転写技術を磨くためには、マスター光学素子がサブマイクロからナノスケールの
ものを対象に技術開発を行うべきである。そのためには、電子ビーム描画装置を活
用してマスターを製作し、計算機ホログラムやバイナリー光学の転写、複製を技術
尺度にするべきではないかという印象を持った。さらに、製造技術という観点から
すると、例えばファイバー、フォトニックファイバー、さらに円筒マイクロレンズ
の製造に使われているような 2 次元断面形状の保存則の利用のような手法の開発が
155
4. 委員会のまとめ
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
重要である。マイクロやナノ構造を直接作成するのではなく、マク
ロ形状の形成が、マイクロ・ナノ形状のプリフォームとなる手法が
あれば、いかに有効かは、現在の光ファイバーの製造法を見れば明
白である。
3-3 半導体レーザー、冷却技術などについて
半導体レーザー関連技術では、冷却技術の重要性が強調されてい
る。確かに、冷却技術は高出力半導体レーザーの特性を決める要素
の一つであるが、位相同期に関しては、光技術、それもコヒーレン
ト光結合の研究が最も重要で、冷却技術は副次的である。しかし、
冷却技術は古典的で、解決がむずかしいことが事実で、この研究の
重要性が損なわれることはない。熱伝導に関して、新しい冷却素子
やナノバブルの研究が考えられている。これら基礎的な研究は、マ
イクロデバイスの冷却技術一般に関する新しい知見を生み出して
くれると期待したい。ナノデバイスが実現したとして、それらに必
要な冷却技術は必ずしもナノスケールではない。この点では、ナノ
に必要な技術を広く捉えるべきで、ナノという言葉に捕らわれては
いけない。他の重点課題との関連で言えば、半導体レーザーなどの
マイクロ 位相同期に関して、回折光学系によるチャンネル間結合、回折パタ
・ナノ機能 ーン制御などの研究が重要である。この点では、電子ビーム描画装
置を活用して、計算機ホログラム的に、回折再生像を設計し、位相
(つづき) 同期による中心パターンへのエネルギー集中効率を高める研究が
重要である。旧機械研にはホログラフィーや干渉計の研究に関する
よい伝統があるのだから、マイクロ・ナノ機能広域発現研究センタ
ー以外の研究グループとの相互交流も期待される分野といえる。
4.終わりに
プレ評価が何らかの刺激を与えることを期待して、広い問題につ
いて指摘した。これらの指摘には、的はずれも存在することは避け
られない。評価委員としては、的はずれを恐れるよりも、必要な刺
激を与えられないことを恐れるので、あえて確証のない問題につい
ても指摘した。同時に、研究を遂行するに当たっては、当初の研究
計画の変更や新たな研究計画の導入を積極的に行うことを期待す
る。研究目的を達成することがゴールであり、当初の計画通りに研
究を行うことが目的ではない。未解明の問題があるから研究なので
あるから、当初計画にはすべてが含まれているわけではない。逆に
言えば、当初計画を達成しただけでは、研究センターとしては、研
究を発展させることに失敗したという事である。新しい知識、発展
をどれだけ生み出せるか、ということが研究評価のポイントである
ことも、プレ評価に当たって指摘しておきたい。
研究の課題は興味深い。最終目標に関しては、もう少し具体化を
図ることを望む。研究課題と取り組む意欲、並びに準備への努力に
ついては評価したい。なおコメントに記載された評価に留意しなが
ものづくり
ら期待される成果の具体化を進めてほしい。なお成果の波及先につ
先端技術 いては、中小企業のみならず大学・高専等の教育機関も対象に含め
てほしい。高い目標を目指すのは理解できるが、多岐に渡るので重
み付けをして推進していただきたい。
評価時点から 7 月現在まで、
NEDO 公募がなされていない。公
募に対する提案書、採択後の研究
開発において、プレ評価委員会委
員から頂戴したご意見を反映し
ていく。プレ評価のやり方につい
ては、評価者との十分な討論があ
ることが必須と考えています。
世界の研究者が集まる日本の高分子研究のセンターになるよう
に期待する。将来的には、テーマを選別して、人員を集中すること
を要望する。このセンターで若い高分子研究者を育てることも期待
する。高分子のナショナルセンターに不可欠のポリマーの物性評
価、構造解析のパートを強化すること。循環型社会の中の高分子技
術はどうあるべきかという視点が抜けている。ここに力を入れない
と高分子産業の将来はない。
評価委員の先生方のご指摘を
真摯に受け止め、今後のセンター
運営に努めていく覚悟でおりま
す。重要なご意見ご指摘を有り難
うございました。「循環型社会の
中の高分子技術のあり方」をセン
ターにおける研究にどのように
受け止めるか、高分子学会、化学
技術戦略推進機構での議論とと
もに出来るだけ早く結論を出し
たいと考えます。
高分子
基盤技術
156
別紙6:プレ評価結果
研究内容は概ね妥当。世界に誇れる独自の研究成果を出
していただきたい。そのためには研究課題を選別し、集中
化することが必要である。一方で、来年度以降の予算の減
光反応制御 少が心配である。また、産総研は大学と企業の中間という
より大学よりに位置しているように見える。もっと企業側
による必要があるのではないか。しかし企業と同じ研究で
は意味がなく、次の産業を念頭においてほしい。
新炭素系
材料
4. 委員会のまとめ
世界に誇れるような独創的な研究成果
を目指して頑張りたい。またご指摘のよう
に成るべく、研究課題を集中するようなマ
ネージメントを行いたい。H14 年度予算に
ついては H13 年度予算並に確保できるよ
う頑張りたい。企業には出来ない、独創的
な研究開発を心がけたい。
プレ評価でのプレゼンテーション資料を早い段階でホ
コメントに従って、ホームページ作成の
ームページなどに公開することを望む。
ためのワーキングチームを設定し、準備を
進める。
全体としては、高い評価を与えることができる。点数と
しては 80 点くらいと思われる。補足する点としては、研
究に克服しなくてはならない課題が多いので将来研究テ
シナジー
ーマを絞る必要があるだろうということと、産業技術への
マテリアル 展開を常に視野に入れた研究活動をしていただきたいと
いうことである。実現の可能性はともかく、目標を高く持
つことは重要であり、この点で高く評価できる研究センタ
ーといえる。
(コメントなし)
プレ評価委員会のご指摘を参考にして、
全体として、プロジェクトの課題設定・運営方針は適切
であると判断される。ただし、目標の具体的な記述に心が 1期の目標を達成する成果をあげるべく
超臨界流体
けると共に、コメント欄において指摘した諸点について注 柔軟にセンターを運営していきたい。
意することが望まれる。
産業界との連携を高めるために、このセンターが国内の
中心として産業界に発信し、また日本側の情報交流の窓口
となるように努力して欲しい。グループとしては成果があ
がるだろうが、研究者一人一人が独自性を出すことを常に
意識して研究を進めていただきたい。アメリカの後追いと
ならないようなオリジナリティー溢れる研究を進めて欲
しい。成果を「もので示す」という姿勢を貫いてほしい。
センターの存在を認知していただくた
め、各種研究会にて広報活動を進める。日
米 WS、他省庁の研究所との交流会、未踏
科学技術協会の WS、学振 124 委員会での
発表活動および一般公開日の展示である。
センター長ステートメントに基づいた TL
の研究計画のもとで各研究員の研究計画
が管理されており、特に独自性を見極めた
うえで論文発表や特許出願を行っていく。
マイルストーンを物で示す姿勢は最後ま
で保持していく。
産総研はナノテクノロジー全体に対する戦略を明示し、
このセンターの任務設定を行うべきである。そうでないと
センターはミッションを果たせない。さらに、ナノテクノ
ロジー関連研究ユニットとこのセンターの役割分担を行
う必要がある。その後で、はじめて、有機合成分子をベー
スにして分子のアセンブル(集積化)を重点的に行うとい
う位置づけで流れが理解できる。このままでは、前提が確
界面ナノ 認できないため評価ができない。当センターから提案され
たデバイスのイメージは練られていないため、早急に新し
アーキテク い提案がほしい。センターが開発するユニークな分子に対
トニクス して、分子のもつどのような機能を狙うのか、分子レベル
で明らかにし、その機能を発現させるためにどのような技
術(手段として集積化などもあるだろう)を開発しようと
しているのかを明らかにしてほしい。社会への還元を考え
て新産業創出を言っているのは評価できるが、新規性が見
えない。例えば、ドラッグデリバリーシステムなど新しい
タイプの分子システムの提案が重要であり、無理に急いで
エレクトロニクスなどの類似デバイスに結びつける必要
はないと思われる。
個々の事項でコメントは記載済み。総合
的に見て、今回のプレ評価はユニットごと
の特色ある設計に対して評価をするので
はなく、あくまで一義的に同一質問で行わ
れ、しかも判断するための提出資料の内容
と設問との整合性に欠け、評価側および被
評価側に多くの疑問を残した。当センター
では、例えば、東大大学院新領域創成科学
研究科との大学連携も意識しているが、そ
ういった組織設計に対する是非、コメン
ト、あるいはユニットが抱える固有の問題
点に対する意見やコメント、あるいはナノ
テク戦略における産総研の役割への期待
内容、方向性などについても評価委員会と
してのコメントが欲しかったところであ
る。今後は評価における設問事項、評価委
員会の進め方に対して充分事前討議をす
べきであると考える。
スマート
ストラク
チャー
157
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
(b)研究部門
研究部門
委員会のコメント
ユニットの返事
総括的コメントで、ご指
摘いただいた問題点は以下
1.プレ評価用の事前配布資料および評価委員会当日の説明資料作成にお
いて、周到緻密に準備が進められていた。関係者のご努力に深く敬意を表 のようなものと考えます。
する。
A 委員:
2.複数の異なる組織に分散した計測標準研究組織が、産総研の発足にあ ・NMIJ の位置づけ
わせて統合されたことは非常に高く評価される。標準の供給を受ける産業
・ニーズの吸い上げと研究
界にとっては、複数のアクセス窓口が一本化されるだけでなく、産総研の
課題選択(優先順位)の
統一された研究開発戦略のもとに知的基盤が整備されることが期待され
プロセス
る。日本を代表する国立計測標準研究所として研究組織が強化されたと思
う。
・外部機関との連携方策
3.計測標準研究部門は国際標準協力室、計量標準管理部、計量研修セン ・情報の発信
ターなどともに計量標準総合センターなるバーチャルな組織を形成する。
このセンターの運営について十分に詳しい説明がなされなかった。しかし、 今後のヒアリングを通し
国際的比較や産業界への標準供給などの点について計測標準研究部門の運 て、議論を深めさせていた
営と深い関係があるので、次の点を明確にしていただきたい。
だきたいと思います。
1)
2)
3)
4)
5)
計測標準整備の司令塔はセンターか、研究部門か。
外国から見たときの日本の標準に関する窓口がバーチャルでよいのか。
標準に関連して国際的に産総研を代表するのは誰か。
産業界から見たときの共同研究や標準供給の窓口はどこか。
このセンターの運営については、いかなる評価の対象になるのか。
今回のプレ評価は計測標準部門が直接の対象であるから、このコメント
はスコープの外かもしれないが、センターと研究部門との関係を明確にし
ていただきたい。また、センターの運営についてもバーチャルな組織であ
るがゆえに、ミッションの一層の明確化やポリシーステートメントが必要
ではないだろうか。
計測標準
4.計測標準の整備は、基本的に日本の弱いところを補強する方向である。
その方向は重要であるが、同時に、強いところを一層強化しての日本の標
準技術のアイデンティをさらに明確にしてほしい。特に、次世代計測標準
の研究開発において、そのような方向性を期待する。
5.標準物質の整備については経済産業省だけでなく、環境省や厚生省な
どの他省庁や大学、民間企業団体なども関係する。さらに、種類が非常に
多様化する標準物質の開発では、国際的な分業が必要である。このような
状況において、標準物質に関する情報に一元的にアクセスできるデータベ
ースが利用者にとって必須であろう。標準物質そのものを一元的に管理す
る必要はないが、所在情報が一元化されなければ開発成果が利用に結びつ
かないおそれがある。
知的基盤整備特別委員会の報告書の中に標準物質センターおよび、標準
物質情報センタの設置が述べられている。前者は組織として産総研の中に
設置されているが、後者の情報センターについては、独立行政法人標準物
質総合情報センター(RMinfo)がそれに該当するのであろう。この組織と
の連携を強化して効率的に標準物質の開発を進めてほしい。環境標準物質
の開発を優先する方向は高く評価される。
B 委員:
1.総論
今回の評価対象である「計測標準研究部門」は組織再編前の3研究所、
1センターの関連部門を統合した部門であるが、再編前の各研究所の外部
評価における意見等を十分に踏まえた上で基本的理念および新組織を構築
しているものと認められ、高く評価できる。国家的な事業としての計測・
標準に関する研究と事業を推進するうえで、強力な組織が出来上がったと
考えられる。今後は、組織の統合後にありがちな分派主義や形式主義に陥
らずに、本質的な議論を積み上げ、真のシナジー効果を生み出すように努
力していただきたい。以下に、各論的内容に関するコメントを記述する。
158
別紙6:プレ評価結果
2.民間企業ならびに大学との連携
今回の組織改編により強力な独立行政法人としての研究部門を作り上げた
わけだが、今後も民間企業ならびに大学との連携を十分にとっていただきた
い。計測標準部門としては、従来より明確な国家的ミッションを掲げるので
あるから、むしろ、日本国内の関連研究者と技術者を広く糾合し、その力量
を見定めて効率的に統括することは当研究部門の重要な役目であると考えら
れる。
3.研究の優先順位
今回の第1期中期計画においては、各分野において大変魅力的で時代に則
した研究課題が数多く列挙されている。研究計画としてはある意味で当然の
ことではあるが、現実的な意味で優先順位を念頭に置くべきこともまた当然
である。各分野の研究者ならびに技術者の配置・予算等に応じ、また、比較
的若い研究者の発想と動機を大切にした優先順位の検討が必要である。
4.基礎研究の重視
当面、組織としての論理から、短期的、現実的課題が注目されることとな
るが、一方において、やや中期的な将来を支え、さらに実り多き展開を図る
ためには、チャレンジングな研究計画を軽視してはならない。むしろ、その
両者のバランスを適切に取ることが大切ではないか。本研究部門のスケール
メリットを活かし、10 年後に世界のトップとして認められる分野を格段に増
やすことを念頭に置いていただきたい。
5.広報の重視
本研究部門の性格は、その社会的な重要性にもかかわらず、一般社会人か
ら十分な理解が得られないうらみがある。関連する研究分野の研究者、学協
会等と協力して、表彰制度等を含めた広い意味での広報活動を推進していた
だきたい。
C 委員:
「標準に対する現在のニーズ」
・業界によって計測標準および標準物質に対するニーズにはバラツキがある。
(つづき)
日本が世界をリードしている分野では標準物質は質・量とも整備されており、
今後もその世界のニーズに対応していくと考えられる。一方海外で技術開発
された分野では、海外で広く使用されている標準物質の輸入に依存している。
計測の標準については粒度分布測定のように装置は普及しているが、測定原
理の差異などによって応答が異なることがあり、補正方法のルール化つまり
計測の標準化が必要とされている例がある。
計測標準
「ニーズの今後」
・従来は計測に必要な測定装置の開発に伴い、標準物質供給体制も確立され
てきた。最近は ISO9000S や ISO/IEC17025 の取得の普及により、標準物
質に対する重要性の認識が管理者層から広く定着すると考えられる。さらに
各種の比較を共通の基準で行うことが、産業及び技術の健全な普及と発展を
助けるものであることも理解されるであろう。(今後各種装置仕様などのカ
タログ表記についても国際的なルール化が望まれる。)
「標準物質の整備」
・最近のグローバル化に対応し標準計測センターで 2010 年までに NIST な
みの数量設定を行い、国際的協業での標準物質の生産が行われる事は、非常
に好ましいと思える。国内のニーズの立ち上がり速度の予測は困難であるが、
研究者が実際に生産に従事することは、非効率的である場合が多く、生産管
理専任者の指名をはじめとした生産専任者の多能化教育など速やかな生産の
組織化が必要。またそれらに従事する技術者の処遇には今までにない配慮が
必要と考える。
「産総研に望む」
・産総研(計測・標準部門)の短期と中長期の研究のうち、企業は従来主と
して短期テーマに対して関心が強く、今さらにその傾向が強まっている。し
かしながらここ数年、産官学の共同研究企画の遂行の中では企業の意見は良
く反映されていると感じる。計測標準のように基礎や国家標準の PR は難し
いところあるが、さらなる民間との交流には、活動と成果を分かり易く広報
願いたい。
159
4. 委員会のまとめ
別紙6:プレ評価結果
地球科学
情報
地圏資源
環境
海洋資源
環境
4. 委員会のまとめ
知的基盤研究として当部門の必要性を理解できるが、 個人研究とユニット全体の研究目的は対立
個人研究の集合体なのか、全体としての目的をもってい するものではなく、前者を有機的に総合して、
るのか、部門の戦略を明らかにすべきである。類似業務 後者の目標達成に向けるものであろう。本ユ
を行う他省庁組織との係わり・棲み分けについても、全 ニットは、地質調査分野において我が国を代
国的視野で明確にする必要がある。更に、5 万分の 1 地 表した地質調査所の衣鉢を継承する研究ユニ
質図幅調査の促進が極めて重要であるが、そのために外 ットであり、産総研のいわゆる二号業務を遂
行するとともに国際的にもそのプレゼンスを
部人材の活用などを考慮すべきである。
示すべく、基盤的な地質調査ミッションを果
たしていくものである。限られた研究資源を
有効に活用し、外部人材の登用も検討すべき
時であろう。
中期目標・中期計画に照らし、以下の点を明確にすべ 1. 要は研究と政策立案等との関係付けを明
確にしていくことと心得る。今後、徐々に
きである。
明確にしていきたい。
1. 政策への立案・提言・貢献、それに資するための具 2. 本研究部門での国際的成果移転は、(1) 質
の高い論文の国際誌での公表、(2) 国際機
体的研究計画。
関を通しての情報の発信、(3) 発展途上国
2. 国際的な成果移転の具体的な方向。
への技術協力(2国間、多国間)を軸にし
3. わが国の中枢的研究機関としての部門の、第一期計
て進めている。これらに関して、各研究グ
画における新しい取り組み・新しい方向づけなどの
ループの研究計画書から具体的に読み取れ
グランド・デザイン。
るはずである。
3. グランドデザインとは何を指すかは人に
よってとらえ方が異なる。ここでグランド
デザインとされている新しい取り組み・方
向付けは、どのような表現を求められてい
るのか例示願いたい。グランドデザインに
こだわるあまり、実を伴わない理念重視の
重い作業に陥る可能性もある。そのあたり
も踏まえて、いまの時点で考えておくべき
グランドデザインとは何かを、お聞かせい
ただきたい。
本研究ユニットは、産業技術総合研究所内唯一の「海」 本研究部門に対する積極的なプレ評価に感
をキーワードとした研究組織として、特色あるまた多岐 謝します。頂いたコメント等を力に、産総研
にわたる研究課題を標榜している。個々の研究課題は、 研究部門として十全にそのミッションを遂行
産業技術総合研究所のミッションに適う重要な課題で したいと思います。
あるとともに、学際的にも国際的にも第1級の課題が多
数含まれており、本研究所の1研究ユニットとして、そ
の役割を十分に担えるものと判断される。一方で、研究
課題が多岐に亘るため、優先度の高い研究に人員および
予算を集中する指向に欠けている感はぬぐえない。今
後、第 1 期中に人員および予算を優先的に投入する、
柱となる幾つかの研究課題と、将来を見据えた基礎的・
萌芽的研究課題の区分けがある程度必要と考えられる。
1. ニーズ指向は重要であるが、長期的な視野に立った
シーズ的な研究も尊重すべきである。
2. 化石燃料の化学エネルギーを燃焼で熱に変えてか
ら、動力(電力)への高効率変換、排熱有効利用を
はかるといった、既存の枠組みにとらわれた研究課
エネルギー
題が多い。熱・動力変換だけでなく、化石燃料の質
の高い化学エネルギーからいかに有効仕事を最大限
利用
引き出すか、低質排熱をいかに高質化・高付加価値
化して再利用するか、など化学エネルギー変換を含
めた統合的な高度エネルギー有効利用システムを指
向するようなテーマがあってもよい。
3. 産総研として政府に提言するようなエネルギー戦略
本部があってもよい。
160
ニ-ズに応える研究を行いつつ、将来の社
会・産業構造の変革を視野に入れて高度エネ
ルギーシステムを目標とするシーズ研究も行
います。また、技術的側面からエネルギー政
策を提言できるような機能についても企画本
部と協議してその実現に努力します。
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
エネルギー技術には経済的評価、社
A 委員:
エネルギー技術は、材料からエレクトロニクス、電気、制御、 会学的評価、などを含む総合的な観点
情報までの幅広い工学を、最近では特に金融工学、経済学の他 が必要であることを認識しており、外
分野も含めて、統合化するものであり、産総研内の研究部門だ 部機関との連携はもとより、自らも総
けではなくて、他の研究所、大学と幅広い分野での連携を保ち 合的評価ができるよう体制を整備し
つつ研究を行って欲しい。また、成果に関しても、発表論文の ていきたい。論文の数のみによる評価
数を競うような短期的な成果を追い求めるのではなく、そもそ や、短期的過ぎる目標設定と評価には
もエネルギー分野はそのようなものではないし、長期的な視点 十分注意して運営したい。
で地に足をつけてじっくりと研究を行い、質の高い論文を発表
するなり、真の技術実証・移転を図って欲しい。
B 委員:
電力エネルギーの研究・開発は産業、民生の持続的発展のた
めに不可欠な分野であり、本研究領域の意義は極めて大きい。
ユニットがカバーする範囲は、発電、配電のハードとソフトの
両面にわたる拡がりを持っており、独立行政法人で取りあげる
べき課題が多い。また、それぞれの課題で最先端を指向してい
るものが多い。
それらを認識した上で、また、国の方針などの外的要因が大
きいことを理解した上で、他研究機関でも大きな課題として取
りあげられている核融合や宇宙関連の分野について、本領域が
他機関とどのように連携・分担のするかを明確にして、それら
の中で中心的な役割へと展開することが望まれる。また、領域
内に核分裂関連が含まれないことについても、国の方針との関
係があることも理解できるが、長期的に見て、本領域に強く関
連する分野であるので、将来の関与についての考えを持つこと
も必要であろう。また、マイクロガスタービンや風力・バイオ
マスなどを分担する領域との連携についても、十分に配慮する
電力
ことが求められる。もちろん、これらをすべて包含する領域は
エネルギー 巨大となり過ぎ、非現実的である。一つの領域として現在の規
模は適切であろう。柔軟且つ機動的な運営と連携が大切であろ
う。
目標設定が全般的に明確でない。領域のカバーする課題・分
野によっては困難と考えるものもいくつか認められるが、それ
らを除いた各課題について、目標の数値化等の具体化が望まれ
る。
今後得られる成果についても、数値化等が望ましいが、研究
課題の性質と研究のタイムスパンの点から数値化等が難しく、
外部公表件数などで一律に評価することは難しい部分がある。
ミッション遂行と評価の上で配慮が必要であろう。
前述のように、宇宙や核融合の分野
では、国全体の計画の下に個々のテー
マを分担しており、予算の大小はある
ものの、いずれも主体的で国際的にも
高く評価された先進的成果を挙げて
いる。現在行われている全体計画の見
直しにも参加しており、学術研究や巨
大ミッションに偏らない産総研の立
場からの発言を行っていきたい。この
ような現状をより分かりやすく説明
するよう努めると共に、今後の方向に
ついても従来の経緯にとらわれずに
精査していきたい。
電力供給の主要な部分を担ってい
る原子力発電について、十分に視野に
入れておく必要があるのは当然であ
るが、関連の研究テーマを行う際に
は、経済産業省、産総研における十分
な戦略的な検討が必要と考える。当部
門の担当する分散電源技術と、MGT、
風力、バイオマスなどとの明示的な連
携をさらに深めていきたい。研究目標
の明確化、定量化については、数値化
についての指摘にも十分配慮しつつ、
改善する。
研究計画書の中で、他との連携、国
C 委員:
独立行政法人産業技術総合研究所はこれまでの工業技術院 内外での位置づけなど、より明確に説
各研究所の研究ポテンシャルを生かしつつ、より機動性に富み 明するよう努めると共に、次々に新し
総合力を活かした研究を実施すべく誕生したものと理解して い例を作っていきたい。
いる。電力エネルギー研究部門から提案された 4 カ年の中期計
画に対する研究計画および平成 13 年度研究計画は、まさにこ
のような産総研の使命に合致した計画であると考える。
強いて言えば、まだ発足当初であることもあり、他研究ユニ
ットとの有機的連携が明示的でない点、外部のプロジェクト研
究または国内外の研究機関との協力または競争を含む協調が
研究計画には十分に示されていない点などが上げられる。しか
し、これまでの工業技術院各研究所での研究実績から判断すれ
ば、これらの点は明記していないだけであり、既に提案されて
いる研究計画に取り込まれているものと判断する。
世界的にも希な、研究領域の幅の広さ、研究者層の厚さ、地
域的広がりを有する研究機関のエネルギーに関する研究部門
として、世界をリードする先端的で斬新な、本質的研究成果を
輩出されるよう運営されていくことを期待している。
161
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
A 委員:
本研究部門で設定した研究課題については、説明を伺い相当
に理解でき、個々の研究課題、研究方法等は概ね妥当であると
判断した。しかし、今後について考えると、研究課題の一層の
重点化と組織の弾力的運営を強化する必要があろうと思われ
た。
言うまでもなく、今や環境はすべての事象に関わっている。
従って研究対象も手法もきわめて広範にわたる。まず、本環境
管理部門の目標、特徴、分担する役割を環境問題研究全体の中
で明確に位置づけ、より明解に示すことが望まれる。そして、
それに基づいて個々の研究課題を導きだす形にすべきである。
また、他の環境研究分野(狭くは産総研内の部門)との関係及
び連携の方法についても具体的に方針を示すべきであろう。
従来の研究組織をかなり継承しているため短期間に大きな
変更をする事が困難なことを考えるとかなりの努力のあとが
認められる。しかし、新研究組織として外から存在感を持って
認知されるためには上記に向け不断の努力をされることを強
く要望したい。
なお、研究課題の選択、研究資源の配分、成果の評価に関す
る方針、ルールを全構成員に十分理解させることが組織の円滑
な運営にとって重要であろう。
環境管理
B 委員:
人間活動に伴う環境破壊は今後ますます深刻になると懸念
され、その対策と解決にとって、産業技術総合研究所環境管理
研究部門において計画されている研究は極めて重要であり、積
極的に展開する必要があると考えます。その際、部門を構成す
る多数のグループの連携を明確にするととともに、環境研究は
他の機関でも広範に実施されますので、独自性を十分にアピー
ルできるテーマを特に強力に推進することが望まれます。ま
た、現在の計画において、異なったグループに似通ったテーマ
が設定されていることがみられますが、優れた成果を挙げるた
めには、グループ間の協力を十分に図ることが重要と考えられ
ます。さらに、環境管理研究部門の発展にとって、短期的ある
いは中期的な研究目標の設定とその遂行に加え、長期的展望に
立った研究も不可欠であり、基礎的研究や萌芽的研究の推進に
十分な配慮が望まれます。
環境研究は一つの研究所あるいは研究部門で全てをカバー
することは困難ですので、国内外の研究機関との連携・協力が
不可欠であり、積極的に実施する必要があります。特に国際協
力は、日本が先進国として国際的責任を果たす上で重要である
と同時に、研究レベルの高さを示す指標ともなりますので、強
力に推進して頂きたい。
研究費については、グループによって調達度にかなりの違い
がみられますが、運営費交付金が実質的に使用できないとのこ
とですので、競争的資金の調達が不可能となった場合の措置も
講じておく必要があると思われます。人員についてもポストの
流動性を増し、研究の重要度や進捗状況を勘案した上でグルー
プ間での移動も考慮すべきであると考えます。また、研究の活
性化と持続的発展のためには、若手常勤研究者を確保すること
が極めて重要ですので、長期的展望にたった雇用計画を立案・
実施して頂きたい。
最後に、本研究評価が産業技術総合研究所環境管理研究部門
における研究の活性化と発展につながるように役立てて頂く
とともに、一方的評価に終始することなく、研究者側からの情
報発信、すなわち自己評価や研究環境に関する要望等について
も配慮が必要と考えます。
162
環境研究の重要性をご理解いただ
き、部門として国内外でも特徴のある
研究を重点化して推進していくこと
の重要性をご指摘いただいたと感じ
ている。グループ間の連携、外部機関
等との連携・協力をより一層深めて、
早期に解決するべき環境問題に挑戦
するとともに、長期的な展望に立った
基礎的、萌芽的な研究開発を推進した
いと考える。予算、研究員の確保につ
いては、産業技術総合研究所全体の課
題であり、評価部として、このプレ評
価の結果に基づいた提言をしていた
だきたい。
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
C 委員:
1.プレ評価として、十分、部門の組織と研究体制を理解でき
た。14 グループの相互関係もプレ評価におけるプレゼンテ
ーションによってその把握ができた。
2.一般的な話としてこのような評価によって、言質をとられ
たという形で、研究グループが、研究課題を固定的に考える
心配がある。グループ間の相互刺激により柔軟に研究展開を
環境管理
図ることが創造的に研究を推進できるものと思われる。
(つづき) 3.この評価を通じて、研究所の外に対して、科学技術と環境
対策の大きな展開の中での、各グループの研究の位置づけを
明確に説明できるようになることが重要である。各グループ
の説明が、研究部門の組織としての研究のビジョンを整理す
ることにつながると思われる。このようなビジョンは、研究
者側からの情報発信にも有益である。
4.ポスドクの有効な雇用とその任期終了後の雇用方法などに
ついて今後人材確保の上でも工夫が必要と思われる。
環境
調和
技術
貴重なご指摘の数々ありがとうご
A 委員:
本研究ユニットは、環境という非常に広範囲な課題に対し ざいました。それらの一つ一つについ
て、化学およびその周辺の科学と技術を基盤とする方法論で対 て実態と照らし合わせ、運営に生かし
応していく研究部門と理解した。この点はポリシーステートメ ていく計画です。
ントには概ね適切に述べられていると思うが、今後、独自のア
プローチ、研究ユニットの特徴をさらに明確にし、研究成果、
見識を積極的に外へ向けて発信していただきたい。センターと
比較し、目標が外から見えにくい恐れあり。ここで外とは、学
界、産業界、社会、外国である。課題については中長期の視点
から重要なものを中心に据えるべきであると考える。短期的な
課題への対応も必要だが、そのため地力がつかないようになっ
ては困る。独自の地力を持った研究拠点として国際的に存在が
認められることを目指して欲しい。
ユニット内のグループ編成については、例えば、研究方法論
と研究対象の2軸マトリックスで相互の位置づけを明確にす
るなどした上で、弾力的な組織運営をすることが望まれよう。
環境問題全体から見ると科学技術のあり方自身が次第に問わ
れることとなるので、長期的かつワイドな視点で目標全体を普
段に見直して課題を先取りして選択することが必要であろう。
運営に関しては、方針、評価基準を構成員に明示し、その理
解を得ることが必要。同時に、構成員からの意見を吸い上げる
メカニズムも欠かせない。
B 委員:
各研究グループで日本および世界に対して自慢できるもの
を作って欲しい。また研究グループのいくつかの集合体、さら
には部門としての得意分野を作って欲しい。これは、要素技術
を先鋭化しても出てこないので、要素技術を組み合わせてプロ
セスなりシステムをどう作っていくか、ということになる。こ
の部門は多様なグループで構成されているから、研究部門とし
てユニークで総合的な研究テーマが一つ、二つ出てくることを
期待する。
C 委員:
世界に存在感のある研究部門になってもらいたい。要素技術を
沢山出すより、塊として出口の広い技術を開発してもらいたい。
情報処理
情報処理技術分野の広さに対して本部門の規模は小さすぎ
る。人員、予算とも、飛躍的に増強されるべきである。また、
研究者の流動性を増やす方向に努力すべきである。研究の分野
としては、特に、国の国家安全と、国の文化を守る意味で、セ
キュリティと日本語技術の研究体制を強化して、国として十分
な投資をして欲しい。
163
前出の、予算、マンパワーのご指摘
の続いて、より具体的な研究テーマに
ついての言及である。産総研・経済産
業省に対してこのご指摘を我々情報
処理研究部門からもアピールさせて
頂きたい。
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
A 委員:
該当研究分野のスピードは速い。基盤研究を中心に技術シーズをできる
だけ多く提示し、世にその成果を問うていく方針も理解できるが、社会の
動きを早く見極めその中から必要な技術ニーズを摘出していくことも重要
である。また、基盤技術を如何に世に提示していくか、そのフィードバッ
ク(具体的な社会ニーズ)を汲み上げて技術の洗練をしていくか、技術サ
イクルに適合できる研究者の育成を行える環境も重要である。同じように
独立行政法人化しようとしている大学との連携も含めて、研究開発の推進
を見られる場にしていきたい。
知能
システム
B 委員:
1) ポリシーステートメントについて
「知能システム技術の範囲を敢えて厳密には定義せず」「管理者側が分
野を狭く限定して、研究者の独創的提案を損なうことのない運営を心がけ
る」などと、基礎研究の重要な精神が尊重されているのは賛成だが、これ
だけを過度に強調することは、マネージメント不在につながる危険性があ
る。このような自由度とともに、知能システム研究として何が求められて
いるか、重要課題は何か、などの研究部門として進むべき方向を明確に示
すことが重要であり、これはマネージメントの責任である。このことは、
独立行政法人としての新体制でスタートした現時点で、特に重要なことと
認識すべきである。新体制のスタートにあたっては、程度の差こそあれ、
誰もが意識改革の必要性を感じるため、「これからは今までとは違う」「こ
れからの方向はこうだ」という明確なメッセージを発することが、最も効
果的な時期である。現在のポリシーでは、ボトムアップが強調されている
ため、研究者が「今まで通りでいいんだ」と受けとってしまう可能性があ
る。緩やかな意識変革は非常に難しい。最終的な到達点を定め、初期段階
では意識的に、これを大きくオーバシュートする、思いきったマネージメ
ントが求められる。
2) 研究員の流動化について
研究員の流動化を阻害する要因の一つは、国家公務員型の雇用制度にあ
る。定員で縛られた制度では、特に、高年齢者の滞留は、若手研究員の新
規雇用数を圧迫し、平均年令を押し上げ、研究活動の停滞の致命的な要因
となりかねない。これを避けるための一つの方法は、高年齢者の出口を可
能な限り広範囲に開拓するとともに、個別の研究員のキャリアパスに関し
て、木目細かい心配りを行うマネージメントの努力にある。これを実施す
るためのシステムを早急に確立し、中長期的に運用していく必要がある。
3) グループの構成について
グループの構成がクリティカルマスを下回っており、力が発揮できてい
ない可能性が危惧される。例えば、画像情報や音声聴覚情報は、類似した
研究テーマを推進するグループが、産総研内に分散しており、結果として
分割損を招く可能性が大きい。部門内、部門間の双方における思い切った
統廃合と研究テーマの見直しを行い、産総研内だけでなく、国内外の当該
研究コミュニティにおける存在価値を明確にアピールできる方向を打ち出
すことが急務である。
C 委員:
(1) 知能システム研究部門全体について
今回の評価は、[a]研究管理、[b]部門全体のミッションの 2 対象があると
理解した。
[a]の研究管理については、部門内部で多くの提案がされている。それら
は総体として適格と評価できる。一方、[b]の研究部門全体のミッションに
ついては、言及はされているが現段階では相当幅広く定義している。その
理由として、産総研全体のミッションが多様に提案されているところにあ
ると想像される。
そこで、評価委員の作業対象ではないが、産総研全体のミッションにつ
いて、検討を加える。産総研の研究組織として、「センター」と「研究部
門」とがあるが、それぞれがどのように異なるミッションを有しているか
は必ずしも明確ではない。センターがもし COE 的存在なら、大学に置こう
164
ご期待に添えるよう最
善の努力をする所存であ
る。知能システム技術の
今後の研究で最も重要な
ことは、シーズの具体的
応用分野を提示して、そ
れへの有効性を示しつつ
そのシーズの追求を行う
ことと考えている。これ
までの知能システム技術
は、情報でもロボットで
も、基本的に問題解決の
ための新しい技術的手段
(すなわちシーズ)は提
供すべく努力してきた
が、それが何に使えるか
は「例えば」という形で
しか示していないことが
多い。
すなわち、実問題解決に
対する開発シーズの効果
を評価することにはほと
んど注意を払ってこなか
った。その結果として、
具体的に使われていない
シーズが数多く生み出さ
れることになった。当部
門では、社会の要請を認
識しつつ、具体的なニー
ズへの展開を示すことが
できるシーズの追求を心
がけ、そこに組織の特徴
を出すべく努力する所存
である。
別紙6:プレ評価結果
と産総研におこうとどちらでも良いとも言える。機能は明確である。一方、
部門は世界的にも優秀な頭脳が定常的に雇用された組織であり、それゆえ、
長期戦略をもって研究を推進すべきと期待される。加えて、独立行政法人
といえども、国民の税金で多くの部分がまかなわれているのであるから、
社会的ニーズを適格に把握することが求められる。
このように考えてくると、研究部門はそれぞれの研究目的に応じて、社
会的ニーズの取り上げ、長期戦略の立案と実行の仕組みを準備することが
求められる。それに評価部が提供する評価の方法論とを組み合わせて存在
を主張していくべきであろう。よって、「知能システム研究部門」の場合
にも、
・研究者組織は、ニーズ指向、シーズ指向の両者が必要になる、
・社会的ニーズの展開とシーズの広報を行なう仕組みが必要になる、
・知能システムの解析・設計の両者をバランスよく研究すべき。
・知能システムの長期戦略を立てる研究が必要になることを心しておくべ
きであろう。
これらを共に持つことは部門の性格を曖昧にする危険性を有する。解析
中心のシーズ指向であれば、きっとずっと理解されやすい部門になるであ
ろう。しかし、本研究部門はその扱う対象の性格から行っても、ニーズと
シーズ、解析と設計といった 2 面を共に有する組織であって欲しい。なお、
現段階では、ボトムアップを基本とする部門ミッションを設定しているが、
トップダウンにミッションを提示することも必要である。以上、全体に亘
っての感想を述べた。
(2) 個別提案
気がついた点を個別に提案する。
知能
システム
[A]組織構成:
総員 79 名の組織である。現在 11 グループで運営されているとのことだ
が、産総研内部ならびに知能システム研究部門内にもっとダイナッミクに
グループ構成を変えてもよいのではないか。また、2つぐらいの中核グル
ープを時限に作るのもよいのではないか。
(つづき) [B]対外交流:
対外交流を一層盛んにする必要があろう。すでに準備しているものもあ
ろうが、サバティカル、産業留学制度、学生のインターンシップなどを検
討すべき。また、産学連携についてももっと制度的に積極的に行なうこと
が許されるべきだと考える。
[C]求心力の形成:
(社会的に見て)多人数の研究部門として、何らかの求心力を持つことを常
に努力して欲しい。ここに言う求心力とは、過去、日本に来たロボット研
究者はかならず MEL や ETL を訪問したように、これからも世界の研究者が
集まる場所になって欲しい。ただし、研究者のみならず、産業界との関係
も検討すべき。例:COE(研究者が集まるところ)、産業創成(産業を興す
ために集まるところ)。
[D]システム研究:
本研究部門は「知能システム」で表すように、システムを扱う。しかし、
今までのシステム研究は実は「要素」の研究であったことが多い。本研究
部門の前身は日本の中でも「システム構築」を頑張ってきた歴史を持つの
で、それらを伸ばすことも検討して欲しい。
[E]システム研究評価:
システム研究の評価は時に難しい。特に既存の技術を接続して、新しい
システムを作ることは研究論文としての評価が低いことがあるが、価値は
高いことも多い。部門内では適切な評価をして欲しい。
[F]社会的ニーズの把握:
本研究部門が「経済社会の新生の基礎となる高度情報化社会の実現」を
追求していることは理解できるが、社会のニーズを把握するためには、な
ぜ高度情報化社会が必要とされるかから議論し、本当のニーズは何なのか、
産業創成なのか情報化によって別種の問題解決なのかを明らかにしておく
ことが求められる。
165
4. 委員会のまとめ
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
エレクトロニクス技術は進化のスピードも
国研から新組織に移行した初年度において、エレクト
ロニクス研究部門は制約のある中で的確な組織変更と 速く、また多様であることは十分認識してい
計画設定がなされたと評価する。ただし、我国の科学技 る。そのための施策として、マイクロファブ
術の重点分野と関連して、研究ユニット間の補完性の確 や共用計測ネットワークを構築し、研究のス
保が大切であり、産総研全体としてそれを点検すること ピードアップと柔軟な計画変更を組織的に行
が必要である。特に情報技術に関してのソフトウェア関 う試みにチャレンジしているところである。
連部門とのつながりをどう築くかも検討すべきである。 今年度後半にはこれらのシステムが概ね稼働
本部門の組織の運営に関しては、大変深い検討がなさ するので、心理的にも実質的にも成果が現れ
れており、種々の制約の中で相当な工夫が記されてい てくるものと期待している。
研究ユニット間の補完性および連携につい
る。今後は、構成員の 60 人が、部門の方針に沿って有
機的に尽力することが重要であり、構想が絵に書いたも て、特にソフトウェア関連部門との連携の必
エレクトロ
要性については、ご指摘の通りである。現在、
ちにならないように、努力を期待している。
本研究部門の対象分野は、日本の戦略的なエレクトロ 実際に動作する、あるいは実用性を考慮した
ニクス
ニクス産業の要を支える分野であり、その重要性の割に デバイス開発に力を入れているのは上記連携
は人数、予算ともに少ない。外部資金やその他を投入し、 を有意義なものにするための道筋でもある。
産総研全体として本分野で十分な貢献ができるよう、期 これによりソフト開発にも試供できるデバイ
ス、あるいはソフトの進展を先取りした機能
待する。
を内蔵するデバイスを自前で試作する事が可
能となり、実質的なソフト分野との連携が実
現できると考えている。
研究資源の問題については、あらゆる手段
で劣性をカバーしていきたい。具体的には、
競争的な他省庁予算の積極的獲得、ポスドク
制度の活用などを部門全体で図っている。
光技術
新生産総研になって、産業界とのつながり
新生の産総研になって、産業界、社会とのつながりが
どのように大きく変わるのかを更に明確に述べてほし を極めて重視している。そのためにすでに前
い。つくばと関西の連携や研究課題に3つの柱を立てた 段階も含め、3 回のシンポジウムを開催する
ことなどの工夫がなされている点は評価できる。ただし などの施策をしている。今後は研究成果の具
計画書は表現がおとなしく変化の具体化が明確に伝わ 現化に向けてより有効な連携方策を取る予定
らない。もう一段階攻めの意気込みをもってスタートし である。また相乗効果の発現や研究者の意欲
てほしい。光技術は広い範囲の人が集まっており、まと 向上に繋がるようなマネージメントを行うよ
まることにより相乗効果が期待されるが、成否はリーダ う努力したい。
ーシップにかかっている。また、頑張っている研究者の
やる気がおきるように、研究予算やマンパワーの重点的
配分を研究所および部門のマネージメントにお願いし
たい。特に「産学連携部門」と協力して、成果を社会に
普及する活動を他に率先して実施することを期待する。
自分を売り込むのには何をしたらよいか、5 年後どう
いうことをしたら評価されるかを、研究員一人一人に伝
えることができれば、評価の意味があると考えられる。
競争的な要素を導入して研究を行うのが、今後の動向で
ある。国から予算をもらって研究する以上、納税者への
説明責任を果たさないといけない。基盤的な研究はやは
り国でやるべきである。
短期的な論文ばかり評価するのではなく、産総研は戦
生物遺伝子
略的な研究計画と、研究の到達点の高さで勝負すること
が重要。国研はロマンではなく、実学を行ってほしいと
資源
いう意見は多い。
基盤整備研究、戦略的な研究の 2 本立てで、評価軸を
整備すべき。研究ユニットの実情に応じた評価軸を設定
していただきたい。もちろん、いい研究で無いといい特
許は取れないというのは事実。国の研究所という意味
で、地味な仕事をじっくりする研究も大切にしていただ
きたい。外部、異分野との連携も評価の対象にすべきで
ある。
166
貴重なコメントをいただき感謝したい。
別紙6:プレ評価結果
分子細胞
工学
人間福祉
医工学
4. 委員会のまとめ
部門はセンターと異なりヘテロな研究集団
概ね、期待される方向にスタートしているが、産業
基盤技術の開発研究を促進するため、今後とも絶えず であることを発足時の課題としつつも、糖鎖関
研究内容、組織形態を点検してゆくことが必要であ 連の産技集中型研究あるいはベンチャー企業
の設立などを積極的に推進することにより、若
る。
い研究者の意識改革を計り、求心力のある研究
集団を目指したいと考えます。このためには委
員会で先生方からご指摘されたように絶えず
重要研究課題、組織形態の見直しを行い、戦闘
的なバイオ研究の核を形成することを部門の
使命としたいと思います。
人間福祉医工学部門は社会的に絶対必要な分野で
あり、産総研の中でこの分野が拡充されることを期待
する。
産総研の役割として、産業育成があると思うが、そ
れは当面の産業界の抱える課題解決ということのみ
ならず、近未来を見通したときに産業ニーズ、また産
業育成のシーズとなり得る研究課題の発掘と早期解
決があると思量する。また、当部門は、安全、安心、
健康な生活構築という、人間の尊厳にも係わる必須の
技術開発を行う、わが国の拠点研究機関と思量する。
このような当部門への社会からの期待に応えるべく、
今後も引き続き矜持をもたれ、研究に精励されること
を期待する。そのためには、単にそれぞれの研究課題
解決のみにとらわれた、閉じた研究に終わることな
く、人間福祉医工学領域における長期的な研究の方向
性、研究のあるべき姿について、部門内で論議を続け
られ、学界はじめ社会に対して、研究のフィロソフィ
ーを発信する役割も強く期待する。
これからは、分子細胞工学、ティッシュエンジニア
リング、遺伝子治療などのバイオテクノロジーと医工
学の融合化が進むであろう。そうなった時の医工学研
究はどうあるべきかを考えて目標をたててほしい。バ
イオとエンジニアリングの融合が必要であり、それを
先駆けてできるのが産総研の使命だと考える。
福祉関連研究では、精神も含めた人のモデルを研究
の目標として考えて欲しい。
人間福祉分野と医工学分野が「人間」でまとまるこ
とは良いことである。共通項としてヒューマンモデル
があろう。ただし将来、医工学分野はバイオとか代用
臓器の研究分野と一緒になってさらに広い分野に発
展する可能性がある。4 年 5 年のスケールで検討し、
新人採用なども含め今後どうするかを議論するべき
であろう。
将来的には部門内のグループの整理、再編成を考え
ることも必要であろう。
極めて貴重なご意見を頂き有り難うござい
ました。当部門の役割の重要さを強く認識する
と共に、個々の課題の具体化に向けて努力して
行きたいと考えております。特に部門としての
将来構想に関しては、第 2 期中期計画作成に合
わせて結論を出したいと思います。
脳研究の産総研での重要性については、全員一致し
脳科学研究が産総研で行うミッションとし
た。個々の研究課題については、研究課題に多少具体 て重要であると認めていただき感謝していま
性を欠くもの、あるいは十分に脳に専門化していない す。今後部門内の研究者の能力が最大限発揮で
脳神経情報 研究もあるが、全体として妥当な研究計画である。
きるような研究環境を維持することを最優先
に、時間をかけながら研究体制を整えて行きた
いと考えていますので、3-4 年の長い目で本研
究部門を見ていただきたいと存じます。
167
別紙6:プレ評価結果
物質
プロセス
セラミッ
クス
4. 委員会のまとめ
当該部門としては、爆発研究グループを除けば、「産業競争力強化」、 1、2、3の委員会ご意
「新産業創出」のための研究を目標として掲げているが、プレ評価を行っ 見については、当ユニット
た結果からは、産総研の中でも比較的基礎・基盤志向的な研究展開を強化 の見解を既に述べさせてい
し、幅広く地道に実施可能な技術を探りたいとの意向をもっていることが ただきました。4はその通
わかった。従って、研究の重心を萌芽的かつ目的指向的な基礎・基盤に設 りと思います。5は是非そ
えた研究の組織、運用形態について最適化しておくことが望ましいと考え ういたしたいと思います。
6、7、8については 1. (5)
るので、以下の項目を提案する。
(p. 95) にも述べましたよ
1. 組織としては、全体で 3 つか 4 つの大きなグループを作る方が、流動
うに当ユニットのみに関わ
性ある運営・運用を行いやすいのではないか。
る問題ではありませんの
2. 新物質・材料の創製、ならびに新反応プロセスの開発を目的(ミッショ
で、他のユニットとも協力
ン)とすることから考えて、研究の達成度は論文の数というより、むし
して、外部から見て産総研
ろ特許などに裏打ちされた企業への技術移転の可能性という点から評
全体としてご意見の様なこ
価すべきではないか。
とがわかるような体制・組
3. 産総研全体として、組織が細分化されており、ユニット数が多過ぎる。
織利となるよう努力したい
従って、当該部門内でのプロセス分野、計算機科学分野が手薄で、分
と思います。
野別構成がアンバランスとの印象がもたれる。特に、プロセス分野は
脆弱なようなので、産総研内の他部門との連携を強化すること、研究
設備・施設の共同利用についてご検討頂きたい。
4. 産総研全体として研究支援部門の強化を諮っていただきたい。連携・
共同研究体制をサポートする仕組みの強化も不可欠である。
5. 部門として情報収集、情報の共有・交換、ポスドクの教育、定期的な研
究発表会などの情報発信や広報活動にも努めていただきたい。
6. 「産業競争力強化及び新産業創出のため、幅広いスペクトルでの探索
と分野融合によるイノベーションを推進する研究」という産総研のミ
ッションには、鉱工業振興の意識が強いため、現在社会の背負ってい
る公害汚染などの環境問題、高齢化や安全性への対策の視点が欠けて
いる。21 世紀は、物質文明に対峙する新しい価値観に立脚した文理融
合型文明が構築されるであろうとの意識が必要不可欠である。これま
での学問体系を、俯瞰的かつ横断的に眺められる研究を行うべき。
7. 我が国の将来に対してこれらを元にどのような科学技術構想を描こう
としているのか? との問いに、もう少しスケールの大きな研究前提
(理念)があっても良い。
8. エネルギー問題、環境問題、高度情報化社会といったキーワードに対
し、どう考え、どう寄与したいか? といった研究戦略の具体例を示す
べき。
9. 産総研は、部門として重要な研究課題に部門長が予算を配分できるよ
う、十分な予算(部門長が裁量できる予算)措置を講じて戴きたい。
当該部門は、科学技術者会議での諮問にある我が国の「物質・プロセ
ス」という大切な研究領域を担うことを鑑み、上述の点を踏まえた上
で、国際的にも高い評価の研究業績を残されるよう期待する。
貴重なご意見を頂き、有
産総研が発足し、外部評価制度を積極的に取り入れ、社会に貢献する研
究所として発展しようとする姿に、大変期待をしている。評価委員会にお 難うございます。今後の運
いても、それぞれの研究グループの若いリーダー達が、研究の位置づけを 営に、積極的に生かして行
考えながら真摯に発表する姿勢に、今後への期待が感じられた。組織は、 きたいと思います。
スタートが大事であり、研究者が各自の才能を最大限生かせるような職場
環境づくりと、出口目標に関しての位置づけを明確にすることが、重要な
ポイントと思われる。そういう意味において、今回の評価結果を受けて、
さらに目標の明確化を図ることを期待する。
本セラミック研究部門は、従来から実績のあるプロセッシングを中心と
する研究体制をとっている。加えて、セラミックスの製造に環境面への影
響を考慮したプロセッシングを心がけるようにており、今後の産業界への
技術指針として貢献できると考える。
部門全体をとおして、企業との共同開発や研究が増加しており、社会的
貢献、情報の発信を心がけるようになっており、産総研としての設立目標
の理解が進みつつあると、今後を期待している。ただ、産業界の要望やニ
ーズの把握、産業界への情報の発信方法・連携体制がまだよく見えていな
い。対外的にもっとこういう取り組みや結果を公表するシステムを作っ
168
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
て研究成果の評価などに加えることが良いと考える。また、開発
された成果を学会的レベルからさらに進めて、セラミックス関連
のショウ・展示会など多くの起業家が集まるところで紹介するこ
とも考えられたい。
研究計画の立案に際し、次の観点を考慮することが望ましい。
1. 開発される技術や製品がどのような市場で使われるのか。使
われる時期・その受け容れられる市場価格。
2. 研究開発に関連する特許についてのコメント。
3. 現在世界の各研究機関、大学、公設研及び企業で推進されて
いる研究との差別化。
4. 成果の普及についての計画、例えば、提携する企業の計画や、
それ以外の企業への技術供与の可能性など。
研究目標と計画については、グループによって目標とする達成
度のレベルが異なっている。特に、研究内容によって評価基準が
クス
異なるので、最終評価においては留意することが必要となろう。
(つづき) 同時に、個人の評価においては、論文や特許とともに、知的基盤
構築、国際標準化などの社会的貢献について配慮されたい。
本年発足したところであり困難とはおもうが、部門についての
将来計画とグループ研究の設定、及びそれに伴う人事計画の展望
を早急に構築されることを望む。これには、研究者からのボトム
アップと幹部からの産業界、国としての課題を勘案したテーマ設
定の両面からの詰めが必要であろう。また、特に知的基盤関係の
整備については、ファインセラミックス協会、ファインセラミッ
クスセンター、シナジーマテリアル研究センターなどとの有機的
連携を望みたい。
産総研が大学や産業界と十分連携して活動を進めることは理
解できたが、今後産総研の独自性と将来方向について、より一層
明確にしていだきたいと思う。また、産総研の特許を企業化する
には、単に特許の開示だけでは不十分である。実験室レベルと企
業の間をつなぐ試作部門の体制化を議論していただきたい。
セラミッ
基礎素材
機械
システム
産業技術基盤としての基礎素材の重要性を強く認識させなけ
ればならない。部門としての設計が不十分と見受けられ、産総研
の基礎素材部門として何を担うのか、明確なポリシーを立てる必
要性がある。地域センターのポテンシャルを確保して次ぎに繋
げ、積極的に展開する戦略がほしい。人材の流動化、STA フェ
ローの活用、交付金の使い方など、工夫が必要である。
基礎素材の重要性を強く認識させ
るよう現状の設計を精査し不足部分
を補う努力に勤め、具体化させてい
きたい。一方、繰り返しになるが当
該部門の地域における戦略を明確に
させるためにもナショナルセンター
化構想の中身を早急に詰めていただ
きたい。当該研究部門の人材の流動
化は、将来の基礎素材の在処を左右
することにもなるので慎重にかつ大
胆に進めていきたい。
ポリシーステートメントに要求さ
独立行政法人化に伴う過渡的状態の中で、ポリシーステートメ
ントや研究計画書の練り方が十分でないように見えるのが残念 れる内容の理解が不十分であったこ
である。個々の研究内容について評価できるが、組織としてみる とは反省しています。ご意見を参考
と研究内容は必要条件を満たしているのであって、十分条件を満 にして組織の再編などを行いたい。
たすには至っていない。たとえば、ナノテクノロジー/マニュフ また、産業界との係わりについては、
ァクチャリングに関して、機械システム研究部門の貢献すべき研 組織的に研究会の開催や共同研究等
究分野は非常に広いと考えられるので、積極的にオリジナルな研 の推進を図り、日本の製造技術の競
究課題をさらに立て、研究組織が連携・協調をしてよいのではな 争力強化に貢献できるよう最大限の
いか。また情報通信分野でも貢献できる所が多いと考えられる。 努力を払う所存である。特にナノテ
国際的に優秀な個々の研究を産総研の研究としてどう位置付け クノロジーに関しては、産業界から
るか、また、ユニットあるいは産総研全体の中での有機的な組織 の期待や希望を十分に整理した上
運営、さらには長期的な研究戦略について今後の検討が必要であ で、機械システム研究部門が率先し
ろう。本プレ評価委員会としては、ユニット内の議論によって、 て取り組むべきものにフォーカス
「元気のある」研究および産業化、さらには新産業が創出される し、重点的な研究推進を図って行く。
ことに大きな期待をよせている。
169
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
ナノテクノロジー分野において、材料を中心とした
研究ニットの得意分野を強めていくことは評価でき
る。しかしながら、今回のプレ評価では 4 年後にどの
ような成果が実を結ぶか見えなかった。このまま進む
と、個々のグループから論文数は多いが中程度の成果
しか期待できないように思われる。研究部門長のリー
ダーシップのもと、2~3 の目玉となるとなる挑戦的
なテーマを出してほしい。産総研内外の共同研究も積
極的に進めるべきである。また、当該研究と社会及び
産業をつなぐ相関図を描くべきである。
ポリシーステートメント、研究計画書の表現につい
てはもう少し研究内容に絞った記述にすべきである。
ナノテク
ノロジー
計算科学
中程度の成果しか期待できないという判断
がどこから来るのか論拠をお聞きしたい。ま
た、「2~3 の目玉となるとなる挑戦的なテー
マを出してほしい。」というのも、有りがちな
安直な評価コメントのように思われるがいか
がだろうか。ナノテクノロジーそれ自体が挑戦
的テーマの集積であり、問題は、「どれほど速
く」「どれほど深く」「どれほどスマート」に
それを実現するかであろう。
全体として、研究部門のテーマが現状では散
発的になっていることは否定しないが、いずれ
をとっても「中程度の成果」にしか結びつかな
いという評価には同意しかねるものがある。評
価も短時間の作業であり、自ずと限界があると
は思うが、このような評価結果を文章化する際
に、評価のレトリックに陥りやすいという問題
は認識していく必要がある。単にレトリックに
従って、それらしく作られた文章は、意味がな
いばかりか、有害なこともある。今後の外部評
価においては、研究部門全体を漫然と評価する
のではなく、一側面を深く掘り下げたインテン
シブな評価の仕方も検討課題ではないだろう
か。
また、ポリシーステートメントは内部向けの
文書であり、とくに評価の考え方を記述するこ
とを一つの目的としたものであることは、評価
部として評価委員に徹底していただきたい。研
究内容に絞った記述にせよという指摘が出る
こと自体、このことが評価委員に理解されてい
ないためと思われる。
いずれのコメントも、厳しい面もあるが本質
・計算科学分野の研究が、おおむねバランス良く配さ
れた、グループ構成、研究計画になっているが、目 的には本部門のことをよく考えていただいた
標、研究開発手法は、余り明確に書かれていない。 上でのものであり、大変ありがたく感謝してい
る。ご指摘の事柄、本部門だけで解決できない
・予算は著しく少なく、改善が、望まれる。
・計算科学の分野の性質により、この部門は、様々な ことも多々あるが、 産総研幹部、企画本部、
研究の方法を取りうるが、実験系研究者の相談員的 他の研究ユニットなどとも議論する機会を積
立場に甘んじることなく、部門の境際的性質を生か 極的に利用して対処していきたい。
し、積極的に他ユニットと共同研究を行う方向に持
っていくことが、望ましい。
・産総研全体として、若手研究者を、どのように、採
用、確保、していくか、などを、よく考えることが、
今後の研究レベルの維持に重要と考える。特に計算
科学部門は分野の進展が急速で若い力に頼らなくて
はならないので、若い人をどのように入れていくか
という問題と共にどのような人を外に出していくか
という点も長期的に考えてほしい。
170
別紙6:プレ評価結果
4. 委員会のまとめ
(c)研究系
研究系
委員会のコメント
ユニットの返事
人間系
非常に意欲的な課題設定で目標も短期、長期と
も妥当なグループと、産・学の状況をもう少し把
握して課題設定をする必要があると思われるグ
ループがある。研究ユニットとして立ち上げたば
かりで、従来のテーマをひきずるのはある程度仕
方のないところであるが、これからグループ間の
連携を深め、どのようにまとめて行くかが一つの
課題である。
ご指摘の点をふまえつつ、研究ユニット内研究課
題の先鋭化やグループ間連携強化に配慮した運営
をしてゆきたい。今年度の結果をご覧いただき、ま
た、これらの点をご議論いただければ、上昇スパイ
ラルの期待できる有意義な評価システムとなるも
のと思われる。
ユニットの性格上、中期目標に限定された研究計
生活に密着した、分散型技術の研究、及び分野
融合型の研究組織はユニークで、高く評価され 画になっている点は否めません。現場の士気を高め
る。そのなかで長期的展望に立った研究を、併せ る意味でも、早急に長期展望を盛り込んだ計画にリ
バイスしたいと考えております。プレ評価委員会の
て推進することが望まれる。
開催に準備時間が与えられなかったことや副系長
の出席調整が認められなかったことなど、ユニット
として万全の体制で評価委員会に望めなかったの
は残念です。
外部資金確保に関しては、産総研全体としてもイ
ンセンティブの設定が不明確に感じています。オー
バーヘッドの徴収と交付金配分のバランスが外部
資金導入を推進する方向にはなっていないように
思われます。また、外部資金確保の個人評価への反
生活環境系
映は、産学官連携への貢献ともども、ユニット長と
しては高く評価するつもりでありますが、長期評価
ではどれだけ反映されるか疑問が残ります。
ユニットの中核技術としては、「ナノ界面機能材
料」の研究をより一層推進し、環境、エネルギー問
題の解決に貢献したいと考えております。最後に、
若手の基礎研究能力の向上に加え、産学にネットワ
ークを持ち、課題解決のためは柔軟に革新技術や既
存技術をシステム化できるような次期リーダーの
育成も重要課題と認識しています。なお、各種資料
のリバイスは、6 月中を目処に評価委員および評価
部に提出の予定です。
171
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
別紙7:プレ評価結果一覧表(評点)と分布図
プレ評価項目について評点をもとに研究ユニット全般について分析した結果を以下
に示す。なお、評価委員の意向によって評点が示されなかった研究ユニットについては
分析から除いてある。また、ここでは項目と評点内容は簡略化して示しており、正確な
表現は[別紙4:プレ評価委員会評価用紙]を参照されたい。
今回の研究ユニットの評価においては、評点を付けるに当たって、委員の主観により
ユニット間で多少のぶれが出ていることには留意する必要がある。
下記の表に示す 4 段階のうち実際につけられた評点は、すべての研究ユニットの評価
項目について A、B 及び C であり、D を付された項目はなかった。また、大半が A また
は B であり、C は項目全体の 6%程度と少ない状況であった。
評点
評点の意味
A
妥当である
適切である
B
概ね妥当である
概ね適切である
C
妥当でない部分がある
適切でない部分がある
D
妥当でない
適切でない
以下に、評点に基づく項目毎の評価結果の分析について示す。
1. 評点に基づく項目毎の評価結果の分析
1-1.
研究の妥当性
(1) 社会的意義
この項目については、C 以下の評点はなく A が2/3という結果であった。評価委
員からは研究ユニットが示した研究は大枠として産総研としてふさわしいという理解
が得られたと考えられる。
(2) ポリシーステートメントの内容
A と B がほぼ半々であり一部 C という結果であった。ユニットによってはポリシー
ステートメントの記述が簡単過ぎて不十分であり評価が難しいという指摘があった。
(3) 運営方針
同様に、A と B がほぼ半々であり一部 C という結果であった。これも②と同様に記
述の不十分さを指摘されたユニットがあった。
172
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
(4) 課題の設定
同様に、A と B がほぼ半々であり一部 C という結果であった。
(5) 課題の過不足
B が多く、平均としてもほぼ B という評価だった。研究部門に関しては、過不足の
判断が難しいという指摘があった。
(6) 産業界や学界の意見の反映
A と B がほぼ半々であり、研究テーマの選定において外部の意見(動向、意向)を
よく考えているという評価が得られた。なお、「産業界や学界の意見」としてもっと
包括的に「社会ニーズの反映」とも読めると説明した委員会もあった。
1-2.
研究計画
(1) 目標の明確さ
A と B が多くほぼ妥当という評価だった。しかし、コメントとしては目標をさらに
明示・具体的にすべきという指摘がいくつかのユニットについてあった。
(2) 目標のレベル
A と B がほぼ半々であり C はなく、研究目標の設定レベルに対する評価は概して高
いといえる。
(3) 開発手法
A と B が多く、ほぼ妥当という評価だった。しかし、コメントとしては開発手法と
いう言葉の意味が明瞭でないという指摘があった。
(4) 産業界や学界との連携
A が最も多く、研究実施の段階において外部連携はよく取られているという評価だ
った。ただ、後述するが、この項目では研究センターへの評価が高く研究部門との差
が明らかに見られた。
1-3.
研究予算、研究体制等
(1) 組織設計
B が多かったが C も他の項目より目立ち、平均も B となった。特に部門において新
たなグループ設計ではなくこれまでの経緯を引き継いだグループ構成となっているの
ではないか、グループが細分化されすぎているのではないかとの指摘があった。
(2) 予算・マンパワーの過不足
B が多くを占めたが、A は少なく、特に、他の項目に比べて C が多かった。ただし、
B と評価されているところでもコメントとしては C ととれるものが多くあった。また、
研究施設・設備の整備状況を勘案しないと予算や研究者数だけの情報では評価はでき
173
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
ないとの意見もあった。評点 C に関しては、研究ユニットが対象とする研究分野の重
要性の割には人数、予算ともに少ないと言う意味で付けられたところも多く、産総研の
マネージメントに配慮を期待する意味合いも含まれている。
2. 研究センターと研究部門・研究系に対する評価結果の差異
研究センターと研究部門・研究系への評価の差異について比較した結果を述べる。各
評価項目の評点に関して研究センターと研究部門・研究系を比較すると、すべての項目
にわたって研究センターの評点の方が多少高い評価となった。これについては、研究セ
ンターの方がミッションが明確化されており構成員も選抜されていることを考慮する
と妥当な結果と言えよう。さらに項目毎に調べると、センターと部門・系でその評点の
差が最も大きかった項目は、[1-2]研究計画の「(4) 学会、産業界との連携をもって研
究を進めているか」であり、これは出口イメージをはっきり持つべき研究センターの性
格上当然の結果といえる。ほかにあきらかに差があった項目としては、[1-1]研究の
妥当性の「(5) 研究テーマの過不足」、[1-3]研究体制の「(1) グループ設計」、「(2) 予
算、人の過不足」であり、これも研究センターの方がよりコンパクトな体制で研究資源
も手厚い配分を受けていることから当然の結果といえる。
3. 評点結果と意見・コメント内容の差異について
評点に基づく分析と[別紙6]の意見・コメントの内容について、評点では大体の項
目において A:妥当あるいは B:概ね妥当との評価結果であったのに対して、意見・コ
メントでは相当に辛口の内容という印象となった。この差異が生じた理由については評
価を下す際に以下の3つの要因があったのではないかと推測される。
第1の要因として、評点をつける際にはゼロからの出発ではなく旧研究所の人員・組
織を引き継いだという過去の経緯があり、それを考慮して様々な現状の課題についてや
むを得ない点もあるとしたが、意見・コメントでは今後の方向性を示すという点で課題
解決に向けて辛口の姿勢が取られたのではないか。
第2には、評点はユニット全体に関して包括的な観点から付けられたのに対し、意
見・コメントについてはどうしても問題・課題に焦点があてられたため、比較すると厳
しさが現れたのではないか。
第3の要因としては、委員会におけるプレ評価の趣旨説明において評点よりもむしろ
意見・コメントを重視したいという産総研側からの説明が評価委員の考え方に影響して、
このような差異が生じた可能性があると考えられる。
今回は、プレ評価ということで評価結果が研究資源の反映に関係するものではないた
めこのような差異が生じたことが大きな影響を与えることにはならないが、秋から冬に
かけて行われる研究成果についてより適切な実績評価を得るための方策を今後十分検
討する必要があろう。
174
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
別紙7: プレ評価結果一覧表(評点)
予算・人の過不足
体制
グループ設計
開発手法
研究レベル
産業界等との連携
研究計画
目標の明確さ
産業界等のニーズ
課題の過不足
課題の設定
運営方針
ポリシーの内容
社会的意義
総予算
グループ数
研究職員数
A:妥当
B:概ね妥当
C:妥当でない部分がある
D:妥当でない
研究の妥当性
人
百万円
センター
1 深部地質環境
2 活断層
3 化学物質リスク管理
4 フッ素系温暖化物質
5 ライフサイクルアセスメント
6 パワーエレクトロニクス
7 生命情報科学
8 生物情報解析
9 ティッシュエンジニアリング
10 ジーンディスカバリー
11 ヒューマンストレスシグナル
12 強相関電子技術
13 次世代半導体 (注 1)
14 サイバーアシスト
15 マイクロ・ナノ機能 (注 1)
16 ものつくり先端技術 (注 1)
17 高分子基盤技術
18 光反応制御 (注2)
19 新炭素系材料
20 シナジーマテリアル
21 超臨界流体
22 スマートストラクチャー
23 界面ナノアーキテクトニクス
35
15
16
12
11
14
25
25
13
14
11
16
42
12
6
14
22
39
18
18
15
17
24
8
3
4
3
2
4
5
10
6
7
3
7
5
5
2
3
6
4
6
5
3
5
4
467
347
197
130
117
179
335
1,850
455
296
134
298
172
180
85
68
116
400
512
195
172
178
159
A
A
A
A
B
A
A
A
A
B
A
A+
A
A
B
A
A
A
A
B
A
A
-
A
A
B
A
B
A
A
A
B
B
A
A
A
B
C
B
B
B
A
B
A
A
-
B
A
B
A
C
B
A
A
B
B
A
A
A
B
B
A
B
B
B
A
B
A
-
B
A
B
A
B
B
A
B
A
B
A
A
A
A
C
A
A
B
B
B
A
A
-
A
B
B
A
B
B
B+
B
B/C
B
A
B
B
C
A
B
B
B
B
A
B
-
A
B
A
A
B
A
A
B
A
A
A
A
A
B
B
B
A
A
A
B
-
A
B
B
A
B
B
B
B
A
B
B
A
B
B
B
B
A
A
A
B
B
A
-
226
98
69
72
116
97
90
65
49
78
61
98
69
60
58
58
82
71
122
60
47
26
15
19
11
14
18
14
14
12
4
13
12
19
13
9
11
11
13
13
25
11
9
5
2,287
751
768
611
854
958
500
438
392
417
518
689
456
714
417
623
414
416
578
416
228
92
A
A
A
AB
A
A
A
A
A
B
A
A
B
A
A
A
A
B
B
B
A
B
B
C
B
B
B
A
A
A
B
A/B
B
B
A
B
A
A
B
B
B
B
A
C
A
B
B
A
A
A
A
A
B
A
A
B
B
B
A
B
B
B
C
B
B
A
A
A
B
B
B
A
B
A
A
B
B
A
B
B
B
B
AB
B
A
B
B
B
A
B
B
B
B
C
B
B
B
C
B
C
B
B
B
C
B
C
A
A
A
B+
A
A
B
B
B
B
B
A
C
B
A
A
B
B
B
-
A
B
C
AA
C
A
B
B
B
A
B
B
B
B
B
B
B
B
A
B
B
35
54
7
9
235
546
A
A
A
B
A
B
B
B
A
B
B
B
A
B
A
A
A
B
B
B
A
A
B
B
A
A
B
B
B
A
B
A
A
B
A
B
-
A
A
A
B
A
A
B
A
B/C
A
A
B
B
C
B
A
A
B
B
B
A
-
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
A
B
A
A
B
A
A
B
-
A
A
B
A
B
B
B
B
A
A
B
A
C
C
B
B
B
B
C
A
A
-
A
B
B
B
B
B
C
A
B
B
B
C
C
B
B
B
B
B
A
B
-
A
A
B
B
B
B
AB
A
B
B
B
A
A
B
B
B
A
B
B
A/B A/B
B
B
B
A
B
B
B
B
B
B
B
B
B
B
B
B
A
A
A
B
-
B
C
B+
B
A
B
B
A
A
B
B
B
B
C
A
B
B
C
-
B
B
A
BA
B
B
B
A
C
B
B
B
B
C
B
A
B
B
C
B
B
B
C
B
BB
B
B
B
B
C
C
B
B
C
B
C
C
A
A
A
B
B
B
研究部門
1 計測標準
2 地球科学情報
3 地圏資源環境
4 海洋資源環境
5 エネルギー利用
6 電力エネルギー
7 環境管理
8 環境調和技術
9 情報処理 (注 3)
10 知能システム (注 3)
11 エレクトロニクス
12 光技術
13 生物遺伝子資源
14 分子細胞工学
15 人間福祉医工学
16 脳神経情報
17 物質プロセス
18 セラミックス
19 基礎素材
20 機械システム
21 ナノテクノロジー
22 計算科学 (注 3)
特別研究体
1 人間系
2 生活環境系
研究職員数は研究ユニットに配属された産総研の研究職員数を示す。
委託費等=総予算-運営交付金
(注1)別途委託費を申請中である。
(注2)光反応制御研究センターは COE プロジェクト「光反応制御・光機能材料」に参加する。
(注3)別立て予算も使用予定である。
175
A
A-
A
B
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
別紙7: プレ評価結果評点分布図 1/2
妥当
概ね妥当
妥当でない部分がある
妥当でない
センター
部門
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
C
B
評価
16
14
12
10
8
6
4
2
0
A
C
センター
部門
運営方針
B
評価
A
センター
部門
課題の設定
16
14
16
14
12
10
研究ユニット数
研究ユニット数
センター
部門
ポリシーの内容
研究ユニット数
研究ユニット数
社会的意義
8
6
4
2
0
12
10
8
6
4
2
0
C
B
評価
A
C
センター
部門
課題の過不足
研究ユニット数
12
10
8
6
4
2
0
C
B
評価
B
評価
A
センター
部門
産業界のニーズ反映
16
14
研究ユニット数
A:
B:
C:
D:
16
14
12
10
8
6
4
2
0
C
A
B
評価
176
A
別紙7:プレ評価結果一覧表と分布図
別紙7: プレ評価結果評点分布図 2/2
妥当
概ね妥当
妥当でない部分がある
妥当でない
センター
部門
16
16
14
14
12
12
10
8
6
4
2
10
8
6
4
2
0
0
C
B
A
C
評価
センター
部門
A
研究ユニット数
B
センター
部門
産業界との連携
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
C
B
評価
開発手法
研究ユニット数
センター
部門
研究レベル
研究ユニット数
研究ユニット数
目標の明確さ
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
C
A
評価
B
A
評価
センター
部門
グループ設計
センター
部門
予算・人の過不足
16
18
16
14
14
研究ユニット数
研究ユニット数
A:
B:
C:
D:
12
10
8
6
4
2
0
12
10
8
6
4
2
0
C
B
C
A
B
評価
評価
177
A
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