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Ⅱ 情報化推進の背景
Ⅱ 情報化推進の背景 Ⅱ 情報化推進の背景 1.国の動向 (*P65) 1.1 ブロードバンドの普及 (*P59) ブロードバンドサービスの加入契約状況の推移(図 1)を見ると、DSL は 2006 年 6 月以降減少傾 (*P60) 向にあり、2008 年 6 月時点では光ファイバ(FTTH)が最も多く、さらに増加しています。 総務省 ブロードバンドサービス等の契約数の推移【平成 20 年 6 月末現在】より 16,000,000 14,000,000 1,308.3 万人 光ファイバー(FTTH) ○加入者数:1,308.3 万人 12,000,000 1,229.0 万人 DSL ○加入者数:1,229.0 万人 10,000,000 8,000,000 ケーブルインターネット ○加入者数:395.6 万人 6,000,000 無線(FWA) ○加入者数:1.3 万人 4,000,000 395.6 万人 2,000,000 1.3 万人 0 04-6 04-9 04-12 05-3 05-6 05-9 05-12 06-3 06-6 06-9 06-12 07-3 07-6 07-9 07-12 08-3 08-6 図 1 ブロードバンドサービス加入契約の推移 また、加入状況を都道府県別に見た場合、新潟県はいずれかのブロードバンドサービスが提供され ている地域の世帯カバー率(%)は、90.3%で全国 39 位、超高速ブロードバンドサービス(FTTH) が提供されている地域の世帯カバー率(%)は、59.8%で全国 43 位と全国に比べ、大きく遅れてい ます。 1.2 地域情報化の推進 (*P59) 日本では政府全体で進めてきた「e−Japan戦略」のもと 2005 年までに世界最先端の IT 国 家となるようブロードバンドの普及や安い料金設定などの着実な成果をあげてきました。 2006 年には、e−Japan戦略の目標は大きくクリアし、ブロードバンド環境は充実してきた (*P61) として、2010 年に向け、 『u−Japan戦略』を掲げました。これまでの有線中心のインフラ整備 (*P63) (*P65) から、有線・無線の区別のないシームレスなユビキタスネットワーク環境への移行を目指しています。 有線から無線、ネットワークから端末、認証やデータ交換等を含めた有機的な連携によって、あら ゆる場面で継ぎ目なくネットワークにつながる環境を整備するとしています。またその結果、ネット (*P60) ワークが生活の隅々にまで融け込む草の根のようなICT環境が実現するとしています。 1 Ⅱ 情報化推進の背景 このような中にあって、総務省では平成 20 年度から『ICTによる地域活性化』施策として、ネ ットワークの整備と ICT 利活用促進を一体として推進することによる相乗効果の確保が重要であり、 (*P63) 総務省では、条件不利地域に対する補助率嵩上げ等支援措置を拡充するとともに、デジタルデバイド 解消戦略会議など推進体制を整備するとしています。 総務省 u-Japan 政策 『e-Japan 戦略の今後の展開への貢献』 より ※http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ict/u-japan/new_outline01.html 総務省 『ICT と地域経済の活性化 ∼地方の元気が日本の力∼ 【平成 20 年 6 月】』 より ※http://portal.ict-tokushima.jp/pdf_files/siryou.pdf 2 Ⅱ 情報化推進の背景 1.3 行政情報化の推進 (1)電子自治体の推進 電子自治体は、地方公共団体における ICT の活用により行政サービスの高度化及び行政の簡素 化・効率化を図ることを目的とするものです。総務省では、平成 19 年 3 月に「平成 22 年度まで に利便・効率・活力を実現できる電子自治体を実現すること」を目標とした「新電子自治体推進 指針」を策定しており、毎年度実施状況のフォローアップを行っています。 我が国の ICT 戦略と電子自治体推進指針の展開 総務省 『新電子自治体推進指針【平成 19 年 3 月】』 より ※http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h20/html/k3442000.html ①国による電子自治体構築支援 総務省では、 「IT 新改革戦略」を踏まえ、電子自治体システムの効率的な構築、住民の利便 性向上や業務改革等に向けて取り組んでおり、 「電子自治体の推進に関する懇談会」を開催し て電子自治体に係る施策の推進に関し取組状況の把握、課題の抽出・検討及び必要な助言を行 っています。また、平成 19 年 10 月から同懇談会の下でオンライン利用促進ワーキンググル ープとセキュリティワーキンググループを開催しています。平成 20 年 3 月には、携帯電話を 活用した電子申請システムの構築及び地方公共団体における証明書等の電子交付等について、 オンライン利用促進ワーキンググループ報告書が取りまとめられました。 セキュリティワーキ (*P59) ンググループでは情報資産のリスク分析、ICT 部門の事業継続計画(BCP)の策定及び外部 委託等に伴う個人情報漏えい防止の具体的方策について検討を行っています。 ②電子自治体における個人情報保護と情報セキュリティ対策の徹底 電子自治体の推進において、個人情報の保護と情報セキュリティ対策が重要な課題となって います。 3 Ⅱ 情報化推進の背景 平成 19 年 4 月現在、個人情報保護条例はすべての都道府県・市区町村で制定済みであり、情 報セキュリティポリシーは都道府県で全団体、市区町村で 96.8%が策定しています。総務省で は、すべての地方公共団体が情報セキュリティ監査を実施するよう地方財政措置を行うとともに、 地方公共団体の自治体セキュリティ情報の共有等の機能を有する「自治体 CEPTOAR」(平成 19 年 3 月)に対し、必要な助言等の支援を行うこととしています。 (2)住民基本台帳ネットワークシステムの活用 住民基本台帳ネットワークシステムは、地方公共団体のシステムとして、住民基本台帳のネット ワーク化を図り、本人確認情報(氏名・住所・生年月日・性別、住民票コード及びこれらの変更 情報)により、全国共通の本人確認や、行政機関への本人確認情報の提供が可能となるものであ り、平成 14 年 8 月から稼働している同システムは、住民の利便性の向上や、電子政府・電子自治 体の基盤として重要な役割を果たしています。総務省では、都道府県、市町村等との連絡調整を 図りつつ、引き続き地方公共団体における同システムの円滑かつ着実な運用を支援していくこと としています。 (3)地方公共団体による公的個人認証サービス インターネット上におけるデジタル文書については、文書作成者の特定が困難であることから他 人になりすまされたり、文書の内容を改ざんされたり、送信者に送信を否認されたりするなどの 危険性があります。行政手続等のオンライン化を促進し、電子政府・電子自治体を実現するため には、こうした問題を解決する必要があることから、 「電子署名に係る地方公共団体の認証業務に 関する法律」 (平成 14 年法律第 153 号)に基づき、平成 16 年 1 月から、地方公共団体による公 的個人認証サービスの提供が開始されました。 (*P62) 公的個人認証サービスを利用して申請等を行うことができる手続としては、国税の申告、不動産 登記申請等、平成 19 年 4 月現在で、国では 15 府省庁等、地方公共団体では 47 都道府県及び一 部市区町村の手続が対象となっているところであり、今後、国及び地方公共団体の各種手続にお いても、公的個人認証サービスの利用が順次拡大される見込みです。 公的個人認証サービス 総務省 『情報通信白書【平成 20 年版】』 より ※http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/cover/index.htm 4 Ⅱ 情報化推進の背景 2.新潟県の動向 新潟県においては、平成13年度から新しい長期計画をスタートさせ「情報ネットワークを活用し た社会づくり」のために、県内各地域のニーズや環境に合わせた情報化の取組に対する支援を行うほ か、産業や保健・医療・福祉・教育などの分野における情報化を推進するため、先導的な取組を展開 し、これらの取組を行う際の基礎となる情報通信基盤を整備するとしています。 また、情報通信技術(IT)の飛躍的発展に対応した積極的なIT戦略を展開するため、知事を本 部長とし、県のIT戦略に関する重要事項の決定など、県のIT推進の最高意思決定機関として、 『新潟県IT推進本部』を設置しています。 情報化推進に関する主な計画 名称 新潟県情報 政策ビジョン 内容・性格 策定時期 情報化政策を体系的に実施するため 平成 11 年3月 計画期間 平成 11∼22 年度 の県全体の情報政策の指針を策定し たもの。 新潟県 「ブロードバンド活用で実現する快 平成 16 年1月 ブロードバンド 適・安全・豊かなくらし」を目標とし、 ネットワーク構想 都市部と中山間地域等のブロードバ 平成 15∼22 年度 ンド環境をめぐる格差是正と利活用 促進による普及率向上を柱としてい る。 新潟県行政情報化 行政内部の情報化に焦点を当て、IT 平成 18 年5月 プラン を効果的かつ効率的に活用して行政 2006∼2008 経営の高度化と効率化を実現するた 平成 18∼20 年度 めに、今後取り組むべき施策を明らか にし、これら取り組むことにより「政 策官庁への変革」と「小さな政府の実 現」を推進している。 新潟県 知事の選挙公約を基本として策定し 平成 18 年7月 「夢おこし」政策 た県政運営の基本計画。情報インフラ プラン 整備の政策指標として「ブロードバン ド空白地域」と「携帯電話不感地域」 の早期解消を掲げている。 5 平成 18∼28 年度 Ⅱ 情報化推進の背景 2.1 ブロードバンドネットワーク構想 新潟県では、2010 年度までのブロードバンド環境整備目標として、 ・世帯カバー率を 100%、内超高速ネットワークのカバー率を 81.2% ・県内のブロードバンド未整備市町村および地域をすべて解消 と設定しています。 新潟県 『ブロードバンドネットワーク構想の概要』【平成 20 年 1 月】 より ※http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/4_gaiyou,4.pdf 総務省信越総合通信局 『信越管内ブロードバンドロードマップ』 より ※http://www.soumu.go.jp/soutsu/shinetsu/sbt/toukei/080912_BB-roadmap_niigata.pdf 6 Ⅱ 情報化推進の背景 2.2 新潟県行政情報化プラン ITを効果的かつ効率的に活用して行政経営の高度化と効率化を実現するために今後取り組むべ き施策を明らかにした「新潟県行政情報化プラン2006∼2008」を策定しています。 これらの取組を確実に進めることにより「政策官庁への変革」と「小さな政府の実現」を目指す としています。 施策体系図 新潟県 『新潟県行政情報化プラン 2006∼2008 概要版』【平成 18 年 5 月】 より ※http://www.pref.niigata.lg.jp/joho/1201107651392.html 本プランでは、施策の基本方向と施策体系として (1) 行政経営の高度化 ①政策形成の高度化 ②戦略的な情報発信と県民サービスの高度化 (2) 行政経営の効率化 ①業務プロセス改革と業務システムの再編 ②情報システムの全体最適化と調達プロセス改革 を掲げています。 7