Comments
Description
Transcript
2014 - ダイキン工業株式会社
アニュアルレポート 2014 2014年3月期 創業90周年の歴史と実績を礎に グローバル企業として新たな飛躍へ 1924年に創業したダイキン工業は、空調およびフッ素化学分野を柱にグローバル企業へ発展を遂 げてきました。創業90周年となる2014年、ダイキングループは世界145カ国に事業展開し、生産拠 点は74カ所に上っています。 今日、地球温暖化防止、省エネルギーは先進国にも新興国にも共通する課題。空調は電気やガスを 使い、CO2 排出にも影響します。ダイキングループにとって、エネルギーコントロールは果たすべき重要 な使命です。快適性・環境性がともに高い製品・ソリューションの提供を通じて、これからも企業価値 の向上と社会貢献の両立をめざしていきます。 90年間の歴史と実績を礎とし、投資家の方々をはじめグローバル社会の皆様の信頼と期待に応え、 新たな飛躍をめざします。 目 次 グループ経営理念 1 油機事業 18 連結損益計算書 財務ハイライト 2 特機事業 19 連結包括利益計算書 39 事業一覧 3 コーポレートガバナンス 20 連結株主資本等変動計算書 39 CEOメッセージ 4 役員一覧 22 連結キャッシュ・フロー計算書 40 CEOインタビュー 6 CSR(企業の社会的責任) 23 連結財務諸表の注記 41 独立監査人の監査報告書 63 会社情報 64 事業の概況と今後の見通し 財務セクション 国内空調事業 12 11年間の要約財務データ 28 グローバル空調事業 14 財務報告 30 化学事業 16 連結貸借対照表 36 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 38 グループ経営理念 1.「 次の欲しい 」を先取りし、新たな価値を創造する 2 .世界をリードする技術で、社会に貢献する 3 .企業価値を高め、新たな夢を実現する 4 .地球規模で考え、行動する 5 .柔らかで活力に満ちたグループ ①しなやかなグループハーモニー ②関係企業と刺激し合い、高め合う 6 .環境社会をリードする 7.社会との関係を見つめ、行動し、信頼される ①オープンである、フェアである、そして知ってもらう ②地域に対して、私たちにしかできない貢献を 8 .働く一人ひとりの誇りと喜びがグループを動かす力 ①一人ひとりの成長の総和がグループの発展の基礎 ②誇りとロイヤリティ ③情熱と執念 9.世界に誇る「フラット&スピード」の人と組織の運営 ①参画し、納得し、実行する ②チャレンジャーこそ多くのチャンスをつかむ ③多彩な人材を糾合し、個人の力をチームの力に 10.自由な雰囲気、野性味、ベストプラクティス・マイウェイ 見通しに関する注意事項 このアニュアルレポートには、 ダイキン工業の将来の計画や戦略、 業績に関する記述が含まれていますが、 これらの記述は過去の事実ではなく、 当社 が現時点で入手可能な情報に基づいた会社の判断によるものです。実際の将来の業績は、 経済動向や業界の競争激化、 為替レート、 税制や諸制度 に影響される可能性があります。このような事由により、 これらの見通しは潜在的なリスクや不確実性を含んでおりますことをご承知おきください。 ANNUAL REPORT 2014 1 財務ハイライト ダイキン工業株式会社および連結子会社 3月31日に終了した各会計年度 単位:百万円 2013年 2014年 ¥1,290,903 ¥1,783,077 損益状況 (会計年度) : 売上高 財務ハイライト/事業一覧 売上総利益 388,046 566,861 営業利益 88,627 当期純利益 43,585 155,075 91,880 営業活動によるキャッシュ・フロー ¥103,161 ¥179,713 投資活動によるキャッシュ・フロー (218,386) フリーキャッシュ・フロー (注) (115,225) 財務活動によるキャッシュ・フロー 143,520 キャッシュ・フロー状況 (会計年度) : (80,835) 98,878 (38,249) CEOメッセージ 財政状態 (会計年度末) : 総資産 自己資本 ¥1,735,836 ¥2,012,531 618,118 802,344 ¥ 149.73 ¥ 315.21 2,123.10 2,749.76 36.00 50.00 339 1株当たり情報 (単位:円) : 当期純利益 純資産 年間配当金 CEO インタビュー キャッシュ・フロー (フリーキャッシュ・フロー/期中平均株式数) (396) 財務指標 (単位:%) : 売上総利益率 営業利益率 ROE 自己資本比率 30.06% 31.79% 6.87 8.70 7.78 12.94 35.61 39.87 コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し 注:フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー 財務セクション 売上高、売上総利益、売上総利益率 ROE (億円) (%) (億円) (%) (%) 18,000 36 1,800 12 15 15,000 30 1,500 10 12,000 24 1,200 8 9,000 18 900 6 6,000 12 600 4 3,000 6 300 2 0 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 売上高 2 営業利益、営業利益率 売上総利益 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 売上総利益率 0 2010 2011 2012 2013 2014 営業利益 営業利益率 12 9 6 3 0 2010 2011 2012 2013 2014 事業一覧 売上高に占める割合 空調事業 89.3% 化学事業 空調事業 主要製品 1,385 15,929 16,000 (億円) ● 1,600 ● ● 12,000 1,200 ● ● 8,000 800 4,000 400 ● ● ● ● 0 0 2010 2011 特機事業 油機事業 売上高/営業利益 (億円) 7.9% 2012 2013 2014 ● ● ● 1.0% 1.6% 事業概要 ルームエアコン ヒートポンプ給湯暖房システム 店舗・オフィス用エアコン ビル用マルチエアコン 設備用・工場用エアコン 中・低温用エアコン 全熱交換ユニット 調湿外気処理機 空気清浄機 ウォーターチリングユニット エアハンドリングユニット 海上コンテナ冷凍装置 1951年に日本で初めてパッケージエアコンの生 産を開始して以来、冷媒開発から空調機開発ま でを行う世界唯一 のメーカーとして培った技 術 力 をもとに、ダイキンはここちよい 空 間 づくりに 貢献しています。 フルオロカーボンガス フッ素樹脂 フッ素ゴム フッ素塗料 フッ素コーティング材 フッ素オイル 撥水撥油剤 離型剤 医農薬中間体 半導体用エッチング剤 ドライエア供給装置 1933 年に日 本 で 初 めてフッ素 系 冷 媒 の 研 究 に着 手して以 来、研 究 開 発 から用 途 開 発 に至 るまでを一貫して行い、ガス、樹 脂、ゴムなど、 1, 8 0 0 種類以上のフッ素化合物を生み出してい ます。 油圧ポンプ 油圧ユニット 油圧バルブ 油冷却装置 油圧トランスミッション 集中潤滑機器・装置 ダイキン独自の油圧技術は、省エネ性能に優れ、 パワーコントロールの可能性を拓き、産業の発展 に貢献しています。 防衛省向け砲弾 誘導弾用部品 在宅酸素医療用機器 ダイキンの高度な精密加工技術や品質管理技術 は、防衛関連製品など最高レベルの精度と機能 が要求される分野で活躍しています。 化学事業 (億円) (億円) 142 1,402 1,600 240 ● ● ● 1,200 180 800 120 400 60 ● ● ● ● ● ● 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 ● ● 油機事業 (億円) (億円) 14 290 300 300 200 200 100 100 ● ● ● ● ● ● 0 0 -100 -400 2010 2011 2012 2013 2014 特機事業 (億円) 5 173 200 (億円) 8 ● ● ● 150 6 100 4 50 2 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 ANNUAL REPORT 2014 3 CEOメッセージ 持続的成長に向かって 過去最高の業績を達成した勢いを持続し、創業90周年となる2014 財務ハイライト/事業一覧 年度を迎えることができました。これからも事業モデルを変革し、製品 や技術の環境性も高めながら、グローバルに事業を拡大します。 CEOメッセージ 2013年度のダイキングループは、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益とも、すべて過去 最高を達成し、創業90周年となる2014年度を迎えました。引き続き事業環境の変化に柔軟か つ迅速な対応をとり、持続的成長へと全力を尽くします。 具体的には、戦略経営計画“FUSION15”のもと、大規模な拡販をめざし、新興国を含む各市 CEO インタビュー 場で販売網拡充や新規開拓などにより販売力を増強します。また、サービスや保守メンテナンス、 計装・制御などソリューション事業の育成に加え、次世代冷媒や暖房事業などを柱とする環境イノ ベーション事業の拡大に邁進します。こうした成長戦略とともに、投資の厳選や固定費の抜本的 削減などを徹底し、高い収益力をもつ事業構造を確立していきます。さらに、品質・コンプライア 事業の概況と今後の見通し ンスの向上や、当社グループの経営の基軸である人材力の強化にも努め、持続的成長に必要十分 な体質づくりを進めます。 当社グループは2012年、世界で初めて地球温暖化への影響が従来の3分の1にとどまる新冷媒 R 32を採用しました。以来、そのグローバルな普及をめざし、新しい業界標準の策定でも各国・地 コーポレートガバナンス 域の環境・空調関係者との積極的な情報交換など、空調トップメーカーとしての役割を果たしてき ました。とりわけ新興国では、新冷媒への切り替えが急務です。当社グループは、普及価格帯の省 エネインバータ機を新興国市場に投入するなど、地球温暖化防止にも貢献しながら事業拡大を実 現しています。 財務セクション 私が常々考えている企業成長の原動力は、何よりも時代の変化に柔軟・機敏に適応し、イノベー ションを生み出すことです。創業100周年に向け、グローバル市場の支持を獲得し、株主の皆様を はじめステークホルダーの方々の期待に応え続ける企業であるよう、ダイキングループのさらなる 発展をめざします。 4 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 2014年6月 代表取締役社長兼 CEO ANNUAL REPORT 2014 5 CEOインタビュー グローバル競争を勝ち抜く 2013年度は5カ年にわたる戦略経営計画“FUSION15”の中間年度であり、前 財務ハイライト/事業一覧 半の定量目標を上回る業績を達成しました。同時に後半3カ年のスタートダッシュ ができたことは大きな成果です。2014年度からも最終目標の達成と 「真のグロー 事業の概況と今後の見通し CEO インタビュー CEOメッセージ バルエクセレントカンパニー」の実現に向け、厳しい競争を勝ち抜いていきます。 財務セクション コーポレートガバナンス 2014年6月 代表取締役社長兼 CEO 6 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. Q1 2013年度における経 営 環 境と、過 去 最 高を記録したダイキングループの業績につ いてお聞かせください。 Q2 戦略経営計画“FUSION15”のスタート から3年が経過し、中間年度が終了しまし た。3年間の成 果をはじめ、これまでの総 括をお聞 かせください。 十河:2013年度は、世界経済が最悪期を脱し、経営環境 にも明るさが 見 えてきました。私 たちはそのタイミングを 十河: “ FUSION15”の1年目だった2011年度は東日本大 とらえ、2011〜15年度の戦 略 経営計画“FUSION15” 震災直後で先行きが著しく不透明となり、その後の世界経 (フュージョン・フィフティーン)のもと、収益力の抜本的強 済の回復も鈍かったことは否めません。しかしながら、私 化を図るとともに、さらなる成長の加速をめざしました。 たちはパラダイムシフトの 時 代を勝ち抜き、 「真のグロー 空調事業においては、日本、欧州、米国、中国をはじめ バルエクセレント企業 」を実現すべく、 「新成長戦 略 」 「経 世界各地域で私たち独自の施策を他社に先んじて展開し 営体質革新」 「 人材力強化 」からなる “FUSION15”のコア ました。さらに2012年11月に買収した米国グッドマン社 戦略を着実に推進・実行し、この3年間、順調に事業を拡 の新規連結や、為替の円安効果も取り込み、空調・冷凍機 大してきました。 事業の売上高は1兆5 ,928億8 , 500万円の前期比 42% 例えば、2013年度の新興国での空調事業売上高は、 の増収となり、営業利益は1, 384億7, 800万円の前期比 2010年度に比べ約3倍増の1, 550億円に達しました。ま 95%の増益となりました。 た日本国内では、節電ソリューション事業が実績をあげた 化学事業は、自動車関連や、市場が回復基調の半導体、 ほか、環境性能の高い空調機器を次々に発売しました。加 中国のインフラ投資といった各分野における販売が増加 えて、グッドマン社買収による北米空調市場の攻略も大き し、売上高は1,401億7, 800万円と前期比13%の増収と な成果の一つです。 なった半面、営業利益は、市場の供給増を背景とした売価 ダウンの影響を大きく受け、141億8 ,900万円と14%の 減益となりました。 その他の事業は、油機・特機・電子システムの3事業を あわせた売上高が 500億1,400万円で増収、営業利益は 24億1,400万円で増益となりました。 これらの 結 果、連 結 売 上 高は1兆7, 831億 円(前 期 比 38 .1% 増)、連結営業利益は1, 551億円(同75 . 0 % 増) となりました。連結当期純利益は、投資有価証券評価損計 上額が前期から大幅に減少したこともあり、919億円(同 110 . 8% 増)と大きく増加しました。売上高および各利益 とも、当社グループ史上最高の実績です。 2015年度定量目標 ■ 全社売上・利益目標 (億円) 2010実績 2013当初目標 2013実績 2015目標 ¥11,603 ¥16,000 ¥17,831 ¥20,500 755 (6.5%) 1,300 (8.1%) 1,551 (8.7%) 1,900 (9.3%) 2010実績 2013当初目標 2013実績 2015目標 ROA 1.7% 5.0% 4.9% 6.0% ROE 4.0% 11.0% 12.9% 13.0% 売上高 営業利益 (営業利益率) ■ ■ 財務目標 投資計画 (億円) 2013〜2015 3年累計 ¥2,500 ※2015年度想定為替レート:1ドル = 95円、1ユーロ=125円 ANNUAL REPORT 2014 7 財務ハイライト/事業一覧 CEOメッセージ CEO インタビュー 事業の概況と今後の見通し グループ全体として3期連続の増収増益となり、2013 需要変動への柔軟な対応と為替変動リスクの低減につな 年度の業績は、 “FUSION15”を策定した当初の目標値 (売 げました。また、グッドマン社の手法をトランスファーし、 上高1兆6 ,000億円、連結営業利益1, 300億円)を大幅 グローバル集中購買によるコスト削減も推進しました。中 に上回ることができました。かつてないほど変化の速い激 国の蘇州工場では、ルームエアコン生産のスケールメリッ 動の時代に適応し、 “FUSION15”最終年度の定量目標で トだけでなく、部材の現地調達と内作化を大幅に高め、コ ある連結売上高2兆500億円、連結営業利益1,900億円 スト競争力を強化しました。 の達成に向け、スタートダッシュをかけることができました。 第三に、外部環境に左右されない強靭な販売網を各地 で構築しました。例えば、中国では内陸市場へと空調機器 財務セクション コーポレートガバナンス Q3 8 の販売網を広げ、顧客にいっそう密着した小売営業を強化 同じくこの3年間で、構築したことを教え しました。結果、販売店数は2009年度の約 6 , 000店か てください。 ら2013年度には約14 , 000店まで増えています。北米で は、900を超える販売拠点と、その傘下に約 60 , 000店 十河:3年間、私たちは収益力ある事業構造の確立に向け のディーラーを有するグッドマン社の販売網を活用し、大 た施策を推進しました。第一に製品の高付加価値化を追 規模な拡販に取り組んでいます。インドでは、多岐にわた 求しました。例えば国内空調事業では、ルームエアコンに る顧客ニーズをセグメントし、地域ごとに最適な販売店開 続いて業務用エアコンとして初めて新冷媒 R 32を採用する 発を進めています。 など差別化製品の投入を継続しました。 第四に、グローバル展開のさらなる加速に向けた基盤固 第二に、コスト競争力の強化による収益力の向上を図り めに注力しました。提携・連携、M&Aの展開により、グッ ました。現地生産・現地販売体制を構築することにより、 ドマン社とのシナジー創出で北米市場を攻略する体制を、 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. エアフェル社の買収によりトルコおよび中央アジア市場を 攻略する体制を整えました。生産拠点の拡充についても、 Q4 “FUSION15”のコア戦略として、新成長 戦略4テーマが掲げられています。まず「新 トルコ、ブラジル、メキシコなど新興国を中心に急ピッチで 興国・ボリュームゾーンへの本格参入 」と「顧客ニー 進めました。また、空調製品開発力の強化をめざし、日本 ズに応えるソリューション事業の展開 」について後半 をマザー拠点として、グローバルでの自立分散型の体制 (日 3カ年計画での取り組みをご説明ください。 本、米 国、中 国、ベルギー、タイ、インド、オーストラリア) をとり、中でも中国とベルギーでは開発技術者を大幅に増 十河: 「新興国・ボリュームゾーンへの本格参入 」について 員しました。さらに、次の10年を見すえ、製品開発の効率 は、ライバルメーカーに勝てる空調機器の投入により、さら 化、スピードアップと異分野の技術融合による革新的な新 なる拡販を図ります。住宅用では、冷房機能に特化したイ 事 業や新商品の創 出をめざし、2015年 秋にはテクノロ ンバータエアコンや、普及価格帯のマルチエアコンなど、差 ジーイノベーションセンターを開設します。 別化商品を開発し迅速に市場投入します。業務用では、付 事業拡大に向けた体質強化策に加え、より強靭な経営 加価値の高いVRV(ビル用マルチエアコン)の品揃えを拡 体質をつくるためグループ全体の固定費比率の低減に努 充、コスト競 争力の強化、SE(サービスエンジニア)など め、2015年度に26%まで落とす計画です。 の人材育成にも努め、アジアなど新たな市場で拡販します。 “FUSION15”後半3カ年計画では成長をさらに加速さ また、中東、アジア・オセアニア、中南米などで、インフラ整 せ、成果を刈り取っていくステージに入りたいと考えていま 備や企業投資の活発化を好機とし、アプライド事業の拡 す。コア戦略のよりスピーディな展開を通じて、収益力を 大にも取り組みます。2015年度には新興国での空調事業 高め強靭な企業体質を築きあげていきます。 売上高を2013年度の約2倍の3 , 000億円まで伸ばす計 画です。 “FUSION15”後半 3カ年計画の考え方 さらなる成果創出と目標達成に邁進する実行計画と同時に、次の発展の方向を見すえ、2015年以降に花開かせるテーマにも取り組む成長計画とする。 収益力強化と体質強化に引き続き取り組み、強靭な企業体質を確立する。 1. 環境変化を追い風にした コア戦略の加速 ● 新興国・ボリュームゾーン商品の先進国 (日本、中国、欧州など)への投入 ● 空調需要が拡大する地域 (ロシア、中東、中南米など)への新たな販売網構築 ● アジア諸国での業務用空調機 (VRV・アプライド)の拡販加速 ● 強い機器を含めた循環型ビジネス (工事〜制御〜サービス、保守・メンテナンス)での収益拡大 ● 2. 体質改革に取り組み、 収益力を強化 3. 既存事業・地域のさらなる発展 業界を牽引する省エネ性能の追求、空気環境 (清浄、除加湿、換気)、エネルギー多様化などへ 対応した商品拡充など ● 全社横断的な変動費・固定費削減による、収益力アップ、FCF極大化 ● グッドマン経営を学んだ SCM 全体の効率化 (棚卸資産保有日数▲9日)など ● 欧州:主要国 (仏伊など)景気回復を上回る拡販、周辺新興国でのビジネス拡大 ● 自動車産業などの成長市場の伸びを取り込んだ販売拡大、複合素材などの新商品開発、高付加価値 商品拡充などによる、化学事業の高収益体質への回帰 ANNUAL REPORT 2014 9 財務ハイライト/事業一覧 CEOメッセージ CEO インタビュー 事業の概況と今後の見通し また、新興国の多種多様なニーズに応え、厳しい競争を り、当社グループの総力をあげた取り組みを強化します。 勝ち抜くコスト競争力を持つ製品は、先進国のボリューム 具体的には、空調と冷媒ガスを世界で唯一、あわせ持つ企 ゾーン市場の開拓にもつながります。このリバース・イノベー 業グループとして、新冷 媒 R 32を採 用した 製 品 のライン ションの流れを空調業界の先駆けとなっていち早く取り込 ナップと販売国・地域の拡大をリードしていきます。また、 んでいきます。 PM 2 . 5対策などの空気・換気事業もグローバル展開を進 「顧客ニーズに応えるソリューション事業の展開 」では、 めます。2015年度には環境イノベーション事業の売上高 空調事業においてハードに偏ったビジネスモデルから脱却 3 , 000億円超が目標です。 することが大きな狙いです。国・地域・用途別の市場ニーズ 最後に「グッドマン社買収による事業拡大とシナジー」 にあわせ、サービス、計装、制御を取り込んだエネルギーコ については、調達や間接部門の統合、物流の効率化などに ントロールを提供し、機器の更新需要を獲得するという独 よる合理化効果を中心に、2013年度は当初めざした15 自の循環型ビジネスの確立をめざします。後半3カ年計画 億円のシナジーを大きく超えて30億円を創出できました。 では、このハード(省エネ機器)とソフト(空調周辺サービ 後半3カ年計画では、調達のシナジーだけでも累計150億〜 ス等)の両面から当社グループの強みに磨きをかけ、機器 200億円を計画しています。 だけでは実現できない省エネ性や快適性を提供するソリュー 北米における本格的な事業強化も着々と進んでいます。 ション事業を、とりわけ先進国市場で迅速に展開します。 販売面では、グッドマン社の主力製品であるダクトユニタ さらに、主に業務用空調市場で、利益率の高いサービス・ リー型エアコンでさらなるシェアアップを図るとともに、省 パーツビジネスに注力し、事業拡大と収益性向上を実現し エネインバータを搭載したプレミアムゾーン向け新製品も ます。2015年度にはソリューション事業の売上高3 , 000 投入しました。また、同社の販売網を生かし、省エネ性に優 億円超が目標です。 れたダイキンのダクトレスエアコンの販売も開始しました。 コーポレートガバナンス 生産面では、2014年2月にVRVの現地生産を予定通 Q5 りスタートさせました。 同じく「環境イノベーション事業の拡大 」 “北米空調 No.1”の早期実現に向けた基盤を強化する と「グッドマン社買収による事業拡大とシ ため、2014年度は北米での大幅な販売増を期した先行 ナジー」についてご説明ください。 財務セクション 十河: 「環境イノベーション事業の拡大 」のためには、グロー バル市場の変化に柔軟に対応することが肝要です。いまや エネルギーの多様化、省エネや空気汚染に対する人々の感 度の高まり、各国の環境規制強化などが加速し、それに伴っ 10 投資も行う計画です。 Q6 2014年度のダイキングループ業績見通し をお聞かせください。 て冷媒ガス、ヒートポンプおよび燃焼暖房、空気清浄、フィ 十河:2014年度のグローバル空調市場は拡大の継続が ルターなどにかかわる新事業の成長チャンスは広がってお 見込まれるものの、足元には日本国内の消費増税の反動 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. や、中国および新興国の景気動向など不安定要因もありま 価値を最大化し、ダイキングループが掲げる「真のグロー す。より熾烈化するに違いないグローバル競争を勝ち抜き、 バルエクセレントカンパニー」の実現をめざします。 これまでの業績拡大の勢いを維持するためにも、販売力・ 2014年度、ダイキン工業は創業90周年を迎えました。 営業力の抜本的な強化策として、まず地域別に独自性あ この節目の年に、次なる成長と発展への新たなステージに る販売戦略を練りあげます。また製品戦略として、他に類 進むため、コーポレートガバナンスの体制を強化しました。 例のない魅力的な製品のスピーディかつタイムリーな開発 当社グループは事業領域・規模ともグローバルに急速な と市場投 入などを推し進めます。さらに、販 売価格の維 拡大を続け、世界145カ国に事業展開し、海外売上高比 持・向上と同時にシェアアップも実現し、売上高、利益とも 率は70 %を超え、従業員に占める外国人比率も80 %に 拡大していきます。 達します。私たちは当社グループの多国籍化が加速するの 一方、業績が好調な時こそ、収益体質改善のチャンスで に伴い、よりいっそう高度なグループ経営が可能になるよ もあります。固定費の削減に思い切ったメスを入れると同 うなコーポレートガバナンス体制を構築しなければなりま 時に、グローバル集中購買の推進をはじめとする変動費コ せん。その一環として、新たに「グローバルグループ代表執 ストダウンの施策を最大限に実行することで、一気に体質 行役員 」を設け、真の多国籍企業としての組織マネジメン 強化のスピードを上げ、さらなる成長につなげます。 トとガバナンス体制の確立をめざします。 2014年度の連結業績は、売上高1兆9, 800億円(前期 さらに、外国人取締役を1名増員して2名とし、グローバ 比11. 0 % 増)、営業利益1,700億円(同9. 6% 増)、経常 ル化に対応したガバナンス体制の強化を図りました。 利益1, 660億円(同7.7 % 増)、当期純利益980億円(同 株主の皆様への利益還元については、今後も、安定的 6 .7 % 増)を計画しており、 “FUSION15”の最終目標達 かつ継続的に配当を実施していくことを基本に、これまで 成へと力強く前進します。 2 . 0 %以上を維持することを基本としていた連結純資産配 当率(DOE)を段階的に2 . 5%以上へ引き上げることとあ Q7 わせ、連結配当性向についても十分に意識しながら、より 「真 のグローバルエクセレントカンパニー」 の実現に向けた方針・体制と、株主還元 のあり方についてご説明ください。 一層の充実に取り組んでまいります。 2013年度の配当金は、1株につき年間で前期より14 円増配の50円としました。2014年度は、10円増配の年 間 60円に創業90周年の記念配当として10円を加え、年 十河:今後も空調事業、フッ素化学事業を柱に戦略的投 間70円を予定しています。 資を実行しながら事業拡大を図り、トータルコストダウン 当社グループは、株主の皆様に支えられ、2013年度決 の推進、財務体質の強化などの体質改革を進めていきま 算では4期連続の増収増益、過去最高の売上高、利益を す。持続的な成長に向けて、地球環境問題に積極的に貢 達成して、創業90周年を迎えることができました。これか 献するとともに、経営の透明性・健全性の向上や、意思決 らも変わらぬご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。 定のスピードアップなどガバナンスを強 化することで 企 業 ANNUAL REPORT 2014 11 事業の概況と今後の見通し CEO インタビュー CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 国内空調事業 事業の概況と今後の見通し 省エネ性・環境性に優れた高付加価値商品を拡販 財務セクション コーポレートガバナンス Current 収益性を着実に向上 業務用空調機器の国内市場は2013年度、消費増税前 透による省エネ商品への買い替えが、過去最高水準の出 の駆け込み需要と、設備投資や建築着工件数の回復基調 荷台数をもたらしました。当社グループは、ルームエアコン により、需要が 堅調に推移しました。当社グループは、店 「うるさら7 ( セブン)」をはじめ省エネ商品の拡販に重点を 舗・オフィス用エアコンとして初めて新冷媒 HFC 32(R 32) 置き、売上高は前年度を上回りました。 を採用した「FIVE STAR ZEAS(ファイブスタージアス)」 2013年度は、急激な円安の進行により調達コスト増の (平成25年度省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞受賞) 影響を大きく受けましたが、省エネ性に優れた高付加価値 を11月に発売するなど、省エネ性と環境性に優れた高付 商品を拡販するとともに、売価政策の徹底、市況軟化の取 加価値商品の拡販に取り組み、業務用の売上高は前年度 り込み、設計コストダウン、グローバル調達といったトータ を上回りました。 ルコストダウンの推進により、収益性を向上することがで 住宅用空調機器の国内市場も、消費増税前の駆け込み きました。 需要と住宅着工件数の回復に加え、猛暑や節電意識の浸 12 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 機器販売にとどまらないソリューション事業を展開 Future 当社独自のソリューション事業を拡充 国内の空調機器市場が成熟化するなか、販売力の抜本 し、工事、計装・制御、サービスなど、ソリューションの拡 的な強化に向け、開発営業による販売網の拡充、エンド 大に向け事業基盤を構築します。 ユーザーマーケティング、スペックイン活動などに取り組み “FUSION15”後半3カ年計画では、日本全体に普及し ます。売価政策の徹底も継続し、売上高・利益をともに向 ているVRV(ビル用マルチエアコン)100万台をター ゲッ 上させます。 トとし、保守・メンテナンスをはじめ、機器のみでは実現で 住宅用空調機器では、フラッグシップ機「うるさら7」を きない省エネや快適性を提供するソリューション事業を展 軸に高付加価値商品の一層の拡販を図り、シェアアップを 開します。顧客密着型の営業により機器の更新需要の獲 めざします。業 務 用 では 新 規 販 売 店 の 開 発 や、 「FIVE 得にもつなげ、業績の拡大を図ります。 STAR ZEAS」 「 Eco-ZEAS 80 」を中心に省エネ差別化商 品を拡販します。また、空調機器販売の周辺事業を強化 ANNUAL REPORT 2014 13 財務ハイライト/事業一覧 グローバル空調事業 CEO インタビュー CEOメッセージ 欧州地域では、現地ニーズに合ったデザイン性の 高いルームエアコンを開発 事業の概況と今後の見通し VRVの米国現地生産を開始したグッドマン社ヒューストン工場 財務セクション コーポレートガバナンス Current 14 各国・地域で順調に事業を拡大 2013年度のグローバル空調事業は、各国・地域で収益 アジア・オセアニア地域では、政情不安や経済成長の鈍 を順調に伸ばし、前年度を大幅に上回りました。 化など情勢が悪化したものの、販売網の拡大が順調に進 欧州では、EU主要国の需要が低迷するなか、販売網の 捗し、地域全体の売上高は大幅に増加しました。主力の 再構築と商品力の強化に努め、新たにボリュームゾーンの オーストラリア、シンガポールでは販売力を再強化し、イン 販売を強化しました。中欧・トルコなど新興市場では、ルー ド、マレーシア、ベトナム、インドネシアでは販売網拡大に ムエアコンに加えVRV(ビル用マルチエアコン)の販売網 よりルームエアコンに加え業務用の販売を大きく伸ばしま を強化しました。 した。 中国では、金融引き締め政策の影響などにより、市況は 北米では、12年度に買収したグッドマン社の強固な販 厳しい状況が続きましたが、景気の影響を受けにくい小売・ 売網を活かし、住宅用、業務用ともに販売を伸ばしました。 街売の販売強化で成果をあげ、全機種のフルモデルチェン アプライドも、サービス事業の拡大などにより収益力を向 ジやコストダウンの 推 進 により収 益 力 を 強 化しました。 上させました。地域全体の売上高は、グッドマン社の新規 また、アプライド (大型空調)も伸長し、売上高は大幅に増 連結の効果、シナジー効果の創出もあり、大幅に増加しま 加しました。 した。 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 急成長するインドネシア市場で業務用空調事業のさらなる拡大を図る 小売・街売主体の販売店開発を中国全土で推し進める Future グローバルな成長と体質強化をめざす “FUSION15”後半3カ年計画では、新興国のボリュー アジア・オセアニア地域では、販売店開発、国ごとに異 ムゾーンへの本格参入、ソリューション事業の展開、環境イ なるニーズに対応した新製品の投入、VRVなど高付加価 ノベーション事業の拡大など、新たな成長戦略を推進しな 値商品の需要創造などにより事業拡大を加速します。ま がら、各国・地域別に販売力の強化に取り組んでいきます。 た、事業拡大のための先行投資は厳選して実行しながら、 欧州では、厳しい市況が続くなか、販売店開発と提案営 トータルコストダウンを推進し、収益力を強化します。 業の強化により、EU域内シェアNo.1の地位を固め、景気 北米では、経済が回復基調にある米国での大幅な拡販 の回復に即応できる販売網を再構築します。また、固定費 に向け、住宅用ユニタリーの販売強化、アプライドのソリュー 構造の改革などトータルコストダウンを推進し事業体質を ション事 業を拡 充するとともに、新たな事 業 領域として、 強化します。 住宅用ユニタリーのプレミアム市場や、VRVを主力にした 中国では、大都市郊外や内陸部・中西部の都市など全 中規模ビル市場への本格参入などにより、北米空調 No.1 土で販売店の開発に注力し、専売・小売・街売主体の独自 の早期実現をめざします。 の販売網を築き上げ、現地での新製品開発をさらに加速 し、事業の安定的な成長を図ります。 ANNUAL REPORT 2014 15 CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 化学事業 CEO インタビュー 衣料用途向け撥水撥油剤 コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し Current 米国、中国、アジアで拡販 化学事業は2013年度、日本での販売は低迷しました 化成品は、タッチパネルに用いられる表面防汚コーティ が、米国、中国、アジアで販売を拡大し、円安によるプラ ング剤「オプツール」の販売は伸び悩みましたが、撥水撥 ス効果もあり、売上高は前年度を上回りました。営業利益 油剤が中国とアジアで衣料用途向けに好調に推移し、売 は、供給増を背景とした需給バランス悪化に伴う価格下落 上高は前年度を上回りました。 の影響を大きく受け、前年度を下回る結果となりました。 フルオロカーボンガスは、中国での競争が激化していま フッ素樹脂は、中国での鉄道・通信インフラ投資の改善 すが、アジアでの販売を伸ばし、前年度並みの売上高を や、米国での自動車・航空機向けの堅調な需要を受けて、 確保しました。 また、フッ素ゴムも中国など海外での自動車需要が好調 財務セクション だったことを受けて、ともに売上高は前年度を上回りま した。 16 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 先端分野での用途開発を加速させる フェリーの甲板に塗装される耐候性フッ素塗料「ゼッフル」 Future 用途開発を軸に新たな需要を創出 “FUSION15”後半3カ年計画のもと、グローバルな成 2014年度は、需要の回復基調を捉え、自動車・半導体・ 長分野である、自動車、情報端末、さらには新冷媒、リチ インフラ分野などで拡販を展開します。販売力強化に向 ウムイオン電池や風力発電装置向け塗料など、新エネル け、お客様との協働による取り組みを進め、ソリューショ ギー向けの用途開発のスピードを上げ、需要の拡大を取り ン提案力の向上に努めます。 込んでいきます。また、フッ素材料を塗る・貼る・混ぜると 当面、販売価格の下落傾向が続くなか、収益確保策を いった他素材との複合技術や、フッ素塗料やフッ素樹脂 集中的に展開します。トータルコストダウンの推進に加え、 フィルムなどの表面機能材など環境商品の市場も開拓し、 高付加価値商品では、加工のしやすさなど他にない特長 より深 耕していきます。あわせて高収 益体質の確 立に向 を打ち出し、ボリュームゾーンでは、機能面で顧客ニーズに け、原料開発調達や生産の現地化といった観点から競争 応える低コストの差別化商品を投入していきます。 力の強化を図ります。 ANNUAL REPORT 2014 17 CEO インタビュー CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 油機事業 省エネインバータ駆動油圧ユニット「エコリッチ」 コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し Current 米国、中国で事業を拡大 建設機械・車両の駆動力となる油圧機器 Future グローバル市場を 継続的に開拓 油機事業では、さまざまな機械・車両において小さな力 グローバルベースでの事業成長をめざし、中国では、成 を大きな力に変え、その強さや速度、方向なども円滑にコ 形機・一般産業機械分野を中心に販売力・コスト競争力・ ントロールできる油圧機器を提供しています。 商品ラインナップの充実を図ります。米国では製造業の国 2013年度の油機事業の売上高は、前年度を上回りまし 内回帰を追い風とし、MROビジネス (保守・修理・操業) た。産業機械向け油圧機器は、国内で堅調に推移し、米 を核に事業拡大を進めます。欧州・中南米・アジア市場に 国市場でも販売拠点の拡大により好調に推移しました。建 も進出し、MROビジネスの展開で収益向上を狙います。 設機械・車両向け油圧機器は、製造販売が一体となった 国内では、工場などでの設備投資の回復傾向、電力問 グローバル展開により、国内、米国、中国で販売を伸ばし 題を背景とした節電ニーズの高まりを受け、油圧製品の販 ました。 売だけでなく、お客様に技術相談・アフターサービス・ユ 財務セクション ニット設計など付加価値の高いサービスを提供するソリュー ションビジネスを武器に、シェア拡大と収益向上をめざし ます。 18 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 特機事業 日本・中国市場での酸素濃縮器の拡販を図る Current 民需分野へのシフトも進展 Future 中国で酸素濃縮器を拡販 2013年度の特機事業は、引き続き日本の防衛予算が 今後も防衛予算は厳しいものと想定され、事業構造改 削減されるなか、防衛省向け砲弾・誘導弾用部品の受注が 革により、一層の効率化と収益力強化を図ります。2013 減少し、売上高は前年度を下回りました。 年12月に策定された新防衛大綱をふまえ、ニーズの変化 民需分野へのシフトは着実に進展し、在宅酸素医療用 に対応し、防衛省向けの受注獲得を図ります。 機器では、5リットル酸素濃縮器で3リットル器並みの小 民需分野では、酸素濃縮器のメンテナンスのしやすさや 型軽量化を実現したことが 高く評価され、販売が好調に 省エネ性など商品力を向上させ、製品ラインナップを拡充 推移しました。 し、さらなる拡 販に努めていきます。また、中国での酸素 濃縮器の販売を2014年度にスタートするなどグローバル 展開を図ります。 ANNUAL REPORT 2014 19 コーポレートガバナンス コーポレートガバナンスの基本方針 株主総会 ダイキングループでは「グループの経営課題と取り巻く環境 変化に対し、半歩、一歩先行く意思決定と実行のスピードアッ プ、透明性・健全性の絶えざる高度化との両面を推進すること 会計 監査人 で、企業価値の向上をめざすこと」が、コーポレートガバナン 取締役会 監査役会 監査役 スであると捉えています。今後ともスピード経営の高度化、連 財務ハイライト/事業一覧 選任、解任 監査 結統治の強化、健全性・透明性のいっそうの確保に努めてい 選任、 監督 グループ 監査会議 きます。また、企業価値の向上を果たすために最適なコーポ 経営諮問委員 人事・報酬諮問委員会 レートガバナンスのあり方の検討と見直しを絶えず行い、当社 最高経営会議 グループ 経営会議 グループにとってのベストプラクティスを多面的に追求・推進し ていきます。 CEOメッセージ CSR 委員会、 企業倫理・ リスクマネジメント委員 会、 業 務 の適 正を確 保 するための体 制・整 備 構築委員会、 独立委員 会、 情報開示委員会 執行役員会 執行役員 経営・執行体制 ダイキン工業は、意思決定と業務執行を完全分離させる米 (以下略) 国型の「委員会制度 」ではなく、取締役が連帯して経営責任 と業務執行責任を担う「一体型運営 」を採用しています。この CEO インタビュー ほうが当社グループの事業特性上、意思決定と実行のスピー 社外取締役の主な活動状況 ドアップには有効との判断によるものです。また、各事業・地 氏名 主な活動状況 域・機能における自律的な判断や決断による執行のスピード 寺田 千代乃 当期開催の取締役会16回のうち15回に出 席し、企業経営者としての豊かな経験と高い アップを狙いとし「執行役員制 」を導入しています。 見識に基づき、特に当社ブランドの重要性な 当社の取締役は、実質的な議論に基づくスピーディな意思 ど消費者の視点に立脚した経営や女性社員 決定をめざし少数化しており、2014年 6月現在、12名 (うち、 のさらなる活躍推進策など、広範かつ高度な 事業の概況と今後の見通し 女性1名、外国人 2名)で、グループ全体の迅速かつ戦略的な 意思決定と健全な監督を行っています。 視野から、必要な発言を適宜行っております。 池渕 浩介 席し、企業経営者としての豊かな経験と高い 社外取締役は2名です (同年同月現在)。社外取締役に求め 見識に基づき、特に生産革新やコストダウン、 るのは、豊かな経験と高い見識に基づく広範で高度な観点か 信頼性・生産性の向上など、ものづくりにか ら意思決定に参画し、経営を監督することです。したがって、 かわる観点を含めた広範かつ高度な視野か 上場企業のトップ層であることを、主な選任基準としています。 コーポレートガバナンス 当期開催の取締役会16回のうち14回に出 ら、必要な発言を適宜行っております。 社外取締役設置の実効性を確保するため、補佐する担当者 を当社の経営企画室に配置し、「取締役会 」日時の早期提示 に努めています。社外取締役が欠席した場合も、関連資料の 提供や、後日の議事説明などを行っています。 多国籍企業としてのコーポレートガバナンスと組織マネジメ 財務セクション ントの一層の強化を図るべく「グローバルグループ代表執行 役員 」を設置し、グループの求心力のさらなる向上に努めてお ります。 スピード経営を支える組織 ダイキングループのマネジメントシステム上の最高審議機関 として、 「最高経営会議 」を設けています。これにより、重要な 経営方針・経営戦略を素早くタイムリーに方向づけし、課題解 決を迅速化しています。 併せて「グループ経営会議 」を設け、グループベースでの情 報の共有化や基本方針の浸透と、グループ企業の課題解決の 促進・支援を行っています。同会議を通じてグループとしての 意思が統一されたスピーディな企業行動をめざし、グループ全 体の企業価値をより向上させ、社会的責任も全うすべく努め ていきます。 20 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. これらに加え「執行役員会 」を設置しています。また、独立 役員の報酬等 した立場の方々に経営課題への意見・アドバイスを仰ぐ「経営 ダイキン工業では、役員人事・処遇にかかわる運営の透明 諮問委員 」制度などを設けています。 性確保の見地から、「人事・報酬諮問委員会 」を設け、役員選 任基準、候補者、報酬などを審議・検討しています。 「人事・報 監査体制 酬諮問委員会 」は社外取締役 2名、社内取締役 2名の計4名 ダイキン工業は監査役設置会社であり、 「監査役会 」を設け で構成し、その委員長は社外取締役の中から選出することと ています。2名以上の社外監査役を任命するよう努め、主な しています。取締役および監査役の報酬は、株主総会の決議 選任基準は当社と利害関係をもたない独立性をはじめ、社外 による最高限度額内において、「人事・報酬諮問委員会 」の答 取締役と同様です。2014年 6月現在、計4名の監査役のうち 申をもとに、取締役の報酬は取締役会の決議で、監査役の報 2名が社外監査役です。 酬は監査役の協議でそれぞれ決定されます。 監査役は「取締役会 」をはじめ当社の重要な会議に出席し、 役員報酬体系は、役員が経営方針に従い株主の皆様の期 報告を受けるとともに、さまざまな意 見を述べることができ 待に応えるべく、継続的かつ中長 期的に業績向上へのモチ ます。 ベーションを高め、当社グループ全体の企業価値の増大に寄 さらに、実効ある監査機能を担保するため、監査役会は経 与する体系としています。 営や業績にかかわる重要事項について必要時に報告を受けら 取締役の報酬は、「固定報酬 」と、短期のグループ業績(売 れるほか、関係部署の調査、稟議書の確認や、代表取締役、執 上高、営業利益)および担当する事業を反映する「業績連動 行役員、監査法人との定期的な意見交換を行っています。 報酬 」と、中長期的業績を反映できる「ストック・オプション」 また、海外を含む当社グループ全体での監査機能の強化を から構成されます。業績連動報酬は、業績連動比率を世間相 めざし、主要なグループ企業には監査責任者を任命し、監査 場より高めにし、業績向上へのインセンティブを十分に確保し 役が定期的に「グループ監査会議 」を開催するなど、情報の ています。 流れの円滑化に努めています。 社外取締役および監査役の報酬は、 「固定報酬 」のみです。 報酬水準は、日本の一部上場企業約200社が活用してい 社外監査役の主な活動状況 る役員報酬調査の専門の外部機関によるデータを用いて国 氏名 主な活動状況 内大手製造業の報酬を分析・比較し、当社の業績位置と報酬 金田 嘉行 当期開催の取締役会16回のすべて、また、当 水準の相対位置を検証したうえで決定しています。 期開催の監査役会15回のすべてに出席し、企 業経営者としての豊かな経験と高い見識に基 づき、特に技術開発の視点を含めた広範な視 野かつ高度な視野から、必要な発言を適宜行っ 矢野 龍 役員の報酬等の総額 区分 支給人員 報酬等の額 (百万円) ております。 取締役 12名 979 2013年 6月27日就任以降に開催された取締 監査役 6名 89 役 会13回 のうち12回、また、監 査 役 会10回 計 18名 1, 069 のすべてに出席し、企業経営者としての豊かな 経験と高い見識に基づき、特に豊富な海外で の事業経験で培われた広範かつ高度な視野か ら、必要な発言を適宜行っております。 社外役員の報酬等の総額 区分 社外役員 支給人員 5名 報酬等の額 (百万円) 59 ANNUAL REPORT 2014 21 財務セクション コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し CEO インタビュー CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 役員一覧(2014年 6月27日現在) 22 地位 氏名 取締役会長 兼 グローバル グループ代表執行役員 井上 礼之 担当または主な職業 代表取締役社長 兼 CEO 十河 政則 社外取締役 寺田 千代乃 アートコーポレーション株式会社 代表取締役社長 社外取締役 池渕 浩介 トヨタ自動車株式会社 顧問・技監 取締役 兼 副社長執行役員 川村 群太郎 化学事業担当、淀川製作所長 代表取締役 兼 副社長執行役員 田谷野 憲 国内空調事業、中国地域代表担当、大金中国投資有限公司董事長 総経理、 空調グローバルコミッティメンバー 取締役 兼 副社長執行役員 三中 政次 欧州・中近東・アフリカ空調地域代表担当、ダイキンヨーロッパ社 取締役社長、 空調グローバルコミッティメンバー 取締役 兼 専務執行役員 冨田 次郎 空調生産本部長、PD 提携推進委員会 委員長、堺製作所長、 テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室メンバー 取締役 兼 専務執行役員 松崎 隆 空調商品開発 (アプライド・ソリューション、低温含む)、グローバル調達担当、滋賀製作所長、 テクノロジー・イノベーションセンター設立準備室メンバー 取締役 兼 常務執行役員 髙橋 孝一 経理財務・予算、IT推進担当、経理財務本部長、情報開示委員会 委員長、 業務の適正を確保するための体制・整備構築委員会 委員長 取締役 (非常勤) フランス・ ホーレルベーケ ダイキンヨーロッパ社 取締役会長 取締役 (非常勤) デビッド・スイフト 社外監査役 金田 嘉行 ソニー株式会社 社友 社外監査役 矢野 龍 住友林業株式会社 取締役会長 監査役 (常勤) 村上 茂 監査役 (常勤) 福永 健治 専務執行役員 佐藤 純一 中南米空調地域代表 (アメリカンエアフィルター関連含む)担当、空調グローバルコミッティメンバー 専務執行役員 林 由紀夫 渉外、特機事業担当、東京支社長 常務執行役員 植松 弘成 グローバル空調事業戦略 (国内除く)、低温事業担当、空調グローバルコミッティメンバー 常務執行役員 萩原 茂喜 アプライド・ソリューション事業、サービス、研修担当、アプライド・ソリューション事業本部長 常務執行役員 吉岡 敬男 生産技術、油機事業担当、空調生産本部 副本部長、 空調グローバルコミッティメンバー 常務執行役員 岡野 進 CSR、コーポレートコミュニケーション、企業倫理、コンプライアンス、法務担当、 コーポレートコミュニケーション室長、同室 経営 IRグループ長、CSR 委員会 委員長、 企業倫理・リスクマネジメント委員会 委員長 常務執行役員 岡田 慎也 地球環境担当 常務執行役員 田山 理和 経理財務本部 連結経営管理グループ長 常務執行役員 植村 義之 グッドマン社取締役 EVP(協業・技術力強化担当)、 ダイキンホールディングス (ヒューストン)社 取締役社長 常務執行役員 森山 昌幸 中国・アセアン・オセアニア地域 アプライド・ソリューション事業担当、 大金中国投資有限公司 董事副総経理、マッケイ中国社COO、大金制冷蘇州有限公司 董事長 (非常勤) 相談役執行役員 山田 靖 安全担当 執行役員 澤井 克行 人事、総務担当 執行役員 坪内 俊貴 空調営業本部長 執行役員 酒井 弘雄 化学商品事業化推進・環境・安全担当、化学事業部長 執行役員 峯野 義博 グローバル戦略本部長、グッドマン社 取締役 (非常勤)、 ダイキンホールディングス (ヒューストン)社 取締役 執行役員 神野 仁志 PL・品質 (空調・低温・アプライド)、新興国ものづくり担当、空調生産本部 副本部長 執行役員 宮住 光太 経営企画担当、マーケティングリサーチ本部長、同本部 企画グループ長 執行役員 森本 勉 G 社、秘書室担当 執行役員 米田 裕二 空調生産本部 副本部長 (開発担当)、同本部 開発品質エグゼクティブリーダー 執行役員 佐治 正規 人事本部長 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. CSR(企業の社会的責任) ダイキングループは、CSRとは「グループ経営理念*1 」を徹底 海外での活動を強化:海外展開が加速しているのに伴い、海 して実践することだと考え、日々これに取り組んでいます。ま 外でのコンプライアンス・リスクマネジメントを重視しています。 た、企業倫理・法令遵守をCSRの根幹であると捉え、グロー 各社・各地域の実情に応じ、コンプライアンス委員会の設置、 バルで推進する体制を整えています。具体的な取り組みに際 企業倫理ハンドブックの策定と周知、自己点検・リスクアセス しては、社会的責任の国際規格であるISO26000に基づい メントなどの活動を実施しています。また海外グループ会社を て実 施しています。ここでは、当グルーブが ISO26000の7 定期的に訪問して、各地域の取り組み状況を確認し、情報共 つの中核課題(組織統治 、コンプライアンス、人権、労働慣 有を図っています。この過程で、海外グループ会社の先進的な 行、環境、品質・CS、社会貢献)にどう取り組んでいるかを中 取り組みをダイキン工業に取り入れるなど、双方での活動の高 心に紹介します。 度化に努めています。 *2 *1 1ページをご参照ください。 *2 20ページをご参照ください。 地震リスク対策の再構築:地震リスク対策を全社最重要テー マに定め、課題ごとにチームを組み、対策を実行しています。 コンプライアンスとリスクマネジメント ■ コンプライアンス ダイキングループは、グループ全体の企業倫理の推進機関と して、コンプライアンス・企業倫理担当役員を委員長とした 「企 業倫理・リスクマネジメント委員会 」を設置しています。原則 年2回の委員会開催を通じて、グループ全体のコンプライアン ス (企業倫理・法令遵守)とリスクマネジメントを統合的に推 進しています。 コンプライアンスについては、各部門(海外の主要グループ 会社を含む)に配置されたコンプライアンス・リスクマネジメ ントリーダー(CRL)が中心になり、最新の法令情報を日々収 集しています。また、それらが規程・マニュアルに的確に反映 され、実際に守られているかをチェックする「日々のトリプル チェック」を行っています。チェック結果は、月例のCRL 会議 などを通じ共有化を図っています。また、全従業員が「企業倫 国の中央防災会議の被害想定予測 (最大震度、最大津波高さ など)に基づき、製作所建屋の耐震補強と化学プラントの浸 水対策、浸水拠点の避難訓練等について計画を立案し、着実 に実行しています。事業継続計画 (BCP)の構築も進めており、 リスクを洗い出し具体的対策を立案、実行に着手しています。 グループ会社についても、同様に進めています。 接待・贈答の取り組み強化:グループコンプライアンス指針で 「業務に関わる接待・贈答は、各国・地域の法令に従い社会的 常識の範囲で節度を持って行う」こととしており、「官公庁な どとの健全かつ透明な関係の維持」 「 政治資金規正法・公職 選挙法の遵守」 「 取引先との節度ある接待・贈答」を掲げ、全 社的な教育研修により徹底を図っています。2014年度は、国 内外の公務員との接待・贈答に関する具体的な行動指針とな るガイドラインを作成し、グループ全社に周知する予定です。 理ハンドブック」に記されたコンプライアンス行動指針の遵守 について、毎年「自己点検 」を実施しています。 ■ 株主・投資家の皆様に対する責任 ダイキングループは、企業価値の向上こそが、株主・投資家 ■ リスクマネジメント リスクマネジメントについては、グループの急速な事業拡大 を背景に、グローバルな視点からリスクの全体像(PL、品質、 安全、生産・販売活動、災害など)を的確・迅速に把握し、全 社横断的な体制でその軽減を図っています。毎年、各部門の リスクアセスメントを行って重要リスクを特定し、部門ごとの 対策および全社横断的な対策を立案・実施しています。 の皆様の期待に応えることになると考えています。企業価値 の源泉ともいえるフリーキャッシュ・フローを重要視し、収益 増とともに、売上債権と在庫の圧縮にも努めています。 安定的な配当:連結純資産配当率(DOE)2 . 5% 以上を維持 することを基本に、連結業績、財務状況、資金需要などを総 合的に勘案し、安定的な配当を実施しています。 ANNUAL REPORT 2014 23 議決権行使の尊重:株主の皆様が議案を十分に検討のうえ 人権教育:人権問題の啓発活動の一環として、役員・新任基 議決権を行使できるよう、総会の招集通知を法定期限よりも 幹職・新入社員など階層別に人権問題研修を実施しています。 1週間繰り上げて発送しています。また、外国人機関投資家の また、社内報で人権啓発記事を掲載し、製作所では人権標語 皆様にも招集通知を英訳して送付するとともに、当社WEBサ の募集を行うなど、従業員の人権意識向上に努めています。 イトに和文版・英文版を掲載しています。 財務ハイライト/事業一覧 加えて、パソコンや携帯電話からも議決権を行使できるよ うにしています。 労働慣行 CEOメッセージ ダイキングループは、企業の競争力の源泉は「人 」であると 情報開示:株主・投資家の皆様に対して経営の透明性を高め、 考えています。性 別、国 籍、人種などの違いを互いに認め合 情報を積極的に開示することを重要な責務と考えており、多 い、尊重し、協調しながら、それぞれが能力を最大限発揮でき 様なIR 活動を実施しています。 る組織づくりを実践しています。 アナリストや機関投資家の皆様には、第2四半期・期末決 算発表時に決算説明会を開催し、第1四半期・第3四半期決 評価・処遇:成長への意欲を持つ人に活躍の場を提供し、チャ 算時には電話会議を開催しています。また、国内外の機関投 ンスを活かして成果を挙げた人に報いる「機会の平等」と「結 資家への訪問や、個別面談も実施しています。 果の公平」を追求しています。 CEO インタビュー 当社WEBサイトでは、有価証券報告書など法定書類のほ か、業績に関する発表資料を即座に公開し、公平でタイムリー 人材の多様性確保:熟壮青・性別、国籍、人種、定期採用・キャ な情報開示に努めています。 リア採用にかかわらず、多様な人材が互いの価値観の違いを また、株主・投資家の皆様からお寄せいただいたご意見を、 認め合い組織力を高め、大きな目標に挑戦していくことが、企 さまざまな経営施策に反映しています。 業の力になると考えています。この考えに基づき、グループコ ンプライアンス指針で「多様な価値観、勤労観を尊重しなが 事業の概況と今後の見通し ら、お互いが違いを認め合い、協調し、持てる力を結集し、一 人権 人ひとりが常に夢を語りながら、熱い情熱と逞しい執念を持っ ダイキングループは2008年10月、人権・労働・環境への取 て果敢に実行する」と定めています。 コーポレートガバナンス り組みに関する基本原則を示した国連の「グローバル・コンパ クト(GC)」に参加し、人間の尊重、多様性と創造性にあふれ 障がい者の雇用も積極的に進めています。国内では特例子 る組織づくりをめざして、人権教育・啓発に取り組んでいます。 会 社の(株)ダイキンサンライズ摂 津を設 立し、2014年3月 これらを実現するため、自己点検で人権侵害などの問題が起 末現在での障がい者雇用率は法定を上回る2 . 07 %となって きていないか確認するほか、役員を中心とした階層別人権啓 います。中国の大金空調(上海)有限公司でも障がい者を積 発研修や、各部門で必要に応じた人権教育を実施しています。 極的に雇用しており、現在66名が 在籍しています。2013年 財務セクション 度には、障がいのある従業員の家族を招いて工場見学や交流 人権の尊重: 「グループコンプライアンス行動指針」では、「職 会を開催したほか、健常者と障がい者の交流を目的に手話冊 場での人権・多様性の尊重と労働関連法令の遵守」を掲げ、 子を作成しました。ダイキンインダストリーズタイランド社では 公正で明るい活き活きとした職場づくりに努める「人権の尊 23名、ダイキンコンプレッサーインダストリーズ社では25名 重 」を方針とし、児童労働、強制労働を認めないことを定めて の障がい者を雇用しています。 います。 ● グループコンプライアンス行動指針 (2008年制定) http://www.daikin.co.jp/csr/company/idea.html#chap07 24 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. ワーク・ライフ・バランス:従業員のワーク・ライフ・バランス 人材育成:ダイキングループは、グループ経営理念や「人を基 を重視し、多様な人材が柔軟な勤務形態や勤務時間をとれる 軸に置いた経営 」の実践が当社グループの成長に欠かせない よう、さまざまな勤務制度を導入しています。また、次世代育 と考えています。 「国籍や在籍会社を問わず、一人ひとりの成 成支援対策推進法の認定企業として、子どもを持つ従業員が 長の総和がグループ発展の基盤 」であるという考え方を企業 安心して仕事と育児を両立できる職場環境をめざした行動計 理念の一つとして掲げ、「人は仕事の経験を通じて成長する」 画を策定しています。特に育児休暇や育児支援の制度を充実 という考えのもと、人材育成は一人ひとりの適性を見極めて仕 させ、男性従業員の取得も奨励しています。 事を任せてチャレンジさせるOJT*1を基本にしています。また、 2013年度には、育児休暇からのスムーズな職場復帰を支 OJTを補完するものとして、グローバル事業の第一線で活躍 援するために「保活コンシェルジュ」を導入しました。2014年 できる経営幹部層を育成する「ダイキン経営幹部塾 」や若手 4月からは、「次世代育成支援対策推進法 」に基づく第四次 をグローバル人材として育成するための「海外拠点実践研修」 行動計画を実行中です。育児休暇からの早期復帰者を対象 など、さまざまなOff-JT *2 の充実を図っています。2013年度 に、より柔軟な勤務形態を導入するほか、育児支援カフェテリ から管理職のマネジメント力強化を目的とした研修「マネジメ アプラン制度 をさらに充実させ、選択できるメニューを増や ント道場 」を新たに始め(2年間で450名が対象)、2013年 すとともに、早期復帰者を対象に費用補助を増額するなど、 度は部長職を中心に実施しました。 支援を拡大していきます。 *1 OJT:実際の仕事を通じて、 仕事に必要な知識・技術・技能・態度などを修得させる手法。 *2 Off-JT:知識や技術の習得のため、仕事の場を離れて学習させる手法。 * *育 児支援カフェテリアプラン制度:子どもを持つ共働きの従業員が、残業・出張時 や子どもの病気時に利用した育児支援サービスに対して費用補助を行う制度。 労使関係: 「良好な労使関係は経営の基本」との考えのもと、 環境の保全 「労使対等の立場 」 「 労使相互の信頼関係 」を大切にしていま 温室効果ガスの排出増加による気候変動を、当社が貢献す す。ダイキンでは、基幹職と契約社員など一部の従業員を除 べき最も大きな社会課題と捉え、当社グループの強みである き全員が組合員です。会社と労働組合とは活発に協議してお 「技術力」で貢献しています。 り、事業計画の方針が明確になり次第、会社は労働組合に対 して経営協議会を開催し説明します。2013年度の本部にお 省エネ貢献商品の提供:ダイキンの商品で CO2 排出抑制に貢 ける経営協議会は20回に及びました。 献するため、① 省エネインバータ機の普及拡大、② 従来の燃 焼式に比べCO2 排出量の少ないヒートポンプ式暖房機の普 労働安全衛生: 「誰もが安心して働けるよう、 職場の安全・衛生 及拡大、③ 省エネソリューション事業の展開、④ 次世代冷媒 の確保を最優先 」することをグループコンプライアンス指針に の開発—に取り組んでいます。インバータ機では、中国で年間 定め、従業員と業務請負企業の方々が安全に働け、工場周辺 150万台の生産能力を持つ蘇州工場が 2012年 4月に稼働 の皆様にも安心していただける「災害ゼロ」の職場の維持をめ し、世界に向けてインバータエアコンを製造しています。中国 ざしています。事故につながる危険を疑似体験することで安全 国内でも住宅用のインバータ機比率は2009年の7 %から約 への意識を高める体感教育にも注力しています。機械製造業 6割にまで増加しました(ダイキン試算)。インバータ機の普及 において事故の多い機械への巻き込まれや挟まれを体感した などにより、2015年度に新興国のCO2 排出量を3 , 000万ト り、化学製造業での化学反応による圧力・燃焼の怖さを知る ン抑制することをめざし、2013年度は2 , 300万トン抑制で ことができる、「見る・触れる・感じる」体感装置や機械を自 きたと算出しています。今後、北米やその他新興国地域でも 作。原理原則に基づく知識教育と組み合わせた、効果的なプ インバータ機の普及拡大に努めます。 ログラムにしています。海外でも安全教育や安全パトロールな ヒートポンプ式暖房機は、新エネルギー・産業技術総合開 どによって労働災害ゼロをめざしています。ダイキンインダス 発機構の委託により英国で暖房・給湯費の削減効果を見る大 トリーズチェコ社では職場でのけがゼロを競う 「緑十字コンペ」 規模な実証事業を2017年3月まで実施するなど、政府・自治 を実 施、タイのダイキンコンプレッサーインダストリーズ社で 体やエネルギー事業者と協働し普及を推進しています。オゾン は安全研修を実施するためのトレーニングセンター「道場 」を 層保護と地球温暖化抑制を実現する次世代冷媒 R 32も、各 工場内に設置しています。 国政府・業界関係者と連携し世界各地で普及を図っています。 ANNUAL REPORT 2014 25 温暖化係数の低い冷媒の開発・普及:これまでエアコンの冷 品質とお客様満足 媒用に使われていたフロンは、CO2 の数百〜2 , 000倍の温室 ダイキングループは、社会・地 域のニーズを先 取りした、品 効果を持っています。ダイキングループは、エアコンメーカーの 質の確かな商品を提供し、お客様満足を追求しています。 CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 責務として、温暖化係数の低い冷媒の研究開発を進め、製品 化に取り組んでいます。現行冷媒に比べ温暖化係数が約1/3 製品の品質・安全確保:お客様に満足していただけることはも の「R 32」が次世代冷媒として最適と判断し、2012年度世界 とより、安全、高品質で、環境に配慮した商品やサービスを提 に先駆け日本で発売しました。R 32はエネルギー効率にも優 供することがメーカーとしての社会的使命だと、ダイキンは考 れ、エアコン1台当たりの冷媒量を削減できるうえ、使用済み えています。空 調・化 学 両 部 門 で 品 質 マネジメントシステム 冷媒の再生・再 利用も容易という利点があります。2013年 ISO 9001の認証を取得し、開発時・生産時の品質向上に努 11月には、ダイキンヨーロッパ社が欧州でR 32家庭用エアコ めています。お客様が使用する際の安全性にも配慮して情報 ンを発売。さらにオーストラリアでも2014年1月に販売をス を開示しています。また、販売後の製品情報を収集し、品質改 タートさせ、地域を拡大しながら普及を図っています。 善に努めています。2013年度は、品質の徹底確保を最優先 エアコン需要が増大している新興国でのR 32の採用を促進 課題として、品質問題に対する是正のスピードアップとリスク するため、自社が保有する「R 32を使用した空調機の製造・販 の抑制、新たな品質問題を発生しないための再発防止対策に 売に不可欠な基本特許」を新興国に対し無償開放しています。 力を入れました。 CEO インタビュー さらに、経済産業省や国際協力機構(JICA)などが主催する 新興国支援プログラムに協力し、新興国の研修団の受け入れ お客様満足(CS)の追求:お客様満足度を高めていくために や、現地メーカー・販売店への技術支援にも取り組んでいます。 は、海外各地域でのニーズを的確・迅速に把握し、製品開発 事業の概況と今後の見通し に活かしていくことが重要です。そこで、日本一極集中型の開 生産活動での環境負荷の最小化:生産時の温室効果ガス排 発体制から、地域拠点でも商品開発を行う自力分散型に転換 出量を、2020年に2005年度比1/4に削減することを見す し、世界でマーケティングリサーチ機能を強化しています。ま え、戦略経営計画“FUSION15”で2005年度比2015年度 た、国内外グループ各社で、顧客満足度調査を実施して、お客 1/3(67 %削減)を目標にしており、2013年度は69 %削減 様の声を継続的に調査し分析することで、製品やサービス品 しました。水の削減にも取り組み、2013年度は国内グループ 質のさらなる向上に役立てています。 コーポレートガバナンス の水使用量原単位を2010年度比5%削減、海外グループで は9 %削減しています。化学 物 質の削減では、2013年度の お客様への対応、サポート:空調部門では、国内のお客様か PRTR法対象物質の排出量を2010年度比19 %削減しました。 らのすべてのご相談を総合窓口である「ダイキンコンタクトセ また2005年度に、自主基準により環境先進工場を認定す ンター」が 24時間365日体制で受け付けています。2013年 る 「グリーンハートファクトリー」基準を制定、2013年度現在、 度には、お客様からの製品に関する疑問・質問や修理のご依 日本、中国、タイ、米国等の18生 産工場を「グリーンハート 頼に対して、受付対応者によってばらつきなく回答できるよう、 ファクトリー」に認定しています。 実践的なノウハウや経験則をシステム化し、閲覧できるように しました。海外でもアフターサービス体制を整え、各国・各地 域の事情に応じ、「速さ・確かさ・親切さ」をポリシーに、お客 財務セクション 様の多様なご要望にお応えしています。主要な国にはコンタク トセンターを設けて、サポート体制の満足度向上に努めてい ます。 26 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 社会貢献 スポーツ振興への貢献:ゴルフを通して沖縄と本土との交流 ダイキングループは、グローバルに展開するそれぞれの地域 の架け橋になりたいという思いを込め、毎年春に沖縄で開催 に根ざした企業となることをめざして、「環境 」 「 芸 術・文化 」 される日本女子プロゴルフトーナメント開幕 戦「ダイキンオー 「スポーツ振興 」 「 教育支援 」への貢献を軸に、従業員が主体 キッドレディスゴルフトーナメント」を主催しています。 となって各地域に役立つ社会貢献を実践しています。 教育支援:拠点をもつ各地域で、若者への教育を支援してい 環境への貢献:生物多様性保全とCO2 排出抑制に貢献する ます。2013年度は、堺市教育委員会が推進する「創造性豊 森林再生保全を世界各地で推進しています。インドネシアでの かな理科好き子どもの育成事業 」に賛同して、従業員が講師 森林再生プロジェクトや知床の自然環境保全・復元事業など、 となる理科実験授業を実施しました。11の小学校で実施し、 政府や地域住民、NGOなどと連携し、生態系のバランスを 約990名が受講しました。 維持し自然の豊かさを取り戻す運動を幅広く展開しています。 インドネシアでは、グヌングデ・パングランゴ国 立 公 園で、 国際 NGOコンサベーション・インターナショナル(CI)と協働 研究開発・知的財産 で、失われた森林を再生し生態系を回復していく「森林再生 知的財産権の尊重:ダイキン工業は、知的財産権は重要な会 プロジェクト」を2008年 6月から行っています。2014年 度 社財産であることを認識し、その権利の保全に努めるととも からは、ブラジル・カンボジア・インド・中国・リベリアへと広げ、 に有効に活用すること、また、他社の知的財産権を尊重し、侵 世界中で持続可能な森林再生とコミュニティ開発に貢献して 害しないように努めることを「グループコンプライアンス指針」 いきます。 に明記しています。そして、この指針を受け、より具体的にコ 国内では2011年7月、世界自然遺産にも登録された知床 ンプライアンスのポイントを示した「コンプライアンス行動指 半島の自然環境保全・復元事業を支援する取り組みを、知床 針」を定め、研究開発の責任者は特許の責任者であることや、 財団・斜里町・羅臼町の三者との合意のもとで開始しました。 研究開発者は「特許活動は開発行為そのもの」と認識して特 2016年3月末までの5年間に、財政的な支援と従業員のボ 許の取得・活用・侵害回避に主体的に取り組むことなどを明ら ランティア参加を実施し、森林や河川における生態系の復元 かにしています。 と、人とヒグマとの共存支援に取り組みます。2013年度は、 新商品・新技術の開発にあたっては、デザインレビューの一 5月と9月に従業員ボランティア延べ25名が参加し、防鹿柵 環として特許やコンプライアンス面から検証する仕組みを整 (エゾシカから苗木を守る柵)の補修・拡張作業や、稚樹を守 えています。また、他社と協業するにあたっては、開示する技 るための下草刈りに取り組みました。 術とノウハウとして秘匿する技術とを峻 別し、ノウハウとして 秘匿する技術についてはブラックボックス化するなどの取り組 芸術・文化振興への貢献:芸術・文化の振興のために、「ダイ みを進めています。 キン工業現代美術振興財団 」を設立し、国立国際美術館が行 研究開発者の活動を能動的に支援するため、ダイキン工業 う展覧会、講演会、学術研究、出版事業などの活動を支援し の法務・コンプライアンス・知 財センターを中心として、各事 ています。2013年 4月には公益財団法人に移行し、財団主催 業部の研究部門にも知的財産担当者を配置しています。知的 の事業を積極展開することにより、ダイキン工業発祥の地、大 財産担当者は、互いに連携を取りながら、日常発生するあら 阪の文化・芸術のさらなる活性化にもつなげたいと考えていま ゆる知財業務 (国内外での出願・権利化、他社特許抵触リスク す。大阪に拠点を置き活動するプロ・オーケストラの関西フィ の判断と他社特許潰しによる問題特許対応など)を進めると ルハーモニー管弦楽団の活動の支援も行い、2004年からは ともに、従業員に対する職種別・階層別の知財教育や発明奨 当社 会 長が 楽団の理 事長を務めています。また、海 外でも 励活動を行い、さらには知財活動を戦略的に推進するため、 音楽会への協賛などを通じて現地文化の振興に貢献してい 研究開発者と共同で、有効な特許網を創り上げる機能やグ ます。 ローバルな調査機能の強化に取り組んでいます。 ANNUAL REPORT 2014 27 11年間の要約財務データ ダイキン工業株式会社及び連結子会社 3月31日に終了した各会計年度 2004年 2005年 2006年 2007年 ¥625,080 212,402 165,482 23,817 46,920 ¥729,414 256,289 196,083 24,583 60,206 ¥792,837 269,906 203,359 26,648 66,547 ¥911,749 312,688 231,934 27,204 80,754 EBITDA(注記2) 68,835 83,630 95,816 115,315 当期純利益 26,869 38,083 40,146 45,420 営業活動によるキャッシュ・フロー ¥40,306 ¥43,970 ¥63,511 ¥ 83,725 投資活動によるキャッシュ・フロー (31,594) (42,091) (63,420) (305,251) フリーキャッシュ・フロー (注記3) 8,711 1,879 91 (221,526) 財務活動によるキャッシュ・フロー 2,182 3,534 (4,284) 245,975 ¥534,726 ¥615,596 ¥716,440 ¥1,161,364 有利子負債 148,949 166,442 172,995 456,074 自己資本 234,029 271,716 340,523 397,542 ¥101.57 ¥ 144.24 ¥ 152.11 ¥ 172.66 888.29 1,031.73 1,293.41 1,511.47 14.00 18.00 22.00 28.00 33.98% 35.14% 34.04% 34.30% 損益状況 (会計年度) : 売上高 売上総利益 販売費及び一般管理費 財務ハイライト/事業一覧 研究開発費 (注記1) 営業利益 CEOメッセージ キャッシュ・フロー状況 (会計年度) : 財政状態 (会計年度末) : CEO インタビュー 総資産 1株当たり情報 (単位:円) : 当期純利益 純資産 年間配当金 財務指標 (単位:%) : 事業の概況と今後の見通し 売上総利益率 営業利益率 7.51 8.25 8.39 8.86 EBITDAマージン 11.01 11.47 12.09 12.65 自己資本利益率 (ROE) 12.24 15.06 13.11 12.31 自己資本比率 43.77 44.14 47.53 34.23 コーポレートガバナンス 注記 1. 研究開発費は、一般管理費および当期製造費用に含まれています。 2 . EBITDA=営業利益+減価償却費 3 . フリーキャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー 売上高 営業利益 (億円) 財務セクション 18,000 (億円) (億円) 1,600 1,000 15,000 800 1,200 12,000 600 9,000 800 400 6,000 400 200 3,000 0 0 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 28 当期純利益 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 0 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 単位:百万円 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 ¥1,023,964 319,301 275,263 28,220 44,038 ¥1,160,331 361,665 286,210 30,771 75,455 ¥1,218,701 371,902 290,709 32,987 81,193 ¥1,290,903 388,046 299,419 33,569 88,627 ¥1,783,077 566,861 411,786 40,177 155,075 ¥1,291,081 441,549 313,451 32,075 128,098 ¥1,202,420 363,660 302,266 30,535 61,394 179,469 118,325 96,462 127,168 131,719 140,151 233,976 74,822 21,755 19,391 19,873 41,172 43,585 91,880 ¥103,329 ¥62,238 ¥129,227 ¥78,411 ¥44,967 ¥103,161 ¥179,713 (76,428) (99,302) (39,848) (23,306) (62,955) (218,386) (80,835) 26,902 (37,065) 89,379 55,105 (17,988) (115,225) 98,878 3,367 48,382 (34,942) (37,623) (1,113) 143,520 (38,249) ¥1,210,094 ¥1,117,418 ¥1,139,656 ¥1,132,507 ¥1,160,564 ¥1,735,836 ¥2,012,531 356,928 417,919 399,313 372,481 389,891 705,871 693,943 545,641 471,686 496,179 487,876 502,309 618,118 802,344 ¥ 262.24 ¥ 74.51 ¥ 66.44 ¥ 68.14 ¥ 141.37 ¥ 149.73 ¥ 315.21 1,867.79 1,615.98 1,701.29 1,672.74 1,725.64 2,123.10 2,749.76 38.00 38.00 32.00 36.00 36.00 36.00 50.00 34.20% 30.24% 31.19% 31.17% 30.52% 30.06% 31.79% 9.92 5.11 4.30 6.50 6.66 6.87 8.70 13.90 9.84 9.42 10.96 10.81 10.86 13.12 15.87 4.28 4.01 4.04 8.30 7.78 12.94 45.09 42.21 43.54 43.08 43.28 35.61 39.87 研究開発費 (億円) 自己資本 (億円) (億円) 500 総資産 10,000 25,000 400 8,000 20,000 300 6,000 15,000 200 4,000 10,000 100 2,000 5,000 0 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 0 0 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 ANNUAL REPORT 2014 29 財務ハイライト/事業一覧 財務報告 売上高の状況 販売費及び一般管理費、営業利益 当期の世界経済は、米国景気は堅調な個人消費や住宅市場が 販売費及び一般管理費は、空調・冷凍機事業における事業拡 下支えし、緩やかに回復しました。欧州景気は緊縮的な財政政 大にともない人件費、製品保証引当金繰入額等が増加し、4 ,118 策、高水準の失業率、弱い南欧経済などが下押し要因となりまし 億円(前期比37. 5% 増)となりましたが、対売上高比率は前年並 た。新興国経済は緩やかに減速しました。 みの23 .1%となりました。 わが国経済は、政府や日本銀行の経済・金融政策の効果もあ 連結営業利益は、前期比75 . 0 % 増の1, 550億75百万円とな り、企業収益・設備投資に改善がみられ、景気は緩やかな回復傾 り、営業利益率は前期比1. 8ポイント増加し8 .7 %となりました。 向となりました。特に個人消費は、消費税率引き上げ前の駆け込 研究開発費 み需要もあり、堅調に推移しました。 CEOメッセージ 2014年3月期の業績につきましては、主力の空調・冷凍機事 業では、国内・中国・アジア等の地域での販売が堅調に推移した 当期のグループ全体の一般管理費及び当期製造費用に含まれ ことに加え、円安による円貨換算額の増加もあり、増収・増益と る研究開発費は、401億77百万円で対売上比率は2 . 3%となっ なりました。また、2012年11月に買収した米国グッドマン社の ています。 CEO インタビュー 売上高・利益を第1四半期から新規連結したことによる寄与もあ りました。これらの 結 果、連 結 売 上 高 は 過 去 最 高 となる1兆 ◦空調・冷凍機事業 7, 830億77百万円(前期比38 .1% 増)となりました。売上原価 空調・冷凍機事業に係る研究開発費は、349億63百万円です。 率は、68 . 2%となり前期よりも1.7 %改善しました。売上 総利 住宅用空調機器では省エネ性を大幅に向上させた「うるさら7 益 は1,788億 円 増 加 の5 , 669億 円となり、売 上 総 利 益 率 は (セブン) 」を2012年11月に発売し経済産業省主催の第5回「も 31. 8%、連 結営業 利益は1, 550億75百万円(前 期比75 . 0 % のづくり日本大賞 内閣総理大臣賞」を家電で初めて受賞しました。 業 務 用 空 調 機 器 においても、業 界 に先 駆 け 新冷 媒HFC32 増)となりました。 (R 32)を搭載した店舗・オフィス用エアコン「FIVE STAR ZEAS 為替レート (ファイブスタージアス) 」を発売しました。 事業の概況と今後の見通し 住宅用空気清浄機では、空気清浄と湿度コントロールを1台で 為替の状況は、ドル、ユーロとも昨年に比べ大きく円安となっ 同時に制御した空気清浄機のプレミアムとしてふさわしい「クリア ており、ドルについては年間100円、ユーロについては134円と フォースZ」を発売しました。 なりました。為替の影響は対前年度で売上については+1, 610 北米では、高効率の小型空冷スクロールチラー(30ー70トン) 億円、営業利益では+160億円となりました。 を2013年11月に市場投入しました。 コーポレートガバナンス 2013年度 ¥ 83 ¥100 を削減できる(当社比)DCブラシレスインバータファンコイルユ 円/ユーロ ¥107 ¥134 ニットを発売しました。 国内および海外売上高 財務セクション (億円) 営業利益および営業利益率 当期純利益 (億円) (%) (億円) 18,000 1,800 12 1,000 15,000 1,500 10 12,000 1,200 8 9,000 900 6 6,000 600 4 3,000 300 2 0 国内 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 30 中国では、標準のファンコイルに対して30〜 60 %の電力消費 2014年度 円/ドル 海外売上高 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 2010 2011 2012 2013 2014 営業利益 営業利益率 800 600 400 200 0 2010 2011 2012 2013 2014 欧州では、中東等の大型地域冷房にも対応できる二段圧縮機 配当政策および当期配当金 を搭載した超大型3 , 000トンターボ冷凍機を開発しました。ま た、環境意識の高まりに対応し、部分負荷時の消費電力を大幅 当社は、今後も戦略的投資を実行しながら事業拡大をはかる に低減可能な空冷 DCインバータマルチスクロールチラーを発売 とともに、トータルコストダウンの推進、財務体質の強化などの しました。 体質改革を進めてまいります。これらの取り組みにより、真のグ ローバルエクセレントカンパニーをめざすと同 時に、企 業価 値の ◦化学事業 一層の向上と株主への利益還元の向上をはかってまいります。 化学事業に係る研究開発費は、43億円となっています。 具体的には、安定的かつ継続的に配当を実施していくことを基 化学事業の研究開発は、豊富なフッ素素材や多岐にわたるフッ 本に、これまで2 . 0 % 以上を維持することを基本としていた連結 素化学関連技術をもとに新商品開発及び用途開発を行っていま 純資産配当率(DOE)を段階的に2 . 5% 以上に引き上げること す。フッ素樹脂、ゴムではフッ素材料の得意とする耐熱性や耐薬 とあわせ、連結配当性向についても十分に意識しながら、株主へ 品性、誘電特性などを活かし、自動車、半導体、ワイヤー&ケーブ の還元の一層の充実に取り組んでまいります。 ル (IT分野)などでの差別化新商品研究を行っています。また、近 また内部留保金につきましては、経営体質の一層の強化をは 年、情報端末機タッチパネル表面の指紋汚れ防止用フッ素系コー かるとともに、グローバル事業展開の加速、地球環境に貢献する ティング剤「オプツール」の需要が急増していますが、営業・研究・ 商品開発の加速など、事業拡大・競争力強化のための戦略的投 製造各部門の連携により、市場に適した製品の開発・製造を迅 資に充当してまいります。 速に行うことで、旺盛で変化の大きい需要に対応しています。 当期の配当金は、対前年14円増配の年間50円(中間配当23 円、期末配当27円)、連結純資産配当率は2 .1%となりました。 ◦その他事業 その他事業に係る研究開発費は、9億13百万円です。 セグメント別状況 油機関連では、油圧技術とインバータ技術を融合させたハイブ リッド油圧システムの省エネ性と高機能の特徴を活かし、大容量 ◦空調・冷凍機事業 シリーズの商品化と用途開発を進めています。特機関連では、主 空調・冷凍機事業セグメント合計の売上高は、前期比 42 . 2% に防衛省向け砲弾・誘導弾用部品に関する研究を行っています。 増の1兆 5 ,928億85百万円となりました。営業利益は、前期比 95 . 3% 増の1, 384億78百万円となりました。 その他収益 (費用)および当期純利益 連結当期純利益は、連結売上高・営業利益が過去最高の業績 となったことに加え、投資有価証券評価損計上額が前期から大 幅に減少したこともあり、918億80百万円 (前期比110 . 8% 増) と大きく増加しました。 販売費及び一般管理費 (億円) セグメント売上高 セグメント営業利益 (損失) (億円) (億円) 18,000 4,800 1,600 15,000 1,200 3,600 12,000 800 9,000 2,400 400 6,000 1,200 0 3,000 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 -400 2010 2011 2012 2013 2014 空調部門 化学部門 その他 2010 2011 2012 2013 2014 空調部門 化学部門 その他 ANNUAL REPORT 2014 31 国内空調業界全体の空調機出荷台数 (2013年度) 上期 前年比 下期 前年比 年間 前年比 住宅用 5,788 104% 3,634 124% 9,422 111% 業務用 438 100% 397 116% 835 107% 国内空調事業 アコンの拡販により、地域全体では前期を上回る販売量を確保 国内業務用空調機器では、消費税率引き上げ前の駆け込み需 しました。ヒートポンプ式住宅温水暖房機器では、主力市場のフ 要と建築着工件数の増加により、業界需要は堅調に推移しまし ランスで前期を下回りましたが、中欧・イタリア・スペインなどで た。当社グループは、業務用空調機器として初めて新冷媒HFC 32 の販売店開発が進展し、地域全体では前期を上回る販売量を確 (R 32)を採用した店舗・オフィス用エアコン「FIVE STAR ZEAS 保しました。 (ファイブスタージアス)」を2013年11月に発売しました。平成 CEO インタビュー CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 (千台) 25年度省エネ大賞資源エネルギー庁長官賞を受賞した本商品 中国地域 を中心に、優れた省エネ性と環境性を訴求する高付加価値商品 金融引締め政策の影響などにより、新規の大型投資・不動産 の販売拡大に取り組んだ結果、売上高は前期を上回りました。 物件は減少しましたが、一般消費は引き続き堅調に推移しまし 国内住宅用空調機器では、天候に恵まれたことに加え、消費 た。当社グループは早くから小売・街売重点に販売をシフトし、 税率引き上げ前の駆け込み需要と住宅着工件数の増加により、 一般消費に注力してきたことから、景気の販売への影響も少な 業界需要は過去最高水準を記録しました。当社グループは、ルー く、業務用・住宅用空調機器ともに売上高は前期を上回りまし ムエアコン「うるさら7 ( セブン)」を中心とした省エネ商品を重点 た。2013年は全製品のフルモデルチェンジを行い、業務用を中 に販売を伸ばした結果、売上高は前期を上回りました。 心に差別化を加速するとともに、あわせて地方都市向け商品の 品揃えを強化し、中国全土に販売網を広げました。なかでも、当 社グループの専売小売販売網である「プロショップ」の展開によ 海外空調事業 コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し 欧州地域 り、地域密着型の販売と新規顧客の開拓を進め、ルームエアコ 欧州地域では、EU 経済に復調の兆しがみられたことや新興市 ンにマルチエアコンを加えた商品戦略で、住宅市場でのシェアを 場の比較的堅調な需要に支えられ、地域全体の売上高は前期を 拡 大しました。また、環 境 と 空 気 質への 関 心 の 高 まりにより、 上回りました。住宅用空調機器は、欧州市場向けの低価格帯の 年々市場拡大を続けている空気清浄機の販売も、伸長しました。 ルームエアコンの販売を強化したことや、新興市場のトルコでの 大型空調(アプライド)分野は、新築ビル・政府物件などの伸び 拡販により、前期を上回る販売を達成しました。業務用空調機器 が鈍化する中、民間物件を中心にチラーやエアハンドリングユニッ は、EU域の建築需要の底打ちに加え、新興市場での価格競争 ト等の機器の拡販および保守・サービス事業の拡大により、売上 力ある店舗用エアコンの商品展開や、トルコでのビル用マルチエ 高は増加しました。 売上構成比 研究開発費 (億円) 480 財務セクション その他 2.8% 化学部門 7.9% 360 240 空調部門 89.3% 120 0 2010 2011 2012 2013 2014 32 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. アジア・オセアニア地域 自動車分野での回復の兆しがあるものの、売上高は前期を若干 タイでは景気減速と政情不安影響により住宅用販売が低迷し、 下回りました。また、フッ素ゴムについては、中国など海外での自 売上高は前期並みにとどまりましたが、オーストラリア・シンガポー 動車を中心とする需要が堅調であったため、売上高は前期を上 ル・マレーシアでの販売が堅調に推移しました。また、インド・ベト 回りました。これらの結果、フッ素樹脂全体での売上高は、前期 ナム・インドネシアなど販売網構築を進めてきた新興国では、住宅 を上回りました。 用・業務用空調機器ともに、前期比2桁増の売上高となりました。 化成品は、撥水撥油剤については、国内の需要が落ち込む一 これらの結果、地域全体での売上高は前期を大きく上回りました。 方、中国での衣料用途向け等の需要回復により、売上高は前期 を上回りました。また、タッチパネル等に用いられる表面防汚コー 米州地域 ティング剤は新たな用途開発を進めるものの、既存需要の落ち 北米地域のアプライド分野では、非住宅市場の建築着工が回 込みにより売上高が減少しました。また、その他の化成品分野で 復傾向にある一方、業界受注は依然厳しい状況の中、販売店網 も半導体用のエッチング剤等で需要に好転がみられないことか 強化による機器拡販、アフターサービス事業の拡大、中南米への ら、売上高は前期並みとなりました。化成品全体での売上高は、 好調な輸出により、売上高は前期を上回りました。住宅用では、 撥水撥油剤の海外での販売が牽引し、前期を上回りました。フル 住宅着工の回復とともに住宅用空調機器の出荷が好調に推移し オロカーボンガスについては、国内外での需要に大きな変化がみ ました。また、業務用では建築市場の回復を背景に、特に学校向 られなかったことから、売上高は前期並みとなりました。 けや政府関係物件で堅実に受注を確保し、売上高は前期を上回 りました。地域全体の売上高は、グッドマン社を新規に連結した ◦その他事業 効果もあり、前期比で大きく増加しました。 その 他 事 業 セグメント合 計 の 売 上 高 は、前 期 比7. 6% 増 の 500億14百万円となりました。営業利益は、前期比96 . 4% 増 ◦化学事業 の24億14百万円となりました。 化学事業セグメント合計では、円安によるプラス効果がある一方、 産業機械用油圧機器は、国内および米国市場が堅調に推移 供給増を背景とした需給バランス悪化に伴う価格下落の影響があ し、売上高は前期を上回りました。建機・車両用油圧機器は、国 り、売上高は前期比12.7%増の1,401億78百万円となりました。 内主要顧客の国内需要および海外向け需要とも堅調に推移し、 営業利益は、前期比14.0%減の141億89百万円となりました。 売上高は前期を上回りました。 フッ素樹脂は、中国では鉄道・通信を中心とするインフラ投資 特機部門では、防衛省向け砲弾・誘導弾用部品の受注減少に の改善や、自動車関係の需要が好調であったことから、売上高は より、売上高は前期を下回りました。在宅酸素医療用機器につい 前期を上回りました。米国ではLAN 電線用途の需要が伸びない ては販売が好調に推移しました。 中で、自動車・航空機向け等の需要が比較的堅調であったことか 電子システム事業では、IT投資が緩やかに回復しつつある中、 ら、売上高は前期を上回りました。国内需要については半導体や 設計開発分野向けデータベースシステムの販売を伸ばしました。 総資産 運転資本 (流動資産−流動負債) および流動比率 (億円) 24,000 18,000 自己資本および自己資本比率 (億円) (%) 5,000 250 10,000 (億円) (%) 50 4,000 200 8,000 40 3,000 150 6,000 30 2,000 100 4,000 20 1,000 50 2,000 10 12,000 6,000 0 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 2010 2011 2012 2013 2014 運転資本 流動比率 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 自己資本 自己資本比率 ANNUAL REPORT 2014 33 財務ハイライト/事業一覧 次期見通し 資産、負債および純資産 今後の世界経済につきましては、米国は民需を中心に景気回 ◦資産 復ペースが加速するほか、欧州景気も底入れの兆しがみられます。 流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加等に 新興国経済は中国、インドを中心に緩やかな減速傾向をたどる より、前期末に比べて1, 645億45百万円増加し、9, 678億71 見通しです。 百万円となりました。固定資産は、投資有価証券の新規取得・時 わが国経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動 価変動等により、前期末に比べて1,121億50百万円増加し、1 により、一時的に減速しますが、政府の経済対策、輸出の回復が 兆446億60百万円となりました。総資産は、2兆125億31百万 下支えし、緩慢ながらも景気拡大を維持する見通しです。このよ 円となり、前期末に比べて2 ,766億 95百万円増加しました。 CEOメッセージ うな事業環境のもと、当社では、昨年策定した“FUSION15後 半3ヵ年計画”を柱に、2015年3月期のグループ年頭方針を「グ ◦負債および純資産 ループの総力を結集し、今こそやり抜こう」と定め、環境変化に 負債は、支払手形及び買掛金の増加等により、前期末に比べ 対する柔軟かつ迅速な対応で、中長期の発展と短期の収益確保 て883億42百万円増加し、1兆1, 881億82百万円となりました。 の両立をはかってまいります。 有利子負債比率は、前期末の40 .7 %から34 . 5%となりました。 具体的には、中国をはじめ各地域での販売網拡大や新市場開 純資産は、配当金の支払いによる減少の一方、当期純利益の計 拓など販売力の抜本的強化による大拡販、サービスや保守メン 上による増加及び為替換算調整勘定の変動等により、前期末に比 テナンス事業強化によるソリューション事業の構築、次世代冷媒 べて1,883億52百万円増加し、8 ,243億49百万円となりました。 CEO インタビュー 開発や暖房事業展開などの環境イノベーション事業の拡大など、 成長戦略の実行に邁進いたします。同時に、投資の厳選、経費や 設備投資および減価償却費 事業の概況と今後の見通し 間接部門の効率化による固定費の抜本的削減など、収益力ある 事業構造の確立に向けた施策を推進していくことで、増収増益 当社グループでは「より収益性の高い分野への経営資源の集 をめざしてまいります。 中」を基本戦略とし、当期においては、空調・冷凍機事業及び化 2015年3月期通 期の連 結 業 績予想につきましては、売上高 学事業を重点に、総額593億50百万円の設備投資を実施しま は、前期比11. 0 % 増の1兆9, 800億円、営業利益は9. 6% 増の した。空調・冷凍機事業については、当社においてルームエアコン 1,700億円、当期純利益は6 .7 % 増の980億円を見込んでおり 及びパッケージエアコンの研究開発・合理化投資を中心に103億 ます。為 替レートについては、1ユーロ132円、1米ドル98円を 48百万円の投資を実施しました。グッドマン グローバル グルー 前提にしております。 プ インクにおいても、能力増強投資を中心に48億31百万円の 設備投資を実施しました。化学事業については、当社において能 力増強合理化投資を中心に76億56百万円の設備投資を実施 コーポレートガバナンス し、大金フッ素化学(中国)有限公司においても、65億60百万 ROE ROA 財務セクション (%) 設備投資および減価償却費 (%) (億円) 15 5 750 12 4 600 9 3 450 6 2 300 3 1 150 0 0 2010 2011 2012 2013 2014 0 2010 2011 2012 2013 2014 2010 2011 2012 2013 2014 設備投資 34 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 減価償却費 円の能力増強投資を実施しました。所要の資金については、いず があります。また米国において、当社は、2012年11月1日(米国 れの投資も主に銀行借入金及び自己資金を充当しました。 現地時間)にグッドマン社(グッドマン グローバル グループ イン 減価償却費は前期比157億円増の551億円となりました。 ク 本社:米国テキサス州ヒューストン市)の買収に関するすべて の手続きを完了しました。なお、本件買収にかかる買収価額 (グッ キャッシュ・フローの状況 ドマン社の借入の借換分を含む)は37億ドルでした。 本件の買収により、米国の住宅用空調・業務用空調市場に対し 当期のキャッシュ・フローについては、営業活動では、税金等 て、グッドマン社の最大規模の販売網に当社の環境技術を融合 調整前当期純利益の増加等により、前期に比べ765億52百万 した環境先進商品を投入し、北米空調市場において新たな潮流 円増加し、1,797億13百万円のキャッシュの増加となりました。 を起こすことで環境貢献と事業拡大の両立を図ります。さらに、 投資活動では、前期にグッドマン社株式の取得による支出があっ グッドマン社の持つローコスト経営ノウハウを、新興国・ボリュー たこと等により、前期に比べて減少幅が1, 375億51百万円減少 ムゾーンの市場に展開するとともに、先進国を含めたグループ全 し、808億35百万円のキャッシュの減少となりました。財務活 体の収益体質の改革に取り組むことで、一層の競争力向上を図 動では、前期にグッドマン社の買収資金としての長期借入れによ りますが、その進捗状況によっては、当社グループの業績に影響 る収入の増加及び社債の発行による収入があったこと等により、 を及ぼす可能性があります。 前 期に比べて1, 817億 69百万円 減 少し、382億49百万円 の キャッシュの減少となりました。この結果、現金及び現金同等物 冷夏および天候不順に伴う空調需要の変動 の当期末残高は、前期末に比べ717億24百万円増加し、2 , 572 当社グループの事業内容は、空調・冷凍機事業が連結売上高 億 95百万円となりました。 の89. 3%を占めていることから、世界の主要マーケットでの気 象情報や需要動向の把握に努めるとともに、その変化に対して 事業等のリスク 影響を最小限にとどめるべくフレキシブルな生産方式や販売政 策を採っていますが、冷夏及び天候不順に伴う空調需要の変動 主要市場での政治・経済状況及び製品需給の急激な変動 の大きさによっては業績に影響を及ぼす可能性があります。 当社グループは、全世界で商品やサービスを提供しており、日 本、欧米、中国を含むアジア地域などの市場における政治・経済 為替相場の大幅な変動 動向が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 当 社 グループの 連 結 売 上 高に占める海 外 売 上 高 の 割 合 は 特に、ヨーロッパにおける新たな空調機器の生産拠点の設立 2014年3月期71. 2%であり、今後もグローバル展開の加速に や代理店買収、中国においても生産・販売会社を設立するなど海 より、海外売上高の割合がさらに増加する見込みです。連結財務 外での積極的な事業展開を図っており、各地域における経済状 諸表の作成にあたっては、各地域における売上、費用、資産を含 況の悪化、素材価格の高騰によるコストの上昇や競合他社との む現地通貨建ての項目を円換算しています。したがって、換算時 競争激化等、事業環境の変化により業績に影響を及ぼす可能性 の為替レートにより、これらの項目は、各地域の現地通貨におけ る価値が変わらなかったとしても円換算後の価値が影響を受け ることになります。また、部材の調達、商品やサービスについて外 フリーキャッシュ・フロー 貨建てで取引しているものもあり、為替動向によって製造コスト や売上高に影響する可能性があります。当社グループでは、これ らの為替リスクを回避するため、短期的には為替予約等によりリ (億円) 1,200 スクヘッジを行っており、中長期的には為替変動に連動した最適 調達・生産分担の構築、通貨毎の輸出入バランス化等により為 600 替変動に左右されない体質の実現に取り組んでいますが、これに より当該リスクを完全に回避できるものではありません。 0 このほか、以下のリスクがあると認識しています。 -600 -1,200 2010 2011 2012 2013 2014 ● 重 大な品質クレーム ● 重 大な生産トラブル ● 保有する有価証券の時価の大幅な変動 ● 固定資産の減損 ● 自然災害 ANNUAL REPORT 2014 35 連結貸借対照表 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日現在 単位:百万円 資産 流動資産: 現金及び現金同等物 (注記7及び15) 2014年 2013年 ¥ 257,295 ¥ 185,571 売上債権 (注記 6、7及び15) : 受取手形 財務ハイライト/事業一覧 売掛金 貸倒引当金 たな卸資産 (注記3及び 7) 59,984 43,464 259,465 219,859 (6,598) (6,227) 316,656 285,169 繰延税金資産 (注記11) 29,598 21,782 前払費用及びその他の流動資産 51,471 53,708 967,871 803,326 CEOメッセージ 流動資産合計 有形固定資産 (注記7) : CEO インタビュー 土地 33,624 33,121 建物及び構築物 235,076 216,148 機械装置及び運搬具 450,213 414,716 工具・器具及び備品 148,450 131,921 リース資産 (注記14) 建設仮勘定 計 減価償却累計額 事業の概況と今後の見通し 有形固定資産合計 6,139 6,279 21,899 18,111 895,401 820,296 (595,684) (546,095) 299,717 274,201 154,360 102,588 投資及びその他の資産: コーポレートガバナンス 投資有価証券 (注記 4及び15) 非連結子会社及び関連会社に対する投融資 17,175 14,831 のれん (注記5) 361,667 348,411 顧客関連資産 123,700 109,723 60,389 52,754 その他の無形固定資産 繰延税金資産 (注記11) 退職給付に係る資産 (注記 8) 財務セクション その他の資産 投資及びその他の資産合計 資産合計 連結財務諸表の注記をご参照ください。 36 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 6,236 3,570 10,070 10,569 11,346 15,863 744,943 658,309 ¥2,012,531 ¥1,735,836 負債及び純資産 単位:百万円 2014年 2013年 ¥ 43,325 ¥ 65,335 95,886 4,126 1,731 1,464 流動負債: 短期借入金 (注記7及び15) 一年内返済予定長期借入債務 (注記7及び15) 一年内返済予定長期リース債務 (注記14) 仕入債務 (注記15) : 支払手形 9,380 7,377 152,704 119,987 未払法人税等 (注記15) 17,429 14,694 繰延税金負債 (注記11) 13,356 5,518 製品保証引当金 46,113 40,235 未払費用 84,618 67,089 その他の流動負債 (注記 6) 69,095 56,802 533,637 382,627 550,475 633,033 2,526 1,912 買掛金 流動負債合計 固定負債: 長期借入債務 (注記7及び15) 長期リース債務 (注記14) 退職給付に係る負債 (注記 8) 9,975 3,960 繰延税金負債 (注記11) 73,300 54,362 その他の固定負債 18,269 23,945 固定負債合計 654,545 717,212 発行済株式総数:普通株式 2014年及び 2013年—293 ,113 ,973株 85,032 85,032 資本剰余金 83,550 83,017 約定債務及び偶発債務 (注記14及び16) 純資産 (注記9、10及び 20) : 資本金 発行可能株式総数:500 , 000 , 000株 新株予約権 842 1,335 利益剰余金 514,584 438,671 (4,549) (6,772) 40,066 18,431 606 (146) 87,938 (115) 自己株式—取得原価:2014年—1, 326 ,704株、2013年—1,974 , 043株 その他の包括利益 (損失)累計額: その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ利益 (損失) 為替換算調整勘定 退職給付に係る調整累計額 計 少数株主持分 純資産合計 負債及び純資産合計 (4,883) 803,186 619,453 21,163 16,544 824,349 635,997 ¥2,012,531 ¥1,735,836 ANNUAL REPORT 2014 37 連結損益計算書 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日に終了した会計年度 単位:百万円 2014年 2013年 ¥1,783,077 ¥1,290,903 1,216,216 902,857 売上総利益 566,861 388,046 販売費及び一般管理費 (注記5、6及び13) 411,786 299,419 営業利益 155,075 88,627 売上高 (注記 6) 財務ハイライト/事業一覧 売上原価 (注記13) その他の収益 (費用) : 受取利息及び配当金 支払利息 為替差益 土地売却益 CEOメッセージ 固定資産処分損 投資有価証券売却益 (注記 4) 投資有価証券評価損 (注記 4及び15) 非連結子会社及び関連会社に対する持分法による投資利益 新株予約権戻入益 6,478 4,690 (9,454) (7,081) 483 6,849 159 38 (335) (497) 54 117 (1,531) (12,651) 1,652 1,063 209 310 CEO インタビュー 保険差益 166 関連会社株式売却益 986 子会社整理損 (783) その他—純額 (注記 8) その他の費用合計—純額 法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益 (137) (357) (2,422) (7,150) 152,653 81,477 50,390 32,677 法人税等 (注記11) : 法人税、住民税及び事業税 事業の概況と今後の見通し 過年度法人税等 (1,841) 法人税等調整額 5,014 3,500 法人税等計 55,404 34,336 少数株主利益調整前当期純利益 97,249 47,141 少数株主利益 当期純利益 (5,369) (3,556) ¥ 91,880 ¥ 43,585 コーポレートガバナンス 単位:円 1株当たり金額 (注記18) : 1株当たり当期純利益 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 1株当たり年間配当金 財務セクション 連結財務諸表の注記をご参照ください。 38 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. ¥315.21 ¥149.73 314.83 149.71 50.00 36.00 連結包括利益計算書 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日に終了した会計年度 単位:百万円 少数株主利益調整前当期純利益 2014年 2013年 ¥ 97,249 ¥ 47,141 21,632 18,434 その他の包括利益 (注記17) : その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ利益 (損失) 1,218 (72) 59,499 64,782 2,823 1,483 85,172 84,627 ¥182,421 ¥131,768 ¥175,572 ¥126,233 6,849 5,535 為替換算調整勘定 持分法適用の関係会社のその他の包括利益に対する持分相当額 その他の包括利益合計 包括利益 包括利益の内訳: 親会社株主 少数株主 連結財務諸表の注記をご参照ください。 連結株主資本等変動計算書 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日に終了した会計年度 単位:百万円 その他の包括利益(損失)累計額 社外流通 株式総数 2012年4月1日現在残高 291,085,165 資本金 資本 剰余金 新株 予約権 利益 剰余金 自己 株式 繰延 退職給付に その他 ヘッジ 有価証券 利益 為替換算 係る調整 累計額 評価差額金(損失) 調整勘定 ¥85,032 ¥82,977 ¥1,501 ¥415,231 ¥(6,961) ¥ (2) 連結子会社の決算期変更に 伴う利益剰余金の減少 ¥ (74) ¥(73,894) 少数株主 純資産 持分 合計 計 ¥503,810 ¥12,111 ¥515,921 (9,666) (9,666) (9,666) 当期純利益 43,585 43,585 43,585 配当金(1株当たり36円) (10,479) (10,479) (10,479) 229 229 自己株式の取得 (310) 自己株式の処分 55,075 40 当期純変動額 2013年3月31日現在残高 189 (166) 291,139,930 85,032 83,017 1,335 438,671 連結子会社の決算期変更に 伴う利益剰余金の減少 (注記2) (6,772) 18,433 (72) 73,779 91,974 18,431 (146) (115) 619,453 16,544 635,997 (4,021) (4,021) (4,021) 4,433 96,407 当期純利益 91,880 91,880 91,880 配当金(1株当たり50円) (11,946) (11,946) (11,946) (4) (4) 自己株式の取得 (663) 自己株式の処分 648,002 当期純変動額 2014年3月31日現在残高 (4) 533 2,227 (493) 291,787,269 21,635 ¥85,032 ¥83,550 ¥ 842 ¥514,584 ¥(4,549) ¥40,066 752 88,053 ¥(4,883) ¥606 ¥ 87,938 ¥(4,883) 2,760 2,760 105,064 4,619 109,683 ¥803,186 ¥21,163 ¥824,349 連結財務諸表の注記をご参照ください。 ANNUAL REPORT 2014 39 連結キャッシュ・フロー計算書 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日に終了した会計年度 単位:百万円 2014年 2013年 ¥152,653 ¥ 81,477 (45,874) (29,688) 78,901 51,524 営業活動によるキャッシュ・フロー: 法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益 調整項目: 法人税等の支払額 財務ハイライト/事業一覧 減価償却費 投資有価証券売却益 投資有価証券評価損 固定資産処分損 非連結子会社及び関連会社に対する持分法による投資利益 (54) (117) 1,531 12,651 335 497 (1,652) (1,063) 資産及び負債の増減額 (子会社の取得の影響を除く) : CEOメッセージ 売上債権 (31,510) (22,587) たな卸資産 (8,228) 10,299 その他の流動資産 (1,315) (3,924) 499 (306) 仕入債務 19,140 343 未払費用 CEO インタビュー 退職給付に係る資産 12,846 1,801 その他の流動負債 9,238 1,672 退職給付に係る負債 5,512 (204) (12,309) 786 その他—純額 調整項目計 27,060 21,684 179,713 103,161 有形固定資産の取得による支出 (53,647) (53,046) 有形固定資産の売却による収入 1,738 1,146 (857) (163,652) (26,742) (4,877) 営業活動によるキャッシュ・フロー 事業の概況と今後の見通し 投資活動によるキャッシュ・フロー: 新規連結子会社株式の取得による支出 (取得した現金及び現金同等物の控除後) (注記12) 投資有価証券の取得による支出 投資有価証券の売却による収入 (注記 4) 84 関連会社株式の売却による収入 事業譲受による支出 その他—純額 コーポレートガバナンス 投資活動によるキャッシュ・フロー 518 1,883 (410) (1,001) (358) (80,835) (218,386) 財務活動によるキャッシュ・フロー: 短期借入金の純減少額 (19,180) (42,868) 15 383,246 長期借入債務の返済 (5,024) (183,354) 当社株主への配当金 (11,946) (10,479) 少数株主への配当金 (2,604) (1,232) 297 674 財務セクション 長期借入債務の増加 少数株主からの払込みによる収入 その他—純額 193 (2,467) 財務活動によるキャッシュ・フロー (38,249) 143,520 現金及び現金同等物に係る為替換算差額 10,896 19,740 現金及び現金同等物の増加額 71,525 48,035 連結子会社の決算期変更に伴う現金及び現金同等物の増加額 199 2,109 現金及び現金同等物の期首残高 185,571 135,427 現金及び現金同等物の期末残高 ¥257,295 ¥185,571 連結財務諸表の注記をご参照ください。 40 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 連結財務諸表の注記 ダイキン工業株式会社及び連結子会社 2014年3月31日に終了した会計年度 1. 連結財務諸表の作成基準 ダイキン工業株式会社 (以下「当社 」という)の連結財務諸表は、日本の金融商品取引法及びその関連規則に基づき、日本において 一般に公正妥当と認められる企業会計の基準(以下「日本基準」という)に基づいて作成されており、国際財務報告基準が要求す る会計手法及び開示原則とは異なる面があります。 当連結財務諸表では、海外の読者により分かりやすい様式とするために、国内報告目的で発行された当社の連結財務諸表を組 替えて表示しています。 また、2013年3月期の連結財務諸表については、2014年3月期の表示区分に合わせるための組替えも行っています。 2 . 重要な会計方針の概要 連結の方針及び非連結子会社と関連会社への投資の会計処理方法 当連結財務諸表は当社及び重要な子会社 (併せて以下「当社グループ」という)を含んでいます。 支配力基準又は影響力基準に従い、当社が直接又は間接に支配力を行使できる会社は連結の範囲に含め、当社グループが重 要な影響を与えることができる会社は持分法を適用しています。 当社グループは、非連結子会社及び関連会社への投資については重要性のない会社を除き持分法を適用しています。なお、重 要性がなく持分法を適用していない会社への投資は原価法により処理していますが、価値の下落が著しく回復が見込まれない会 社に対する投資については減損処理を行っています。持分法を適用していない非連結子会社及び関連会社については、連結や持 分法を適用したとしても、当連結財務諸表には重要な影響を与えないものと判断しています。 2014年3月31日に終了した会計年度において、グッドマン グローバル グループ インク他21社の決算日を12月31日から3月 31日に変更しました。 当社は連結損益計算書においてこれら連結子会社の12ヵ月間の業績を含め、3ヵ月間の業績については連結子会社の決算期 変更に伴う影響として利益剰余金に直接計上することで連結株主資本等変動計算書に含めています。 連結会社間の重要な残高及び取引は連結上すべて消去しています。また、資産に含まれる当社グループ間の取引により生じた重 要な未実現利益はすべて消去しています。 連結財務諸表における在外子会社の会計処理の統一 企業会計基準実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社の会計処理に関する当面の取扱い」に従い、連結財 務諸表を作成するにあたり、同一環境下で行われた同一の性質の取引や事象について、親会社及び子会社が採用する会計処理の 原則及び手続は、原則として統一しなければならないとされています。しかしながら、在外子会社の財務諸表が、国際財務報告基 準か米国において一般に公正妥当と認められる会計原則のいずれかに準拠して作成されている場合には、当面の間、それらを連結 決算手続上利用することができるとされています。その場合であっても、以下の項目については、当該修正額に重要性が乏しい場 合を除き、連結決算手続上、当期純利益が日本基準に準拠して計上されるよう修正しなければなりません。 (a)のれんの償却、 (b) 退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、 (c)研究開発費の支出時費用処理、 (d)投資不動産の時価評価及び固定 資産の再評価、及び、 (e)少数株主損益の会計処理。 連結財務諸表における持分法適用在外関連会社の会計処理の統一 企業会計基準第16号「持分法に関する会計基準」に従い、同一環境下で行われた同一の性質の取引や事象に対する関連会社の 会計処理の原則及び手続は、当該関連会社の財務諸表に対して持分法を適用する際には、実務上困難な場合を除き、親会社が 採用する会計処理の原則及び手続と統一されるように調整を行わなければならないとされています。これに加えて、在外関連会社 の財務諸表が、国際財務報告基準か米国において一般に公正妥当と認められる会計原則のいずれかに準拠して作成されている場 合には、当面の間、それらを連結決算手続上利用することができるとされています。その場合であっても、以下の項目については、 当該修正額に重要性が乏しい場合を除き、持分法適用上、当期純利益が日本基準に準拠して計上されるよう修正しなければなり ません。 (a)のれんの償却、 (b)退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理、 (c)研究開発費の支出時費用処理、 (d) 投資不動産の時価評価及び固定資産の再評価、及び、 (e)少数株主損益の会計処理。 企業結合 当社グループは2012年11月1日にグッドマン グローバル グループ インクとその子会社を取得しました。当社グループはこれらの 取引を、企業会計基準第21号「企業結合に関する会計基準」に基づき、パーチェス法によって会計処理しています。 ANNUAL REPORT 2014 41 現金同等物 現金同等物は、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資です。 現金同等物には、取得日より3ヵ月以内に満期が到来する定期性預金を含めています。なお、定期性預金のうち、取得日より3ヵ 月を超えて満期が到来するが1年以内に満期が到来するものについては、短期投資として表示しています。2014年及び 2013年3 月31日現在において当社グループは短期投資を有していません。 貸倒引当金 財務ハイライト/事業一覧 貸倒引当金は、債権の過去の貸倒実績や潜在的な損失の見積りに基づき合理的と認められる金額を計上しています。 たな卸資産 当社及び国内連結子会社のたな卸資産については、主として総平均法による原価法(収益性の低下による簿価切下げの方法)を採 用しています。在外連結子会社のたな卸資産については、主として総平均法による低価法を採用しています。 有形固定資産 有形固定資産は、取得原価により計上しています。当社及び国内連結子会社が有する有形固定資産の減価償却費については、主 CEOメッセージ として定率法により算定しています。ただし、1998年 4月1日以降に取得した建物の減価償却費については定額法により算定し ています。在外連結子会社が有する有形固定資産の減価償却費については、主として資産の見積耐用年数に応じた定額法により 算定しています。 耐用年数は、建物及び構築物が15年〜50年、機械装置及び運搬具が 5年〜15年となっています。リース資産の耐用年数は 個々のリース期間となっています。 資産除去債務 企業会計基準第18号「資産除去債務に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第21号「資産除去債務に関する会計基準 CEO インタビュー の適用指針」に基づき、資産除去債務は、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の 除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいうとされています。資産除去債務の金額を合理 的に見積ることができる場合には、当該債務が発生した会計期間に、有形固定資産の除去に要する割引後将来キャッシュ・フロー の合計額で債務が認識されます。資産除去債務が発生した会計期間に、当該債務額を合理的に見積ることができない場合には、 債務額を合理的に見積ることができるようになった時点で負債として計上します。資産除去債務に対応する除去費用は、資産除 去債務を負債として計上した時に、当該負債の計上額と同額を、関連する有形固定資産の帳簿価額に加えます。資産計上された 資産除去債務に対応する除去費用は、減価償却を通じて、当該有形固定資産の残存耐用年数にわたり、各期に費用配分されます。 事業の概況と今後の見通し 資産除去債務は、毎期、現在価値に調整され、時の経過による調整額は各期の費用として処理されます。当初見積り以降、割引 前キャッシュ・フローの見積りに重要な変更が生じた場合は、見積りの変更による調整額を資産除去債務の帳簿価額及び関連す る有形固定資産の帳簿価額に加減して処理します。 長期性資産 当社グループは、固定資産又は固定資産グループに減損が生じている可能性を示す事象や環境の変化(減損の兆候)があるか判 定し、減損の兆候がある固定資産又は固定資産グループについて、帳簿価額がこれらの固定資産の継続的使用と使用後の処分に コーポレートガバナンス よって生ずると見込まれる割引前の将来キャッシュ・フローの総額を超える場合に、減損損失を認識しています。この場合には、 固定資産又は固定資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生じると見込まれる将来キャッシュ・フローの割引現在価 値と、正味売却価額のいずれか高い方の金額を資産の回収可能価額とし、帳簿価額が回収可能価額を上回る額を減損損失として 測定しています。 リース 2007年3月、企業会計基準委員会は、企業会計基準第13号として「リース取引に関する会計基準」を公表しました。これは、リー ス取引に係る会計基準を改正したものです。 財務セクション 改正前の会計基準では、借主に所有権が移転すると認められるファイナンス・リース契約は資産計上することとされていましたが、 それ以外のファイナンス・リース契約については、資産計上した場合の情報が借主の財務諸表の注記として開示されることを条件 として、オペレーティング・リース契約と同様の処理をすることも認められていました。改正後の会計基準では、すべてのファイナン ス・リース契約は資産計上し、貸借対照表において、リース資産とリース債務を認識することとされています。これに加えて、その会 計基準では、借主に所有権が移転しないリース契約で改正後の会計基準への移行日に存在した契約については、オペレーティング・ リース契約と同様の処理を継続することも認められています。 当社及び国内連結子会社は、改正後の会計基準を2008年 4月1日より適用しました。これに加えて、当社及び国内連結子会 社は、借主に所有権が移転しないリース契約で、改正後の会計基準への移行日に存在した契約については、オペレーティング・リー ス契約と同様の処理を継続しています。 他のリース取引はすべて賃貸借取引に準じた処理を行っています。 42 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 投資有価証券 当社グループが所有するすべての市場性のある有価証券は、その他有価証券に分類し、市場価格等により評価しています。評価に より発生した未実現の利益及び損失は、税効果を考慮した額を純資産の部において独立項目として表示しています。有価証券の 売却原価は、主として移動平均法により算定しています。 市場性のないその他有価証券は、主として移動平均法による取得原価により評価しています。 その他有価証券について、一時的でない価値の下落があった場合には、正味実現可能価額まで評価減を行い、損益計算書に損 失として計上しています。 のれん及び無形固定資産 のれん及び無形固定資産は、主に企業結合から発生しています。のれんは、取得したと識別される純資産の時価を取得価格が超 過した部分です。のれんは9年〜20年間で償却しています。無形固定資産は主に顧客関連資産を含んでいます。顧客関連資産は、 効果の及ぶ期間 (主として30年)にわたって定額法により償却しています。 製品保証引当金 当社グループは、特定の状況下において製品を無償で修理又は交換しています。製品保証引当金は、製品保証に対する過去の実 績や潜在的な損失の見積りに基づき合理的と認められる金額を計上しています。 従業員退職給付 当社及び国内連結子会社は、ほぼすべての従業員を対象とした従業員非拠出型の退職年金制度を設けています。一部の海外連 結子会社については、退職年金制度を設けています。退職給付債務の算定にあたり、退職給付見込額を当期までの期間に帰属さ せる方法については、期間定額基準によっています。数理計算上の差異については、その発生時の従業員の平均残存勤務期間以 内の一定の年数 (主として10年)による定額法により費用処理しています。過去勤務費用については、その発生時の従業員の平均 残存勤務期間以内の一定の年数 (主として10年)による定額法により費用処理しています。 1998年に企業会計審議会が公表し、2000年 4月1日以降適用され、2009年までに部分的に改正されてきた退職給付に関 する会計基準及び関連する実務指針にかわって、2012年5月17日、企業会計基準委員会は、企業会計基準第26号「退職給付に 関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」を公表しました。当社は、2013 年 4月1日以降に開始する会計年度の期末から適用しています。 (ただし、退職給付会計基準第35項本文及び退職給付適用指針 第 67項本文に掲げられた定めを除く。) 改正基準では、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去勤務費用は、税効果を調整のうえ、純資産(その他の包括利 益累計額)に計上し、積立不足又は超過は、負債 (退職給付に係る負債)又は資産 (退職給付に係る資産)として計上します。 改正基準は、数理計算上の差異及び過去勤務費用の損益認識方法を変更していません。これらの金額は、従業員の平均残存 勤務期間以内の一定の期間で損益認識します。しかしながら、当期に発生し、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去 勤務費用はその他の包括利益に含め、過去にその他の包括利益に計上され、当期に損益に認識された数理計算上の差異及び過 去勤務費用は、組替調整として取扱います。 (新会計基準の注記をご参照ください。) 退職給付会計基準等の適用については、退職給付会計基準第37項に定める経過的な取扱いに従っており、当連結会計年度末 において、当該変更に伴う影響額をその他の包括利益累計額の退職給付に係る調整累計額に加減しています。 この結果、当連結会計年度末において、退職給付に係る資産が10 , 070百万円、退職給付に係る負債が 9,975百万円計上され ました。また、その他の包括利益累計額が4 , 883百万円減少し、少数株主持分が14百万円減少しました。 ストック・オプション等 企業会計基準第8号「ストック・オプション等に関する会計基準」に従い、従業員に対するストック・オプション等について、付与日 の公正な評価額に基づく報酬費用を、財貨又はサービスが提供されていると考えられる権利確定までの期間にわたって認識して います。また、非従業員に対して付与するストック・オプション等についても、ストック・オプションか提供された財貨又はサービス のいずれかの公正な評価額に基づいて、会計処理しています。連結貸借対照表においては、ストック・オプションは権利が行使さ れるまで、新株予約権として純資産の部において独立項目として表示しています。 外貨建取引 すべての短期及び長期の外貨建金銭債権債務は貸借対照表日の為替レートで日本円に換算しています。換算により生じた為替差 損益は、先物為替予約によりヘッジされない部分について、連結損益計算書に計上しています。 外貨建財務諸表 在外連結子会社の貸借対照表項目は、取引日のレートで換算される資本の部の各項目を除き、貸借対照表日現在の為替レートで 日本円に換算しています。在外連結子会社の収益及び費用項目は、期中平均レートで日本円に換算しています。このような換算 によって生じる差額は、純資産の部の独立項目であるその他の包括利益累計額の内訳に「為替換算調整勘定 」として表示してい ます。 ANNUAL REPORT 2014 43 役員賞与 役員賞与は、帰属すべき会計年度末において未払費用として計上しています。 法人税等 法人税、住民税及び事業税の額は、連結損益計算書における法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益に基づいて算定して います。資産負債法により、繰延税金資産及び負債を、資産及び負債の帳簿価額と課税標準との一時差異の予想される将来の税 財務ハイライト/事業一覧 効果に対して、認識しています。繰延税金資産及び負債は、現行税法の税率を一時差異に適用することにより算定しています。 デリバティブ取引 当社グループは、外貨建資産及び負債に係る為替変動リスクを管理するために、先物為替予約、通貨スワップ及び通貨オプショ ンを利用しています。 当社グループは、金利変動リスクを管理するために、主として金利スワップ及び金利オプションを利用しています。 当社グループは、原材料の価格変動リスクを管理するために、商品先物取引を利用しています。 当社グループは、デリバティブ取引を投機目的では行っていません。 CEOメッセージ デリバティブ取引は、次のように分類し、処理しています。 (1)デリバティブ取引は原則として時価評価され、資産又は負債とし て認識され、デリバティブ取引から生じる損益は、連結損益計算書に計上しています。 (2)ヘッジ目的で利用されるデリバティブ取 引は、ヘッジ手段とヘッジ対象とで高い相関関係と有効性が認められ、ヘッジ会計の要件を満たす場合には、デリバティブ取引の 損益はヘッジ対象取引の決済まで繰延べています。 ヘッジ会計及び特定の要件を満たす金利スワップ取引については、時価評価せず、金利スワップ取引における支払額と受取額の 純額を認識し、支払利息又は受取利息に含めて処理しています。 1株当たり金額 CEO インタビュー 1株当たり当期純利益は、普通株主に帰属する当期純利益を加重平均発行済株式数で除すことによって算定しています。ただし、 株式分割があった場合には遡及して調整します。 普通株式に係る潜在株式調整後1株当たり当期純利益は、希薄化効果を有する発行済ストック・オプションが期首時点 (又は発 行時点)ですべて権利行使されたことを仮定しています。 当連結損益計算書で開示している1株当たり配当金は、各年度に対応する配当金であり、期末日後に支払われる配当金を含ん でいます。 新会計基準 事業の概況と今後の見通し 1998年に企業会計審議会が公表し、2000年 4月1日以降適用され、2009年までに部分的に改正されてきた退職給付に関す る会計基準及び他の関連する実務指針にかわって、2012年5月17日、企業会計基準委員会は、企業会計基準第26号「退職給 付に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第25号「退職給付に関する会計基準の適用指針」を公表しました。 主な変更点は次のとおりです。 (a)貸 借対照表での取扱い 改正前の基準では、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去勤務費用は貸借対照表に計上せず、それら未認識金額 を調整した退職給付債務と年金資産の差額 (以下「積立不足又は超過 」という)を負債又は資産として計上していました。 コーポレートガバナンス 改正基準では、損益認識されていない数理計算上の差異及び過去勤務費用は、税効果を調整のうえ、純資産 (その他の包括 利益累計額)に計上し、積立不足又は超過は、負債 (退職給付に係る負債)又は資産 (退職給付に係る資産)として計上します。 (b)損 益計算書及び包括利益計算書での取扱い 改正基準は、数理計算上の差異及び過去勤務費用の損益認識方法を変更していません。これらの金額は、従業員の平均残存 勤務期間以内の一定の期間で損益認識します。しかしながら、当期に発生し、損益認識されていない数理計算上の差異及び 過去勤務費用はその他の包括利益に含め、過去にその他の包括利益に計上され、当期に損益に認識された数理計算上の差 異及び過去勤務費用は、組替調整として取扱います。 財務セクション (c)退 職給付見込額の期間帰属方法と、割引率及び予想昇給率に関する見直し 改正基準は、退職給付見込額の期間帰属方法と、割引率及び予想昇給率に関しても見直しを行っています。 この会計基準及び適用指針は、上記の(a)及び(b)については2013年 4月1日以降に開始する会計年度の期末から適用され、 上記の(c)については2014年 4月1日以降に開始する会計年度の期首、又は2015年3月に所定の注記を行うことを条件に、 2015年 4月1日以降に開始する会計年度から適用されますが、いずれも2013年 4月1日以降に開始する会計年度の期首から早 期適用することも認められています。なお、この会計基準を過年度の連結財務諸表に対して遡及適用することは求められていま せん。 当社は、改正基準を上記の(a)及び(b)については、2013年 4月1日以降に開始する事業年度の期末から適用しています。上 記の (c)については、2014年 4月1日以降に開始する事業年度の期首から適用する予定です。 44 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 上記の(c)を適 用することにより、2015年3月期の連結貸借対照表の期首退職 給付に係る資産と利益剰余 金がそれぞれ 3 , 064百万円と4 ,788百万円増加する予定です。なお、2015年3月期の連結損益計算書においては、利益に与える影響は軽微 です。 3 . たな卸資産 2014年及び 2013年3月31日現在におけるたな卸資産は次のとおりです。 単位:百万円 2014年 2013年 ¥217,186 ¥191,195 半製品及び仕掛品 41,557 41,381 原材料及び貯蔵品 57,913 52,593 ¥316,656 ¥285,169 製品及び商品 合計 4 . 市場性のある投資有価証券 2014年及び 2013年3月31日現在において投資有価証券に計上している時価のあるその他有価証券の取得原価及び時価は次の とおりです。 単位:百万円 2014年 取得原価 未実現利益 ¥91,916 ¥54,030 未実現損失 時価 その他有価証券: 株式 債券 合計 100 2 ¥92,016 ¥54,032 ¥(432) ¥145,514 ¥(432) ¥145,616 102 単位:百万円 2013年 取得原価 未実現利益 未実現損失 時価 株式 ¥66,833 ¥29,193 ¥(2,415) ¥93,611 債券 125 4 ¥66,958 ¥29,197 その他有価証券: 合計 129 ¥(2,415) ¥93,740 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度に売却されたその他有価証券の情報は次のとおりです。 単位:百万円 2014年 3月31日 売却収入 売却益 売却損 ¥55 (1) その他有価証券: 株式 ¥84 単位:百万円 2013年3月31日 売却収入 売却益 ¥518 ¥117 売却損 その他有価証券: 株式 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度において、時価のあるその他有価証券の減損の金額は、それぞれ1, 529 百万円及び12 , 651百万円です。 5 . のれん 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度におけるのれん償却はそれぞれ23 , 784百万円及び12 , 077百万円で、販売 費及び一般管理費に含めて表示しています。 ANNUAL REPORT 2014 45 6 . 関連者間取引 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度における関連のある個人との重要な取引及び残高は次のとおりです。 (1)2014年 (a)当社 単位:百万円 財務ハイライト/事業一覧 氏名 寺田 千代乃 役職の内容 社外取締役/ アートコーポレーション 株式会社 代表取締役社長 取引 当社の被所有割合 (%) 0 . 00 取引の内容 引越業務及び配送業務の委託 期末残高 2014年 ¥435 勘定科目 2014年 その他の流動負債 ¥39 (b)当社の連結子会社 CEOメッセージ 単位:百万円 氏名 寺田 千代乃 役職の内容 社外取締役/ アートコーポレーション 株式会社 代表取締役社長 取引 当社の被所有割合 (%) 0 . 00 取引の内容 期末残高 2014年 勘定科目 2014年 引越業務及び配送業務の委託 ¥64 その他の流動負債 ¥ 4 製品の販売 88 売掛金 24 取引条件は、市場価格を勘案し、一般の取引条件と同様に決定しています。 CEO インタビュー (2)2013年 (a)当社 単位:百万円 氏名 事業の概況と今後の見通し 寺田 千代乃 役職の内容 社外取締役/ アートコーポレーション 株式会社 代表取締役社長 取引 当社の被所有割合 (%) 0 . 00 取引の内容 引越業務及び配送業務の委託 期末残高 2013年 ¥488 勘定科目 2013年 その他の流動負債 ¥39 (b)当社の連結子会社 単位:百万円 氏名 コーポレートガバナンス 寺田 千代乃 役職の内容 社外取締役/ アートコーポレーション 株式会社 代表取締役社長 取引 当社の被所有割合 (%) 0 . 00 取引の内容 引越業務及び配送業務の委託 製品の販売 期末残高 2013年 ¥70 77 勘定科目 2013年 その他の流動負債 ¥ 4 売掛金 16 取引条件は、市場価格を勘案し、一般の取引条件と同様に決定しています。 7. 短期借入金及び長期借入債務 2014年及び 2013年3月31日現在の当社グループの短期借入金は次のとおりです。 財務セクション 単位:百万円 当座借越及び銀行借入金 2014年 2013年 ¥43,325 ¥63,408 ¥43,325 ¥65,335 コマーシャルペーパー 合計 1,927 2014年3月31日現在の未利用のコミットメントラインは150 , 000百万円です。2014年及び 2013年3月31日現在の当座借 越及び銀行借入金の加重平均利率はそれぞれ1. 67 %及び1. 37 %です。2013年3月31日のコマーシャルペーパーの加重平均利 率は0 . 25%でした。 46 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 2014年及び 2013年3月31日現在の長期借入債務は次のとおりです。 単位:百万円 2014年 2013年 2014年満期1. 00 % 利付無担保社債 ¥ 30,000 ¥ 30,000 2016年満期1. 42 % 利付無担保社債 30,000 30,000 2017年満期 0 . 46% 利付無担保社債 10,000 10,000 2019年満期1. 86% 利付無担保社債 40,000 40,000 2019年満期 0 .72 % 利付無担保社債 10,000 10,000 2022年満期1. 20 % 利付無担保社債 30,000 30,000 20,000 20,000 無担保借入金 (借入先:政府系金融機関、返済期限:2019年まで、利率:1.75%) 外貨建担保付借入金 (借入先:銀行等金融機関、返済期限:2013年まで、利率:2013年-4 .75%) 28 外貨建無担保借入金 (借入先:銀行等金融機関、返済期限:2022年まで、利率:2014年-0 . 59 %〜5 .90 %、 2013年-0 .71%〜5 .90 %) 161,334 152,088 無担保借入金 (借入先:銀行等金融機関、返済期限:2023年まで、利率:2014年-0 . 26%〜3 . 59 %、 2013年-0 . 30 %〜3 . 59 %) 315,027 315,043 646,361 637,159 合計 (控除)1年内返済予定 1年内返済予定控除後長期借入債務 (95,886) (4,126) ¥550,475 ¥633,033 2014年3月31日現在における長期借入債務の年度別満期返済額は次のとおりです。 単位:百万円 2015年3月期 ¥ 95,886 2016年3月期 36,338 2017年3月期 71,895 2018年3月期 66,436 2019年3月期 2020年3月期以降 合計 72,235 303,571 ¥646,361 2014年3月31日現在、有形固定資産、定期預金、売掛金、たな卸資産及びその他残高のうちそれぞれ2 , 663百万円、107 百万円、11,755百万円、8 ,127百万円及び5 ,711百万円を短期借入金の担保として提供しています。 借入契約において、貸付銀行は当社グループの配当金の支払い、追加的な長期借入債務の調達及びその他の事項の事前承認 のためにこれらの事項についての計画を提出することを求める場合があります。日本の慣行として、貸付銀行からの求めがあれば、 担保を提供する必要があります。貸付銀行は返済期限が到来した債務について、あるいは債務不履行やその他の特殊事象が起 こった場合は銀行に対するあらゆる債務について、その銀行に預け入れている預金とを相殺する権利を有しています。これまで、 当社グループの債務に対してこの権利を行使した銀行はありません。 8 . 退職給付及び年金制度 当社グループの退職給付及び年金制度のもとでは、従業員が退職する場合には原則として雇用期間中の平均給与、勤続年数及び その他の要因に基づいて退職一時金及び年金を受給する権利が付与されます。 当社グループが有する退職一時金制度の一部は、簡便法により退職給付に係る負債及び退職給付費用を計算しています。 ANNUAL REPORT 2014 47 2014年 3月31日に終了した会計年度 1. 確定給付制度 (1)退職給付債務の期首残高と期末残高の調整表 (簡便法を適用した制度を除く) 単位:百万円 2014年 財務ハイライト/事業一覧 期首残高 勤務費用 4,098 利息費用 1,919 数理計算上の差異 (993) 過去勤務費用 退職給付の支払額 連結範囲の異動 CEOメッセージ ¥83,770 8 (4,065) 72 決算期変更による増減 (121) 為替換算調整額 5,079 その他 (134) 期末残高 ¥89,633 (2)年金資産の期首残高と期末残高の調整表 (簡便法を適用した制度を除く) 単位:百万円 2014年 CEO インタビュー 期首残高 期待運用収益 3,057 数理計算上の差異 3,908 事業主からの拠出額 4,839 退職給付の支払額 (3,733) 決算期変更による増減 為替換算調整額 事業の概況と今後の見通し ¥80,088 168 3,845 その他 57 期末残高 ¥92,229 (3)簡便法を適用した制度の、退職給付に係る負債の期首残高と期末残高の調整表 単位:百万円 2014年 退職給付に係る負債の期首残高 コーポレートガバナンス 退職給付費用 退職給付の支払額 退職給付に係る負債の期末残高 ¥ 301 2,963 (763) ¥2,501 (4)退職給付債務及び年金資産の期末残高と連結貸借対照表に計上された退職給付に係る負債及び資産の調整表(簡便法を 適用した制度を含む) 単位:百万円 財務セクション 2014年 積立型制度の退職給付債務 ¥(88,051) 年金資産 92,229 非積立型制度の退職給付債務 (4,083) 4,178 連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 ¥ 95 退職給付に係る負債 ¥ (9,975) 退職給付に係る資産 連結貸借対照表に計上された負債と資産の純額 48 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 10,070 ¥ 95 (5)退職給付費用及びその内訳項目の金額 単位:百万円 2014年 勤務費用 ¥4,098 利息費用 1,919 期待運用収益 (3,057) 数理計算上の差異の利益処理額 過去勤務費用の利益処理額 簡便法で計算した退職給付費用 (113) (42) 2,963 その他 合計 70 ¥5,838 (6)その他の包括利益累計額に計上した項目 (税効果控除前)の内訳は次のとおりです。 単位:百万円 2014年 未認識過去勤務費用 未認識数理計算上の差異 合計 ¥ (18) 6,801 ¥6,783 (7)年金資産 (a)年金資産の主な内訳 年金資産合計に対する主な分類ごとの比率は、次のとおりです。 単位:% 2014年 国内債券 6% 国内株式 8 外国債券 24 外国株式 18 保険資産 (一般勘定) 17 現金及び預金 2 不動産 2 その他 合計 23 100% (b)長期期待運用収益率の設定方法 年金資産の長期期待運用収益率を決定するため、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産から の現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しています。 (8)数理計算上の計算基礎に関する事項 2014年3月31日に終了した会計年度において主要な数理計算上の計算基礎 割引率 長期期待運用収益率 2014年 主として1. 2 % 主として2 . 5% 2 . 確定拠出制度 当社及び連結子会社の確定拠出制度への要拠出額は、4 ,181百万円です。 2013年 3月31日に終了した会計年度 2013年3月31日に終了した会計年度において、国内子会社1社は確定拠出企業年金制度を導入し、確定給付企業年金制度の一 部を廃止しています。また、厚生年金基金から脱退しています。この移行と脱退の影響により、2013年3月31日に終了した会計 年度において、法人税等及び少数株主利益調整前当期純利益が 346百万円減少しており、連結損益計算書のその他の費用のそ の他—純額に含めています。 ANNUAL REPORT 2014 49 2013年3月31日における従業員分の退職給付引当金の内訳は次のとおりです。 単位:百万円 2013年 予測退職給付債務 年金資産の公正価値 (80,088) 未認識数理計算上の差異 (10,816) 退職給付に係る資産 (10,569) 未認識過去勤務債務 財務ハイライト/事業一覧 ¥84,070 資産純額 退職給付に係る負債 225 (6,609) ¥ 3,960 2013年3月31日に終了した会計年度における退職給付費用の内訳は次のとおりです。 単位:百万円 2013年 CEOメッセージ 勤務費用 利息費用 期待運用収益 過去勤務債務の費用処理額 数理計算上の差異の費用処理額 退職給付費用 確定拠出年金への掛金等 CEO インタビュー 合計 ¥4,015 1,856 (2,210) (46) 557 4,172 2,922 ¥7,094 2013年3月31日に終了した会計年度における予測退職給付債務等の計算の基礎は次のとおりです。 2013年 割引率 期待運用収益率 主として2 . 5% 数理計算上の差異の処理年数 主として10年 過去勤務債務の処理年数 事業の概況と今後の見通し 主として1. 2 % 主として10年 9. 純資産 日本の会社は日本の会社法(以下「会社法 」という)の適用を受けています。財務・会計事象に影響を与える会社法の重要な規定 を以下に要約しています。 (a)配当 会社法のもとでは、株主総会決議による年度末の配当だけではなく、会計期間中いつでも配当を支払うことができます。 (1)取締 コーポレートガバナンス 役会設置会社であり、 (2)会計監査人を設置しており、 (3)監査役会設置会社であり、かつ (4)取締役の任期を通常の2年ではな く1年と定款で定めているという要件を満たす会社については、定款にその旨の定めがあれば、会計年度中いつでも、取締役会が 配当(現物配当は除く)を宣言することができます。しかしながら、当社は上記の基準を満たしていないので、そうすることができ ません。 会社法は一定の制約及び追加的な要件を前提として、株主に現物 (金銭以外の財産)配当を認めています。 また、定款に定めがある場合には、取締役会決議に基づいて、年に一度中間配当を支払うこともできます。会社法においては、 配当可能額あるいは自己株式の取得に一定の制限が設けられています。その制限は株主への分配可能額として規定されており、 財務セクション 配当後の純資産の額が 3百万円を下回らないよう維持することが義務付けられています。 (b)資本金、準備金及び剰余金の増減並びに振替 会社法は利益準備金 (利益剰余金の一部)及び資本準備金 (資本剰余金の一部)の総合計額が資本金の25%に達するまで、配当 の10 % 相当額を当該配当の支払額を差し引く資本勘定に応じて、利益準備金又は資本準備金として積み立てることを義務付け ています。会社法では資本準備金と利益準備金の合計額全額を払い戻すことができます。会社法ではまた、株主総会の決議に基 づく一定の条件のもとで、資本金、利益準備金、資本準備金、その他資本剰余金及び利益剰余金について科目間での振替を行う ことができます。 50 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. (c)自己株式及び自己新株予約権 会社法はまた取締役会決議による企業の自己株式の取得及び処分を認めています。自己株式の取得額は、特定の算式によって決 定される株主に対する分配可能額を超えることができません。 会社法のもとでは新株予約権は、純資産の部において独立項目として表示されます。 会社法ではまた会社が自己新株予約権及び自己株式の両方を取得できるよう規定しています。取得した自己新株予約権は純 資産の部において独立項目として表示されるか、又は新株予約権から直接控除して表示されます。 10 . ストック・オプション等 2014年3月31日に終了した会計年度におけるストック・オプションの付与状況は次のとおりです。 付与対象者 ストック・オプションの付与数 付与日 権利行使価格 2007年ストック・オプション ストック・オプション 取締役 9名 従業員42名 292,000株 2007年7月17日 4,640円 2009年7月18日から 2013年7月17日まで 権利行使期間 2008年ストック・オプション 取締役 8名 従業員44名 308,000株 2008年7月14日 5,924円 2010年7月15日から 2014年7月14日まで 2009年ストック・オプション 取締役 8名 従業員42名 294,000株 2009年7月13日 3,250円 2011年7月14日から 2015年7月13日まで 2010年ストック・オプション 取締役 8名 従業員41名 290,000株 2010年7月14日 3,050円 2012年7月15日から 2016年7月14日まで 2011年ストック・オプション 取締役10名 従業員39名 296,000株 2011年7月14日 2,970円 2013年7月15日から 2017年7月14日まで 2012年ストック・オプション 取締役10名 従業員41名 300,000株 2012年7月13日 2,186円 2014年7月14日から 2018年7月13日まで 2013年ストック・オプション 取締役10名 従業員38名 286,000株 2013年7月12日 4,500円 2015年7月13日から 2019年7月12日まで ストック・オプションの変動状況は次のとおりです。 株数 2006年 ストック・ オプション 2007年 ストック・ オプション 2008年 ストック・ オプション 2009年 ストック・ オプション 2010年 ストック・ オプション 2011年 ストック・ オプション 2012年 ストック・ オプション 2013年 ストック・ オプション 2013年 3月31日に終了した会計年度 権利確定後 2012年 4月1日残高 付与 234,700 242,000 266,000 294,000 290,000 296,000 権利行使 失効 2013年3月31日残高 (16,000) (39,000) 300,000 (234,700) (40,000) (46,000) (66,000) 202,000 220,000 212,000 251,000 296,000 300,000 2014年 3月31日に終了した会計年度 権利確定後 2013年 4月1日残高 202,000 220,000 212,000 251,000 296,000 300,000 付与 権利行使 (8,000) (40,000)(186,000)(219,000)(195,000) 失効 (194,000) (10,000) 2014年3月31日残高 権利行使価格 行使時平均株価 付与日における公正な評価単価 3,790円 4,640円 736円 1,035円 4,397円 170,000 26,000 32,000 101,000 300,000 286,000 5,924円 3,250円 3,050円 803円 899円 1,113円 6,246円 2013年ストック・オプションの公正な評価単価の見積方法 評価技法: ブラックショールズ式 株価変動性: 34 .6% 予想残存期間: 4年間 予想配当: 36円/株 無リスク利子率: 0. 2% 4,924円 286,000 5,036円 2,970円 2,186円 4,500円 935円 676円 1,220円 5,350円 ANNUAL REPORT 2014 51 11. 法人税等 当社及び国内子会社は、日本の国及び地方に法人税等を納める義務を負っています。2014年及び 2013年3月31日に終了した 会計年度における法定実効税率は概ね37.9 %となっています。 2014年及び 2013年3月31日現在における繰延税金資産及び負債の発生原因となる重要な一時差異及び繰越欠損金の税効 果は次のとおりです。 財務ハイライト/事業一覧 単位:百万円 2014年 2013年 ¥ 13,857 ¥ 11,583 13,798 9,474 繰延税金資産: 製品保証引当金 CEOメッセージ たな卸資産 投資有価証券 8,105 7,434 繰越欠損金 7,169 15,325 ソフトウェア及びその他無形資産 4,083 3,243 賞与引当金 4,012 3,430 退職給付に係る負債 2,439 878 外国税額控除 1,736 1,436 貸倒引当金 その他 評価性引当額 繰延税金資産合計 1,160 1,352 20,284 17,112 (20,056) (21,927) ¥ 56,587 ¥ 49,340 CEO インタビュー 繰延税金負債: 無形固定資産 ¥ 58,123 ¥ 47,895 連結子会社の留保利益 21,084 14,197 その他有価証券評価差額金 13,561 8,346 退職給付に係る資産 3,586 3,697 固定資産の売却による繰延収益 1,906 1,961 事業の概況と今後の見通し その他 9,149 7,772 繰延税金負債合計 ¥107,409 ¥ 83,868 繰延税金負債の純額 ¥ (50,822) ¥(34,528) 2013年3月31日に終了した会計年度における法定実効税率と当連結損益計算書の税効果会計適用後の法人税等の負担率の 差異の調整は次のとおりです。 財務セクション コーポレートガバナンス 2013年 法定実効税率 37.9% 海外子会社との税率の差異 (13.5) 外国子会社からの配当に係る追加税金及び税効果 7.0 のれん償却 5.2 子会社出資金売却益の連結修正 5.0 評価性引当額 3.2 過年度法人税等 (2.1) 未実現利益税効果未認識額 (1.8) 外国税額控除税効果未認識額 1.3 その他 (0.1) 税効果会計適用後の法人税等の負担率 42.1% 2014年3月31日に終了した会計年度においては法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率の差異は、法定実効 税率の5% 以下であるため、開示していません。 2014年3月31日、日本で新たに税制改正法が公布され、2014年 4月1日以降の法定実効税率は37.9 %から35 . 6%に変更 されました。この変更による連結財務諸表に与える影響は軽微です。 52 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 日本の税務当局と中国の税務当局が、当社グループ間取引の課税に関して合意に達した結果、前会計年度において、当社は還 付通知を日本の税務当局から受け取りました。当該還付1, 841百万円は2013年3月31日に終了した会計年度における連結損 益計算書に過年度法人税等として計上されています。 2014年3月31日において、当社及び一部の連結子会社は当社及び当該子会社の将来の課税所得と相殺することができる総 額16 , 665百万円の繰越欠損金を有しており、これらは将来の課税所得の算定にあたって控除として利用できます。これらの繰越 欠損金は利用されない場合、以下のとおり有効期限を迎える予定です。 単位:百万円 2015年3月期 ¥ 334 2016年3月期 1,104 2017年3月期 700 2018年3月期 2,328 2019年3月期 980 2020年3月期以降 11,219 合計 ¥16,665 12 . キャッシュ・フロー追加情報 当社グループは、2013年3月31日に終了した会計年度において、グッドマン グローバル グループ インクとその連結子会社を取 得しました。 グッドマン グローバル グループ インクの株式取得による支出と、これらの新規連結子会社の取得による支出(取得した現金及 び現金同等物を除く)との関係は次のとおりです。 単位:百万円 2013年 流動資産 ¥ 68,866 固定資産 166,943 のれん 195,711 流動負債 (173,607) 固定負債 (64,386) 為替換算調整勘定 (17,879) 株式取得による支出 175,648 連結子会社の現金及び現金同等物 (11,996) 新規連結子会社株式の取得による支出 (取得した現金及び現金同等物の控除後) ¥163,652 13 . 研究開発費 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度において、売上原価及び販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費はそれ ぞれ40 ,177百万円及び 33 , 569百万円です。 14 . リース 当社グループは、コンピューター機器及びその他の資産の一部をリースしています。 2014年3月31日現在のファイナンス・リース契約に基づく債務相当額及び解約不能のオペレーティング・リース契約に基づく未 経過リース料は、次のとおりです。 単位:百万円 ファイナンス・ リース契約 オペレーティング・ リース契約 1年内 ¥1,731 1年超 2,526 20,746 合計 ¥4,257 ¥34,415 ¥13,669 ANNUAL REPORT 2014 53 2014年及び 2013年 3月31日に終了した会計年度におけるプロフォーマ情報 注記2に記載のとおり、当社及び国内連結子会社は、企業会計基準第13号の移行日に存在した借主に所有権が移転すると認め られるもの以外のファイナンス・リース契約については、オペレーティング・リース契約と同様の処理をしています。会計基準の移行 日に存在した、このようなリース物件を資産計上するとした場合の、2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度における、 取得価額相当額、減価償却累計額相当額、ファイナンス・リース契約に基づく債務相当額及び減価償却費相当額に関する情報は、 次のとおりです。 財務ハイライト/事業一覧 単位:百万円 2013年 2014年 工具・器具 及び備品 取得原価相当額 減価償却累計相当額 期末残高相当額 その他 合計 工具・器具 及び備品 その他 合計 ¥258 ¥98 ¥95 ¥193 ¥147 ¥111 87 81 168 120 86 206 ¥11 ¥14 ¥ 25 ¥ 27 ¥ 25 ¥ 52 CEOメッセージ ファイナンス・リース契約に基づく債務相当額: 単位:百万円 2014年 2013年 1年内 ¥17 ¥27 1年超 8 25 ¥25 ¥52 合計 ファイナンス・リース契約に基づく取得原価相当額及び債務相当額には、支払利息を含んでいます。 CEO インタビュー ファイナンス・リース契約に基づく支払リース料及び減価償却費相当額: 単位:百万円 支払リース料 減価償却費相当額 2014年 2013年 ¥25 ¥87 25 87 事業の概況と今後の見通し 減価償却費相当額は、当連結損益計算書には計上していませんが、各々のリース期間にわたる定額法により計算しています。 15 . 金融商品及び関連注記 金融商品に対するグループ方針 当社グループは、設備投資計画に基づいて、主に銀行借入や社債といった金融商品を利用しています。また、短期の銀行借入やコ マーシャルペーパーは、運転資金の調達に利用しており、余剰資金は低リスクの金融資産に投資しています。デリバティブ取引は、 投機目的ではなく、以下に記載するリスクを管理するために利用しています。 コーポレートガバナンス 金融商品から生じるリスクの内容と程度並びに金融商品のリスク管理 受取手形及び売掛金といった債権は、顧客の信用リスクに晒されています。当社グループは、顧客の倒産リスクを把握するために 主要な顧客の支払期日や残高のモニタリングを行うことを記載している内部規定に基づいて債権からの信用リスクを管理してい ます。 支払手形及び買掛金といった債務の支払期日は、1年以内です。 外貨建の債権及び債務は、外国為替相場の変動による市場リスクに晒されていますが、それぞれの通貨において外貨建の債権 及び債務をネットしたポジションに対して、主に先物為替予約及び通貨スワップを利用してヘッジしています。加えて、予定取引に 財務セクション より生じることが見込まれる外貨建の債権及び債務に対しても先物為替予約及び通貨スワップを利用してヘッジしています。 投資有価証券は、主に当社グループの顧客及びサプライヤーの株式であり、市場価格変動のリスクに晒されています。投資有価 証券は、定期的に市場価格及び発行体の財政状況をモニタリングすることにより管理しています。 短期借入金やコマーシャルペーパーは、主に運転資金として利用しています。長期借入金や社債は、主に設備投資を目的として 利用しています。支払手形及び買掛金といった債務、銀行借入金及び社債は流動性リスクに晒されていますが、その流動性リスク について当社は企業財務部門による適切な資金計画に沿って管理しており、コミットメントラインを設定しています。金利変動に よる市場リスクに晒されている長期借入金の一部は、主に金利スワップ取引を利用してヘッジしています。 デリバティブ取引は、主に債権及び債務の外国為替相場、銀行借入金の金利の変動及び原材料の市場価格の変動による市場 リスクを管理する先物為替予約、金利スワップ及び商品先物取引です。 54 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 当社グループは、権限と利用限度額を規制する内部方針に基づいてデリバティブ取引を行っています。 当社グループはこれらデリバティブ取引を信用力の高い金融機関に限定しており、信用リスクから生ずる損失は見込んでいません。 金融商品の時価等に関する事項 主要な金融商品の帳簿価格、時価、未実現損失は以下のとおりです。金融商品の時価は活発な市場での価格に基づいています。 市場価格が入手できない場合は、代わりに他の合理的な評価技法を利用しています。いずれの価格も入手できないものは以下の 表に含まれていません。 単位:百万円 2014年 3月31日 帳簿価額 時価 ¥257,295 現金及び現金同等物 ¥257,295 受取手形及び売掛金 319,449 319,449 投資有価証券 145,616 145,616 合計 ¥722,360 ¥722,360 仕入債務 ¥162,084 ¥162,084 短期借入金 43,325 43,325 未払法人税等 17,429 17,429 長期借入債務 未実現損失 646,361 654,516 ¥8,155 合計 ¥869,199 ¥877,354 ¥8,155 デリバティブ取引 ¥ 751 ¥ 751 単位:百万円 2013年3月31日 帳簿価額 時価 現金及び現金同等物 ¥185,571 ¥185,571 受取手形及び売掛金 263,323 263,323 93,740 93,740 投資有価証券 合計 ¥542,634 ¥542,634 仕入債務 ¥127,364 ¥127,364 65,335 65,335 短期借入金 未実現損失 未払法人税等 14,694 14,694 長期借入債務 637,159 647,497 ¥10,338 合計 ¥844,552 ¥854,890 ¥10,338 デリバティブ取引 ¥ 893 ¥ 893 資産 現金及び現金同等物 現金及び現金同等物は満期が短期のため、帳簿価額が時価にほぼ等しくなっています。 受取手形及び売掛金 受取手形及び売掛金は決済が短期のため、帳簿価額が時価にほぼ等しくなっています。 投資有価証券 株式の時価は株式取引所での市場価格で測定しており、債権の時価は当社グループが想定する法人割引率で割り引いた満期時 の受取額で測定しています。なお、投資有価証券の分類ごとの時価情報は、注記 4に含めています。 負債 仕入債務、短期借入金及び未払法人税等 仕入債務、短期借入金及び未払法人税等は決済が短期のため、帳簿価格が時価にほぼ等しくなっています。 長期借入債務 社債の時価は社債の店頭市場での市場価格により決定しており、長期借入金の時価については、当該借入金に関連するキャッ シュ・フローを当社グループが想定する法人借入率で割り引いて決定しています。ヘッジ会計の要件を満たし、特定の一致基準に 適合する金利スワップによってヘッジされている変動金利の長期借入金の時価は、当該借入金及び金利スワップに関連するキャッ シュ・フローを当社グループが想定する法人借入率で割り引いて決定しています。 ANNUAL REPORT 2014 55 デリバティブ取引 デリバティブ取引の時価は金融機関から入手した価格により評価しています。 下記の表における「契約額等」は、あくまでもデリバティブ取引における名目的な契約額又は計算上の想定元本であり、当該金額 自体が、そのままデリバティブ取引に係る市場リスクや信用リスク等を表すものではありません。 ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引: 財務ハイライト/事業一覧 単位:百万円 2014年 3月31日 契約額等 契約額等の 内1年超 公正価値 評価益 (損) ¥ 3,108 ¥ (21) ¥ (21) (126) (126) 為替予約契約: CEO インタビュー CEOメッセージ 売建:英ポンド ユーロ 43,964 米ドル 18,473 147 147 オーストラリアドル 4,879 (82) (82) ニュージーランドドル 321 42 42 南アフリカランド 1,893 (15) (15) チェココルナ 4,957 29 29 ノルウェークローネ 香港ドル 1,279 1 1 シンガポールドル 2,495 (9) (9) マレーシアリンギット 1,447 (10) (10) 8,288 (310) (310) トルコリラ ブラジルレアル インドルピー 買建:人民元 26 231 (3) (3) 1,337 (29) (29) 1,580 2 2 ¥ 628 ¥ (70) ¥ (70) 商品先物契約: 財務セクション コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し 買建:金属 56 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 単位:百万円 2013年3月31日 契約額等 契約額等の 内1年超 公正価値 評価益 (損) 為替予約契約: 売建:英ポンド ¥ 920 ¥ 29 ¥ 29 ユーロ 42,962 (169) (169) 米ドル 17,233 970 970 オーストラリアドル 3,887 42 42 ニュージーランドドル 1,556 (12) (12) 南アフリカランド ポーランドズロチ 188 シンガポールドル 2,183 マレーシアリンギット 1,667 (4) (4) トルコリラ 8,826 (127) (127) ブラジルレアル 1,692 27 27 866 (9) (9) チェココルナ 5,457 78 78 香港ドル 1,215 29 29 53 53 買建:ユーロ 164 人民元 303 (8) (8) 米ドル 752 70 70 ¥ 1,278 ¥ (47) ¥ (47) 商品先物契約: 買建:金属 ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引: 単位:百万円 2014年 3月31日 契約額等の 内1年超 ヘッジ対象 契約額等 公正価値 売建:英ポンド 売掛金 ¥ 7,465 ¥ (70) ユーロ 売掛金 32,906 (311) 米ドル 売掛金 545 3 南アフリカランド 売掛金 1,025 3 チェココルナ 売掛金 8,110 17 ポーランドズロチ 売掛金 1,051 (8) トルコリラ 売掛金 3,580 15 買掛金 7,864 (161) 原材料 ¥ 1,310 ¥ 27 受取変動/支払固定 長期借入金 ¥188,024 ¥177,222 受取変動/支払固定 (*) 長期借入金 215,000 165,000 為替予約契約: 買建:人民元 商品先物契約: 買建:金属 金利スワップ ¥1,690 ANNUAL REPORT 2014 57 単位:百万円 2013年3月31日 契約額等の 内1年超 ヘッジ対象 契約額等 公正価値 売建:英ポンド 売掛金 ¥ 5,953 ¥ 21 ユーロ 売掛金 25,013 (426) 米ドル 売掛金 630 (16) オーストラリアドル 売掛金 630 (50) 南アフリカランド 売掛金 588 (7) チェココルナ 売掛金 8,469 247 ポーランドズロチ 売掛金 893 (2) トルコリラ 売掛金 4,650 (105) CEOメッセージ 財務ハイライト/事業一覧 為替予約契約: 買建:人民元 買掛金 32 (7) 買掛金 12,550 440 米ドル 金利スワップ 受取変動/支払固定 長期借入金 ¥ 80,000 ¥ 80,000 受取変動/支払固定 (*) 長期借入金 215,000 215,000 ¥(126) (*)ヘッジ会計の要件を満たし、特定の一致基準に該当する上記の金利スワップは市場価格で評価せず、スワップ契約に基づいて差額の支払い又は受け取りを認識し支払 利息又は受取利息に含めています。また、そのような金利スワップの時価は長期借入債務に含めています。 CEO インタビュー 時価を容易に決定できない金融商品 単位:百万円 帳簿価額 非上場株式 2014年 2013年 ¥8,178 ¥8,180 投資事業組合及びその他の投資 合計 566 668 ¥8,744 ¥8,848 事業の概況と今後の見通し 2014年3月31日に終了した会計年度において、非上場株式の減損の金額は、2百万円です。 金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額 単位:百万円 2014年 3月31日 コーポレートガバナンス 1年以内 1年超 5年以内 現金及び現金同等物 ¥257,295 受取手形及び売掛金 319,131 ¥318 25 ¥576,451 75 ¥393 5年超 10年以内 10年超 投資有価証券 その他有価証券のうち満期があるもの (社債) 合計 単位:百万円 2013年3月31日 財務セクション 1年以内 1年超 5年以内 現金及び現金同等物 ¥185,571 受取手形及び売掛金 263,290 ¥ 33 25 ¥448,886 100 ¥133 投資有価証券 その他有価証券のうち満期があるもの (社債) 合計 長期借入債務の年度別満期返済額は注記7をご覧ください。 58 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 5年超 10年以内 10年超 16 . 約定債務及び偶発債務 2014年3月31日現在、資本的支出に関する約定債務は合計で約41,794百万円です。 2014年3月31日現在、裏書手形及び手形債権流動化に伴う買戻義務による偶発債務は合計でそれぞれ4 , 452百万円及び 1, 237百万円です。 17. 包括利益 2014年及び2013年3月31日に終了した会計年度におけるその他の包括利益に係る組替調整額及び税効果額は次のとおりです。 単位:百万円 2014年 2013年 ¥25,373 ¥14,173 その他有価証券評価差額金: 当期発生利益 損益への組替調整額 税効果調整前 税効果額 合計 1,474 12,534 26,847 26,707 (5,215) (8,273) ¥21,632 ¥18,434 ¥ 4,152 ¥ (191) 繰延ヘッジ利益 (損失) : 当期発生利益 (損失) 損益への組替調整額 (2,366) 90 税効果調整前 1,786 (101) 税効果額 合計 (568) 29 ¥ 1,218 ¥ (72) ¥59,500 ¥64,782 為替換算調整勘定: 当期調整額 損益への組替調整額 (1) 税効果調整前 59,499 64,782 ¥59,499 ¥64,782 当期発生額 ¥ 2,823 ¥ 1,483 その他の包括利益合計 ¥85,172 ¥84,627 税効果額 合計 持分法適用関係会社に対する持分相当額: 18 . 1株当たり当期純利益 2014年及び 2013年3月31日に終了した会計年度における1株当たり当期純利益と潜在株式調整後1株当たり当期純利益の差 異の調整は次のとおりです。 2014年 3月31日に終了した会計年度: 単位:百万円 単位:千株 単位:円 当期純利益 加重平均株式数 1株当たり当期純利益 ¥91,800 291,485 ¥351.21 1株当たり当期純利益 普通株主に帰属する当期純利益 希薄化株式の影響 ストック・オプション 353 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 算定に必要な当期純利益 ¥91,800 291,838 ¥314.83 ANNUAL REPORT 2014 59 2013年3月31日に終了した会計年度: 単位:百万円 単位:千株 単位:円 当期純利益 加重平均株式数 1株当たり当期純利益 ¥43,585 291,089 ¥149.73 1株当たり当期純利益 普通株主に帰属する当期純利益 希薄化株式の影響 ストック・オプション 39 財務ハイライト/事業一覧 潜在株式調整後1株当たり当期純利益 算定に必要な当期純利益 ¥43,585 291,128 ¥149.71 19. セグメント情報 企業会計基準第17号「セグメント情報等の開示に関する会計基準」及び企業会計基準適用指針第20号「セグメント情報等の開 CEOメッセージ 示に関する会計基準の適用指針」では、企業はその報告セグメントについての財務情報及び説明的な情報を報告することとされ ています。報告セグメントは事業セグメント又は具体的な基準を満たす事業セグメントの集約です。事業セグメントとは、分離され た財務情報が入手可能であり、そのような情報を最高意思決定者が、資源の配分方法の決定及び業績の評価を行うために定期的 に検討する企業の構成単位です。一般的にセグメント情報は内部で事業セグメントの業績を評価し、事業セグメントへの資源の 配分方法を決定するために利用するものと同様の基準で報告することとされています。 1. 報告セグメントの概要 当社グループの報告セグメントは、分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、グループ間の資源の配分方法の決定を行 CEO インタビュー うために定期的に評価されているセグメントです。当社グループの報告セグメントは 「空調・冷凍機事業 」セグメント及び「化学事業 」 セグメントから構成されています。 「空調・冷凍機事業 」セグメントは、空調・冷凍機製品の製造、販売及び工事を行っています。「化学事業 」セグメントは、化学 製品の製造、販売を行っています。 2 . 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額の算定方法 各報告セグメントの会計処理方法は、注記2「重要な会計方針の概要 」において開示されているものと概ね同一です。 事業の概況と今後の見通し 3 . 報告セグメントごとの売上高、利益、資産、その他の項目の金額に関する情報 単位:百万円 2014年 3月31日 報告セグメント 空調・ 冷凍機事業 化学事業 計 その他 合計 ¥1,592,885 ¥140,178 ¥1,733,063 ¥50,014 ¥1,783,077 調整額 連結 売上高: 外部顧客への売上高 コーポレートガバナンス セグメント間の内部売上高又は 振替高 ¥1,783,077 842 7,453 8,295 407 8,702 ¥ (8,702) 1,593,727 147,631 1,741,358 50,421 1,791,779 (8,702) セグメント利益 138,478 14,189 152,667 2,414 155,081 (6) 155,075 セグメント資産 1,618,355 176,020 1,794,375 30,840 1,825,215 187,316 2,012,531 ¥ 1,671 計 1,783,077 その他の項目: 財務セクション 減価償却費 60 ¥ 41,304 ¥ 12,111 ¥ 53,415 ¥ 55,086 ¥ 55,086 のれん償却費 23,767 17 23,784 23,784 23,784 持 分法適用の非連結子会社 及び関連会社への投資額 10,880 5,605 16,485 16,485 16,485 有形固定資産及び無形固定資産 の投資額 37,113 20,359 57,472 59,350 59,350 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 1,878 単位:百万円 2013年3月31日 報告セグメント 空調・ 冷凍機事業 化学事業 計 その他 合計 ¥1,119,972 ¥124,436 ¥1,244,408 ¥46,495 ¥1,290,903 855 5,804 6,659 225 6,884 ¥ (6,884) 調整額 連結 売上高: 外部顧客への売上高 セグメント間の内部売上高又は 振替高 計 ¥1,290,903 1,120,827 130,240 1,251,067 46,720 1,297,787 (6,884) セグメント利益 70,905 16,491 87,396 1,229 88,625 2 1,290,903 88,627 セグメント資産 1,445,186 150,099 1,595,285 29,719 1,625,004 110,832 1,735,836 ¥ 27,614 ¥ 9,696 ¥ 37,310 ¥ 2,099 ¥ 39,409 ¥ 39,409 12,051 26 12,077 12,077 12,077 8,436 5,605 14,041 14,041 14,041 36,944 15,549 52,493 54,323 54,323 その他の項目: 減価償却費 のれん償却費 持 分法適用の非連結子会社 及び関連会社への投資額 有形固定資産及び無形固定資産 の投資額 1,830 注:1 「その他 」のセグメントは報告セグメントに含まれない事業セグメントの集約であり、「油機事業 」セグメント、「特機事業 」セグメント、「電子システム事業 」セグメ ントから構成されています。 2「調整額 」には配賦不能項目及びセグメント間消去が含まれています。「調整額 」に含まれる配賦不能全社資産は、2014年及び 2013年3月31日現在、それぞれ 196 ,125百万円及び118 , 702百万円であり、主として当社の現金、定期預金及び投資有価証券です。 3 セグメント利益の総額は、連結損益計算書の営業利益と整合しています。 4 セグメント間の内部売上高又は振替高は、市場価格に相当する価値で記録されています。 4 . 追加情報 (1)地域に関する情報 (a)売上高 単位:百万円 2014年 3月31日 日本 米国 中国 欧州 アジア・ オセアニア その他 連結 ¥512,754 ¥359,122 ¥322,884 ¥247,059 ¥239,633 ¥101,625 ¥1,783,077 単位:百万円 2013年3月31日 日本 米国 中国 欧州 アジア・ オセアニア その他 連結 ¥494,284 ¥113,253 ¥234,774 ¥195,053 ¥186,219 ¥67,320 ¥1,290,903 注 : 売上高は顧客の所在地に基づく、国又は地域に分類しています。 (b)有形固定資産 単位:百万円 2014年 3月31日 日本 中国 米国 欧州 アジア・ オセアニア その他 連結 ¥95,318 ¥80,119 ¥52,375 ¥34,485 ¥31,595 ¥5,825 ¥299,717 単位:百万円 2013年3月31日 日本 中国 米国 欧州 アジア・ オセアニア その他 連結 ¥91,759 ¥69,951 ¥42,717 ¥31,460 ¥32,615 ¥5,699 ¥274,201 ANNUAL REPORT 2014 61 (2)のれんに関する情報 (a)報告セグメントごとののれんの未償却残高 2014年及び 2013年3月期における報告セグメントごとののれんは次のとおりです。 単位:百万円 2014年 財務ハイライト/事業一覧 空調・ 冷凍機事業 のれん 化学事業 その他 消去又は全社 ¥361,667 連結 ¥361,667 単位:百万円 2013年 空調・ 冷凍機事業 CEOメッセージ のれん 化学事業 その他 消去又は全社 ¥348,411 連結 ¥348,411 20 . 後発事象 以下の決議が 2014年 6月27日に開催を予定している株主総会で承認されることを条件として、2014年5月8日に開催された 取締役会で承認されました。 利益剰余金の処分 財務セクション コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し CEO インタビュー 2014年3月31日現在の株主に対し1株当たり27円、総額7, 878百万円の期末配当を支払うことが承認されました。 62 DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 独立監査人の監査報告書 ANNUAL REPORT 2014 63 会社情報 (2014年3月31日現在) 本 社 〒530 - 8323 大阪市北区中崎西2- 4 -12 梅田センタービル Tel:06 - 6373 - 4312 URL:http://www.daikin.co.jp 財務ハイライト/事業一覧 東京支社 〒108 - 0075 東京都港区港南2-18 -1 JR 品川イーストビル 決算期 毎年3月31日 創 業 1924年10月25日 設 立 1934年2月11日 資本金 85 , 032百万円 発行済株式の総数 293 ,113千株 株主数 34 ,798名 大株主 ● 日本マスタートラスト信託銀行株式会社 (信託口) ● 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 (信託口) ● 株式会社三井住友銀行 ● 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 CEO インタビュー CEOメッセージ Tel:03 - 6716 - 0111 (三井住友信託銀行再信託分・新日鐵住金株式会社退職給付信託口) ● 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 コーポレートガバナンス 事業の概況と今後の見通し (三井住友信託銀行再信託分・農林中央金庫退職給付信託口) ● 株式会社三菱東京UFJ銀行 ● ステート ストリート バンク アンド トラスト カンパニー 505225 ● 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社 (信託口4) ● 住友生命保険相互会社 ● BNPパリバ証券株式会社 関係会社 連結子会社:209社 持分法適用会社:9社 従業員数 56 , 240人 (連結) 上場証券取引所 東京 公告方法 電子公告とし、当社ホームページ(http://www.daikin.co.jp/e-koukoku/)に掲載いたします。 ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告ができない場合は、日本経済新聞に掲載 財務セクション いたします。 64 株主名簿管理人 三菱UFJ信託銀行株式会社 大阪証券代行部 定時株主総会 毎年6月 独立監査人 有限責任監査法人トーマツ DAIKIN INDUSTRIES, LTD. 〒541- 8502 大阪市中央区伏見町3 - 6 -3 このアニュアルレポートは、森林管理協議会(Forest Stewardship Council)が認証 する適切に管理された森林からの原料を含むFSC認証紙を使用しており、ベジタブルイ ンクによって水なし印刷しています。 Printed in Japan http://www.daikin.co.jp CC-A1A(14-09-003)IB