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小田急フードエコロジー

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小田急フードエコロジー
【∼小田急フードエコロジー事業概要∼
小田急フードエコロジーセンター
高橋顧問】
まず事業の背景の方を紹介します。一つはゴミ処理の問題ということで、
今、焼却炉で燃やされているうちの4割から5割近くが食品であり、これを
いかにリサイクルしていくかということがこれからの課題ではないかと。も
う一方は畜産経営の問題ということで、一つは今日本の畜産業、ほとんど海
外からの輸入穀物に頼っているという状況でございます。昨今、アメリカか
らの輸入トウモロコシなどの飼料価格が高騰しておりまして、これは全体の
穀物相場の高騰や、ブッシュさんが言っておりますエタノールということで、
トウモロコシをエネルギーに使用ということも結びついておりますけども。
かなり以前は、家畜は余ったものや食べ残しで育っていたと、ところが事業
化規模が進むに従って、手軽にできるえさを持ってきてくれる形で、大規模
な畜産経営を行っていくと、輸入穀物に頼っていると。養豚、養鶏は95%
を頼っていると。この辺が、輸入穀物が高騰していきますと問題が大きくな
るのではないかと。そのほかにも安全安心な畜産のニーズなど。こういった
中で、我々は飼料化をしていくという取り組みを進めております。
実際的には小田急グループというのは、鉄道業を中心にバスとかタクシー
とか運輸事業、ホテル、百貨店、スーパー、不動産、グループ全体で昨年度
の売り上げ規模6100億円程度となっております。
主に百貨店、スーパーなどの食品関連事業のなかで、一日21トン食品廃
棄物がグループ内で出ているというのが現状であります。グループ内の食品
廃棄物を処理するために小田急フードエコロジーセンターを立ち上げまし
た。実際的にはグループだけではなく、東京、神奈川の小田急沿線のグルー
プ外の方々が排出される食品廃棄物も集めております。これを液体状飼料に
したものを契約している養豚農家に供給して、生産される豚肉を基本的には
食品廃棄物排出業者が買い上げをしてグループで販売していくという取り組
みを目指しております。現状ではすべて買い上げているわけではなく、一部
の駅ビルやホテルのみで扱っているだけなので、今年から来年にかけ販売を
中心に大きく取り組むことを目指しております。
小田急グループのねらいが大きく三つありまして、一つはコンプライアン
ス、法令遵守でありまして、食品リサイクル法をいかにクリアするかという
ことが一点、二つめが、CSRの問題。グループとして社会的貢献をしてい
く上での環境問題の取り組みは沿線の消費者の方々、株主の方々への義務、
社会的責任。三つめが、ただリサイクルするだけでなく、付加価値のある豚
肉を製品化して差別化商品としてグループで販売して、沿線消費者にファン
になってもらえるような商品開発です。
小田急ビルサービスは駅ビルなどの主要施設の清掃・メンテナンスを行っ
ておりますので、その一環として工場の運営を行っておりますが、実際的に
はグループ全体の取り組みとご理解願います。
工場の外観はこういう形でございます。神奈川県の相模原市というところ
にございます。概要としましては、この工場自体は工業専用地域の一角にあ
ります。土地が1500平米、建物が900m2。比較的小規模な広さになっ
ております。ここで一般廃棄物処理施設、一般廃棄物処分業の許可、産業廃
棄物処分業の許可、再生利用事業登録、基本的には必要な許認可はすべて取
得しまして、多種多様な食品関連事業者さんのほうから食品廃棄物をいただ
いて、処理料金をもらって、飼料化を行っております。工場自体は一般廃棄
物の処理が19.5トン、産業廃棄物が19.5トン、併せて一日39トン
の処理許可を頂いております。365日の稼働で毎日フル稼働をめざしてい
ますが、現在の稼働率は3割程度ですので、3年くらいかけてフル稼働に持
って行こうと考えております。
小田急フードエコロジーセンターの事業背景
小田急フードエコロジーセンターの事業には次の2つの背景があります。
ゴミ処理の問題解決
畜産経営の問題解決
①食品リサイクル法の遵守
②廃棄物処理費の高騰
③最終処分場の不足
①低価格豚肉の輸入
②穀物高騰による飼料費支出の増大
③安全、安心な畜産物のニーズ
小田急フードエコロジーセンター
食品循環資源の発酵飼料化
※ 2006年度から「食品リサイクル法」の罰則規定適用(100t/年以上の排出事業者)
現在、焼却炉で燃やされているうちの約半分が生ごみです。1t を燃やす為に約4万円のコストが
かかりますが、その半分以上を皆さんの税金で補填している状況です。
これを少しでも緩和させるために2001年に全ての食品排出事業者を対象に「食品リサイクル法」が
施行されました。
小田急グループでの食品循環サイクル
小田急フードエコロジーセンター
食品関連事業者
・小田急百貨店
契約養豚農場
・サザンタワー、ミロード
豚肉
・小田急商事
他へ
販売
etc
小田急グループで
ブランド肉として販売・利用
事業活動によっ
て発生した食品
循環資源
飼料
小田急フードエコロジー
センター
食品循環資源
飼料化工場
食品循環資源 ⇒ 飼料
工場写真
他か
らの
食品
循環
資源
小田急フードエコロジーセンター
工場外観
工場概要
小田急フードエコロジーセンター
内
項 目
施設の名称
施設の設置場所
土地利用の区分
面積
取扱廃棄物名
処理方式、能力
容
小田急フードエコロジーセンター
相模原市田名塩田1−17−13(工場設置場所)
相模原市田名塩田1−10215−6(駐車場)
市街化区域、工業専用地域
【工場】土地面積: 1527m2 建物面積: 909.5 m2
【駐車場】土地面積: 1325m2
動植物性残渣、廃酸、廃アルカリ、汚泥(食品に限る)
一般廃棄物(生ごみ)
飼料化(破砕・発酵処理)
39t/日
施設稼動時間
搬出入時間:午前8時∼午後5時
取得許認可等
一般廃棄物処理施設設置許可証
(相模原市)
2005.10.25
許可番号:C016701
相模原市指令(廃指一)第67号
一般廃棄物処分業許可証
(相模原市)
2005.12. 6
相許可第B0167号 一般廃棄物処分業
相模原市指令(廃指一)第69号
産業廃棄物処分業許可証
(相模原市)
2005.12. 6
許可番号:09820121593
再生利用事業登録証明書
(環境省・農水省)
2006. 3. 3
登録番号:14−4
365日稼動
【∼小田急フードエコロジー事業概要∼
小田急フードエコロジーセンター
製造工程の流れを簡単にフローで示しております。絵ではわかりづらいの
で写真で説明したいと思います。食品工場、百貨店、ホテル、スーパー、そ
ういったところのものを専用の保冷車で回収しております。地域ごとにある
廃棄物の運搬事業者さんにお願いして委託しております。現在、70カ所の
事業所から回収しております。回収には専用の容器を使っておりまして、プ
ラスチック製の120、140、180リットルと3種類の容器があります
が、それぞれ事業所の特性とか出てくる量にあわせて使っております。使用
者名とバーコードが張ってありまして、いつどこの排出事業者から何がどれ
だけ入ってきたかを管理しております。排出事業者さんの方には、豚さんの
弁当箱やポスターなどのツールを使って啓発を行っております。こういうよ
うな独自のポスターを我々も作りますし、事業者さんもそれぞれのサイトで
作っていただいたりしながら、アルバイトやパートの方が実際に分別するこ
とが多いですので、そういった方にご協力をお願いしております。本来業務
が忙しい中で分別をしてくださいと上のマネージャーがいってもなかなか言
うことを聞かないというのが普通の現場ですので、外部の人間が伺って、今
まではみなさんの税金を使って燃やしている、ところがこの取り組みにより
おいしい豚肉になって戻ってくるんですよと伝えることによって、パートと
かアルバイトなどの主婦の方などはむしろ喜んで分別していただくことも大
切なことだと思っております。それと同時にこういうようなレポートを排出
事業者さんに提出しております。いつ何がどれだけ入ってきたか、異物が入
っていたか、などの情報提供をしております。今回の排出される食品の発生
抑制をどうしていくのかが一番大きな課題となっておりますが、毎週日曜日
にごはんが大量に出ているとか土曜日に量が多いとか、日々の管理のものが
なかなかできていない。しかし、データをグラフ化したりすると明確になる
ので、仕入れを工夫したり、製造ラインを変更するツールに使っていただく
と、非常に排出抑制につながると、現場のマネージャーさんとかには非常に
喜んでいただいております。こういうツールをレポートとして毎月発行して
お渡ししております。
実際入ってくるものは、スーパー系では野菜くず、コンビニ弁当工場では
ご飯が非常に多いです。パン工場、麺工場では500キロとか1m3 入る容
器で回収しております。
計量が終わった後は、インバーションリフトといいまして反転式の投入口
から投入して、高圧の洗浄機で容器の中も洗い、洗った容器を排出事業者さ
んへお返しして、洗った水もえさとして利用すると。もう一つはフォークリ
フトを使って、大きなパンや麺などはフォークリフトで反転させて大きな投
入口から投入すると、二つのラインを使っております。
高橋顧問】
Odakyu Food Ecology Center
リキッド発酵飼料製造工程
投入口
選別
1次破砕
2次破砕
食品循環資源の
投入
発酵工程
(発酵タンク)
殺菌処理
(スチームジャケット)
FEC
FES
FEC
90∼100℃で殺菌処理
50℃以下で発酵
菌を投入
FEC
FEC
出荷
FES
24∼48時間後
タンクローリーで
豚舎へ出荷
Odakyu Food Ecology Center
回収状況
提携運搬業者が食品工場等から回収
専用保冷車でフードエコロジーセンターへ搬入
Odakyu Food Ecology Center
専用回収容器にて計量
Odakyu Food Ecology Center
啓発ツール
排出現場における従業員向け啓発ポスター
Odakyu Food Ecology Center
食品循環資源の投入①
Odakyu Food Ecology Center
食品循環資源の投入②
排出現場における従業員向け啓発ポスター②
【∼小田急フードエコロジー事業概要∼
小田急フードエコロジーセンター
高橋顧問】
異物はないように啓発していますが、異物は入ってきますので、人の目で
チェックして取り除いていく、また、特殊なマグネットによりホチキスの針
などは取り除ける形になっておりますので、人の目と機械的なものと両方の
異物除去を行います。その後、破砕機により、カッタータイプとハンマータ
イプの二つによって破砕していきます。破砕しますとこういうような食品の
場合どろどろの状態になります。どろどろの状態にしたものを90℃から1
00℃の熱を加えて殺菌処理します。飼料化していく際に安全性が重要です
ので、サルモネラやO157のような病原性の菌のリスクもありますので、
熱を加えることによってそのリスクを回避すると。殺菌処理が終わった後に、
攪拌機能がついたタンクに移して40度くらいまで攪拌して冷まします。冷
めた後に、乳酸発酵させます。PHが4くらいまで落ちますので、夏場の常
温でも10日から2週間くらいはタンク内でも保ちますので、このような状
態で飼料を作ります。専用のタンクローリーにえさを移します。契約してい
る養豚農家に運ぶという流れになります。現在、供給している養豚農家は7
軒、今年になりましてえさ代の高騰により、かなりの問い合わせがあります。
Odakyu Food Ecology Center
選別作業
Odakyu Food Ecology Center
破砕幾
Odakyu Food Ecology Center
破砕終了後(1次タンク内)
Odakyu Food Ecology Center
スチームジャケット(殺菌処理)
Odakyu Food Ecology Center
発酵タンク
Odakyu Food Ecology Center
飼料運搬用タンクローリー
【∼小田急フードエコロジー事業概要∼
小田急フードエコロジーセンター
高橋顧問】
普通の配合飼料はパサパサの粉ですが、我々の飼料はしっとりした液体状
の飼料で、食べさせ方は工夫が必要になります。
リキッド発酵飼料と呼んでおりますが、4つの大きな特徴があります。一
つめは、液体状になぜするかというと、普通の食品は水分の含有量が多い。
それを乾燥させることで保存性を高めるのですが、そこで膨大なエネルギー
コストが発生します。熱は殺菌処理のときにかけるのですが、必要以上にか
けないということ。二つめは、牛乳とかヨーグルトとか液体そのものも飼料
化できますので、大手の乳製品のメーカーも牛乳を持ってきて飼料化を行っ
ております。捨てられる牛乳を有効利用しようというのも背景にあります。
三つ目は、臭気の問題です。畜産は臭気により迷惑施設といわれますが、一
般の配合飼料と比べると消化効率がよく、余分な窒素分が出なくなり、アン
モニア臭が軽減されます。ほとんどの農家では臭気が軽減されたと喜んでお
ります。四つめは、養豚業界で疾病が増えておりまして、特に呼吸器系の疾
病です。この疾病自体はウイルスですが、直接的な原因としては粉塵ですね。
ぱさぱさの飼料を毎日吸い込みますと肺炎になりやすい、液体状の飼料です
と豚舎が湿潤な環境になるので肺炎になりづらくなり、乳酸発酵されたえさ
は、納豆やヨーグルトやキムチのように成長作用があるといわれていますが、
疾病率を下げるという効果も報告されております。多くの畜産物は多くの抗
生物質を投与しながら育てるといった流れが顕著になっておりますが、なる
べく抗生物質や薬品類を減らすことができるし、消費者にとっても薬品類の
投与されていない畜産物を提供できればメリットが大きいのではないかと。
こういった流れを作っていこうというのがリキッド発酵飼料の考え方です。
普通の豚肉として販売するのではなく、地域興しのブランド化をしながら
販売を行っているところもあり、消費者からも好評でリピーターになってい
ただく確率も高いというものになっております。
この事業は大きく二つの側面があります。一つは飼料の製造業、二つめは
廃棄物の処理業。飼料の製造業としましては、既存の配合飼料と比べてコス
トダウンを図れるということで、極力普通の市販の半分程度のえさ代になる
ような形で提供しております。養豚農家の使い方もいろいろでして、既存の
乾燥配合飼料を併用しているところもあります。
安全性の確保とサポート体制といったことで、単にえさ代が安くなるとい
うだけでは農家さんも使いづらくなりますので、いかに給餌システムのサポ
ートをできるか、豚肉のブランド化をできるかという、そういったことが今
後はますます必要なのかなと考えております。
もう一つは、廃棄物処理業としての側面。首都圏では廃棄物の処理費は高
騰しておりまして、相模原市では焼却炉での費用はキロ18円。これは安い
方で、都内では20から25円が平均で、高いところでは42円。我々の方
では相模原市と同等くらいの値段で引き取りをしておりますので、今までリ
サイクルをするとコストアップになる事業者が多かったのですが、我々のと
ころに持ち込むことで、リサイクルしても同程度のコストで済むようになっ
ております。廃棄量の細かいデータを渡したり、飼料化に向いてないのでバ
イオマスにしましょう、堆肥工場に持って行きましょうといった、トータル
のコーディネートをしながら排出業者さんに提案しております。
Odakyu Food Ecology Center
給餌風景
リキッド発酵飼料の特徴
1)リキッド状(粥状)の飼料で安価
リキッド発酵飼料は、牛乳、ヨーグルト等の良質な食品循環資源の水分をそのまま利用することにより
エネルギーコストを下げ、一般配合飼料の半分程度の価格で提供が可能となりました。
2)糞尿の臭気発生を抑制
リキッド状飼料のため、消化効率が良く、余分な窒素分が排出されないため、糞尿のアンモニア臭が軽減
されます。
3)疾病率を低下させる
乳酸菌の働きにより腸管内に善玉菌を増加させるため、免疫力の向上、整腸作用等の機能があります。
さらに粉塵の発生がなくなるため、肺炎等の疾病率も低下し、人の労働環境も改善されます。
4)安全で健康的な豚肉を消費者に提供
リキッド発酵飼料を給与した豚は疾病率が低くなるため、抗生物質の投与を軽減できます。
そのため、安全で健康的な豚肉を消費者に提供できるのです。
Odakyu Food Ecology Center
飼料製造業としてのフードエコロジーシステム
1.飼料製造業として
価格競争力
一般配合飼料と比較し、
約50%OFFの飼料コストの削減
安全性
サポート体制
・コンピュータによる成分管理
・給餌システムのサポート体制
・殺菌発酵技術による安全性の確保
・発酵飼料によるプロバイオテックス効果
・専属獣医師による経営アドバイス
・豚肉のブランド化及び販売協力体制
【∼小田急フードエコロジー事業概要∼
小田急フードエコロジーセンター
最後に、農水省の方ではエコフィードという言い方をしておりますが、食
品の廃棄物を飼料化する流れを加速化していこうということで、なるべく飼
料化しましょう、飼料化できないものをエネルギー化とか、優先順位付けも
始まっていますが、今の課題は四つあると考えております。
一つは法体系の規制と緩和。飼料化施設を作る場合に2年から3年くらい
かかってしまう。うちの工場も早回しでも1年以上かかっており、賃貸です
ので、その間、空賃だけで年間何千万円も払っている。中小の企業では難し
いと思います。許認可もリサイクルについてはいかに緩和していくかが今後
の課題の一つであると考えております。昨年、農水省の方で食品残渣利用の
安全性確保のためのガイドラインをつくっておりますが、こういった形でエ
コフィードを進める上では安全性を確保することを第一として法整備が重要
であると考えております。
二つめは、何でもかんでも飼料化できるわけでなく、今の養豚農家さんは
勉強していまして、タンパクがこれくらい炭水化物がこれくらいという要望
でなく、タンパクの中のアミノ酸のリジンとメチオニンの量をこれくらいに
して欲しいというレベルで要望が来ます。こういったレベルの要望に応えて
いかないと飼料化は厳しいのかなと思います。そういう専門知識もこれから
は重要になると思います。
三つめは流通システムの再構築で、これは、野菜なんかでも曲がったキュ
ウリは駄目だという話がありますが、肉でも扱いやすさ、見栄えが格付けに
反映されていまして、生ゴミを食べた豚なんか駄目だよという話はよく聞か
れます。ところが、今、消費者の間では本来の安全性ですとかヘルシーさと
かが大きな価値観を持ってくるのではないかと。安全性の高いおいしい製品
を作りながらそれをPRして消費者の方々に理解してもらえるか、流通側か
らも必要だと思います
四つめは、原料の受け入れ段階、製造工程の段階、問題発生時の対応とし
て、我々の方でも食品残渣を扱う上で、どこからどういうものがどれだけ入
ってきたかを把握しなければならないし、実際には豚肉の流通まですべてシ
ステム構築することで消費者に安全性を訴えることができると思いますの
で、こういった取り組みが求められていると考えております。
小田急グループとしましては、一日39トンの処理能力のうちの10トン
くらい受け入れておりますが、グループ内が3分の1、3分の2はグループ
外。小田急グループの取り組みとはいっても、沿線全体の食品全体の取り組
みと考えております。概要としては以上でありますので。質問があればまた
お伺いできればと思います。
ありがとうございました。
高橋顧問】
エコフィード普及に向けての課題
1)法体系の規制と緩和
現在、廃棄物処理法の規制が強いため、施設や業の許可に時間とコストがかかり、リサイクル施設の建
設が困難となっています。また逆に、飼料を製造し販売した際、流通上で問題が発生する懸念があること
から、飼料安全法の整備が求められています。
2)飼料化技術、専門知識の向上
エコフィード工場の多くが廃棄物処理事業者が中心となり施設の立ち上げを計画していますが、許認可や
事業採算性を重視するあまり、飼料製造の専門的な技術や知識を軽視しているようです。また養豚事業
を営んでいる立場においても廃棄物処理法、飼料安全法を軽視している点は否めません。
3)流通システムの再構築
格付けが流通のしやすさを主眼においた仕組みのため、味、安全性、ヘルシーさ等、消費者が求めている
製品と流通している製品にギャップがあります。
消費者、生産者が恩恵をうける流通の仕組みが求められています。
4)安全性の確保
原料の受入段階
: 化学薬品や毒性物質等の混入をいかに未然に防ぐか。
製品製造段階
: 異物の除去、プラント、施設の衛生管理体制が重要。
問題発生時の対応 : トレーサビリティシステムの開発及び行政との連携が必要。
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