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4−1 今治新都市地域 今治市は、愛媛県東北部、高縄半島の先端に位置

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4−1 今治新都市地域 今治市は、愛媛県東北部、高縄半島の先端に位置
県内で、新エネルギーの導入が検討されている地域について、その導入の望ましいあ
り方を、今後の検討実現に向けての参考資料として整理した。
なお、導入の具体化にあたっては、導入コストや採算性等の問題があることから、さ
らに検討を進めるとともに、引き続き、導入の必要性についての広報活動に努め、住民
意識の高揚を図るものとする。
4−1
今治新都市地域
4−1−1
今治新都市地域の概要
今治市は、愛媛県東北部、高縄半島の先端に位置し、瀬戸内海国立公園の中心地域に
位置する都市で、古くから瀬戸内海の海上交通の要衝として栄え、今治・越智地域の政
治・経済・文化の中心地として発展してきた。
松山市に次ぐ人口規模を有し、タオルやアパレルを中心とした繊維産業や造船業が集
積する地場産業都市である。
気温は年平均 17℃と温暖で、年間最適傾斜角日射量は 3.95kWh/㎡・日と、松山市
(4.15)、宇和島市(4.05)に次いで日射量の多い地域である。
平成 11 年5月には西瀬戸自動車道(しまなみ海道)が開通し、四国側の玄関口にお
ける広域交流、連携の拠点としての役割を担うことが期待されている。そういった背景
のもと、JR 予讃線今治駅から南西に約3∼4kmの西瀬戸自動車道今治 I.C に近接す
る丘陵地と、そこから約 1.5km北に位置する丘陵地において、今治新都市開発整備事
業が進められている。
4−1−2
今治新都市開発整備事業の概要
(1)目的
・西瀬戸経済圏の中核都市としての機能強化
・地域地場産業(タオル、造船、漆器、食品等)の活性化
・広域交流・地域連携拠点の形成
(2)整備スケジュール
・事業期間:平成 12 年度∼平成 26 年度
・平成 13 年度:埋蔵文化財発掘調査、区画整理事業計画認可取得、実施設計
アクセス道路等関連公共工事施工
・平成 14 年度:造成工事着手
・平成 18 年度:分譲開始(予定)
36
(平成 13 年8月計画)
(3)土地利用計画
土地利用計画
住
宅
土
高次都市機能施設
地
宅
産
業
区
画
商 業 ・ 業 務
地
整
公益 施 設用 地
理
小
計
事 公
共
用
地
業 合
計
総
合
公
園
総
計
第 1 地区
16
8
15
13
5
57
32
89
−
89
第 2 地区
7
26
−
0
1
34
14
48
35
83
合
計
23
34
15
13
6
91
46
137
35
172
備
考
一般住宅、集合住宅
広域交流、高等教育、産業支援等
工業・流通系
配水池、小学校等
道路、公園、調整池
(4)計画人口・計画戸数
・計画人口:3,010 人、計画戸数:1,100 戸(下表参照) (平成 13 年8月計画)
地区
第 1 地区
第 2 地区
新都市全体
住宅形式
戸建住宅
集合住宅
計
戸建住宅
戸建住宅
集合住宅
計
面積(㎡)
134,300
21,000
155,300
64,900
199,200
21,000
220,200
戸数(戸)
600
210
810
290
890
210
1,100
計画人口(人)
1,670
530
2,200
810
2,480
530
3,010
(5)産業育成・振興の方針(重点誘致産業・業種)
ア
高速交通網の結節点「今治 I.C」を核にした産業・研究機能、文化・交流機能、商
業・業務機能の強化・創出
イ
具体的には、繊維(タオル)
、機械(造船、荷役機械)
、電機(電球)
、食品(調味
料、生菓子)などの地域の主要産業の拡張・移転用地の確保ならびに医療福祉、生活
文化、情報通信等の新産業創出に向けた施設用地の確保、文化・交流機能を併せ持つ
レクリエーション性の高い商業・業務施設の整備
37
今治新都市開発整備事業位置図
38
土地利用計画図
(6)導入が考えられる主要施設
ア
繊維産業支援施設
イ
新事業創出に資するベンチャー施設、レンタルラボ、レンタルオフィス
ウ
多目的スポーツセンター・商業施設・買物広場
エ
環境共生型交流体験学習センター「しまなみの杜」
、青少年野外交流センター、広
域的文化施設
オ
商業施設等に隣接した健康・福祉センター
カ
ケア付集合住宅、環境共生型集合住宅
39
など
4−1−3
今治新都市地域における新エネルギー導入イメージ
21 世紀のまちづくりには、人々が安心して生活でき、なおかつ環境にやさしいことが必
要とされる。したがって、今治新都市地域においては「ライフスポット機能を備えた環境
共生型まちづくり」を新エネルギー導入のコンセプトとし、新エネルギーの導入を検討し
ていくこととする。
○
導入のコンセプト
■ ライフスポット機能を備えた環境共生型まちづくり
具体的には、居住者と立地企業や各種施設とのネットワークによる環境共生型地域コミ
ュニティーの形成を目指すとともに、防災面に配慮した自立・分散型エネルギーとして新
エネルギーの積極的導入を図る。
また、他地域に対しての積極的アピールを通じて、新都市地域の住民や就業者が誇りを
持てるようなまちづくりに資するものとする。
(1)太陽光・太陽熱エネルギー
ア
小学校への太陽光発電システム・太陽熱温水器の導入
*小学校校舎は自然エネルギー活用型(パッシブソーラーシステムや雨水利用シス
テム等の導入)が望ましい。
(エネルギー活用例)
①環境教育の体験教材としての活用(天気予報に基づく太陽光発電量の予測、化
石燃料消費や CO2 発生の削減効果に対する理解など)
②電灯、雨水処理、ビオトープなどへの利用
③災害時に小学校が緊急避難先(ライフスポット)となった場合の、非常用エネ
ルギー源としての活用
<参考>学校における太陽光発電による電力量データ
学校名
学級数
T 町 S 小学校
普通6学級
特殊1学級
普通 12 学級
特殊2学級
普通 11 学級
特殊2学級
16 学級
9学級
M 市 M 小学校
K 町 T 小学校
T 町 K 高校
N 市 N 高校
(年間合計値)
発電容量
(kW)
30
学校全体の電気
使用量(kWh)
約 41,600
太陽光発電の使
用割合
約 20.2%
20
約 118,000
約 13.6%
30
約 109,900
約 10.6%
30
50
約 266,400
約 44,600
約 11.3%
約 7.5%
(出所)
「環境を考慮した学校施設の整備推進」文部省・通商産業省
注:太陽光発電によってまかなえる電力量は、建物規模、発電容量、気候条件など様々な影響を
受けるため一概にはいえないが、これまでに整備した例では概ね全体の 1 割から 2 割程度と
なっている、なお、表には太陽光発電による余剰電力の売電量は含んでいない。
40
イ
太陽光発電・太陽熱温水器を標準装備した環境共生モデル住宅の整備
ウ
産業施設屋根、買物広場のプロムナード、オフィスビル屋上・壁面への太陽光パネ
ル設置
エ
医療施設・スポーツ施設における太陽光・熱利用
オ
太陽光パネルを使用したサインや街灯の整備
(2)生ごみバイオガス発電
ア
産業用地あるいは公益施設用地の一画に、生ごみバイオガス発電施設を誘致し、
分別回収の徹底を通じて、地区内外の諸施設・住宅から発生する生ごみを収集し、
バイオガス(メタンガス)化し発電するとともに、市民共同発電所としての運営も
検討する。
イ
また、生ごみ提供者には、クーポン券(エコマネー)を発行し、次項に述べるコ
ミュニティバスや買物客用電動車両の利用券あるいは電気自動車や圧縮天然ガス
(CNG)自動車のエネルギー券として通用できるようにする。
ウ
回収したメタンガスや電気は、地域内を走行する電気自動車や圧縮天然ガス自動
車用に供給する。
(3)クリーンエネルギー自動車
ア
コミュニティバスなどの地区内移動用車両としてクリーンエネルギー自動車の積
極的導入を図る。
イ
商業ゾーンでの買物客用電動車両のレンタル
4−1−4
新エネルギー導入の課題
当該地域において、上述のイメージに基づき新エネルギーを導入する際の課題を以下に
まとめる。
(1)整備コスト(分譲価格)の上昇
予め新エネルギー設備を導入すると、設備の設置やインフラ整備のためのコストがか
かり、結果的に分譲価格の上昇につながるという問題があることから、新エネルギー導
入のための行政等による経済的な支援が必要である。
(2)導入すべき設備規模の設定
現在、当地域は調査設計等の段階であり、立地する企業や施設の計画が具体化してい
ないこと、また、分譲開始時期が地区ごとに異なることから、地域全体のエネルギー需
要量が把握しにくく、導入すべき新エネルギーの設備規模を設定することが難しいため、
事業の推進にあわせて、無理のない導入を検討していくことが望まれる。
41
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