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No. 100 - 情報規格調査会

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No. 100 - 情報規格調査会
No. 100
2013 年 12 月
目
次
標準活動トピックス:
国際会議参加の勧め - ソフトウェア技術の標準化の歴史と国際会議雑感 ................. 2
東 基衞(早稲田大学)
2013 年 12 月以降 国際会議開催スケジュール ............................................ 5
最近の国際会議から:
JTC 1/SWG on Directives 会議報告 ......................................................... 6
鈴木 俊宏(日本オラクル(株))
JTC 1/SWG 5(Internet of Things)会議報告 ................................................ 8
河合 和哉(パナソニック(株))
JTC 1/SWG on Management 会議報告 ......................................................... 9
伊藤 智(産業技術総合研究所)
JTC 1/WG 8(Governance of IT)会議報告 .................................................. 10
平野 芳行
SC 6(Telecommunications and Information Exchange Between Systems)総会報告 ............... 11
山下 博之((独)情報処理推進機構)
SC 22(Programming languages, their environments and system software interfaces)総会報告 . 12
石畑 清(明治大学)
SC 24(Computer Graphics, image processing and environmental data representation)総会報告 13
青野 雅樹(豊橋技術科学大学)
SC 25(Interconnection of Information Technology Equipment)総会報告 ..................... 16
宮島 義昭(住友電気工業(株))
SC 27(Security Techniques)総会報告 .................................................... 18
渡邊 創(産業技術総合研究所)
SC 28(Office Equipment)総会報告 ....................................................... 19
小澁 弘明(NPO エコデザイン推進機構)
SC 29(Coding of Audio, Picture, Multimedia and Hypermedia Information)総会報告 .......... 20
高村 誠之(日本電信電話(株))
SC 32(Data Management and Interchange)総会報告 ........................................ 21
鈴木 健司(東京国際大学),土田 正士((株)日立製作所)
NEWSLETTER 100 号の発刊にあたって .................................................. 24
声のページ:
国内小委員会を中心に活動した標準化 10 年を振り返って ...................................... 25
松尾 賢治((株)KDDI 研究所)
国際規格開発賞の表彰 .............................................................. 25
2012 年度 JKA の補助状況報告 ........................................................ 26
わが社の標準化への取り組み:日本マイクロソフト株式会社 .............................. 27
成井 良久(日本マイクロソフト(株))
編集後記 .......................................................................... 28
<標準活動トピックス>
国際会議参加の勧め - ソフトウェア技術の標準化の歴史と国際会議雑感
東 基衞,早稲田大学名誉教授(理工学術院)
ISO/IEC JTC1/SC 7/WG 6 Convener,元 SC 7 専門委員会委員長
情報規格調査会委員,SC 7 専門委員会委員,WG 6 主査
1. 国際標準活動参加のきっかけ
筆者が初めて,ISO/TC97/SC7(情報処理用シンボ
ル)の国際標準の活動に参加したのは 1976 年のベル
リン国際会議である.それ以前から参加していた TC
97/SC 14 の国内委員会で,当時の富士通㈱の安藤常務
に「各社が委員を国際会議に出張・参加させるのは,
税金みたいなもので義務と考えています.」と言われ
参加したのがきっかけであった.
当時 SC 14 に続いて,ISO/TC 97/SC 7 の国内委員会
にも会社から参加を命じられ,情報処理用流れ図記号,
決定表などの議論をしていたところ,委員の疑問に誰
も答えられなかったので,「何故国際会議に出席しな
いのですか?」と聞いたところ,言いだした本人の私
が参加することになった.幸い上司に出張願いを快く
承認して頂き,
1976 年 4 月に行われた第 2 回 TC 97/SC
7 ベルリン国際会議に日本からただ一人の代表として
参加した.参加者は議長国のカナダの他,ドイツ,フ
ランス,イギリスなどから 14 名程であった.筆者は,
それ以来全ての TC 97/SC 7 及びその後継の JTC 1/SC
7 国際会議など 70 回を超す会議に参加している.
ISO/TC 97 は 1997 年に改組されて,新たに ISO/IEC
JTC 1 となった.筆者が NEC を退社し,早稲田大学
に迎えられた年である.ISO/IEC JTC 1/SC 7 となって
からも毎年 1 回定期的に 5 月頃開催されている.
また,
1988 年からは各 WG の会議が毎年 11 月頃開催されて
いる.また,1991 年には SC 7/WG 6 が創設されてそ
のコンビーナ (Convener) を任命され,第一回の WG 6
国際会議をイタリアのトリノで開催して以来,すべて
の国際会議に参加している.つまり,筆者は第 2 回以
後の全 TC 97/SC 7 国際会議,全 JTC 1/SC 7 プレナリ
国際会議,及び全 SC 7/WG 6 国際会議の全てに参加
している世界でただ一人の委員である.以下にその経
験からの国際会議雑感を述べてみたい.
2. ソフトウェア技術の進歩と JTC 1/SC 7 の歴史
ISO/TC97/SC7(情報処理流れ図記号)の時代
筆者が参加し始めた当時の TC 97/SC 7 は,情報処
理用流れ図・プログラム網図・システム資源図記号
(JIS X0121:1986),計算機システム構成図記号(JIS
X0127:1988)
,決定表(JIS X0125:1986)等の標準化の
作業を行っていた.しかし,初参加した 1976 年当時
は既に E.W.ダイクストラ,N.ヴィルト,B.W.ベーム
などの先駆者によって,プログラムの構造化技術やソ
フトウェア工学の重要性が提唱され,多くの大学や,
企業の研究所などで研究及び実用化の取組みが始め
られた時期であった.
その当時,日科技連が推進する TQM(Total Quality
Management),ならびに B.W.ベームらによるソフト
ウェアの品質モデルなどを背景として,筆者が SC 7
に提案したのがソフトウェアの品質に関する国際標
準化であり,現在も SC 7/WG 6 が担当している.
ソフトウェア技術の急速な進歩と JTC 1/SC 7 へ
TC 97/SC 7 の時代は 1974 年から 13 年間,日本では,
1986 年 6 月に第 10 回会議を東京で開催,これが TC
97/SC 7 の最後の会議となった.TC 97/SC 7 のこれま
での開催国,都市名は以下のとおりである.
(1974/12:
パリ, 1976/04: ベルリン, 1987/06: ストックホルム,
1980/04: ザ・ハーグ, 1981/05 ベルリン, 1982/09: パリ,
1983/08: ストックホルム. 1984/06 トロント, 1985/02:
ロンドン, 1986/06: 東京)
その間ソフトウェア工学国際会議の毎年開催,GUI
(Graphical User Interface)の実用化,構造化技術及び
オブジェクト指向技術の普及,ソフトウェアメトリク
スへの関心など,ソフトウェア技術は急速に発展した.
WCSQ(World Conference on Software Quality)の開催
や米国 SEI(Software Engineering Institute)によるソフ
トウェアプロセス評価の提唱なども大きな影響を与
えた.
このような背景から SC 7 はソフトウェア工学全般
にその範囲を拡張していった.1991 年に SC 7 の名称
は Software Engineering に変更されている.更に 2000
年には SC 7 の名称を Software and System Engineering
に変更を行っている.
3. JTC 1/SC 7 の国際会議と日本開催
1987 年に ISO/TC 97 から新設の ISO/IEC JTC 1/SC 7
となった.第一回の JTC 1/SC 7 は翌 1988 年の 6 月に
オランダのハーグで開催された.JTC 1/SC 7 のこれま
での開催国と参加者数は図 1 に示すとおりである.
(2013/05 SC 7 モントリオール Plenary 会議におけ
る SC 7 Secretariat Report より)
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 2
図 1 JTC 1/SC 7 のこれまでの参加者数
JTC 1/SC 7 となってからは,1993 年に東京,2001 年
には名古屋,そして 2010 年には新潟で,これまでに
3 回日本で開催している.会議の場所と参加者数をみ
ると,SC 7 の対象範囲の拡張とともに,全体として
は拡大を続けてきている様子が見られる.この他 WG
毎に開催しており,筆者の担当する WG 6 は 1999 年
に金沢で開催している.
現在は 14 WG,3 Special WG,Business Planning Group
から構成されている.その間,機能規模測定
(Functional Size Measure)は当初 WG 6 にアサインさ
れたが,その後 WG 12 として独立し,2007 年のモス
コー会議から再度 WG 6 に統合されている.
4. Working Group の会議
TC 97/SC 7 の時代には,SC 7 の WG は WG 1(流れ
図記号)から WG 4(決定表)迄の 4WG で,その会
議は SC 7 と同時に開催された.1988 年の第 1 回 JTC
1/SC 7 ハーグ会議において,SC 7/WG 3 は,SG 1,SG
2,及び SG 3 の 3 つのサブグループに分かれて審議を
行うことになり,筆者が SG 2 のコンビーナを担当す
ることになった.それ以後は,SC 7 Plenary 会議と各
WG の会議は毎年 5 月頃に開催され,また,それ以外
に各 WG が独自に 11 月頃中間(interim)会議を開催
している.
1990 には SC 7 ワシントン DC 会議において,SG 2
は WG 6(Systems & Software Quality),また SG 3 は
WG 7(Life Cycle Management)として正式に発足した.
また,SG 1 はその使命を修了して解散した.当初の
WG 1 は現在では WG 19(Techniques for Specifying IT
Systems)に引き継がれており,WG 2(Systems &
Software Documentation)はそのまま存続している.ま
た,決定表を担当していた WG 4 は,その後その役割
を全く変えて新しく WG 4(Tools and Methods)とし
て CASE ツール等を担当して現在に至っている.現在
に至るまで,多くの WG が改廃され,また多くの WG
のコンビーナも変わったなかで,WG 4 の韓国の Dan
Lee 博士と筆者の 2 名は設立以来そのまま務めている.
ISO/IEC 9126 シリーズ及び 14598 シリーズから
ISO/IEC25000 SQuaRE シリーズへ
WG 6 の最初の成果として 1991 年に ISO/IEC 9126
品質モデルが出版された.この年 11 月に開催された,
第 1 回 SC 7/WG 6 トリノ会議には,筆者は日本の代
表,兼 WG 6 コンビ-ナ,兼 9126 エディタとして参
加し,今後の方向の審議を行った.その結果,ISO/IEC
9126: Software Quality(シリーズ 4 点)及び ISO/IEC
14598: Quality Evaluation(シリーズ 6 点)の 2 つのシ
リーズの作業を行うことになった.
これら 2 シリーズの刊行に目途がついた 1999 年の
SC 7/WG 6 金沢会議では,相互に関連している 9126
シリーズ及び 14598 シリーズの問題と将来方向につ
いて討議し,問題解決のための改定を行うとともに,
新たに 2 シリーズを統合することを SC 7 プレナリに
提案することになった.新プロジェクトは,覚えやす
い名前を付けるため,SQuaRE(Systems and Software
Quality Requirement and Evaluation)シリーズと命名し
て,翌 2000 年の SC 7 マドリッド会議に提案し,承認
された.このシリーズには ITTF(ISO/IEC Information
Technology Task Force)の好意で ISO/IEC 25000 から
25099 までの番号を自由に使用できるという権限を与
えられた.これは国際標準の歴史上初めてのこととい
われた.翌 2001 年には,ISO/IEC 9126-1 Quality Model
5. SC 7/WG 6 のこれまでの活動と SQuaRE シリーズ
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 3
が刊行され,また,ISO/IEC 14598 シリーズの計画が
完了した.その後は 9126 シリーズの残りと新しい
25000:SQuaRE シリーズの編集作業を並行して行い,
最終的に 2004 年に 9126 シリーズの全ての作業を終了
し,SQuaRE シリーズに集中することになった.
ICT の急速な進歩と SQuaRE シリーズ
ISO/IEC25000 SQuaRE シリーズは,図 2 に示すよう
に,品質管理部門,品質モデル部門,品質測定部門,
品質要求部門,および品質評価部門の 5 つのコア部門
と拡張部門から構成される.コア部門は WG 6 が担当
しており,拡張部門は WG 6 が担当する既成ソフト
ウェア(ISO/IEC 25051)と,WG 28 が担当するユー
ザビリティ関連の一連の標準から構成される.
図2
ISO/IEC25000 SQuaRE シリーズの構成
SC7/WG6 はこれまで,情報通信技術の進歩とその
応用アプリケーション システムの発達,普及を背景
にして,1991 年,2001 年及び 2011 年と丁度 10 年毎
に品質モデルを発行してきている.1991 年に刊行さ
れた ISO/IEC 9126 品質モデルは,機能性,信頼性,
使用性,効率性,保守性及び移植性という 6 つの品質
特性とその定義を示したもので,ITTF の情報技術関
連では最もよく売れた国際標準の一つとして,世界的
に広く利用されている.
2001 年に改訂,刊行された ISO/IEC 9126-1 品質モ
デルは,各品質特性の下位レベルに品質副特性を加え
るとともに,ユーザビリティのコミュニティの意見を
取り上げて利用時の品質という概念を新規に追加し,
利用時の品質特性を追加した.
更に 1990 年代から急速に発達,普及したインター
ネ ッ ト及 びそ の応 用 とし ての WWW 及 び Cloud
Computing は,ソフトウェアの相互接続やセキュリ
ティの問題を提起することとなった.このような状況
に対応するため,ISO/IEC 25000 SQuaRE シリーズの
25010 品質モデルは,モデルを一新して,8 つの品質
特性と 43 の品質副特性から構成されることになった.
6. JTC 1/SC 7 における各委員会構成と委員の役割
3S の日本人委員から委員会の仲間へ
国際会議に参加する日本人は,よく 3S(Silent,
Smiling, Sleeping)であると言われる.筆者が初めて
TC 97/SC 7 に参加した時は海外出張の経験も米国の
ボストンを中心に約 1 か月強滞在した程度で,格別英
語に自信があったというわけではない.しかし,当時
国内委員会で元気よく原案に意見を言っていた委員
たちが,何故国際会議に参加して主張しようとしない
のかという素朴な疑問をもち,参加を決意した.勿論
その当時の英語力で意見を開示することがで
きたわけではない.しかし,米国と英国の委員
が激烈に討論を行うのを聞いていて,「こうす
ればいいのでは?」と仲介の意見を筆者が言っ
たところ,両者が直ちにその意見を受け入れて
感謝された経験がある.それがきっかけとなっ
て,何かあると Mr. Azuma はどう思うかと聞か
れるようになった.つまり仲間として受け入れ
られたのである.国際会議で重要なのは他人の
発言を理解しようと努力することと,自分の意
見を委員会のメンバに理解されるように説明
することで,日本人の 3S では,委員会の仲間
とは見られないということです.
コンビーナの役割
コンビーナとして留意しなければならない
ことは,WG 参加メンバのほとんどは,英語圏の国の
代表ではないということである.このため,討議中の
問題を時々整理して討議の筋道を理解できるように
支援すること,および非英語圏のメンバの意見を吸い
上げることが重要である.これにより,会議を途中で
抜け出して街に遊びに行くメンバを大幅に減らすこ
とが可能になった.
Editor グループの構成
Editor に Co-Editor を 2 名程度加えて Editor グルー
プを構成したのは,多分筆者が初めてである.これに
は 3 つの利点があった.一つは必ずしも Editor が毎回
国際会議に参加できるわけではなく,審議が止まって
しまうこと,もうひとつは Co-Editor に任命すること
で,各 National Body の支援が受け入れられやすくな
ることである.更にメーリングリストを通じてエディ
タ同士での作業も円滑に進めることが可能となった.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 4
サブグループによる並行作業
SC 7/WG 6 は参加者数も常に 20 名を超しており,
担当するプロジェクトも多いので,国際会議では毎朝
一番に 30 分から一時間の全体会議を行った後,Editor
グループを中心に,3 つのサブグループを同時に並行
して行うことにしている.筆者と込山幹事はその間,
各サブグループの求めに応じて参加し,問題解決に当
たるとともに,SQuaRE シリーズの一貫性を保つため
にプロジェクト間の調整にあたっている.
Sunday Editor Meeting
更に,WG 6 の中間会議では,一週間の作業を円滑
にするため,日曜の午後に Editor 会議を開催し,各メ
ンバが参加できる日及び同時に並行して作業できる
プロジェクトを検討して,その週の作業計画を具体的
に作成している.これによりサブグループ間の調整が
容易となり,一週間の作業を効率よく行うことが可能
となった.
7. リスク管理の重要性・・おわりに
早いもので,1976 年の TC 97/SC 7 に参加してから
37 年,それ以前 1974 年の TC 97/SC 14 ベルリン会議
を入れると 39 年が経過した.その間 1983 年 9 月の樺
太上空の大韓航空機撃墜事件,1985 年 6 月の成田空
港でのカナダ太平洋航空機手荷物爆発事件,1992 年
のロンドン会議期間中の IRA によるテロの頻発,台
風最中の BA による成田空港強硬着陸など,多くの危
機一髪を体験してきた.また,2009 年のインドのハ
イデラバドでは,自動小銃で武装した兵士に守られて
の会議,2010 年のトルコのアンタリア会議の帰路は,
多分食あたりか疲労による下痢で,ビジネスクラスで
なければ耐えられなかったというような経験もあっ
た.また,私の周りには,ちょっと目を離した隙にコ
ンピュータを盗まれた人やタクシーに法外な料金を
請求された人も少なくないが,幸い私はこのような経
験は皆無である.
これらの経験は,考えようによっては,銃弾の方が
よけるといわれるような幸運に恵まれてきたとも言
えるが,最も重要なことは本人のリスク管理であると
考えられる.世界でも最も安全な国といわれる日本に
おいても,地震,津波,落雷,癲癇発作による運転者
の人身事故,路上での無差別殺人などリスクは数えき
れない.海外においては一般に事故,盗難その他のリ
スクは更に大きいと考えなければならない.
近年情報規格調査会も出張者の安全に神経を使っ
ている様子が見受けられるが,基本は各人のリスク管
理の意識と知識の徹底であろう.他人が事故や盗難か
ら守れる範囲はそう大きなものではない.本人が夜間
に危険なエリアといわれる地区に出歩いたり,大事な
荷物を置いて離れたりするようでは,守りきれない.
今後も各委員が十分にリスク管理を心にとめて,安
全に国際会議参加の意義を心得,目的を果たすことが
できるように祈念する次第である.
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<2013 年 12 月以降
JTC 1
SC 2
SC 6
SC 7
SC 17
SC 22
SC 23
SC 24
SC 25
SC 27
2014-11-15/20
2014-09
2014-02-21
2014-06-16, 20
2014
2014-09-08/09
2014
2014
2014-09-19
2014-04-14/15
Abu Dhabi, UAE
Sri Lanka
Ottawa,Canada
Sydney,Australia
Spain
Madrid,Spain
未定
米国
中国
香港,中国
国際会議開催スケジュール>
SC 28
SC 29
SC 31
SC 32
SC 34
SC 35
SC 36
SC 37
SC 38
SC 39
2014-06
2014-07-12
2014
2014-06-13
2014-09-22, 26
2014-02
2014-06-27
2014-01-20/21
2014-05-04
2014-05 or 06
Berlin,Germany
札幌,日本
未定
成都,中国
京都,日本
Barcelona, Spain
英国
Darmstadt,Germany
Sydney,Australia
韓国
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 5
<最近の国際会議から>
■ JTC 1/SWG on Directives 会議報告
ディレクティブズ小委員会
幹事 鈴木 俊宏(日本オラクル(株))
1. 開催場所:ロンドン(英)
2. 開催期間: 2013-08-28/30
3. 参加国数/出席者数: 10 カ国,1 団体/34 名
議 長 ( Karen Higginbottom ), セ ク レ タ リ ( Lisa
Rajchel),ISO/CS,IEC/CS,JTC 1 Supplement エディ
タ,仏(4),独(4)
,米(3)
,加(2)
,英(6)
,韓(1)
,
蘭(1)
,豪(1)
,南ア(1)
,日(2:伊藤智[産総研]
,
鈴木俊宏),SC7(1),SC38(1),WG8(1),Ecma
(1)
4. 概要と主な成果
今回の SWG on Directives 会議は,3 日間にわたりロ
ンドン近郊の BSI オフィスで,今年 3 月のニューヨー
ク会議で設置された Ad Hoc のフォロー,11 月に開催
される JTC 1 総会に向けた討議等を行った.特に ISO
Supplement との整合性を中心に検討を行った.
4.1 ISO/TMB,ISO/SMB,ISO/IEC JDMT からの報告と
情報共有
(1) ISO はこの数年 Directives に対して多くの変更を
行っている.特に 2013 年版で大きな変更が行われて
いる.JTC 1 の国際規格開発手順は ISO を模範として
いるところが多いため,今回,その対処方針の検討作
業(4.9 参照)を行った.
(2) IEC/SMB 報告の中で,IEC が System Standard に対
しての活動を開始したとの報告があった.テーマが上
がると SEG(Systems Evaluation Group)が設置され検
討を開始する.それに伴いスマートシティに関する
SEG on smart cities が設置されたとのことである
(SMB Decision 147/15).
4.2 Sub-Committee(SC) の 更 な る 実 行 可 能 性
(Viability)について
前回の SWG-D ニューヨーク会議で「SC の実行可
能 性 (viability) に つ い て 検 討 す る よ う
SWG-Management に要請する」という勧告を行ったが,
SWG-Management では具体的な成果を出すまでに至
らなかったという報告があった.
4.3 SWG-D Ad Hoc on Fast Track Technical Reports
and Technical Specifications
前回の SWG-D ニューヨーク会議で設置された Ad
Hoc である.与えられた作業は SWG-D ニューヨーク
会議で合意された Annex F の図表を反映させるべく
Annex JA の修正と共に JTC 1 Supplement への改訂案
を提示する(as is)ことであったが,Technical Report
と Technical Specification の Fast Track はどうあるべき
か(to be)と一部勘違いし作業を行っていたため継続
作業となった.
(Recommendation 22)
4.4 Draft Technical Reports ( DTR ) と Draft
Technical Specification(DTS)の投票基準
JTC 1 Secretary から「DTR と DTS の投票基準が曖
昧である」という問題提起が出された.検討の結果,
「集計結果から Abstain を外して賛否の判断を行う」
という記述を JTC 1 Supplement と JTC 1 Standing
Document 6 - Technical Reports and Technical
Specifications に反映し JTC 1 に提案をすることにした
(Recommendation 1)
.この案は 2014 年版の JTC 1
Supplement 案 と し て JTC 1 投 票 に 掛 け ら れ る .
(Recommendation 21)
4.5 SWG-Management からの Programmes of Work の変
更に対する要請
SWG-Management が 3 月の会議で「Programmes of
Work の変更は JTC 1 Secretary に送られるべきである」
と勧告を行ったことを受けて,JTC 1 Supplement に
「Programmes of Work の変更は必ず JTC 1 に提出,
Default Ballot に掛ける」の文言を盛り込むことになっ
た.
4.6 SC の中の Special Working Group(SWG)の扱い
JTC 1 Secretary から「SC でも SWG が組織されてい
る」という報告があり,JTC 1 Standing Document 10 Advisory and Ad Hoc Groups に追加されることになっ
た.(Recommendation 2)
本件は以前に日本からも問題点を指摘した経緯が
あるが,当時は棄却されている.
4.7 Fast Track と PAS の Explanatory Report の配布
とメンテナンス
前回の SWG-D ニューヨーク会議で Fast Track の
Explanatory Report の テ ン プ レ ー ト が Standing
Document に盛り込まれたが,公開の方法に関して
ITTF と JTC 1 Secretary との間で意見の相違があった
ため,今回の会議で ITTF から提案があり合意に至っ
た.(Recommendation 3)
4.8 現 NWIP 投票の ISO Supplement/JTC 1 Supplement
の食い違い
日本から「現在 JTC 1 で実施されている NWIP 投票
を 必 要 と す る ケ ー ス に つ い て , 現 在 の JTC 1
Supplement と異なっている,さらには ISO Supplement
とも乖離している」ことの報告があり,Revision や
Amendment には NWIP 投票が不要であることが確認
され,ISO Supplement をベースとした修正が JTC 1 投
票の後 2014 年版の JTC 1 Supplement に盛り込まれる
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 6
ことになった.
(Recommendation 4)
4.9 2014 年度版 JTC 1 Supplement の発行と ISO
Supplement との整合
(1) ご存知のように 2013 年版の JTC 1 Supplement は発
行されておらず,幾つかの JTC 1 Standing Document
が改訂され発行されたに留まっている.今回のロンド
ン会議では,前回のニューヨーク会議で検討された内
容も含め,これまで議論された改訂案を反映させた版
を JTC 1 投票に掛け,2014 年版の発行(2014 年 1 月
1 日発行)を目指すことになった.ちなみに,JTC 1
Supplement は,これ以降 ISO/IEC Directives と統合し
た版(ISO/IEC Directives Part 1 Consolidated JTC 1
Supplement 2013)のみが発行される.
(2) ISO Supplement と JTC 1 Supplement の比較が行わ
れ文節単位で検討が加えられた.例えば,twinning に
対する配慮(今年の JTC 1 総会で問題提起を行い審議
する(Recommendation 8)
,TC 内での Internal Liaison
の 要 請 に 対 し て の ガ イ ド ( Recommendation 9 ),
Graphical Symbol の登録(Recommendation 15),プロ
ジェクトの Automatic cancellation(Recommendation
11)についてなどは盛り込まれる.また一方で,CD
をスキップする条項は盛り込まないなど,JTC 1 独自
の決議を残している.
(3) 2013 年度版の ISO Supplement に記載はあるものの
安易に JTC 1 Supplement に盛り込めない条項もあり,
今後検討することになった
・ ISO Supplement には Strategic Business Plan の新し
い Form が盛 り込 まれ たが , JTC 1 Strategic
Business Plan との違いもあり,安易に JTC 1
Supplement に追加するわけにもいかず,JTC 1
Strategic Business Plan の オ ー ナ ー で あ る
SWG-Planning に改訂の可否について検討を要請
することした(Recommendation 10)
.
・ ISO Supplement (Annex SF) Hosting meetings の内
容は,JTC 1 Supplement では Standing Document
になっており,JTC 1 SD7 - Meeting と JTC 1 SD1
- Teleconferences and Electronic Meetings の統合作
業が行われている最中のため,その作業が終了
してから ISO Supplement に対応することになっ
た.JTC 1 SD7 と SD1 の統合結果は JTC 1 投票
に掛けられる.
(4) この Supplement 同士の同期化作業は今後の迅速
な JTC 1 Supplement 開発に繋がるため歓迎するとこ
ろであろう.
4.10 実際運用している NWIP Ballot Form と ISO/IEC
Directives の食い違い
(1) 前回の SWG-D ニューヨーク会議で日本から現在
JTC 1 で使用されている NWIP Ballot Form が ISO/IEC
Directives Part 1 の記載と食い違いがあることが報告
され,今回の会議で ITTF から現状の調査報告を受け
ることになっていた.ITTF から「作業項目に入って
いるがシステムの改修にはコストがかかることもあ
り時期は未定,今後も現状報告を行う」との説明が
あった.
(2) JTC 1 NWIP 採択基準と現在利用している投票シ
ステムとの整合性について,ISO における NWIP のプ
ロセスとカウント方法を確認し,次回の SWG-D シド
ニー会議で JTC 1 の NWIP 採択基準を ISO に整合でき
るか検討することになった(Recommendation 5)
.
4.11 ARO Annual Review
ARO を適切に運営するために ARO の Annual
Review について検討が行われた.結論として「ARO
承認の際に提出した内容が変わった場合,ARO は JTC
1 Secretary に変更内容を報告し,JTC 1 Secretary は内
容を確認後,適切なエンティティに送り,JTC 1 Letter
Ballot の必要性を決定する」
となった
(Recommendation
18).
4.12. JTC 1 Standing Document 3 - Guide for ITU-T
and JTC 1 Cooperation
(1) ITU-T と JTC 1 の共同規格の開発では JTC 1 SD 3,
Guide for ITU-T and JTC 1 Cooperation が利用されてい
るが,
未記載や不明箇所が散見されるため,JTC 1 チェ
ジュ総会にて改訂が決議され,前回の SWG-Directives
ニューヨーク会議から改訂作業を開始している.
(2) 今回の SWG-D ロンドン会議では,ニューヨーク
会議で勧告した以下のような内容を盛り込んだ SD3
改 訂 案 を JTC 1 投 票 に 掛 け る こ と で 合 意 し た
(Recommendation 14).
・ CT(Collaborative Team)は(JTC 1 でいう)WG
と等価であることを明記する
・ プロジェクトが JTC 1 の DIS ステージに入った
際に CT は解散となる
未だ残っている懸案については今後も検討すること
に な っ た . ITU-T と の 協 調 に 関 し て は ,
SWG-Management でも検討されることになっている.
4.13. その他
(1) JTC 1 の Standing Document には定形フォーマット
が存在しないため,全ての SD にスタイルシートを適
用しメンテナンスすることになった(Recommendation
17)
.そのスタイルシートを適用した SD が紹介され
た.
(2) FT と PAS の Systematic review の扱いについては意
見の収束が得られず,次回の SWG-D シドニー会議に
持ち越しとなった(Recommendation 20)
.
(3) SWG-Directives の Secretary 変更が正式に報告
(Sally Seitz (ANSI)が退任,Lisa Rajchel(ANSI/現
JTC 1 Secretary)に変更)された.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 7
5. 今後の予定
5.1 今後の SWG on Directives 会議の予定
2014 年 05 月 14~16 日:シドニー(豪)
2014 年 09 月 15 日の週:オタワ(加)
:暫定
2015 年 03 月 23 日の週:釜山(韓)
2015 年 08 月 24 日の週:未定
5.2 次回 SWG on Directives シドニー会議までのスケ
ジュール
2014 年 03 月 10 日:寄書の締切り
2014 年 03 月 17 日:イニシャルアジェンダ発行
2014 年 04 月 14 日:イニシャルアジェンダに掲載さ
れている寄書に対するコメントの締切り
2014 年 04 月 21 日:最終アジェンダ発行
■ JTC 1/SWG 5(Internet of Things)会議報告
インターネットオブシングス小委員会
委員 河合 和哉(パナソニック(株))
1. 開催場所: ワシントン DC(米)
2. 開催期間: 2013-08-20/21
3. 参加国数/出席者数:8 カ国,5 リエゾン/31 名
(電話参加 6 名を含む)
コンビナー(Sangkeun Yoo,韓)
,加(2)
,中(3)
,
韓(2)
,シンガポール(1)
,英(1)
,米(9),JTC 1
(1),SC 31(2)
,GS1(1)
,OGC(1)
,日本(1:河
合)
電話会議:加(1)
,中(2)
,独(1)
,米(1),ISO/TC
122(1)
4. 議事内容
4.1 概要
3 月に開催された第 1 回の会議で設置された各アド
ホックグループからの活動報告を受けるとともに,
JTC 1 総会に向けた報告内容に関する議論を行った.
米国開催ということもあり,JTC 1 議長も参加し,
SWG 5 から JTC 1 への報告は,以下の内容として欲し
い旨,要請があった.
・ JTC 1 にとって,IoT が重要な理由
・ JTC 1 は,IoT にどのように貢献できるか?
・ JTC 1 として議論すべきものは何か?
4.2 Ad-Hoc 1 報告
Ad-Hoc 1 は電話会議を 3 回開催し,IoT に関する共
通理解のため,IoT について議論されている各団体等
での IoT 定義を集めるとともに,Mind Map を作成し
ている旨アドホックコンビナーより報告があった.
IoT の定義に関しては,SWG 5 としては IoT に関す
るコーディネーションが目的であるため,SWG 5 と
して独自の定義は行わないこととした.ただし,
Ad-Hoc 2 及び Ad-Hoc 3 コンビナーから,各 Ad-Hoc
での議論のベースにする何らかの出力が必要との意
見が示され,Mind Map については議論を継続し,JTC
1 総会への報告にも含めることとした.
4.3 Ad-Hoc 2 報告
要求条件をまとめる Ad-Hoc 2 は電話会議を 3 回開
催した.アドホックコンビナーからは,第 1 回会議後
に SWG コンビナーから関連の TC 及び SC にリエゾ
ン文書を送付し,参加要請をしたが反応がなく,要求
条件が集まっておらず,要求条件をどのように集める
かが課題である旨,報告された.
要求条件をどのようにまとめていくかについても
共通のイメージができていないため,アドホックコン
ビナーが提示したマトリックスに示された各マー
ケットついて,優先度と IoT に対応する時期をまとめ
た.
4.4 Ad-Hoc 3 報告
活動報告としてアドホックコンビナーから,各 TC
及び SC に情報提供を依頼するテンプレートを作成し
ている旨,報告があった.
テンプレートを完成するにあたり,JTC 1/SC 31 に
対して SC 31 関連の標準規格に関する情報提供を要
請した.
また,アドホックコンビナーからは,ITU-T JCA IoT
と作業に重複がある旨のコメントがあった.ITU-T
JCA IoT からは,IoT 関連標準のロードマップ作成へ
の協力提案のリエゾン文書を受領していることから,
SWG コンビナーから SWG 5 と JCA IoT で共同作業の
提案の旨を返送することとなった.
5. 今後の予定
5.1 各 SC への参画要請
各 SC に対して SWG 5 への参画要請のため,JTC 1
総会の週に開催される SC 議長会議の議題に加えるこ
ととなった.
5.2 会議予定
第 3 回 2014-03-18/20:重慶(中)
第 4 回 2014-07-29/31:ロンドン(英)
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 8
■ JTC 1/SWG on Management 会議報告
伊藤 智(産業技術総合研究所)
1. 開催場所: London,(英)
2. 開催期間: 2013-08-26/27
3. 参加国数/出席者数: 10 か国/35 名
議長(Philip C. Wennblom,米),セクレタリ(Lisa)
,
米(3, SC38 議長含む),韓(1),日(2:伊藤智[産
総研]
,鈴木俊宏[日本オラクル]),仏(4),加(2)
,
蘭(1)
,オーストラリア(1)
,独(3)
,英(8),南ア
(2),IEC,ISO,SC7,SC22,SC37,JTC 1 議長(Karen)
4. サマリー
Ad hoc on Structure を恒久的な組織とするために
2012 年のチェジュ島総会で設立された JTC 1 直下の
SWG であり,プロジェクトを正しい SC/WG にアサイ
ンすることや JTC 1 の組織運営改善を目的としてい
る.チェジュ島総会の決議を受けて,SC 間の競合解
消のフォローアップ,IT Governance に関わる組織に
ついての検討,JTC 1 総会の進め方を効率化するアイ
デアや,新しい作業項目の提案が行われる際にどのよ
うにプロジェクトの競合を解いていくか,などが議論
された.
5. 議事要旨
5.1 Ad hoc on IT Governance
11 月のチェジュ島総会において,JTC 1/WG 6
(Corporate Governance of IT)と SC 7/WG 40(IT
Governance)を統合して JTC 1/WG 8(Governance of
IT)を新しく設立することとなった.一方で SC7 が
多くの WG を抱えていることから Service Management
に関する WG を切り出して JTC 1/WG8 と組み合わせ
ることで,より適した組織が構成できるのではないか,
という提案がいくつかの国から提案された.そこで,
アドホックグループを設置して適した組織の可能性
を検討してきた.アドホックグループからは三つのオ
プションを報告してきた.A)これまで通りの組織形
態とする.B)JTC 1/WG 8 を SC 7 に移行し,SC 7 の
ToR を改変する.C)SC 7 において IT Governance お
よび Service Management に関係する WG と JTC 1/WG
8 を統合して新しい SC 40 を設置する.本会議に参加
した NB の意向は,ほぼ均等に分割され多数を得るも
のはなかった.議長から新たなオプション D)「オプ
ション A において JTC 1/WG 8 を単独で新しい SC と
する」が提示され D)を選択する NB が増えたが,や
はり多数とはならなかった.そこで,まずアドホック
グループを新たに設置し,オプション D)を他の三つ
のオプションと同レベルに記載することとした
(Recommendation3A)
.9 月 24 日に開催するテレコン
にて JTC 1 総会へ提出する案を一つにまとめる議論
を行うが,まとまらなかった場合には,四つのオプ
シ ョ ン を JTC 1 総 会 に 提 出 す る こ と と し た
(Recommendation3B).
5.2 ITU-T との連携について
JTC 1 と ITU-T の連携について,ITU-T 側からのリ
ポートが報告された.ITU-T では,他の標準化団体と
の連携,協力および ITU-T の将来の検討体制等を検討
する組織として Review Committee(RC)を設置した.
JTC 1 からも RC に参画することが期待されている.
ITU-T との連携において,プロジェクトが競合する
ことの要因の一つとして,JTC 1 で行っている内容を
きちんと外部にアピールできていないのではないか,
との議論があり,JTC 1 に関して記述されているいく
つかのドキュメントについての更新を SWG-Planning
に要請した.最初の更新を 2013 JTC 1 Plenary までと
し,SWG-M および Plenary でレビュー,承認する計
画である(Recommendation1)
.
また,現在 JTC 1 と ITU-T との連携は必ずしもうまく
いっている状態ではないことから,現状を分析し,新
たな連携のモデルを提案することを目的とした Ad
Hoc グ ル ー プ を 設 置 し 検 討 す る こ と と し た
(Recommendation2).
5.3 JTC 1 内におけるプロジェクト間の競合
チェジュ島 JTC 1 総会では,プロジェクト間の競合
を解くため,SC 7-SC 38(Resl.23 SOA や Cloud
Computing に 関 す る 担 当 の再 確 認 ), SC 6-SC 28
(Resl.26 Document Printing Application ISO/IEC 10175
のメンテナス)
,SC 24-SC 29(Resl.34 拡張現実に関
する開発協力)の三つの決議が出された.これらの
フォローアップを行っている.SC 7-SC 38 は両議長が
本会議に出席しているため,ファシリテーターは指名
されていない.SC 24-SC 29 間の拡張現実については,
Joint Ad Hoc Group が組織され,ToR の承認後,リファ
レンスアーキテクチャの開発へと進んでいる旨ファ
シリテーターから報告があった.SC 6-SC 28 について
は,リポートが上がってきていない.
5.4 SC 6 からのリポート
前回のニューヨーク会合において,フランスより
SC 6/WG 8(Directory),SC 6/WG 9(ANSI.1,OID)
のプロジェクトは SC 27 に割り当てるべきではない
か,との指摘があり,SC 6 議長に当該フランス寄書
に対する検討が求められていた.SC 6 議長からは,
WG 8 と WG 9 を統合して WG 10 を設置する決議を
行ったこと,また指摘されたプロジェクトはこの WG
に残すことが効率的であるとの報告が上げられた.
5.5 JTC 1 Plenary の運営について
JTC 1 総会をどのように進めるのが良いか,長期的
および来年度の進め方について,討議を行った.総会
の 効 率 を 上 げ る た め に , SWG-M ( SWG on
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 9
Management)において事前に Issue を議論することに
ついて賛同はあるものの,総会での議論との重複を避
け,混乱しないようにするための方法が必要である.
SC 議長による発表については,SC 内の Issue を議論
する話と JTC 1 の外にアピールするためのプレゼン
の話が同時に議論されており,簡単には収束しない様
子である.2013 の総会については,SWG-M の会議を
総会の週の最初に開催する,という議論もあったが,
これまでの総会の流れを変更することなく,総会期間
の中間である火曜日および終了後の金曜日の夕方 2
時間ずつを候補として開催する方向となった
(Recommendation5)
.
5.6 JTC 1 のマーケティングについて
JTC 1 の活動をより良いものとするため,マーケ
ティングの観点から議論を行った.外部に対して,活
動をアピールするため情報発信を行うページを作成
するなどの意見が出た.JTC 1 の活動を紹介するペー
ジは作成され公開されている(http://jtc1info.org/).今
後も議論が継続される見込み.
5.7 その他
英国から三つの寄書が提出された.Facilities Fee を
集める会議の場合に,会計報告のテンプレートが作成
されたが,あまり使われていない,リポートが JTC 1
セクレタリに上がっていないなどの問題が指摘され
た.会計報告を提出してもらうよう JTC 1 セクレタリ
に 要 請 す る こ と と な っ た ( Recommendation4 ).
Directives を順守させるための Governance を SWG-M
が持つべきではないかという寄書が提出されたが,そ
れはトピックスによるため,明示することは難しい,
と否定された.JTC 1 に新しい組織ができた場合に,
その Scope を SWG-M が検査し,場合によっては変更
案を作成すべきという意見であったが,ケースバイ
ケースであり,Exception Base で議論を行うことが確
認された.
6. 今後の開催予定
2013-09-24 21:00 UTC(teleconference)
2013-11-5,8(France)
■ JTC 1/WG 8(Governance of IT)会議報告
JTC 1/WG 8 小委員会
主査 平野 芳行
1. 開催場所: 東京(日)
2. 開催期間: 2013-08-19/22
3. 参加国数/出席者数: 9 カ国,1 リエゾン/32 名
(電話参加 6 名を含む)
主査(Phil Brown,英)
,Secretary(Jenny Mance,
豪),豪(3+3),南ア(2)
,米(1),英(1),韓(1)
,
蘭(2)
,スウェーデン(1),ニュージランド(2+1)
,
日(7: 清水恵子[システム監査学会],原田要之助
[IISEC]
,平野芳行,小倉博行[三菱電機],力利則
[NEC フィールディング]
,内藤裕史[日本 IBM]
,
原田敬[IPA])
,ISACA(2)
,
オブザーバ(4:松尾,平塚,梶本,松枝)
4. 概要
今回の会議の一つの目的は,2012 年の JTC 1 Jeju 総
会の決議 32 に対して,9 月の SWG-M へ,この WG
と意見をまとめることにあった.
以下,今回の会議決議事項を記載する.
(1) IS 38500(Cooperate Governance of IT)の改訂は,
エディタの J. Graham が電話会議での参加になったが,
CD 投票でのコメント処理 66 件(ge 6 件,te 28 件,
ed 32 件)を終了し,DIS へ進むことを JTC 1 へ推奨
することになった.また,大きな変更については今回
の改訂では実施せず次回改訂に回すことになり,
ISO/IEC 38500 シリーズとしての全体のモデル及び原
則の整合化を進めることになった.
(2) TS 38501(GIT- Implementation guide)について,
前回の結果を反映した draft が会議前に配布され,韓
国等の追加コメントを含め PDTS でのコメント処理
が終わったので,DTS 投票に進むことになった.
(3) TR 38502(GIT - Framework and Model)は,DTR が承
認され,コメント処理が終了したので,TR として発
行されることになった.
(4) TR 30120(IT audit -- Audit Guideline for Governance
of IT)は,DPTR 投票が承認され,コメント処理が終
わったので,Draft を見直して DTR 投票に進むことに
なった.なお,ISO 19011 に沿った日本案とは別の韓
国案が提出されていたが,会議で韓国案が却下された.
(5) オ ー ス ト ラ リ ア か ら 提 案 さ れ て い た Benefit
realization について,NP 投票に進むことが決まった.
(6) ISO/IEC38500 の原則及びモデルに関して,原則の
構造化,形式化及びモデル洗練化を行い,TS 38501
及び TR 38502 と調整を取って次期の 38500 シリーズ
に反映させる.そのために Ad hoc グループを作るこ
とになった.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 10
(7) 2012 年の JTC1 総会の決議 32(Assignment for the
SWG on Management)への対応については,豪提案の
IT ガ バ ナ ン ス ・ マ ネ ジ メ ン ト ( Governance &
Management of IT)の新 SC(ISO/IEC JTC 1/SC40)設
立など,出席のエキスパートで今回議論した結果,新
SC の設立(SWG-M でのオプション C)を支持するこ
とになった.
(8) 東京会議の開催及びレセプションについて,
ITSCJ 及び木村様の支援に謝辞が述べられた.
(9) 今後の予定は,このまま WG の体制であれば,次
回の F2F 会議は 2014 年 3 月 25 日~28 日にオランダ
で開催することになった.
その他に,
SWG-M 後に電話会議 9 月 11 日 11-12UTC,
JTC 1 総会後に電話会議 11 月 19 日 11-12UTC を予定.
5.所感
当初,2012 年の JTC 1 総会で,この WG 8 がどのよ
うな扱いになるのかが,不明であったが,結果として
JTC 1/WG 6 と SC 7/WG 40 が統合されただけだったの
で,何とか東京での会合が開催できた.38500 シリー
ズはそれぞれステップを進めることができよかった
と思う.また原田要之助氏がエディタをしている TR
30120 について,コエディタの韓国の Kwon 氏は不参
加ではあったが,出席者の理解を得ることができ,
DTR 投票へ進めることができたのは成功であった.
今後 11 月に開催される JTC 1 総会で,ISO/IEC JTC
1/WG 8(IT ガバナンス)の,IT ガバナンス・マネジ
メント(Governance & Management of IT)の新 SC
(ISO/IEC JTC 1/SC 40)への統合(オプション C)に
関する審議が行われる見通しであり,ITSCJ 技術委員
会で日本の方針を事前審議しておく必要があると考
える.
また,今回東京の開催に当たり,ITSCJ の支援に深
謝したい.
■ SC 6 ( Telecommunications and Information
Exchange Between Systems/通信とシステム間の情報
交換)総会報告
SC 6 専門委員会
委員長 山下 博之((独)情報処理推進機構)
1. 開催場所:ソウル(韓)
2. 開催期間:2013-06-21
3. 参加国:7 カ国・4 機関
オーストリア(*),中,韓,蘭(*)
,スイス,英(*),
米,ITU-T,Ecma International,ISOC,IEEE 802
*: by teleconference
今回は日本から参加しておらず,決議文書
(SC6N15704)に基づき,主なトピックスを簡単に報
告する.
4. 報告事項
4.1 PLC Harmonization (WG 1)
Jee-Sik Park 氏が次回の SC 6 総会まで,PLC 仕様調
和勉強会の座長を務めることとなった.
また,PLC 仕様調和勉強会報告書(6N15642)を,IEEE
1901 WG 及び ITU-T SG 15 へ送ると共に,Jee-Sik Park
氏が,IEEE 1901 WG 及び ITU-T SG 15 の主査らへ提
案に応答するよう要求し,彼らを PLC 仕様調和勉強
会に招待することとなった.
PLC 仕様調和勉強会報告書の結論は,次のとおり:
(1) Inter System Protocol (ISP)の変更
・ 初期化及び再同期の変更をせず ISO/IEC 規格に
ISP を一つ追加する.
・ PLC 標準に適合するシステムを最大限共同利用
するオープンスロットシステム割当てのため,
初期化及び再同期を変更する.
(2) 四つの異なるシステムが共存するための新しい
仕組み
・ Inter Symbol Frequency Multiplexing (ISFM)を採
用する.
・ アクセスシステム用に 1 つ,インハウスシステ
ム 用 に 4 つ (1901 FFT, 1901 Wavelet, ITU-T,
ISO/IEC)とする.
・ OFDM 副搬送波の合計を分割することによる
Multiplexing とする.
・ 3 つの異なるフィールドで ISFM ウィンドウを構
成する.
・ 特定 PLC 標準への ISFM ウィンドウ割当てはし
ない.
(3) 今後の進め方
意見調整に時間がかかっているが,ITU-T 及び IEEE
1901 WG へのコメント依頼への返事の内容をこの勉
強会で判断して,共存仕様案として,PWI 又は NP と
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 11
して提案する.
4.2
WG10
(Title:
Directory,
ASN.1 and
Registration)の設置
今までは,WG 8 でディレクトリ,WG 9 で ASN.1
及び登録の規格化作業を行っていた.しかし,昨年
(2012 年)に WG 9 の Convenor であった John
Larmouth 教授が逝去され,その後も引き受け手がい
ないことから,常に共同で会議を開き共同作業を行っ
ている ITU-T 側がその都度臨時で対応していたこと,
WG 9 の作業は維持管理が多くなっているとはいえ継
続が必要なこと,WG 8 と WG 9 の作業は関係も深い
こと,などの理由により,WG 8 と WG 9 とを解体合
併し新たに WG 10 を設立することになった.WG 10
の Convenor は Jean-Paul Lemaire 氏(フランス)が行
う.作業内容は,今までの WG 8 及び WG 9 と変わら
ないが,維持管理にとどまらず更なる拡張作業も検討
していく.今後の方向性については明確ではないが,
ITU-T 側がディレクトリのセキュリティへの更なる
応用を検討している模様である.なお,別途,SC 27
への移管の話もあったようだが,少なくとも決議文書
を見る限りはその話は出ていない.したがって,移管
の話は一旦は白紙に戻ったものと思われる.
参考文書:SC6N15676 (Terms of Reference of JTC 1/SC
6/WG 10 Directory, ASN.1, and Registration)
5.今後の予定
2014-02-17/21
Ottawa(加)
■
SC 22 ( Programming languages, their
environments and system software interfaces プロ
グラム言語,その環境及びシステムソフトウェアイン
タフェース)総会報告
SC 22 専門委員会
委員長 石畑 清(明治大学)
1. 開催場所: 東京(機械振興会館)
2. 開催期間: 2013-09-17/18
3. 参加国数/出席者数: 6 か国/19 名
議長(Rex Jaeschke,米)
,セクレタリ(Marisa Peacock,
米)
,米(3,うち convener 1),加(1)
,英(2,うち
convener 1),中(1),韓(1),日(9:石畑清[HoD,
明大]
,高木渉[日立,WG4 convener]
,黒川利明,頃
末和義[IPA]
,武部達明[横河電機]
,吉田秀逸[富
士通]
,佐藤嘉一[インテグレートシステム]
,まつも
とゆきひろ,前田修吾[Ruby Association]),ほかにオ
ブザーバ: 成田さおり[情報規格調査会]
4. 総会の概要
いくつかの言語で進められていた規格の改訂作業
は,ほとんど完了した.現在は,次の改訂に向けて提
案の収集や評価を行っている段階で,新たなプロジェ
クトは特に発生していない.したがって,Plenary で
の議論は,坦々と進み,短時間で終わった.昨年まで
の Plenary では,Directives を初めとする手続きに関す
る議論が多かったが,今年はそれもなかった.
議論に時間を要したのは,細粒度並列処理に関する
研究を,言語を横断する形で行おうという提案に関す
るものだった.言語をまたぐ議論は噛み合わないと指
摘する声が強く,結局は WG 14(C 言語担当)の中に
設けられた Study Group に他の言語グループからの参
加を招請するにとどまった.
Linux の仕様が変化していて,規格が時代遅れにな
りつつある.この差を埋めるような体制や作業プラン
を関係者が作成するよう求めた.適切な案が来年の
Plenary までに提示されなければ,規格を廃止する予
定とする.
Rubyの次期改訂の方針概要を Ruby Association のメ
ンバーが説明した.手続きの進め方や改訂版に含める
べき言語仕様に関して活発な質疑応答があった.
5. WG の活動状況
5.1 WG 4(COBOL)
FDIS が完成して,投票開始を待つ状態になってい
る.次期改訂に向けて,提案を収集している段階であ
る.
5.2 WG 5(Fortran)
次期の改訂はマイナーなものにとどめる予定であ
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 12
る.これには,現規格に対する処理系開発が進んでい
ないという状況も関係している.Interoperability with
C,additional parallel features,corrigendum などの作業
を進めている.
5.3 WG 9(Ada)
改訂版の言語仕様が 2012 年のうちに出版された.
test suite の整備を進めている.
5.4 WG 14(C)
secure coding rules の規格案を完成させた.浮動小数
点数の扱いや並列プログラミングに関する研究を進
めている.
5.5 WG 17(Prolog)
Definite Clause Grammar の規格化や言語本体の
Corrigendum に関する作業を進めている.
5.6 WG 21(C++)
言語規格の改訂案が CD+NP 投票の段階に達してい
る.ファイルシステムやネットワーク処理に関する
TS を作成中である.
5.7 WG 23(Programming Language Vulnerabilities)
vulnerability に関する TR のさらなる改訂を進めて
いる.個々の言語に関する Annex を追加するなどし
て完成させたら,しばらくは静止状態に入る見込みで
ある.
5.8 Ecma International との liaison
ECMAScript に関する作業が活発に進められている.
次期改訂に関するもののほか,test suite,国際化,
JSON(JavaScript Object Notation) などが挙げられる.
6. 今後の予定
2014-09-08/09 マドリッド(スペイン)
7. 決議一覧(背景の解説を含む)
13-01 WG14 内の並列処理の研究グループに来年の
Plenary での報告を求める.
13-02 同グループに C 以外の言語の関係者の参加を
招請する.
13-03 イギリスの C Panel の再結成を歓迎する.
13-04 Linux 改訂の体制や作業プランの策定をデン
マークと韓国を中心とする関係者に求める.
来年の Plenary までに案ができなければ,言語
規格自体を廃止する.
13-05 external liaison ( Ecma International , Linux
Foundation)を確認する.
13-06 SWG-Smart Grid への代表者派遣を打ち切る.
13-07 Austin Joint Working Group の organizational
representative を確認する.
13-08 internal liaison(TC37,SC2,SC7,SC27)と
SC 22 からの代表(SWG/Directives)を確認す
る.
13-09 WG9 Ada と WG21 C++の convener を再任命す
る(3 年間)
.
規格の定期見直し.C の特殊関数と POSIX の
規格を confirm とする.COBOL の Collection
Class に関する TR を revise とする.
13-11 次回以降の SC 22 総会の予定.2014 年はスペ
イン(Madrid).
13-12~18 通例の感謝.
13-10
8.その他
WebEx を利用した Teleconference とした.Convener 3
名を含む 4 名の参加があり,Teleconference としたこ
との効果は大きかった.音声の聞き取りは,両方向と
も問題ないレベルだったと思われる.参加者のうちの
一人の画面を他の参加者が共有できる WebEx の機能
を生かすため,参加者のうちの一人が WebEx のオペ
レーターとして働いた.
■ SC 24(Computer Graphics, image processing and
environmental data representation/コンピュータ
グラフィクス,画像処理及び環境データ表現)総会報
告
SC 24 専門委員会
委員長 青野 雅樹(豊橋技術科学大学)
1. 開催場所: シドニー(豪)
2. 開催期間: 2013-08-30
3. 参加国/参加者総数: 6 ヵ国/28 名
議長(Ha-Jine Kimn,韓),セクレタリ(Charles
Whitlock,英),米(3),英(2),韓(9),中(1)
,
豪(4)
,日(2: 青野雅樹[HoD],蔵田武志[産総研]
)
WebEX 参加: 英(1)
,SEDRIS(2)DGIWG(1)
,
Web3D Consortium(1)
4 特記事項
4.1 WG 6(拡張現実世界によるプレゼンテーションと
交換)
WG 6 のワーキンググループ会議は 8 月 27 日(火)
の午前 9 時ごろから,また Plenary は 29 日の午前に行
われた.のべ 19 名の参加者があり,ワーキンググルー
プの参加者の内訳は,コンビーナ,英(1),韓(8)
,
中(1),豪(1),米(2),TC211(1),日(2)の合
計 17 名であった.韓国からの参加者と発表がとびぬ
けて多かった.
会議に先立ち,議長(WG 6 コンビーナの Dick Puk
氏)から,コンビーナレポートの説明があった.WG
6 で現在もっとも活動がアクティブな X3D に関する
規格の最新状況のほか,ISO/IEC 19775-1(X3D(拡張
3 次元記述)
:アーキテクチャ)の第 3 版の FDIS 投票
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 13
が会議後しばらくしてあるので,投票よろしくとの報
告であった.次に,最近の Web3D コンソーシアム関
係 の プ ロ ジ ェ ク ト と し て , HTML5 と X3Dom
(http://www.web3d.org/x3d/x3dom/)の活発な活動の紹
介があった.日本からのレポートとしては青野から,
X3D の企業側の認知度が他国に比べて低いこと,
ISO/PAS 17506:2012 の Collada(Khronos グループ
(http://www.khronos.org/)から出た ISO 公開文書)や,
コンビーナから報告のあった WebGL(JavaScript によ
りブラウザから OpenGL を呼び出して 3D で表現でき
る機能,現在は Firefox や Google Chrome などで使え
るが IE は未対応)のほうが,CG 関係の学会やホーム
ページでのデモ等で,最近よく利用されている旨を報
告した.コンビーナからはさらに,最近の傾向として,
WG 9 の機能である拡張現実,仮想現実などを考慮し
た X3D 機能拡張の話題,haptic device(触角装置)に
関して仮想空間の手術シミュレーションなどで取り
入れられる方向に進みつつある,等の報告があった.
さらに,
Web3D Conference の座長も担当しているとの
ことで,今年のスペインで行われた Web3D 国際会議
の様子,特に,ビッグデータの可視化(たとえボーイ
ング 777 の全モデル)における高速描画手法が流行で
ある,との最新技術動向の報告があった.
ワーキングセッションの発表としては以下のもの
があった.
① Gun Lee, “ARC function extension in X3D” (HIT
Lab, NZ)
② M. W. Lee, “X3D Physical sensors”(Suwon
Univ.)(昨年 NP 投票で可決された ISO/IEC
18521-2 内容の続報)
③ Kung-Hee Yoo, “ X3D Real characters ”
(Chungbuk National Univ.)(昨年 NP 投票で可
決された ISO/IEC 18521-3 内容の続報)
④ Gerald Kim, “MAR Sensor Nodes” ( Korea
University)
⑤ Jung-Ju Choi, “Extending Facial Animation in
H-Anim”(Ajou University)
⑥ Hyokwang Lee, “CAD3X3D Conversion” (Korea
Atomic Energy Institute)
⑦ Kwan-Hee Yoo, “H-Anim Hands and Feet
Animation”(Chungbuk National Univ.)
「X3D の符号化」に関しては,コンビーナから,新
しいバイナリ符号化として W3C の EXI 圧縮方式が検
討されている,との報告があった.総じて WG 6 は
WG 9 とともに,非常にアクティブに活動が継続され
ている印象であった.Plenary は 8 月 29 日(木)の午
前 9 時から行われ,
WebEX を通して,
Web3D コンソー
シアムの Don Brutzman も参加した.
4.2 WG 7(画像の処理と交換,登録)
8 月 26 日の Working Session には,参加できなかっ
たが,8 月 28 日(水)午前の Plenary には参加し,以
下のような Recommendation が採択された.まず,昨
年の Brussels 会議で報告された画像処理のオープンソ
フトウェアである OpenCV の Study Group に関する詳
細のプレゼンがコンビーナの Y. Chung 氏(Study Group
のラポータを兼任)からあった.なお,OpenCV は,
Lesser GPL ライセンスであるが,一部の機能(SIFT
と SURF の 2 種類の画像特徴量)が特許になっている
との注記があった.また,リエーゾンを継続,または
開始予定であることが報告された.
① ISO SCIT ( Steering Committee on Imaging
Technology ), ② TC 211/WG 6 ( Geographic
Information/Imaging and Gridded Data),③ SC 29/WG 1
JPEG2000,④ NATO JCGISR,⑤ NITFS Technical
Board , ⑥ OMG Robotics DTF ( Image processing
standards for intelligent robots)である.総じて,WG 7
は継続,あるいは Study Group としての報告はあるも
のの文書化に関するアクティビティはこの 2 年間な
く沈滞気味である,という印象であった.
4.3 WG 8(環境表現)
WG8 の会議は日本からは,WG 7 同様,8 月 28 日
(水)午後 13:30 からの Plenary だけ参加した.コン
ビーナの Jack Cogman(英)は WebEX で遠隔地から
参加した.SEDRIS からの代表である Farid Mamaghani
氏と Editor の Paul Berner 氏も WebEX で参加した.
Acting convener はオーストラリアの Peter Ryan 氏が行
い,acting editor は WG 6 のコンビーナでもある Dick
Puk 氏が行っていた.その後,WG 8 での規格である
SRM ( Space Reference Model ) な ら び に EDCS
(Environmental Data Coding Specification)に関する最
新の状況の説明があった.また,9973 の Edition3 の
Revision,18025 EDCS(Revision to Edition 2)
,18026
SRM(Revision to Edition 3)が現在進行中のプロジェ
クトである.WG 8 では,文書化で進行しているプロ
ジェクトがあるものの,SEDRIS 等の経済的な支援が
最近ないようで,そのため文書化のほとんどが,Puk
氏いわく,一時中断状態であるとのことだった.
Plenary で は ETRI の Sang-Woo Ghyme か ら
Sketch-based Terrain Modeling に関してスライドを
使った報告があった.これは,RBF(ガウスカーネル)
モデルを使った手法で,データ圧縮ができる点に利点
があるという報告であった.ただし,報告者の組織で
の予算の目途が立たないそうで,今後,NP になるか
どうかは現時点では不透明とのことであった.なお,
10 月 16 日に EDCS の投票があることの remind があっ
た.
全体としては,
WG 7 よりは多少はアクティビティ
があるものの,予算次第,というプロジェクトが目
立った.なお,HoD/C 会議で議長の Kim 氏から JTC 1
レポートにあった,ビジネスプランの中での「ビッグ
データ」や「次世代の解析」技術で,
「環境スキャン」
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 14
が期待されていることから,予算さえつけば,復活,
あるいは再び興隆する可能性が感じられた.
4.4 WG 9(拡張現実世界の概念と参照モデル)
WG 9 は,昨年 8 月の Brussels 会議で最初の WG 9
会議が開催され,SC 24 総会での WG 9 会議は今年で
2 回目であった.昨年は,Augmented Reality Continuum
(ARC)に関するレファレンスモデルを,参加した委
員で共有することが主眼であった.その後,昨年度は
NP 投票が 3 件あり,これらが P メンバー5 か国以上
の同意で可決されたという経緯があった(日本の NP
投票はレファレンスモデルに賛成,他の 2 つはレファ
レンスモデルとの関連が不明であり反対した経緯を
もつ)
.一方,今年の Sydney 会議では,8 月 26 日の
ワーキングセッションにおいて,まず,コンビーナの
Gerald Kim 氏から,これまでの ARC という言葉が,
SC 29/WG 11 と の 調整 の後 , MARC ( Mixed and
Augmented Reality Continuum)という名前に変更を予
定しているという報告があった.これは比較的大きな
変更で,すべての規格の名称に影響を及ぼすため,
JTC 1 での承認が必要であろう,とのことであった.
同時にこの変更のきっかけとなったのが,昨年 11 月
の Jeju での JTC 1 総会において,SC 29/WG 11 と拡張
現実モデルに関して JAhG(Joint Ad hoc Group)を結
成して,協調していくべき,との JTC 1 決議に伴うも
のである,との報告があった.その後,時間をかけて,
JAhG のもとで,新しい拡張現実(および混合現実)
の規格を考案したときに,どのような手続きで今後進
めるべきかの,白熱した議論が行われた.日本からの
適正なプロトコルを決めて行うべき,との意見が受け
入れられ,シンプルではあるがプロトコルのたたき台
が議論された.その内容は,SC 24 で提案する規格は
SC 24 が管理,
SC 29 が提案する規格は SC 29 が管理,
JAhG で提案する規格は,JAhG でエディタを含む責
任者を出して規格を進めてはどうか,というものとな
り,プロトコルの要約を文書でコンビーナがまとめ,
Plenary で議論するという形となった.
一方,ワーキングセッションでは,新たな NP 候補
として日本の蔵田氏から昨年に続く「MARC のベン
チマーキングモデルに関する規格」の説明があり,コ
ンビーナから,是非,NP の準備を進めてほしい,と
の推奨があった.この他,コンビーナから,MARC
の API の新規 NP 候補案,ならびに韓国の代表者 S.
Ghyme 氏から「デジタルホログラフに関する MARC
の新しい規格候補」に関して報告があった.こちらは,
NP へはまだ時間がかかりそうだ,との感触があった.
8 月 28 日の午後 4 時から Plenaryが行われた.
Plenary
には Standards Australia の SC 29 の代表者も参加して
いた.Programme of Work として,昨年度提案された
3 つの NP(18531-1,18521-2,18521-3)に関するレ
ビューが行われた.この中で,日本からワーキング
セッションで質問していた,
パート 3 の”Real character
とは何か明確にすべき”という意見に関して,”living
objects”を想定しており,人間だけでなく,魚や動物
などを含む「生きているもの」を対象とする,との回
答が,該当規格案を提案した Mr. Yoo 氏からあった.
これらの規格の CD は来年の 1 月ごろまでに準備する
との報告があった.なお,SC 29/WG 11 との JWG(Joint
Working Group)に関して,コンビーナからプロトコ
ルの提示があったが,Standards Australia の SC 29/WG
11 からの幾つかの修正案の指摘があり,今後さらに
調整を要するとの印象を受けた.
4.5 HoD (Head of Delegation)and Liaison Meeting
HoD/C 会議は,8 月 27 日(火)の午後と,29 日(木)
の午後に行われた.参加者は各国の HoD,各 WG の
コンビーナ,ならびに各種リエーゾン担当者,SC 議
長,および SC 24 セクレである.27 日の HoD/C 会議
では,Drafting Committee の任命と,議長である Kim
氏から,1992 年以降の SC 24 の歴史を JTC1 N10729
文書を使いながらの説明があった.
29 日に行われた 2 回目の HoD/C 会議の内容は以下
のようであった.Chairman からのレポートとして,
昨年の Jeju で行われた JTC 1 会議のフィードバックが
あった.その中で JTC1 N11428 に従い,New Work Item
Proposal form が変更になったとの報告があった.また,
今回も WebEX での会議の形態をとっていたが,JTC1
N11429/ Resolution 11 に従い Web 会議が推奨されて
い る と の 報 告 が あ っ た . 同 様 に , JTC1 N11429/
Resolution 22 に従い,
「環境スキャン」
(Environmental
Scan)関連で SC 24 はビッグデータならびに Next
Generation Analysis 分野での新技術のポテンシャルが
あると報告された.さらに,JTC1 N11429/ Resolution
34 において,SC24/WG 9 と SC29/WG 11 は拡張現実
の分野において協力し,ARRM(Augmented Reality
Reference Model)の作業を進めること,ならびに JAhg
を形成して,規格を話し合うグループを構成すること
が報告された.その後,SC 24/N 3509 に基づき,
SWG-BP(Business Plan)に関して,問題ないかどう
かの議論が行われた.なお,ビジネスプランは 9 月末
ごろまでに JTC 1 に提出する予定である.
4.6 SC 24 Plenary meeting
会議全体では 28 名程度の参加者で,昨年と同じ 6
か国(韓,米,豪,中,日,米)の P-member からの
参加があったことが議長のキム氏から報告された.30
日の午前 9 時半から SC 24 Plenary が行われた.SC 24
Plenary では,オンラインでの参加の Jack Cogman,
Farid Mamaghani 氏ら 3 名の SEDRIS の参加者を含め
22 名の参加者であった.SC 24 Plenary では,議長か
らの報告,セクレからの報告,WG コンビーナからの
報告,リエーゾンからの報告,SWG からのビジネス
レポートの説明,ならびに National Body からの報告
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 15
があった.SC 24 の現在のアクティブな文書化(CD
以上)では WG 8 から 3 つ,WG 6 から 5 つあること
が報告された.幾つかの代表的な報告は以下のとおり
である.
TC 211 からのリエーゾンレポートでは,W3C では
すでに標準化されている OWL に関して,ISO 19150
でオントロジー(OWL)による地理情報の標準化が
進んでいる話など,かなり興味深い報告があった.
NATO NIAG グループからは BIIF 規格,JPEG2000 規
格,DGIWG,GML などの関連する規格の説明がある.
KML との関係を聞いたところ,GML には GML にし
かない機能(アノテーション)などがあるとのことで
あった.Web3D コンソーシアムからのリエーゾンレ
ポートでは,規格が肥大化し複雑化していく過程で,
幾つかの特許技術が入ってきている状況で,IPR
(Intellectual Property Rights)の問題の指摘があり,規
格は royalty-free ポリシーを取るべき,との報告があっ
た.また,Khronos グループから出た Collada(ISO/PAS
17506:2012)が競合する ISO 規格として出てきたこと
に危機感があるとのことであった.DICOM とのリ
エーゾンに関しては,Dick Puk 氏から,9 月に会議が
あること,また,医療分野でボリュームレンダリング
の機能が重要で,DICOM を通しての,巨大な医療用
データや,これを処理する仕組みが最新の X3D に含
まれているとの報告があった.National Body report で
は China から CESI(China Electronics Standardization
Institute)のアクティビティと,中国政府からモバイ
ル AR に関する研究と応用に対して支援しているとの
報告があった.
5. 今後の開催予定
2014 年は,8 月に米国西海岸を第一候補としての開
催を予定している.開催都市や開催時期は未定である
が,San Diego と Seattle が候補地に含まれている.
6. その他
米国から(ほぼ毎年)参加され,Kim 氏の前任の
SC 24 の Chairman を務めた Laura Moore 氏が今年限り
で引退するとの報告があった.
■
SC 25 ( Interconnection of Information
Technology Equipment/情報機器間の相互接続)総会
報告
SC 25 専門委員会
委員長 宮島 義昭(住友電気工業(株))
1. 開催場所: Kista(スウェーデン)
2. 開催期間: 2013-10-04
3. 参加国数/出席者数:17 カ国/36 名
議長(Gerd Weking,独)
,セクレタリ(Walter von
Pattay,独)
,豪(1)
,中(1)
,デンマーク(1),仏(2)
,
伊(1)
,イスラエル(1),日(3:宮島[HoD]
,山本
[パナソニック]
,別府[アクシオ]
)
,韓(3)
,独(5)
,
メキシコ(1)
,蘭(1)
,シンガポール(2)
,スペイン
(2)
,スウェーデン(2)
,スイス(1),英(1)
,米(6)
オブザーバ参加:IEEE802.3,
4. 全体概要
前回のジュネーブ総会議事録を承認,Agenda 確認,
Drafting Committee メンバ確認,議長報告,セクレタ
リ報告,各 WG コンビナー報告,SC 25 関連プロジェ
クト,リエゾン審議,今後の課題審議が行われた.
5. 議長,セクレタリ報告等
(前回 2012 ジュネーブ総会以降の注目すべき事項)
5.1 IEC における“Systems Work in the IEC” IEC
AC/33/2013 について,
(1) SMB は,”Systems Work in the IEC”を承認.
(2) Systems Evaluation Groups ( SEG ), Systems
Committees(SC),Systems Resource Group(SRG)の
定義を明確化した.
(3) SEG として,
“Smart Grid”と“Smart Cities”の 2
グループ設立を SMB が承認.
(4) SEG の定義の説明:“a larger, open group used in the
first stage of systems development whose role is to engage
the community of experts, identify the relevant
stakeholders and define the general architecture and
boundaries of the problem to be addressed.”
5.2 NWIP の承認には,5 カ国の Expert の氏名を明記
するとのルールについて
(1) Question 3 が“Yes”投票でも,Expert 氏名が無け
れば,
”No”とみなされる.
(2) 新しいプロジェクトへの参加が重要との視点で,
SC 25 としては,必ずしも Face-to-face での活発な貢
献のみを要求せず,例えば”Electronic meetings”を活
用して,幅広い貢献の方法があることを訴えたい.こ
れらを考慮して積極的に Expert 氏名を記入の上,参
加表明願いたい,との SC 25 Chair 発言あり.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 16
6. 各 WG からの報告
6.1 WG 1 レポート
(1) 前回ジュネーブ総会以後,アーリントン(米)お
よびキスタにて WG 1 会合を開催.
(2) ISO/IEC 14543-4-3:Application layer light version for
network enhanced control devices of HES Class 1
(Echonet Lite) →CD 投票へ
(3) ISO/IEC 14543-5-7, -8, -9, -101, -102, -11, -12,
“Interconnection of information technology equipment -Home Electronic System (HES) Architecture -Application models -- Intelligent Grouping and Resource
Sharing -- Remote Access System→NWIP 承認.
(4) ISO/IEC 10192-3, “ Information Technology -Modular
communications
interface
for
energy
management.”→NWIP 承認.
(5) ISO/IEC 29145-1, -2, -3: Home electronic system
(HES) – WiBEEM Standard for Wireless Home Network
Services (WiBEEM) →CD を完了
注)WiBEEM:省エネ型センサと無線通信を融合する技術 (Wireless
Beacon-enabled Energy Efficient Mesh network)
(6) ISO/IEC 30100-1, -2, -3: Home Network Resource
Management → 3rd CD→DIS へ
・ 次回 WG 1 は,東京にて,2014 年 4 月 1 日の週に
開催予定.
6.2 WG 3 レポート
前回ジュネーブ総会以後,イスタパ(メキシコ)お
よびキスタにて WG 3 会合を開催.主な審議事項は,
下記のとおり.
(1) ISO/IEC 14763-2: Amendment1 on Automated
Infrastructure Management (AIM)
→PDAM 投票済,コメント審議.
(2)ISO/IEC 14763-3: Implementation and operation of
customer premises cabling -- Part 3: Acceptance testing
for optical cabling
→ 第 2 版 が DIS 投 票 へ . Uncertainty に 関 す る
Amendment1 が NWIP 投票の予定.
(3) ISO/IEC 11801: Generic Cabling
→構内配線関連の規格すべてを体系化して再構成す
るための NWIP を提出予定.
(4)ISO/IEC 11801-99-1: Guidance for balanced cabling in
support of at least 40Gb/s data transmission →PDTR が
承認され,2013 年内に DTR 回覧の予定.
(5) ISO/IEC TR 17979-1-1: Application Specific cable
assemblies -- Twinax cable assemblies -- Type1 Cable
assembly →NP 承認,コネクタ関連の規格案が未了.
(6)
ISO/IEC
30129:
Information
Technology
Telecommunications Bonding Networks for buildings and
Other Structures →タイトル変更.1st CD 投票済,コメ
ント審議終了.
(7) 次回 WG 3 は,2014 年 2 月 25 日~3 月 1 日,京都
にて開催.
6.3 WG 4 レポート
・ 通常の WG 4 審議は,email ベースで実施してい
る.
・ 今回の SC 25 では,INCITS T10/SCSI と T11/FC
の活動状況をレポート.
・ この 1 年で,T11/FC & SNIA より FC-SP-2,
FC-BB-5 Am1 を出版.
6.4 PTTT(Project Team Terminology and Taxonomy)
・ 今回 Kista で,第 7 回目の会合を,ITU-T からの
参加者も含めて 11 人(5 カ国)にて開催.
・ TR 29108: Terminology を 2013 年 3 月に,ITU-T
側からのコメントも入れて出版.
7. スコープの変更について
JTC 1 からのコメントを受けて,下記の通りに修正
することで合意した:
Standardization of microprocessor systems; and of
interfaces, protocols, architectures and associated
interconnecting media for information technology
equipment and networks, generally for commercial and
residential environments, to support embedded and
distributed computing environments, storage systems,
other input/output components, home and building
electronic systems including customer premises smart grid
applications for electricity, gas, water and heat.
NOTE: This scope includes requirements for components,
assemblies and subsystems. However, standardization of
cables, waveguides and connectors remains within the
relevant product technical committees and subcommittees.
The scope includes the development of network
interfaces, in liaison with committees for external utility
networks, to support smart grid application at the customer
premises.
(アンダーラインが修正箇所)
8. その他(National reports 等)
(1) イタリアより,ISO/IEC 14763-3: Testing of optical
fiber cables について,IEC TC86 の規格と重複規格に
なるとの意見提起があったが,SC 25 の規格は布設後
の光ケーブルリンクの試験が主体であるため重複に
はならないとの意見が支持された.ただし,SC 25 よ
り IEC TC86 にリエゾンをとり,誤解が無いように
フォローすることとなった.
(2) 英 国 よ り , IEEE802.3 か ら の 要 請 を 受 け て ,
SMF(Single Mode Fiber)によるパラレル伝送について
検討を開始する予定であるとの情報あり.
9. 次回の会議予定
2014-09-19 中国
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 17
■ SC 27(Security Techniques/セキュリティ技術)
総会報告
SC 27 専門委員会
委員長 渡邊 創(産業技術総合研究所)
1. 開催場所:ソフィア・アンティポリス(フランス)
2. 開催期間:2013-04-29/30
3. 参加国数/出席者数: 30 か国/68 名
議長(Walter Fumy,独)
,Vice-Chair(Marijke De Soete,
ベルギー)
,Secretaries(Krystyna Passia,Martin Uhlherr,
DIN),豪,オーストリア,ベルギー,ブラジル,加,
中,エストニア,フィンランド,仏,独,香港,伊,
日(7:渡邊創
[産総研],近澤武[IPA,
WG 2 Convenor]
,
中尾康二[KDDI,ITU-T]
,山崎哲[工学院大]
,竜田
敏男[IISEC, WG 2 Vice-Convenor],甲斐成樹[IPA,
WG 3 Vice-Convenor],崎村夏彦[野村総研]
)
,韓,
マレーシア,メキシコ,オランダ,ニュージーランド,
ノルウェー,ポーランド,ポルトガル,露,南ア,ス
ペイン,スウェーデン,スイス,タイ,UAE,英,米
4. 概要
SC 27 では,複数の TC/SC に共通する情報セキュリ
ティの要素,管理システム,および,サービス技術の
標準化が行われている.総会は前週同会場で行われた
各 WG 会議に引き続き,上記日程で開催された.WG
会議では反対投票していた案件についても概ね日本
の主張が反映されたことから,総会で反対その他の意
見を主張することは無かった.SC 27 総会での主な決
議は以下の通り.
4.1 新プロジェクトの提案
WG 会合の結果に基づき,以下の NWIP 投票が行
われることになった.
・ Catalogue of Architectural and Design Principles for
Secure Products, Systems, and Applications
・ Revision on ISO/IEC 27005 (ed. 2) -- Information
security risk management*
・ Revision on ISO/IEC 27013 (ed. 1) -- Guidelines on
the integrated implementation of ISO/IEC 27001 and
ISO/IEC 20000-1*
・ Requirements for the Certification of Information
Security Management Professionals
*の 2 つは ISO/IEC Directives,Part 1,Annex SL に基
づく投票である.
4.2 Sub-division の開始
WG 会合の結果に基づき,以下の Sub-division が作
成されることとなった.これらは全て WG 2 での規格
化である.
・ 11770-6: Key management -- Part 6: Key derivation
・ 29192-5: Lightweight cryptography -- Part 5:
Hash-functions
・ 20009-4: Anonymous entity authentication -- Par t 4:
Mechanisms based on weak secrets
4.3 SC 27 Study Group の開始
PKI,IoT に関する規格化を検討するため,SC 27 の
スタディグループとして以下の 2 つが組織されるこ
とになった.
・ Study
Group
on
Framework
for
PKI
Policy/Practices/Audit
・ Study Group on Se curity and Privacy issues on
Internet of Things
4.4 SC 27 Special Working Group の開始
SC 27 の 運 営 を 円 滑 化 す る た め の 議 論 を 行う
Special Working Group として,以下の 2 つが組織され
ることになった.
・ Special Working Group on Management (SWG-M)
・ Special Working Group on Transversal Items
(SWG-T)
それぞれ SWG-M では SC 27 運営状況の評価,モニ
タリング,規程運用や SC 運営の改善に関する議論を
行い,SWG-T では SC 27 の複数 WG に横断的に関連
する議題を管理し議論することになっている.
4.5 Ad Hoc Group on SC 27 Modus Operandi の終了
前回会議の後,数度の電話会議による議論の結果,
上述の SWG-M,SWG-T の設立に伴い,本 Ad Hoc
Group を終了することになった.
4.6 SC 27 Chair, Vice-Chair 及び各 WG の Convenor,
Vice-Convenor の任期満了にともなう任命
今回任期満了となる SC 27 Chair,Vice-Chair,WG
の Convenor と Vice-Convenor について,以下のように
任命された.
・ SC 27 Chair の Walter Fumy(独)と Vice-Chair の
Marijke De Soete(ベルギー)が再任された.
・ WG 2 Convenor の近澤武と Vice-Convenor の竜田
敏男が再任された.
・ WG 3 Secretary 退任に伴う Vice-Convenor あるい
は Secretary の募集に関し,Vice-Convenor に甲斐
成樹(IPA)が就任することとなった.
・ WG 5 Convenor の Kai Rannenberg ( 独 ),
Vice-Convenor の Jan Schallabock(独)が再任さ
れた.
4.7 ISO/IEC 27019 Ballot Resolution Meeting
独からの提案であった JTC1 N11146
(SC 27 N11419)
,
Text of Fast Track DTR 27019 に対する投票の結果,TR
成立は確定(賛成 12,反対 6)したものの多くの反対
国(豪,加,仏,日,英,米)と反対意見があったこ
とから,本 WG 会議日程内の 4 月 22 日 13:30-16:30
表記会議が行われ,各国から出た意見について合意の
レベルを上げるべく議論が行われた.参加国は独,仏,
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 18
英,米,加,日(渡邊創,山下真[富士通]),中,韓,
豪他であった.
議論は独のエディタが反対国のコメント毎に改訂
案を示し,当該反対国が意見を述べる形で進められた.
日本は反対投票しており,8 件のコメントを提示して
いる.主なものは以下の通り.
・ DTR で Fast Track プロセスを使うことが適切で
ない.関係 SG,TC とのリエゾン関係が実質的
に機能する手続きとすべきであるが,今回の手
続きでは実質的な審議ができない.[JP2, JP3]
・ IEC 62443 と重複している.[JP4]
同様に,加,英,米の各国も,IEC 62443(62443-2-1)
との重複を指摘し,あるいは重複について関連 TC と
の調整の必要性を主張していた[CA1,CA2,GB5,
US2].
コメントごとに Draft Disposition について審議し,
合意した変更を加えた.PAS の適用やリエゾンとの意
見交換等,手続きに関する意見は,投票終了後でもあ
り,現時点で合意できるような変更は不可能である.
そのため審議では,TR 出版後,次のレビュー(次版)
で検討するとしたものが多い.JP2 についても同様で,
「次のレビューでリエゾンの意見が検討できるよう
にする」という主旨に Draft disposition を変更するこ
とにした.
以上までを終えた後に,ラポータより反対投票をし
た 6 か国で賛成に変える国はあるかとの確認があっ
たが,変えるという国は,日本を含め無かった.
今後は本会議で確定した Disposition を Disposition
of Comments に反映してコメント処理を完了し,TR
を発行することとなる.
4.8 今後の SC 27 Plenary 会議の予定
今後の SC 27/WG 会議と SC 27 総会の会議予定は以
下の通り.
2013-10-21/25
SC 27/WG 会議
Incheon(韓)
2014-04-07/11 SC 27/WG 会議
Hong Kong(中)
2014-04-14/15 SC 27 総会
Hong Kong(中)
■ SC 28(Office Equipment/事務機器)総会報告
SC 28 国内委員会(JBMIA)
委員長 小澁 弘明(コンサルタント・NPO エコデザ
イン推進機構代表理事)
1. 開催場所:オーストリア ウイーン市
2. 開催期間: 2013-06-24/25
3. 参加国数/出席者数:6 ヵ国/23 名
議長(斎藤輝,コンサルタント)
,セクレタリ(杉
山元邦,富士ゼロックス),日(7:小澁弘明[HoD,
コンサルタント]
,伊藤丘[KMBT]
,小寺哲博[KMBT]
,
稲垣俊彦[JBMIA]
,仲谷文雄[富士ゼロックス],小
林武史[キヤノン]
,宮本裕之[富士ゼロックス])
,
中(3),韓(1)
,米(8),和蘭(1),墺(1)
4. 議事内容
4.1 概要
ISO/IEC JTC1/SC28(Office Equipment)第 24 回総会
が,オーストリア ASI の招待によりウイーン市の ASI
会議室にて開催された.
[特記事項]
今回の総会でも,争点となる大きな問題も無く,お
おむね順調に議事が進行した.
本総会においても,国際幹事の富士ゼロックス杉山
氏と,斎藤国際議長との連携も良く総会はスムーズに
運営された(Acclamation 3&4/2013).
SC 28 Ambassador は,毎年総会において制度継続の
確認が行われることになっていたが,任務もおおむね
達成しこれ以上の成果が期待できないことから継続
しないこととなった(Resolution 26/2013).
こ れ ま で 設 置 し て い た AWG(Advisory Working
Group)の名称を,役割は変更せず AG(Advisory Group)
に変更した(Resolution6/2013).
4.2 AG (戦略策定)
(コンビーナ C.-H. Kim (韓)
)
SC 28 Scope の改定を検討していたが,現行を維持
することとなった(Resolution 02/2013).
SC 28 にかかわる Terminology の検討を行っている
が,各エディタが CD 段階で既存各種データベースと
の一貫性を検証することとし,設置していた
Terminology Coordinator の役割を廃止した(Resolution
01/2013).
日 本 の 臼 井 委 員 が Convener を 務 め て い た
AWG/PW6 の活動については,討議の結果その活動を
停止することとなった(Resolution 03/2013)
.
4.3 WG 2/29142(カートリッジ)(コンビーナ P.
Jeran,米)
WG 2 の大きなテーマであったカートリッジ特性規
格 ISO/IEC 29142 が成立発行された.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 19
4.4 WG 3(生産性測定)(コンビーナ D. Lewis,米)
ISO/IEC24734(プリンタ生産性測定方法)が DIS
投票されることとなった(Resolution 15/2013)
4.5 WG 4(画質測定)(コンビーナ E. Zeise,代行
D.Lewis,米)
ISO/IEC TS 24790(モノクロハードコピーの画質属
性測定方法)の IS 化に向けて NP を策定することと
なった(Resolution 18/2013)
4.6 WG 5(オフィスカラ―)
ISO/IEC17823(オフィスカラ―機器用カラー用語)
は,当初計画から開発を 1 年延期することとなった
(Resolution 22/1013)
4.7 その他
ISO/IEC 10779(アクセスビリティ)は日本がエディ
タを務めるが(宮本裕之・富士ゼロックス),引き続
き検討を継続することとなった(Resolution 24/2013)
■ SC 29(Coding of Audio, Picture, Multimedia and
Hypermedia Information/音声,映像,マルチメディ
ア,ハイパーメディア情報の符号化)総会報告
5. LIASON OFFICERS 他
ECMA TC46 のリエゾンは、担当リエゾン退任と必
要性が低いため停止した(Resolution 30/2013)
その他 Convener/Liaison は,基本的に変更なく引き
続き従来通り任命された(Resolution 28~39)
4. 審議事項:
JTC 1 総会報告,各 WG からの報告,リエゾン等か
らの報告,NB からのコメントを審議した結果,下記
事項が決議された.
4.1 標準化案の承認等(Res. 1)
・ IS/AMD/TR/COR の承認 26 件
・ FDIS/FDAM の承認 30 件
・ DIS/DAM/DTR の承認 40 件
・ WD/CD/PDAM/PDTR の承認 13 件
4.2 標準化項目の見直し,変更(Res. 2)
・ 区分け 5 件(MPEG-H 3 件, JPEG-XT 1 件,
JPEG-AIC 1 件)
・ 軽微な改良 12 件(MPEG-4 4 件,JPEG2000 2 件,
MPEG-C 1 件,MPEG-D 1 件,MPEG-H 2 件,
JPSearch 2 件)
・ 名称変更 1 件
(MPEG-4 ISO ベースメディアファ
イルフォーマット)
4.3 スケジュール(Res. 3)
標準化スケジュール SC 29 N 13701 を承認.
4.4 プロジェクトエディタ(Res. 4)
5 名のエディタ変更を承認.
4.5 SC 29 ビジネスプラン(Res. 5)
SC 29 N 13557 を本年 8 月 27 日までに更新し
AGM(Advisory Group for Management)レビューを経た
後 JTC 1 に提出することで承認.
4.6 Systematic Review(Res. 6)
2015 年に見直しとなる 30 件の IS を確認するよう要
請.
4.7 ISO Patent Database(Res. 7)
ISO が維持管理する IPR データベースには,多くの
問題(宣言を提出したのに掲載されていない,掲載さ
れている宣言のタイプが未チェック,現存しない企業
が掲載,リンク切れ,実際の IPR 宣言が不可視など)
があり,利用の妨げとなっていることに対し懸念を表
6. 今後の開催予定
2014-06 ベルリン(独)
2015-06 開催都市未定(日)
7. その他
今回の会議場である ASI 本部の建物は,ウイ―ン市
街地にあるが,自然光採光や照明の工夫など様々な環
境配慮が施された設計になっており,大変使い勝手の
良い施設であった.
今回の総会も 2 度目の 2 日間での開催であったが,
事前の各WGでの討議や提案も順調であったことも
あり,効率よく運営された.
SC 29 専門委員会
委員長 高村 誠之(日本電信電話(株))
1. 開催場所:ウィーン(オーストリア)
2. 開催期間:2013-08-03
3. 参加国数/出席者数:13 カ国/23 名
議長(浅井光太郎[三菱電機]
)
,セクレタリ(渡辺
真史[ITSCJ/IPSJ]),日(1: 高村誠之[HoD]
)
,スイ
ス(1)
,伊(1)
,オーストリア(2),中(3)
,仏(2)
,
独(1)
,韓(1)
,ポーランド(1)
,英(1),米(5)
,
ベルギー(1)
,スウェーデン(1)
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 20
明.
4.8 WG 1 と WG 11 の協調強化(Res. 8,11)
昨年からの本決議から引き続き,両 WG の技術相
互理解を深めることを強く奨励.双方からメンバが出
席する会議にて,関連活動報告を示唆.同時開催では
会議時刻の衝突が起こることから,WG 1 は WG 11
より数日早めに会合を開始し WG 11 の会合開始まで
開催することが要請された.また,現状 WG 1 会合は
年 3 回開催されているが,これを WG 11 と同じく年 4
回にすることが要請された.ただし会合期間の変更に
際しては ISO/IEC Directives に沿って十分長い事前告
知期間をとることとされた.
4.9 SC 24 と SC 29 の協調(Res. 9,10)
本件に関し,浅井 SC 29 議長が次回 JTC 1 総会に文
書(SC 29 N 13645)を提出し発表することとなった.
また Mixed and Augmented Reality に関する Joint AhG
の ToR(SC 29 N 13646,2013 年 4 月の初回 JAhG で
承認)を支持し,JAhG の継続を推奨.
4.10 リエゾン(Res. 12)
・ 現リエゾン(約 80 件)の確認,レポート 1 件
(ISO/SCIT)
・ 新規締結(リエゾン C)WG 1 & COST Action
IC1005 (HDRi)
関係リストの定期的確認を各 WG コンビナに要請.
4.11 前回議事録(Res. 13)
承認された.
4.12 P メンバ参加状況(Res. 14)
セクレタリが P メンバの参加状況を ITTF に報告し,
メンバの義務(プレナリ参加・投票)を認識させるこ
ととした.
4.13 SC 29 Web/FTP サイト(Res. 15)
プレナリ会合後にパスワード更新.E-ballot は変更
しない
4.14 次回,次々回会合(Res. 16)
前回決議の通り,次回 2014 年夏の SC 29 総会に先
立つ WG 1 会合と WG 11 会合は同場所同時期開催と
する.開催場所は札幌で,時期は WG1 会合と WG11
会合直後の 2014 年 7 月 12 日(土)となった.また次々
回 2015 年は WG 同場所会合直後の土曜日に開催し,
セクレタリと WG コンビナがホストを確認すること
とした.
4.15 Editor に 対 す る ISO/IEC Certificate of
Appreciation の授与推薦(Res. 17)
51 件延べ 148 名(うち日本人は延べ 14 名)
4.16 セクレタリ交代関連(Res.18)
永年セクレタリを務められた小倉由紀子さんへの
感謝が述べられた.アシスタントセクレタリであった
渡辺真史氏が新セクレタリとなった旨紹介された.
■ SC 32(Data Management and Interchange/デー
タ管理及び交換)総会報告
SC 32 専門委員会 委員長 鈴木 健司(東京国際大学)
幹事 土田 正士(日立)
1. 開催場所:慶州(韓)
2. 開催日時:2013-06-04/08
3. 参加国数/出席者数:7 か国/32 名
議 長 ( Jim Melton ,米 ),セ ク レタ リ(Timothy
Schoechle,米)
,加(2)
,中(7)
,独(1)
,韓(8)
,
英(2)
,米(3)
,日本(7: 土田正士[HoD],遠城秀
和[NTT データシステム技術],堀内一[UMTP],
岡部雅夫[東北工業大学]
,安達辰巳[NEC]
,芝野耕
司[東京外国語大学,WG 4 コンビーナ]
,小寺孝[日
立])
4. 主な結果
下記で Res.#nn は,SC 32 決議事項(SC32 N2381a )
の決議項目を指す.
(1) プロジェクト分割について(Res.#1a)
Res.#1a の”15944-12 Business Operational View -- Part
12: Privacy protection requirements on information life
cycle management (ILCM) in EDI, Edition 1”について,
既存のパート 8 との差異が明確ではないため WG 1 で
日本は反対を表明しており,SC 32 総会では棄権した.
(2) 新プロジェクトについて(Res.#4)
Res.#4 の“Concepts and Usage of Metadata”につい
て,韓国とカナダ共同で提案がなされ,日本は賛成し
た.ただ,NP 投票までに日本でエキスパートが確保
できるかが課題である.
(3) Study Period について(Res.#5)
Res.#5 の”Request for study group to survey how best
to progress the requirement to establish proof of concept
validation of implementation of the parts of ISO/IEC
11179 and ISO/IEC 19763.”について,WG 2 の BRM
で議論となった,メタモデルの概念だけではなく実装
可能性まで検証すべきとの日本の主張を背景として,
WG 2 の安達氏を共同議長として立ち上げる.
(4) セクレタリメモについて
SC 32 総会開催時にセクレタリから,ISO/IEC JTC
1/SC 32 N 2359: “Advisory memorandum on document
progression”が出され,WG 3 の CD 投票及び DCOR
投票の結果,一部の投票を技術的な内容がないとして
無効(米国及びカナダ)とすることとなった.これに
対して,WG 3 コンビーナの Keith Hare 氏から異議が
唱えられたが,SC 32 議長が理解を示すに留まり,結
局投票は無効と扱われることとなった.しかし,運営
に疑義が示される結果となった.
また,総会後にコンビーナ会議を SC 32 議長が召集
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 21
し,セクレタリの運営に関する打合せが行われた.
議題は,
・ 各 WG の PJ 整理のお願いと,本音ベースで今後
1 年間の進捗を示すこと
・ BRM の結果,NB 投票を変える場合は当該 NB
から正式にレターを出すこと
であった.
今回総会でも WG 1 でコナ総会の決議事項である
パート分割登録をセクレタリが行っていないことが
発覚するなど,従来よりセクレタリの運営に大きな問
題があることを技術委員会の総会報告毎に示してき
た.SC 32 議長によればセクレタリを交代させように
も財政的な問題から,米国 ANSI-INCITE からボラン
ティアで引き受けているセクレタリの変更はできな
いとのことである.従って,このような運用を受け入
れざるを得ない状況にある.
(5) その他
JTC 1 サンディエゴ総会での決議(Res.#33)を受け
て,”Next Generation Analytics”分野に関して開発可
能性の議論を行う Study Period が,Keith Hare 氏を中
心に進められている.
今回は,以下の文書をベースに議論が行われた.
・ ISO/IEC JTC1 SC32N2383: ”Big data & Next
generation analytics”, Krishna Kulkarni and Keith W.
Hare.
・ ISO/IEC JTC1 SC32N2386: ” Next Generation
Analytics & Big Data (A Reference Model for Big
Data)”, Jangwon Gim, Sungjoon Lim, and Hanmin
Jung.
・ ISO/IEC JTC 1/SC 32 N 2388: “SC32 Study Group
on Next Generation Analytics”, Keith W. Hare.
これらの文書をベースに議論が行われたが,参加者
の考えるビッグデータの定義,モデルなど基本的な部
分で異なるために,特に成果を生んだ訳ではない.こ
の Study Period は継続して議論することになった.
今後の SC 32 運営に関して,アクティブな参加国は,
日本・中国・韓国・米国の 4 カ国と,それにカナダ・
英国・ドイツであり,参加国が減少していることに加
えて,経験がある参加者の減少及び高齢化で,新たに
ビッグデータを利用するデータマイニング及びその
基盤となる SQL 機能の開発を WG 3 及び WG 4 で議
論しても方向性が決まらず,活発であると言い難い状
況が生まれつつある.また,Web サービス及びクラウ
ドへの関心事から WG 2 へ中国・韓国からの参加者が
増加する傾向にあるが,プロジェクト分割が無秩序に
肥大化しないように産業界のニーズに基づくものか
精査しながら運営させたい.さらに,Directives に沿っ
ていないバイアスされた運営及び議事の強行がない
ように,日本としてはそのような議事運営を改善する
ように継続的に腐心していく.
5. 各 WG の特記事項
(1)WG 1(Open-edi)関連
WG 1 は,対応する国内組織が廃止されている.SC
32 専門委員会で対応しているが,投票コメントの解
決及び情報収集のためエキスパートを派遣した.
① 15944-6 2nd(Technical introduction to eBusiness
modeling)は定期見直し時期になることから改版の必
要性について議論を行った.技術的には改版は不要で
あるが,参照文書が更新されたことによる発行年の修
正など編集的修正が必要であることが指摘された.本
パートは日本が提案したことから今回の改版のエ
ディタを遠城氏が引き受けることとなり,10 月 31 日
までに改版案を作成し,Minor revision の手続きによ
る FDIS 投票に進める予定となった.
② 15944-8 ( Identification of privacy protection
requirements as external constraints on business
transactions)は,前回 Krakow 会議で「Privacy protection
requirements on Information life cycle management
(ILCM) and EDI」を付録として追加する方針としてい
たが,エディタの Jake Knoppers 氏が再度新規パート
としたいと再提案した[N0692]
.新規パートとする
べき理由が明確でないことから新規パート化に反対
をしたが,他に反対が出なかったため,パート 12
「 Privacy protection requirements on information life
cycle management (ILCM) in EDI」が新設されることと
なった.
③ 15944-11(Descriptive Techniques for Foundational
Modeling in Open-ed)は,前回 Krakow 会議の決議と
して本プロジェクトを一時停止とすることをセクレ
タリの Timothy D. Schoechle 氏に依頼していたが,以
下の返事があった.
(a) プロジェクトの一時停止は使わなくなったの
で出来ない.
(b) パート 11 が登録されていない.取り下げた
パート 3 に関する話か?
コナ総会でパート 3 の取り下げとパート 11 の新設
を決議していたが,セクレタリが登録処理を行ってい
なかったようである.パート 3 とパート 11 はスコー
プが似ているが,パート 3 はエディタが引退したため
に取り下げ,似ているが新たなスコープのパート 11
を分割し新たなエディタを任命したという説明を
行っていた.
セクレタリからは一時停止は無いので既に WD を
作成しているのであれば継続するのがよいとアドバ
イスされたため,エディタの Bill McCarthy 氏は WD
作成を継続検討することとなった.未登録解決のため
に再度決議を行い,登録依頼することとなった.
しかし,実際に WD 作成を行う Christian Huemer 氏
( 基 に す る 予 定 の UMM ( UN/CEFACTModeling
Methodology)を作成)の状況に変化がないことから
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 22
これまで同様に進捗しないことが予想される.
④ この他,パート 2,4,5,7,9,20 について審議
がなされた.
(2) WG 2(Metadata)関連
主に日本がエディタを務めている規格の議論を行
い,それぞれ次のステップに進めることを合意した.
①MFI-1:Reference mode ed2 [エディタ:堀内氏,
Keith Gordon 氏(英)
]は,23N2365 "JTC 1/SC 32
Programme of Work"にて,本パートが"No project
shown by ITTF"となっていたため,再度プロジェ
クトを分割する.WD の議論の結果,タイトルを
"Framework"に変更し,次回中間会議にて,今回
の議論を反映した WD を確認後,11/30 に CD 投
票を開始することで合意した.
②MFI-10:Core model and basic mapping [エディタ:
岡部氏,Keith Gordon 氏(英)
]は,CD2 の BRM
を行い,全てのコメントの解決を確認した.
③MFI-6:Registry Summary[エディタ:安達氏,Laura
Reece 氏(米)]は,CD3 の BRM を行い,全ての
コメントの解決を確認し,DIS 投票を本年末
(12/31)に開始することで合意した.
④MFI-11: Structured model registering[エディタ:大
林氏]は,まったく進行していないため Withdraw
との打診があり,了承した.
⑤MFI-5,12,13 は,それぞれの BRM にて日本の
コメントへの対応を確認した.
(3) WG 3(Database Languages)関連
① 今回の会議は,次期 SQL2016 の CD 投票(2013 年
2 月~5 月)の結果を受けて,各国から集まった 290
件のコメント(仕様の不備,機能追加など)を解決す
る審議が中心である.日本は,SQL2011 の JIS 化作業
で見付けられた問題点に加えて,機能提案を含めて
150 件のコメントを提出した.これらのコメントの解
決を図ったが,コメントが 100 件以上残され継続審
議となった.
次期 SQL2016 の主要な提案機能を下記に示す.
・行間でのパターン認識(Row Pattern Recognition)
・連想配列
・JSON(JavaScript Object Notation)データ
・Generic(表)関数
・10 進浮動小数点数
・グラフ処理機能
・値式によるグループ化
・有限乗積を計算する集合関数
・多次元配列
② 履 歴 デ ー タ 管 理 ( system-version table 及 び
Application-time table)に関する概念の明確化,及び概
要あるいはユースケースを補足する目的で,技術報告
書 ISO/IEC TR 19075-2(Technical Reports - Part 2: SQL
Support for Time-Related Information)が開発されてい
る.今回は PDTR 文書が作成された.
また,SQL2016 の CD コメントで概要あるいはユー
スケースを補足する技術報告書が要望されており,以
下 3 件の TR について各々PDTR 文書が作成された.
・ ISO/IEC TR 19075-3 SQL Technical Reports - Part
3: SQL Embedded in Java
・ ISO/IEC TR 19075-4 SQL Technical Reports - Part
4: SQL with Java Routines and Types
・ ISO/IEC TR 19075-5 SQL Technical Reports - Part
5: SQL Row Pattern Recognition
③ SQL2011 の DCOR 投票(2013 年 2 月~5 月)の
結果を受けて,各国から集まった 199 件のコメントを
解消する審議が行われた.日本は,SQL JIS 委員会で
パート 1,2 の翻訳を進めているが,その審議過程で
見付かった誤りとそれらの解を技術訂正からなる 139
件のコメントを入力した.これらの主要なコメントの
審議で解決を図り,COR 文書(~2013/9/1)を作成す
ることとなった.
(4) WG 4(SQL Multimedia & Application Packages)
関連
① Part 3: Spatial の プロ ジェク トエ ディタ Mark
Ashworth 氏から辞任の申し出があり,後任に,US の
Paul Scarponcini 氏を任命することとした.また,CD
コメントについて,解決策は付いている 186 件のコメ
ントについて,エディタから一括して採択するとの提
案があり,問題が見つかれば,これらの案件について
は,再審議を行うこととして,これを承認した.残り
のコメントは,継続して審議することとした.
② Part 1: Framework に関して,
実際に WD を作成し,
来年の総会後に CD 化することを求めることとした.
6. 今後の開催予定
2014-06-09/13 成都(中)
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 23
NEWSLETTER 100 号の発刊にあたって
情報規格調査会委員長 伊藤 智
この NEWSLETTER は,情報規格調査会の活動をさ
さえる賛助員各社の方々に情報規格調査会の活動状
況をお知らせし,ご理解頂くとともに,各社の意見を
紹介して頂く場とすることを目的として発刊されま
した.1989 年 3 月に第一号を発刊後,年間 4 号(別
冊を除く)のペースで 25 年間発刊を続け,本号にて
記念すべき 100 号の発刊を迎えることとなりました.
この 25 年の間,本会の活動を余すことなく読者にお
伝えするとともに,標準化や情報技術に対する各社の
意見等を述べて頂くことができ,本会において非常に
大きな役割を果たしてくることができたと考えてい
ます.
今回,この原稿を書くにあたり,これまでの
NEWSLETTER を 振 り 返 っ て み ま し た . 最 近 の
NEWSLETTER しか見たことのない方は,是非一度読
み返してみてください.色々と興味深く,参考になる
解説や記事があります.例えば,27 号まで,
「ISO/IEC
JTC 1 と情報規格調査会 <解説シリーズ>」
として,
JTC 1 および当会がどのような組織で,どのように規
格を開発しているかなどが解説されています.39 号
では,1998 年第 13 回規格総会での議論が発端となり,
情報技術の国際標準化のあり方について,当時の棟上
昭男会長と高橋茂顧問の意見が掲載されています.69
号では,
「高橋茂 元情報規格調査会 会長を偲ぶ」特
集での寄稿があります.当時と現在では,多少状況の
違いはありますが,標準化活動に関わる者にとって,
とても参考になると思います.改めて,記録を残すこ
と,そして文章として意見を発信することの重要性を
認識しました.
時を経て,情報技術は発展し,電子化,ホームペー
ジ,ソーシャルメディア等々,広報の手段は少しずつ
変化してきています.今後,NEWSLETTER の形態は
変わるかもしれませんが,役割自身は変わることなく,
これからも活動を推進する人々と支援する人々の間
をつなぎ,情報規格調査会の活動の活性化に貢献して
くれるものと信じています.
これまで,記事,報告,意見等,NEWSLETTER に
原稿を執筆頂いた方々,編集や発刊のためにご尽力頂
いた広報委員と事務局の方々に深く感謝するととも
に,引き続き有益な NEWSLETTER を発行していくた
めに,皆様方の協力をお願い申し上げます.
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 24
<声のページ>
国内小委員会を中心に活動した標準化
10 年を振り返って
松尾 賢治((株)KDDI 研究所)
ISO/IEC JTC 1/SC 37/WG 3 に 2003 年の発足当時か
ら委員として参加し,バイオメトリクスデータのデー
タ交換フォーマットをテーマとする標準化に携わっ
てまいりました.2012 年からは WG 3 の幹事を務め
ており,振り返ると活動期間はおよそ 10 年に達しま
した.
私は通信キャリアの研究機関に所属しており,当時,
新たに顔認証の研究プロジェクトを立ち上げ,携帯電
話端末に生体認証機能が搭載される将来に備える心
構えでいました.社内には生体認証に関わる有識者が
居なかったことから,標準化活動は,社外の方々との
議論を通して非常に有益な情報が得られる,絶好の場
だと感じています.研究プロジェクトの立ち上げも比
較的にスムースに進められたと実感しています.
それまで私の認識していた標準化活動というと,自
社の活動を通じて得られた知見を寄書にまとめ,積極
的に国際の場で議論して,採用を目指す,というもの
でした.しかし残念ながら,標準化活動に関わってき
たこれまでの期間に,私の所属組織ではバイオメトリ
クスが主要なビジネスに位置づけられることはな
かったため,積極的な寄書の提案や旅費を確保して国
際の議論の場に参加する,という活動は行えませんで
した.では,何をやったか?ですが.
標準化活動を通して社内の活動だけでは得られな
い有益な知見や人脈が得られたのも事実でしたので,
「得た分は国が不利益を被らないように還元しよう」,
というボランティア精神にも近い想いを持って,他国
から提案される草案の確認,コメント作成に努めまし
た.結果,情報収集と還元の良いサイクルを生み出し,
長い期間標準化活動に携われたのだと考えます.この
ように,国内で開催される小委員会への参加がメイン
の活動でしたが,私が得た分が少しでも還元できてい
れば,と願うばかりです.同じような境遇の委員も多
いかもしれません.標準化活動にかかわる方の立場は
様々かと予想します.私のように,標準化の主流,に
いなくとも,一定の貢献はできるのではないかと考え
ています.
最後にこの場をお借りして,2013 年度標準化貢献
賞の受賞について御礼を申し上げます.このような栄
誉ある賞を頂けましたのも,情報規格調査会の事務局
の皆様や SC 37 関係者の皆様のバックアップ,ならび
に私の所属する KDDI 研究所の標準化活動への理解
のお蔭によるものと,心から感謝申し上げます.
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<国際規格開発賞の表彰>
国際規格開発賞は,
当会に所属する Project Editor または Project Co-Editor の貢献に対して授与されるものです.
受賞者は表彰委員会で審議決定し,受賞対象の規格が発行された後に授与されます.
浜 壮一
(㈱富士通研究所)
緒方 日佐男
(日立オムロンターミナ
ルソリューションズ㈱)
2013 年 9 月の受賞者
ISO/IEC 19794-9:2011/Amd.1:2013
Information technology -- Biometric data interchange formats -- Part 9: Vascular image data
-- AMENDMENT 1: Conformance testing methodology
(SC 37,2013-3-15 発行)
2013 年 10 月の受賞者
向山 博
ISO/IEC TR 29154 (First Edition)
((独)情報処理推進機構) Software engineering -- Guide for the application of ISO/IEC 24773:2008 (Certification of
software engineering professionals -- Comparison framework) (SC 7,2013-8-1 発行)
2013 年 11 月の受賞者
岸 知二
ISO/IEC 26550 (First Edition)
Software and systems engineering – Reference model for product line engineering and
(早稲田大学)
management
(SC 7,2013-09-01 発行)
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 25
<2012 年度 JKA の補助状況報告>
以下の事業は,公益財団法人 JKA(オートレース)の補助を受けて実施しました.
補助事業名:平成 24 年度 国際競争力強化に資する情報技術分野の標準化・規格化の推進に関する 補助事業
(1)国際規格回答原案等の調査作成
① 国際会議への代表者の派遣
2012 年度は競輪の補助を受けてのべ 10 名派遣しました.
ISO 又は IEC 及び
TC/SC/WG 番号
会議開催期間
会議開催場所
(国名/都市名)
派遣者名
3
ISO/IEC JTC1/SC27/WG2
ISO/IEC JTC1/ WG6
ISO/IEC JTC1/SC2/WG2/IRG
2012-05-07/11
2012-05-21/25
2012-06-18/22
ストックホルム
済州島
慶州
宮地 充子
平野 芳行
高田 智和
4
ISO/IEC JTC1/SWG-D&AHS
2012-09-03/07
ベルリン
伊藤 智
5
ISO/IEC JTC1/ WG6
2012-09-05/07
ダブリン
平野 芳行
6
ISO/IEC JTC1/SC29/WG11
2012-10-14/19
上海
金子 格
7
ISO/IEC JTC1/SC2/WG2
2012-10-22/26
チェンマイ
織田 哲治
8
ISO/IEC JTC1 総会
2012-11-05/10
済州島
榎本 義彦
9
ISO/IEC JTC1/SC34/WG4
2013-02-04/07
コペンハーゲン
村田 真
10
ISO/IEC JTC1/ WG8(旧 WG6) 2013-03-05/08
シドニー
平野 芳行
1
2
② 国内委員会開催
対象分野の国際規格開発に対応する国内委員会を登録委員・エキスパート・オブザーバを召集して開催しま
した.
委員会名
回数
技術委員会
11 回
JTC 1/WG 6 小委員会
9回
JTC 1/WG 8 小委員会
1回
アクセシビリティ SWG 小委員会
3回
ディレクティブズ SWG 小委員会
12 回
インターネットオブシングス SWG 小委員会
2回
SC 2 専門委員会
12 回
SC 23 専門委員会
16 回
SC 27 専門委員会
101 回
SC 29 専門委員会
27 回
SC 32 専門委員会
25 回
SC 34 専門委員会
9回
SC 35 専門委員会
7回
合計
235 回
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 26
<わが社の標準化への取り組み>
日本マイクロソフト株式会社
成井 良久(法務・政策企画統括本部)
1. はじめに
日本マイクロソフトの標準化担当として就任後ま
だ間もないですが,わかる範囲で良い面や課題なども
含め,弊社の標準化への取り組みについて紹介させて
いただきます.
2. 日本マイクロソフト株式会社について
米 国 ワ シ ン ト ン 州 に 本 社 を 置 く Microsoft
Corporation(以降 Microsoft)の全世界共通のミッショ
ンは,
“世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能
性を最大限に引き出すための支援をすること” です.
このミッションを達成すべく,全世界約 100,000 人,
うち約 2,200 人(2013 年 7 月時点)が日本法人で活動を
しています.弊社は 2011 年,社名に "日本" という
冠を付け,"日本マイクロソフト株式会社" となりま
した.日本のさらなる成長を目指すと共に,日本に根
付き,社会の皆様から尊敬される企業となるという意
志表明です.いわゆる外資ではありますが,日本人を
中心としたリーダーシップチームのもと,
“日本企業”
としての意志を持ち,ソフトウェアおよび関連製品の
営業・マーケティングを行っています.
3. Microsoft の標準化組織
日本マイクロソフトには標準化担当部署は存在し
ません.各地域に身を置く標準化担当である NSO
(National Standards Officer)が各地域での標準化を担当
します.NSO は,各地域のビジネスグループに属す
るのではなく,
本社の標準化担当グループである CSG
(Corporate Standards Group)に属し,本社の開発戦略,
ビジネス戦略,中期戦略に基づいた標準化戦略に従い,
各地域で活動をします.CSG は,標準化ポリシー,
リーガルサポート,標準化技術戦略,そして NSO が
所属するグローバル標準化の 4 つのグループから成
り,それぞれのグループがそれぞれの専門性を活かし
ながら,示された方針に基づいて One Microsoft とし
て活動をしています.
各地域で日々の標準化活動をするにあたり,NSO
はその地域で“Good corporate standards citizen”であ
るべきと考えています.その地域で能動的,且つ効率
的に活動するためには,その地域の“良き市民”とし
て根付き,その地域の活性化のために貢献することが
重要だと考えています.
4. 標準化への取り組み
CSG は,ビジネスグループが進める標準化活動を
サポートするためのグループです.あくまでもビジネ
スが主体で,それを最大化するために標準化グループ
はサポートグループとして活動しています.ビジネス
戦略に基づき,米国を中心に,世界で 150 以上の標
準化団体,400 以上の WG に参加しています.
ISO, IEC,
ITU, JTC 1 などの国際標準化団体,ETSI などの地域
団体,OASIS, W3C, IETF などのコンソーシアム,さ
らに各地域の標準化団体が主な活動場所です.
「デバイス&サービス」をキーワードとし,クラウ
ド,ドキュメント,アクセシビリティ,セキュリティ,
ソフトウェアを注力すべきエリアとして位置付けて
います.JTC 1 は最重要標準化機関であり,多くのエ
キスパートが参加しています.日本でも,SC 2, SC 7,
SC 27, SC 34, SC 35, SC 38, そしてポリシー関連の国
内委員会に委員を送っています.中でも漢字などを含
む文字コード,ドキュメントフォーマットの標準化は,
電子メール,インターネットのホームページなどでの
情報交換のための重要な役を果たしており,これら日
本特有の標準化活動にも日本マイクロソフトとして
長年貢献をさせていただいています.
社内での標準化の方針の決定,並びにそれを浸透さ
せるプロセスには質も量も十分なコミュニケーショ
ンが必須です.特に各地域に分散し,単独で活動をし
ている NSO の間では,文化,言語はもちろんのこと,
国家戦略,国内標準化委員会構成,Microsoft の社会
的ポジションなどがそれぞれの地域で異なり,より一
層お互いの理解のための努力が必要になってきます.
弊社のコミュニケーションツールである Lync を活用
することによって,相手のスケジュールや在席状況を
確認し,すぐに自分の席からビデオ会議ができる状況
になっており,必要な時に違う地域のメンバとも簡単
にコミュニケーションが取れるようになっています.
また,定期的に標準化チーム全体で顔を合わせる機会
を持つことにより,One Microsoft としてのチームの結
束や,本社からのメッセージの確実な伝達などを行っ
ています.
5. おわりに
全世界の Microsoft 社員が共有する 6 つ価値観のう
ちの一つに,Open and Respectful(オープンで,相手
に敬意を表すること)があります.
(残りの 5 つにつ
いてご興味のある方は,こちらの URL をご覧くださ
い.
http://www.microsoft.com/ja-jp/mscorp/mission/default.as
px)
標準化も同様に,この価値観に基づいて,オープンな
環境で,お互い尊敬し合いながら活動していくことが
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 27
重要だと考えています.昔のように 1 社で技術標準を
決める時代はすでに遠く,今はオープンな環境の中で
こそ,グローバルに有意義な標準が形成されると認識
しています.企業対企業,企業対団体,そして企業対
大学で,それぞれの得意な分野で補完しあう形で協業
し,標準化活動がさらに活性化され,標準化の世界の
中で日本がもっと注目されるよう貢献をしていきた
いと思います.
この限られたスペースの中,全てをご紹介すること
は叶いませんでしたので,ぜひ皆様とは別な機会に情
報交換をさせていただき,互恵関係を築けることがで
きたらと考えております.よろしくお願いいたします.
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<編集後記>
日本人が真面目であるというのは,日本人だけでな
く,外国人の多くも認めることであろう.国際標準化
活動においても,この日本人の特性は大いに発揮され
る.日本以外からはコメントは全くなく反対投票はな
いのに,日本だけが 10 を超える技術コメントを出し
て反対投票,という状況をときどき目にするように思
う.ドラフトをしっかり読んで国際標準のあるべき姿
を考えれば,技術コメントはそれなりの数になり,反
対するしかない,ということにもなる.日本の側から
見れば当然のことだが,外国から見れば日本は反対ば
かりする変な国と見られているかも知れない.日本の
国際標準化活動はいかにあるべきか.
「何に取り組むにしても先ず方針があるべきだ.国
際標準化活動においても同様であり,新規開発項目投
票は,そのプロジェクトに対するその国の方針に他な
らない.にもかかわらず,投票では反対していたのに,
どの国よりも熱心にコメントを出しているというこ
とが,日本では時としてある.諸々の状況変化もあろ
うが,その国際貢献は,かけた時間・費用に見合った
実を結ぶのだろうか.国際標準になった後の価値を考
えて,メリハリのついた活動をしても良いのではない
だろうか.
」
「日本は,やや停滞状況にあるとは言え,世界の経
済大国である.経済大国として,できる限り多くのプ
ロジェクトに対して,日本人の勤勉性に根差すコメン
トを出して行くことこそが国際貢献である.『あの国
際標準は,日本の寄書やコメントがあったから意味の
ある国際標準になったが,日本の貢献がなかったら存
在価値が低かったであろう』という文章を読んで,読
者各位はそのような国際標準を容易にいくつか例示
することができるのではないだろうか.このような活
動を日本は継続すべきである.
」
さて,あなたはどのように標準化活動に取り組んで
行きますか.
(MY 生)
発
行
人
一般社団法人 情 報 処 理 学 会
情報規格調査会
広報委員会
〒105-0011 東京都港区芝公園 3-5-8
機械振興会館 308-3
Tel: 03-3431-2808
Fax: 03-3431-6493
[email protected]
http://www.itscj.ipsj.or.jp/
IPSJ / ITSCJ NL100 2013.12 28
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