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OECD/WTO 付加価値貿易(TIVA)指標
OECD/WTO 付加価値貿易(TIVA)指標 日本 日本の輸出に占める国内付加価値の割合は約 85%(2009 年)で、他の OECD 諸国に比べ、 かなり高い(図 1)。 重要な鉱物資源を保有する経済大国は、国内付加価値生産の割合が高い 傾向にある。多くの OECD 諸国のように、日本の国内付加価値生産は 1995 年(93%)以 来、下降線を辿っている。しかし 2008 年(81%)と比較すると 2009 年は増加している。 これは、経済危機発生直後に国内付加価値の割合の高いバリューチェーンよりもグローバ ルバリューチェーンに不均衡なインパクトが生じた為である。 図 1:輸出総額に占める国内付加価値の割合 % 100% 2009 1995 80% 60% 40% 20% LUX SVK IRL KOR HUN CZE ISL NLD BEL SVN FIN SWE EST CHN PRT DNK AUT ISR MEX CHE POL DEU FRA GRC IND TUR ESP ITA CAN CHL NZL GBR ZAF NOR JPN IDN AUS USA BRA RUS 0% モノに関して、輸出に占める外国製品の割合は、2009 年では化学&鉱物、金属及び電気機 器産業が最も高く、その割合は約 20%であった。(図 2) 他国に比べて低いが、日本の輸出に占める外国製品を含む輸出総額は、産業全般を通して 顕著に増加しており、1995 年以来 2 倍になった。 図 2:輸出総額に占める国外付加価値の割合、産業別% 2009 1995 25% 20% 15% 10% Total Other services Business services Finance & insurance Transport & telecoms Wholesale & retail Other manufactures Transport equipment Electrical equipment Machinery Basic metals Chemicals & minerals Wood & paper Textiles & apparel Food products Mining 0% Agriculture 5% 輸出品製造に使われる中間資材輸入の割合が高い分野は、2009 年においては、電気機器 (41%)、金属(39%)、輸送機器(38%)、機械類(32%)であった。これらは、日本がグ ローバルバリューチェーンに、より組み込まれた分野である。中間資材輸入総額の 20%は、 輸出品製造に使用された。同シェアは、1995 年と比べ、全ての分野で上昇した。 図 3:輸出品に占める輸入中間投入の割合、輸入分野別、% 2009 1995 60% 40% Total Other services Business services Finance & insurance Transport & telecoms Wholesale & retail Utilities Other manufactures Transport equipment Electrical equipment Machinery Basic metals Chemicals & minerals Wood & paper Textiles & apparel Food products Agriculture 0% Mining 20% 日本の電気機器製造に伴う、主要な中間投入財・サービスの供給地域である東アジア、東 南アジアおよび北米における波及効果は著しく増加した。欧州はサービス提供を通して貢 献し、その一方、鉱物製品は、豪州やサウジアラビアのような上記地域以外の国々から供 給される。 図 4:電気機器における外国付加価値の割合、原産地域と産業別、% East and S.E. Asia Europe North America Other regions South America 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 1995 2009 Mining Chemicals & minerals Basic metals Electrical Transport Wholesale Transport & Finance & equipment equipment and retail telecoms insurance Business services Other (図 4 は、TiVA データベースが、特定国の特定分野の生産において、外国付加価値の原産国に焦点を 当ててどのように使われているかを示している。) 貿易総額フローを見ると(図 5)、米国と中国は明らかに日本の主要貿易国である。日本の 輸出の約 37%を占め、輸入のおよそ 3 分の 1 の原産国である。中国は輸出総額では最大の パートナーではあるが、付加価値でみると米国の重要性が増し、日本の最大のパートナー となっている。米国およびその他 OECD 国の付加価値輸出が大きくなる要因は、中国、韓 国、台湾、タイ、マレーシアなどの近隣アジア諸国への中間財輸出は、最終的にその他の 先進諸国で消費されているためである。 図 5a:相手国別、輸出総額と付加価値(総額中の割合)2009 年 Gross exports (EXGRSH) 25.0 Domestic value added in foreign final demand (FDDVASH) 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 USA CHN KOR DEU TWN AUS GBR FRA CAN THA RUS IDN IND ITA MYS 図 5b:相手国別、輸入総額と付加価値(総額中の割合)2009 年 Gross imports (IMGRSH) Foreign value added in domestic final demand (FDFVASH) 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 USA CHN AUS SAU DEU KOR IDN GBR THA RUS TWN MYS FRA CAN ITA 輸出における国内付加価値と、輸出における中間投入を併せると、日本の主要貿易相手国 との貿易収支の位置が、 (OECD-WTO TiVA データベースに記録されているように)著し く異なることが明らかになる。多くの国(豪州やサウジアラビアのような顕著な上流国) に対して、日本は貿易赤字があるが、付加価値で見ると、その赤字は減る。これは日本の 第 3 国への輸出品に、これらの国々からの輸入品が含まれていることを反映している。 同様に、日本から下流である「アジアの工場」にある国々に対する貿易黒字は減少する。 これらの国々の米国といった第三国への輸出品に組み込まれた日本の付加価値を反映した ものである。これは、米国に対する日本の貿易黒字がより大きくなる所以でもある。 図 6:2 国間貿易収支、100 万米ドル、2009 年 2009 Gross Trade surplus/deficit (TSGR) 2009 Value Added surplus/deficit (TSVAFD) 40,000 30,000 20,000 10,000 0 ‐10,000 ‐20,000 ‐30,000 TWN KOR CHN USA MEX THA ITA IRL CHE IDN AUS SAU 付加価値でみると、日本の約 40%の輸出は、サービスによる貢献である。この割合は OECD 平均(約 48%)と比べると比較的低いが、カナダ、韓国、メキシコといったいくつかの OECD 諸国よりは高い。これは、日本の製造品輸出の割合が高いことを反映しているが、従来の 貿易統計に記録されたサービス輸出シェア(約 15%)の 2 倍以上になる。多くの他国同様、 これは製造業分野の輸出に、サービスが重要な役割を果たしていることに起因する。 図 7:輸出総額に占めるサービス、2009 年 90.0 Domestic content 80.0 Foreign content Total 1995 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 10.0 LUX GRC ISL IRL ESP GBR BEL DNK FIN IND PRT SWE ISR AUT EST FRA CHE USA ITA DEU NZL TUR SVN NLD POL JPN HUN CZE AUS SVK ZAF KOR BRA CAN RUS NOR CHL MEX IDN CHN 0.0 図 8:輸出総額に占めるサービス、産業別、2009 年 Foreign service contents Domestic service contents 1995 Total 60% 50% 40% 30% 20% Other manufactures Transport equipment Electrical equipment Machinery Basic metals Chemicals & minerals Wood & paper Textiles & apparel Mining Agriculture 0% Food products 10% このカントリーノートに収録されている情報は、2013 年 5 月に発表された貿易付加価値デ ータベースに基づいています。データは、www.oecd.org/trade/valueadded.よりアクセスい ただけます。お問い合わせは、[email protected] までお願いします。