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川島 眞 先生

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川島 眞 先生
Key Message インタビュー
細胞レベルでお肌をチェック
─肌トラブルを未然に防ぐ
「角層バイオマーカー ®」─
コメンテーター
川島 眞
先生
東京女子医科大学皮膚科学教室 教授
最近増えている乾燥敏感肌は,ささいな刺激で皮膚の状態が変化し,肌トラブルを招
きやすいが,新発売の「角層バイオマーカー ®」は,皮膚の状態が細胞レベルまでわ
かるという.この画期的な新製品で皮膚の状態を把握しておけば,肌トラブルは未然
に防げるかもしれない.川島 眞先生にお話をうかがった.
肌の老化を一気に進める「肌トラブル」
Q
川島先生が,最近特に増えて
水分の保持とバリア機能維持に重要
と乾燥して敏感になっている肌が刺
いると感じられる「肌トラブ
な役割を果たす角質細胞間脂質であ
激を受けることで,バリア機能の低
るセラミドが少ない状態にあると考
下や肌の状態の悪化によって,より
えられます.セラミドは,皮膚の角
刺激に敏感になっていく.これが
ル」はありますか?
川島 「乾燥肌」を基盤にもつ「敏
質層で細胞と細胞のあいだに存在し 「肌トラブルの悪循環」です.
感肌」が増えていると感じます.夏
て,脂質の層状構造を形成し,その
も,室内ではエアコンによる乾燥が
間に水分を結合することで肌の潤い
生じており,紫外線などの影響が加
を保ちます.セラミドが不足すると,
わって,意外に乾燥しやすいです. 水分を保つ力が弱くなり,乾燥しや
Q
「肌トラブル」を放置してお
くと皮膚の老化は進むので
しょうか?
乾燥は皮膚のバリア機能の低下もも
すくなります.
たらし,痒みの原因になります.現
角層が乾燥すると,そこに刺激を
代人は一年中,乾燥環境に置かれて
受け,炎症を生じて痒くなり,皮膚
おり,肌の乾燥は秋,冬だけの問題
を掻くと,バリア機能の低下につな
ではないと言えます.
がります.バリア機能が低下すると, 状態,すなわち,皮膚の内部の「炎
異物や刺激に対して皮膚が防御でき
川島 バリア機能の低下は,外界か
らの刺激を排除しようとしてリンパ
球などの免疫細胞が活性化しやすい
症」が起こりやすい状態を惹起して
季節によらず乾燥しやすく
なくなり,炎症が起こりやすくなり, しまいます.内部の「炎症」は,メ
刺激を感じやすい「乾燥敏
肌の状態が悪化して,さらに痒みや
ラノサイトを刺激してメラニン合成
感肌」とは,どのような肌状態なの
刺激に敏感になります.
を活性化することもわかっています.
でしょうか?
そして,角層が乾燥すると,痒み
したがって,カサつきのような肌ト
を感じる神経線維が伸び,より痒み
ラブルも放置しておくと,皮膚の老
に敏感になります.つまり,もとも
化が一気に進んでしまいます.
Q
川島 乾燥敏感肌は,角層において
SAMPLE
Vol.3 No.2 2015–11
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